説明

エアゾール組成物

【課題】噴射すると多数の独立したシャボン玉状の泡を形成し、形成されたシャボン玉状の泡の大きさと落下速度を調整することができるため、シャボン玉状の泡が浮遊する空間を制限することができ、空間に浮遊する浮遊物、たとえばハウスダストや花粉などを付着し、地面に落下させることで空間から浮遊物を除去する効果が高くなり、また落下する様子を目視にて確認することができるエアゾール組成物を提供すること。
【解決手段】界面活性剤を含有する水性原液と液化ガスとからなり、噴射すると多数の独立したシャボン玉状の泡を形成する発泡性エアゾール組成物であって、前記液化ガスが、20℃における液密度が0.80〜1.30(g/ml)である重質液化ガスをエアゾール組成物中に10〜90質量%含有する発泡性エアゾール組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、噴射すると多数の独立したシャボン玉状の泡を形成する発泡性エアゾール組成物に関する。さらに詳しくは、液化ガスとして特定の液密度を有する重質液化ガスを特定の割合で含有することにより、噴射されたシャボン玉状の泡の大きさや落下時間を調整できる発泡性エアゾール組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、水性原液と液化ガスとがエアゾール容器内で乳化したエアゾール組成物であり、噴射物が泡と泡が独立したシャボン玉状の泡となるエアゾール製品が記載されており、このシャボン玉状の泡は、空間で長時間拡散するため、空間用の消臭剤や芳香剤として好適に用いられることも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4098093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1には噴射されたシャボン玉状の泡の大きさや落下速度を調整することについては考慮されていない。そのため、特許文献1記載のシャボン玉状の泡は、空間で長時間、方向性を失って浮遊するため、対象物以外に付着しやすい。また噴射物を吸引してしまう問題があった。
【0005】
本発明のエアゾール組成物は、噴射すると多数の独立したシャボン玉状の泡を形成し、形成されたシャボン玉状の泡の大きさや落下速度を調整することができるため、シャボン玉状の泡が浮遊する空間を制限することができ、空間に浮遊する浮遊物、たとえばハウスダストや花粉などを付着し、地面に落下させることで空間から浮遊物を除去することができ、また空間中の落下を目視にて確認することのできるエアゾール組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のエアゾール組成物は、界面活性剤を含有する水性原液と液化ガスとからなり、噴射すると多数の独立したシャボン玉状の泡を形成する発泡性エアゾール組成物であって、前記液化ガスが、20℃における液密度が0.80〜1.30(g/ml)である重質液化ガスをエアゾール組成物中に10〜90質量%含有する発泡性エアゾール組成物である。
【0007】
前記液化ガス中に重質液化ガスを20質量%以上含有することが好ましい。
【0008】
前記水性原液が、イオン性の界面活性剤および/またはイオン性の樹脂を含有することが好ましい。
【0009】
前記独立したシャボン玉状の泡の落下速度が0.015〜1m/秒であることが好ましい。
【0010】
前記液化ガスの配合量が、発泡性エアゾール組成物中30〜90質量%であることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明のエアゾール組成物によれば、噴射すると多数の独立したシャボン玉状の泡を形成し、形成されたシャボン玉状の泡の大きさや落下速度を調整することができるため、シャボン玉状の泡が浮遊する空間を制限することができ、噴射された空間の浮遊物、たとえばハウスダストや花粉などを付着し、地面に落下させることで空間から浮遊物を除去することができ、また空間中に噴射されたシャボン玉状の泡が落下するのを目視にて確認することができるエアゾール組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のエアゾール組成物は、界面活性剤を含有する水性原液と液化ガスとからなり、噴射すると多数の独立したシャボン玉状の泡を形成する発泡性エアゾール組成物であって、前記液化ガスが、20℃における液密度が0.80〜1.30(g/ml)である重質液化ガスを含有する発泡性エアゾール組成物である。
【0013】
本発明の発泡性エアゾール組成物は、界面活性剤を含有する水性原液と液化ガスが乳化したエアゾール組成物であることが好ましい。このエアゾール組成物を噴射することで、多数の独立したシャボン玉状の泡を形成することができる。多数の独立したシャボン玉状の泡とは、泡と泡とが独立して水性原液からなる単一の膜を形成し、膜の全体が外気と接触している泡(泡が1個の球体を形成)や、独立したシャボン玉状の泡同士が複数個くっつき、くっついた泡の一粒一粒が外気と接触する泡を意味する。独立したシャボン玉状の泡は、同質量の水性原液からなるシャボン玉状ではない噴射物に比べて、噴射後の空間に占める範囲が広く、また、外気と接触している膜の面積が広くなるために、空間中の浮遊物の付着性が向上するという特徴がある。
【0014】
