エアタービンスピンドル
【課題】 主軸の正回転時の効率を低下させることなく、強いブレーキ力を確保することにある。
【解決手段】 主軸41の外周に設けられた複数の凹部43に、その凹部43と対向するハウジング48の部位に配設された複数のタービンノズル44から圧縮空気を吹き付けて主軸41を回転させるエアタービンスピンドルにおいて、タービンノズル44とは逆向きで複数のブレーキノズル65を主軸41に設け、ブレーキノズル65と連通するブレーキ給気口66をハウジング48に設ける。
【解決手段】 主軸41の外周に設けられた複数の凹部43に、その凹部43と対向するハウジング48の部位に配設された複数のタービンノズル44から圧縮空気を吹き付けて主軸41を回転させるエアタービンスピンドルにおいて、タービンノズル44とは逆向きで複数のブレーキノズル65を主軸41に設け、ブレーキノズル65と連通するブレーキ給気口66をハウジング48に設ける。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエアタービンスピンドルに関し、例えば、穴加工機、精密加工機、静電塗装機などに組み込まれ、主軸を静圧空気軸受で非接触支持するエアタービンスピンドルに関する。
【0002】
【従来の技術】図11及び図12は、静圧空気軸受で主軸を支持した構造を有する従来のスピンドルの一例を示す。このスピンドルは、エアタービン駆動方式、すなわち、主軸1のスラスト板2bの外周に設けられた複数の凹部3に、それら凹部3と対向する部位に配設されたタービンノズル4から圧縮空気を吹き付けることにより主軸1を回転させる方式のものである。
【0003】主軸1は、軸部2aとその端部に設けられたスラスト板2bとからなり、後述のジャーナル軸受部及びスラスト軸受部によりハウジング8に対して回転自在に支持されている。ハウジング8は、ほぼ円筒状の第1ハウジング部8aと、その端部に一体に結合された円形蓋状の第2ハウジング部8bと、前記第1ハウジング部8aの内径に固着された軸受スリーブ9と、前記第2ハウジング部8bの内端面に固着された軸受板18とで構成されている。
【0004】第1ハウジング部8aの内径には、焼嵌め、圧入又は接着などの適宜の手段により軸受スリーブ9が固定されている。この軸受スリーブ9には、主軸1の軸部2aの外径面と微小なジャーナル軸受隙間10を介して対向するジャーナル軸受面11を有するジャーナル軸受部12が形成され、スラスト板2bの端面と微小なスラスト軸受隙間13を介して対向するスラスト軸受面14を有するスラスト軸受部15が形成されている。また、軸受スリーブ9には、ジャーナル軸受面11及びスラスト軸受面14に開口した複数の微細な軸受ノズル16,17が配設されている。
【0005】第2ハウジング部8bの内端面には、焼嵌め、圧入又は接着などの適宜の手段により軸受板18が固着されている。この軸受板18には、スラスト板2bの端面と微小なスラスト軸受隙間19を介して対向するスラスト軸受面20を有するスラスト軸受部21が形成されている。また、軸受板18には、スラスト軸受面20に開口した複数の微細な軸受ノズル22が配設されている。
【0006】また、第1ハウジング部8aの端部内径には、焼嵌め、圧入又は接着などの適宜の手段により固定リング23が固着されている。この固定リング23には、スラスト板2bの各凹部3と対向する部位で複数のタービンノズル4が貫通形成されている。各タービンノズル4は、固定リング23の外周に沿ってほぼ接線方向に開口し、第1ハウジング部8aに形成された環状溝6を介してタービン給気口5と連通している。また、固定リング23には、正回転中の主軸1にブレーキ力を付与するためのブレーキノズル24が設けられ、そのブレーキノズル24は、給気通路25を介して第2ハウジング部8bに形成されたブレーキ給気口26と連通している。
【0007】軸受スリーブ9及び軸受板18の各軸受ノズル16,17,22からジャーナル軸受隙間10及びスラスト軸受隙間13,19に流入する圧縮空気によって、主軸1のラジアル方向及びスラスト方向の変位が規制される。ジャーナル軸受隙間10及びスラスト軸受隙間13,19に流入した圧縮空気は、主軸1の軸部2aの端部から直接にハウジング外部へ排出されると共に固定リング23の凹陥部27を介して排気口28からも排出される。
【0008】主軸1の正回転時には、タービン給気口5から供給された圧縮空気は、環状溝6を経由して固定リング23のタービンノズル4からスラスト板2bの凹部3に向かって噴出される。凹部3は、タービンノズル4と対向する位置で、そのタービンノズル4が開口するほぼ接線方向と直角をなす半径方向の壁面7を有する。噴出された圧縮空気は、凹部3の半径方向の壁面7に吹き付けられて主軸1に回転力を付与し、排気口28からハウジング外部へ排出される。
【0009】主軸1のブレーキ時には、ブレーキ給気口26から供給される圧縮空気が、給気通路25を経由してブレーキノズル24から正回転中のスラスト板2bの凹部3に向かって噴出される。この噴出された圧縮空気は、凹部3の半径方向の壁面7と直交する壁面29に吹き付けられて主軸1にブレーキ力を付与し、排気口28からハウジング外部へ排出される。なお、この時、主軸1を正回転させる圧縮空気の供給は遮断されている。
【0010】図13及び図14は、従来のエアタービンスピンドルの他例を示す。このエアタービンスピンドルの基本構成は、図11及び図12のスピンドルと同一であるため、同一部分には同一参照符号を付して重複説明は省略する。
【0011】このエアタービンスピンドルは、スラスト板2bの外周に正回転用凹部3とブレーキ用凹部30とを軸方向二列に並設し、固定リング23の凹部3と対向する部位にほぼ接線方向に開口したタービンノズル4を設け、固定リング23の凹部30と対向する部位に、前記タービンノズル4と反対向きでほぼ接線方向に開口したブレーキノズル31を設けている。
【0012】主軸1の正回転時には、タービン給気口5から供給された圧縮空気は、環状溝6を経由して固定リング23のタービンノズル4からスラスト板2bの凹部3に向かって噴出される。この噴出された圧縮空気は、凹部3の半径方向の壁面7に吹き付けられて主軸1に回転力を付与し、排気口28からハウジング外部へ排出される。
【0013】主軸1のブレーキ時には、主軸1を正回転させる圧縮空気は遮断された状態で、ブレーキ給気口32から供給される圧縮空気が、環状溝33を経由してブレーキノズル31から正回転中のスラスト板2bの凹部30に向かって噴出される。この噴出された圧縮空気は、凹部30の半径方向の壁面34に吹き付けられて主軸1にブレーキ力を付与し、排気口28からハウジング外部へ排出される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した図1111及び図12のエアタービンスピンドルでは、主軸1の正回転用として固定リング23に設けた凹部3を、ブレーキ時にも利用している。すなわち、ブレーキノズル24から噴出された圧縮空気が凹部3の半径方向の壁面7と直交する壁面29に吹き付けられる。このとき、圧縮空気の噴出方向と、その圧縮空気が吹き付けられる壁面29とのなす角度が小さいため、ブレーキ性能を発揮させる上で効率が悪いという問題があった。
