説明

エアバッグ織物及びエアバッグ

【課題】耐熱性に優れたポリアミド繊維を用いたエアバッグで、高温高湿下の環境で鋼板と接触しても信頼性に優れたエアバッグを提供すること。
【解決手段】ポリアミド繊維から成る織物であって、亜鉛、アルミニウムおよびマグネシウムから選ばれた少なくとも1種の元素を合計で0.1〜100ppm、銅元素を10〜500ppm、ヨウ素および/または臭素を合計で300〜3500ppm、および鉄元素を0.01〜20ppm含有することを特徴とするエアバッグ用織物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両による事故時に人体の衝撃を吸収し、その保護を図るエアバッグに関するものであり、さらに詳しくは、軽量で収納性に優れ、環境信頼性にも優れたエアバッグ用織物、およびエアバッグに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車事故における人体への衝撃緩和のために、車両へのエアバッグの装着が進んできている。衝突の際、ガス等により膨張し、人体への衝撃を吸収緩和するエアバッグとして、運転席用および助手席用エアバッグに加えて、カーテンエアバッグやサイドエアバッグ、ニーエアバッグ、リアエアバッグなどが、乗員保護のために実用化されつつある。さらには、歩行者保護のために、車両の外側周辺部に膨張するように装着されるエアバッグが検討されてきている。
【0003】
エアバッグは合成繊維から成る織物が袋状に形成されたものであり、これをガス発生装置インフレーターに接合してエアバッグモジュールとしている。エアバッグがエアバッグ収納容器を介してガス発生装置に接合される場合は、エアバッグをエアバッグ収納容器に固定するために、エアバッグ織物をリテーナ板とエアバッグ収納容器の間に挟み込んで押さえるようにボルト締めされる。一方、エアバッグを直接ガス発生装置に固定する際には、ガス発生部位にエアバッグ織物を巻きつけてホースバンド様の締め具で締め付けるように取り付けることになる。ところが、こうしたエアバッグを固定する部位は、エアバッグがガス等によって展開する過程の比較的初期に最も応力がかかる部位である。エアバッグが完全に膨張する以前に、このエアバッグを固定する部位で破袋しはじめることがあった。
【0004】
これまで、エアバッグ織物材質とリテーナの材質の組合せに関して、ポリエステル織物を用いることが開示されている(特許文献1および2)。ここでは、高重合度ポリエステルからなる織物とクロメート処理亜鉛メッキ鋼板との組合せ接触や、高重合度ポリエステルからなる織物と銅リン系耐食鋼材の組合せ接触により、高湿度雰囲気下での引張りおよび引裂きの機械特性保持に優れることが開示されている。
しかしながら、耐熱性に優れるポリアミド織物を用いたエアバッグで、高湿および高温環境下で鋼板と接触した場合に、信頼性に優れるエアバッグが現在も求められている。
【0005】
従来、リテーナは亜鉛メッキ鋼板をプレス成型してさらに表面処理としてクロメート処理されたものが用いられている。しかし、工業製品に関わる環境安全意識の高まりを背景に、EUにおいて特定有害物質を含有した製品の上市が制限されるようになり、廃自動車指令(ELV:End of Life Vehicles)によって六価クロムを製品中に含有することが2007年以降禁止されている。このため、従来のクロメート処理である六価クロムメッキ処理は、三価クロムメッキ処理へ転換されてきた。三価クロムメッキ処理による三価化成皮膜では、当初予想に反して、耐食性、耐熱性ともに優れるような皮膜形成も可能になっている。しかし、この三価化成皮膜では、六価クロムイオンに由来する自己補修性が期待できないため、メッキの傷や、部材端部などでのメッキ欠陥における防食性が劣る問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−329670号公報
【特許文献2】特開平8−72650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、耐熱性に優れたポリアミド繊維を用いたエアバッグで、高温高湿下の環境で鋼板と接触しても信頼性に優れたエアバッグの提供を目的とするものである。とりわけ、三価クロムメッキ処理された鋼板と接触しても、優れた信頼性を示すエアバッグの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、エアバッグ用織物に含有する特定の元素量を制御することでその目的に適合しうることを見いだし、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、下記の発明を提供する。
