説明

エアゾール容器のボタン及びエアゾール容器のボタンを有するエアゾール装置

【課題】 単純な構成で、吸引機構を備えたエアゾール容器のボタン及び吸引機構を備えたエアゾール容器のボタンを有するエアゾール装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】 本実施形態におけるボタン1の要部構造は、エアゾール容器のステム9に嵌合された胴体部2と、胴体部2の上部に取り外し可能に冠着された押圧部3とに大別され、エアゾール容器外の外気を吸引してボタン1外に排出する吸引機構を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸引機構を備えたエアゾール容器のボタン及び吸引機構を備えたエアゾール容器のボタンを有するエアゾール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアゾール缶の頂部に備えた押圧部を押圧することにより、エアゾール式缶内のガスを噴射するエアゾール容器が使用されている。また、ごみ、花粉等の粉塵等を吸引するモータ等の動力源を備えたものとして掃除機等が知られている。
【特許文献1】特開2004−223408号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、エアゾール容器は内容物の噴射機構として使用されていたが、エアゾール容器外の外気を吸引する吸引機構を備えたものは使用されていない。また、掃除機等は動作させるために電源を必要とし、持ち運びにも手間が掛かり気軽に使用しにくいという問題点がある。また、吸引機構と噴射機構を併せ持つ機構については複雑な構成を有するという問題点があった。
【0004】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解消し、単純な構成で、吸引機構を備えたエアゾール容器のボタン及び吸引機構を備えたエアゾール容器のボタンを有するエアゾール装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の上記目的は、以下の手段により達成される。
(1) エアゾール容器に嵌合されるボタンであって、
前記エアゾール容器外の外気を吸引して前記ボタン外に排出する吸引機構を備えたことを特徴とするボタン。
(2) 前記吸引機構は、前記エアゾール容器の内容物の噴射によって生ずる噴射力を負圧の吸引力に変換することを特徴とする(1)に記載のボタン。
(3) 前記吸引機構は、前記エアゾール容器のステムを押下することによって噴出する前記エアゾール容器の内容物を前記エアゾール容器の外部へ排出する排出路を備え、前記排出路の一部が前記ボタンに形成された吸引口に連なる吸引路と共有することを特徴とする(1)または(2)に記載のボタン。
(4) 前記吸引機構は、前記エアゾール容器のステムを押圧する胴体部と、前記胴体部に冠着される押圧部とによって形成されていることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のボタン。
(5) 前記吸引路又は前記排出路には、前記吸引路を経由する気体に混入した不要物を除去するろ過部を有することを特徴とする(3)または(4)に記載のボタン。
(6) 前記押圧部は、前記胴体部から取り外し可能であることを特徴とする(4)または(5)に記載のボタン。
(7) 前記押圧部は、前記胴体部に回転可能に装着され、前記押圧部を回転させることによって前記排出路を開閉する開閉弁を有することを特徴とする(4)〜(6)のいずれかに記載のボタン。
(8) 前記開閉弁を閉じることによって前記排出路を封鎖し、前記噴射圧によって前記吸引口から前記エアゾール容器の内容物を噴射することを特徴とする(7)に記載のボタン。
(9) 前記(1)〜(8)の何れかに記載のボタンを備えたことを特徴とするエアゾール装置。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、小型で持ち運びが容易なエアゾール容器に、従来は備えていなかった吸引機構を持たせたボタンを装着させている。従って、従来のように持ち運びに手間の掛かる掃除機等の大きな吸引装置を用いずとも様々な場面に携帯することが可能である。また、本発明によれば、吸引機構を動作せるための電源を必要としないので、電源を確保できない場所にも携帯可能であり、どのような場面においても即座に使用可能な吸引機構を提供することが可能である。
【0007】
また、本発明によれば、エアゾール容器の内容物をエアゾール容器の外部へ排出する排出路を備え、排出路の一部がボタンに形成された吸引口に連なる吸引路と共有することでエアゾール容器の噴射力を負圧の吸引力に変換するように構成されている。従って、エアゾール容器外の外気と共に、ごみ、花粉、その他の粉塵等を吸引することが可能である。
