説明

エアージャッキ装置

【課題】上昇量に限界がなく、穴等が開いたとしても、全て萎まないようにした、エアージャッキ装置を提供すること。
【解決手段】エアージャッキ装置1は、ジャッキアップ時、車両3などに当たる車両受部11と、ジャッキアップ時、地面に置かれるベース部12と、ベース部12と車両受部11との間に挟まれ、上下方向に連結された複数の膨張バッグ13a1〜13a3からなり、圧縮空気が供給される前は萎んだ状態で折り畳まれている一方、圧縮空気が供給された場合、上下方向に連結された複数の膨張バッグ13a1〜13a3が膨張して、ベース部12に対し車両受部11を上昇させるエアバッグ部13と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等のジャッキアップ作業に使用されるエアージャッキ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在車載式ジャッキとして、車両メーカーからは軽量化、市場からは簡便性が求められている。そのため、本件出願人は、従来の金属性のパンタグラフ式ジャッキに代わり、エアーコンプレッサからエアバッグに圧縮空気を注入して膨張させ、車両等をジャッキアップする樹脂製のエアージャッキ装置を提案している(例えば、特許文献1〜3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−248709号公報
【特許文献2】特開2009−248845号公報
【特許文献3】特開2009−249144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記特許文献1〜3に記載の従来のものは、1の膨張バッグに圧縮空気を注入して膨張させて車両等をジャッキアップしていたため、上昇量に限界があると共に、穴等が開いた場合には、全て萎んでしまったり、膨張時、安定性が良くない等、の課題があった。
【0005】
そこで、本発明は、第1には、上昇量に限界がなく、穴等が開いたとしても、全て萎まないようでき、第2には、さらに膨張時、安定性を向上させることができる、エアージャッキ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明のエアージャッキ装置は、ジャッキアップ時、車両が当たる車両受部と、ジャッキアップ時、地面に置かれるベース部と、前記ベース部と前記車両受部との間に挟まれ、上下方向に連結された複数の膨張バッグからなり、圧縮空気が供給される前は萎んだ状態で折り畳まれている一方、圧縮空気が供給された場合、上下方向に連結された複数の膨張バッグが膨張して、前記ベース部に対し前記車両受部を上昇させるエアバッグ部と、を有することを特徴とするエアージャッキ装置である。
ここで、前記エアバッグ部は、さらに、上下方向に連結された前記複数の膨張バッグの外側に設けられ、当該複数の膨張バッグを保護する外バッグ部を有する、ようにするとさらに良い。
また、前記外バッグ部の外側には、エアーコンップレッサーからの圧縮空気用ホースが接続される外バルブ部が取り付けられている一方、前記外バッグ部の内側には、前記外バッグ部と前記複数の膨張バッグとの間に、前記外バルブ部と連結され、枝分かれした複数の圧縮空気放出口を有する内バルブ部と、前記内バルブ部の複数の圧縮空気放出口にそれぞれ連結され、前記複数の膨張バッグそれぞれに圧縮空気を圧送する複数の圧縮空気用ホースとが設けられている、ようにするとさらに良い。
また、前記ベース部は、前記地面に置かれる底面部と、前記エアバッグ部における最下位の前記膨張バッグが当接するエアバッグ当接面部と、を有し、前記ベース部のエアバッグ当接面部は、半球面形状に窪んだ球面凹部形状である、ようにするとさらに良い。
また、前記車両受部は、車両が当たる車両当接面部と、前記エアバッグ部における最上位の前記膨張バッグが当接するエアバッグ当接面部と、を有し、前記車両受部のエアバッグ当接面部は、半球面形状に窪んだ球面凹部形状である、ようにするとさらに良い。
また、前記車両受部の前記車両当接面部において前記エアバッグ部の中心より車両に近い側に、車両のジャッキポイントが嵌入される嵌入溝部が形成されている一方、前記ベース部の前記エアバッグ当接面部および前記車両受部の前記エアバッグ当接部の球面凹部形状の頂点は、前記車両受部の前記車両当接面部における前記嵌入溝部の形成位置からずれている、ようにするとさらに良い。
また、前記車両受部の前記車両当接面部において前記エアバッグ部の中心より車両に近い側に、車両のジャッキポイントが嵌入される嵌入溝部が形成されている一方、前記ベース部の前記エアバッグ当接面部および前記車両受部の前記エアバッグ当接部の球面凹部形状の頂点は、前記車両受部の前記車両当接面部における前記嵌入溝部の形成位置と一致している、ようにするとさらに良い。
また、前記車両受部の前記車両当接面部において前記エアバッグ部の中心より車両に近い側に、車両のジャッキポイントが嵌入される嵌入溝部が形成されている一方、前記ベース部の側面側であって前記エアバッグ部の中心より車両に遠い側の側面に、エアーコンップレッサーからの圧縮空気用ホースが接続される外バルブ部が設けられている、ようにするとさらに良い。
また、前記エアージャッキ装置において、前記エアバッグ部を構成する複数の膨張バッグの間に、前記複数の膨張バッグの膨張時の倒れを防止するドーナツ状の膨張バッグを介在させる、ようにするとさらに良い。
また、前記エアージャッキ装置において、前記エアバッグ部を構成する複数の膨張バッグの間は、溶着する一方、前記車両受部と、前記ベース部との間の前記複数の膨張バッグの周囲を全て囲む複数の位置に、それぞれ、前記複数の膨張バッグの膨張時の倒れを防止するため、前記複数の膨張バッグが膨張していない場合には伸張してなく、前記複数の膨張バッグが膨張した場合に伸張して前記複数の膨張バッグに引張力を与える弾性部材を設ける、ようにするとさらに良い。