前記シャボン玉状の泡の個々の直径は0.1〜10mmであることが好ましく、0.2〜5mmであることがさらに好ましい。泡の大きさが0.1mmよりも小さすぎると空間で浮遊する時間が長く、空間の浮遊物を除去しにくくなり、また噴射された泡を目視で確認しにくく、さらに使用者が吸引しやすくなる傾向がある。泡の大きさが10mmよりも大きすぎると外気と接触する面積が少なくなるため空間中の浮遊物を効率よく付着できない傾向がある。
【0015】
前記シャボン玉状の泡の落下速度は0.015〜1m/秒が好ましい。シャボン玉状の泡の落下速度が0.015m/秒より遅い場合は浮遊時間が長くなり、方向性を失って漂う傾向がある。1m/秒より早い場合は落下までの時間が短くなり、浮遊物の付着性が低下する傾向がある。特に好ましい落下速度は空間中の浮遊物を効率的に付着できる点から0.020〜0.5m/秒である。
【0016】
前記水性原液は、液化ガスと乳化するための界面活性剤を水に含有しており、必要に応じて樹脂、水溶性高分子、有効成分、アルコール類、油分、パウダーなどを配合することができる。前記水性原液の液密度は、0.90〜1.10(g/ml)であることが好ましい。水性原液の液密度が0.90〜1.10(g/ml)を外れる場合、液化ガスと乳化しにくく、乳化しても分離が速くなる傾向がある。
【0017】
前記界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、天然系界面活性剤、アミノ酸系界面活性剤などがあげられる。
【0018】
前記アニオン性界面活性剤としては、たとえば、脂肪酸石鹸、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などがあげられる。
【0019】
前記カチオン性界面活性剤としては、たとえば、アルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルアンモニウム塩などがあげられる。
【0020】
前記両性界面活性剤としては、たとえば、酢酸ベタイン、レシチンなどがあげられる。
【0021】
前記非イオン性界面活性剤としては、たとえば、モノヤシ油脂肪酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、モノオレイン酸POEソルビタンなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;POE・POPセチルエーテル、POE・POPデシルテトラデシルエーテルなどのポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル;モノステアリン酸POEグリセリルなどのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;POEラノリンアルコールなどのポリオキシエチレンラノリンアルコール;POE硬化ヒマシ油などのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEラウリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POEオクチルドデシルエーテル、POEイソセチルエーテル、POEイソステアリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル;モノステアリン酸ポリエチレングリコールなどのポリエチレングリコール脂肪酸エステル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノミリスチン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸ペンタグリセリル、モノミリスチン酸ペンタグリセリル、モノオレイン酸ペンタグリセリル、モノステアリン酸ペンタグリセリル、モノラウリン酸デカグルセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノリノール酸デカグリセリルなどのポリグリセリン脂肪酸エステル;モノオレイン酸POEグリセリルなどのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;モノラウリン酸POEソルビット、テトラステアリン酸POEソルビット、テトラオレイン酸POEソルビットなどのポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルなどあげられる。
【0022】
前記シリコーン系界面活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体などがあげられる。
【0023】
前記天然系界面活性剤としては、たとえば、サーファクチンナトリウム、シクロデキストリン、水添酵素大豆レシチンなどがあげられる。
【0024】
前記アミノ酸系界面活性剤としては、たとえば、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸カリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸カリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸カリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウムおよびN−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウムなどのN−アシルグルタミン酸塩、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、N−ステアロイル−L−グルタミン酸などのN−アシルグルタミン酸、N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウムなどのN−アシルグリシン塩、N−ヤシ油脂肪酸アシル−DL−アラニントリエタノールアミンなどのN−アシルアラニン塩、などがあげられる。