【0015】また、固定リング23では、ブレーキノズル24をタービンノズル4と同一面内で形成しなければならない構造上、ブレーキノズル24をタービンノズル4と干渉しない位置に設ける必要があり、ブレーキノズル数を十分に確保することが困難であった。これら問題点のため、前記エアタービンスピンドルでは、強いブレーキ力を付与することが困難であった。
【0016】これに対して、図13及び図14に示すエアタービンスピンドルでは、スラスト板2bの外周に正回転用凹部3とブレーキ用凹部30とを並設し、タービンノズル4とブレーキノズル31とから供給される圧縮空気をそれぞれの凹部3と30に別々に噴出する構造としているため、ブレーキ性能を発揮させる上で効率がよく、ブレーキノズル31を配置する上でタービンノズル4との干渉を考慮する必要もないので、強いブレーキ力を付与することができる。
【0017】しかしながら、このエアタービンスピンドルでは、スラスト板2bに設けたブレーキ用凹部30の半径方向の壁面34が、正回転用凹部3の半径方向の壁面7と反対方向に向いた構造となっているため、主軸1の正回転時、ブレーキ用凹部30の半径方向の壁面34が抵抗となって正回転時の効率を低下させることになるという問題がある。
【0018】そこで、本発明は前記問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、主軸の正回転時の効率を低下させることなく、強いブレーキ力を確保することができるエアタービンスピンドルを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するための技術的手段として、本発明は、主軸の外周に設けられた複数の凹部に、この凹部と対向するハウジングの部位に配設された複数のタービンノズルから圧縮空気を吹き付けて主軸を回転させるエアタービンスピンドルにおいて、前記タービンノズルとは逆向きで複数のブレーキノズルを主軸に設け、そのブレーキノズルと連通するブレーキ給気口を前記ハウジングに設けたことを特徴とする。
【0020】本発明では、ブレーキノズルを主軸に設け、その主軸外周のブレーキノズルから正回転と逆方向に圧縮空気を噴出することによりブレーキ性能を発揮させる。これにより、ブレーキノズルを配置する上でタービンノズルとの干渉を考慮する必要もないので、強いブレーキ力を付与することができ、また、回転する主軸に凹部を設けた構造のものと比較して、主軸の正回転時の抵抗が小さい構造を実現できる。
【0021】本発明は、前記主軸の外径面とジャーナル軸受隙間をもって対向するジャーナル軸受面と、主軸のスラスト板の端面にスラスト軸受隙間をもって対向するスラスト軸受面とにそれぞれ開口した複数の軸受ノズルを有するハウジングを具備し、各軸受ノズルから軸受隙間に圧縮空気を流入させて主軸を非接触支持する静圧空気軸受に適用可能である。
【0022】なお、本発明では、■ブレーキノズルを主軸に設けた凹部の近傍に配置した構造、■ブレーキノズルに対向する部位に、そのブレーキノズルから噴出される圧縮空気の吹き付け力を受ける面、例えば固定翼の端面を含むような凹凸を形成した構造、■主軸に圧力室を設け、その圧力室を介してブレーキノズルとブレーキ給気口とを連通させた構造、■圧力室を主軸のスラスト板に設け、そのスラスト板の両端面にそれぞれ形成されたスラスト軸受部のうち、前記圧力室がブレーキ給気口に連通する側と反対側に位置するスラスト軸受部の負荷容量を増大させる手段を設けた構造、あるいは、ブレーキ用圧縮空気によって主軸が受ける軸方向力を低減する手段を設けた構造、さらにはその両手段を設けた構造とすることが望ましく、前記■■において、主軸の圧力室と、軸受ハウジングのブレーキ給気口との間に、圧力室からの圧縮空気の漏れを防止するシール機構を設けた構造や、シール機構が主軸とハウジング間に形成された隙間シールである構造とすることが好ましい。また、前記■において、主軸が受ける軸方向力を低減する手段しては、前記圧力室がブレーキ給気口と連通する側に位置するスラスト軸受部とブレーキ給気口との間に大気開放用の排気通路を設ける構造が好適である。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明に係るエアタービンスピンドルの実施形態を以下に詳述する。
【0024】図1及び図2(a)(b)は、静圧空気軸受で主軸を支持した構造を有する本発明の第1の実施形態を示す。この第1の実施形態のエアタービンスピンドルは、主軸41のスラスト板42bの外周に設けられた複数の凹部43に、それら凹部43と対向する部位に配設されたタービンノズル44から圧縮空気を吹き付けることにより主軸41を回転させるものである。
【0025】主軸41は、軸部42aとその端部に設けられたスラスト板42bとからなり、後述のジャーナル軸受部及びスラスト軸受部によりハウジング48に対して回転自在に支持されている。ハウジング48は、ほぼ円筒状の第1ハウジング部48aと、その第1ハウジング部48aの端部に一体に結合された円形蓋状の第2ハウジング部48bと、前記第1ハウジング部48aの内径に固着された軸受スリーブ49と、前記第2ハウジング部48bの内端面に固着された軸受板58とで構成されている。
【0026】第1ハウジング部48aの内径には、焼嵌め、圧入又は接着などの適宜の手段により軸受スリーブ49が固定されている。この軸受スリーブ49には、主軸41の軸部42aの外径面と微小なジャーナル軸受隙間50を介して対向するジャーナル軸受面51を有するジャーナル軸受部52が形成され、スラスト板42bの端面と微小なスラスト軸受隙間53を介して対向するスラスト軸受面54を有するスラスト軸受部55が形成されている。また、軸受スリーブ49には、ジャーナル軸受面51及びスラスト軸受面54に開口した複数の微細な軸受ノズル56,57が配設されている。
【0027】第2ハウジング部48bの内端面には、焼嵌め、圧入又は接着などの適宜の手段により軸受板58が固着されている。この軸受板58には、スラスト板42bの端面と微小なスラスト軸受隙間59を介して対向するスラスト軸受面60を有するスラスト軸受部61が形成されている。また、軸受板58には、スラスト軸受面60に開口した複数の微細な軸受ノズル62が配設されている。
【0028】また、第1ハウジング部48aの端部内径には、焼嵌め、圧入又は接着などの適宜の手段により固定リング63が固着されている。この固定リング63には、スラスト板42bの各凹部43と対向する部位で複数のタービンノズル44が貫通形成されている。このタービンノズル44は、固定リング63の外周に沿ってほぼ接線方向に開口し、第1ハウジング部48aに形成された環状溝46を介してタービン給気口45と連通している。
【0029】一方、スラスト板42bの端面には、圧力室となる環状溝64が形成され、この環状溝64からスラスト板42bの外周方向で前記タービンノズル44と反対向きに、正回転中の主軸41にブレーキ力を付与するための複数のブレーキノズル65が貫通形成されている。そのブレーキノズル65は、スラスト板42bの外周に沿ってほぼ接線方向に開口し、環状溝64を介して第2ハウジング部48bに形成されたブレーキ給気口66と連通している。また、前述した固定リング63には、ブレーキノズル65と対向する部位に、ブレーキ効果を高めるための固定翼67が配設されている。この固定翼67は、前記ブレーキノズル65と対向する位置で、そのブレーキノズル65が開口するほぼ接線方向と直角をなす端面69を有する。
