説明

エアコン制御システム及びエアコン制御方法

【課題】エアコンを運転することによって消費されるエネルギーを小さくすることができ、環境に与える影響を小さくすることができるようにする。
【解決手段】現在地検出部と、現在地に基づいて目的地までの探索経路を探索する経路探索処理手段と、エアコンを標準モード及び省エネモードの各運転モードで運転する運転処理手段と、自車が目的地に到着するまでの所定のタイミングで運転モードの切換条件が成立したかどうかを判断する切換条件判定処理手段と、切換条件が成立した場合、運転モードを標準モードから省エネモードに切り換える運転モード切換手段とを有する。切換条件が成立した場合、運転モードを標準モードから省エネモードに切り換えるので、エアコンを運転することによって消費されるエネルギーを小さくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアコン制御システム及びエアコン制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置においては、例えば、GPS(グローバルポジショニングシステム)によって自車である車両の現在の位置、すなわち、現在地が検出され、データ記録部から地図データが読み出され、表示部に地図画面が形成され、該地図画面に、現在地を表す自車位置、該自車位置の周辺の地図等が表示されるようになっている。したがって、運転者は、前記地図画面に表示された自車位置等に従って車両を走行させることができる。
【0003】
また、運転者が目的地を入力し、探索条件を設定すると、該探索条件に基づいて、経路探索処理が行われ、前記地図データに従って現在地で表される出発地から目的地までの経路が探索される。そして、探索された経路、すなわち、探索経路は前記地図画面に自車位置と共に表示され、探索経路の案内、すなわち、経路案内が行われる。したがって、運転者は表示された探索経路に沿って車両を走行させることができる。
【0004】
ところで、前記車両には、各種の補機が配設されるようになっている。そのうち、エアコンにおいては、操作者である運転者がエアコンの操作部においてスイッチをオンにすると、エアコンの運転が開始され、スイッチをオフにすると、エアコンの運転が停止させられる。
【0005】
そして、車両の車室内の所定の箇所に、車室内の温度を検出する室内温度センサが配設され、検出された温度があらかじめ設定された温度になるように、エアコンがオン・オフさせられる(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2005−350031号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来のエアコンにおいては、運転者がエアコンのスイッチをオフにするまで、エアコンが運転されたままになるので、消費されるエネルギーが大きくなるだけでなく、環境に与える影響も大きくなってしまう。
【0007】
本発明は、前記従来のエアコンの問題点を解決して、エアコンを運転することによって消費されるエネルギーを小さくすることができ、環境に与える影響を小さくすることができるエアコン制御システム及びエアコン制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのために、本発明のエアコン制御システムにおいては、自車の現在地を検出する現在地検出部と、前記現在地に基づいて目的地までの探索経路を探索する経路探索処理手段と、エアコンを標準モード及び省エネモードの各運転モードで運転する運転処理手段と、自車が目的地に到着するまでの所定のタイミングで運転モードの切換条件が成立したかどうかを判断する切換条件判定処理手段と、前記切換条件が成立した場合、運転モードを標準モードから省エネモードに切り換える運転モード切換手段とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、自車が目的地に到着するまでの所定のタイミングで運転モードの切換条件が成立したかどうかを判断し、切換条件が成立した場合、運転モードを標準モードから省エネモードに切り換えるので、エアコンを運転することによって消費されるエネルギーを小さくすることができ、環境に与える影響を小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この場合、エアコン制御システムとしてのナビゲーションシステムについて説明する。
【0011】
図1は本発明の実施の形態におけるナビゲーションシステムを示す図、図2は本発明の実施の形態におけるエアコンの制御装置のブロック図である。
【0012】
図において、10はパワートレイン制御部としての自動変速機制御部であり、該自動変速機制御部10は、所定の変速比で変速を行うパワートレイン、例えば、自動変速機としての無段変速機(CVT)、有段変速機(オートマチックトランスミッション)、電動駆動装置等の制御を行う。
【0013】
そして、14は情報端末、例えば、車両に搭載された車載装置としてのナビゲーション装置、63はネットワーク、51は情報提供者としての情報センタであり、前記自動変速機制御部10、ナビゲーション装置14、ネットワーク63、情報センタ51等によってナビゲーションシステムが構成される。
【0014】