【0025】
特に、重質液化ガスを含む液化ガスとの乳化が容易になり、泡の大きさを調整しやすくなる点から、非イオン性界面活性剤を用いることが好ましく、ハウスダストや花粉などの浮遊物を吸着除去しやすい点からアニオン性、カチオン性、両性、アミノ酸系などのイオン性を有する界面活性剤を用いることが好ましい。
【0026】
前記界面活性剤の配合量は、水性原液中0.1〜15質量%、さらには0.2〜13質量%であることが好ましい。界面活性剤の配合量が0.1質量%よりも少ない場合は、水性原液が液化ガスと乳化しにくく、乳化しても安定性が悪くなり、また、発泡性に劣りシャボン玉状の泡が得られにくくなる傾向がある。15質量%よりも多い場合は落下面上で残りやすく使用感が悪くなる傾向がある。
【0027】
前記水は水性原液の主溶媒である。前記水としては、たとえば精製水、イオン交換水、生理食塩水、海洋深層水などがあげられる。
【0028】
前記水の配合量は、水性原液中40〜98質量%、さらには50〜95質量%であることが好ましい。水の配合量が40質量%よりも少ない場合は水性原液が液化ガスと乳化しにくく、シャボン玉状の泡になりにくい傾向がある。98質量%よりも多い場合は液化ガスと乳化させるための界面活性剤を必要量配合しにくくなる傾向がある。
【0029】
前記樹脂は水性原液と液化ガスの乳化を補助する、水性原液の粘度を調整してエアゾール組成物の乳化安定性を向上させるなどの作用があり、特にイオン性の樹脂を用いる場合はハウスダストや花粉などの浮遊物を吸着して接着除去する効果が得られやすい。
【0030】
前記樹脂としては、たとえば、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル/メタクリル酸エチルアミンオキシド)コポリマーなどのアニオン性樹脂;ビニルピロリドン/N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩、塩化メチルビニルイミダゾリウム/ビニルピロリドン共重合体、メチルビニルイミダゾリウム/ビニルピロリドン共重合体メチル硫酸塩などのカチオン性樹脂;(アクリル酸オクチルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル)コポリマーなどのアクリル酸系両性樹脂;ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル/ビニルピロリドン共重合体、ポリビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン/メタクリルアミド/N−ビニルイミダゾール共重合体、(ジアセトンアクリルアミド/炭素数4〜18の脂肪族アルコールとアクリル酸もしくはメタクリル酸とのエステル/少なくとも1種のアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸/少なくとも1種の炭素数1〜3のアクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル)コポリマー、(ジメチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)コポリマーなどのノニオン性樹脂などがあげられる。特にアニオン性樹脂、カチオン性樹脂、両性樹脂などのイオン性の樹脂を用いる場合は、ハウスダストや花粉などの浮遊物を吸着して接着除去する効果が得られやすい。
【0031】
前記樹脂の配合量は、固形分で水性原液中0.01〜5質量%、さらには0.1〜3質量%であることが好ましい。樹脂の配合量が0.01質量%よりも少ない場合は前述の効果が得られにくくなる傾向がある。5質量%を超える場合は落下後に畳や床、カーペットなどに接着しやすくなり、落下物を除去しにくくなる傾向がある。
【0032】
前記水溶性高分子は水性原液の粘度を調整して液化ガスとの乳化安定性を良くし、また泡の液膜を強くしてシャボン玉状の泡の保持性や大きさを調整するなどの作用がある。
【0033】
前記水溶性高分子としては、たとえば、キサンタンガム、カラギーナン、アラビアゴム、トラガントゴム、カチオン化グアガム、グアガム、ジェランガム、ローカストビーンガムなどのガム質;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ニトロセルロースなどのセルロース系高分子;デキストラン、カルボキシメチルデキストランナトリウム、デキストリン、ペクチン、デンプン、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、アルギン酸ナトリウム、変性ポテトスターチ、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマーなどがあげられる。
【0034】
