説明

エアフィルタ掃除装置、及び投写型映像表示装置

【課題】重力方向が変化する場合であっても、ブラシとともに往復移動するケースを確実に支持することが可能となるエアフィルタ掃除装置、及びこれを備えた投写型映像表示装置を提供する。
【解決手段】エアフィルタ装置3は、エアフィルタを掃除するブラシと、ブラシが往復移動する方向に沿って設けられたラック35,36と、ラック35,36と噛み合うピニオンと、ブラシが設けられてこのブラシとともに往復移動するケース41とを備え、ラック35,36は、ケース41と対向する側面35b,36bを有している。側面35b,36bには、第1の係合部としての溝35D,36Dが設けられ、ケース41には、溝35D,36Dに対して摺動する第2の係合部としての突起41A,41Bが設けられている。溝35D,36Dと突起41A,41Bとが係合することにより、ブラシが往復移動する方向に対して直交する方向へのケース41の移動が規制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、ブラシによりエアフィルタを掃除するエアフィルタ掃除装置及びこれを備えた投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、エアフィルタを掃除するブラシを備えたエアフィルタ掃除装置が知られている。このようなエアフィルタ掃除装置において、ブラシが往復移動する方向に沿って設けられたラックと、このラックと噛み合うピニオンとを備え、ピニオンがラックと噛み合って回転することにより、ブラシが移動する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、ブラシを備えたエアフィルタ掃除装置を備える装置として、映像を投写して表示する投写型映像表示装置であるプロジェクタが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−82837号公報
【特許文献2】特開2007−156186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、机の水平面のみならず天井や壁等に設置可能に設計された投写型映像表示装置が知られている。従って、天井や壁等に設置されると、重力が作用する方向である重力方向が変化する。このときに、特許文献1に記載される構成を適用した場合には、ブラシが設けられたケースを確実に支持することができないおそれがある。
【0006】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、重力方向が変化する場合であっても、ブラシとともに往復移動するケースを確実に支持することが可能となるエアフィルタ掃除装置、及びこれを備えた投写型映像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、エアフィルタを掃除するブラシと、前記ブラシが設けられてこのブラシとともに往復移動するケースと、前記ブラシ及び前記ケースを往復移動させるために前記ケースに設けられた推進機構と、前記ブラシが往復移動する方向に沿って設けられて前記推進機構を支持する支持部とを備え、前記支持部は、前記ケースと対向する側面を有し、この側面には、前記ブラシが往復移動する方向に沿って設けられた第1の係合部が設けられ、前記ケースには、前記支持部の側面に設けられた前記第1の係合部と係合してこの第1の係合部に対して摺動する第2の係合部が設けられ、前記第1の係合部と前記第2の係合部とが係合することにより、前記ブラシが往復移動する方向に対して直交する方向への前記ケースの移動が規制されることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、ケースと対向する支持部の側面には、ブラシが往復移動する方向に沿って設けられた第1の係合部が設けられ、ブラシが設けられたケースには、支持部の側面に設けられた第1の係合部と係合してこの第1の係合部に対して摺動する第2の係合部が設けられている。第1の係合部と第2の係合部とが係合することにより、ブラシが往復移動する方向に対して直交する方向へのケースの移動が規制される。このため、ブラシが往復移動する方向に沿って設けられた第1の係合部により、ブラシが往復移動する方向に対して直交する方向において、ブラシとともに往復移動するケースの第2の係合部を支持することができる。従って、支持部とケースとによりケースの往復移動を確実にガイドするためのガイド形状を形成することができ、重力が作用する方向である重力方向が変化する場合であっても、ブラシとともに往復移動するケースを確実に支持することが可能となる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のエアフィルタ掃除装置であって、前記支持部はラックであって、前記推進機構は前記ラックと噛み合うピニオンであることを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、ブラシが往復移動する方向に沿って設けられた支持部はラックであって、推進機構はラックと噛み合うピニオンである。このため、推進機構と支持部の摩擦力が確保し易い。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のエアフィルタ掃除装置であって、前記第1の係合部は、前記側面に対して窪んだ溝であり、前記第2の係合部は、前記溝に挿入されてこの溝に対して摺動する突起であることを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、支持部の側面に設けられた第1の係合部は、その側面に対して窪んだ溝であり、ケースに設けられた第2の係合部は、支持部に設けられた溝に挿入される突起である。従って、支持部に溝を設けてケースに突起を設けるだけの簡易な構成により、ケースの往復移動を確実にガイドするためのガイド形状を形成することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のエアフィルタ掃除装置であって、前記溝は、前記突起が摺動する3つの面により構成されていることを特徴とする。
上記構成によれば、支持部の側面に設けられた溝は、ケースに設けられた突起が摺動する3つの面により構成されている。このため、1つの溝により突起を3方向から支持することが可能である。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のエアフィルタ掃除装置であって、前記推進機構は回転することによって前記ケースを推進させる回転体であって、前記3つの面は、前記推進機構の回転の中心となる回転中心線に対して垂直な第1の面と、この第1の面に対して垂直であって互いに平行に対向する第2の面及び第3の面とにより構成されていることを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、溝を構成する第1の面は、推進機構の回転の中心となる回転中心線に対して垂直な面である。このため、第1の面により、推進機構の回転中心線に対して平行な方向のケースの移動を規制することができる。また、溝を構成する第2の面及び第3の面は、第1の面に対して垂直であって互いに平行に対向する面である。このため、第2の面及び第3の面により、ケースが往復移動する方向を除いて、推進機構の回転中心線に対して垂直な方向のケースの移動を規制することができる。よって、第1〜第3の面により、互いに直交する3方向から突起を支持することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のエアフィルタ掃除装置であって、前記第2の面及び前記第3の面は、前記ブラシにより掃除されるエアフィルタの面に対して垂直な方向において対向し、前記溝に前記突起が挿入された状態において、前記第2の面または前記第3の面と前記突起との間隔が、前記第1の面と前記突起の間隔に比べて短いことを特徴とする。
【0017】
