説明

エアゾール容器

【課題】バルブ部品にバラツキがあっても、ボタンの押込幅を確保でき、噴射を規定量とし、少ない部品点数で低コストにして噴射回数の管理が可能なカウント機構付きエアゾール容器を提供する。
【解決手段】エアゾール容器において、上向きに付勢配置される摺動部材と、摺動部材が所定高さを超えることを阻止する上昇阻止体と、ノズルの所定位置に設けられた掛押部を有し、摺動部材と一体的に連動するボタンとを備え、機構部を適正に作動させるのに必要とされるボタンの押込幅を確保できるように構成した。また摺動部材の動作に連動して噴射回数をカウントできるようにした。また、回転盤に当接するように付勢された当接体と、この当接体と一体的に連動する降下阻止体と、ロック解除体との連携によって、規定の回数噴射操作を行うと摺動部材の移動経路内に降下阻止体が侵入してそれ以上の降下を阻止してボタンのロックと解除ができるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアゾールのボタンの最大押込量を一定にする定量押込機構及びこれを用いた定量噴射機構付きエアゾールの使用回数を表示あるいは規定するカウント機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、定量の液剤を噴射することのできる定量バルブ付きエアゾールとしては、実開平6−14081号公報(特許文献1)、特開平10−305882号公報(特許文献2)、実用新案登録第606516号公報(特許文献3)、特開2001−270576号公報(特許文献4)、特許第3339900号公報(特許文献5)などが知られている。このような定量バルブ付きエアゾールは、1回の使用量に制限がある医薬品や化粧料等に使用する場合に利用されるものであり、1回の噴射操作で定量を噴射する必要のある物品の使用に適したものである。
【0003】
また、このような定量バルブ付きエアゾールで、エアゾール容器内に設けられた計量室にいったん一定量(例えば1日分)の医薬品等の物品を充填したのち、定量ずつ小分けして噴射することができるエアゾールの噴射構造が特開平11−245978号公報(特許文献6)、及び特開2001−232249号公報(特許文献7)に開示されている。このようなエアゾールは、1日あたりの使用量が規定されている医薬品の場合、それを1日に数回に分けて定量づつ噴射することが可能なものである。
【0004】
さらには、喘息などの呼吸器系疾患の治療用吸入器において、噴射した回数を表示するカウンターを備えたエアゾールのディスペンサがあり、使用者が残量を判断することができるようにした発明や考案が特表2000−513633号公報(特許文献8)、及び実開平6−26891号公報(特許文献9)に開示されている。
【0005】
【特許文献1】実開平6−14081号公報
【特許文献2】特開平10−305882号公報
【特許文献3】実用新案登録第606516号公報
【特許文献4】特開2001−270576号公報
【特許文献5】特許第3339900号公報
【特許文献6】特開平11−245978号公報
【特許文献7】特開2001−232249号公報
【特許文献8】特表2000−513633号公報
【特許文献9】実開平6−26891号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した特許文献1から5の定量バルブ付きエアゾールにあっては、充填する薬剤の用途によって、1回の定量バルブによる噴射では規定量に満たない場合や、ある程度の範囲に及ぶ部位に規定量を噴射する必要がある場合は、規定量に達するまで複数回の噴射操作を行う必要がある。このような場合、回数を数えながらエアゾールの噴射操作を行う必要があるが、途中で噴射回数を忘却したり、数え間違えて、規定量に満たなかったり逆に超過して噴射してしまうことがある。このように誤った量を噴射した場合、医薬品の使用としては効果が得られなかったり、副作用が生じてしまうという問題があった。
【0007】
また、特許文献6、7のエアゾール容器内に設けられた計量室にいったん一定量の医薬品を充填したのち、定量づつ小分けして噴射するようにしたエアゾールにあっては、医薬品の用途により、一定量の医薬品の量を1日分、あるいは1回分と規定してそれを定量づつ複数回数噴射をすることになる。この場合、ある程度の範囲に1回分の規定量を複数箇所に定量づつ噴射して1度で消費してしまうような場合は、計量室にいったん充填された規定量の医薬品が無くなるまで噴射操作をすればよいが、規定量を1日分として朝、昼、夕、就寝前にと複数回に分けて噴射する必要があるようなとき、途中で噴射したのかしなかったのかを忘却してしまうことがあり、エアゾール容器の構造的な面からも外観から計量室にいったん充填された規定量の医薬品を目視確認することができず、医薬品のエアゾールとしては問題があるものである。
【0008】
さらに、特許文献8、9のカウンター付きのエアゾールのディスペンサにあっては、喘息などの呼吸器系疾患の治療用吸入器である性格上、ディスペンサに収容される薬剤エアゾールは、外出時などの急な発作に対応するため携帯に則した小型軽量なものとなっている。このような薬剤エアゾールは小型で軽量であるが故に、手で振ってみても充填されている薬剤の量が極めて解りづらいため、噴射回数あるいは残りの噴射回数が解るようにカウンターが設けられている。しかしながら数10回〜100回以上の噴射回数をカウントするため、カウント機構部は、部品点数も多く複雑な構造となっている。
【0009】
