説明

エアホース

【課題】 本発明は、手持エア工具に接続されるエアホースが、作業者の足元に絡みつく等して作業性を悪化させたり、作業者が手持エア工具を誤って落下させたときに、下方にいる人を怪我させたりすることを防止する。
【解決手段】 手持エア工具に連結される連結具と、該連結具が固定されるホース本体と、を備え、前記手持エア工具を圧力エア源に接続するエアホースであって、前記ホース本体が保持される保持具と、該保持具を作業者に対して着脱可能に固定する固定具と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手持エア工具を圧力エア源に接続するエアホースに関する。
【背景技術】
【0002】
建築現場等において、釘打機等の手持エア工具を使用する場合、作業者は、作業対象となる壁等に対して移動しながら作業するが、手持エア工具に接続されるエアホースは、作業者の足元付近で引きずられるような状態となるため、作業者がエアホースを跨いだり、引っ掛けたりすることがある。その結果、エアホースが足元に絡みつく等して作業性が悪化し、最悪の場合、転倒事故に至ることがある。また、高所作業中に手が滑る等、誤って手持エア工具を落下させた場合、下方に人がいると、大変危険である。高所作業における工具落下防止として、工具を紐で作業者に繋ぐ方法が採用されている(例えば、特許文献1参照。)が、手持エア工具では、紐とエアホースが絡み合い、作業性を悪化させる恐れがある。
【特許文献1】実開平5−49272号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記のような実情に鑑みて、手持エア工具に接続されるエアホースが、作業者の足元に絡みつく等して作業性を悪化させたり、作業者が手持エア工具を誤って落下させたときに、下方にいる人を怪我させたりすることを防止しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の発明は、手持エア工具に着脱自在に連結される連結具と、該連結具が固定されるホース本体と、を備え、前記手持エア工具を圧力エア源に接続して、前記圧力エア源から前記手持工具へ圧力エアを供給するためのエアホースであって、前記ホース本体の長手方向の途中部を保持する保持具と、該保持具に設けられて、前記ホース本体を作業者に対して着脱可能に固定する固定具と、を備えることを特徴とするエアホースを提供する。
【0005】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のエアホースであって、前記保持具は、前記ホース本体の長手方向の途中部を保持する保持部と、該保持部に連結される環状部と、を有してなり、前記固定具は、開閉可能な環状体であって、前記保持具の環状部に挿通された状態で設けられており、作業者の衣服又は装備に挿通させて閉じられることにより、前記ホース本体を作業者に対して固定することを特徴とするエアホースを提供する。
【0006】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のエアホースであって、前記保持具は、前記ホース本体の長手方向の途中部を保持する保持部と、該保持部に連結される環状部と、を有してなり、前記環状部は、前記保持部に対して、前記保持部に保持されるホース本体の長手方向と直交する方向に相対回転可能に連結されていることを特徴とするエアホースを提供する。
【0007】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のエアホースであって、前記保持具は、前記ホース本体の外径より大径又は略同径の内径穴が形成され、該内径穴に前記ホース本体を挿通させた状態で保持する保持部を有してなり、エアホースが前記圧力エア源に接続されていないときは、前記保持具を前記ホース本体の長手方向に摺動可能なアンロック状態となり、エアホースが前記圧力エア源に接続されているときは、圧力エアによる前記ホース本体の膨張によって、前記保持具が前記ホース本体に対して摺動困難なロック状態となることを特徴とするエアホースを提供する。
