説明

エチルベンゼン及びキシレンを含む混合原料の転化触媒、及び、その方法

【課題】本発明は、エチルベンゼン及びキシレンを含む混合原料と触媒と接触させて、原料中のエチルベンゼンを主としてベンゼンに転化し、キシレンを異性化する際に、キシレンの損失が少なく、パラキシレンへの転化率が高く、且つ、低い反応温度で高いエチルベンゼン転化能が得られる、エチルベンゼン及びキシレンを含む混合原料の転化触媒、及び、その方法を提供することを課題とする。
【解決手段】ナトリウム型のMFI型ゼオライトとナトリウムイオンを含み、且つ、少なくとも一つのナトリウムイオン以外のカチオンを含有する薬液でイオン交換処理して得られる触媒を使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エチルベンゼン、及び、キシレンを含む混合原料の転化触媒、及び、その方法に関する。
【背景技術】
【0002】
キシレン異性体のうち、工業的に最も重要な物はパラキシレンである。パラキシレンは、現在ナイロンと並ぶ主要ポリマーであるポリエステルのモノマー、テレフタル酸の原料に使われており、近年その需要はアジアを中心として旺盛で、今後もその傾向は変わらないものと予測される。一方、パラキシレン以外のキシレン異性体であるオルソキシレン、メタキシレンは、需要がパラキシレンより著しく低いので、オルソキシレン、メタキシレンをパラキシレンに変換することは、工業的に重要なことである。
【0003】
パラキシレンの原料は、C8芳香族炭化水素混合物である。C8芳香族炭化水素混合物は、一般にキシレン異性体及びエチルベンゼンの他に炭素原子を9個以上含む高沸点成分を含んでいるため、初めに炭素原子を9個以上含む高沸点成分を蒸留により除去する。得られたC8芳香族炭化水素は、パラキシレン分離工程に供給され、パラキシレンを分離回収する。キシレン異性体及びエチルベンゼンは、沸点が互いに近く、蒸留分離によりパラキシレンを分離するのは困難であるため、C8芳香族炭化水素からパラキシレンを分離する方法は、深冷分離法、或いは吸着分離法が利用されている。
【0004】
深冷分離法の場合は、パラキシレンとその他のキシレン異性体及びエチルベンゼンが共晶混合物を生じるため、1パスあたりのパラキシレン回収率には限界があり、通常60%程度に止まる。深冷分離法の場合、供給する原料中のパラキシレン濃度が高いと、供給されるパラキシレンの量が増加すると共に、1パスあたりのパラキシレン回収率が向上でき、工程内を循環するC8芳香族炭化水素の量が低減できるので、パラキシレン生産性が向上すると同時に、用役使用量を低減できるので好ましい。
【0005】
吸着分離法の場合は、パラキシレンを1パスでほぼ100%回収可能である。すなわち、同一吸着分離設備でのパラキシレン生産能力は、供給する原料中のパラキシレン濃度にほぼ比例する。
【0006】
すなわち、深冷分離法、吸着分離法のいずれにおいても、パラキシレン製造コストを低減する上で、パラキシレン分離工程に供給する原料中のパラキシレン濃度を増加させることが重要である。
【0007】
パラキシレン分離工程で、パラキシレンを分離した残り、即ち、パラキシレンが乏しいC8芳香族炭化水素は、次にキシレン異性化工程に送られ、主にゼオライト触媒により熱力学的平衡組成に近い濃度までキシレンを異性化し、パラキシレン濃度を増加させ、蒸留分離によりC8芳香族炭化水素より沸点の低い副生物を除去した後、上記の新たなC8芳香族炭化水素混合物と混合されて高沸点成分を除去する蒸留塔にリサイクルされ、炭素原子を9個以上含む高沸点成分を蒸留除去後、パラキシレン分離工程で再度パラキシレンを分離回収する。この一連の循環系を以後「分離−異性化サイクル」と呼ぶ。
【0008】
キシレンの異性化反応は、可逆的に反応が進行するため、熱力学的平衡が存在する。パラキシレンの場合、熱力学的平衡濃度は約24%であり、反応で得られたパラキシレン以外の異性体、約76%はキシレン分離工程を経て、再度、キシレン異性化工程に循環される。すなわち、「分離−異性化サイクル」に供給されたキシレンは、パラキシレンに変換されるまでに「分離−異性化サイクル」を何度も循環することになる。その結果、キシレン異性化工程の供給原料は、パラキシレン生産量の3〜4倍となるため、わずかなキシレン損失の増加でも原料使用量を大きく悪化させる。一般的なパラキシレン製造プラントは、数十万tの生産能力を有するため、原料使用量の増加は、原料費の大幅な増加に繋がる。