前記ナビゲーション装置14は、自車の現在地を検出する現在地検出部としてのGPSセンサ15、地図データのほかに各種の情報が記録された情報記録部としてのデータ記録部16、入力された情報に基づいて、ナビゲーション処理等の各種の演算処理を行うナビゲーション処理部17、自車方位を検出する方位検出部としての方位センサ18、操作者である運転者が所定の入力を行うための第1の入力部としての操作部34、図示されない画面に表示された画像によって各種の表示を行い、運転者に通知するための第1の出力部としての表示部35、音声によって所定の入力を行うための第2の入力部としての音声入力部36、音声によって各種の表示を行い、運転者に通知するための第2の出力部としての音声出力部37、及び通信端末として機能する送受信部としての通信部38を備え、前記ナビゲーション処理部17に、GPSセンサ15、データ記録部16、方位センサ18、操作部34、表示部35、音声入力部36、音声出力部37及び通信部38が接続される。
【0015】
また、前記ナビゲーション処理部17には、前記自動変速機制御部10、車両の前端の所定の箇所に取り付けられ、車両の前方を監視する前方監視装置48、車両の後端の所定の箇所に取り付けられ、車両の後方を撮影する撮像装置としての、かつ、後方監視部としてのバックカメラ(後方監視カメラ)49、車両の前端の所定の箇所に取り付けられ、車両の前方を撮影する撮像装置としての、かつ、前方監視部としての図示されないフロントカメラ(前方監視カメラ)、運転者による図示されないアクセルペダルの操作をアクセル開度で検出するエンジン負荷検出部としてのアクセルセンサ42、運転者による図示されないブレーキペダルの操作をブレーキ踏込量で検出する制動検出部としてのブレーキセンサ43、車速を検出する車速検出部としての車速センサ44、車室内の温度を検出する第1の温度検出部としての室内温度センサ45、外気の温度を検出する第2の温度検出部としての外気温センサ46、エアコン制御部47等が接続される。なお、アクセルセンサ42、ブレーキセンサ43等は運転者による車両の操作情報を検出するための操作情報検出部を構成する。また、撮像装置として、車両の側方を監視するためのサイドカメラ等の各種のカメラを使用することができる。
【0016】
前記GPSセンサ15は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することによって地球上における現在地を検出し、併せて時刻を検出する。本実施の形態においては、現在地検出部としてGPSセンサ15を使用するようになっているが、該GPSセンサ15に代えて、図示されない距離センサ、ステアリングセンサ、高度計等を単独で、又は組み合わせて使用することもできる。また、前記方位センサ18としてジャイロセンサ、地磁気センサ等を使用することができる。なお、本実施の形態においては、方位センサ18、車速センサ44等が配設されるようになっているが、自車方位、車速等を検出する機能を有するGPSセンサを使用する場合、方位センサ18、車速センサ44等は不要である。
【0017】
前記データ記録部16は、地図データファイルから成る地図データベースを備え、該地図データベースに地図データが記録される。該地図データには、交差点に関する交差点データ、ノードに関するノードデータ、道路リンクに関する道路データ、探索用に加工された探索データ、施設に関する施設データ等が含まれるほか、道路上の地物に関する地物データが含まれる。
【0018】
前記地物は、運転者に各種の走行上の情報を提供したり、各種の走行上の案内を行ったりするために道路上に設置、又は形成された表示物であり、表示線、路上標識、横断歩道、マンホールの蓋(ふた)、信号機等から成る。前記表示線には、道路の車両を停止させるための停止線、各レーンを区分する車両通行帯境界線、駐車スペースを表す区画線等が含まれ、前記路上標識には、各レーン上に形成され、レーンにおける進行方向を矢印によって表す通行区分標識、「止まれ」等のように一時停止箇所(非優先道路から優先道路への進入箇所、踏切、赤信号が点滅する交差点等が含まれる。)を予告したり、各レーン上に形成され、レーンにおいて「○○方面」等のように方面案内をしたりする案内標識等が含まれる。前記車両通行帯境界線には、道路の路肩側及び反対車線側において実線で形成された道路境界線、及び各道路境界線によって挟まれた領域で、各レーン間において破線で形成されたレーン境界線が含まれる。
【0019】
そして、前記地物データには、各地物の位置を座標等で表す位置情報、各地物をイメージで表す画像情報等が含まれる。なお、後述される電波ビーコン装置、光ビーコン装置等を地物としてとらえた場合、現況の交通情報は各レーンごとに異なる信号で車両に送られる。したがって、電波ビーコン装置、光ビーコン装置等から送られる信号も地物データに含まれる。
【0020】
また、前記レーンに関する道路データには、道路の車線数を表すレーン数、道路上の各レーンごとに付与されたレーン番号、レーンの位置情報等から成るレーンデータ(レーン情報)が含まれる。なお、該レーンデータには、バスレーンに関する情報、すなわち、バスレーン情報、リバーシブルレーンに関する情報、すなわち、リバーシブルレーン情報も含まれる。
【0021】
なお、前記データ記録部16には、所定の情報を音声出力部37によって出力するためのデータも記録される。
【0022】
さらに、前記データ記録部16には、統計データファイルから成る統計データベース、走行履歴データファイルから成る走行履歴データベース等が形成され、前記統計データファイルに統計データが、前記走行履歴データファイルに走行履歴データが、いずれも実績データとして記録される。
【0023】
