説明

エタノール耐性徐放性製剤

本発明は、エタノールの存在下において過量放出に耐える製剤およびその使用方法を提供する。製剤は、過量放出を予防し、薬物の安全性を増大し、乱用されがちな薬物の乱用を軽減するために用いることができる。製剤は少なくとも一つの薬物および徐放性送達系を含む。ある具体的態様において、薬物はオピオイドである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エタノールと同時に摂取または使用した場合に溶解特性を維持する徐放性製剤、およびその使用方法を提供する。エタノール耐性製剤は少なくとも一つの薬物および徐放性送達系を含む。
【背景技術】
【0002】
徐放性薬物製剤は従来の非徐放性製剤より高用量の薬物を含むことが多い。徐放性製剤の機能性および安全性は、投与後の長時間、例えば8〜24時間にわたる既知の制御された速度の製剤からの薬物放出に基づく。製剤の薬物放出プロファイルは、徐放性製剤の化学的環境、例えばpH、イオン強度およびエタノールなどの溶媒の存在に依存することが多い。
【0003】
徐放性製剤に存在する比較的高用量の薬物は、製剤が所望の制御速度より速いかまたは遅い速度にて薬物を放出するならば、患者にある程度の悪影響を与えうる。
【0004】
たいていの場合には、徐放性製剤の不良により薬物の急速な放出が引き起こされる。この急速な放出は一般に製剤からの薬物の所望の徐放性よりも速く、ときには「過量放出(dose dumping)」と称される。
【0005】
過量放出は、患者にとって重篤な結果、例えば永続的な悪影響、さらには死をも引き起こしうる。例えば過量放出により治療的有益な用量を超えるならば致命的となりうる薬物の例としては、オピオイドなどの鎮痛剤が挙げられる。
【0006】
経口投与製剤は水、ジュース、炭酸飲料またはエタノール含有飲料などの一般に入手可能な飲料とともに服用することが多い。エタノール含有飲料は一般に、アルコール飲料、酒または単なるアルコールと称される。一般的アルコール飲料の例としては、ビール、ワイン、およびウォッカ、ラムまたはウィスキーなどの強い酒が挙げられる。エタノール存在下における過量放出は、患者がアルコール飲料とともに製剤を摂取する可能性のために、安全性に対する懸念を生み出す。さらなる安全性に対する懸念は、たとえ患者がアルコール飲料とともに製剤を摂取しなくても、製剤中の薬物による治療中にアルコール飲料を消費することである。
【0007】
薬物、例えば陶酔感を引き起こす薬物を乱用したいと望む患者は、薬物の陶酔効果を拡大するために過量放出を意図的に誘発させたいかもしれない。さらに、薬物を乱用したい人はすでにアルコールを乱用していることもあり、これは、アルコール飲料と同時に摂取または服用される薬物の徐放性製剤化の可能性を増大する。
【0008】
2005年には、いくつかの薬物は、市場から回収されたか、または薬物の徐放性製剤化におけるエタノールの効果のために警告表示が強化された。
【0009】
例えば、米国食品医薬品局(FDA)は、Palladone(登録商標、塩酸ヒドロモルフォン)がアルコールとともに服用されると、その持続放出製剤は損傷して過量放出しうるという研究が示されたため、Purdue PharmaにPalladone持続放出カプセルを市場から回収するよう要請した(2005年7月13日のFDAプレスリリースを参照のこと)。FDAはさらに、Palladone(登録商標)を単一のアルコール飲料とともに服用すると、患者に致命的な結果をもたらしうることを警告した。
【0010】
Alpharmaは、FDAがKADIAN(登録商標、硫酸モルフィン持続放出カプセル)についての表示におけるアルコールに関する警告情報を拡張するよう要請したことを報告するプレスリリースを発行した(http://www.alpharma.com/pages/getpage.aspx?id=19D731C5-5017-4DF9-9A67-4F514C00B9DFを参照のこと)。強化された警告は、KADIAN(登録商標)の持続放出特性がアルコール存在下にて危険にさらされることを示したインビトロ研究の結果であった。AVINZA(登録商標、硫酸モルフィン持続放出カプセル)は、エタノールとともに服用されると、過量放出の危険性を増大することが発見された。FDAにより行われたインビトロ研究により、AVINZA 30 mgをエタノール含有緩衝液(20%および40%)900 mLと混合すると、放出されたモルフィンの用量はアルコール濃度に依存し、より急速なモルフィンの放出を引き起こし、これはインビボにおいて潜在的に致命的な用量のモルフィンの吸収をもたらしうることが示された。結果として、Ligand Pharmaceuticals Inc.は数セクションのAVINZA(登録商標)を修正し、患者がAVINZA(登録商標)の服用中にアルコールを消費すべきでないという警告を強調し強化する情報を規定した。さらに、患者は、AVINZA(登録商標)治療中に、アルコールを含む処方医薬または非処方医薬を使用しないよう警告された(http://www.fda.gov/medwatch/SAFETY/2005/safety05.htm#Avinzaを参照のこと)。
【0011】
FDAはまた、将来の徐放性製剤について、徐放性特性のアルコール誘発性弱体化のインビトロ試験が一定の特性化試験として妥当でありうることも示唆している。さらに、FDAは、いくつかの薬物(例えば狭い治療指標または高Cmaxもしくは低Cminの恐ろしい結果を有する薬物)について、アルコール過敏性徐放性製剤が承認されるべきではないという立場である。FDAは、過量放出がインビボ研究を通じて発生しないという単なる確認よりもむしろ、製剤が設計によりエタノール耐性を有することが好ましい(2005年10月26日の薬学諮問委員会会議にて提示されたアルコール誘発性過量放出におけるFDAの立場の概要を参照のこと)。
【0012】
FDAによれば、インビボアルコール耐性試験は、ヒト対象にもたらされうる可能性のある損害により、好ましいアプローチではない。FDAによれば、好ましいアプローチは、40%エタノールの存在下におけるインビトロ溶出試験である。FDAは製剤を三つの群に分類することを提案している:頑丈、脆弱および不確定。2005年10月26日の薬学諮問委員会会議において、CDER(FDA医薬品評価センター)のOPS(薬学事務所)の職員は、脆弱な製剤において、高濃度のエタノール(例えば40%)が低濃度のエタノール(例えば20%または4%)よりも速い薬物放出を引き起こすようであることを示すデータを提示した。FDAの頑丈な製剤の例において、40%エタノールに溶解した製剤からの薬物放出は、エタノールなしの媒体に溶解した対照製剤と比較して、実際にわずかに遅い(同程度だが)(2005年10月26日の薬学諮問委員会会議におけるプレゼンテーション)。
【0013】
表示した生成物への変化(すなわち、アルコールとともに薬物を服用する危険性の警告を加えること)は、限定された効果のみを有し、薬物を乱用しようとする患者を抑止しないようだ。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
エタノール誘発性過量放出への耐性は、医薬製剤の分野に必要である。本発明はこれならびに他の重要な結果を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
発明の概要
本発明は、エタノール耐性医薬製剤、および薬物安全性を増大し薬物乱用の可能性を減少する方法を提供する。これは、患者に有効量のエタノール耐性薬物製剤を提供し、処方し、および/または投与することにより達成することができる。エタノール耐性薬物製剤は、水溶液またはエタノール含有溶液中のそれらの徐放性溶解プロファイルが本質的に同じであるので、市販の製剤と比較したときに、より安全で乱用の可能性がより低い。ある具体的態様において、エタノール耐性製剤における薬物はオピオイド化合物またはその誘導体を含む。
【0016】
本発明はまた、エタノール耐性医薬製剤、および過量放出を予防する方法も提供する。これは、有効量のエタノール耐性薬物製剤を患者に提供し、処方しおよび/または投与することにより達成することができる。本明細書に記載のエタノール耐性医薬製剤はエタノールの存在下にて過量放出されない。ある具体的態様において、エタノール耐性製剤における薬物はオピオイド化合物またはその誘導体を含む。
【0017】
ある態様において、本発明は、薬物で治療されている間にエタノールを摂取しそうな患者に有効量の薬物をエタノール耐性徐放性製剤の形態にて提供することを含む、エタノール存在下における薬物の過量放出を予防する方法であって、エタノール耐性徐放性製剤が薬物および徐放性送達系(ここに、該送達系は少なくとも一つのヘテロ多糖類樹脂、少なくとも一つのホモ多糖類樹脂および少なくとも一つの医薬的希釈剤を含む)を含み、エタノールの存在下においてその徐放性溶解プロファイルを本質的に保持する、方法を提供する。
【0018】
別の態様において、本発明は、薬物で治療されている間にエタノールを摂取しそうな患者に有効量の薬物をエタノール耐性徐放性製剤の形態にて提供することを含む、エタノール存在下における薬物の過量放出を予防する方法であって、エタノール耐性徐放性製剤が薬物および徐放性送達系(ここに、該送達系は少なくとも一つのヘテロ多糖類樹脂、一価金属カチオン,多価金属カチオンおよび塩から選択される少なくとも一つのカチオン性架橋化合物、および少なくとも一つの医薬的希釈剤を含む)を含み、エタノールの存在下においてその徐放性溶解プロファイルを本質的に保持する、方法を提供する。