【0009】
また、キシレン異性化工程でパラキシレンを熱力学的平衡組成に近づけられることができれば、前述の「分離−異性化サイクル」を循環する回数を減らすことが出来、且つ、パラキシレン分離工程に供給する原料中のパラキシレン濃度を増加することができるため、原料使用量を低減でき、且つ、パラキシレン生産性を向上できる。
【0010】
すなわち、キシレン異性化工程においては、パラキシレン製造コストを低減する上で、キシレンの損失を少なくでき、且つ、パラキシレンへの転化率が高く出来ることが重要である。
【0011】
「分離−異性化サイクル」に供給されるC8芳香族炭化水素混合物は、前記の通りエチルベンゼンを含んでいる。上記「分離−異性化サイクル」においては、このエチルベンゼンが除去されないため、循環系に蓄積してしまう。このエチルベンゼンの蓄積を防ぐために、何らかの方法でエチルベンゼンを除去すれば、その除去率に応じた量が「分離−異性化サイクル」を循環する。「分離−異性化サイクル」のエチルベンゼン循環量が少なくなれば、用役使用量が減るため、経済的なメリットが大きい。それに加えて、吸着分離法の場合、C8芳香族炭化水素の中でパラキシレンの分離を最も阻害する成分はエチルベンゼンであるため、吸着分離に供給する原料中のエチルベンゼン濃度を低減することは、パラキシレン分離工程の負荷も下げることが出来、且つ、吸着分離に供給する原料中のパラキシレン濃度を高くすることが出来るため、パラキシレン生産能力を向上できる。
【0012】
エチルベンゼンを除去する手段として、通常用いられるのは、キシレン異性化工程において使用される異性化触媒にエチルベンゼン転化能を付与して、異性化反応時にエチルベンゼンをキシレン或いはキシレンと容易に分離できる物質に変換する方法、即ちキシレン異性化工程でキシレンの異性化を行うと同時にエチルベンゼンを非芳香族炭化水素への変換を経て、キシレンに変換する改質法(例えば特許文献1)、及び、エチルベンゼンを水素化脱アルキルしてベンゼンとエタンに変換し、その後ベンゼンを蒸留分離する脱アルキル化法(例えば特許文献2)などを挙げることができる。
【0013】
改質法では、触媒に水素化/脱水素化能力を付与する必要があるため、きわめて高価な貴金属である白金を含有することが必須であり、触媒が高価になる。また、エチルベンゼンをキシレンに変換するには、ナフテン、パラフィンの如き非芳香族炭化水素を介在させることが反応メカニズム上必要であり、生成物中に非芳香族炭化水素が数%から10数%の濃度範囲で存在し、「分離−異性化サイクル」を循環する。結果として、非芳香族炭化水素が「分離−異性化サイクル」を循環する量に応じた用役使用量が増加し、且つ、パラキシレン分離工程の供給原料に含まれるパラキシレン濃度が低くなる。さらには、改質法でのエチルベンゼンの転化率は、熱力学的平衡によって律せられる為、20から50%程度にしかならず、「分離−異性化サイクル」を循環するエチルベンゼンの量も多く、用役使用量が多い。
【0014】
一方、脱アルキル化法では、触媒にエチルベンゼンから脱アルキルして生成するエチレンを水素化する水素化能力のみを付与すれば良いため、白金より安価な水素化活性金属を使用することができ、もしくは白金を使用する場合でも含有量を大幅に減らすことができるため、触媒が安価である。また、エチルベンゼンから脱アルキル化反応により生成するエチレンと水素の反応が非常に早いため、エチルベンゼンの脱アルキル化反応は、実質的に非平衡反応のごとく進行し、非常に高いエチルベンゼン転化率を得ることが可能である。
【0015】
懸かる状況から、最近は触媒が安価で、且つ、「分離−異性化サイクル」のエチルベンゼン循環量をより少なくでき、パラキシレン生産性の向上、及び、用役使用量の低減が可能な脱アルキル化法が主流となっている。
【0016】
脱アルキル化法では、前述の通りエチルベンゼンを脱アルキル化し、実質的に非平衡反応のごとく反応を進行させることが可能であるが、キシレン異性化工程の供給原料を反応温度まで昇温するための加熱器負荷、又は、反応器の設計温度がネックになるため、実質的にはエチルベンゼン転化率の上限が存在する。