【0008】
また、本発明によれば、吸引機構は、エアゾール容器のステムを押圧する胴体部と、胴体部に冠着される押圧部とによって形成されている。従って、従来のエアゾールキャップと同等の部品に改良を加えることによって吸引機構を備えたボタンを製造でき、簡単な構成で従来にはなかった吸引機構を有するボタンを提供することができる。
【0009】
また、本発明によれば、吸引路を経由する気体に混入した不要物を除去するろ過部を有しているので、吸引した外気から確実に粉塵等を取り除くことができる。また、押圧部を胴体部から取り外すことによって、ろ過部に貯留した粉塵等を取り除くことができるので繰返し吸引動作を行わせることが可能である。
【0010】
また、本発明によれば、押圧部は、胴体部に回転可能に装着され、押圧部を回転させることによって排出路を開閉する開閉弁を有し、開閉弁を閉じることによって排出路を封鎖し、噴射圧によって吸引口からエアゾール容器の内容物を噴射するよう構成されている。従って、従来にはない吸引機構と噴射機構との両方の機構を併せ持つボタンを提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
(第一実施形態)
本実施形態におけるボタン1の構造について図1を用いて説明する。
図1(a)は本実施形態におけるエアゾール装置20の背面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A´線断面図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態におけるボタン1の要部構造は、エアゾール容器のステム9に嵌合された胴体部2と、胴体部2の上部に取り外し可能に冠着された押圧部3とに大別される。
本実施形態において、ボタン1は胴体部2が備える嵌合手段10によってエアゾール容器11のステム9に嵌合され、ボタン1を覆うようにキャップ12が嵌合手段13によってエアゾール容器11に嵌合されている。
【0013】
まず、胴体部2の構造について説明する。
胴体部2は略円柱形状の外観を有し、図1(b)に示すようにその断面には複数の空洞箇所が構成されている。
胴体部2には、正面略中央部にエアゾール容器11外の外気を吸引する円形の吸引口6がエアゾール容器の噴出口14よりも下方に形成されている。このように噴出口14よりも下方に吸引口6を設けることによって、より大きな負圧の吸引力を得ることが可能である。なお、負圧の吸引力については後ほど説明する。
【0014】
また、胴体部2の断面中央部には略円筒形状の吸引路5がステム9の鉛直上向き方向に形成され、吸引路5の外周壁15を挟んでさらに外周には外気からの粉塵等が貯留される貯留部18が形成されている。なお、吸引路5はボタン1の下方から上方に向かうにつれて開口径が小さくなり、所定の位置で再び開口径が広がる構造を有している。このように、吸引路5をボタン1の下方から上方に向かうにつれて開口径を小さくすることによって噴出口14からの噴出速度を減少させることなく吸引力を維持することが可能である。
【0015】
さらに、貯留部18には吸引口6から吸引される外気に混入した粉塵等を取り除くための網目状のろ過部7が敷設されており、ろ過部7のさらに下部に位置する貯留部18の底面には複数(図示省略)の排出口16が形成されている。吸引された外気はろ過部7を通過し、排出口16から排出され、通過路8を経由してボタン1の外部へ排出される(図1(b)の矢印Q方向)。
【0016】
このように、本実施形態におけるボタン1が備える胴体部2には、矢印Oから矢印Qの方向、即ち吸引口6→吸引路5→貯留部18→ろ過部7→排出口16→通過路8の順に複数の空洞箇所を経由し、気体を排出させる一つの経路が形成されている。なお、以下、本実施形態においては貯留部18→ろ過部7→排出口16→通過路8の経路を「排出路I」と呼ぶこととする。
【0017】
次に、押圧部3の構造について説明する。
押圧部3は断面視コの字形状からなり、その上面は、コの字の開口方向に向かって緩やかに湾出した上面視円形の湾曲面17を有している。本実施形態において押圧部3の外径Lと胴体部2の内径とが等しく形成されているので、押圧部3を胴体部2の上側から冠着することによって押圧部3の外壁と胴体部2の内壁とが隙間なく接し、胴体部2の上側の開口部分を封鎖することによって排出路Iを形成している。
【0018】
また、押圧部3を胴体部2に冠着させることによって、押圧部3の爪部21と胴体部2の側壁19とで溝22を形成している。このように溝22を形成することによって、使用者が溝22に爪を引っ掛け、押圧部3を上方へ引き上げることによって押圧部3を胴体部2から脱着することできる。従って、ろ過部7に貯留された粉塵等を容易に除去することが可能である。
