説明

エコ運転支援装置

【課題】運転者にエコ運転の関心を喚起させ、車社会のエコ化を推進する。
【解決手段】エコ運転支援装置201は、ディスプレイ140とスイッチ類160とECU170とを備える。スイッチ類160は、ディスプレイ140とともに、燃料価格入力部161としての役割を果たす。ECU170は、車両1での燃料消費量と、燃料価格入力部161により入力された燃料価格とに基づいて、金額情報を算出し、この金額情報をディスプレイ140に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者による車両の運転操作のエコ度合いを報知するエコ運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境に優しい車社会の構築(以下、車社会のエコ化と称する)が要求されてきている。その一環として、エコ運転支援装置の開発が行われている(例えば、特許文献1、特許文献2)。エコ運転支援装置は、運転者による車両の運転操作が省燃費運転操作であるか否かを演算し、その演算結果を運転者に報知して、運転者の運転操作をエコ度合いの高い運転操作へ導くための装置である。ここでいう「エコ」には、エコノミー(economy)やエコロジー(ecology)の意味が含まれる。エコノミーとは、燃料の消費を抑えて(省燃費)、燃料を節約することを意味する。エコロジーとは、化石燃料(ガソリン等)の消費の抑制、化石燃料の燃焼等により生じる有害物質や二酸化炭素の発生や排出を抑制する等により、環境への負荷を抑えることを意味する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−096187号公報
【特許文献2】特開2010−042746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車社会のエコ化を推進するためには、車社会のエコ化に対する運転者の関心を高めることが重要である。そのためには、運転者が行った車両の運転操作から求められたエコ度合いという評価が運転者にフィードバックされ、運転者の車両の運転操作が車社会のエコ化に適合していくようにすることが重要である。
【0005】
ここで、特許文献1には、同文献の図7(b)等を参照し、報知判断部250により演算部220の演算結果を運転者に報知すると判断された場合に、ディスプレイ140の表示内容がエコ運転支援情報の表示に変更される旨が記載されている。特許文献1には、ディスプレイ140への表示内容の例として、「アクセル開度超過量20%」(運転者のアクセル操作が省燃費運転操作でないと演算された場合の例)という情報の表示、「アクセル開度超過量0%」(運転者のアクセル操作が省燃費運転操作であると演算された場合の例)という情報の表示、演算部220の演算結果を報知するように報知判断部250が判断した際の判断理由の表示(その例として、「スイッチON」という文字表示)、等が挙げられている。
【0006】
また、特許文献2には、同文献の図5(A)〜図5(D)を参照し、インジケータパネル40のエコ表示部41に表示されるエコバー表示60の説明が述べられている。このエコバー表示60は、エコ判断部22から通知されるエコ状態信号等に基づいて、メータECU30の通知制御部31で表示画像を作成することで、エコ表示部41に図形表示されるものである。
【0007】
しかしながら、特許文献1、2に記載のいずれの技術でも、エコロジー(ecology)を主眼としたものであり、しかも、運転者には情報が要約されて示されてしまうので、運転者にエコ運転の関心を喚起しにくい。
【0008】
本発明は、上記の点を鑑みてなされたものであり、運転者にエコ運転の関心を喚起させ、車社会のエコ化を推進することができるエコ運転支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のエコ運転支援装置は、運転者による車両の運転操作のエコ度合いを報知するエコ運転支援装置であって、表示を行う表示部と、燃料価格を入力するための燃料価格入力部と、情報処理を行う情報処理部と、を備え、前記情報処理部は、前記車両での燃料消費量と前記燃料価格入力部により入力された前記燃料価格とに基づく金額情報を算出する算出処理と、前記金額情報を前記表示部に表示する表示処理と、を行う。
【発明の効果】
【0010】
本発明のエコ運転支援装置によれば、運転者は、運転した車両での燃料の消費度合いを、金額という、具体性のある情報で認識でき、したがって、運転者にエコ運転の関心を喚起させ、車社会のエコ化を推進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】エコ運転支援装置を含む車両の全体構成を示すブロック図である。
【図2】通常状態でのディスプレイの表示例である。
【図3】スイッチ類の模式図である。
【図4】燃料価格設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】燃料価格設定画面の表示例である。
【図6】燃費設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】燃費設定画面の表示例である。
【図8】エコ表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】消費画面(簡易表示版)の表示例である。
【図10】比較画面(簡易表示版)の表示例である。
【図11】消費画面(詳細表示版)の表示例である。