【0017】
すなわち、脱アルキル化法においては、パラキシレン製造コストを低減する上で、低い反応温度で高いエチルベンゼン転化能が得られることも重要である。
【0018】
懸かる状況から、キシレン異性化工程においては、以下の3点を達成できることが、パラキシレン生産性の向上、原料使用量、用役使用量を低減するうえで、工業的に重要な課題である。
(1)キシレンの損失が少ないこと
(2)パラキシレンへの転化率を高く出来ること
(3)低い反応温度で高いエチルベンゼン転化能が得られること。
【0019】
これまで、上記課題を達成する方法として、結晶サイズを1ミクロンより大きいゼオライトを用いる試み(例えば、特許文献3)、オルソーキシレンの拡散速度を低下させる試み(例えば、特許文献4)、更には、シリカ/アルミナモル比が500以上と極めて高いゼオライトを用いる試み(例えば、特許文献5)が行われている。
【0020】
しかし、懸かる方法においても、キシレン損失は未だ高く、又、キシレン損失を抑えエチルベンゼン転化率を高めようとすれば、オルソ−キシレン、メタ−キシレンからパラ−キシレンへの異性化率は充分高くはないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特公昭49−46606号公報
【特許文献2】特開昭57−200319号公報
【特許文献3】特公昭62−56138号公報(第10〜11頁の実施例4〜6)
【特許文献4】特公平8−16074号公報(第5〜7頁の実施例)
【特許文献5】米国特許4,163,028号明細書(第14頁の実施例1、3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は、エチルベンゼン及びキシレンを含む混合原料を触媒と接触させて、原料中のエチルベンゼンを主としてベンゼンに転化し、キシレンを異性化する際に、キシレンの損失が少なく、パラキシレンへの転化率が高く、且つ、低い反応温度で高いエチルベンゼン転化能が得られる、エチルベンゼン及びキシレンを含む混合原料の転化触媒、及び、その方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明者らは、エチルベンゼン及びキシレンを含む混合原料を触媒と接触させて、原料中のエチルベンゼンを主としてベンゼンに転化し、キシレンを異性化する際に使用する触媒を詳細に調査した結果、ナトリウム型のMFI型ゼオライトとナトリウムイオンを含み、且つ、少なくとも一つのナトリウムイオン以外のカチオンを含有する薬液でイオン交換処理して得られる触媒を使用した場合、特異的に、キシレンの損失が少なく、パラキシレンへの転化率が高く、且つ、低い反応温度で高いエチルベンゼン転化能が得られることを見出し、本発明に到達した。
【0024】
すなわち、本発明は下記の構成からなる。
【0025】
エチルベンゼン及びキシレンを含む混合原料と接触させて、原料中のエチルベンゼンを主としてベンゼンに転化し、キシレンを異性化する触媒で、ナトリウム型のMFI型ゼオライトとナトリウムイオンを含み、且つ、少なくとも一つのナトリウムイオン以外のカチオンを含有する薬液でイオン交換処理して得られることを特徴とする触媒。
【0026】
及び、エチルベンゼン及びキシレンを含む混合原料を触媒と接触させて、原料中のエチルベンゼンを主としてベンゼンに転化し、キシレンを異性化する際に、ナトリウム型のMFI型ゼオライトとナトリウムイオンを含み、且つ、少なくとも一つのナトリウムイオン以外のカチオンを含有する薬液でイオン交換処理して得られる触媒を使用することを特徴とするエチルベンゼン及びキシレンを含む混合原料を転化する方法。
【発明の効果】
【0027】
エチルベンゼン及びキシレンを含む混合原料を、触媒と接触させて原料中のエチルベンゼンを主としてベンゼンに転化し、キシレンを異性化する際に、キシレンの損失が少なく、パラキシレンへの転化率が高く、且つ、低い反応温度で高いエチルベンゼン転化能が得られることで、パラキシレンの生産性を向上し、用役使用量、原料使用量の低減が出来る。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、エチルベンゼン及びキシレンを含む混合原料を触媒と接触させて、原料中のエチルベンゼンを「主としてベンゼンに転化」し、キシレンを異性化する際に、ナトリウム型のMFI型ゼオライトとナトリウムイオンを含み、且つ、少なくとも一つのナトリウムイオン以外のカチオンを含有する薬液でイオン交換処理して得られる触媒を使用することで、キシレンの損失が少なく、パラキシレンへの転化率が高く、且つ、低い反応温度で高いエチルベンゼン転化能が得られることを特徴とするものである。