【0030】ここで、環状溝64の両側には、環状溝64からの圧縮空気の漏れを防止するシール機構として、微小な隙間からなる隙間シール68が形成され、その隙間の流路抵抗によって環状溝64の内部が高圧に保持される。この隙間シール68は、スラスト軸受面60と同時加工で形成できるので、そのスラスト軸受面60と同一面に形成することが望ましい。また、隙間シール68は非接触なので、エアタービンスピンドルの場合、高速、高精度などの特性を低下させることなく、特に好適なシール構造である。
【0031】軸受スリーブ49及び軸受板58の各軸受ノズル56,57,62からジャーナル軸受隙間50及びスラスト軸受隙間53,59に流入する圧縮空気によって、主軸41のラジアル方向及びスラスト方向の変位が規制される。ジャーナル軸受隙間50及びスラスト軸受隙間53,59に流入した圧縮空気は、軸部42aの端部から直接にハウジング外部へ排出されると共に排気口58からも排出される。
【0032】主軸41の正回転時には、タービン給気口45から供給された圧縮空気は、環状溝46を経由して固定リング63のタービンノズル44からスラスト板42bの凹部43に向かって噴出される。凹部43は、タービンノズル44と対向する位置で、そのタービンノズル44が開口するほぼ接線方向と直角をなす半径方向の壁面47を有する。噴出された圧縮空気は、凹部43の半径方向の壁面47に吹き付けられて主軸41に回転力を付与し、排気口58からハウジング外部へ排出される。
【0033】一方、主軸41のブレーキ時には、ブレーキ給気口66から供給される圧縮空気が、環状溝64を経由してブレーキノズル65から正回転と逆方向に噴出されて主軸41にブレーキ力を付与する。その噴出された圧縮空気は、固定リング63の固定翼67の端面69に吹き付けられてさらにブレーキ効果が高められ、固定リング63の円周溝70及び排気穴71を経由して排気口58からハウジング外部へ排出される。なお、この時、主軸41を正回転させる圧縮空気の供給は遮断されている。
【0034】この第1の実施形態では、正回転用として必要なタービンノズル数に合わせて、空間効率上、同数の排気穴71、排気口58及びブレーキ用として同数の固定翼67が設けられ、ブレーキノズル65は、十分な性能が得られる範囲で固定翼67の数と互いに素であるように設定され、これにより、振動の抑制などの効果を発揮する。また、この実施形態では、スラスト板42bの一方の端面側からブレーキ用の圧縮空気を供給するようにしているが、本発明はこれに限定されることなく、スラスト板42bの他方の端面側、又は軸部42aの外周面側から供給する構造も可能である。この第1の実施形態のエアタービンスピンドルは、短時間での加減速が要求される静電塗装用などの用途に適している。
【0035】図3及び図4(a)(b)は、本発明の第2の実施形態を示し、その基本構成は、前述した第1の実施形態〔図1及び図2(a)(b)〕と同一であるため、同一部分には同一参照符号を付して重複説明は省略する。第1の実施形態と相違する点は、固定翼67がない点のみである。このように固定翼67がなくても、主軸41のブレーキ時、ブレーキ給気口66から供給される圧縮空気が、環状溝64を経由してブレーキノズル65から正回転と逆方向に噴出されて主軸41にブレーキ力が付与される。
【0036】図5及び図6は本発明の第3の実施形態を示し、第1の実施形態と同一部分には同一参照符号を付して重複説明は省略する。この第3の実施形態では、主軸41のスラスト板42bの端面にその端面側に開口する圧力室72を設け、この圧力室72から主軸41の軸部42aの外周方向でタービンノズル44と反対向きに、正回転中の主軸41にブレーキ力を付与するための複数のブレーキノズル73が貫通形成されている。ブレーキノズル73は、圧力室72を介して第2ハウジング部48bに形成されたブレーキ給気口74と連通している。第1、第2の実施形態の場合と同様、前記圧力室72の周囲には微小な隙間からなる隙間シール68が形成され、圧力室72の内部が高圧に保持される。
【0037】主軸41のブレーキ時には、ブレーキ給気口74から供給される圧縮空気が、圧力室72を経由してブレーキノズル73から正回転と逆方向に噴出されて主軸41にブレーキ力を付与する。その噴出された圧縮空気は、軸受スリーブ49に設けられた排気口76を経由して第1ハウジング部48aの排気口58からハウジング外部へ排出される。なお、この時、主軸41を正回転させる圧縮空気の供給は遮断されている。
【0038】この第3の実施形態では、ブレーキ用の固定翼67が設けられていないが、軸受スリーブ49のブレーキノズル73と対向する部位に、ブレーキノズル73から噴出される圧縮空気の吹き付け力を受ける面を形成した構造、例えば第1の実施形態における固定翼67と同一の機能を発揮するような凹凸を設けるようにしてもよい。また、ブレーキノズル73を形成する位置は、第3の実施形態以外、例えば、主軸41の軸方向中央など任意の位置であってもよい。
【0039】図7及び図8は本発明の第4の実施形態を示し、第3の実施形態と同一部分には同一参照符号を付して重複説明は省略する。この第4の実施形態のスピンドルは、ブレーキ用圧縮空気を主軸41にその半径方向から供給する構造を具備する。すなわち、主軸41の内部に圧力室77を設け、この圧力室77から主軸41の軸部42aの外周方向でタービンノズル44と反対向きに、正回転中の主軸41にブレーキ力を付与するための複数のブレーキノズル73が貫通形成されている。
【0040】主軸41には前記圧力室77と連通するブレーキ給気穴78を開口させると共に、軸受スリーブ49の内径面には環状溝79を形成する。ブレーキノズル73は、圧力室77、ブレーキ給気穴78及び環状溝79を介して第1ハウジング部48aのブレーキ給気口80と連通している。ブレーキ給気口80を形成する位置は、半径方向であれば主軸41の軸部42aの任意位置でよい。第1〜第3の実施形態の場合と同様、前記環状溝79の両側には微小な隙間からなる隙間シール81が形成され、圧力室77の内部が高圧に保持される。
【0041】主軸41のブレーキ時には、ブレーキ給気口80から供給された圧縮空気は、環状溝79、ブレーキ給気穴78を経由して圧力室77に導入され、ブレーキノズル73から正回転と逆方向に噴出されて主軸41にブレーキ力を付与する。その噴出された圧縮空気は、軸受スリーブ49の排気口76を経由して第1ハウジング部48aの排気口58からハウジング外部へ排出される。なお、この時、主軸41を正回転させる圧縮空気の供給は遮断されている。
【0042】なお、前述した第1〜第3の実施形態では、軸方向からブレーキ用の圧縮空気を供給する構造としていることから、その圧縮空気により主軸41が軸方向力を受けることがある。エアタービンスピンドルの仕様上、この軸方向力による影響が無視できないような場合には、第4の実施形態のように半径方向からブレーキ用の圧縮空気を供給する構造が好適である。
【0043】また、第1〜第3の実施形態の場合であっても、ブレーキ用の圧縮空気が供給されるスラスト軸受部61と反対側に位置するスラスト軸受部55を負荷容量の大きい設計とすることにより、軸方向力に対抗してスラスト軸受部55での接触、摩耗などの影響を抑制することができる。このスラスト軸受部55の負荷容量を大きくする設計としては、例えば、■スラスト軸受部61に比べてスラスト軸受部55の面積を大きくする、■軸受ノズル57の内径を大きくする、■軸受ノズル57の個数を多くする、■スラスト軸受部55のスラスト軸受面54のみに軸受ノズル57を相互に連通する浅い溝を設ける等の手段がある。