【図12】比較画面(詳細表示版)の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の一形態を、図1ないし図12に基づいて説明する。説明の便宜上、本実施の形態を第一の実施の形態と呼ぶ。図1は、エコ運転支援装置201を含む車両1の全体構成を示すブロック図である。以下、「エコ」には、エコノミー(economy)やエコロジー(ecology)の意味が含まれる。エコノミーとは、燃料の消費を抑えて(省燃費)、燃料を節約することを意味する。エコロジーとは、化石燃料(ガソリン等)の消費の抑制、化石燃料の燃焼等により生じる有害物質や二酸化炭素の発生や排出を抑制する等により、環境への負荷を抑えることを意味する。
【0013】
車両1は、ハイブリッドエンジン10と、変速機20と、燃料タンク30と、ハンドル40と、アクセルペダル50と、ブレーキペダル60と、バッテリ70と、ワイパ(図示せず)と、メータパネル100と、スイッチ類160と、ECU170(Engine Control Unit)とを備える。
【0014】
ECU170は、演算処理を行うCPUと、プログラム等を記憶するROMと、データ等を記憶するRAMとを含み、ハイブリッドエンジン10での燃料の点火時期等の制御やメータパネル100の表示等を総合的に制御するコンピュータである。
【0015】
ハイブリッドエンジン10は、バッテリ70から給電を受けて駆動する電気モータと、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等のエンジンとを組み合わせて構成される。燃料タンク30は、ハイブリッドエンジン10に燃料を供給する。この燃料タンク30には、燃料残量センサ32が配置される。燃料残量センサ32は、燃料タンク30内の燃料残量を検出し、検出結果をECU170に伝える。また、バッテリ70は、ハイブリッドエンジン10に備わる点火プラグ(図示せず)と、ワイパ(図示せず)と、メータパネル100と、ECU170とにも給電する。バッテリ70には、バッテリ残量センサ72が配置される。バッテリ残量センサ72はバッテリ残量を検出し、検出結果をECU170に伝える。
【0016】
ハイブリッドエンジン10には、出力センサ12が配置される。出力センサ12には、ハイブリッドエンジン10のクランクシャフト付近に配置されハイブリッドエンジン10の回転数を検出する回転数センサ、ハイブリッドエンジン10の出力軸に配置されハイブリッドエンジン10の出力トルクを検出するトルクセンサ、ハイブリッドエンジン10(ハイブリッドエンジン)の電気モータに配置され電気モータのモータ回転数を検出するモータ回転数センサ、等が含まれる。出力センサ12の検出結果は、ECU170に伝わる。
【0017】
変速機20は、ハイブリッドエンジン10の出力軸に接続されている。変速機20は、一例として、自動変速機(AT)である。変速機20は、シフトレバー(図示せず)の操作により、ハイブリッドエンジン10の出力軸の回転数を所望の回転数に変更する。変速機20の出力軸付近には、車速センサ22が配置されている。車速センサ22は、出力軸の回転に基づいて車速を検出し、検出結果をECU170に伝える。
【0018】
ハンドル40、アクセルペダル50、ブレーキペダル60及びメータパネル100は、車両1の運転席(図示せず)に配置される。ハンドル40は、車両1のフロント操舵軸(図示せず)に接続される。ハンドル40には、ハンドル角を検出するハンドル角センサ42が配置される。また、アクセルペダル50は、車両1のスロットル(図示せず)に接続される。アクセルペダル50には、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ52が配置される。また、ブレーキペダル60は、車両1のブレーキ(図示せず)に接続される。ブレーキペダル60には、ブレーキ操作量を検出するブレーキ操作量センサ62が配置される。ハンドル角センサ42、アクセル開度センサ52及びブレーキ操作量センサ62の検出結果は、いずれも、ECU170に伝わる。
【0019】
メータパネル100には、燃料メータ110と、速度メータ120と、タコメータ130と、ディスプレイ140と、スピーカ150とが含まれる。燃料メータ110は、ECU170からの指示を受けて燃料残量センサ32の検出結果を表示する。速度メータ120は、ECU170からの指示を受けて車速センサ22の検出結果を表示する。タコメータ130は、ECU170からの指示を受けて出力センサ12の検出結果を表示する。スピーカ150は、ECU170からの指示を受けて音声を発生する。
【0020】
スイッチ類160は、一例として、変速機20のシフトレバー(図示せず)付近に配置されるハードウェアスイッチである。なお、スイッチ類160として、ディスプレイ140に積層配置されるタッチパネルであってもよい。スイッチ類160は、操作者(例えば、運転者)がECU170に対して操作入力を行うための入力手段として機能する。スイッチ類160には、数値入力部251と操作入力部261とトリップ表示切替キー271が含まれる(いずれも図3参照)。
【0021】
ディスプレイ140は、ECU170からの指示を受けて、走行距離等の車両情報や、エコ運転支援情報を表示する。エコ運転支援情報には、運転者による車両1の運転操作のエコ度合いを表すエコ運転度が含まれる。ディスプレイ140には、例えば、液晶ディスプレイを採用することができる。
【0022】
本実施の形態の車両1では、表示部としてのディスプレイ140と、スイッチ類160と、ECU170とがエコ運転支援装置201を構成する。ECU170は、エコ運転支援装置201において、情報処理を行う情報処理部として機能する。ECU170には、出力センサ12、車速センサ22、燃料残量センサ32、ハンドル角センサ42、アクセル開度センサ52、ブレーキ操作量センサ62、バッテリ残量センサ72等の各種センサの検出結果と、スイッチ類160からの操作信号とが入力される。ECU170は、これらの入力に基づいて、演算や各部の制御等の情報処理を行い、燃料メータ110、速度メータ120、タコメータ130及びディスプレイ140の表示内容、並びに、スピーカ150の音声出力を総合的に制御する。
【0023】
