エアロゾル生成装置用の磁気カプリング
物質(例えば、患者への医薬)のエアロゾル供給のための装置(例えば、ネブライザ)は、マウスピース(36)と、物質を保持するチャンバ(34)と、複数の孔を有する可撓膜(38)と、孔を通じてマウスピースに噴射される物質のエアロゾル液滴の流れを形成するよう可撓膜を振動する振動器(20)とを有する。振動器は圧電素子であり得る。磁性部材(54)が可撓膜上に設けられ、可撓膜を振動器に磁気的に結合するよう構成される。磁性部材は圧電素子を浪費せずに可撓膜を交換することを可能にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、エアロゾル化された液体又は物質を供給するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル化された液体又は物質を生成し且つ供給するための装置が様々な用途のために使用される。例えば、エアロゾル化された医薬を供給するために、或いは、アイロンのような他の装置において蒸気を生成するために、それらの装置を使用し得る。
【0003】
医薬をエアロゾルの形態において患者に供給するために使用される医療装置が1950年代の半ばから使用されている。そのような装置は、例えば、喘息、膵臓繊維症、及び、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を治療するために、吸入される薬剤エアロゾル(IPA)を患者の肺内に供給するために使用される。エアロゾル化される医薬を供給するために使用される1つの種類の装置がネブライザ(噴霧器)である。ネブライザは、医薬をエアロゾル化するために、異なる種類の機構を使用し得る。超音波ネブライザは、高周波数振動を生成する振動可能素子にエネルギを供給するために、電源を利用する。これらの振動は、医薬の小さな液滴又は液体をエアロゾル化させる。一部のネブライザは、多数の孔をその中に有するメッシュを利用し得る。振動がメッシュ内に誘発されるとき、医薬を伴う液体を、エアロゾル形態において、孔を通じてマウスピースに、よって、患者に供給し得る。一般的には、メッシュ膜の廃棄は望ましくない。何故ならば、振動可能な素子は大量の鉛で作製され、それは環境を汚染し得るからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
(台湾の)Quatekという会社が、例えば、MODEL NE403というネブライザを有し、それは15mm(硬化)圧電リングから成る中央機能部分を有し、ディスク形状のステンレス鋼バネが頂部に接着されている。装置の中央には、ミスト又はアエロゾルを生成するための孔を備えるメッシュ膜があり、メッシュ膜はステンレス鋼バネに接着されている。しかしながら、上記Quatek装置内に設けられるようなメッシュ膜は、例えば、細菌、無機汚染物質、及び/又は、メッシュ上の薬品の蓄積による汚染の故に、時間の経過と共に劣化し易い。メッシュのそのような劣化は、ネブライザの有効性を低減する。メッシュ膜の洗浄は、可能であるとしても、困難で煩わしい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの特徴として、マウスピースと、液体物質を内部に保持するチャンバと、貫通する複数の孔を備える可撓膜と、可撓膜を振動させる振動器とを有する、物質のエアロゾル供給のための装置が提供される。可撓膜が振動器によって振動させられるとき、マウスピースからの供給のために、物質のエアロゾル液滴の流れが複数の孔を通じてマウスピースに噴射されるよう、可撓膜は、可撓膜が振動器に結合されることを可能にする磁性材料で構成される。
【0006】
本発明の他の特徴は、物質のエアロゾル供給のための装置内に取り外し可能に挿入されるよう構成される取り外し可能なインサートを含む。装置は、振動器を含む。取り外し可能インサートは、本体と、貫通する複数の孔を備える可撓膜と、可撓膜を本体に取り付けるための付着部材とを有する。物質のエアロゾル液滴の流れが、装置からの供給のために、複数の孔を通じて噴射されるよう、可撓膜は、取り外し可能インサートが装置内に挿入されるときに、振動器によって振動させられるよう構成される。
【0007】
本発明の更に他の特徴は、エアロゾル生成のための装置を含み、当該装置は、液体物質を内部に保持するチャンバと、貫通する複数の孔を含む可撓膜と、可撓膜を振動させる振動器と、可撓膜が振動器によって振動させられるとき、液体物質のエアロゾル液滴の流れが複数の孔を通じて噴射されるよう、可撓膜を振動器に磁気的に結合するよう構成される磁性部材とを含む。
【0008】
本発明のこれらの及び他の目的、機能、及び、特徴、並びに、構造の関連素子の動作方法及び機能、部品の組み合わせ、及び、製造経済は、添付の図面を参照して以下の記載及び付属の請求項を検討した後に明らかになるであろう。それらの全ては本明細書の一部を形成し、類似の参照番号は、様々な図面中の対応する部分(部品)を指している。しかしながら、図面は例示及び記載の目的のためだけであり、発明の限界を定めるものとして意図されていないことが明白に理解されるべきである。本明細書及び請求項において使用されるとき、不定冠詞及び定冠詞の多数形態は、文脈が明らかに他のことを指図しない限り、複数の指示対象を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ある実施態様に従った医薬供給装置を示す斜視図である。
【図2】図1の医薬供給装置を示す分解図である。
【図3】ある実施態様に従った取り外し可能なインサートを備える図1の医薬供給装置を示す断面図である。
【図4】ある実施態様に従った取り外し可能なインサートを備える図1の医薬供給装置を示す断面図である。
【図5A】振動器、磁気リング、バネ、及び、可撓膜の詳細を示す断面図である。
【図5B】振動器、磁気リング、バネ、及び、可撓膜を備えるある実施態様を詳細に示す断面図である。
【図5C】振動器、磁気リング、磁石、バネ、及び、図3及び図4の取り外し可能なインサートを備える可撓膜を備える他の実施態様を詳細に示す断面図である。
【図5D】振動器、バネ、及び、可撓膜を備えるある実施態様を詳細に示す断面図である。
【図5E】振動器、バネ、磁石、及び、可撓膜を備える他の実施態様を詳細に示す断面図である。
【図6】ある実施態様に従った振動器、バネ、磁気リング、及び、可撓膜を示す上面図である。
【図7】図6の素子の組立体を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
アエロゾル物質の供給のための装置を開示する。例示の実施態様において、当該装置は、エアロゾルによる肺への(呼吸医薬のような)医薬供給のために構成される。しかしながら、以下に更に記すように、そのような装置における機能(例えば、可撓膜、磁気部材等)及びそれらの使用は限定的であることは意図されていない。むしろ、ここに記載する機能をエアロゾル供給のために使用される他の装置においても使用し得ることが想定される。そのような他の装置は、蒸気供給のための装置(例えば、加湿装置)、織物を湿らせるための装置(例えば、アイロン)、洗浄のための装置等を含むが、それらに限定されない。当該装置は、医薬を運ぶ液体(例えば、水)の小さな液滴をもたらすよう構成され、或いは、物質が振動器及び可撓膜の組み合わせによって形成される。上述のように、可撓膜は劣化に晒され、洗浄は困難で煩わしい。よって、振動器を可撓膜から分離することは、磁気部材を介して可撓膜を振動器に磁気的に結合することによって達成される。
【0011】
図1に示すような例示の実施態様において、ネブライザとしても既知の装置10は、コンパクトで軽量な携帯型の手持ち式装置である。装置10は、(液体形態の)医薬又は他の治療物質を、呼吸中にエアロゾル形態において患者に供給するよう構成される。装置10は、複数の構造素子から組み立てられる。個々の素子を成形によって形成し得るし、或いは、その他の方法で互いに独立して形成し得る。より具体的には、装置10は、2つの部分、即ち、下方部分12又は本体と、上方部分14とを含む。上方部分14及び下方部分12は、互いに取り外し可能に接続される。ある実施態様では、上方部分及び下方部分を一体にスナップ嵌めし得る。
【0012】
装置10及びその上方部分12及び下方部分14を適切な材料で形成し得る。適切な材料は、患者又は医療専門家による安全で効果的な使用のために許容される如何なる生体適合性材料であってもよい。吸入薬剤エアロゾル供給の分野において一般的に使用される如何なる材料をも使用し得る。様々な適切な材料の例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリスルホン、又は、それらの組み合わせのような、プラスチックであり得る。
【0013】
噴霧化医療装置を形成するのに使用される当該技術分野における如何なる手段によっても装置10の部分を形成し得る。1つの実施態様では、例えば、下方部分12及び上方部分14を形成するために、射出成形を使用し得る。
【0014】
下方部分12は、バッテリパックのような電源(図示せず)と、電源をオンオフするための作動ボタン16と、装置10の使用に関する情報(例えば、医薬の種類及び/又は量、誤差読取り等)を表示するためのディスプレイ18と、ホーン装置(horn device)20(図2を参照)とを含む。作動ボタン16は、電源から装置及びその部分に電力を供給するためのスイッチである。電源は、例えば、汎用電圧充電器17を介して充電される充電式電池であり得る。しかしながら、代替的に或いは選択的に、他の形態のDC電力(例えば、12V)又はAC電力(例えば、110V、120V)を装置10と共に使用し得る。下方部分12は、その本体内に、回路構成(例えば、プリント回路板)と、プロセッサと、コントローラ(図示せず)とを含み得る。その電源は、各装置に電力を供給し得る。ある実施態様では、エアロゾル化医薬を供給するための指示を含み得るメモリ及び/又は記憶手段も設け得る。指示は、例えば、投与量、投与頻度、及び、供給し得る投与の数を含み得る。代替的には、以下に記載するように、ディスク24のような指示装置がそのような情報を含み得る。装置10の下方部分12は、エアロゾル形態の医薬液を供給し或いは医薬投与中に患者を補助するための当該技術分野において既知の多数の部品も含み得る。そのような動作部分は当該技術分野において既知であり、従って、ここでは詳細に議論しない。例えば、ある実施態様において、装置10は、ディスプレイ18に加えて或いはディスプレイ18の代わりに、可聴フィードバックを提供するための装置を含み得る。他の実施態様では、1つ又はそれよりも多くのセンサが装置10内に設けられる(センサは図2に示すようなセンサポートカバー23を含み得る)。