【0029】
本発明に使用される混合原料は、エチルベンゼン及びキシレンを含む混合原料である。本発明は、混合原料に含まれるエチルベンゼン、キシレンの量に関わらず、好ましい効果が得られる。また、混合原料に含まれるキシレン異性体の割合は特に規定されない。
【0030】
本発明は、混合原料中のエチルベンゼンを主としてベンゼンに転化する反応に適用される。「主としてベンゼンに転化する」とは、転化したエチルベンゼンの物質量に対する、生成したベンゼンの物質量の割合(以下ベンゼン選択率)が80モル%以上である状態を指す。
【0031】
また、本発明は、エチルベンゼンを主としてベンゼンに転化すると同時に、キシレンを異性化する反応に適用される。キシレンを異性化する反応は、いずれの異性体の濃度を増加させる反応においても適用できるが、好ましくは混合原料に含まれるキシレン中のパラキシレン濃度を増やす反応である。
【0032】
本発明のエチルベンゼン及びキシレンを含む混合原料を転化する方法では、反応圧力を高くすると不均化、トランスアルキル化反応、芳香族炭化水素の水添反応が優先して起こるようになり、キシレン損失が増加する。一方、反応圧力を低くすると、エチルベンゼンを主としてベンゼンに転化した際に副生するエチレンを水添してエタンに変換する反応が起こりにくくなるため反応温度が上昇し、また、エチレンが触媒表面を覆うため、触媒性能の劣化が起こる。好ましい反応圧力としては、0.6MPa−G以上、5.0MPa−G以下、より好ましくは0.8MPa−G以上、3.0MPa−G以下であり、0.8MPa−G以上、1.3MPa−G以下とした時、最も好ましい効果が得られる。
【0033】
本発明のエチルベンゼン転化反応は、通常水素存在下で行うのが好ましい。触媒の劣化抑制の観点から水素の添加量は多い程良いが、経済性の観点からは水素の添加量が少ない方が好ましい。例えば、水素の混合原料に対するモル比率は(以下H/HCと記す)は、通常2mol/molから10mol/molで反応を行う。好ましいH/HCの範囲は、2mol/molから5mol/molであり、より好ましくは3mol/molから4mol/molである。
【0034】
本発明のエチルベンゼン転化反応温度は、通常200℃から550℃、好ましくは、250℃から500℃である。反応の接触時間を表す重量時間空間速度(WHSV)は通常0.1kg/hr・kg−catから50kg/hr・kg−cat、好ましくは0.5kg/hr・kg−catから20kg/hr・kg−catである。反応温度と重量時間空間速度は、目標のエチルベンゼン転化率を設定した場合、いずれか一方を決めると、他方の条件が決定する。上記範囲内であれば、反応温度、重量時間空間速度は、自由に選択することが可能である。
【0035】
本発明のエチルベンゼン及びキシレンを含む混合原料の転化反応の反応方式は、固定床、移動床、流動床何れの方法も用いられるが、操作の容易さから固定床反応方式が好ましい。
【0036】
本発明に使用されるゼオライトは、ナトリウム型のMFI型ゼオライトである。MFI型ゼオライトは、例えば、特公昭60−35284号公報第4−5頁の実施例1、特公昭46−10064号公報第7頁の例1の方法で合成することが出来る。ナトリウム型のMFI型ゼオライトとは、ゼオライト合成時にナトリウムを含むアルカリ源を加えて合成したMFI型ゼオライトを指す。ナトリウムの量は特に指定されないが、アルカリ源のカチオンとして8割以上がナトリウムイオンであることが好ましく、より好ましくは、9割以上をナトリウムイオンとすることである。
【0037】
又、同じゼオライト構造であっても、その組成、特に、シリカ/アルミナモル比(以下SiO/Alモル比と記す)、或いは、ゼオライト結晶子の大きさ等によってもその触媒性能は変化する。
【0038】
