説明

エスカレータ搭載負荷量計測方法及び装置

【課題】既設のカメラで撮影した監視画像をそのまま流用することで、簡便にエスカレータの搭載負荷計測が行えるようにすること。
【解決手段】監視カメラの撮影画像を利用して、搭載した人数に相当した混雑度を計測する。人物が写っている評価対象データから静止画を切り出す。あらかじめ用意した背景画像と評価対象画像との差分処理を行う。差分処理によって抽出した画像データのピクセル数をカウントする。このピクセル数は、画像データ中で人物部分が占める面積であり、これを混雑度とする。目視により、評価画像に映っている人数をカウントし、面積と人数の相関性を確認する。オンライン時に、一定周期毎に画像を切り出し、各静止画像の混雑度を示す面積を求め、その面積を積算する。積算された面積値があらかじめ定めた一定値に達した場合、点検時期の告知あるいは警報などの形で出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばエスカレータ故障診断を補助する機能として、既設の監視カメラなどを流用して搭載負荷の計測を行う負荷量計測方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エスカレータの保守点検は通常定期的な間隔で実施するが、多くの人が乗る場合と利用者数が少ない場合で故障に対するリスクは大きく左右されることになる。その為、搭載負荷総量を故障診断の一つの要素として捉えることで、より正確な診断が可能になり、保守点検の効率的な運用が可能になる。
【0003】
搭載負荷の計測には、エスカレータ上の搭載質量計測や人数計測などが考えられるが、新たなセンサ取り付けには、エスカレータの運用を止めたり、改造のため多くの費用が発生したり現場でのチューニングが必要になることになり、多大の手間が掛かることになる。
【0004】
一方、近年は監視カメラが多く設置されその活用が望まれているが、設置目的毎にそれに適した光学条件でカメラが設置されている。例えば、人数計測のための光学系は、人と人が重ならないように真上から撮影するようにするのが一般的である。また、オプティカルフローを用いた人数計測が知られているが、オプティカルフローを求めるためには連続した動画像が必要であり、コマ送りの様な監視画像では計測ができない。
【0005】
特許文献1では、人数や混雑度を検出する画像型センサにおいて、センサの取付位置に応じて切り替えスイッチなどの位置調整手段を設けることで、光学条件の変動を吸収する工夫がなされたものが提案されている。しかし、この技術は、一人一人を区別することでスイッチを変えるなど、手間のかかるものであった。特許文献2では、計測のリアルタイム性を確保するため、群衆を単純化して、背景差分により求まった面積から、予め求めた校正曲線を用いて動的群衆密度を推定している。しかし、事前にキャリブレーションして校正曲線を求めたり、撮影角度を補正するなどの必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3268410号公報
【特許文献2】特開2006-31645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来では、カメラ設置高さを決めるなどして光学条件を規制しているため、既設カメラの撮影画像を流用して任意の撮影条件下でも適用可能とすることが望ましい。また、従来では、連続したスムーズな動画像(例えば画像撮影フレームレートが30fps:1秒間に30枚の撮影)を用いないと計測ができず、かつ動画を伝送するため伝送路の容量を確保する必要があった。しかし、通常の監視カメラであると、コスト軽減を図るため伝送路の帯域を極力下げて必要最小限の伝送レート(例えば、1〜4fps)で運用しているため、コマ送りの様な画像しか得られない場合が多いが、その場合でも計測できることが望ましい。
【0008】
