説明

エアゾール容器

【課題】エアゾール容器のカバーキャップを利用して残留内容物を回収するときに、作業者がカバーキャップを押し込んだままにする必要がないにもかかわらず、アタッチメントを容器本体から取り外さずに残留内容物を回収することを可能にする。
【解決手段】カバーキャップ40に、ステムに嵌合する孔部41を設ける。容器本体10から取り外したカバーキャップ40の孔部41をステムに嵌合して押し下げることによりステムが押し込まれる。このときのステムの押下げ状態を維持したまま、カバーキャップ40をアタッチメントに結合することに用いる結合手段を備える。結合手段は、突起51のような係合部50と、係合孔部61のような被係合部とを有する。係合部50をアタッチメントの鍔形部22に設け、被係合部をカバーキャップ40の頂部に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアゾール容器、特に、エアゾール容器に備わっているカバーキャップを利用することにより、容器内残留物をそのカバーキャップ内に噴出させて廃棄するための対策が講じられているエアゾール容器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のエアゾール容器にあっては、有底筒状の容器本体の口部に、内容物の吐出通路を有するステムが設けられていて、ステムが押し込まれると内容物が吐出通路を経て吐出され、ステムが押込み位置から初期位置に復帰すると内容物の吐出が停止するようになっているものがある。
【0003】
また、エアゾール容器には、チップ型ノズルを採用したエアゾール容器やアタッチメントを採用したエアゾール容器がある。
【0004】
このうち、チップ型ノズルを採用したエアゾール容器はステムにチップ型のノズルが差し込まれている。このものでは、ノズルを手の指で押し下げてステムを押し込むと、内容物がステムの吐出通路を経てノズルの噴射口から噴射される。
【0005】
これに対し、アタッチメントを採用したエアゾール容器では、容器本体の頂部に取り付けられたアタッチメントがノズル部を有する押下げ操作部を有していて、その押下げ操作部がステムに差し込まれている。このものでは、押下げ操作部を手の指で押し下げてステムを押し込むと、内容物がステムの吐出通路を経てノズル部の噴射口から噴射される。
【0006】
一方、使用済みのエアゾール容器では、残留内容物の全量をできるだけ少なくして廃棄することが勧奨されていて、そのための対策として、エアゾール容器から取り外したカバーキャップを利用することが行われている。
【0007】
従来より講じられている上記対策は、エアゾール容器から取り外したカバーキャップの内部空間にステムの吐出通路を臨ませ、押し込まれたステムの吐出通路から吐出される残留内容物をカバーキャップで回収するというものである(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。そして、特許文献1のものでは、カバーキャップによって残留内容物を回収する間はそのカバーキャップを作業者が人力で常時押下げたまま保つようになっている。これに対し、特許文献2のものでは、カバーキャップを容器本体の頂部に結合しておくだけで、作業者が人力でカバーキャップを押し下げておかなくても、ステムが押し込まれたまま保たれるようになっている。また、この特許文献2には、エアゾール容器としてのスプレー缶が示されていて、残留内容物をカバーキャップで回収するときには、通常使用時にステムに装着されているチップ型のノズルを取り外してからカバーキャップを容器本体の頂部に結合することについての記載がある。
【特許文献1】実用新案登録第3062335号公報
【特許文献2】特開平10−264958号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載されているエアゾール容器のように、残留内容物を回収するときに、カバーキャップを作業者が人力で常時押し込んでおくことは、作業者にとって負担が大きく、場合によっては、十分に残留内容物を回収していない間に作業者がカバーキャップから手を離して回収作業を止めてしまうということが起こり得る。これに対し、特許文献2に記載されているものでは、作業者がカバーキャップを常時押し込んでおく必要がなく、カバーキャップを容器本体の頂部に結合して放置しておくだけで、残留内容物を十分に回収することができるという利点がある。
【0009】
しかしながら、特許文献2に記載されているものでは、残留内容物を回収するときのカバーキャップの結合箇所に容器本体の頂部を選択している。このため、冒頭で説明した2種類のエアゾール容器のうち、アタッチメントを採用したエアゾール容器にあっては、容器本体の頂部にカバーキャップを結合することのためにアタッチメントを容器本体の頂部から取り外さなければならない。そのため、アタッチメントの取外しに手間がかかるという煩わしさがあるだけでなく、容器本体の頂部から取り外したアタッチメントを、残留内容物の回収作業時に容器本体や容器本体に結合されたカバーキャップから離れて紛失してしまったり、アタッチメントを容器本体及び容器本体に結合されているカバーキャップとは別に廃棄しなければならないという煩わしさがある。