また、前記エアージャッキ装置において、前記車両受部と、前記ベース部との間の前記複数の膨張バッグの周囲を全て囲む複数の位置に、それぞれ、前記複数の膨張バッグの膨張時の倒れを防止するため複数のリンク機構連結部を介して畳んだり伸ばして伸縮する金属製の折畳み伸縮部材であって、前記折畳み伸縮部材の複数のリンク機構連結部のうち、内側のリンク機構連結部は、対向する内側のリンク機構連結部と金属性の部材により連結する、ようにするとさらに良い。
また、前記エアージャッキ装置において、前記エアバッグ部を構成する複数の膨張バッグの間は、溶着する一方、前記車両受部と、前記ベース部との間の前記複数の膨張バッグの周囲を全て囲む複数の位置に、それぞれ、前記複数の膨張バッグの膨張時の倒れを防止するため、前記複数の膨張バッグが膨張していない場合には伸張してなく、前記複数の膨張バッグが膨張した場合に伸張して前記複数の膨張バッグに引張力を与える複数段の弾性部材と、前記複数段の弾性部材の段間に前記複数の膨張バッグの周囲を囲む中心径を有するリング部材と、を有するようにするとさらに良い。
また、前記エアージャッキ装置において、前記エアバッグ部を構成する複数の膨張バッグの間は、溶着する一方、前記複数の膨張バッグの周囲を囲む中心径を有し、前記車両受部と、前記ベース部との間に前記複数の膨張バッグの周囲を囲むように設け、前記複数の膨張バッグの膨張時の倒れを防止するため、前記複数の膨張バッグが膨張していない場合には自身の弾性力に対抗して収縮しており、前記複数の膨張バッグが膨張した場合に自身の弾性力により伸張するスプリング部材を有する、ようにするとさらに良い。
【発明の効果】
【0007】
本発明のエアージャッキ装置では、エアバッグ部は、上下方向に連結された複数の膨張バッグから構成されているので、膨張バッグの連結数を増大させれば、上昇量に限界がなく、また1の膨張バッグに穴等が開いたとしても、他の膨張バッグがあるので、全て萎むことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】(a)〜(c)は、それぞれ、本発明に係る実施の形態1のエアージャッキ装置が膨張した場合の外観を示す斜視図、平面図、断面図である。
【図2】本発明に係る実施の形態1のエアージャッキ装置のエアバッグ部13の部分拡大断面図である。
【図3】(a)〜(c)は、それぞれ、本発明に係る実施の形態1のエアージャッキ装置が折り畳み状態から膨張状態に変化する状態を示す状態遷移図である。
【図4】(a)〜(c)は、それぞれ、本発明に係る実施の形態2のエアージャッキ装置を構成する車両受部の背面図、ベース部の平面図、断面図である。
【図5】(a)〜(c)は、それぞれ、本発明に係る実施の形態3のエアージャッキ装置を構成する車両受部およびベース部の断面図、および断面図である。
【図6】本発明に係る実施の形態4のエアージャッキ装置(膨張時)の構造を示す概略断面図である。
【図7】本発明に係る実施の形態4のエアージャッキ装置(膨張時)の構造の他の例を示す概略断面図である。
【図8】本発明に係る実施の形態5のエアージャッキ装置(膨張時)の構造を示す概略断面図である。
【図9】本発明に係る実施の形態6のエアージャッキ装置(膨張時)の構造を示す概略断面図である。
【図10】本発明に係る実施の形態7のエアージャッキ装置(膨張時)の構造を示す正面図である。
【図11】本発明に係る実施の形態8のエアージャッキ装置(膨張時)の構造を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係るエアージャッキ装置の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1(a)〜(c)は、それぞれ、本発明に係る実施の形態1のエアージャッキ装置1Aが膨張した場合の外観を示す斜視図、平面図、断面図である。また、図2は、本発明に係る実施の形態1のエアージャッキ装置1Aのエアバッグ部13の部分拡大断面図である。
【0011】
図1(a)〜(c)に示すように、実施の形態1のエアージャッキ装置1Aは、車両のシガーソケット等からの直流電源により動作するエアーコンプレッサ2からの圧縮空気の注入により膨張するものである。
【0012】
まず、エアーコンプレッサ2から説明すると、エアーコンプレッサ2は、図1(a)に示すように、電気により動作して圧縮空気を吐き出すコンプレッサ本体21と、車両3のバッテリ(図示せず。)等からコンプレッサ本体21の駆動電源電流をとるため、車両3のシガーライタソケット(図示せず)等に挿入されるシガーライター用コンセント22と、コンプレッサ本体21から本実施の形態1のエアージャッキ装置1Aに対し圧縮空気を送るための圧縮空気ホース23とを有する。
【0013】
一方、実施の形態1のエアージャッキ装置1Aは、図1(a)〜(c)に示すように、ジャッキアップ時、車両などのジャッキポイントに当たる車両受部11と、ジャッキアップ時、地面に置かれるベース部12と、ベース部12と車両受部11との間で折り畳まれて収容されるエアバッグ部13とを有している。
【0014】
ここで、車両受部11は、ゴムや合成樹脂等から構成されており、図1(a),(b)に示すように、その上面側である車両当接面部111と、外周側面部112と、エアバッグ部13における最上位の膨張バッグ13a1が当接するバッグ当接面部113とを有する。そして、本実施の形態1では、車両受部11の車両当接面部111には、エアバッグ部11の中心より車両に近い側、すなわち後述するベース部12に設けられる外バルブ部122aとは反対側に、車両のジャッキポイントが嵌入される嵌入溝部111aが形成されている。
【0015】
ベース部12は、エアバッグ部13における最下位の膨張バッグ13a3が当接するバッグ当接面部121と、外周側面部122と、地面に接する底面部123とを有する。そして、ジャッキアップ操作時に車両3から遠い側、すなわち車両当接面部111の嵌入溝部111aの反対側となる外周側面部122には、エアーコンプレッサ2のコンプレッサ本体21から延びる圧縮空気ホース23先端が接続される外バルブ部122aが設けられている。
【0016】