【0019】
ある態様において、本発明は、薬物で治療されている間にエタノールを摂取しそうな患者に有効量の薬物を改善された安全なエタノール耐性徐放性製剤の形態にて提供することを含む、従来の徐放性製剤と比較してエタノール存在下における薬物の安全性を改善する方法であって、改善された安全なエタノール耐性徐放性製剤が薬物および徐放性送達系(ここに、該徐放性送達系は少なくとも一つのヘテロ多糖類樹脂、少なくとも一つのホモ多糖類樹脂および少なくとも一つの医薬的希釈剤を含む)を含み、改善された安全性が製剤のエタノール耐性徐放性特性の結果である、方法を提供する。
【0020】
別の態様において、本発明は、薬物で治療されている間にエタノールを摂取しそうな患者に有効量の薬物を改善された安全なエタノール耐性徐放性製剤の形態にて提供することを含む、従来の徐放性製剤と比較してエタノール存在下における薬物の安全性を改善する方法であって、改善された安全なエタノール耐性徐放性製剤が薬物および徐放性送達系(ここに、該送達系は少なくとも一つのヘテロ多糖類樹脂、一価金属カチオン,多価金属カチオンおよび塩から選択される少なくとも一つのカチオン性架橋化合物、および少なくとも一つの医薬的希釈剤を含む)を含み、改善された安全性が製剤のエタノール耐性徐放性特性の結果である、方法を提供する。
【0021】
いくつかの具体的態様において、患者は薬物および/またはアルコール乱用などの物質乱用歴を有する。
【0022】
他の具体的態様において、エタノール耐性徐放性製剤は固形投与製剤、例えば錠剤である。
【0023】
いくつかの具体的態様において、薬物は抗鬱剤であり、薬物は双極性障害、パニック障害、てんかん、片頭痛、注意欠陥過活動性障害および/または疼痛を治療するために用いられる。ある具体的態様において、薬物はオピオイドまたはその誘導体である。
【0024】
ある態様において、本発明は、少なくとも一つの薬物および徐放性送達系(ここに、徐放性送達系は少なくとも一つのヘテロ多糖類樹脂、少なくとも一つのホモ多糖および少なくとも一つの医薬的希釈剤を含む)を含む固形投与エタノール耐性徐放性製剤を製造する方法であって、少なくとも一つのヘテロ多糖類樹脂、少なくとも一つのホモ多糖類樹脂および少なくとも一つの医薬的希釈剤を混合して顆粒を形成させ;該顆粒を少なくとも一つの薬物またはその医薬的に許容される塩と混合して粒状組成物を形成させ;該粒状組成物を加圧して製剤を製造し;エタノール含有溶液中のエタノール耐性製剤の溶解プロファイルを記録する、方法を提供する。
【0025】
別の態様において、本発明は、少なくとも一つの薬物および徐放性送達系(ここに、徐放性送達系は少なくとも一つのヘテロ多糖類樹脂、一価金属カチオン,多価金属カチオンおよび塩から選択される少なくとも一つのカチオン性架橋化合物、および少なくとも一つの医薬的希釈剤を含む)を含む固形投与エタノール耐性製剤を製造する方法であって、少なくとも一つのヘテロ多糖類樹脂、一価金属カチオン,多価金属カチオンおよび塩から選択される少なくとも一つのカチオン性架橋化合物、および少なくとも一つの医薬的希釈剤を混合して顆粒を形成させ;該顆粒を少なくとも一つの薬物またはその医薬的に許容される塩と混合して粒状組成物を形成させ;該粒状組成物を加圧して製剤を製造し;エタノール含有溶液中のエタノール耐性製剤の溶解プロファイルを記録する、方法を提供する。
【0026】
ある態様において、本発明は、物質乱用歴を有する患者に有効量の薬物をエタノール耐性徐放性製剤の形態にて提供することを含む、患者を治療する方法であって、エタノール耐性徐放性製剤が少なくとも一つの薬物および徐放性送達系(ここに、送達系は少なくとも一つのヘテロ多糖類樹脂、少なくとも一つのホモ多糖類樹脂および少なくとも一つの医薬的希釈剤を含む)を含み、エタノールの存在下においてその徐放性溶解プロファイルを本質的に保持する、方法を提供する。
【0027】
別の態様において、本発明は、物質乱用歴を有する患者に有効量の薬物をエタノール耐性徐放性製剤の形態にて提供することを含む、患者を治療する方法であって、エタノール耐性徐放性製剤が少なくとも一つの薬物および徐放性送達系(ここに、送達系は少なくとも一つのヘテロ多糖類樹脂、一価金属カチオン,多価金属カチオンおよび塩から選択される少なくとも一つのカチオン性架橋化合物、および少なくとも一つの医薬的希釈剤を含む)を含み、エタノールの存在下においてその徐放性溶解プロファイルを本質的に保持する、方法を提供する。
本発明のこれらおよび他の態様は本明細書に詳細に記載される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
詳細な記載
定義
本明細書において、用語「過量放出」は、徐放性製剤からの薬物の急速な放出を意味する。この急速な放出は一般に、薬物の製剤からの徐放よりも速い。過量放出はまた、目的とする薬物の徐放のピーク濃度よりも高いピーク濃度を有する放出も意味する。
【0029】
本明細書において、用語「徐放」は、薬物の治療的に有益な血中濃度(毒性レベル以下)が長期間にわたり維持されるように、薬物が制御された速度にて製剤から放出されることを意味する。
【0030】
本明細書において、用語「徐放」、「持続放出」および「制御放出」は、同義であり、すなわち、同一の意味を有する。
【0031】
本明細書において、用語「液体」としては、例えば胃腸液、水溶液(インビトロ溶解試験に用いられるものなど)および粘膜(例えば口、鼻、肺、食道など)が挙げられる。
【0032】
本明細書において、用語「エタノール耐性製剤」は、エタノールの存在下にて実質的に未修正の徐放性特性を有する製剤を意味する。
【0033】
本明細書において、用語「実質的に未修正」および「本質的に保持」は、先のもしくは元のパラメータ値または一連の先のもしくは元のパラメータ値の約80%〜約125%の範囲のパラメータ値または一連のパラメータ値を意味する。
【0034】
本明細書において、用語「エタノール耐性」は、エタノールの存在下にて実質的に未修正の製剤の特性を意味する。
【0035】
本明細書において、用語「乱用可能性薬物」としては、薬物離脱が薬物探索行動をもたらす苦痛を十分引き起こす肉体的依存性のようなもの;他の薬剤からの離脱により引き起こされる離脱症状を抑圧する能力;陶酔感を引き起こす程度(例えばモルフィンおよび他のオピオイドにより生じるものと同様);薬物がその正常な治療範囲を超えて投与されるときに起こる毒性のパターン;および水溶解性などの薬物の物理的特性、を産生する可能性を有する医薬的に活性な物質が挙げられる。薬物の物理的特性は薬物が吸入によりまたは非経口経路により乱用されそうか否かを決定することができる。乱用可能性薬物としては、その立体異性体、代謝体、塩、エーテル、エステルおよび/または誘導体(その医薬的に許容される塩)が挙げられる。オピオイドは乱用可能性薬物の具体的態様である。他の麻酔剤は当業者に明らかであり、「乱用可能性薬物」の範囲内に含まれると理解される。
【0036】
本明細書において、用語「オピオイド」としては、その立体異性体、代謝体、塩、エーテル、エステルおよび/または誘導体(例えばその医薬的に許容される塩)が挙げられる。オピオイドはミュー-アンタゴニストおよび/または混合ミュー-アゴニスト/アンタゴニストであることができる。オピオイドの例としては、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルフィン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、シクラゾシン、デソモルフィン、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルフィン、エトニタゼン(etonitazine)、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レバロルファン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルフィン、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ノルモルフィン、ノルピパノン、オピウム、オキシコドン、オキシモルフォン、6-ヒドロキシオキシモルフォン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル、トラマドール、チリジン、その立体異性体、代謝体、塩、エーテル、エステルおよび/または誘導体が挙げられる。いくつかの具体的態様において、オピオイドはモルフィン、コデイン、ヒドロモルフォン、ヒドロコドン、オキシコドン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、オキシモルフォン、6-ヒドロキシオキシモルフォン(6-α-ヒドロキシオキシモルフォンおよび/または6-β-ヒドロキシオキシモルフォンなど)またはトラマドールである。
【0037】