(1)ポリアミド繊維から成る織物であって、亜鉛、アルミニウムおよびマグネシウムから選ばれた少なくとも1種の元素を合計で0.1〜100ppm、銅元素を10〜500ppm、ヨウ素および/または臭素を合計で300〜3500ppm、および鉄元素を0.01〜20ppm含有することを特徴とするエアバッグ用織物。
(2)織物中に油剤成分を0.01〜2.0重量%含有することを特徴とする上記1項に記載のエアバッグ用織物。
(3)織物中に環状ユニマーを0.1〜3.0%含有することを特徴とする上記1または2項に記載のエアバッグ用織物。
(4)脂肪酸金属塩を添加して溶融紡糸されたポリアミド繊維からなることを特徴とする上記1〜3項のいずれか一項に記載のエアバッグ用織物。
(5)環状ユニマーを添加して溶融紡糸されたポリアミド繊維からなることを特徴とする上記3〜4項のいずれか一項に記載のエアバッグ用織物。
(6)少なくとも片面が実質的に樹脂コーティングされていない織物であることを特徴とする上記1〜5項のいずれか一項に記載のエアバッグ用織物。
(7)上記1〜6項のいずれか一項に記載のエアバッグ用織物を用いたエアバッグ。
(8)上記7項に記載のエアバッグを用いたエアバッグモジュール。
(9)エアバッグ用織物の実質的に樹脂塗布されない面が鋼材に接触して取付けられていることを特徴とする上記8項に記載のエアバッグモジュール。
【発明の効果】
【0010】
本発明のエアバッグ織物は、耐熱性に優れたポリアミド繊維からなり、縫目強力に優れていてガス展開時の耐バースト性が良好で、さらに、鋼板接触における高温高湿環境下での信頼性に優れたエアバッグを提供することができる。とりわけ、本発明のエアバッグは、三価クロムメッキ処理された鋼板でインフレーター接続され、高湿および高温環境を経た後のガス展開時のバースト耐性が改良されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のエアバッグモジュールの組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本願発明について具体的に説明する。
本発明の織物を構成するポリアミド繊維としては、ポリアミド6、ポリアミド6・6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6・10、ポリアミド6・12、ポリアミド4・6、それらの共重合体およびそれらの混合物からなる繊維が挙げられる。特に主としてポリヘキサメチレンアジパミドからなるポリアミド6・6繊維が好ましい。ポリヘキサメチレンアジパミドとはヘキサメチレンジアミンとアジピン酸とから構成されるポリアミドを指すが、本発明で用いられるポリアミド6・6繊維は融点が250℃未満とならない範囲で、ポリヘキサメチレンアジパミドにポリアミド6、ポリアミド6・I、ポリアミド6・10、ポリアミド6・Tなどを共重合したり、あるいはブレンドしてもよい。
【0013】
本発明の織物において、銅元素を10〜500ppm含有することが必要である。また、ヨウ素および/または臭素元素を合計で300〜3500ppm含有することが必要である。これらは、ポリアミドのポリマー分子の熱安定剤として長期耐熱性を向上させるためのものである。銅元素は、好ましくは15〜300ppm、より好ましくは20〜200ppm、もっとも好ましくは30〜100ppmである。ヨウ素および/または臭素元素は合計で、好ましくは400〜3000ppm、より好ましくは500〜2500ppmである。もっとも好ましくは1000〜2000ppmである。
【0014】
銅元素によってポリアミドポリマーの分子鎖の開裂ラジカルを消滅する作用が発揮される。銅元素が10ppm以上で多いほどポリアミドポリマーの長期耐熱性の向上が期待できる。従って、エアバッグを熱経時させた後に、ガス展開する際にバースト破袋するようなことが回避できるようになる。とりわけ、最大展開のタイミングで人体突入する時点に最大荷重時でガス圧が最大となり、エアバッグ織物の縫目強力の低下が問題となるが、熱経時における縫目強力の低下が抑制されているため、バースト破袋が回避できる。銅元素が500ppm以下であれば経済的であり、紡糸工程で無機析出物が堆積するような不具合が生じ難い。
【0015】
銅元素は、銅化合物としてポリアミドポリマーに添加される。銅化合物の具体的な例としては、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第二銅、ヨウ化第一銅、ヨウ化第二銅、硫酸第二銅、硝酸第二銅、リン酸銅、酢酸第一銅、酢酸第二銅、サリチル酸第二銅、ステアリン酸第二銅、安息香酸第二銅および前記無機ハロゲン化銅とキシリレンジアミン、2−メルカプトベンズイミダゾール、ベンズイミダゾールなどとの銅化合物などが挙げられる。特に銅化合物とハロゲンの組合せになる1価のハロゲン化銅化合物を添加することがより好ましい。具体的には、酢酸第一銅、ヨウ化第一銅などを特に好適な添加化合物として例示することができる。