【0044】さらに、軸方向力を小さくすることによってもスラスト軸受部55での接触、摩耗などの影響を抑制することができる。軸方向力を小さくする設計としては、環状溝64がブレーキ給気口66と連通する側に位置するスラスト軸受部61とブレーキ給気口66との間に大気開放用の排気通路を設ける構造とすることができる。
【0045】具体的には、主軸41が受ける軸方向力を小さくする手段を第1の実施形態(図1参照)のエアタービンスピンドルに設けた場合を図9に示す。図1と同一部分には同一参照符号を付して重複説明は省略する。なお、この軸方向力を小さくする手段は、図3および図4R>4(a)(b)に示す第2の実施形態、図5および図6に示す第3の実施形態にも同様に設けることが可能である。
【0046】図9に示すエアタービンスピンドルにおいて、スラスト軸受部61のスラスト軸受隙間59に開口する排気用円周溝82とこの円周溝82に連通する排気口83とからなる大気開放用の排気通路84を第2ハウジング部48bに設ける。この大気開放用の排気通路84は、スラスト軸受部61と隙間シール68との間、スラスト軸受部61の軸受ノズル62とブレーキ給気口66との間に配設する必要がある。
【0047】主軸41のブレーキ時には、ブレーキ給気口66から圧縮空気が環状溝64に流入し、隙間シール68により環状溝64の内部が高圧になる。この環状溝64の内外周両側に形成された隙間シール68の外周側から漏れ出した少量の空気は、排気口58からハウジング外部へ排出される。一方、前記隙間シール68の内周側から漏れ出した少量の空気は、円周溝82を経て排気口83からハウジング外部へ排出される。
【0048】ここで、図1に示す第1の実施形態のように大気開放用の排気通路84がない場合には、隙間シール68の内周側から漏れ出した少量の空気がスラスト軸受部61との間に溜まるために、図10(a)に示すような圧力分布となる。一方、図9に示すように大気開放用の排気通路84がある場合には、隙間シール68の内周側から漏れ出した少量の空気がスラスト軸受部61との間に溜まることなく、円周溝82を経て排気口83から外部へ排出されるので、図10(b)に示すような圧力分布となる。
【0049】同図(a)(b)に示す斜線部分は、圧縮空気により主軸41が受ける軸方向力に相当するものである。すなわち、スラスト軸受部61と隙間シール68との間に大気開放用の排気通路84を設けることにより、ブレーキ用として供給される圧縮空気により主軸41が受ける軸方向力を小さくすることができるので、スラスト軸受部55での接触、摩耗などの影響を抑制することができる。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、ブレーキノズルを主軸に設け、その主軸外周のブレーキノズルから正回転と逆方向に圧縮空気を噴出することによりブレーキ性能を発揮させる。これにより、ブレーキノズルを配置する上でタービンノズルとの干渉を考慮する必要もないので、主軸の正回転時の効率を低下させることなく、強いブレーキ力を確保することができ、また、回転する主軸に凹部を設けた構造のものと比較して、主軸の正回転時の抵抗が小さい構造を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエアタービンスピンドルの第1の実施形態を示す断面図である。
【図2】(a)は図1のA−A線に沿う断面図である。(b)は図1のB−B線に沿う断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す断面図である。
【図4】(a)は図3のC−C線に沿う断面図である。(b)は図3のD−D線に沿う断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態を示す断面図である。
【図6】図5のE−E線に沿う断面図である。
【図7】本発明の第4の実施形態を示す断面図である。
【図8】図7のF−F線に沿う断面図である。
【図9】図1の第1の実施形態に主軸41が受ける軸方向力を小さくする手段を設けたエアタービンスピンドルを示す断面図である。
【図10】(a)は図1に示す第1の実施形態で、軸受ノズル出口圧とブレーキ給気圧による圧力分布を示す説明図である。(b)は図9のエアタービンスピンドルで、軸受ノズル出口圧とブレーキ給気圧による圧力分布を示す説明図である。
【図11】従来のエアタービンスピンドルの一例を示す断面図である。
【図12】図11のG−G線に沿う断面図である。
【図13】従来のエアタービンスピンドルの他例を示す断面図である。
【図14】(a)は図13のH−H線に沿う断面図である。(b)は図13のI−I線に沿う断面図である。
【符号の説明】
41 主軸
42b スラスト板
43 凹部
44 タービンノズル
48 ハウジング
50 ジャーナル軸受隙間
53 スラスト軸受隙間
54 スラスト軸受面
55 スラスト軸受部
56 軸受ノズル
57 軸受ノズル
59 スラスト軸受隙間
60 スラスト軸受面
61 スラスト軸受部
62 軸受ノズル
64 圧力室(環状溝)
65 ブレーキノズル
66 ブレーキ給気口
68 隙間シール
84 大気開放用の排気通路
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエアタービンスピンドルに関し、例えば、穴加工機、精密加工機、静電塗装機などに組み込まれ、主軸を静圧空気軸受で非接触支持するエアタービンスピンドルに関する。
【0002】
【従来の技術】図11及び図12は、静圧空気軸受で主軸を支持した構造を有する従来のスピンドルの一例を示す。このスピンドルは、エアタービン駆動方式、すなわち、主軸1のスラスト板2bの外周に設けられた複数の凹部3に、それら凹部3と対向する部位に配設されたタービンノズル4から圧縮空気を吹き付けることにより主軸1を回転させる方式のものである。
【0003】主軸1は、軸部2aとその端部に設けられたスラスト板2bとからなり、後述のジャーナル軸受部及びスラスト軸受部によりハウジング8に対して回転自在に支持されている。ハウジング8は、ほぼ円筒状の第1ハウジング部8aと、その端部に一体に結合された円形蓋状の第2ハウジング部8bと、前記第1ハウジング部8aの内径に固着された軸受スリーブ9と、前記第2ハウジング部8bの内端面に固着された軸受板18とで構成されている。
【0004】第1ハウジング部8aの内径には、焼嵌め、圧入又は接着などの適宜の手段により軸受スリーブ9が固定されている。この軸受スリーブ9には、主軸1の軸部2aの外径面と微小なジャーナル軸受隙間10を介して対向するジャーナル軸受面11を有するジャーナル軸受部12が形成され、スラスト板2bの端面と微小なスラスト軸受隙間13を介して対向するスラスト軸受面14を有するスラスト軸受部15が形成されている。また、軸受スリーブ9には、ジャーナル軸受面11及びスラスト軸受面14に開口した複数の微細な軸受ノズル16,17が配設されている。
【0005】第2ハウジング部8bの内端面には、焼嵌め、圧入又は接着などの適宜の手段により軸受板18が固着されている。この軸受板18には、スラスト板2bの端面と微小なスラスト軸受隙間19を介して対向するスラスト軸受面20を有するスラスト軸受部21が形成されている。また、軸受板18には、スラスト軸受面20に開口した複数の微細な軸受ノズル22が配設されている。