本明細書において、用語「病態」としては、薬物での治療を必要とするいずれの疾患または症状の集合も含む。病態の例としては、パニック障害(広場恐怖症を伴うか、または伴わない)、双極性障害(躁鬱病)、双極性障害と関連する急性躁病エピソードまたは混合エピソード、てんかん、片頭痛、注意欠陥過活動性障害(ADHD)、鬱病および疼痛が挙げられる。本明細書において、用語「薬物」としては、症状を緩和し、病態を治療するかまたは予防するために用いられるいずれの化合物または生体化合物も含む。本明細書に記載のエタノール耐性製剤に適した薬物としては、アルプラゾラム(XANAX XR(登録商標))、炭酸リチウム(LITHOBID(登録商標))、ジバルプロエックスナトリウム(DEPAKOTE(登録商標))、デキストロアンフェタミンおよびアンフェタミンの中性硫酸塩、アンフェタミンサッカラートのデキストロ異性体およびd,l-アンフェタミンアスパラギン酸塩一水和物(ADDERALL XR(登録商標))、塩酸トラマドール(トラマドールER(登録商標))およびオピオイドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
薬物は当分野にて知られるいずれの医薬的に許容される塩の形態であることもできる。医薬的に許容される塩の例としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、臭化水素酸塩、マレイン酸塩(maleric)、リンゴ酸塩、アスコルビン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、パモン酸塩、ラウリン酸塩、ステアリン酸塩、パルミチン酸塩、オレイン酸塩、ミリスチン酸塩、ラウリル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、リノレン酸塩、リノレン酸などが挙げられる。
【0039】
薬物のエタノール耐性徐放性製剤は、長期間、例えば約8時間〜約24時間または約12時間〜約24時間の間の症状を緩和し、病態を治療するかまたは予防するのに十分な量にて投与される。本明細書に記載の徐放性経口固形投与製剤は一日1〜4回、1もしくは2回、または1回だけ投与することができる。
【0040】
オピオイドのエタノール耐性徐放性製剤は、長期間、例えば約8時間〜約24時間または約12時間〜約24時間の間の疼痛を緩和するのに十分な量にて投与される。本明細書に記載のオピオイド徐放性経口固形投与製剤は一日1〜4回、1もしくは2回、または1回だけ投与することができる。
【0041】
疼痛は軽度〜中程度〜重度、または中程度〜重度であることができる。疼痛は急性または慢性であることができる。疼痛は例えば癌、自己免疫疾患、感染、外科的外傷または偶発性外傷と関連しうる。患者は動物、哺乳類またはヒトであることができる。
【0042】
薬物の有効量は、病態の症状を除去するかまたは緩和する(例えばオピオイド徐放性製剤の投与前に存在する疼痛と比較して疼痛を軽減する)のに十分な量である。
【0043】
徐放性製剤のエタノール耐性特性
本明細書に記載の徐放性製剤がエタノールの存在下にてその徐放性溶解特性を保持することが発見されている。
【0044】
いずれの理論とも結合されるものではなく、架橋剤(例えばローカストビーンガム)により架橋された親水性化合物(例えばキサンタンゴム)の物理化学的特性は、一緒になってエタノールに不溶性または実質的に不溶性であるガムまたはガム様マトリックスを形成するようなものである。ある具体的態様にて1以上のヘテロ多糖類樹脂および1以上のホモ多糖類樹脂を含み、別の具体的態様にて1以上のヘテロ多糖類樹脂、および1以上の一価カチオン、多価カチオンおよび/または塩を含む、これらの製剤の溶解特性は、徐放性送達系の親水特性に起因しうる。少量の疎水性物質(例えばエチルセルロースなどの疎水性ポリマー)は、おそらく徐放性送達系がその親水特性を保持するため、エタノール中の製剤の溶解特性を実質的に改変しない。薬物の特性は、広範囲の薬物に適しおよび/または順応することができる本明細書に記載の製剤を製造するマトリックスのガムまたはガム様特性に影響しないようである。
【0045】
いくつかの因子は、エタノールの存在下における製剤からの薬物の放出に影響すると考えられる:エタノール中の薬物の溶解性、製剤を含む物質(例えば親水性化合物は疎水性化合物よりもエタノールにより耐性である)、および製剤の剤形(例えば錠剤はカプセルよりもエタノールにより耐性である)。
【0046】
エタノールの存在下における製剤からの薬物の放出に影響すると考えられるさらなる因子は:調剤の圧縮の程度(例えば硬い錠剤は軟らかい錠剤よりもエタノールにより耐性である)、錠剤組成物(例えばモノリシック錠剤組成物はゼラチンカプセルで包まれたマルチパティキュレート粒子単位剤形よりエタノールにより耐性が少ない)、およびエタノールへの溶解に耐性のあるゲル様コーティングの存在(例えばいくつかのセルロース)である。
【0047】
それゆえ、本明細書に記載の徐放性製剤は、製剤からの薬物の放出に対するエタノールの所望でないいずれの影響も予防しまたは実質的に軽減するために用いることができる。所望でない影響の例としては、過量放出および変化した徐放性溶解プロファイルが挙げられる。
【0048】
徐放性プロファイルの変化は、例えば薬物の安全性リスクを増大しうる高ピークの薬物濃度(Cmax)および/または薬物の効力を軽減しうる治療期間(Cmin)の終点における低薬物濃度により示すことができる。
【0049】
例えば、エタノールにより変化した徐放性プロファイルを有する製剤は、対象とするものより高いCmaxをもたらす、大量の薬物を投与後まもなく(例えば0〜6時間以内)放出することができる。薬物が毒性ならば、対象とするものより高いCmaxは患者に有害な副作用(死など)を引き起こしうる。この急速な放出の結果として、より少ない薬物は、治療期間の終点(すなわち次の用量の投与の直前)における対象とするものより低いCminをもたらす次の放出に利用できる。対象とするものより低いCminは、患者における病態の再発をもたらしうる薬物の軽減された有効性または無効性でさえももたらしうる。
【0050】
対象とするものより高いピーク薬物濃度Cmaxは、例えば対象とするものより50%以上高濃度のCmaxであることができる。対象とするものより低いCmin濃度は、例えば対象とするものより50%以上低濃度のCminであることができる。
【0051】
2005年10月26日の薬学諮問委員会会議にて、FDA人事局は既知の薬物の承認後インビボ研究の結果を提示した。研究により、40%アルコールを含む飲料と薬物を摂取するとCmaxが5倍に増大し、同じ薬物を20%アルコールを含む飲料と摂取するとCmaxが2倍になることを示された。5%アルコールを含む飲料と薬物を摂取すると小さい平均効果を引き起こしたが、少なくとも一つの対象はそのCmaxを倍にした(http://www.fda.gov/ohrms/dockets/ac/05/slides/2005-4187S2_02_Hussain_files/frame.htm)。
【0052】
それゆえ、本明細書に記載の徐放性製剤は、高濃度にて有害な潜在的効果を伴う薬物の安全性を増大し、オピオイドなどの陶酔効果を産生する薬物の乱用を軽減するために用いることができる。本明細書に記載の製剤はまた、薬物の軽減されたレベル(例えば治療的に有益なレベルよりも低い)が患者の健康に悪影響を与えうる状況の患者への害を軽減するかまたは予防するために用いることもできる。本明細書に記載の製剤は、狭い治療的範囲の薬物(ときどき狭い治療指数の薬物とも称される)の製剤化に有用でありうる。
【0053】
本明細書に記載の製剤がアルコール飲料と摂取されるか、またはアルコール飲料の消費前もしくは後に患者により摂取される場合、製剤はその徐放特性を本質的に保持し、得られた親水性ゲルマトリックスからの薬物をゆっくりと放出するだろう。
【0054】
本明細書に記載の製剤はエタノールの存在下にて過量放出されないので、エタノールと摂取される危険性のある薬物(乱用可能性薬物、およびアルコールおよび/または薬物乱用者に処方される薬物など)、または過剰に投与されると有害もしくは致命的な副作用を生じる薬物の製剤化のために用いることができる。そのような薬物の例としては、オピオイドが挙げられる。
【0055】
さらに、パニック障害(広場恐怖症を伴うかまたは伴わない)、双極性障害(躁鬱病)、双極性障害と関連する急性躁病エピソードまたは混合エピソード、てんかん、片頭痛、注意欠陥過活動性障害(ADHD)、鬱病および/または疼痛などの病態のために治療される患者は、母集団と比較してアルコールを消費する可能性がより高いことがある。これは、酩酊による陶酔効果を経験し、および/または疼痛などのその病態の症状を除去しもしくは緩和したいという患者の願望の結果であることができる。
【0056】
本明細書に記載の製剤からの薬物の遅延放出により、患者(例えば薬物中毒者)は、アルコール飲料との経口吸入/摂取または経口摂取により従来の製剤(例えばオピオイド製剤)を乱用することによりすぐに入手可能であろうという陶酔感を経験しないだろう。したがって、本明細書に記載の薬物製剤は患者により乱用されないか、またはその乱用の可能性が有意に減少するだろう(例えば従来のオピオイド製剤と比較した場合)。
【0057】
さらに、薬物が長期間にわたり徐放性製剤からゆっくり放出されるので、多くの徐放性製剤は比較的高量の薬物を含む。高量の薬物を含む徐放性製剤は、一般に少量の薬物を含む即時放出製剤と比較して、機能しなくなったときに患者により有害でありうる。それゆえ、本明細書に記載の薬物製剤は、治療的に有益なレベルより高レベルにおいて有害および/または致命的でありうる薬物の安全性を増大することができる。