前記統計データは、過去に提供された交通情報の実績、すなわち、履歴を表す履歴情報であり、情報提供者としてのVICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等の図示されない道路交通情報センタ等によって過去に提供された交通情報、及び国土交通省によって提供された道路交通センサスによる交通量を表すデータである道路交通センサス情報、国土交通省によって提供された道路時刻表情報等を単独で、又は組み合わせて使用し、必要に応じて、加工し、統計処理を施すことによって作成される。なお、前記統計データに、渋滞状況を予測する渋滞予測情報等を加えることもできる。その場合、前記統計データを作成するに当たり、履歴情報に、日時、曜日、天候、各種イベント、季節、施設の情報(デパート、スーパーマーケット等の大型の施設の有無)等の詳細な条件が加えられる。
【0024】
そして、前記統計データのデータ項目は、各道路リンクについてのリンク番号、走行方向を表す方向フラグ、情報の種類を表す情報種別、所定のタイミングごとの渋滞度、前記各道路リンクを走行したときの、所定のタイミングごとの所要時間を表すリンク所要時間、該リンク所要時間の各曜日ごとの平均的なデータ、例えば、曜日平均データ等から成る。
【0025】
また、前記走行履歴データは、情報センタ51によって複数の車両、すなわち、自車又は他車から収集され、各車両が走行した道路における車両の走行の実績、すなわち、走行実績を表す実績情報であり、走行データに基づいてプローブデータとして算出され、蓄積される。
【0026】
前記走行履歴データのデータ項目は、各道路リンクを走行したときの、所定のタイミングごとのリンク所要時間、各道路リンクを走行したときの、所定のタイミングごとの渋滞度等から成る。なお、前記統計データに、走行履歴データを加えることができる。また、本実施の形態において、渋滞度は、渋滞の度合いを表す渋滞指標として使用され、渋滞、混雑及び非渋滞の別で表される。
【0027】
前記データ記録部16は、前記各種のデータを記録するために、ハードディスク、CD、DVD、光ディスク等の図示されないディスクを備えるほかに、各種のデータを読み出したり、書き込んだりするための読出・書込ヘッド等の図示されないヘッドを備える。また、前記データ記録部16にメモリカード等を使用することができる。なお、前記各ディスク、メモリカード等によって外部記憶装置が構成される。
【0028】
本実施の形態においては、前記データ記録部16に、前記地図データベース、統計データベース、走行履歴データベース等が形成されるようになっているが、情報センタ51において、前記地図データベース、統計データベース、走行履歴データベース等を形成することもできる。
【0029】
また、前記ナビゲーション処理部17は、ナビゲーション装置14の全体の制御を行う制御装置としての、かつ、演算装置としてのCPU31、該CPU31が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM32、制御用のプログラムのほか、目的地までの経路の探索、経路案内等を行うための各種のプログラムが記録されたROM33、各種のデータ、プログラム等を記録するために使用される図示されないフラッシュメモリを備える。なお、前記RAM32、ROM33、フラッシュメモリ等によって、内部記憶装置が構成される。
【0030】
本実施の形態においては、前記ROM33に各種のプログラムを記録し、前記データ記録部16に各種のデータを記録することができるが、プログラム、データ等をディスク等に記録することもできる。この場合、ディスク等から前記プログラム、データ等を読み出してフラッシュメモリに書き込むことができる。したがって、ディスク等を交換することによって前記プログラム、データ等を更新することができる。また、前記自動変速機制御部10の制御用のプログラム、データ等も前記ディスク等に記録することができる。さらに、通信部38を介して前記プログラム、データ等を受信し、ナビゲーション処理部17のフラッシュメモリに書き込むこともできる。
【0031】
前記操作部34は、運転者が操作することによって、走行開始時の現在地を修正したり、出発地及び目的地を入力したり、通過点を入力したり、通信部38を作動させたりするためのものであり、前記操作部34として、表示部35とは独立に配設されたキーボード、マウス等を使用することができる。また、前記操作部34として、前記表示部35に形成された画面に画像で表示された各種のキー、スイッチ、ボタン等の画像操作部をタッチ又はクリックすることによって、所定の入力操作を行うことができるようにしたタッチパネルを使用することができる。
【0032】
前記表示部35としてディスプレイが使用される。そして、表示部35に形成された各種の画面に、車両の現在地を自車位置として、車両の方位を自車方位として表示したり、地図、探索経路、該探索経路に沿った案内情報、交通情報等を表示したり、探索経路における次の交差点までの距離、次の交差点における進行方向を表示したりすることができるだけでなく、前記画像操作部、操作部34、音声入力部36等の操作案内、操作メニュー、キーの案内を表示したり、FM多重放送の番組等を表示したりすることができる。
【0033】
また、音声入力部36は、図示されないマイクロホン等によって構成され、音声によって必要な情報を入力することができる。さらに、音声出力部37は、図示されない音声合成装置及びスピーカを備え、音声出力部37から、前記探索経路、案内情報、交通情報等が、例えば、音声合成装置によって合成された音声で出力される。
【0034】