【0006】また、第1ハウジング部8aの端部内径には、焼嵌め、圧入又は接着などの適宜の手段により固定リング23が固着されている。この固定リング23には、スラスト板2bの各凹部3と対向する部位で複数のタービンノズル4が貫通形成されている。各タービンノズル4は、固定リング23の外周に沿ってほぼ接線方向に開口し、第1ハウジング部8aに形成された環状溝6を介してタービン給気口5と連通している。また、固定リング23には、正回転中の主軸1にブレーキ力を付与するためのブレーキノズル24が設けられ、そのブレーキノズル24は、給気通路25を介して第2ハウジング部8bに形成されたブレーキ給気口26と連通している。
【0007】軸受スリーブ9及び軸受板18の各軸受ノズル16,17,22からジャーナル軸受隙間10及びスラスト軸受隙間13,19に流入する圧縮空気によって、主軸1のラジアル方向及びスラスト方向の変位が規制される。ジャーナル軸受隙間10及びスラスト軸受隙間13,19に流入した圧縮空気は、主軸1の軸部2aの端部から直接にハウジング外部へ排出されると共に固定リング23の凹陥部27を介して排気口28からも排出される。
【0008】主軸1の正回転時には、タービン給気口5から供給された圧縮空気は、環状溝6を経由して固定リング23のタービンノズル4からスラスト板2bの凹部3に向かって噴出される。凹部3は、タービンノズル4と対向する位置で、そのタービンノズル4が開口するほぼ接線方向と直角をなす半径方向の壁面7を有する。噴出された圧縮空気は、凹部3の半径方向の壁面7に吹き付けられて主軸1に回転力を付与し、排気口28からハウジング外部へ排出される。
【0009】主軸1のブレーキ時には、ブレーキ給気口26から供給される圧縮空気が、給気通路25を経由してブレーキノズル24から正回転中のスラスト板2bの凹部3に向かって噴出される。この噴出された圧縮空気は、凹部3の半径方向の壁面7と直交する壁面29に吹き付けられて主軸1にブレーキ力を付与し、排気口28からハウジング外部へ排出される。なお、この時、主軸1を正回転させる圧縮空気の供給は遮断されている。
【0010】図13及び図14は、従来のエアタービンスピンドルの他例を示す。このエアタービンスピンドルの基本構成は、図11及び図12のスピンドルと同一であるため、同一部分には同一参照符号を付して重複説明は省略する。
【0011】このエアタービンスピンドルは、スラスト板2bの外周に正回転用凹部3とブレーキ用凹部30とを軸方向二列に並設し、固定リング23の凹部3と対向する部位にほぼ接線方向に開口したタービンノズル4を設け、固定リング23の凹部30と対向する部位に、前記タービンノズル4と反対向きでほぼ接線方向に開口したブレーキノズル31を設けている。
【0012】主軸1の正回転時には、タービン給気口5から供給された圧縮空気は、環状溝6を経由して固定リング23のタービンノズル4からスラスト板2bの凹部3に向かって噴出される。この噴出された圧縮空気は、凹部3の半径方向の壁面7に吹き付けられて主軸1に回転力を付与し、排気口28からハウジング外部へ排出される。
【0013】主軸1のブレーキ時には、主軸1を正回転させる圧縮空気は遮断された状態で、ブレーキ給気口32から供給される圧縮空気が、環状溝33を経由してブレーキノズル31から正回転中のスラスト板2bの凹部30に向かって噴出される。この噴出された圧縮空気は、凹部30の半径方向の壁面34に吹き付けられて主軸1にブレーキ力を付与し、排気口28からハウジング外部へ排出される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した図1111及び図12のエアタービンスピンドルでは、主軸1の正回転用として固定リング23に設けた凹部3を、ブレーキ時にも利用している。すなわち、ブレーキノズル24から噴出された圧縮空気が凹部3の半径方向の壁面7と直交する壁面29に吹き付けられる。このとき、圧縮空気の噴出方向と、その圧縮空気が吹き付けられる壁面29とのなす角度が小さいため、ブレーキ性能を発揮させる上で効率が悪いという問題があった。
【0015】また、固定リング23では、ブレーキノズル24をタービンノズル4と同一面内で形成しなければならない構造上、ブレーキノズル24をタービンノズル4と干渉しない位置に設ける必要があり、ブレーキノズル数を十分に確保することが困難であった。これら問題点のため、前記エアタービンスピンドルでは、強いブレーキ力を付与することが困難であった。
【0016】これに対して、図13及び図14に示すエアタービンスピンドルでは、スラスト板2bの外周に正回転用凹部3とブレーキ用凹部30とを並設し、タービンノズル4とブレーキノズル31とから供給される圧縮空気をそれぞれの凹部3と30に別々に噴出する構造としているため、ブレーキ性能を発揮させる上で効率がよく、ブレーキノズル31を配置する上でタービンノズル4との干渉を考慮する必要もないので、強いブレーキ力を付与することができる。
【0017】しかしながら、このエアタービンスピンドルでは、スラスト板2bに設けたブレーキ用凹部30の半径方向の壁面34が、正回転用凹部3の半径方向の壁面7と反対方向に向いた構造となっているため、主軸1の正回転時、ブレーキ用凹部30の半径方向の壁面34が抵抗となって正回転時の効率を低下させることになるという問題がある。
【0018】そこで、本発明は前記問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、主軸の正回転時の効率を低下させることなく、強いブレーキ力を確保することができるエアタービンスピンドルを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するための技術的手段として、本発明は、主軸の外周に設けられた複数の凹部に、この凹部と対向するハウジングの部位に配設された複数のタービンノズルから圧縮空気を吹き付けて主軸を回転させるエアタービンスピンドルにおいて、前記タービンノズルとは逆向きで複数のブレーキノズルを主軸に設け、そのブレーキノズルと連通するブレーキ給気口を前記ハウジングに設けたことを特徴とする。
【0020】本発明では、ブレーキノズルを主軸に設け、その主軸外周のブレーキノズルから正回転と逆方向に圧縮空気を噴出することによりブレーキ性能を発揮させる。これにより、ブレーキノズルを配置する上でタービンノズルとの干渉を考慮する必要もないので、強いブレーキ力を付与することができ、また、回転する主軸に凹部を設けた構造のものと比較して、主軸の正回転時の抵抗が小さい構造を実現できる。
【0021】本発明は、前記主軸の外径面とジャーナル軸受隙間をもって対向するジャーナル軸受面と、主軸のスラスト板の端面にスラスト軸受隙間をもって対向するスラスト軸受面とにそれぞれ開口した複数の軸受ノズルを有するハウジングを具備し、各軸受ノズルから軸受隙間に圧縮空気を流入させて主軸を非接触支持する静圧空気軸受に適用可能である。
【0022】なお、本発明では、
【0023】
【発明の実施の形態】本発明に係るエアタービンスピンドルの実施形態を以下に詳述する。
【0024】図1及び図2(a)(b)は、静圧空気軸受で主軸を支持した構造を有する本発明の第1の実施形態を示す。この第1の実施形態のエアタービンスピンドルは、主軸41のスラスト板42bの外周に設けられた複数の凹部43に、それら凹部43と対向する部位に配設されたタービンノズル44から圧縮空気を吹き付けることにより主軸41を回転させるものである。