【0008】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載のエアホースであって、前記保持具は、前記ホース本体の外径より幅狭の切欠が形成される保持部を有してなり、エアホースが前記圧力エア源に接続されていないときは、前記ホース本体を径方向に凹ませた状態で前記切欠を通過させることで前記保持部に着脱可能なアンロック状態となり、エアホースが前記圧力エア源に接続されているときは、圧力エアによる前記ホース本体の径方向の膨張圧力によって、前記ホース本体を前記切欠から外すことが困難なロック状態となることを特徴とするエアホースを提供する。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、以下の優れた効果を奏する。ホース本体の長手方向の途中部を保持する保持具が、保持具に設けられる固定具で作業者に対して着脱自在に固定されるため、エアホースを作業者の動きにしたがって移動させることができ、その結果、作業者の足元にホースが絡み付くこと等が防止される。また、高所作業時に手持エア工具を誤落下させても、それに接続されるエアホースがストッパとなり、下方にいる人等への直撃が防止される。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明が奏する効果に加えて、以下の優れた効果を奏する。ホース本体と作業者が、複数の環状体(保持具の環状部及び固定具)からなる鎖状体で繋がれるので、作業者に対するホース本体の自由度が高い。すなわち、作業者が身体の向きを大きく変えても、ホース本体が作業者の動きに追従して大きく振り回されるようなことがない。その結果、ホース本体が周囲の物や人に打ちつけられたり、あるいはホース本体の曲げ抵抗によって作業者が動きを阻害されたりする心配が少ない。また、保持具は、閉じられる環状体(固定具)を介して固定されるため、U字形状やJ字形状の閉じられない引掛具のように作業者の動きによって簡単に外れることがない。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明が奏する効果に加えて、以下の優れた効果を奏する。保持部と環状部が、ホース本体の長手方向と直交する方向に相対回転可能であるから、ホース本体の作業者に対する自由度が高められ、ホースの振り回し等が一層生じにくくなる。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明が奏する効果に加えて、以下の優れた効果を奏する。保持部の内径穴をホース本体の外径より大径又は略同径に形成することにより、エアホースを圧力エア源に接続する前は、保持具をホース本体と相対摺動させて、作業者に対するホース固定位置から手持エア工具までのホース長さを作業者の体格や作業姿勢に合わせて調整することができる。また、エアホースを圧力エア源に接続することでホース本体が膨張して、保持具が摺動困難なロック状態となるので、作業中に保持具の位置がずれることが防止される。なお、圧力エア源への接続により保持具がロックされるので、ロック忘れする心配が無い。
【0013】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明が奏する効果に加えて、以下の優れた効果を奏する。保持具にホース本体の外径より幅狭の切欠を有する保持部を形成し、ホース本体を径方向に凹ませて切欠から着脱できるようにする一方、エアホースを圧力エア源に接続することでホース本体を膨張させる方向の圧力が作用して、ホース本体が径方向に凹みにくく保持具から外しにくいロック状態となるので、作業中にホースが不意に外れることが防止される。なお、圧力エア源への接続によりロックされるので、ロック忘れする心配が無い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(本発明の第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態を、図1乃至図4を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るエアホースを手持エア工具に接続した状態を示す図、図2は、該エアホースにおける保持具及び固定具の周辺拡大図、図3は、保持具の機能を説明する図、図4は、該エアホースを接続した手持エア工具による作業の様子を示す図である。
【0015】
(エアホース1)
エアホース1は、図1に示されるように、手持エア工具Tに対して着脱自在に接続される連結具(ソケット)2と、連結具2が一端に固定されるホース本体3と、ホース本体3の他端に固定されて、不図示の圧力エア源Sに対して着脱自在に接続される連結具(差込プラグ)4と、を備えてなり、圧力エア源Sから手持エア工具Tへ圧力エアを供給する。ホース本体3の長手方向の途中部には、ホース本体3を挿通させることにより保持する保持具5が設けられており、保持具5には、保持具5を作業者に対して着脱可能に固定するための固定具6が設けられている。なお、手持エア工具Tは、圧力エアで駆動されるエアインパクトドライバや圧力エアを噴出するエアガン等、圧力エアの供給を受けることにより機能する工具であって、圧力エア源Sは、コンプレッサで加圧された圧力エアが溜められるタンク等の圧力エア供給源である。
