説明

エアゾール噴射装置

【課題】キャップを再使用するに当たり、キャップの誤装着を防止してキャップを確実にエアゾール容器に取り付けることができるエアゾール噴射装置を提供する。
【解決手段】エアゾール噴射装置10は、ノズル15に係合されると共にノズル15の径方向に沿って延びるトリガー16と、押し込み嵌合される着脱可能なキャップ14に支軸を介して待機位置Aおよび使用位置B間で回動自在に支持されたグリップ18とを備えている。そして、ノズル15、トリガー16及びグリップ18は、キャップ14に組み付けられており、グリップ18に、グリップ18の使用位置Bでのキャップ14のアダプター13への装着を防止する誤装着防止機構であるピン32を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物を収容したエアゾール容器にアダプターを固定して内容物を外部へ噴射させるエアゾール噴射装置に関し、特にグリップを握ってトリガーを作動させることにより内容物を噴射させるエアゾール噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、エアゾール噴射装置は、使用時にエアゾール容器のマウンテンカップに螺着されたステム係合部材を押下することで、ステムが下降して内容物がステム係合部材のノズルから噴射される。そして、内容物を使い切ったエアゾール容器は、エアゾール容器に螺着されているステム係合部材等を取り外して廃棄する。取り外したステム係合部材等は、新しいエアゾール容器に再び螺着させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、小さな力で且つターゲットに向かってずれずに内容物を噴射できるエアゾール噴射装置として、ノズルの径方向に沿って延びるレバーと、使用時にエアゾール容器に沿った位置から支軸を中心にエアゾール容器に垂直な位置まで回動するグリップとを有するキャップを備えたエアゾール噴射装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−105954号公報
【特許文献2】特開2003−200982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の場合、ステム係合部材等をエアゾール容器に螺着させる際に、使用者が装着するため誤装着の可能性があり、例えば、ステム係合部材を締め付け過ぎてねじ部を破損したり、締め付け不足により内容物が漏れ出る虞があった。
また、特許文献2の場合、キャップはエアゾール容器の内容物を使い切った後に、取り外して再使用することができなかった。
【0006】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであって、キャップを再使用するに当たり、キャップの誤装着を防止して確実にエアゾール容器に取り付けることができるエアゾール噴射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決することができる本発明に係るエアゾール噴射装置は、充填された内容物を噴射するバルブステムを有するエアゾール容器と、該エアゾール容器の上端部に取り付けられ、前記バルブステムを包囲するアダプターと、該アダプターに押し込み嵌合される着脱可能なキャップと、前記内容物を噴射するためのノズルと、該ノズルに係合されると共に該ノズルの径方向に沿って延びるトリガーと、前記キャップに支軸を介して待機位置および使用位置間で回動自在に支持されたグリップと、を備えているエアゾール噴射装置であって、前記ノズル、前記トリガー及び前記グリップは、前記キャップに組み付けられており、少なくとも前記アダプターまたは前記グリップは、前記グリップの使用位置での前記キャップの前記アダプターへの装着を防止する誤装着防止機構を備えていることを特徴としている。
【0008】
前記構成のエアゾール噴射装置によれば、エアゾール容器を交換等する場合、使用位置にグリップがある状態のままキャップをアダプターに押し込みながら装着しようとしても、誤装着防止機構により装着することができない。即ち、キャップはグリップを待機位置に戻さないとアダプターに装着できない。これにより、キャップの誤装着によるグリップ等の破損や装着時の内容物の噴射等を防止することができ、キャップを確実にエアゾール容器の所定位置に取り付けることができる。
なお、ここで云う誤装着とは、エアゾール容器の交換時に、キャップをアダプターの所定位置以外の別の箇所に装着してしまう場合と、グリップを使用位置のままで装着してしまう場合を意味している。前者の場合、使用時の噴射機能を損ねたり、キャップやグリップを破損する虞がある。後者は、キャップの装着時にトリガーに触れてしまい内容物を噴射させてしまう虞がある。
【0009】