本発明は、前記のような従来技術の要望に応えるべく提案されたものであって、新たなカメラを設置すること無く、既設のカメラで撮影した監視画像をそのまま流用することで、簡便にエスカレータの搭載負荷計測が行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するために、本発明のエスカレータ搭載負荷量計測方法は、
カメラからの動画像を取り込むステップと、、
入力画像から静止画像をサンプリングするステップと、
切り出した静止画像中から計測対象領域を抽出するステップと、
撮影した画像中から人を示す画像の面積を計測するステップと、
前記計測された人を示す画像の面積と、ユーザが同じ静止画像中でカウントした人数Nとから、回帰計数を求めるステップと、
一定の周期でサンプリングされた複数の画像について、それぞれ人を示す画像の面積を求め、各画像中の人を示す画像の面積を積算し、この積算面積値と前記回帰計数に基づいて、エスカレータの積載総負荷を算出するステップと、
を備えていることを特徴とする。
【0010】
また、ユーザがカウントした人数Nを使用する代わりに、複数の画像中における人を示す画像の最大面積値Amaxと、エスカレータの幅から判定した一人乗りあるいは2人乗りの種別に基づいて、前記回帰係数を決定することも本発明の一態様である。更に、前記の方法を実施するエスカレータ搭載負荷量計測装置も、本発明の一態様である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、新たなカメラを設置すること無く、既設のカメラで撮影した監視画像をそのまま流用することで、簡便にエスカレータの搭載負荷計測が行える。また、光学条件によってスイッチなどで設定を変える手間を省き、キャリブレーションや角度補正をすることなく、簡便に既設カメラの撮影画像からだけでエスカレータの搭載負荷を計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1によるエスカレータ搭載負荷量計測装置の全体の構成を示す配置図。
【図2】実施例1における画像処理サーバの一例を示すブロック図。
【図3】実施例1の初期時の処理を示すフローチャート。
【図4】実施例1の計測時の処理を示すフローチャート。
【図5】実施例1における計測対象領域の抽出処理を説明するために示すエスカレータの斜視図。
【図6】実施例1の各処理における画像の状態を示す図。
【図7】実施例1における連続計測と間引き計測の原理を説明する模式図。
【図8】実施例2の原理を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係るエスカレータ搭載負荷量計測装置の実施例を、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0014】
[実施例の構成]
実施例1のエスカレータ搭載負荷量計測装置は、図1の配置図に示す通り、エスカレータ1の近傍に配置された1台あるいは複数台の動画撮影カメラ2と、この撮影カメラ2に対して、ネットワーク3やハブ4を介して接続された画像処理サーバ5を有している。この画像処理サーバ5は、図2のブロック図に示すように、次の各部を備えている。
【0015】
(1) カメラ2からの動画像を取り込む画像入力部51
(2) 入力画像から静止画像をサンプリングする画像切出部52
(3) 切り出した静止画像中から計測対象領域を抽出する領域抽出部53
(4) 撮影した画像中から人を示す画像の面積を計測する面積計測部54
【0016】
(5) 前記面積計測部54によって計測された人を示す画像の面積と、ユーザが同じ静止画像中でカウントした人数Nとから、回帰計数を求める回帰計数演算部55
(6) 前記面積計測部54で計測した人を示す画像の面積と、回帰計数演算部55から得られた回帰計数に基づいて、エスカレータの積載総負荷を算出する積載総負荷算出部56
(7) キーボードなどの外部機器6から、本装置の初期設定時にユーザが静止画像画像中からカウントした人数Nを入力したり、その他の制御指令などを入力するための入力部57
(8) 処理結果をディスプレイや警報装置などに出力する出力部58
(9) 回帰計数、サンプリングした画像、処理結果などを保存する記憶部59