前記通信部38は、前記道路交通情報センタから送信された現況の交通情報、一般情報等の各種の情報を、道路に沿って配設された電波ビーコン装置、光ビーコン装置等を介して電波ビーコン、光ビーコン等として受信するためのビーコンレシーバ、FM放送局を介してFM多重放送として受信するためのFM受信機等を備える。なお、前記交通情報には、渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況情報等が含まれ、一般情報には、ニュース、天気予報等が含まれる。また、前記ビーコンレシーバ及びFM受信機は、ユニット化されてVICSレシーバとして配設されるようになっているが、別々に配設することもできる。
【0035】
前記交通情報は、情報の種別を表す情報種別、メッシュを特定するためのメッシュ番号、二つの地点、例えば、交差点間を連結する道路リンクを特定し、かつ、上り/下りの別を表すリンク番号、該リンク番号に対応させて提供される情報の内容を表すリンク情報を含み、例えば、交通情報が渋滞情報である場合、前記リンク情報は、前記道路リンクの始点から渋滞の先頭までの距離を表す渋滞先頭データ、渋滞度、渋滞区間を前記渋滞の先頭から渋滞の末尾までの距離を表す渋滞長、道路リンクを走行するのに必要な時間を表すリンク所要時間等から成る。
【0036】
そして、通信部38は、前記情報センタ51から、前記地図データ、統計データ、走行履歴データ等のデータのほか、交通情報、一般情報等の各種の情報をネットワーク63を介して受信することができる。
【0037】
そのために、前記情報センタ51は、サーバ53、該サーバ53に接続された通信部57及び情報記録部としてのデータベース(DB)58等を備え、前記サーバ53は、制御装置としての、かつ、演算装置としてのCPU54、RAM55、ROM56等を備える。また、前記データベース58に、前記データ記録部16に記録された各種のデータと同様のデータ、例えば、前記地図データ、統計データ、走行履歴データ等が記録される。さらに、情報センタ51は、前記道路交通情報センタから送信された現況の交通情報、一般情報等の各種の情報、及び複数の車両(自車又は他車)から収集した走行履歴データをリアルタイムに提供することができる。
【0038】
そして、前記前方監視装置48は、レーザレーダ、ミリ波レーダ等のレーダ、超音波センサ等、又はそれらの組合せから成り、車両の前方を走行している車両、すなわち、前方車両を監視したり、一時停止箇所、障害物等を監視したりする。また、前方監視装置48は、車両周辺情報として前方車両に対する相対的な車速を表す相対速度、一時停止箇所に対する接近速度、障害物に対する接近速度等を検出したり、車間距離、車間時間等を算出したりする。
【0039】
前記バックカメラ49は、CCD素子から成り、車両の後方を監視するために、光軸を斜め下方に向けて取り付けられ、前記地物のほかに、車両の後方を走行している車両である後方車両、道路脇の建造物、構造物等を被撮影物として撮影し、撮影された被撮影物の画像データを発生させ、CPU31に送る。また、前記フロントカメラは、同様に、CCD素子から成り、車両の前方を監視するために、光軸を斜め下方に向けて取り付けられ、前記地物のほかに、前方車両、道路脇の建造物、構造物、道路の上方に配設され、各レーンにおける進行方向を矢印によって表す案内標識等を被撮影物として撮影し、撮影された被撮影物の画像データを発生させ、CPU31に送る。該CPU31は、前記画像データを読み込み、画像データに対して画像処理を行うことによって、画像中の前記各被撮影物を認識対象物として認識する。本実施の形態においては、バックカメラ49及びフロントカメラとしてCCD素子が使用されるが、C−MOS素子等を使用することができる。
【0040】
なお、前記ナビゲーションシステム、ナビゲーション処理部17、CPU31、54、サーバ53等は、単独で、又は二つ以上組み合わせることによってコンピュータとして機能し、各種のプログラム、データ等に基づいて演算処理を行う。また、データ記録部16、RAM32、55、ROM33、56、データベース58、フラッシュメモリ等によって記録媒体が構成される。そして、演算装置として、CPU31、54に代えてMPU等を使用することもできる。
【0041】
次に、車両に搭載されたエアコンについて説明する。
【0042】
図2において、31は前記ナビゲーション処理部17に配設されたCPU、45は室内温度センサ、46は外気温センサ、47はエアコン制御部、48は空気吹出口に配設され、空気吹出口から噴き出された空気、すなわち、吹出し空気の温度を検出する第3の温度検出部としての送風温度センサ、61はエアコン、66は操作部であり、前記エアコン制御部47は、CPU31からの指示に従ってエアコン61の制御を行う。運転者は、前記操作部66を操作することによって、エアコン61の運転を開始したり、停止させたりすることができるだけでなく、車室内の温度を制御するための設定温度を設定することができる。
【0043】
また、前記エアコン61は、駆動源としてのエンジン(E/G)77のトルクを利用して作動させられる圧縮式冷凍機械62、エンジン77を冷却した後の高温の冷却液を利用して作動させられる空気加熱装置64、及び空気の流れを発生させ、車室内に供給する空気供給装置65を備える。
【0044】
前記圧縮式冷凍機械62は、圧縮機(C)69、凝縮器71、膨張弁72及び蒸発器73を冷媒回路において接続することによって形成され、前記圧縮機69は、断続要素としての電磁クラッチ75を介してエンジン77の出力軸に取り付けられたプーリ78に対して係脱自在に配設され、エアコン制御部47によって選択的に係脱させられる。