上記構成によれば、溝に突起が挿入された状態において、ブラシにより掃除されるエアフィルタの面に対して垂直な方向において対向する第2の面または第3の面と突起との間隔が、第1の面と突起の間隔に比べて短い。このため、第2の面及び第3の面により、エアフィルタの面に対して垂直な方向におけるケースの移動が規制され易く、ケースに設けられたブラシをエアフィルタの面に対して安定的に押し当てることができる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のエアフィルタ掃除装置であって、前記支持部として、エアフィルタを挟むようにして設けられた第1の支持部及び第2の支持部を備え、前記第1の支持部及び第2の支持部が有する側面の各々に前記第1の係合部が設けられ、前記ケースには、前記第1の支持部及び前記第2の支持部に設けられた前記第1の係合部の各々と係合するように複数の前記第2の係合部が設けられていることを特徴とする。
【0019】
上記構成によれば、エアフィルタを挟むようにして設けられた第1の支持部及び第2の支持部が有する側面の各々に、第1の係合部が設けられ、ケースには、第1の支持部及び第2の支持部に設けられた第1の係合部の各々と係合するように複数の第2の係合部が設けられている。このため、第1の支持部と第2の支持部とケースとによりケースの往復移動を確実にガイドするためのガイド形状を形成することができ、ケースをより確実に支持することが可能となる。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載のエアフィルタ掃除装置であって、前記ケースは樹脂材料により形成され、前記支持部は、前記ケースを形成する樹脂材料に比べて摺動性の高い樹脂材料により形成されていることを特徴とする。
【0021】
上記構成によれば、第1の係合部が側面に設けられる支持部は、ケースを形成する樹脂材料に比べて摺動性の高い樹脂により形成されている。このため、例えば、ケースがABS樹脂により形成されて、支持部がポリフェニレンサルファイドにより形成されることにより、ケースと支持部とがABS樹脂により形成されている場合に比べて、第1の係合部に対する第2の係合部の摺動性を高めることができる。
【0022】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載のエアフィルタ掃除装置であって、摺動性の高い樹脂材料として、ポリアセタール及びポリアミド及びフッ素系樹脂及びポリフェニレンサルファイド及びポリエチレン及びポリエチレンテレフタラートのうちいずれかの樹脂を用いて前記支持部が形成されていることを特徴とする。
【0023】
上記構成によれば、ポリアセタール及びポリアミド及びフッ素系樹脂及びポリフェニレンサルファイド及びポリエチレン及びポリエチレンテレフタラートのうちいずれかの樹脂を用いて、支持部が形成される。このため、耐摩耗性に優れた第1の係合部を形成することができる。
【0024】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載のエアフィルタ掃除装置を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、請求項1〜9のいずれか一項に記載のエアフィルタ掃除装置を備えるため、上記発明と同様の作用効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、重力が作用する方向である重力方向が変化する場合であっても、ブラシとともに往復移動するケースを確実に支持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】(a)(b)本発明の一実施形態に係る投写型映像表示装置の斜視図。
【図2】同実施形態に係る投写型映像表示装置が備える光学系を示す構成図。
【図3】同実施形態に係る投写型映像表示装置の側面図。
【図4】同実施形態に係るエアフィルタ掃除装置の斜視図。
【図5】同実施形態に係るエアフィルタ掃除装置の平面図。
【図6】同実施形態に係るエアフィルタ掃除装置が備える基材から、支持部であるラックと掃除ユニットとを取り外した状態を示す斜視図。
【図7】(a)(b)同実施形態に係るエアフィルタ掃除装置が備えるラックの断面斜視図。
【図8】同実施形態に係るエアフィルタ掃除装置が備える掃除ユニットの分解斜視図。
【図9】(a)(b)同実施形態に係るエアフィルタ掃除装置が備えるケースの斜視図。
【図10】同実施形態に係る掃除ユニットが備えるダストボックスを展開した状態を示す斜視図。
【図11】同実施形態に係るケースの支持構造を示す断面図。
【図12】同実施形態に係るケースの支持構造を示す断面図。
【図13】同実施形態に係るケースの寸法とラックの寸法との関係を示す模式的な断面図。
【図14】同実施形態に係る投写型映像表示装置の設置態様の一例を示す斜視図。
【図15】図14に示す設置態様におけるケースの支持態様を示す断面図。
【図16】同実施形態に係る投写型映像表示装置の設置態様の一例を示す斜視図。
【図17】図16に示す設置態様におけるケースの支持態様を示す断面図。
【図18】同実施形態に係る投写型映像表示装置の設置態様の一例を示す斜視図。
【図19】図18に示す設置態様におけるケースの支持態様を示す断面図。
【図20】同実施形態に係る投写型映像表示装置の設置態様の一例を示す斜視図。
【図21】図20に示す設置態様におけるケースの支持態様を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を具体化した一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1(a)及び(b)に示すように、プロジェクタ1は、電子部品や光学部品を内蔵する筐体10を備えている。プロジェクタ1は、スクリーンや壁等の平面上に映像を投写して表示する投写型映像表示装置である。以下、プロジェクタ1が映像の光を投射する方向を前後方向における前方とする。また、プロジェクタ1を水平面(図示略)に設置したときに、水平面に平行な方向であって前後方向に直交する方向を左右方向とする。
【0028】
図2及び図3に示すように、プロジェクタ1は映像を表示するための光学系2を筐体10内に備えている。筐体10の内部には、光学系2を構成する光学部品として、映像表示用の光源であるランプ21a,21b,21c,21dと、白色光を赤・緑・青の三原色の光に分離するダイクロイックミラー26r,26bと、三原色の光に対応した液晶ライトバルブ27r,27g,27bとが設けられている。
【0029】
超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等の放電ランプにより構成されるランプ21a,21b,21c,21dの各々は、白色光を光軸方向に平行な平行光として発する。図2において、一点鎖線L1は、ランプ21a,21bの光軸L1であって、一点鎖線L2は、ランプ21c,21dの光軸L2である。2つのランプ21a,21bが左右方向において対向するように配置されるとともに、2つのランプ21c,21dが左右方向において対向するように配置されている。従って、本実施形態においては、左右方向がランプ21a,21b,21c,21dの光軸方向(光軸L1,L2に平行な方向)である。
【0030】
なお、前方または後方から見て光軸L1と光軸L2とが重ならないようにランプ21a,21b,21c,21dが設けられている。即ち、具体的には、図3に示すように、ランプ21a,21bは、ランプ21c,21dに比べて、筐体10の底面10e側に設けられている。筐体10が有する底面10eは、プロジェクタ1が水平面に設置されたときに、その水平面と対向する面である。
【0031】
ランプ21a,21b,21c,21dの各々が発する光は、全反射ミラー22により液晶ライトバルブ27r,27g,27bに導かれる。このとき、光が液晶ライトバルブ27r,27g,27bに入射するまでに、一対のフライアイレンズにより構成されるインテグレータレンズ23によって照度分布の均一化が図られるとともに、偏光変換素子24によって偏光方向が所定方向に揃えられる。また、集光レンズ25によって光束が収束されて液晶ライトバルブ27r,27g,27bに光が入射するように構成されている。
【0032】
ランプ21a,21b,21c,21dが発する白色光は、赤色の波長の光が透過するダイクロイックミラー26rと、青色の波長の光が透過するダイクロイックミラー26bとにより、赤色の波長の光(以下、「赤色光」)と緑色の波長の光(以下、「緑色光」)と青色の波長の光(以下、「青色光」)とに分離される。