【0025】主軸41は、軸部42aとその端部に設けられたスラスト板42bとからなり、後述のジャーナル軸受部及びスラスト軸受部によりハウジング48に対して回転自在に支持されている。ハウジング48は、ほぼ円筒状の第1ハウジング部48aと、その第1ハウジング部48aの端部に一体に結合された円形蓋状の第2ハウジング部48bと、前記第1ハウジング部48aの内径に固着された軸受スリーブ49と、前記第2ハウジング部48bの内端面に固着された軸受板58とで構成されている。
【0026】第1ハウジング部48aの内径には、焼嵌め、圧入又は接着などの適宜の手段により軸受スリーブ49が固定されている。この軸受スリーブ49には、主軸41の軸部42aの外径面と微小なジャーナル軸受隙間50を介して対向するジャーナル軸受面51を有するジャーナル軸受部52が形成され、スラスト板42bの端面と微小なスラスト軸受隙間53を介して対向するスラスト軸受面54を有するスラスト軸受部55が形成されている。また、軸受スリーブ49には、ジャーナル軸受面51及びスラスト軸受面54に開口した複数の微細な軸受ノズル56,57が配設されている。
【0027】第2ハウジング部48bの内端面には、焼嵌め、圧入又は接着などの適宜の手段により軸受板58が固着されている。この軸受板58には、スラスト板42bの端面と微小なスラスト軸受隙間59を介して対向するスラスト軸受面60を有するスラスト軸受部61が形成されている。また、軸受板58には、スラスト軸受面60に開口した複数の微細な軸受ノズル62が配設されている。
【0028】また、第1ハウジング部48aの端部内径には、焼嵌め、圧入又は接着などの適宜の手段により固定リング63が固着されている。この固定リング63には、スラスト板42bの各凹部43と対向する部位で複数のタービンノズル44が貫通形成されている。このタービンノズル44は、固定リング63の外周に沿ってほぼ接線方向に開口し、第1ハウジング部48aに形成された環状溝46を介してタービン給気口45と連通している。
【0029】一方、スラスト板42bの端面には、圧力室となる環状溝64が形成され、この環状溝64からスラスト板42bの外周方向で前記タービンノズル44と反対向きに、正回転中の主軸41にブレーキ力を付与するための複数のブレーキノズル65が貫通形成されている。そのブレーキノズル65は、スラスト板42bの外周に沿ってほぼ接線方向に開口し、環状溝64を介して第2ハウジング部48bに形成されたブレーキ給気口66と連通している。また、前述した固定リング63には、ブレーキノズル65と対向する部位に、ブレーキ効果を高めるための固定翼67が配設されている。この固定翼67は、前記ブレーキノズル65と対向する位置で、そのブレーキノズル65が開口するほぼ接線方向と直角をなす端面69を有する。
【0030】ここで、環状溝64の両側には、環状溝64からの圧縮空気の漏れを防止するシール機構として、微小な隙間からなる隙間シール68が形成され、その隙間の流路抵抗によって環状溝64の内部が高圧に保持される。この隙間シール68は、スラスト軸受面60と同時加工で形成できるので、そのスラスト軸受面60と同一面に形成することが望ましい。また、隙間シール68は非接触なので、エアタービンスピンドルの場合、高速、高精度などの特性を低下させることなく、特に好適なシール構造である。
【0031】軸受スリーブ49及び軸受板58の各軸受ノズル56,57,62からジャーナル軸受隙間50及びスラスト軸受隙間53,59に流入する圧縮空気によって、主軸41のラジアル方向及びスラスト方向の変位が規制される。ジャーナル軸受隙間50及びスラスト軸受隙間53,59に流入した圧縮空気は、軸部42aの端部から直接にハウジング外部へ排出されると共に排気口58からも排出される。
【0032】主軸41の正回転時には、タービン給気口45から供給された圧縮空気は、環状溝46を経由して固定リング63のタービンノズル44からスラスト板42bの凹部43に向かって噴出される。凹部43は、タービンノズル44と対向する位置で、そのタービンノズル44が開口するほぼ接線方向と直角をなす半径方向の壁面47を有する。噴出された圧縮空気は、凹部43の半径方向の壁面47に吹き付けられて主軸41に回転力を付与し、排気口58からハウジング外部へ排出される。
【0033】一方、主軸41のブレーキ時には、ブレーキ給気口66から供給される圧縮空気が、環状溝64を経由してブレーキノズル65から正回転と逆方向に噴出されて主軸41にブレーキ力を付与する。その噴出された圧縮空気は、固定リング63の固定翼67の端面69に吹き付けられてさらにブレーキ効果が高められ、固定リング63の円周溝70及び排気穴71を経由して排気口58からハウジング外部へ排出される。なお、この時、主軸41を正回転させる圧縮空気の供給は遮断されている。
【0034】この第1の実施形態では、正回転用として必要なタービンノズル数に合わせて、空間効率上、同数の排気穴71、排気口58及びブレーキ用として同数の固定翼67が設けられ、ブレーキノズル65は、十分な性能が得られる範囲で固定翼67の数と互いに素であるように設定され、これにより、振動の抑制などの効果を発揮する。また、この実施形態では、スラスト板42bの一方の端面側からブレーキ用の圧縮空気を供給するようにしているが、本発明はこれに限定されることなく、スラスト板42bの他方の端面側、又は軸部42aの外周面側から供給する構造も可能である。この第1の実施形態のエアタービンスピンドルは、短時間での加減速が要求される静電塗装用などの用途に適している。
【0035】図3及び図4(a)(b)は、本発明の第2の実施形態を示し、その基本構成は、前述した第1の実施形態〔図1及び図2(a)(b)〕と同一であるため、同一部分には同一参照符号を付して重複説明は省略する。第1の実施形態と相違する点は、固定翼67がない点のみである。このように固定翼67がなくても、主軸41のブレーキ時、ブレーキ給気口66から供給される圧縮空気が、環状溝64を経由してブレーキノズル65から正回転と逆方向に噴出されて主軸41にブレーキ力が付与される。
【0036】図5及び図6は本発明の第3の実施形態を示し、第1の実施形態と同一部分には同一参照符号を付して重複説明は省略する。この第3の実施形態では、主軸41のスラスト板42bの端面にその端面側に開口する圧力室72を設け、この圧力室72から主軸41の軸部42aの外周方向でタービンノズル44と反対向きに、正回転中の主軸41にブレーキ力を付与するための複数のブレーキノズル73が貫通形成されている。ブレーキノズル73は、圧力室72を介して第2ハウジング部48bに形成されたブレーキ給気口74と連通している。第1、第2の実施形態の場合と同様、前記圧力室72の周囲には微小な隙間からなる隙間シール68が形成され、圧力室72の内部が高圧に保持される。
【0037】主軸41のブレーキ時には、ブレーキ給気口74から供給される圧縮空気が、圧力室72を経由してブレーキノズル73から正回転と逆方向に噴出されて主軸41にブレーキ力を付与する。その噴出された圧縮空気は、軸受スリーブ49に設けられた排気口76を経由して第1ハウジング部48aの排気口58からハウジング外部へ排出される。なお、この時、主軸41を正回転させる圧縮空気の供給は遮断されている。