前記水溶性高分子の配合量は、水性原液中0.1〜5質量%、さらには0.5〜3質量%であることが好ましい。水溶性高分子の含有量が0.1質量%よりも少ない場合は前述の効果が得られにくくなる傾向がある。5質量%を超える場合は水性原液の粘度が高くなりすぎ、液化ガスと乳化するのに時間がかかる傾向がある。
【0035】
なお、水性原液の粘度は1〜20,000(mPa・s 20℃)であることが好ましく、さらには3〜10,000(mPa・s 20℃)であることが好ましい。水性原液の粘度が1(mPa・s 20℃)よりも小さい場合は乳化安定性が悪く、20,000(mPa・s 20℃)よりも大きい場合は粘度の低い液化ガスと乳化しにくくなる傾向がある。
【0036】
前記有効成分としては、たとえば、ラウリル酸メタクリレート、安息香酸メチル、フェニル酢酸メチル、ゲラニルクロトレート、ミリスチン酸アセトフェノン、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジルなどの消臭剤;天然香料、合成香料などの各種香料、N,N−ジエチル−m−トルアミド(ディート)、カプリル酸ジエチルアミド、ハーブ、ユーカリエキスなどの害虫忌避剤;トランスフルトリン、フタルスリン、アレスリン、ペルメトリン、シスメスリン、プロパルスリン、レスメトリン、d−フェノトリン、テフルスリン、ベンフルスリンなどの殺虫成分;サイネピリン、ピペロニルブトキサイト、オクタクロロジプロピルエーテルなどの効力増強剤;l−メントール、カンフルなどの清涼剤、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化クロルヘキシジンなどの殺菌・消毒剤など、空間で効力を発揮しやすい有効成分があげられる。
【0037】
前記有効成分の配合量は、水性原液中0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜8質量%配合される。有効成分の配合量が0.05質量%よりも少ない場合は、有効成分の効果が充分に発揮できない傾向がある。10質量%よりも多い場合は、有効成分によっては人体へ悪影響を及ぼす場合がある。
【0038】
前記アルコール類は、水に溶解しにくい有効成分を溶解するための溶媒として、また噴射したときの泡切れを良くし、多数のシャボン玉状の泡を形成するなどの目的で用いられる。
【0039】
前記アルコール類としては、たとえば、エタノール、イソプロパノールなどの炭素数が2〜3個の1価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなどの2〜3価の多価アルコールなどがあげられる。
【0040】
前記アルコール類を配合する場合の配合量は、水性原液中0.1〜50質量%であることが好ましく、さらには0.3〜45質量%であることが好ましい。前記アルコール類の配合量が0.1質量%よりも少ない場合は前述の効果が得られにくくなる傾向がある。50質量%よりも多い場合は水性原液が液化ガスと乳化しにくくなり、噴射物が発泡せず霧状になる傾向がある。
【0041】
前記油分は、水性原液と液化ガスとの乳化状態を調整する、落下物を除去しやすくするなどの効果を付与するために用いられる。
【0042】
前記油分としては、たとえば、流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、イソパラフィンなどの炭化水素油、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、乳酸セチル、ステアリン酸イソセチル、セトステアリルアルコール、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸ジエトキシエチル、リンゴ酸ジイソステアリルなどのエステル油、メチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーンオイル、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、イソステアリン酸などの脂肪酸、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコールなどの高級アルコール、アボガド油、マカダミアナッツ油、シア脂、オリーブ油、ツバキ油などの油脂、ミツロウ、ラノリンロウなどのロウ類などがあげられる。
【0043】
前記油分の配合量は、水性原液中0.1〜10質量%、さらには0.5〜8質量%であることが好ましい。油分の配合量が0.1質量%よりも少ない場合は油分を配合する効果が得られにくく、10質量%よりも多い場合は乾燥性が悪くなる、床面が滑りやすくなるなど、使用感が低下する傾向がある。
【0044】
前記パウダーは、水性原液と液化ガスとを乳化しやすくする、乳化安定性を向上させるなど、乳化補助剤として用いられる。
【0045】
前記パウダーとしては、たとえば、タルク、酸化亜鉛、カオリン、雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、シリカ、ゼオライト、セラミックパウダー、窒化ホウ素などがあげられる。
【0046】
前記パウダーの配合量は、水性原液中0.01〜5質量%、さらには0.03〜3質量%であることが好ましい。パウダーの配合量が0.01質量%よりも少ない場合は前述の効果が得られにくく、5質量%よりも多い場合は噴射通路、特に噴射孔で詰まりやすくなる。