【0010】
本発明は以上の状況の下でなされたものであり、容器本体に上記したアタッチメントが装着されているエアゾール容器において、カバーキャップを利用して残留内容物を回収するときに、作業者がカバーキャップを押し込んだままにする必要がないにもかかわらず、アタッチメントを容器本体から取り外さずに残留内容物を回収することが可能になるエアゾール容器を提供することを目的としている。
【0011】
また、本発明は、残留内容物の回収時にアタッチメントにカバーキャップを結合するという対策を講じた上で、その結合手段の具体例を提案することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るエアゾール容器は、内容物の吐出通路を形成するステムを備えてそのステムが押し込まれることによって内容物が上記吐出通路から吐出されるように構成されている容器本体と、この容器本体の頂部に取り付けられた取付部に板状の鍔形部が具備され、その鍔形部に上記ステムに装着された押込み操作部がヒンジを介して連設されていて、その押込み操作部に上記ステムの吐出通路から吐出された内容物を噴射するノズル部が設けられているアタッチメントと、上記容器本体の頂部に装着されて上記アタッチメントを覆うカバーキャップと、を有する。
【0013】
そして、上記カバーキャップは、アタッチメントの押込み操作部が取り外された上記ステムに嵌合されてその吐出通路を当該カバーキャップの内部空間に臨ませる孔部を有し、この孔部を上記ステムに嵌合して当該カバーキャップを押し下げることにより上記ステムが押し込まれるように構成されていると共に、容器本体の頂部から取り外されたカバーキャップの上記孔部をアタッチメントの押込み操作部が取り外された上記ステムに嵌合してそのステムを押し下げさせた押下げ状態で、このカバーキャップを上記アタッチメントに結合することに用いられる結合手段を有している。
【0014】
この構成であると、容器本体の頂部から取り外したカバーキャップの孔部をアタッチメントの押込み操作部を取り外したステムに嵌合してそのステムを押し下げた押下げ状態で、そのカバーキャップを結合手段によってアタッチメントに結合しておきさえすれば、作業者がカバーキャップから手を離してもステムが押し下げられたままになる。そのため、残留内容物の回収時には、カバーキャップをアタッチメントに結合しておくだけで残留内容物がカバーキャップの内部空間に回収される。しかも、カバーキャップの結合箇所として、容器本体の頂部に取り付けられているアタッチメントを選択してあるので、容器本体からアタッチメントを取り外さずに残留内容物を回収することが可能になる。また、このことにより、残留内容物の回収時にアタッチメントを容器本体から取り外すという煩わしさや、容器本体から取り外したアタッチメントが紛失したりすることがなくなり、さらに、アタッチメントを容器本体やカバーキャップとは別に廃棄しなければならないという煩わしさもなくなる。
【0015】
本発明では、上記結合手段が、係合部とこの係合部に係合される被係合部とを有して、それらの係合部及び被係合部のうちの一方がアタッチメントの上記鍔形部に備わり、他方が上記カバーキャップの頂部に備わっているという構成を採用することが望ましい。結合手段をこのように構成しておくと、残留内容物の回収時に、特別の結合のための部品などを用いずに、カバーキャップをアタッチメントに結合することができるので、結合作業を迅速に行うことができるようになる。
【0016】
本発明では、上記係合部が上記アタッチメントの鍔形部から突き出た突起でなり、上記被係合部が上記カバーキャップの頂部に設けられて上記突起に嵌合される係合孔部でなり、この係合孔部を上記突起に嵌合させたときにその係合孔部に係止して上記カバーキャップを押下げ状態に保つ膨形部が上記突起に設けられている、というものであってもよい。この構成であれば、カバーキャップの係合孔部をカバーキャップ側の突起に差し込むという操作を行うだけで、カバーキャップがアタッチメントに結合されて残留内容物の回収作業が開始される。
【0017】
また、本発明では、上記係合部がアタッチメントの取付部に具備されている上記鍔形部でなり、上記被係合部が上記鍔形部に係合可能な突片部でなる、というものであってもよい。この構成を採用する場合には、上記鍔形部が上記突片部を嵌脱可能な凹所を有して、その凹所に嵌合させた上記突片部を上記鍔形部の内面側に回転移動させることによってその突片部が鍔形部に係合するように構成されているものであってもよい。この構成であれば、カバーキャップの突片部をアタッチメント側の凹所に嵌合させた後に回転移動させるだけで、カバーキャップがアタッチメントに結合されて残留内容物の回収作業が開始される。
【発明の効果】
【0018】
