エアフィルタ掃除装置、及び投写型映像表示装置
【課題】ブラシ及びダストボックスが往復移動するときに、ブラシに付着した塵埃がエアフィルタへ移ることを抑制することができるエアフィルタ掃除装置、及びこれを備えた投写型映像表示装置を提供する。
【解決手段】エアフィルタ掃除装置としてのエアフィルタ装置は、塵埃を捕捉するエアフィルタと、エアフィルタを掃除するブラシ45と、ブラシ45に付着した塵埃を溜めるダストボックスと、ブラシ45を回転させる回転軸43と、回転軸43の回転によってブラシ45及びダストボックスを推進させる推進機構としてのピニオン43A,43Bとを備え、ブラシ45がワンウェイクラッチ44を介して回転軸43に接続されている。
【解決手段】エアフィルタ掃除装置としてのエアフィルタ装置は、塵埃を捕捉するエアフィルタと、エアフィルタを掃除するブラシ45と、ブラシ45に付着した塵埃を溜めるダストボックスと、ブラシ45を回転させる回転軸43と、回転軸43の回転によってブラシ45及びダストボックスを推進させる推進機構としてのピニオン43A,43Bとを備え、ブラシ45がワンウェイクラッチ44を介して回転軸43に接続されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、エアフィルタを掃除するブラシを備えたエアフィルタ掃除装置、及びこれを備えた投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、投写型映像表示装置であるプロジェクタの筐体に、筐体の内部へ流入しようとする空気中の塵埃を捕捉するエアフィルタを設けることが知られている。また、所定の直線方向に往復移動してエアフィルタを掃除するブラシを備えたプロジェクタが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、ブラシを回転させる回転軸の回転によって、エアフィルタを掃除するブラシとブラシに付着した塵埃を溜めるダストボックスとを推進させる推進機構を有するエアフィルタ掃除装置が知られている。例えば特許文献2には、このような装置を内蔵した空気調和機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−156186号公報
【特許文献2】特開2009−82837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エアフィルタが掃除されることによってブラシに付着した塵埃は、ブラシの掃除能力が低下しないように、ブラシから除去されることが好ましい。さらに、ブラシから除去された塵埃は、筐体の内部へ再度流入しようとしないように、ダストボックスに溜められることが好ましい。
【0006】
しかしながら、ブラシを回転させる回転軸の回転によってブラシ及びダストボックスを推進させる構成において、回転軸とブラシとが連結されていれば、ブラシ及びダストボックスを往復移動させるときに、ブラシの回転方向も変化する。従って、直線方向の一方にブラシ及びダストボックスを推進させる場合には、ダストボックスに塵埃が溜まる方向にブラシが回転するように構成されていても、直線方向の他方にブラシ及びダストボックスを推進させる場合には、ダストボックスに塵埃が溜まる方向にブラシが回転しない。このようにダストボックスに塵埃が溜まる方向と反対の方向にブラシが回転すれば、ブラシに付着した塵埃がダストボックスに溜まらずに、ブラシからエアフィルタへ塵埃が移るおそれがある。
【0007】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ブラシ及びダストボックスが往復移動するときに、ブラシに付着した塵埃がエアフィルタへ移ることを抑制することができるエアフィルタ掃除装置、及びこれを備えた投写型映像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、塵埃を捕捉するエアフィルタと、エアフィルタを掃除するブラシと、前記ブラシに付着した塵埃を溜めるダストボックスと、前記ブラシを回転させる回転軸と、前記回転軸の回転によって前記ブラシ及び前記ダストボックスを推進させる推進機構とを備え、前記ブラシがワンウェイクラッチを介して前記回転軸に接続されていることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、ブラシを回転させる回転軸の回転によって、ブラシ及びダストボックスが推進する。そして、ブラシがワンウェイクラッチを介して回転軸に接続されているため、所定の方向への回転力を回転軸からブラシに伝達させて、反対の方向への回転力を回転軸からブラシに伝達させないようにすることが可能である。即ち、回転軸が一方の方向に回転すると、回転軸の回転力が、推進機構に伝達されるとともに、さらに、ワンウェイクラッチを介してブラシに伝達され、回転軸が反対の方向に回転すると、回転軸からブラシへの回転力の伝達がワンウェイクラッチにより切断されるように構成することが可能である。従って、回転軸が所定の方向及び反対の方向に回転してブラシ及びダストボックスが往復移動するときであっても、回転軸からブラシへの回転力の伝達がワンウェイクラッチにより切断されることによって、ダストボックスに塵埃が溜まらない方向にブラシを回転させないようにすることができる。よって、ブラシに付着した塵埃がエアフィルタへ移ることを抑制することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のエアフィルタ掃除装置であって、前記推進機構として前記回転軸に設けられた歯車を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、投写型映像表示装置は、推進機構として回転軸に設けられた歯車を備えている。従って、回転軸に設けられた歯車を、例えばブラシを推進させる方向に沿って設けられたラックに噛み合わせたピニオンとして、回転軸の回転力が歯車に伝達されることにより、ラックに沿ってブラシとダストボックスとを推進させることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のエアフィルタ掃除装置であって、前記ワンウェイクラッチは、前記回転軸に接続される回転軸側の機械要素と、この機械要素と前記ブラシとに接触させて設けられる転動体とを備え、前記回転軸が一方の方向に回転するときに、前記回転軸側の機械要素と前記ブラシとの間に、前記転動体がくさびとして設けられ、前記回転軸が反対の方向に回転するときに、前記回転軸側の機械要素と前記ブラシとに接触して転がるように前記転動体が設けられていることを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、回転軸が一方の方向に回転するときには、ワンウェイクラッチを構成する回転軸側の機械要素とブラシとの間にくさびとして設けられた転動体を介して、回転軸の回転力がブラシに伝達される。また、回転軸が反対の方向に回転するときに、回転軸側の機械要素とブラシと接触して転動体が転がることによって、回転軸からブラシへの回転力の伝達が切断される。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のエアフィルタ掃除装置であって、前記ブラシ及び前記ダストボックスが設けられるケースを備え、前記ケースには前記回転軸を回転させるモータが設けられていることを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、ブラシ及びダストボックスが設けられるケースには、回転軸を回転させるモータが設けられている。このため、ケースに設けられたモータにより、ブラシとダストボックスをケースとともに推進させることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のエアフィルタ掃除装置であって、前記ダストボックスは、前記ケースに対して着脱可能に構成されていることを特徴とする。
上記構成によれば、ダストボックスはケースに対して着脱可能であるため、ダストボックス内をメンテナンスする場合には、ケースからダストボックスを取り外して容易にメンテナンスを行うことが可能である。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のエアフィルタ掃除装置であって、前記ダストボックスには、前記ブラシに付着している埃を除去する除塵体が設けられていることを特徴とする。
【0017】
上記構成によれば、ダストボックスには、ブラシに付着している埃を除去する除塵体が設けられている。このため、除塵体によりブラシから埃が除去されることにより、ダストボックスに効率よく塵埃を溜めることができる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のエアフィルタ掃除装置であって、前記除塵体は、前記ダストボックス内に向けて設けられる表面を有し、前記ワンウェイクラッチは、前記回転軸の回転力を、前記ブラシに付着している埃を前記表面に運搬する方向に回転させる回転力として前記ブラシに伝達することを特徴とする。
【0019】
上記構成によれば、回転軸の回転力が、ブラシに付着している埃をダストボックス内に向けて設けられる除塵体の表面に運搬する方向に回転させる回転力としてブラシに伝達される。従って、回転軸の回転力が伝達されたブラシは、ブラシに付着している埃をダストボックス内に向けて設けられる除塵体の表面に運搬する方向に回転するため、ブラシから除去された埃は、除塵体の表面に沿ってダストボックス内に流入する。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項5〜7のいずれか一項に記載のエアフィルタ掃除装置であって、前記ケースに対して前記ダストボックスが装着されている状態においては、前記ブラシが前記ダストボックスの一部により覆われ、前記ケースから前記ダストボックスが取り外された状態においては、前記ブラシが露出することを特徴とする。
【0021】
上記構成によれば、ケースに対してダストボックスが装着されている状態においては、ブラシがダストボックスの一部により覆われるため、ブラシに付着した塵埃が、ケースの外部へ流出することを抑制することができる。また、ケースからダストボックスが取り外された状態においては、ブラシが露出するため、ダストボックスをケースから取り外すことにより、ブラシのメンテナンスを容易に行うことができる。
【0022】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載のエアフィルタ掃除装置を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、請求項1〜8のいずれか一項に記載のエアフィルタ掃除装置を備えているため、上記発明と同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ブラシ及びダストボックスが往復移動するときに、ブラシに付着した塵埃がエアフィルタへ移ることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】(a)(b)本発明の一実施形態に係る投写型映像表示装置の斜視図。
【図2】同実施形態に係る投写型映像表示装置が備える光学系を示す構成図。
【図3】同実施形態に係る投写型映像表示装置の側面図。
【図4】同実施形態に係るエアフィルタ掃除装置の斜視図。
【図5】同実施形態に係るエアフィルタ掃除装置の平面図。
【図6】同実施形態に係るエアフィルタ掃除装置が備える掃除ユニットの分解斜視図。
【図7】同実施形態に係るエアフィルタ掃除装置の駆動機構を示す模式的な平面図。
【図8】同実施形態に係るエアフィルタ掃除装置が備えるワンウェイクラッチの内部構造を示す模式的な断面図。
【図9】同実施形態に係る掃除ユニットが備えるダストボックスを展開した状態を示す斜視図。
【図10】同実施形態に係る掃除ユニットが一方に移動するときのブラシの回転方向を示す模式的な断面図。
【図11】同実施形態に係る掃除ユニットが他方に移動するときのブラシの回転態様を示す模式的な断面図。
【図12】(a)(b)同実施形態に係る掃除ユニットにおいて、ブラシがワンウェイクラッチを介さずに回転軸に接続されているときに、ブラシの回転する方向を示す模式的な断面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を具体化した一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1(a)及び(b)に示すように、プロジェクタ1は、電子部品や光学部品を内蔵する筐体10を備えている。プロジェクタ1は、スクリーンや壁等の平面上に映像を投写して表示する投写型映像表示装置である。以下、プロジェクタ1が映像の光を投射する方向を前後方向における前方とする。また、プロジェクタ1を水平面(図示略)に設置したときに、水平面に平行な方向であって前後方向に直交する方向を左右方向とする。
【0026】
図2及び図3に示すように、プロジェクタ1は映像を表示するための光学系2を筐体10内に備えている。筐体10の内部には、光学系2を構成する光学部品として、映像表示用の光源であるランプ21a,21b,21c,21dと、白色光を赤・緑・青の三原色の光に分離するダイクロイックミラー26r,26bと、三原色の光に対応した液晶ライトバルブ27r,27g,27bとが設けられている。