【0016】
また、ヨウ素および/または臭素元素は、ハロゲン化アルカリ化合物として添加することが可能である。このハロゲン化アルカリ化合物の例としては、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、臭化ナトリウムおよびヨウ化ナトリウム等を挙げることができる。ヨウ素および/または臭素元素は、銅がポリマーのラジカル消滅に寄与する際に酸化還元反応で銅の作用を再生するためのものであり、300ppm以上で多いほどポリアミドポリマーの長期耐熱性の向上が期待できる。一方、3500ppm以下であれば、一般的な環境下でのヨウ素遊離による黄変を回避できる。
【0017】
本発明の織物において、含有する鉄元素は0.01〜20ppmである必要がある。より好ましくは0.05〜10ppmであり、いっそう好ましくは0.1〜5ppmである。含有する鉄元素が20ppm以下であれば少ないほど、ポリアミドおよびポリアミドオリゴマー成分の酸化分解作用が限定的であり、銅およびハロゲン化合物による耐熱性保持がより効果的に享受できる。すなわち、熱経時後にリテーナ接触部におけるポリアミドポリマーの分解によるエアバッグのバースト破袋が回避できるようになる。リテーナによるエアバッグ織物取付け部はインフレーターからの発生ガスが流入する場所であり、エアバッグが展開をはじめる初期に局所的に応力が集中する場所であるため、エアバッグ織物の機械物性低下に大きな悪影響を受ける。しかし、本発明の織物によれば、熱経時後にポリアミド酸化分解作用が限定的であり、機械物性低下が抑制されて、リテーナ取付け部でのエアバッグバースト破袋が回避できるようになる。ポリアミド繊維、例えばポリアミド6・6繊維に含有する鉄元素は、工業的に実際上0.01ppm以上である。
【0018】
織物が含有する鉄元素は、概ね溶融紡糸工程から由来するものである。高強度ポリアミド繊維を紡糸する溶融紡糸工程では、微小な異物の存在や、微細な溶融不均一性は、単糸切れや糸切れとなってこれを嫌うため、ポリマーを精密濾過する必要がある。たとえば、繊維強度が7.0cN/dtex以上の高強度繊維の紡糸工程であり、かつ、単糸切れが毛羽数1個/1,000,000m以下の高密度織物用の繊維の紡糸工程ではポリマーの精密濾過が好ましい。従来、この濾過工程には金属不織布が用いられてきた。金属不織布の材質は、細繊度のステンレス鋼繊維であり、たとえば、オーステナイト系ステンレス鋼などが用いられてきた。ポリアミドポリマーが溶融し十分に流動性を有するような高温に加熱された状況で、表面積の著しく大きいステンレス鋼に接することにより、ポリマー中に鉄元素を多く含むようになっていた。したがって、ステンレス鋼に代わる材質からなる濾材を用いればよい。たとえば、ニッケル合金(たとえばハステロイ(登録商標))を用いることにより、ポリマー中の鉄元素を抑制して紡糸することができる。ニッケル合金繊維からなる不織布フィルターで平均孔径30μmの濾過性能を有するフィルターによる紡糸が好ましい。
【0019】
本発明の織物は、亜鉛、アルミニウムおよびマグネシウム元素から選択された少なくとも1種の元素を合計で0.1〜100ppm含有することが必要である。より好ましくは0.5〜50ppmであり、いっそう好ましくは1.0〜30ppmであり、もっとも好ましくは5.0〜20ppmである。織物に亜鉛、アルミニウムおよびマグネシウム元素の合計が0.1ppm以上含有されれば、ポリアミド繊維からなる織物が三価クロムメッキ処理された亜鉛メッキ鋼板に接触しても鉄イオンによるポリアミドの劣化作用が抑制される。特に、メッキに欠陥を有する鋼板であっても鉄イオンによるポリアミドの劣化作用が抑制される。そのため、エアバッグが暴露される高温環境や高湿環境下でも、鋼板に接触したポリアミド繊維の劣化による物性低下が抑制される。ポリアミド繊維中に亜鉛、アルミニウムおよびマグネシウム元素の合計が100ppm以下であれば、ポリアミド繊維に該元素含有添加物を添加することによる紡糸不具合、すなわち断糸や単糸切れに基づくポリアミド繊維織物の織物欠陥が回避される。さらには、亜鉛、アルミニウムおよびマグネシウム元素量の合計が鉄元素量を上回っていることが好ましい。また、とりわけアルミニウム元素が三元素のなかでも主要量であり40%以上であることが好ましく、いっそう好ましくは60%以上である。
【0020】