本発明に係るエアゾール噴射装置は、前記アダプターが前記バルブステムを挿通させる開口部を中心に有する上面壁と、該上面壁の外周部から下方に延設された円筒壁とから成り、前記バルブステムを中心に該円筒壁の対向した位置に係合突起を有すると共に、前記キャップが、前記アダプターの前記円筒壁の外周面に被さる円筒部と、該円筒部の上部に連なり、前記ノズル先端を挿通させる本体部とから成り、前記円筒部の対向した位置に、前記係合突起を係合する係合孔を有していることを特徴としている。
【0010】
前記構成のエアゾール噴射装置によれば、アダプターがバルブステムを中心に円筒壁の対向した位置に係合突起を有すると共に、キャップが円筒部の対向した位置に係合突起を係合する係合孔を有しているので、キャップをアダプター上方から押し込み嵌合して、キャップ側の係合孔をアダプター側の係合突起に係合させることで、キャップをワンタッチでアダプターの所定位置に確実に装着することができる。これにより、ねじ込みによりキャップをアダプターに装着するものと比べて、過度の締め付けや締め付け不足を心配することなく簡単に装着することができる。
【0011】
本発明に係るエアゾール噴射装置は、前記アダプターが前記係合突起とは異なる位置で前記円筒壁から前記上面壁にかけて、使用時に前記誤装着防止機構を収容する収容部を有していることを特徴としている。
【0012】
前記構成のエアゾール噴射装置によれば、キャップをアダプターに装着後、グリップを使用位置に回動させることで、誤装着防止機構が収容部内に収容される。これにより、トリガーを確実に操作することができる。
【0013】
本発明に係るエアゾール噴射装置は、前記収容部が前記バルブステムを中心に対向した位置に2箇所設けられていることを特徴としている。
【0014】
前記構成のエアゾール噴射装置によれば、誤装着防止機構を収容する収容部が2箇所設けられているので、アダプターに対してキャップを2方向のいずれからでも装着することができ、キャップの着脱がし易くなる。
【0015】
本発明に係るエアゾール噴射装置は、前記誤装着防止機構が前記グリップの先端側部に突設された1対のピンであり、該ピン先端間の幅寸法が前記上面壁側の前記収容部の開口幅より大きいことを特徴としている。
【0016】
前記構成のエアゾール噴射装置によれば、グリップの両側部に突設されたピンの先端間の幅寸法が収容部側の上面壁部分の開口幅より大きいので、グリップが使用位置にある状態のままキャップをアダプターに装着しようとしても、ピンがアダプターの収容部を形成する上面壁に当接してキャップを装着することができない。これにより、キャップの誤装着を確実に防止することができる。
【0017】
本発明に係るエアゾール噴射装置は、前記誤装着防止機構が使用時に前記グリップを前記収容部内に固定すると共に前記キャップの外れを防止するロック機構を兼ねており、前記アダプターは、前記収容部の側端部に、前記グリップを使用位置に回動させたときに前記誤装着防止機構を係合する切欠部を有していることを特徴としている。
【0018】
前記構成のエアゾール噴射装置によれば、グリップは、キャップがアダプターに装着された後に、待機位置から使用位置に回動されて、誤装着防止機構がロック機構によってアダプターの収容部の側端部に形成された切欠部内に固定される。これにより、使用中にグリップがぐらつくようなことはない。また、同時に、誤装着防止機構がロック機構によって使用時にキャップが外れないようにアダプターに固定されることになる。これにより、キャップがアダプターに強固に固定されるので、使用時の安定した噴射を実現できる。
なお、ここで云うロックとは、少なくとも使用位置でのグリップの固定と、使用時のキャップの固定を意味している。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るエアゾール噴射装置によれば、キャップの再使用するときの誤装着を防止して、キャップを確実にエアゾール容器に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係るエアゾール噴射装置の非使用時の一実施形態を示す外観斜視図である。
【図2】図1のエアゾール噴射装置の側面図である。
【図3】図1のエアゾール噴射装置の部分断面図である。
【図4】図1のエアゾール噴射装置のキャップを取り外した外観斜視図である。
【図5】図1のエアゾール噴射装置の使用時の外観斜視図である。
【図6】図5のエアゾール噴射装置の側面図である。
【図7】図6のエアゾール噴射装置の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係るエアゾール噴射装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1〜図4に示すように、本発明の一実施形態であるエアゾール噴射装置10は、充填された内容物を噴射するバルブステム12を有するエアゾール容器11と、エアゾール容器11の上端部に取り付けられ、バルブステム12を包囲するアダプター13と、アダプター13に装着されるキャップ14と、を備えている。
また、エアゾール噴射装置10は、内容物を噴射するためのノズル15と、ノズル15に係合されると共にノズル15の径方向に沿って延びるトリガー16と、キャップ14に支軸17を介して非使用時の待機位置および使用位置間で回動自在に支持されたグリップ18と、を備えている。