【0047】
特に、パウダーの平均一次粒子径が5〜25nmであり、パウダー表面が親水性であるものを用いると水性原液と液化ガスの乳化が容易になる点から好ましい。さらに乳化が容易になる点から平均一次粒子径の異なるパウダーを併用することが好ましい。たとえば、前記平均一次粒子径が5〜25nmであるパウダーと平均一次粒子径が5〜25μmであるパウダーを併用することにより水性原液と液化ガスの乳化が容易になる。
【0048】
本発明に用いられる水性原液は、界面活性剤、必要に応じて配合される有効成分や樹脂などを水やアルコール類に溶解させて調製する。なお、水性原液には、必要に応じて油分を乳化させたり、粉体を分散させたりしてもよい。
【0049】
前記水性原液の配合量は、エアゾール組成物中10〜70質量%であり、20〜60質量%であることが好ましい。水性原液の配合量が10質量%よりも少ない場合は乳化しにくくなる傾向がある。70質量%よりも多い場合は大きな泡の粒が噴射される傾向や、噴射物が空間で発泡することなく落下する傾向がある。
【0050】
前記液化ガスは、エアゾール容器内では液体であり、水性原液と乳化して乳化物を形成する。大気中に噴射されると気化して水性原液をシャボン玉状の泡にする。
【0051】
前記液化ガスは、20℃における液密度が0.80〜1.30(g/ml)である重質液化ガスを含有し、さらに重質液化ガスの液密度が0.85〜1.25(g/ml)であることが好ましい。前記重質液化ガスの液密度が0.80(g/ml)よりも小さい場合は、噴射されたシャボン玉状の泡の大きさや落下速度を調整しにくく、噴射物が対象物以外へ付着してしまう傾向がある。1.30(g/ml)よりも大きい場合は泡の落下が速くなり過ぎ本発明の効果が得られにくくなる傾向がある。
【0052】
ここで液密度とは、液化ガスを耐圧シリンダー内で液化させ、浮きばかりを用いて20℃における液体の密度を測定した値である。
【0053】
前記重質液化ガスとしては、液密度が上記範囲に入るものであれば特に制限されないが、たとえば、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エン(20℃における液密度:1.19g/ml)、トランス−2,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エン(20℃における液密度:1.19g/ml)などのハイドロフルオロオレフィン、1,1−ジフルオロエタン(20℃における液密度:0.89g/ml)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(20℃における液密度:1.22g/ml)などのハイドロフルオロカーボンなどがあげられる。また落下速度を速くするには1,1−ジフルオロエタンが好ましく、シャボン玉状の泡を大きくし、落下速度を速くするにはトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エンが好ましい。
【0054】
前記重質液化ガスの含有量は、エアゾール組成物中10〜90質量%であり、15〜80質量%であることが好ましい。重質液化ガスの配合量が10質量%よりも少ない場合はシャボン玉状の泡を形成してもシャボン玉状の泡が落下しにくく、空間中で長時間拡散する傾向がある。90質量%よりも多い場合は水性原液と乳化しにくくなる傾向や、シャボン玉状の泡が小さくなりすぎてしまい、噴射物を吸引しやすくなる傾向がある。
【0055】
前記重質液化ガスとともに他の液化ガスを使用する場合、前記重質液化ガスの含有量は液化ガス中20質量%以上であることが好ましい。重質液化ガスの含有量が20質量%より少ない場合はシャボン玉状の泡が落下しにくく、空間中で長時間拡散する傾向がある。またシャボン玉状の泡の大きさと落下速度が調整しやすくなる点から50質量%以上であることが好ましく、さらに75質量%以上であることが好ましい。
【0056】
前記他の液化ガスとしては特に限定されないが、たとえば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタンおよびこれらの混合物である液化石油ガス、ジメチルエーテル、および液化石油ガスとジメチルエーテルの混合ガスなどの液密度が0.50〜0.70(g/ml)である軽質液化ガスがあげられる。
【0057】
前記軽質液化ガスを含有する場合の含有量は液化ガス中80質量%以下であることが好ましい。軽質液化ガスの含有量が80質量%より多い場合は噴射されたシャボン玉状の泡の落下速度が遅く、空間中に長時間拡散する傾向がある。また噴射されたシャボン玉状の泡の大きさと落下速度が調整しやすくなる点から50質量%以下であることが好ましく、さらに25質量%以下であることが好ましい。
【0058】
前記液化ガスの配合量は、エアゾール組成物中30〜90質量%であることが好ましくり、40〜80質量%であることがより好ましい。液化ガスの配合量が30質量%よりも少ない場合はシャボン玉状の泡を形成しにくくなる傾向がある。90質量%よりも多い場合は水性原液と乳化しにくくなる傾向や、シャボン玉状の泡が小さくなりすぎ噴射物を吸引しやすくなる傾向がある。
【0059】
本発明のエアゾール組成物は、たとえば、耐圧容器に水性原液と液化ガスを充填し、耐圧容器にエアゾールバルブを固着する。その後、水性原液と液化ガスとを乳化させることによりエアゾール組成物とすることができる。なお、液化ガスは重質液化ガスと他の液化ガスとを予め所定の比率で混合しておき、この混合液化ガスを同時に充填することができる。