【0027】
超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等の放電ランプにより構成されるランプ21a,21b,21c,21dの各々は、白色光を光軸方向に平行な平行光として発する。図2において、一点鎖線L1は、ランプ21a,21bの光軸L1であって、一点鎖線L2は、ランプ21c,21dの光軸L2である。2つのランプ21a,21bが左右方向において対向するように配置されるとともに、2つのランプ21c,21dが左右方向において対向するように配置されている。従って、本実施形態においては、左右方向がランプ21a,21b,21c,21dの光軸方向(光軸L1,L2に平行な方向)である。
【0028】
なお、前方または後方から見て光軸L1と光軸L2とが重ならないようにランプ21a,21b,21c,21dが設けられている。即ち、具体的には、図3に示すように、ランプ21a,21bは、ランプ21c,21dに比べて、筐体10の底面10e側に設けられている。筐体10が有する底面10eは、プロジェクタ1が水平面に設置されたときに、その水平面と対向する面である。
【0029】
ランプ21a,21b,21c,21dの各々が発する光は、全反射ミラー22により液晶ライトバルブ27r,27g,27bに導かれる。このとき、光が液晶ライトバルブ27r,27g,27bに入射するまでに、一対のフライアイレンズにより構成されるインテグレータレンズ23によって照度分布の均一化が図られるとともに、偏光変換素子24によって偏光方向が所定方向に揃えられる。また、集光レンズ25によって光束が収束されて液晶ライトバルブ27r,27g,27bに光が入射するように構成されている。
【0030】
ランプ21a,21b,21c,21dが発する白色光は、赤色の波長の光が透過するダイクロイックミラー26rと、青色の波長の光が透過するダイクロイックミラー26bとにより、赤色の波長の光(以下、「赤色光」)と緑色の波長の光(以下、「緑色光」)と青色の波長の光(以下、「青色光」)とに分離される。
【0031】
白色光から分離された赤色光は液晶ライトバルブ27rに入射する。液晶ライトバルブ27rは、画像を構成する画素毎に光の透過率が変更可能なライトバルブであって、液晶パネルや偏光板(いずれも図示略)を含んでいる。液晶ライトバルブ27rに入射した赤色光が、液晶ライトバルブ27rを透過することによって赤色の映像が生成される。
【0032】
白色光から分離された緑色光は液晶ライトバルブ27gに入射する。液晶ライトバルブ27gも、液晶ライトバルブ27rと同様に画素毎に光の透過率が変更可能なライトバルブである。液晶ライトバルブ27gに入射した緑色光が、液晶ライトバルブ27gを透過することによって緑色の映像が生成される。
【0033】
白色光から分離された青色光は液晶ライトバルブ27bに入射する。液晶ライトバルブ27bも、液晶ライトバルブ27r,27gと同様に画素毎に光の透過率が変更可能なライトバルブである。液晶ライトバルブ27bに入射した青色光が、液晶ライトバルブ27bを透過することによって青色の映像が生成される。
【0034】
さらに、筐体10内には、光学系2を構成する光学部品として、三原色の映像の光を合成するクロスダイクロイックプリズム28と、映像の光を投射するレンズ群を備えた投射レンズ29とが設けられている。
【0035】
液晶ライトバルブ27r,27g,27bにおいて生成された赤・緑・青の映像の光は、クロスダイクロイックプリズム28に入射して、クロスダイクロイックプリズム28において合成されることにより、3色以上のフルカラーの映像が生成される。生成されたフルカラーの映像の光は、クロスダイクロイックプリズム28から出射されて投射レンズ29に入射する。
【0036】
投射レンズ29は、プロジェクタ1の前方に設けられるスクリーンや壁等の平面に向けて3色以上のフルカラーの映像の光を投射する。このようにしてプロジェクタ1は平面上に映像を表示する。図2において、一点鎖線L3は、投射レンズ29の光軸L3であって、投射レンズ29は、光軸L3を中心として映像の光を投射する。図2に示すように、前後方向と左右方向とに直交する方向から見て、投射レンズ29の光軸L3は、光軸L1,L2に対して垂直である。即ち、光軸L3と、光軸L1,L2とは、互いに異なる方向に平行である。
【0037】
発光に伴い発熱するランプ21a,21b,21c,21dの長寿命化のためには、ランプ21a,21b,21c,21dの光軸方向を鉛直方向に向けないようにする必要がある。即ち、光軸L1,L2が水平方向に延びるように設けられる必要がある。本実施形態においては、投射レンズ29の光軸L3に平行な方向が、ランプ21a,21b,21c,21dの光軸L1,L2に平行な方向と異なる。このため、光軸L1,L2を鉛直方向に延びないように水平方向に平行に設けながら、光軸L3に平行な方向(投射レンズ29の光軸方向)を変化させて、種々の平面上に映像を表示することができる。具体的には、例えば、底面10eを水平面または天井と対向するようにプロジェクタ1を設置することにより、スクリーンや壁に映像を表示することが可能であり、底面10eを壁と対向するようにプロジェクタ1を設置することにより、床または天井に映像を表示することが可能である。
【0038】
以上のように、本実施形態に係るプロジェクタ1は、3板式の液晶プロジェクタであって、一画像を4つの光源により映し出す4灯式の投写型映像表示装置である。プロジェクタ1は、上記光学部品の他にも、液晶ライトバルブ27r,27g,27bを構成する液晶パネルを駆動するための電子部品(不図示)や、光学部品及び電子部品を冷却するためのファンである吸気ファン(図示略)を筐体10内に備えている。
【0039】
プロジェクタ1は、光学部品等を冷却するための空気を筐体10の外部から内部へ流入させるとともに、筐体10の内部へ流入しようとする空気中の塵埃を捕捉するためのエアフィルタ装置3(図1参照)を備えている。以下、筐体10の内部へ向かう方向を内方とするとともに、この内方と反対側の方向であって筐体10の外部へ向かう方向を外方として、エアフィルタ装置3を説明する。
【0040】
図1(b)に示すように、筐体10の底面10e側に設けられるエアフィルタ装置3は、筐体10の前方から引き出されることによって、プロジェクタ1から取り外すことができるように構成されている。即ち、エアフィルタ装置3は、前後方向にスライドさせることによって、プロジェクタ1に対して着脱可能に構成されている。
【0041】
エアフィルタ装置3は、樹脂材料からなる基材31を備えている。基材31には、吸気口である四角形状の開口31aが形成されるとともに、この開口31aを覆うように静電フィルタ32が基材31に設けられている。さらに、基材31には、静電フィルタ32と同様に開口31aを覆うウレタンフィルタ(図示略)が設けられている。ウレタンフィルタはウレタンにより形成されたエアフィルタである。
【0042】
断面が波形状の静電フィルタ32は、静電気を帯電する繊維により構成されたエアフィルタである。弾性変形可能な静電フィルタ32及び上記ウレタンフィルタは、基材31に埋め込まれるように設けられ、基材31から抜け落ちないように基材31に一体的に形成された突起31bによって移動が規制されている。
【0043】
図4は、図1(b)に示すエアフィルタ装置3の反対側、即ち筐体10の外部に向けて設けられる側を図示したエアフィルタ装置3の斜視図である。また、図5は、外方から見た場合のエアフィルタ装置3の平面図である。
【0044】
図4及び図5に示すように、エアフィルタ装置3は、静電フィルタ32及び上記ウレタンフィルタよりも外方に設けられたエアフィルタ34を備えている。塵埃を捕捉するエアフィルタ34は、格子状に形成された枠部材34Aに接着または融着されて設けられている。枠部材34Aが基材31にねじ止めされることによって、エアフィルタ34が開口31aを覆うように基材31に設けられる。
【0045】
また、基材31には、直線状に形成されるとともに外方に向けられた歯を有するギアとして、第1のラック35と第2のラック36とがねじ止めにより固定されて設けられている。第1のラック35は、エアフィルタ34の前方において、左右方向に延びるように設けられるとともに、第2のラック36は、エアフィルタ34の後方において、左右方向に延びるように設けられている。このようにして、一対のラック35,36は、エアフィルタ34を挟むようにして互いに平行に設けられている。
【0046】
また、基材31の前側端部には、エアフィルタ装置3がプロジェクタ1に取り付けられたときに、プロジェクタ1が備えるコネクタ(図示略)と接続されるコネクタ37が設けられている。このコネクタ37が、プロジェクタ1のコネクタと接続されることにより、プロジェクタ1からエアフィルタ装置3が備える電気部品に電力が供給可能となる。
【0047】
さらに、基材31の前側端部には、エアフィルタ装置3がプロジェクタ1に取り付けられたときに筐体10の表面と段差がない状態(即ち、面一)で設けられるパネル38が取り付けられている。
【0048】
エアフィルタ34等を備えるエアフィルタ装置3がプロジェクタ1に取り付けられることにより、筐体10にはエアフィルタ34等により構成される3層のエアフィルタが設けられる。
【0049】
エアフィルタ装置3は、エアフィルタ34を自動的に掃除する掃除ユニット4を備えている。即ち、エアフィルタ装置3は、エアフィルタ34と掃除ユニット4とを備えるエアフィルタ掃除装置である。略直方体状の掃除ユニット4は、エアフィルタ34を掃除しない状態においては、外方及び内方から見てエアフィルタ34と重ならない位置に配置されている。
【0050】
図6は、図4に示す掃除ユニット4が備えるケース41から、ケース41にねじ止めにより固定されるダストボックス5及びカバー46,47を取り外した状態の分解斜視図である。また、図7は、外方から見たときの掃除ユニット4が有する駆動機構及び一対のラック35,36を示す模式的な平面図である。
【0051】
図6に示すように、掃除ユニット4は、エアフィルタ34を掃除するブラシ45、ブラシ45に付着した埃を溜めるダストボックス5、ブラシ45およびダストボックス5が設けられるケース41、ブラシ45から埃を除去する除塵体6(図9参照)等を備えている。
【0052】
前後方向に延びて形成されたケース41の前側端部には、小型の電動モータ42を収容するモータ収容部41aが設けられている。また、ケース41の左側端部には、ケース41の前側端部から後側端部にわたって、電動モータ42によって回転させられる回転軸43を収容する回転軸収容部41bが設けられている。
【0053】
また、ケース41の後側端部には、回転軸43の回転をブラシ45に伝達するためのワンウェイクラッチ44を収容する動力伝達機構収容部41cが設けられている。前側端部に設けられたモータ収容部41aと、後側端部に設けられた動力伝達機構収容部41cとは、前後方向において間隔をあけて設けられている。従って、ケース41内においてモータ収容部41aと動力伝達機構収容部41cとの間には空間が形成されている。この空間は、左側端部に設けられた回転軸収容部41bよりも右方に設けられた空間であって、この空間にブラシ45とダストボックス5とが設けられる。
【0054】
図6及び図7に示すように、モータ収容部41aに収容された電動モータ42は、掃除ユニット4が備える動力源である。電動モータ42は、ケース41にねじ止めされたモータカバー42A(図6参照)により覆われている。電動モータ42は、かさ歯車42bが先端に設けられた出力軸42aを有している。電気部品である電動モータ42は、コネクタ37を介してプロジェクタ1から供給される電力により、かさ歯車42bを回転させる。電動モータ42が有する出力軸42aは、左方へ延びて設けられて、かさ歯車42bは回転軸収容部41b内に設けられている。
【0055】
また、モータ収容部41aには、電動モータ42に電力を供給するための配線が形成されたプリント配線板42B(図6参照)が収容されている。ケース41とともに左右方向に移動する電動モータ42においては、プリント配線板42Bにフィルム状のフレキシブルケーブル(不図示)が接続されることが好ましい。即ち、ケース41内に設けられた電動モータ42は、フレキシブルケーブルを介して、基材31に設けられたコネクタ37と接続されることが好ましい。
【0056】
回転軸収容部41bに収容された回転軸43は、前後方向に延びて設けられた金属材料からなる軸部材である。回転軸43には、かさ歯車42bと噛み合うかさ歯車43aと、ワンウェイクラッチ44に接続される平歯車43bとが設けられている。従って、電動モータ42は、かさ歯車42b,43aを介して、回転軸43を回転させるとともに、回転軸43の平歯車43bを介して、ワンウェイクラッチ44に回転力を伝達する。
【0057】