本発明の織物では、ポリアミド繊維に含有する亜鉛、アルミニウムおよびマグネシウム元素は、ポリアミドポリマーに脂肪酸金属塩を添加して紡糸することで得ることが好ましい。ポリアミドポリマーに添加する脂肪酸金属塩は、炭素数6〜40の脂肪酸の金属塩が好ましく、具体的にはモンタン酸アルミニウム、モンタン酸マグネシウム、モンタン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛などが挙げられる。上記のうち、モンタン酸アルミニウム、モンタン酸マグネシウム、モンタン酸亜鉛を好ましく用いることができる。こうした脂肪酸金属塩は、ポリアミドポリマーの熱劣化作用が少なく、かつ、造核効果によって高強度繊維が得やすくなり、さらに、繊維物性の均一性向上から織物の縫目強力の向上に寄与する。織物の縫目強力の向上によってエアバッグのガス耐圧性が向上し、エアバッグ展開の信頼性が向上する。また、ポリマー中のオリゴマー成分の微分散を促すため、長期に苛酷な環境を経た後の織物の柔軟性や滑り性を維持する効果が期待できる。なお、本発明において上記脂肪族金属塩は1種類で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いても良い。
【0021】
ポリアミド繊維を紡糸する際に、ポリアミドオリゴマーの含有量を適宜含有するように制御することが好ましい。ポリアミド繊維に、例えばポリアミド6・6オリゴマーを、紡糸の際、適宜添加することが好ましい。とりわけヘキサメチレンジアミンとアジピン酸が環状にひとつずつ縮合した環状ユニマーを全アミド結合単位に対して0.1〜3.0%添加することが好ましい。より好ましくは0.2〜2.5%である。環状ユニマーは脂肪酸金属塩と共に微分散され、ポリアミド繊維の機械的特性向上に寄与しうる。環状ユニマーは、ポリアミド繊維の滑りを改善し、柔軟性を維持する。特に、高温環境下において、自身の緩慢なブリードアウトによって持続的な効果をもたらす。この環状ユニマーは、低分子量で、かつ、環状であることにより、可塑化効果を有しつつ繊維表面に緩慢にブリードアウトするためとりわけ好ましい。また、水処理において抽出されきってしまうようなことが無いため、高密度織物加工上も都合が良い。こうした効果は、亜鉛、アルミニウムおよびマグネシウム元素によって阻害されること無く、むしろそれらの脂肪族金属塩とあいまって効果を発揮する。ここで、下記化学式(1)で表される化合物を環状ユニマーと呼称する。
【化1】

【0022】
ポリアミド6・6溶融ポリマーから昇華物として得たオリゴマーを再結晶で精製し、環状ユニマーを主成分としたオリゴマーを添加するのが好ましい。アミド化合物中の環状ユニマー成分比は、織物をNMR溶媒に溶解して13C−NMRスペクトル解析から求めた。たとえばポリアミド6・6繊維になる織物の場合、スペクトル解析は基本的にデイヴィスの提案(R. D. Davis, et. al. Macromolecules 2000, 33, 7088‐7092)に従った。ポリアミド6・6ポリマー中のヘキサメチレンジアミン骨格のアミド窒素結合位からβ位にある炭素は、3種のケミカルシフトを示す。すなわち、(1)環状ユニマーの炭素、(2)鎖状ポリアミド中でトランス型コンフォメーションの炭素および環状ユニマーを除く環状ポリアミド中の炭素、(3)鎖状ポリアミド中でシス型コンフォメーションの炭素である。(1)のNMRピーク強度について、(2)と(3)のピーク強度合計を基準にした百分率(%)で求めたものをポリアミド化合物中の環状ユニマー成分比とした。NMRスペクトルで繊維の油剤成分などのスペクトルが重なって邪魔になる場合は、油剤成分を有機溶媒にて抽出して除いてスペクトル比較解析すればよい。
【0023】
なお、上記する以外に、本発明の効果を損なわない範囲であれば、かかる繊維には原糸の製造工程や加工工程での生産性あるいは特性改善のために通常使用される各種添加剤を含んでいても良い。例えば熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、平滑剤、帯電防止剤、可塑剤、増粘剤、顔料、難燃剤などを含有せしめることができる。
【0024】
本発明の織物は、ポリアミド繊維をウォータージェット、エアジェット、レピア織機や多相織機などで製織して織物にすることができる。
次いで、過剰な油剤成分や汚れ成分の除去のために精練洗浄することができる。精練工程では、温水浴でアルカリ洗浄や界面活性剤洗浄が行われるが、本発明では、亜鉛、アルミニウムおよびマグネシウム元素、さらには環状ユニマーなどを除去してしまわないように配慮する必要がある。むしろ、精練せずに織物に仕上るのが好ましい。ウォータージェット織機によって油剤成分付着量が適度になった織物を精練せずに基布に仕上るのがいっそう好ましい。本発明に必要な含有物の量が制御しやすいし、経済的でもある。このとき、平滑剤、帯電防止剤を主成分とした整経油剤や製織工程油剤が油剤成分として0.01から2.0重量%織物に含有されることも好ましい。さらに好ましくは0.1から1.5重量%であり、いっそう好ましくは0.5から1.0重量%である。油剤成分により織物の引裂き強力が向上し、リテーナー取り付け部からの破袋の防止に寄与するため、腐食劣化の防止とあいまってエアバッグ取り付け部破袋防止となるとともに、さらに、エアバッグ織物として展開時のガス耐圧性の向上が期待できるため、展開時のバースト防止に寄与する。