【0015】
同様に下方部分12に設けられるのは、ディスク24を収容するためのディスクスロット22である。医薬治療に関する情報を装置10内への入力として送信するために、ディスク24は、ディスクスロット22内に配置されるデータを含み得る。例えば、ディスク24は、出力速度及び他の変数のような、医薬の投与に関する情報を含み得る。ディスク24は、アンテナと、アンテナ内のマクロチップとを含んでもよく、マイクロチップは、事前設定量の液体医薬の供給、投与頻度、投与の数等を含む情報でプログラムされる。ディスクスロット22及びディスク24は下方部分12の本体の外側に示されているが、治療に関する情報を本体の内側にも提供し得る。
【0016】
上方部分14は、エアロゾルの流れを供給するための取り外し可能なマウスピース36を第一端部に含み、第二端部で噴霧化チャンバ46と流体連絡する。マウスピース36に隣接する上方部分14の内側には、患者の呼吸を検出し且つ薬品を供給するのを補助するために使用されるフラップ弁(図示せず)がある。上方部分14の噴霧化チャンバ46は、薬品チャンバ組立体26を収容する。薬品チャンバ組立体26は、図2の分解図中に概ね示される、チャンバ蓋28と、ラッチ29と、医薬ガイド32と、薬品チャンバ34とを含む。チャンバ蓋28は、薬品チャンバ34の本体から取り外し可能である。チャンバ蓋28を、例えば、ラッチ29を介して、薬品チャンバ34に固定し得る。ある実施態様において、チャンバ蓋28は本体から完全に取り外し可能である。他の実施態様では、薬品チャンバ34内へのアクセスを許容するために、薬品チャンバ34の本体に蝶番式に接続されるようチャンバ蓋28を構成し得る。チャンバ蓋28は、スロットの閉塞及びスロットとの接続のために、薬品チャンバ34上のスロット内に延びるピンを有し得る。医薬ガイド32も薬品チャンバ34から取り外し可能である。例えば、洗浄のために、そのような装置を取り外し得る。また、患者又は使用者が液体薬品を薬品チャンバ34内に加え得るよう、チャンバ蓋28を取り外し得る。
【0017】
薬品チャンバ34は、薬品、医薬、又は、他の治療物質を包含する液体52を保持する。液体52を、ピペットを介して、薬品チャンバ34に移動し得るし、薬品チャンバ34は、液体52の形態の薬品又は物質を内部に含む(事前封止)使い捨て薬品組立体を含み得る。薬品チャンバ34及び医薬ガイド32は、液体薬品又は物質52をホーン装置20に向かって方向付けるために使用される。薬品チャンバ34は、ホーン装置20の上に配置され、例えば、センサポートカバー23に隣接して下方部分12内に固定される。図2に示すように、ホーン装置20は、下方部分12の拡張部21から延び、チャンバ本体の底部分にある開口(図示せず)を通じて薬品チャンバ34内に嵌入するよう構成される。
【0018】
ホーン装置20は、下方部分12の本体内に収容される(例えば、プリント回路板に接続された)回路構成及びコントローラと連絡する振動器44と連絡する。振動器44の振動力は、薬品チャンバ34と接触するホーン装置20に伝達される。従って、ホーン装置20及び振動器44は、可撓膜から噴射されるべき薬品又は物質のエアロゾルを形成するために、薬品チャンバ34内の可撓膜38を超音波振動するよう構成される。そのような振動は可撓膜38を通じて液体薬品52を押し、エアロゾル62を形成する。
【0019】
図5に詳細に示すように、バネ素子48は振動器44に対して位置付けられる外周を有する。それらの装置が互いに接触し合うとき、振動器44は超音波振動(ultrasonic vibration)(又は発振(oscillation))をバネ素子48に、よって、可撓膜38に供給する。振動器44はリング又はディスクの形態の圧電素子であり得る。振動器44を如何なる数の材料からも形成し得る。ある実施態様では、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)のような鉛を基材とした材料で圧電素子を形成し得る。バネ素子48は、円形、ディスク形状、又は、その他の形状であり得る。バネ素子48を振動器44に取り付け或いは接続し得る。例えば、1つの実施態様において、バネ素子48は接着剤(例えば、エポキシ)を介して振動器に付着される。使用のために組み立てられるときに可撓膜38によって覆われる開口がバネ素子48に設けられる。バネ素子を軟磁性(磁化されないが磁石に引き付けられる)、強磁性(磁化される)、又は、非磁性材料で作製し得る。ある実施態様において、バネ素子48はステンレス鋼材料又は他の金属で作製される。この開示の目的のために、「磁性」という用語は、磁石によって引き付けられる材料として定義付けられる。「磁化される」という用語は、磁石であり且つ(磁性材料を引き付ける)残留磁場を有する素子として定義付けられる。一部の場合には、他の磁性又は磁化材料に対する特別な極性及び/又は磁場構成によって磁性材料を定義付け得る。よって、磁性という総称は、磁化材料、並びに、磁石に引き付けられる材料の双方を指す。軟磁性材料及び磁石は互いに引き付けられる。追加的及び/又は代替的に、電磁材料を軟磁性素子(電流が流れないとき)又は磁石(電流が流れるとき)のいずれかとして使用し或いは提供し得る。ここに記載する素子のための材料の使用及び組み合わせは限定的ではない。磁性材料及び磁化材料を使用する実施態様に関する更なる記載を以下に提供する。
【0020】
可撓膜38は、薬品チャンバ34内に設けられるメッシュ又は篩であり得る。可撓膜38は、第一(上方)表面40と、第二(下方)表面42とを含み、それらを通じて延びる複数の孔を有する。可撓膜38の孔は、如何なる形状(例えば、円錐形、テーパ状)及び/又は大きさであってもよく、そのような実施態様は本開示の範囲内にある。ある実施態様において、孔は円錐形であり、第二表面42(例えば、液体入力側)に25マイクロメートル(μm)の直径を含む円形断面を備え、第一表面40(例えば、エアロゾル出力側)に3マイクロメートル(μm)の直径を含む円形断面を備える。装置は液体薬品52のエアロゾル62を創成するのを補助する。可撓膜38は如何なる数の材料をも含み得る。1つの実施態様において、可撓膜38は非磁性材料で作製される。例えば、可撓膜38をKaptonのようなポリイミド材料で作製し得る。他の実施態様において、可撓膜38はニッケル又はニッケルパラジウム合金のような(軟)磁性材料であり得る。
【0021】
組立時、可撓膜38の第一(上方)表面40は、マウスピース36と流体連絡する。組立時、第二(下方)表面42は、薬品チャンバ34内に収容される液体52と流体連絡する。例えば、戻って図5を参照すると、振動器44(例えば、圧電リング)によって振動されるバネ素子48からの振動を可撓膜38が受け取り得るよう、可撓膜38をバネ素子48に隣接して位置付け得る。このようにして、液体薬品52が可撓膜38の第二(下方)表面42に隣接し、且つ、可撓膜38が振動させられるとき、液体薬品52は孔を通じて第一(上方)表面40に向かって移動され、吸入のためにエアロゾル62としてマウスピース36に噴射される。振動器44の振動又は発振は、(図3中に矢印Aによって示されるような)概ね水平な方向にあるのに対し、バネ素子48及び可撓膜38は、(図3中に矢印Bによって示されるような)概ね垂直な方向に移動(振動)する。
【0022】
上記で議論したように、可撓膜38は使用と共に時間の経過に亘って汚染され或いは劣化されるようになり得る。開示の構造は、(例えば、振動(圧電)素子44の鉛材料(例えば、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)又は他の材料で)環境を汚染させることなく、取り外し可能で使い捨て可能な可撓膜38を提供する。
【0023】
装置10内に、可撓膜38及び振動バネ素子48を共に取り外し可能に付着するよう構成される磁性結合部材(磁性カプリング部材)(magnetic coupling member)54を設け得る。磁性結合部材54は、それが可撓膜38に付着されるのを許容すると同時に、可撓膜が振動してエアロゾルを生成するのを可能にする、如何なる形状であってもよい。ある実施態様において、磁性結合部材54及び可撓膜38は、単一の分離不能な素子として形成される。他の実施態様では、磁性結合部材54及び可撓膜38を互いに取り外し可能に付着し得る。
【0024】
1つの実施態様において、磁性結合部材54は、リングの形状にある。磁性結合部材又はリング54は、可撓膜38の第一表面40又は第二表面42の一方の上に設けられる。例示の実施態様において、磁性リング54は、可撓膜38の第一(上方)表面40の上に設けられている。実施態様において、可撓膜38は、可撓膜38に接着された、可撓膜38の上に蒸着(堆積)された、或いは、ガルバニ手段によって可撓膜38の上で成長させられた、(軟)磁性リング54を含み得る。1つの実施態様では、磁性リング54と(磁性リング54に引き付けられる材料で作製し得る)可撓膜38との間の磁力のみが、磁性リング54を可撓膜38に固定する。磁性リング54は、複数の孔を通じる液体52のエアロゾル液滴の流れの供給又は噴射のために、(例えば、磁性リング54に磁気的に引き付けられる材料で作製し得る図5Aに示されるようなバネ素子48によって)可撓膜38を振動器44に磁気的に結合するよう構成される。磁性リング54は可撓膜38をバネ素子48に保持する磁力をもたらす。
【0025】
他の実施態様において、磁性リング54を装置内の他の素子と取り外し可能に磁気的に結合し得る。例えば、図5B及び図5Cに示されるように、第二磁性部材64を装置10内に設け得る。第二磁性部材64は、磁性リング54と磁気的に結合し、それによって、可撓膜38を振動器44に結合する。第二磁性部材64は、任意の数の磁性材料又は磁化材料を含み得るが、それらに限定されるべきではない。ある実施態様において、第二磁性部材64は、NdFeB材料を含む。磁性リング54を磁性部材64に磁気的に引き付け得るよう、第二磁性部材64をリング形状(又は他の形状)に形成し、噴霧化チャンバに対して取り付け得る。第二磁性部材64を(例えば、第二(下方)表面に隣接して)バネ素子48より下に取り付け得る。ある実施態様では、第二磁性部材64がバネ素子48又は可撓膜38のいずれにも触れないが、依然として磁性リング54を引き付けるよう、第二磁性部材64をバネ素子48からある距離だけ離間し得る。
