エキシマ放電ランプ
【課題】
本発明の目的は、チップ管への放電を抑制したエキシマ放電ランプを提供することにある。
【解決手段】
第1の発明に係るエキシマ放電ランプは、内部に放電空間を有した放電容器と、該放電容器の外面に設けられた一対の電極と、該放電空間に封入された少なくとも希ガス及びハロゲンあるいはハロゲン化物からなる放電用ガスと、からなるエキシマ放電ランプにおいて、該放電容器は、該一対の電極が設けられる管状の側壁と、該側壁の一端を封止する一方の端壁と、該側壁の他端に設けられる他方の端壁とで構成され、該側壁と一対の端壁とがサファイア,YAG又は単結晶イットリアからなり、他方の端壁には、金属からなるチップ管が設けられ、該一対の電極が設けられた側壁の内面とチップ管との最短距離間に、サファイア,YAG又は単結晶イットリアからなる仕切体が設けられたことを特徴とする。
本発明の目的は、チップ管への放電を抑制したエキシマ放電ランプを提供することにある。
【解決手段】
第1の発明に係るエキシマ放電ランプは、内部に放電空間を有した放電容器と、該放電容器の外面に設けられた一対の電極と、該放電空間に封入された少なくとも希ガス及びハロゲンあるいはハロゲン化物からなる放電用ガスと、からなるエキシマ放電ランプにおいて、該放電容器は、該一対の電極が設けられる管状の側壁と、該側壁の一端を封止する一方の端壁と、該側壁の他端に設けられる他方の端壁とで構成され、該側壁と一対の端壁とがサファイア,YAG又は単結晶イットリアからなり、他方の端壁には、金属からなるチップ管が設けられ、該一対の電極が設けられた側壁の内面とチップ管との最短距離間に、サファイア,YAG又は単結晶イットリアからなる仕切体が設けられたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エキシマ放電により紫外線を放射するエキシマ放電ランプに関する。特に、放電容器がサファイア,YAG又は単結晶イットリアからなるエキシマ放電ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光洗浄,表面改質及び化学物質の感光といった光化学反応の用途において、エキシマ放電ランプが紫外線光源として使用されていた。このエキシマ放電ランプの発光ガスとして、例えばキセノンのような希ガスと、例えばフッ化物のようなハロゲン化物とが封入されたものが知られている。ハロゲンあるいはハロゲン化物は、ランプ点灯時に電離されハロゲンイオンとなり、他の物質への反応性が極めて高くなる。このため、エキシマ放電ランプには、ハロゲンあるいはハロゲン化物を封入する放電容器に工夫が必要であった。
このような工夫を施したエキシマ放電ランプとしては、特許文献1に記載されるものがあった。
【0003】
図10は、特許文献1に記載されるエキシマ放電ランプ9の説明図であり、ランプ端部を示した断面図である。
エキシマ放電ランプ9は、サファイアパイプからなる放電容器91と、該放電容器91の両端に設けられたチタン製キャップ911と、該放電容器91の外面に離隔して設けた金属網931,932と、を備える。
【0004】
放電容器91は、チタン製キャップをフッ素樹脂系のOリング921で封止し、放電容器91の内部に気密な放電空間が形成される。
この放電空間には、放電用ガスとしてキセノンガスと塩素とが充填される。
【0005】
金属網931,932には、図示しない電源が接続され、高周波・高電圧が印加されて放電が開始される。放電空間では、エキシマ放電が生じ、キセノンと塩素に起因する300−320nmの波長域の紫外線が得られる。
サファイアパイプ91は、紫外線透過性を有するので、ランプ9の外部にエキシマ放電による紫外線を放射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平06−310106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のエキシマ放電ランプ9では、放電空間に放電用ガスを封入するために、チタン製キャップ911にチップ管を設ける必要がある。このため、エキシマ放電ランプの全体図としては、図11のものが考えられる。
【0008】
図11について、図10と共通する部分は説明を省略し、相違する部分を説明する。
放電容器91の一端に設けたチタン製キャップ911には、放電空間に連通するチップ管94が例えばロウ付けなどで接続される。放電空間には、このチップ管94を介して、放電ガスが封入される。封入後、放電空間を密閉するため、チップ管94を封止切りし、図11に示す封止部941を形成する。
チップ管94には、封止切りが行なえる部材が用いられ、例えば金属が用いられる。
【0009】
図11のようなエキシマ放電ランプ9を点灯させると、一対の金属網931,932間で放電ができないことがあった。
これは、ランプ点灯時、一方の金属網931に高電圧が印加されるが、この高電圧に対して、チップ管94は低電圧であるので、一方の金属網931とキャップ911又はチップ管94との間で放電が生じてしまった。
【0010】
特許文献1には、キャップ911を高純度アルミナでも製作可能であることが記載されているが、チップ管94は、封止切りをできなければならないため、金属部材で製作するしかない。
そうすると、少なくとも一方の金属網931とチップ管94とで放電が生じてしまうので、チップ管94が加熱されてしまい、キャップ911とチップ管94との間のロウ付けしたところが、熱膨張差が生じて破損してしまうことがあった。
また、キャップ911とチップ管94との間で破損しない場合でも、チップ管94が加熱されることで、キャップ911を介してOリング921も加熱されてしまい、Oリング921が劣化して放電容器91の気密性が保てなくなることもあった。
【0011】
そこで、本発明の目的は、チップ管への放電を抑制したエキシマ放電ランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の発明に係るエキシマ放電ランプは、内部に放電空間を有した放電容器と、該放電容器の外面に設けられた一対の電極と、該放電空間に封入された少なくとも希ガス及びハロゲンあるいはハロゲン化物からなる放電用ガスと、からなるエキシマ放電ランプにおいて、該放電容器は、該一対の電極が設けられる管状の側壁と、該側壁の一端を封止する一方の端壁と、該側壁の他端に設けられる他方の端壁とで構成され、該側壁と一対の端壁とがサファイア,YAG又は単結晶イットリアからなり、他方の端壁には、金属からなるチップ管が設けられ、該一対の電極が設けられた側壁の内面とチップ管との最短距離間に、サファイア,YAG又は単結晶イットリアからなる仕切体が設けられたことを特徴とする。
第2の発明に係るエキシマ放電ランプは、第1の発明において、該仕切体と該放電容器が構成する流路が蛇行していることを特徴とする。
第3の発明に係るエキシマ放電ランプは、第1又は2の発明において、該一対の電極が設けられた側壁の内面とチップ管との最短距離間に位置する該端壁に、サファイア,YAG又は単結晶イットリアからなる隔壁が設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
第1の発明に係るエキシマ放電ランプは、上記特徴により、一対の電極が設けられた内面とチップ管との間で電気抵抗を高くでき、チップ管への放電を抑制できる。
第2の発明に係るエキシマ放電ランプは、上記特徴により、一対の電極が設けられた側壁の内面とチップ管との沿面距離が長くなり、沿面放電によるチップ管への放電を抑制できる。
第3の発明に係るエキシマ放電ランプは、上記特徴により、一対の電極が設けられた内面とチップ管との間で、さらに電気抵抗を高くでき、チップ管への放電を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るエキシマ放電ランプの説明図である。
【図2】本発明に係るエキシマ放電ランプの説明図である。
【図3】本発明に係るエキシマ放電ランプの説明図である。
【図4】本発明に係るエキシマ放電ランプの説明図である。
【図5】本発明に係るエキシマ放電ランプの説明図である。
【図6】本発明に係るエキシマ放電ランプの説明図である。
【図7】本発明に係るエキシマ放電ランプの説明図である。
【図8】本発明に係るエキシマ放電ランプの説明図である。
【図9】実験結果の説明図である。
【図10】従来に係るエキシマ放電ランプの説明図である。
【図11】課題を説明するためのエキシマ放電ランプの説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、第1の実施例に係るエキシマ放電ランプ1の説明図であり、放電容器2の長手方向に沿った断面図である。図2は、図1のランプ1のA−A断面図である。
【0016】
第1の実施例に係るエキシマ放電ランプ1は、直管状の放電容器2と、該放電容器2の他端に設けたチップ管4と、該放電容器2の外面に離隔して設けた一対の電極31,32と、を備える。
【0017】
この放電容器2は、直管状の側壁21と、側壁21の一端に設けた板状の一方の端壁221と、側壁21の他端に設けた環状の他方の端壁222とからなり、サファイア(単結晶アルミナAl2O3),YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)または単結晶イットリア(Y2O3)により形成される。
他方の端壁222には、その中央に貫通する穴222bが設けられる。
【0018】
チップ管4は、その外周の一部が端壁222の穴222bに挿通される。
穴222bを形成する面には、メタライズが施されており、チップ管4との間に例えば銀ロウなどのロウ材が充填される。チップ管4は、例えばニッケルなどの金属部材や、例えばステンレスなどの合金部材で形成されることから、ロウ材を介してメタライズが施された面にロウ接される。
なお、金属とセラミックスとを接続する方法として、活性金属法があり、チップ管4と他方の端壁222との接続を、この活性金属法を用いて接合させることもできる。具体的には、ロウ材としてチタンなどの活性金属を含む活性金属ロウを使用し、穴222bを形成する面とチップ管4とが、この活性金属ロウによって接合される。この活性金属法の場合、穴222bを形成する面には、メタライズを施さなくてもかまわない。
