説明

エステルの製造方法並びにバインダー系

本発明は、粉末射出成形用のバインダー系で使用するためのヒドロキシ安息香酸及び脂肪アルコールからのエステルを、ヒドロキシ安息香酸及び低級アルコールからのエステルと脂肪アルコールとのエステル交換によって製造するための方法であって、前記の脂肪アルコールと前記のヒドロキシ安息香酸及び低級アルコールからのエステルとが反応混合物を形成し、それらは本質的に等モルで使用され、その際、前記のエステル交換は、前記のヒドロキシ安息香酸及び低級アルコールからのエステルと前記の脂肪アルコールとが均質な溶融物として存在する温度で実施される前記製造方法に関する。本発明は、更に、粉末射出成形法用のバインダー系であって、80〜98質量%の金属粉末及び/又はセラミック粉末と、1〜19質量%のポリマーのバインダー成分とを含有するバインダー系において、ヒドロキシ安息香酸及び脂肪酸から本発明による方法に従って製造される少なくとも1種のエステル1〜19質量%が更に含まれている前記バインダー系に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒドロ安息香酸及び脂肪アルコールから粉末射出成形用のバインダー系で使用するためのエステルを製造するための方法並びに請求項11の前提部分による射出成形法用のバインダー系に関する。
【0002】
粉末射出成形で使用されるバインダー系は、一般に、ポリマーのバインダー成分と、他のバインダー成分(いわゆるコバインダーであって、それは前記のポリマーのバインダー成分と相容性である)と、場合により金属粉末粒子又はセラミック粉末粒子を溶融されたバインダー中で分散状態を保持するために分散剤とを含有する。他のバインダー成分とポリマーのバインダー成分とが相容性であるとは、それらのバインダー成分が溶融物中で一様な液相を形成し、また固体状態においても主として1つの一様なバインダー相(固溶体)が存在することを意味し、その際、前記の他のバインダー成分は、付加的に、共通の固相からその融点未満で、例えば抽出によって除去できなければならず、その際、前記ポリマーのバインダー成分は、あまり大規模に膨潤してはならず、また亀裂を形成してはならない。
【0003】
ポリマーのバインダー成分としては、しばしばポリアミドが使用される。ポリアミドのための好適なコバインダーとしては、例えばEP−B0809556号又はUS5,002,988号からN,N′−ジアセチルピペラジンが知られ、又はDE−C4129952号からアルキルフェノールが知られている。アルキルフェノールが使用される場合に、それは、一般にC1〜C20−アルキルを有するアルキルフェノールである。
【0004】
ポリマーのバインダー成分としてポリアミドを有するバインダー系用の他の好適なコバインダーとしては、例えばとりわけp−ヒドロキシ安息香酸と種々の脂肪アルコールとのエステルを含有する種々の化合物の混合物も使用される。かかる混合物は、例えばCognis社から商品名Loxiol 2472(登録商標)として市販されている。しかしながら、この混合物においては、例えばフェノールなどの不純物も含まれている。フェノールは、生理学的に毒性であると評価されており、25℃の温度で既に41hPaの蒸気圧を有する。それは、一方で作業中にフェノールの放出が引き起こされ、さらにユーザーの健康を害することがある。種々の化合物の混合物の更なる欠点は、また、結合物の内部での不均一な組成が生じうることである。これは、とりわけ、樽に装填された溶融物が非常にゆっくりと外から中へと固化することにより引き起こされ、個々の成分の分別結晶化が生ずる。この分別結晶化は、生成物の組成が結合物の取り出し位置に依存するという結果をもたらす。取り出し位置に依存して変動する組成のもとでは、粉末射出成形プロセス連鎖の再現性は、供給原料後処理、射出成形及びコバインダーの溶剤抽出といった段階において被害を受ける。他の欠点は、射出成形された部材中のコバインダーの成分が取り除かれることである。この除去物が抽出に際して溶出するか否かとは無関係に、焼結後には除去物の位置に細孔が現れる。
【0005】
特に、とりわけp−ヒドロキシ安息香酸と種々の脂肪アルコールとのエステルを含有する種々の化合物の混合物を使用する場合には、射出成形された部品は射出成形工具に貼り付く傾向にあることも判明している。