さらに、回転軸43の前側端部には、回転体の外周に歯を有するギアとして、樹脂材料からなる第1のピニオン43Aが設けられるとともに、回転軸43の後側端部には、同様に、樹脂材料からなる第2のピニオン43Bが設けられている。第1のピニオン43Aは、ケース41の前方に突出して設けられるとともに、第2のピニオン43Bは、ケース41の後方に突出して設けられている。第1のピニオン43Aは、第1のラック35と噛み合う。また、第2のピニオン43Bは、第2のラック36と噛み合う。従って、電動モータ42は、回転軸43に設けられてラック35,36と噛み合うピニオン43A,43Bを回転させて、掃除ユニット4を左右方向に移動させる。
【0058】
かさ歯車43aと第1のピニオン43Aは、摺動性に優れた1つの樹脂部材48により形成されている。また、平歯車43bと第2のピニオン43Bも、摺動性に優れた1つの樹脂部材49により形成されている。かさ歯車43aと第1のピニオン43Aとの間において樹脂部材48に設けられた円筒状の中間部がケース41の前側端部により支持されるとともに、平歯車43bと第2のピニオン43Bとの間において樹脂部材49に設けられた円筒状の中間部がケース41の後側端部により支持されている。このようにして、回転軸43はケース41により回転可能に支持されている。なお、ケース41の前側端部及び後側端部以外の部位においても、回転軸43はケース41により回転可能に支持されている。
【0059】
ワンウェイクラッチ44は、平歯車43bと噛み合う機械要素等により構成された動力伝達機構である。図8に示すように、ワンウェイクラッチ44の内部には、ブラシ45を構成する軸部材45aが挿入される。図8は、ワンウェイクラッチ44について図7におけるB−B線矢視断面を示す模式図である。
【0060】
図8に示すように、ワンウェイクラッチ44は、外周の一部に平歯車43bと噛み合う歯44A(図7参照)が設けられたハウジング44aと、ハウジング44aに対して固定された外輪44bと、外輪44bの内周に設けられたころ44cと、ころ44cを保持する保持器44dと、ころ44cを付勢するばね44eとを備えている。
【0061】
円筒状のハウジング44aは摺動性に優れた樹脂材料からなる。ハウジング44a内に設けられた外輪44bは、炭素鋼等の合金や金属材料からなるとともに、円柱状の転動体であるころ44cも、炭素鋼等の合金や金属材料からなる。
【0062】
外輪44bは、ワンウェイクラッチ44内に挿入された軸部材45aまでの距離が変化する内周面を有している。この外輪44bの内周面と接触するころ44cは、ばね44eにより、外輪44bと軸部材45aとの間にくさびとして設けられるように付勢される。弾性体であるばね44eは、部品点数削減の観点から、炭素鋼等の合金や金属材料からなる保持器44dと一体的に形成されている板ばねにより構成されることが好ましい。
【0063】
以上のような構成のワンウェイクラッチ44は、ハウジング44a及び外輪44bが図8中の矢印R1が示す方向に回転するときに、回転軸43の回転力が、ハウジング44a及び外輪44b及びころ44cを介して、ブラシ45の軸部材45aに伝達する。これに対して、ハウジング44a及び外輪44bが図8中の矢印R2が示す方向に回転するときに、回転軸43からブラシ45への回転力の伝達が切断される。
【0064】
図6及び図7に示すように、ブラシ45は、金属または樹脂材料からなる軸部材45aと、軸部材45aの外周において回転する軸部材45aの遠心方向に向けて設けられた繊維45bとにより構成されている。ブラシ45の前後方向における両端部において、軸部材45aがケース41に支持されることによって、ブラシ45はケース41により回転可能に支持されている。円筒状の繊維45bは、その一部がケース41内から内方に突出するように設けられている。従って、掃除ユニット4がエアフィルタ34と対向して移動しながら、ブラシ45がエアフィルタ34の外方側の面に接触することにより、ブラシ45の繊維45bに塵埃が付着して、エアフィルタ34が掃除される。回転するブラシ45に付着した塵埃はダストボックス5内に運搬される。
【0065】
カバー46は、ケース41の前側端部に対してねじ止めにより固定される。カバー46がケース41に設けられることにより、ケース41内の前側端部に設けられる電動モータ42及びプリント配線板42B及びかさ歯車42b,43aが、カバー46により覆われる。カバー46がケース41にねじ止めされることにより、回転軸43及びブラシ45の軸部材45aはケース41だけでなくカバー46によっても回転可能に支持される構成となっている。
【0066】
カバー47は、ケース41の後側端部に対してねじ止めにより固定される。カバー47がケース41に設けられることにより、ケース41内の後側端部に設けられる平歯車43b及びワンウェイクラッチ44が、カバー47により覆われる。カバー46と同様に、カバー47がケース41にねじ止めされることにより、回転軸43及びブラシ45の軸部材45aはケース41だけでなくカバー47によっても回転可能に支持される構成となっている。即ち、ケース41及びカバー46,47が回転軸43及び軸部材45aの軸受けとして機能する。
【0067】
図9に示すように、ケース41内に取り付けられるダストボックス5は、内側ケース5Aと、外側ケース5Bとにより構成されている。樹脂材料からなるケース5A,5Bは、ダストボックス5が展開するように回動可能に連結されている。
【0068】
内側ケース5Aは、ダストボックス5内の空間を形成する壁として、内側壁部51と右側壁部52と前側壁部53と後側壁部54とを有している。また、内側ケース5Aは、ケース5A,5Bが回動可能に連結されるための軸部55を有している。
【0069】
内側壁部51は、ダストボックス5がケース41に取り付けられたときに、ダストボックス5において内側に設けられる。内側壁部51には、ダストボックス5内の空間の長手方向において、その空間を仕切る隔壁51aが設けられている。この隔壁51aにより、ダストボックス5内の空間の長手方向が鉛直方向となったときであっても、ダストボックス5内の塵埃が1箇所に溜まる量を抑制することができる。
【0070】
また、内側壁部51には、ブラシ45の繊維45bに付着した塵埃を除去する除塵体6が設けられる。内側壁部51には、除塵体6が内側壁部51に取り付けられるために、移動規制片51bと突部51cが設けられている。移動規制片51bは、内側壁部51を変形させて形成されるとともに、突部51cは、内側壁部51の表面を膨らませて形成されている。突部51cが除塵体6に設けられた貫通孔61に挿通された状態で、除塵体6の移動が移動規制片51bにより規制される。
【0071】
右側壁部52は、ダストボックス5がケース41に取り付けられた状態において、内側壁部51の右側端部に接続されるとともに、内側壁部51の右側端部から外方に向けて延びる。このように右側壁部52は、ダストボックス5において右側に設けられる。
【0072】
前側壁部53は、ダストボックス5がケース41に取り付けられた状態において、内側壁部51の前側端部に接続されるとともに、内側壁部51の前側端部から外方に向けて延びる。このように前側壁部53は、ダストボックス5において前側に設けられ、右側壁部52と接続されている。
【0073】
後側壁部54は、ダストボックス5がケース41に取り付けられた状態において、内側壁部51の後側端部に接続されるとともに、内側壁部51の後側端部から外方に向けて延びる。このように後側壁部54は、ダストボックス5において後側に設けられ、右側壁部52と接続されている。
【0074】
円柱状の軸部55は、右側壁部52において、ダストボックス5内の空間の長手方向(即ち、ダストボックス5がケース41に取り付けられた状態における前後方向)の両端部に設けられている。
【0075】
外側ケース5Bは、ダストボックス5内の空間を形成する壁として、外側壁部56を有している。また、外側ケース5Bは、ブラシ45を覆うためのブラシカバー部57と、ケース5A,5Bが回動可能に連結されるための軸支持部58と、ダストボックス5をケース41に対して回動可能に取り付けるための取付部59とを有している。
【0076】
外側壁部56は、ダストボックス5がケース41に取り付けられたときに、ダストボックス5において外側に設けられる。外側壁部56には、ダストボックス5内の空間を左右方向において仕切る隔壁57aが設けられている。この隔壁57aにより、ダストボックス5内の空間から塵埃が流出することを抑制することができる。
【0077】
また、外側壁部56には、内側ケース5Aと外側ケース5Bとが閉じた状態を維持するために係止片57bが設けられている。係止片57bは、ダストボックス5内に空間が形成されるように内側ケース5Aと外側ケース5Bとが閉じたときに、内側ケース5Aの隔壁51aの先端に設けられた突出部51dと係合するように形成されている。係止片57bが突出部51dと係合することにより、内側ケース5Aに対する外側ケース5Bの回動が係止される。
【0078】
ブラシカバー部57は、ブラシ45が設けられる方向に外側壁部56を延ばして形成されている。ダストボックス5がケース41に取り付けられることにより、ケース41内に設けられた回転軸43及びブラシ45が、ブラシカバー部57により覆われる。ダストボックス5がケース41に取り付けられたときには、ダストボックス5のブラシカバー部57がねじ止めによりケース41に固定される。
【0079】
軸支持部58は、ダストボックス5内の空間の長手方向の両端部に軸部55と対応させて設けられている。外側ケース5Bの軸支持部58により、内側ケース5Aの軸部55の外周が支持されることにより、ケース5A,5Bが回動可能に連結されている。
【0080】
取付部59は、外側ケース5Bの後側端部と前側端部とに設けられている。取付部59は、小判形状の突起と、この突起から前後方向において突出した円柱状の突起とにより形成されている。このような取付部59がケース41によって支持されることにより、ダストボックス5がケース41に取り付けられる。
【0081】
以上のように構成されたダストボックス5は、内側壁部51と右側壁部52と前側壁部53と後側壁部54とにより形成されるとともに、左方に向けて開口する空間を有している。従って、塵埃を溜めるダストボックス5は、ケース41に取り付けられたときに、ブラシ45に向けて開く開口を有している。ダストボックス5の開口は、前後方向において延びて設けられ、ブラシ45の繊維45bに付着した塵埃を溜めるように構成されている。
【0082】
なお、ダストボックス5が開口する方向は、ランプ21a,21b,21c,21dの光軸L1,L2が延びる方向と同じであるため、光軸L1,L2を水平方向に平行に設けた場合には、ダストボックス5は水平方向に向けて開口する。このとき、ダストボックス5から塵埃が流出する可能性は低い。
【0083】
また、本実施形態においては、ダストボックス5には除塵体6が取り付けられている。具体的には、除塵体6は、内側ケース5Aの左側端部に設けられている。除塵体6は、ダストボックス5がケース41に取り付けられたときに、ブラシ45の繊維45bに入るように設けられるとともに、ダストボックス5内に向けて設けられる表面62を有している。従って、ブラシ45が回転することにより、ブラシ45の繊維45bから埃が除去される。なお、除塵体6の左側端部は、鋸状に形成されているため、ブラシ45に付着した塵埃を効果的に除去することができる。
【0084】
以上のように、エアフィルタ装置3は、エアフィルタ34と、ブラシ45と、ブラシ45に付着した塵埃を溜めるダストボックス5と、ブラシ45を回転させる回転軸43と、回転軸43の回転によってブラシ45及びダストボックス5を推進させる推進機構としてラック35,36及びピニオン43A,43Bとを備えている。
【0085】
このため、ブラシ45を回転させる回転軸43が回転することによって、回転軸43の回転力が、ラック35,36に噛み合うピニオン43A,43Bに伝達される。そして、左右方向に沿って設けられたラック35,36に沿って、ブラシ45及びダストボックス5が推進する。
【0086】
そして、本実施形態においては、上述のごとく、ブラシ45がワンウェイクラッチ44を介して回転軸43に接続されている。このようにして、所定の方向への回転力を回転軸43からブラシ45に伝達させて、反対の方向への回転力を回転軸43からブラシ45に伝達させないように構成されている。以下、回転軸43及びブラシ45の回転について、図10及び図11を参照しながら説明する。なお、図10及び図11は、図5のA−A矢視断面を示す模式図であって、図中の符号Dは塵埃を表している。
【0087】
図10に示すように、矢印R11が示す方向に回転軸43が回転することにより、ブラシ45及びダストボックス5を左方に推進させるように、回転軸43の回転力が推進機構のピニオン43A,43Bに伝達される。さらに、矢印R11が示す方向に回転軸43が回転することによって、ハウジング44a及び外輪44bは、図8中の矢印R1が示す方向に回転する。このとき、ハウジング44a及び外輪44bとブラシ45との間に、ころ44cがくさびとして設けられているため、ハウジング44a及び外輪44b及びブラシ45の軸部材45aが一体となって回転して、ワンウェイクラッチ44を介してブラシ45に伝達される。従って、ブラシ45は、ブラシ45の繊維45bに付着している埃を除塵体6の表面62に運搬する方向(即ち、矢印R21が示す方向)に回転して、ブラシ45の繊維45bに付着している埃が、除塵体6で除去されて、ダストボックス5内に流入する。
【0088】