また、違う側面においては、噴射した回数を単にカウントして、あとどのくらい使用することができるかを使用者が判断するに過ぎず、医薬品のエアゾールとして、1回あたりの噴射回数、あるいは1日あたりの噴射回数すなわち使用量を管理するといった配慮があるものではない。
【0010】
そして、上述の如くのカウント機構は、基本的にエアゾール容器のボタンを押し込むときの上下動を回動に変換し、この回動を利用することによってボタンを押し込んだ回数を計量するという仕組みになっている。特に、ボタンが上下動するときの移動幅が一定していることが正確なカウントや誤噴射防止上必須要件となる。ところが、ボタンが取り付けられている噴射ノズルは、弁の開閉部に使用されている弾性を有するシール部材の状態の相違やエアゾール容器にバルブ機構部を取り付ける際のかしめによって、所謂ステムハイトと呼ばれるマウンテンキャップの最上端位置からステム上端までの高さにバラツキが生じるという問題があって、これが原因で、カウント機構を取り付けた状態で内容物が噴射してしまうという誤噴射やボタンを押し込んだにも拘わらずカウントされない若しくは押した回数よりも多くカウントされるという誤カウントが起こってしまうという問題が生じていた。
【0011】
本発明は上述の如くの問題に鑑みてなされたものであり、ステムハイトやバルブストロークにバラツキがあっても、正確な機構動作を可能とするボタンの押し込みに要求される押込幅を確保することを可能とし、以て、内容物の噴射量を規定しつつ少ない部品点数で低コストにして正確にカウントできて確実に噴射回数を管理することが可能なカウント機構付きエアゾール容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の特徴は、エアゾール容器にステムハイトやバルブストロークのバラツキがあっても、送り爪の所定量の最低降下幅を確保するために仮想ストロークともいうべき遊び用間隙を設定することによって、正確に噴射回数に対応した噴射回数カウントを行えるように構成したことにある。すなわち、上記課題を解決するために本発明の採った手段は、内容物を吐出するためのノズルを上下動させることによって弁を閉止または開放するバルブ機構を有するエアゾール容器において、少なくとも、このエアゾール容器上部から上向きに延在した前記ノズルに対して該ノズルに沿った摺動を自在とするように配置される摺動部材と、この摺動部材を上向きに付勢するために下端が前記ノズルに、上端が該摺動部材に設置される付勢手段と、上向きに付勢された前記摺動部材が所定高さを超えることを阻止するための上昇阻止体と、前記ノズルの所定位置に設けられた被掛押部を押圧し得る掛押部を有し且つ吐出口が配置され且つノズル先端に配置される前記摺動部材と一体的に連動するボタンとを備え、ボタンを押していない状態において、前記被掛押部と掛押部との間に所定範囲内の大きさの遊び用間隙が作出され得るようにし、ボタンを押して噴射させる際に、カウンター機構部を作動させるのに必要とされる幅内の押込量を得ることができるように構成されることを特徴とする。
【0013】
また、エアゾール容器が、ボタンを押す毎に噴射する量を一定とするための定量噴射機構を有するものであり、このようなエアゾール容器に対して好適に装着して使用できるように構成されていることを特徴とする。
【0014】
また、摺動部材と一体的に連動する送り爪と、この送り爪の所定の動作に連動して所定の向きに所定角度だけ回動する歯車と、この歯車が逆回転することを防止するための逆転防止爪と、摺動部材の所定の動作に連動して所定の向きに所定角度だけ回動する略円形の回転盤と、この回転盤の周縁に当接するように常時付勢された当接体と、この当接体に一体的に連動し且つ該当接体が所定の位置に在るとき、前記摺動部材の上下動における移動経路内に在って該摺動部材の降下を阻止する降下阻止体とを有し、前記回転盤の周縁上の所定カ所には、半径方向内向きに凹設された凹陥部があって、降下阻止体が前記移動経路内にあるとき、当接体が凹陥部に落接した状態となり、所定回数だけボタンを押すとそれ以上ボタンを押すことができなくなるように構成されることを特徴とする。さらに、落接状態の当接体を外部からの操作によって前記回転盤の半径位置まで戻すためのロック解除部材と、ロック解除部材を介して行った操作によって、回転盤の外周に接する向きに常時付勢されながらも該外周から離れた当接体が、付勢方向に戻ってしまうことを所定カ所に引っ掛かって阻止する係止爪とを有し、ボタンを押すことができなくなるロック状態からその状態を解除することができるように構成されることを特徴とする。
【0015】
また、回転軸に軸支された歯車が、摺動部材の両側に離間して複数設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ステムハイトやバルブストロークにバラツキのあるエアゾール製品であっても、噴射ボタンを押し込む際に、何等かの機構部を正確に作動させるのに必要とされる押込量を得ることができるという効果がある。これによって、噴射ボタンを押した回数を正確にカウントするために要求される所定幅内の押し込み量が得られるという効果がある。また、当該発明の押込量を適正化する機構は、噴射ボタンを押した回数をカウントするためのカウント機構や所定回数噴射ボタンを押すとそれ以上ボタンを押せなくなるというロック機構及びロック解除機構などの機構部と併設させることができるという効果がある。
【0017】