【0006】
この欠点は、特に、脂肪アルコールを天然産物から取得し、一般に既に混合物として生ずることに起因する。更に、ヒドロキシ安息香酸と脂肪アルコールとからエステルを製造するための公知の合成方法ではフェノールが副産物として生ずる。
【0007】
発明の概要
ヒドロキシ安息香酸と脂肪アルコールとから粉末射出成形用のバインダー系で使用するためのエステルをヒドロキシ安息香酸と低級アルコールとからのエステルのエステル交換によって製造するための本発明による方法において、脂肪アルコールと、ヒドロキシ安息香酸及び低級アルコールからのエステルとが、反応混合物を形成し、その際、前記の脂肪アルコールと前記のヒドロキシ安息香酸及び低級アルコールからのエステルは、本質的に等モルで使用される。前記のエステル交換は、前記のヒドロキシ安息香酸及び低級アルコールからのエステルと前記脂肪アルコールとが均質な溶融物として存在する温度で実施される。
【0008】
本発明の意味における"本質的に等モル"とは、前記のヒドロキシ安息香酸及び低級アルコールからのエステルと前記の脂肪アルコールとが、最大で40:60のモル比で、好ましくは最大で45:55のモル比で、特に最大で48:52のモル比で存在することを意味し、その際、両方の成分のいずれも過剰に存在してよいが、好ましくは脂肪アルコールが過剰に存在してよい。
【0009】
ヒドロキシ安息香酸と脂肪アルコールとの反応とは異なり、ヒドロキシ安息香酸及び低級アルコールからのエステルと脂肪アルコールとのエステル交換は、より低温で実施することができる。より低温の反応温度に基づき、ヒドロキシ安息香酸をフェノールへと脱カルボキシル化することが回避される。このようにして、フェノールの形成は大きく低減されるか又はそれどころか回避できる。ヒドロキシ安息香酸と脂肪アルコールとの反応温度よりも低温の温度での反応の実施は、前記のヒドロキシ安息香酸及び低級アルコールからのエステルと前記の脂肪アルコールとが、既により低温で共通の液相を形成することに起因する。例えばp−ヒドロキシ安息香酸エチルエステルが、等モル量の1−ドコサノールと共に均質な液相を形成する温度は、一般に既に100℃である。それに対して、ヒドロキシ安息香酸は、脂肪アルコールと、195℃より高い温度で初めて均質な液相を形成する。しかしながら、この温度では、既にp−ヒドロキシ安息香酸の脱カルボキシル化が始まる。
【0010】
本発明の意味における脂肪アルコールとは、少なくとも16個の炭素原子を有する1−アルカノールを意味する。典型的に使用される脂肪アルコールは、例えば1−ドコサノール(C2245OH)、1−アルコサノール(C2041OH)又は1−オクタデカノール(C1837OH)並びにそれらの混合物である。脂肪アルコールは、蜜ろうなどの天然産物から主として取得される。通常は、これらは、混合物として生ずる。
【0011】
一般に、工業用生成物、例えばエステルの合成のためには、天然産物から生ずる脂肪アルコールの混合物が使用され、その際、その組成は不定である。前記の脂肪アルコール混合物の化学反応では、純粋な生成物は得られず、生成物混合物が得られる。しかしながら、かかる生成物混合物の溶融物は、冷却に際して分別的に固化しうるので、その固体生成物の組成は、結合物において局所的に異なっている。そのことは、不定の組成と不定の特性の供給原料をもたらし、これは粉末射出成形のプロセスに際して妨げとなる。かかる不均一性を回避するために、従って、エステルの製造のために使用される脂肪アルコールは、定義された脂肪アルコール成分の少なくとも90質量%を含有することが好ましい。種々の純度等級を有する定義された脂肪アルコールは、市販されている。
【0012】
名称"ヒドロキシ安息香酸"とは、本発明によれば、o−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸又はo−ヒドロキシ安息香酸とp−ヒドロキシ安息香酸とからの任意の混合物を表す。相応して、ヒドロキシ安息香酸及び低級アルコールからのエステルもしくはヒドロキシ安息香酸及び脂肪アルコールから製造されるエステルは、p−ヒドロキシ安息香酸のエステル、o−ヒドロキシ安息香酸のエステル又はそれらの混合物である。