エアバッグ部13は、上下方向に連結されたEVA(ethylene vinyl acetate copolymer;エチレン酢酸ビニルコポリマー)またはウレタンフィルム等の素材からなる複数の膨張バッグである膨張バッグ13a1〜13a3を有し、エアーコンプレッサ2から圧縮空気が供給される前は萎んだ状態でベース部12と車両受部11との間に形成される収容室に折り畳まれて収容される一方、圧縮空気が供給された場合には、上下方向に連結された複数の膨張バッグ13a1〜13a3が膨張して、ベース部13に対し車両受部11を上昇させる。なお、複数の膨張バッグ13a1〜13a3は、ここでは、便宜上3つ図示しているが、4つ以上でも、2つでも勿論よく、8〜10枚上下方向に連結することもできる。また、複数の膨張バッグ13a1〜13a3は、互いに溶着等されて接着などされている。また、ベース部12と車両受部11との間に形成される収容室とは、本実施の形態1のエアバッグ部13を収縮してトランクルーム等に保管時や、圧縮空気を供給する前の状態では、後述する図3(a)に示すようにベース部12の外周側面部122の上側の先端部と、車両受部11の外周側面部112の下側の先端部とが対向して当って最小体積の保管状態になっているが、かかる保管状態にある場合のベース部12のバッグ当接面部121および外周側面部122内側面と、車両受部11のバッグ当接面部113および外周側面部112内側面とにより形成される空間である。
【0017】
そして、本実施の形態1のエアバッグ部13は、図1(c)および図2に示すように、上下方向に連結された複数の膨張バッグ13a1〜13a3の外側に設けられ、複数の膨張バッグ13a1〜13a3を保護する外バッグ部13bを有する。このため、本実施の形態1のエアバッグ部13では、複数の膨張バッグ13a1〜13a3の外側には、外バッグ部13bが設けられているので、複数の膨張バッグ13a1〜13a3が傷などにより破損することを防止することができる。
【0018】
また、本実施の形態1のエアバッグ部13では、図2に示すように、複数の膨張バッグ13a1〜13a3と、外バッグ部13bとの間に、外バルブ部122a先端と連結した内バルブ部122bが設けられている。この内バルブ部122bは、3つの膨張バッグ13a1〜13a3を膨張させるため3つの圧送空気出口122b1〜122b3が設けられており、それぞれの圧送空気出口122b1〜122b3に3つの膨張バッグ13a1〜13a3それぞれに圧縮空気を圧送する圧縮空気用ホース13c1〜13c3が取り付けられている。このため、本実施の形態1のエアバッグ部13では、複数の膨張バッグ13a1〜13a3と、外バッグ部13bとの間に、圧縮空気用ホース13c1〜13c3が設けられているので、圧縮空気用ホース13c1〜13c3が傷などにより破損することを防止することができると共に、複数の膨張バッグ13a1〜13a3の折り畳み時に圧縮空気用ホース13c1〜13c3が散在したりしない。
【0019】
図3(a)〜(c)は、それぞれ、本発明に係る実施の形態1のエアージャッキ装置1Aが折り畳み状態から膨張状態に変化する状態を簡略化して示す状態遷移図である。なお、図3(a)〜(c)や、図1(c)、図4(c)、図5(c)および図6以降の図等では、外バッグ部13b内の内バルブ部122bや圧縮空気用ホース13c1〜13c3は、図示を省略して示している。
【0020】
図3(a)に示すように、折り畳み状態の本実施の形態1のエアージャッキ装置1Aを、車両3の下面のジャッキポイント31に移動し、車両受部11の車両当接面部111に形成された嵌入溝部111aに、車両3の下面のジャッキポイント31を嵌入させる。
【0021】
そして、エアーコンプレッサ2の圧縮空気ホース23を、本実施の形態1のエアージャッキ装置1Aのベース部12の外バルブ部122aに接続する一方、エアーコンプレッサ2のシガーライター用コンセント22を、車両3のシガーライタソケット(図示せず)等に挿入する。そして、コンプレッサ本体21の電源をオンにする。
【0022】
すると、コンプレッサ本体21から圧縮空気ホース23を介して本実施の形態1のエアージャッキ装置1Aの複数の膨張バッグ13a1〜13a3に圧縮空気が送られ、図3(b),(c)に示すように、エアバッグ部13が膨張し、車両3を持ち上げることができる。
【0023】
その際、本実施の形態1のエアージャッキ装置1Aでは、複数の膨張バッグ13a1〜13a3に対し、同時に圧縮空気を送るのではなく、内バルブ部122bの3つの圧送空気出口122b1〜122b3の開口を制御して、3つの膨張バッグ13a1〜13a3のうちいずれか一の膨張バッグから順に圧縮空気を送り、膨張させるようにすると良い。このようにすると、3つの膨張バッグ13a1〜13a3が一つずつ順に膨張していくので、エアバッグ部13が安定した状態で伸張していくことになり、3つの膨張バッグ13a1〜13a3に一度に空気を注入する場合よりも、複数の膨張バッグ13a1〜13a3が倒れることを防止することができる。
【0024】
従って、本実施の形態1のエアージャッキ装置1Aでは、エアバッグ部13は、上下方向に連結された複数の膨張バッグ13a1〜13a3から構成されているので、膨張バッグ13a1〜13a3の連結数を増大させれば、上昇量に限界がなく、また1の膨張バッグに穴等が開いたとしても、他の膨張バッグがあるので、全て萎むことを防止することができる。
【0025】
また、本実施の形態1のエアージャッキ装置1Aでは、車両受部11の車両当接面部111には、エアバッグ部11の中心より車両に近い側に車両のジャッキポイント31が嵌入される嵌入溝部111aが形成されており、複数の膨張バッグ13a1〜13a3の中心に対し嵌入溝部111aとは反対側に、外バルブ部122aや内バルブ部122b、さらには圧縮空気用ホース13c1〜13c3が設けられることになるので、最初、圧縮空気を外バルブ部122aや内バルブ部122bを介して圧縮空気用ホース13c1〜13c3に送る際にも、圧縮空気用ホース13c1〜13c3が膨らみ易く、複数の膨張バッグ13a1〜13a3に対し圧縮空気を送付し易く、ジャッキアップ操作がし易くなる。
【0026】
実施の形態2.
