説明

エキスパンションのべローズ肉厚測定装置

【課題】プラント運転中においてもエキスパンションのべローズ山部の肉厚と初期肉厚との肉厚比を測定可能とすることである。
【解決手段】エキスパンションのべローズ山部の肉厚比t/tとエキスパンションのバネ定数比K/Kとの関係曲線を予め記憶装置14に記憶しておき、バネ定数比算出手段13は、エキスパンションのべローズ谷部に配置された歪みセンサ11で検出したエキスパンションの軸方向または周方向の歪みと初期軸方向歪みまたは初期周方向歪みを用いて、バネ定数Kと初期バネ定数Kとのバネ定数比K/Kを算出し、肉厚比演算手段15は、バネ定数比算出手段13で算出されたバネ定数比K/K及び記憶装置14に記憶した関係曲線に基づいてエキスパンションのべローズ山部の肉厚比t/tを求め出力装置16に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エキスパンションのべローズの肉厚を測定するエキスパンションのべローズ肉厚測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
火力発電所などでは、例えば大量の高温ガス(排気ガス等)をダクトを通して移送している。このダクトにはダクト自体の温度上昇による熱伸びを吸収するためにエキスパンションが取り付けられている。エキスパンションは、通常、波形もしくは角形のべローズ状(アコーディオンのようなもの)に形成された一種のバネである。エキスパンションは保温材により覆われているが、雨水の浸入などによりベローズの山部で腐食減肉が発生することがある。この腐食状態を検査するには、対象箇所であるベローズの山部はプラント運転中は高温であるので、プラントの定期点検中に保温材を剥がして外観点検する方法が取られている。その場合、エキスパンションは大きなものでは外周20mに達するものがあり、このようなエキスパンションの腐食状態を検査するには、足場の設置や保温材の剥がし等に大きなコストがかかる。
【0003】
ここで、保温材により覆われている配管の肉厚を保温材を剥がすことなく測定できるようにした配管肉厚測定装置がある(例えば、特許文献1参照)。これは、配管温度に基づいて配管材のヤング率を求め、配管の内圧及び配管表面の歪みを検出し、配管材のヤング率、配管の内圧及び配管表面の歪みに基づいて配管の肉厚を求めるものである。
【特許文献1】特開2008−107327号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のものでは、保温材により覆われている配管の肉厚を保温材を剥がすことなくプラント運転中に測定できるが、ダクトの内圧は小さいために内圧によるダクト表面の歪みはかなり小さく、減肉によるダクト表面の歪み変化を検出することは困難である。
【0005】
そこで、エキスパンションのベローズ山部の腐食検査は、プラントの定期点検中に行っているのが現状であり、もし、プラント運転中にエキスパンションからのガスリークが発生した場合は、緊急にプラントを停止して修理しなければならないことになる。
【0006】
本発明の目的は、プラント運転中においてもエキスパンションのべローズ山部の肉厚と初期肉厚との肉厚比を測定できるエキスパンションのべローズ肉厚測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明に係わるエキスパンションのべローズ肉厚測定装置は、エキスパンションのべローズ谷部に配置されエキスパンションの軸方向または周方向の歪みを検出する歪みセンサと、前記歪みセンサで検出された軸方向または周方向の歪み及び初期歪みを用いてバネ定数と初期バネ定数とのバネ定数比を算出するバネ定数比算出手段と、前記エキスパンションのべローズ山部の肉厚と初期肉厚との肉厚比と前記エキスパンションのバネ定数比との関係曲線を予め記憶した記憶装置と、前記バネ定数比算出手段で算出されたバネ定数比及び前記記憶装置に記憶した関係曲線に基づいて前記エキスパンションのべローズ山部の肉厚比を求める肉厚比演算手段と、前記肉厚比演算手段で求めた前記エキスパンションのべローズ山部の肉厚比を出力する出力装置とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明に係わるエキスパンションのべローズ肉厚測定装置は、請求項1の発明において、前記エキスパンションは、ボイラの排気ダクトに熱伸びを吸収するために取り付けられたものであることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明に係わるエキスパンションのべローズ肉厚測定装置は、請求項1または請求項2の発明において、前記歪みセンサは、前記エキスパンションのべローズの端部の谷部に配置されたことを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明に係わるエキスパンションのべローズ肉厚測定装置は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項の発明において、前記肉厚比演算手段で求めた前記エキスパンションのべローズ山部の肉厚比が管理基準値を維持しているか否かを判定し、前記肉厚比が管理基準値を下回るときは警報を出力する肉厚比判定手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、予めエキスパンションのべローズ谷部に歪みセンサを設置し、その歪みセンサで検出した軸方向歪みまたは周方向の歪みに基づいて、エキスパンションのべローズ山部の肉厚比を求めるので、プラント運転中においてもべローズ山部の腐食検査を行うことができる。従って、エキスパンションのベローズに歪みセンサの設置後においては、べローズ山部の腐食検査を行うにあたって、足場の設置や保温材を取り外して目視検査する必要がなくなり、検査コストを下げることができる。