【0026】
上記の実施態様において可撓膜38、バネ素子48、磁性リング54、及び/又は、第二磁性部材を引き付けるために使用される磁力を、それらの素子のそれぞれを形成するために使用される材料に基づき決定し得る。例えば、図5Aに示される例示的な実施態様では、バネ素子48を磁性の或いは磁化された材料で作製し得る。(よって、バネ素子48は磁性リング54を直接的に引き付け得るので、例えば、図5Bに示されるような第二磁性部材64を設ける必要はない)。
【0027】
代替的に、バネ素子が非磁性材料で作製される実施態様では、図5Bに示されるように、磁性リング54を装置10内の振動器44に磁気的に結合し得るよう、第二磁性部材64を設け得る。可撓膜38が軟磁性材料で作製されるならば、第二磁性部材64の材料に直接的に引き付けられる材料で磁性リング54Aを形成し得る。ある実施態様では、磁性リング54Aが軟磁性材料で作製されるならば、第二磁性部材64は、磁性リング54Aが第二磁性部材64に間接的に引き付けられることを可能にし得る材料を含み得る。
【0028】
ある実施態様では、第二磁性部材64が磁化されるならば、(即ち、磁場を生成するならば)、磁性リング54を磁性材料で作製し得る。代替的に、ある実施態様では、磁性リング54を磁化材料で作製し、第二磁性部材64を磁性材料で作製し得る。
【0029】
図5Dに示されるように、更に他の実施態様では、バネ素子48は磁化材料を含み得るし、可撓膜38を磁性材料で作製し得る。よって、可撓膜38をバネ素子48に直接的に引き付け得る。他の実施態様において、バネ素子48は、非磁性材料又は軟磁性材料を含み得る。従って、ある実施態様では、図5Eに示されるように、第二磁性部材64を設け得る。可撓膜38が磁性材料を含むならば、第二磁性部材64は、磁化材料を含み得る。逆に、可撓膜38が磁化されるならば、第二磁性部材64を磁性材料で作製し得る。
【0030】
上記の実施態様では、磁性リング54は、例えば、可撓膜38が洗浄中に交換されることを可能にする。しかしながら、図5D及び図5Eの例示的な実施態様によって示されるように、磁性リング54が装置10内の可撓膜38を備える必要がないことも本開示の範囲内にある。装置を洗浄し且つ可撓膜38を交換するために、ネブライザ10の上方部分14を下方部分から分解し、その追加的部分を取り外し得る。具体的には、チャンバ蓋28及び可撓膜38をネブライザ10の他の構成部品から分離し得る。可撓膜38と振動器44とを共に結合する磁力を破壊することによって、必要に応じて可撓膜38を取り外し且つ交換し得る。
【0031】
ある実施態様では、(上方部分内に取り外し可能に挿入されるよう構成される)取り外し可能なインサート30を上方部分14内に(図3及び図4により詳細に示す)設け得る。1つの実施態様において、取り外し可能なインサート30は、取り外し可能なインサートに付着される可撓膜38を有する。取り外し可能なインサート30は、使用のために組み立てられるときに可撓膜38が(例えば、既存の磁力の故に)バネ素子48と接触し且つ係合するよう、噴霧化チャンバ46及びマウスピース36に対して位置付けられる。図3及び図4に示されるように、取り外し可能なインサート30は、上方部分14の壁内に適合し且つ摺動するよう形成され且つ成形される本体31を含み得る。本体31の底部分33は、底部に付着された磁性リング54を有し得る。
【0032】
ある実施態様では、磁性リング54を、バネ、一組のバネ、チューブ、又は、ベローズの形態であり得る付着部材(取付け部材)56を介して、取り外し可能なインサート本体30の底部分33に付着し得る。例えば、付着部材56は円形又はディスク形状であり、図4中にバネ56によって示されるように、付着部材56を本体の底部分に付着し得る。ある実施態様において、付着部材56は、一端で磁性リング54の周縁の周りに固定され且つ他端で取り外し可能なインサート30に付着される、一組の2つ又はそれよりも多くの別個のワイヤ(又は弾性バンド又はバネ)を含み得る。付着部材56をインサート30の一体的な部分として設け得るし、付着部材56をインサート30の一部に(例えば、接着剤を介して)付着し得る。例えば、付着部材56がインサート30の一体的な部分である実施態様において、インサート30は、図5Cに示されるように蛇腹型バネ56Aを形成するよう折り畳まれる多数の(例えば、3又は4の)径方向条片(strip)を含み得る。蛇腹型バネ56Aの条片を、その一端でインサート30の底部分に接着し、他端で磁性リング54に固定し得る。
【0033】
可撓膜38及び磁性リング54が振動し得ると共に、エアロゾル化された医薬が可撓膜を通ることを可能にするよう、付着部材56を設け得る。従って、磁性リング54が付着された取り外し可能なインサート30は、可撓膜38が薬品チャンバ組立体26から取り外され且つ交換されることを可能にする。その構成は、(例えば、バネ素子48自体又は第二磁性部材64を介して)バネ素子48付近に存在する磁力によって可撓膜38を所定位置に引き得るよう、可撓膜38をバネ素子48の開口に対して心合わせもする。ある実施態様において、付着部材56の懸架は軽量である。
【0034】
例えば、ある実施態様では、インサート30全体を取り外し、新しい未使用又は清浄な可撓膜38と可撓膜に付着される磁性リング54とを備える新しいインサート30と交換し得る。他の実施態様では、インサート30から可撓膜38を取り外し、新しい未使用又は清浄な可撓膜38と交換し得る。他の実施態様では、可撓膜38及び磁性結合リング54の両方を取り外し且つ交換し得る。
【0035】
ある実施態様において、磁性結合リング54は、磁性材料の磁化率及びリングの大きさに依存して、約0.2〜50ミクロンの間の厚みを有し得るが、それらのいずれも限定的であるべきではない。1つの実施態様において、磁性結合リング54は、約1ミクロンの厚みを有し得る。ある実施態様において、鉄製の磁性リング54は、5000のオーダの比透磁率を有する。代替的に、ニッケル製の磁性リングは、600のオーダの比透磁率を有し、フェライトT38製の磁性リングは、10000のオーダの比透磁率を有し、Kovar(Fe54Ni29Co17)製の磁性リングは、1000〜5000のオーダの比透磁率を有し得る。ある実施態様では、磁性リング54をNeoflux(NiFeB)材料又はFe/Ni材料で作製し得る。
【0036】
組立時、下方部分12及び上方部分14は、薬品チャンバ組立体26をカプセル化する。その中に同様に設けられるのは、可撓膜38が付着された取り外し可能なインサート30である。図6は、図5に関して記載したように、バネ48と、磁性リング54と、可撓膜38とを備える振動器44の組立体の実施例を例示している。各部分は概ね円形又は概ね環状であり、図7の組立体において示すように、互いに重なり合うよう各部分を形成し得る。
【0037】
ある実施態様において、バネ素子48は、磁力が磁性結合リング54をバネ素子48に引き付けるような材料で作製される。可撓膜38の第二(下方)表面42は、バネ素子48の頂面(並びにホーン装置20の頂面20a)と接触し得る。例えば、図3及び図4に示すように、バネ素子48を下方部分12内のOリング50に対しても位置付け得る。上方部分14及び下方部分12を共に固定するために、並びに、それらの中の部品(例えば、バネ素子38及び振動器44)を概ね固定するために、追加的なOリング58A及び58B又は他のシールも設け得る。例えば、Oリング50及び58Aは、バネ素子48をそれらの間に締め付けることによって、バネ素子48を懸架するのを補助する。損傷が起こらないよう、Oリング50は、液体52をバネ素子48及びあらゆる関連する電子部品(例えば、電極)から離れた状態に維持するのも補助する。
【0038】
振動器44は、下方部分12の本体内に収容される回路構成によって駆動されるときに振動(又は発振)するよう構成される。例示の目的だけのために、図3は、回路構成60を介して駆動電圧を振動器44に提供し得ることを概ね示している。圧電材料を使用する実施態様において、回路構成60による印可電圧は、(矢印Aによって示すような)概ね水平な動作において圧電材料44を拡張収縮させる。この動作に応答して、バネ素子38は、可撓膜38への振動又は発振を(矢印Bによって示すような)概ね垂直な方法において活用する。圧電素子44の発振によって引き起こされる振動運動は、ホーン装置20にも移転される。振動運動は、薬品チャンバ34及び隣接する可撓膜38内の液体52に孔を通過させる。メッシュ28の第一(上方)表面40で孔から出る液体薬品はエアロゾル化される。孔からの噴射後、エアロゾル化された液体62は、第一表面40からマウスピース36内に進む。次に、患者はマウスピース36を通じてエアロゾル化された液体62を吸入し得る。
【0039】
ここで議論した実施態様のいずれかにおける磁性結合部材は、振動器44の浪費又は廃棄を伴わずに、可撓膜38の交換を可能にする。
【0040】
ここに記載した例示の実施態様の磁性結合リング54は限定的であるべきではない。例えば、ある実施態様において、磁性結合リング54は、バネ素子48及び振動器44への取り外し可能な取付けのために、可撓膜38の第二(下方)表面42に取り付けられる。
【0041】
他の実施態様では、可撓膜38を(例えば、付着部材56を介して)取り外し可能なインサート30に付着し得る。そのような実施態様において、磁性リング54は、図3及び図4に示されるように取り外し可能なインサート30に付着されない。むしろ、可撓膜38は、バネ素子48に付着される磁性リング54を有することなく、可撓膜38がバネ素子48に取り外し可能に付着されることを可能にする、代替的な部材を含み得る。例えば、可撓膜38は、(例えば、少なくとも磁性結合リング54への接続を許容する場所において)その上に塗工される磁性材料を有し得る。よって、取り外し可能なインサート30が装置10内に配置されるとき、可撓膜38の磁性材料塗膜をバネ素子48に引き付け得る。
【0042】