次に、実施の形態2のエアージャッキ装置1Bについて説明する。
【0027】
図4(a)〜(c)は、それぞれ、本発明に係る実施の形態2のエアージャッキ装置1Bを構成する車両受部11の背面図、ベース部12の平面図、断面図である。なお、エアバッグ部13は、前記実施の形態1のエアージャッキ装置1と同様に構成されている。
【0028】
本発明に係る実施の形態2のエアージャッキ装置1Bでは、車両受部11’は、車両3などに当たる車両当接面部111は、前記実施の形態1のエアージャッキ装置1と同様に構成されているが、エアバッグ部13の上面が当るエアバッグ当接面部113’は、図4(a),(c)に示すように、例えば、レンズの面などのように、半球面形状に窪んだ球面凹部形状である。ここで、本実施の形態2では、車両受部11’のエアバッグ当接面部113’に形成される球面凹部形状の中心となる頂点113a’は、車両当接面部111の中心と一致させている。
【0029】
そのため、本発明に係る実施の形態2のエアージャッキ装置1Bでは、エアバッグ部13は、折り畳み状態では、半球面形状に窪んだ球面凹部形状のエアバッグ当接面部113’に収容される一方、膨張状態では、膨張したエアバッグ部13の上面が半球面形状に窪んだ球面凹部形状のエアバッグ当接面部113’に当るので、膨張したエアバッグ部13の全てに均等に車両3の加重をかけることが可能となり、安定して車両3をジャッキアップすることができる。
【0030】
また、本実施の形態2のエアージャッキ装置1Bでは、車両受部11’のエアバッグ当接面部113’に形成される球面凹部形状の中心となる頂点113a’は、車両当接面部111の中心と一致させているので、膨張したエアバッグ部13の中心に均等に車両3の加重をかけて、安定して車両3をジャッキアップすることができると共に、車両当接面部111側に形成された嵌入溝部111aは、車両当接面部111の中心からずれた位置に形成されているので、エアバッグ当接面部113’を半球面形状に窪んだ球面凹部形状に形成して、その中心が薄肉状になっても、薄肉状の中心からずれた位置に設けることが可能となり、嵌入溝部111aの形成に何ら問題は生じない。
【0031】
また、本発明に係る実施の形態2のエアージャッキ装置1Bでは、ベース部12’は、地面に置かれる底面部123は、前記実施の形態1のエアージャッキ装置1と同様に構成されているが、エアバッグ部13の下面が当るエアバッグ当接面部121’は、図4(b),(c)に示すように、車両受部11’のエアバッグ当接面部113’の断面形状と同様に、半球面形状に窪んだ球面凹部形状である。ここで、本実施の形態2では、ベース部12’のエアバッグ当接面部121’に形成される球面凹部形状の中心となる頂点121a’は、底面部123の中心と一致させている。
【0032】
そのため、本発明に係る実施の形態2のエアージャッキ装置1Bでは、エアバッグ部13は、折り畳み状態では、半球面形状に窪んだ球面凹部形状のエアバッグ当接面部121’に収容される一方、膨張状態では、膨張したエアバッグ部13の下面が半球面形状に窪んだ球面凹部形状のエアバッグ当接面部121’に当るので、膨張したエアバッグ部13の全てに均等に車両3の加重をかけることが可能となり、安定して車両3をジャッキアップすることができる。
【0033】
また、本実施の形態2のエアージャッキ装置1Bでは、ベース部12’のエアバッグ当接面部121’に形成される球面凹部形状の中心となる頂点123a’は、底面部123の中心と一致させているので、膨張したエアバッグ部13の中心に均等に車両3の加重をかけて、安定して車両3をジャッキアップすることができる。
【0034】
なお、本実施の形態2のエアージャッキ装置1Bでは、車両受部11’のエアバッグ当接面部113’およびベース部12’のエアバッグ当接面部121’の双方を、半球面形状に窪んだ球面凹部形状に形成して説明したが、本発明では、これに限らず、車両受部11’のエアバッグ当接面部113’またはベース部12’のエアバッグ当接面部121’のいずれか一方だけを、半球面形状に窪んだ球面凹部形状に形成しても勿論よい。
【0035】
実施の形態3.