【0012】
また、エキスパンションのべローズ山部の肉厚比が管理基準値を下回るときは必要に応じて警報を出力することができるので、エキスパンションの取替えの時期を適切に報知できる。また、歪みセンサはエキスパンションのべローズの端部の谷部に配置されるので、歪みセンサの配置を容易に行え、しかも腐食による脱落を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は本発明の実施の形態に係わるエキスパンションのべローズ肉厚測定装置の一例を示す構成図である。歪みセンサ11は、エキスパンションの軸方向または周方向の歪みを検出するものであり、歪みセンサ11で検出されたエキスパンションの軸方向歪みεや周方向の歪みεθは、演算装置12のバネ定数比算出手段13に入力される。
【0014】
バネ定数比算出手段13は、エキスパンションの軸方向歪みεまたは周方向の歪みεθと初期軸方向歪みεz0または初期周方向歪みεθ0を用いて、そのバネ定数Kと初期バネ定数Kとのバネ定数比K/Kを算出する。すなわち、バネ定数が歪みに比例する関係を利用して、エキスパンションの軸方向歪みεまたは周方向の歪みεθと初期軸方向歪みεz0または初期周方向歪みεθ0から歪み/初期歪みによって、バネ定数Kと初期バネ定数Kとのバネ定数比K/Kを算出する。詳細は後述する。
【0015】
次に、記憶装置14には、エキスパンションのべローズ山部の肉厚比t/tと、エキスパンションのバネ定数比K/Kとの関係曲線が予め記憶されている。この関係曲線については後述する。
【0016】
肉厚比演算手段15は、バネ定数比算出手段13で算出されたバネ定数比K/K及び記憶装置14に記憶された肉厚比t/tとバネ定数比K/Kとの関係曲線に基づいて、エキスパンションのべローズ山部の肉厚比t/tを求め、求めたエキスパンションのべローズ山部の肉厚比t/tを出力装置16に出力するとともに記憶装置14に記憶する。これにより、エキスパンションのべローズ山部の肉厚比t/tが分かるので、エキスパンションのべローズ山部の腐食状態を容易に把握できる。出力装置16は表示装置や印刷装置等である。
【0017】
図2はエキスパンションの説明図であり、図2(a)はボイラの排気ダクト17にエキスパンションを取り付けた状態を示す平面図、図2(b)は図2(a)のA部分の拡大図である。
【0018】
ボイラの排気ダクト17には、ボイラからの大量の高温ガス(排気ガス等)が移送されてくるので、この排気ダクト17は温度上昇により熱伸びする。その熱伸びを吸収するために排気ダクト17の間にエキスパンション18が取り付けられている。エキスパンションは、図2(a)に示すように、波形もしくは角形のべローズ19を有した一種のバネであり、図2(b)に示すように、べローズ19は、複数の山部19a及び谷部19bを有している。図2(b)では、3個の山部19aと3個の谷部19bを有している場合を示している。谷部19bについては、ベローズ19の両端部の谷部19b’は、それぞれ1/2個の谷部19bとして扱い、ベローズ19の両端部の谷部19b’で1個の谷部19bとしてカウントする。
【0019】
本発明の実施の形態では、歪みセンサ11はエキスパンション19のべローズ谷部19bまたはベローズ端部の谷部19b’に配置する。エキスパンション18は保温材により覆われて使用されるので、保温材で覆う前にエキスパンション19のべローズ谷部19bまたはベローズ端部の谷部19b’に歪みセンサ11を配置する。
【0020】
歪みセンサ11をべローズ谷部19bに配置するのは以下の理由による。本来的には、腐食減肉するべローズ山部19aに歪みセンサ11を直接取り付けることが望ましいが、そうすると、べローズ山部19aが腐食環境であることから、歪みセンサ11の設置後に歪みセンサ11自身が外れる可能性がある。そこで、歪みセンサ11のはずれを防止するために、べローズ谷部19bまたはベローズ端部の谷部19b’に歪みセンサ11を配置する。
【0021】
また、歪みセンサ11の取り付けの方向は、歪みが大きい軸方向(ガスの流れ方向)を基本とするが、歪みセンサ11の取付箇所に曲率があり歪みセンサ11の取り付けが困難な場合には周方向への取り付けも可である。
【0022】
通常、プラント運転中は高温状態であるのでエキスパンション18のべローズ19は排気ダクト17の熱膨張による伸びを吸収するために圧縮されている。そのときにべローズ谷部19bの外側には圧縮応力が作用する。その応力σのために軸方向には圧縮歪みが発生し、周方向には引張り歪みが発生する。べローズ山部19aの腐食減肉が進行すると、排気ダクト17の熱伸びによる圧縮方向変位一定のまま、べローズ19の剛性が低下(バネ定数が低下)する。するとべローズ谷部19bの外側の圧縮応力が低下し、軸方向圧縮歪みと周方向の引張り歪みとがそれぞれ低下する。この歪み変化を計測することで、べローズ19の腐食減肉の程度を把握する。
【0023】
次に、記憶装置14に予め記憶されたエキスパンションのべローズ山部の肉厚比t/tと、エキスパンションのバネ定数比K/Kとの関係曲線について説明する。
【0024】
図3はエキスパンションのベローズの動作説明図であり、図3(a)は排気ダクトに熱伸びが生じていない場合のベローズ状態図、図3(b)は排気ダクトに熱伸びが生じている場合のベローズ状態図である。図3(a)において、山部19aも谷部19bも一山としてカウントすると、図3(a)のエキスパンション18のベローズ19は6個の山を有していることになる。山と山とのピッチ(ベローズピッチの1/2)をh、ベローズ肉厚をt、ベローズ高さをWとし、ベローズの縦弾性係数をE、ベローズの有効直径をDxとする。図3(b)に示すように、エキスパンション18のベローズ19が軸方向に縮むとき、一山あたり(山と谷もそれぞれ一山とする)のバネ定数kは(1)式で与えられる。なお、図3(b)のδは一山あたりの変位量である。
【数1】