【0013】
低級アルコールとは、本発明によれば、C1〜C4−アルカノールを表す。好ましくは、低級アルコールは、メタノール、エタノール、1−プロパノール及び1−ブタノールを意味する。特に、メタノール及びエタノールが低級アルコールとして好ましい。ヒドロキシ安息香酸及び低級アルコールからのエステルは、従って、特に、p−ヒドロキシ安息香酸メチルエステル、o−ヒドロキシ安息香酸メチルエステル、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル及びo−ヒドロキシ安息香酸エチルエステルである。また、相応のエステルの混合物を使用してもよい。
【0014】
ヒドロキシ安息香酸及び脂肪アルコールからのエステルの製造でのエステル交換度を高めるために、エステル交換で分離される低級アルコールを蒸留により反応平衡から除去することが好ましい。反応に際して必要な温度に基づき、低級アルコールは、一般にその開放と共に蒸発し、こうして既に反応混合物から蒸気として取り出すことができる。そのことは、更に、低級アルコールは、生成物中に、すなわちヒドロキシ安息香酸及び脂肪アルコールからのエステル中に不純物として含まれていないという利点を有する。
【0015】
好ましい一実施態様においては、前記エステル交換は、触媒の存在下で実施される。触媒としては、特にスズを含む有機金属化合物が適している。触媒の使用によって、遊離のp−ヒドロキシ安息香酸もしくはo−ヒドロキシ安息香酸が中間生成物として生ずることが回避される。これによって、ヒドロキシ安息香酸の脱カルボキシル化によるフェノールの不所望な形成を排除することができる。
【0016】
殊に好ましくは、触媒として使用されるスズを含む有機金属化合物は、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズジラウレート又はブチルスズオキシドヒドロキシド(ブチルスタノン酸(Butylstannonsaeure))である。使用される触媒の量は、反応混合物の質量に対して、好ましくは0.1〜1質量%の範囲である。特に好ましくは、使用される触媒の量は、反応混合物の質量に対して、0.2〜0.5質量%である。
【0017】
出発物質、すなわちヒドロキシ安息香酸及び低級アルコールからのエステルと脂肪アルコール又は生成物、すなわちヒドロキシ安息香酸及び脂肪アルコールからのエステルが酸化されるのを回避するためと、更に低級アルコールを反応混合物から除去するために、それによって、使用されるエステルをヒドロキシ安息香酸及び低級アルコールからほぼ完全にヒドロキシ安息香酸及び脂肪アルコールからのエステルへとエステル交換させることが可能であり、好ましい一実施態様においては、保護ガス流が反応溶融物中に導通され、前記ガス流が形成された低級アルコールを溶融物から排除する。好ましくは、保護ガス流は、低級アルコールと一緒に凝縮器中に導かれる。
【0018】
反応ガス混合物中に導通される保護ガスとしては、例えば窒素、アルゴン及び/又は二酸化炭素が適している。そのうち二酸化炭素が特に好ましいが、それというのも前記ガスはヒドロキシ安息香酸の脱カルボキシル化に抵抗するからである。
【0019】
触媒が使用される場合には、触媒の添加は、好ましくはエステル交換の経過にわたって少しずつ行われる。触媒の添加と、反応混合物中での少ない酸素供給は結びつけることができる。酸素の供給によって出発物質又は生成物を酸化させるのを回避するために、反応混合物に、少量の還元剤を添加することが好ましい。還元剤の割合は、反応混合物の質量に対して、好ましくは0.01〜1質量%の範囲である。還元剤としては、例えばヒドロキノン、n−t−ブチルフェノール又はベンゾインが適しており、ヒドロキノンが特に適している。それというのも、その褐色の酸化生成物は、生成物の溶液から、例えばアセトン中で活性炭によって除去できるからである。
【0020】
その低い割合によって、還元剤は、生成物中で妨げにならず、必要に応じて生成物の再結晶化によって除去することができる。
【0021】