次に、実施の形態3のエアージャッキ装置1Cについて説明する。
【0036】
図5(a)〜(c)は、それぞれ、本発明に係る実施の形態3のエアージャッキ装置1Cを構成する車両受部11Cおよびベース部12”の断面図、および実施の形態3のエアージャッキ装置1Cの断面図である。なお、エアバッグ部13は、前記実施の形態1のエアージャッキ装置1等と同様に構成されている。
【0037】
図4に示す実施の形態2のエアージャッキ装置1Bでは、車両受部11’のエアバッグ当接面部113’の半球面形状に窪んだ球面凹部形状の中心となる頂点113a’を、エアバッグ当接面部113’の中心に一致させていたが、実施の形態3のエアージャッキ装置1Cでは、図5(a),(c)に示すように、車両受部11Cのエアバッグ当接面部113”の半球面形状に窪んだ球面凹部形状の中心となる頂点113a”を、エアバッグ部13の中心からずらして、車両当接面部111側に形成された嵌入溝部111aに一致させるようにしたことを特徴としている。
【0038】
これにより、実施の形態3のエアージャッキ装置1Cによれば、車両当接面部111側に形成された嵌入溝部111aに車両3の車重がかかると共に、嵌入溝部111aに反対側に膨張したエアバッグ部13の頂点が来るので、安定して車両3をジャッキアップすることができる。
【0039】
また、本実施の形態3のエアージャッキ装置1Cでは、図5(b),(c)に示すように、ベース部12”のエアバッグ当接面部121Cの半球面形状に窪んだ球面凹部形状の中心となる頂点121a”も、車両受部11’のエアバッグ当接面部113’の半球面形状に窪んだ球面凹部形状の中心となる頂点113a’と同様に、エアバッグ部13の中心からずらして、車両当接面部111側に形成された嵌入溝部111aに一致させるようにしている。
【0040】
これにより、実施の形態3のエアージャッキ装置1Cによれば、車両受部11Cの車両当接面部111側に形成された嵌入溝部111aに車両3の車重がかかると共に、嵌入溝部111aに反対側に膨張したエアバッグ部13の頂点が来ると共に、ベース部12”のエアバッグ当接面部121Cの半球面形状に窪んだ球面凹部形状の中心となる頂点121a”の位置と、車両受部11Cのエアバッグ当接面部113”の半球面形状に窪んだ球面凹部形状の中心となる頂点113a”の位置とが一致するので、車両受部11 ”とベース部12”とにおける各頂点113a”,121a”の位置が車両3の重量がかかる位置が一致することになり、実施の形態2の場合よりも、より安定して車両3をジャッキアップすることができる。
【0041】
なお、本実施の形態2のエアージャッキ装置1Cでは、車両受部11Cのエアバッグ当接面部113”およびベース部12”のエアバッグ当接面部121Cの双方を、半球面形状に窪んだ球面凹部形状に形成して説明したが、本発明では、これに限らず、車両受部11Cのエアバッグ当接面部113”またはベース部12”のエアバッグ当接面部121Cのいずれか一方だけを、半球面形状に窪んだ球面凹部形状に形成しても勿論よい。
【0042】
また、本実施の形態3のエアージャッキ装置1Cでは、車両受部11Cのエアバッグ当接面部113”およびベース部12”のエアバッグ当接面部121Cの双方の半球面形状に窪んだ球面凹部形状の中心となる頂点113a”,121a”を、車両受部11Cの車両当接面部111側に形成された嵌入溝部111aの位置に一致させて説明したが、本発明では、これに限らず、車両受部11Cのエアバッグ当接面部113”またはベース部12”のエアバッグ当接面部121Cの半球面形状に窪んだ球面凹部形状の中心となる頂点113a”,121a”のいずれか一方だけを、車両受部11Cの車両当接面部111側の嵌入溝部111aに一致させるようにしても勿論よい。
【0043】
実施の形態4.
次に、実施の形態4のエアージャッキ装置1Dについて説明する。なお、ここでは、前記実施の形態1のエアージャッキ装置1に適用して説明するが、実施の形態2,3のエアージャッキ装置1B,1Cにも同様に適用することができる。
【0044】
図6は、本発明に係る実施の形態4のエアージャッキ装置1D(膨張時)の構造を示す概略断面図である。
【0045】
実施の形態3のエアージャッキ装置1Dでは、図6に示すように、エアバッグ部13を構成する複数の膨張バッグ13a1〜13a3の間に、複数の膨張バッグ13a1〜13a3の膨張時の倒れを防止するためドーナツ状(浮き輪状)の膨張バッグ13c1,13c2を介在させる。これは、膨張時、複数の膨張バッグ13a1〜13a3は、周囲部分より中心部分の方がより膨張するため、複数の膨張バッグ13a1〜13a3の周囲部分の隙間を埋めて、安定感を保つためである。
【0046】
ここで、本実施の形態3のエアージャッキ装置1Dでは、図6に示すように、膨張時、複数の膨張バッグ13a1〜13a3の最大外径より,ドーナツ状(浮き輪状)の膨張バッグ13c1,13c2の最大外径の方を若干大きくしているので、膨張時のエアバッグ部13の安定性が向上し、倒れ難くなる。なお、複数の膨張バッグ13a1〜13a3の最大外径より,ドーナツ状(浮き輪状)の膨張バッグ13c1,13c2の最大外径の方を若干大きくすることは、任意である。
【0047】
従って、本実施の形態4のエアージャッキ装置1Dによれば、複数の膨張バッグ13a1〜13a3が膨張しても、ドーナツ状(浮き輪状)の膨張バッグ13c1,13c2によりエアバッグ部13の安定性が向上し、倒れ難くなるので、より安定して車両3をジャッキアップすることが可能となる。
【0048】
なお、図6に示すように、複数の膨張バッグ13a1〜13a3同士の間は、中央部分で、密着ないし溶着されていてもよいし、さらには、図7に示すように、間が空くように溶着しないようにしても勿論よい。
【0049】
実施の形態5.
