エアロゾル薬品供給装置及び方法
薬品を含むエアロゾルを患者に供給するための薬品供給装置(5,5’,5”,5”’)は、薬品の供給源からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成器(45,50,55,60)と、患者の口内に挿入されるよう構成されるマウスピース構成部品(30,30’,30”,30”’)とを含む。マウスピース構成部品は、エアロゾルを受け取り且つエアロゾルを患者に供給するためにエアロゾル生成器に動作的に結合される。マウスピース構成部品は、マウスピース構成部品が患者の口内に挿入されときに患者の舌に面するよう構成される下面を有し、下面に設けられる舌頂端位置決め素子(90,90”’,90”,115)を有し得る。下面は、もし存在するならば、舌頂端位置決め素子は、舌を正しく位置付けるために、薬品供給装置の使用中に患者の舌の頂端と係合するよう構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2009年5月11日に出願された「Mouthpiece with Tongue Guide」という名称の米国仮出願第61/216,022号から35U.S.C.§119(e)の下の優先権を主張し、その開示内容を参照によってここに組み込む。
【0002】
本発明は、肺へのエアロゾル化粒子の被験者経口投与に関する。より具体的には、本発明は、自由通過空気を制限せずに中咽頭内でのエアロゾル粒子の堆積を減少する、投与中に舌位置を捕捉し且つ維持するよう被験者を案内するマウスピースに関する。
【背景技術】
【0003】
吸入器、ネブライザ、アトマイザ、及び、空気中に乾燥した又は「湿った」粒子(即ち、「エアロゾル」)のコロイド状の懸濁液を作り出す他の装置はありふれている。装置はエアロゾル化(噴霧化)に必要なエネルギをもたらし、或いは、本質的には、吸入によって生成される吸引を適用することによって、装置の使用者がそのようにしてもよい。被験者はそのようなエアロゾルを鼻又は口に導入し、或いは、鼻又は口を介してエアロゾルを気管又は肺内に吸引し得る。吸入のために生成されるエアロゾルは、典型的には、局所部位又は全身部位のいずれかを標的とする薬品(医薬)を含む。一般的には、そのような医薬は口咽頭組織に無害であり、それらを不純物と共に消化し得る。そのような医薬が比較的安価でもある限り、それらの中咽頭内での偶発的な堆積は取るに足らない。しかしながら、推奨と表示され或いは必須とさえ表示されるエアロゾル投与が許容可能な高価から極めて高価までの治療薬のリストは増大している。その上、多数のこれらの医薬は狭い治療指数の外側では有毒であり得るので、安全性の理由のために、それらは投与量に対する特別な注意を必要とする。
【0004】
同時に、気管内挿管、舌押下器、又は、他の装置、例えば、堆積部位としての口咽頭組織を排除する金属又はプラスチック導管のような、極端な又は不快な手段は回避されるのが好ましい。吸入空気の流れを妥協し或いは複雑化する装置を回避するのも有利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
必要とされているのは、エアロゾル(aerosol)が吸入されるときにエアロゾルのために口腔を通じる障害物のない或いは少なくとも再現可能な吸入流路を随意的に作り出すよう被験者を効果的に補助する非閉塞装置である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
その様々な実施態様において、本発明は、医薬を浪費する問題、及び、被験者(subject)によるエアロゾルの吸入中に舌の上に堆積するエアロゾル化粒子の故に投与量に変動性を導入する問題に取り組む。よって、1つの実施態様において、本発明は、貫通して延びる呼吸通路を定めるマウスピースを提供し、マウスピースは、舌ガイドを含む。1つの実施態様において、吸入圧力勾配によって推進されるエアロゾルは、呼吸通路から気管に延びる吸入空気流路軸の周りに配置される吸入吸気流路に沿って、エアロゾル生成源から呼吸通路を通じて口腔内に流れる。好適実施態様において、舌ガイドは、(i)舌ガイドが吸入空気流路に層空気又はエアロゾルの流れと干渉せず、(ii)舌の頂端が舌ガイドの下面に適合するよう、マウスピース上に配置される。1つの実施態様において、舌ガイドは、舌窪み(tongue recess)の蓋(roof)を形成する。1つの実施態様において、舌窪みは、マウスピースを使用する被験者の舌の一部を受け入れるような大きさとされる。1つの実施態様において、舌窪みは、窪み内の舌の頂端(apex)を覆う。1つの実施態様において、舌窪みの蓋は、頂端から後方に約3cm、好ましくは2cm未満、最も好ましくは1cm未満、舌の背面を覆う。1つの実施態様において、蓋は有郭乳頭を覆わない。
【0007】
1つの実施態様において、マウスピースは、ネブライザを更に含む。1つの実施態様では、ネブライザがエアロゾル粒子を放出するときに、被験者が吸入すると、粒子が呼吸通路内に流入するよう、ネブライザはマウスピースに近接して配置される。1つの実施態様において、ネブライザは、エアロゾル粒子を吸入空気流路内に直接的に放出する。好適実施態様において、舌ガイドは、呼吸通路を通じる空気又はエアロゾル化粒子の流れと干渉しないが、被験者が被験者の舌を吸入空気流路の下に位置付け得る表面をもたらすよう構成される。
【0008】
好適実施態様において、吸入空気流路は、呼吸通路を通じて、舌を越えて被験者の気管内に延びる。
【0009】
1つの実施態様において、本発明は被験者によって吸入されるエアロゾル化粒子の流れを制御する方法を提供し、当該方法は、a)ネブライザと、マウスピースと、舌ガイドとを含む装置を提供することを含み、マウスピースは、マウスピースを貫通して延びる呼吸通路を含み、ネブライザは、ネブライザがエアロゾル粒子を放出するときに、被験者が吸入すると、粒子が吸入空気流路に流入するよう、マウスピースに近接して配置され、舌ガイドは、舌窪みの蓋を形成するようマウスピースから延び、且つ、粒子の流れと干渉しないよう構成され、b)エアロゾル化粒子を吸入する必要がある被験者にマウスピースを適合することを含み、被験者は被験者の舌の頂端を舌窪み内に配置し、c)被験者が吸入すると粒子が吸入空気流路内に流入するような条件の下で、ネブライザでエアロゾル化粒子を作り出すことを含み、被験者が吸入するときに、被験者の舌は舌窪み内に留まり、それによって、粒子の流れを制御する。
【0010】
他の実施態様において、本発明はエアロゾル粒子が被験者の呼吸周期の吸入段階と同期して作り出される方法を提供する。更に他の実施態様において、放出は所定呼吸数が条件とされる。ある例示的な実施態様において、その呼吸数は潮汐呼吸(tidal breathing)に比べゆっくりである。他の例示的な実施態様において、舌窪み内の舌の配置は、口腔及び口咽頭内に堆積される粒子の量を減少し、被験者の肺内に堆積される粒子の量を増大する。更に他の実施態様において、粒子の空気動力学的中央粒子径は、0.5〜5ミクロンの間である。
【0011】
更に他の実施態様において、本発明は、装置と命令(instructions)とを含むキットを提供し、装置は、ネブライザと、マウスピースと、舌ガイドとを含み、マウスピースは、そこを通じて延びる呼吸通路を含み、呼吸通路は、吸入空気流路を収容し、ネブライザは、ネブライザがエアロゾル粒子を放出するときに、被験者が吸入すると粒子が吸入空気流路に流入するよう、マウスピースに近接して配置され、舌ガイドは、舌窪みの蓋を形成するようマウスピースから延び、命令は、粒子を吸入する前に舌窪み内に被験者の舌を配置するよう被験者に命令する。1つのキットの実施態様において、命令は、舌を舌窪み内に維持しながら、ゆっくり吸引するよう、被験者に命令する。
【0012】
1つの実施態様では、薬品の供給源からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成器と、患者の口内に挿入されるよう構成されるマウスピース構成部品とを含む、薬品を含むエアロゾルを患者に供給するための薬品供給装置が提供され、マウスピース構成部品は、エアロゾルを受け取り且つエアロゾルを患者に供給するためにエアロゾル生成器に動作的に結合され、マウスピース構成部品は、マウスピース構成部品が患者の口内に挿入されときに患者の舌に面するよう構成される下面と、下面に設けられる舌頂端位置決め素子とを有し、舌頂端位置決め素子は、薬品供給装置の使用中、患者の舌の頂端と係合するよう構成される。
【0013】
更に他の実施態様では、薬品の供給源からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成器と、患者の口内に挿入されるよう構成されるマウスピース構成部品と、エアロゾル生成器の動作を制御するコントローラとを含む、薬品を含むエアロゾルを患者に供給するための薬品供給装置が提供され、マウスピース構成部品は、エアロゾルを受け取り且つエアロゾルを患者に供給するためにエアロゾル生成器に動作的に結合され、マウスピース構成部品は、マウスピース構成部品が患者の口内に挿入されるときに患者の舌に面するよう構成される下面を有し、コントローラは、薬品供給装置に患者に対する命令を提供させ、命令は、薬品供給装置の使用中、舌の頂端をマウスピース構成部品の下面に対して配置するよう患者に命令する。
【0014】
更に他の実施態様では、薬品を含むエアロゾルを患者に供給するためのキットが提供され、当該キットは、(i)薬品供給装置を含み、薬品供給装置は、薬品の供給源からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成器と、患者の口内に挿入されるよう構成されるマウスピース構成部品とを含み、マウスピース構成部品は、エアロゾルを受け取り且つエアロゾルを患者に供給するためにエアロゾル生成器に動作的に結合され、マウスピース構成部品は、マウスピース構成部品が患者の口内に挿入されときに患者の舌に面するよう構成される下面を有し、(ii)薬品供給装置の使用中、舌の頂端をマウスピース構成部品の下面に対して配置するよう患者に命令する命令を含む。
【0015】
一層更なる実施態様では、薬品を含むエアロゾルを患者に供給する方法が提供され、当該方法は、(i)薬品供給装置を提供することを含み、薬品供給装置は、薬品の供給源からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成器と、患者の口内に挿入されるよう構成されるマウスピース構成部品とを含み、マウスピース構成部品は、エアロゾルを受け取り且つエアロゾルを患者に供給するためにエアロゾル生成器に動作的に結合され、マウスピース構成部品は、マウスピース構成部品が患者の口内に挿入されときに患者の舌に面するよう構成される下面を有し、(ii)薬品供給装置の使用中、舌の頂端をマウスピース構成部品の下面に対して配置するよう患者に命令することを含み、(iii)患者の舌の頂端がマウスピース構成部品の下面に対して配置されるときにマウスピース構成部品を通じてエアロゾルを患者に供給することを含む。
【0016】
本発明のこれらの及び他の目的、機能、及び、特徴、並びに、動作方法、構造の関連素子の機能、部品の組み合わせ、及び、製造の経済性は、添付の図面を参照して以下の記載及び付属の請求項を検討した後、より明らかになるであろう。図面の全ては本明細書の一部を形成し、同等の参照番号は、様々な図面中の対応する部分を指している。しかしながら、図面は例示及び記載の目的のためのみであり、本発明の制限を定めるものとして意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の1つの例示的な実施態様に従ったネブライザ装置を示す正面図である。
【図2】本発明の1つの例示的な実施態様に従ったネブライザ装置を示す左側面図である。
【図3】図1及び2のネブライザ装置を示す概略図であり、ネブライザ装置の選択的な構成部品を簡略化された或いは記号的な形態で示している。
【図4】図1及び2のネブライザ装置の一部を形成するマウスピース部品を示す断面図である。
【図5】図1及び2のネブライザ装置の一部を形成するマウスピース部品の使用を示す概略図である。
【図6】図1及び2のネブライザ装置の一部を形成する代替的なマウスピース部品を示す断面図である。
【図7】本発明の代替的な例示的な実施態様に従ったネブライザ装置を示す正面図である。
【図8】本発明の代替的な例示的な実施態様に従ったネブライザ装置を示す左側面図である。
【図9】本発明の他の代替的な例示的な実施態様に従ったネブライザ装置を示す正面図である。
【図10】本発明の他の代替的な例示的な実施態様に従ったネブライザ装置を示す左側面図である。
【図11】図9及び10のネブライザ装置の一部を形成するマウスピース部品の使用を示す概略図である。
【図12】本発明の更なる代替的な例示的な実施態様に従ったネブライザ装置を示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施態様の記載の理解を促進するために、(引用記号内に区切られる)多数の用語が以下に定義付けられる。ここに定義付けられる用語は、(他に特定されない限り)本発明に関連する領域における当業者によって一般的に理解される意味を有する。
【0019】
本明細書及び付属の請求項において使用されるとき、不定冠詞は単一の実体のみを言及することは意図されず、文脈が他を表さない限り、例示のためにその具体的な実施例を使用し得る一般的な種類を含む。ここにおける用語は本発明の具体的な実施態様を記載するために使用されるが、請求項において外形を示されるものを除き、それらの使用は本発明を限定しない。