【0017】
[実施例の作用]
次に、本実施例の作用を、図3、図4に示すフローチャート及び図5に示す切り出した静止画像の一例を図5によって説明する。
【0018】
図3は、本実施例の装置を最初に立ち上げる時の処理フローであって、まず、カメラ2からの映像信号を画像処理処理サーバ5の映像入力部51に取込み(S01)、画像切出部52により静止画として画像を切出す(S02)。
【0019】
次に、計測対象領域抽出部53において、切り出した静止画中より「計測対象領域」を以下の手順で抽出する(S03)。
【0020】
(1) 図5のように、切出した画像から2本の平行線であるベルトの両サイドB-r、B-lと、それらにほぼ直交する踏段の線(Pi;P0,P1,P2,・・)を検出する。
【0021】
(2) 踏段の間隔(pi=Pi−Pi-1)を計測し、該間隔(pi;p1,p2・・・)の差が或る許容値Δpa以内であるc段分(c=1乃至は4程度)のPa−Pbの範囲(幅Pp)を抽出し、Pa、PbとベルトV-r、V-lとに囲まれた領域を、計測対象領域Kとする。
【0022】
(3) 図5では、
|p1−p2|≒|p1−p3|≦ΔPa、
|p1−p4|>ΔPa
となり、
Pa=P0、Pb=P3の3段分(c=3)の範囲Pp=p1+p2+p3を計測範囲とした場合の例である。
以上は、画像処理によって自動で領域決定を行う手順であるが、手動で設定しても良い。
【0023】
続いて、面積計測部54により、「面積計測」を行う(S04)。すなわち、この面積計測処理では、図6に示すように、次の処理を行う。なお、(1) と(2)の処理はいずれを先に行っても良い。
(1) 人物が写っている評価対象データ(動画)から任意の静止画(対象画像)を、グレースケールで切り出す。
(2) あらかじめ評価対象データについて、人のいない画像(グレースケール)を用意しておく。
(3) 背景画像と評価対象画像との差分処理を行う。
(4) 差分処理によって抽出した画像データを2値化し、その2値化データ中の白い部分を人物部分として抽出し、そのピクセル数をカウントする。このピクセル数は、画像データ中で人物部分が占める面積Aであり、これを混雑度とする。
【0024】
前記のように処理した2値化画像またはその元になっている対象画像に対し、撮影されている人数Nを目視で確認し、その人数Nを入力部57からキーボードなどの外部機器を利用して入力する(S05)。この目視により、評価画像に映っている人数Nをカウントし、その値を基準として混雑度(画像中に占める面積A)と人数Nの相関性を確認する。混雑度を示す面積Aは、エスカレータの搭載人数Nにほぼ比例するからである。
【0025】
以上を数枚から数十枚の切出し画像に対して繰り返し行い(S06)、それが終了した後、回帰計数演算部55により、計測した面積Aと、入力した人数Nから以下の様な回帰式を求め、係数a,bを算出する(S07)。算出された回帰係数a,bは、オンライン時に使用するために記憶部59に保存される。
Ni=a・Ai+b (i;計測数)
【0026】
以上において用いる画像は、任意のタイミングで切り出した画像を用いれば良い。また、計測対象領域の抽出は最初の1回だけ行えば良いが、上手く抽出できない場合は次の切出し画像に対して行えば良い。
以上で、初期のチューニングは完了する。
【0027】
図4がオンライン中の処理フローである。前記図3の立ち上げ時処理フローとほぼ同様である。すなわち、カメラで撮影した動画像の入力(S01)、静止画像の切り出し(S02)、背景画像と対象画像の差分から2値化された混雑度を示す面積Aを計算する面積計測(S04)の処理は、立ち上げ時処理フローと同一である。ただし、計測対象領域の抽出(S03)、人数計測(S05)及び回帰係数算出(S07)は、オンライン時には行わない。
【0028】
オンライン時には、カメラからの映像信号(動画)を画像処理装置に取込み、一定周期Tp毎に静止画として画像を切り出し、立ち上げ時に計測対象領域の抽出処理(S03)において予め求めた計測対象領域内について、各静止画像の混雑度を示す面積Aを求め(S04)、その面積を記憶部59に保存すると同時に積算する(S08)。