以上のように本発明によれば、容器本体に上記したアタッチメントが装着されているエアゾール容器において、カバーキャップを利用して残留内容物を回収するときに、カバーキャップをアタッチメントに結合するだけでその回収作業が開始されるので、作業者がカバーキャップを押し込んだままにする必要がないにもかかわらず、アタッチメントを容器本体から取り外さずに残留内容物を回収することが可能になる。したがって、残留内容物の回収作業時に、作業者がカバーキャップを常時押し込んでおかなければならないという煩わしさやアタッチメントを容器本体から取り外すという煩わしさがなくなるだけでなく、エアゾール容器に当初から備わっているすべての部品、具体的には、容器本体とアタッチメントとカバーキャップとを残留内容物の回収が終わった後に一括して廃棄してしまうことができるという利便性がある。また、アタッチメントにカバーキャップを結合するための結合手段として、係合部と被係合部との共働による結合方式を採用しているので、特別の結合のための部品などを用いずに両者を迅速に結合することができるという効果も奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は本発明の対象であるエアゾール容器の概略側面図である。同図のように、このエアゾール容器は、冒頭で説明した「アタッチメントを採用したエアゾール容器」に属している。したがって、容器本体10の頂部にアタッチメント20が取り付けられている。容器本体10は、有底円筒状の胴体部12の開口端にマウンテンカップとしての略ドーム状の上蓋13が結合され、その上蓋13には、巻き締め箇所であるリング部15を有する蓋板部(図に現れていない)が結合されてなる。この容器本体10には、その頂部から突き出たステム16が取り付けられている。そして、このステム16が押し込まれると、容器本体10の内容物がステム16の吐出通路を経て外部に吐出される。また、ステム16は上記初期位置に向けて弾発付勢されていて、ステム16に対する押込み力が解除されると、ステム16が初期位置に復帰して内容物の吐出が止まる。
【0020】
これに対し、アタッチメント20は、短い円筒状の取付部(図に現れていない)の一端に板状の鍔形部22が具備され、この鍔形部22にヒンジ23を介して押込み操作部24が連設されている。また、押し込み操作部24には、ノズル部25と舌片状の摘み部26とが設けられている。このようなアタッチメント20は、ノズル部25を除く部分が樹脂で一体成形されていて、ノズル部25は押込み操作部24に圧入状態で装着されている。このアタッチメント20は、その取付部を容器本体10のリング部15に圧入することによって容器本体10の頂部に装着されている。また、ヒンジ23が折り曲げられた状態で、押込み操作部24が上記ステム16に装着されていて、ステム16の吐出通路から吐出された内容物がノズル部25のノズル孔から噴射されるようになっている。
【0021】
さらに、容器本体10の頂部にカバーキャップ40を着脱することができるようになっている。このカバーキャップ40は、当該エアゾール容器の不使用時には、容器本体10の胴体部12と上蓋13との結合部分(巻締め部分)17に嵌着されることによって、上記アタッチメント20を覆うようになっている。
【0022】
以上の構成を有するエアゾール容器を使用して内容物を噴射するときには、カバーキャップ40を容器本体10から取り外した後、矢印Pのようにアタッチメント20の摘み部26を作業者が手の指で押し下げる。この押下げ操作により、ヒンジ23を支点として押込み操作部24が押し下げられてステム16が押し込まれると、内容物がステム16の吐出通路を経てノズル部25のノズル孔から噴射する。
【0023】
次にこの発明に係るエアゾール容器の実施形態を説明する。この発明に係るエアゾール容器では、カバーキャップ40が残留内容部の回収容器として利用される。そして、回収作業時には、アタッチメント20の押込み操作部24がステム16から取り外され、併せて、容器本体10から取り外したカバーキャップ40を倒立させてアタッチメント20に結合するという操作が行われる。
【0024】
図2は残留内容物の回収作業を説明的に示した一部破断側面図である。同図に示したように、倒立姿勢で示されているカバーキャップ40の頂部コーナ部分には孔部41が備わっている。この孔部41は、ステム16に嵌合することのできる大きさを有していると共に、ステム16に嵌合したときにそのステム16の端面に突き当たる段付部42と、ステム16の吐出通路18に連通する貫通孔43とを有している。このため、図示のように、孔部41をステム16に嵌合してその段付部42をステム16の端面に突き当て、その状態でカバーキャップ40を押し込むと、ステム16が段付部42により矢印Dのように押し下げられて残留内容物がステム16の吐出通路を経て孔部41の貫通孔43からカバーキャップ40の内部空間に矢印Sのように吐出してカバーキャップ40により回収される。この回収作業を行うに当たって、図示のようにカバーキャップ40に通気性を持つ紙や綿などの素材100、たとえばティッシュペーパやウェス端切れなどを緩く装填しておくと、カバーキャップ40の内部空間に吐出した残留内容物が外部に飛び散ることなく回収される。