【0019】
チップ管4の他方の端部(紙面右側の端部)は、圧接されることで封止部41が形成される。これにより、放電容器2の内部には、気密な放電空間23が設けられる。
この放電空間23には、放電用ガスとして、例えばアルゴン(Ar),クリプトン(Kr)やキセノン(Xe)のような希ガスと、例えばフッ素(F2),塩素(Cl2),臭素(Br2),ヨウ素(I2)のようなハロゲンあるいは六フッ化硫黄(SF6)のようなハロゲン化物とが封入される。
【0020】
放電容器2の外面には、図2に示すように、一対の電極31,32が互いに離隔されるように配置される。これにより、一対の電極31,32は、放電容器2の側壁21と放電空間23を介して、対向配置される。
【0021】
放電容器2の内部には、一対の電極31,32が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との最短距離L間に位置するように、環状の仕切体8が設けられる。この仕切体8は、サファイア(単結晶アルミナAl2O3),YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)または単結晶イットリア(Y2O3)により形成される。
仕切体8は、後述する押圧・加熱によって放電容器2の内面に接合することもでき、また、例えばアクリル接着剤からなる接着剤によって放電容器2の内面に接着することもできる。
なお、第1の実施例に係る最短距離Lとは、図2に示すように、一対の電極31,32が設けられた側壁21の内面211において、チップ管4に最も近接する部分と、この部分に最も近接するチップ管4の部分(図2においては、紙面左側の一方の端部)との間のことをいう。第1の実施例では、放電容器2の形状が、その長手方向に対して直交する断面が方形状の直方体状であって、チップ管4の形状が円管状であるので、図2に示すように、一方の電極31が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との最短距離L間は、一直線の線分Lで引くことができ、また、他方の電極32が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との最短距離L間も、一直線の線分Lで引くことができる。第1の実施例では、一方の電極31が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との最短距離L間と、他方の電極31が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との最短距離L間とでは、略同一距離であることから、両最短距離L間(図2に示す線分L間)に仕切体8が設けられる。
【0022】
次にエキシマ放電ランプ1の製造方法の一例について、図3を用いて説明する。
図3(a)は、一対の平板体51,52と環状体53とを治具71に固定したところを示す上面図である。図3(b)は、図3(a)で示した一対の平板体51,52と環状体53とを研磨する工程を示した断面図(図3(a)のB−B断面図)である。図3(c)は、図3(b)で研磨後の一対の平板体51,52と環状体53とを押圧しながら加熱する工程を示した斜視図である。図3(d)は、図3(c)で接合された放電容器形成部材5に、チップ管形成部材6を接合する工程を示した断面図である。
なお、図3には、図1及び図2に示したものと同じものに同一の符号が付されている。
【0023】
例えばサファイアからなる3枚の平板体を用意し、その中の1つの平板体はその中央部分に貫通する長方形の穴を設けて環状体53とする。
1つの環状体53は、図3(a)に示すように、例えば紙面手前側を研磨したい面としたときに、該研磨したい面が紙面手前側に位置するように支持台(図3(a)では不図示、図3(b)における符号73)上に配置させる。支持台73には、穴用治具731が設けられているので、環状体53はその中央の穴に該穴用治具731が位置するように、支持台73上に配置される。続いて2つの平板体51,52は、研磨したい面を紙面手前側に向いた状態で環状体53の左右に配置される。2つの平板体51,52と1つの環状体53とは、その外周を治具71と接着剤72によって覆われ、支持台(図3(a)では不図示、図3(b)における符号73)に固定される。
【0024】
図3(a)で固定された2つの平板体51,52と1つの環状体53とは、図3(b)に示すように、研磨したい面(図2(b)における紙面下側の面)を研磨台74に対向される。
この研磨の工程においては、いわゆるグラィンディング(Grinding)、ラッピング(Rapping)、ポリッシング(Polishing)の3つの研磨工程を行なうため、各研磨工程で研磨台74と研磨剤77の粒径とが変更される。
まず、グラィンディングと呼ばれる研磨工程においては、研磨台74として鋼が用いられる。2つの平板体51,52と1つの環状体53とは、その研磨台74に対向する面が、研磨台74が構成する凹凸や、研磨剤供給体76によって研磨したい面と研磨台74との間に供給された例えば二酸化ケイ素(SiO2),炭化ケイ素(SiC),ダイヤモンド(C)や酸化セリウム(CeO2)のような研磨剤77によって研磨される。次に、少なくとも1つの環状体53は、研磨された面に対して反対側の面(図3(b)における紙面上側の面)が研磨される。
続いて、ラッピングと呼ばれる研磨工程においては、研磨台74として錫が用いられる。2つの平板体51,52と1つの環状体53とは、その研磨台74に対向する面が、研磨台74が構成する凹凸や、研磨剤供給体76によって研磨したい面と研磨台74との間に供給された例えば二酸化ケイ素(SiO2),炭化ケイ素(SiC),ダイヤモンド(C)や酸化セリウム(CeO2)のような研磨剤77によって、再度研磨される。このとき用いられる研磨剤77は、グラィンディングのときに用いた研磨剤77よりも粒径が小さなものが採用される。次に、少なくとも1つの環状体53は、研磨された面に対して反対側の面(図3(b)における紙面上側の面)が再度研磨される。
最後に、ポリッシングと呼ばれる研磨工程においては、研磨台74として樹脂が塗布されたアルミニウムが用いられる。2つの平板体51,52と1つの環状体53とは、その研磨台74に対向する面が、研磨剤供給体76によって研磨したい面と研磨台74の樹脂との間に供給された例えば二酸化ケイ素(SiO2),炭化ケイ素(SiC),ダイヤモンド(C)や酸化セリウム(CeO2)のような研磨剤77によって、再度研磨される。このとき用いられる研磨剤77は、ラッピングのときに用いて研磨剤77よりも粒径が小さなものが採用される。次に、少なくとも1つの環状体53は、研磨された面に対して反対側の面(図3(b)における紙面上側の面)を再度研磨される。
このように、2つの平板体51,52と1つの環状体53とは、グラィンディング、ラッピング、ポリッシングの3つの研磨工程を経ることで、順次研磨剤77の粒径が小さくなり、その研磨面の平滑度を向上させることができる。
【0025】
図3(b)で、2つの平板体51,52と1つの環状体53とを研磨したのち、互いの研磨した面が接することで、2つの平板体51,52が1つの環状体53を介して対向配置されるように積層される。図3(c)を用いて具体的に説明すると、一方の平板体51の研磨した面に、環状体53の研磨した一方の面(図3(c)における紙面上側の面)が接する。また、環状体53の研磨した他方の面(図3(c)における紙面下側の面)に、他方の平板体52の研磨した面が接する。これにより、環状体53の穴を、一対の平板体51,52によって取り囲むことになる。
この取り囲まれた穴に、のちの仕切体となる仕切板形成部材(不図示)を配置し、仕切板形成部材の研磨した面を平板体の研磨した面に当接させる。
2つの平板体51,52と1つの環状体53と仕切板形成部材(不図示)とは、積層された状態で、研磨した面が密接されるように、一対の平板体51,52の外面(図3(c)における一方の平板体51の紙面上方側の面と、図3(c)における他方の平板体52の紙面下側の面)から不図示の押圧手段78によって押圧される。
2つの平板体51,52と1つの環状体53は、積層されると共に押圧された状態で、減圧され例えば1300〜1400℃で8〜15時間加熱される。
【0026】
図3(c)で加熱後、室温まで冷却された2つの平板体51,52と1つの環状体53と仕切板形成部材(不図示)とは、互いの接した面が接合されて一体となり、この一体物が放電容器形成部材5となる。
この放電容器形成部材5には、図3(d)に示すように、その内方に環状体53に起因する放電空間23が形成され、その長手方向における他方の端壁222には、放電空間23に連通する貫通穴222bが設けられる。この放電空間23には、側壁23の内面に接合された仕切体8が配置される。
貫通穴222bには、Mo−Mn法によりメタライズが施された後、ニッケルからなるチップ管形成部材6の一端が挿通される。貫通穴222bとチップ管形成部材6の外周面との間には、銀ロウによるロウ材が充填されて、両者は接合される。
放電容器形成部材5は、チップ管形成部材6の他端から中空部の排気が行なわれた後、この中空部に放電用ガスとして、アルゴンと六フッ化硫黄が封入される。チップ管形成部材6は金属で形成されるので、その他端を圧接されることで封止部を形成することができる。これにより、放電容器形成部材5は、その中空部が気密な放電空間23となり、放電容器2となる。
【0027】
図示しないが、放電容器2の一対の対向する外面には、例えば銅をペースト状にしたものをプリント印刷により網状に塗布した後、放電容器2とともに該塗布したペースト状の銅を高温に加熱し、該ペースト状の銅を焼成することで、網状の電極31,32が設けられる。これにより、エキシマ放電ランプ1は完成される。このように、本発明に係るエキシマ放電ランプ1が形成されることで、樹脂部材を用いずに、密閉された放電空間23を形成することができる。
【0028】
なお、放電容器2の形状は、その長手方向に対して直交する断面が方形状の直方体状であってもかまわなく、また断面が円状の円管状であってもかまわない。
【0029】
第1の実施例に係るエキシマ放電ランプ1は、一対の電極31,32に図示しない電源が接続される。