【0033】
白色光から分離された赤色光は液晶ライトバルブ27rに入射する。液晶ライトバルブ27rは、画像を構成する画素毎に光の透過率が変更可能なライトバルブであって、液晶パネルや偏光板(いずれも図示略)を含んでいる。液晶ライトバルブ27rに入射した赤色光が、液晶ライトバルブ27rを透過することによって赤色の映像が生成される。
【0034】
白色光から分離された緑色光は液晶ライトバルブ27gに入射する。液晶ライトバルブ27gも、液晶ライトバルブ27rと同様に画素毎に光の透過率が変更可能なライトバルブである。液晶ライトバルブ27gに入射した緑色光が、液晶ライトバルブ27gを透過することによって緑色の映像が生成される。
【0035】
白色光から分離された青色光は液晶ライトバルブ27bに入射する。液晶ライトバルブ27bも、液晶ライトバルブ27r,27gと同様に画素毎に光の透過率が変更可能なライトバルブである。液晶ライトバルブ27bに入射した青色光が、液晶ライトバルブ27bを透過することによって青色の映像が生成される。
【0036】
さらに、筐体10内には、光学系2を構成する光学部品として、三原色の映像の光を合成するクロスダイクロイックプリズム28と、映像の光を投射するレンズ群を備えた投射レンズ29とが設けられている。
【0037】
液晶ライトバルブ27r,27g,27bにおいて生成された赤・緑・青の映像の光は、クロスダイクロイックプリズム28に入射して、クロスダイクロイックプリズム28において合成されることにより、3色以上のフルカラーの映像が生成される。生成されたフルカラーの映像の光は、クロスダイクロイックプリズム28から出射されて投射レンズ29に入射する。
【0038】
投射レンズ29は、プロジェクタ1の前方に設けられるスクリーンや壁等の平面に向けて3色以上のフルカラーの映像の光を投射する。このようにしてプロジェクタ1は平面上に映像を表示する。図2において、一点鎖線L3は、投射レンズ29の光軸L3であって、投射レンズ29は、光軸L3を中心として映像の光を投射する。図2に示すように、前後方向と左右方向とに直交する方向から見て、投射レンズ29の光軸L3は、光軸L1,L2に対して垂直である。即ち、光軸L3と、光軸L1,L2とは、互いに異なる方向に平行である。
【0039】
発光に伴い発熱するランプ21a,21b,21c,21dの長寿命化のためには、ランプ21a,21b,21c,21dの光軸方向を鉛直方向に向けないようにする必要がある。即ち、光軸L1,L2が水平方向に延びるように設けられる必要がある。本実施形態においては、投射レンズ29の光軸L3に平行な方向が、ランプ21a,21b,21c,21dの光軸L1,L2に平行な方向と異なる。このため、光軸L1,L2を鉛直方向に延びないように水平方向に平行に設けながら、光軸L3に平行な方向(投射レンズ29の光軸方向)を変化させて、種々の平面上に映像を表示することができる。具体的には、例えば、底面10eを水平面または天井と対向するようにプロジェクタ1を設置することにより、スクリーンや壁に映像を表示することが可能であり、底面10eを壁と対向するようにプロジェクタ1を設置することにより、床または天井に映像を表示することが可能である。
【0040】
以上のように、本実施形態に係るプロジェクタ1は、3板式の液晶プロジェクタであって、一画像を4つの光源により映し出す4灯式の投写型映像表示装置である。プロジェクタ1は、上記光学部品の他にも、液晶ライトバルブ27r,27b,27bを構成する液晶パネルを駆動するための電子部品(不図示)や、光学部品及び電子部品を冷却するためのファンである吸気ファン(図示略)を筐体10内に備えている。
【0041】
プロジェクタ1は、光学部品等を冷却するための空気を筐体10の外部から内部へ流入させるとともに、筐体10の内部へ流入しようとする空気中の塵埃を捕捉するためのエアフィルタ装置3(図1参照)を備えている。以下、筐体10の内部へ向かう方向を内方とするとともに、この内方と反対側の方向であって筐体10の外部へ向かう方向を外方として、エアフィルタ装置3を説明する。
【0042】
図1(b)に示すように、筐体10の底面10e側に設けられるエアフィルタ装置3は、筐体10の前方から引き出されることによって、プロジェクタ1から取り外すことができるように構成されている。即ち、エアフィルタ装置3は、前後方向にスライドさせることによって、プロジェクタ1に対して着脱可能に構成されている。
【0043】
エアフィルタ装置3は、樹脂材料からなる基材31を備えている。基材31には、吸気口である四角形状の開口31aが形成されるとともに、この開口31aを覆うように静電フィルタ32が基材31に設けられている。さらに、基材31には、静電フィルタ32と同様に開口31aを覆うウレタンフィルタ(図示略)が設けられている。ウレタンフィルタはウレタンにより形成されたエアフィルタである。
【0044】
断面が波形状の静電フィルタ32は、静電気を帯電する繊維により構成されたエアフィルタである。弾性変形可能な静電フィルタ32及び上記ウレタンフィルタは、基材31に埋め込まれるように設けられ、基材31から抜け落ちないように基材31に一体的に形成された突起31bによって移動が規制されている。
【0045】
図4は、図1(b)に示すエアフィルタ装置3の反対側、即ち筐体10の外部に向けて設けられる側を図示したエアフィルタ装置3の斜視図である。また、図5は、外方から見た場合のエアフィルタ装置3の平面図である。
【0046】
図4及び図5に示すように、エアフィルタ装置3は、静電フィルタ32及び上記ウレタンフィルタよりも外方に設けられたエアフィルタ34を備えている。塵埃を捕捉するエアフィルタ34は、格子状に形成された枠部材34Aに接着または融着されて設けられている。枠部材34Aが基材31にねじ止めされることによって、エアフィルタ34が開口31aを覆うように基材31に設けられる。
【0047】
また、基材31には、直線状に形成されるとともに外方に向けられた歯を有するギアとして、第1のラック35と第2のラック36とがねじ止めにより固定されて設けられている。第1のラック35は、エアフィルタ34の前方において、左右方向に延びるように設けられるとともに、第2のラック36は、エアフィルタ34の後方において、左右方向に延びるように設けられている。このようにして、一対のラック35,36は、エアフィルタ34を挟むようにして互いに平行に設けられている。
【0048】
図6は、基材31から、ラック35,36を取り外した状態を示す斜視図である。また、図7(a)は、第1のラック35の断面を示す斜視図であって、図7(b)は、第2のラック36の断面を示す斜視図である。なお、図7(a)及び(b)に示す断面は、図4のA−A矢視断面である。
【0049】
図7(a)に示すように、第1のラック35には、基材31に挿入される挿入部35Aと、貫通孔35aが形成された被固定部35Bと、外方側端部に設けられた歯35Gとが形成されている。
【0050】
左右方向に延びて設けられる挿入部35Aは、内方に突出させて設けられるとともに、製造コスト低減の観点から、その内部が中空形状に形成されている。また、被固定部35Bは、前方に突出させて設けられるとともに、複数形成されている。第1のラック35は、基材31に挿入部35Aを挿入した状態で、被固定部35Bの貫通孔35aにねじを挿通させて、基材31に対してねじ止めされる。
【0051】
また、第1のラック35は、後側に設けられて左右方向に延びた側面35bを有している。そして、第1のラック35には、側面35bに対して前方に窪んだ溝35Dが設けられている。溝35Dは、左右方向において断面形状を変化させずに形成され、溝35D内において前側に設けられた第1の面35cと、側面35bと第1の面35cとを接続する互いに平行な第2の面35d及び第3の面35eとにより構成されている。
【0052】
図7(b)に示すように、第2のラック36には、第1のラック35と同様に、基材31に挿入される挿入部36Aと、貫通孔36aが形成された被固定部36Bと、外方側端部に設けられた歯36Gとが形成されている。
【0053】