【0058】
徐放性送達系
徐放性送達系は少なくとも一つの親水性化合物を含む。親水性化合物は、液体への曝露における持続速度にて薬物を放出するゲルマトリックスを形成することができる。
【0059】
親水性化合物は、架橋剤と組み合わせてエタノール不溶性または実質的にエタノール不溶性マトリックスを産生するいずれの親水性化合物であることもできる。親水性化合物の例としては、ガム、セルロースエーテル、タンパク質由来化合物およびその混合物が挙げられる。ガムの例としては、ヘテロ多糖類樹脂およびホモ多糖類樹脂、例えばキサンタン、トラガカント、ペクチン、アカシア、カラヤ、アルギン酸塩、寒天、グアー、ヒドロキシプロピルグアー、カラギナン、ローカストビーンガムおよびジェランガムが挙げられる。セルロースエーテルの例としては、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル-セルロース、カルボキシメチルセルロースおよびその混合物が挙げられる。
【0060】
いくつかの具体的態様にて、親水性化合物はガム、ヘテロ多糖類樹脂、キサンタンゴムまたはその誘導体である。キサンタンゴムの誘導体としては、例えば脱アシル化キサンタンゴム、キサンタンゴムのカルボキシメチルエステル、およびキサンタンゴムのプロピレングリコールエステルが挙げられる。
【0061】
別の具体的態様において、徐放性送達系はさらに、少なくとも一つの架橋剤を含む。架橋剤は親水性化合物を架橋して液体中にてエタノール不溶性または実質的にエタノール不溶性ゲルマトリックスを形成することができる化合物である。種々の具体的態様にて、徐放性送達系は一般に、約0.5重量%〜約80重量%の量にて、約2重量%〜約54重量%の量にて、約20重量%〜約30重量%以上の量にて、または約25重量%の量にて架橋剤を含む。
【0062】
架橋剤の例としては、ホモ多糖が挙げられる。ホモ多糖の例としては、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガムおよびローカストビーンガムなどのガラクトマンナンガムが挙げられる。いくつかの具体的態様において、架橋剤はローカストビーンガム、グアーガムまたはその混合物である。他の具体的態様において、架橋剤はアルギン酸誘導体または親水コロイドであることができる。
【0063】
徐放性送達系が少なくとも一つの親水性化合物および少なくとも一つの架橋剤を含む場合、親水性化合物の架橋剤に対する割合は、約1:9〜約9:1または約1:3〜約3:1であることができる。
【0064】
本明細書に記載の徐放性送達系は1以上のカチオン性架橋化合物を含むことができる。カチオン性架橋化合物は架橋剤の代わりにまたはそれに加えて用いることができる。カチオン性架橋化合物は、親水性化合物と架橋し、液体の存在下にてエタノール不溶性または実質的にエタノール不溶性のゲルマトリックスを形成するのに十分な量にて用いることができる。いくつかの具体的態様において、カチオン性架橋化合物は約0.5重量%〜約30重量%、または約5重量%〜約20重量%の量にて徐放性送達系に存在する。
【0065】
カチオン性架橋化合物の例としては、一価金属カチオン、多価金属カチオンおよび無機塩(アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩、塩化物、ホウ酸塩、臭化物塩、クエン酸塩、酢酸塩、乳酸塩およびその混合物など)が挙げられる。例えば、カチオン性架橋化合物は、1以上の硫酸カルシウム、塩化ナトリウム、硫酸カリウム、炭酸ナトリウム、塩化リチウム、リン酸トリカリウム、ホウ酸ナトリウム、臭化カリウム、フッ化カリウム、重炭酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸カルシウム、硫酸マグネシウム、フッ化ナトリウムまたはその混合物であることができる。
【0066】
徐放性送達系が少なくとも一つの親水性化合物および少なくとも一つのカチオン性架橋化合物を含む場合、カチオン性架橋化合物の親水性化合物の割合は約1:9〜約9:1、または約1:3〜約3:1であることができる。
【0067】
液体への曝露によりゲルマトリックスを形成する化合物の二つの特性(例えば少なくとも一つの親水性化合物および少なくとも一つの架橋剤、または少なくとも一つの親水性化合物および少なくとも一つのカチオン性架橋化合物)は、化合物/薬剤の速い水和性および高いゲル強度を有するゲルマトリックスである。これらの二つの特性は、遅延放出ゲルマトリックスを達成するのに有用であり、化合物の特定の組合せ(例えば少なくとも一つの親水性化合物および少なくとも一つの架橋剤、または少なくとも一つの親水性化合物および少なくとも一つのカチオン性架橋化合物)により提供される。例えば、親水性化合物(例えばキサンタンゴム)は、速い水和性を提供する優れた水ウィッキング特性を有する。親水性化合物と親水性化合物の堅いらせん状構造を架橋することができる物質との組合せ(例えば架橋剤および/またはカチオン性架橋化合物)は、それにより相乗的に作用し、ゲルマトリックスの予想される粘性よりも高い粘性(すなわち高ゲル強度)を与える。マトリックスの速い水和性およびマトリックスの高ゲル強度は、マトリックスのエタノール耐性特性に寄与することが考えられる。
【0068】
徐放性送達系は、さらに当分野にて知られている1以上の医薬的希釈剤を含むことができる。医薬的希釈剤の例としては、単糖、二糖、多価アルコールおよびその混合物が挙げられる。医薬的希釈剤としてはまた、例えばデンプン、ラクトース、デキストロース、スクロース、微結晶性セルロース、ソルビトール、キシリトール、フルクトースおよびその混合物も挙げられる。他の具体的態様にて、医薬的希釈剤はラクトース、デキストロース、スクロースまたはその混合物など水溶性のものである。医薬的希釈剤の親水性化合物に対する割合は一般に、約1:8〜約8:1、または約1:3〜約3:1である。徐放性送達系は一般に約20重量%〜約80重量%、または約35重量%の量にて1以上の医薬的希釈剤を含む。他の具体的態様において、徐放性送達系は約40重量%〜約80重量%の量にて1以上の医薬的希釈剤を含む。
【0069】
本明細書に記載の徐放性送達系はさらに、1以上の疎水性ポリマーを含むことができる。疎水性ポリマーは、親水性化合物の水和性を、これを妨害せず、マトリックスの親水性特性を阻害せずに、遅くするのに十分な量にて用いることができる。例えば、錠剤中の疎水性ポリマーの存在がアルコールの存在下におけるマトリックスからの薬物の放出に悪影響を及ぼさない限り、疎水性ポリマーは約0.5重量%〜約20重量%の量にて、約2重量%〜約10重量%の量にて、約3重量%〜約7重量%の量にて、または約5重量%の量にて徐放性送達系に存在することができる。
【0070】
疎水性ポリマーの例としては、アルキルセルロース(例えばC1-6アルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース)および他の疎水性セルロース系材料が挙げられる。疎水性ポリマーは例えばメチルセルロース、エチルセルロースまたはプロピルセルロースであることができる。
【0071】
本明細書に記載の組成物は、さらに1以上の滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)、1以上の緩衝剤、1以上の着色剤および/または他の従来の成分と混合することができる。
【0072】
いくつかの具体的態様にて、少なくとも一つのオピオイドを含む徐放性製剤は、経口投与可能な固形投与製剤、例えば錠剤、複数の顆粒を含むカプセル、舌下錠剤、散剤または顆粒である。錠剤は腸溶コーティングまたは親水性コーティングを有することができる。
【0073】
薬物のゲルマトリックスからの放出速度は、ゲルマトリックスの成分と胃腸管内の水相との薬物分配係数に依存する。本明細書に記載の組成物において、薬物の親水性化合物に対する重量比は一般に、約1:0.5〜約1:25、または約1:0.5〜約1:20の範囲である。徐放性送達系は一般に、約20重量%〜約80重量%の量にて、約20重量%〜約60重量%の量にて、約40重量%〜約60重量%の量にて、または約50重量%の量にて親水性化合物を含む。
【0074】
本明細書に記載の組成物における徐放性送達系は、許容可能な生成物を産生する凝集技術により成分をまとめることができるが、薬物が加えられる前に乾式造粒または湿式造粒により製造することができる。湿式造粒法にて、成分(例えば親水性化合物、架橋剤、医薬的希釈剤、カチオン性架橋化合物、疎水性ポリマーなど)を一緒に混合した後、1以上の液体(例えば水、プロピレングリコール、グリセロール、アルコール)で湿らせ、湿った塊を得、次いで乾燥させる。次いで乾燥した塊は従来の装置で徐放性送達系の顆粒に製粉する。その後、徐放性送達系は薬物、例えばオピオイドと適宜1以上の湿潤剤、1以上の滑沢剤、1以上の緩衝剤、1以上の着色剤または他の従来の成分とを所望の量にて混合し、粒状組成物を産生する。徐放性送達系および薬物は、例えば高せん断混合機と混合することができる。いくつかの具体的態様において、薬物は徐放性送達系にて細かく均質に分散する。粒状組成物は、一定の錠剤のバッチを製造するのに十分な量にて、正常な圧縮圧、すなわち約2,000〜16,000 psiにて従来の製造スケール錠剤化装置にて錠剤化する。混合物は、次に液体への曝露における水和困難性がある点まで圧縮すべきではない。徐放性送達系の製造方法は米国特許番号4,994,276、5,128,143、5,135,757、5,455,046、5,512,297および5,554,387に記載されており、その開示はそのまま本明細書に引用される。