次に、実施の形態5のエアージャッキ装置1Eについて説明する。なお、ここでは、前記実施の形態1のエアージャッキ装置1に適用して説明するが、実施の形態2,3のエアージャッキ装置1B,1Cにも同様に適用することができる。
【0050】
図8は、本発明に係る実施の形態5のエアージャッキ装置1E(膨張時)の構造を示す概略断面図である。
【0051】
実施の形態5のエアージャッキ装置1Eでは、図8に示すように、エアバッグ部13を構成する複数の膨張バッグ13a1〜13a3の間は、溶着する一方、車両受部11と、ベース部12との間の複数の膨張バッグ13a1〜13a3の周囲を全て囲むように、あるいは周囲の所定角度毎の複数の位置、例えば、90度毎の4箇所や、120度毎の3箇所に、それぞれ、複数の膨張バッグ13a1〜13a3の膨張時の倒れを防止するため、複数の膨張バッグ13a1〜13a3が膨張していない場合(保管時)には伸張してなく、複数の膨張バッグ13a1〜13a3が膨張した場合(ジャッキアップ時)には伸張して複数の膨張バッグ13a1〜13a3に引張力を与えるゴム等の弾性部材14を設けたことを特徴としている。
【0052】
そのため、複数の膨張バッグ13a1〜13a3が膨張した場合(ジャッキアップ時)、実施の形態5のエアージャッキ装置1Eでは、複数の膨張バッグ13a1〜13a3の周囲を全て囲むように、あるいは周囲の所定角度毎に、均等に引張力が働くので、エアバッグ部13の安定性が向上し、倒れ難くなる。
【0053】
従って、本実施の形態5のエアージャッキ装置1Eによれば、複数の膨張バッグ13a1〜13a3が膨張しても、エアバッグ部13の膨張時の安定性が向上し、倒れ難くなり、より安定して車両3をジャッキアップすることが可能となる。
【0054】
実施の形態6.
次に、実施の形態6のエアージャッキ装置1Fについて説明する。なお、ここでは、前記実施の形態1のエアージャッキ装置1に適用して説明するが、実施の形態2,3のエアージャッキ装置1B,1Cにも同様に適用することができる。なお、実施形態6以降の説明では、車両受部11や、ベース部13等は、特徴部分ではないので、簡略化して示すことにする。
【0055】
図9は、本発明に係る実施の形態6のエアージャッキ装置1F(膨張時)の構造を示す概略断面図である。
【0056】
実施の形態6のエアージャッキ装置1Fでは、図9に示すように、車両受部11と、ベース部12との間の複数(ここでは、例えば、4つとする。)の膨張バッグ13a1〜13a4の周囲を全て囲むように、あるいは周囲の所定角度毎の複数の位置、例えば、90度毎の4箇所や、60度毎の6箇所に、それぞれ、複数の膨張バッグ13a1〜13a4の膨張時の倒れを防止するため複数の金属性の折畳み網等15cが、図9上、複数のリンク機構連結部15a,15b等により折畳み部分を畳んだり(収縮時)、あるいは伸ばして(伸張時)、伸縮する金属製の折畳み伸縮部材15を設けたことを特徴としている。
【0057】
そして、実施の形態6のエアージャッキ装置1Fでは、図9に示すように、折畳み伸縮部材15の複数のリンク機構連結部15a,15bのうち、内側のリンク機構連結部15bは、対向する内側のリンク機構連結部15bと金属性の連結網15d等により連結している。そのため、折畳み伸縮部材15が、90度毎の4箇所設けられている場合には、2本の連結網15dが交差することになる一方、60度毎の6箇所に設けられている場合には、3本の連結網15dが交差する。
【0058】
そのため、複数の膨張バッグ13a1〜13a4が膨張した場合(ジャッキアップ時)、実施の形態6のエアージャッキ装置1Fでは、複数の膨張バッグ13a1〜13a4の周囲を全て囲むように、あるいは周囲の所定角度毎に、複数のリンク機構連結部15a,15b等により連結された複数の金属性の折畳み網等15cが設けられており、内側のリンク機構連結部15b同士が金属性の連結網15d等により連結されているので、エアバッグ部13の安定性が向上し、倒れ難くなる。
【0059】
従って、本実施の形態6のエアージャッキ装置1Fによれば、実施の形態5のエアージャッキ装置1Fと同様に、エアバッグ部13の膨張時の安定性が向上し、倒れ難くなり、より安定して車両3をジャッキアップすることが可能となる。
【0060】
実施の形態7.