左右方向に延びて設けられる挿入部36Aも、挿入部35Aと同様に、内方に突出させて設けられるとともに、製造コスト低減の観点から、その内部が中空形状に形成されている。また、被固定部36Bは、後方に突出させて設けられるとともに、複数形成されている。第2のラック36も、第1のラック35と同様にして、基材31に対してねじ止めされる。
【0054】
また、第2のラック36は、前側に設けられて左右方向に延びた側面36bを有している。そして、第2のラック36には、側面36bに対して後方に窪んだ溝36Dが設けられている。溝36Dも、左右方向において断面形状を変化させずに形成され、溝36D内において前側に設けられた第1の面36cと、側面36bと第1の面36cとを接続する互いに平行な第2の面36d及び第3の面36eとにより構成されている。
【0055】
なお、溝35Dは、前方に突出させて形成される被固定部35Bに対して、外方に位置をずらして設けられている。このため、溝35Dを有する第1のラック35の樹脂成形時において、第1のラック35の機械的強度を確保することができる。また、第1のラック35を所望の寸法で形成し易くなる。
【0056】
また、溝36Dも、前方に突出させて形成される被固定部36Bに対して、外方に位置をずらして設けられている。このため、溝36Dを有する第2のラック36の樹脂成形時において、第2のラック36の機械的強度を確保することができる。また、第2のラック36を所望の寸法で形成し易くなる。
【0057】
また、図4及び図5に示すように、基材31の前側端部には、エアフィルタ装置3がプロジェクタ1に取り付けられたときに、プロジェクタ1が備えるコネクタ(図示略)と接続されるコネクタ37が設けられている。このコネクタ37が、プロジェクタ1のコネクタと接続されることにより、プロジェクタ1からエアフィルタ装置3が備える電気部品に電力が供給可能となる。
【0058】
さらに、基材31の前側端部には、エアフィルタ装置3がプロジェクタ1に取り付けられたときに筐体10の表面と段差がない状態(即ち、面一)で設けられるパネル38が取り付けられている。
【0059】
エアフィルタ34等を備えるエアフィルタ装置3がプロジェクタ1に取り付けられることにより、筐体10にはエアフィルタ34等により構成される3層のエアフィルタが設けられる。
【0060】
エアフィルタ装置3は、エアフィルタ34を自動的に掃除する掃除ユニット4を備えている。即ち、エアフィルタ装置3は、エアフィルタ34と掃除ユニット4とを備えるエアフィルタ掃除装置である。略直方体状の掃除ユニット4は、エアフィルタ34を掃除しない状態においては、外方及び内方から見てエアフィルタ34と重ならない位置に配置されている。
【0061】
図6に示すように、ラック35,36に支持されるように設けられる掃除ユニット4は、ラック35,36を基材31から取り外した状態で、ラック35,36から取り外すことができる。
【0062】
図8は、図6に示す掃除ユニット4が備えるケース41から、ケース41にねじ止めにより固定されるダストボックス5及びカバー46,47を取り外した状態の分解斜視図である。また、図9は、ケース41の前後方向における両端を示す斜視図である。図10は、ダストボックス5を展開した状態を示す斜視図である。
【0063】
図8に示すように、掃除ユニット4は、エアフィルタ34を掃除するブラシ45、ブラシ45に付着した埃を溜めるダストボックス5、ブラシ45およびダストボックス5が設けられるケース41、ブラシ45から埃を除去する除塵体6(図10参照)等を備えている。
【0064】
樹脂材料からなるケース41は、本実施形態においてはABS樹脂により形成されている。前後方向に延びて形成されたケース41の前側端部には、小型の電動モータ42を収容するモータ収容部41aが設けられている。また、ケース41の左側端部には、ケース41の前側端部から後側端部にわたって、電動モータ42によって回転させられる回転軸43を収容する回転軸収容部41bが設けられている。
【0065】
また、ケース41の後側端部には、回転軸43の回転をブラシ45に伝達するための動力伝達機構44を収容する動力伝達機構収容部41cが設けられている。前側端部に設けられたモータ収容部41aと、後側端部に設けられた動力伝達機構収容部41cとは、前後方向において間隔をあけて設けられている。従って、ケース41内においてモータ収容部41aと動力伝達機構収容部41cとの間には空間が形成されている。この空間は、左側端部に設けられた回転軸収容部41bよりも右方に設けられた空間であって、この空間にブラシ45とダストボックス5とが設けられる。
【0066】
また、ブラシ45とともに移動するケース41には、突起41A,41Bが設けられている。図9(a)に示すように、ケース41の前側端部には、前方へ突出する平板状の突起41Aが左右方向に沿って延びて設けられている。また、図9(b)に示すように、ケース41の後側端部には、後方へ突出する平板状の突起41Bが左右方向に沿って延びて設けられている。
【0067】
突起41A,41Bは、ケース41の内方側端部においてラック35,36の側面35b,36bと対向する位置に形成され、突起41Aは溝35Dに挿入されるとともに、突起41Bは溝36Dに挿入される。突起41A,41Bは、ケース41と単一の材料により一体的に形成されるとともに、本実施形態においては面取りされて形成されている。
【0068】
図8に示すように、モータ収容部41aに収容された電動モータ42は、掃除ユニット4が備える動力源である。電動モータ42は、ケース41にねじ止めされたモータカバー42Aにより覆われている。電動モータ42は、かさ歯車42bが先端に設けられた出力軸42aを有している。電気部品である電動モータ42は、コネクタ37を介してプロジェクタ1から供給される電力により、かさ歯車42bを回転させる。電動モータ42が有する出力軸42aは、左方へ延びて設けられて、かさ歯車42bは回転軸収容部41b内に設けられている。
【0069】
また、モータ収容部41aには、電動モータ42に電力を供給するための配線が形成されたプリント配線板42Bが収容されている。ケース41とともに左右方向に移動する電動モータ42においては、プリント配線板42Bにフィルム状のフレキシブルケーブル(不図示)が接続されることが好ましい。即ち、ケース41内に設けられた電動モータ42は、フレキシブルケーブルを介して、基材31に設けられたコネクタ37と接続されることが好ましい。
【0070】
回転軸収容部41bに収容された回転軸43は、前後方向に延びて設けられた金属材料からなる軸部材である。回転軸43には、かさ歯車42bと噛み合うかさ歯車43aと、動力伝達機構44に接続される平歯車43bとが設けられている。従って、電動モータ42は、かさ歯車42b,43aを介して、回転軸43を回転させるとともに、回転軸43の平歯車43bを介して、動力伝達機構44に回転力を伝達する。
【0071】
さらに、回転軸43の前側端部には、回転体の外周に歯を有するギアとして、樹脂材料からなる第1のピニオン43Aが設けられるとともに、回転軸43の後側端部には、同様に、樹脂材料からなる第2のピニオン43Bが設けられている。第1のピニオン43Aは、ケース41の前方に突出して設けられるとともに、第2のピニオン43Bは、ケース41の後方に突出して設けられている。第1のピニオン43Aは、第1のラック35の歯35Gと噛み合う。また、第2のピニオン43Bは、第2のラック36の歯36Gと噛み合う。従って、電動モータ42は、回転軸43に設けられてラック35,36と噛み合うピニオン43A,43Bを回転させて、ブラシ45及びケース41を含む掃除ユニット4を左右方向に移動させる。
【0072】
かさ歯車43aと第1のピニオン43Aは、耐摩耗性に優れた1つの樹脂部材48により形成されている。また、平歯車43bと第2のピニオン43Bも、耐摩耗性に優れた1つの樹脂部材49により形成されている。かさ歯車43aと第1のピニオン43Aとの間において樹脂部材48に設けられた円筒状の中間部がケース41の前側端部により支持されるとともに、平歯車43bと第2のピニオン43Bとの間において樹脂部材49に設けられた円筒状の中間部がケース41の後側端部により支持されている。このようにして、回転軸43はケース41により回転可能に支持されている。なお、ケース41の前側端部及び後側端部以外の部位においても、回転軸43はケース41により回転可能に支持されている。
【0073】