【0016】
(ホース本体3)
ホース本体3は、ポリウレタン製や塩化ビニール製の断面略円形の樹脂チューブであって、ポリエステル糸等の補強材が網状に内蔵されているが、圧力エア源Sに接続されて内圧が上昇することにより、径方向に僅かに膨張するとともに凹み変形しにくくなる。
【0017】
(保持具5)
保持具5は、図2及び図3に示されるように、ホース本体3が挿通される筒状の保持部51と、その外周面に形成されるアンカー部52と、保持部51の外周面に巻回される拘束具53と、からなる。保持部51は、軟質樹脂製の弾性部材であって、その内径穴がホース本体3の外径より僅かに大きく設定されている。したがって、保持具5は、エアホース1が圧力エア源Sに接続されていないときには、図3(a)に示されるように、ホース本体3の長手方向に摺動可能なアンロック状態とされており、ホース本体3の長手方向の任意位置に移動させることができるが、エアホース1が圧力エア源Sに接続されているときには、ホース本体3が圧力エアによる内圧上昇によって径方向に膨張するため、図3(b)に示されるように、ホース本体3に対して摺動困難なロック状態となり、ホース本体3の長手方向における位置が固定される。
【0018】
アンカー部52は、保持部51と一体形成されており、保持部51の外周面から突出する円柱形状の軸部52aと、その先端部に設けられる環状部52bと、を備える。アンカー部52は、保持部51と同じ軟質樹脂で形成されており、他部材に接触するようなことがあっても弾性変形するため、その相手部材に引っ掛かったり、傷をつけたりすることが防止される。拘束具53は、伸縮率の低い樹脂で形成されたバンドで、一度締めると容易に緩まない構造とされており、図3(b)に示される状態となったときに、保持部51の径方向の伸びを抑制し、保持部51がホース本体3に対して確実にロックされるようにしている。
【0019】
(固定具6)
固定具6は、図2に示されるように、開閉可能な環状体であって、保持具5の環状部52bに挿通された状態で設けられる。環状体形状の一部をなす開閉部材61は、その支持端61aを環状体本体62に軸支持されることにより回動開閉可能とされており、回動端61bに設けられたロック爪が環状体本体62側のロック爪と嵌合することにより環状体を閉じた状態に維持することができる。したがって、ロック爪の嵌合を解除して環状体を開放した状態で、作業者の衣服や装備類に設けられるベルト通し等の閉じられた環状部材に固定具6を通した後、開閉部材61を閉じることで、図4に示されるように、固定具6が作業者に対して掛止され、保持具5が容易に外れないように固定される。なお、固定具6を環状体形状としたことで、保持具5が作業者の動きに対してフレキシブルに向きを変えられるため、ホース本体3が作業者の動きに伴って振り回されたり、作業者の動きを阻害したりすることが防止される。
【0020】
(上記実施形態に係るエアホース1の特徴)
上記のとおりであるから、エアホース1は、以下の特徴を有する。
【0021】
第一に、エアホース1は、ホース本体3の長手方向の途中部を保持する保持具5と、保持具5に設けられて、ホース本体3を作業者に対して着脱可能に固定するための固定具6と、を備えるという特徴を有する。作業者に固定されたエアホース1は、作業者の動きにしたがって移動し、その結果として、作業者の足元に絡みつくこと等が防止される。また、高所作業時に手持エア工具Tを誤落下させても、それに接続されるエアホース1がストッパの役目を果たして、下方にいる人等への直撃が防止される。
【0022】
第二に、保持具5は、ホース本体3の長手方向の途中部を保持する保持部51と、保持部51に連結される環状部52bと、を有してなり、固定具6は、その一部を開閉可能な環状体であって、環状部52bに挿通された状態で設けられており、作業者の衣服又は装備に挿通させた状態で閉じられることにより、エアホース本体3を作業者に着脱可能に固定するという特徴を有する。これにより、ホース本体3と作業者が、鎖状となる複数の環状体(保持具の環状部52b及び固定具6)で繋がれるので、作業者に対するホース本体3の自由度が高い。その結果、例えば作業者が真後ろに振り返ったからといって、ホース本体が作業者の動きにそのまま追従して左右に振り回されるようなことはなく、ホース本体が周囲の物や人に打ちつけられたり、逆にホースの曲げ抵抗によって作業者が動きを阻害されたりすることがない。また、保持具5は、閉じた環状部52b及び環状体(固定具6)を介して固定されるため、閉じないU字形状やJ字形状の引掛具のように作業者の動きによって簡単に外れることはない。なお、保持具5は、ホース本体3を周方向に閉じた筒状の保持部51に挿通させているので、ホース本体3が不意に外れることもない。