【0045】
また、前記空気加熱装置64は、図示されないラジエータ、熱交換器81及び開閉弁82を冷却液回路において接続することによって形成され、前記開閉弁82は、エアコン制御部47によって選択的に開閉させられる。
【0046】
さらに、前記空気供給装置65は、ブロア(B)85、電源86及びスイッチSW1を接続することによって形成され、スイッチSW1はエアコン制御部47によって選択的にオン・オフさせられる。なお、前記蒸発器73、熱交換器81、ブロア85は、ダクト83内に配設される。
【0047】
前記エアコン制御部47の図示されない空気調整処理手段は、空気調整処理を行い、車室内の温度を調整し、車室内を冷暖房することができる。すなわち、低温の空気を発生させる場合、前記空気調整処理手段が、空気供給装置65においてスイッチSW1をオンにし、ブロア85を作動させ、かつ、圧縮式冷凍機械62において、電磁クラッチ75を係合させると、プーリ78と圧縮機69とが連結され、エンジン77の回転が圧縮機69に伝達される。その結果、圧縮式冷凍機械62の運転が行われ、蒸発器73において低温の空気を発生させ、車室内に供給することができる。また、前記空気調整処理手段が、空気供給装置65においてスイッチSW1をオフにし、ブロア85を停止させ、かつ、圧縮式冷凍機械62において、電磁クラッチ75を解放すると、プーリ78と圧縮機69とが遮断され、圧縮式冷凍機械62の運転が停止させられる。その結果、蒸発器73において低温の空気は発生させられなくなる。
【0048】
また、高温の空気を発生させる場合、前記空気調整処理手段が、空気供給装置65においてスイッチSW1をオンにし、ブロア85を作動させ、かつ、空気加熱装置64において、開閉弁82を開放すると、冷却液が熱交換器81に供給される。その結果、熱交換器81において、高温の空気を発生させることができる。また、前記空気調整処理手段が、空気供給装置65においてスイッチSW1をオフにし、ブロア85を停止させ、かつ、開閉弁82を閉鎖すると、冷却液が熱交換器81に供給されなくなる。その結果、熱交換器81において、高温の空気が発生させられなくなる。
【0049】
このように、電磁クラッチ75を係脱させ、開閉弁82を開閉することによって、低温の空気又は高温の空気を選択的に発生させ、かつ、ダクト83内に配設された図示されないダンパを切り換えることによって、所望の温度の空気を発生させ、車室内に供給することができる。
【0050】
なお、前記空気調整処理手段は、空気供給装置65においてスイッチSW1をオンにし、ブロア85を作動させた状態で、圧縮式冷凍機械62において、電磁クラッチ75を解放すると、プーリ78と圧縮機69とが遮断され、圧縮式冷凍機械62の運転が停止させられる。その結果、蒸発器73において低温の空気は発生させられなくなり、ブロア85による送風だけが行われる。
【0051】
また、前記空気調整処理手段は、空気供給装置65においてスイッチSW1をオンにし、ブロア85を作動させた状態で、空気加熱装置64において、開閉弁82を閉鎖すると、冷却液が熱交換器81に供給されなくなる。その結果、熱交換器81において、高温の空気が発生させられなくなり、ブロア85による送風だけが行われる。
【0052】
次に、前記構成のナビゲーションシステムの基本動作について説明する。
【0053】
まず、運転者によって操作部34が操作され、ナビゲーション装置14が起動されると、CPU31の図示されないナビ初期化処理手段は、ナビ初期化処理を行い、GPSセンサ15によって検出された車両の現在地、方位センサ18によって検出された自車方位を読み込むとともに、各種のデータを初期化する。次に、前記CPU31の図示されないマッチング処理手段は、マッチング処理を行い、現在地を読み込み、読み込まれた現在地の軌跡、及び現在地の周辺の道路を構成する各道路リンクの形状、配列等に基づいて、現在地がいずれの道路リンク上に位置するかの判定を行うことによって、現在地を特定する。
【0054】
また、本実施の形態において、前記マッチング処理手段は、さらに、バックカメラ49によって撮影された前記被撮影物である各地物の位置に基づいて現在地を特定する。
【0055】
続いて、CPU31の図示されない基本情報取得処理手段は、基本情報取得処理を行い、前記地図データを、データ記録部16から読み出して取得するか、又は通信部38を介して情報センタ51等から受信して取得する。なお、地図データを情報センタ51等から取得する場合、前記基本情報取得処理手段は、受信した地図データをフラッシュメモリにダウンロードする。
【0056】
そして、前記CPU31の図示されない表示処理手段は、表示処理を行い、前記表示部35に各種の画面を形成する。例えば、表示処理手段の地図表示処理手段は、地図表示処理を行い、表示部35に地図画面を形成し、該地図画面に周囲の地図を表示するとともに、現在地を自車位置として、車両の方位を自車方位として表示する。
【0057】
したがって、運転者は、前記地図、自車位置及び自車方位に従って車両を走行させることができる。
【0058】
なお、前記ナビゲーション装置14は、前記通信部38を介して交通情報、一般情報等を受信することができるようになっている。そのために、CPU31の図示されない付加情報取得処理手段は、付加情報取得処理を行い、前記交通情報、一般情報等を付加情報として受信して取得する。したがって、前記表示処理手段は、前記地図画面に付加情報を表示する。
【0059】