以上のように、ピニオン43A,43Bは、ブラシ45及びケース41を往復移動させるためにケース41の外部に設けられた推進機構である。そして、ブラシ45が往復移動する方向に沿って設けられてピニオン43A,43Bと噛み合うラック35,36は、推進機構であるピニオン43A,43Bを支持する支持部である。なお、本実施形態においては、支持部であるラック35,36は、筐体10を形成する材料とは別材料によって形成された支持部材であるが、ピニオン43A,43Bと噛み合うラックが筐体10と一体的に形成されていてもよい。
【0074】
動力伝達機構収容部41cに収容された動力伝達機構44は、平歯車43bと噛み合う機械要素により構成されている。動力伝達機構44には、ブラシ45を構成する軸部材45aに接続され、回転軸43の回転力をブラシ45に伝達する。従って、電動モータ42が回転軸43を回転させることにより、ブラシ45も回転する。なお、動力伝達機構44は、ダストボックス5に塵埃が溜まる方向のみにブラシ45を回転させるように、ワンウェイクラッチにより構成されていることが好ましい。
【0075】
ブラシ45は、金属または樹脂材料からなる軸部材45aと、軸部材45aの外周において回転する軸部材45aの遠心方向に向けて設けられた繊維45bとにより構成されている。ブラシ45の前後方向における両端部において、軸部材45aがケース41に支持されることによって、ブラシ45はケース41により回転可能に支持されている。円筒状の繊維45bは、その一部がケース41内から内方に突出するように設けられている。従って、掃除ユニット4がエアフィルタ34と対向して移動しながら、ブラシ45が回転することにより、エアフィルタ34が掃除されて、ブラシ45の繊維45bに塵埃が付着する。
【0076】
カバー46は、ケース41の前側端部に対してねじ止めにより固定される。カバー46がケース41に設けられることにより、ケース41内の前側端部に設けられる電動モータ42及びプリント配線板42B及びかさ歯車42b,43aが、カバー46により覆われる。カバー46がケース41にねじ止めされることにより、回転軸43及びブラシ45の軸部材45aはケース41だけでなくカバー46によっても回転可能に支持される構成となっている。
【0077】
カバー47は、ケース41の後側端部に対してねじ止めにより固定される。カバー47がケース41に設けられることにより、ケース41内の後側端部に設けられる平歯車43b及び動力伝達機構44が、カバー47により覆われる。カバー47がケース41にねじ止めされることにより、回転軸43及びブラシ45の軸部材45aはケース41だけでなくカバー47によっても回転可能に支持される構成となっている。即ち、ケース41及びカバー46,47が回転軸43及び軸部材45aの軸受けとして機能する。
【0078】
図10に示すように、ケース41内に取り付けられるダストボックス5は、内側ケース5Aと、外側ケース5Bとにより構成されている。樹脂材料からなるケース5A,5Bは、ダストボックス5が展開するように回動可能に連結されている。
【0079】
内側ケース5Aは、ダストボックス5内の空間を形成する壁として、内側壁部51と右側壁部52と前側壁部53と後側壁部54とを有している。また、内側ケース5Aは、ケース5A,5Bが回動可能に連結されるための軸部55を有している。
【0080】
内側壁部51は、ダストボックス5がケース41に取り付けられたときに、ダストボックス5において内側に設けられる。内側壁部51には、ダストボックス5内の空間の長手方向において、その空間を仕切る隔壁51aが設けられている。この隔壁51aにより、ダストボックス5内の空間の長手方向が鉛直方向となったときであっても、ダストボックス5内の塵埃が1箇所に溜まる量を抑制することができる。
【0081】
また、内側壁部51には、ブラシ45の繊維45bに付着した塵埃を除去する除塵体6が設けられる。内側壁部51には、除塵体6が内側壁部51に取り付けられるために、移動規制片51bと突部51cが設けられている。移動規制片51bは、内側壁部51を変形させて形成されるとともに、突部51cは、内側壁部51の表面を膨らませて形成されている。突部51cが除塵体6に設けられた貫通孔61に挿通された状態で、除塵体6の移動が移動規制片51bにより規制される。
【0082】
右側壁部52は、ダストボックス5がケース41に取り付けられた状態において、内側壁部51の右側端部に接続されるとともに、内側壁部51の右側端部から外方に向けて延びる。このように右側壁部52は、ダストボックス5において右側に設けられる。
【0083】
前側壁部53は、ダストボックス5がケース41に取り付けられた状態において、内側壁部51の前側端部に接続されるとともに、内側壁部51の前側端部から外方に向けて延びる。このように前側壁部53は、ダストボックス5において前側に設けられ、右側壁部52と接続されている。
【0084】
後側壁部54は、ダストボックス5がケース41に取り付けられた状態において、内側壁部51の後側端部に接続されるとともに、内側壁部51の後側端部から外方に向けて延びる。このように後側壁部54は、ダストボックス5において後側に設けられ、右側壁部52と接続されている。
【0085】
円柱状の軸部55は、右側壁部52において、ダストボックス5内の空間の長手方向(即ち、ダストボックス5がケース41に取り付けられた状態における前後方向)の両端部に設けられている。
【0086】
外側ケース5Bは、ダストボックス5内の空間を形成する壁として、外側壁部56を有している。また、外側ケース5Bは、ブラシ45を覆うためのブラシカバー部57と、ケース5A,5Bが回動可能に連結されるための軸支持部58と、ダストボックス5をケース41に対して回動可能に取り付けるための取付部59とを有している。
【0087】
外側壁部56は、ダストボックス5がケース41に取り付けられたときに、ダストボックス5において外側に設けられる。外側壁部56には、ダストボックス5内の空間を左右方向において仕切る隔壁57aが設けられている。この隔壁57aにより、ダストボックス5内の空間から塵埃が流出することを抑制することができる。
【0088】
また、外側壁部56には、内側ケース5Aと外側ケース5Bとが閉じた状態を維持するために係止片57bが設けられている。係止片57bは、ダストボックス5内に空間が形成されるように内側ケース5Aと外側ケース5Bとが閉じたときに、内側ケース5Aの隔壁51aの先端に設けられた突出部51dと係合するように形成されている。係止片57bが突出部51dと係合することにより、内側ケース5Aに対する外側ケース5Bの回動が係止される。
【0089】
ブラシカバー部57は、ブラシ45が設けられる方向に外側壁部56を延ばして形成されている。ダストボックス5がケース41に取り付けられることにより、ケース41内に設けられた回転軸43及びブラシ45が、ブラシカバー部57により覆われる。ダストボックス5がケース41に取り付けられたときには、ダストボックス5のブラシカバー部57がねじ止めによりケース41に固定される。
【0090】
軸支持部58は、ダストボックス5内の空間の長手方向の両端部に軸部55と対応させて設けられている。外側ケース5Bの軸支持部58により、内側ケース5Aの軸部55の外周が支持されることにより、ケース5A,5Bが回動可能に連結されている。
【0091】
取付部59は、外側ケース5Bの後側端部と前側端部とに設けられている。取付部59は、小判形状の突起と、この突起から前後方向において突出した円柱状の突起とにより形成されている。このような取付部59がケース41によって支持されることにより、ダストボックス5がケース41に取り付けられる。
【0092】
以上のように構成されたダストボックス5は、内側壁部51と右側壁部52と前側壁部53と後側壁部54とにより形成されるとともに、左方に向けて開口する空間を有している。従って、塵埃を溜めるダストボックス5は、ケース41に取り付けられたときに、ブラシ45に向けて開く開口を有している。ダストボックス5の開口は、前後方向において延びて設けられ、ブラシ45の繊維45bに付着した塵埃を溜めるように構成されている。
【0093】
なお、ダストボックス5が開口する方向は、ランプ21a,21b,21c,21dの光軸L1,L2が延びる方向と同じであるため、光軸L1,L2を水平方向に平行に設けた場合には、ダストボックス5は水平方向に向けて開口する。このとき、ダストボックス5から塵埃が流出する可能性は低い。