【0020】
ここで使用されるとき、「A、B、及び、Cから選択される」という表現は、A、B、Cの1つ又はそれよりも多くを選択することを意味する。
【0021】
ここで使用されるとき、反対の明示的な表示がない限り、「又は」という用語は、「A又はB」という表現中で使用され、A及びBが構成物、物体、病気、製品等を指し得るとき、どちらか一方(「排他的な又は」、又は、両方(「包括的な又は」)を意味する。
【0022】
ここで使用されるとき、「含む」(“comprising”)という用語は、方法におけるステップの記述の前に配置されるとき、その方法が、明示的に記述されるものに追加される1つ又はそれよりも多くのステップを包含すること、及び、追加的な1つ又はそれよりも多くのステップを記述されたステップの前、間、及び/又は、後で行い得ることを意味する。例えば、a、b、及び、cを含む方法は、a、b、x、及び、cの方法、a、b、c、及び、xの方法、並びに、x、a、b、及び、cの方法を包含する。その上、「含む」という用語は、方法におけるステップの記述の前に配置されるとき、文脈が他を表さない限り、(それが要求しにも拘わらず)得る列挙されるステップの順次的な遂行を要求しない。例えば、ステップa、b、及び、cを含む方法は、例えば、a、c、及び、bの順序のステップ、c、b、及び、aの順序のステップ、及び、c、a、及び、bの順序のステップを包含する。
【0023】
他が表示されない限り、明細書及び請求項中で量を表現する全ての数字は、全ての場合において、「約」という用語によって修正されるものとして理解されるべきである。従って、逆に示されない限り、明細書及び請求項中の数的パラメータは、本発明の特定の実施態様において得られることが探求される所望の特性に依存して異なり得る近似である。最低限でも、均等論の適用を請求項の範囲に限定せずに、各数的パラメータは、報告済み有効数字の数の観点から、並びに、通常の丸め技法を適用することによって、解釈されなければならない。しかしながら、如何なる数値も、数値の試験手段において見い出される誤差に必要的に起因する偏差を固有に包含する。
【0024】
「しない」(“not”)という用語は、任意の特定の指定実体又は現象に先行し且つ任意の特定の指定実体又は現象に関連して行われるとき、特定の指定実体又は現象のみが排除されることを意味する。
【0025】
任意の実体及び/又は現象に関連してここで使用されるとき、「変更する」(“altering”)という用語及び文法的均等物は、客観的に及び/又は主観的に決定されるか否かに拘わらず、所与空間における実体の量、及び/又は、現象の強度、力、エネルギ、又は、動力における増大又は減少を指す。
【0026】
「増大する」(“increase”)、「上がる」(“elevate”)、「上げる」(“raise”)、及び、それらの文法的均等物は、第二サンプルに対する第一サンプルにおける実体の量、及び/又は、減少の強度、力、エネルギ、又は、動力に関連して使用されるとき、第一サンプル中の実体の量、及び/又は、減少の強度、力、エネルギ、又は、動力が、あらゆる技術分野において許容されている分析方法を使用して満足に有意な任意の量だけ、第二サンプル中の実体の量、及び/又は、減少の強度、力、エネルギ、又は、動力よりも高いことを意味する。1つの実施態様では、例えば、患者が痛み、視力の明確性のような病状の主観的な知覚に言及するとき、増大を主観的に決定し得る。他の実施態様において、第一サンプル中の実体及び/又は現象の量が、第二サンプル中の同じ実体及び/又は現象の量よりも少なくとも10%大きい。他の実施態様において、第一サンプル中の実体及び/又は現象の量は、第二サンプル中の同じ実体及び/又は現象の量よりも少なくとも25%大きい。更に他の実施態様において、第一サンプル中の実体及び/又は現象の量は、第二サンプル中の同じ実体及び/又は現象の量よりも少なくとも50%大きい。更なる実施態様において、第一サンプル中の実体及び/又は現象の量は、第二サンプル中の同じ実体及び/又は現象の量よりも少なくとも75%大きい。更なる他の実施態様において、第一サンプル中の実体及び/又は現象の量は、第二サンプル中の同じ実体及び/又は現象の量よりも少なくとも90%大きい。代替的に、差を「n倍」差として表現し得る。
【0027】
「減じる」(“reduce”)、「抑制する」(“inhibit”)、「減少させる」(“diminish”)、「抑圧する」(“suppress”)、「減少する」(“reduce”)、及び、それらの文法的均等物は、第二サンプルに対する第一サンプルにおける実体の量、及び/又は、現象の強度、力、エネルギ、又は、動力に関連して使用されるとき、第一サンプル中の実体の量、及び/又は、現象の強度、力、エネルギ、又は、動力が、あらゆる技術分野において許容されている分析方法を使用して満足に有意な任意の量だけ、第二サンプル中の実体の量、及び/又は、現象の強度、力、エネルギ、又は、動力よりも低いことを意味する。1つの実施態様では、例えば、患者が痛み、弱さ等の病状の主観的な知覚に言及するとき、減少を主観的に決定し得る。1つの実施態様において、第一サンプル中の実体の量、及び/又は、現象の強度、力、エネルギ、又は、動力は、第二サンプル中の実体の量、及び/又は、現象の強度、力、エネルギ、又は、動力よりも少なくとも10%少ない。他の実施態様において、第一サンプル中の実体の量、及び/又は、現象の強度、力、エネルギ、又は、動力は、第二サンプル中の実体の量、及び/又は、現象の強度、力、エネルギ、又は、動力よりも少なくとも25%少ない。更に他の実施態様において、第一サンプル中の実体の量、及び/又は、現象の強度、力、エネルギ、又は、動力は、第二サンプル中の実体の量、及び/又は、現象の強度、力、エネルギ、又は、動力よりも少なくとも50%少ない。更なる実施態様において、第一サンプル中の実体の量、及び/又は、現象の強度、力、エネルギ、又は、動力は、第二サンプル中の実体の量、及び/又は、現象の強度、力、エネルギ、又は、動力よりも少なくとも75%少ない。更に他の実施態様において、第一サンプル中の実体の量、及び/又は、現象の強度、力、エネルギ、又は、動力は、第二サンプル中の実体の量、及び/又は、現象の強度、力、エネルギ、又は、動力よりも少なくとも90%少ない。代替的に、差を「n倍」差として表現し得る。
【0028】
「呼吸通路」(“breathing passage”)という用語は、特に「マウスピース」(“mouthpiece”)に関連してここで使用され、エアロゾル生成器が口腔と流体連絡するマウスピース内の開口を指す。「吸入流路」(“inhalation flow-path”)又は「吸入気流路」(“inhalation airflow-path”)という用語は、吸気がマウスピースから気管に流れる如何なる通路又は通路の組み合わせをも指す。吸入流路の寸法又は分布は、吸入から吸入を通じて、被験者の間で、或いは、エアロゾルの投与の間で一定なままであることは不要であるが理解されるべきである。
【0029】
「マウスピース」という用語は、ここでは、前述の開口をもたらす如何なる装置をも指す。しかしながら、本発明の実施態様において最も有利に利用されるマウスピースは、舌押下器(“tongue depressor”)又は偏向器(“tongue deflector”)を素子として単に有しない。ここで使用されるとき、舌押下器又は舌偏向器は、被験者の直接的な協働又は行動なしに、舌又は舌の一部を口底(“the floor of the mouth”)に向かって押し下げる或いは舌又は舌の一部を口横(“the side of the mouth”)に偏向する装置を指す。この機能をもたらすために、様々な舌押下器構造がマウスピースに組み込まれている。米国特許第4,148,308号、5,533,523号、6,606,992号、7,140,365号、及び、7,464,706号、並びに、米国特許出願公開第2007/0221211号が例である。これらの実施例の各々において、被験者は舌押下器を自己挿入しなければならないが、被験者は舌押下げ自体において受動的である。換言すれば、被験者は、彼又は彼女の舌が邪魔にならないようにするために、彼又は彼女の舌で如何なる積極的なステップをも行わない。その代わり、舌押下器の力は彼又は彼女の舌を脇に寄せる。
【0030】
「舌ガイド」(“tongue guide”)という用語は、ここでは、(1)被験者がエアロゾル化粒子を吸入するときに、舌背面が被験者の口蓋と接触する傾向を有さないよう、被験者が彼又は彼女の舌を位置付けるのを助ける、(2)好ましくは、先端又は頂端から約3cm未満だけ、より好ましくは2cm未満だけ、最も好ましくは1cm未満だけ後方で舌背面を覆うあらゆる手段を概ね指す。実際には、舌ガイドは、単に、使用中に口内に存在するバンプのような突起又はマウスピースの一部の下面(ventral aspect)に配置される陥凹のような舌頂端位置決め素子であり得るし、或いは、そのような舌頂端位置決め素子を含み得るが、それらに限定されない。バンプは意識のある被験者の舌の頂端又は先端によって感知されるのに十分な大きさであれば十分である。しかしながら、好ましくは、舌の前側のために舌陥凹(“tongue recess”)の蓋(“roof”)を形成するのに十分なほど大きく、その陥凹を内部で口底及び下側歯茎又は下顎歯の舌表面によって更に定め得る。蓋部分が舌のための患者カバーをもたらすことは不要である。即ち、様々な方法のいずれにおいても蓋を有窓性とし得る。舌陥凹の目的は、被験者が舌を位置決めするのを助けることであり、舌を保護することではない。
【0031】
ここで使用されるとき、「〜と干渉する」(“interfere with”)という用語は、空気又はエアロゾル化粒子の流れに特に関し、干渉の機構に関する如何なる推測も行わない。理想的な流れ条件は、マウスピースから気管までの乱流のない一定の(好ましくは、遅い)速度での層流である。そのような理想的な条件が実際に得られそうもないが、この理想に向かって偏向させる如何なる環境も望ましい。
【0032】
ここで使用されるとき、「吸入」(“inhalation”)及び「吸気」(“inspiration”)という用語は、圧力勾配に沿って概ね推進される肺への空気の取入れを指し、その場合、負圧が被験者の胸腔の膨張によって構築され、膨張は被験者の横隔膜の収縮によって主に影響される。しかしながら、如何なる特定の機構の用語の適用性を限定することは意図されない。負圧の代わりに正圧によって、或いは、例えば、人工肺によって行われる吸気によって吸気を達成し得る。一般的には、吸気は呼吸周期(“breathing cycle”)又は呼吸周期(“respiratory cycle”)の脈絡で起こり、呼気又は排気は、被験者の生理学的な要求に依存して概ね比較的一定な「呼吸数」(“breathing rate”)で、吸気と交互に起こり、被験者による随意的な調節及び解剖学的な又は他の制約が被験者に課される。
【0033】
マウスピースに関連してここで使用されるとき、「装着する」(“wearing”)という用語は、使用中のマウスピースを言及しており、複雑性において単一の管状の導管から鍔、咬み台、ヘッドストラップ等を備えるマウスピースに及ぶマウスピースを包含する。
【0034】
「ネブライザ」(“nebulizer”)は、ここでは、液滴(「湿式」エアロゾル)を生成するネブライザ及びエアロゾルを生成するエネルギをもたらすネブライザのような、エアロゾルを生成し得る如何なる装置をも指すが、それらに限定されない。一般的には、ネブライザによって生成されるエアロゾルは、「プルーム」と呼ばれる「雲」又は「霧」として現れ、(それがより速く移動する気流によって射出されない限り)それは低速で漂流する傾向がある。本発明の実施態様において使用し得る例示的で非限定的なネブライザは、Murrysville,PennsylvaniaのPhilips Respironicsによって販売されているi−Neb(R)AAD(R)システムである。
【0035】
ここで使用されるとき、「近接」(“proximity”)という用語は、ネブライザとマウスピースとの間の関係を特に言及する。好ましくは、ネブライザ及びマウスピースは、互いに取り付け可能であり、或いは、実際に取り付けられている。しかしながら、その用語は、ネブライザのプルームがマウスピースに達する或いはマウスピース内に吸入されるのを許容するようマウスピースに十分に近いネブライザまで拡張する。
【0036】
「同期され」(“synchronized”)という用語は、ここでは、ネブライザの呼吸作動に関連して使用される。典型的には、呼吸作動ネブライザは、被験者が吸入を開始するとき(或いは吸入を開始する直前に)エアロゾルプルームを自動的に解放する。ここでは、用語は「自動」呼吸作動に限定されない。例えば、ネブライザの作動は、入力要求(prompt)に応答して装置を作動する被験者の制御の下にあり得る。その入力要求は、特定の事象又は事象の組み合わせの発生と「同期して」起こる。例えば、入力要求は、被験者の監視呼吸数が安定化して所定レベルになった後に予期される吸入の瞬間に起こり得る。
【0037】
ここで利用されるとき、2つ又はそれよりも多くの部分又は構成部品が共に「結合される」(“coupled”)という記述は、それらの部分が直接的に或いは1つ又はそれよりも多くの中間部分又は構成部品を通じて共に接合され或いは動作することを意味する。
【0038】
ここで利用されるとき、2つ又はそれよりも多くの部分又は構成部品が互いに「係合する」(“engage”)という記述は、それらの部分が直接的に或いは1つ又はそれよりも多くの中間部分又は構成部品を通じて互いに力を加え合うことを意味する。