【0025】
この実施形態では、カバーキャップ40をアタッチメント20に結合することに用いらせる結合手段が備わっている。この結合手段には、図2のようにカバーキャップ40の孔部41をステム16に嵌合してそのステム16を押し下げた場合に、その押下げ状態を維持したまま、カバーキャップ41をアタッチメント20に結合するという機能が要求される。この結合手段には、種々の構成を有するものを採用することができるけれども、好ましくは、結合手段が、係合部とこの係合部に係合される被係合部とを有していて、それらの係合部及び被係合部のうちの一方がアタッチメント20の鍔形部22に備わり、他方がカバーキャップ40の頂部に備わっている、というものである。そこで、以下では、このような好ましい構成を採用した結合手段の具体例を説明する。
【0026】
図3〜図5に結合手段の第1の具体例を示している。図3はアタッチメント20の鍔形部22に設けられている係合部50の概略斜視図、図4はカバーキャップ40に設けられている被係合部60の概略斜視図、図5は作用を説明するための縦断面図である。
【0027】
この結合手段において、係合部50は図3に示した突起51でなる。この突起51は、アタッチメント40の鍔形部22に樹脂で一体成形されていて、その突出端部に径大な膨形部52が備わっている。これに対し、被係合部60は図4に示した係合孔部61でなる。この係合孔部61は、その直径が、カバーキャップ40の上端コーナ部分に開設されていて、上記突起51の膨形部52の直径よりも短い。図3及び図4に示したように、係合部50としての突起51は、鍔形部22によって取り囲まれている開口27を挟む両側の2箇所に設けられている。また、被係合部60としての係合孔部61は、上記したステム16(図2参照)に嵌合される孔部41を挟む両側の2箇所に設けられている。
【0028】
以上のように構成されている結合手段において、図5のように、カバーキャップ40の2箇所の係合孔部61にアタッチメント20(図2参照)の鍔形部22の2箇所の突起51を差し込むと、突起51の膨形部52が係合孔部61に係止する。このときには、図2を参照して説明したように、カバーキャップ40の孔部41がステム16に嵌合してそのステム16を押し下げている。このため、ステム16の押下げ状態から初期位置に向かう復帰作用によって、カバーキャップ40がステム16と突起51の膨形部52とにより挟み付けられたままその状態が保たれる。したがって、ステム16を押し下げた状態でカバーキャップ40がアタッチメント40に結合されたままになるので、作業者がカバーキャップ40から手を離しても、容器本体10の残留内容物がカバーキャップ40の内部空間に回収される。
【0029】
この実施形態では、係合部50としての突起51を被係合部60としての係合孔部61に2箇所で係止させるようにしてあることにより、アタッチメント20に対するカバーキャップ40の結合状態が安定する。そのために、残留内容物の回収作業中にカバーキャップ40が脱落して残留内容物が外部に飛散してしまうという事態が未然に防止されるという利点がある。
【0030】
図6〜図8に結合手段の第2の具体例を示している。図6はアタッチメント20の鍔形部22に設けられている係合部50の概略斜視図、図7はカバーキャップ40に設けられている被係合部60の概略斜視図、図8は作用を説明するための平面図である。
【0031】
この結合手段において、係合部50は図6に示した上記鍔形部22でなる。これに対し、被係合部60は図7に突片部63でなる。そして、係合部50としての鍔形部22に、その鍔形部22によって取り囲まれている開口27の両側に、その開口27につながる凹所29が備わっている。また、被係合部60としての突片部63は、上記したステム16(図2参照)に嵌合される孔部41を挟む両側の2箇所に設けられていて、上記した開口27に嵌脱可能な大きさを有している。この実施形態では、カバーキャップ40の上端コーナ部分を所定形状に欠除して突片部63を形成することによって、その突片部63の下側に空所64を形成してある。
【0032】
以上のように構成されている結合手段において、図8に仮想線で示したようにカバーキャップ40の2箇所の突片部63をアタッチメント20(図2参照)の鍔形部22の2箇所の凹所23に嵌合させた後、カバーキャップ40をたとえば矢印Rのように回転させると、突片部63を鍔形部22の内面側に回転移動する。このときには、図2を参照して説明したように、カバーキャップ40の孔部41がステム16に嵌合してそのステム16を押し下げている。このため、ステム16の押下げ状態から初期位置に向かう復帰作用によって、突片部63が鍔形部22の裏面に係合する。したがって、ステム16を押し下げた状態でカバーキャップ40がアタッチメント40に結合されたままになり、作業者がカバーキャップ40から手を離しても、容器本体10の残留内容物がカバーキャップ40の内部空間に回収される。