【0094】
また、本実施形態においては、ダストボックス5には除塵体6が取り付けられている。具体的には、除塵体6は、内側ケース5Aの左側端部に設けられている。除塵体6は、ダストボックス5がケース41に取り付けられたときに、ブラシ45の繊維45bに入るように設けられている。従って、ブラシ45が回転することにより、ブラシ45の繊維45bから埃が除去される。なお、除塵体6の左側端部は、鋸状に形成されているため、ブラシ45に付着した塵埃を効果的に除去することができる。
【0095】
ここで、本実施形態においては、左右方向においてケース41と対向する側面35b,36bに、ブラシ45が往復移動する方向(即ち、左右方向)に沿って設けられた溝35D,36Dが設けられ、ケース41に、溝35D,36Dに対して摺動する突起41A,41Bが設けられていることに特徴がある。
【0096】
即ち、ケース41の突起41Aが溝35Dに挿入されることにより、第1のラック35に設けられた溝35Dは、第1の係合部として、ケース41に設けられた第2の係合部である突起41Aと係合する構成となっている。従って、ケース41が移動するときには、突起41Aが溝35Dに対して摺動する。具体的には、突起41Aは、溝35Dの3つの面35c,35d,35eに摺動可能である。このとき、溝35Dと突起41Aとが係合することにより、左右方向に対して直交する方向へのケース41の移動が規制される。即ち、突起41Aが第1のラック35によって支持されることにより、ケース41の前側端部の移動が規制される。
【0097】
また、ケース41の突起41Bが溝36Dに挿入されることにより、第2のラック36に設けられた溝36Dは、第1の係合部として、ケース41に設けられた第2の係合部である突起41Bと係合する構成となっている。従って、ケース41が移動するときには突起41Bが溝36Dに対して摺動する。具体的には、突起41Bは、溝36Dの3つの面36c,36d,36eに摺動可能である。このとき、溝36Dと突起41Bとが係合することにより、左右方向に対して直交する方向へのケース41の移動が規制される。即ち、突起41Bが第2のラック36によって支持されることにより、ケース41の後側端部の移動が規制される。
【0098】
図11及び図12を参照しながら、ラック35,36による支持構造を詳しく説明する。図11は、第1のラック35による突起41Aの支持構造を示す断面図である。また、図12は、第2のラック36による突起41Bの支持構造を示す断面図である。なお、図11及び図12に示す断面は、図4のA−A矢視断面である。
【0099】
図11及び図12に示すように、ピニオン43A,43Bが基材31にねじ止めされたラック35,36と噛み合っている状態において、突起41Aは溝35Dに挿入され、かつ、突起41Bは溝36Dに挿入されている。
【0100】
第1の面35c,36cは、前後方向に対して垂直である。即ち、第1の面35cは、第1のピニオン43Aの回転の中心となる回転中心線R1(図11参照)に対して垂直である。また、第1の面36cは、第2のピニオン43Bの回転の中心となる回転中心線R2(図12参照)に対して垂直である。なお、回転中心線R1と回転中心線R2は、本実施形態においては互いに偏心していないため、同一直線である。以上のような第1の面35cに対して、第2の面35d及び第3の面35eは垂直に接続されるとともに、第1の面36cに対して、第2の面36d及び第3の面36eは垂直に接続されている。
【0101】
即ち、回転中心線R1,R2は、ブラシ45により掃除されるエアフィルタ34の面が延びる方向に平行であって、第2の面35d及び第3の面35eは、ブラシ45により掃除されるエアフィルタ34の面に対して垂直な方向において対向している。第2の面36d及び第3の面36eも、第2の面35d及び第3の面35eと同様に、ブラシ45により掃除されるエアフィルタ34の面に対して垂直な方向において対向している。
【0102】
以上のような構成の溝35Dに挿入される突起41Aは、溝35Dに挿入されたときに、第2の面35dまたは第3の面35eとの間隔が、第1の面35cとの間隔に比べて短くなるように形成されている。また、溝36Dに挿入される突起41Bも同様に、溝36Dに挿入されたときに、第2の面36dまたは第3の面36eとの間隔が、第1の面36cとの間隔に比べて短くなるように形成されている。即ち、突起41A,41Bと溝35D,36Dとの間隔が、図13に示すように設計されている。
【0103】
図13は、突起41A,41Bと、溝35D,36Dを構成する面35c,35d,35e,36c,36d,36eとの間隔をより詳しく説明するための模式図である。図13において、外方及び内方を示す矢印は、エアフィルタ34の面に対して垂直な方向を示している。
【0104】
図13に示すように、第1のラック35の溝35Dを構成する第2の面35dと第3の面35eは、エアフィルタ34の面に対して垂直な方向において対向して設けられている。エアフィルタ34の面に対して垂直な方向における突起41Aの寸法D3は、第2の面35dから第3の面35eまでの距離D1に比べて小さい。
【0105】
また、第2のラック36の溝36Dを構成する第2の面36dと第3の面36eも、エアフィルタ34の面に対して垂直な方向において対向して設けられている。エアフィルタ34の面に対して垂直な方向における突起41Bの寸法D3は、第2の面35dから第3の面35eまでの距離D1に比べて小さい。なお、本実施形態においては、突起41Aの寸法D3と突起41Bの寸法D3は同じであって、第2の面35dから第3の面35eまでの距離D1と第2の面36dから第3の面36eまでの距離D1も同じである。
【0106】
第1のラック35の溝35Dを構成する第1の面35cと、第2のラック36の溝36Dを構成する第1の面36cとは、所定の直線方向である前後方向において対向して設けられている。突起41A及び突起41Bを含むケース41の前後方向における寸法D4は、第1の面35cから第1の面36cまでの距離D2に比べて小さい。
【0107】
ここで、本実施形態においては、距離D1をd1とし、寸法D3をd3とし、距離D2をd2とし、寸法D4をd4としたときに、以下の数式を満たすように形成されている。
(d1−d3)/2<(d2−d4)/2
【0108】
上記の数式を満たすように突起41A,41Bを含むケース41が設計されれば、ケース41の長手方向である前後方向においてケース41の樹脂成形時に寸法D4に誤差が生じた場合であっても、突起41Aから第1の面35cまでの間隔、突起41Bから第1の面36cまでの間隔を確保し易い。
【0109】
従って、溝35Dに挿入された突起41A、及び溝36Dに挿入された突起41Bは、プロジェクタ1の設置態様に応じて、第1の面35c,36c及び第2の面35d,36d及び第3の面35e,36eのうち少なくとも1つの面によって摺動可能に支持される。
【0110】
例えば、図14に示すようにプロジェクタ1が机等の水平面に設置されたときには、図15に示すように、突起41Aは、溝35Dを構成する第3の面35eにより支持されるとともに、突起41Bは、溝36Dを構成する第3の面36eにより支持される。
【0111】
また、例えば、図16に示すようにプロジェクタ1が天井に設置されたときには、図17に示すように、突起41Aは、溝35Dを構成する第2の面35dにより支持されるとともに、突起41Bは、溝36Dを構成する第2の面36dにより支持される。
【0112】
また、例えば、図18に示すように天井に映像を表示するためにプロジェクタ1が壁に設置されたときには、図19に示すように、突起41Bは、溝36Dを構成する第1の面36cにより支持される。
【0113】
また、例えば、図20に示すように床に映像を表示するようにプロジェクタ1が壁に設置されたときには、図21に示すように、突起41Aは、溝35Dを構成する第1の面35cにより支持される。
【0114】
また、本実施形態においては、発熱の低減、動力消費の低減、摩擦音の低減、摩擦振動の低減を図るために、ラック35,36が、ABS樹脂とは異なる樹脂材料であるポリアセタールにより形成されている。
【0115】