【0039】
ここで利用されるとき、「数」という用語は、1又は1よりも大きな整数(即ち、複数)を意味する。
【0040】
例えば、それらに限定されないが、頂、底、左側、右側、上方、下方、前方、後方、及び、それらの派生語のような、ここで使用される方向の表現は、図面に示される素子の向きに関係し、請求項中に明示的に記述されない限り、請求項を限定しない。
【0041】
ここで他に記載されたように、益々の数の高価な医薬がエアロゾル形態で肺に投与される。例えば、インターフェロン−γは、エアロゾルにおいて肺に直接的に投与されるとき、突発性肺胞線維症を治療するのに効果邸であることが示されている(米国特許第6,964,761号)。喘息(米国特許出願公開第2007/0065367号)及び結核(米国特許出願公開第2008/0292559号)に関する類似の証拠が存在する。インターフェロンのような医薬の高価さ、投与量が予期されるものから逸脱するときの悪影響の潜在性は、エアロゾル療法のための最適な条件を見出すことに多大の注意を集中させている。同時に、そのような医薬の利益はそのような不吉な病気に限定されないので、患者は治療を行うのに有意な不快さを喜んで受ける。よって、気管内挿管のような極端な又は不快な手段を回避し、或いは、堆積場所としての口咽頭組織を回避し或いは排除するために、舌押下器又は他の装置、例えば、金属又はプラスチック導管さえも回避することが望ましい。吸気の流れを妥協し或いは複雑化する装置を回避することも有利である。
【0042】
所与量の流動空気内に懸濁される粒子の挙動は、空気が流れる速度に強く依存する。エアロゾルはコロイド状であり、即ち、エアロゾルを含む粒子は空気中に安定的な懸濁を形成する。よって、エアロゾル中の極めて大きな(重い)粒子を浮揚する空気が十分にゆっくりと流れるならば、それらの粒子でさえ、ある程度まで互いに引き付けられて、表面の上又は周りで「遊動(float)」又は「摺動(slide)」する傾向を有する。他方、粒子を粘着させるのに十分な力で粒子を表面に衝突させるためには、速く移動する容量の空気内に懸濁される小さな(軽い)粒子の運動量でさえも十分であり得る。
【0043】
ネブライザ又は類似の医薬供給装置のマウスピースから使用者の気管に流れる空気のための広々とした経路を提供することが本発明の目的である。即ち、舌によって比較的妨げられていない経路が好ましくあり得る。他の者はこの好適例に関心を向けている。例えば、Svartengran et al.(Eur.Respir.J.9:1556−1559,1996)は、吸入エアロゾルの70%よりも多くが一部の患者の中咽頭に堆積されることを示した。その著者は口腔及び舌を迂回するのに十分なほどに細長いマウスピースを使用することによって、その効果を改善することを試みた。しかしながら、喉詰まり及び一般的な不快さの故に、堅い口蓋を超えて後方に拡張されるマウスピースを使用することは可能ではなかった。細長いマウスピースは口咽頭堆積の幾分の削減をもたらしたが、その差は有意ではなかった。
【0044】
舌を迂回する導管を使用することによって堆積を減少するこの試みよりも効果的なものは、吸入の速度及び投与されるエアロゾル化粒子の大きさを制御する努力である。例えば、米国特許出願公開第2008/0292559号は、潮汐呼吸に比べてゆっくりで深い呼吸方法を使用する呼吸パターンが呼吸流速の減少及び呼吸時間の大いなる延長を強制する。ゆっくりとした呼吸はエアロゾル粒子が上方気道を迂回することを許容し、よって、エアロゾル粒子を肺内の堆積のために利用可能にする。
【0045】
投与される粒子の大きさは、最適化問題であると思われる。一般的には、口咽頭表面との接近遭遇中にコロイド状の懸濁液内に留まるよう、より小さい(より軽い)粒子は、より大きな粒子よりも適している。しかしながら、延長された呼吸は、肺末梢内に完全に吸入されるエアロゾルの適切な定着を可能にする。呼吸時間の延長及び定着の進歩は、吸入粒子を排気し得る前に「呼気堆積」(“inspiratory deposition”)を促進する。米国特許出願公開第2008/0292559号中に付記されるように、これらの環境の下で、排気が開始する前に堆積する殆ど100%の吸入粒子を有することが可能である。比較的大きな(例えば、4.5μ)であり且つ中咽頭内に堆積するのが普通である粒子を使用することによって、このプロセスを更に強化し得る。ゆっくりで深い呼吸の延長された呼気は患者の肺への医薬の供給に特に適し、その末梢気道病状は、従来的なより小さなエアロゾルの堆積の減少をもたらし、中咽頭における堆積の回避を促進する。この方法によって治療し得る肺末梢の病気は、例えば、突発性肺胞線維症及び肺気腫を含む。これらの実体の両方は、肺内に拡大された空域を引き起こし、それは潮汐呼吸中に最少堆積を招く。
【0046】
空気流の速度及びエアロゾル粒子を連帯的に最適化するのに加えて、吸入中に広い流路を構築し且つ維持するための手段が有利である。使用者に無害な手段がより一層有利である。本発明者は、突発性肺胞線維症のために患者を治療することと関連して、挿管、喉詰まり反射を活性化する長いマウスピースが不要であり、舌押下器さえも不要であることを見い出した。実質的な容積の吸入流路を作り出すために、被験者は彼らの舌を容易に方向付け得る。必要とされる全てのことは、そのような位置を取るよう、意識のある被験者の舌を案内する手掛かり(cue)である。本出願人は、例えば、標的素子を使用してマウスピースの下面(ventral surface)に延長部を遠位に追加することが、十分な手掛かりを遠位にもたらすことを見い出した。
【0047】
ここで他で述べられたように、Nurrysville,PennsylvaniaのPhilips Respironicsによって販売されているi−Neb(R)AAD(R)システムは、本発明と関連して使用し得る適切なネブライザである。i−Neb(R)AAD(R)システムは、被験者による一定の制御を受けて呼吸作動されることが付記されなければならない。即ち、エアロゾル供給システムは順応性がある。エアロゾルは振動メッシュ技術を通じて作り出され、医薬の投与量は電子フィードバック及び特定の測定チャンバを通じて制御される。測定チャンバは、約0.1mLの残留物を伴って0.25〜1.4mLに亘る事前設定容量を供給し得る。振動メッシュは、エアロゾル出力の最適化のために可変の電力範囲を有する。加えて、i−Neb(R)AAD(R)システムは、過去3回の呼吸の丸め平均(rolling average)に基づき、薬物供給を各呼気の50〜80パーセントにパルス化するアルゴリズムを組み込む。治療を通じて、i−Neb(R)AAD(R)システムは、液晶ディスプレイを通じて連続的なフィードバックを患者にもたらし、治療の成功裏の供給後、患者は可聴及び触覚フィードバックを受け取る。よって、被験者はシステムを呼吸数に対して最適に動作するのに十分な実時間情報を備える。
【0048】
治療が既存のi−Neb(R)AAD(R)システム及びマウスピースの下面への延長部を含むよう修正されたi−Neb(R)AAD(R)システムの両方を備える本発明者によって行われた研究では、空気動力学的中央粒子径(MMAD)によって決定されるような粒子サイズが治療の間で異ならないことが構築された。2つの治療の間の主要な区別は、口咽頭腔内に蓄積される(放射能として測定される)粒子の割合であった。被験者は治療の終わりに水を飲むことによって口腔内に堆積された粒子を「回収」した(“recovered”)。よって、胃中の放射能は、口腔内に堆積した放射能とほぼ等しい。妨げのない吸入流路を作るよう舌の位置を制御することは、被験者の可能性の内側にあること、そのような制御は治療に有益であること、並びに、本発明の主題である修正マウスピースはこの点に関して被験者を効果的に補助することが結論づけられる。研究からのサンプルデータが以下の表1に提供される。
【0049】
【表1】
【0050】
前に付記したように、i−Neb(R)AAD(R)システムは、呼吸数及び投与量安定性を制御するのを助けるためにここでは有利であるが、ネブライザの選択肢は限定的ではなく、如何なるネブライザ又は類似の医薬供給装置との関連でも本発明を使用し得る。
【0051】
適合されるマウスピースの使用は明白である。被験者は本発明の修正マウスピースを正しくあたかも原マウスピースであるように挿入するが、例えば、舌の先端でマウスピースの下面に遠位に結合される標的素子を使用して延長部を探し出し、好ましくは治療の間に亘ってであるが、少なくとも各吸入の前及び間に、舌の先端をそれと接触するよう配置する。修正マウスピース及び/又は原マウスピースへの取付けのための延長部を含むアダプタを、ネブライザを具備して或いは具備せずに、使用のための指示と共に、キットとして提供することも可能である。
【0052】
図1は、本発明の1つの具体的な例示的な実施態様に従ったネブライザ装置5の正面図であり、図2は左側面図である。ネブライザ装置5は、医薬をエアロゾルの形態で患者の肺内に供給するための医薬供給システムとして機能する。ネブライザ装置5は、ネブライザ装置5の特定の構成部品を収容する主ハウジング10と、主ハウジング10に取り外し可能に取り付けられるマウスピース部分15とを含む。図3は、ネブライザ装置5の主ハウジング10の概略図であり、それは(以下に記載される)ネブライザ装置5の選択的な構成部品を簡略化された記号的な形態で示している。
【0053】
マウスピース部分15は、主チャンバ20を含み、主チャンバ20は、マウスピース部分15が主ハウジング10に取り付けられるとき、以下により詳細に記載されるように、主ハウジング10内の構成部品によって生成されるエアロゾルを受け入れるよう構成される。主チャンバ20は、空気入口25を含む。加えて、主チャンバ20は、患者の口内に受け入れられるよう構成されるマウスピース構成部品30に至る内部導管を有する。患者が彼又は彼女の口をマウスピース構成部品30の上に置き且つ吸引すると、空気が空気入口25から主チャンバ20内に流入させられ、主チャンバ20の内部導管を通じてマウスピース構成部品30に至る。理解されるように、空気ストリームは、以下に記載される方法で生成されるエアロゾルを患者の肺内に運ぶ。
【0054】
図3に見られるように、主ハウジング10は、(複数の小型孔を含む)メッシュプレート45と、エアロゾルに変換されるべき液体(医薬)を保持するための貯槽50と、ホーン55と、ホーン55に動作的に結合される圧電トランスデューサ60とを含む。主ハウジング10は、コントローラ65や、電源70も含み、電源70は、好ましくは、充電可能な電池である。コントローラ65は、例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は、他の適切な処理装置であり得る処理部分と、処理部分の内部にあるか或いは処理部分に動作的に結合し得るメモリ部分とを含み、メモリ部分は、ここにより詳細に記載されるようなフィードバック及び命令をもたらすことを含め、ネブライザ5の動作を制御するために、処理部分によって実行可能なデータ及びソフトウェアのための記憶媒体を提供する。
【0055】
ホーン55は、メッシュプレート45の背面付近に配置され、コントローラ65の制御の下で圧電トランスデューサ60によって振動を引き起こし得る。圧電トランスデューサを駆動する動力は、電源70によってもたらされる。貯槽50内の液体は、メッシュプレート45の背面と流体接触している。圧電トランスデューサ60が振動させられると、それはホーン55をメッシュプレート45の領域内で振動するよう駆動する。ホーン55のそのような振動の結果、貯槽50内の液体はメッシュプレート45の孔を通じて押し出され、それによって、主チャンバ20内に射出されるエアロゾルプルームを生成する。図1に見られるように、主ハウジング10は、治療及びネブライザ装置5の動作についての情報を患者に提供するためのLCD12と、ネブライザ装置5の様々な特徴を制御するための入力をもたらすためのボタン14とを含む。
【0056】
図3に示され且つ記載されたばかりのメッシュプレート式エアロゾル生成システムは例示的であることが意図され、本発明と関連して利用し得るエアロゾル生成システムの1つの種類に過ぎないことが理解されるべきである。本発明の範囲内で他の種類のエアロゾル生成システムを利用し得ることが想定される。例えば、非限定的に、図3におけるような別個のホーンではなくメッシュの外側の周りの圧電素子を利用するエアロゾル生成システムを利用し得る。他の非限定的な実施例として、空気式エアロゾル生成システムを利用し得る。
【0057】
図1及び2に見られるように、マウスピース構成部品30は、基部75を含み、基部75は、その内部に呼吸通路を定めるための頂壁と、底(下面)壁と、左側壁と、右側壁とを含む。基部75は、主チャンバ20に流体的に結合され、よって、上述されたエアロゾル運搬空気ストリームを主チャンバ20から受け入れるよう構成される。マウスピース構成部品30は、舌ガイド80も含み、舌ガイド80は、基部75の底(下面)壁に結合され、底(下面)壁から外向きに延びる。加えて、舌ガイド80の底部表面85は、舌頂端位置決め素子を備え、舌頂端位置決め素子は、例示される実施態様では、底部表面85から延びるドーム形状の突出部材90の形態にある。図4は、突出部材90を示すマウスピース構成部品30の断面図である。
【0058】