いずれの場合においても、ここに記載する素子のいずれの順序及び接続は、可撓膜38が装置10のバネ素子48によって磁気的に引き付けられるような順序及び接続である。
【0043】
ここに記載する装置10を、例えば、膵臓繊維症、喘息、及び、COPD(肺動脈高血圧(PAH))の治療のために使用し得る。図面中に示されるネブライザ10の脈絡において議論したが、本発明を他のネブライザ及び/又は装置と共に利用し得ることが想定される。また、装置10は如何なる一般的な粒子サイズの如何なるエアロゾルと共にも動作するよう設計され、粒子サイズ分布は限定的であるべきではない。ある実施態様において、平均エアロゾル粒子サイズは、0.1〜10マイクロメートルである。他の実施態様において、平均粒子サイズは、0.5〜5マイクロメートルである。更に他の実施態様において、エアロゾル粒子サイズは、サブミクロンサイズである。サブミクロンサイズの粒子の例は、ナノ粒子である。
【0044】
ある実施態様において、取り外し可能なインサート30は、より小さい構造を含み得るし、或いは、取り外し可能なインサート30は、全く提供されない。例えば、ある実施態様において、取り外し可能なインサート30は、可撓膜38及びバネ素子48が互いに接続される限り、下方部分12に対して適合するよう形成及び/又は成形される本体31を含み得る。また、本体31は上方部分14及び/又が下方部分12の壁内に或いは壁に直接的に隣接して適合又は摺動するように形成される必要がない。代替的に、他の実施態様では、可撓膜38及び磁性結合リング54は、取り外し可能なインサート30を含まなくてもよく、磁性接続を遮断するよう可撓膜38及び/又は磁性結合リング54を直接的に把持することによって、可撓膜38及び/又は磁性結合リング54を装置10から取り外し可能であってもよい。
【0045】
また、装置10の上述の機能は限定的であることが意図されないことが付記されなければならない。更に、ここに詳細に記載し得なかった他の既知の機能も限定的であってはならない。例えば、治療の数及び/又は治療時間は限定的であってはならない。装置のための圧力、流速、動作圧力、動作流速、及び、薬品/液体の投与の頻度も限定的ではない。
【0046】
可撓膜38は、如何なる大きさの如何なる数の孔又は微細孔をも有し得る。ある実施態様において、例えば、可撓膜は、3ミクロンの大きさの5000〜6000の孔を含むメッシュを含み得る。その上、可撓膜38、磁性部材54、及び/又は、上述の他の素子の使用は、治療のために使用される装置10との使用に限定されることは意図されない。例えば、他の形態の治療としてエアロゾルを供給するよう構成される器具においてそのような機能を使用し得ることが想定される。可撓膜38及び磁性部材54を家庭用電化製品において使用し得る。ある実施態様において、アイロンを用いた蒸気アイロン掛けにおけるように織物を湿らせるために機能を使用し得る。代替的に、蒸気供給のための装置(例えば、加湿装置)、洗浄のための装置等のための代替的な装置において、そのような機能を使用し得る。
【0047】
患者は、吸入される薬剤エアロゾルが供給されることが望ましい人である。「患者」という用語の定義は、病気の人並びに健康な人の両方を含む。
【0048】
ミスト形成の閾値は、98kHzで、ピーク間10ボルトの駆動電圧にあり得る。一部の場合、液体52と接触するようになり得る材料又は素子は、劣化防止のために、遮蔽層で覆われ或いは塗工される必要があり得る。例えば、ニッケル、金、又は、他の任意の適切な無毒性及び非腐食性材料のような材料を、1つ又はそれよりも多くの素子の上に層の形態において塗布し得る。
【0049】
現時点で最も実用的且つ好適な実施態様であると考えられるものに基づき本発明を例証の目的のために詳細に記載したが、そのような詳細は専らその目的のためであること、並びに、本発明は開示の実施態様に限定されず、逆に、付属の請求項の精神及び範囲内にある変形及び均等構成をカバーすることが意図されることが理解されるべきである。例えば、本発明は、可能な限り、任意の実施態様の1つ又はそれよりも多くの機能を任意の他の実施態様の1つ又はそれよりも多くの機能と組み合わせ得ることを想定することが理解されるべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、エアロゾル化された液体又は物質を供給するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル化された液体又は物質を生成し且つ供給するための装置が様々な用途のために使用される。例えば、エアロゾル化された医薬を供給するために、或いは、アイロンのような他の装置において蒸気を生成するために、それらの装置を使用し得る。
【0003】
医薬をエアロゾルの形態において患者に供給するために使用される医療装置が1950年代の半ばから使用されている。そのような装置は、例えば、喘息、膵臓繊維症、及び、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を治療するために、吸入される薬剤エアロゾル(IPA)を患者の肺内に供給するために使用される。エアロゾル化される医薬を供給するために使用される1つの種類の装置がネブライザ(噴霧器)である。ネブライザは、医薬をエアロゾル化するために、異なる種類の機構を使用し得る。超音波ネブライザは、高周波数振動を生成する振動可能素子にエネルギを供給するために、電源を利用する。これらの振動は、医薬の小さな液滴又は液体をエアロゾル化させる。一部のネブライザは、多数の孔をその中に有するメッシュを利用し得る。振動がメッシュ内に誘発されるとき、医薬を伴う液体を、エアロゾル形態において、孔を通じてマウスピースに、よって、患者に供給し得る。一般的には、メッシュ膜の廃棄は望ましくない。何故ならば、振動可能な素子は大量の鉛で作製され、それは環境を汚染し得るからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
(台湾の)Quatekという会社が、例えば、MODEL NE403というネブライザを有し、それは15mm(硬化)圧電リングから成る中央機能部分を有し、ディスク形状のステンレス鋼バネが頂部に接着されている。装置の中央には、ミスト又はアエロゾルを生成するための孔を備えるメッシュ膜があり、メッシュ膜はステンレス鋼バネに接着されている。しかしながら、上記Quatek装置内に設けられるようなメッシュ膜は、例えば、細菌、無機汚染物質、及び/又は、メッシュ上の薬品の蓄積による汚染の故に、時間の経過と共に劣化し易い。メッシュのそのような劣化は、ネブライザの有効性を低減する。メッシュ膜の洗浄は、可能であるとしても、困難で煩わしい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの特徴として、マウスピースと、液体物質を内部に保持するチャンバと、貫通する複数の孔を備える可撓膜と、可撓膜を振動させる振動器とを有する、物質のエアロゾル供給のための装置が提供される。可撓膜が振動器によって振動させられるとき、マウスピースからの供給のために、物質のエアロゾル液滴の流れが複数の孔を通じてマウスピースに噴射されるよう、可撓膜は、可撓膜が振動器に結合されることを可能にする磁性材料で構成される。
【0006】
本発明の他の特徴は、物質のエアロゾル供給のための装置内に取り外し可能に挿入されるよう構成される取り外し可能なインサートを含む。装置は、振動器を含む。取り外し可能インサートは、本体と、貫通する複数の孔を備える可撓膜と、可撓膜を本体に取り付けるための付着部材とを有する。物質のエアロゾル液滴の流れが、装置からの供給のために、複数の孔を通じて噴射されるよう、可撓膜は、取り外し可能インサートが装置内に挿入されるときに、振動器によって振動させられるよう構成される。
【0007】
本発明の更に他の特徴は、エアロゾル生成のための装置を含み、当該装置は、液体物質を内部に保持するチャンバと、貫通する複数の孔を含む可撓膜と、可撓膜を振動させる振動器と、可撓膜が振動器によって振動させられるとき、液体物質のエアロゾル液滴の流れが複数の孔を通じて噴射されるよう、可撓膜を振動器に磁気的に結合するよう構成される磁性部材とを含む。
【0008】
本発明のこれらの及び他の目的、機能、及び、特徴、並びに、構造の関連素子の動作方法及び機能、部品の組み合わせ、及び、製造経済は、添付の図面を参照して以下の記載及び付属の請求項を検討した後に明らかになるであろう。それらの全ては本明細書の一部を形成し、類似の参照番号は、様々な図面中の対応する部分(部品)を指している。しかしながら、図面は例示及び記載の目的のためだけであり、発明の限界を定めるものとして意図されていないことが明白に理解されるべきである。本明細書及び請求項において使用されるとき、不定冠詞及び定冠詞の多数形態は、文脈が明らかに他のことを指図しない限り、複数の指示対象を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ある実施態様に従った医薬供給装置を示す斜視図である。
【図2】図1の医薬供給装置を示す分解図である。
【図3】ある実施態様に従った取り外し可能なインサートを備える図1の医薬供給装置を示す断面図である。
【図4】ある実施態様に従った取り外し可能なインサートを備える図1の医薬供給装置を示す断面図である。
【図5A】振動器、磁気リング、バネ、及び、可撓膜の詳細を示す断面図である。
【図5B】振動器、磁気リング、バネ、及び、可撓膜を備えるある実施態様を詳細に示す断面図である。
【図5C】振動器、磁気リング、磁石、バネ、及び、図3及び図4の取り外し可能なインサートを備える可撓膜を備える他の実施態様を詳細に示す断面図である。
【図5D】振動器、バネ、及び、可撓膜を備えるある実施態様を詳細に示す断面図である。
【図5E】振動器、バネ、磁石、及び、可撓膜を備える他の実施態様を詳細に示す断面図である。
【図6】ある実施態様に従った振動器、バネ、磁気リング、及び、可撓膜を示す上面図である。
【図7】図6の素子の組立体を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