次いで、織物を乾燥し、熱固定を行ってエアバッグ織物に仕上ることができる。
【0025】
本発明のエアバッグ織物は、エアバッグの軽量化のため、樹脂やエラストマーのコーティングが無くエアバッグに用いられることが好ましい。ポリアミド織物が直にリテーナに接してエアバッグモジュールとなった場合でも鋼鈑接触によるポリアミドの劣化作用が抑制される。また、本発明のエアバッグ織物は少なくとも片面が樹脂やエラストマーのコーティングが無くエアバッグに用いられることが好ましい。さらに、本発明のエアバッグ織物は樹脂やエラストマー塗布量が限りなく少なく、例えば、1〜20g/m2程度の少量のコーティングが施されるものの、ポリアミド繊維の一部が露出していたり、多孔性の塗膜性状であるエアバッグ織物であることが、軽量である上に鋼板接触によるポリアミドの劣化作用の抑制が発揮されるため好ましい。
【0026】
本発明のエアバッグ織物は、展開ガスを有効に利用できるエアバッグが形成できるように、200kPaでの通気度が300cc/cm2/sec以下であることが好ましい。さらに好ましくは200cc/cm2/sec以下であり、実質上観測できない非通気であることが好ましい。本発明のエアバッグ織物は、樹脂やエラストマーのコーティングが無くエアバッグに用いられるものであっても、樹脂やエラストマー塗布量が限りなく少ないものであっても、気密性の良いエアバッグ織物であることによって、確実に展開するエアバッグとすることができる。
本発明のエアバッグモジュールは、ポリアミド織物が直にリテーナ板などの鋼材に接してエアバッグモジュールとすることが好ましい。
【実施例】
【0027】
次に、実施例および比較例によって本発明を詳細に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
実施例中のエアバッグ用織物の特性評価などについては下記の方法にて実施した。
1.織物物性
1)引張強伸度:JIS L1096 8.12.1 A法(ストリップ法)に準じて測定。
2)織密度:JIS L1096 附属書11Aに準じ、デンシメータ使用にて測定した。
3)織物目付け:JIS L1096 附属書3に準じ、試料は10cm×10cmを用いた。
4)分解糸総繊度:JIS L1096 附属書14に準じ、試料長は25cmとした。
5)分解糸フィラメント数:織物の断面写真から構成単糸本数を数えた。
6)カバーファクター(CF):以下の式(2)よりもとめた。
CF=(Dw)1/2×Tw+(Df)1/2×Tf (2)
(ただし、Dwは経方向の分解糸総繊度(dtex)、Dfは緯方向の分解糸総繊度(dtex)、Twは経糸織密度(本/2.54cm)、Tfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。)
7)高圧通気度:Capillary Flow Porometer CFP−1200AEX(Porous Metrials, Inc.製)を用い、GalWick浸漬液にて空気圧0から200kPaまでウェットアップ/ドライアップ通気量カーブを描いて200kPaの通気度を求めた。
【0028】
2.金属定量分析
織物試料約0.2gをテフロン(登録商標)製密閉式分解容器に採取し、分析等級の高純度硝酸5(ml)を加え、マイクロウェーブ分解装置(マイルストーンゼネラル株式会社製ETHOS TC)で200℃、20分の加圧分解をし、試料が完全分解されて無色透明になったことを確認した。超純水で50mlに定容して定量分析溶液を得た。ICP質量分析装置(サーモフィッシャーサイエンティフィク株式会社製Xシリーズ X7 ICP−MS)にて内部標準法で定量した。銅、マグネシウム元素の定量検出限界は0.03ppmであった。また、鉄、亜鉛、アルミニウムの各元素についてそれぞれ定量検出限界は0.01ppmであった。
【0029】
3.沃素および臭素定量分析
前処理として、織物試料約50mgを酸素封入したフラスコ内で燃焼させ、試料中の沃素を0.01N水酸化ナトリウム水溶液20mLに吸収させ、この溶液を測定用検液とする。定量分析測定は、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製のICP質量分析装置Xシリーズ X7 ICP−MSを用い、インジウム(In)による内標準法で沃素検量線にて定量した。定量検出限界値は0.5ppmであった。