次に、エキシマ放電ランプ1のランプ点灯時について説明する。
【0030】
エキシマ放電ランプ1は、高周波・高電圧が給電されると、高電圧側の電極(例えば一方の電極31)が設けられた放電容器2の内面に、電荷が蓄積され、この電荷が低電圧側の電極(例えば他方の電極32)に向かって移動する。放電用ガスがアルゴンと六フッ化硫黄であるとき、電荷を受けて放電用ガスが電離されて、アルゴンイオンとフッ素イオンが形成される。これらイオンからアルゴンーフッ素からなるエキシマ分子が形成され、193nmの波長の紫外線が生じる。
このとき、放電容器2は、フッ素イオンに曝されるが、サファイア,YAGまたは単結晶イットリアにより形成され、これらがハロゲンイオンとの反応性が低いことから、長時間用いることができる。
さらに、この放電容器2では、従来のような樹脂部材を用いることなく、気密な放電空間23を形成していることから、樹脂部材の劣化のような問題も有さないことから、放電空間23の気密性を長時間維持することができる。
【0031】
放電容器2は、紫外線透過性を有することから、放電空間23で生じた193nmの紫外線を外部に放射することができる。
【0032】
第1の実施例に係るエキシマ放電ランプ1は、封止部41を形成するために、チップ管4が金属部材又は合金部材で形成される。このため、ランプ点灯時、高電圧側の電極(例えば一方の電極31とする。以下も同じ。)にとっては、低電圧側の電極(例えば他方の電極32とする。以下も同じ。)と共に、チップ管4も低電圧状態であり、高電圧側の電極31とチップ管4との間で電界が生じることがある。このとき、高電圧側の電極31が設けられた側壁21の内面211には、電荷が蓄積されており、この電荷がチップ管4に向かって放電が生じる可能性がある。この放電は、高電圧側の電極31が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との間において、電気抵抗性が最も低い部分で生じ易いため、最も絶縁空間距離が短い最短距離L間で生じる可能性が高い。
そこで、第1の実施例に係るエキシマ放電ランプ1には、一対の電極31,32が設けられた側壁の内面とチップ管4との最短距離L間に、サファイア,YAG又は単結晶イットリアからなる仕切体8が設けられた。この仕切体8は、チップ管4と比べて電気抵抗性が高く、また電極31,32に比べても電気抵抗性が高い。このため、第1の実施例は、仕切体8によって、一対の電極31,32が設けられた内面とチップ管4との間で、電気抵抗を高くすることができ、放電が生じることを抑制できる。
【0033】
図1及び図2では、放電容器2の形状が、その長手方向に対して直交する断面が方形状の直方体状であって、チップ管4の形状が円管状であるので、一対の電極31が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との最短距離L間は、一直線の線分Lでひくことができ、この線分Lの間に仕切体8を設ければ良かった。
これに対し、放電容器2の形状が、その長手方向に対して直交する断面が円状の円管状であって、チップ管4の形状が円管状であるとき、放電容器2の外面には、断面円弧状の一対の電極31が設けられることになる。この場合を示したのが、図4となる。図4(a)は、放電容器2の長手方向に沿った断面図であり、図4(b)は、図4(a)のG−G断面図である。図4(b)では、図4(a)に示すチップ管4の位置を示しているが、仕切体8の位置は省略している。図4のエキシマ放電ランプ1において、一対の電極31,32が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との最短距離L間は、チップ管4の中心軸が放電容器4の中心軸と一致するように配置されていることから、図4(b)に示すように、複数の線分Lを引くことで構成される面に相当する。このため、図4のエキシマ放電ランプ1においては、面状の最短距離L間の全体に亘って仕切体8が配置されることで、一対の電極31,32が設けられた内面とチップ管4との間で、電気抵抗を高くすることができ、放電が生じることを抑制できる。
【0034】
第1の実施例以外で、本発明に係る実施例として、図5に示すものがある。
【0035】
図5(a)は、第2の実施例に係るエキシマ放電ランプ1の説明図であり、放電容器2の長手方向に沿った断面図である。図5(b)は、図5(a)のランプ1のC−C断面図である。
なお、図5(a)及び図5(b)には、図1及び図2に示したものと同じものに同一の符号が付されている。
【0036】
図5(a)及び図5(b)は、仕切体8を環状ではなく板状に構成した点で、図1及び図2と相違する。
図5(a)及び図5(b)に記載の第2の実施例の説明として、図1及び図2と共通する部分の説明は省略し、相違する部分について説明する。
【0037】
仕切体8を板状に構成したことで、一対の電極31,32が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との最短距離L間だけではなく、両者を直線で結ぶあらゆる間に仕切体8が位置する。これにより、一対の電極31,32が設けられた側壁21の内面211とチップ管4とが直接対向しない。
【0038】
第1の実施例においては、環状の仕切体8が有する中央の穴において、一対の電極31,32が設けられた側壁21の内面211とチップ管との間で、両者が直接対向する部分があり、ランプ点灯時に印加される電圧が高電圧になるにつれて、直接対向する部分で放電が生じることがあった。
このため、第2の実施例のように、仕切板によって、一対の電極31,32が設けられた側壁21の内面211とチップ管4とが直接対向しないことで、両者の間で、さらに電気抵抗を高くすることができ、放電が生じることを抑制できる。
【0039】
図5(c)は、第3の実施例に係るエキシマ放電ランプ1の説明図であり、放電容器2の長手方向に沿った断面図である。図5(d)は、図5(c)のランプ1のD−D断面図である。
なお、図5(c)及び図5(d)には、図1及び図2に示したものと同じものに同一の符号が付されている。
【0040】
図5(c)及び図5(d)は、仕切板8と放電容器2とで構成する流路が蛇行している点で、図1及び図2と相違する。
図5(c)及び図5(d)に記載の第3の実施例の説明として、図1及び図2と共通する部分の説明は省略し、相違する部分について説明する。
【0041】
第3の実施例では、仕切体8を板状に構成し、この板状の仕切板8が2つ設けられる。放電容器2が例えば直方体状であったとき、その側壁21は4面で構成される。一方の仕切体8(紙面左側の仕切体8)は、この側壁21のうち3面に当接するように構成される。他方の仕切体8(紙面右側の仕切体8)も、側壁21のうち3面に当接されるが、その3面のうちの1面は、図5(c)に示すように、一方の仕切体8とは異なる側面21と当接される。
このように設けられた一対の仕切体8は、一対の電極31,32が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との最短距離L間だけではなく、両者を直線で結ぶあらゆる間に仕切体8が位置する。これにより、一対の電極31,32が設けられた側壁21の内面211とチップ管4とが直接対向しない。
また、一対の仕切体8を設けたことで、放電容器2と一対の仕切体8とで構成する流路が蛇行することになる。
なお、ここでいう蛇行する流路Mとは、図5(c)に示すように、一対の電極が設けられる側壁21の内面211からチップ管4に至るまでの放電容器2内の流路のことであり、これが仕切体8によって複数回屈曲する流路のことである。
【0042】
第1の実施例での説明では、一対の電極31,32が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との放電は、側壁21の内面211に蓄積された電荷がチップ管4に向かって直接移動することで生じると述べた。
ところが、このような放電以外にも、側壁21の内面211に蓄積された電荷が、放電容器2の内面に沿って移動し、放電容器2に設けられたチップ管2に至って放電する、いわゆる沿面放電も存在する。
第3の実施例では、放電容器2と一対の仕切体8とで構成する流路を蛇行させることで、電荷が移動できる沿面も蛇行することになる。このため、第3の実施例の構成では、一対の電極31,32が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との沿面距離が長くなり、沿面放電によるチップ管4への放電を抑制できる。
【0043】
また、第3の実施例では、仕切体8によって、一対の電極31,32が設けられた側壁21の内面211とチップ管4とが直接対向しないので、第1の実施例と同様の効果だけでなく、第2の実施例と同様の効果も得ることができる。
【0044】
放電容器2と仕切体8とで構成する流路が蛇行した例として、図6を示す。
【0045】
図6(a)は、第4の実施例に係るエキシマ放電ランプ1の説明図であり、放電容器2の長手方向に沿った断面図である。図6(b)は、図6(a)のランプ1のE−E断面図である。
なお、図6(a)及び図6(b)には、図5(c)及び図5(d)に示したものと同じものに同一の符号が付されている。
【0046】
図6(a)及び図6(b)は、仕切体8の形状が異なる点で、図5(c)及び図5(d)と相違する。
図6(a)及び図6(b)に記載の第4の実施例の説明として、図5(c)及び図5(d)と共通する部分の説明は省略し、相違する部分について説明する。
【0047】
仕切体8は、2回屈曲させた断面L字状の形状を有する。一対の仕切体8は、S字状の蛇行した流路を形成するように配置される。これにより、第4の実施例においては、放電容器2と一対の仕切板8とで構成する流路が、第3の実施例のものより、長く蛇行したものとなる。
【0048】
第4の実施例では、放電容器2と仕切体8とで蛇行した流路を構成することにより、第3の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0049】
図6(c)は、第5の実施例に係るエキシマ放電ランプ1の説明図であり、放電容器2の長手方向に沿った断面図である。図6(d)は、図6(c)のランプ1のF−F断面図である。