ゼオライトを構成するSiO/Alモル比の好ましい範囲は、20から60、より好ましくは25から55である。SiO/Alモル比は、ゼオライト合成時の原料組成比を制御することによって達成できる。更には、ゼオライト構造を構成するアルミニウムを塩酸等の酸水溶液、或いは、アルミニウムキレート剤、例えば、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)等で除去することにより、ゼオライトのSiO/Alモル比を増加させることが出来る。又、逆に、アルミニウムイオンを含む水溶液、例えば、硝酸アルミニウム水溶液、アルミン酸ソーダ水溶液等で処理することによりゼオライト構造の中にアルミニウムを導入しゼオライトのSiO/Alモル比を減少させ好ましいSiO/Alモル比にすることも可能である。SiO/Alモル比は、原子吸光法、蛍光X線回折法、ICP(誘導結合プラズマ)発光分光分析法等で容易に知ることが出来るが、本発明ではICP発光分光分析法を用いる。
【0039】
合成ゼオライトは、一般に粉末であるので、使用にあたっては、成型することが好ましい。成型法には、圧縮成型法、転動法、押出法等が例として挙げられるが、より好ましくは、押出法である。押出法では、合成ゼオライト粉末にアルミナゾル、アルミナゲル、ベントナイト、カオリン等のバインダー及び必要に応じて、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、スパン、ツインなどの界面活性剤が成型助剤として添加され、混練りされる。必要によっては、ニーダーなどの機械が使用される。
【0040】
本発明に使用される触媒は、触媒に添加する金属の担持量を増加、分散性を向上させるため、ゼオライト成型時にアルミナ、チタニア等の無機酸化物を加えるのが好ましい。無機酸化物の中でも特にアルミナが好ましい。アルミナとしては、ベーマイト、ベーマイトゲル、ジプサイト、バイアライト、ノルストランダイト、ジアスポア、無定型アルミナゲル等が知られており、いずれも好ましく使用できる。最も好ましいアルミナはベーマイトである。
【0041】
一般的に、本発明で使用されるような固体触媒を使用する反応では、反応原料は反応しつつ触媒粒子内を拡散するため、触媒粒子内に反応物、及び、生成物の濃度分布が形成される。粒子の内部は、反応物の濃度が低く、生成物の濃度が高くなるため、拡散の影響が無いときに比べて反応速度が遅くなる。触媒粒子内でこれらの濃度分布が大きいと、粒子内での拡散が律速となるため、粒子内の細孔構造が見た目の反応速度に大きく影響する。本発明のエチルベンゼン及びキシレンを含む混合原料の転化方法では、エチルベンゼンを主としてベンゼンに転化する反応、及び、キシレンを異性化する反応が拡散の影響を受ける。一般に、粒子内の拡散は、触媒の粒径が小さく、粒子内の細孔径が大きく、細孔の容積が大きい方が、拡散の影響を小さくすることが出来る。
【0042】
本発明に使用される触媒は、触媒粒子内の拡散を改善するため、触媒を成型する際に可燃性の粒子を加え、焼成工程で燃焼して除去し、粒子内の細孔容積を増やすのが好ましい。可燃性の粒子は燃焼する際に発熱するが、ゼオライトは、高温で水蒸気にさらされると、骨格構造が破壊される懸念がある。故に、触媒を成型する際に添加する可燃性の粒子は、燃焼する際に水を発生させないものが好ましい。このような観点から、可燃性の粒子は、炭素を主成分とする粒子が好ましい。好ましい可燃性の粒子としては、活性炭などが挙げられる。
【0043】
混練りされた混練り物は、スクリーンから押し出される。工業的には、例えば、エクストリューダーと呼ばれる押出機が使用される。スクリーンから押し出された混練り物はヌードル状物となる。使用するスクリーン径により成型体の大きさが決定される。スクリーン径としては、好ましくは0.2mmφから2mmφが用いられる。スクリーンから押し出されたヌードル状成型体は、角を丸めるために、マルメライザーにより処理されるのが好ましい。このようにして成型された成型体は、50℃から250℃で乾燥される。乾燥後、成型強度を向上させる為、250℃から600℃、好ましくは350℃から600℃で焼成される。
【0044】