アエロゾル物質の供給のための装置を開示する。例示の実施態様において、当該装置は、エアロゾルによる肺への(呼吸医薬のような)医薬供給のために構成される。しかしながら、以下に更に記すように、そのような装置における機能(例えば、可撓膜、磁気部材等)及びそれらの使用は限定的であることは意図されていない。むしろ、ここに記載する機能をエアロゾル供給のために使用される他の装置においても使用し得ることが想定される。そのような他の装置は、蒸気供給のための装置(例えば、加湿装置)、織物を湿らせるための装置(例えば、アイロン)、洗浄のための装置等を含むが、それらに限定されない。当該装置は、医薬を運ぶ液体(例えば、水)の小さな液滴をもたらすよう構成され、或いは、物質が振動器及び可撓膜の組み合わせによって形成される。上述のように、可撓膜は劣化に晒され、洗浄は困難で煩わしい。よって、振動器を可撓膜から分離することは、磁気部材を介して可撓膜を振動器に磁気的に結合することによって達成される。
【0011】
図1に示すような例示の実施態様において、ネブライザとしても既知の装置10は、コンパクトで軽量な携帯型の手持ち式装置である。装置10は、(液体形態の)医薬又は他の治療物質を、呼吸中にエアロゾル形態において患者に供給するよう構成される。装置10は、複数の構造素子から組み立てられる。個々の素子を成形によって形成し得るし、或いは、その他の方法で互いに独立して形成し得る。より具体的には、装置10は、2つの部分、即ち、下方部分12又は本体と、上方部分14とを含む。上方部分14及び下方部分12は、互いに取り外し可能に接続される。ある実施態様では、上方部分及び下方部分を一体にスナップ嵌めし得る。
【0012】
装置10及びその上方部分12及び下方部分14を適切な材料で形成し得る。適切な材料は、患者又は医療専門家による安全で効果的な使用のために許容される如何なる生体適合性材料であってもよい。吸入薬剤エアロゾル供給の分野において一般的に使用される如何なる材料をも使用し得る。様々な適切な材料の例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリスルホン、又は、それらの組み合わせのような、プラスチックであり得る。
【0013】
噴霧化医療装置を形成するのに使用される当該技術分野における如何なる手段によっても装置10の部分を形成し得る。1つの実施態様では、例えば、下方部分12及び上方部分14を形成するために、射出成形を使用し得る。
【0014】
下方部分12は、バッテリパックのような電源(図示せず)と、電源をオンオフするための作動ボタン16と、装置10の使用に関する情報(例えば、医薬の種類及び/又は量、誤差読取り等)を表示するためのディスプレイ18と、ホーン装置(horn device)20(図2を参照)とを含む。作動ボタン16は、電源から装置及びその部分に電力を供給するためのスイッチである。電源は、例えば、汎用電圧充電器17を介して充電される充電式電池であり得る。しかしながら、代替的に或いは選択的に、他の形態のDC電力(例えば、12V)又はAC電力(例えば、110V、120V)を装置10と共に使用し得る。下方部分12は、その本体内に、回路構成(例えば、プリント回路板)と、プロセッサと、コントローラ(図示せず)とを含み得る。その電源は、各装置に電力を供給し得る。ある実施態様では、エアロゾル化医薬を供給するための指示を含み得るメモリ及び/又は記憶手段も設け得る。指示は、例えば、投与量、投与頻度、及び、供給し得る投与の数を含み得る。代替的には、以下に記載するように、ディスク24のような指示装置がそのような情報を含み得る。装置10の下方部分12は、エアロゾル形態の医薬液を供給し或いは医薬投与中に患者を補助するための当該技術分野において既知の多数の部品も含み得る。そのような動作部分は当該技術分野において既知であり、従って、ここでは詳細に議論しない。例えば、ある実施態様において、装置10は、ディスプレイ18に加えて或いはディスプレイ18の代わりに、可聴フィードバックを提供するための装置を含み得る。他の実施態様では、1つ又はそれよりも多くのセンサが装置10内に設けられる(センサは図2に示すようなセンサポートカバー23を含み得る)。
【0015】
同様に下方部分12に設けられるのは、ディスク24を収容するためのディスクスロット22である。医薬治療に関する情報を装置10内への入力として送信するために、ディスク24は、ディスクスロット22内に配置されるデータを含み得る。例えば、ディスク24は、出力速度及び他の変数のような、医薬の投与に関する情報を含み得る。ディスク24は、アンテナと、アンテナ内のマクロチップとを含んでもよく、マイクロチップは、事前設定量の液体医薬の供給、投与頻度、投与の数等を含む情報でプログラムされる。ディスクスロット22及びディスク24は下方部分12の本体の外側に示されているが、治療に関する情報を本体の内側にも提供し得る。
【0016】
上方部分14は、エアロゾルの流れを供給するための取り外し可能なマウスピース36を第一端部に含み、第二端部で噴霧化チャンバ46と流体連絡する。マウスピース36に隣接する上方部分14の内側には、患者の呼吸を検出し且つ薬品を供給するのを補助するために使用されるフラップ弁(図示せず)がある。上方部分14の噴霧化チャンバ46は、薬品チャンバ組立体26を収容する。薬品チャンバ組立体26は、図2の分解図中に概ね示される、チャンバ蓋28と、ラッチ29と、医薬ガイド32と、薬品チャンバ34とを含む。チャンバ蓋28は、薬品チャンバ34の本体から取り外し可能である。チャンバ蓋28を、例えば、ラッチ29を介して、薬品チャンバ34に固定し得る。ある実施態様において、チャンバ蓋28は本体から完全に取り外し可能である。他の実施態様では、薬品チャンバ34内へのアクセスを許容するために、薬品チャンバ34の本体に蝶番式に接続されるようチャンバ蓋28を構成し得る。チャンバ蓋28は、スロットの閉塞及びスロットとの接続のために、薬品チャンバ34上のスロット内に延びるピンを有し得る。医薬ガイド32も薬品チャンバ34から取り外し可能である。例えば、洗浄のために、そのような装置を取り外し得る。また、患者又は使用者が液体薬品を薬品チャンバ34内に加え得るよう、チャンバ蓋28を取り外し得る。
【0017】
薬品チャンバ34は、薬品、医薬、又は、他の治療物質を包含する液体52を保持する。液体52を、ピペットを介して、薬品チャンバ34に移動し得るし、薬品チャンバ34は、液体52の形態の薬品又は物質を内部に含む(事前封止)使い捨て薬品組立体を含み得る。薬品チャンバ34及び医薬ガイド32は、液体薬品又は物質52をホーン装置20に向かって方向付けるために使用される。薬品チャンバ34は、ホーン装置20の上に配置され、例えば、センサポートカバー23に隣接して下方部分12内に固定される。図2に示すように、ホーン装置20は、下方部分12の拡張部21から延び、チャンバ本体の底部分にある開口(図示せず)を通じて薬品チャンバ34内に嵌入するよう構成される。
【0018】
ホーン装置20は、下方部分12の本体内に収容される(例えば、プリント回路板に接続された)回路構成及びコントローラと連絡する振動器44と連絡する。振動器44の振動力は、薬品チャンバ34と接触するホーン装置20に伝達される。従って、ホーン装置20及び振動器44は、可撓膜から噴射されるべき薬品又は物質のエアロゾルを形成するために、薬品チャンバ34内の可撓膜38を超音波振動するよう構成される。そのような振動は可撓膜38を通じて液体薬品52を押し、エアロゾル62を形成する。
【0019】
図5に詳細に示すように、バネ素子48は振動器44に対して位置付けられる外周を有する。それらの装置が互いに接触し合うとき、振動器44は超音波振動(ultrasonic vibration)(又は発振(oscillation))をバネ素子48に、よって、可撓膜38に供給する。振動器44はリング又はディスクの形態の圧電素子であり得る。振動器44を如何なる数の材料からも形成し得る。ある実施態様では、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)のような鉛を基材とした材料で圧電素子を形成し得る。バネ素子48は、円形、ディスク形状、又は、その他の形状であり得る。バネ素子48を振動器44に取り付け或いは接続し得る。例えば、1つの実施態様において、バネ素子48は接着剤(例えば、エポキシ)を介して振動器に付着される。使用のために組み立てられるときに可撓膜38によって覆われる開口がバネ素子48に設けられる。バネ素子を軟磁性(磁化されないが磁石に引き付けられる)、強磁性(磁化される)、又は、非磁性材料で作製し得る。ある実施態様において、バネ素子48はステンレス鋼材料又は他の金属で作製される。この開示の目的のために、「磁性」という用語は、磁石によって引き付けられる材料として定義付けられる。「磁化される」という用語は、磁石であり且つ(磁性材料を引き付ける)残留磁場を有する素子として定義付けられる。一部の場合には、他の磁性又は磁化材料に対する特別な極性及び/又は磁場構成によって磁性材料を定義付け得る。よって、磁性という総称は、磁化材料、並びに、磁石に引き付けられる材料の双方を指す。軟磁性材料及び磁石は互いに引き付けられる。追加的及び/又は代替的に、電磁材料を軟磁性素子(電流が流れないとき)又は磁石(電流が流れるとき)のいずれかとして使用し或いは提供し得る。ここに記載する素子のための材料の使用及び組み合わせは限定的ではない。磁性材料及び磁化材料を使用する実施態様に関する更なる記載を以下に提供する。
【0020】
可撓膜38は、薬品チャンバ34内に設けられるメッシュ又は篩であり得る。可撓膜38は、第一(上方)表面40と、第二(下方)表面42とを含み、それらを通じて延びる複数の孔を有する。可撓膜38の孔は、如何なる形状(例えば、円錐形、テーパ状)及び/又は大きさであってもよく、そのような実施態様は本開示の範囲内にある。ある実施態様において、孔は円錐形であり、第二表面42(例えば、液体入力側)に25マイクロメートル(μm)の直径を含む円形断面を備え、第一表面40(例えば、エアロゾル出力側)に3マイクロメートル(μm)の直径を含む円形断面を備える。装置は液体薬品52のエアロゾル62を創成するのを補助する。可撓膜38は如何なる数の材料をも含み得る。1つの実施態様において、可撓膜38は非磁性材料で作製される。例えば、可撓膜38をKaptonのようなポリイミド材料で作製し得る。他の実施態様において、可撓膜38はニッケル又はニッケルパラジウム合金のような(軟)磁性材料であり得る。
【0021】