【0019】
以上、上述したように構成される本実施形態に係るボタン1の作用効果を説明する。
まず、使用者はキャップ12をエアゾール容器11から着脱し、吸引ノズル25を吸引口6へ装着する。なお、本実施形態において吸引ノズル25は先端部に向かうにつれて幅広に形成されたノズルを用いたが、これに限られるものではなく、例えば、先端部が狭口のノズルや、ノズルの長さが変長可能なものであってもよい。
【0020】
次に、使用者は、押圧部3の湾曲面17を指等で押圧し、エアゾール容器11のステム9を押下させる。ボタン1には排出路Iが形成されているため、ステム9が押下されるとエアゾール容器11の内容物は噴出口14から鉛直上向き方向に噴出される。このとき、排出路Iの一部がボタン1に形成された吸引口6に連なる吸引路5と共有されているので、噴射口14付近の噴射圧が負圧の吸引力に変換され吸引口6からエアゾール容器11外の外気が吸引され、エアゾール容器11の内容物と混合した大気は吸引路5へ吸引される。
【0021】
そして、吸引路5を経た大気は排出路Iを経てエアゾール容器11外へ排出される。ここで、吸引された外気に混入した粉塵等は、ろ過部7において除去される。なお、使用者は、溝22に爪等を引っ掛けて押圧部3を上方へ引き上げ、押圧部3を胴体部2から脱着することによってろ過部7に貯留された粉塵等を除去することができ、エアゾール容器11の内容物がなくなるまで繰返し吸引動作を行うことが可能である。
【0022】
(第二実施形態)
次に、第二の実施形態について図2〜図4を用いて説明する。第二の実施形態においては吸引機構及び噴射機構とを備えたボタンについて説明する。
まず、本実施形態におけるボタン30の構造について図2を用いて説明する。
図2(a)は本実施形態におけるエアゾール装置50の背面図であり、図2(b)は図2(a)のB−B´線断面図である。
【0023】
図2に示すように、本実施形態におけるボタン30の要部構造は、エアゾール容器のステム39に嵌合された胴体部32と、胴体部32の上部に取り外し可能に冠着された押圧部33とに大別される。
本実施形態において、ボタン30は胴体部32が備える嵌合手段40によってエアゾール容器41に嵌合され、ボタン30を覆うようにキャップ42が嵌合手段43によってエアゾール容器41に嵌合されている。
【0024】
次に、胴体部32の構造について説明する。
胴体部32は略円柱形状の外観を有し、図2(b)に示すようにその断面には複数の空洞箇所が構成されている。
胴体部32には、正面略中央部にエアゾール容器41外の外気を吸引する円形の吸引口36がエアゾール容器の噴出口44より下方に形成されている。このように噴出口44より下方に吸引口36を設けることによって、より大きな負圧の吸引力を得ることが可能である。
【0025】
また、胴体部32の断面中央部には略円筒形状の吸引路35がステム39の鉛直上向き方向に形成され、吸引路35の外周壁45を挟んでさらに外周には外気からの粉塵等が貯留される貯留部48が形成されている。なお、吸引路35はボタン30の下方から上方に向かうにつれて開口径が小さくなり、所定の位置で再び開口径が広がる構造を有している。このように、吸引路35をボタン30の下方から上方に向かうにつれて開口径を小さくすることによって噴出口44からの噴出速度を減少させることなく吸引力を維持することが可能である。
【0026】
さらに、貯留部48には吸引口36から吸引される外気に混入した粉塵等を取り除くための網目状のろ過部37が敷設されており、ろ過部37のさらに下部に位置する貯留部48の底面には複数の排出口46が形成されている。吸引された外気はろ過部37を通過し、排出口46から排出され、通過路38を経由してボタン30の外部へ排出される。
【0027】
このように、本実施形態におけるボタン30が備える胴体部32には、吸引口36→吸引路35→貯留部48→ろ過部37→排出口46→通過路38の順に複数の空洞箇所を経由し気体を排出させる一つの経路が形成されている。なお、本実施形態においては貯留部48→ろ過部37→排出口46→通過路38の経路を「排出路II」と呼ぶこととする。
【0028】
次に、押圧部33の構造について説明する。
押圧部33は、その外周壁52を胴体部32の外周壁に備えられた嵌合手段51によって冠着されている。一方押圧部33の内周側に設けられた開閉弁54は胴体部32の内周壁53と摺動可能に接している。押圧部33を胴体部32の上面側から冠着することによって押圧部33の開閉弁54と胴体部32の内周壁53とが隙間なく接し、胴体部32の上面側の開口部分を封鎖することによって排出路IIを形成することができる。なお、本実施形態において押圧部33は胴体部32に回転可能に冠着されており、時計方向及び反時計方向の何れにも回転可能である。