【0029】
積算された面積値ΣAがあらかじめ定めた一定値に達した場合(S09)、点検時期の告知あるいは警報などの形で出力する(S10)。この結果出力の判定は種々の方式をとることができるが、点検時期を知らせる例として、積算面積値ΣAが、予め定めた或る値Atに達する毎に出力することが考えられる。その他一定周期Tt毎に積算面積値ΣAを出力し保全計画に資することも可能である。
【0030】
本実施例におけるAtの値の決め方の一例を以下に示す。
At=α・(Nt−b)/a ・・・式1
α=v・Tp/Pp ・・・式2
【0031】
但し、式中の文字は次の値を示している。
Nt;点検を行うまでの総積載人数
a,b;初期に求めた回帰係数
α;サンプリング係数(式2により求める)
v;エスカレータの移動速度
Tp;処理周期
Pp;計測対象領域の幅
【0032】
[実施例の効果]
このようにAtの値を決めた場合、単なる積算面積値ΣAを出力するのではなく、式1中に点検を行うまでの総積載人数Ntが入っているため、エスカレータのように人間を搭載して運転される装置においては、その積載総負荷が人数を基準として表現されることになる。その結果、積算面積値ΣAのような単なる指標に比較すると、エスカレータの保守点検時期などを直感的に理解することが可能になる。
【0033】
特に、本実施例では、積載総負荷算出部56において、積算面積値ΣAと立ち上げ処理時に計算し記憶しておいた回帰係数a,bを利用して、前記式1,2により値Atを算出しているが、この場合、回帰係数a,bは差分から得られた面積値Aと目視によって得られた人数Nとを、ユーザが対応させながら算出したものである。その結果、単に機械的に面積を人数に割り振った場合に比較して、回帰係数a,bの信頼度は格段に高く、点検時期の告知などを正確なタイミングで出力することができる。
【0034】
すなわち、監視カメラのようにエスカレータの近傍に既設のカメラは、必ずしも人数の計測に適した位置に設けられているとは限らない。また、図1に示すように、エスカレータ毎にカメラの設置位置が異なり、カメラとエスカレータの角度も異なるのが通常である。そのため、単純に、差分の面積値のみを積算しても、カメラから見た場合の人の重なり具合や、画像中における一人あたりの専有面積が、各エスカレータで異なる。しかし、本実施例は、画像中の混雑度を示す面積Aとその画像に移っている人数Nとを、カメラ毎に目視によって確認し、カメラ特有の回帰係数a,bを求め、これによって点検までの総積載人数Ntを求めているので、カメラの設置位置が違っていても、柔軟に対応することができる。
【0035】
以上の通り、本実施例によれば、エスカレータ特有の両サイドのベルトや人が乗る踏段などを認識すると共に、搭載人数に相関のある面積を計測することで、自動的に、既知のデータベースを元にした計算式から負荷量を算出することが可能になり、キャリブレーションなどが不要で、色々なカメラ設置条件下でも使用可能なエスカレータ搭載負荷量計測装置を得ることができる。
【0036】
[撮影間隔]
図7は本実施例における撮影間隔(動画像から静止画を切り出す間隔)に応じて、積算面積値ΣAや搭載人数値Nを補正係数αを使用して補正する方法を示す。図7(a)はα=1の時点で計数した場合を示している。この場合は、エスカレータの動きと同期して撮影することになるので各計数エリア(計測対象領域)毎に算出した面積を積算すると、総ての搭載人を計数した場合と同等になる。
【0037】
図7(b)は、エスカレータの動きよりも遅いタイミングで静止画像を切り出した場合であって、α=1.5(=6/4)の場合である。この場合は、計数エリアによって算出されない人も出てくるが、サンプリング計数αで補正することで、おおよそ図7(a)の結果と同じになる。このように間引いたタイミングで静止画像を切り出すと、図4に示す画像処理を行う画像枚数が少なくなり、演算処理の負担が少なくて済む。
【実施例2】
【0038】