なお、図6(c)及び図6(d)には、図5(c)及び図5(d)に示したものと同じものに同一の符号が付されている。
【0050】
図6(c)及び図6(d)は、仕切体8が4つある点で、図5(c)及び図5(d)と相違する。
図6(c)及び図6(d)に記載の第5の実施例の説明として、図5(c)及び図5(d)と共通する部分の説明は省略し、相違する部分について説明する。
【0051】
第5の実施例では、仕切体8を4つ設けることで、一対の電極31,32が設けられた側壁21とチップ管4との間の電気抵抗を高め、放電容器2と仕切体8とで構成される蛇行した流路の長さを長くすることができる。これにより、側壁21に蓄積される電荷にとって、チップ管4までの沿面距離が長くなる。
【0052】
第5の実施例では、放電容器2と仕切体8とで蛇行した流路を構成することにより、第3の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0053】
一対の電極31,32が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との間の電気抵抗を高める手段として、仕切体8に加えて、隔壁を設けた例2を図7に示す。
【0054】
図7(a)は、第6の実施例に係るエキシマ放電ランプ1の説明図であり、放電容器2の長手方向に沿った断面図である。
なお、図7(a)には、図5(a)に示したものと同じものに同一の符号が付されている。
【0055】
図7(a)は、隔壁222aが設けられた点で、図5(a)と相違する。
図7(a)に記載の第6の実施例の説明として、図5(a)と共通する部分の説明は省略し、相違する部分について説明する。
【0056】
他方の端壁222には、その中央に貫通する穴222bが設けられる。この穴222bは、紙面左側の小径の穴222cと、この小径の穴222cと連続すると共にこの小径の穴222cより大径の穴222dとで構成される。この小径の穴222cと大径の穴222dとの間で段差が構成され、この段差が隔壁222aである。この隔壁222aは、サファイア,YAG又は単結晶イットリアで構成される。
この結果、第6の実施例では、一方の電極31が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との最短距離L間に、隔壁222aが設けられることになり、また他方の電極32が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との最短距離L間にも隔壁222aが設けられることとなる。
【0057】
第6の実施例では、一対の電極31,32が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との間に、仕切体8に加えて、隔壁222aが設けられることで、両者の間の電気抵抗を高くでき、チップ管4への放電を抑制できる。
【0058】
図7(b)は、第7の実施例に係るエキシマ放電ランプ1の説明図であり、放電容器2の長手方向に沿った断面図である。
なお、図7(b)には、図5(c)に示したものと同じものに同一の符号が付されている。
【0059】
図7(b)は、隔壁222aが設けられた点で、図5(c)と相違する。
図7(b)に記載の第7の実施例の説明として、図5(c)と共通する部分の説明は省略し、相違する部分について説明する。
【0060】
第7の実施例においても、第6の実施例で説明した隔壁222aが設けられ、第6の実施例と同様の効果を得ることができる。
このような隔壁222aは、第1,4及び5の実施例でも適用することができる。
【0061】
次に、第2及び3の実施例に係るエキシマ放電ランプの効果を示す実験について説明する。
実験では、3種類のエキシマ放電ランプを準備した。この3種類のうち、1つが比較例であり、残り2つが本発明である。この比較例のエキシマ放電ランプ1として図8に示すものを用い、本発明1として図5(a),(b)に示すものを用い、本発明2として図5(c),(d)に示すものを用いた。
図8の比較例では、図5(a),(b)のものと、仕切体8を設けなかった点で、相違し、その他の部分については、同一である。
【0062】
本実験においては、比較例に対して、仕切体8を設けたとき(図5(a),(b))の放電抑制の効果と、仕切体8と放電容器2とで流路を蛇行させたとき(図5(c),(d))の沿面放電抑制の効果とを示す。
【0063】
各エキシマ放電ランプは、他方の電極(図8では不図示)が取り除かれ、一方の電極(図8では不図示)とチップ管4とに不図示の電源が接続される。
各エキシマ放電ランプの共通する構成は、放電容器2にサファイアを用い、チップ管4としてニッケルを用い電極にペースト状の銅を焼成したものを用い、放電用ガスにアルゴンガスを用いた
本発明1及び2では、仕切体8にサファイアを用い、放電容器2に押圧・加熱によって接合させた。
【0064】
各エキシマ放電ランプ1の共通する数値について述べると、放電容器2の幅(図5(a)における紙面上下方向の長さ)が45mm、放電容器の長さ(図5(a)における紙面左右方向の長さ)が65mm、放電容器2の高さ(図5(a)における紙面奥手前方向の長さ)が6mm、放電容器2の肉厚は1mm、放電用ガスの封入圧が13.3kPa、電極から端壁までの距離が10mmであった。
本発明1の仕切体8の数値について述べると、幅(図5(a)における紙面上下方向の長さ)が15mm、長さ(図5(a)における紙面左右方向の長さ)が8mm、高さ(図5(a)における紙面奥手前方向の長さ)が4mmであった。
本発明2の仕切体8の数値について述べると、紙面左側の仕切体8の幅(図5(c)における紙面上下方向の長さ)が4mm、紙面左側の仕切体8の長さ(図5(c)における紙面左右方向の長さ)が3mm、紙面左側の仕切体8の高さ(図5(c)における紙面奥手前方向の長さ)が27mmであった。また、紙面右側の仕切体8の幅(図5(c)における紙面上下方向の長さ)が4mm、紙面右側の仕切体8の長さ(図5(c)における紙面左右方向の長さ)が3mm、紙面右側の仕切体8の高さ(図5(c)における紙面奥手前方向の長さ)が27mmであった。
【0065】
実験では、電極を高電圧側の電極とし、チップ管を接地側の電極として電源に接続し、電極とチップ管との間で放電が開始されるまでの電圧(放電開始電圧)を調べた。各エキシマ放電ランプ1では、それぞれ12回、放電開始電圧を調べ、その平均値を求めた。その実験結果が図9である。
【0066】
比較例では、隔壁222aが、高圧側の電極が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との最短距離L間に位置する端壁222に設けられることで、放電抑制効果があるものの平均5.1kV(p−p)で放電を開始された。
【0067】
これに対して、本発明1では、さらに仕切体8を設けたことで、放電開始電圧が比較例よりも1kV高い、平均6.1kV(p−p)であった。
これは、高圧側の電極が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との最短距離L間に、仕切体8が設けられることとなり、最短距離L間での電気抵抗を高めることができたためと考えられる。また、仕切体8によって、電極が設けられた側壁21の内面211とチップ管4とが直接対向しなくなるので、両者の間で、さらに電気抵抗を高くすることができ、放電が生じることを抑制できたものと考えられる。
【0068】
本発明2では、放電開始電圧が9kV(p−p)以上となり、すなわち、高圧側の電極とチップ管4との間で放電が開始されなかった。
これは、一対の仕切体8と放電容器2とによって流路が形成され、これにより、電極が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との間で、電気抵抗を高くできるだけでなく、両者の沿面距離を長くすることができるので、沿面放電も抑制できたものと考えられる。このため、9kV(p−p)以上の高電圧を印加されても、放電が開始されなかったものと推測される。
【0069】
このように、第2の実施例に係るエキシマ放電ランプ1には、電極が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との間に、両者が直接対向しないように、仕切体8が設けられたことで、電気抵抗を高めることができ、放電が生じることを抑制できることが分かる。
また、第3の実施例に係るエキシマ放電ランプ1には、電極が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との間に、両者が直接対向しないように、一対の仕切体8が設けられ、且つ、一対の仕切体8と放電容器2との間に蛇行した流路が形成されることで、電気抵抗を高めることで放電を抑制できるだけでなく、沿面放電をも抑制できることが分かる。
【符号の説明】
【0070】
1 エキシマ放電ランプ
2 放電容器
21 側壁
211 側壁の内面
221 一方の端壁
222 他方の端壁
222a 隔壁
222b 穴
222c 小径の穴
222d 大径の穴
222e 環状の凹部
23 放電空間
31 一方の電極
32 他方の電極
4 チップ管
41 封止部
5 放電容器形成部材
51 一方の平板体
52 他方の平板体
53 環状体
531 貫通穴
6 チップ管形成部材
71 治具
72 接着剤
73 支持台
731 穴用治具
74 研磨台
76 研磨剤供給体
77 研磨剤
78 押圧手段
8 仕切板
L 最短距離
M 蛇行した流路
【技術分野】
【0001】
本発明は、エキシマ放電により紫外線を放射するエキシマ放電ランプに関する。特に、放電容器がサファイア,YAG又は単結晶イットリアからなるエキシマ放電ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光洗浄,表面改質及び化学物質の感光といった光化学反応の用途において、エキシマ放電ランプが紫外線光源として使用されていた。このエキシマ放電ランプの発光ガスとして、例えばキセノンのような希ガスと、例えばフッ化物のようなハロゲン化物とが封入されたものが知られている。ハロゲンあるいはハロゲン化物は、ランプ点灯時に電離されハロゲンイオンとなり、他の物質への反応性が極めて高くなる。このため、エキシマ放電ランプには、ハロゲンあるいはハロゲン化物を封入する放電容器に工夫が必要であった。