1つの具体的な非限定的な実施態様において、ネブライザ装置は、以下の寸法を有する。即ち、主ハウジング10の幅は65mmであり、主ハウジング10の深さは45mmであり、主ハウジング10の底部から基部75の遠位端部までの距離は151mmであり、マウスピース部分15の底部から基部75の遠位端部までの距離は76mmであり、基部75の幅は25.4mmであり、舌ガイド80の長さは19mmである。
【0059】
図5を参照すると、使用中、患者はマウスピース構成部品30を彼又は彼女の口内に挿入する。ここに記載されたようにネブライザ5によって生成されるエアロゾル化粒子を吸入する前に、患者は彼又は彼女の舌100の頂端95を突出部材90に対して配置する。これは舌100をマウスピース構成部品30から患者の気管に延びる吸入空気流路に沿う空気又はエアロゾルの流れと干渉しない方法で位置付けさせる。よって、例示的な実施態様では、突出部材90は、舌100の頂端95によって容易に感知され得るよう十分に顕著である。
【0060】
1つの具体的な実施態様において、コントローラ65は命令を使用者に提供させるよう構成(プログラム)され、治療前及び/又は治療中に(例えば、エアロゾル生成を開始するよう、患者がボタン14を押すのに応答して)使用者に彼又は彼女の舌100の頂端95を突出部材90に対して配置するよう命令する。そのような命令を、例えば、LCD12を通じて視覚的に、ネブライザ5の一部として設けられるスピーカを通じて可聴に、或いは、視覚的に及び可聴に提供し得るが、それらに限定されない。
【0061】
図1、2、4、及び、5に示される実施態様は例示的であることが意図されること、及び、舌ガイド80の底部表面85上に設けられる舌頂端位置決め素子は他の形態を有し得ることが理解されなければならない。例えば、図6を参照すると、舌頂端位置決め素子は、舌ガイド80の底部表面85に設けられる細長い溝又は逆ドーム形状窪みのような陥凹又は窪み部105を含み得る。この実施態様では、(可能であれば上述の命令に応答して)ネブライザ5を使用するとき、舌100を上述されたように位置付けるために、患者は頂端95で窪み部105を探し出す(例えば、頂端95を窪み105内に受け入れ得る)。
【0062】
更なる代替的な実施態様が図7及び8に示されている。その実施態様において、ネブライザ5’は、図1及び2に示されるネブライザ5に類似し、同等の構成部品は、同等の参照番号で印されている。しかしながら、ネブライザ5’は、基部75’と選択的に取り付け可能な舌ガイド80’とを含む、マウスピース構成部品30’を含む。具体的には、選択的に取り付け可能な舌ガイド80’は、舌頂端位置決め素子を有する底部表面85’を含み、舌頂端位置決め素子は、例示の実施態様では、ドーム形状突出部材90’の形態である。しかしながら、舌ガイド80’は、スナップ嵌め、摩擦嵌め、又は、何らかの他の適切な方法によって舌ガイド80’が基部75’に取り付けられるのを可能にするよう、取り付けられる基部75’に恒久的に取り付けられるよりもむしろ、基部75の遠位端部の形状と類似する形状を有するリング部分105を含む。よって、そのような装置を元来具備しない既存のネブライザと共に舌ガイド80’を使用し得る。
【0063】
一層更なる代替的な実施態様が図9及び10に示されている。その実施態様において、ネブライザ5”は、図1及び2に示されるネブライザ5と類似しており、同等の構成部品は、同等の参照番号で印されている。しかしながら、ネブライザ5”は、舌ガイド80”に結合された基部75を含むマウスピース構成部品30”を含み、舌ガイド80”は、舌頂端位置決め素子を有さない。この実施態様では、使用中、患者は、彼又は彼女の舌100の頂端95を、図11に示されるように、舌ガイド80”の底部表面85”に対して配置する。1つの具体的な実施態様では、コントローラ65は、命令が使用者に提供されるよう構成(プログラム)され、治療前及び/又は治療中に(例えば、エアロゾル生成を開始するよう、患者がボタン14を押すのに応答して)、使用者に彼又は彼女の舌100の頂端95を舌ガイド80”の底部表面85”に対して配置するよう命令する。そのような命令を、例えば、LCD12を通じて視覚的に、ネブライザ5の一部として設けられるスピーカを通じて可聴に、或いは、視覚的に及び可聴に提供し得るが、それらに限定されない。
【0064】
その上、更なる代替的な実施態様が図12に示されている。その実施態様において、ネブライザ5”’は、図1及び2に示されるネブライザ5と類似しており、同等の構成部品は、同等の参照番号で印されている。しかしながら、ネブライザ5”’は、基部75”’を含むマウスピース構成部品30”’を含み、基部75”’は、その底壁上に設けられた突出部材90”’の形態の舌頂端位置決め素子を有する。この実施態様では、使用中、患者は彼又は彼女の舌100の頂端95を突出部材90”’に対して配置する。1つの具体的な実施態様では、コントローラ65は、命令が使用者に提供されるよう構成(プログラム)され、治療前及び/又は治療中に(例えば、エアロゾル生成を開始するよう、患者がボタン14を押すのに応答して)、使用者に彼又は彼女の舌100の頂端95を突出部材90”’に対して配置するよう命令する。そのような命令を、例えば、LCD12を通じて視覚的に、ネブライザ5の一部として設けられるスピーカを通じて可聴に、或いは、視覚的に及び可聴に提供し得るが、それらに限定されない。
【0065】
図7及び8を再び参照すると、舌頂端位置決め素子を有さない代替手的な選択的に取り付け可能な舌ガイド80’を設けてもよく、それは舌ガイド80”と関連してちょうど記載されたように機能する。
【0066】
現時点で最も実用的であり且つ好適であると考えられるものに基づく例示の目的のために本発明を詳細に記載したが、そのような詳細は専らその目的のためであること、及び、本発明は開示の実施態様に限定されず、むしろ付属の請求項の精神及び範囲内にある変更及び均等構成をカバーすることが意図されることが理解されるべきである。例えば、本発明は、可能である限り、任意の実施態様の1つ又はそれよりも多くの特徴を任意の他の実施態様の1つ又はそれよりも多くの特徴と組み合わせ得ることが理解されるべきである。
【技術分野】
【0001】
本願は2009年5月11日に出願された「Mouthpiece with Tongue Guide」という名称の米国仮出願第61/216,022号から35U.S.C.§119(e)の下の優先権を主張し、その開示内容を参照によってここに組み込む。
【0002】
本発明は、肺へのエアロゾル化粒子の被験者経口投与に関する。より具体的には、本発明は、自由通過空気を制限せずに中咽頭内でのエアロゾル粒子の堆積を減少する、投与中に舌位置を捕捉し且つ維持するよう被験者を案内するマウスピースに関する。
【背景技術】
【0003】
吸入器、ネブライザ、アトマイザ、及び、空気中に乾燥した又は「湿った」粒子(即ち、「エアロゾル」)のコロイド状の懸濁液を作り出す他の装置はありふれている。装置はエアロゾル化(噴霧化)に必要なエネルギをもたらし、或いは、本質的には、吸入によって生成される吸引を適用することによって、装置の使用者がそのようにしてもよい。被験者はそのようなエアロゾルを鼻又は口に導入し、或いは、鼻又は口を介してエアロゾルを気管又は肺内に吸引し得る。吸入のために生成されるエアロゾルは、典型的には、局所部位又は全身部位のいずれかを標的とする薬品(医薬)を含む。一般的には、そのような医薬は口咽頭組織に無害であり、それらを不純物と共に消化し得る。そのような医薬が比較的安価でもある限り、それらの中咽頭内での偶発的な堆積は取るに足らない。しかしながら、推奨と表示され或いは必須とさえ表示されるエアロゾル投与が許容可能な高価から極めて高価までの治療薬のリストは増大している。その上、多数のこれらの医薬は狭い治療指数の外側では有毒であり得るので、安全性の理由のために、それらは投与量に対する特別な注意を必要とする。
【0004】
同時に、気管内挿管、舌押下器、又は、他の装置、例えば、堆積部位としての口咽頭組織を排除する金属又はプラスチック導管のような、極端な又は不快な手段は回避されるのが好ましい。吸入空気の流れを妥協し或いは複雑化する装置を回避するのも有利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
必要とされているのは、エアロゾル(aerosol)が吸入されるときにエアロゾルのために口腔を通じる障害物のない或いは少なくとも再現可能な吸入流路を随意的に作り出すよう被験者を効果的に補助する非閉塞装置である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
その様々な実施態様において、本発明は、医薬を浪費する問題、及び、被験者(subject)によるエアロゾルの吸入中に舌の上に堆積するエアロゾル化粒子の故に投与量に変動性を導入する問題に取り組む。よって、1つの実施態様において、本発明は、貫通して延びる呼吸通路を定めるマウスピースを提供し、マウスピースは、舌ガイドを含む。1つの実施態様において、吸入圧力勾配によって推進されるエアロゾルは、呼吸通路から気管に延びる吸入空気流路軸の周りに配置される吸入吸気流路に沿って、エアロゾル生成源から呼吸通路を通じて口腔内に流れる。好適実施態様において、舌ガイドは、(i)舌ガイドが吸入空気流路に層空気又はエアロゾルの流れと干渉せず、(ii)舌の頂端が舌ガイドの下面に適合するよう、マウスピース上に配置される。1つの実施態様において、舌ガイドは、舌窪み(tongue recess)の蓋(roof)を形成する。1つの実施態様において、舌窪みは、マウスピースを使用する被験者の舌の一部を受け入れるような大きさとされる。1つの実施態様において、舌窪みは、窪み内の舌の頂端(apex)を覆う。1つの実施態様において、舌窪みの蓋は、頂端から後方に約3cm、好ましくは2cm未満、最も好ましくは1cm未満、舌の背面を覆う。1つの実施態様において、蓋は有郭乳頭を覆わない。
【0007】
1つの実施態様において、マウスピースは、ネブライザを更に含む。1つの実施態様では、ネブライザがエアロゾル粒子を放出するときに、被験者が吸入すると、粒子が呼吸通路内に流入するよう、ネブライザはマウスピースに近接して配置される。1つの実施態様において、ネブライザは、エアロゾル粒子を吸入空気流路内に直接的に放出する。好適実施態様において、舌ガイドは、呼吸通路を通じる空気又はエアロゾル化粒子の流れと干渉しないが、被験者が被験者の舌を吸入空気流路の下に位置付け得る表面をもたらすよう構成される。
【0008】
好適実施態様において、吸入空気流路は、呼吸通路を通じて、舌を越えて被験者の気管内に延びる。
【0009】
1つの実施態様において、本発明は被験者によって吸入されるエアロゾル化粒子の流れを制御する方法を提供し、当該方法は、a)ネブライザと、マウスピースと、舌ガイドとを含む装置を提供することを含み、マウスピースは、マウスピースを貫通して延びる呼吸通路を含み、ネブライザは、ネブライザがエアロゾル粒子を放出するときに、被験者が吸入すると、粒子が吸入空気流路に流入するよう、マウスピースに近接して配置され、舌ガイドは、舌窪みの蓋を形成するようマウスピースから延び、且つ、粒子の流れと干渉しないよう構成され、b)エアロゾル化粒子を吸入する必要がある被験者にマウスピースを適合することを含み、被験者は被験者の舌の頂端を舌窪み内に配置し、c)被験者が吸入すると粒子が吸入空気流路内に流入するような条件の下で、ネブライザでエアロゾル化粒子を作り出すことを含み、被験者が吸入するときに、被験者の舌は舌窪み内に留まり、それによって、粒子の流れを制御する。
【0010】
他の実施態様において、本発明はエアロゾル粒子が被験者の呼吸周期の吸入段階と同期して作り出される方法を提供する。更に他の実施態様において、放出は所定呼吸数が条件とされる。ある例示的な実施態様において、その呼吸数は潮汐呼吸(tidal breathing)に比べゆっくりである。他の例示的な実施態様において、舌窪み内の舌の配置は、口腔及び口咽頭内に堆積される粒子の量を減少し、被験者の肺内に堆積される粒子の量を増大する。更に他の実施態様において、粒子の空気動力学的中央粒子径は、0.5〜5ミクロンの間である。
【0011】
更に他の実施態様において、本発明は、装置と命令(instructions)とを含むキットを提供し、装置は、ネブライザと、マウスピースと、舌ガイドとを含み、マウスピースは、そこを通じて延びる呼吸通路を含み、呼吸通路は、吸入空気流路を収容し、ネブライザは、ネブライザがエアロゾル粒子を放出するときに、被験者が吸入すると粒子が吸入空気流路に流入するよう、マウスピースに近接して配置され、舌ガイドは、舌窪みの蓋を形成するようマウスピースから延び、命令は、粒子を吸入する前に舌窪み内に被験者の舌を配置するよう被験者に命令する。1つのキットの実施態様において、命令は、舌を舌窪み内に維持しながら、ゆっくり吸引するよう、被験者に命令する。
【0012】
1つの実施態様では、薬品の供給源からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成器と、患者の口内に挿入されるよう構成されるマウスピース構成部品とを含む、薬品を含むエアロゾルを患者に供給するための薬品供給装置が提供され、マウスピース構成部品は、エアロゾルを受け取り且つエアロゾルを患者に供給するためにエアロゾル生成器に動作的に結合され、マウスピース構成部品は、マウスピース構成部品が患者の口内に挿入されときに患者の舌に面するよう構成される下面と、下面に設けられる舌頂端位置決め素子とを有し、舌頂端位置決め素子は、薬品供給装置の使用中、患者の舌の頂端と係合するよう構成される。
【0013】
