説明

エアボンベ用接続金具

【目的】 エアボンベ用の接続金具に対して、エアホースの方向変換を可能にする機能を具備せしめることである。
【構成】 金具本体の下端口に、エアボンベの接続口に螺合接続するネジ部を設けると共に、同金具本体の他端口に開閉摘みを上方から螺嵌し、該開閉摘みの軸芯部に沿って流路孔を貫通させると共に、同開閉摘み下端の軸芯部にエアボンベ接続口の中心から突出するノズル管の先端に当接せしめる当接部を形成し、上記開閉摘みの上端口に略L形に屈曲させたエアホース用の接続パイプの基端部を回転自在に嵌挿してなるエアボンベ用接続金具。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 この考案は、エアブラシ塗装等に用いるエアボンベの接続口に取り付ける接続金具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エアブラシ塗装等に用いるエアボンベは、ボンベの上部に設けられる接続口に、接続金具を螺合接続して使用している。
図4にて示すよう、上記接続金具100は、エアボンベ200を開弁される開閉摘み103と、エアブラシ等の塗装器具にエアを供給するエアホース204の基端部を接続する接続口104を具備している。
上記接続金具100は、略筒形の金具本体101を具備し、該本体101の下端口に設けたネジ部102を上記エアボンベ200の接続口201に螺合して装着する。
金具本体101の側面には、エアホース204を接続するホース接続口104を突設し、該接続口104にエアホース204の端部を螺合接続する。
【0003】
また、上記金具本体101の上端口には開閉摘み103が螺嵌してあり、この開閉摘み103を締め込むことにより、開閉摘み103の下端にて接続口201の軸芯部に突出するノズル管203の上端を押してエアボンベ200内に設けられるバルブ機構(図示せず)を開弁する。
そして、エアボンベ200の開弁によりノズル管203から噴出したガスは、金具本体101内の流路、及びエアホース204を通過して塗装器具へ向けて供給される。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
上記したように構成される接続金具100は、 エアボンベ200の接続口201に対して螺合接続してあるため、同接続金具のホース接続口104に接続されるエアホース204とエアボンベ200との間を回転させることはできない。
したがって、塗装作業の最中にエアホースの方向が頻繁に変えられると、エアホース204がエアボンベ200自体に絡んだり、ねじれたりすることがあり、このため、作業者は作業の最中にエアボンベの方向を変えたり、エアホースの絡みやねじれを直す必要があり、作業性が悪かった。
【0005】
本考案の目的は、上記した如きエアボンベ用の接続金具に対して、エアホースの方向変換を可能にする機能を合理的に具備せしめることにより、作業中に生じるエアホースの絡みやねじれを防止することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本考案の接続金具は、エアボンベの接続口に取り付ける接続金具であって、前記金具本体を略筒形に形成し、この金具本体の下端口に、エアボンベの接続口に螺合接続するネジ部を設けると共に、同金具本体の上端口に開閉摘みを螺嵌し、該開閉摘みの軸芯部に沿って流路孔を貫通させると共に、同開閉摘みの軸芯部に、エアボンベ接続口の中芯部に突出するノズル管の先端に対し上方から当接する当接部を形成し、上記開閉摘みの上端口に略L形に屈曲させたエアホース用の接続パイプの基端部を回転自在に嵌挿してなるものである。
【0007】
【作用】
以上の手段によれば、金具本体の上端口には開閉摘みが螺嵌してある。また、上記開閉摘みの上端口には略L形に屈曲させたエアホース用の接続パイプの基端部が嵌挿され、回転自在に支持してある。よって、上記エアホースは、ガスボンベを移動させなくとも、接続パイプの回転によりその方向を自由に可変することができる。