本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)エアフィルタ装置3は、ブラシ45と、支持部であるラック35,36と、推進機構であるピニオン43A,43Bと、ケース41とを備え、ラック35,36は、ケース41と対向する側面35b,36bを有している。側面35b,36bには、ブラシ45が往復移動する方向(即ち、左右方向)に沿って設けられた第1の係合部として溝35D,36Dが設けられ、ケース41には、ラック35,36の側面35b,36bに設けられた溝35D,36Dと係合して溝35D,36Dに対して摺動する第2の係合部として突起41A,41Bが設けられている。溝35D,36Dと突起41A,41Bとが係合することにより、左右方向に対して直交する方向へのケース41の移動が規制される。このため、左右方向に沿って設けられた溝35D,36Dにより、左右方向に対して直交する方向において、ブラシ45とともに往復移動するケース41の突起41A,41Bを支持することができる。従って、ラック35,36とケース41とによりケース41の往復移動を確実にガイドするためのガイド形状を形成することができ、ピニオン43A,43Bとラック35,36とが噛み合う箇所以外でもケース41が支持され、重力が作用する方向である重力方向が変化する場合であっても、ブラシ45とともに往復移動するケース41を確実に支持することが可能となる。
【0116】
(2)ブラシ45が往復移動する方向に沿って設けられた支持部はラック35,36であって、ブラシ45及びケース41を往復移動させるための推進機構はラック35,36と噛み合うピニオン43A,43Bである。このため、推進機構と支持部の摩擦力が確保し易い。
【0117】
(3)ラック35,36の側面35b,36bに設けられた第1の係合部は、側面35b,36bに対して窪んだ溝35D,36Dであり、ケース41に設けられた第2の係合部は、溝35D,36Dに挿入されて溝35D,36Dに対して摺動する突起41A,41Bである。従って、ラック35,36に溝35D,36Dを設けてケース41に突起41A,41Bを設けるだけの簡易な構成(金型)により、ケース41の往復移動を確実にガイドするためのガイド形状を形成することができる。
【0118】
(4)溝35Dは、突起41Aが摺動する3つの面35c,35d,35eにより構成されている。このため、1つの溝35Dにより突起41Aを3方向から支持することが可能である。
【0119】
また、溝36Dは、突起41Bが摺動する3つの面36c,36d,36eにより構成されている。このため、1つの溝36Dにより突起41Bを3方向から支持することが可能である。
【0120】
(5)ピニオン43Aは回転することによってケース41を推進させる回転体であって、3つの面35c,35d,35eは、ピニオン43Aの回転の中心となる回転中心線R1に対して垂直な第1の面35cと、第1の面35cに対して垂直であって互いに平行に対向する第2の面35d及び第3の面35eとにより構成されている。このため、第1の面35cにより、ピニオン43Aの回転中心線R1に対して平行な方向のケース41の移動を規制することができる。また、第2の面35d及び第3の面35eにより、ケース41が往復移動する方向を除いて、ピニオン43Aの回転中心線R1に対して垂直な方向のケース41の移動を規制することができる。よって、第1〜第3の面35c,35d,35eにより、互いに直交する3方向から突起41Aを支持することができる。
【0121】
また、ピニオン43Bも回転することによってケース41を推進させる回転体であって、3つの面36c,36d,36eは、ピニオン43Bの回転の中心となる回転中心線R2に対して垂直な第1の面36cと、第1の面36cに対して垂直であって互いに平行に対向する第2の面36d及び第3の面36eとにより構成されている。よって、第1〜第3の面36c,36d,36eにより、第1〜第3の面35c,35d,35eと同様にして、互いに直交する3方向から突起41Bを支持することができる。
【0122】
(6)第2の面35d及び第3の面35eは、ブラシ45により掃除されるエアフィルタ34の面に対して垂直な方向において対向し、第2の面36d及び第3の面36eも、エアフィルタ34の面に対して垂直な方向において対向する。溝35Dに突起41Aが挿入され、かつ、溝36Dに突起41Bが挿入された状態において、第2の面35dまたは第3の面35eと突起41Aとの間隔が、第1の面35cと突起41Aの間隔に比べて短く、第2の面36dまたは第3の面36eと突起41Bとの間隔が、第1の面36cと突起41Bの間隔に比べて短い。このため、第2の面35d,36d及び第3の面35e,36eにより、エアフィルタ34の面に対して垂直な方向におけるケース41の移動が規制され易く、ケース41に設けられたブラシ45をエアフィルタ34の面に対して安定的に押し当てることができる。
【0123】
(7)エアフィルタ装置3は、エアフィルタ34を挟むようにして設けられた第1のラック35及び第2のラック36を備えている。そして、第1のラック35及び第2のラック36が有する側面35b,36bの各々に溝35D,36Dが設けられ、ケース41には、第1のラック35及び第2のラック36に設けられた溝35D,35Dの各々と係合するように複数の突起41A,41Bが設けられている。このため、第1のラック35と第2のラック36とケース41とによりケース41の往復移動をガイドするためのガイド形状を形成することができ、ケース41をより確実に支持することが可能となる。
【0124】
(8)ケース41は樹脂材料であるABS樹脂により形成され、ラック35,36は、ABS樹脂に比べて摺動性の高いポリアセタールにより形成されている。このため、ケース41とラック35,36とがABS樹脂により形成されている場合に比べて、溝35D,36Dに対する突起41A,41Bの摺動性を高めることができる。摺動性を高めることにより、耐摩耗性の向上、摺動に伴う発熱の低減、摺動に要する動力消費の低減、摺動に伴う摩擦音の低減、摺動に伴う摩擦振動の低減の少なくとも1つを図ることができる。
【0125】
(9)摺動性の高い樹脂材料として、ポリアセタールを用いてラック35,36が形成されている。このため、耐摩耗性に優れた溝35D,36Dを形成することができる。また、安価な樹脂材料(ポリアセタール)を用いてラック35,36が形成できる。
【0126】
(10)プロジェクタ1は、上記作用効果を奏するエアフィルタ装置3を備えている。従って、エアフィルタ装置3を備えるプロジェクタ1により、上記(1)〜(8)に記載の効果を得ることができる。
【0127】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の設計変更をすることが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。例えば、上記実施形態を以下のように変更してもよく、以下の変更を組み合わせてもよい。
【0128】
・ポリアミド、フッ素系樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレン、またはポリエチレンテレフタラートを用いてラック35,36が形成されていてもよい。即ち、摺動性の高い樹脂材料として、ポリアセタール及びポリアミド及びフッ素系樹脂及びポリフェニレンサルファイド及びポリエチレン及びポリエチレンテレフタラートのうちいずれかの樹脂を用いてラック35,36が形成されていれば、耐摩耗性に優れた溝35D,36Dを形成することができる。なお、摺動性の高いフッ素系樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレンを好適に用いることができる。また、摺動性の高いポリエチレンとしては、超高分子量高密度ポリエチレンを好適に用いることができる。
【0129】
・ケース41を形成する樹脂材料はABS樹脂に限られない。また、その他の構成部品についても、材料を適宜変更することはでき、例えば、樹脂材料により形成される構成部品を金属材料により形成してもよい。
【0130】