定量噴射機構付きのエアゾール容器においては、育毛剤などの医薬品、化粧料等の物品を充填した定量バルブ付きのエアゾール容器と、噴射部を設けたボタンと、該エアゾール容器の定量バルブとボタンとの間に、カウント機構及びロック機構を設けたことによって、1回あたりの使用量に制限がある物品(例えばミノキシジル、アデノシン、アミンオキシド、ブリチルレチン、ヒノキチオールなどの薬剤を配合した育毛剤)の、使用量を規定し管理することを可能にしたものである。なおかつ、育毛剤においては頭皮の数カ所に育毛剤を噴射することになるのであるが、特に頭皮全体に満遍なく噴射することが必要な育毛剤の使用には高度な適合性を得られるという効果がある。
【0018】
また、カウント機構に噴射回数の表示装置を設けたことによって、より具体的な噴射の回数あるいは残りの噴射回数を知ることが可能になり、規定された使用量を管理する点においてより確認若しくは認識が確実なものとなった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
この発明の好ましい実施の形態を以下に詳細に説明する。内容物を吐出するためのノズルを上下動させることによって弁を閉止または開放するバルブ機構を有するエアゾール容器好ましくは定量噴射し得るように構成されたエアゾール容器において、吐出口が配置され且つノズル上先端に配置されるボタンの押込み幅を一定化するために、少なくとも、このエアゾール容器上部から上向きに延在した前記ノズルに対して該ノズルに沿った摺動を自在とするように配置される摺動部材と、この摺動部材を上向きに付勢するために下端が前記ノズルに、上端が該摺動部材に設置される付勢手段と、上向きに付勢された前記摺動部材が所定高さを超えることを阻止するための上昇阻止体と、前記ノズルの所定位置に設けられた被掛押部を押圧し得る掛押部を有し且つ吐出口が配置され且つノズル上先端に配置される前記摺動部材と一体的に連動するボタンとを備え、ボタンを押していない自然状態において、前記被掛押部と掛押部との間に所定範囲内の大きさの遊び用間隙が作出され得るようにし、ボタンの押込幅を常に必要とされる幅内に規定することができるように構成し、ステムハイトやバルブストロークにバラツキがあってもそれを吸収することができるように構成される。また特に、前記付勢手段がバルブ機構内において弁を閉止するために使用される弁付勢手段よりも低硬度であって、ボタンを押し込んだとき、掛押部が被掛押部に当接して押圧するまでの遊び用間隙の範囲内における押込量であれば、前記付勢手段だけが収縮し、弁付勢手段は殆ど収縮しないように構成される。
【0020】
また、ボタンの押し回数をカウントし、その回数を表示するカウント機構として、次の如くの構成を採用し、前記押込量を所定範囲内の幅とする機構と併用することができるように構成される。すなわち、内容物を吐出するためのノズルを上下動させることによって弁を閉止または開放するバルブ機構を有するエアゾール容器において、吐出口が配置され前記ノズル上先端に装着されるボタンと、このエアゾール容器上部から上向きに延在した前記ノズルに対して該ノズルに沿った摺動を自在とするように配置される摺動部材と、この摺動部材を上向きに付勢する付勢手段と、上向きに付勢された摺動部材の所定高さ以上の上昇を阻止する上昇阻止体と、該摺動部材に一体的に連動する回し爪と、この回し爪の所定の動作に連動して所定の向きに所定角度だけ回動する歯車と、前記回し爪によって該歯車が逆回転することを防止するための逆転防止爪と、前記歯車の同軸上に配置される略円形の回転盤とを有する構成を採る。
【0021】
また、ボタンを所定回数だけ押したとき、ロックが掛って、そのままではそれ以上ボタンを押すことができなくなるロック機構及びこのロック状態を解除するためのロック解除機構を併用することができるように構成される。すなわち、ボタンの所定の動作に連動して所定の向きに所定角度だけ回動する略円形の回転盤と、この回転盤の周縁に当接するように常時付勢された当接体と、この当接体に一体的に連動し且つ該当接体が所定の位置に在るとき、前記摺動部材の上下動における移動経路内に在って該摺動部材の降下を阻止する降下阻止体とを有し特に、前記回転盤の周縁上の所定カ所には、半径方向内向きに凹設された凹陥部があって、降下阻止体が前記移動経路内にあるとき、当接体が凹陥部に落接した状態となるように構成される。また、この落接状態の当接体を外部からの操作によって前記回転盤の半径位置まで戻すためのロック解除部材と、ロック解除部材を介して行った操作によって、回転盤の外周に接する向きに常時付勢されながらも該外周から離れた当接体が、付勢方向に戻ってしまうことを所定カ所に引っ掛かって阻止する係止爪とを有して構成される。
【0022】
また、前記カウント機構の回転軸に軸支された歯車は、摺動部材の両側に離間して複数設けることができ、効率的且つ安定的に上下動を回動に変換することができるように構成される。
【実施例1】
【0023】
実施例1を、図1乃至7を参照しながら以下に詳細に説明する。図1は定量噴射機構付きエアゾール缶(1)に、当該発明を適用した最大押込幅定量化機構とカウント機構及びロック機構及びロック解除機構を含む機構部を装着してなる頭皮用医薬品の供給装置の分解状態を示す斜視図である。図2は、前記エアゾール缶(1)のバルブ周辺を示す断面図である。図3は、図1における機構部の分解状態を示す斜視図である。図4は、当該発明の機構部の構造を示す歯車(2)側から見た断面図であり、図5はその逆側である回転盤(3)側から見た断面図であって当該装置のロック状態を示す。図6は、当該発明の装置のロック解除状態を示す断面図である。図7は、機構部の作動状態を断続的に示す断面図である。
【0024】