このような工夫を施したエキシマ放電ランプとしては、特許文献1に記載されるものがあった。
【0003】
図10は、特許文献1に記載されるエキシマ放電ランプ9の説明図であり、ランプ端部を示した断面図である。
エキシマ放電ランプ9は、サファイアパイプからなる放電容器91と、該放電容器91の両端に設けられたチタン製キャップ911と、該放電容器91の外面に離隔して設けた金属網931,932と、を備える。
【0004】
放電容器91は、チタン製キャップをフッ素樹脂系のOリング921で封止し、放電容器91の内部に気密な放電空間が形成される。
この放電空間には、放電用ガスとしてキセノンガスと塩素とが充填される。
【0005】
金属網931,932には、図示しない電源が接続され、高周波・高電圧が印加されて放電が開始される。放電空間では、エキシマ放電が生じ、キセノンと塩素に起因する300−320nmの波長域の紫外線が得られる。
サファイアパイプ91は、紫外線透過性を有するので、ランプ9の外部にエキシマ放電による紫外線を放射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平06−310106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のエキシマ放電ランプ9では、放電空間に放電用ガスを封入するために、チタン製キャップ911にチップ管を設ける必要がある。このため、エキシマ放電ランプの全体図としては、図11のものが考えられる。
【0008】
図11について、図10と共通する部分は説明を省略し、相違する部分を説明する。
放電容器91の一端に設けたチタン製キャップ911には、放電空間に連通するチップ管94が例えばロウ付けなどで接続される。放電空間には、このチップ管94を介して、放電ガスが封入される。封入後、放電空間を密閉するため、チップ管94を封止切りし、図11に示す封止部941を形成する。
チップ管94には、封止切りが行なえる部材が用いられ、例えば金属が用いられる。
【0009】
図11のようなエキシマ放電ランプ9を点灯させると、一対の金属網931,932間で放電ができないことがあった。
これは、ランプ点灯時、一方の金属網931に高電圧が印加されるが、この高電圧に対して、チップ管94は低電圧であるので、一方の金属網931とキャップ911又はチップ管94との間で放電が生じてしまった。
【0010】
特許文献1には、キャップ911を高純度アルミナでも製作可能であることが記載されているが、チップ管94は、封止切りをできなければならないため、金属部材で製作するしかない。
そうすると、少なくとも一方の金属網931とチップ管94とで放電が生じてしまうので、チップ管94が加熱されてしまい、キャップ911とチップ管94との間のロウ付けしたところが、熱膨張差が生じて破損してしまうことがあった。
また、キャップ911とチップ管94との間で破損しない場合でも、チップ管94が加熱されることで、キャップ911を介してOリング921も加熱されてしまい、Oリング921が劣化して放電容器91の気密性が保てなくなることもあった。
【0011】
そこで、本発明の目的は、チップ管への放電を抑制したエキシマ放電ランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の発明に係るエキシマ放電ランプは、内部に放電空間を有した放電容器と、該放電容器の外面に設けられた一対の電極と、該放電空間に封入された少なくとも希ガス及びハロゲンあるいはハロゲン化物からなる放電用ガスと、からなるエキシマ放電ランプにおいて、該放電容器は、該一対の電極が設けられる管状の側壁と、該側壁の一端を封止する一方の端壁と、該側壁の他端に設けられる他方の端壁とで構成され、該側壁と一対の端壁とがサファイア,YAG又は単結晶イットリアからなり、他方の端壁には、金属からなるチップ管が設けられ、該一対の電極が設けられた側壁の内面とチップ管との最短距離間に、サファイア,YAG又は単結晶イットリアからなる仕切体が設けられたことを特徴とする。
第2の発明に係るエキシマ放電ランプは、第1の発明において、該仕切体と該放電容器が構成する流路が蛇行していることを特徴とする。
第3の発明に係るエキシマ放電ランプは、第1又は2の発明において、該一対の電極が設けられた側壁の内面とチップ管との最短距離間に位置する該端壁に、サファイア,YAG又は単結晶イットリアからなる隔壁が設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
第1の発明に係るエキシマ放電ランプは、上記特徴により、一対の電極が設けられた内面とチップ管との間で電気抵抗を高くでき、チップ管への放電を抑制できる。
第2の発明に係るエキシマ放電ランプは、上記特徴により、一対の電極が設けられた側壁の内面とチップ管との沿面距離が長くなり、沿面放電によるチップ管への放電を抑制できる。
第3の発明に係るエキシマ放電ランプは、上記特徴により、一対の電極が設けられた内面とチップ管との間で、さらに電気抵抗を高くでき、チップ管への放電を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るエキシマ放電ランプの説明図である。
【図2】本発明に係るエキシマ放電ランプの説明図である。
【図3】本発明に係るエキシマ放電ランプの説明図である。
【図4】本発明に係るエキシマ放電ランプの説明図である。
【図5】本発明に係るエキシマ放電ランプの説明図である。
【図6】本発明に係るエキシマ放電ランプの説明図である。
【図7】本発明に係るエキシマ放電ランプの説明図である。
【図8】本発明に係るエキシマ放電ランプの説明図である。
【図9】実験結果の説明図である。
【図10】従来に係るエキシマ放電ランプの説明図である。
【図11】課題を説明するためのエキシマ放電ランプの説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、第1の実施例に係るエキシマ放電ランプ1の説明図であり、放電容器2の長手方向に沿った断面図である。図2は、図1のランプ1のA−A断面図である。
【0016】
第1の実施例に係るエキシマ放電ランプ1は、直管状の放電容器2と、該放電容器2の他端に設けたチップ管4と、該放電容器2の外面に離隔して設けた一対の電極31,32と、を備える。
【0017】
この放電容器2は、直管状の側壁21と、側壁21の一端に設けた板状の一方の端壁221と、側壁21の他端に設けた環状の他方の端壁222とからなり、サファイア(単結晶アルミナAl2O3),YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)または単結晶イットリア(Y2O3)により形成される。
他方の端壁222には、その中央に貫通する穴222bが設けられる。
【0018】
チップ管4は、その外周の一部が端壁222の穴222bに挿通される。
穴222bを形成する面には、メタライズが施されており、チップ管4との間に例えば銀ロウなどのロウ材が充填される。チップ管4は、例えばニッケルなどの金属部材や、例えばステンレスなどの合金部材で形成されることから、ロウ材を介してメタライズが施された面にロウ接される。
なお、金属とセラミックスとを接続する方法として、活性金属法があり、チップ管4と他方の端壁222との接続を、この活性金属法を用いて接合させることもできる。具体的には、ロウ材としてチタンなどの活性金属を含む活性金属ロウを使用し、穴222bを形成する面とチップ管4とが、この活性金属ロウによって接合される。この活性金属法の場合、穴222bを形成する面には、メタライズを施さなくてもかまわない。
【0019】
チップ管4の他方の端部(紙面右側の端部)は、圧接されることで封止部41が形成される。これにより、放電容器2の内部には、気密な放電空間23が設けられる。
この放電空間23には、放電用ガスとして、例えばアルゴン(Ar),クリプトン(Kr)やキセノン(Xe)のような希ガスと、例えばフッ素(F2),塩素(Cl2),臭素(Br2),ヨウ素(I2)のようなハロゲンあるいは六フッ化硫黄(SF6)のようなハロゲン化物とが封入される。
【0020】
放電容器2の外面には、図2に示すように、一対の電極31,32が互いに離隔されるように配置される。これにより、一対の電極31,32は、放電容器2の側壁21と放電空間23を介して、対向配置される。
【0021】
放電容器2の内部には、一対の電極31,32が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との最短距離L間に位置するように、環状の仕切体8が設けられる。この仕切体8は、サファイア(単結晶アルミナAl2O3),YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)または単結晶イットリア(Y2O3)により形成される。
仕切体8は、後述する押圧・加熱によって放電容器2の内面に接合することもでき、また、例えばアクリル接着剤からなる接着剤によって放電容器2の内面に接着することもできる。
なお、第1の実施例に係る最短距離Lとは、図2に示すように、一対の電極31,32が設けられた側壁21の内面211において、チップ管4に最も近接する部分と、この部分に最も近接するチップ管4の部分(図2においては、紙面左側の一方の端部)との間のことをいう。第1の実施例では、放電容器2の形状が、その長手方向に対して直交する断面が方形状の直方体状であって、チップ管4の形状が円管状であるので、図2に示すように、一方の電極31が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との最短距離L間は、一直線の線分Lで引くことができ、また、他方の電極32が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との最短距離L間も、一直線の線分Lで引くことができる。第1の実施例では、一方の電極31が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との最短距離L間と、他方の電極31が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との最短距離L間とでは、略同一距離であることから、両最短距離L間(図2に示す線分L間)に仕切体8が設けられる。