臭素の定量は、たとえば日本ダイオネクス株式会社製のイオンクロマトグラフ装置2000i/spを用い、定量検出限界値は20ppmで定量することができる。今回の実施例ではすべて検出限界以下であった。
【0030】
4.織物油剤成分量
織物試料10gを300mlのn−ヘキサンで8時間ソックスレー抽出した。n−ヘキサン抽出分の乾固重量から試料中の油剤成分量(重量%)を求めた。
【0031】
5.環状ユニマー定量
織物をNMR溶媒に溶解し13C−NMRにより測定した。溶液は完溶し、pH調整をせず測定した。13C−NMRスペクトルはBRUKER社製のAVANCE(II)400型NMR装置を使用し、以下の条件にて測定した。
NMR条件
試料濃度:100mg/NMR溶媒0.8ミリリットル
NMR溶媒:ヘキサフルオロイソプロパノール−d2
測定温度:25℃
パルス繰り返し間隔:2秒
積算回数:18000回
化学シフト基準:ヘキサフルオロイソプロパノール−d2のメチン炭素のピークトップとなる分岐中心ピークを71.28ppmとした。
得られたポリアミド6・6および含有される環状ユニマーについて、窒素結合β位炭素(C2)のピーク帰属とピーク強度の積算を実施した計算範囲を表1に示す。
【0032】
【表1】

環状ユニマー成分比(A)は、それぞれのピークを計算範囲で積算したピーク強度Iから次の式(3)にて百分率を算出した。
A=I(C2)/(I(2)+I(2cis))*100 (3)
【0033】
6.エアバッグ製袋
国際公開第99/28164号パンフレットに記載のエアバッグを縫製した。ただし、外周縫製は、縫糸が235dtex/2×3、運針数が5.0針/cmの2列二重環縫いとした。
【0034】
7.エアバッグバルーン耐圧
ベントホールの補強部で穴無し補強布でベントホールを閉じたエアバッグを用い、エアバッグ内側にゴム風船を挿入し、空気圧でエアバッグ耐圧を評価した。順次、空気圧を90kPa、120kPa、150kPa、180kPa、210kPaと上げてゆき、破袋する前の空気圧をバルーン耐圧とした。
【0035】
8.エアバッグモジュール組み立て
リテーナとして亜鉛メッキ鋼板(メッキ厚50μm)をプレス成型して三価クロムメッキ処理(三価化成皮膜5μm)したものを用いた。このリテーナに約2mm間隔で50mm長のクロスカットを20箇所入れ、折りたたんだエアバッグのインフレーター取付け口を、インフレーターが取り付けられたキャニスター容器に挟み込んでボルト締めした。折りたたんだエアバッグはパッケージが解けないようにカバー布で覆ってキャニスター容器に留めた。
このエアバッグモジュールを図1に示す。インフレーターはタンク圧200kPa出力のパイロタイプを用いた。
【0036】
9.高温高湿環境サイクル耐性テスト
エアバッグモジュールを恒温恒湿槽に入れ、80℃で95%RHの高湿度条件を5時間と、120℃の高温条件を5時間との2条件を1時間の条件変更時間をはさんで繰り返し、全体で1000時間経過させた後、80℃で12時間以上置いたものを、温度低下しないうちにインフレーター展開し、高速度カメラの観測と展開後のバッグ観察から破袋の様子を判定した。エアバッグ展開の初期にエアバッグ取付け部から破壊が生じた場合を取付破袋とした。エアバッグ展開が最大膨張に達し、縫製部から破壊が生じた場合を縫製破袋とした。
【0037】
[実施例1および2]
ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の中和塩を含む水溶液に、重合触媒の次亜燐酸ナトリウムを加え、連続重合装置にて縮重合した後、引き続いて熱安定剤として沃化銅/沃化カリウムの水溶液を添加して後期重合を行ない樹脂チップとした。引き続いて固相重合にて相対粘度ηr3.1のポリアミド6・6樹脂を得た。このポリアミド6・6樹脂の鉄元素含有量は0.12ppmであった。溶融押出機でポリアミド6・6樹脂を溶融紡出する際、モンタン酸アルミニウムを添加した。溶融紡糸機のフィルターにはハステロイC22素材からなる金属不織布フィルター(平均孔径15ミクロン)を用いた。さらに、吐出糸条に紡糸油剤成分を付与し、熱延伸してポリアミド6・6繊維を得た。紡糸油剤は、ジオレイルチオジプロピオン酸エステル60重量部、硬化ヒマシ油EOA(分子量2000)ステアリン酸エステル20重量部、高級アルコールEOPO付加物(分子量1500)20重量部の組成を用いた。
【0038】
こうして得られた、総繊度470dtex、フィラメント数72本、単糸繊度6.5dtexのフィラメント糸を用い糊付けすること無しに、ウォータージェットルームにて平織物を得た。次いで、該織物を精練すること無しに、80℃熱風乾燥し、次いで180℃で1分間熱ヒートセットし、経糸と緯糸の織密度がともに55本/2.54cmのエアバッグ用織物を得た。
【0039】