更に他の実施態様では、薬品の供給源からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成器と、患者の口内に挿入されるよう構成されるマウスピース構成部品と、エアロゾル生成器の動作を制御するコントローラとを含む、薬品を含むエアロゾルを患者に供給するための薬品供給装置が提供され、マウスピース構成部品は、エアロゾルを受け取り且つエアロゾルを患者に供給するためにエアロゾル生成器に動作的に結合され、マウスピース構成部品は、マウスピース構成部品が患者の口内に挿入されるときに患者の舌に面するよう構成される下面を有し、コントローラは、薬品供給装置に患者に対する命令を提供させ、命令は、薬品供給装置の使用中、舌の頂端をマウスピース構成部品の下面に対して配置するよう患者に命令する。
【0014】
更に他の実施態様では、薬品を含むエアロゾルを患者に供給するためのキットが提供され、当該キットは、(i)薬品供給装置を含み、薬品供給装置は、薬品の供給源からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成器と、患者の口内に挿入されるよう構成されるマウスピース構成部品とを含み、マウスピース構成部品は、エアロゾルを受け取り且つエアロゾルを患者に供給するためにエアロゾル生成器に動作的に結合され、マウスピース構成部品は、マウスピース構成部品が患者の口内に挿入されときに患者の舌に面するよう構成される下面を有し、(ii)薬品供給装置の使用中、舌の頂端をマウスピース構成部品の下面に対して配置するよう患者に命令する命令を含む。
【0015】
一層更なる実施態様では、薬品を含むエアロゾルを患者に供給する方法が提供され、当該方法は、(i)薬品供給装置を提供することを含み、薬品供給装置は、薬品の供給源からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成器と、患者の口内に挿入されるよう構成されるマウスピース構成部品とを含み、マウスピース構成部品は、エアロゾルを受け取り且つエアロゾルを患者に供給するためにエアロゾル生成器に動作的に結合され、マウスピース構成部品は、マウスピース構成部品が患者の口内に挿入されときに患者の舌に面するよう構成される下面を有し、(ii)薬品供給装置の使用中、舌の頂端をマウスピース構成部品の下面に対して配置するよう患者に命令することを含み、(iii)患者の舌の頂端がマウスピース構成部品の下面に対して配置されるときにマウスピース構成部品を通じてエアロゾルを患者に供給することを含む。
【0016】
本発明のこれらの及び他の目的、機能、及び、特徴、並びに、動作方法、構造の関連素子の機能、部品の組み合わせ、及び、製造の経済性は、添付の図面を参照して以下の記載及び付属の請求項を検討した後、より明らかになるであろう。図面の全ては本明細書の一部を形成し、同等の参照番号は、様々な図面中の対応する部分を指している。しかしながら、図面は例示及び記載の目的のためのみであり、本発明の制限を定めるものとして意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の1つの例示的な実施態様に従ったネブライザ装置を示す正面図である。
【図2】本発明の1つの例示的な実施態様に従ったネブライザ装置を示す左側面図である。
【図3】図1及び2のネブライザ装置を示す概略図であり、ネブライザ装置の選択的な構成部品を簡略化された或いは記号的な形態で示している。
【図4】図1及び2のネブライザ装置の一部を形成するマウスピース部品を示す断面図である。
【図5】図1及び2のネブライザ装置の一部を形成するマウスピース部品の使用を示す概略図である。
【図6】図1及び2のネブライザ装置の一部を形成する代替的なマウスピース部品を示す断面図である。
【図7】本発明の代替的な例示的な実施態様に従ったネブライザ装置を示す正面図である。
【図8】本発明の代替的な例示的な実施態様に従ったネブライザ装置を示す左側面図である。
【図9】本発明の他の代替的な例示的な実施態様に従ったネブライザ装置を示す正面図である。
【図10】本発明の他の代替的な例示的な実施態様に従ったネブライザ装置を示す左側面図である。
【図11】図9及び10のネブライザ装置の一部を形成するマウスピース部品の使用を示す概略図である。
【図12】本発明の更なる代替的な例示的な実施態様に従ったネブライザ装置を示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施態様の記載の理解を促進するために、(引用記号内に区切られる)多数の用語が以下に定義付けられる。ここに定義付けられる用語は、(他に特定されない限り)本発明に関連する領域における当業者によって一般的に理解される意味を有する。
【0019】
本明細書及び付属の請求項において使用されるとき、不定冠詞は単一の実体のみを言及することは意図されず、文脈が他を表さない限り、例示のためにその具体的な実施例を使用し得る一般的な種類を含む。ここにおける用語は本発明の具体的な実施態様を記載するために使用されるが、請求項において外形を示されるものを除き、それらの使用は本発明を限定しない。
【0020】
ここで使用されるとき、「A、B、及び、Cから選択される」という表現は、A、B、Cの1つ又はそれよりも多くを選択することを意味する。
【0021】
ここで使用されるとき、反対の明示的な表示がない限り、「又は」という用語は、「A又はB」という表現中で使用され、A及びBが構成物、物体、病気、製品等を指し得るとき、どちらか一方(「排他的な又は」、又は、両方(「包括的な又は」)を意味する。
【0022】
ここで使用されるとき、「含む」(“comprising”)という用語は、方法におけるステップの記述の前に配置されるとき、その方法が、明示的に記述されるものに追加される1つ又はそれよりも多くのステップを包含すること、及び、追加的な1つ又はそれよりも多くのステップを記述されたステップの前、間、及び/又は、後で行い得ることを意味する。例えば、a、b、及び、cを含む方法は、a、b、x、及び、cの方法、a、b、c、及び、xの方法、並びに、x、a、b、及び、cの方法を包含する。その上、「含む」という用語は、方法におけるステップの記述の前に配置されるとき、文脈が他を表さない限り、(それが要求しにも拘わらず)得る列挙されるステップの順次的な遂行を要求しない。例えば、ステップa、b、及び、cを含む方法は、例えば、a、c、及び、bの順序のステップ、c、b、及び、aの順序のステップ、及び、c、a、及び、bの順序のステップを包含する。
【0023】
他が表示されない限り、明細書及び請求項中で量を表現する全ての数字は、全ての場合において、「約」という用語によって修正されるものとして理解されるべきである。従って、逆に示されない限り、明細書及び請求項中の数的パラメータは、本発明の特定の実施態様において得られることが探求される所望の特性に依存して異なり得る近似である。最低限でも、均等論の適用を請求項の範囲に限定せずに、各数的パラメータは、報告済み有効数字の数の観点から、並びに、通常の丸め技法を適用することによって、解釈されなければならない。しかしながら、如何なる数値も、数値の試験手段において見い出される誤差に必要的に起因する偏差を固有に包含する。
【0024】
「しない」(“not”)という用語は、任意の特定の指定実体又は現象に先行し且つ任意の特定の指定実体又は現象に関連して行われるとき、特定の指定実体又は現象のみが排除されることを意味する。
【0025】
任意の実体及び/又は現象に関連してここで使用されるとき、「変更する」(“altering”)という用語及び文法的均等物は、客観的に及び/又は主観的に決定されるか否かに拘わらず、所与空間における実体の量、及び/又は、現象の強度、力、エネルギ、又は、動力における増大又は減少を指す。
【0026】
「増大する」(“increase”)、「上がる」(“elevate”)、「上げる」(“raise”)、及び、それらの文法的均等物は、第二サンプルに対する第一サンプルにおける実体の量、及び/又は、減少の強度、力、エネルギ、又は、動力に関連して使用されるとき、第一サンプル中の実体の量、及び/又は、減少の強度、力、エネルギ、又は、動力が、あらゆる技術分野において許容されている分析方法を使用して満足に有意な任意の量だけ、第二サンプル中の実体の量、及び/又は、減少の強度、力、エネルギ、又は、動力よりも高いことを意味する。1つの実施態様では、例えば、患者が痛み、視力の明確性のような病状の主観的な知覚に言及するとき、増大を主観的に決定し得る。他の実施態様において、第一サンプル中の実体及び/又は現象の量が、第二サンプル中の同じ実体及び/又は現象の量よりも少なくとも10%大きい。他の実施態様において、第一サンプル中の実体及び/又は現象の量は、第二サンプル中の同じ実体及び/又は現象の量よりも少なくとも25%大きい。更に他の実施態様において、第一サンプル中の実体及び/又は現象の量は、第二サンプル中の同じ実体及び/又は現象の量よりも少なくとも50%大きい。更なる実施態様において、第一サンプル中の実体及び/又は現象の量は、第二サンプル中の同じ実体及び/又は現象の量よりも少なくとも75%大きい。更なる他の実施態様において、第一サンプル中の実体及び/又は現象の量は、第二サンプル中の同じ実体及び/又は現象の量よりも少なくとも90%大きい。代替的に、差を「n倍」差として表現し得る。
【0027】
「減じる」(“reduce”)、「抑制する」(“inhibit”)、「減少させる」(“diminish”)、「抑圧する」(“suppress”)、「減少する」(“reduce”)、及び、それらの文法的均等物は、第二サンプルに対する第一サンプルにおける実体の量、及び/又は、現象の強度、力、エネルギ、又は、動力に関連して使用されるとき、第一サンプル中の実体の量、及び/又は、現象の強度、力、エネルギ、又は、動力が、あらゆる技術分野において許容されている分析方法を使用して満足に有意な任意の量だけ、第二サンプル中の実体の量、及び/又は、現象の強度、力、エネルギ、又は、動力よりも低いことを意味する。1つの実施態様では、例えば、患者が痛み、弱さ等の病状の主観的な知覚に言及するとき、減少を主観的に決定し得る。1つの実施態様において、第一サンプル中の実体の量、及び/又は、現象の強度、力、エネルギ、又は、動力は、第二サンプル中の実体の量、及び/又は、現象の強度、力、エネルギ、又は、動力よりも少なくとも10%少ない。他の実施態様において、第一サンプル中の実体の量、及び/又は、現象の強度、力、エネルギ、又は、動力は、第二サンプル中の実体の量、及び/又は、現象の強度、力、エネルギ、又は、動力よりも少なくとも25%少ない。更に他の実施態様において、第一サンプル中の実体の量、及び/又は、現象の強度、力、エネルギ、又は、動力は、第二サンプル中の実体の量、及び/又は、現象の強度、力、エネルギ、又は、動力よりも少なくとも50%少ない。更なる実施態様において、第一サンプル中の実体の量、及び/又は、現象の強度、力、エネルギ、又は、動力は、第二サンプル中の実体の量、及び/又は、現象の強度、力、エネルギ、又は、動力よりも少なくとも75%少ない。更に他の実施態様において、第一サンプル中の実体の量、及び/又は、現象の強度、力、エネルギ、又は、動力は、第二サンプル中の実体の量、及び/又は、現象の強度、力、エネルギ、又は、動力よりも少なくとも90%少ない。代替的に、差を「n倍」差として表現し得る。
【0028】
「呼吸通路」(“breathing passage”)という用語は、特に「マウスピース」(“mouthpiece”)に関連してここで使用され、エアロゾル生成器が口腔と流体連絡するマウスピース内の開口を指す。「吸入流路」(“inhalation flow-path”)又は「吸入気流路」(“inhalation airflow-path”)という用語は、吸気がマウスピースから気管に流れる如何なる通路又は通路の組み合わせをも指す。吸入流路の寸法又は分布は、吸入から吸入を通じて、被験者の間で、或いは、エアロゾルの投与の間で一定なままであることは不要であるが理解されるべきである。
【0029】
「マウスピース」という用語は、ここでは、前述の開口をもたらす如何なる装置をも指す。しかしながら、本発明の実施態様において最も有利に利用されるマウスピースは、舌押下器(“tongue depressor”)又は偏向器(“tongue deflector”)を素子として単に有しない。ここで使用されるとき、舌押下器又は舌偏向器は、被験者の直接的な協働又は行動なしに、舌又は舌の一部を口底(“the floor of the mouth”)に向かって押し下げる或いは舌又は舌の一部を口横(“the side of the mouth”)に偏向する装置を指す。この機能をもたらすために、様々な舌押下器構造がマウスピースに組み込まれている。米国特許第4,148,308号、5,533,523号、6,606,992号、7,140,365号、及び、7,464,706号、並びに、米国特許出願公開第2007/0221211号が例である。これらの実施例の各々において、被験者は舌押下器を自己挿入しなければならないが、被験者は舌押下げ自体において受動的である。換言すれば、被験者は、彼又は彼女の舌が邪魔にならないようにするために、彼又は彼女の舌で如何なる積極的なステップをも行わない。その代わり、舌押下器の力は彼又は彼女の舌を脇に寄せる。
【0030】