実施例2に示すように、エスカレータの踏段面に対して、カメラがほぼ垂直に取り付けられている場合は、初期時に人数の入力を省くことも可能である。その場合、回帰計数は以下の様に決め、他は前記実施例1と同様に行う。すなわち、カメラがほぼ垂直に取り付けられている場合には、搭載している人を撮影した場合に、カメラから見て前後の人の重なり合いが殆どない。そのため、切り出された静止画像と無人の基準画像との差分から得られた混雑度を示す面積値Aと、切り出された静止画像に写っている人数Nとはほぼ比例する。
【0039】
そして、計測中における面積Aの最大値Amaxが、そのエスカレータの計測対象領域(前記S03で計測対象領域抽出部53により抽出した領域)に写し出される人数Nを示す最大の面積になる。図8に示すように、この最大値Amaxに対応する人数Nは、エスカレータが1人乗りであるか、2人乗りであるかによって異なる。そこで、本実施例では、エスカレータの幅Spを基準として、1人乗りか2人乗りかを判定し、判定したサイズをサイズ判定係数βとして、人数の判定に使用する。たとえば、面積Aの最大値Amaxが等しくても、2人乗りの場合には、1段の踏段に2人が乗っていると判定して、下記の式3により回帰係数a,bを決定する。
【0040】
更に、本実施例では、エスカレータに人が乗る場合に、よほどの混雑時でない限り、1段置きに人が乗ることが一般的であるという現象を考慮して、計測対象領域の踏段数cをそのまま使用せずに、踏段数cを1/2とする。この踏段数cをそのまま使用するか、本実施例のように1/2とするかは、混雑度を考慮して適宜変更可能であり、ラッシュアワーのような混雑時と通常時とで回帰係数a,bを算定する踏段数を変更することも可能である。
【0041】
前記のような条件を考慮した本実施例の回帰係数a,bは、次の式によって決定することができる。
a=f(Bp)・c/(2・Amax)、b=0 ・・・式3
Bp < β ; f(Bp)=1 ・・・式4
Bp >=β ; f(Bp)=2
β=d・Pp/c ・・・式5
【0042】
但し、式中の文字は次の値を示している。
Amax;計測中における面積の最大値
Bp;計測対象領域のベルト間隔の中間値
Pp;計測対象領域の幅
c;計測対象領域の踏段数
d;係数 2±0.5の範囲の定数
β;サイズ判定係数
【0043】
たとえば、前記の式に数値を当てはめてみると、式5中のPp/cは踏段の長さになり、1人乗りでも2人乗りでも約400mmに固定されている。また、エスカレータの幅Spは通常1人乗りで踏段幅600mm、2人乗りで踏段幅1000mm程度になるので、Sp/(Pp/c)=d’とすると、1人乗りの場合d’=1.5、2人乗りの場合d’=2.5になる。そのためそれらの中間値d’=2程度を境にして、d’が2以上であれば2人乗り、以下であれば1人乗りと判定する。
【0044】
ここでSp=d‘・(Pp/c)とすると、d’が2以上の時のSpであれば、2人乗りと考えてよいことになり、式4,5が得られる。また、エスカレータに人が乗る場合、踏段は、通常1段おきに搭乗するので、踏段の段数cの1/2にしている。
【0045】
以上の通り、本実施例によれば、計測対象のエスカレータの踏段の長さなどの数値が予め算定されていれば、計測中における面積Aの最大値Amaxに基づいて、積算面測値ΣAから積載総負荷を人数Nに換算することが可能になる。その結果、実施例1のように、初期時に切り出された静止画像中の面積Aとそこに写っている人数Nとを目視により対応付ける作業が不要となる利点がある。
【符号の説明】
【0046】
1…エスカレータ
2…カメラ
3…ネットワーク
4…ハブ
5…画像処理サーバ
51…画像入力部
52…画像切出部
53…領域抽出部
54…面積計測部
55…回帰計数演算部
56…積載総負荷算出部
57…入力部
58…出力部
59…記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラからの動画像を取り込むステップと、、
入力画像から静止画像を一定の周期でサンプリングするステップと、
切り出した静止画像中から計測対象領域を抽出するステップと、
撮影した画像中から人を示す画像の面積を計測するステップと、