【0075】
製造において、粒状組成物および/または錠剤またはそのサンプルを試験し、製剤がエタノール耐性であることを確認することができる。これは、例えば以下に記載のインビトロ法を用いて行うことができる。
【0076】
いくつかの具体的態様において、粒状組成物の平均粒子サイズは約50ミクロン〜約400ミクロンまたは約185ミクロン〜約265ミクロンである。粒状組成物の平均密度は約0.3 g/ml〜約0.8 g/ml、または約0.5 g/ml〜約0.7 g/mlである。顆粒から形成される錠剤は一般に約6〜約8 kg硬度である。顆粒の平均流速は、約25〜約40 g/secである。
【0077】
他の具体的態様において、少なくとも一つの薬物を含む内核は徐放性コーティングでコーティングすることができる。例えば薬物を含む内核は、液体への曝露において持続速度にてコアから薬物を放出する徐放性フィルムでコーティングすることができる。
【0078】
ある具体的態様において、徐放性コーティングは少なくとも一つの少量の水不溶性化合物を5重量%未満の量にて含む。水不溶性化合物は疎水性ポリマーであることができる。疎水性ポリマーの例としては、アルキルセルロース(例えばC1-6アルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース)および他の疎水性セルロース物質または化合物が挙げられる。いくつかの具体的態様において、疎水性ポリマーはメチルセルロース、エチルセルロースまたはプロピルセルロースである。本明細書に記載の徐放性製剤は水不溶性化合物でコーティングし、約1重量%〜約5重量%にて増量することができる。
【0079】
徐放性コーティングはまた、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはその混合物などの少なくとも一つの水溶性化合物も含むことができる。徐放性コーティングは、約1重量%〜約6重量%の量にて、または約3重量%の量にて少なくとも一つの水溶性化合物を含むことができる。
【0080】
他の具体的態様において、本明細書において少なくとも一つの薬物および徐放性送達系を含む組成物は、本明細書に記載の徐放性コーティングでコーティングする。
【0081】
本明細書に記載のいずれの具体的態様においても、本明細書に記載の薬物および徐放性送達系を含む組成物は親水性コーティングで適宜コーティングしてもよく、これは徐放性フィルムおよび/または腸溶性コーティングの上または下に適用することができる。ある具体的態様において、親水性コーティングはヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。
【0082】
本発明のいずれの理論とも結合されるものではなく、薬物徐放性製剤の経口摂取および製剤と胃腸液との接触において、徐放性製剤は膨潤しゲル化し、薬物が放出される親水性ゲルマトリックスを形成する。ゲルマトリックスの膨潤は、製剤の嵩密度の軽減をもたらし、ゲルマトリックスを胃内容物上に浮遊させて薬物の遅延送達を提供するのに必要な浮力を提供する。元の製剤のサイズに応じたサイズの親水性マトリックスは、かなり膨潤して幽門の開口部付近を詰まらせうる。薬物が製剤中(結果的にゲルマトリックス中)に分散するので、一定量の薬物は親水性ゲルマトリックスの外部の分散または侵食によりインビボにて単位時間ごとに放出することができる。この現象はゼロ次放出プロファイルまたはゼロ次速度過程と称される。工程は、ゲルマトリックスが胃にて浮遊したまま、実質的にすべての薬物が放出されるまで続く。
【0083】
本発明のいずれの理論とも結合されるものではなく、親水性化合物(例えばキサンタンゴム)などのいくつかの製剤の成分の化学は、成分が薬物の溶解性および胃腸管の長さに沿ったpH変化に実質的に鈍感な自己緩衝剤であると考えられるようなものである。さらに、成分の化学はポリカルボフィルなどのいくつかの既知の粘膜接着物質と同様であると考えられる。粘膜接着性は口腔送達系に所望でありうる。従って、徐放性製剤が胃腸管中のムチンと緩く相互作用する可能性があり、一定速度の薬物の送達が達成される別の形態を提供することができることが可能である。
【0084】
上記二つの現象(親水性ゲルマトリックスおよび粘膜接着性)は、本明細書に記載の徐放性製剤が胃腸管のムチンおよび胃液と相互作用しうる潜在的機序であり、一定速度の薬物の送達を提供する。これらの特性は、エタノールの存在下にて実質的に改変されないようだ。
【0085】
本明細書に記載の組成物は本明細書に記載の方法にて単一の有効医薬組成物として提供し、投与しまたは処方することができる一方で、それらはまた、病態またはいずれの他の疾患もしくは症状に対しても治療的に有効であることが知られている1以上の化合物/組成物との組合せにて用いることもできる。
【実施例】
【0086】
以下の実施例は例示のみの目的であり、添付の特許請求の範囲を限定するものではない。
実験は、オキシモルフォンおよびオキシコドンなどのオピオイドと同様の投与量、溶解性および他の物理化学的特性を有する硫酸アルブテロールで行った。
【0087】
実施例1:製剤の調製
徐放性製剤は、まず#30メッシュシーブを通して別々に硫酸アルブテロールおよびProsolv(登録商標)90M(微結晶性セルロース, JRS Pharma LP,., Patterson, New York)をスクリーニングすることにより調製した。硫酸アルブテロールおよびTIMERx-N(登録商標)(キサンタンゴムおよびローカストビーンガム、Penwest Pharmaceuticals Co., Patterson, New York)をPatterson-Kelley P/K Blendmaster V-Blenderにて10分間混合した。Prosolv(登録商標)90M(拡張微結晶性セルロース, JRS Pharma LP, Patterson, New York)およびPruvTM(ステアリルフマル酸ナトリウム, NF, JRS Pharma LP,., Patterson, New York)を各添加中5分間混合しながらこの混合物に続けて加えた。混合した顆粒を圧縮して224.0 mgとし、Stokes RB-2 5/16''ラウンド標準凹面はす縁を用いた錠剤プレス上にて11 Kp硬度とした。最終錠剤組成物を以下の表に記載する:
【表1】

【0088】
実施例2:異なるロットのTIMERx-N(登録商標)の溶解特性
異なるグレードのTIMERx-N(登録商標)の間の溶解プロファイルにおける変動性を分析するために、次の実験を行った。
実施例1のTIMERx-N(登録商標)製剤の錠剤は、三つの異なるロットのTIMERx-N(登録商標)を用いて実施例1に記載のとおりに製造した。各製剤の溶解プロファイルはUSP Type II溶出装置を用いて、50 mMリン酸カリウム緩衝液900 mL(pH 4.5)中にて評価した。溶液は50 r.p.m.にて撹拌した。約1.5 mLの一連のサンプルは、14時間までの期間の予め定めた間隔にて回収した。
【0089】
すべての製剤についての薬物放出は、Phenomenex(登録商標)SecurityGuardTM C18(4 x 3.0 mm)ガードカラム、次いでWaters Symmetry(登録商標)C18カラム(4.6 x 250 mm)(または等価)を用いたRP-HPLCによりモニターした。波長のモニタリングは226 nmに設定した。移動相は85:10:5 v/v比の緩衝液:アセトニトリル:メタノールからなる。緩衝液はH2O 1 L中トリエチルアミン1 mLおよびトリフルオロ酢酸1 mLからなる。カラム温度は常温または30℃のいずれかであり、流速は1.5 mL/minに設定した。各時点で放出された薬物の百分率を決定するために、その時点にて採取されたサンプルの濃度を標準溶液の濃度と比較した。標準溶液は硫酸アルブテロール45 mgを50 mM リン酸カリウム緩衝液(pH 4.5)100 mLに溶解した後、この溶液を5 mL取り、これをさらに50 mM リン酸カリウム緩衝液(pH 4.5)で50 mLに希釈することにより調製した。
【0090】
Fig. 1は製剤1、製剤2および製剤3の溶解プロファイルのグラフ表示である。各データ点は3〜6回の結果である。
Fig. 1から分かるように、溶解プロファイルは異なるロットのTIMERx-N(登録商標)間のわずかな変化を示すが、すべてのロットはリン酸緩衝液(pH 4.5)中にて同様の徐放性溶解プロファイルを示す。薬物の全量は溶解の開始後およそ10〜14時間放出される。それゆえ、これらの製剤はこのタイプの徐放性製剤についての予期された溶解プロファイルを示す。
【0091】
実施例3:エタノールの存在下における溶解特性
エタノールへの耐性について本明細書に記載の製剤を試験するために、実施例1に従い調製し実施例2に従いアッセイされた製剤の溶解プロファイルもまた、エタノールの存在下にて記録された。40%エタノールおよび60% 0.1M HClの媒体はアルコールの存在下における溶解のモデルとして用いた。0.1M HClを選択してGI管/胃領域の上部の生物環境を模倣し、徐放性製剤はまず薬物を放出し始めた。
【0092】
上記方法に従いUSP IIタイプ溶解装置を用いて溶解実験を行った。溶解実験の結果は第1表に示す。