【0023】
第三に、保持具5は、ホース本体3の外径より大径でホース本体3が挿通される内径穴を有し、エアホース1が圧力エア源Sに接続されていないときは、保持具5がホース本体3の長手方向に摺動可能で、エアホース1が圧力エア源Sへ接続されているときは、ホース本体3の径方向における膨張により、保持具5がホース本体3に対して摺動困難なロック状態となるという特徴を有する。これにより、エアホース1を圧力エア源Sに接続する前は、保持具5(作業者に対するホース固定位置)から連結具2(手持エア工具T)までのホース長さを作業者の体格や作業姿勢に合わせて調整可能で、圧力エア源Sへ接続した後は、保持具5がホース本体3に対して位置ズレして調整したホース長さが変わることが防止される。しかも、圧力エア源Sへの接続によるホース本体3の膨張を利用するので、保持具5の構造を簡単にすることができ、ロック忘れやロックの繰り返しによる故障・破損の心配が少ない。
【0024】
(上記第一実施形態の変形例)
上記第一実施形態において、保持具5は、ホース本体3を筒状の保持部51に挿通させることにより保持することとしたが、他の保持手段を採用しても良い。また、保持具5は、手持エア工具Tに連結される連結具2までのホース長さを調整できるようにホース本体3に対して摺動可能とされていたが、ホース長さの調整が必要なければ、相対動きしないように固定されていても良い。
【0025】
上記第一実施形態において、保持部51は、ホース本体3を傷つけないように軟質樹脂で形成され、ホース本体3が膨張したときに相対摺動しないように拘束具53で保持部51の伸びを抑制するようにしたが、保持部51は、硬質樹脂で形成して拘束具53を廃止することとしても良い。また、保持部51と環状部52は、保持したホース本体3の長手方向と直交する方向に相対回転可能としても良い。なお、保持部51は、その周方向において完全に閉じられた筒体である必要は無く、拘束具等で外れないように処理されていれば、スリット等が備えられている筒状体でも良い。
【0026】
上記第一実施形態において、固定具6は、ホース本体3の向きを作業者の動きに合わせてフレキシブルに変えられるように環状体としたが、作業者の衣服や装備に対して容易に外れないように固定できるものであれば、他の形状のものを採用しても良い。また、固定具6は、保持具5と別体に形成したが、一体形成しても良く、また分離しないように固着させても良い。
【0027】
(本発明の第二実施形態)
以下、本発明の第二実施形態を図5乃至図7を参照しながら説明する。本実施形態に係るエアホース7は、第一実施形態に係るエアホース1と同様に、手持エア工具Tを圧力エア源Sに接続して、圧力エア源Sから手持エア工具Tへ圧力エアを供給するために使用され、第一実施形態とは、保持具8の構造のみが異なる。そこで、第一実施形態との共通部分については、同一符号を使用し、詳細な説明及び図面を省略する。図5(a)及び(b)は、ホース本体3に設けられた保持具8の部分拡大図であって、(b)は、(a)に対してアンカー部82を90度回転させた状態を示す。図6は、保持具8の分解状態を示し、図7は、アンカー部82の合わせ面に沿った横断面を含む一部断面図であり、ホース本体3が圧力エアの流入により内圧上昇した状態が示されている。
【0028】
(エアホース7)
本実施形態に係るエアホース7は、図1に示されるエアホース1と同様、手持エア工具Tに着脱自在に連結される連結具(ソケット)2と、連結具2が一端に固定されるホース本体3と、ホース本体3の他端に固定されて圧力エア源S側のエア供給口に着脱自在に連結される連結具(差込プラグ)4と、を備え、圧力エア源Sから、連結具4、ホース本体3、及び連結具2を介して、手持エア工具Tへ圧力エアを供給する。また、エアホース7には、撓み変形量の小さい硬質樹脂で形成され、ホース本体3の長手方向の途中部に装着されてホース本体3を保持する保持具8(図5乃至図7)が設けられている。さらに保持具8に形成される貫通穴822aには、開閉可能なゲート状の開閉部材61を有する環状の固定具6(図2参照)が挿通されており、該固定具6によって、ホース本体3が手持エア工具Tで作業する作業者の衣服又は装備類に着脱自在に固定される。
【0029】
(保持具8)