前記計測された人を示す画像の面積と、ユーザが同じ静止画像中でカウントした人数Nとから、回帰計数を求めるステップと、
一定の周期でサンプリングされた複数の画像について、それぞれ人を示す画像の面積を求め、各画像中の人を示す画像の面積を積算し、この積算面積値と前記回帰計数に基づいて、エスカレータの積載総負荷を算出するステップと、
を備えていることを特徴とするエスカレータ搭載負荷量計測方法。
【請求項2】
一定の周期でサンプリングされた複数の画像中の人を示す面積を積算するにあたり、サンプリング間隔に応じて、積算面積値を補正することを特徴とする請求項1に記載のエスカレータ搭載負荷量計測方法。
【請求項3】
カメラからの動画像を取り込む画像入力部と、
入力画像から静止画像を一定の周期でサンプリングする画像切出部と、
切り出した静止画像中から計測対象領域を抽出する領域抽出部と、
撮影した画像中から人を示す画像の面積を計測する面積計測部と、
前記面積計測部によって計測された人を示す画像の面積と、ユーザが同じ静止画像中でカウントした人数Nとから、回帰計数を求める回帰計数演算部と、
一定の周期でサンプリングされた複数の画像について、前記面積計測部で計測した人を示す画像の面積を積算し、この積算面積値と回帰計数演算部から得られた回帰計数に基づいて、エスカレータの積載総負荷を算出する積載総負荷算出部と、
を備えていることを特徴とするエスカレータ搭載負荷量計測装置。
【請求項4】
カメラからの動画像を取り込むステップと、、
入力画像から複数の静止画像を一定の周期でサンプリングするステップと、
切り出した各静止画像中から計測対象領域を抽出するステップと、
撮影した各画像中から人を示す画像の面積を計測するステップと、
前記複数の画像中の人を示す画像の最大面積値と、エスカレータの幅から求められた一人乗りあるいは2人乗りの種別に基づいて、回帰計数を求めるステップと、
一定の周期でサンプリングされた複数の画像について、それぞれ人を示す画像の面積を求め、各画像中の人を示す画像の面積を積算し、この積算面積値と前記回帰計数に基づいて、エスカレータの積載総負荷を算出するステップと、
を備えていることを特徴とするエスカレータ搭載負荷量計測方法。
【請求項5】
エスカレータに人が一段置きに搭乗する状況に基づいて、前記回帰係数を補正することを特徴とする請求項4に記載のエスカレータ搭載負荷量計測方法。
【請求項6】
一定の周期でサンプリングされた複数の画像中の人を示す面積を積算するにあたり、サンプリング間隔に応じて、積算面積値を補正することを特徴とする請求項4または請求項5に記載のエスカレータ搭載負荷量計測方法。
【請求項7】
カメラからの動画像を取り込む画像入力部と、
入力画像から複数の静止画像を一定の周期でサンプリングする画像切出部と、
切り出した静止画像中から計測対象領域を抽出する領域抽出部と、
撮影した画像中から人を示す画像の面積を計測する面積計測部と、
前記複数の画像中の人を示す画像の最大面積値と、エスカレータの幅から求められた一人乗りあるいは2人乗りの種別に基づいて、回帰計数を求める回帰計数演算部と、
一定の周期でサンプリングされた複数の画像について、前記面積計測部で計測した人を示す画像の面積を積算し、この積算面積値と回帰計数演算部から得られた回帰計数に基づいて、エスカレータの積載総負荷を算出する積載総負荷算出部と、
を備えていることを特徴とするエスカレータ搭載負荷量計測装置。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図1】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−25495(P2012−25495A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−163158(P2010−163158)
【出願日】平成22年7月20日(2010.7.20)
【出願人】(391017540)東芝ITコントロールシステム株式会社 (107)
【Fターム(参考)】