【0022】
次にエキシマ放電ランプ1の製造方法の一例について、図3を用いて説明する。
図3(a)は、一対の平板体51,52と環状体53とを治具71に固定したところを示す上面図である。図3(b)は、図3(a)で示した一対の平板体51,52と環状体53とを研磨する工程を示した断面図(図3(a)のB−B断面図)である。図3(c)は、図3(b)で研磨後の一対の平板体51,52と環状体53とを押圧しながら加熱する工程を示した斜視図である。図3(d)は、図3(c)で接合された放電容器形成部材5に、チップ管形成部材6を接合する工程を示した断面図である。
なお、図3には、図1及び図2に示したものと同じものに同一の符号が付されている。
【0023】
例えばサファイアからなる3枚の平板体を用意し、その中の1つの平板体はその中央部分に貫通する長方形の穴を設けて環状体53とする。
1つの環状体53は、図3(a)に示すように、例えば紙面手前側を研磨したい面としたときに、該研磨したい面が紙面手前側に位置するように支持台(図3(a)では不図示、図3(b)における符号73)上に配置させる。支持台73には、穴用治具731が設けられているので、環状体53はその中央の穴に該穴用治具731が位置するように、支持台73上に配置される。続いて2つの平板体51,52は、研磨したい面を紙面手前側に向いた状態で環状体53の左右に配置される。2つの平板体51,52と1つの環状体53とは、その外周を治具71と接着剤72によって覆われ、支持台(図3(a)では不図示、図3(b)における符号73)に固定される。
【0024】
図3(a)で固定された2つの平板体51,52と1つの環状体53とは、図3(b)に示すように、研磨したい面(図2(b)における紙面下側の面)を研磨台74に対向される。
この研磨の工程においては、いわゆるグラィンディング(Grinding)、ラッピング(Rapping)、ポリッシング(Polishing)の3つの研磨工程を行なうため、各研磨工程で研磨台74と研磨剤77の粒径とが変更される。
まず、グラィンディングと呼ばれる研磨工程においては、研磨台74として鋼が用いられる。2つの平板体51,52と1つの環状体53とは、その研磨台74に対向する面が、研磨台74が構成する凹凸や、研磨剤供給体76によって研磨したい面と研磨台74との間に供給された例えば二酸化ケイ素(SiO2),炭化ケイ素(SiC),ダイヤモンド(C)や酸化セリウム(CeO2)のような研磨剤77によって研磨される。次に、少なくとも1つの環状体53は、研磨された面に対して反対側の面(図3(b)における紙面上側の面)が研磨される。
続いて、ラッピングと呼ばれる研磨工程においては、研磨台74として錫が用いられる。2つの平板体51,52と1つの環状体53とは、その研磨台74に対向する面が、研磨台74が構成する凹凸や、研磨剤供給体76によって研磨したい面と研磨台74との間に供給された例えば二酸化ケイ素(SiO2),炭化ケイ素(SiC),ダイヤモンド(C)や酸化セリウム(CeO2)のような研磨剤77によって、再度研磨される。このとき用いられる研磨剤77は、グラィンディングのときに用いた研磨剤77よりも粒径が小さなものが採用される。次に、少なくとも1つの環状体53は、研磨された面に対して反対側の面(図3(b)における紙面上側の面)が再度研磨される。
最後に、ポリッシングと呼ばれる研磨工程においては、研磨台74として樹脂が塗布されたアルミニウムが用いられる。2つの平板体51,52と1つの環状体53とは、その研磨台74に対向する面が、研磨剤供給体76によって研磨したい面と研磨台74の樹脂との間に供給された例えば二酸化ケイ素(SiO2),炭化ケイ素(SiC),ダイヤモンド(C)や酸化セリウム(CeO2)のような研磨剤77によって、再度研磨される。このとき用いられる研磨剤77は、ラッピングのときに用いて研磨剤77よりも粒径が小さなものが採用される。次に、少なくとも1つの環状体53は、研磨された面に対して反対側の面(図3(b)における紙面上側の面)を再度研磨される。
このように、2つの平板体51,52と1つの環状体53とは、グラィンディング、ラッピング、ポリッシングの3つの研磨工程を経ることで、順次研磨剤77の粒径が小さくなり、その研磨面の平滑度を向上させることができる。
【0025】
図3(b)で、2つの平板体51,52と1つの環状体53とを研磨したのち、互いの研磨した面が接することで、2つの平板体51,52が1つの環状体53を介して対向配置されるように積層される。図3(c)を用いて具体的に説明すると、一方の平板体51の研磨した面に、環状体53の研磨した一方の面(図3(c)における紙面上側の面)が接する。また、環状体53の研磨した他方の面(図3(c)における紙面下側の面)に、他方の平板体52の研磨した面が接する。これにより、環状体53の穴を、一対の平板体51,52によって取り囲むことになる。
この取り囲まれた穴に、のちの仕切体となる仕切板形成部材(不図示)を配置し、仕切板形成部材の研磨した面を平板体の研磨した面に当接させる。
2つの平板体51,52と1つの環状体53と仕切板形成部材(不図示)とは、積層された状態で、研磨した面が密接されるように、一対の平板体51,52の外面(図3(c)における一方の平板体51の紙面上方側の面と、図3(c)における他方の平板体52の紙面下側の面)から不図示の押圧手段78によって押圧される。
2つの平板体51,52と1つの環状体53は、積層されると共に押圧された状態で、減圧され例えば1300〜1400℃で8〜15時間加熱される。
【0026】
図3(c)で加熱後、室温まで冷却された2つの平板体51,52と1つの環状体53と仕切板形成部材(不図示)とは、互いの接した面が接合されて一体となり、この一体物が放電容器形成部材5となる。
この放電容器形成部材5には、図3(d)に示すように、その内方に環状体53に起因する放電空間23が形成され、その長手方向における他方の端壁222には、放電空間23に連通する貫通穴222bが設けられる。この放電空間23には、側壁23の内面に接合された仕切体8が配置される。
貫通穴222bには、Mo−Mn法によりメタライズが施された後、ニッケルからなるチップ管形成部材6の一端が挿通される。貫通穴222bとチップ管形成部材6の外周面との間には、銀ロウによるロウ材が充填されて、両者は接合される。
放電容器形成部材5は、チップ管形成部材6の他端から中空部の排気が行なわれた後、この中空部に放電用ガスとして、アルゴンと六フッ化硫黄が封入される。チップ管形成部材6は金属で形成されるので、その他端を圧接されることで封止部を形成することができる。これにより、放電容器形成部材5は、その中空部が気密な放電空間23となり、放電容器2となる。
【0027】
図示しないが、放電容器2の一対の対向する外面には、例えば銅をペースト状にしたものをプリント印刷により網状に塗布した後、放電容器2とともに該塗布したペースト状の銅を高温に加熱し、該ペースト状の銅を焼成することで、網状の電極31,32が設けられる。これにより、エキシマ放電ランプ1は完成される。このように、本発明に係るエキシマ放電ランプ1が形成されることで、樹脂部材を用いずに、密閉された放電空間23を形成することができる。
【0028】
なお、放電容器2の形状は、その長手方向に対して直交する断面が方形状の直方体状であってもかまわなく、また断面が円状の円管状であってもかまわない。
【0029】
第1の実施例に係るエキシマ放電ランプ1は、一対の電極31,32に図示しない電源が接続される。
次に、エキシマ放電ランプ1のランプ点灯時について説明する。
【0030】
エキシマ放電ランプ1は、高周波・高電圧が給電されると、高電圧側の電極(例えば一方の電極31)が設けられた放電容器2の内面に、電荷が蓄積され、この電荷が低電圧側の電極(例えば他方の電極32)に向かって移動する。放電用ガスがアルゴンと六フッ化硫黄であるとき、電荷を受けて放電用ガスが電離されて、アルゴンイオンとフッ素イオンが形成される。これらイオンからアルゴンーフッ素からなるエキシマ分子が形成され、193nmの波長の紫外線が生じる。
このとき、放電容器2は、フッ素イオンに曝されるが、サファイア,YAGまたは単結晶イットリアにより形成され、これらがハロゲンイオンとの反応性が低いことから、長時間用いることができる。
さらに、この放電容器2では、従来のような樹脂部材を用いることなく、気密な放電空間23を形成していることから、樹脂部材の劣化のような問題も有さないことから、放電空間23の気密性を長時間維持することができる。
【0031】
放電容器2は、紫外線透過性を有することから、放電空間23で生じた193nmの紫外線を外部に放射することができる。
【0032】
第1の実施例に係るエキシマ放電ランプ1は、封止部41を形成するために、チップ管4が金属部材又は合金部材で形成される。このため、ランプ点灯時、高電圧側の電極(例えば一方の電極31とする。以下も同じ。)にとっては、低電圧側の電極(例えば他方の電極32とする。以下も同じ。)と共に、チップ管4も低電圧状態であり、高電圧側の電極31とチップ管4との間で電界が生じることがある。このとき、高電圧側の電極31が設けられた側壁21の内面211には、電荷が蓄積されており、この電荷がチップ管4に向かって放電が生じる可能性がある。この放電は、高電圧側の電極31が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との間において、電気抵抗性が最も低い部分で生じ易いため、最も絶縁空間距離が短い最短距離L間で生じる可能性が高い。
そこで、第1の実施例に係るエキシマ放電ランプ1には、一対の電極31,32が設けられた側壁の内面とチップ管4との最短距離L間に、サファイア,YAG又は単結晶イットリアからなる仕切体8が設けられた。この仕切体8は、チップ管4と比べて電気抵抗性が高く、また電極31,32に比べても電気抵抗性が高い。このため、第1の実施例は、仕切体8によって、一対の電極31,32が設けられた内面とチップ管4との間で、電気抵抗を高くすることができ、放電が生じることを抑制できる。