本発明による方法によって製造されるヒドロキシ安息香酸及び脂肪アルコールからのエステルは、反応温度で、遊離のフェノールを含まない澄明な無色の液体である。使用される脂肪アルコールの純度によって、すなわち90質量%より高い脂肪アルコール成分の割合によって、エステルは十分に均一に合成される。追加の精製が必要なく、固化に際して種々の生成物フラクションを形成しない。必要に応じて、出発物質、触媒及び還元剤の精製は、好適な溶剤、例えばアセトン中での再結晶化によって可能である。
【0022】
p−ヒドロキシ安息香酸もしくはo−ヒドロキシ安息香酸及び脂肪アルコールから形成されたエステルは、温度48℃で99%超でアセトン中に可溶性である。エステル中に含まれる触媒は、ただ残余を形成しうるにすぎない。更に、形成されたエステルが十分に生理学的に心配がないことから出発しうる。
【0023】
本発明は、更に、粉末射出成形法用のバインダー系であって、80〜98質量%の金属粉末及び/又はセラミック粉末と、1〜19質量%のポリマーのバインダー成分とを含有する前記バインダー系に関する。本発明によれば、更に、ヒドロキシ安息香酸及び脂肪アルコールから前記の方法に従って製造される少なくとも1種のエステル1〜19質量%が含まれている。
【0024】
前記バインダー系中のポリマーのバインダー成分としては、一般にポリアミドが使用される。好適なポリアミドは、例えばコポリアミド 612(カプロラクタム及びラウリンラクタムから製造される)、ポリアミド 11及びポリアミド 12の混合物又はポリエーテル−ブロックアミド(PEBA)である。
【0025】
粉末射出成形法のために通常使用される金属粉末は、1種の金属のみ又は2種以上の金属の混合物を含有する粉末及び/又は自体合金である粉末である。
【0026】
セラミック粉末としては、例えば酸化アルミニウム、二酸化ジルコニウム、窒化ケイ素又は炭化ケイ素からの粉末を使用することができる。また、前記のセラミックの2種以上の混合物を使用することもできる。更に、同様に、金属粉末もセラミック粉末も含有する混合物を使用することができる。しかしながら、金属粉末かセラミック粉末のいずれかを含有するバインダー系を使用することが好ましい。
【0027】
既に上記したように、エステルが製造されるヒドロキシ安息香酸は、o−ヒドロキシ安息香酸もしくはp−ヒドロキシ安息香酸又はその混合物である。
【0028】
均質な溶融物を得るために、更に、定義された脂肪アルコール成分から製造されるエステルの割合が、エステルの質量に対して少なくとも90質量%であることが好ましい。
【0029】
本発明による方法によって製造されるヒドロキシ安息香酸及び脂肪アルコールからのエステルをコバインダーとして有するバインダー系は、ポリマーのバインダー成分としてのポリアミドと一緒に共通の融点を有する1つの液相を形成する。ポリマーのバインダー成分とコバインダーとからなる共通の相は、固化の後に、高い延性を有する。本発明によるバインダー系の更なる利点は、コバインダーが、好適な溶剤、例えばアセトンと共に固化される共通の溶融物から抽出できる一方で、残りのポリマーのバインダー成分、例えばポリアミドが本質的に膨潤又はひび割れないことである。
【0030】
ヒドロキシ安息香酸及び脂肪アルコールからのエステルの使用は、更に、そのエステル自体が分散剤であり、それによって金属粉末粒子もしくはセラミック粉末粒子はポリマーのバインダー成分及びコバインダーからの溶融物中で分散して保持され、従って更なる分散剤、例えば脂肪酸の添加は必要ないという利点を有する。ポリマーのバインダー成分及びコバインダーからの共通の相は、更に、該コンパウンドの延性が十分に高く、こうして射出成形工具中での鋳込み(Anguss)を、例えばトンネル型鋳込みとして行うことができるという利点を有する。更に、本発明による方法により製造されるヒドロキシ安息香酸及び脂肪アルコールからのエステルは射出成形工具中で固化に際して排出されず、焼結された構造物中で細孔を回避できることが判明した。また、前記コバインダーは、ロウ様の特性を有し、それによって離型剤のようにはたらき、それによって射出成形された部材の付着及び工具への鋳込み付着(Anguesse)を回避できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末射出成形用のバインダー系で使用するためのヒドロキシ安息香酸及び脂肪アルコールからのエステルを、ヒドロキシ安息香酸及び低級アルコールからのエステルと脂肪アルコールとのエステル交換によって製造するための方法であって、前記の脂肪アルコールと前記のヒドロキシ安息香酸及び低級アルコールからのエステルとが反応混合物を形成し、それらは本質的に等モルで使用され、その際、前記のエステル交換は、前記のヒドロキシ安息香酸及び低級アルコールからのエステルと前記の脂肪アルコールとが均質な溶融物として存在する温度で実施される前記製造方法。