以上のように、ブラシ45及びダストボックス5を含む掃除ユニット4が左方に移動するときに、回転するブラシ45によってエアフィルタ34が掃除されて、ブラシ45に付着した塵埃がダストボックス5内に流入することにより、塵埃がダストボックス5に溜められる。そして、掃除ユニット4が基材31の左側端部まで移動して掃除が完了すると、掃除ユニット4は右方に移動する。
【0089】
図11に示すように、ブラシ45及びダストボックス5を右方に推進させるときには、矢印R12が示す方向(即ち、矢印R11とは反対の方向)に回転軸43が回転して、回転軸43の回転力が推進機構のピニオン43A,43Bに伝達される。矢印R12が示す方向に回転軸43が回転することによって、ハウジング44a及び外輪44bは、図8中の矢印R2が示す方向に回転する。このときに、ころ44cはばね44eの付勢力に抗して移動することによって、くさびとして機能しなくなる。そして、ころ44cは外輪44bとブラシ45とに接触して転がる。このようにして、回転軸43からブラシ45への回転力の伝達がワンウェイクラッチ44により切断される。
【0090】
従って、本実施形態においては、ブラシ45及びダストボックス5を右方に推進させるとき、即ち、矢印R12が示す方向に回転軸43が回転するときに、ブラシ45が図11中の矢印R22に示す方向に回転しない。
【0091】
仮にブラシ45がワンウェイクラッチ44を介さずに回転軸43に接続されていれば、ブラシ45及びダストボックス5を右方に推進させるときに、図12中の矢印R22が示す方向にブラシ45が回転する。
【0092】
図12中の矢印R22が示す方向は、繊維45bに付着している埃を除塵体6の表面62と対向した表面63に運搬する方向である。従って、矢印R22が示す方向にブラシ45が回転することによって、図12(a)に示すようにブラシ45の繊維45bに付着している埃が運搬されて、図12(b)に示すようにダストボックス5内に向けて設けられない表面63によってブラシ45から塵埃が除去されることにより、ブラシ45からエアフィルタ34に塵埃が移るおそれがある。このように、矢印R21と反対の方向である矢印R22が示す方向は、ダストボックス5に塵埃が溜まらない方向である。
【0093】
本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)エアフィルタ装置3は、エアフィルタ34と、ブラシ45と、ダストボックス5と、回転軸43と、推進機構としてのラック35,36及びピニオン43A,43Bとを備え、ブラシ45がワンウェイクラッチ44を介して回転軸43に接続されている。このため、ブラシ45を回転させる回転軸43の回転によって、ブラシ45及びダストボックス5が左右方向に推進する。そして、ブラシ45がワンウェイクラッチ44を介して回転軸43に接続されているため、所定の方向への回転力を回転軸43からブラシ45に伝達させて、反対の方向への回転力を回転軸43からブラシ45に伝達させないようにすることが可能である。従って、回転軸43が矢印R11及びR12が示す方向に回転してブラシ45及びダストボックス5が往復移動するときであっても、回転軸43からブラシ45への回転力の伝達がワンウェイクラッチ44により切断されることによって、図12中の矢印R22が示す方向にブラシ45を回転させないようにすることができる。よって、ブラシ45に付着した塵埃がエアフィルタ34へ移ることを抑制することができる。
【0094】
(2)エアフィルタ装置3は、推進機構として回転軸43に設けられた歯車であるピニオン43A,43Bを備えている。従って、回転軸43に設けられたピニオン43A,43Bを、ブラシ45を推進させる方向である左右方向に沿って設けられたラック35,36に噛み合わせて、回転軸43の回転力が歯車であるピニオン43A,43Bに伝達されることにより、ラック35,36に沿ってブラシ45とダストボックス5とを推進させることができる。
【0095】
(3)ワンウェイクラッチ44は、回転軸43に接続される回転軸側の機械要素である外輪44bと、外輪44bとブラシ45とに接触させて設けられるころ44cとを備えている。そして、回転軸43が一方の方向に回転するときに、外輪44bとブラシ45との間に、ころ44cがくさびとして設けられ、回転軸43が反対の方向に回転するときに、外輪44bとブラシ45とに接触して転がるようにころ44cが設けられている。このような構成により、回転軸43が一方の方向に回転するときには、ワンウェイクラッチ44を構成する外輪44bとブラシ45との間にくさびとして設けられたころ44cを介して、回転軸43の回転力がブラシ45に伝達される。また、回転軸43が反対の方向に回転するときに、外輪44bとブラシ45と接触してころ44cが転がることによって、回転軸43からブラシ45への回転力の伝達が切断される。
【0096】
(4)エアフィルタ装置3は、ブラシ45及びダストボックス5が設けられるケース41を備え、ケース41には回転軸43を回転させる電動モータ42が設けられている。このため、ケース41に設けられた電動モータ42により、ブラシ45とダストボックス5をケース41とともに推進させることができる。
【0097】
(5)ダストボックス5は、ケース41に対して着脱可能に構成されている。このため、ダストボックス5内をメンテナンスする場合には、ケース41からダストボックス5を取り外して容易にメンテナンスを行うことが可能である。
【0098】
(6)ダストボックス5には、ブラシ45に付着している埃を除去する除塵体6が設けられている。このため、除塵体6によりブラシ45から埃が除去されることにより、ダストボックス5に効率よく塵埃を溜めることができる。
【0099】
(7)除塵体6は、ダストボックス5内に向けて設けられる表面62を有し、ワンウェイクラッチ44は、回転軸43の回転力を、ブラシ45に付着した埃を表面62に運搬する方向に回転させる回転力としてブラシ45に伝達する。従って、回転軸43の回転力が伝達されたブラシ45は、ブラシ45に付着した埃をダストボックス5内に向けて設けられる除塵体6の表面62に運搬する方向に回転するため、ブラシ45から除去された埃は、除塵体6の表面62に沿ってダストボックス5内に流入する。
【0100】
(8)ケース41に対してダストボックス5が装着されている状態においては、ブラシ45がダストボックス5の一部であるブラシカバー部57により覆われるため、ブラシ45に付着した塵埃が、ケース41の外部へ流出することを抑制することができる。また、ケース41からダストボックス5が取り外された状態においては、ブラシ45が露出するため、ダストボックス5をケース41から取り外すことにより、ブラシ45のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0101】
(9)プロジェクタ1は、上記作用効果を奏するエアフィルタ装置3を備えている。従って、エアフィルタ装置3を備えるプロジェクタ1により、上記(1)〜(8)に記載の効果を得ることができる。
【0102】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の設計変更をすることが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。例えば、上記実施形態を以下のように変更してもよく、以下の変更を組み合わせてもよい。
【0103】
・推進機構は、ラック35,36及びピニオン43A,43Bにより構成されていたが、このような歯車により構成されていなくてもよい。例えば、ピニオン43A,43Bに代えて回転体の外周が円形である車輪(不図示)により、推進機構が構成されていてもよい。
【0104】
・ワンウェイクラッチの構成は、上記実施形態に記載されるワンウェイクラッチ44に限られず、矢印R22が示す方向にブラシ45が回転しないように回転軸43にブラシ45が接続されていれば、どのようなワンウェイクラッチを介していてもよい。
【0105】
・ブラシ45及びダストボックス5を右方に推進させるときに回転軸43からブラシ45へ回転力が伝達され、ブラシ45及びダストボックス5を左方に推進させるときに回転軸43からブラシ45への回転力の伝達が切断されてもよい。即ち、ブラシ45及びダストボックス5を左方に推進させるときにブラシ45は矢印R21が示す方向に回転せずに、ブラシ45及びダストボックス5を右方に推進させるときにブラシ45は矢印R21が示す方向に回転する構成としてもよい。従って、左方及び右方のいずれか一方へのブラシ45の推進時に、回転軸43からブラシ45への回転力の伝達が切断されればよい。
【0106】
・プロジェクタ1及びエアフィルタ装置3の構成が左右方向において反転した構成であってもよい。また、プロジェクタ1及びエアフィルタ装置3の構成が前後方向において反転した構成であってもよい。また、ブラシ45及びダストボックス5が推進する方向は、左右方向に限定されるものではない。
【0107】
・本願発明は、4つの光源を備える投写型映像表示装置に限られず、1つの光源を備える投写型映像表示装置や、2つ以上の光源を備える投写型映像表示装置であってもよい。また、投写型映像表示装置は液晶プロジェクタに限られず、例えばDMD(Digital Micromirror Device)を用いて映像を表示する投写型映像表示装置であってもよい。
【符号の説明】
【0108】
1…プロジェクタ(投写型映像表示装置)、2…光学系、3…エアフィルタ装置(エアフィルタ掃除装置)、4…掃除ユニット、5…ダストボックス、5A…内側ケース、5B…外側ケース、6…除塵体、10…筐体、10e…底面、21a,21b,21c,21d…ランプ、29…投射レンズ、31…基材、31a…開口、31b…突起、32…静電フィルタ、34…エアフィルタ、34A…枠部材、35…第1のラック、36…第2のラック、37…コネクタ、38…パネル、41…ケース、41a…モータ収容部、41b…回転軸収容部、41c…動力伝達機構収容部、42…電動モータ、42A…モータカバー、42B…プリント配線板、42a…出力軸、42b…かさ歯車、43…回転軸、43A…第1のピニオン(推進機構を構成する歯車)、43B…第2のピニオン(推進機構を構成する歯車)、43a…かさ歯車、43b…平歯車、44…ワンウェイクラッチ、44a…ハウジング、44b…外輪、44c…ころ、44d…保持器、44e…ばね、45…ブラシ、45a…軸部材、45b…繊維、46,47…カバー、48,49…樹脂部材、51…内側壁部、51a…隔壁、51b…移動規制片、51c…突部、51d…突出部、52…右側壁部、53…前側壁部、54…後側壁部、55…軸部、56…外側壁部、57…ブラシカバー部、57a…隔壁、57b…係止片、58…軸支持部、59…取付部、61…貫通孔、62…表面、63…表面、D…塵埃。
【技術分野】
【0001】
本願発明は、エアフィルタを掃除するブラシを備えたエアフィルタ掃除装置、及びこれを備えた投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、投写型映像表示装置であるプロジェクタの筐体に、筐体の内部へ流入しようとする空気中の塵埃を捕捉するエアフィルタを設けることが知られている。また、所定の直線方向に往復移動してエアフィルタを掃除するブラシを備えたプロジェクタが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、ブラシを回転させる回転軸の回転によって、エアフィルタを掃除するブラシとブラシに付着した塵埃を溜めるダストボックスとを推進させる推進機構を有するエアフィルタ掃除装置が知られている。例えば特許文献2には、このような装置を内蔵した空気調和機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−156186号公報
【特許文献2】特開2009−82837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エアフィルタが掃除されることによってブラシに付着した塵埃は、ブラシの掃除能力が低下しないように、ブラシから除去されることが好ましい。さらに、ブラシから除去された塵埃は、筐体の内部へ再度流入しようとしないように、ダストボックスに溜められることが好ましい。
【0006】
しかしながら、ブラシを回転させる回転軸の回転によってブラシ及びダストボックスを推進させる構成において、回転軸とブラシとが連結されていれば、ブラシ及びダストボックスを往復移動させるときに、ブラシの回転方向も変化する。従って、直線方向の一方にブラシ及びダストボックスを推進させる場合には、ダストボックスに塵埃が溜まる方向にブラシが回転するように構成されていても、直線方向の他方にブラシ及びダストボックスを推進させる場合には、ダストボックスに塵埃が溜まる方向にブラシが回転しない。このようにダストボックスに塵埃が溜まる方向と反対の方向にブラシが回転すれば、ブラシに付着した塵埃がダストボックスに溜まらずに、ブラシからエアフィルタへ塵埃が移るおそれがある。