【0060】
また、エアゾール組成物の圧力を調整するために、加圧剤として炭酸ガス、チッ素ガス、圧縮空気、酸素ガス、亜酸化窒素ガスなどの圧縮ガスを用いることができる。
【0061】
本発明のエアゾール組成物を充填したエアゾール製品は、特定の液密度を有する重質液化ガスを特定の割合で含有することで、噴射により形成されたシャボン玉状の泡の大きさと落下速度を調整することができる。これにより、空間に浮遊する浮遊物、たとえばハウスダストや花粉などを付着し落下させやすくなり、空間から浮遊物を除去する効果が高くなる。さらにシャボン玉状の泡が空間中で落下する様子を目視で確認することができる。つまり、本発明のエアゾール組成物を空間に噴射することで、目的とする空間内でシャボン玉状の泡を一時的に浮遊させることができ、このシャボン玉状の泡は調整された速度でハウスダストや花粉などの浮遊物を付着しながら落下する。その後、必要に応じて、泡が落下した床等を払拭することで空間内のハウスダストや花粉を除去することができる。さらに、落下中のシャボン玉状の泡は目視にて確認することができるため、全ての泡が落下したことを容易に確認できるため、噴射物を体内に吸い込むことがなく安全である。
【0062】
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0063】
評価方法を下記に示す。
【0064】
(1)振とう回数
エアゾール製品を上下に30cm振り、乳化するまでの振とう回数を評価した。
◎:5回以内に乳化した。
○:6〜15回で乳化した。
△:16〜25回で乳化した。
×:25回振っても乳化しなかった。
【0065】
(2)乳化安定性
エアゾール製品を25℃恒温室内で静置し、分離するまでの時間を評価した。
◎:12時間以上分離しなかった。
○:1時間以上、12時間未満で分離した。
△:1分以上、1時間未満で分離した。
×:1分未満で分離した。
【0066】
(3)シャボン玉形成性
エアゾール製品を25℃恒温水槽中に30分間浸漬し、噴射物の状態を評価した。
○ :浮遊するシャボン玉状の泡になった。
×1:シャボン玉状の泡にならず、霧状に噴射した。
×2:シャボン玉状の泡にならず、大きな粒の泡で噴射した。
【0067】
(4)シャボン玉の直径
エアゾール製品を25℃恒温水槽中に30分間浸漬し、平板状の板の上で、15cmの高さから水平方向に噴射し、落下したシャボン玉状の泡の直径を測定した。実施例/比較例ごとに5個のシャボン玉状の泡について測定を行い、その平均値を求めた。
【0068】
(5)シャボン玉の落下速度
エアゾール製品を25℃恒温水槽中に30分間浸漬し、100cmの高さから噴射し、噴射直後から全てのシャボン玉状の泡が地面に落ちるまでの時間を計測し、シャボン玉状の泡の落下速度を求めた。
【0069】
実施例1〜14および比較例1〜6
下記の水性原液1を調製し、表1〜4に記載した量の水性原液1をポリエチレンテレフタレート製耐圧容器に充填した。次いで、耐圧容器にエアゾールバルブを取り付け、表1に記載した量の液化ガスを充填した。次いでエアゾール容器を上下に振り、水性原液と液化ガスを乳化させてエアゾール組成物を製造した。なお、水性原液1の20℃における液密度は0.98g/ml、20℃における液粘度は30mPa・sであった。評価結果を表7に示す。
【0070】
<水性原液1>
ポリオキシエチレンアルキルエ−テル(*1) 3.0
N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム(*2) 0.5
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(*3) 3.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム(*4) 20.0
パラオキシ安息香酸エステル(*5) 0.1
シリカ(*6) 0.1
タルク(*7) 0.3
グリセリン 10.0
エタノール 20.0
精製水 43.0
合 計 100.0(質量%)
*1:BC−20TX(商品名)、日光ケミカルズ(株)製
*2:アミソフト CS−11(商品名)、味の素(株)製
*3:SH3771M(商品名)、東レ・ダウコーニング(株)製
*4:セロゲンP−815C 0.5%水溶液(商品名)、第一工業製薬(株)製
*5:メッキンスM(商品名)、上野製薬(株)製
*6:アエロジル200(商品名)、日本アエロジル(株)製
*7:クラウンタルクPP(商品名)、松村産業(株)製
【0071】
【表1】

*8:1,1−ジフルオロエタン(20℃における液密度:0.89g/ml)
【0072】
【表2】

*9:トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エン(20℃における液密度:1.19g/ml)
【0073】
【表3】

*10:液化石油ガス(25℃における圧力:0.39MPa、20℃における液密度:0.55g/ml)
【0074】
【表4】

【0075】
【表5】

【0076】
実施例15
液化ガスを表6に記載した量充填した以外は実施例1と同様にエアゾール組成物を製造した。評価結果を表7に示す。
【0077】
実施例16