図1に示すように本例においては、定量噴射機構付きエアゾール缶(1)の上部に、押込量の調整機構と、カウント機構と、ロック機構及びロック解除機構とを含む機構部を装着してなり、最上部には、内容物を吐出するための吐出口(4)が配置され且つ摺動部材(5)の最上端部に嵌合される、頭皮に押し付けて噴射するように構成されたボタン(6)を有している。
【0025】
図2に示すように、例えば、定量供給機構付きエアゾール缶(1)は、上方が窄まった開口部(7)を有する缶の該開口部(7)に、定量供給機構部を備えた蓋部材(8)を前記開口部(7)にかしめて嵌合し、内容物を密閉するように構成されている。前記開口部(7)と蓋部材(8)とのかしめ嵌合部には予めゴムパッキンが塗装されより高度に密閉できるようになっている。定量供給機構部は、エアゾール缶(1)の上方に向かってコイルスプリング(9)によって付勢された弁部(10)を有し且つエアゾール缶(1)の内外に延在したノズル(11a)を備えている。また、前記弁部(10)が当接しているときエアゾール缶(1)を密閉するための所定の厚みを有する弾性パッキン(12)を備えている。前記コイルスプリング(9)は、前記ノズル(11a)を囲繞するように蓋部材(8)の内側に配置される噴射量規定室(13)内に収容されている。この噴射量規定室(13)は、上端が蓋部材(8)の内面に密着しつつ弾性パッキン(12)を支持し、且つ下端に上下方向に貫通した連通孔(14)を有し、且つノズル(11a)のエアゾール缶(1)内側に延在した部分の長さよりも短く、所定の容積を有する。連通孔(14)には、ノズル(11a)の下端部が通され、該ノズル(11a)との間には僅かに間隙があって内容物が流動し得るようになっている。前記連通孔(14)の下方には、ノズル(11a)が最上部位置に在るとき開放し、ノズル(11a)が下方に位置しているとき、ノズル(11a)下端部が差し込まれて孔を塞いで密閉する弁孔体(15)を備えている。ノズル(11a)には、上端から弁部(10)近傍位置まで掘り込まれた状態の内容物流通路(16)を有し、この内容物流通路(16)の下端から当該ノズル(11a)の外周面に貫通した横穴(17)が設けられ、該ノズル(11a)が最上部位置にあるときには噴射量規定室(13)と隔絶され、ノズル(11a)が所定量以上押し下げられた位置にあるときには、噴射量規定室(13)と連通するように構成されている。
【0026】
従って、ノズル(11a)が最上部位置にあるときには、ノズル(11a)の弁部(10)が弾性パッキン(12)に当接しつつ横穴(17)が塞がった状態でエアゾール缶(1)内外が断絶された状態となっている。このとき、ノズル(11a)下端部は弁孔体(15)の孔を塞いでおらず、缶内圧によって、缶内の内容物は噴射量規定室(13)まで侵入し、該噴射量規定室(13)を含む缶内の至る所で等圧状態となっている。この状態からノズル(11a)を所定量以上押し込むと、ノズル(11a)下端部が弁孔体(15)の孔を塞ぎつつ、弁部(10)が弾性パッキン(12)から離れてノズル(11a)の横穴(17)を通じて内容物流通路(16)が噴射量規定室(13)と連通し、該噴射量規定室(13)内にあった所定量の内容物がその圧力で吐出口(4)から噴射するようになっている。勿論、このとき噴射量規定室(13)とエアゾール缶(1)内とは弁孔体(15)の孔をノズル(11a)下端部が塞いでいることによって断絶状態となっていて、該缶内外は連通していないので缶内から内容物が放出されることはない。当該発明を適用するためのエアゾール缶(1)においては、必ずしも上述の如くの構造である必要はないことは言うまでもない。
【0027】
図3乃至7に示すように、当該発明を適用してなる機構部は、前記エアゾール缶(1)のノズル(11a)を更に上方に延長するための延長ノズル(11b)と、この延長ノズル(11b)に対して該延長ノズル(11b)に沿った摺動を自在とするように配置される摺動部材(5)と、この摺動部材(5)を上向きに付勢する比較的低硬度のバネ(18)と、上向きに付勢された摺動部材(5)の所定高さ以上の上昇を阻止する上昇阻止部(19)を有する機構部を覆うハウジング(20)とを有し、前記延長ノズル(11b)の上先端には吐出口(4)が設けられ且つ頭皮に押し付けて使用するボタン(6)が配置されている。また、延長ノズル(11b)の上端近傍の外周上には、ボタン(6)を所定量以上押し下げたとき該ボタン(6)の掛押部(21)が係合して押圧力を延長ノズル(11b)に伝達するための被掛押部(22)が形成されている。このような構造を採ることによってボタン(6)を押し下げていないとき、前記掛押部(21)と被掛押部(22)との間に好ましくは2mm程度の仮想ストローク(S)が作出されるように構成され、製品毎に異なるステムハイト(H)やバルブストローク(V)のバラツキを吸収しつつボタンの押し込み量として必要とされる押込量(L)を得られるようにする押込量の適正化機構をなしている。
【0028】
また当該機構部は、摺動部材(5)に一体的に連動する回し爪(23)と、この回し爪(23)のもとの高さ位置に戻ろうとする上昇動作に連動して所定の向きに所定角度だけ回動する歯車(2)と、前記回し爪(23)によって該歯車(2)が逆回転することを防止するための逆転防止爪(24)と、前記歯車(2)の同軸上に配置される略円形の回転盤(3)とから構成される、ボタン(6)を押した回数をカウントするカウント機構を有する。また、歯車(2)の各歯(25)は、該歯車(2)の回転軸(26)中心からの半径方向から動径方向に所定角度だけ傾けて形成されていて、逆転防止爪(24)との連携によって正転し易く逆転しないようになっている。また、カウントした回数を視認し得るように表示した略円形の表示盤(27)を歯車(2)と同軸上の外側位置に合わせられ、ハウジング(20)に形成された表示窓(180)の位置に配置されて、押した回数が外部からわかるようになっている。