【0038】この第3の実施形態では、ブレーキ用の固定翼67が設けられていないが、軸受スリーブ49のブレーキノズル73と対向する部位に、ブレーキノズル73から噴出される圧縮空気の吹き付け力を受ける面を形成した構造、例えば第1の実施形態における固定翼67と同一の機能を発揮するような凹凸を設けるようにしてもよい。また、ブレーキノズル73を形成する位置は、第3の実施形態以外、例えば、主軸41の軸方向中央など任意の位置であってもよい。
【0039】図7及び図8は本発明の第4の実施形態を示し、第3の実施形態と同一部分には同一参照符号を付して重複説明は省略する。この第4の実施形態のスピンドルは、ブレーキ用圧縮空気を主軸41にその半径方向から供給する構造を具備する。すなわち、主軸41の内部に圧力室77を設け、この圧力室77から主軸41の軸部42aの外周方向でタービンノズル44と反対向きに、正回転中の主軸41にブレーキ力を付与するための複数のブレーキノズル73が貫通形成されている。
【0040】主軸41には前記圧力室77と連通するブレーキ給気穴78を開口させると共に、軸受スリーブ49の内径面には環状溝79を形成する。ブレーキノズル73は、圧力室77、ブレーキ給気穴78及び環状溝79を介して第1ハウジング部48aのブレーキ給気口80と連通している。ブレーキ給気口80を形成する位置は、半径方向であれば主軸41の軸部42aの任意位置でよい。第1〜第3の実施形態の場合と同様、前記環状溝79の両側には微小な隙間からなる隙間シール81が形成され、圧力室77の内部が高圧に保持される。
【0041】主軸41のブレーキ時には、ブレーキ給気口80から供給された圧縮空気は、環状溝79、ブレーキ給気穴78を経由して圧力室77に導入され、ブレーキノズル73から正回転と逆方向に噴出されて主軸41にブレーキ力を付与する。その噴出された圧縮空気は、軸受スリーブ49の排気口76を経由して第1ハウジング部48aの排気口58からハウジング外部へ排出される。なお、この時、主軸41を正回転させる圧縮空気の供給は遮断されている。
【0042】なお、前述した第1〜第3の実施形態では、軸方向からブレーキ用の圧縮空気を供給する構造としていることから、その圧縮空気により主軸41が軸方向力を受けることがある。エアタービンスピンドルの仕様上、この軸方向力による影響が無視できないような場合には、第4の実施形態のように半径方向からブレーキ用の圧縮空気を供給する構造が好適である。
【0043】また、第1〜第3の実施形態の場合であっても、ブレーキ用の圧縮空気が供給されるスラスト軸受部61と反対側に位置するスラスト軸受部55を負荷容量の大きい設計とすることにより、軸方向力に対抗してスラスト軸受部55での接触、摩耗などの影響を抑制することができる。このスラスト軸受部55の負荷容量を大きくする設計としては、例えば、
【0044】さらに、軸方向力を小さくすることによってもスラスト軸受部55での接触、摩耗などの影響を抑制することができる。軸方向力を小さくする設計としては、環状溝64がブレーキ給気口66と連通する側に位置するスラスト軸受部61とブレーキ給気口66との間に大気開放用の排気通路を設ける構造とすることができる。
【0045】具体的には、主軸41が受ける軸方向力を小さくする手段を第1の実施形態(図1参照)のエアタービンスピンドルに設けた場合を図9に示す。図1と同一部分には同一参照符号を付して重複説明は省略する。なお、この軸方向力を小さくする手段は、図3および図4R>4(a)(b)に示す第2の実施形態、図5および図6に示す第3の実施形態にも同様に設けることが可能である。
【0046】図9に示すエアタービンスピンドルにおいて、スラスト軸受部61のスラスト軸受隙間59に開口する排気用円周溝82とこの円周溝82に連通する排気口83とからなる大気開放用の排気通路84を第2ハウジング部48bに設ける。この大気開放用の排気通路84は、スラスト軸受部61と隙間シール68との間、スラスト軸受部61の軸受ノズル62とブレーキ給気口66との間に配設する必要がある。
【0047】主軸41のブレーキ時には、ブレーキ給気口66から圧縮空気が環状溝64に流入し、隙間シール68により環状溝64の内部が高圧になる。この環状溝64の内外周両側に形成された隙間シール68の外周側から漏れ出した少量の空気は、排気口58からハウジング外部へ排出される。一方、前記隙間シール68の内周側から漏れ出した少量の空気は、円周溝82を経て排気口83からハウジング外部へ排出される。
【0048】ここで、図1に示す第1の実施形態のように大気開放用の排気通路84がない場合には、隙間シール68の内周側から漏れ出した少量の空気がスラスト軸受部61との間に溜まるために、図10(a)に示すような圧力分布となる。一方、図9に示すように大気開放用の排気通路84がある場合には、隙間シール68の内周側から漏れ出した少量の空気がスラスト軸受部61との間に溜まることなく、円周溝82を経て排気口83から外部へ排出されるので、図10(b)に示すような圧力分布となる。
【0049】同図(a)(b)に示す斜線部分は、圧縮空気により主軸41が受ける軸方向力に相当するものである。すなわち、スラスト軸受部61と隙間シール68との間に大気開放用の排気通路84を設けることにより、ブレーキ用として供給される圧縮空気により主軸41が受ける軸方向力を小さくすることができるので、スラスト軸受部55での接触、摩耗などの影響を抑制することができる。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、ブレーキノズルを主軸に設け、その主軸外周のブレーキノズルから正回転と逆方向に圧縮空気を噴出することによりブレーキ性能を発揮させる。これにより、ブレーキノズルを配置する上でタービンノズルとの干渉を考慮する必要もないので、主軸の正回転時の効率を低下させることなく、強いブレーキ力を確保することができ、また、回転する主軸に凹部を設けた構造のものと比較して、主軸の正回転時の抵抗が小さい構造を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエアタービンスピンドルの第1の実施形態を示す断面図である。
【図2】(a)は図1のA−A線に沿う断面図である。(b)は図1のB−B線に沿う断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す断面図である。
【図4】(a)は図3のC−C線に沿う断面図である。(b)は図3のD−D線に沿う断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態を示す断面図である。
【図6】図5のE−E線に沿う断面図である。
【図7】本発明の第4の実施形態を示す断面図である。
【図8】図7のF−F線に沿う断面図である。
【図9】図1の第1の実施形態に主軸41が受ける軸方向力を小さくする手段を設けたエアタービンスピンドルを示す断面図である。
【図10】(a)は図1に示す第1の実施形態で、軸受ノズル出口圧とブレーキ給気圧による圧力分布を示す説明図である。(b)は図9のエアタービンスピンドルで、軸受ノズル出口圧とブレーキ給気圧による圧力分布を示す説明図である。
【図11】従来のエアタービンスピンドルの一例を示す断面図である。
【図12】図11のG−G線に沿う断面図である。