組立時、可撓膜38の第一(上方)表面40は、マウスピース36と流体連絡する。組立時、第二(下方)表面42は、薬品チャンバ34内に収容される液体52と流体連絡する。例えば、戻って図5を参照すると、振動器44(例えば、圧電リング)によって振動されるバネ素子48からの振動を可撓膜38が受け取り得るよう、可撓膜38をバネ素子48に隣接して位置付け得る。このようにして、液体薬品52が可撓膜38の第二(下方)表面42に隣接し、且つ、可撓膜38が振動させられるとき、液体薬品52は孔を通じて第一(上方)表面40に向かって移動され、吸入のためにエアロゾル62としてマウスピース36に噴射される。振動器44の振動又は発振は、(図3中に矢印Aによって示されるような)概ね水平な方向にあるのに対し、バネ素子48及び可撓膜38は、(図3中に矢印Bによって示されるような)概ね垂直な方向に移動(振動)する。
【0022】
上記で議論したように、可撓膜38は使用と共に時間の経過に亘って汚染され或いは劣化されるようになり得る。開示の構造は、(例えば、振動(圧電)素子44の鉛材料(例えば、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)又は他の材料で)環境を汚染させることなく、取り外し可能で使い捨て可能な可撓膜38を提供する。
【0023】
装置10内に、可撓膜38及び振動バネ素子48を共に取り外し可能に付着するよう構成される磁性結合部材(磁性カプリング部材)(magnetic coupling member)54を設け得る。磁性結合部材54は、それが可撓膜38に付着されるのを許容すると同時に、可撓膜が振動してエアロゾルを生成するのを可能にする、如何なる形状であってもよい。ある実施態様において、磁性結合部材54及び可撓膜38は、単一の分離不能な素子として形成される。他の実施態様では、磁性結合部材54及び可撓膜38を互いに取り外し可能に付着し得る。
【0024】
1つの実施態様において、磁性結合部材54は、リングの形状にある。磁性結合部材又はリング54は、可撓膜38の第一表面40又は第二表面42の一方の上に設けられる。例示の実施態様において、磁性リング54は、可撓膜38の第一(上方)表面40の上に設けられている。実施態様において、可撓膜38は、可撓膜38に接着された、可撓膜38の上に蒸着(堆積)された、或いは、ガルバニ手段によって可撓膜38の上で成長させられた、(軟)磁性リング54を含み得る。1つの実施態様では、磁性リング54と(磁性リング54に引き付けられる材料で作製し得る)可撓膜38との間の磁力のみが、磁性リング54を可撓膜38に固定する。磁性リング54は、複数の孔を通じる液体52のエアロゾル液滴の流れの供給又は噴射のために、(例えば、磁性リング54に磁気的に引き付けられる材料で作製し得る図5Aに示されるようなバネ素子48によって)可撓膜38を振動器44に磁気的に結合するよう構成される。磁性リング54は可撓膜38をバネ素子48に保持する磁力をもたらす。
【0025】
他の実施態様において、磁性リング54を装置内の他の素子と取り外し可能に磁気的に結合し得る。例えば、図5B及び図5Cに示されるように、第二磁性部材64を装置10内に設け得る。第二磁性部材64は、磁性リング54と磁気的に結合し、それによって、可撓膜38を振動器44に結合する。第二磁性部材64は、任意の数の磁性材料又は磁化材料を含み得るが、それらに限定されるべきではない。ある実施態様において、第二磁性部材64は、NdFeB材料を含む。磁性リング54を磁性部材64に磁気的に引き付け得るよう、第二磁性部材64をリング形状(又は他の形状)に形成し、噴霧化チャンバに対して取り付け得る。第二磁性部材64を(例えば、第二(下方)表面に隣接して)バネ素子48より下に取り付け得る。ある実施態様では、第二磁性部材64がバネ素子48又は可撓膜38のいずれにも触れないが、依然として磁性リング54を引き付けるよう、第二磁性部材64をバネ素子48からある距離だけ離間し得る。
【0026】
上記の実施態様において可撓膜38、バネ素子48、磁性リング54、及び/又は、第二磁性部材を引き付けるために使用される磁力を、それらの素子のそれぞれを形成するために使用される材料に基づき決定し得る。例えば、図5Aに示される例示的な実施態様では、バネ素子48を磁性の或いは磁化された材料で作製し得る。(よって、バネ素子48は磁性リング54を直接的に引き付け得るので、例えば、図5Bに示されるような第二磁性部材64を設ける必要はない)。
【0027】
代替的に、バネ素子が非磁性材料で作製される実施態様では、図5Bに示されるように、磁性リング54を装置10内の振動器44に磁気的に結合し得るよう、第二磁性部材64を設け得る。可撓膜38が軟磁性材料で作製されるならば、第二磁性部材64の材料に直接的に引き付けられる材料で磁性リング54Aを形成し得る。ある実施態様では、磁性リング54Aが軟磁性材料で作製されるならば、第二磁性部材64は、磁性リング54Aが第二磁性部材64に間接的に引き付けられることを可能にし得る材料を含み得る。
【0028】
ある実施態様では、第二磁性部材64が磁化されるならば、(即ち、磁場を生成するならば)、磁性リング54を磁性材料で作製し得る。代替的に、ある実施態様では、磁性リング54を磁化材料で作製し、第二磁性部材64を磁性材料で作製し得る。
【0029】
図5Dに示されるように、更に他の実施態様では、バネ素子48は磁化材料を含み得るし、可撓膜38を磁性材料で作製し得る。よって、可撓膜38をバネ素子48に直接的に引き付け得る。他の実施態様において、バネ素子48は、非磁性材料又は軟磁性材料を含み得る。従って、ある実施態様では、図5Eに示されるように、第二磁性部材64を設け得る。可撓膜38が磁性材料を含むならば、第二磁性部材64は、磁化材料を含み得る。逆に、可撓膜38が磁化されるならば、第二磁性部材64を磁性材料で作製し得る。
【0030】
上記の実施態様では、磁性リング54は、例えば、可撓膜38が洗浄中に交換されることを可能にする。しかしながら、図5D及び図5Eの例示的な実施態様によって示されるように、磁性リング54が装置10内の可撓膜38を備える必要がないことも本開示の範囲内にある。装置を洗浄し且つ可撓膜38を交換するために、ネブライザ10の上方部分14を下方部分から分解し、その追加的部分を取り外し得る。具体的には、チャンバ蓋28及び可撓膜38をネブライザ10の他の構成部品から分離し得る。可撓膜38と振動器44とを共に結合する磁力を破壊することによって、必要に応じて可撓膜38を取り外し且つ交換し得る。
【0031】
ある実施態様では、(上方部分内に取り外し可能に挿入されるよう構成される)取り外し可能なインサート30を上方部分14内に(図3及び図4により詳細に示す)設け得る。1つの実施態様において、取り外し可能なインサート30は、取り外し可能なインサートに付着される可撓膜38を有する。取り外し可能なインサート30は、使用のために組み立てられるときに可撓膜38が(例えば、既存の磁力の故に)バネ素子48と接触し且つ係合するよう、噴霧化チャンバ46及びマウスピース36に対して位置付けられる。図3及び図4に示されるように、取り外し可能なインサート30は、上方部分14の壁内に適合し且つ摺動するよう形成され且つ成形される本体31を含み得る。本体31の底部分33は、底部に付着された磁性リング54を有し得る。
【0032】
ある実施態様では、磁性リング54を、バネ、一組のバネ、チューブ、又は、ベローズの形態であり得る付着部材(取付け部材)56を介して、取り外し可能なインサート本体30の底部分33に付着し得る。例えば、付着部材56は円形又はディスク形状であり、図4中にバネ56によって示されるように、付着部材56を本体の底部分に付着し得る。ある実施態様において、付着部材56は、一端で磁性リング54の周縁の周りに固定され且つ他端で取り外し可能なインサート30に付着される、一組の2つ又はそれよりも多くの別個のワイヤ(又は弾性バンド又はバネ)を含み得る。付着部材56をインサート30の一体的な部分として設け得るし、付着部材56をインサート30の一部に(例えば、接着剤を介して)付着し得る。例えば、付着部材56がインサート30の一体的な部分である実施態様において、インサート30は、図5Cに示されるように蛇腹型バネ56Aを形成するよう折り畳まれる多数の(例えば、3又は4の)径方向条片(strip)を含み得る。蛇腹型バネ56Aの条片を、その一端でインサート30の底部分に接着し、他端で磁性リング54に固定し得る。
【0033】
可撓膜38及び磁性リング54が振動し得ると共に、エアロゾル化された医薬が可撓膜を通ることを可能にするよう、付着部材56を設け得る。従って、磁性リング54が付着された取り外し可能なインサート30は、可撓膜38が薬品チャンバ組立体26から取り外され且つ交換されることを可能にする。その構成は、(例えば、バネ素子48自体又は第二磁性部材64を介して)バネ素子48付近に存在する磁力によって可撓膜38を所定位置に引き得るよう、可撓膜38をバネ素子48の開口に対して心合わせもする。ある実施態様において、付着部材56の懸架は軽量である。
【0034】
例えば、ある実施態様では、インサート30全体を取り外し、新しい未使用又は清浄な可撓膜38と可撓膜に付着される磁性リング54とを備える新しいインサート30と交換し得る。他の実施態様では、インサート30から可撓膜38を取り外し、新しい未使用又は清浄な可撓膜38と交換し得る。他の実施態様では、可撓膜38及び磁性結合リング54の両方を取り外し且つ交換し得る。
【0035】
ある実施態様において、磁性結合リング54は、磁性材料の磁化率及びリングの大きさに依存して、約0.2〜50ミクロンの間の厚みを有し得るが、それらのいずれも限定的であるべきではない。1つの実施態様において、磁性結合リング54は、約1ミクロンの厚みを有し得る。ある実施態様において、鉄製の磁性リング54は、5000のオーダの比透磁率を有する。代替的に、ニッケル製の磁性リングは、600のオーダの比透磁率を有し、フェライトT38製の磁性リングは、10000のオーダの比透磁率を有し、Kovar(Fe54Ni29Co17)製の磁性リングは、1000〜5000のオーダの比透磁率を有し得る。ある実施態様では、磁性リング54をNeoflux(NiFeB)材料又はFe/Ni材料で作製し得る。
【0036】