保持具8は、図5乃至図7に示されるように、ホース本体3を挿通させた状態で保持する保持部81と、これに相対回転可能に連結されるアンカー部82と、からなる。保持部81は、ホース本体3を着脱させるための切欠811aを円筒体に形成してなるC字形状部811と、その外周面に突出形成される円柱状の軸部812と、が一体的に形成されてなる。アンカー部82は、軸部812を回転自在に軸受支持する軸受部821と、エアホース7を作業者に固定する固定具6が取り付けられる平板状の環状部822と、が一体的に形成されてなる。
【0030】
(保持部81)
保持部81は、上述したようにC字形状部811と軸部812が一体形成されてなり、C字形状部811は、その内径(d)がホース本体3の外径(D)と略同径で、C字形の切目をなす切欠811aの幅(w)が外径(D)より小さく形成される。ホース本体3は、ポリウレタン製や塩化ビニール製の可撓性樹脂チューブであるため、作業者が幅狭の切欠811aへ押し込むことにより、一旦、径方向に凹むように撓み変形させられ、切欠811aの通過後に概ね円形の断面形状が復元する。これにより、概ね円筒形のC字形状部811に挿通させられた状態になる。
【0031】
逆に、作業者が切欠811aから外側へホース本体3を引き出すことにより、ホース本体3が一旦撓み変形させられた状態で切欠811aを通過して、C字形状部811から外れる。ここで、作業者の移動に伴ってホース本体3に引張力がかかった場合に、ホース本体3が切欠811aから不意に外れることが懸念される。しかしながら、作業中には圧力エア源Sとの接続によりホース本体3の内部に圧力エアが流入しており、図7に示されるように、ホース本体3を膨張させる方向の力が作用している。そのため、ホース本体3を径方向に凹ませる撓み変形を生じさせにくく、通常作業の範囲内で生じる程度の引張力であれば、切欠811aからホース本体3が容易に外れる心配はない。すなわち、圧力エア源Sへの接続の有無により、ホース本体3を切欠811aから外すことが困難なロック状態と、容易に着脱可能なアンロック状態と、が切替えられるものである。
【0032】
ただし、作業現場付近を通行する他の作業者等が不注意でホース本体3を引っ掛ける等して、ホース本体3に過大な引張力が生じたときは、ホース本体3が内部エア圧力に抗して縮径方向に凹むことに加えて、C字形状部811も多少変形するため、ホース本体3が保持具8から外れる。また、ホース本体3は、圧力エア源Sと未接続のときには、略同径のC字形状部811に対して摺動可能であるが、圧力エア源Sと接続しているときには、C字形状部811に対する接触面圧力が大きくなり、あるいは、C字形状部811による保持部分の長手方向における前後部分が、図7に示されるように、内部エア圧力で拡径してC字形状部811の端部eに食い込んで、容易に相対摺動できなくなる。すなわち、圧力エア源Sへの接続の有無により、保持具8がホース本体3に対して摺動が困難なロック状態と、摺動可能なアンロック状態と、を切替えすることができ、これにより、作業中にホース本体3の保持位置がずれることが防止される。
【0033】
軸部812は、図5乃至図7に示されるように、C字形状部811における切欠811a近くの外周面から、C字形状部811に保持されるホース本体3の長手方向と直交する方向に延びており、後述するアンカー部82の貫通穴821bによりホース本体3の長手方向と直交する方向に回転自在となるように支持される。軸部812の先端には、貫通穴821bより大径の円盤状で、後述するストッパ室821aに収容されて、軸部812が軸受部821から抜け出ないようにするストッパ812aが形成されている。
【0034】
(アンカー部82)
アンカー部82は、図6に示されるように、ヒンジHで相互連結される二つの半割体82a,82bを重ね合わせた最中状部材であり、これらの合わせ面の一方の半割体82aに設けられる係止片82cを、他方の半割体82bに設けられる係止穴82dに係止させることにより形成され、上述したように軸受部821と環状部822が一体的に設けられている。アンカー部82の軸受部821は、各半割体に設けられる半割円筒形状の凹部82e,82fで形成されて軸部812のストッパ812aを収容する円筒形状のストッパ室821aと、上記各凹部82e,82fからアンカー部82の外表面側に向けて延びる半割円筒形状の溝部82g,82hで、ストッパ室821aと同軸心位置に形成される円筒形の貫通穴821bと、を備える。
【0035】