【0029】
また当該機構部は、所定回数ボタン(6)を押したとき、そのままではそれ以上ボタン(6)を押すことができないようにロックされ、所定の操作を行うことによって該ロックが解除されるように構成されるロック機構及びロック解除機構を含んでいる。すなわちそれは、前記回転盤(3)の周縁に当接するように常時付勢された当接体(28)と、この当接体(28)に一体的に連動し且つ該当接体(28)が所定の位置に在るとき、前記摺動部材(5)の上下動における移動経路内に在って該摺動部材(5)の降下を阻止する降下阻止体(29)とを有する。また、前記回転盤(3)の周縁上の所定カ所には、半径方向内向きに凹設された凹陥部があって、降下阻止体(29)が前記移動経路内にあるとき、当接体(28)が凹陥部(30)に落接した状態となるように構成される。また、この落接状態の当接体(28)を外部からの操作によって前記回転盤(3)の半径位置まで戻すためのロック解除部材(31)と、このロック解除部材(31)を介して行った操作によって、回転盤(3)の外周に接する向きに常時付勢されながらも該外周から離れた当接体(28)が、付勢方向に戻ってしまうことを、摺動部材(5)の所定位置に設けられた被係止部(32)に引っ掛かって阻止する係止爪(33)とを有する。
【0030】
図7に示すように、当該発明の機構部のボタン(6)が最上部に位置する初期状態(図7a参照)からほんの少しの降下量(a)だけボタン(6)を押すと、該ボタン(6)が嵌合された摺動部材(5)がボタン(6)の若干の降下に連動して下がり、これと一体的に設けられた回し爪(23)も同様に降下する。この降下に伴って、回し爪(23)は、接触していた歯(25a)を離れ歯(25b)へ移動し歯車(2)が若干回動するが、逆転防止爪(24)と該歯車(2)の歯(25g)が当接して該歯車(2)のそれ以上の逆回転を阻止するようになっている(図7b参照)。つまり、降下量(a)は図7aに示す歯(25g)の初期位置から図7bに示す歯(25g)が逆転防止爪(24)に当接するまでの回動量に対応するものである。
【0031】
この状態からさらに降下量(b)だけボタン(6)を押し下げた状態を示したのが図7cである。この状態におけるボタン(6)の降下量は、降下量(a)+降下量(b)であり、このとき、回し爪(23)が歯(25b)を乗り越えた状態となる。そして、回し爪(23)が歯(25b)を乗り越えた位置よりも下に位置するとき、ノズル(11b)が降下量(c)だけ押し下げられ内容物の噴射がなされ得るように構成される。つまり、回し爪(23)が、歯(25b)を乗り越えない限り内容物は噴射されないように構成され、逆に内容物が噴射される位置までノズル(11a)が押し下げられたとき、回し爪(23)は歯(25b)を乗り越えた位置となるように構成されている。
【0032】
ボタン(6)を目一杯押し下げた状態を図7dに示した。このときの押し下げ幅が最大押込量(L)である。この最大押込量(L)は、バルブストローク(V)=降下量(c)+降下量(d)とステムハイト(H)及び仮想ストローク(S)によって規定されるものである。つまり、バルブストローク(V)の標準値をv、この標準値(v)からのバルブストロークのバラツキをδ、ステムハイト(H)の標準値をh、この標準値(h)からのステムハイトのバラツキをε、仮想ストロークの標準値をsとすると、H=h±δ及び、V=v±εであって、最大押込量(L)は、L=S+V=sAδ+V=sAδ+v±εと表される。従って、ステムハイト(H)が最大となるH=h+δで、バルブストローク(V)が最小となるV=v−εのとき、最大押込量(L)が最小値L=s+v−δ−εとなり、逆に、ステムハイト(H)が最小となるH=h−δで、バルブストローク(V)が最大となるV=v+εのとき、最大押込量(L)が最大値L=s+v+δ+εとなる。すなわち、当該発明のエアゾール容器は、最大押込量(L)が、s+v−δ−ε≦L≦s+v+δ+εを満たすように構成される。そして、Lがこの不等式を満たす範囲にあればボタン(6)の押し込みによる内容物の噴射と、噴射の回数のカウント及び噴射回数の表示、及び規定回数の噴射時のロックが正しく行われるようになっている。
【0033】
また、図7dに示すように、この状態では回し爪(23)は、歯(25c)の頂点面に当接した格好となっている。これに対し、図7eはボタン(6)を離し、ボタン(6)の上昇に連動して回し爪(23)が、歯(25b)に当接するまで上昇量(e)だけ上昇した状態を示している。このとき、回し爪(23)は、図7dの状態すなわち、歯(25c)の頂点面に当接した状態から外面状をスライドしつつ上昇するのであるが、この程度の摩擦では、歯車は回転しない程度の摩擦抵抗力を有する。そして、この状態からさらにボタン(6)が上昇量(f)だけ上昇し、歯(25h)を逆転防止爪(24)が乗り越えた直後の状態を示したのが図7fである。勿論このとき、ボタンは、その最上昇位置つまり図7aのボタンの位置までには、未だ微妙な上昇残量(g)を存した位置にあるが、ボタンの上昇は図7aのボタン位置まで継続され、最終的には元のボタン位置まで戻る。
【0034】