次に、実施の形態7のエアージャッキ装置1Gについて説明する。なお、ここでは、前記実施の形態1のエアージャッキ装置1に適用して説明するが、実施の形態2,3のエアージャッキ装置1B,1Cにも同様に適用することができる。
【0061】
図10は、本発明に係る実施の形態7のエアージャッキ装置1G(膨張時)の構造を示す正面図である。
【0062】
実施の形態7のエアージャッキ装置1Gでは、図10に示すように、エアバッグ部3を構成する複数(ここでは、例えば、4つとする。)の膨張バッグ13a1〜13a4の間は、溶着する。そして、車両受部11と、ベース12部との間の複数の膨張バッグ13a1〜13a4の周囲を全て囲む複数の位置に、それぞれ、複数の膨張バッグ13a1〜13a4の膨張時の倒れを防止するため、複数の膨張バッグ13a1〜13a4が膨張していない場合には伸張してなく、複数の膨張バッグ13a1〜13a4が膨張した場合に伸張して複数の膨張バッグ13a1〜13a4に引張力を与える複数段(ここでは、例えば、3段とする。)の弾性部材16aと、複数段の弾性部材16aの段間に複数の膨張バッグ13a1〜13a4の周囲を囲む中心径を有する金属性やプラスチック製等の硬質のリング部材16bを設けたことを特徴としている。
【0063】
そのため、図8に示す実施形態5のエアージャッキ装置1Dと同様に、複数の膨張バッグ13a1〜13a4が膨張した場合(ジャッキアップ時)、実施の形態7のエアージャッキ装置1Gでは、複数の膨張バッグ13a1〜13a4の周囲を全て囲むように、あるいは周囲の所定角度毎に、均等に引張力が働くので、エアバッグ部13の安定性が向上し、倒れ難くなる。
【0064】
特に、実施の形態7のエアージャッキ装置1Gでは、図10に示すように、各段の弾性部材16aは、上下に隣接する他の段の弾性部材16aとは水平方向に異なる位置に設けられているので、この点で、複数の膨張バッグ13a1〜13a4が膨張した場合(ジャッキアップ時)におけるエアバッグ部13の安定性が向上し、倒れ難くなる。
【0065】
従って、本実施の形態7のエアージャッキ装置1Gによれば、図8に示す実施形態5のエアージャッキ装置1Dと同様に、複数の膨張バッグ13a1〜13a4が膨張しても、エアバッグ部13の膨張時の安定性が向上し、倒れ難くなり、より安定して車両3をジャッキアップすることが可能となる。
【0066】
実施の形態8.
次に、実施の形態8のエアージャッキ装置1Hについて説明する。なお、ここでは、前記実施の形態1のエアージャッキ装置1に適用して説明するが、実施の形態2,3のエアージャッキ装置1B,1Cにも同様に適用することができる。
【0067】
図11は、本発明に係る実施の形態8のエアージャッキ装置1H(膨張時)の構造を示す概略断面図である。
【0068】
実施の形態8のエアージャッキ装置1Hでは、図11に示すように、エアバッグ部3を構成する複数(ここでは、例えば、4つとする。)の膨張バッグ13a1〜13a4の間は、溶着する。そして、複数の膨張バッグ13a1〜13a4の周囲を囲む中心径を有し、車両受部11と、ベース部12との間に複数の膨張バッグ13a1〜13a4の周囲を囲むようにスプリング部材17を設ける。
【0069】
ここで、スプリング部材17は、複数の膨張バッグ13a1〜13a4の膨張時の倒れを防止するため、複数の膨張バッグ13a1〜13a4が膨張していない場合(保管時)には自身の弾性力に対抗して収縮した状態におく。そのため、車両受部11とベース部12とを手等により抑え閉じた状態で、図示しない紐やフック等により結んで仮止めしておく。
【0070】
そして、ジャッキアップ時には、図示しない紐やフック等を解くと、スプリング部材17は、複数の膨張バッグ13a1〜13a4に空気を入れない状態でも、自身の弾性力により、ある程度、例えば、車両3のジャッキポイント31の高さまで車両受部11を上昇させる。そのため、車両3への装着性が向上する。
【0071】
従って、本実施の形態8のエアージャッキ装置1Hによれば、スプリング部材17により車両3への装着性が向上すると共に、複数の膨張バッグ13a1〜13a4の周囲を全て囲むようにスプリング部材17が設けられているので、エアバッグ部13の膨張時でもエアージャッキ装置1Hの安定性が向上し、倒れ難くなり、より安定して車両3をジャッキアップすることが可能となる。
【符号の説明】
【0072】
1A〜1H エアージャッキ装置
11,11’,11C 車両受部
113,113’,113” エアバッグ当接面部
113a’,113a” 頂点
12,12’,12” ベース部
121,121’,121C エアバッグ当接面部
121a’,121a” 頂点
122a 外バルブ部
122b 内バルブ部
13 エアバッグ部
13a1〜13a4 膨張バッグ
13c1〜13c3 圧縮空気用ホース
13b 外バック部
13c1,13c2 ドーナツ状の膨張バッグ
14 弾性部材
15 折畳み伸縮部材
15a,15b リンク機構連結部
15c 折畳み網
15d 連結網
16a 弾性部材
16b リング部材
17 スプリング部材
2 エアーコンプレッサ
21 コンプレッサ本体
22 シガーライター用コンセント
23 圧縮空気ホース
3 車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジャッキアップ時、車両が当たる車両受部と、
ジャッキアップ時、地面に置かれるベース部と、
前記ベース部と前記車両受部との間に挟まれ、上下方向に連結された複数の膨張バッグからなり、圧縮空気が供給される前は萎んだ状態で折り畳まれている一方、圧縮空気が供給された場合、上下方向に連結された複数の膨張バッグが膨張して、前記ベース部に対し前記車両受部を上昇させるエアバッグ部と、
を有することを特徴とするエアージャッキ装置。
【請求項2】
請求項1記載のエアージャッキ装置において、
前記エアバッグ部は、さらに、
上下方向に連結された前記複数の膨張バッグの外側に設けられ、当該複数の膨張バッグを保護する外バッグ部を有する、
ことを特徴とするエアージャッキ装置。
【請求項3】
請求項2記載のエアージャッキ装置において、