【請求項2】
前記の脂肪アルコールが、1−ドコサノール、1−エイコサノール、1−オクタデカノール又はそれらの混合物を含有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記の脂肪アルコールが、少なくとも90質量%の定義された脂肪アルコール成分を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記の低級アルコールであってエステル交換の際に分離されるアルコールは、蒸留によって反応混合物から除去されることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記のエステル交換が、触媒の存在下で実施されることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記の触媒が、スズを含む有機金属化合物であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記のスズを含む有機金属化合物が、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズジラウレート又はブチルスズオキシドヒドロキシドであることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
使用される触媒の量が、反応混合物の質量に対して、0.1〜1質量%であることを特徴とする、請求項5から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
保護ガス流が反応混合物中に導通されることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記の反応混合物に還元剤が添加されることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
粉末射出成形法用のバインダー系であって、80〜98質量%の金属粉末及び/又はセラミック粉末と、1〜19質量%のポリマーのバインダー成分とを含有するバインダー系において、ヒドロキシ安息香酸及び脂肪アルコールから請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法に従って製造される少なくとも1種のエステル1〜19質量%が更に含まれていることを特徴とする前記バインダー系。
【請求項12】
前記のポリマーのバインダー成分が、ポリアミドであることを特徴とする、請求項11に記載のバインダー系。
【請求項13】
前記のポリアミドが、コポリアミド 612、ポリアミド 11及びポリアミド 12からの混合物又はポリエーテル−ブロックアミドであることを特徴とする、請求項12に記載のバインダー系。
【請求項14】
前記のヒドロキシ安息香酸が、o−ヒドロキシ安息香酸又はp−ヒドロキシ安息香酸であることを特徴とする、請求項11から13までのいずれか1項に記載のバインダー系。
【請求項15】
定義された脂肪アルコール成分から製造されるエステルの割合が、エステルの質量に対して少なくとも90質量%であることを特徴とする、請求項11から14までのいずれか1項に記載のバインダー系。

【公表番号】特表2012−512218(P2012−512218A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541282(P2011−541282)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【国際出願番号】PCT/EP2009/065834
【国際公開番号】WO2010/072503
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】