【表2】

【0093】
Fig. 2は、エタノールの存在下(40%エタノール, 60% 0.1M HCl v/v)および非存在下(50 mMリン酸カリウム緩衝液, pH 4.5)における製剤1、製剤2および製剤3の溶解プロファイルのグラフ表示である。Fig. 2および第1表から分かるように、リン酸カリウム緩衝液(pH 4.5)を40%エタノール/60% 0.1M HCl溶液と置き換えた場合に、すべての製剤は本質的にその徐放性溶解プロファイルを保持した。TIMERx-N(登録商標)のいくつかのロット(例えば製剤3)が他のもの(製剤1および製剤2)よりもエタノールに対してより敏感性であることを示したが、その差は少なく、最終アッセイ値はUnited States Pharmacopeia(USP)により示される85〜115%(±6%)の錠剤含量均一性標準についての品質管理仕様書の範囲内であった(Uniformity of dosage units, United States Pharmacopeia 24/National Formulary 19, Rockville, Md: United States Pharmacopeial Convention, Inc.; 1999:2000-3)。
【0094】
すべての場合、製剤は40%エタノールの存在下にてその徐放性特性を保持した。
【0095】
徐放系の特性が製剤中の薬物の性質より有意により大きい程度まで製剤の溶解特性に影響するため、同様の結果が予想され、他の化学物質で得られた。エタノール溶解試験は、新規な徐放性製剤の開発における標準的手順となるものである。
【0096】
本明細書にて引用される特許、特許出願および刊行物はそのまま本明細書に引用される。本明細書に記載のものに加えて、本発明の種々の改変は先の記載から当業者にとって明らかであろう。そのような改変は添付の特許請求の範囲の範囲内のものである。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】FIG. 1は緩衝液中に参照薬物を含む異なるロットのTIMERx-N(登録商標)の溶解プロファイルを示す。
【0098】
【図2】FIG. 2は緩衝液および40%エタノール/0.1N HCl溶液中に参照薬物を含む異なるロットのTIMERx-N(登録商標)の溶解プロファイルを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物で治療されている間にエタノールを摂取しそうな患者にエタノール耐性徐放性製剤の形態にて有効量の薬物を提供することを含む、エタノール存在下における薬物の過量放出を予防する方法であって、エタノール耐性徐放性製剤が薬物および徐放性送達系(ここに、該送達系は少なくとも一つのヘテロ多糖類樹脂、少なくとも一つのホモ多糖類樹脂および少なくとも一つの医薬的希釈剤を含む)を含み、エタノールの存在下においてその徐放性溶解プロファイルを本質的に保持する、方法。
【請求項2】
患者が物質乱用歴を有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
物質乱用がアルコール乱用である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
物質乱用が薬物乱用である、請求項2記載の方法。
【請求項5】
エタノール耐性徐放性製剤が固形投与製剤である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
固形投与製剤が圧搾または粉末化された場合にその溶解プロファイルを保持する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
固形投与製剤が流動体と接触して圧搾または粉末化された場合に粘膜接着性のあるゲルマトリックスを形成する、請求項5記載の方法。
【請求項8】
固形投与製剤が流動体と接触して圧搾または粉末化された場合に粘性溶液を形成する、請求項5記載の方法。
【請求項9】
固形投与製剤が錠剤である、請求項5記載の方法。
【請求項10】
徐放性送達系がさらに少なくとも一つの疎水性ポリマーを約5重量%未満の量にて含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
送達系がさらに一価カチオン、多価カチオンおよび塩から選択される少なくとも一つのカチオン性架橋化合物を含む、請求項1記載の方法。
【請求項12】
薬物が抗鬱剤である、請求項1記載の方法。
【請求項13】
薬物が双極性障害、パニック障害、てんかん、片頭痛および/または注意欠陥過活動性障害を治療するのに用いられる薬物である、請求項1記載の方法。
【請求項14】
薬物がオピオイドである、請求項1記載の方法。
【請求項15】
オピオイドがミュー-アゴニストまたは混合ミュー-アゴニスト/アンタゴニストである、請求項14記載の方法。
【請求項16】
オピオイドがアルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルフィン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、シクラゾシン、デソモルフィン、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルフィン、エトニタゼン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レバロルファン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルフィン、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ノルモルフィン、ノルピパノン、オピウム、オキシコドン、オキシモルフォン、6-ヒドロキシオキシモルフォン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル、トラマドール、チリジン、その立体異性体、代謝体、塩、エーテル、エステルおよび誘導体からなる群から選択される、請求項14記載の方法。
【請求項17】
薬物で治療されている間にエタノールを摂取しそうな患者にエタノール耐性徐放性製剤の形態にて有効量の薬物を提供することを含む、エタノール存在下における薬物の過量放出を予防する方法であって、エタノール耐性徐放性製剤が薬物および徐放性送達系(ここに、該送達系は少なくとも一つのヘテロ多糖類樹脂、一価金属カチオン,多価金属カチオンおよび塩から選択される少なくとも一つのカチオン性架橋化合物、および少なくとも一つの医薬的希釈剤を含む)を含み、エタノールの存在下においてその徐放性溶解プロファイルを本質的に保持する、方法。
【請求項18】
患者が物質乱用歴を有する、請求項17記載の方法。
【請求項19】
物質乱用がアルコール乱用である、請求項18記載の方法。
【請求項20】
物質乱用が薬物乱用である、請求項18記載の方法。
【請求項21】
エタノール耐性徐放性製剤が固形投与製剤である、請求項17記載の方法。
【請求項22】
固形投与製剤が圧搾または粉末化された場合にその溶解プロファイルを保持する、請求項21記載の方法。
【請求項23】
固形投与製剤が流動体と接触して圧搾または粉末化された場合に粘膜接着性のあるゲルマトリックスを形成する、請求項21記載の方法。
【請求項24】
固形投与製剤が流動体と接触して圧搾または粉末化された場合に粘性溶液を形成する、請求項21記載の方法。
【請求項25】
固形投与製剤が錠剤である、請求項21記載の方法。
【請求項26】
徐放性送達系がさらに少なくとも一つの疎水性ポリマーを約5重量%未満の量にて含む、請求項17記載の方法。
【請求項27】
少なくとも一つのカチオン性架橋化合物がナトリウム塩である、請求項17記載の方法。
【請求項28】
薬物が抗鬱剤である、請求項17記載の方法。
【請求項29】
薬物が双極性障害、パニック障害、てんかん、片頭痛および/または注意欠陥過活動性障害の治療用薬物である、請求項17記載の方法。
【請求項30】
薬物がオピオイドである、請求項17記載の方法。
【請求項31】
オピオイドがミュー-アゴニストまたは混合ミュー-アゴニスト/アンタゴニストである、請求項30記載の方法。
【請求項32】
オピオイドがアルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルフィン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、シクラゾシン、デソモルフィン、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルフィン、エトニタゼン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レバロルファン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルフィン、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ノルモルフィン、ノルピパノン、オピウム、オキシコドン、オキシモルフォン、6-ヒドロキシオキシモルフォン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル、トラマドール、チリジン、その立体異性体、代謝体、塩、エーテル、エステルおよび誘導体からなる群から選択される、請求項30記載の方法。