【0007】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ブラシ及びダストボックスが往復移動するときに、ブラシに付着した塵埃がエアフィルタへ移ることを抑制することができるエアフィルタ掃除装置、及びこれを備えた投写型映像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、塵埃を捕捉するエアフィルタと、エアフィルタを掃除するブラシと、前記ブラシに付着した塵埃を溜めるダストボックスと、前記ブラシを回転させる回転軸と、前記回転軸の回転によって前記ブラシ及び前記ダストボックスを推進させる推進機構とを備え、前記ブラシがワンウェイクラッチを介して前記回転軸に接続されていることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、ブラシを回転させる回転軸の回転によって、ブラシ及びダストボックスが推進する。そして、ブラシがワンウェイクラッチを介して回転軸に接続されているため、所定の方向への回転力を回転軸からブラシに伝達させて、反対の方向への回転力を回転軸からブラシに伝達させないようにすることが可能である。即ち、回転軸が一方の方向に回転すると、回転軸の回転力が、推進機構に伝達されるとともに、さらに、ワンウェイクラッチを介してブラシに伝達され、回転軸が反対の方向に回転すると、回転軸からブラシへの回転力の伝達がワンウェイクラッチにより切断されるように構成することが可能である。従って、回転軸が所定の方向及び反対の方向に回転してブラシ及びダストボックスが往復移動するときであっても、回転軸からブラシへの回転力の伝達がワンウェイクラッチにより切断されることによって、ダストボックスに塵埃が溜まらない方向にブラシを回転させないようにすることができる。よって、ブラシに付着した塵埃がエアフィルタへ移ることを抑制することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のエアフィルタ掃除装置であって、前記推進機構として前記回転軸に設けられた歯車を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、投写型映像表示装置は、推進機構として回転軸に設けられた歯車を備えている。従って、回転軸に設けられた歯車を、例えばブラシを推進させる方向に沿って設けられたラックに噛み合わせたピニオンとして、回転軸の回転力が歯車に伝達されることにより、ラックに沿ってブラシとダストボックスとを推進させることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のエアフィルタ掃除装置であって、前記ワンウェイクラッチは、前記回転軸に接続される回転軸側の機械要素と、この機械要素と前記ブラシとに接触させて設けられる転動体とを備え、前記回転軸が一方の方向に回転するときに、前記回転軸側の機械要素と前記ブラシとの間に、前記転動体がくさびとして設けられ、前記回転軸が反対の方向に回転するときに、前記回転軸側の機械要素と前記ブラシとに接触して転がるように前記転動体が設けられていることを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、回転軸が一方の方向に回転するときには、ワンウェイクラッチを構成する回転軸側の機械要素とブラシとの間にくさびとして設けられた転動体を介して、回転軸の回転力がブラシに伝達される。また、回転軸が反対の方向に回転するときに、回転軸側の機械要素とブラシと接触して転動体が転がることによって、回転軸からブラシへの回転力の伝達が切断される。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のエアフィルタ掃除装置であって、前記ブラシ及び前記ダストボックスが設けられるケースを備え、前記ケースには前記回転軸を回転させるモータが設けられていることを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、ブラシ及びダストボックスが設けられるケースには、回転軸を回転させるモータが設けられている。このため、ケースに設けられたモータにより、ブラシとダストボックスをケースとともに推進させることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のエアフィルタ掃除装置であって、前記ダストボックスは、前記ケースに対して着脱可能に構成されていることを特徴とする。
上記構成によれば、ダストボックスはケースに対して着脱可能であるため、ダストボックス内をメンテナンスする場合には、ケースからダストボックスを取り外して容易にメンテナンスを行うことが可能である。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のエアフィルタ掃除装置であって、前記ダストボックスには、前記ブラシに付着している埃を除去する除塵体が設けられていることを特徴とする。
【0017】
上記構成によれば、ダストボックスには、ブラシに付着している埃を除去する除塵体が設けられている。このため、除塵体によりブラシから埃が除去されることにより、ダストボックスに効率よく塵埃を溜めることができる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のエアフィルタ掃除装置であって、前記除塵体は、前記ダストボックス内に向けて設けられる表面を有し、前記ワンウェイクラッチは、前記回転軸の回転力を、前記ブラシに付着している埃を前記表面に運搬する方向に回転させる回転力として前記ブラシに伝達することを特徴とする。
【0019】
上記構成によれば、回転軸の回転力が、ブラシに付着している埃をダストボックス内に向けて設けられる除塵体の表面に運搬する方向に回転させる回転力としてブラシに伝達される。従って、回転軸の回転力が伝達されたブラシは、ブラシに付着している埃をダストボックス内に向けて設けられる除塵体の表面に運搬する方向に回転するため、ブラシから除去された埃は、除塵体の表面に沿ってダストボックス内に流入する。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項5〜7のいずれか一項に記載のエアフィルタ掃除装置であって、前記ケースに対して前記ダストボックスが装着されている状態においては、前記ブラシが前記ダストボックスの一部により覆われ、前記ケースから前記ダストボックスが取り外された状態においては、前記ブラシが露出することを特徴とする。
【0021】
上記構成によれば、ケースに対してダストボックスが装着されている状態においては、ブラシがダストボックスの一部により覆われるため、ブラシに付着した塵埃が、ケースの外部へ流出することを抑制することができる。また、ケースからダストボックスが取り外された状態においては、ブラシが露出するため、ダストボックスをケースから取り外すことにより、ブラシのメンテナンスを容易に行うことができる。
【0022】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載のエアフィルタ掃除装置を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、請求項1〜8のいずれか一項に記載のエアフィルタ掃除装置を備えているため、上記発明と同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ブラシ及びダストボックスが往復移動するときに、ブラシに付着した塵埃がエアフィルタへ移ることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】(a)(b)本発明の一実施形態に係る投写型映像表示装置の斜視図。
【図2】同実施形態に係る投写型映像表示装置が備える光学系を示す構成図。
【図3】同実施形態に係る投写型映像表示装置の側面図。
【図4】同実施形態に係るエアフィルタ掃除装置の斜視図。
【図5】同実施形態に係るエアフィルタ掃除装置の平面図。
【図6】同実施形態に係るエアフィルタ掃除装置が備える掃除ユニットの分解斜視図。
【図7】同実施形態に係るエアフィルタ掃除装置の駆動機構を示す模式的な平面図。
【図8】同実施形態に係るエアフィルタ掃除装置が備えるワンウェイクラッチの内部構造を示す模式的な断面図。
【図9】同実施形態に係る掃除ユニットが備えるダストボックスを展開した状態を示す斜視図。
【図10】同実施形態に係る掃除ユニットが一方に移動するときのブラシの回転方向を示す模式的な断面図。
【図11】同実施形態に係る掃除ユニットが他方に移動するときのブラシの回転態様を示す模式的な断面図。
【図12】(a)(b)同実施形態に係る掃除ユニットにおいて、ブラシがワンウェイクラッチを介さずに回転軸に接続されているときに、ブラシの回転する方向を示す模式的な断面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を具体化した一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1(a)及び(b)に示すように、プロジェクタ1は、電子部品や光学部品を内蔵する筐体10を備えている。プロジェクタ1は、スクリーンや壁等の平面上に映像を投写して表示する投写型映像表示装置である。以下、プロジェクタ1が映像の光を投射する方向を前後方向における前方とする。また、プロジェクタ1を水平面(図示略)に設置したときに、水平面に平行な方向であって前後方向に直交する方向を左右方向とする。
【0026】
図2及び図3に示すように、プロジェクタ1は映像を表示するための光学系2を筐体10内に備えている。筐体10の内部には、光学系2を構成する光学部品として、映像表示用の光源であるランプ21a,21b,21c,21dと、白色光を赤・緑・青の三原色の光に分離するダイクロイックミラー26r,26bと、三原色の光に対応した液晶ライトバルブ27r,27g,27bとが設けられている。
【0027】
超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等の放電ランプにより構成されるランプ21a,21b,21c,21dの各々は、白色光を光軸方向に平行な平行光として発する。図2において、一点鎖線L1は、ランプ21a,21bの光軸L1であって、一点鎖線L2は、ランプ21c,21dの光軸L2である。2つのランプ21a,21bが左右方向において対向するように配置されるとともに、2つのランプ21c,21dが左右方向において対向するように配置されている。従って、本実施形態においては、左右方向がランプ21a,21b,21c,21dの光軸方向(光軸L1,L2に平行な方向)である。
【0028】
なお、前方または後方から見て光軸L1と光軸L2とが重ならないようにランプ21a,21b,21c,21dが設けられている。即ち、具体的には、図3に示すように、ランプ21a,21bは、ランプ21c,21dに比べて、筐体10の底面10e側に設けられている。筐体10が有する底面10eは、プロジェクタ1が水平面に設置されたときに、その水平面と対向する面である。
【0029】
ランプ21a,21b,21c,21dの各々が発する光は、全反射ミラー22により液晶ライトバルブ27r,27g,27bに導かれる。このとき、光が液晶ライトバルブ27r,27g,27bに入射するまでに、一対のフライアイレンズにより構成されるインテグレータレンズ23によって照度分布の均一化が図られるとともに、偏光変換素子24によって偏光方向が所定方向に揃えられる。また、集光レンズ25によって光束が収束されて液晶ライトバルブ27r,27g,27bに光が入射するように構成されている。
【0030】
ランプ21a,21b,21c,21dが発する白色光は、赤色の波長の光が透過するダイクロイックミラー26rと、青色の波長の光が透過するダイクロイックミラー26bとにより、赤色の波長の光(以下、「赤色光」)と緑色の波長の光(以下、「緑色光」)と青色の波長の光(以下、「青色光」)とに分離される。
【0031】
白色光から分離された赤色光は液晶ライトバルブ27rに入射する。液晶ライトバルブ27rは、画像を構成する画素毎に光の透過率が変更可能なライトバルブであって、液晶パネルや偏光板(いずれも図示略)を含んでいる。液晶ライトバルブ27rに入射した赤色光が、液晶ライトバルブ27rを透過することによって赤色の映像が生成される。
【0032】
白色光から分離された緑色光は液晶ライトバルブ27gに入射する。液晶ライトバルブ27gも、液晶ライトバルブ27rと同様に画素毎に光の透過率が変更可能なライトバルブである。液晶ライトバルブ27gに入射した緑色光が、液晶ライトバルブ27gを透過することによって緑色の映像が生成される。
【0033】
白色光から分離された青色光は液晶ライトバルブ27bに入射する。液晶ライトバルブ27bも、液晶ライトバルブ27r,27gと同様に画素毎に光の透過率が変更可能なライトバルブである。液晶ライトバルブ27bに入射した青色光が、液晶ライトバルブ27bを透過することによって青色の映像が生成される。
【0034】
さらに、筐体10内には、光学系2を構成する光学部品として、三原色の映像の光を合成するクロスダイクロイックプリズム28と、映像の光を投射するレンズ群を備えた投射レンズ29とが設けられている。
【0035】
液晶ライトバルブ27r,27g,27bにおいて生成された赤・緑・青の映像の光は、クロスダイクロイックプリズム28に入射して、クロスダイクロイックプリズム28において合成されることにより、3色以上のフルカラーの映像が生成される。生成されたフルカラーの映像の光は、クロスダイクロイックプリズム28から出射されて投射レンズ29に入射する。