【0008】
上記金具本体は下端口に設けたネジ部をエアボンべの接続口に螺嵌することによりエアボンベに対して装着する。
金具本体をエアボンベの接続口に接続すると、接続口の軸芯部に突出するノズル管が金具本体内の軸芯部に沿って挿入される。上記ノズル管の上端は、本体の内部にて、開閉摘みの軸芯部に設けた当接部と当接する。したがって、開閉摘みを締め込むと、ノズル管が下方に押し下げられ、エアボンベの弁機構が開弁する。
エアボンベがの弁機構が開弁すると、上記ノズル管からガスが噴出し、開閉摘みの軸芯部に沿って穿設した流路孔、及び接続パイプ内を通過して、エアホースへ供給される。
【0009】
【実施例】
以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。
図1及び図2は本考案を実施した接続金具bを示している。
接続金具bは、図3にて示すように、ガスボンベaの接続口a1に螺合して接続し、エアブラシdに連絡するエアホースcの基端部を接続して使用する。
【0010】
上記接続金具bは、エアボンベaの接続口a1に螺合接続する金具本体1に、エアボンベaのバルブを開閉する開閉摘み2と、エアホースcを接続する接続パイプ3とを嵌装することにより構成してある。
上記エアボンベaは缶容器内にLPガス等の液体ガスを封入して成る。また、エアボンベaの上部には接続金具bを接続する接続口a1を円柱形に突出形成され、その外周にネジ山を螺刻すると共に、軸芯部にノズル管a2を貫通させ上へ向けて突出させてある。
上記ノズル管a2は、エアボンベa内に設けたバルブ機構(図示せず)に接続され、付勢力に抗して下へ向けて押し下げることにより、上記バルブ機構(図示せず)が開弁し、ノズル管a2の孔からガスが噴出するように構成してある。
【0011】
金具本体1は略筒形に形成し、その下端口にエアボンベaの接続口a1に螺合するネジ部11を設け、該ネジ部11の上端面に気密保持用のOリング13を嵌装する。また、上記金具本体1の上端口には開閉摘み2を螺嵌するネジ部12を設けてある。
開閉摘み2は、略ボルト形に形成し、円筒形に形成した頭部20の下に上記金具本体1のネジ部12に螺嵌する螺合部23を形成する。
上記ネジ部12よりさらに延出する下端部には、金具本体1の通孔14に嵌挿される嵌挿部21を形成し、該嵌挿部21外周にOリング22を嵌装してある。
【0012】
上記開閉摘み2は、金具本体1の上部開口から嵌装し、螺合部23を金具本体1上端口のネジ部12に螺合する。この状態において、開閉摘み2下端の嵌挿部21は金具本体1の通孔14内に気密を保って嵌挿される。
嵌装部21と螺合部23との間には小径なくびれ部28を形成し、該くびれ部28に金具本体1の外周壁に貫通させた抜け止めネジ11の先端を突出させることにより開閉摘み2の抜け止めをしている。
【0013】
また、上記開閉摘み2は、軸芯部に沿って夫々径の異る通孔24,25を連通状に穿設してある。
開閉摘み2の下端部軸芯に沿って穿設される通孔24は、金具本体1をエアボンベaの接続口a1に螺合接続した状態にて、上記接続口a1の中心部から突出するノズル管a2の先端が嵌装される。
開閉摘み2の軸芯部中間に穿設される通孔25は、後述する接続パイプ3の基端を嵌挿する支持孔となる。
【0014】
上記通孔25と通孔24との間には、絞り部26を形成し、該絞り部26の下面側にエアボンベaのノズル管a2先端が当接するように構成してある。上記絞り部26は、ノズル管a2の先端に当接することにより、開閉摘み2のねじ込みに伴って同ノズル管a2の押し下げを可能に成し、且つ、ノズル管a2噴出するガスの流量を適度に絞る機能を有する。
【0015】
開閉摘み2の上端口に嵌挿される接続パイプ3は、略L形に屈曲して構成し、その先端にエアホースcの基端部に取り付けられる螺合金具c1を螺合させる接続ネジ部c1を設けてある。
上記接続パイプ3の基端部には開閉摘み2の通孔25内に嵌挿する軸支部32を形成し、その外周にOリング33を嵌装する。また、上記軸支部32の上部には抜け止めリング34を嵌着してある。