前記交通情報は、情報の種別を表す情報種別データ、メッシュを特定するためのメッシュX、Yデータ、二つの地点(例えば、交差点)間を連結する道路リンクを特定し、かつ、上り/下りの別を表すリンク番号データ、該リンク番号データに対応させて提供される情報の内容を表すリンク情報を含み、該リンク情報は、例えば、前記道路リンクの始点から渋滞の先頭までの距離を表す渋滞先頭データ、渋滞の度合いを表す渋滞度合データ、渋滞区間を前記渋滞の先頭から渋滞の末尾までの渋滞長(距離)によって表す渋滞長データ等から成る。
【0060】
したがって、前記表示処理手段は、交通情報のうちの各リンク情報を、例えば、渋滞が発生している道路の上り/下りの別及び渋滞区間を表す交通状況指標としての渋滞矢印に変換し、該渋滞矢印を前記地図画面上の道路に沿って表示する。この場合、渋滞の度合いに応じて前記道路、渋滞矢印等の色が、赤、橙(だいだい)等に変更される。
【0061】
このようにして、運転者は、車両を走行させる予定の経路、探索経路等における渋滞状況を知ることができる。
【0062】
そして、CPU31の図示されない所要時間算出処理手段は、所要時間算出処理を行い、前記経路データ、統計データ、走行履歴データ、交通情報等に基づいて出発地から目的地までの全所要時間を算出し、目的地への到着時間を算出する。なお、前記所要時間算出処理手段は、車両が走行を開始した後も、現在地から目的地までの所要時間及び目的地への到着時間を算出する。
【0063】
また、運転者が操作部34を操作して目的地を入力すると、CPU31の図示されない目的地設定処理手段は、目的地設定処理を行い、目的地を設定する。なお、必要に応じて出発地を入力し、設定することもできる。また、あらかじめ所定の地点を登録しておき、登録された地点を目的地として設定することができる。続いて、運転者が操作部34を操作して探索条件を入力すると、CPU31の図示されない探索条件設定処理手段は、探索条件設定処理を行い、探索条件を設定する。
【0064】
このようにして、目的地及び探索条件が設定されると、CPU31の図示されない経路探索処理手段は、経路探索処理を行い、前記現在地、目的地、探索条件等を読み込むともに、データ記録部16から探索データ等を読み出し、現在地、目的地及び探索データに基づいて、現在地で表される出発地から目的地までの経路を前記探索条件で探索し、探索経路を表す経路データを出力する。このとき、各道路リンクごとに付与されたリンクコストの合計が最も小さい経路が探索経路とされる。
【0065】
なお、前記情報センタ51において経路探索処理を行うことができる。その場合、CPU31は現在地、目的地、探索条件等を情報センタ51に送信する。該情報センタ51は、現在地、目的地、探索条件等を受信すると、CPU54の図示されない経路探索処理手段は、CPU31と同様の経路探索処理を行い、データベース58から探索データ等を読み出し、現在地、目的地及び探索データに基づいて、出発地から目的地までの経路を前記探索条件で探索し、探索経路を表す経路データを出力する。次に、CPU54の図示されない送信処理手段は、送信処理を行い、前記経路データをナビゲーション装置14に送信する。
【0066】
続いて、前記CPU31の図示されない案内処理手段は、案内処理を行い、経路案内を行う。そのために、前記案内処理手段の経路表示処理手段は、経路表示処理を行い、前記経路データを読み込み、該経路データに従って前記地図画面に探索経路を表示する。また、前記案内処理手段は、全所要時間及び到着時間を読み込み、前記地図画面の所定の箇所に表示する。
【0067】
また、前記案内処理手段の案内点拡大図表示処理手段は、案内点拡大図表示処理を行い、交差点データを読み出し、車両が案内交差点に到達する前に、地図画面の所定の領域に案内交差点の拡大図、すなわち、交差点拡大図を表示し、交差点拡大図による経路案内を行う。この場合、前記交差点拡大図に、案内交差点の周辺の地図、探索経路、案内交差点において目印になる施設等の陸標が表示される。
【0068】
ところで、前記エアコン61においては、運転者が操作部66においてスイッチをオンにすると、エアコン61の運転が開始され、スイッチをオフにすると、エアコン61の運転が停止させられる。
【0069】
そして、前記エアコン制御部47の図示されない温度制御処理手段は、温度制御処理を行い、室内温度センサ45によって検出された温度があらかじめ設定された温度になるように、電磁クラッチ75を係脱したり、開閉弁82を開閉したりして、エアコン61の運転を行う。ところで、運転者がエアコン61のスイッチをオフにするまで、エアコン61が運転されたままになると、消費されるエネルギーが大きくなるだけでなく、環境に与える影響も大きくなってしまう。
【0070】
そこで、本実施の形態においては、エアコン61の運転モードを、消費されるエネルギーを標準の値にした標準モードと、消費されるエネルギーを小さくした省エネモードとで切り換えることができるようにしている。そして、CPU31の図示されないエアコン制御処理手段は、エアコン制御処理を行い、あらかじめ設定された切換条件が成立する場合に、省エネモードでエアコン61を運転し、前記切換条件が成立しない場合に、標準モードでエアコン61を運転するようにしている。
【0071】
図3は本発明の実施の形態におけるエアコン制御処理手段の動作を示すフローチャートである。
【0072】