【0023】
キャップ14は、樹脂材料を用いて成形されており、アダプター13に有する円筒壁19の外周面に被さる円筒部20と、円筒部20の上部に連なり、ノズル15の先端を挿通させる本体部21とから成る。キャップ14は、円筒部20の対向した位置に、アダプター13に有する一対の係合突起22を係合する係合孔23を有する。
【0024】
キャップ14は、グリップ18を回動自在に支持する支軸17を有するグリップ支持部24を円筒部20の側部に突出形成しており、グリップ支持部24にトリガー16を挿通させるトリガー挿通部25を有する。
【0025】
グリップ18は、キャップ14と同様に樹脂材料を用いて成形されており、エアゾール容器11の筒方向に平行な位置である待機位置A(図1参照)と、エアゾール容器11の筒方向に対して垂直な位置である使用位置B(図5参照)との間を回動自在にキャップ14に支持されている。このようにキャップ14には、ノズル15、トリガー16及びグリップ18が組み付けられている。
【0026】
図4に示すように、アダプター13は、キャップ14と同様に樹脂材料を用いて成形されており、エアゾール容器11の上端部に形成されているマウンテンカップに外嵌されている。アダプター13は、バルブステム12を挿通させる開口部26を中心に有する上面壁27と、上面壁27の外周部から下方に延設された円筒壁19とから成る。
【0027】
アダプター13は、バルブステム12を中心に円筒壁19の対向した位置に、内側に可撓する係合突起22を有すると共に、係合突起22とは異なる位置で円筒壁19から上面壁27にかけて、使用時に後述する誤装着防止機構であるピン32を収容する収容部28を有している。この収容部28は、バルブステム12を中心に対向した位置に2箇所設けられている。本実施形態では、係合突起22と収容部28が、円筒壁19上に90度毎に交互に形成されている。
【0028】
収容部28には、ロック機構の一部を構成する切欠部である一対のピン挿入用切欠29が円筒壁19からバルブステム12方向に向けてピン32の回動軌跡に対応させて斜めに形成されている。このピン挿入用切欠29は、円筒壁19にのみ形成されており、上面壁27には形成されていない。
【0029】
図1〜図4に示すように、キャップ14のグリップ支持部24で支軸17に支持されているグリップ18は、グリップ本体30の先端部に一体的に延設されたトリガー規制部31を有する。トリガー規制部31の先端部は、待機位置Aではトリガー16に当接又は近傍に配置されて、トリガー16の移動を規制している。これにより、トリガー規制部31は、誤操作防止機構を構成している。ここで云う誤操作防止とは、非使用時に誤ってトリガー16を作動させてしまい内容物を噴射させてしまう誤噴射を防止することを意味している。
【0030】
グリップ18は、ロック機構の他の一部及び誤装着防止機構を構成する円柱状の一対のピン32がトリガー規制部31の両側部の対向した位置に突設されている。トリガー規制部31の幅寸法は、アダプター13の収容部28の開口幅寸法よりも若干小さい。また、ピン32先端が形成する幅寸法は、上面壁27側の収容部28の開口幅寸法より大きく、一対のピン挿入用切欠29間の幅寸法より小さい。ここで云う誤装着防止とは、キャップ14をアダプター13の所定位置以外の別の箇所に装着してしまう意味と、グリップ18が使用位置Bにある状態のままでキャップ14をアダプター13に装着してしまうことを意味している。
【0031】
上述したように誤装着防止は、アダプター13側の一対の係合突起22に対して、キャップ14側の対応する一対の係合孔23を位置合わせして装着するか、トリガー16又はグリップ18をいずれかの収容部28に位置合わせして装着することで行うことができる。このとき、グリップ18が使用位置Bのままであると、前記位置合わせしてもピン32によってキャップ14をアダプター13に装着することができない。また、ロック機構は、ピン挿入用切欠29とピン32とから成り、ピン32がピン挿入用切欠29内に係合されることで、グリップ18を使用位置Bに固定すると共に、使用時のキャップ14がアダプター13から外れるのを確実に防止する。
【0032】
次に、エアゾール噴射装置10の使用時について説明する。
図5〜図7に示すように、グリップ18は、使用時にキャップ14のグリップ支持部24に支軸17で支持されており、待機位置A(図1参照)から使用位置Bまで回動する。
【0033】
グリップ18が待機位置Aから使用位置Bまで回動されることで、グリップ18のトリガー規制部31がアダプター13の収容部28内に収容される。これに伴って、ピン32がアダプター13のピン挿入用切欠29に挿入されて、グリップ18が使用位置Bでロックされる。これにより、使用中にグリップ18がぐらつくようなことはない。また、使用中にキャップ14が外れないようにアダプター13に強固に固定される。これにより、エアゾール噴射装置10の使用時の安定した噴射が実現できる。
【0034】