【請求項33】
薬物で治療されている間にエタノールを摂取しそうな患者に改善された安全なエタノール耐性徐放性製剤の形態にて有効量の薬物を提供することを含む、従来の徐放性製剤と比較してエタノール存在下における薬物の安全性を改善する方法であって、改善された安全なエタノール耐性徐放性製剤が薬物および徐放性送達系(ここに、該徐放性送達系は少なくとも一つのヘテロ多糖類樹脂、少なくとも一つのホモ多糖類樹脂および少なくとも一つの医薬的希釈剤を含む)を含み、改善された安全性が製剤のエタノール耐性徐放性特性の結果である、方法。
【請求項34】
患者が物質乱用歴を有する、請求項33記載の方法。
【請求項35】
物質乱用がアルコール乱用である、請求項34記載の方法。
【請求項36】
物質乱用が薬物乱用である、請求項34記載の方法。
【請求項37】
エタノール耐性徐放性製剤が固形投与製剤である、請求項33記載の方法。
【請求項38】
固形投与製剤が圧搾または粉末化された場合にその溶解プロファイルを保持する、請求項37記載の方法。
【請求項39】
固形投与製剤が流動体と接触して圧搾または粉末化された場合に粘膜接着性のあるゲルマトリックスを形成する、請求項37記載の方法。
【請求項40】
固形投与製剤が流動体と接触して圧搾または粉末化された場合に粘性溶液を形成する、請求項37記載の方法。
【請求項41】
固形投与製剤が錠剤である、請求項37記載の方法。
【請求項42】
徐放性送達系がさらに少なくとも一つの疎水性ポリマーを約5重量%未満の量にて含む、請求項33記載の方法。
【請求項43】
送達系がさらに一価カチオン、多価カチオンおよび塩から選択される、少なくとも一つのカチオン性架橋化合物を含む、請求項33記載の方法。
【請求項44】
薬物が抗鬱剤である、請求項33記載の方法。
【請求項45】
薬物が双極性障害、パニック障害、てんかん、片頭痛および/または注意欠陥過活動性障害の治療用薬物である、請求項33記載の方法。
【請求項46】
薬物がオピオイドである、請求項33記載の方法。
【請求項47】
オピオイドがミュー-アゴニストまたは混合ミュー-アゴニスト/アンタゴニストである、請求項46記載の方法。
【請求項48】
オピオイドがアルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルフィン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、シクラゾシン、デソモルフィン、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルフィン、エトニタゼン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レバロルファン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルフィン、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ノルモルフィン、ノルピパノン、オピウム、オキシコドン、オキシモルフォン、6-ヒドロキシオキシモルフォン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル、トラマドール、チリジン、その立体異性体、代謝体、塩、エーテル、エステルおよび誘導体からなる群から選択される、請求項46記載の方法。
【請求項49】
薬物で治療されている間にエタノールを摂取しそうな患者に改善された安全なエタノール耐性徐放性製剤の形態にて有効量の薬物を提供することを含む、従来の徐放性製剤と比較してエタノール存在下における薬物の安全性を改善する方法であって、改善された安全なエタノール耐性徐放性製剤が薬物および徐放性送達系(ここに、該送達系は少なくとも一つのヘテロ多糖類樹脂、一価金属カチオン,多価金属カチオンおよび塩から選択される少なくとも一つのカチオン性架橋化合物、および少なくとも一つの医薬的希釈剤を含む)を含み、改善された安全性が製剤のエタノール耐性徐放性特性の結果である、方法。
【請求項50】
患者が物質乱用歴を有する、請求項49記載の方法。
【請求項51】
物質乱用がアルコール乱用である、請求項50記載の方法。
【請求項52】
物質乱用が薬物乱用である、請求項50記載の方法。
【請求項53】
エタノール耐性徐放性製剤が固形投与製剤である、請求項49記載の方法。
【請求項54】
固形投与製剤が圧搾または粉末化された場合にその溶解プロファイルを保持する、請求項53記載の方法。
【請求項55】
固形投与製剤が流動体と接触して圧搾または粉末化された場合に粘膜接着性のあるゲルマトリックスを形成する、請求項53記載の方法。
【請求項56】
固形投与製剤が流動体と接触して圧搾または粉末化された場合に粘性溶液を形成する、請求項53記載の方法。
【請求項57】
固形投与製剤が錠剤である、請求項53記載の方法。
【請求項58】
徐放性送達系がさらに少なくとも一つの疎水性ポリマーを約5重量%未満の量にて含む、請求項49記載の方法。
【請求項59】
少なくとも一つのカチオン性架橋化合物がナトリウム塩である、請求項49記載の方法。
【請求項60】
薬物が抗鬱剤である、請求項49記載の方法。
【請求項61】
薬物が双極性障害、パニック障害、てんかん、片頭痛および/または注意欠陥過活動性障害の治療用薬物である、請求項49記載の方法。
【請求項62】
薬物がオピオイドである、請求項49記載の方法。
【請求項63】
オピオイドがミュー-アゴニストまたは混合ミュー-アゴニスト/アンタゴニストである、請求項62記載の方法。
【請求項64】
オピオイドがアルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルフィン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、シクラゾシン、デソモルフィン、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルフィン、エトニタゼン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レバロルファン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルフィン、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ノルモルフィン、ノルピパノン、オピウム、オキシコドン、オキシモルフォン、6-ヒドロキシオキシモルフォン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル、トラマドール、チリジン、その立体異性体、代謝体、塩、エーテル、エステルおよび誘導体からなる群から選択される、請求項62記載の方法。
【請求項65】
少なくとも一つの薬物および徐放性送達系(ここに、徐放性送達系は少なくとも一つのヘテロ多糖類樹脂、少なくとも一つのホモ多糖類樹脂および少なくとも一つの医薬的希釈剤を含む)を含む固形投与エタノール耐性徐放性製剤を製造する方法であって、少なくとも一つのヘテロ多糖類樹脂、少なくとも一つのホモ多糖類樹脂および少なくとも一つの医薬的希釈剤を混合して顆粒を形成させ;該顆粒を少なくとも一つの薬物またはその医薬的に許容される塩と混合して粒状組成物を形成させ;該粒状組成物を加圧して製剤を製造し;エタノール含有溶液中のエタノール耐性製剤の溶解プロファイルを記録する、方法。
【請求項66】
さらに徐放性製剤の少なくとも一部に外部コーティングを塗布することを含む、請求項65記載の方法。
【請求項67】
少なくとも一つの薬物がオピオイドである、請求項65記載の方法。
【請求項68】
オピオイドがミュー-アゴニストまたは混合ミュー-アゴニスト/アンタゴニストである、請求項67記載の方法。
【請求項69】
オピオイドがアルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルフィン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、シクラゾシン、デソモルフィン、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルフィン、エトニタゼン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レバロルファン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルフィン、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ノルモルフィン、ノルピパノン、オピウム、オキシコドン、オキシモルフォン、6-ヒドロキシオキシモルフォン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル、トラマドール、チリジン、その立体異性体、代謝体、塩、エーテル、エステルおよび誘導体からなる群から選択される、請求項67記載の方法。
【請求項70】