【0033】
図1及び図2では、放電容器2の形状が、その長手方向に対して直交する断面が方形状の直方体状であって、チップ管4の形状が円管状であるので、一対の電極31が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との最短距離L間は、一直線の線分Lでひくことができ、この線分Lの間に仕切体8を設ければ良かった。
これに対し、放電容器2の形状が、その長手方向に対して直交する断面が円状の円管状であって、チップ管4の形状が円管状であるとき、放電容器2の外面には、断面円弧状の一対の電極31が設けられることになる。この場合を示したのが、図4となる。図4(a)は、放電容器2の長手方向に沿った断面図であり、図4(b)は、図4(a)のG−G断面図である。図4(b)では、図4(a)に示すチップ管4の位置を示しているが、仕切体8の位置は省略している。図4のエキシマ放電ランプ1において、一対の電極31,32が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との最短距離L間は、チップ管4の中心軸が放電容器4の中心軸と一致するように配置されていることから、図4(b)に示すように、複数の線分Lを引くことで構成される面に相当する。このため、図4のエキシマ放電ランプ1においては、面状の最短距離L間の全体に亘って仕切体8が配置されることで、一対の電極31,32が設けられた内面とチップ管4との間で、電気抵抗を高くすることができ、放電が生じることを抑制できる。
【0034】
第1の実施例以外で、本発明に係る実施例として、図5に示すものがある。
【0035】
図5(a)は、第2の実施例に係るエキシマ放電ランプ1の説明図であり、放電容器2の長手方向に沿った断面図である。図5(b)は、図5(a)のランプ1のC−C断面図である。
なお、図5(a)及び図5(b)には、図1及び図2に示したものと同じものに同一の符号が付されている。
【0036】
図5(a)及び図5(b)は、仕切体8を環状ではなく板状に構成した点で、図1及び図2と相違する。
図5(a)及び図5(b)に記載の第2の実施例の説明として、図1及び図2と共通する部分の説明は省略し、相違する部分について説明する。
【0037】
仕切体8を板状に構成したことで、一対の電極31,32が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との最短距離L間だけではなく、両者を直線で結ぶあらゆる間に仕切体8が位置する。これにより、一対の電極31,32が設けられた側壁21の内面211とチップ管4とが直接対向しない。
【0038】
第1の実施例においては、環状の仕切体8が有する中央の穴において、一対の電極31,32が設けられた側壁21の内面211とチップ管との間で、両者が直接対向する部分があり、ランプ点灯時に印加される電圧が高電圧になるにつれて、直接対向する部分で放電が生じることがあった。
このため、第2の実施例のように、仕切板によって、一対の電極31,32が設けられた側壁21の内面211とチップ管4とが直接対向しないことで、両者の間で、さらに電気抵抗を高くすることができ、放電が生じることを抑制できる。
【0039】
図5(c)は、第3の実施例に係るエキシマ放電ランプ1の説明図であり、放電容器2の長手方向に沿った断面図である。図5(d)は、図5(c)のランプ1のD−D断面図である。
なお、図5(c)及び図5(d)には、図1及び図2に示したものと同じものに同一の符号が付されている。
【0040】
図5(c)及び図5(d)は、仕切板8と放電容器2とで構成する流路が蛇行している点で、図1及び図2と相違する。
図5(c)及び図5(d)に記載の第3の実施例の説明として、図1及び図2と共通する部分の説明は省略し、相違する部分について説明する。
【0041】
第3の実施例では、仕切体8を板状に構成し、この板状の仕切板8が2つ設けられる。放電容器2が例えば直方体状であったとき、その側壁21は4面で構成される。一方の仕切体8(紙面左側の仕切体8)は、この側壁21のうち3面に当接するように構成される。他方の仕切体8(紙面右側の仕切体8)も、側壁21のうち3面に当接されるが、その3面のうちの1面は、図5(c)に示すように、一方の仕切体8とは異なる側面21と当接される。
このように設けられた一対の仕切体8は、一対の電極31,32が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との最短距離L間だけではなく、両者を直線で結ぶあらゆる間に仕切体8が位置する。これにより、一対の電極31,32が設けられた側壁21の内面211とチップ管4とが直接対向しない。
また、一対の仕切体8を設けたことで、放電容器2と一対の仕切体8とで構成する流路が蛇行することになる。
なお、ここでいう蛇行する流路Mとは、図5(c)に示すように、一対の電極が設けられる側壁21の内面211からチップ管4に至るまでの放電容器2内の流路のことであり、これが仕切体8によって複数回屈曲する流路のことである。
【0042】
第1の実施例での説明では、一対の電極31,32が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との放電は、側壁21の内面211に蓄積された電荷がチップ管4に向かって直接移動することで生じると述べた。
ところが、このような放電以外にも、側壁21の内面211に蓄積された電荷が、放電容器2の内面に沿って移動し、放電容器2に設けられたチップ管2に至って放電する、いわゆる沿面放電も存在する。
第3の実施例では、放電容器2と一対の仕切体8とで構成する流路を蛇行させることで、電荷が移動できる沿面も蛇行することになる。このため、第3の実施例の構成では、一対の電極31,32が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との沿面距離が長くなり、沿面放電によるチップ管4への放電を抑制できる。
【0043】
また、第3の実施例では、仕切体8によって、一対の電極31,32が設けられた側壁21の内面211とチップ管4とが直接対向しないので、第1の実施例と同様の効果だけでなく、第2の実施例と同様の効果も得ることができる。
【0044】
放電容器2と仕切体8とで構成する流路が蛇行した例として、図6を示す。
【0045】
図6(a)は、第4の実施例に係るエキシマ放電ランプ1の説明図であり、放電容器2の長手方向に沿った断面図である。図6(b)は、図6(a)のランプ1のE−E断面図である。
なお、図6(a)及び図6(b)には、図5(c)及び図5(d)に示したものと同じものに同一の符号が付されている。
【0046】
図6(a)及び図6(b)は、仕切体8の形状が異なる点で、図5(c)及び図5(d)と相違する。
図6(a)及び図6(b)に記載の第4の実施例の説明として、図5(c)及び図5(d)と共通する部分の説明は省略し、相違する部分について説明する。
【0047】
仕切体8は、2回屈曲させた断面L字状の形状を有する。一対の仕切体8は、S字状の蛇行した流路を形成するように配置される。これにより、第4の実施例においては、放電容器2と一対の仕切板8とで構成する流路が、第3の実施例のものより、長く蛇行したものとなる。
【0048】
第4の実施例では、放電容器2と仕切体8とで蛇行した流路を構成することにより、第3の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0049】
図6(c)は、第5の実施例に係るエキシマ放電ランプ1の説明図であり、放電容器2の長手方向に沿った断面図である。図6(d)は、図6(c)のランプ1のF−F断面図である。
なお、図6(c)及び図6(d)には、図5(c)及び図5(d)に示したものと同じものに同一の符号が付されている。
【0050】
図6(c)及び図6(d)は、仕切体8が4つある点で、図5(c)及び図5(d)と相違する。
図6(c)及び図6(d)に記載の第5の実施例の説明として、図5(c)及び図5(d)と共通する部分の説明は省略し、相違する部分について説明する。
【0051】
第5の実施例では、仕切体8を4つ設けることで、一対の電極31,32が設けられた側壁21とチップ管4との間の電気抵抗を高め、放電容器2と仕切体8とで構成される蛇行した流路の長さを長くすることができる。これにより、側壁21に蓄積される電荷にとって、チップ管4までの沿面距離が長くなる。
【0052】
第5の実施例では、放電容器2と仕切体8とで蛇行した流路を構成することにより、第3の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0053】
一対の電極31,32が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との間の電気抵抗を高める手段として、仕切体8に加えて、隔壁を設けた例2を図7に示す。
【0054】
図7(a)は、第6の実施例に係るエキシマ放電ランプ1の説明図であり、放電容器2の長手方向に沿った断面図である。
なお、図7(a)には、図5(a)に示したものと同じものに同一の符号が付されている。
【0055】
図7(a)は、隔壁222aが設けられた点で、図5(a)と相違する。
図7(a)に記載の第6の実施例の説明として、図5(a)と共通する部分の説明は省略し、相違する部分について説明する。
【0056】
他方の端壁222には、その中央に貫通する穴222bが設けられる。この穴222bは、紙面左側の小径の穴222cと、この小径の穴222cと連続すると共にこの小径の穴222cより大径の穴222dとで構成される。この小径の穴222cと大径の穴222dとの間で段差が構成され、この段差が隔壁222aである。この隔壁222aは、サファイア,YAG又は単結晶イットリアで構成される。
この結果、第6の実施例では、一方の電極31が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との最短距離L間に、隔壁222aが設けられることになり、また他方の電極32が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との最短距離L間にも隔壁222aが設けられることとなる。