このエアバッグ用織物を構成するフィラメント糸(分解糸)の総繊度、織物の引張強力、破断伸度、織密度、通気度および油剤成分量を表2に示す。同様にエアバッグ用織物に含まれる環状ユニマー、銅元素、ハロゲン元素(ヨウ素)、鉄元素、マグネシウム元素、アルミニウム元素および亜鉛元素の量についても表2に示す。本発明の織物になるエアバッグは、エアバッグバルーン耐圧に優れ高耐圧エアバッグであるとともに、高温高湿環境サイクルを経た後も高温インフレーター展開においてエアバッグ取付け部でも縫製部でも破袋なく、バースト耐性に優れるエアバッグであった。
【0040】
[実施例3および4]
溶融押出機でポリアミド6・6樹脂を溶融紡出する際、モンタン酸アルミニウム、モンタン酸マグネシウム、モンタン酸亜鉛の3種を添加した以外は実施例1と同様に実施した。表2に記載のようにエアバッグバルーン耐圧も優れ、高温高湿環境サイクル後の高温インフレーター展開での破袋バーストもなかった。
【0041】
[実施例5]
溶融押出機でポリアミド6・6樹脂を溶融紡出する際、モンタン酸アルミニウムに加えて環状ユニマーを添加した以外は実施例1と同様に実施した。環状ユニマーは溶融押出し機の減圧部にて採取される昇華物オリゴマー粉体から酢酸エチルを用いて再結晶精製したものである。表2に記載のようにエアバッグバルーン耐圧はいっそう優れ、高温高湿環境サイクル後の高温インフレーター展開での破袋バーストもなかった。
【0042】
[実施例6]
実施例1記載のポリアミド6・6樹脂を溶融押出機で溶融紡出する際、モンタン酸アルミニウムを添加し、さらに、吐出糸条に紡糸油剤成分を付与し、熱延伸してポリアミド6・6繊維を得た。紡糸油剤は、ジオレイルチオジプロピオン酸エステル60重量部、硬化ヒマシ油EOA(分子量2000)ステアリン酸エステル20重量部、高級アルコールEOPO付加物(分子量1500)20重量部の組成を用いた。
【0043】
こうして得られた、総繊度350dtex、フィラメント数108本、単糸繊度3.2dtexのフィラメント糸を用い糊付けすること無しに、ウォータージェットルームにて平織物を得た。次いで、該織物を精練すること無しに、80℃熱風乾燥し、次いで180℃で1分間熱ヒートセットし、経糸と緯糸の織密度がともに59本/2.54cmのエアバッグ用織物を得た。表2に記載のようにエアバッグバルーン耐圧も優れ、高温高湿環境サイクル後の高温インフレーター展開での破袋バーストもなかった。
【0044】
[実施例7]
実施例6記載のポリアミド6・6繊維を用い、糊付けすること無しにエアジェットルームにて平織物を得た。次いで、該織物を精練すること無しに、80℃熱風乾燥し、次いで180℃で1分間熱ヒートセットし、経糸と緯糸の織密度がともに59本/2.54cmのエアバッグ用織物を得た。表2に記載のようにエアバッグバルーン耐圧も優れ、高温高湿環境サイクル後の高温インフレーター展開での破袋バーストもなかった。
【0045】
[比較例1]
実施例1と同様に相対粘度ηr3.1のポリアミド6・6樹脂を得た。溶融押出機でポリアミド6・6樹脂を溶融紡出する際、金属不織布フィルターとしてSUS316L素材になる孔径15ミクロンのフィルターを用い、脂肪酸金属塩を添加することなく吐出し、次いで、吐出糸条に紡糸油剤成分を付与し、熱延伸してポリアミド6・6繊維を得た。紡糸油剤は、ジオレイルチオジプロピオン酸エステル60重量部、硬化ヒマシ油EOA(分子量2000)ステアリン酸エステル20重量部、高級アルコールEOPO付加物(分子量1500)20重量部の組成を用いた。
【0046】
こうして得られた、総繊度470dtex、フィラメント数72本、単糸繊度6.5dtexのフィラメント糸を用い糊付けすること無しに、ウォータージェットルームにて平織物を得た。次いで、該織物を精練すること無しに、80℃熱風乾燥し、次いで180℃で1分間熱ヒートセットし、経糸と緯糸の織密度がともに55本/2.54cmのエアバッグ用織物を得た。表2に記載のようにこの織物からなるエアバッグは、エアバッグバルーン耐圧が低く耐バースト性が劣るとともに、高温高湿環境サイクルを経た後には、高温インフレーター展開においてエアバッグ取付け部でのバースト破袋が生じてしまい、高温高湿環境サイクルで劣化が認められた。
【0047】
[比較例2]
ポリアミド6・6樹脂を溶融押出機で溶融紡出する際、脂肪酸金属塩を添加することなく紡糸した以外は実施例1と同様に実施した。表2に記載のようにエアバッグバルーン耐圧は十分だが、高温高湿環境サイクル後の高温インフレーター展開でバースト破袋してしまい、高温高湿環境サイクルで劣化の影響が認められた。
【0048】
[比較例3]
実施例1でポリアミド6・6樹脂を溶融押出機で溶融紡出する際、脂肪酸金属塩を添加したが、添加量が多すぎて、切れ糸、単糸切れが多発したため、安定した紡糸にならず、織物が得られなかった。表2にはポリアミド織物としてではなく、ポリアミド6・6繊維で分析した値を示す。