少なくとも一つの薬物および徐放性送達系(ここに、徐放性送達系は少なくとも一つのヘテロ多糖類樹脂、一価金属カチオン,多価金属カチオンおよび塩から選択される少なくとも一つのカチオン性架橋化合物、および少なくとも一つの医薬的希釈剤を含む)を含む固形投与エタノール耐性製剤を製造する方法であって、少なくとも一つのヘテロ多糖類樹脂、一価金属カチオン,多価金属カチオンおよび塩から選択される少なくとも一つのカチオン性架橋化合物、および少なくとも一つの医薬的希釈剤を混合して顆粒を形成させ;該顆粒を少なくとも一つの薬物またはその医薬的に許容される塩と混合して粒状組成物を形成させ;該粒状組成物を加圧して製剤を製造し;エタノール含有溶液中のエタノール耐性製剤の溶解プロファイルを記録する、方法。
【請求項71】
さらに徐放性製剤の少なくとも一部に外部コーティングを塗布することを含む、請求項70記載の方法。
【請求項72】
少なくとも一つの薬物がオピオイドである、請求項70記載の方法。
【請求項73】
オピオイドがミュー-アゴニストまたは混合ミュー-アゴニスト/アンタゴニストである、請求項72記載の方法。
【請求項74】
オピオイドがアルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルフィン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、シクラゾシン、デソモルフィン、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルフィン、エトニタゼン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レバロルファン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルフィン、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ノルモルフィン、ノルピパノン、オピウム、オキシコドン、オキシモルフォン、6-ヒドロキシオキシモルフォン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル、トラマドール、チリジン、その立体異性体、代謝体、塩、エーテル、エステルおよび誘導体からなる群から選択される、請求項72記載の方法。
【請求項75】
物質乱用歴を有する患者に有効量の薬物をエタノール耐性徐放性製剤の形態にて提供することを含む、患者を治療する方法であって、エタノール耐性徐放性製剤が少なくとも一つの薬物および徐放性送達系(ここに、送達系は少なくとも一つのヘテロ多糖類樹脂、少なくとも一つのホモ多糖類樹脂および少なくとも一つの医薬的希釈剤を含む)を含み、エタノールの存在下においてその徐放性溶解プロファイルを本質的に保持する、方法。
【請求項76】
物質乱用がアルコール乱用である、請求項75記載の方法。
【請求項77】
物質乱用が薬物乱用である、請求項75記載の方法。
【請求項78】
エタノール耐性製剤が固形投与製剤である、請求項75記載の方法。
【請求項79】
固形投与製剤が圧搾または粉末化された場合にその溶解プロファイルを保持する、請求項78記載の方法。
【請求項80】
固形投与製剤が流動体と接触して圧搾または粉末化された場合に粘膜接着性のあるゲルマトリックスを形成する、請求項78記載の方法。
【請求項81】
固形投与製剤が流動体と接触して圧搾または粉末化された場合に粘性溶液を形成する、請求項78記載の方法。
【請求項82】
固形投与製剤が錠剤である、請求項78記載の方法。
【請求項83】
送達系がさらに少なくとも一つの疎水性ポリマーを約5重量%未満の量にて含む、請求項75記載の方法。
【請求項84】
送達系がさらに一価カチオン、多価カチオンおよび塩から選択される、少なくとも一つのカチオン性架橋化合物を含む、請求項75記載の方法。
【請求項85】
薬物が抗鬱剤である、請求項75記載の方法。
【請求項86】
薬物が双極性障害、パニック障害、てんかん、片頭痛および/または注意欠陥過活動性障害の治療用薬物である、請求項75記載の方法。
【請求項87】
薬物がオピオイドである、請求項75記載の方法。
【請求項88】
オピオイドがミュー-アゴニストまたは混合ミュー-アゴニスト/アンタゴニストである、請求項87記載の方法。
【請求項89】
オピオイドがアルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルフィン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、シクラゾシン、デソモルフィン、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルフィン、エトニタゼン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レバロルファン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルフィン、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ノルモルフィン、ノルピパノン、オピウム、オキシコドン、オキシモルフォン、6-ヒドロキシオキシモルフォン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル、トラマドール、チリジン、その立体異性体、代謝体、塩、エーテル、エステルおよび誘導体からなる群から選択される、請求項87記載の方法。
【請求項90】
物質乱用歴を有する患者に有効量の薬物をエタノール耐性徐放性製剤の形態にて提供することを含む、患者を治療する方法であって、エタノール耐性徐放性製剤が少なくとも一つの薬物および徐放性送達系(ここに、送達系は少なくとも一つのヘテロ多糖類樹脂、一価金属カチオン,多価金属カチオンおよび塩から選択される少なくとも一つのカチオン性架橋化合物、および少なくとも一つの医薬的希釈剤を含む)を含み、エタノールの存在下においてその徐放性溶解プロファイルを本質的に保持する、方法。
【請求項91】
物質乱用がアルコール乱用である、請求項90記載の方法。
【請求項92】
物質乱用が薬物乱用である、請求項90記載の方法。
【請求項93】
エタノール耐性製剤が固形投与製剤である、請求項90記載の方法。
【請求項94】
固形投与製剤が圧搾または粉末化された場合にその溶解プロファイルを保持する、請求項93記載の方法。
【請求項95】
固形投与製剤が流動体と接触して圧搾または粉末化された場合に粘膜接着性のあるゲルマトリックスを形成する、請求項93記載の方法。
【請求項96】
固形投与製剤が流動体と接触して圧搾または粉末化された場合に粘性溶液を形成する、請求項93記載の方法。
【請求項97】
固形投与製剤が錠剤である、請求項93記載の方法。
【請求項98】
送達系がさらに少なくとも一つの疎水性ポリマーを約5重量%未満の量にて含む、請求項90記載の方法。
【請求項99】
送達系がさらに一価カチオン、多価カチオンおよび塩から選択される、少なくとも一つのカチオン性架橋化合物を含む、請求項90記載の方法。
【請求項100】
薬物が抗鬱剤である、請求項90記載の方法。
【請求項101】
薬物が双極性障害、パニック障害、てんかん、片頭痛および/または注意欠陥過活動性障害の治療用薬物である、請求項90記載の方法。
【請求項102】
薬物がオピオイドである、請求項90記載の方法。
【請求項103】
オピオイドがミュー-アゴニストまたは混合ミュー-アゴニスト/アンタゴニストである、請求項102記載の方法。
【請求項104】
オピオイドがアルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルフィン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、シクラゾシン、デソモルフィン、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルフィン、エトニタゼン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レバロルファン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルフィン、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ノルモルフィン、ノルピパノン、オピウム、オキシコドン、オキシモルフォン、6-ヒドロキシオキシモルフォン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル、トラマドール、チリジン、その立体異性体、代謝体、塩、エーテル、エステルおよび誘導体からなる群から選択される、請求項102記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−529046(P2009−529046A)
【公表日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558328(P2008−558328)
【出願日】平成19年3月5日(2007.3.5)
【国際出願番号】PCT/US2007/005560
【国際公開番号】WO2007/103293
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(508057885)ペンウエスト ファーマシューティカルズ カンパニー (2)
【氏名又は名称原語表記】PENWEST PHARMACEUTICALS CO.
【Fターム(参考)】