「舌ガイド」(“tongue guide”)という用語は、ここでは、(1)被験者がエアロゾル化粒子を吸入するときに、舌背面が被験者の口蓋と接触する傾向を有さないよう、被験者が彼又は彼女の舌を位置付けるのを助ける、(2)好ましくは、先端又は頂端から約3cm未満だけ、より好ましくは2cm未満だけ、最も好ましくは1cm未満だけ後方で舌背面を覆うあらゆる手段を概ね指す。実際には、舌ガイドは、単に、使用中に口内に存在するバンプのような突起又はマウスピースの一部の下面(ventral aspect)に配置される陥凹のような舌頂端位置決め素子であり得るし、或いは、そのような舌頂端位置決め素子を含み得るが、それらに限定されない。バンプは意識のある被験者の舌の頂端又は先端によって感知されるのに十分な大きさであれば十分である。しかしながら、好ましくは、舌の前側のために舌陥凹(“tongue recess”)の蓋(“roof”)を形成するのに十分なほど大きく、その陥凹を内部で口底及び下側歯茎又は下顎歯の舌表面によって更に定め得る。蓋部分が舌のための患者カバーをもたらすことは不要である。即ち、様々な方法のいずれにおいても蓋を有窓性とし得る。舌陥凹の目的は、被験者が舌を位置決めするのを助けることであり、舌を保護することではない。
【0031】
ここで使用されるとき、「〜と干渉する」(“interfere with”)という用語は、空気又はエアロゾル化粒子の流れに特に関し、干渉の機構に関する如何なる推測も行わない。理想的な流れ条件は、マウスピースから気管までの乱流のない一定の(好ましくは、遅い)速度での層流である。そのような理想的な条件が実際に得られそうもないが、この理想に向かって偏向させる如何なる環境も望ましい。
【0032】
ここで使用されるとき、「吸入」(“inhalation”)及び「吸気」(“inspiration”)という用語は、圧力勾配に沿って概ね推進される肺への空気の取入れを指し、その場合、負圧が被験者の胸腔の膨張によって構築され、膨張は被験者の横隔膜の収縮によって主に影響される。しかしながら、如何なる特定の機構の用語の適用性を限定することは意図されない。負圧の代わりに正圧によって、或いは、例えば、人工肺によって行われる吸気によって吸気を達成し得る。一般的には、吸気は呼吸周期(“breathing cycle”)又は呼吸周期(“respiratory cycle”)の脈絡で起こり、呼気又は排気は、被験者の生理学的な要求に依存して概ね比較的一定な「呼吸数」(“breathing rate”)で、吸気と交互に起こり、被験者による随意的な調節及び解剖学的な又は他の制約が被験者に課される。
【0033】
マウスピースに関連してここで使用されるとき、「装着する」(“wearing”)という用語は、使用中のマウスピースを言及しており、複雑性において単一の管状の導管から鍔、咬み台、ヘッドストラップ等を備えるマウスピースに及ぶマウスピースを包含する。
【0034】
「ネブライザ」(“nebulizer”)は、ここでは、液滴(「湿式」エアロゾル)を生成するネブライザ及びエアロゾルを生成するエネルギをもたらすネブライザのような、エアロゾルを生成し得る如何なる装置をも指すが、それらに限定されない。一般的には、ネブライザによって生成されるエアロゾルは、「プルーム」と呼ばれる「雲」又は「霧」として現れ、(それがより速く移動する気流によって射出されない限り)それは低速で漂流する傾向がある。本発明の実施態様において使用し得る例示的で非限定的なネブライザは、Murrysville,PennsylvaniaのPhilips Respironicsによって販売されているi−Neb(R)AAD(R)システムである。
【0035】
ここで使用されるとき、「近接」(“proximity”)という用語は、ネブライザとマウスピースとの間の関係を特に言及する。好ましくは、ネブライザ及びマウスピースは、互いに取り付け可能であり、或いは、実際に取り付けられている。しかしながら、その用語は、ネブライザのプルームがマウスピースに達する或いはマウスピース内に吸入されるのを許容するようマウスピースに十分に近いネブライザまで拡張する。
【0036】
「同期され」(“synchronized”)という用語は、ここでは、ネブライザの呼吸作動に関連して使用される。典型的には、呼吸作動ネブライザは、被験者が吸入を開始するとき(或いは吸入を開始する直前に)エアロゾルプルームを自動的に解放する。ここでは、用語は「自動」呼吸作動に限定されない。例えば、ネブライザの作動は、入力要求(prompt)に応答して装置を作動する被験者の制御の下にあり得る。その入力要求は、特定の事象又は事象の組み合わせの発生と「同期して」起こる。例えば、入力要求は、被験者の監視呼吸数が安定化して所定レベルになった後に予期される吸入の瞬間に起こり得る。
【0037】
ここで利用されるとき、2つ又はそれよりも多くの部分又は構成部品が共に「結合される」(“coupled”)という記述は、それらの部分が直接的に或いは1つ又はそれよりも多くの中間部分又は構成部品を通じて共に接合され或いは動作することを意味する。
【0038】
ここで利用されるとき、2つ又はそれよりも多くの部分又は構成部品が互いに「係合する」(“engage”)という記述は、それらの部分が直接的に或いは1つ又はそれよりも多くの中間部分又は構成部品を通じて互いに力を加え合うことを意味する。
【0039】
ここで利用されるとき、「数」という用語は、1又は1よりも大きな整数(即ち、複数)を意味する。
【0040】
例えば、それらに限定されないが、頂、底、左側、右側、上方、下方、前方、後方、及び、それらの派生語のような、ここで使用される方向の表現は、図面に示される素子の向きに関係し、請求項中に明示的に記述されない限り、請求項を限定しない。
【0041】
ここで他に記載されたように、益々の数の高価な医薬がエアロゾル形態で肺に投与される。例えば、インターフェロン−γは、エアロゾルにおいて肺に直接的に投与されるとき、突発性肺胞線維症を治療するのに効果邸であることが示されている(米国特許第6,964,761号)。喘息(米国特許出願公開第2007/0065367号)及び結核(米国特許出願公開第2008/0292559号)に関する類似の証拠が存在する。インターフェロンのような医薬の高価さ、投与量が予期されるものから逸脱するときの悪影響の潜在性は、エアロゾル療法のための最適な条件を見出すことに多大の注意を集中させている。同時に、そのような医薬の利益はそのような不吉な病気に限定されないので、患者は治療を行うのに有意な不快さを喜んで受ける。よって、気管内挿管のような極端な又は不快な手段を回避し、或いは、堆積場所としての口咽頭組織を回避し或いは排除するために、舌押下器又は他の装置、例えば、金属又はプラスチック導管さえも回避することが望ましい。吸気の流れを妥協し或いは複雑化する装置を回避することも有利である。
【0042】
所与量の流動空気内に懸濁される粒子の挙動は、空気が流れる速度に強く依存する。エアロゾルはコロイド状であり、即ち、エアロゾルを含む粒子は空気中に安定的な懸濁を形成する。よって、エアロゾル中の極めて大きな(重い)粒子を浮揚する空気が十分にゆっくりと流れるならば、それらの粒子でさえ、ある程度まで互いに引き付けられて、表面の上又は周りで「遊動(float)」又は「摺動(slide)」する傾向を有する。他方、粒子を粘着させるのに十分な力で粒子を表面に衝突させるためには、速く移動する容量の空気内に懸濁される小さな(軽い)粒子の運動量でさえも十分であり得る。
【0043】
ネブライザ又は類似の医薬供給装置のマウスピースから使用者の気管に流れる空気のための広々とした経路を提供することが本発明の目的である。即ち、舌によって比較的妨げられていない経路が好ましくあり得る。他の者はこの好適例に関心を向けている。例えば、Svartengran et al.(Eur.Respir.J.9:1556−1559,1996)は、吸入エアロゾルの70%よりも多くが一部の患者の中咽頭に堆積されることを示した。その著者は口腔及び舌を迂回するのに十分なほどに細長いマウスピースを使用することによって、その効果を改善することを試みた。しかしながら、喉詰まり及び一般的な不快さの故に、堅い口蓋を超えて後方に拡張されるマウスピースを使用することは可能ではなかった。細長いマウスピースは口咽頭堆積の幾分の削減をもたらしたが、その差は有意ではなかった。
【0044】
舌を迂回する導管を使用することによって堆積を減少するこの試みよりも効果的なものは、吸入の速度及び投与されるエアロゾル化粒子の大きさを制御する努力である。例えば、米国特許出願公開第2008/0292559号は、潮汐呼吸に比べてゆっくりで深い呼吸方法を使用する呼吸パターンが呼吸流速の減少及び呼吸時間の大いなる延長を強制する。ゆっくりとした呼吸はエアロゾル粒子が上方気道を迂回することを許容し、よって、エアロゾル粒子を肺内の堆積のために利用可能にする。
【0045】
投与される粒子の大きさは、最適化問題であると思われる。一般的には、口咽頭表面との接近遭遇中にコロイド状の懸濁液内に留まるよう、より小さい(より軽い)粒子は、より大きな粒子よりも適している。しかしながら、延長された呼吸は、肺末梢内に完全に吸入されるエアロゾルの適切な定着を可能にする。呼吸時間の延長及び定着の進歩は、吸入粒子を排気し得る前に「呼気堆積」(“inspiratory deposition”)を促進する。米国特許出願公開第2008/0292559号中に付記されるように、これらの環境の下で、排気が開始する前に堆積する殆ど100%の吸入粒子を有することが可能である。比較的大きな(例えば、4.5μ)であり且つ中咽頭内に堆積するのが普通である粒子を使用することによって、このプロセスを更に強化し得る。ゆっくりで深い呼吸の延長された呼気は患者の肺への医薬の供給に特に適し、その末梢気道病状は、従来的なより小さなエアロゾルの堆積の減少をもたらし、中咽頭における堆積の回避を促進する。この方法によって治療し得る肺末梢の病気は、例えば、突発性肺胞線維症及び肺気腫を含む。これらの実体の両方は、肺内に拡大された空域を引き起こし、それは潮汐呼吸中に最少堆積を招く。
【0046】
空気流の速度及びエアロゾル粒子を連帯的に最適化するのに加えて、吸入中に広い流路を構築し且つ維持するための手段が有利である。使用者に無害な手段がより一層有利である。本発明者は、突発性肺胞線維症のために患者を治療することと関連して、挿管、喉詰まり反射を活性化する長いマウスピースが不要であり、舌押下器さえも不要であることを見い出した。実質的な容積の吸入流路を作り出すために、被験者は彼らの舌を容易に方向付け得る。必要とされる全てのことは、そのような位置を取るよう、意識のある被験者の舌を案内する手掛かり(cue)である。本出願人は、例えば、標的素子を使用してマウスピースの下面(ventral surface)に延長部を遠位に追加することが、十分な手掛かりを遠位にもたらすことを見い出した。
【0047】
ここで他で述べられたように、Nurrysville,PennsylvaniaのPhilips Respironicsによって販売されているi−Neb(R)AAD(R)システムは、本発明と関連して使用し得る適切なネブライザである。i−Neb(R)AAD(R)システムは、被験者による一定の制御を受けて呼吸作動されることが付記されなければならない。即ち、エアロゾル供給システムは順応性がある。エアロゾルは振動メッシュ技術を通じて作り出され、医薬の投与量は電子フィードバック及び特定の測定チャンバを通じて制御される。測定チャンバは、約0.1mLの残留物を伴って0.25〜1.4mLに亘る事前設定容量を供給し得る。振動メッシュは、エアロゾル出力の最適化のために可変の電力範囲を有する。加えて、i−Neb(R)AAD(R)システムは、過去3回の呼吸の丸め平均(rolling average)に基づき、薬物供給を各呼気の50〜80パーセントにパルス化するアルゴリズムを組み込む。治療を通じて、i−Neb(R)AAD(R)システムは、液晶ディスプレイを通じて連続的なフィードバックを患者にもたらし、治療の成功裏の供給後、患者は可聴及び触覚フィードバックを受け取る。よって、被験者はシステムを呼吸数に対して最適に動作するのに十分な実時間情報を備える。
【0048】
治療が既存のi−Neb(R)AAD(R)システム及びマウスピースの下面への延長部を含むよう修正されたi−Neb(R)AAD(R)システムの両方を備える本発明者によって行われた研究では、空気動力学的中央粒子径(MMAD)によって決定されるような粒子サイズが治療の間で異ならないことが構築された。2つの治療の間の主要な区別は、口咽頭腔内に蓄積される(放射能として測定される)粒子の割合であった。被験者は治療の終わりに水を飲むことによって口腔内に堆積された粒子を「回収」した(“recovered”)。よって、胃中の放射能は、口腔内に堆積した放射能とほぼ等しい。妨げのない吸入流路を作るよう舌の位置を制御することは、被験者の可能性の内側にあること、そのような制御は治療に有益であること、並びに、本発明の主題である修正マウスピースはこの点に関して被験者を効果的に補助することが結論づけられる。研究からのサンプルデータが以下の表1に提供される。
【0049】
【表1】
【0050】
前に付記したように、i−Neb(R)AAD(R)システムは、呼吸数及び投与量安定性を制御するのを助けるためにここでは有利であるが、ネブライザの選択肢は限定的ではなく、如何なるネブライザ又は類似の医薬供給装置との関連でも本発明を使用し得る。
【0051】