まず、運転者が、操作部66(図2)においてスイッチをオンにし、エアコン61の運転を開始すると、前記エアコン制御処理手段の目的地判定処理手段は、目的地判定処理を行い、目的地を読み込み、目的地の類型を判定する。この場合、目的地が複数存在する場合、次の目的地の類型を判定する。本実施の形態においては、目的地は第1、第2の類型に分類され、運転者が立ち寄ったときに、車両から離れる時間が長いと想定される地点、例えば、職場、駅、ホテル等は第1の類型とされ、運転者が立ち寄ったときに、車両から離れる時間が短いと想定される地点、例えば、コンビニエンスストア、郵便局、公衆トイレ等は第2の類型とされる。
【0073】
そして、前記目的地判定処理手段は、目的地判定処理において設定された目的地を読み込み、車速センサ44(図1)にあらかじめ設定された目的地類型マップを参照し、目的地が第1、第2のいずれの類型に属するか判断される。
【0074】
そして、前記エアコン制御処理手段の切換条件判定処理手段は、切換条件判定処理を行い、目的地が第1の類型に属するかどうかによって第1の切換条件が成立するかどうかを判断する。目的地が第2の類型に属する場合、目的地に到着した後、短時間のうちに運転者が車両の運転を再開すると予想されるので、前記切換条件判定処理手段は、第1の切換条件が成立しないと判断し、運転モードとして標準モードを選択し、エアコン制御処理手段の第1の運転処理手段としての標準モード運転処理手段は、第1の運転処理としての標準モード運転処理を行い、標準モードでエアコン61を運転する。本実施の形態においては、前記標準モードで、空気供給装置65において、スイッチSW1がオンにされ、ブロア85が作動させられ、かつ、圧縮式冷凍機械62において、電磁クラッチ75が係合させられ、エンジン77の回転が圧縮機69に伝達される。その結果、圧縮式冷凍機械62の運転が行われ、蒸発器73において低温の空気を発生させ、車室内に供給することができる。
【0075】
すなわち、車両が目的地に到達するまで、前記温度制御処理によって車室内の温度があらかじめ設定された温度にされる。この場合、目的地に到達した後、運転者が車両の運転を再開したときに、車室内の温度は、ほぼ、目的地に到着する前の温度に維持されるので、快適さを保つことができる。
【0076】
これに対して、目的地が第1の類型に属する場合、目的地に到着した後、短時間のうちに運転者が車両の運転を再開するとは予想されないので、前記切換条件判定処理手段は、第1の切換条件が成立すると判断する。
【0077】
続いて、エアコン制御処理手段の省エネモード継続時間算出処理手段は、省エネモード継続時間算出処理を行い、環境条件を考慮して、省エネモードでエアコン61を運転した場合に、快適さを損なうことがない時間、すなわち、省エネモード継続時間を算出する。
【0078】
この場合、環境条件として、外気温と車室内の温度との差、操作部66によって設定された温度、すなわち、設定温度と吹出し空気の温度との差、外気温と設定温度との差、車室内の温度と設定温度との差等が使用される。
【0079】
続いて、前記切換条件判定処理手段は、切換条件判定処理を行い、自車が目的地に到着するまでの所定のタイミングごとに、目的地までの所要時間を読み込み、該所要時間と省エネモード継続時間とが等しくなったかどうかによって第2の切換条件が成立したかどうかを判断する。所要時間と省エネモード継続時間とが等しくなると、前記切換条件判定処理手段は、第2の切換条件が成立したと判断し、前記エアコン制御処理手段の運転モード切換処理手段は、運転モード切換処理を行い、運転モードを標準モードから省エネモードに切り換え、エアコン制御処理手段の第2の運転処理手段としての省エネモード運転処理手段は、第2の運転処理としての省エネモード運転処理を行い、省エネモードでエアコン61を運転する。
【0080】
本実施の形態においては、前記省エネモードで、空気供給装置65において、スイッチSW1がオフにされ、ブロア85が停止させられ、かつ、圧縮式冷凍機械62において、電磁クラッチ75が解放され、エンジン77の回転が圧縮機69に伝達されなくなる。その結果、圧縮式冷凍機械62の運転が停止させられる。
【0081】
このように、第1、第2の切換条件が成立すると、省エネモードでエアコン61が運転されるので、エアコン61によって消費されるエネルギーを小さくすることができるだけでなく、環境に与える影響も小さくすることができる。また、省エネモードで、車両が目的地に到着するまでの間、車室内の温度を標準モードと同じ程度に保つことができるので、快適さを損なうことがない。
【0082】
ところで、前記所要時間は、統計データ、走行履歴データ、交通情報等に基づいて算出されるようになっているが、渋滞状況が変化したり、工事等によって探索経路の一部を迂回する必要が生じたりすると、実際に目的地に到着する到着時間が遅くなり、所要時間が経過しても目的地に到着することがとできない場合がある。その場合、省エネモードにおいて、車室内の温度を標準モードと同じ温度に保つことができなくなってしまう。
【0083】
そこで、前記切換条件判定処理手段は、車両が目的地に到着するまでに、省エネモード継続時間が経過したかどうかを判断し、車両が目的地に到着するまでに、省エネモード継続時間が経過した場合、前記運転モード切換処理手段は、運転モードを省エネモードから標準モードに切り換え、標準モードでエアコン61を運転する。
【0084】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 エアコン61の運転を開始する。
ステップS2 目的地が第1の類型に属するかどうかを判断する。目的地が第1の類型に属する場合はステップS3に、属さない場合は処理を終了する。
ステップS3 省エネモード継続時間を算出する。