【図13】従来のエアタービンスピンドルの他例を示す断面図である。
【図14】(a)は図13のH−H線に沿う断面図である。(b)は図13のI−I線に沿う断面図である。
【符号の説明】
41 主軸
42b スラスト板
43 凹部
44 タービンノズル
48 ハウジング
50 ジャーナル軸受隙間
53 スラスト軸受隙間
54 スラスト軸受面
55 スラスト軸受部
56 軸受ノズル
57 軸受ノズル
59 スラスト軸受隙間
60 スラスト軸受面
61 スラスト軸受部
62 軸受ノズル
64 圧力室(環状溝)
65 ブレーキノズル
66 ブレーキ給気口
68 隙間シール
84 大気開放用の排気通路
【特許請求の範囲】
【請求項1】 主軸の外周に設けられた複数の凹部に、この凹部と対向するハウジングの部位に配設された複数のタービンノズルから圧縮空気を吹き付けて主軸を回転させるエアタービンスピンドルにおいて、前記タービンノズルとは逆向きで複数のブレーキノズルを主軸に設け、そのブレーキノズルと連通するブレーキ給気口を前記ハウジングに設けたことを特徴とするエアタービンスピンドル。
【請求項2】 前記主軸の外径面とジャーナル軸受隙間をもって対向するジャーナル軸受面と、主軸のスラスト板の端面にスラスト軸受隙間をもって対向するスラスト軸受面とにそれぞれ開口した複数の軸受ノズルを有するハウジングを具備し、各軸受ノズルから軸受隙間に圧縮空気を流入させて主軸を非接触支持することを特徴とする請求項1に記載のエアタービンスピンドル。
【請求項3】 前記ブレーキノズルを主軸に設けた凹部の近傍に配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載のエアタービンスピンドル。
【請求項4】 前記ブレーキノズルに対向する部位に、そのブレーキノズルから噴出される圧縮空気の吹き付け力を受ける面を形成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のエアタービンスピンドル。
【請求項5】 前記主軸に圧力室を設け、その圧力室を介してブレーキノズルとブレーキ給気口とを連通させたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のエアタービンスピンドル。
【請求項6】 前記圧力室を主軸のスラスト板に設け、そのスラスト板の両端面にそれぞれ形成されたスラスト軸受部のうち、前記圧力室がブレーキ給気口に連通する側と反対側に位置するスラスト軸受部の負荷容量を増大させる手段、あるいは、ブレーキ用圧縮空気によって主軸が受ける軸方向力を低減する手段のうち少なくともいずれか一方を設けたことを特徴とする請求項5に記載のエアタービンスピンドル。
【請求項7】 前記ブレーキ用圧縮空気によって主軸が受ける軸方向力を低減する手段は、前記圧力室がブレーキ給気口と連通する側に位置するスラスト軸受部とブレーキ給気口との間に設けられた大気開放用の排気通路であることを特徴とする請求項6に記載のエアタービンスピンドル。
【請求項8】 前記圧力室と、ハウジングのブレーキ給気口との間に、圧力室からの圧縮空気の漏れを防止するシール機構を設けたことを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載のエアタービンスピンドル。
【請求項9】 前記シール機構は、前記主軸とハウジング間に形成された隙間シールであることを特徴とする請求項8に記載のエアタービンスピンドル。
【請求項1】 主軸の外周に設けられた複数の凹部に、この凹部と対向するハウジングの部位に配設された複数のタービンノズルから圧縮空気を吹き付けて主軸を回転させるエアタービンスピンドルにおいて、前記タービンノズルとは逆向きで複数のブレーキノズルを主軸に設け、そのブレーキノズルと連通するブレーキ給気口を前記ハウジングに設けたことを特徴とするエアタービンスピンドル。
【請求項2】 前記主軸の外径面とジャーナル軸受隙間をもって対向するジャーナル軸受面と、主軸のスラスト板の端面にスラスト軸受隙間をもって対向するスラスト軸受面とにそれぞれ開口した複数の軸受ノズルを有するハウジングを具備し、各軸受ノズルから軸受隙間に圧縮空気を流入させて主軸を非接触支持することを特徴とする請求項1に記載のエアタービンスピンドル。
【請求項3】 前記ブレーキノズルを主軸に設けた凹部の近傍に配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載のエアタービンスピンドル。
【請求項4】 前記ブレーキノズルに対向する部位に、そのブレーキノズルから噴出される圧縮空気の吹き付け力を受ける面を形成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のエアタービンスピンドル。
【請求項5】 前記主軸に圧力室を設け、その圧力室を介してブレーキノズルとブレーキ給気口とを連通させたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のエアタービンスピンドル。
【請求項6】 前記圧力室を主軸のスラスト板に設け、そのスラスト板の両端面にそれぞれ形成されたスラスト軸受部のうち、前記圧力室がブレーキ給気口に連通する側と反対側に位置するスラスト軸受部の負荷容量を増大させる手段、あるいは、ブレーキ用圧縮空気によって主軸が受ける軸方向力を低減する手段のうち少なくともいずれか一方を設けたことを特徴とする請求項5に記載のエアタービンスピンドル。
【請求項7】 前記ブレーキ用圧縮空気によって主軸が受ける軸方向力を低減する手段は、前記圧力室がブレーキ給気口と連通する側に位置するスラスト軸受部とブレーキ給気口との間に設けられた大気開放用の排気通路であることを特徴とする請求項6に記載のエアタービンスピンドル。
【請求項8】 前記圧力室と、ハウジングのブレーキ給気口との間に、圧力室からの圧縮空気の漏れを防止するシール機構を設けたことを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載のエアタービンスピンドル。
【請求項9】 前記シール機構は、前記主軸とハウジング間に形成された隙間シールであることを特徴とする請求項8に記載のエアタービンスピンドル。
【図1】
【図3】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
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【図14】
【公開番号】特開2001−113439(P2001−113439A)
【公開日】平成13年4月24日(2001.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−236951(P2000−236951)
【出願日】平成12年8月4日(2000.8.4)
【出願人】(000102692)エヌティエヌ株式会社 (9,006)
【公開日】平成13年4月24日(2001.4.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成12年8月4日(2000.8.4)
【出願人】(000102692)エヌティエヌ株式会社 (9,006)
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