【0057】
第6の実施例では、一対の電極31,32が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との間に、仕切体8に加えて、隔壁222aが設けられることで、両者の間の電気抵抗を高くでき、チップ管4への放電を抑制できる。
【0058】
図7(b)は、第7の実施例に係るエキシマ放電ランプ1の説明図であり、放電容器2の長手方向に沿った断面図である。
なお、図7(b)には、図5(c)に示したものと同じものに同一の符号が付されている。
【0059】
図7(b)は、隔壁222aが設けられた点で、図5(c)と相違する。
図7(b)に記載の第7の実施例の説明として、図5(c)と共通する部分の説明は省略し、相違する部分について説明する。
【0060】
第7の実施例においても、第6の実施例で説明した隔壁222aが設けられ、第6の実施例と同様の効果を得ることができる。
このような隔壁222aは、第1,4及び5の実施例でも適用することができる。
【0061】
次に、第2及び3の実施例に係るエキシマ放電ランプの効果を示す実験について説明する。
実験では、3種類のエキシマ放電ランプを準備した。この3種類のうち、1つが比較例であり、残り2つが本発明である。この比較例のエキシマ放電ランプ1として図8に示すものを用い、本発明1として図5(a),(b)に示すものを用い、本発明2として図5(c),(d)に示すものを用いた。
図8の比較例では、図5(a),(b)のものと、仕切体8を設けなかった点で、相違し、その他の部分については、同一である。
【0062】
本実験においては、比較例に対して、仕切体8を設けたとき(図5(a),(b))の放電抑制の効果と、仕切体8と放電容器2とで流路を蛇行させたとき(図5(c),(d))の沿面放電抑制の効果とを示す。
【0063】
各エキシマ放電ランプは、他方の電極(図8では不図示)が取り除かれ、一方の電極(図8では不図示)とチップ管4とに不図示の電源が接続される。
各エキシマ放電ランプの共通する構成は、放電容器2にサファイアを用い、チップ管4としてニッケルを用い電極にペースト状の銅を焼成したものを用い、放電用ガスにアルゴンガスを用いた
本発明1及び2では、仕切体8にサファイアを用い、放電容器2に押圧・加熱によって接合させた。
【0064】
各エキシマ放電ランプ1の共通する数値について述べると、放電容器2の幅(図5(a)における紙面上下方向の長さ)が45mm、放電容器の長さ(図5(a)における紙面左右方向の長さ)が65mm、放電容器2の高さ(図5(a)における紙面奥手前方向の長さ)が6mm、放電容器2の肉厚は1mm、放電用ガスの封入圧が13.3kPa、電極から端壁までの距離が10mmであった。
本発明1の仕切体8の数値について述べると、幅(図5(a)における紙面上下方向の長さ)が15mm、長さ(図5(a)における紙面左右方向の長さ)が8mm、高さ(図5(a)における紙面奥手前方向の長さ)が4mmであった。
本発明2の仕切体8の数値について述べると、紙面左側の仕切体8の幅(図5(c)における紙面上下方向の長さ)が4mm、紙面左側の仕切体8の長さ(図5(c)における紙面左右方向の長さ)が3mm、紙面左側の仕切体8の高さ(図5(c)における紙面奥手前方向の長さ)が27mmであった。また、紙面右側の仕切体8の幅(図5(c)における紙面上下方向の長さ)が4mm、紙面右側の仕切体8の長さ(図5(c)における紙面左右方向の長さ)が3mm、紙面右側の仕切体8の高さ(図5(c)における紙面奥手前方向の長さ)が27mmであった。
【0065】
実験では、電極を高電圧側の電極とし、チップ管を接地側の電極として電源に接続し、電極とチップ管との間で放電が開始されるまでの電圧(放電開始電圧)を調べた。各エキシマ放電ランプ1では、それぞれ12回、放電開始電圧を調べ、その平均値を求めた。その実験結果が図9である。
【0066】
比較例では、隔壁222aが、高圧側の電極が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との最短距離L間に位置する端壁222に設けられることで、放電抑制効果があるものの平均5.1kV(p−p)で放電を開始された。
【0067】
これに対して、本発明1では、さらに仕切体8を設けたことで、放電開始電圧が比較例よりも1kV高い、平均6.1kV(p−p)であった。
これは、高圧側の電極が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との最短距離L間に、仕切体8が設けられることとなり、最短距離L間での電気抵抗を高めることができたためと考えられる。また、仕切体8によって、電極が設けられた側壁21の内面211とチップ管4とが直接対向しなくなるので、両者の間で、さらに電気抵抗を高くすることができ、放電が生じることを抑制できたものと考えられる。
【0068】
本発明2では、放電開始電圧が9kV(p−p)以上となり、すなわち、高圧側の電極とチップ管4との間で放電が開始されなかった。
これは、一対の仕切体8と放電容器2とによって流路が形成され、これにより、電極が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との間で、電気抵抗を高くできるだけでなく、両者の沿面距離を長くすることができるので、沿面放電も抑制できたものと考えられる。このため、9kV(p−p)以上の高電圧を印加されても、放電が開始されなかったものと推測される。
【0069】
このように、第2の実施例に係るエキシマ放電ランプ1には、電極が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との間に、両者が直接対向しないように、仕切体8が設けられたことで、電気抵抗を高めることができ、放電が生じることを抑制できることが分かる。
また、第3の実施例に係るエキシマ放電ランプ1には、電極が設けられた側壁21の内面211とチップ管4との間に、両者が直接対向しないように、一対の仕切体8が設けられ、且つ、一対の仕切体8と放電容器2との間に蛇行した流路が形成されることで、電気抵抗を高めることで放電を抑制できるだけでなく、沿面放電をも抑制できることが分かる。
【符号の説明】
【0070】
1 エキシマ放電ランプ
2 放電容器
21 側壁
211 側壁の内面
221 一方の端壁
222 他方の端壁
222a 隔壁
222b 穴
222c 小径の穴
222d 大径の穴
222e 環状の凹部
23 放電空間
31 一方の電極
32 他方の電極
4 チップ管
41 封止部
5 放電容器形成部材
51 一方の平板体
52 他方の平板体
53 環状体
531 貫通穴
6 チップ管形成部材
71 治具
72 接着剤
73 支持台
731 穴用治具
74 研磨台
76 研磨剤供給体
77 研磨剤
78 押圧手段
8 仕切板
L 最短距離
M 蛇行した流路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に放電空間を有した放電容器と、
該放電容器の外面に設けられた一対の電極と、
該放電空間に封入された少なくとも希ガス及びハロゲンあるいはハロゲン化物からなる放電用ガスと、
からなるエキシマ放電ランプにおいて、
該放電容器は、該一対の電極が設けられる管状の側壁と、該側壁の一端を封止する一方の端壁と、該側壁の他端に設けられる他方の端壁とで構成され、該側壁と一対の端壁とがサファイア,YAG又は単結晶イットリアからなり、
他方の端壁には、金属からなるチップ管が設けられ、
該一対の電極が設けられた側壁の内面とチップ管との最短距離間に、サファイア,YAG又は単結晶イットリアからなる仕切体が設けられた
ことを特徴とするエキシマ放電ランプ。
【請求項2】
該仕切体と該放電容器が構成する流路が蛇行している
ことを特徴とする請求項1に記載のエキシマ放電ランプ。
【請求項3】
該一対の電極が設けられた側壁の内面とチップ管との最短距離間に位置する該端壁に、サファイア,YAG又は単結晶イットリアからなる隔壁が設けられた
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のエキシマ放電ランプ。
【請求項1】
内部に放電空間を有した放電容器と、
該放電容器の外面に設けられた一対の電極と、
該放電空間に封入された少なくとも希ガス及びハロゲンあるいはハロゲン化物からなる放電用ガスと、
からなるエキシマ放電ランプにおいて、
該放電容器は、該一対の電極が設けられる管状の側壁と、該側壁の一端を封止する一方の端壁と、該側壁の他端に設けられる他方の端壁とで構成され、該側壁と一対の端壁とがサファイア,YAG又は単結晶イットリアからなり、
他方の端壁には、金属からなるチップ管が設けられ、
該一対の電極が設けられた側壁の内面とチップ管との最短距離間に、サファイア,YAG又は単結晶イットリアからなる仕切体が設けられた
ことを特徴とするエキシマ放電ランプ。
【請求項2】
該仕切体と該放電容器が構成する流路が蛇行している
ことを特徴とする請求項1に記載のエキシマ放電ランプ。
【請求項3】
該一対の電極が設けられた側壁の内面とチップ管との最短距離間に位置する該端壁に、サファイア,YAG又は単結晶イットリアからなる隔壁が設けられた
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のエキシマ放電ランプ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−250952(P2010−250952A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−95873(P2009−95873)
【出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【出願人】(000102212)ウシオ電機株式会社 (1,414)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【出願人】(000102212)ウシオ電機株式会社 (1,414)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]