【0025】
ここで、6個の山を有したベローズ19(山と谷とがそれぞれ3個あるベローズ19)で、山側のバネ定数をk、谷側のバネ定数をkとすると、エキスパンション18のベローズ19全体のバネ定数Kは(2)式で表される。
【数2】

【0026】
いま、ベローズ山部19aの腐食減肉が均等に進行して、その部分のベローズ肉厚tが初期肉厚tのa倍{a=t/t)<1}になり、一方、ベローズ谷部19bのベローズ肉厚tは初期肉厚tのままであったとすると、(1)式より分かるようにバネ定数kはベローズ肉厚tの3乗に比例することから、山側のバネ定数をkは(3)式で示される。
【数3】

【0027】
この(3)式を(2)式に代入すると、ベローズ山部19aに腐食減肉が均等に進行している場合のエキスパンション18のベローズ19全体のバネ定数Kが得られる。これを(4)式に示す。
【数4】

【0028】
一方、エキスパンション18のベローズ19全体の初期バネ定数Kは、ベローズ山部19aの一山のバネ定数kとベローズ谷部19bの一山のバネ定数kとが等しい(k=k)ときである。(2)式にk=kを代入し、エキスパンション18のベローズ19全体の初期バネ定数Kは、(5)式で示される。
【数5】