・推進機構は、ブラシ45及びケース41を往復移動させることができるのであれば、ピニオン43A,43Bに限定されず、また、推進機構を支持する支持部は、ラック35,36に限定されない。例えば、推進機構が、外周に歯が形成されていない回転体であってもよく、支持部が、ブラシ45が往復移動する方向に沿って設けられた平面を有するレールであってもよい。
【0131】
・ラック35,36の側面35b,36bに設けられた第1の係合部を突起により構成するとともに、ケース41に設けられた第2の係合部を溝により構成してもよい。即ち、ラック35,36によるケース41の支持構造は、突起41A,41B及び溝35D,36Dによる構成に限られない。
【0132】
・ケース41の前側端部の支持構造とケース41の後側端部の支持構造とが異なっていてもよい。即ち、例えば、ケース41の前側端部においては、ケース41に設けられた突起41Aがラック35に設けられた溝35Dにより支持され、ケース41の後側端部においては、ケース41に設けられた溝(不図示)がラック35に設けられた突起(不図示)により支持される構成であってもよい。
【0133】
・プロジェクタ1及びエアフィルタ装置3の構成が左右方向において反転した構成であってもよい。また、プロジェクタ1及びエアフィルタ装置3の構成が前後方向において反転した構成であってもよい。また、ブラシ45及びケース41が往復移動する方向は左右方向に限定されない。
【0134】
・ブラシ45とともに移動しないダストボックスを備えたエアフィルタ掃除装置(不図示)であってもよい。即ち、移動する掃除ユニット4がダストボックス5を備えていなくてもよい。例えば、外方及び内方から見てエアフィルタ34と重ならない位置である待機位置にダストボックスが設けられていてもよい。この場合には、待機位置に移動したブラシ45が回転することにより、ブラシ45の繊維45bから埃が除去されて、ブラシ45に付着した埃がダストボックスに溜められる。なお、このような構成においては、エアフィルタ掃除装置は、動力源として、ブラシ45及びケース41を含む掃除ユニット4を移動させる電動モータと、掃除ユニット4を移動させることなくブラシ45を回転させる他の電動モータとを備えていることが好ましい。
【0135】
・本願発明は、4つの光源を備える投写型映像表示装置に限られず、1つの光源を備える投写型映像表示装置や、2つ以上の光源を備える投写型映像表示装置であってもよい。また、投写型映像表示装置は液晶プロジェクタに限られず、例えばDMD(Digital Micromirror Device)を用いて映像を表示する投写型映像表示装置であってもよい。
【符号の説明】
【0136】
1…プロジェクタ(投写型映像表示装置)、2…光学系、3…エアフィルタ装置(エアフィルタ掃除装置)、4…掃除ユニット、5…ダストボックス、5A…内側ケース、5B…外側ケース、6…除塵体、10…筐体、10e…底面、21a,21b,21c,21d…ランプ、29…投射レンズ、31…基材、31a…開口、31b…突起、32…静電フィルタ、34…エアフィルタ、34A…枠部材、35…第1のラック(第1の支持部)、35A…挿入部、35B…被固定部、35D…溝(第1の係合部)、35G…歯、35a…貫通孔、35b…側面、35c…第1の面、35d…第2の面、35e…第3の面、36…第2のラック(第2の支持部)、36A…挿入部、36B…被固定部、36D…溝(第1の係合部)、36G…歯、36a…貫通孔、36b…側面、36c…第1の面、36d…第2の面、36e…第3の面、37…コネクタ、38…パネル、41…ケース、41A,41B…突起(第2の係合部)、41a…モータ収容部、41b…回転軸収容部、41c…動力伝達機構収容部、42…電動モータ、42A…モータカバー、42B…プリント配線板、42a…出力軸、42b…かさ歯車、43…回転軸、43A…第1のピニオン、43B…第2のピニオン、43a…かさ歯車、43b…平歯車、44…動力伝達機構、45…ブラシ、45a…軸部材、45b…繊維、46,47…カバー、48,49…樹脂部材、51…内側壁部、51a…隔壁、51b…移動規制片、51c…突部、51d…突出部、52…右側壁部、53…前側壁部、54…後側壁部、55…軸部、56…外側壁部、57…ブラシカバー部、57a…隔壁、57b…係止片、58…軸支持部、59…取付部、61…貫通孔、R1,R2…回転中心線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアフィルタを掃除するブラシと、
前記ブラシが設けられてこのブラシとともに往復移動するケースと、
前記ブラシ及び前記ケースを往復移動させるために前記ケースに設けられた推進機構と、
前記ブラシが往復移動する方向に沿って設けられて前記推進機構を支持する支持部とを備え、
前記支持部は、前記ケースと対向する側面を有し、この側面には、前記ブラシが往復移動する方向に沿って設けられた第1の係合部が設けられ、
前記ケースには、前記支持部の側面に設けられた前記第1の係合部と係合してこの第1の係合部に対して摺動する第2の係合部が設けられ、
前記第1の係合部と前記第2の係合部とが係合することにより、前記ブラシが往復移動する方向に対して直交する方向への前記ケースの移動が規制される
ことを特徴とするエアフィルタ掃除装置。
【請求項2】
前記支持部はラックであって、前記推進機構は前記ラックと噛み合うピニオンであることを特徴とする請求項1に記載のエアフィルタ掃除装置。
【請求項3】
前記第1の係合部は、前記側面に対して窪んだ溝であり、
前記第2の係合部は、前記溝に挿入されてこの溝に対して摺動する突起である
ことを特徴とする請求項1または2に記載のエアフィルタ掃除装置。
【請求項4】
前記溝は、前記突起が摺動可能な3つの面により構成されている
ことを特徴とする請求項3に記載のエアフィルタ掃除装置。
【請求項5】
前記推進機構は回転することによって前記ケースを推進させる回転体であって、前記3つの面は、前記推進機構の回転の中心となる回転中心線に対して垂直な第1の面と、この第1の面に対して垂直であって互いに平行に対向する第2の面及び第3の面とにより構成されている
ことを特徴とする請求項4に記載のエアフィルタ掃除装置。
【請求項6】
前記第2の面及び前記第3の面は、前記ブラシにより掃除されるエアフィルタの面に対して垂直な方向において対向し、
前記溝に前記突起が挿入された状態において、前記第2の面または前記第3の面と前記突起との間隔が、前記第1の面と前記突起の間隔に比べて短い
ことを特徴とする請求項5に記載のエアフィルタ掃除装置。
【請求項7】
前記支持部として、エアフィルタを挟むようにして設けられた第1の支持部及び第2の支持部を備え、
前記第1の支持部及び第2の支持部が有する側面の各々に前記第1の係合部が設けられ、
前記ケースには、前記第1の支持部及び前記第2の支持部に設けられた前記第1の係合部の各々と係合するように複数の前記第2の係合部が設けられている
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のエアフィルタ掃除装置。
【請求項8】
前記ケースは樹脂材料により形成され、
前記支持部は、前記ケースを形成する樹脂材料に比べて摺動性の高い樹脂材料により形成されている
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のエアフィルタ掃除装置。
【請求項9】
摺動性の高い樹脂材料として、ポリアセタール及びポリアミド及びフッ素系樹脂及びポリフェニレンサルファイド及びポリエチレン及びポリエチレンテレフタラートのうちいずれかの樹脂を用いて前記支持部が形成されている
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のエアフィルタ掃除装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のエアフィルタ掃除装置を備えることを特徴とする投写型映像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−257551(P2011−257551A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−131296(P2010−131296)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(391044797)株式会社コーワ (283)
【Fターム(参考)】