【0036】
投射レンズ29は、プロジェクタ1の前方に設けられるスクリーンや壁等の平面に向けて3色以上のフルカラーの映像の光を投射する。このようにしてプロジェクタ1は平面上に映像を表示する。図2において、一点鎖線L3は、投射レンズ29の光軸L3であって、投射レンズ29は、光軸L3を中心として映像の光を投射する。図2に示すように、前後方向と左右方向とに直交する方向から見て、投射レンズ29の光軸L3は、光軸L1,L2に対して垂直である。即ち、光軸L3と、光軸L1,L2とは、互いに異なる方向に平行である。
【0037】
発光に伴い発熱するランプ21a,21b,21c,21dの長寿命化のためには、ランプ21a,21b,21c,21dの光軸方向を鉛直方向に向けないようにする必要がある。即ち、光軸L1,L2が水平方向に延びるように設けられる必要がある。本実施形態においては、投射レンズ29の光軸L3に平行な方向が、ランプ21a,21b,21c,21dの光軸L1,L2に平行な方向と異なる。このため、光軸L1,L2を鉛直方向に延びないように水平方向に平行に設けながら、光軸L3に平行な方向(投射レンズ29の光軸方向)を変化させて、種々の平面上に映像を表示することができる。具体的には、例えば、底面10eを水平面または天井と対向するようにプロジェクタ1を設置することにより、スクリーンや壁に映像を表示することが可能であり、底面10eを壁と対向するようにプロジェクタ1を設置することにより、床または天井に映像を表示することが可能である。
【0038】
以上のように、本実施形態に係るプロジェクタ1は、3板式の液晶プロジェクタであって、一画像を4つの光源により映し出す4灯式の投写型映像表示装置である。プロジェクタ1は、上記光学部品の他にも、液晶ライトバルブ27r,27g,27bを構成する液晶パネルを駆動するための電子部品(不図示)や、光学部品及び電子部品を冷却するためのファンである吸気ファン(図示略)を筐体10内に備えている。
【0039】
プロジェクタ1は、光学部品等を冷却するための空気を筐体10の外部から内部へ流入させるとともに、筐体10の内部へ流入しようとする空気中の塵埃を捕捉するためのエアフィルタ装置3(図1参照)を備えている。以下、筐体10の内部へ向かう方向を内方とするとともに、この内方と反対側の方向であって筐体10の外部へ向かう方向を外方として、エアフィルタ装置3を説明する。
【0040】
図1(b)に示すように、筐体10の底面10e側に設けられるエアフィルタ装置3は、筐体10の前方から引き出されることによって、プロジェクタ1から取り外すことができるように構成されている。即ち、エアフィルタ装置3は、前後方向にスライドさせることによって、プロジェクタ1に対して着脱可能に構成されている。
【0041】
エアフィルタ装置3は、樹脂材料からなる基材31を備えている。基材31には、吸気口である四角形状の開口31aが形成されるとともに、この開口31aを覆うように静電フィルタ32が基材31に設けられている。さらに、基材31には、静電フィルタ32と同様に開口31aを覆うウレタンフィルタ(図示略)が設けられている。ウレタンフィルタはウレタンにより形成されたエアフィルタである。
【0042】
断面が波形状の静電フィルタ32は、静電気を帯電する繊維により構成されたエアフィルタである。弾性変形可能な静電フィルタ32及び上記ウレタンフィルタは、基材31に埋め込まれるように設けられ、基材31から抜け落ちないように基材31に一体的に形成された突起31bによって移動が規制されている。
【0043】
図4は、図1(b)に示すエアフィルタ装置3の反対側、即ち筐体10の外部に向けて設けられる側を図示したエアフィルタ装置3の斜視図である。また、図5は、外方から見た場合のエアフィルタ装置3の平面図である。
【0044】
図4及び図5に示すように、エアフィルタ装置3は、静電フィルタ32及び上記ウレタンフィルタよりも外方に設けられたエアフィルタ34を備えている。塵埃を捕捉するエアフィルタ34は、格子状に形成された枠部材34Aに接着または融着されて設けられている。枠部材34Aが基材31にねじ止めされることによって、エアフィルタ34が開口31aを覆うように基材31に設けられる。
【0045】
また、基材31には、直線状に形成されるとともに外方に向けられた歯を有するギアとして、第1のラック35と第2のラック36とがねじ止めにより固定されて設けられている。第1のラック35は、エアフィルタ34の前方において、左右方向に延びるように設けられるとともに、第2のラック36は、エアフィルタ34の後方において、左右方向に延びるように設けられている。このようにして、一対のラック35,36は、エアフィルタ34を挟むようにして互いに平行に設けられている。
【0046】
また、基材31の前側端部には、エアフィルタ装置3がプロジェクタ1に取り付けられたときに、プロジェクタ1が備えるコネクタ(図示略)と接続されるコネクタ37が設けられている。このコネクタ37が、プロジェクタ1のコネクタと接続されることにより、プロジェクタ1からエアフィルタ装置3が備える電気部品に電力が供給可能となる。
【0047】
さらに、基材31の前側端部には、エアフィルタ装置3がプロジェクタ1に取り付けられたときに筐体10の表面と段差がない状態(即ち、面一)で設けられるパネル38が取り付けられている。
【0048】
エアフィルタ34等を備えるエアフィルタ装置3がプロジェクタ1に取り付けられることにより、筐体10にはエアフィルタ34等により構成される3層のエアフィルタが設けられる。
【0049】
エアフィルタ装置3は、エアフィルタ34を自動的に掃除する掃除ユニット4を備えている。即ち、エアフィルタ装置3は、エアフィルタ34と掃除ユニット4とを備えるエアフィルタ掃除装置である。略直方体状の掃除ユニット4は、エアフィルタ34を掃除しない状態においては、外方及び内方から見てエアフィルタ34と重ならない位置に配置されている。
【0050】
図6は、図4に示す掃除ユニット4が備えるケース41から、ケース41にねじ止めにより固定されるダストボックス5及びカバー46,47を取り外した状態の分解斜視図である。また、図7は、外方から見たときの掃除ユニット4が有する駆動機構及び一対のラック35,36を示す模式的な平面図である。
【0051】
図6に示すように、掃除ユニット4は、エアフィルタ34を掃除するブラシ45、ブラシ45に付着した埃を溜めるダストボックス5、ブラシ45およびダストボックス5が設けられるケース41、ブラシ45から埃を除去する除塵体6(図9参照)等を備えている。
【0052】
前後方向に延びて形成されたケース41の前側端部には、小型の電動モータ42を収容するモータ収容部41aが設けられている。また、ケース41の左側端部には、ケース41の前側端部から後側端部にわたって、電動モータ42によって回転させられる回転軸43を収容する回転軸収容部41bが設けられている。
【0053】
また、ケース41の後側端部には、回転軸43の回転をブラシ45に伝達するためのワンウェイクラッチ44を収容する動力伝達機構収容部41cが設けられている。前側端部に設けられたモータ収容部41aと、後側端部に設けられた動力伝達機構収容部41cとは、前後方向において間隔をあけて設けられている。従って、ケース41内においてモータ収容部41aと動力伝達機構収容部41cとの間には空間が形成されている。この空間は、左側端部に設けられた回転軸収容部41bよりも右方に設けられた空間であって、この空間にブラシ45とダストボックス5とが設けられる。
【0054】
図6及び図7に示すように、モータ収容部41aに収容された電動モータ42は、掃除ユニット4が備える動力源である。電動モータ42は、ケース41にねじ止めされたモータカバー42A(図6参照)により覆われている。電動モータ42は、かさ歯車42bが先端に設けられた出力軸42aを有している。電気部品である電動モータ42は、コネクタ37を介してプロジェクタ1から供給される電力により、かさ歯車42bを回転させる。電動モータ42が有する出力軸42aは、左方へ延びて設けられて、かさ歯車42bは回転軸収容部41b内に設けられている。
【0055】
また、モータ収容部41aには、電動モータ42に電力を供給するための配線が形成されたプリント配線板42B(図6参照)が収容されている。ケース41とともに左右方向に移動する電動モータ42においては、プリント配線板42Bにフィルム状のフレキシブルケーブル(不図示)が接続されることが好ましい。即ち、ケース41内に設けられた電動モータ42は、フレキシブルケーブルを介して、基材31に設けられたコネクタ37と接続されることが好ましい。
【0056】
回転軸収容部41bに収容された回転軸43は、前後方向に延びて設けられた金属材料からなる軸部材である。回転軸43には、かさ歯車42bと噛み合うかさ歯車43aと、ワンウェイクラッチ44に接続される平歯車43bとが設けられている。従って、電動モータ42は、かさ歯車42b,43aを介して、回転軸43を回転させるとともに、回転軸43の平歯車43bを介して、ワンウェイクラッチ44に回転力を伝達する。
【0057】
さらに、回転軸43の前側端部には、回転体の外周に歯を有するギアとして、樹脂材料からなる第1のピニオン43Aが設けられるとともに、回転軸43の後側端部には、同様に、樹脂材料からなる第2のピニオン43Bが設けられている。第1のピニオン43Aは、ケース41の前方に突出して設けられるとともに、第2のピニオン43Bは、ケース41の後方に突出して設けられている。第1のピニオン43Aは、第1のラック35と噛み合う。また、第2のピニオン43Bは、第2のラック36と噛み合う。従って、電動モータ42は、回転軸43に設けられてラック35,36と噛み合うピニオン43A,43Bを回転させて、掃除ユニット4を左右方向に移動させる。
【0058】
かさ歯車43aと第1のピニオン43Aは、摺動性に優れた1つの樹脂部材48により形成されている。また、平歯車43bと第2のピニオン43Bも、摺動性に優れた1つの樹脂部材49により形成されている。かさ歯車43aと第1のピニオン43Aとの間において樹脂部材48に設けられた円筒状の中間部がケース41の前側端部により支持されるとともに、平歯車43bと第2のピニオン43Bとの間において樹脂部材49に設けられた円筒状の中間部がケース41の後側端部により支持されている。このようにして、回転軸43はケース41により回転可能に支持されている。なお、ケース41の前側端部及び後側端部以外の部位においても、回転軸43はケース41により回転可能に支持されている。
【0059】
ワンウェイクラッチ44は、平歯車43bと噛み合う機械要素等により構成された動力伝達機構である。図8に示すように、ワンウェイクラッチ44の内部には、ブラシ45を構成する軸部材45aが挿入される。図8は、ワンウェイクラッチ44について図7におけるB−B線矢視断面を示す模式図である。
【0060】
図8に示すように、ワンウェイクラッチ44は、外周の一部に平歯車43bと噛み合う歯44A(図7参照)が設けられたハウジング44aと、ハウジング44aに対して固定された外輪44bと、外輪44bの内周に設けられたころ44cと、ころ44cを保持する保持器44dと、ころ44cを付勢するばね44eとを備えている。
【0061】
円筒状のハウジング44aは摺動性に優れた樹脂材料からなる。ハウジング44a内に設けられた外輪44bは、炭素鋼等の合金や金属材料からなるとともに、円柱状の転動体であるころ44cも、炭素鋼等の合金や金属材料からなる。
【0062】
外輪44bは、ワンウェイクラッチ44内に挿入された軸部材45aまでの距離が変化する内周面を有している。この外輪44bの内周面と接触するころ44cは、ばね44eにより、外輪44bと軸部材45aとの間にくさびとして設けられるように付勢される。弾性体であるばね44eは、部品点数削減の観点から、炭素鋼等の合金や金属材料からなる保持器44dと一体的に形成されている板ばねにより構成されることが好ましい。
【0063】
以上のような構成のワンウェイクラッチ44は、ハウジング44a及び外輪44bが図8中の矢印R1が示す方向に回転するときに、回転軸43の回転力が、ハウジング44a及び外輪44b及びころ44cを介して、ブラシ45の軸部材45aに伝達する。これに対して、ハウジング44a及び外輪44bが図8中の矢印R2が示す方向に回転するときに、回転軸43からブラシ45への回転力の伝達が切断される。
【0064】
図6及び図7に示すように、ブラシ45は、金属または樹脂材料からなる軸部材45aと、軸部材45aの外周において回転する軸部材45aの遠心方向に向けて設けられた繊維45bとにより構成されている。ブラシ45の前後方向における両端部において、軸部材45aがケース41に支持されることによって、ブラシ45はケース41により回転可能に支持されている。円筒状の繊維45bは、その一部がケース41内から内方に突出するように設けられている。従って、掃除ユニット4がエアフィルタ34と対向して移動しながら、ブラシ45がエアフィルタ34の外方側の面に接触することにより、ブラシ45の繊維45bに塵埃が付着して、エアフィルタ34が掃除される。回転するブラシ45に付着した塵埃はダストボックス5内に運搬される。
【0065】