なお、ECU170は、ハイブリッドエンジン10を制御するエンジンECUであっても、車両1を統合的に制御する統合ECUであってもよい。また、メータパネル100の表示制御は、ECU170が直接行っても、メータ表示を行うメータECUを設けてこのメータECUを介して行うようにしてもよい。また、ディスプレイ140として、ECU170に接続されたカーナビゲーション装置等の表示装置を用いてもよい。
【0024】
ECU170には、燃費計算部171と、HV制御部172と、エコ判断部173とが含まれる。燃費計算部171は、車速センサ22や燃料残量センサ32等の検出結果に基づいて、車両1の瞬間燃費や所定区間での平均燃費を算出する。算出された瞬間燃費や平均燃費は、燃費情報としてエコ判断部173に通知される。HV制御部172は、各種センサ(出力センサ12、車速センサ22、燃料残量センサ32、ハンドル角センサ42、アクセル開度センサ52、ブレーキ操作量センサ62、バッテリ残量センサ72)からの信号入力に基づいて、ハイブリッドエンジン10を構成する電気モータやエンジンの制御をはじめとする車両1の各部を制御するための制御信号を生成する。また、HV制御部172は、各種センサからの信号入力に基づいて車両パワー、車両の限界出力、バッテリの充電許可電力等を算出し、算出したこれらの情報をHV状態信号としてエコ判断部173に出力する。エコ判断部173は、HV制御部172から出力されるHV状態信号の入力と、各種センサからの信号入力と、燃費計算部171から出力される燃費情報の入力とに基づいて、車両1の運転操作のエコ度合いを表すエコ運転度を算出する。さらに、エコ判断部173は、算出したエコ運転度と、所定のエンジン始動閾値、エコ判定閾値、エコ判定閾値(いずれも後述)とに基づいて、車両1の現在の運転状態がエコ運転状態にあるのか、非エコ運転状態にあるのかを判定する。瞬間燃費や平均燃費の算出、エコ運転度の算出、並びに、運転状態の判定は、既知の技術であり(その一例は、特許文献1及び特許文献2)、説明を省略する。ECU170は、エコ判断部173によるエコ運転度や運転状態の判定結果、並びに、燃費計算部171で算出された瞬間燃費や平均燃費に基づいて、ディスプレイ140に対する表示を行う。
【0025】
図2は、通常状態でのディスプレイ140の表示例である。ディスプレイ140に表示される表示内容は、通常状態と、燃料価格設定処理(図4参照)、燃費設定処理(図6参照)、エコ表示処理(図8参照)を行っている状態とで異なる。ここでは、通常状態におけるディスプレイ140の表示内容について説明する。
【0026】
通常状態において、ディスプレイ140には、車両1の運転状態のエコ度合いを示すエコバー142と、燃費表示部144と、バッテリ残量表示部146と、車両1での所定時点からの積算走行距離を示すトリップメータ部148と、現在時刻を示す時計表示部149とが含まれる。
【0027】
燃費表示部144は、ディスプレイ140において上端に寄せて左右方向の略中央に設けられる。燃費表示部144には、燃費計算部171で出力された燃費情報が表示される。燃費表示部144に表示される燃費情報は、スイッチ類160からECUに対して行う設定に応じて瞬間燃費と平均燃費とのいずれかを選択的に表示できるようにしてもよいし、瞬間燃費と平均燃費とのどちらかのみを常時表示するようにしてもよい。
【0028】
時計表示部149は、ディスプレイ140において右上に設けられ、車両1に備わる時計回路(図示せず)に基づく現在時刻の表示が行われる。
【0029】
バッテリ残量表示部146は、バッテリ70の残量を示すものであり、ディスプレイ140において右端に寄せて上下方向の略中央に設けられる。バッテリ残量表示部146の表示態様は、バッテリ残量センサ72の検出結果に応じて変わる。
【0030】
トリップメータ部148は、ディスプレイ140において左上に設けられる。トリップメータ部148には、過去のある一時点からの車両1の積算走行距離や、総走行距離(オドメータにより定まる走行距離)が表示される。ECU170には、複数の積算走行距離の値(以下、TRIP−A値、TRIP−B値、…、と呼ぶことがある)と、総走行距離(以下、ODO値と呼ぶことがある)とが記憶されている。ECU170は、車速センサ22の検出結果に基づいて、TRIP−A値、TRIP−B値、…、やODO値を増加させる。
【0031】
本実施の形態では、ECU170は、複数の積算走行距離(TRIP−A値、TRIP−B値、…)や総走行距離(ODO値)に対応付けて、燃料消費量を記憶する。ECU170は、TRIP−A値に対応する燃料消費量、TRIP−B値に対応する燃料消費量、…、やODO値に対応する燃料消費量を、燃料残量センサ32の検出結果(ECU170が起動している間での燃料タンク30内の燃料の減少分)に基づいて増加させる。
【0032】
エコバー142は、エコ判断部173での処理結果に基づいてECU170で作成され、ディスプレイ140において左下から右上にかけて左上が凸となるような弧を描くように表示される表示画像である。エコバー142は、エコ判定閾値等に対するエコ運転度の相対量を示す。エコバー142には、可変バー142Aと、HVエコ運転領域142Bと、エコ運転領域142Cと、非エコ運転領域142Dと、回生運転領域142Eとが含まれる。可変バー142Aは、運転者の運転操作に基づくエコ運転度を示す。車両1がモータで走行しているとき、可変バー142AはHVエコ運転領域142B内に達する。運転者の運転操作による車両出力パワーが所定のエンジン始動閾値142Fを超えると、可変バー142Aはエコ運転領域142C内に達する。運転者の運転操作による車両出力パワーが更に大きくなって所定のエコ判定閾値142Gを超えると、可変バー142Aは非エコ運転領域142D内に達する。回生ブレーキ等の操作によって車両の運転状態が回生運転状態にあると、可変バー142Aは、エコ運転度が回生限界値142H以下である、回生運転領域142E内に達する。ここで、回生限界値としては、回生によって発電可能な限界値や、充電可能な限界値などが設定される。可変バー142Aが回生運転領域142E内に達したときがエコ運転度の良い状態であり、可変バー142AがHVエコ運転領域142B、エコ運転領域142C、非エコ運転領域142Dに向かうに連れてエコ運転度が悪くなる。エンジン始動閾値142Fは、車速やバッテリ残量等によって変動し、最小のときに回生限界値142Hと一致する。