下記の水性原液2を調製し、表6に記載した量の水性原液2をポリエチレンテレフタレート製耐圧容器に充填した。そして、耐圧容器にエアゾールバルブを取り付け、表6に記載した量の液化ガスを充填した。次いでエアゾール容器を上下に振り、水性原液と液化ガスを乳化させてエアゾール組成物を製造した。なお、水性原液2の20℃における液密度は0.98g/ml、20℃における液粘度は30mPa・sであった。評価結果を表7に示す。
【0078】
<水性原液2>
ポリオキシエチレンアルキルエ−テル(*1) 6.0
N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム(*2) 2.0
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(*3) 3.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム(*4) 20.0
濃グリセリン 10.0
エタノール(95%) 31.0
精製水 28.0
合 計 100.0(質量%)
【0079】
実施例17
下記の水性原液3を調製し、表6に記載した量の水性原液3をポリエチレンテレフタレート製耐圧容器に充填した。そして、耐圧容器にエアゾールバルブを取り付け、表6に記載した量の液化ガスを充填した。次いでエアゾール容器を上下に振り、水性原液と液化ガスを乳化させてエアゾール組成物を製造した。なお、水性原液3の20℃における液密度は0.98g/ml、20℃における液粘度は30mPa・sであった。評価結果を表7に示す。
【0080】
<水性原液3>
ポリオキシエチレンアルキルエ−テル(*1) 5.0
N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム(*2) 1.5
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(*3) 2.5
カルボキシメチルセルロースナトリウム(*4) 20.0
シリカ(*6) 0.1
タルク(*7) 0.3
流動パラフィン(*11) 13.0
濃グリセリン 9.0
エタノール(95%) 18.0
精製水 30.6
合 計 100.0(質量%)
*11:ハイコールK−230(商品名)、カネダ(株)製
【0081】
実施例18
下記の水性原液4を調製し、表6に記載した量の水性原液4をポリエチレンテレフタレート製耐圧容器に充填した。そして、耐圧容器にエアゾールバルブを取り付け、表6に記載した量の液化ガスを充填した。次いでエアゾール容器を上下に振り、水性原液と液化ガスを乳化させてエアゾール組成物を製造した。なお、水性原液4の20℃における液密度は0.98g/ml、20℃における液粘度は30mPa・sであった。評価結果を表7に示す。
【0082】
<水性原液4>
ポリオキシエチレンアルキルエ−テル(*1) 5.0
N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム(*12) 1.5
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(*3) 2.5
カルボキシメチルセルロースナトリウム(*4) 20.0
シリカ(*6) 0.1
タルク(*7) 0.3
流動パラフィン(*11) 13.0
濃グリセリン 9.0
エタノール(95%) 18.0
精製水 30.6
合 計 100.0(質量%)
*12:アミライトGCK−11(商品名)、味の素(株)製
【0083】
【表6】

【0084】
【表7】

【0085】
製品例1(空間処理剤)
下記の水性原液60g(60質量%)をアルミニウム製エアゾール容器に充填した。エアゾール容器にエアゾールバルブに取り付け、液化ガスとしてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エン40g(40質量%)を充填した。次いでエアゾール容器を上下に振り、水性原液と液化ガスを乳化させてエアゾール組成物を製造した。このエアゾール組成物を空間に噴射するとシャボン玉状の泡が一時的に浮遊し、空間中のハウスダストを付着して地面に落下した。
【0086】
ポリオキシエチレンアルキルエ−テル(*1) 3.0
N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム(*2) 0.5
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(*3) 3.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム(*4) 20.0
アクリル酸アルキルエステル・メタクリル酸アルキルエステル・
ジアセトンアクリルアミド・メタクリル共重合体(*13) 1.0
パラオキシ安息香酸エステル(*5) 0.1
シリカ(*6) 0.1
タルク(*7) 0.3
1,3−ブチレングリコール 5.0
エタノール(95%) 23.0
精製水 40.0
合 計 100.0(質量%)
*13:プラスサイズL−53(商品名)、互応化学(株)製
【0087】
製品例2(消臭・芳香剤)
下記の水性原液40g(40質量%)をアルミニウム製エアゾール容器に充填した。エアゾール容器にエアゾールバルブに取り付け、液化ガスとして液化石油ガス12g(12質量%)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エン48g(48質量%)を充填した。次いでエアゾール容器を上下に振り、水性原液と液化ガスを乳化させてエアゾール組成物を製造した。このエアゾール組成物を空間に噴射するとシャボン玉状の泡が一時的に浮遊し、空間中の臭いを取り除き地面に落下した。