カバー46は、ケース41の前側端部に対してねじ止めにより固定される。カバー46がケース41に設けられることにより、ケース41内の前側端部に設けられる電動モータ42及びプリント配線板42B及びかさ歯車42b,43aが、カバー46により覆われる。カバー46がケース41にねじ止めされることにより、回転軸43及びブラシ45の軸部材45aはケース41だけでなくカバー46によっても回転可能に支持される構成となっている。
【0066】
カバー47は、ケース41の後側端部に対してねじ止めにより固定される。カバー47がケース41に設けられることにより、ケース41内の後側端部に設けられる平歯車43b及びワンウェイクラッチ44が、カバー47により覆われる。カバー46と同様に、カバー47がケース41にねじ止めされることにより、回転軸43及びブラシ45の軸部材45aはケース41だけでなくカバー47によっても回転可能に支持される構成となっている。即ち、ケース41及びカバー46,47が回転軸43及び軸部材45aの軸受けとして機能する。
【0067】
図9に示すように、ケース41内に取り付けられるダストボックス5は、内側ケース5Aと、外側ケース5Bとにより構成されている。樹脂材料からなるケース5A,5Bは、ダストボックス5が展開するように回動可能に連結されている。
【0068】
内側ケース5Aは、ダストボックス5内の空間を形成する壁として、内側壁部51と右側壁部52と前側壁部53と後側壁部54とを有している。また、内側ケース5Aは、ケース5A,5Bが回動可能に連結されるための軸部55を有している。
【0069】
内側壁部51は、ダストボックス5がケース41に取り付けられたときに、ダストボックス5において内側に設けられる。内側壁部51には、ダストボックス5内の空間の長手方向において、その空間を仕切る隔壁51aが設けられている。この隔壁51aにより、ダストボックス5内の空間の長手方向が鉛直方向となったときであっても、ダストボックス5内の塵埃が1箇所に溜まる量を抑制することができる。
【0070】
また、内側壁部51には、ブラシ45の繊維45bに付着した塵埃を除去する除塵体6が設けられる。内側壁部51には、除塵体6が内側壁部51に取り付けられるために、移動規制片51bと突部51cが設けられている。移動規制片51bは、内側壁部51を変形させて形成されるとともに、突部51cは、内側壁部51の表面を膨らませて形成されている。突部51cが除塵体6に設けられた貫通孔61に挿通された状態で、除塵体6の移動が移動規制片51bにより規制される。
【0071】
右側壁部52は、ダストボックス5がケース41に取り付けられた状態において、内側壁部51の右側端部に接続されるとともに、内側壁部51の右側端部から外方に向けて延びる。このように右側壁部52は、ダストボックス5において右側に設けられる。
【0072】
前側壁部53は、ダストボックス5がケース41に取り付けられた状態において、内側壁部51の前側端部に接続されるとともに、内側壁部51の前側端部から外方に向けて延びる。このように前側壁部53は、ダストボックス5において前側に設けられ、右側壁部52と接続されている。
【0073】
後側壁部54は、ダストボックス5がケース41に取り付けられた状態において、内側壁部51の後側端部に接続されるとともに、内側壁部51の後側端部から外方に向けて延びる。このように後側壁部54は、ダストボックス5において後側に設けられ、右側壁部52と接続されている。
【0074】
円柱状の軸部55は、右側壁部52において、ダストボックス5内の空間の長手方向(即ち、ダストボックス5がケース41に取り付けられた状態における前後方向)の両端部に設けられている。
【0075】
外側ケース5Bは、ダストボックス5内の空間を形成する壁として、外側壁部56を有している。また、外側ケース5Bは、ブラシ45を覆うためのブラシカバー部57と、ケース5A,5Bが回動可能に連結されるための軸支持部58と、ダストボックス5をケース41に対して回動可能に取り付けるための取付部59とを有している。
【0076】
外側壁部56は、ダストボックス5がケース41に取り付けられたときに、ダストボックス5において外側に設けられる。外側壁部56には、ダストボックス5内の空間を左右方向において仕切る隔壁57aが設けられている。この隔壁57aにより、ダストボックス5内の空間から塵埃が流出することを抑制することができる。
【0077】
また、外側壁部56には、内側ケース5Aと外側ケース5Bとが閉じた状態を維持するために係止片57bが設けられている。係止片57bは、ダストボックス5内に空間が形成されるように内側ケース5Aと外側ケース5Bとが閉じたときに、内側ケース5Aの隔壁51aの先端に設けられた突出部51dと係合するように形成されている。係止片57bが突出部51dと係合することにより、内側ケース5Aに対する外側ケース5Bの回動が係止される。
【0078】
ブラシカバー部57は、ブラシ45が設けられる方向に外側壁部56を延ばして形成されている。ダストボックス5がケース41に取り付けられることにより、ケース41内に設けられた回転軸43及びブラシ45が、ブラシカバー部57により覆われる。ダストボックス5がケース41に取り付けられたときには、ダストボックス5のブラシカバー部57がねじ止めによりケース41に固定される。
【0079】
軸支持部58は、ダストボックス5内の空間の長手方向の両端部に軸部55と対応させて設けられている。外側ケース5Bの軸支持部58により、内側ケース5Aの軸部55の外周が支持されることにより、ケース5A,5Bが回動可能に連結されている。
【0080】
取付部59は、外側ケース5Bの後側端部と前側端部とに設けられている。取付部59は、小判形状の突起と、この突起から前後方向において突出した円柱状の突起とにより形成されている。このような取付部59がケース41によって支持されることにより、ダストボックス5がケース41に取り付けられる。
【0081】
以上のように構成されたダストボックス5は、内側壁部51と右側壁部52と前側壁部53と後側壁部54とにより形成されるとともに、左方に向けて開口する空間を有している。従って、塵埃を溜めるダストボックス5は、ケース41に取り付けられたときに、ブラシ45に向けて開く開口を有している。ダストボックス5の開口は、前後方向において延びて設けられ、ブラシ45の繊維45bに付着した塵埃を溜めるように構成されている。
【0082】
なお、ダストボックス5が開口する方向は、ランプ21a,21b,21c,21dの光軸L1,L2が延びる方向と同じであるため、光軸L1,L2を水平方向に平行に設けた場合には、ダストボックス5は水平方向に向けて開口する。このとき、ダストボックス5から塵埃が流出する可能性は低い。
【0083】
また、本実施形態においては、ダストボックス5には除塵体6が取り付けられている。具体的には、除塵体6は、内側ケース5Aの左側端部に設けられている。除塵体6は、ダストボックス5がケース41に取り付けられたときに、ブラシ45の繊維45bに入るように設けられるとともに、ダストボックス5内に向けて設けられる表面62を有している。従って、ブラシ45が回転することにより、ブラシ45の繊維45bから埃が除去される。なお、除塵体6の左側端部は、鋸状に形成されているため、ブラシ45に付着した塵埃を効果的に除去することができる。
【0084】
以上のように、エアフィルタ装置3は、エアフィルタ34と、ブラシ45と、ブラシ45に付着した塵埃を溜めるダストボックス5と、ブラシ45を回転させる回転軸43と、回転軸43の回転によってブラシ45及びダストボックス5を推進させる推進機構としてラック35,36及びピニオン43A,43Bとを備えている。
【0085】
このため、ブラシ45を回転させる回転軸43が回転することによって、回転軸43の回転力が、ラック35,36に噛み合うピニオン43A,43Bに伝達される。そして、左右方向に沿って設けられたラック35,36に沿って、ブラシ45及びダストボックス5が推進する。
【0086】
そして、本実施形態においては、上述のごとく、ブラシ45がワンウェイクラッチ44を介して回転軸43に接続されている。このようにして、所定の方向への回転力を回転軸43からブラシ45に伝達させて、反対の方向への回転力を回転軸43からブラシ45に伝達させないように構成されている。以下、回転軸43及びブラシ45の回転について、図10及び図11を参照しながら説明する。なお、図10及び図11は、図5のA−A矢視断面を示す模式図であって、図中の符号Dは塵埃を表している。
【0087】
図10に示すように、矢印R11が示す方向に回転軸43が回転することにより、ブラシ45及びダストボックス5を左方に推進させるように、回転軸43の回転力が推進機構のピニオン43A,43Bに伝達される。さらに、矢印R11が示す方向に回転軸43が回転することによって、ハウジング44a及び外輪44bは、図8中の矢印R1が示す方向に回転する。このとき、ハウジング44a及び外輪44bとブラシ45との間に、ころ44cがくさびとして設けられているため、ハウジング44a及び外輪44b及びブラシ45の軸部材45aが一体となって回転して、ワンウェイクラッチ44を介してブラシ45に伝達される。従って、ブラシ45は、ブラシ45の繊維45bに付着している埃を除塵体6の表面62に運搬する方向(即ち、矢印R21が示す方向)に回転して、ブラシ45の繊維45bに付着している埃が、除塵体6で除去されて、ダストボックス5内に流入する。
【0088】
以上のように、ブラシ45及びダストボックス5を含む掃除ユニット4が左方に移動するときに、回転するブラシ45によってエアフィルタ34が掃除されて、ブラシ45に付着した塵埃がダストボックス5内に流入することにより、塵埃がダストボックス5に溜められる。そして、掃除ユニット4が基材31の左側端部まで移動して掃除が完了すると、掃除ユニット4は右方に移動する。
【0089】
図11に示すように、ブラシ45及びダストボックス5を右方に推進させるときには、矢印R12が示す方向(即ち、矢印R11とは反対の方向)に回転軸43が回転して、回転軸43の回転力が推進機構のピニオン43A,43Bに伝達される。矢印R12が示す方向に回転軸43が回転することによって、ハウジング44a及び外輪44bは、図8中の矢印R2が示す方向に回転する。このときに、ころ44cはばね44eの付勢力に抗して移動することによって、くさびとして機能しなくなる。そして、ころ44cは外輪44bとブラシ45とに接触して転がる。このようにして、回転軸43からブラシ45への回転力の伝達がワンウェイクラッチ44により切断される。
【0090】
従って、本実施形態においては、ブラシ45及びダストボックス5を右方に推進させるとき、即ち、矢印R12が示す方向に回転軸43が回転するときに、ブラシ45が図11中の矢印R22に示す方向に回転しない。
【0091】
仮にブラシ45がワンウェイクラッチ44を介さずに回転軸43に接続されていれば、ブラシ45及びダストボックス5を右方に推進させるときに、図12中の矢印R22が示す方向にブラシ45が回転する。
【0092】
図12中の矢印R22が示す方向は、繊維45bに付着している埃を除塵体6の表面62と対向した表面63に運搬する方向である。従って、矢印R22が示す方向にブラシ45が回転することによって、図12(a)に示すようにブラシ45の繊維45bに付着している埃が運搬されて、図12(b)に示すようにダストボックス5内に向けて設けられない表面63によってブラシ45から塵埃が除去されることにより、ブラシ45からエアフィルタ34に塵埃が移るおそれがある。このように、矢印R21と反対の方向である矢印R22が示す方向は、ダストボックス5に塵埃が溜まらない方向である。
【0093】
本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)エアフィルタ装置3は、エアフィルタ34と、ブラシ45と、ダストボックス5と、回転軸43と、推進機構としてのラック35,36及びピニオン43A,43Bとを備え、ブラシ45がワンウェイクラッチ44を介して回転軸43に接続されている。このため、ブラシ45を回転させる回転軸43の回転によって、ブラシ45及びダストボックス5が左右方向に推進する。そして、ブラシ45がワンウェイクラッチ44を介して回転軸43に接続されているため、所定の方向への回転力を回転軸43からブラシ45に伝達させて、反対の方向への回転力を回転軸43からブラシ45に伝達させないようにすることが可能である。従って、回転軸43が矢印R11及びR12が示す方向に回転してブラシ45及びダストボックス5が往復移動するときであっても、回転軸43からブラシ45への回転力の伝達がワンウェイクラッチ44により切断されることによって、図12中の矢印R22が示す方向にブラシ45を回転させないようにすることができる。よって、ブラシ45に付着した塵埃がエアフィルタ34へ移ることを抑制することができる。
【0094】
(2)エアフィルタ装置3は、推進機構として回転軸43に設けられた歯車であるピニオン43A,43Bを備えている。従って、回転軸43に設けられたピニオン43A,43Bを、ブラシ45を推進させる方向である左右方向に沿って設けられたラック35,36に噛み合わせて、回転軸43の回転力が歯車であるピニオン43A,43Bに伝達されることにより、ラック35,36に沿ってブラシ45とダストボックス5とを推進させることができる。
【0095】