【0033】
図3は、スイッチ類160の模式図である。スイッチ類160には、数値入力部251と操作入力部261とトリップ表示切替キー271とが含まれる。
【0034】
数値入力部251は、「0」及び「1」から「9」までの数字を入力するためのテンキー252と、直前に入力した数字を取り消すための取消入力キー253と、小数点の入力の機能と入力した全ての数字の消去の機能とを兼ねる特殊キー254とを有する。取消入力キー253は、エコ表示処理(図8参照)におけるディスプレイ140での簡易表示/詳細表示の切替の操作入力にも用いられる。
【0035】
操作入力部261は、上キー262と、下キー263と、決定操作キー264とを有する。上キー262は、燃料価格設定処理(図4参照)の開始宣言の機能を兼ねる。下キー263は、燃費設定処理(図6参照)の開始宣言の機能を兼ねる。決定操作キー264は、エコ表示処理(図8参照)の開始及び終了の宣言、並びに、数値入力部251による数値入力の終了を宣言するためのキーである。
【0036】
トリップ表示切替キー271は、通常状態でのディスプレイ140のうちトリップメータ部148での表示を切り替えたり、積算走行距離(TRIP−A値、TRIP−B値、…)をリセットしたりするためのキーである。ECU170は、トリップ表示切替キー271の押下を判定するたびに、トリップメータ部148での表示を、「TRIP A」という文字及びTRIP−A値、「TRIP B」という文字及びTRIP−B値、…、「ODO」という文字及びODO値の順に循環切替する。また、トリップメータ部148に積算走行距離(TRIP−A値、TRIP−B値、…)を表示している状態で、ECU170がトリップ表示切替キー271の押下を判定すると、ECU170は、そのときに表示されている積算走行距離(例えば、TRIP−A値)とこれに対応する燃料消費量とを「0」にリセットする。なお、ECU170は、積算走行距離及びこれに対応する燃料消費量をリセットすることができるが、トリップメータ部148に「ODO」という文字及びODO値を表示しているときでも、総走行距離(ODO値)とこれに対応する燃料消費量とをリセットすることはない。
【0037】
図4は、燃料価格設定処理の流れを示すフローチャートである。図5は、燃料価格設定画面K10の表示例である。ECU170は、通常状態において、操作入力部261の上キー262(図3参照)の押下を判定すると、燃料価格設定処理を開始する。ECU170は、燃料価格設定処理として、まず、ディスプレイ140に燃料価格設定画面K10を表示する(ステップS201)。
【0038】
燃料価格設定画面K10には、標題部K11と、燃料価格表示部K12と、メッセージ表示部K13とが含まれる。標題部K11には「燃料価格」という文字表示がなされる。ここでは、燃料価格の一例として、燃料の単位量あたりの価格(燃料単価、単位は円/リットル)を挙げる。メッセージ表示部K13には、「何もしないと5秒で前画面に戻ります。」という操作案内が表示される。燃料価格表示部K12には、設定途中の燃料価格が表示される。燃料価格設定処理の開始直後、燃料価格には初期値(例えば、160円/リットル)が設定されている。ここで、燃料価格の初期値として、ステップS205の処理でECU170に書込記憶された値を用いるようにしても良いし、燃料価格設定処理を開始するたびに予め定められた初期値(例えば、160円/リットル)を用いるようにしても良い。
【0039】
ECU170は、燃料価格設定処理の開始後、決定操作キー264の入力と、数値入力とのいずれかを待機しており(ステップS202のNO、ステップS203のNO、ステップS204のNO)、所定時間(例えば、5秒間)にいずれの入力もなかったと判定した場合(ステップS202のNO、ステップS203のNO、ステップS204のYES)にはディスプレイ140の表示内容を通常状態のもの(図2参照)に復帰させて(ステップS207)、一連の処理を終了する。
【0040】
所定時間内に決定操作キー264の入力を判定した場合(ステップS202のYES)、ECU170は、燃料価格を決定する(ステップS205)。ステップS205では、ECU170は、決定された燃料価格を書込記憶し保存する。ステップS205に続いて、ECU170は、ディスプレイ140の表示内容を通常状態のもの(図2参照)に復帰させて(ステップS207)、一連の処理を終了する。
【0041】
所定時間内に数値入力を判定した場合(ステップS203のYES)、ECU170は、燃料価格を変更し、燃料価格表示部K12に変更後の燃料価格を表示し直す処理を行う(ステップS206)。ECU170は、テンキー252での操作入力と、操作入力部261の上キー262や下キー263の操作入力との少なくともいずれかがなされた場合に、数値入力がなされたと判定する。ここで、取消入力キー253の操作入力があった場合、直前に入力された数字が取り消される。また、特殊キー254の操作入力があった場合、入力された全ての数字が取り消される。また、上キー262や下キー263の操作入力があった場合、燃料価格を所定単位(例えば、1円単位)で上下変動させる。ECU170は、ステップS206の終了後、処理を前述のステップS204に戻す。
【0042】
操作者が、ディスプレイ140に表示される操作案内を見ながら、スイッチ類160の数値入力部251や操作入力部261を用いて燃料価格を入力及び決定する操作を行うと、上記のようなエコ運転支援装置201での処理がなされ、ECU170に、決定された燃料価格が記憶される。ここに、ディスプレイ140とスイッチ類160とは、燃料価格を入力するための燃料価格入力部161を構成する。
【0043】
図6は、燃費設定処理の流れを示すフローチャートである。図7は、燃費設定画面K20の表示例である。ECU170は、通常状態において、操作入力部261の下キー263(図3参照)の押下を判定すると、燃費設定処理を開始する。ECU170は、燃費設定処理として、まず、ディスプレイ140に燃費設定画面K20を表示する(ステップS301)。
【0044】
燃費設定画面K20には、標題部K21と、比較燃費表示部K22と、メッセージ表示部K23と、補助メッセージ表示部K24とが含まれる。標題部K21には「比較燃費」という文字表示がなされる。比較燃費とは、仮想の比較車において走行するのに要する走行距離に対する燃料の仮想的な消費量(単位はkm/リットル)である。メッセージ表示部K23には、「何もしないと5秒で前画面に戻ります。」という操作案内が表示される。補助メッセージ表示部K24には、「OFF時は消費」という補助的な案内が表示される。比較燃費表示部K22には、設定途中の比較燃費が表示される。燃費設定処理の開始直後、比較燃費には初期値(例えば、18.0km/リットル)が設定されている。ここで、比較燃費の初期値として、ステップS305の処理でECU170に書込記憶された値を用いるようにしても良いし、燃費設定処理を開始するたびに予め定められた初期値(例えば、18.0km/リットル)を用いるようにしても良い。
【0045】
ECU170は、燃費設定処理の開始後、決定操作キー264の入力と、数値入力とのいずれかを待機しており(ステップS302のNO、ステップS303のNO、ステップS304のNO)、所定時間(例えば、5秒間)にいずれの入力もなかったと判定した場合(ステップS302のNO、ステップS303のNO、ステップS304のYES)にはディスプレイ140の表示内容を通常状態のもの(図2参照)に復帰させて(ステップS307)、一連の処理を終了する。
【0046】
所定時間内に決定操作キー264の入力を判定した場合(ステップS302のYES)、ECU170は、比較燃費を決定する(ステップS305)。ステップS305では、ECU170は、決定された比較燃費を書込記憶し保存する。ステップS305に続いて、ECU170は、ディスプレイ140の表示内容を通常状態のもの(図2参照)に復帰させて(ステップS307)、一連の処理を終了する。
【0047】
所定時間内に数値入力を判定した場合(ステップS303のYES)、ECU170は、比較燃費を変更し、比較燃費表示部K22に変更後の比較燃費を表示し直す処理を行う(ステップS306)。ECU170は、テンキー252での操作入力と、操作入力部261の上キー262や下キー263の操作入力との少なくともいずれかがなされた場合に、数値入力がなされたと判定する。ここで、取消入力キー253の操作入力があった場合、直前に入力された数字が取り消される。また、特殊キー254の操作入力があった場合、入力された全ての数字が取り消される。また、上キー262や下キー263の操作入力があった場合、比較燃費を所定単位(例えば、0.1km/リットル単位)で上下変動させる。このステップS306では、比較燃費の値が「0」となった場合に、ECU170は比較燃費表示部K22に、数値に代えて「OFF」という文字表示を行う。ECU170は、ステップS306の終了後、処理を前述のステップS304に戻す。
【0048】
操作者が、ディスプレイ140に表示される操作案内を見ながら、スイッチ類160の数値入力部251や操作入力部261を用いて比較燃費を入力及び決定する操作を行うと、上記のようなエコ運転支援装置201での処理がなされ、ECU170に、決定された比較燃費が記憶される。ここに、ディスプレイ140とスイッチ類160とは、仮想の比較車での比較燃費を入力するための比較燃費入力部162を構成する。
【0049】
図8は、エコ表示処理の流れを示すフローチャートである。ECU170は、通常状態において、スイッチ類160の決定操作キー264(図3参照)の押下を判定すると、エコ表示処理を開始する。ECU170は、エコ表示処理として、まず、決定された比較燃費の値が「0」であるか否かを判定する(ステップS401)。比較燃費の値が0(このとき、比較燃費表示部K22の表示は「OFF」になっている)である場合(ステップS401のYES)、ECU170は、ディスプレイ140に消費画面K30(図9参照)を表示する(ステップS402)。他方、比較燃費の値が0(比較燃費表示部K22の表示が「OFF」)でない場合(ステップS401のNO)、ECU170は、ディスプレイ140に比較画面K40(図10参照)を表示する(ステップS403)。
【0050】
図9は、消費画面K30(簡易表示版)の表示例である。消費画面K30には、通常状態でのディスプレイ140の表示内容(図2参照)に加え、さらに、標題部K31と消費金額表示部K32とが含まれる。
【0051】
標題部K31は、ディスプレイ140の右側で上下方向の略中央に位置する。図9に示される標題部K31での表示内容「消費A」は、トリップメータ部148での表示「TRIP A」及びTRIP−A値に対応するものである。ECU170は、トリップ表示切替キー271の押下操作に応じて、トリップメータ部148での表示内容に連動させて、標題部K31での表示内容を「消費A」、「消費B」、…、「スタートから消費」の順に循環切替する。
【0052】
消費金額表示部K32は、標題部K31の下方に位置する。ECU170は、車両1での燃料消費量と、燃料価格入力部161により入力された燃料価格とに基づく金額情報を算出する算出処理を行い、その後、算出した金額情報をディスプレイ140に表示する表示処理を行う。詳細には、ECU170は、ディスプレイ140での消費金額表示部K32に、燃料価格設定処理(図4参照)で決定されECU170に記憶された燃料価格に、燃料消費量を乗じた値(消費金額)を、金額情報として表示する。ここでいう燃料消費量には、ディスプレイ140に表示する積算走行距離の内容に応じた燃料の消費量等を採用することができる。詳細には、トリップ表示切替キー271の押下操作によって標題部K31に「消費A」と表示している場合、ECU170は、燃料価格に、TRIP−A値に対応する燃料消費量を乗じた値(消費金額)を消費金額表示部K32に表示する。また、標題部K31に「消費B」と表示している場合、ECU170は、燃料価格に、TRIP−B値に対応する燃料消費量を乗じた値(消費金額)を消費金額表示部K32に表示する。また、標題部K31に「スタートから消費」と表示している場合、ECU170は、燃料価格に、エンジン始動からの走行距離値に対応する燃料消費量を乗じた値(消費金額)を消費金額表示部K32に表示する。
【0053】
図10は、比較画面K40(簡易表示版)の表示例である。比較画面K40には、通常状態でのディスプレイ140の表示内容(図2参照)に加え、さらに、標題部K41と差分金額表示部K42と比較燃費表示部K43とが含まれる。
【0054】
標題部K41は、ディスプレイ140の右側で上下方向の略中央に位置する。図10に示される標題部K41での表示内容「お得A」は、トリップメータ部148での表示「TRIP A」及びTRIP−A値に対応するものである。ECU170は、トリップ表示切替キー271の押下操作に応じて、トリップメータ部148での表示内容に連動させて、標題部K41での表示内容を「お得A」、「お得B」、…、「スタートからお得」の順に循環切替する。
【0055】
差分金額表示部K42は、標題部K41の下方に位置する。ECU170は、車両1での燃料消費量と、燃料価格入力部161により入力された燃料価格とに基づく金額情報を算出する算出処理を行い、その後、算出した金額情報をディスプレイ140に表示する表示処理を行う。詳細には、ECU170は、ディスプレイ140での差分金額表示部K42に、差分金額を、金額情報として表示する。ここでいう差分金額は、車両1での計算用走行距離と燃費設定処理(図6参照)で決定されECU170に記憶された比較燃費との積を求め、この積と車両1での燃料消費量との差を求め、この差と燃料価格設定処理(図4参照)で決定されECU170に記憶された燃料価格とを乗じた値である。また、ここでいう燃料消費量は、ディスプレイ140に表示する積算走行距離の内容に応じた燃料の消費量等を採用することができる。この点については、図9に基づいて例示したものと同様であるため、詳細な説明を省略する。また、ここでいう計算用走行距離には、ディスプレイ140に表示する積算走行距離等を採用することができる。詳細には、トリップ表示切替キー271の押下操作によって標題部K31に「消費A」と表示している場合、ECU170は、計算用走行距離に、TRIP−A値を適用する。また、標題部K31に「消費B」と表示している場合、ECU170は、計算用走行距離に、TRIP−B値を適用する。また、標題部K31に「スタートから消費」と表示している場合、ECU170は、計算用走行距離に、ODO値を適用する。
【0056】
比較燃費表示部K43は、差分金額表示部K42の下方に位置する。ECU170は、比較燃費表示部K43に、燃費設定処理(図6参照)で決定されECU170に記憶された比較燃費の値を表示する。
【0057】
なお、別の実施の形態として、ECU170が、消費画面K30に、上記の消費金額と差分金額との両方を表示するようにしても良い。また、ECU170が、比較画面K40に、上記の消費金額と差分金額との両方を表示するようにしても良い。
【0058】
図8に戻る。ECU170は、消費画面K30の表示(ステップS402)又は比較画面K40の表示(ステップS403)のいずれかを行った後、スイッチ類160からのディスプレイ140での簡易表示/詳細表示の切替の操作入力の有無の判定をする(ステップS404)。切替の操作入力を判定した場合(ステップS404のYES)、ECU170は、消費画面K30や比較画面K40の表示について、簡易表示と詳細表示とを切り替え(ステップS405)、処理をステップS401に戻す。ステップS404での切替の操作入力とは、一例として、スイッチ類160での数値入力部251の取消入力キー253の押下である。消費画面K30の簡易表示版は、図9に基づいて前述したものである。これに対し、消費画面K30の詳細表示版は、図11に基づいて後述するものである。また、比較画面K40の簡易表示版は、図10に基づいて前述したものである。これに対し、比較画面K40の詳細表示版は、図12に基づいて後述するものである。
【0059】
ECU170は、ステップS402又はステップS403のいずれかを行った後、スイッチ類160からの終了操作の入力の有無の判定をする(ステップS406)。終了操作の入力を判定した場合(ステップS404のNO、ステップS406のYES)、ディスプレイ140の表示内容を通常状態のもの(図2参照)に復帰させ(ステップS407)、一連の処理を終了する。ステップS406での終了操作の入力とは、一例として、スイッチ類160での操作入力部261の決定操作キー264の押下である。
【0060】
ECU170は、ステップS404での切替の操作入力と、ステップS406における終了操作の入力とのいずれも判定しなかった場合(ステップS404のNO、ステップS406のNO)、処理をステップS401に戻す。
【0061】
ECU170は、処理をステップS401に復帰させた後、再び、ステップS401以降の処理を行う。処理を進める間に車両1が走行し、燃料消費量や計算用走行距離(いずれも前述)が増加する。その結果、ディスプレイ140に表示される消費画面K30での消費金額表示部K32や比較画面K40での差分金額表示部K42が変化する。運転者は、その変化を視認できる。
【0062】
図11は、消費画面K50(詳細表示版)の表示例である。詳細表示版での消費画面K50では、簡易表示版の消費画面K30(図9参照)と比較すると、燃費表示部144とトリップメータ部148と時計表示部149とが同じ位置に設けられ、エコバー142(図9参照)及びバッテリ残量表示部146(図9参照)は設けられない。また、詳細表示版での消費画面K50では、標題部K31がディスプレイ140の左下に設けられ、消費金額表示部K32がディスプレイ140の右下位置に設けられる。これにより、詳細表示版での消費画面K50では、ディスプレイ140の上下方向の略中央で、左右方向の幅一杯に、詳細表示領域K51が確保される。
【0063】
詳細表示版での消費画面K50では、金額情報が、ディスプレイ140に図形の態様で表示される。詳細に述べると、詳細表示領域K51には、尺度軸K52と、当該車アイコンK53とが表示される。尺度軸K52は、詳細表示領域K51内でその下方に位置し、詳細表示領域K51内で左右方向に延びる帯状をなす。尺度軸K52内には、単位距離当たりの燃料価格を示すための数字が表示される。
【0064】
当該車アイコンK53は、車両1での単位距離あたりの消費金額を図形表示したものである。当該車アイコンK53は、詳細表示領域K51内で尺度軸K52の上方に位置する。当該車アイコンK53は、自動車型図形K54と指示矢印K55とで構成される。自動車型図形K54は、自動車の側面視形状をなしていて、自動車形状の前方側を詳細表示領域K51の左方向に向けている。指示矢印K55は、自動車型図形K54の下方で尺度軸K52よりも上方に位置する。自動車型図形K54の右方には、自動車が左方に走行しているような印象を与える帯画像K56が、詳細表示領域K51の右縁まで延びている。
【0065】
自動車型図形K54の内部には、金額情報として、車両1での単位距離当たりの燃料価格が表示される。車両1での単位距離当たりの燃料価格は、燃料価格入力部161により入力された燃料価格と車両1での燃料消費量との積を求め、その積を車両1での計算用走行距離で除した値である。
【0066】
ECU170は、燃料価格と燃料消費量との積を算出し、この積を計算用走行距離で除して車両1での単位距離当たりの燃料価格を算出し、この車両1での単位距離当たりの燃料価格を尺度軸K52内の数値に対応させる位置で指示矢印K55をディスプレイ140に表示し、この指示矢印K55に対応させて自動車型図形K54及び帯画像K56をディスプレイ140に表示する。尺度軸K52では、ディスプレイ140の左方に向かうほど値が低くなるように数字が割り振られており、このために、車両1での単位距離当たりの燃料価格が小さくなるほど、自動車型図形K54は、ディスプレイ140の左方に位置することになる。
【0067】
運転者は、ディスプレイ140に表示された詳細表示版での消費画面K50上で、燃費表示部144に表示された値、及び、当該車アイコンK53の位置や値を視認し、車両1での燃費(瞬間燃費、平均燃費)、及び、車両1での単位距離当たりの燃料価格を素早く認識できる。車両1が走行すると燃料消費量と計算用走行距離とが変動するので、当該車アイコンK53は左右に動き、自動車型図形K54内の値も変動する。
【0068】
図12は、比較画面K60(詳細表示版)の表示例である。詳細表示版での比較画面K60では、簡易表示版の比較画面K40(図10参照)と比較すると、燃費表示部144とトリップメータ部148と時計表示部149とが同じ位置に設けられ、エコバー142(図10参照)及びバッテリ残量表示部146(図10参照)は設けられない。また、詳細表示版での比較画面K60では、標題部K41がディスプレイ140の左下に設けられ、差分金額表示部K42がディスプレイ140の右下位置に設けられ、比較燃費表示部K43(図10参照)は設けられない。これにより、詳細表示版での比較画面K60では、ディスプレイ140の上下方向の略中央で、左右方向の幅一杯に、詳細表示領域K61が確保される。
【0069】
詳細表示版での比較画面K60でも、金額情報が、ディスプレイ140に図形の態様で表示される。詳細に述べると、詳細表示領域K61には、尺度軸K62と、当該車アイコンK63と、比較車アイコンK67とが表示される。尺度軸K62は、詳細表示領域K61内でその下方に位置し、詳細表示領域K61内で左右方向に延びる帯状をなす。尺度軸K62内には、単位距離当たりの燃料価格を示すための数字が表示される。
【0070】
当該車アイコンK63は、金額情報の表示の一態様として、車両1での単位距離あたりの消費金額を図形表示したものである。当該車アイコンK63は、詳細表示領域K61内で尺度軸K62の上方に位置する。当該車アイコンK63は、自動車型図形K64と指示矢印K65とで構成される。自動車型図形K64は、自動車の側面視形状をなしていて、自動車形状の前方側を詳細表示領域K61の左方向に向けている。指示矢印K65は、自動車型図形K64の下方で尺度軸K62よりも上方に位置する。自動車型図形K64の右方には、自動車が走行しているような印象を与える帯画像K66が、詳細表示領域K61の右端まで延びている。
【0071】
自動車型図形K64の内部には、金額情報として、車両1での単位距離当たりの燃料価格の値が表示される。車両1での単位距離当たりの燃料価格は、燃料価格入力部161により入力された燃料価格と車両1での燃料消費量との積を求め、その積を車両1での計算用走行距離で除した値である。
【0072】
比較車アイコンK67は、金額情報の表示の一態様として、仮想の比較車での単位距離あたりの消費金額を図形表示したものであり、当該車アイコンK63と比較するためにディスプレイ140に表示される。比較車アイコンK67は、詳細表示領域K61内で当該車アイコンK63の上方に位置する。比較車アイコンK67は、自動車型図形K67Aと指示矢印K67Bとで構成される。自動車型図形K67Aは、自動車の側面視形状をなしていて、自動車形状の前方側を詳細表示領域K61の左方向に向けている。指示矢印K67Bは、自動車型図形K67Aの下方で当該車アイコンK63よりも上方に位置する。自動車型図形K67Aの右方には、自動車が走行しているような印象を与える帯画像K67Cが、詳細表示領域K61の右端まで延びている。
【0073】
自動車型図形K67Aの内部には、金額情報として、仮想の比較車での単位距離当たりの燃料価格の値が表示される。比較車での単位距離当たりの燃料価格は、燃料価格入力部161により入力された燃料価格と比較燃費入力部162により入力された比較燃費とを乗じた値である。
【0074】
ECU170は、車両1での単位距離当たりの燃料価格を算出し、指示矢印K65が指し示す尺度軸K62での数値が車両1での単位距離当たりの燃料価格となるように指示矢印K65をディスプレイ140内に表示し、指示矢印K65の表示位置にあわせて自動車型図形K64及び帯画像K66をディスプレイ140に表示し、車両1での単位距離当たりの燃料価格の値を自動車型図形K64内に表示する。また、ECU170は、比較車での単位距離当たりの燃料価格を算出し、指示矢印K67Bが指し示す尺度軸K62の数値が比較車での単位距離当たりの燃料価格となるように指示矢印K67Bをディスプレイ140内に表示し、指示矢印K67Bの表示位置にあわせて自動車型図形K67A及び帯画像K67Cをディスプレイ140内に表示する。尺度軸K62では、ディスプレイ140の左方に向かうほど値が低くなるように数字が割り振られており、このために、車両1での単位距離当たりの燃料価格や比較車での単位距離当たりの燃料価格が小さくなるほど、自動車型図形K64、K67Aは、ディスプレイ140の左方に位置することになる。
【0075】
運転者は、ディスプレイ140に表示された詳細表示版での比較画面K60上で、燃費表示部144に表示された値、及び、当該車アイコンK63の位置や値を視認し、車両1での燃費(瞬間燃費、平均燃費)や単位距離当たりの燃料価格を素早く認識できる。車両1が走行すると燃料消費量と計算用走行距離とが変動するので、当該車アイコンK63は左右に動き、自動車型図形K64内の値も変動する。他方、比較車での単位距離当たりの燃料価格の算出に燃料消費量も計算用走行距離も用いない。このため、車両1が走行しても比較車アイコンK67は動かず、自動車型図形K67A内の値も変動しない。このような当該車アイコンK63と並んで比較車アイコンK67とを一緒にディスプレイ140上で視認することで、運転者は、自分の運転操作を、燃費や単位距離当たりの燃料価格という観点からエコ運転に貢献しうるように近づけることができる。このように、本実施の形態の車両1では、エコ運転支援装置201によって、運転者が、運転した車両1での燃料の消費度合いを、金額という具体性のある情報で認識でき、したがって、運転者にエコ運転の関心を喚起させ、車社会のエコ化を推進することができる。
【符号の説明】
【0076】
1 車両
140 ディスプレイ(表示部)
160 スイッチ類
161 燃料価格入力部
162 比較燃費入力部
170 ECU(情報処理部)
201 エコ運転支援装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者による車両の運転操作のエコ度合いを報知するエコ運転支援装置であって、
表示を行う表示部と、
燃料価格を入力するための燃料価格入力部と、
情報処理を行う情報処理部と、
を備え、
前記情報処理部は、
前記車両での燃料消費量と前記燃料価格入力部により入力された前記燃料価格とに基づく金額情報を算出する算出処理と、
前記金額情報を前記表示部に表示する表示処理と、
を行うエコ運転支援装置。
【請求項2】
前記金額情報には、前記燃料価格入力部により入力された前記燃料価格と前記車両での燃料消費量とを乗じた消費金額が含まれる、
請求項1記載のエコ運転支援装置。
【請求項3】
仮想の比較車での比較燃費を入力するための比較燃費入力部を備え、
前記金額情報には、前記車両での計算用走行距離と前記比較燃費入力部により入力された前記比較燃費との積を求め、この積と前記車両での燃料消費量との差を求め、この差と前記燃料価格入力部により入力された前記燃料価格とを乗じた差分金額が含まれる、
請求項1又は2記載のエコ運転支援装置。
【請求項4】
前記金額情報には、前記燃料価格入力部により入力された前記燃料価格と前記車両での燃料消費量との積を求め、その積を前記車両での計算用走行距離で除した前記車両での単位距離あたりの消費金額が含まれる、
請求項1から3のいずれか一に記載のエコ運転支援装置。
【請求項5】
仮想の比較車での比較燃費を入力するための比較燃費入力部を備え、
前記金額情報には、
前記車両での単位距離あたりの消費金額と、
前記燃料価格入力部により入力された前記燃料価格と前記比較燃費入力部により入力された前記比較燃費とを乗じた前記比較車での単位距離あたりの消費金額と
が含まれる、
請求項4記載のエコ運転支援装置。
【請求項6】
前記金額情報は、前記表示部に図形の態様で表示される、
請求項4又は5記載のエコ運転支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−103574(P2013−103574A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248065(P2011−248065)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000157083)トヨタ自動車東日本株式会社 (1,164)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】