図7a〜fのそれぞれの状態について、具体的な一数値例をまとめたものを以下の表1に示す。また、仮想ストローク(S)及びステムハイト(H)及びバルブストローク(V)は、それぞれ、2mm、8.5mm、3mmとする。また、各項目をそれぞれ、(i)ボタン押し込み量、(ii)仮想ストローク残量、(iii)回し爪降下量、(iv)回し爪の状態、(v)逆転防止爪の状態、(vi)ノズル降下量、(vii)噴射状態とする。
【0035】
【表1】

【実施例2】
【0036】
次に図8から13を参照しながら実施例を詳細に説明する。図8は、本発明のカウント機構付きエアゾールの全体を示したもので、図9は前述したカウント機構付きエアゾールの主要な構成部品を分解した図である。
【0037】
エアゾール容器(110)は育毛剤を充填した定量バルブ付きのエアゾール缶、(120)はカウント機構部(140)を覆うカバー、(130)は頭皮に押し付けて育毛剤を噴射するための噴射部を備えたボタンである。
【0038】
カウント機構部(140)は、図10に示されるように、基盤(141)にボタン(6)とエアゾール缶の定量バルブの吐出口を接続し噴射操作のために上下動作する摺動部材(150)を備え、摺動部材(150)の上方に位置する矩形部(151)の下面には、図11、12に示されるように垂下して設けられた送り爪(152)を有する。一方、基盤(141)に設けられた軸支穴(142)に回転可能に軸支された回転軸(160)と、該回転軸(160)に軸支され同調して回転するギア(161)からなる回転部が構成され、図11〜14に示されるように、送り爪(152)とギア(161)が噛み合い係合することにより、摺動部材(150)に接続されたボタン(6)を押し下げたときに送り爪(152)がギア(161)と噛合して、摺動部材(150)が上方に復帰する際、送り爪(152)がギア(161)を1ピッチ分回転させる。また、基盤(141)には、ギア(161)の逆回転防止のためと、常に同じ位置で停止するように、板バネから成る逆回転防止爪(143)を常にギア(161)の歯面に対して弾力的に付勢して当接するように設けられている。
【0039】
ボタン(6)を押すことで定量バルブから一定量の育毛剤が噴射される。しかし、ステムハイトにバラツキがあることによって、上述の如くの正確なカウント動作がなされなくなり、使用回数表示が不正確になって、規定された回数だけボタン(6)を押しても結果的に規定量に満たない育毛剤を噴射することになり、所望の効果が得られないという問題が生じる。
【0040】
これを防止するために、図13Bに示すように、ボタン(6)を最後まで押しきったときのストロークと定量バルブのストロークをほぼ同一ストロークとなるようにして、ボタン(6)を最後まで押しきったときに送り爪(152)がギア(161)に噛んでギア(161)が回転するように、図13Aと比較して、ギア(161)を半ピッチ反時計方向にずらした。また、この状態で送り爪(152)がギア(161)を回転させたとき、完全に1ピッチ時計方向に回転しきる前に送り爪(152)がギア(161)の歯面から外れ、結果的にギア(161)の回転位置がずれてしまい、次回ボタン(6)を押したときに、最後まで押しきらない位置でギア(161)に噛んで1ピッチ分回転させてしまうことになり、ギア(161)を半ピッチ反時計方向にずらした意味がなくなるが、ギア(161)の山面(162)には、板バネの逆回転防止爪(143)が常に反時計方向へ回転しようとする角度設定で弾力的に付勢し当接することで、逆回転防止爪(143)の開放側端部がギア(161)の谷面(163)に突き当たり常に同じピッチで回転して停止するようにしてある。
【0041】
このような構成により、ボタン(6)を押した際は、常に一定量の育毛剤が噴射され、最終的に規定量の噴射が可能になる。このように構成された第1の実施例のカウント機構付きエアゾールには、噴射の回数をカウントすることが可能な表示手段を適宜設けることが可能であり、その一例を以下に述べる。
【0042】
図10に示されたように、回転軸(160)の端部に表示装置(170)を設け、回転軸(160)の回転に同調して回転するようにして、図8に示されるように、カバー(120)に開口した表示窓(180)から目視確認することが可能である。表示装置(170)の表示は、数字であれば、ボタン(6)を押すごとに1から順を追って表示するようにすれば、現時点で何回の噴射を行ったかを確認することが可能である。医薬品原料配合した育毛剤では、規定量の育毛剤を頭皮の数カ所に噴射して満遍なく行き渡らせることが重要かつ効果的とされる。そのためには、ボタン(6)を1回押したときの噴射量と育毛剤の1回あたりの規定量から換算してボタン(6)を押す回数を決定する。
例えば7回ボタン(6)を押すことで(噴射することで)で1回あたりの規定量となるものであれば、表示装置(170)には0から7の表示を行い、ギア(161)の歯数の設定に応じて0から7の表示を、2サイクル分設ければ良い。また、数字を連続的に0から15といった表示をしても良い。
尚、表示装置(170)への表示は、数字以外の一例として、「始」から始まり「終」で終わるようにしても良いし、色を分けて青で始まり赤になったら終わりといったようにしても良く、解りやすい表示を適宜選択して表示すれば良い。
これにより使用する規定量の管理を確実なものとすることが可能になる。
【0043】