このようにして調製された成型体は、固体酸性を付与するためのイオン交換処理が行われる。ゼオライトは粉末のままイオン交換処理を行うと、薬液の固液分離が困難なため、通常、イオン交換処理は、前述の成形体とした後処理する。
【0045】
一般的に、固体酸性を付与する方法としては、アンモニウムイオンを含む化合物(例えば、NHCl、NHNO、(NHSO等)でイオン交換処理し、ゼオライトのイオン交換サイトにNHイオンを導入し、しかる後、乾燥、焼成により、水素イオンに変換する方法、或いは、直接、酸を含む化合物(例えば、HCl、HNO、HPO等)で、ゼオライトのイオン交換サイトに水素イオンを導入する方法もあるが、後者は、ゼオライト構造を破壊する恐れがあるので、好ましくは前者、即ち、アンモニウムイオンを含む化合物でイオン交換処理を行うことが好ましい。また、2価、3価金属イオンをゼオライトイオン交換サイトに導入することによってもゼオライトに固体酸性を付与することが出来る。2価金属イオンとしては、アルカリ土類金属イオンであるMg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+を例として挙げることが出来る。3価金属イオンとしては、希土類金属イオンであるCe3+、La3+等を例として挙げることが出来る。2価及び/又は3価金属イオンを導入する方法とアンモニウムイオン或いは直接水素イオンを導入する方法と組み合わせて用いることもできるし、より好ましい時もある。
【0046】
また、一般的に、イオン交換している1価の金属イオンについても、イオンの電気陰性度、イオン半径の違いなどにより、固体酸性の強度やゼオライトの細孔径に影響を与える。
【0047】
即ち、ゼオライトを触媒として用いる場合、交換しているカチオンの種類、及び、量が、触媒としての活性、副反応の抑制などに大きく影響する。
【0048】
本発明で使用する触媒は、ナトリウム型のMFI型ゼオライトと、ナトリウムイオンを含み、且つ、少なくとも一つのナトリウムイオン以外のカチオンを含有する薬液でイオン交換処理して得られる。ナトリウムイオンと組み合わされるカチオンとしては、アンモニウムイオン、2価、3価金属イオンなどを例として挙げることが出来る。好ましい例としては、アンモニウムイオン、及びアルカリ土類金属イオンであり、さらに好ましいのは、アンモニウムイオン、及び、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+である。最も好ましいのは、ナトリウムイオン、アンモニウムイオンを含む薬液で処理する場合である。実質的に、ナトリウムイオン、及び、アンモニウムイオンのみを含む薬液で処理する場合、特別に顕著な効果が得られる。
【0049】
エチルベンゼン及びキシレンを含む混合原料に含まれるエチルベンゼンを主としてベンゼンに転化し、キシレンを異性化する際、ナトリウムイオンを含み、且つ、少なくとも一つのナトリウムイオン以外のカチオンを含有する薬液でイオン交換処理することで、キシレンの損失が少なく、パラキシレンへの転化率が高く、且つ、低い反応温度で高いエチルベンゼン転化能が得られるのは、ナトリウムイオンを含む薬液でイオン交換処理することで、ナトリウム以外のカチオンがMFI型ゼオライトに含まれるナトリウムイオンと過度に交換するのを抑制する効果があるためと考えられる。カチオン交換サイトにナトリウムを多く含むMFI型ゼオライトが、エチルベンゼン及びキシレンを含む混合原料を転化する際に、キシレンの損失を少なく、パラキシレンへの転化率が高く、且つ、低い反応温度で高いエチルベンゼン転化能が得られる理由は不明であるが、ナトリウムイオンが交換されやすいイオン交換サイトの位置、交換カチオンのイオン半径などにより、固体酸点の量、酸強度、及び、ゼオライトが持つミクロ細孔の径などが影響を受けるためと推測される。
【0050】
ゼオライトのイオン交換は、使用するカチオンの種類、及び、濃度により、各々平衡が存在する。ナトリウム型のMFI型ゼオライトをナトリウム以外のカチオンのみを含む薬液でイオン交換する際、この平衡が存在するため、所望のイオン交換量に制御するには、相応の希薄な薬液とするか、イオン交換条件を厳密に制御して交換量を調節する必要がある。しかしながら希薄な薬液で処理する方法では、イオン交換が平衡に達成するまでの時間が長くなる傾向があるし、イオン交換条件を厳密に制御するにも限界があり、また、カチオン組成が安定しないなどの問題がある。さらに、ナトリウム型のMFI型ゼオライトは、ゼオライト合成後にアルカリ源を蒸留水、若しくは、イオン交換水などで洗浄除去するが、完全には除去しきれないため、希薄な薬液でイオン交換処理を行うと、洗浄しきれないカチオンの影響により、イオン交換後のカチオン組成が安定しないと言う問題がある。