前記外バッグ部の外側には、
エアーコンップレッサーからの圧縮空気用ホースが接続される外バルブ部が取り付けられている一方、
前記外バッグ部の内側には、
前記外バッグ部と前記複数の膨張バッグとの間に、前記外バルブ部と連結され、枝分かれした複数の圧縮空気放出口を有する内バルブ部と、前記内バルブ部の複数の圧縮空気放出口にそれぞれ連結され、前記複数の膨張バッグそれぞれに圧縮空気を圧送する複数の圧縮空気用ホースとが設けられている、
ことを特徴とするエアージャッキ装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一の請求項に記載のエアージャッキ装置において、
前記ベース部は、
前記地面に置かれる底面部と、
前記エアバッグ部における最下位の前記膨張バッグが当接するエアバッグ当接面部と、を有し、
前記ベース部のエアバッグ当接面部は、
半球面形状に窪んだ球面凹部形状である、
ことを特徴とするエアージャッキ装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか一の請求項に記載のエアージャッキ装置において、
前記車両受部は、
車両が当たる車両当接面部と、
前記エアバッグ部における最上位の前記膨張バッグが当接するエアバッグ当接面部と、を有し、
前記車両受部のエアバッグ当接面部は、
半球面形状に窪んだ球面凹部形状である、
ことを特徴とするエアージャッキ装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5記載のエアージャッキ装置において、
前記車両受部の前記車両当接面部において前記エアバッグ部の中心より車両に近い側に、車両のジャッキポイントが嵌入される嵌入溝部が形成されている一方、
前記ベース部の前記エアバッグ当接面部および前記車両受部の前記エアバッグ当接部の球面凹部形状の頂点は、
前記車両受部の前記車両当接面部における前記嵌入溝部の形成位置からずれている、
ことを特徴とするエアージャッキ装置。
【請求項7】
請求項4または請求項5記載のエアージャッキ装置において、
前記車両受部の前記車両当接面部において前記エアバッグ部の中心より車両に近い側に、車両のジャッキポイントが嵌入される嵌入溝部が形成されている一方、
前記ベース部の前記エアバッグ当接面部および前記車両受部の前記エアバッグ当接部の球面凹部形状の頂点は、
前記車両受部の前記車両当接面部における前記嵌入溝部の形成位置と一致している、
ことを特徴とするエアージャッキ装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか一の請求項に記載のエアージャッキ装置において、
前記車両受部の前記車両当接面部において前記エアバッグ部の中心より車両に近い側に、車両のジャッキポイントが嵌入される嵌入溝部が形成されている一方、
前記ベース部の側面側であって前記エアバッグ部の中心より車両に遠い側の側面に、エアーコンップレッサーからの圧縮空気用ホースが接続される外バルブ部が設けられている、
ことを特徴とするエアージャッキ装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれか一の請求項に記載のエアージャッキ装置において、
前記エアバッグ部を構成する複数の膨張バッグの間に、前記複数の膨張バッグの膨張時の倒れを防止するドーナツ状の膨張バッグを介在させる、
ことを特徴とするエアージャッキ装置。
【請求項10】
請求項1〜請求項8のいずれか一の請求項に記載のエアージャッキ装置において、
前記エアバッグ部を構成する複数の膨張バッグの間は、溶着する一方、
前記車両受部と、前記ベース部との間の前記複数の膨張バッグの周囲を全て囲む複数の位置に、それぞれ、前記複数の膨張バッグの膨張時の倒れを防止するため、前記複数の膨張バッグが膨張していない場合には伸張してなく、前記複数の膨張バッグが膨張した場合に伸張して前記複数の膨張バッグに引張力を与える弾性部材を設ける、
ことを特徴とするエアージャッキ装置。
【請求項11】
請求項1〜請求項8のいずれか一の請求項に記載のエアージャッキ装置において、
前記車両受部と、前記ベース部との間の前記複数の膨張バッグの周囲を全て囲む複数の位置に、それぞれ、前記複数の膨張バッグの膨張時の倒れを防止するため複数のリンク機構連結部を介して畳んだり伸ばして伸縮する金属製の折畳み伸縮部材であって、
前記折畳み伸縮部材の複数のリンク機構連結部のうち、内側のリンク機構連結部は、対向する内側のリンク機構連結部と金属性の部材により連結する、
ことを特徴とするエアージャッキ装置。
【請求項12】
請求項1〜請求項8のいずれか一の請求項に記載のエアージャッキ装置において、
前記エアバッグ部を構成する複数の膨張バッグの間は、溶着する一方、
前記車両受部と、前記ベース部との間の前記複数の膨張バッグの周囲を全て囲む複数の位置に、それぞれ、前記複数の膨張バッグの膨張時の倒れを防止するため、前記複数の膨張バッグが膨張していない場合には伸張してなく、前記複数の膨張バッグが膨張した場合に伸張して前記複数の膨張バッグに引張力を与える複数段の弾性部材と、
前記複数段の弾性部材の段間に前記複数の膨張バッグの周囲を囲む中心径を有するリング部材と、
を有することを特徴とするエアージャッキ装置。
【請求項13】
請求項1〜請求項8のいずれか一の請求項に記載のエアージャッキ装置において、
前記エアバッグ部を構成する複数の膨張バッグの間は、溶着する一方、
前記複数の膨張バッグの周囲を囲む中心径を有し、前記車両受部と、前記ベース部との間に前記複数の膨張バッグの周囲を囲むように設け、
前記複数の膨張バッグの膨張時の倒れを防止するため、前記複数の膨張バッグが膨張していない場合には自身の弾性力に対抗して収縮しており、前記複数の膨張バッグが膨張した場合に自身の弾性力により伸張するスプリング部材を有する、
ことを特徴とするエアージャッキ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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