適合されるマウスピースの使用は明白である。被験者は本発明の修正マウスピースを正しくあたかも原マウスピースであるように挿入するが、例えば、舌の先端でマウスピースの下面に遠位に結合される標的素子を使用して延長部を探し出し、好ましくは治療の間に亘ってであるが、少なくとも各吸入の前及び間に、舌の先端をそれと接触するよう配置する。修正マウスピース及び/又は原マウスピースへの取付けのための延長部を含むアダプタを、ネブライザを具備して或いは具備せずに、使用のための指示と共に、キットとして提供することも可能である。
【0052】
図1は、本発明の1つの具体的な例示的な実施態様に従ったネブライザ装置5の正面図であり、図2は左側面図である。ネブライザ装置5は、医薬をエアロゾルの形態で患者の肺内に供給するための医薬供給システムとして機能する。ネブライザ装置5は、ネブライザ装置5の特定の構成部品を収容する主ハウジング10と、主ハウジング10に取り外し可能に取り付けられるマウスピース部分15とを含む。図3は、ネブライザ装置5の主ハウジング10の概略図であり、それは(以下に記載される)ネブライザ装置5の選択的な構成部品を簡略化された記号的な形態で示している。
【0053】
マウスピース部分15は、主チャンバ20を含み、主チャンバ20は、マウスピース部分15が主ハウジング10に取り付けられるとき、以下により詳細に記載されるように、主ハウジング10内の構成部品によって生成されるエアロゾルを受け入れるよう構成される。主チャンバ20は、空気入口25を含む。加えて、主チャンバ20は、患者の口内に受け入れられるよう構成されるマウスピース構成部品30に至る内部導管を有する。患者が彼又は彼女の口をマウスピース構成部品30の上に置き且つ吸引すると、空気が空気入口25から主チャンバ20内に流入させられ、主チャンバ20の内部導管を通じてマウスピース構成部品30に至る。理解されるように、空気ストリームは、以下に記載される方法で生成されるエアロゾルを患者の肺内に運ぶ。
【0054】
図3に見られるように、主ハウジング10は、(複数の小型孔を含む)メッシュプレート45と、エアロゾルに変換されるべき液体(医薬)を保持するための貯槽50と、ホーン55と、ホーン55に動作的に結合される圧電トランスデューサ60とを含む。主ハウジング10は、コントローラ65や、電源70も含み、電源70は、好ましくは、充電可能な電池である。コントローラ65は、例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は、他の適切な処理装置であり得る処理部分と、処理部分の内部にあるか或いは処理部分に動作的に結合し得るメモリ部分とを含み、メモリ部分は、ここにより詳細に記載されるようなフィードバック及び命令をもたらすことを含め、ネブライザ5の動作を制御するために、処理部分によって実行可能なデータ及びソフトウェアのための記憶媒体を提供する。
【0055】
ホーン55は、メッシュプレート45の背面付近に配置され、コントローラ65の制御の下で圧電トランスデューサ60によって振動を引き起こし得る。圧電トランスデューサを駆動する動力は、電源70によってもたらされる。貯槽50内の液体は、メッシュプレート45の背面と流体接触している。圧電トランスデューサ60が振動させられると、それはホーン55をメッシュプレート45の領域内で振動するよう駆動する。ホーン55のそのような振動の結果、貯槽50内の液体はメッシュプレート45の孔を通じて押し出され、それによって、主チャンバ20内に射出されるエアロゾルプルームを生成する。図1に見られるように、主ハウジング10は、治療及びネブライザ装置5の動作についての情報を患者に提供するためのLCD12と、ネブライザ装置5の様々な特徴を制御するための入力をもたらすためのボタン14とを含む。
【0056】
図3に示され且つ記載されたばかりのメッシュプレート式エアロゾル生成システムは例示的であることが意図され、本発明と関連して利用し得るエアロゾル生成システムの1つの種類に過ぎないことが理解されるべきである。本発明の範囲内で他の種類のエアロゾル生成システムを利用し得ることが想定される。例えば、非限定的に、図3におけるような別個のホーンではなくメッシュの外側の周りの圧電素子を利用するエアロゾル生成システムを利用し得る。他の非限定的な実施例として、空気式エアロゾル生成システムを利用し得る。
【0057】
図1及び2に見られるように、マウスピース構成部品30は、基部75を含み、基部75は、その内部に呼吸通路を定めるための頂壁と、底(下面)壁と、左側壁と、右側壁とを含む。基部75は、主チャンバ20に流体的に結合され、よって、上述されたエアロゾル運搬空気ストリームを主チャンバ20から受け入れるよう構成される。マウスピース構成部品30は、舌ガイド80も含み、舌ガイド80は、基部75の底(下面)壁に結合され、底(下面)壁から外向きに延びる。加えて、舌ガイド80の底部表面85は、舌頂端位置決め素子を備え、舌頂端位置決め素子は、例示される実施態様では、底部表面85から延びるドーム形状の突出部材90の形態にある。図4は、突出部材90を示すマウスピース構成部品30の断面図である。
【0058】
1つの具体的な非限定的な実施態様において、ネブライザ装置は、以下の寸法を有する。即ち、主ハウジング10の幅は65mmであり、主ハウジング10の深さは45mmであり、主ハウジング10の底部から基部75の遠位端部までの距離は151mmであり、マウスピース部分15の底部から基部75の遠位端部までの距離は76mmであり、基部75の幅は25.4mmであり、舌ガイド80の長さは19mmである。
【0059】
図5を参照すると、使用中、患者はマウスピース構成部品30を彼又は彼女の口内に挿入する。ここに記載されたようにネブライザ5によって生成されるエアロゾル化粒子を吸入する前に、患者は彼又は彼女の舌100の頂端95を突出部材90に対して配置する。これは舌100をマウスピース構成部品30から患者の気管に延びる吸入空気流路に沿う空気又はエアロゾルの流れと干渉しない方法で位置付けさせる。よって、例示的な実施態様では、突出部材90は、舌100の頂端95によって容易に感知され得るよう十分に顕著である。
【0060】
1つの具体的な実施態様において、コントローラ65は命令を使用者に提供させるよう構成(プログラム)され、治療前及び/又は治療中に(例えば、エアロゾル生成を開始するよう、患者がボタン14を押すのに応答して)使用者に彼又は彼女の舌100の頂端95を突出部材90に対して配置するよう命令する。そのような命令を、例えば、LCD12を通じて視覚的に、ネブライザ5の一部として設けられるスピーカを通じて可聴に、或いは、視覚的に及び可聴に提供し得るが、それらに限定されない。
【0061】
図1、2、4、及び、5に示される実施態様は例示的であることが意図されること、及び、舌ガイド80の底部表面85上に設けられる舌頂端位置決め素子は他の形態を有し得ることが理解されなければならない。例えば、図6を参照すると、舌頂端位置決め素子は、舌ガイド80の底部表面85に設けられる細長い溝又は逆ドーム形状窪みのような陥凹又は窪み部105を含み得る。この実施態様では、(可能であれば上述の命令に応答して)ネブライザ5を使用するとき、舌100を上述されたように位置付けるために、患者は頂端95で窪み部105を探し出す(例えば、頂端95を窪み105内に受け入れ得る)。
【0062】
更なる代替的な実施態様が図7及び8に示されている。その実施態様において、ネブライザ5’は、図1及び2に示されるネブライザ5に類似し、同等の構成部品は、同等の参照番号で印されている。しかしながら、ネブライザ5’は、基部75’と選択的に取り付け可能な舌ガイド80’とを含む、マウスピース構成部品30’を含む。具体的には、選択的に取り付け可能な舌ガイド80’は、舌頂端位置決め素子を有する底部表面85’を含み、舌頂端位置決め素子は、例示の実施態様では、ドーム形状突出部材90’の形態である。しかしながら、舌ガイド80’は、スナップ嵌め、摩擦嵌め、又は、何らかの他の適切な方法によって舌ガイド80’が基部75’に取り付けられるのを可能にするよう、取り付けられる基部75’に恒久的に取り付けられるよりもむしろ、基部75の遠位端部の形状と類似する形状を有するリング部分105を含む。よって、そのような装置を元来具備しない既存のネブライザと共に舌ガイド80’を使用し得る。
【0063】
一層更なる代替的な実施態様が図9及び10に示されている。その実施態様において、ネブライザ5”は、図1及び2に示されるネブライザ5と類似しており、同等の構成部品は、同等の参照番号で印されている。しかしながら、ネブライザ5”は、舌ガイド80”に結合された基部75を含むマウスピース構成部品30”を含み、舌ガイド80”は、舌頂端位置決め素子を有さない。この実施態様では、使用中、患者は、彼又は彼女の舌100の頂端95を、図11に示されるように、舌ガイド80”の底部表面85”に対して配置する。1つの具体的な実施態様では、コントローラ65は、命令が使用者に提供されるよう構成(プログラム)され、治療前及び/又は治療中に(例えば、エアロゾル生成を開始するよう、患者がボタン14を押すのに応答して)、使用者に彼又は彼女の舌100の頂端95を舌ガイド80”の底部表面85”に対して配置するよう命令する。そのような命令を、例えば、LCD12を通じて視覚的に、ネブライザ5の一部として設けられるスピーカを通じて可聴に、或いは、視覚的に及び可聴に提供し得るが、それらに限定されない。
【0064】
その上、更なる代替的な実施態様が図12に示されている。その実施態様において、ネブライザ5”’は、図1及び2に示されるネブライザ5と類似しており、同等の構成部品は、同等の参照番号で印されている。しかしながら、ネブライザ5”’は、基部75”’を含むマウスピース構成部品30”’を含み、基部75”’は、その底壁上に設けられた突出部材90”’の形態の舌頂端位置決め素子を有する。この実施態様では、使用中、患者は彼又は彼女の舌100の頂端95を突出部材90”’に対して配置する。1つの具体的な実施態様では、コントローラ65は、命令が使用者に提供されるよう構成(プログラム)され、治療前及び/又は治療中に(例えば、エアロゾル生成を開始するよう、患者がボタン14を押すのに応答して)、使用者に彼又は彼女の舌100の頂端95を突出部材90”’に対して配置するよう命令する。そのような命令を、例えば、LCD12を通じて視覚的に、ネブライザ5の一部として設けられるスピーカを通じて可聴に、或いは、視覚的に及び可聴に提供し得るが、それらに限定されない。
【0065】
図7及び8を再び参照すると、舌頂端位置決め素子を有さない代替手的な選択的に取り付け可能な舌ガイド80’を設けてもよく、それは舌ガイド80”と関連してちょうど記載されたように機能する。
【0066】
現時点で最も実用的であり且つ好適であると考えられるものに基づく例示の目的のために本発明を詳細に記載したが、そのような詳細は専らその目的のためであること、及び、本発明は開示の実施態様に限定されず、むしろ付属の請求項の精神及び範囲内にある変更及び均等構成をカバーすることが意図されることが理解されるべきである。例えば、本発明は、可能である限り、任意の実施態様の1つ又はそれよりも多くの特徴を任意の他の実施態様の1つ又はそれよりも多くの特徴と組み合わせ得ることが理解されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬品を含むエアロゾルを患者に供給するための薬品供給装置であって、
前記薬品の供給源から前記エアロゾルを生成するためのエアロゾル生成器と、
患者の口内に挿入されるよう構成されるマウスピース構成部品とを含み、
該マウスピース構成部品は、前記エアロゾルを受け取り且つ前記エアロゾルを患者に供給するために前記エアロゾル生成器に動作的に結合され、
前記マウスピース構成部品は、前記マウスピース構成部品が患者の口内に挿入されときに患者の舌に面するよう構成される下面と、該下面に設けられる舌頂端位置決め素子とを有し、
該舌頂端位置決め素子は、当該薬品供給装置の使用中、患者の舌の頂端と係合するよう構成される、
薬品供給装置。
【請求項2】
前記マウスピース構成部品は、基部と、該基部の底壁から延びる舌ガイドとを含み、前記下面は、前記舌ガイドの底部表面である、請求項1に記載の薬品供給装置。
【請求項3】
前記舌ガイドは、前記基部と一体的である、請求項2に記載の薬品供給装置。
【請求項4】
前記舌ガイドは、前記基部の遠位端部に選択的に取り付け可能である、請求項2に記載の薬品供給装置。
【請求項5】
前記舌頂端位置決め素子は、前記下面から突出する突出部材を含む、請求項2に記載の薬品供給装置。
【請求項6】
前記突出部材は、ドーム形状である、請求項5に記載の薬品供給装置。
【請求項7】
前記舌頂端位置決め素子は、前記下面に設けられる窪みを含む、請求項2に記載の薬品供給装置。
【請求項8】
前記エアロゾル生成器の動作を制御するコントローラを更に含み、該コントローラは、当該薬品供給装置に患者に対する命令を提供させるよう構成され、前記命令は、当該薬品供給装置の使用中、舌の頂端を前記舌頂端位置決め素子に対して配置するよう患者に命令する、請求項1に記載の薬品供給装置。
【請求項9】
前記命令は、当該薬品供給装置のディスプレイ上にもたらされる視覚的命令及び可聴命令のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の薬品供給装置。
【請求項10】
薬品を含むエアロゾルを患者に供給するための薬品供給装置であって、
前記薬品の供給源から前記エアロゾルを生成するためのエアロゾル生成器と、
患者の口内に挿入されるよう構成されるマウスピース構成部品と、
前記エアロゾル生成器の動作を制御するコントローラとを含み、