【0029】
また、図2(a)に示すように押圧部33は外周壁52の一部に切欠き部55を有し、切欠き部55の切欠き範囲内において押圧部33を回転させ、位置合わせ片56を係合片57に位置合わせすることによって開閉弁54の開閉具合を調整することが可能である。また押圧部33の上面は、吸引路35に向かって緩やかに湾出した上面視円形の湾曲面47を有している。
【0030】
以上、上述したように構成される本実施形態に係るボタン30の作用効果を図3及び図4を用いて説明する。
図3は吸引状態を示した図である。
図3(a)はエアゾール容器41からキャップ42を着脱し吸引ノズル60を吸引口36へ装着した後のボタン30の上面図、図3(b)は図3(c)のC−C´線断面図、図3(c)はエアゾール容器41からキャップ42を着脱し吸引ノズル60を吸引口36へ装着した後のB−B´線断面図である。
【0031】
使用者はキャップ42をエアゾール容器41から着脱し、吸引ノズル60を吸引口36へ装着する。なお、本実施形態において吸引ノズル60は先端部に向かうにつれて幅広に形成されたノズルを用いたが、これに限られるものではなく、例えば、先端部が狭口のノズルや、ノズルの長さが変長可能なものであってもよい。
【0032】
次に、使用者は、押圧部33の上面に記された「吸」あるいは「出」の位置合わせ片56を係合片57の位置にあわせるまで押圧部33を矢印R方向に回転させる。本実施形態においては初めに「吸」にあわせた場合について説明する。
【0033】
次に、使用者は押圧部33の湾曲面47を指等で押圧し、エアゾール容器41のステム39を押下させる。ボタン30には排出路IIが形成されているため、ステム39が押下されるとエアゾール容器41の内容物は噴出口44から鉛直上向き方向に噴出される。このとき、図3(b)に示すように開閉弁54は胴体部32の内周壁53と隙間無く接し、重なり合っている。すなわち、排出路IIが形成された状態であり、排出路IIの一部がボタン30に形成された吸引口36に連なる吸引路35と共有されているので、噴射口44付近の噴射圧が負圧の吸引力に変換され吸引口36からエアゾール容器41外の外気が吸引され、エアゾール容器41の内容物と混合した大気は吸引路35へ吸引される(図3(c)の矢印S方向)。
【0034】
そして、吸引路35を経た大気は排出路IIを経てエアゾール容器41外へ排出される(図3(c)の矢印T方向)。ここで、吸引された外気に混入した粉塵等は、ろ過部37において除去される。なお、使用者は、押圧部33を上方へ引き上げ、押圧部33を胴体部32から脱着することによってろ過部37に貯留された粉塵等を除去することができ、エアゾール容器41の内容物がなくなるまで繰返し吸引動作を行うことが可能である。
【0035】
次に、図4を用いて噴射状態を説明する。
図4(a)はエアゾール容器41からキャップ42を着脱し吸引ノズル60を吸引口36へ装着した後のボタン30の上面図、図4(b)はボタン30の要部構造を示した図4(c)のD−D´線断面図、図4(c)はエアゾール容器41からキャップ42を着脱し吸引ノズル60を吸引口36へ装着した後のB−B´線断面図である。
【0036】
まず、使用者が押圧部33の上面に記された「出」の位置合わせ片56を係合片57の位置にあわせるまで押圧部33を矢印R方向に回転させる。押圧部33の湾曲面47を少なくとも一本の指で押圧し、エアゾール容器41のステム39を押下させると、開閉弁54は胴体部32の内周壁53と交互に位置し排出路IIが閉ざされた状態となる。従って、噴出口44付近の噴射圧によって吸引口36からエアゾール容器の内容物を外部へ噴射することができる(図4(c)の矢印U方向)。
【0037】
以上、説明したように、本実施形態によれば、小型で持ち運びが容易なエアゾール容器11、41に、従来は備えていなかった吸引機構を持たせたボタン1、30を装着させている。従って、従来のように持ち運びに手間の掛かる掃除機等の大きな吸引装置を用いずとも様々な場面に携帯できるエアゾール装置を提供することが可能である。また、本実施形態によれば、吸引機構を動作せるための電源を必要としないので、電源を確保できない場所にも携帯可能であり、どのような場面においても即座に使用可能な吸引機構を提供することが可能である。
【0038】
また、本実施形態によれば、ボタン1、30は、エアゾール容器11、41の内容物をエアゾール容器11、41の外部へ排出する排出路I、IIを備え、排出路I、IIの一部がボタン1、30に形成された吸引口6、36に連なる吸引路5、35と共有することでエアゾール容器11、41の噴射力を負圧の吸引力に変換するように構成されている。従って、エアゾール容器外の外気を吸引することが可能となり外気のごみ、花粉、その他の粉塵等を吸引することが可能である。