【0051】
本発明で使用されるナトリウムイオンを含む薬液に含まれるナトリウムイオンの濃度は特に規定されないが、好ましくは、ナトリウムイオンの濃度が0.1mol/L以上であり、より好ましくは0.2mol/L以上である。
【0052】
触媒重量に対する薬液の体積の比率は、特に規定されない。好ましくは1.0ml/g以上であり、より好ましくは2.0ml/g以上である。
【0053】
イオン交換処理は通常水溶液で、バッチ法或いは流通法で行われる。処理温度は、室温から100℃で行われるのが通常である。
【0054】
このようにしてイオン交換処理された後、水素化活性金属を担持させる。水素化活性金属の役割は、原料中のエチルベンゼンから脱アルキル化されたエチル基や、分解した非芳香族炭化水素に対し、水素存在下で迅速に水素を供給させて、これら脱アルキル化、分解反応を促進させ、更には触媒を被毒させるオリゴマーの生成を抑える機能がある。水素化活性金属担持量が多くなると芳香族炭化水素が核水添され好ましくない。また水素化活性金属担持量が少なすぎると、脱エチル化反応の際の水素化能が不十分となるため触媒活性低下を招く。
【0055】
本発明のエチルベンゼン転化反応は、副生するエチレンをエタンに水添するため、水素化活性金属を添加するのが好ましい。通常用いられる水素化活性金属としては、レニウム、白金、パラジウムであり、より好ましいのはレニウムを担持した触媒である。好ましいレニウムの担持量は、500℃で20分間焼成した絶対乾燥重量に対して、0.05重量%から2重量%であり、より好ましくは0.1重量%から1重量%である。
【0056】
水素化活性金属の担持は、一般に水溶液に触媒を浸漬する方法を使用する。レニウムを担持する場合、使用する水溶液は、例えば過レニウム酸水溶液、過レニウムアンモニウム水溶液等が利用される。
【0057】
このようにして調製された触媒は、50℃から250℃で30分以上乾燥され、使用に先立って、350℃から600℃で30分以上焼成される。
【0058】
本発明の触媒としては、水素化活性成分担持後、硫化処理することが好ましく行われる。通常は、硫化水素気流中、室温から500℃、好ましくは100から450℃で行われる。硫化処理により、アルキル芳香族炭化水素の分解活性を抑えることが出来る。
【0059】
以下、実施例をもって説明する。
【0060】
実施例で用いるエチルベンゼン転化率、キシレン損失、パラキシレン転化率、ベンゼン選択率は、それぞれ以下の式で算出した。
【0061】
【数1】

【実施例】
【0062】
(ナトリウム型のMFI型ゼオライトの合成)
苛性ソーダ水溶液(NaOH含量48.6重量%、HO含量51.4重量%、三若純薬研究所)40.9グラム、酒石酸(酒石酸含量99.7重量%、HO含量0.3重量%、株式会社カーク)15.7グラムを水529グラムに希釈、溶解した。この溶液にアルミン酸ソーダ溶液(Al含量18.9重量%、NaOH25.4重量%、HO55.7重量%、ダイソー株式会社)12.83グラムを加え、均一な溶液とした。この溶液に含水ケイ酸(SiO含量90.4重量%、NaOH含量0.22重量%、Al含量0.26重量%、HO含量9.12重量%、ニップシールVN−3、日本シリカ株式会社)95.2グラムを攪拌しながら徐々に加え、均一なスラリー性水性反応混合物を調製した。この反応混合物の組成比(モル比)は次のとおりであった。
SiO/Al:55
OH−/SiO:0.26
A/Al:4.0 (A:酒石酸塩)
O/SiO:22
【0063】
反応混合物は、1000ml容のオートクレーブに入れ密閉し、その後800rpmで攪拌しながら160℃で72時間反応させた。反応終了後、蒸留水で5回水洗、濾過を繰り返し、約120℃で一晩乾燥し、ナトリウム型のMFI型ゼオライトを得た。
【0064】
このゼオライトをFE−SEM観察した結果、平均的結晶子の大きさは長軸1.8ミクロン、短軸1.3ミクロンであった。