図10、11に示すようにカウント機構部(140)の回転軸(160)に軸支されたギア(161)を、摺動部材(150)の両側に水平方向に離間して複数設けた。これに相応して摺動部材(150)に設けられた送り爪(152)も水平方向に離間して複数設けた。このように構成されたギア(161)と送り爪(152)は、前述のようにボタン(6)を最も深く押し下げたときに送り爪(152)がギア(161)の歯に噛んで、摺動部材(150)が上方に復帰する際、送り爪(152)がギア(161)を1ピッチ分回転させるが、摺動部材(150)を挟んで両側にギア(161)と送り爪(152)を設けているので、安定してスムースなボタン(6)の上下動作が可能になり、ボタン(6)の上下動作を阻害するなどといったことが防止される。
【実施例3】
【0044】
図14から17は本発明の第3の実施例を示すものである。カウント機構部4には、図14、15に示されるように、基盤(141)にボタン(6)とエアゾール缶の定量バルブの吐出口を接続し噴射操作のために上下動作する摺動部材(150)を備え、摺動部材(150)の上方に位置する矩形部(151)の下面には、垂下して設けられた送り爪(152)と、図16に示すようにストッパー(162)の端部を受けてボタン(6)の押し下げ動作を抑止してロックするための係合部(153)を有する。
【0045】
一方、図16に示されるように、基盤(141)に設けられた軸支穴(142)に回転可能に軸支された回転軸(160)には、該回転軸(160)に軸支され同調して回転するギア(161)、ストッパー(162)、スプリング(163)、リセッター(164)からなる回転部が構成される。このように構成された回転部は、回転軸(160)に対してギア(161)とリセッター(164)は軸支固定されているが、ストッパー(162)は回転軸(160)に対してフリーな状態で挿通され、回転軸(160)と直交する方向に貫通して固定されたスプリング(163)を介して固定されている。
【0046】
このように回転軸(160)に軸支されたストッパー(162)は、摺動部材(150)との接触を吸収する作用を持つと同時に、ストッパー(162)の一方の端部が摺動部材(150)の係合部(153)に係合する際、あるいはリセッター(164)により係合部(153)との係合を外す場合、ダイレクトな堅さを緩和吸収する作用も併せ持つ。
【0047】
また、医薬品である育毛剤の1回あたりの規定量があるため、定量バルブの1回の噴射量と育毛剤の1回あたりの使用量から算出してギア(161)のピッチを決定する。頭皮の数カ所に育毛剤を噴射して満遍なく行き渡らせるために本実施例においては、7回の噴射で1回あたりの規定量となるものとした。この場合のギア(161)のピッチの設定は、初期状態(ロック状態)を含めて1回目噴射から7回目噴射の8回分(8ピッチ分)を2サイクル行うこととして16ピッチとした。
【0048】
このように構成されたカウント機構部(140)の動作を図17を用いて説明する。図17Aは、初期のロック状態で、ストッパー(162)の一方の端部が摺動部材(150)に設けられた係合部(153)に係合し、ボタン(6)によって摺動部材(150)が押し下げることができないロックされた状態である。使用時においては、上方に向かって位置するリセッター(164)を図17Bに示すように左方向に回転させて、ストッパー(162)の端部を係合部(153)から離脱させロックを解除させる。この状態から図17Cに示されるようにボタン(6)によって摺動部材(150)を押し下げると、定量バルブ付きのエアゾール缶から定量の育毛剤が噴射され、ボタン(6)の押し下げ動作をやめることによって摺動部材(150)は元の位置に上昇し復帰するとともに送り爪(152)によってギア(161)を所定角度(1ピッチ分)回転させる。
【0049】
この操作を所定の回数(本実施例では7回)繰り返すことで、所定の角度づつ回転軸(160)に軸支されたギア(161)、ストッパー(162)、リセッター(164)は同調しつつ回転し、図17D、図17Eに示す状態を経て、図17Fに示すように180度回転したとき、初期のロック状態のストッパー(162)の一方の端部とは逆側の端部が摺動部材(150)の係合部(153)に係合し、再びロック状態となることで1回の育毛剤の規定量の噴射が終了する。そして再びリセッター(164)を操作してロックを解除した後7回噴射操作を行いロック状態となり、規定量の噴射を繰り返すことが可能になる。尚、リセッター(164)は、図示しないが、カウント機構部(140)を覆うカバー(120)の上面に適宜開口させてそこからリセッター(164)の先端部を突出させて操作すればよい。尚、回転表示盤を利用するか、又は回転表示盤の反対側にリセッター(164)の一部を臨ませて、リセット操作出来るようにしても良い。
【0050】
本実施例ではギア(161)の1回転あたり、7回の噴射を2サイクル行えるように設定したが、育毛剤の成分や配合に応じて規定量は変化するものであることと、ギア(161)のサイズに応じて、ギア(161)のピッチは適宜設定すればよい。
また、本実施例において、図14に示すように表示装置(170)を設ければ、使用の際、現時点で何回噴射したかが目視することができ、適宜設定した内容に合わせた数字を表示すればよい。更に、図10、11に示した如くギア(161)を複数設けてもよいことはいうまでもない。
【0051】
本発明では医薬品としての育毛剤について述べたが、育毛剤に限定されるものではなく、1回の使用量が制限されているものであれば医薬品、医薬部外品など幅広い用途に応用が可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】頭皮用医薬品の供給を行うための当該発明を適用した定量噴射機構付きエアゾール缶の斜視図