環状部822は、上記二つの半割体82a,82bの合わせ面に沿って延びる板状片82i,82jを重ね合わせてなる板状体であり、軸受部821の貫通穴821bが形成される側とは反対側の面から延びており、図5(a)に示されるように、開閉可能な環状の固定具6を挿通するための貫通穴822aを備える。固定具6は、貫通穴822aと作業者の衣服又は装備(特にベルト通しやベルト等の閉じられた環状部材)との双方に挿通固定されることにより、保持具8を作業者に対して固定する。
【0036】
(第二実施形態に係るエアホース7の特徴)
上記のとおりであるから、エアホース7は、以下の特徴を有する。
【0037】
第一に、エアホース7は、ホース本体3の長手方向の途中部を保持する保持具8と、保持具8に設けられて、ホース本体3を作業者の衣服又は装備に対して着脱可能に固定するための固定具6と、を備えるという特徴を有する。これにより、作業者に固定されたエアホース7は、手持エア工具Tによる作業中、作業者の動きにしたがって移動し、その結果として、ホース本体3が作業者の足元に絡みつくような事態を防止する。また、高所作業中に手持エア工具Tを誤落下させても、エアホース1がストッパとなり、下方にいる作業者等に対する工具の直撃が防止される。
【0038】
第二に、保持具8は、ホース本体3を長手方向の途中部を保持する保持部81及びこれに連結される環状部822を有してなり、固定具6は、開閉可能な開閉部材61を有する環状体であって、環状部822に挿通された状態で設けられ、作業者の服又は装備に挿通させて閉じることにより、エアホース本体3を作業者に対して着脱可能に固定するという特徴を有する。ホース本体3と作業者は複数の環状体(環状部822及び固定具6)からなる鎖状体で繋がれるので、作業者に対するホース本体3の自由度が高い。すなわち、作業者が身体の向きを大きく変えても、ホース本体3が作業者の動きに追従して大きく振り回されるようなことはない。その結果として、ホースが周囲の物や人に打ちつけられたり、あるいはホースの曲げ抵抗によって作業者が動きを阻害されたりする心配が少ない。また、保持具8は、閉じた環状部52b及び環状体(固定具6)を介して固定されるため、簡単に外れることがない。
【0039】
第三に、保持具8は、ホース本体3を直接保持する保持部81と環状部822が、ホース本体3と直交する方向に相対回転可能であるという特徴を有する。これにより、ホース本体3の作業者に対する自由度が高められ、ホース本体3が振り回されたり、ホースの曲げ抵抗等で作業者が動きを制限されたりすることが防止される。
【0040】
第四に、保持具8は、ホース本体3の外径(D)と略同径の内径穴を有するC字形状部811が形成されており、これにホース本体3が挿通された状態で保持され、エアホース7が圧力エア源Sに接続されていないときは、保持具8がホース本体3の長手方向に摺動可能で、エアホース7が圧力エア源Sへ接続されているときは、ホース本体3の径方向における膨張により、保持具8がホース本体3に対して摺動困難なロック状態となるという特徴を有する。これにより、圧力エア源Sへの接続前は、保持具8(作業者に対するホース固定位置)から連結具2(手持エア工具T)までのホース長さを作業者の体格や作業姿勢に合わせて調整可能で、圧力エア源Sへの接続後は、調整したホース長さが変わることが防止される。しかも、圧力エア源Sへの接続によるホース本体3の膨張を利用するので、保持具8の構造を簡単にすることができ、ロック忘れやロックの繰り返しによる故障・破損の心配が少ない。
【0041】
第五に、保持具8は、ホース本体3の外径(D)より狭い幅(w)の切欠811aが形成される保持部81を有し、エアホース7が圧力エア源Sに接続されていないときは、ホース本体3を径方向に凹ませて切欠811aを通過させることにより、保持部81をホース本体3に着脱可能であり、エアホース7が圧力エア源Sに接続されてホース本体3に圧力エアが流入しているときは、ホース本体3を膨張させる方向の力により、ホース本体3が凹みにくくなり切欠811aから外せないロック状態になるという特徴を有する。これにより、圧力エア源Sへの接続前は、保持具8を、切欠811aからホース本体3の長手方向の任意位置に対して容易に着脱可能で、圧力エア源Sに接続した後は、ホース本体3が保持部81から不意に外れる心配がない。また、圧力エア源Sに接続することによるホース本体3の膨張を利用して、ロックするので、保持具8の構造を簡単にすることができ、ロック忘れやロックの繰り返しによる故障の心配もないものである。
【0042】
(上記第二実施形態の変形例)
上記第二実施形態において、ホース本体3の外径(D)とC字形状部811の内径(d)を略同径に形成したが、C字形状部811の内径(d)を大きく設定することにより、保持具8をホース本体3に対して摺動させ易くしても良い。