【0049】
[比較例4]
ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の中和塩を含む水溶液に、重合触媒の次亜燐酸ナトリウムを加え、連続重合装置にて縮重合した後、引き続いて熱安定剤として沃化銅/沃化カリウムの水溶液を添加して後期重合を経て樹脂チップとする際、沃化銅添加量を減じた以外は実施例1と同様に実施した。表2に記載のようにこの織物からなるエアバッグは、エアバッグバルーン耐圧が低くバースト耐性が劣るとともに、高温高湿環境サイクルを経た後には、高温インフレーター展開において、エアバッグ取付け部の破壊は無いものの縫製部が破袋してしまい、高温高湿環境サイクルで劣化の影響が認められた。
【0050】
[比較例5]
ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の中和塩を含む水溶液に、重合触媒の次亜燐酸ナトリウムを加え、連続重合装置にて縮重合した後、引き続いて熱安定剤として沃化銅/沃化カリウムの水溶液を添加して後期重合を経て樹脂チップとする際、沃化カリウム添加量を減じた以外は実施例1と同様に実施した。表2に記載のようにこの織物からなるエアバッグは、エアバッグバルーン耐圧が低く耐バースト性が劣るとともに、高温高湿環境サイクルを経た後には、高温インフレーター展開においてエアバッグ取付け部の破壊は無いものの縫製部が破袋してしまい、高温高湿環境サイクルで劣化の影響が認められた。
【0051】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の織物は、乗り物衝突事故などにおける人体衝撃吸収のための人体拘束エアバッグとして好適に用いることができる。とりわけ、高温高湿環境下に曝されても、ガス展開膨張の際バースト破袋しない、環境信頼性の高いエアバッグとすることができる。さらには、三価クロムメッキ処理鋼板に接触してエアバッグモジュールに組上げて使用される用途に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0053】
1 エアバッグ
2 インフレーター
3 リテーナ
4 エアバッグキャニスター容器
5 取り付けボルトナット
21 ガス吹出口
31 クロスカットを施す面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアミド繊維から成る織物であって、亜鉛、アルミニウムおよびマグネシウムから選ばれた少なくとも1種の元素を合計で0.1〜100ppm、銅元素を10〜500ppm、ヨウ素および/または臭素を合計で300〜3500ppm、および鉄元素を0.01〜20ppm含有することを特徴とするエアバッグ用織物。
【請求項2】
織物中に油剤成分を0.01〜2.0重量%含有することを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ用織物。
【請求項3】
織物中に環状ユニマーを0.1〜3.0%含有することを特徴とする請求項1または2に記載のエアバッグ用織物。
【請求項4】
脂肪酸金属塩を添加して溶融紡糸されたポリアミド繊維からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のエアバッグ用織物。
【請求項5】
環状ユニマーを添加して溶融紡糸されたポリアミド繊維からなることを特徴とする請求項3〜4のいずれか一項に記載のエアバッグ用織物。
【請求項6】
少なくとも片面が実質的に樹脂コーティングされていない織物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のエアバッグ用織物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のエアバッグ用織物を用いたエアバッグ。
【請求項8】
請求項7に記載のエアバッグを用いたエアバッグモジュール。
【請求項9】
エアバッグ用織物の実質的に樹脂塗布されない面が鋼材に接触して取付けられていることを特徴とする請求項8に記載のエアバッグモジュール。

【図1】
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【公開番号】特開2011−52347(P2011−52347A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202875(P2009−202875)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(303046303)旭化成せんい株式会社 (548)
【Fターム(参考)】