【図2】図1のエアゾール缶のバルブ周辺を示す断面図
【図3】図1における機構部の分解状態を示す斜視図
【図4】当該発明の機構部の構造を示す歯車側から見た断面図
【図5】図4の逆側である回転盤側から見たもので当該装置のロック状態を示す断面図
【図6】当該装置のロック解除状態を示す断面図
【図7】機構部の作動状態を断続的に示す断面図
【図8】本実施例のカウント機構付きエアゾールの全体を示した図
【図9】本実施例の主要な構成部品を分解した図
【図10】本実施例の第1実施例のカウント機構部の斜視図
【図11】図10を他の方向から見た斜視図
【図12】本実施例のカウント機構部の部品の関係を示した側面図
【図13】本実施例の定量バルブのストロークとギアの関係を示した図
【図14】本実施例の第2実施例のカウント機構部の斜視図
【図15】図14を他の方向から見た斜視図
【図16】本実施例の第2実施例のカウント機構部の部品の斜視図
【図17】本実施例の第2実施例のカウント機構部の動作を示した図
【符号の説明】
【0053】
(1)エアゾール缶
(2)歯車
(3)回転盤
(4)吐出口
(5)摺動部材
(6)ボタン
(7)開口部
(8)蓋部材
(9)コイルスプリング
(10)弁部
(11a)ノズル
(11b)延長ノズル
(12)弾性パッキン
(13)噴射量規定室
(14)連通孔
(15)弁孔体
(16)内容物流通路
(17)横穴
(18)バネ
(19)上昇阻止部
(20)ハウジング
(21)掛押部
(22)被掛押部
(23)回し爪
(24)逆転防止爪
(25a)歯
(25b)歯
(25c)歯
(25g)歯
(25h)歯
(25i)歯
(26)回転軸
(27)表示盤
(28)当接体
(29)降下阻止体
(30)凹陥部
(31)ロック解除部材
(32)被係止部
(33)係止爪
(S)仮想ストローク
(H)ステムハイト
(V)バルブストローク
(L)押込量
(a)降下量
(b)降下量
(c)降下量
(d)降下量
(e)上昇量
(g)上昇残量
(110)エアゾール容器
(120)カバー
(130)エアゾール缶
(140)カウント機構部
(141)基盤
(142)軸支穴
(143)逆回転防止爪
(150)摺動部材
(151)矩形部
(152)送り爪
(153)係合部
(160)回転軸
(161)ギア
(162)ストッパー
(163)スプリング
(164)リセッター
(170)表示装置
(180)表示窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を吐出するためのノズルを上下動させることによって弁を閉開するバルブ機構を有するエアゾール容器において、少なくとも、このエアゾール容器上部から上向きに延在した前記ノズルに対して該ノズルに沿った摺動を自在とするように配置される摺動部材と、この摺動部材を上向きに付勢するために下端が前記ノズルに、上端が該摺動部材に設置される付勢手段と、上向きに付勢された前記摺動部材が所定高さを超えることを阻止するための上昇阻止体と、前記ノズルの所定位置に設けられた被掛押部を押圧し得る掛押部を有し且つ吐出口が配置され且つノズル先端に配置される前記摺動部材と一体的に連動するボタンとを備え、ボタンを押していない状態において、前記被掛押部と掛押部との間に所定範囲内の大きさの遊び用間隙が作出され得るようにし、ボタンを押して噴射させる際に、カウンター機構部を適正に作動させるのに必要とされる幅内の押込量を得ることができるように構成されることを特徴とするエアゾール容器。
【請求項2】
エアゾール容器が、ボタンを押す毎に噴射される量を一定とするための定量噴射機構を有するものであることを特徴とする請求項1記載のエアゾール容器。
【請求項3】
摺動部材の所定の動作に連動して所定の向きに所定角度だけ回動する歯車と、この歯車が逆回転することを防止するための逆転防止爪と、摺動部材の所定の動作に連動して所定の向きに所定角度だけ回動する略円形の回転盤と、この回転盤の周縁に当接するように常時付勢された当接体と、この当接体に一体的に連動し且つ該当接体が所定の位置に在るとき、前記摺動部材の上下動における移動経路内に在って該摺動部材の降下を阻止する降下阻止体とを有し、前記回転盤の周縁上の所定カ所には、半径方向内向きに凹設された凹陥部があって、降下阻止体が前記移動経路内にあるとき、当接体が凹陥部に落接した状態となるように構成されることを特徴とする請求項1又は2記載のエアゾール容器。
【請求項4】
落接状態の当接体を外部からの操作によって前記回転盤の半径位置まで戻すためのロック解除部材と、ロック解除部材を介して行った操作によって、回転盤の外周に接する向きに常時付勢されながらも該外周から離れた当接体が、付勢方向に戻ってしまうことを所定カ所に引っ掛かって阻止する係止爪とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のエアゾール容器。
【請求項5】
回転軸に軸支された歯車が、摺動部材の両側に離間して複数設けられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のエアゾール容器。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2006−256652(P2006−256652A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−75352(P2005−75352)
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】