【0043】
上記第二実施形態において、保持具8は、開閉部材61を有する環状の固定具6と別体に形成したが、保持具8の環状部822に開閉部材を設ける等して、固定具と一体的に設けても良い。
【0044】
その他、本発明のエアホースは、上記第一及び第二の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得る。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】第一施形態に係るエアホースを手持エア工具に接続した状態を示す図。
【図2】保持具及び固定具の周辺拡大図。
【図3】保持具の機能を説明する図。
【図4】エアホースを接続した手持エア工具による作業の様子を示す図。
【図5】第二施形態に係るエアホースにおいて、ホース本体に設けられた保持具の部分拡大図。
【図6】保持具の分解状態を示す図。
【図7】アンカー部の合わせ面に沿った横断面を含む保持具の一部断面図。
【符号の説明】
【0046】
1 エアホース
2 連結具(ソケット)
3 ホース本体
4 連結具(差込プラグ)
5 保持具
51 保持部
52b 環状部
6 固定具(環状体)
7 エアホース
8 保持具
81 保持部
811a切欠
822 環状部
S 圧力エア源
T 手持エア工具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手持エア工具に着脱自在に連結される連結具と、該連結具が固定されるホース本体と、を備え、前記手持エア工具を圧力エア源に接続して、前記圧力エア源から前記手持工具へ圧力エアを供給するためのエアホースであって、
前記ホース本体の長手方向の途中部を保持する保持具と、
該保持具に設けられて、前記ホース本体を作業者に対して着脱可能に固定する固定具と、を備えることを特徴とするエアホース。
【請求項2】
請求項1に記載のエアホースであって、
前記保持具は、前記ホース本体の長手方向の途中部を保持する保持部と、該保持部に連結される環状部と、を有してなり、
前記固定具は、開閉可能な環状体であって、前記保持具の環状部に挿通された状態で設けられており、作業者の衣服又は装備に挿通させて閉じられることにより、前記ホース本体を作業者に対して固定することを特徴とするエアホース。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のエアホースであって、
前記保持具は、前記ホース本体の長手方向の途中部を保持する保持部と、該保持部に連結される環状部と、を有してなり、
前記環状部は、前記保持部に対して、前記保持部に保持されるホース本体の長手方向と直交する方向に相対回転可能に連結されていることを特徴とするエアホース。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のエアホースであって、
前記保持具は、前記ホース本体の外径より大径又は略同径の内径穴が形成され、該内径穴に前記ホース本体を挿通させた状態で保持する保持部を有してなり、
エアホースが前記圧力エア源に接続されていないときは、前記保持具を前記ホース本体の長手方向に摺動可能なアンロック状態となり、
エアホースが前記圧力エア源に接続されているときは、圧力エアによる前記ホース本体の膨張によって、前記保持具が前記ホース本体に対して摺動困難なロック状態となることを特徴とするエアホース。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のエアホースであって、
前記保持具は、前記ホース本体の外径より幅狭の切欠が形成される保持部を有してなり、
エアホースが前記圧力エア源に接続されていないときは、前記ホース本体を径方向に凹ませた状態で前記切欠を通過させることで前記保持部に着脱可能なアンロック状態となり、
エアホースが前記圧力エア源に接続されているときは、圧力エアによる前記ホース本体の径方向の膨張圧力によって、前記ホース本体を前記切欠から外すことが困難なロック状態となることを特徴とするエアホース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−45733(P2009−45733A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−58321(P2008−58321)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(591022243)株式会社フジマック (5)