【0039】
また、本実施形態によれば、排出路I、IIは、エアゾール容器11、41のステムを押圧する胴体部2、32と、胴体部2、32に冠着される押圧部3、33とによって形成されている。従って、従来のエアゾールキャップと同等の部品数で吸引機構を備えたボタン1、30を製造でき、比較的簡単な構成で従来にはなかった吸引機構を有するボタン1、30を提供することができる。
【0040】
また、本実施形態によれば、ボタン1、30は、吸引路を経由する気体に混入した不要物を除去するろ過部7、37を有しているので、吸気から確実に粉塵等を取り除くことができる。また、押圧部3、33を胴体部2、32から取り外すことによって、ろ過部7、37に貯留した粉塵等を取り除くことができるので繰返し吸引動作を行わせることが可能である。
【0041】
また、本実施形態によれば、押圧部3、33は、胴体部2、32に回転可能に装着され、押圧部3、33を回転させることによって排出路I、IIを開閉する開閉弁54を有し、開閉弁54を閉じることによって排出路I、IIを封鎖し、噴射圧によって吸引口6、36からエアゾール容器11、41の内容物を噴射するよう構成されている。従って、従来にはない吸引機構と噴射機構との両方の機構を併せ持つボタン1、30を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】第一実施形態におけるエアゾール装置の背面図及び断面図である。
【図2】第二実施形態におけるエアゾール装置の背面図及び断面図である。
【図3】第二実施形態におけるエアゾール装置の吸引状態を示す上面図及び断面図である。
【図4】第二実施形態におけるエアゾール装置の噴射状態を示す上面図及び断面図である
【符号の説明】
【0043】
1、30 ボタン
2、32 胴体部
3、33 押圧部
5、35 吸引路
6、36 吸引口
9、39 ステム
7、37 ろ過部
11、41 エアゾール容器
12、42 キャップ
13、43 嵌合手段
20、50 エアゾール装置
25、60 ノズル




【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアゾール容器に嵌合されるボタンであって、
前記エアゾール容器外の外気を吸引して前記ボタン外に排出する吸引機構を備えたことを特徴とするボタン。
【請求項2】
前記吸引機構は、前記エアゾール容器の内容物の噴射によって生ずる噴射力を負圧の吸引力に変換することを特徴とする請求項1に記載のボタン。
【請求項3】
前記吸引機構は、前記エアゾール容器のステムを押下することによって噴出する前記エアゾール容器の内容物を前記エアゾール容器の外部へ排出する排出路を備え、前記排出路の一部が前記ボタンに形成された吸引口に連なる吸引路と共有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボタン。
【請求項4】
前記吸引機構は、前記エアゾール容器のステムを押圧する胴体部と、前記胴体部に冠着される押圧部とによって形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のボタン。
【請求項5】
前記吸引路又は前記排出路には、前記吸引路を経由する気体に混入した不要物を除去するろ過部を有することを特徴とする請求項3または請求項4に記載のボタン。
【請求項6】
前記押圧部は、前記胴体部から取り外し可能であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のボタン。
【請求項7】
前記押圧部は、前記胴体部に回転可能に装着され、前記押圧部を回転させることによって前記排出路を開閉する開閉弁を有することを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれかに記載のボタン。
【請求項8】
前記開閉弁を閉じることによって前記排出路を封鎖し、前記噴射圧によって前記吸引口から前記エアゾール容器の内容物を噴射することを特徴とする請求項7に記載のボタン。
【請求項9】
前記請求項1〜請求項8の何れかに記載のボタンを備えたことを特徴とするエアゾール装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−7579(P2007−7579A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−192920(P2005−192920)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(000141118)株式会社丸一 (47)
【Fターム(参考)】