説明

エアゾール容器又はスプレー容器用のある角度を成すスプレー流路を有するキャップ

ボタン(6)を有するキャップ(7)と、ある角度を成すスプレー流路(10)とを使用して、快適なレベルのスプレー騒音を達成するために、スプレー流路(10)を、弾性プラスチックから、例えばTPE又はTPUから一体に製造することを提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ある角度を成すスプレー流路(10)を囲む、キャップと一体化したスプレーアングル材と、容器、特にエアゾール容器又はスプレー容器の弁を始動させるためのボタンとを備えたキャップに関する。該ボタンは、ある角度を成すスプレー流路を介して容器のステムに作用して、ボタンを手動で作動させる時にステムを外側に倒し、弁を開放させることを意図しており、それによって、容器内に収容された製品、例えばヘアースプレーが、スプレー流路を通過する時、ステムを介して、且つこの目的のキャップ上の製品吐出開口部を介して噴出できるようにする。スプレー流路は音響シールを有しており、スプレー動作中の快適な騒音レベルを達成する。
【背景技術】
【0002】
このタイプのキャップは、WO01/96210A2により既に知られている。このキャップのスプレー流路は、騒音レベルを低下させるため、さらには個々の周波数範囲で特に強い減衰性をもたらすために、吸音材料によって囲まれている。TPE(熱可塑性エラストマー)又はTPU(熱可塑性ポリウレタン)からなる層が、この目的でスプレー流路の周りに設けられる。
【0003】
既知のキャップは、積層によるスプレーアングル材の製造が比較的費用を要するという欠点を有している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、この欠点に対する解決策を提供することである。この目的は、スプレー流路が弾性プラスチックから一体で製造されることで達成される。
【0005】
提案するキャップは、一体で製造されるために比較的経済的であるという利点を有している。高水準の弾性を有する材料を使用することにより、外部に漏れる騒音を生じうる振動がその材料内で減衰される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
既知のスプレーアングル材の設計では、比較的硬い材料、例えばPPが、スプレーアングル材に使用されるため、比較的高いレベルの騒音放射が発生する。スプレーレバーとしても知られるこれらの実施形態は、機械的に非常に安定となるように設計される。それらは大きな力を伝達することができるが、実際の使用において大きな力が生じることはない。
【0007】
提案するスプレー流路はまた、必要な力をステムに伝達することができる。さらに、ボタンの端部において最大で7mm(0.28インチ)である、継ぎ目の周りで旋回できるボタンの経路差を、通常約3.5mmから4mm(0.14インチから0.16インチ)のトリガー経路を有する弁に伝達することが可能である。作動力はこの過程において必ずしも増加しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
スプレー流路は、非常にしなやかで柔軟性があり且つ柔らかい材料、特にTPE(熱可塑性エラストマー)又はTPU(熱可塑性ポリウレタン)系(請求項2)でできたプラスチックから製造することができる。プラスチックの種類は、スプレー流路に対して一つで十分である。スプレー流路はしかしながら、TPE又はTPU系(請求項3)、特にPP又はPE(請求項4)でできた少なくとも2種類のプラスチックの混合物から製造することもできる。TPEとPP若しくはPE又は他のプラスチックとの混合物もまた考えられる。試験が示したところでは、PPからなるスプレーレバーは、良好な騒音減衰効果を有するには、少なくとも40%のTPE(請求項5)を含まなければならない。
【0009】
ある角度を成すスプレー流路10を囲む(キャップ7と一体化した)スプレーアングル材2を備えるキャップ7に対し、ボタン6は、エアゾール容器である容器1の弁を始動させるために使用されている。継ぎ目5の周りで旋回するボタンが使用され、ある角度を成すスプレー流路10を介して容器1のステム11に作用し、ボタン6の始動時にステム11を外側に倒すことによって、さらに弁(不図示)を開放させ、それによって、容器1に収容された製品は、スプレー流路10を通過する時、ステム11を介して、又、キャップ7上のこの用途を意図した製品吐出開口部3を介して噴出することができる。スプレー流路10は音響シールを有している。そのため、スプレー流路は、弾性プラスチックで一体に製造される。
【0010】
これは50%のPP及び50%のTPEからなる。TPEはサントプレーン(Santoprene)(登録商標)である。しかしながら、これはベイラム(Vayram)(登録商標)又はエボプレーン(Evoprene)(登録商標)であってもよい。ボタン6を始動させると、スプレー流路10が変形するが、これは、スプレー流路10が、製品吐出開口部3の領域においてキャップ7に連結されているからである。このスプレーの騒音は、比較的心地よいものである。
【0011】
【表1】

【0012】
本発明について、実施形態の例を示す2つの図を用いて以下により詳細に示す。以下について図示する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】部分的に垂直断面とした側面図において、ボタンを備えたキャップを示しており、このボタンは、ある角度を成すスプレー流路を含むスプレーレバーに作用するものであり、キャップは、ヘアースプレーを含む容器に配置されており、ボタンは始動されていない。
【図2】部分的に垂直断面とした側面図において、図1の目的を示しており、ボタンが始動されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャップ(7)であって、
ある角度を成すスプレー流路(10)を囲む、前記キャップ(7)と一体化されたスプレーアングル材(2)と、
容器(1)の、特にエアゾール容器又はスプレー容器の、弁を作動させるためのボタン(6)と
を有し、
前記ボタン(6)は、前記ある角度を成すスプレー流路(10)を介して前記容器(1)のステム(11)に作用し、前記ボタン(6)を手動で作動させる時に前記ステム(11)を外側に倒し、前記弁を開放させることを意図しており、それによって、前記容器(1)に収容された製品が、前記スプレー流路(10)を通過する時、前記ステム(11)を介して、且つ、前記キャップ(7)上のこの用途を意図した製品吐出開口部(3)を介して噴出でき、
前記スプレー流路(10)は音響シールを有しており、
前記スプレー流路が弾性プラスチックから一体に製造されることを特徴とするキャップ(7)。
【請求項2】
前記スプレー流路(10)は、非常にしなやかで柔軟性があり且つ柔らかい材料から、特にTPE(熱可塑性エラストマー)又はTPU(熱可塑性ポリウレタン)系でできたプラスチックから製造される、請求項1に記載のキャップ。
【請求項3】
前記スプレー流路(10)は、TPE及びTPU系の少なくとも2種類のプラスチックの混合物から製造される、請求項1に記載のキャップ。
【請求項4】
前記混合物は、TPE、特にポリプロプレン(PP)又はポリエチレン(PE)を含む、請求項3に記載のキャップ。
【請求項5】
前記スプレー流路(10)はポリプロピレン(PP)から成り、且つ少なくとも40%のTPEを有する、請求項4に記載のキャップ。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−520507(P2008−520507A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541810(P2007−541810)
【出願日】平成17年11月21日(2005.11.21)
【国際出願番号】PCT/EP2005/012435
【国際公開番号】WO2006/058627
【国際公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】