【0016】
上記接続パイプ3は、基端部を開閉摘み2の上端口内に嵌挿し、軸支部32を開閉摘み2の通孔25内に回転自在に気密嵌合する。また、上記接続パイプ3の基端部にはリング状の止めネジ27を嵌装し、該止めネジ27を開閉摘み2の上端口に設けたネジ部26に螺合させる。上記止めネジ27の下端は接続パイプ3基端の止めリング34に上方から当接し、接続パイプ3の抜け止めを行なう。
上記したように支持した接続パイプ3は、先端の接続ネジ部c1が水平に突出する状態で左右両方向に360゜自由に回転する。
【0017】
以上の如く構成した接続金具bは、エアボンベaの接続口a1に金具本体1下端口のネジ部11を螺合接続することにより装着する。
金具本体1の装着後、開閉摘み2を締め込むことにより、エアボンベaのノズル管a2が押し下げられ、エアボンベaのバルブ機構(図示せず)が開弁する(図2)。これにより、ノズル管a2から噴出したガスが絞り部26及び接続パイプ3の内部を通過し、エアホースcから塗装器具(図示せず)へ向けて供給される。
【0018】
塗装作業中にエアホースcの方向が変更されると、同エアホースcの基端が接続される接続パイプ3が同管3基端部を中心として自由に回転する。
また、開閉摘み2と接続パイプ3との間は自由に回転するので、開閉摘み2を開け締めする際や、金具本体1を接続口a1に対して着脱する際にも、接続パイプ3からエアホースcを取り外す必要はない。
【0019】
【考案の効果】
本考案は以上説明したように、エアホースを接続する接続パイプを略L形に屈曲させ、この接続パイプを金具本体に対して回転自在に取付支持したものであるから、作業中にエアホースの方向が頻繁に変更されても、上記接続パイプが回転することで、エアホースの絡みや、折れ、ねじれを効果的に防止し、作業性を向上することができる。
【0020】
また、エアボンベを固定装置により固定して使用していても、金具本体に接続されるエアホースの方向が自由になるので、エアボンベの設置場所の自由度を増すことができる。
【0021】
さらに、金具本体をエアボンベの接続口に対して螺合して接続する際にも、エアホースをそのままにして、金具本体だけを回転させることが可能であるから、エアホースを接続したままでも金具本体の接続作業を簡単に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案を実施した接続金具の装着状態を示す縦断面図。
【図2】 同接続金具開閉摘みを締め込んだ状態を示す縦断面図。
【図3】 エアボンベとエアブラシの接続状態を示す正面図。
【図4】 従来の接続金具を示す縦断面図。
【符号の説明】
a・・・エアボンベ
a1・・・接続口
b・・・接続金具
c・・・エアホース
1・・・金具本体
2・・・開閉摘み
3・・・接続パイプ
26・・・絞り部

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 エアボンベの接続口に取り付ける接続金具であって、前記金具本体を略筒形に形成し、この金具本体の下端口に、エアボンベの接続口に螺合接続するネジ部を設けると共に、同金具本体の上端口に開閉摘みを螺嵌し、該開閉摘みの軸芯部に沿って流路孔を貫通させると共に、同開閉摘みの軸芯部に、エアボンベ接続口の中芯部に突出するノズル管の先端に対し上方から当接する当接部を形成し、上記開閉摘みの上端口に略L形に屈曲させたエアホース用の接続パイプの基端部を回転自在に嵌挿してなるエアボンベ用接続金具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【登録番号】第3011920号
【登録日】平成7年(1995)3月29日
【発行日】平成7年(1995)6月6日
【考案の名称】エアボンベ用接続金具
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平6−14574
【出願日】平成6年(1994)11月25日
【出願人】(594193690)株式会社ビービーリッチ (7)