【0088】
ポリオキシエチレンアルキルエ−テル(*1) 3.0
ラウロイルサルコシンナトリウム(*14) 1.0
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(*3) 3.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム(*4) 20.0
アクリル酸ヒドロキシエチル・
アクリル酸メトキシエチル共重合体(*15) 3.0
パラオキシ安息香酸エステル(*5) 0.1
シリカ(*6) 0.1
タルク(*7) 0.3
香料 0.1
エタノール(95%) 15.0
精製水 54.4
合 計 100.0(質量%)
*14:サルコシネートLN(商品名)、日光ケミカルズ(株)製
*15:プラスサイズL−222(商品名)、互応化学(株)製
【0089】
製品例3(空間用害虫忌避剤)
下記の水性原液60g(60質量%)をアルミニウム製エアゾール容器に充填した。エアゾール容器にエアゾールバルブに取り付け、液化ガスとして液化石油ガス4g(4質量%)と、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エン36g(36質量%)を充填した。次いでエアゾール容器を上下に振り、水性原液と液化ガスを乳化させてエアゾール組成物を製造した。このエアゾール組成物を空間に噴射するとシャボン玉状の泡が一時的に浮遊し、忌避成分であるハーブエキスの香りが漂った。
【0090】
ポリオキシエチレンアルキルエ−テル(*1) 3.0
N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム(*2) 1.0
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(*3) 2.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム(*4) 20.0
パラオキシ安息香酸エステル(*5) 0.1
シリカ(*6) 0.1
タルク(*7) 0.3
ハーブエキス 2.0
エタノール(95%) 20.0
精製水 51.5
合 計 100.0(質量%)
【0091】
製品例4(空間用殺虫剤)
下記の水性原液60g(60質量%)をアルミニウム製エアゾール容器に充填した。エアゾール容器にエアゾールバルブに取り付け、液化ガスとしてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エン40g(40質量%)を充填した。次いでエアゾール容器を上下に振り、水性原液と液化ガスを乳化させてエアゾール組成物を製造した。このエアゾール組成物を飛んでいる害虫に向けて噴射すると、シャボン玉状の泡が一時的に浮遊し、害虫に付着して落下した。
【0092】
ポリオキシエチレンアルキルエ−テル(*1) 3.0
N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム(*2) 1.0
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(*3) 3.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム(*4) 20.0
パラオキシ安息香酸エステル(*5) 0.1
シリカ(*6) 0.1
タルク(*7) 0.3
フタルスリン 0.5
エタノール(95%) 20.0
精製水 52.0
合 計 100.0(質量%)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
界面活性剤を含有する水性原液と液化ガスとからなり、噴射すると多数の独立したシャボン玉状の泡を形成する発泡性エアゾール組成物であって、
前記液化ガスが、20℃における液密度が0.80〜1.30(g/ml)である重質液化ガスをエアゾール組成物中に10〜90質量%含有する発泡性エアゾール組成物。
【請求項2】
前記液化ガス中に重質液化ガスを20質量%以上含有する請求項1記載の発泡性エアゾール組成物。
【請求項3】
前記水性原液が、イオン性の界面活性剤および/またはイオン性の樹脂を含有する請求項1または2記載の発泡性エアゾール組成物。
【請求項4】
前記独立したシャボン玉状の泡の落下速度が0.015〜1m/秒である請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡性エアゾール組成物。
【請求項5】
前記液化ガスの配合量が、発泡性エアゾール組成物中30〜90質量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡性エアゾール組成物。

【公開番号】特開2012−197359(P2012−197359A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62444(P2011−62444)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(391021031)株式会社ダイゾー (130)
【Fターム(参考)】