(3)ワンウェイクラッチ44は、回転軸43に接続される回転軸側の機械要素である外輪44bと、外輪44bとブラシ45とに接触させて設けられるころ44cとを備えている。そして、回転軸43が一方の方向に回転するときに、外輪44bとブラシ45との間に、ころ44cがくさびとして設けられ、回転軸43が反対の方向に回転するときに、外輪44bとブラシ45とに接触して転がるようにころ44cが設けられている。このような構成により、回転軸43が一方の方向に回転するときには、ワンウェイクラッチ44を構成する外輪44bとブラシ45との間にくさびとして設けられたころ44cを介して、回転軸43の回転力がブラシ45に伝達される。また、回転軸43が反対の方向に回転するときに、外輪44bとブラシ45と接触してころ44cが転がることによって、回転軸43からブラシ45への回転力の伝達が切断される。
【0096】
(4)エアフィルタ装置3は、ブラシ45及びダストボックス5が設けられるケース41を備え、ケース41には回転軸43を回転させる電動モータ42が設けられている。このため、ケース41に設けられた電動モータ42により、ブラシ45とダストボックス5をケース41とともに推進させることができる。
【0097】
(5)ダストボックス5は、ケース41に対して着脱可能に構成されている。このため、ダストボックス5内をメンテナンスする場合には、ケース41からダストボックス5を取り外して容易にメンテナンスを行うことが可能である。
【0098】
(6)ダストボックス5には、ブラシ45に付着している埃を除去する除塵体6が設けられている。このため、除塵体6によりブラシ45から埃が除去されることにより、ダストボックス5に効率よく塵埃を溜めることができる。
【0099】
(7)除塵体6は、ダストボックス5内に向けて設けられる表面62を有し、ワンウェイクラッチ44は、回転軸43の回転力を、ブラシ45に付着した埃を表面62に運搬する方向に回転させる回転力としてブラシ45に伝達する。従って、回転軸43の回転力が伝達されたブラシ45は、ブラシ45に付着した埃をダストボックス5内に向けて設けられる除塵体6の表面62に運搬する方向に回転するため、ブラシ45から除去された埃は、除塵体6の表面62に沿ってダストボックス5内に流入する。
【0100】
(8)ケース41に対してダストボックス5が装着されている状態においては、ブラシ45がダストボックス5の一部であるブラシカバー部57により覆われるため、ブラシ45に付着した塵埃が、ケース41の外部へ流出することを抑制することができる。また、ケース41からダストボックス5が取り外された状態においては、ブラシ45が露出するため、ダストボックス5をケース41から取り外すことにより、ブラシ45のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0101】
(9)プロジェクタ1は、上記作用効果を奏するエアフィルタ装置3を備えている。従って、エアフィルタ装置3を備えるプロジェクタ1により、上記(1)〜(8)に記載の効果を得ることができる。
【0102】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の設計変更をすることが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。例えば、上記実施形態を以下のように変更してもよく、以下の変更を組み合わせてもよい。
【0103】
・推進機構は、ラック35,36及びピニオン43A,43Bにより構成されていたが、このような歯車により構成されていなくてもよい。例えば、ピニオン43A,43Bに代えて回転体の外周が円形である車輪(不図示)により、推進機構が構成されていてもよい。
【0104】
・ワンウェイクラッチの構成は、上記実施形態に記載されるワンウェイクラッチ44に限られず、矢印R22が示す方向にブラシ45が回転しないように回転軸43にブラシ45が接続されていれば、どのようなワンウェイクラッチを介していてもよい。
【0105】
・ブラシ45及びダストボックス5を右方に推進させるときに回転軸43からブラシ45へ回転力が伝達され、ブラシ45及びダストボックス5を左方に推進させるときに回転軸43からブラシ45への回転力の伝達が切断されてもよい。即ち、ブラシ45及びダストボックス5を左方に推進させるときにブラシ45は矢印R21が示す方向に回転せずに、ブラシ45及びダストボックス5を右方に推進させるときにブラシ45は矢印R21が示す方向に回転する構成としてもよい。従って、左方及び右方のいずれか一方へのブラシ45の推進時に、回転軸43からブラシ45への回転力の伝達が切断されればよい。
【0106】
・プロジェクタ1及びエアフィルタ装置3の構成が左右方向において反転した構成であってもよい。また、プロジェクタ1及びエアフィルタ装置3の構成が前後方向において反転した構成であってもよい。また、ブラシ45及びダストボックス5が推進する方向は、左右方向に限定されるものではない。
【0107】
・本願発明は、4つの光源を備える投写型映像表示装置に限られず、1つの光源を備える投写型映像表示装置や、2つ以上の光源を備える投写型映像表示装置であってもよい。また、投写型映像表示装置は液晶プロジェクタに限られず、例えばDMD(Digital Micromirror Device)を用いて映像を表示する投写型映像表示装置であってもよい。
【符号の説明】
【0108】
1…プロジェクタ(投写型映像表示装置)、2…光学系、3…エアフィルタ装置(エアフィルタ掃除装置)、4…掃除ユニット、5…ダストボックス、5A…内側ケース、5B…外側ケース、6…除塵体、10…筐体、10e…底面、21a,21b,21c,21d…ランプ、29…投射レンズ、31…基材、31a…開口、31b…突起、32…静電フィルタ、34…エアフィルタ、34A…枠部材、35…第1のラック、36…第2のラック、37…コネクタ、38…パネル、41…ケース、41a…モータ収容部、41b…回転軸収容部、41c…動力伝達機構収容部、42…電動モータ、42A…モータカバー、42B…プリント配線板、42a…出力軸、42b…かさ歯車、43…回転軸、43A…第1のピニオン(推進機構を構成する歯車)、43B…第2のピニオン(推進機構を構成する歯車)、43a…かさ歯車、43b…平歯車、44…ワンウェイクラッチ、44a…ハウジング、44b…外輪、44c…ころ、44d…保持器、44e…ばね、45…ブラシ、45a…軸部材、45b…繊維、46,47…カバー、48,49…樹脂部材、51…内側壁部、51a…隔壁、51b…移動規制片、51c…突部、51d…突出部、52…右側壁部、53…前側壁部、54…後側壁部、55…軸部、56…外側壁部、57…ブラシカバー部、57a…隔壁、57b…係止片、58…軸支持部、59…取付部、61…貫通孔、62…表面、63…表面、D…塵埃。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塵埃を捕捉するエアフィルタと、
エアフィルタを掃除するブラシと、
前記ブラシに付着した塵埃を溜めるダストボックスと、
前記ブラシを回転させる回転軸と、
前記回転軸の回転によって前記ブラシ及び前記ダストボックスを推進させる推進機構とを備え、
前記ブラシがワンウェイクラッチを介して前記回転軸に接続されている
ことを特徴とするエアフィルタ掃除装置。
【請求項2】
前記推進機構として前記回転軸に設けられた歯車を備えることを特徴とする請求項1に記載のエアフィルタ掃除装置。
【請求項3】
前記ワンウェイクラッチは、前記回転軸に接続される回転軸側の機械要素と、この機械要素と前記ブラシとに接触させて設けられる転動体とを備え、
前記回転軸が一方の方向に回転するときに、前記回転軸側の機械要素と前記ブラシとの間に、前記転動体がくさびとして設けられ、
前記回転軸が反対の方向に回転するときに、前記回転軸側の機械要素と前記ブラシとに接触して転がるように前記転動体が設けられている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のエアフィルタ掃除装置。
【請求項4】
前記ブラシ及び前記ダストボックスが設けられるケースを備え、
前記ケースには前記回転軸を回転させるモータが設けられている
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のエアフィルタ掃除装置。
【請求項5】
前記ダストボックスは、前記ケースに対して着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項4に記載のエアフィルタ掃除装置。
【請求項6】
前記ダストボックスには、前記ブラシに付着している埃を除去する除塵体が設けられていることを特徴とする請求項5に記載のエアフィルタ掃除装置。
【請求項7】
前記除塵体は、前記ダストボックス内に向けて設けられる表面を有し、
前記ワンウェイクラッチは、前記回転軸の回転力を、前記ブラシに付着している埃を前記表面に運搬する方向に回転させる回転力として前記ブラシに伝達する
ことを特徴とする請求項6に記載のエアフィルタ掃除装置。
【請求項8】
前記ケースに対して前記ダストボックスが装着されている状態においては、前記ブラシが前記ダストボックスの一部により覆われ、
前記ケースから前記ダストボックスが取り外された状態においては、前記ブラシが露出する
ことを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載のエアフィルタ掃除装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のエアフィルタ掃除装置を備えることを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項1】
塵埃を捕捉するエアフィルタと、
エアフィルタを掃除するブラシと、
前記ブラシに付着した塵埃を溜めるダストボックスと、
前記ブラシを回転させる回転軸と、
前記回転軸の回転によって前記ブラシ及び前記ダストボックスを推進させる推進機構とを備え、
前記ブラシがワンウェイクラッチを介して前記回転軸に接続されている
ことを特徴とするエアフィルタ掃除装置。
【請求項2】
前記推進機構として前記回転軸に設けられた歯車を備えることを特徴とする請求項1に記載のエアフィルタ掃除装置。
【請求項3】
前記ワンウェイクラッチは、前記回転軸に接続される回転軸側の機械要素と、この機械要素と前記ブラシとに接触させて設けられる転動体とを備え、
前記回転軸が一方の方向に回転するときに、前記回転軸側の機械要素と前記ブラシとの間に、前記転動体がくさびとして設けられ、
前記回転軸が反対の方向に回転するときに、前記回転軸側の機械要素と前記ブラシとに接触して転がるように前記転動体が設けられている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のエアフィルタ掃除装置。
【請求項4】
前記ブラシ及び前記ダストボックスが設けられるケースを備え、
前記ケースには前記回転軸を回転させるモータが設けられている
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のエアフィルタ掃除装置。
【請求項5】
前記ダストボックスは、前記ケースに対して着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項4に記載のエアフィルタ掃除装置。
【請求項6】
前記ダストボックスには、前記ブラシに付着している埃を除去する除塵体が設けられていることを特徴とする請求項5に記載のエアフィルタ掃除装置。
【請求項7】
前記除塵体は、前記ダストボックス内に向けて設けられる表面を有し、
前記ワンウェイクラッチは、前記回転軸の回転力を、前記ブラシに付着している埃を前記表面に運搬する方向に回転させる回転力として前記ブラシに伝達する
ことを特徴とする請求項6に記載のエアフィルタ掃除装置。
【請求項8】
前記ケースに対して前記ダストボックスが装着されている状態においては、前記ブラシが前記ダストボックスの一部により覆われ、
前記ケースから前記ダストボックスが取り外された状態においては、前記ブラシが露出する
ことを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載のエアフィルタ掃除装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のエアフィルタ掃除装置を備えることを特徴とする投写型映像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−255300(P2011−255300A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−131294(P2010−131294)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(391044797)株式会社コーワ (283)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(391044797)株式会社コーワ (283)
【Fターム(参考)】
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