前記マウスピース構成部品は、前記エアロゾルを受け取り且つ前記エアロゾルを患者に供給するために前記エアロゾル生成器に動作的に結合され、前記マウスピース構成部品は、前記マウスピース構成部品が患者の口内に挿入されるときに患者の舌に面するよう構成される下面を有し、
前記コントローラは、当該薬品供給装置に、患者に対する命令を提供させ、該命令は、当該薬品供給装置の使用中、舌の頂端を前記マウスピース構成部品の前記下面に対して配置するよう患者に命令する、
薬品供給装置。
【請求項11】
前記マウスピース構成部品は、基部と、該基部の底壁から延びる舌ガイドとを含み、前記下面は、前記舌ガイドの底部表面である、請求項10に記載の薬品供給装置。
【請求項12】
前記舌ガイドは、前記基部と一体的である、請求項11に記載の薬品供給装置。
【請求項13】
前記舌ガイドは、前記基部の遠位端部に選択的に取り付け可能である、請求項11に記載の薬品供給装置。
【請求項14】
前記命令は、当該薬品供給装置のディスプレイ上にもたらされる視覚的命令及び可聴命令のうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の薬品供給装置。
【請求項15】
薬品を含むエアロゾルを患者に供給するためのキットであって、
(i)薬品供給装置を含み、
該薬品供給装置は、
前記薬品の供給源から前記エアロゾルを生成するためのエアロゾル生成器と、
患者の口内に挿入されるよう構成されるマウスピース構成部品とを含み、
該マウスピース構成部品は、前記エアロゾルを受け取り且つ前記エアロゾルを患者に供給するために前記エアロゾル生成器に動作的に結合され、前記マウスピース構成部品は、前記マウスピース構成部品が患者の口内に挿入されときに患者の舌に面するよう構成される下面を有し、
(ii)前記薬品供給装置の使用中、舌の頂端を前記マウスピース構成部品の前記下面に対して配置するよう患者に命令する命令を含む、
キット。
【請求項16】
前記マウスピース構成部品は、基部と、該基部の底壁から延びる舌ガイドとを含み、前記下面は、前記舌ガイドの底部表面である、請求項15に記載のキット。
【請求項17】
前記舌ガイドは、前記基部と一体的である、請求項16に記載のキット。
【請求項18】
前記舌ガイドは、前記基部の遠位端部に選択的に取り付け可能である、請求項16に記載のキット。
【請求項19】
前記下面は、舌頂端位置決め素子を含み、該舌頂端位置決め素子は、前記薬品供給装置の使用中、患者の舌の頂端と係合するよう構成され、前記命令は、前記薬品供給装置の使用中、舌の頂端を前記舌頂端位置決め素子に対して配置するよう患者に命令する、請求項15に記載のキット。
【請求項20】
前記舌頂端位置決め素子は、前記下面から突出する突出部材を含む、請求項19に記載のキット。
【請求項21】
前記舌頂端位置決め素子は、前記下面に設けられる窪みを含む、請求項19に記載のキット。
【請求項22】
薬品を含むエアロゾルを患者に供給する方法であって、
(i)薬品供給装置を提供することを含み、
該薬品供給装置は、
前記薬品の供給源から前記エアロゾルを生成するためのエアロゾル生成器と、
患者の口内に挿入されるよう構成されるマウスピース構成部品とを含み、
該マウスピース構成部品は、前記エアロゾルを受け取り且つ前記エアロゾルを患者に供給するために前記エアロゾル生成器に動作的に結合され、前記マウスピース構成部品は、前記マウスピース構成部品が患者の口内に挿入されときに患者の舌に面するよう構成される下面を有し、
(ii)前記薬品供給装置の使用中、舌の頂端を前記マウスピース構成部品の前記下面に対して配置するよう患者に命令することを含み、
(iii)患者の舌の頂端が前記マウスピース構成部品の前記下面に対して配置されるときに前記マウスピース構成部品を通じて前記エアロゾルを患者に供給することを含む、
方法。
【請求項23】
前記マウスピース構成部品は、基部と、該基部の底壁から延びる舌ガイドとを含み、前記下面は、前記舌ガイドの底部表面である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記舌ガイドは、前記基部と一体的である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記舌ガイドは、前記基部の遠位端部に選択的に取り付け可能である、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記下面は、舌頂端位置決め素子を含み、該舌頂端位置決め素子は、前記薬品供給装置の使用中、患者の舌の頂端と係合するよう構成され、前記命令することは、前記薬品供給装置の使用中、舌の頂端を前記舌頂端位置決め素子に対して配置するよう患者に命令することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項27】
前記舌頂端位置決め素子は、前記下面から突出する突出部材を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記舌頂端位置決め素子は、前記下面に設けられる窪みを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項1】
薬品を含むエアロゾルを患者に供給するための薬品供給装置であって、
前記薬品の供給源から前記エアロゾルを生成するためのエアロゾル生成器と、
患者の口内に挿入されるよう構成されるマウスピース構成部品とを含み、
該マウスピース構成部品は、前記エアロゾルを受け取り且つ前記エアロゾルを患者に供給するために前記エアロゾル生成器に動作的に結合され、
前記マウスピース構成部品は、前記マウスピース構成部品が患者の口内に挿入されときに患者の舌に面するよう構成される下面と、該下面に設けられる舌頂端位置決め素子とを有し、
該舌頂端位置決め素子は、当該薬品供給装置の使用中、患者の舌の頂端と係合するよう構成される、
薬品供給装置。
【請求項2】
前記マウスピース構成部品は、基部と、該基部の底壁から延びる舌ガイドとを含み、前記下面は、前記舌ガイドの底部表面である、請求項1に記載の薬品供給装置。
【請求項3】
前記舌ガイドは、前記基部と一体的である、請求項2に記載の薬品供給装置。
【請求項4】
前記舌ガイドは、前記基部の遠位端部に選択的に取り付け可能である、請求項2に記載の薬品供給装置。
【請求項5】
前記舌頂端位置決め素子は、前記下面から突出する突出部材を含む、請求項2に記載の薬品供給装置。
【請求項6】
前記突出部材は、ドーム形状である、請求項5に記載の薬品供給装置。
【請求項7】
前記舌頂端位置決め素子は、前記下面に設けられる窪みを含む、請求項2に記載の薬品供給装置。
【請求項8】
前記エアロゾル生成器の動作を制御するコントローラを更に含み、該コントローラは、当該薬品供給装置に患者に対する命令を提供させるよう構成され、前記命令は、当該薬品供給装置の使用中、舌の頂端を前記舌頂端位置決め素子に対して配置するよう患者に命令する、請求項1に記載の薬品供給装置。
【請求項9】
前記命令は、当該薬品供給装置のディスプレイ上にもたらされる視覚的命令及び可聴命令のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の薬品供給装置。
【請求項10】
薬品を含むエアロゾルを患者に供給するための薬品供給装置であって、
前記薬品の供給源から前記エアロゾルを生成するためのエアロゾル生成器と、
患者の口内に挿入されるよう構成されるマウスピース構成部品と、
前記エアロゾル生成器の動作を制御するコントローラとを含み、
前記マウスピース構成部品は、前記エアロゾルを受け取り且つ前記エアロゾルを患者に供給するために前記エアロゾル生成器に動作的に結合され、前記マウスピース構成部品は、前記マウスピース構成部品が患者の口内に挿入されるときに患者の舌に面するよう構成される下面を有し、
前記コントローラは、当該薬品供給装置に、患者に対する命令を提供させ、該命令は、当該薬品供給装置の使用中、舌の頂端を前記マウスピース構成部品の前記下面に対して配置するよう患者に命令する、
薬品供給装置。
【請求項11】
前記マウスピース構成部品は、基部と、該基部の底壁から延びる舌ガイドとを含み、前記下面は、前記舌ガイドの底部表面である、請求項10に記載の薬品供給装置。
【請求項12】
前記舌ガイドは、前記基部と一体的である、請求項11に記載の薬品供給装置。
【請求項13】
前記舌ガイドは、前記基部の遠位端部に選択的に取り付け可能である、請求項11に記載の薬品供給装置。
【請求項14】
前記命令は、当該薬品供給装置のディスプレイ上にもたらされる視覚的命令及び可聴命令のうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の薬品供給装置。
【請求項15】
薬品を含むエアロゾルを患者に供給するためのキットであって、
(i)薬品供給装置を含み、
該薬品供給装置は、
前記薬品の供給源から前記エアロゾルを生成するためのエアロゾル生成器と、
患者の口内に挿入されるよう構成されるマウスピース構成部品とを含み、
該マウスピース構成部品は、前記エアロゾルを受け取り且つ前記エアロゾルを患者に供給するために前記エアロゾル生成器に動作的に結合され、前記マウスピース構成部品は、前記マウスピース構成部品が患者の口内に挿入されときに患者の舌に面するよう構成される下面を有し、
(ii)前記薬品供給装置の使用中、舌の頂端を前記マウスピース構成部品の前記下面に対して配置するよう患者に命令する命令を含む、
キット。
【請求項16】
前記マウスピース構成部品は、基部と、該基部の底壁から延びる舌ガイドとを含み、前記下面は、前記舌ガイドの底部表面である、請求項15に記載のキット。
【請求項17】
前記舌ガイドは、前記基部と一体的である、請求項16に記載のキット。
【請求項18】
前記舌ガイドは、前記基部の遠位端部に選択的に取り付け可能である、請求項16に記載のキット。
【請求項19】
前記下面は、舌頂端位置決め素子を含み、該舌頂端位置決め素子は、前記薬品供給装置の使用中、患者の舌の頂端と係合するよう構成され、前記命令は、前記薬品供給装置の使用中、舌の頂端を前記舌頂端位置決め素子に対して配置するよう患者に命令する、請求項15に記載のキット。
【請求項20】
前記舌頂端位置決め素子は、前記下面から突出する突出部材を含む、請求項19に記載のキット。
【請求項21】
前記舌頂端位置決め素子は、前記下面に設けられる窪みを含む、請求項19に記載のキット。
【請求項22】
薬品を含むエアロゾルを患者に供給する方法であって、
(i)薬品供給装置を提供することを含み、
該薬品供給装置は、
前記薬品の供給源から前記エアロゾルを生成するためのエアロゾル生成器と、
患者の口内に挿入されるよう構成されるマウスピース構成部品とを含み、
該マウスピース構成部品は、前記エアロゾルを受け取り且つ前記エアロゾルを患者に供給するために前記エアロゾル生成器に動作的に結合され、前記マウスピース構成部品は、前記マウスピース構成部品が患者の口内に挿入されときに患者の舌に面するよう構成される下面を有し、
(ii)前記薬品供給装置の使用中、舌の頂端を前記マウスピース構成部品の前記下面に対して配置するよう患者に命令することを含み、
(iii)患者の舌の頂端が前記マウスピース構成部品の前記下面に対して配置されるときに前記マウスピース構成部品を通じて前記エアロゾルを患者に供給することを含む、
方法。
【請求項23】
前記マウスピース構成部品は、基部と、該基部の底壁から延びる舌ガイドとを含み、前記下面は、前記舌ガイドの底部表面である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記舌ガイドは、前記基部と一体的である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記舌ガイドは、前記基部の遠位端部に選択的に取り付け可能である、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記下面は、舌頂端位置決め素子を含み、該舌頂端位置決め素子は、前記薬品供給装置の使用中、患者の舌の頂端と係合するよう構成され、前記命令することは、前記薬品供給装置の使用中、舌の頂端を前記舌頂端位置決め素子に対して配置するよう患者に命令することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項27】
前記舌頂端位置決め素子は、前記下面から突出する突出部材を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記舌頂端位置決め素子は、前記下面に設けられる窪みを含む、請求項26に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2012−526591(P2012−526591A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510417(P2012−510417)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【国際出願番号】PCT/IB2010/052060
【国際公開番号】WO2010/131188
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【国際出願番号】PCT/IB2010/052060
【国際公開番号】WO2010/131188
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
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