【0029】
この(5)式を(4)式に代入すると、(6)式に示すように、エキスパンション18のベローズ19全体のバネ定数Kとその初期バネ定数Kとのバネ定数比K/Kが得られる。
【数6】

【0030】
この(6)式の変数aはベローズ山部の肉厚比(a=t/t)であるので、(6)式は、エキスパンションのべローズ山部の肉厚比t/tとエキスパンションのバネ定数比K/Kとの関係曲線を表している。
【0031】
図4は、エキスパンションのべローズ山部の肉厚比t/tとエキスパンションのバネ定数比K/Kとの関係曲線のグラフである。このグラフから分かるように、肉厚比t/tが50%でバネ定数比K/Kは約20%になる。肉厚比t/tが20%でバネ定数比K/Kは約2%に低下する。
【0032】
この場合、べローズ谷部19bの圧縮応力もそれぞれ初期応力の20%、2%になり、それに伴い軸方向歪みε及び周方向歪みεθはそれぞれ初期歪みの20%、2%となる。すなわち、軸方向歪みε/εz0及び周方向歪みεθ/εθ0はバネ定数比K/Kと等しいので、歪みセンサ11で軸方向歪みε及び周方向歪みεθを検出し、初期軸方向歪みεz0または初期周方向歪みεθ0を用いて、バネ定数比算出手段13でバネ定数比K/Kを算出することになる。
【0033】
次に、歪みセンサ11で検出する歪みの感度が腐食減肉による歪み変化を捉えるのに適しているかどうかの検証について説明する。
【0034】
エキスパンション18のベローズ19が軸方向に縮むとき、ベローズ山部19aの頂部またはベローズ谷部19bの底部で軸方向応力σが最大になる。このときの軸方向応力σは(7)式で示される。
【数7】