グリップ18が使用位置Bでロックされることで、グリップ18がエアゾール容器11の長手方向に対して垂直になる。これにより、トリガー規制部31とトリガー16との間に、トリガー16の操作可能な隙間が形成される。そして、エアゾール容器11を横にしてグリップ18を立てた状態で、グリップ18を握りながらトリガー16に人差指を掛ける。次に、ノズル15をターゲットに向けて、トリガー16を引くことで、内容物をターゲットに向けて噴射させることができる。
【0035】
次に、エアゾール容器11の内容物を使い切り、キャップ14を外して、新しいアダプター13付きエアゾール容器11に装着するときの装着手順およびグリップ18による噴射の可否について説明する。
【0036】
図7に示すように、グリップ18が使用位置Bにあると、グリップ18がエアゾール容器11の長手方向に対して垂直でキャップ14の中心に向く。この状態でキャップ14をアダプター13に装着しようとすると、ピン32がアダプター13の上面壁27(図4参照)に当接して、トリガー規制部31が収容部28内に入っていかない。また、収容部28以外の部位では、トリガー規制部31が上面壁27に当たって入らない。すなわち、グリップ18が使用位置Bにある場合、使用者はキャップ14をアダプター13に装着できない。
【0037】
図1に示すように、グリップ18が待機位置Aにあるキャップ14がアダプター13に被着される。このとき、キャップ14の係合孔23がアダプター13の係合突起22に係合音と共に係合される。また、アダプター13の収容部28が対向した2箇所に設けられているため、アダプター13に対してキャップ14を2方向のいずれからでも装着でき、キャップ14の着脱を容易に行うことができる。
【0038】
図3に示すように、キャップ14がアダプター13に装着された際、グリップ18のトリガー規制部31はトリガー16の移動軌跡内に配置される。これにより、トリガー16の移動を規制して、内容物の噴射を阻止する。
そして、エアゾール噴射装置10の使用時は、図7に示すように、グリップ18を待機位置Aから使用位置Bまで回動させることで、グリップ18が使用位置Bでロックされ、トリガー16を引くことで、内容物を噴射することができる。
【0039】
内容物としては、例えば、ピレトリン、アレスリン、トランスフルトリン、シフルトリン、エトフェンプロックス、プロフルトリン、イミプロトリン、プラレトリン、メトフルトリン、ジノテフランなどの殺虫剤、ピペロニルブトキシドなどの共力剤、天然精油、合成香料などの芳香剤、酸化チタン、シクロデキストリン、ゼオライト、無機酸金属塩など消臭剤、クロルヘキシジル、グルコン酸、イソプロピルメチルフェノールなどの抗菌剤などが挙げられる。
【0040】
また、溶剤としては、例えば、ノルマルパラフィン、イソパラフィンなどの脂肪族炭化水素類、ベンゼン、キシレン、ナフタレンなどの芳香族炭化水素類、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、酢酸エチル、ミリスチン酸イソプロピルなどのエステル類、ジエチルエーテル、グリコールエーテルなどのエーテル類、ブチロラクトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、α−ピネン、リモネンなどの植物精油、ヤシ油、大豆油などの植物油及び水等が例示される。有効成分が溶剤に溶けにくい場合には界面活性剤等を添加することができる。
【0041】
噴射剤としては、例えば、プロパン、ブタン、イソブタン、ジメチルエーテル等の液化ガス、窒素、二酸化炭素等の圧縮ガス、HFC−152A等の代替フロン等を挙げることができ、これらは2種以上の混合物であってもよい。噴射剤含有量は通常10〜90重量%、好ましくは40〜70重量%である。内部圧力を上げるため、窒素で加圧してもよい。
【0042】
上述したように本実施形態のエアゾール噴射装置10によれば、使用位置Bにグリップ18がある状態のままキャップ14をアダプター13に装着しようとしても、誤装着防止機構であるピン32により装着することができない。即ち、キャップ14はグリップ18を待機位置Aに戻さないとアダプター13に装着できない。これにより、キャップ14の誤装着によるグリップ18等の破損や装着時の内容物の噴射等を防止することができ、キャップ14を確実にエアゾール容器11の所定位置に取り付けることができる。
【0043】
本実施形態のエアゾール噴射装置10によれば、アダプター13がバルブステム12を中心に円筒壁19の対向した位置に係合突起22を有すると共に、キャップ14が円筒部20の対向した位置に係合突起22を係合する係合孔23を有している。これにより、キャップ14をアダプター13上方から押し込み嵌合して、キャップ14側の係合孔23をアダプター13側の係合突起22に係合させることで、キャップ14をワンタッチでアダプター13の所定位置に確実に装着することができる。
【0044】
本実施形態のエアゾール噴射装置10によれば、キャップ14をアダプター13に装着後、グリップ18を使用位置Bに回動させることで、誤装着防止機構であるピン32が収容部28内に収容される。
【0045】
本実施形態のエアゾール噴射装置10によれば、誤装着防止機構であるピン32を収容する収容部28が2箇所設けられている。これにより、アダプター13に対してキャップ14を2方向のいずれからでも装着することができる。
【0046】
本実施形態のエアゾール噴射装置10によれば、グリップ18の両側部に突設されたピン32の先端間の幅寸法が収容部28側の上面壁27部分の開口幅より大きい。これにより、グリップ18が使用位置Bにある状態のままキャップ14をアダプター13に装着しようとしても、ピン32がアダプター13の収容部28を形成する上面壁27に当接してキャップ14を装着することができない。
【0047】
本実施形態のエアゾール噴射装置10によれば、グリップ18は、キャップ14がアダプター13に装着された後に、待機位置Aから使用位置Bに回動されて、ピン32がアダプター13の収容部28の側端部に形成された切欠部であるピン挿入用切欠29内に固定される。これにより、使用中にグリップ18がぐらつくようなことはなく、同時に使用時にキャップが外れないようにアダプターに固定される。
【0048】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【符号の説明】
【0049】
10:エアゾール噴射装置、11:エアゾール容器、12:バルブステム、13:アダプター、14:キャップ、15:ノズル、16:トリガー、17:支軸、18:グリップ、19:円筒壁、20:円筒部、21:本体部、22:係合突起、23:係合孔、26:開口部、27:上面壁、28:収容部、29:ピン挿入用切欠(切欠部、ロック機構)、31:トリガー規制部、32:ピン(誤装着防止機構、ロック機構)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填された内容物を噴射するバルブステムを有するエアゾール容器と、
該エアゾール容器の上端部に取り付けられ、前記バルブステムを包囲するアダプターと、
該アダプターに押し込み嵌合される着脱可能なキャップと、
前記内容物を噴射するためのノズルと、
該ノズルに係合されると共に該ノズルの径方向に沿って延びるトリガーと、
前記キャップに支軸を介して待機位置および使用位置間で回動自在に支持されたグリップと、を備えているエアゾール噴射装置であって、
前記ノズル、前記トリガー及び前記グリップは、前記キャップに組み付けられており、少なくとも前記アダプターまたは前記グリップは、前記グリップの使用位置での前記キャップの前記アダプターへの装着を防止する誤装着防止機構を備えていることを特徴とするエアゾール噴射装置。
【請求項2】
前記アダプターは、前記バルブステムを挿通させる開口部を中心に有する上面壁と、該上面壁の外周部から下方に延設された円筒壁とから成り、前記バルブステムを中心に該円筒壁の対向した位置に係合突起を有すると共に、
前記キャップは、前記アダプターの前記円筒壁の外周面に被さる円筒部と、該円筒部の上部に連なり、前記ノズル先端を挿通させる本体部とから成り、前記円筒部の対向した位置に、前記係合突起を係合する係合孔を有していることを特徴とする請求項1に記載のエアゾール噴射装置。
【請求項3】
前記アダプターは、前記係合突起とは異なる位置で前記円筒壁から前記上面壁にかけて、使用時に前記誤装着防止機構を収容する収容部を有していることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のエアゾール噴射装置。
【請求項4】
前記収容部は、前記バルブステムを中心に対向した位置に2箇所設けられていることを特徴とする請求項3に記載のエアゾール噴射装置。
【請求項5】
前記誤装着防止機構は、前記グリップの先端側部に突設された1対のピンであり、該ピン先端間の幅寸法が前記上面壁側の前記収容部の開口幅より大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のエアゾール噴射装置。
【請求項6】
前記誤装着防止機構は、使用時に前記グリップを前記収容部内に固定すると共に前記キャップの外れを防止するロック機構を兼ねており、前記アダプターは、前記収容部の側端部に、前記グリップを使用位置に回動させたときに前記誤装着防止機構を係合する切欠部を有していることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のエアゾール噴射装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−98741(P2011−98741A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−253037(P2009−253037)
【出願日】平成21年11月4日(2009.11.4)
【出願人】(000100539)アース製薬株式会社 (191)
【出願人】(000141118)株式会社丸一 (47)
【Fターム(参考)】