ステップS4 第2の切換条件が成立したかどうかを判断する。第2の切換条件が成立した場合はステップS5に進み、成立していない場合はステップS3に戻る。
ステップS5 省エネモードでエアコン61を運転する。
ステップS6 目的地に到達したかどうかを判断する。目的地に到達した場合は処理を終了し、到達していない場合はステップS7に進む。
ステップS7 省エネモード継続時間が経過したかどうかを判断する。省エネモード継続時間が経過した場合はステップS8に進み、経過していない場合はステップS6に戻る。
ステップS8 標準モードでエアコン61を運転し、ステップS3に戻る。
【0085】
本実施の形態においては、前記省エネモードで、空気供給装置65において、スイッチSW1がオフにされ、ブロア85が停止させられ、かつ、圧縮式冷凍機械62において、電磁クラッチ75が解放され、エンジン77の回転が圧縮機69に伝達されなくなるようになっているが、空気供給装置65において、スイッチSW1をオンにしてブロア85を作動させ、圧縮式冷凍機械62において、電磁クラッチ75を解放し、エンジン77の回転が圧縮機69に伝達されなくすることができる。この場合、ブロア85が作動したままであるので、省エネモードにおいて、車室内を標準モードのときとほぼ同じ温度にすることができ、快適さを損なうことがない。
【0086】
本実施の形態において、省エネモード継続時間算出処理手段は、快適さを損なうことがない時間である省エネモード継続時間を算出し、前記切換条件判定処理手段は、目的地までの所要時間と省エネモード継続時間とが等しくなった場合に切換条件が成立すると判断するようになっているが、前記省エネモードで車両を運転した場合に、快適さを損なうことがない距離である省エネモード走行距離を算出し、該省エネモード走行距離に基づいて、運転モードを切り換えることができる。
【0087】
その場合、エアコン制御処理手段の省エネモード走行距離算出処理手段は、省エネモード走行距離算出処理を行い、省エネモード走行距離を算出する。そして、前記切換条件判定処理手段は、目的地までの距離と省エネモード走行距離とが等しくなった場合に切換条件が成立すると判断する。
【0088】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の実施の形態におけるナビゲーションシステムを示す図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるエアコンの制御装置のブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるエアコン制御処理手段の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0090】
10 自動変速機制御部
14 ナビゲーション装置
15 GPSセンサ
31、54 CPU
51 情報センタ
61 エアコン
63 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車の現在地を検出する現在地検出部と、前記現在地に基づいて目的地までの探索経路を探索する経路探索処理手段と、エアコンを標準モード及び省エネモードの各運転モードで運転する運転処理手段と、自車が目的地に到着するまでの所定のタイミングで運転モードの切換条件が成立したかどうかを判断する切換条件判定処理手段と、前記切換条件が成立した場合、運転モードを標準モードから省エネモードに切り換える運転モード切換手段とを有することを特徴とするエアコン制御システム。
【請求項2】
目的地が、運転者が立ち寄ったときに、車両から離れる時間が短いと想定される地点である場合、前記切換条件判定処理手段は、切換条件が成立しないと判断する請求項1に記載のエアコン制御システム。
【請求項3】
前記省エネモードで車両を運転した場合に、快適さを損なうことがない時間である省エネモード継続時間を算出する省エネモード継続時間算出処理手段を有するとともに、前記切換条件判定処理手段は、目的地までの所要時間と省エネモード継続時間とが等しくなった場合に切換条件が成立すると判断する請求項1に記載のエアコン制御システム。
【請求項4】
前記省エネモード継続時間算出処理手段は、環境条件に基づいて省エネモード継続時間を算出する請求項3に記載のエアコン制御システム。
【請求項5】
前記環境条件は、外気温と車室内の温度との差、設定温度と吹出し空気の温度との差、外気温と設定温度との差、又は車室内の温度と設定温度との差である請求項4に記載のエアコン制御システム。
【請求項6】
前記省エネモードで車両を運転した場合に、快適さを損なうことがない距離である省エネモード走行距離を算出する省エネモード走行距離算出処理手段を有するとともに、前記切換条件判定処理手段は、目的地までの距離と省エネモード走行距離とが等しくなった場合に切換条件が成立すると判断する請求項1に記載のエアコン制御システム。
【請求項7】
現在地検出部によって検出された自車の現在地に基づいて目的地までの探索経路を探索し、エアコンを標準モード及び省エネモードの各運転モードで運転し、自車が目的地に到着するまでの所定のタイミングで運転モードの切換条件が成立したかどうかを判断し、切換条件が成立した場合、運転モードを標準モードから省エネモードに切り換えることを特徴とするエアコン制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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