組立時、下方部分12及び上方部分14は、薬品チャンバ組立体26をカプセル化する。その中に同様に設けられるのは、可撓膜38が付着された取り外し可能なインサート30である。図6は、図5に関して記載したように、バネ48と、磁性リング54と、可撓膜38とを備える振動器44の組立体の実施例を例示している。各部分は概ね円形又は概ね環状であり、図7の組立体において示すように、互いに重なり合うよう各部分を形成し得る。
【0037】
ある実施態様において、バネ素子48は、磁力が磁性結合リング54をバネ素子48に引き付けるような材料で作製される。可撓膜38の第二(下方)表面42は、バネ素子48の頂面(並びにホーン装置20の頂面20a)と接触し得る。例えば、図3及び図4に示すように、バネ素子48を下方部分12内のOリング50に対しても位置付け得る。上方部分14及び下方部分12を共に固定するために、並びに、それらの中の部品(例えば、バネ素子38及び振動器44)を概ね固定するために、追加的なOリング58A及び58B又は他のシールも設け得る。例えば、Oリング50及び58Aは、バネ素子48をそれらの間に締め付けることによって、バネ素子48を懸架するのを補助する。損傷が起こらないよう、Oリング50は、液体52をバネ素子48及びあらゆる関連する電子部品(例えば、電極)から離れた状態に維持するのも補助する。
【0038】
振動器44は、下方部分12の本体内に収容される回路構成によって駆動されるときに振動(又は発振)するよう構成される。例示の目的だけのために、図3は、回路構成60を介して駆動電圧を振動器44に提供し得ることを概ね示している。圧電材料を使用する実施態様において、回路構成60による印可電圧は、(矢印Aによって示すような)概ね水平な動作において圧電材料44を拡張収縮させる。この動作に応答して、バネ素子38は、可撓膜38への振動又は発振を(矢印Bによって示すような)概ね垂直な方法において活用する。圧電素子44の発振によって引き起こされる振動運動は、ホーン装置20にも移転される。振動運動は、薬品チャンバ34及び隣接する可撓膜38内の液体52に孔を通過させる。メッシュ28の第一(上方)表面40で孔から出る液体薬品はエアロゾル化される。孔からの噴射後、エアロゾル化された液体62は、第一表面40からマウスピース36内に進む。次に、患者はマウスピース36を通じてエアロゾル化された液体62を吸入し得る。
【0039】
ここで議論した実施態様のいずれかにおける磁性結合部材は、振動器44の浪費又は廃棄を伴わずに、可撓膜38の交換を可能にする。
【0040】
ここに記載した例示の実施態様の磁性結合リング54は限定的であるべきではない。例えば、ある実施態様において、磁性結合リング54は、バネ素子48及び振動器44への取り外し可能な取付けのために、可撓膜38の第二(下方)表面42に取り付けられる。
【0041】
他の実施態様では、可撓膜38を(例えば、付着部材56を介して)取り外し可能なインサート30に付着し得る。そのような実施態様において、磁性リング54は、図3及び図4に示されるように取り外し可能なインサート30に付着されない。むしろ、可撓膜38は、バネ素子48に付着される磁性リング54を有することなく、可撓膜38がバネ素子48に取り外し可能に付着されることを可能にする、代替的な部材を含み得る。例えば、可撓膜38は、(例えば、少なくとも磁性結合リング54への接続を許容する場所において)その上に塗工される磁性材料を有し得る。よって、取り外し可能なインサート30が装置10内に配置されるとき、可撓膜38の磁性材料塗膜をバネ素子48に引き付け得る。
【0042】
いずれの場合においても、ここに記載する素子のいずれの順序及び接続は、可撓膜38が装置10のバネ素子48によって磁気的に引き付けられるような順序及び接続である。
【0043】
ここに記載する装置10を、例えば、膵臓繊維症、喘息、及び、COPD(肺動脈高血圧(PAH))の治療のために使用し得る。図面中に示されるネブライザ10の脈絡において議論したが、本発明を他のネブライザ及び/又は装置と共に利用し得ることが想定される。また、装置10は如何なる一般的な粒子サイズの如何なるエアロゾルと共にも動作するよう設計され、粒子サイズ分布は限定的であるべきではない。ある実施態様において、平均エアロゾル粒子サイズは、0.1〜10マイクロメートルである。他の実施態様において、平均粒子サイズは、0.5〜5マイクロメートルである。更に他の実施態様において、エアロゾル粒子サイズは、サブミクロンサイズである。サブミクロンサイズの粒子の例は、ナノ粒子である。
【0044】
ある実施態様において、取り外し可能なインサート30は、より小さい構造を含み得るし、或いは、取り外し可能なインサート30は、全く提供されない。例えば、ある実施態様において、取り外し可能なインサート30は、可撓膜38及びバネ素子48が互いに接続される限り、下方部分12に対して適合するよう形成及び/又は成形される本体31を含み得る。また、本体31は上方部分14及び/又が下方部分12の壁内に或いは壁に直接的に隣接して適合又は摺動するように形成される必要がない。代替的に、他の実施態様では、可撓膜38及び磁性結合リング54は、取り外し可能なインサート30を含まなくてもよく、磁性接続を遮断するよう可撓膜38及び/又は磁性結合リング54を直接的に把持することによって、可撓膜38及び/又は磁性結合リング54を装置10から取り外し可能であってもよい。
【0045】
また、装置10の上述の機能は限定的であることが意図されないことが付記されなければならない。更に、ここに詳細に記載し得なかった他の既知の機能も限定的であってはならない。例えば、治療の数及び/又は治療時間は限定的であってはならない。装置のための圧力、流速、動作圧力、動作流速、及び、薬品/液体の投与の頻度も限定的ではない。
【0046】
可撓膜38は、如何なる大きさの如何なる数の孔又は微細孔をも有し得る。ある実施態様において、例えば、可撓膜は、3ミクロンの大きさの5000〜6000の孔を含むメッシュを含み得る。その上、可撓膜38、磁性部材54、及び/又は、上述の他の素子の使用は、治療のために使用される装置10との使用に限定されることは意図されない。例えば、他の形態の治療としてエアロゾルを供給するよう構成される器具においてそのような機能を使用し得ることが想定される。可撓膜38及び磁性部材54を家庭用電化製品において使用し得る。ある実施態様において、アイロンを用いた蒸気アイロン掛けにおけるように織物を湿らせるために機能を使用し得る。代替的に、蒸気供給のための装置(例えば、加湿装置)、洗浄のための装置等のための代替的な装置において、そのような機能を使用し得る。
【0047】
患者は、吸入される薬剤エアロゾルが供給されることが望ましい人である。「患者」という用語の定義は、病気の人並びに健康な人の両方を含む。
【0048】
ミスト形成の閾値は、98kHzで、ピーク間10ボルトの駆動電圧にあり得る。一部の場合、液体52と接触するようになり得る材料又は素子は、劣化防止のために、遮蔽層で覆われ或いは塗工される必要があり得る。例えば、ニッケル、金、又は、他の任意の適切な無毒性及び非腐食性材料のような材料を、1つ又はそれよりも多くの素子の上に層の形態において塗布し得る。
【0049】
現時点で最も実用的且つ好適な実施態様であると考えられるものに基づき本発明を例証の目的のために詳細に記載したが、そのような詳細は専らその目的のためであること、並びに、本発明は開示の実施態様に限定されず、逆に、付属の請求項の精神及び範囲内にある変形及び均等構成をカバーすることが意図されることが理解されるべきである。例えば、本発明は、可能な限り、任意の実施態様の1つ又はそれよりも多くの機能を任意の他の実施態様の1つ又はそれよりも多くの機能と組み合わせ得ることを想定することが理解されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物質のエアロゾル供給のための装置であって、
マウスピースと、
液体物質を内部に保持するためのチャンバと、
貫通する複数の孔を含む可撓膜と、
該可撓膜を振動させるための振動器とを含み、
前記可撓膜が前記振動器によって振動させられるとき、前記物質のエアロゾル液滴の流れが、前記マウスピースからの供給のために、前記複数の孔を通じて前記マウスピースに噴射されるよう、前記可撓膜は、前記可撓膜が前記振動器に磁気的に結合されることを可能にする磁性材料を含む、
装置。
【請求項2】
前記可撓膜は、磁化材料を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記可撓膜を前記振動器に結合するよう構成される前記振動器に取り付けられるバネを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記振動器に隣接して位置付けられる第二磁性部材を更に含み、該第二磁性部材は、前記可撓膜を前記振動器に磁気的に結合するよう構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第二磁性部材は、磁化材料を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
物質のエアロゾル供給のための装置内に取り外し可能に挿入されるよう構成される取り外し可能なインサートであって、
前記装置は、振動器を含み、
当該取り外し可能インサートは、
本体と、
該本体に取り付けられる可撓膜とを含み、該可撓膜は、貫通する複数の孔を含み、
前記可撓膜は、当該取り外し可能インサートが前記装置内に挿入されるとき、前記可撓膜が前記振動器に磁気的に結合されることを可能にする磁性材料を更に含み、
前記可撓膜が前記振動器によって振動させられるとき、前記物質のエアロゾル液滴の流れが、前記装置からの供給のために、前記複数の孔を通じて噴射される、
取り外し可能なインサート。
【請求項7】
前記可撓膜を前記本体に取り付けるための付着部材を更に含む、請求項6に記載の取り外し可能なインサート。
【請求項8】
前記付着部材は、少なくとも1つのバネである、請求項7に記載の取り外し可能なインサート。
【請求項9】
前記可撓膜を前記振動器に磁気的に結合するよう構成される磁性部材を更に含む、請求項6に記載の取り外し可能なインサート。
【請求項10】
前記磁性部材は、前記可撓膜に取り付けられる、請求項9に記載の取り外し可能なインサート。
【請求項11】
エアロゾル生成のための装置であって、
液体物質を内部に保持するチャンバと、