【0035】
ただし、σ:軸方向応力(N/mm)、E:縦弾性係数(N/mm)、t:べローズ肉厚(mm)、δ:ひと山あたり(山と谷もそれぞれひと山とカウントする)の変位量(mm)、h:べローズピッチの1/2、W:べローズ高さ(mm)である。
【0036】
この(7)式から分かるように、ベローズ谷部19bの底部での軸方向応力σは、変位量δやベローズ肉厚tを変数とする関数で示される。変位量δはべローズ山部19aの腐食減肉が進行した状態であっても一定であるので、軸方向応力σは、ベローズ肉厚tの関数で示されることになる。つまり、ベローズが減肉しベローズ肉厚tが小さくなると軸方向応力σが小さくなり、(1)式よりバネ定数kも小さくなる。
【0037】
いま、図3に示すように、一山が6つあるエキスパンション18のベローズ19を想定する。代表的なサイズとして、t=2.3mm、δ=5mm、h=37.5mm、W=120mm、E=20.5×10(N/mm)とし、(7)式に代入すると、軸方向応力σの値は、σ≒44[kgf/mm]となる。
【0038】
軸方向歪みεはε=σ/Eであるので、ε=−2100μST(−は圧縮を意味する)となり、周方向歪みεθはポアソン比ν(=0.3)を用いてεθ=νσ/Eで表させるので、εθ=630μSTとなる。つまり、初期軸方向歪みが2100μST、初期周方向歪みが630μSTとなる。例えば、残存肉厚が20%となった時、バネ定数は約2%になり、歪みも初期歪みに対して2%となる。この時の減肉による歪み変化は歪みセンサの精度1μST〜2μSTを大きく上回ることになり、十分に検知可能であることが検証できる。
【0039】
次に、図5は本発明の実施の形態に係わるエキスパンションのべローズ肉厚測定装置の他の一例を示す構成図である。この一例は、図1に示したものに対し、肉厚比演算手段15で求めたエキスパンション18のべローズ山部19aの肉厚比t/tが管理基準値を維持しているか否かを判定する肉厚比判定手段20と、肉厚比判定手段20により肉厚比t/tが管理基準値を下回ると判定されたとき警報を出力する警報装置21とを追加して設けたものである。図1と同一要素には、同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0040】
肉厚比判定手段20は、肉厚比演算手段15で求めたエキスパンションのべローズ山部19aの肉厚比t/tを入力し、その肉厚比t/tと管理基準値とを比較する。そして、べローズ山部19aの肉厚比t/tが管理基準値を下回るときは警報装置21に警報を出力するとともに記憶装置14に警報状態であることを記憶する。これにより、エキスパンションからのガスリークが発生する前に警報状態を放置できるので安全性が向上する。
【0041】
本発明の実施の形態によれば、エキスパンション18のべローズ山部19aの肉厚tと初期肉厚tとの肉厚比t/tと、エキスパンション18のバネ定数比K/Kとの関係曲線を予め記憶装置14に記憶しておき、エキスパンション18のべローズ谷部19bに歪みセンサ11を設置し、その歪みセンサ11で検出した軸方向の歪みεまたは周方向の歪みεθと初期軸方向歪みεz0または初期周方向歪みεθ0を用いて、バネ定数Kと初期バネ定数Kとのバネ定数比K/Kを算出し、記憶装置14に記憶している関係曲線からエキスパンション18のべローズ山部19aの肉厚比t/tを求めるので、歪みセンサ11の設置後においては、足場の設置や保温材を取り外して目視検査する必要がなくなり、検査コストを下げることができる。
【0042】
また、プラント運転中の検査も可能となり、エキスパンション18のべローズ山部19aの肉厚比t/tが管理基準値を下回るときは警報を出力することができるので、エキスパンション18の取替えの時期をこれまでよりも正確に知ることができる。従って、過剰な取り替えやプラントの緊急停止を減少させることが可能となる。また、歪みセンサ11はエキスパンション18のべローズ19の端部の谷部19b’に配置されるので、歪みセンサ11の配置を容易に行え、しかも腐食による脱落を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の形態に係わるエキスパンションのべローズ肉厚測定装置の一例を示す構成図。
【図2】本発明の実施の形態におけるエキスパンションの説明図。
【図3】本発明の実施の形態におけるエキスパンションのベローズの動作説明図。
【図4】本発明の実施の形態におけるエキスパンションのべローズ山部の肉厚比t/tとエキスパンションのバネ定数比K/Kとの関係曲線のグラフ。
【図5】本発明の実施の形態に係わるエキスパンションのべローズ肉厚測定装置の他の一例を示す構成図。
【符号の説明】
【0044】
11…歪みセンサ、12…演算装置、13…バネ定数比算出手段、14…記憶装置、15…肉厚比演算手段、16…出力装置、17…排気ダクト、18…エキスパンション、19…ベローズ、20…肉厚比判定手段、21…警報装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エキスパンションのべローズ谷部に配置されエキスパンションの軸方向または周方向の歪みを検出する歪みセンサと、前記歪みセンサで検出された軸方向または周方向の歪み及び初期歪みを用いてバネ定数と初期バネ定数とのバネ定数比を算出するバネ定数比算出手段と、前記エキスパンションのべローズ山部の肉厚と初期肉厚との肉厚比と前記エキスパンションのバネ定数比との関係曲線を予め記憶した記憶装置と、前記バネ定数比算出手段で算出されたバネ定数比及び前記記憶装置に記憶した関係曲線に基づいて前記エキスパンションのべローズ山部の肉厚比を求める肉厚比演算手段と、前記肉厚比演算手段で求めた前記エキスパンションのべローズ山部の肉厚比を出力する出力装置とを備えたことを特徴とするエキスパンションのべローズ肉厚測定装置。
【請求項2】
前記エキスパンションは、ボイラの排気ダクトに熱伸びを吸収するために取り付けられたものであることを特徴とする請求項1記載のエキスパンションのべローズ肉厚測定装置。
【請求項3】
前記歪みセンサは、前記エキスパンションのべローズの端部の谷部に配置されたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のエキスパンションのべローズ肉厚測定装置。
【請求項4】
前記肉厚比演算手段で求めた前記エキスパンションのべローズ山部の肉厚比が管理基準値を維持しているか否かを判定し、前記肉厚比が管理基準値を下回るときは警報を出力する肉厚比判定手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のエキスパンションのべローズ肉厚測定装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate