説明

エスカレータの安全装置

【課題】乗客が所持する物体がステップとスカートガード面との間隙に挟まれる事故を的確に予知し未然に防止するエスカレータの安全装置を提供する。
【解決手段】スカートガード14内部に設けられ、ステップ3の側面の特定箇所が通過するのを検知するステップ検知手段5と、エスカレータ20の両側にそれぞれ設けられ、スカートガード面2に近接する危険位置にある物体11をステップ検知手段5に連動して検出する少なくとも一対の物体検出手段6と、その物体11を所持する乗客に通報する安全乗車通報手段7と、ステップ検知手段5がステップ3の特定箇所が通過したことを検知し、かつ、物体検出手段6がスカートガード面2に近接する危険位置にある物体11を検出した場合には、安全乗車通報手段7にその乗客に対してスカートガード面2から離間した安全位置での乗車を通報させる安全装置制御部4と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エスカレータの安全装置に係り、特に、エスカレータに乗車した乗客がその所持する物体をステップとスカートガード面との間隙に挟まれる事故を未然に防止するエスカレータの安全装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エスカレータの乗客が、その所持する物体である、例えば、サンダルや長靴などをステップとスカートガード面との間隙に挟まれる事故が後を絶たない。特に、幼児や子供が、その所持するサンダルや長靴などをスカートガードに擦るようにしてエスカレータに乗車している場合に発生しやすい。そして、このエスカレータでの事故は年間200件程度発生しており社会問題化している。
【0003】
図8に、エスカレータのステップ(踏段)を上側から俯瞰して示す。エスカレータ20の乗客が乗車するステップ3には、乗客の所持する物体11が挟まれる事故に対し、乗客に注意を促すために黄色のセイフティ・ライン8が設けられている。このセイフティ・ライン8は、ステップ3とスカートガード面2との間隙に挟まれる事故に対して注意を促すスカートガード側危険位置9を示すラインと、ステップ3とステップ3との間隙に挟まれる事故に対して注意を促す隣接ステップ側危険位置10を示すラインとから構成される。このスカートガード側危険位置9は、両側のスカートガード面2に隣接するステップ3の面上に設けられる。本発明は、エスカレータ20の乗客がこのスカートガード側危険位置9に乗車してステップ3とスカートガード面2との間の5mm程度の間隙に挟まれる事故を対象とする。
【0004】
従来、エスカレータ20の乗客がスカートガード側危険位置9に乗車してステップ3とスカートガード面2との間の間隙に挟まれる事故に対して各種の対策が採られている。例えば、エスカレータ20の乗客に対しては、エスカレータ20の乗り口にて、「手摺を掴みステップの真ん中にお乗りください」等のアナウンスが繰り返し流され、乗客に対して安全な乗車を促している。
【0005】
また、図8に示すように、エスカレータ20には、エスカレータ20の両側のスカートガード面2のはらみ出しを検出するスカートガード安全スイッチ(SSS)30が設けられている。すなわち、図8に示すように、エスカレータ20の乗客がスカートガード側危険位置9に乗車し、スカートガード面2に接触すると、スカートガード面2が外側に湾曲する。スカートガード安全スイッチ30は、この湾曲したスカートガード面2を検出して動作し、エスカレータ20を急停止させる。
【0006】
一方、特許文献1には、踏み段とスカートガードパネルとの間に、人または物が挟まれた場合の救出復旧作業を容易にできるエスカレータ安全装置が開示されている。また、特許文献2には、動作信号を検出するスイッチをフレーム側に取付け、踏段とスイッチの間で電気信号の受取を行う必要がなく、踏段やレールへの絶縁が不要な乗客コンベア安全装置が開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開2005−112526号公報
【特許文献2】特開2005−82361号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
エスカレータの乗客に対して乗り口にて注意を促すアナウンスは、慢性的となっているため乗客の反応は鈍く事故の防止とはなっていないのが現状である。
【0009】
また、スカートガード安全スイッチ(SSS)は、乗客の所持する物体が挟まれたことを検知して動作するものであり、挟まれること自体を未然に防止するものではない。また、スカートガード安全スイッチが動作するとエスカレータは急停止し、事故のさらなる悪化は防止できるが、その急停止によりその乗客やエスカレータに乗車中の他の乗客が転倒する虞があり好ましい事故防止策とはいえない。
【0010】
本願の目的は、かかる課題を解決し、乗客が所持する物体がステップとスカートガード面との間隙に挟まれる事故を的確に予知し未然に防止するエスカレータの安全装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係るエスカレータの安全装置は、エスカレータのスカートガード内部に設けられ、エスカレータのステップ側面の特定箇所が通過するのを検知するステップ検知手段と、エスカレータの両側のスカートガード内部にそれぞれ設けられ、ステップ面上においてスカートガード面に近接する危険位置にある物体をステップ検知手段に連動して検出する少なくとも一対の物体検出手段と、その物体を所持するエスカレータの乗客に通報する安全乗車通報手段と、ステップ検知手段がステップの特定箇所が通過したことを検知し、かつ、物体検出手段がステップ面上においてスカートガード面に近接する危険位置にある物体を検出した場合には、安全乗車通報手段にその乗客に対してステップ面上においてスカートガード面から離間した安全位置での乗車を通報させる安全装置制御部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、エスカレータの安全装置は、安全装置制御部が、ステップ検知手段がステップ側面の特定箇所が通過したことを検知し、かつ、物体検出手段がステップ面上の危険位置にある物体を検出した場合には、エスカレータを所定の速度まで減速させることが好ましい。
【0013】
また、エスカレータの安全装置は、ステップ検知手段が、通過するステップ側面のうち乗客側のステップ先端部を検知することが好ましい。
【0014】
また、エスカレータの安全装置は、物体検出手段が、ステップ面上の危険位置にある物体が検出可能な反射型の近接センサであることが好ましい。
【0015】
また、エスカレータの安全装置は、ステップ検知手段が、ステップの特定箇所の通過が検知可能な反射型の近接センサであることが好ましい。
【0016】
また、エスカレータの安全装置は、安全乗車通報手段が、スカートガード内に設けられ、ステップ面上の危険位置にある物体を所持する乗客に向けてアナウンスにより通報するスピーカであることが好ましい。
【0017】
また、エスカレータの安全装置は、安全乗車通報手段が、ステップ面上の危険位置にある物体を所持する乗客が乗車するステップに向けてアナウンスにより通報する超指向性スピーカを含むことが好ましい。
【0018】
また、エスカレータの安全装置は、安全乗車通報手段が、ステップ面上の危険位置にある物体を所持する乗客が乗車するステップ面を点灯して通報するスポットライトを含むことが好ましい。
【0019】
さらに、エスカレータの安全装置は、安全乗車通報手段が、エスカレータの手摺の近傍に設置され、ステップ面上の危険位置にある物体を所持する乗客に対して点灯して通報するパトライトを含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
上記構成により、エスカレータの安全装置は、安全装置制御部が、ステップ検知手段によるステップの特定箇所の通過の検知と、ステップ検知手段に連動する物体検出手段によるステップ面上においてスカートガードに近接する危険位置にある物体の検出とのAND条件の成立により危険であることを判断する。これにより、乗客が所持する物体がステップとスカートガード面との間隙に挟まれる事故を的確に予知することができる。
【0021】
また、安全装置制御部は、ステップ検知手段による検知と、物体検出手段による物体の検出とのAND条件の成立により、安全乗車通報手段にその乗客に対してステップ面上においてスカートガードから離間した安全位置での乗車を通報させる。このように、その物体を所持する乗客に危険な状況を直接的に通報することで事故を未然に防止することができる。
【0022】
以上のように、本発明に係るエスカレータの安全装置によれば、乗客が所持する物体がステップとスカートガード面との間隙に挟まれる事故を的確に予知し未然に防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、図面を用いて本発明に係るエスカレータの安全装置の実施の形態につき、詳細に説明する。
【0024】
図1に、エスカレータの安全装置の1つの実施形態の概略構成をエスカレータの上面から俯瞰し、一部ブロック図とした平面図で示す。エスカレータの安全装置1は、エスカレータ20のスカートガード14の内部に設けられた安全制御ボックス13内に収納される。そして、エスカレータの安全装置1は、安全装置制御部4、ステップ検知手段であるステップ検知センサ5、物体検出手段である物体検出センサ6、及び安全乗車通報手段である通報スピーカ7から構成される。ここで、安全制御ボックス13内に設けられる安全装置制御部4はブロック図により示す。また、エスカレータ20のステップ3の面上には、一般的に黄色いセイフティ・ライン8が設けられ、乗客に対してステップ3の面上のスカートガード面2に隣接するスカートガード側危険位置9を表示している。
【0025】
また、図2に、エスカレータの安全装置の1つの実施形態の概略構成をエスカレータの断面で示す。エスカレータ20のステップ3は、スカートガード14に挟まれた空間において、ステップレール15上をステップ前輪16及びステップ後輪17により上昇又は下降する。図2では、図中の矢印が示すようにエスカレータ20は上昇している場合である。また、ステップ3の上部の面は、ステップ前輪16及びステップ後輪17を接続する三角形のステップフレーム12により支持されている。エスカレータの安全装置1は、図2中に破線で示す安全制御ボックス13内に収納され、安全装置制御部4(図示せず)、ステップ検知センサ5、物体検出センサ6、及び通報スピーカ7から構成される。
【0026】
図3に、エスカレータの安全装置1の設置位置を示す。図3(a)に、一般的なエスカレータ20の平面を示し、図3(b)には、一般的なエスカレータ20の側面を示す。図3中の矢印は、エスカレータ20の移動方向を示し、このエスカレータ20は上り専用のエスカレータ20とする。そして、乗客は乗り口25からエスカレータ20に乗車して降り口26から降車する。本実施形態では、エスカレータの安全装置1は、上昇するエスカレータ20の上部1箇所の両側であって、エスカレータ20の降り口26から約2m程度の位置に取付けられる。この位置は斜めに上昇するステップ3が水平方向に移る直前の位置である。これは、例えば、上昇時のエスカレータ20の場合、ステップ3が水平方向に移った後に事故が発生し易いことによる。但し、このエスカレータの安全装置1の設置位置はこの位置に限るものではなく、エスカレータ20の他の位置であっても良い。また、エスカレータの安全装置1は、エスカレータ20に沿って複数の位置に設置しても良い。また、エスカレータ20が、上りと下りと併用される場合には、エスカレータの安全装置1は、少なくとも上下2箇所(エスカレータの安全装置1´が追加される)に設置され得る。
【0027】
図1及び図2に示すステップ検知センサ5は、通過するステップ3の側面の特定箇所が通過するのを検知可能な反射型の近接センサである。本実施形態では、このステップ検知センサ5は乗客側のステップ先端部18が検知可能な位置に取付けられる。この反射型の近接センサは、0mm〜30mm程度の範囲内にある物体11の有無を検知する。また、このステップ検知センサ5は、図3(a)に示す一対のエスカレータの安全装置1にそれぞれ設けられるが、一方だけに設けられても良い。
【0028】
図1及び図2に示す物体検出センサ6は、ステップ3の面上のスカートガード側危険位置9にあるサンダルや靴などの物体11が検出可能な反射型の近接センサである。この物体検出センサ6は、0mm〜30mm程度の範囲内にある物体11の有無を検知する。すなわち、ステップ3の面上のスカートガード側危険位置9にあるサンダルや靴などの物体11を検出し、ステップ3面上においてスカートガード面2から離間したステップ3の面上の安全位置にあるサンダルや靴などの物体11は検出しない。なお、この物体検出センサ6は、図3(a)に示す一対のエスカレータの安全装置1にステップ3の左右の物体11を検出するために一対として設けられるが、複数の対であっても良い。
【0029】
安全装置制御部4は、ステップ検知センサ5が、ステップ先端部18が通過したことを検知し、かつ、物体検出センサ6がステップ3の面上のスカートガード側危険位置9にあるサンダルや靴などの物体11を検出した場合には、通報スピーカ7にその乗客に対してステップ3の面上においてスカートガード面2から離間した安全位置での乗車を通報させる。
【0030】
図4に、エスカレータの安全装置1の拡大した断面を示す。物体検出センサ6は、図4中のステップ3の移動方向に沿ったライン(n、n´)上の物体11を検出する。しかし、このライン(n、n´)上においては、検出すべき物体11の他、例えば、ステップ3の上面、ライザ面27、ステップフレーム12などがその0mm〜30mm程度の検出範囲内を通過する。一方、ステップ検知センサ5は、図4中のステップ3の移動方向に沿ったライン(m、m´)上の物体11を検出する。このライン(m、m´)上のステップ検知センサ5から0mm〜30mm程度の範囲内にはステップ先端部18以外のエスカレータ20に関する物体11が通過することはない。従って、ステップ検知センサ5は、順次移動するエスカレータ20のステップ3の位置を確実に把握することができる。また、ステップ検知センサ5は、エスカレータ20の移動速度が変化してもそれに追従してステップ3の動きを捉えることができる。
【0031】
従って、物体検出センサ6による物体11の検出をステップ検知センサ5によるステップ先端部18による検知に連動させることによって確実となる。すなわち、ステップ検知センサ5がステップ先端部18を検知した瞬間において、物体検出センサ6は、図4中に示すようにステップ3の移動方向にL1だけ離れている。この距離(L1)は、ステップ検知センサ5及び物体検出センサ6がスカートガード14の内部に固定されているため、エスカレータ20の速度が一定であれば変わらない。また、物体検出センサ6は、図4中に示すように、ステップ3の移動方向にL2の間隔にわたりサンダルや靴等の物体11を検出できる。この範囲を超えると、ステップ3の面又はライザ面27を検出してしまう。このステップ検知センサ5及び物体検出センサ6の位置関係から、ステップ検知センサ5によるステップ先端部18の検知と物体検出センサ6の物体11の検出を連動させ、物体検出センサ6の物体11の検出タイミングを調整することで確実な検出が可能となる。
【0032】
通報スピーカ7は、サンダルや靴などの物体11を所持するエスカレータ20の乗客に通報する。この通報スピーカ7は、エスカレータ20のスカートガード14の内部に設けられた安全制御ボックス13内に収納されるため、その所持するサンダルや靴等がステップ3の面上のスカートガード側危険位置9にある乗客に直接通報し警告することができる。また、乗客が子供や幼児である場合には、エスカレータ20に同乗している親などの同伴者に通報し警告することができる。
【0033】
図5に、エスカレータの安全装置1の一つの実施例での回路構成を示す。まず、エスカレータ20が上り運転である場合にはエスカレータUP用リレー21がONとなり、エスカレータ20が下り運転である場合にはエスカレータDOWN用リレー22がONとなる。そして、ステップ検知センサ5による検知と物体検出センサ6による検出とがAND条件でONとなると、検出リレー(A)23がピックアップする。そして、接点(A)24により通報スピーカ7が起動して乗客への通報が発報される。この通報スピーカ7はブザーであっても良い。
【0034】
図6に、エスカレータの安全装置における他の安全乗車通報手段の実施例を示す。また、図7に、エスカレータの安全装置における他の安全乗車通報手段の実施例を含む回路構成を示す。ここでは、超指向性スピーカアナウンス装置31、スポットライト32、パトライト33などの安全乗車通報手段を示す。
【0035】
エスカレータ20の天井部分に設けられた超指向性スピーカアナウンス装置31が接続され接点がONとなると、録音された「ステップの中央にお乗りください」等の注意メッセージがエスカレータの安全装置1の位置に立つ乗客28に向かい一定時間流される。従って、乗客28は自分宛の通報であると認識する。
【0036】
エスカレータ20の天井部分に設けられたスポットライト32が接続され接点がONとなると、エスカレータの安全装置1の位置の近傍に立つ乗客28に向かいスポットライト32が一定時間点灯される。従って、乗客28は通報スピーカ7が自分宛の通報であると認識する。
【0037】
エスカレータ20の手すり近傍に設けられたパトライト33が接続され接点がONとなると、エスカレータの安全装置1の位置の近傍に立つ乗客28に向かいパトライト33が点灯する。従って、乗客28は通報スピーカ7が自分宛の通報であると認識する。
【0038】
エスカレータ20がインバータ制御であり可変速の場合には、図7に示すように、エスカレータ減速指令34が接続され接点がONとなると、エスカレータ20は一定時間減速され低速度となる。このようにエスカレータ20を減速させることで、乗客28は余裕を持ってその危険な状態に対して処置できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係るエスカレータの安全装置の1つの実施形態の概略構成を示す一部ブロック図を含む平面図である。
【図2】エスカレータの安全装置の1つの実施形態の概略構成をエスカレータの断面図である。
【図3】エスカレータの安全装置の設置位置を示す平面図及び側面図である。
【図4】エスカレータの安全装置の拡大断面図である。
【図5】エスカレータの安全装置の一つの実施例での回路構成を示すブロック図である。
【図6】エスカレータの安全装置における他の安全乗車通報手段の実施例を示す説明図である。
【図7】エスカレータの安全装置における他の安全乗車通報手段の実施例を含む回路構成を示すブロック図である。
【図8】エスカレータのステップ(踏段)を上側から俯瞰して示す説明図である。
【符号の説明】
【0040】
1 エスカレータの安全装置、2 スカートガード面、3 ステップ(踏段)、4 安全装置制御部、5 ステップ検知センサ(ステップ検知手段)、6 物体検出センサ(物体検出手段)、7 通報スピーカ(安全乗車通報手段)、8 セイフティ・ライン、9 スカートガード側危険位置、10 隣接ステップ側危険位置、11 物体、12 ステップフレーム、13 安全制御ボックス、14 スカートガード、15 ステップレール、16 ステップ前輪、17 ステップ後輪、18 ステップ先端部、20 エスカレータ、21 エスカレータUP用リレー、22 エスカレータDOWN用リレー、23 検出リレー、24 検出リレー接点、25 エスカレータ乗り口、26 エスカレータ降り口、27 ライザ面、28 乗客、30 スカートガード安全スイッチ(SSS)、31 超指向性スピーカアナウンス装置、32 スポットライト、33 パトライト、34 エスカレータ減速指令。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エスカレータのスカートガード内部に設けられ、エスカレータのステップ側面の特定箇所が通過するのを検知するステップ検知手段と、
エスカレータの両側のスカートガード内部にそれぞれ設けられ、ステップ面上においてスカートガード面に近接する危険位置にある物体をステップ検知手段に連動して検出する少なくとも一対の物体検出手段と、
その物体を所持するエスカレータの乗客に通報する安全乗車通報手段と、
ステップ検知手段がステップの特定箇所が通過したことを検知し、かつ、物体検出手段がステップ面上においてスカートガード面に近接する危険位置にある物体を検出した場合には、安全乗車通報手段にその乗客に対してステップ面上においてスカートガード面から離間した安全位置での乗車を通報させる安全装置制御部と、
を備えることを特徴とするエスカレータの安全装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエスカレータの安全装置であって、安全装置制御部は、ステップ検知手段がステップ側面の特定箇所が通過したことを検知し、かつ、物体検出手段がステップ面上の危険位置にある物体を検出した場合には、エスカレータを所定の速度まで減速させることを特徴とするエスカレータの安全装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のエスカレータの安全装置であって、ステップ検知手段は、通過するステップ側面のうち乗客側のステップ先端部を検知することを特徴とするエスカレータの安全装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1に記載のエスカレータの安全装置であって、物体検出手段は、ステップ面上の危険位置にある物体が検出可能な反射型の近接センサであることを特徴とするエスカレータの安全装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1に記載のエスカレータの安全装置であって、ステップ検知手段は、ステップの特定箇所の通過が検知可能な反射型の近接センサであることを特徴とするエスカレータの安全装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1に記載のエスカレータの安全装置であって、安全乗車通報手段は、スカートガード内に設けられ、ステップ面上の危険位置にある物体を所持する乗客に向けてアナウンスにより通報するスピーカであることを特徴とするエスカレータの安全装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1に記載のエスカレータの安全装置であって、安全乗車通報手段は、ステップ面上の危険位置にある物体を所持する乗客が乗車するステップに向けてアナウンスにより通報する超指向性スピーカを含むことを特徴とするエスカレータの安全装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1に記載のエスカレータの安全装置であって、安全乗車通報手段は、ステップ面上の危険位置にある物体を所持する乗客が乗車するステップ面を点灯して通報するスポットライトを含むことを特徴とするエスカレータの安全装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1に記載のエスカレータの安全装置であって、安全乗車通報手段は、エスカレータの手摺の近傍に設置され、ステップ面上の危険位置にある物体を所持する乗客に対して点灯して通報するパトライトを含むことを特徴とするエスカレータの安全装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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