貫通する複数の孔を含む可撓膜と、
該可撓膜を振動させる振動器と、
前記可撓膜が前記振動器によって振動させられるとき、前記液体物質のエアロゾル液滴の流れが前記複数の孔を通じて噴射されるよう、前記可撓膜を前記振動器に磁気的に結合するよう構成される磁性部材とを含む、
装置。
【請求項12】
前記振動器は、圧電素子を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記可撓膜は、非磁性材料を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記可撓膜は、磁性材料を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記磁性部材は、前記可撓膜に取り付けられる、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記磁性部材は、接着剤を介して前記可撓膜に取り付けられる、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記磁性部材は、前記可撓膜の上に蒸着される、請求項11に記載の装置。
【請求項18】
前記磁性部材は、バネである、請求項11に記載の装置。
【請求項19】
前記バネは、前記振動器に取り付けられる、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記磁性部材は、前記振動器に取り付けられるバネに磁気的に結合される、請求項11に記載の装置。
【請求項21】
前記バネは、磁性材料で構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項22】
前記バネは、ステンレス鋼を含む、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記可撓膜は、当該装置内に取り外し可能に挿入されるよう構成される取り外し可能インサートに取り付けられる、請求項11に記載の装置。
【請求項24】
前記可撓膜は、ポリイミド材料を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項25】
前記振動器に隣接して位置付けられる第二磁性部材を更に含み、該第二磁性部材は、前記磁性部材と磁気的に結合するよう構成される、請求項11に記載の装置。
【請求項26】
前記磁性部材は、磁化材料を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項27】
前記磁性部材は、非磁化材料を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項28】
前記振動器に隣接して位置付けられる第二磁性部材を更に含み、該第二磁性部材は、前記磁性部材と磁気的に結合するよう構成される、請求項26に記載の装置。
【請求項29】
前記第二磁性部材は、磁化部材を含む、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記振動器に隣接して位置付けられる第二磁性部材を更に含み、該第二磁性部材は、前記磁性部材と磁気的に結合するよう構成される、請求項27に記載の装置。
【請求項31】
前記第二磁性部材は、磁化材料である、請求項30に記載の装置。
【請求項1】
物質のエアロゾル供給のための装置であって、
マウスピースと、
液体物質を内部に保持するためのチャンバと、
貫通する複数の孔を含む可撓膜と、
該可撓膜を振動させるための振動器とを含み、
前記可撓膜が前記振動器によって振動させられるとき、前記物質のエアロゾル液滴の流れが、前記マウスピースからの供給のために、前記複数の孔を通じて前記マウスピースに噴射されるよう、前記可撓膜は、前記可撓膜が前記振動器に磁気的に結合されることを可能にする磁性材料を含む、
装置。
【請求項2】
前記可撓膜は、磁化材料を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記可撓膜を前記振動器に結合するよう構成される前記振動器に取り付けられるバネを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記振動器に隣接して位置付けられる第二磁性部材を更に含み、該第二磁性部材は、前記可撓膜を前記振動器に磁気的に結合するよう構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第二磁性部材は、磁化材料を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
物質のエアロゾル供給のための装置内に取り外し可能に挿入されるよう構成される取り外し可能なインサートであって、
前記装置は、振動器を含み、
当該取り外し可能インサートは、
本体と、
該本体に取り付けられる可撓膜とを含み、該可撓膜は、貫通する複数の孔を含み、
前記可撓膜は、当該取り外し可能インサートが前記装置内に挿入されるとき、前記可撓膜が前記振動器に磁気的に結合されることを可能にする磁性材料を更に含み、
前記可撓膜が前記振動器によって振動させられるとき、前記物質のエアロゾル液滴の流れが、前記装置からの供給のために、前記複数の孔を通じて噴射される、
取り外し可能なインサート。
【請求項7】
前記可撓膜を前記本体に取り付けるための付着部材を更に含む、請求項6に記載の取り外し可能なインサート。
【請求項8】
前記付着部材は、少なくとも1つのバネである、請求項7に記載の取り外し可能なインサート。
【請求項9】
前記可撓膜を前記振動器に磁気的に結合するよう構成される磁性部材を更に含む、請求項6に記載の取り外し可能なインサート。
【請求項10】
前記磁性部材は、前記可撓膜に取り付けられる、請求項9に記載の取り外し可能なインサート。
【請求項11】
エアロゾル生成のための装置であって、
液体物質を内部に保持するチャンバと、
貫通する複数の孔を含む可撓膜と、
該可撓膜を振動させる振動器と、
前記可撓膜が前記振動器によって振動させられるとき、前記液体物質のエアロゾル液滴の流れが前記複数の孔を通じて噴射されるよう、前記可撓膜を前記振動器に磁気的に結合するよう構成される磁性部材とを含む、
装置。
【請求項12】
前記振動器は、圧電素子を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記可撓膜は、非磁性材料を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記可撓膜は、磁性材料を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記磁性部材は、前記可撓膜に取り付けられる、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記磁性部材は、接着剤を介して前記可撓膜に取り付けられる、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記磁性部材は、前記可撓膜の上に蒸着される、請求項11に記載の装置。
【請求項18】
前記磁性部材は、バネである、請求項11に記載の装置。
【請求項19】
前記バネは、前記振動器に取り付けられる、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記磁性部材は、前記振動器に取り付けられるバネに磁気的に結合される、請求項11に記載の装置。
【請求項21】
前記バネは、磁性材料で構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項22】
前記バネは、ステンレス鋼を含む、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記可撓膜は、当該装置内に取り外し可能に挿入されるよう構成される取り外し可能インサートに取り付けられる、請求項11に記載の装置。
【請求項24】
前記可撓膜は、ポリイミド材料を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項25】
前記振動器に隣接して位置付けられる第二磁性部材を更に含み、該第二磁性部材は、前記磁性部材と磁気的に結合するよう構成される、請求項11に記載の装置。
【請求項26】
前記磁性部材は、磁化材料を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項27】
前記磁性部材は、非磁化材料を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項28】
前記振動器に隣接して位置付けられる第二磁性部材を更に含み、該第二磁性部材は、前記磁性部材と磁気的に結合するよう構成される、請求項26に記載の装置。
【請求項29】
前記第二磁性部材は、磁化部材を含む、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記振動器に隣接して位置付けられる第二磁性部材を更に含み、該第二磁性部材は、前記磁性部材と磁気的に結合するよう構成される、請求項27に記載の装置。
【請求項31】
前記第二磁性部材は、磁化材料である、請求項30に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図6】
【図7】
【公表番号】特表2013−516266(P2013−516266A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547560(P2012−547560)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【国際出願番号】PCT/IB2010/055676
【国際公開番号】WO2011/083380
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【国際出願番号】PCT/IB2010/055676
【国際公開番号】WO2011/083380
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
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