【0033】
この実施形態にあっても、係合部50としての鍔形部22に被係合部60としての突片部63を2箇所で係止させるようにしてあることにより、アタッチメント20に対するカバーキャップ40の結合状態が安定する。そのために、残留内容物の回収作業中にカバーキャップ40が脱落して残留内容物が外部に飛散してしまうという事態が未然に防止されるという利点がある。
【0034】
以上説明した第1及び第2の各具体例では、結合手段に備わっている係合部50と被係合部60とのうち、係合部50がアタッチメント20の鍔形部22に備わり、被係合部60がカバーキャップ40の頂部に備わっているものを説明したけれども、この点は、係合部50をカバーキャップ40側に具備させ、被係合部60をアタッチメント20の鍔形部22に具備させることも可能である。
【0035】
なお、図1〜図8では、同一又は相当する部分に同一符号を付してある。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の対象であるエアゾール容器の概略側面図である。
【図2】残留内容物の回収作業を説明的に示した一部破断側面図である。
【図3】第1の具体例について、アタッチメントの鍔形部に設けられている係合部の概略斜視図である。
【図4】同具体例について、カバーキャップに設けられている被係合部の概略斜視図である。
【図5】同具体例について、作用を説明するための縦断面図である。
【図6】第2の具体例について、アタッチメントの鍔形部に設けられている係合部の概略斜視図である。
【図7】同具体例について、カバーキャップに設けられている被係合部の概略斜視図である。
【図8】同具体例について、作用を説明するための平面図である。
【符号の説明】
【0037】
10 容器本体
15 鍔形部
16 ステム
18 内容物の吐出通路
20 アタッチメント
23 ヒンジ
24 押込み操作部
25 ノズル部
29 凹所
40 カバーキャップ
41 孔部
50 係合部(結合手段)
51 突起
52 膨形部
60 被係合部(結合手段)
61 係合孔部
63 突片部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物の吐出通路を形成するステムを備えてそのステムが押し込まれることによって内容物が上記吐出通路から吐出されるように構成されている容器本体と、
この容器本体の頂部に取り付けられた取付部に板状の鍔形部が具備され、その鍔形部に上記ステムに装着された押込み操作部がヒンジを介して連設されていて、その押込み操作部に上記ステムの吐出通路から吐出された内容物を噴射するノズル部が設けられているアタッチメントと、
上記容器本体の頂部に装着されて上記アタッチメントを覆うカバーキャップと、
を有するエアゾール容器であって、
上記カバーキャップは、アタッチメントの押込み操作部が取り外された上記ステムに嵌合されてその吐出通路を当該カバーキャップの内部空間に臨ませる孔部を有し、この孔部を上記ステムに嵌合して当該カバーキャップを押し下げることにより上記ステムが押し込まれるように構成されていると共に、容器本体の頂部から取り外されたカバーキャップの上記孔部をアタッチメントの押込み操作部が取り外された上記ステムに嵌合してそのステムを押し下げさせた押下げ状態で、このカバーキャップを上記アタッチメントに結合することに用いられる結合手段を有していることを特徴とするエアゾール容器。
【請求項2】
上記結合手段が、係合部とこの係合部に係合される被係合部とを有して、それらの係合部及び被係合部のうちの一方がアタッチメントの上記鍔形部に備わり、他方が上記カバーキャップの頂部に備わっている請求項1に記載したエアゾール容器。
【請求項3】
上記係合部が上記アタッチメントの鍔形部から突き出た突起でなり、上記被係合部が上記カバーキャップの頂部に設けられて上記突起に嵌合される係合孔部でなり、この係合孔部を上記突起に嵌合させたときにその係合孔部に係止して上記カバーキャップを押下げ状態に保つ膨形部が上記突起に設けられている請求項2に記載したエアゾール容器。
【請求項4】
上記係合部がアタッチメントの取付部に具備されている上記鍔形部でなり、上記被係合部が上記鍔形部に係合可能な突片部でなる請求項2に記載したエアゾール容器。
【請求項5】
上記鍔形部が上記突片部を嵌脱可能な凹所を有して、その凹所に嵌合させた上記突片部を上記鍔形部の内面側に回転移動させることによってその突片部が鍔形部に係合するように構成されている請求項4に記載したエアゾール容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−249018(P2009−249018A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−101802(P2008−101802)
【出願日】平成20年4月9日(2008.4.9)
【出願人】(000227331)株式会社ソフト99コーポレーション (84)
【Fターム(参考)】