【0065】
このゼオライトのSiO/Alモル比は、蛍光X線回折分析の結果、43であった。
【0066】
(触媒Aの製造)
上記のようにして合成されたナトリウム型のMFI型ゼオライトを絶対乾燥基準(500℃、20分間焼成した時の灼熱減量から計算)で11グラム、ベーマイト構造を有する含水アルミナ(住友化学工業株式会社製)を絶対乾燥基準で29グラム、アルミナゾル(Al含量10重量%、日産化学工業株式会社製)を60グラム、活性炭(フタムラ化学株式会社製 太閤活性炭)を乾燥重量で4グラム加え、充分混合した。その後、120℃の乾燥器に入れ、粘土状の水分になるまで、乾燥した。その混練り物を1.6mmφの穴を有するスクリーンを通して押出した。押出し成型物を、120℃で一晩乾燥し、次いで、350℃から徐々に550℃に昇温し、550℃で2時間焼成した。焼成した成型体20グラムを取り、蒸留水60グラムに塩化アンモニウム(シグマアルドリッチ株式会社)2.2グラム、塩化ナトリウム(関東化学株式会社)0.8グラムを溶解した水溶液に入れ、80℃で1時間、時々攪拌しながら処理した。触媒重量に対する薬液の体積の比率は、3.0ml/g、ナトリウムイオンの濃度は0.33mol/Lであった。処理後、水溶液を除去し、蒸留水で5回水洗、濾過を繰り返した。Reとして80ミリグラム含む過レニウム酸水溶液(希産金属株式会社)30ml中に室温で浸し、2時間放置した。30分毎に攪拌した。その後、液を切り、120℃で一晩乾燥した。乾燥後、硫化水素気流中で280℃、2時間、17mmolの硫化水素で処理した。その後、空気中で、540℃、2時間焼成した。この触媒を以下”触媒A”と略する。
【0067】
(触媒Bの製造)
塩化ナトリウムの代わりに、塩化カルシウム・2水和物(林純薬工業株式会社)1.0グラム使用した以外、触媒Aと同様に触媒Bを製造した。
【0068】
(触媒Cの製造)
塩化ナトリウムを加えなかった以外、触媒Aと同様に触媒Cを製造した。
【0069】
実施例1
上記触媒Aを反応管に充填して反応テストを行った。使用した混合原料の組成は、エチルベンゼン:8.4重量%、パラキシレン:0.7重量%、メタキシレン:66.9重量%、オルソキシレン:23.5重量%、その他:0.5重量%である。反応圧力:0.65MPa−G、H/HC:3.0mol/mol、WHSV:7.5 kg/hr・kg−catでテストした結果、反応温度は370℃でエチルベンゼン転化率65重量%が得られ、キシレン損失:1.3重量%、パラキシレン転化率:23.5重量%を得た。ベンゼン選択率は98モル%であった。尚、混合原料及び反応生成物の組成分析は水素炎検出器付きガスクロマトグラフィー3台を用いた。分離カラムは次の通りである。
【0070】
(1)ガス成分(ガス中のメタンからn−ブタンまでの成分):
充填剤:“ユニパックS”(“Unipak S”)100〜150メッシュ、
カラム:ステンレス製 長さ4m 内径3mmφ
:0.165 MPa−G
温度:80℃
【0071】
(2)液成分中の成分(キシレン異性体組成は、(3)のGCで分析した):
DB−1 シリカキャピラリィー; 長さ60m 内径0.32mmφ、膜厚1.0μm
He:0.20 MPa−G
温度:40℃で10分保持した後、2℃/分の昇温速度で150℃まで昇温、引き続き、5℃/分の昇温速度で250℃まで昇温し、250℃で30分保持した。
【0072】
(3)液成分中のキシレン異性体組成:
TC−FFAP シリカキャピラリィー; 長さ60m 内径0.25mmφ、膜厚0.50μm
He:0.225 MPa−G
温度:68℃から2℃/分の昇温速度で180℃まで実施した。
【0073】
比較例1
使用する触媒を触媒Bとした以外は、実施例1と同様に反応させた結果、反応温度を382℃まで上げないとエチルベンゼン転化率65重量%が得られず、キシレン損失:1.2重量%と同等であるにも関わらず、パラキシレン転化率:22.9重量%と大幅に悪化した。ベンゼン選択率は96モル%であった。
【0074】
実施例1、比較例1は、ナトリウム型のMFI型ゼオライトをナトリウムイオンとアンモニウムイオンを含む薬液で処理した触媒と、ナトリウム型のMFI型ゼオライトをナトリウムイオンの代わりにカルシウムイオンを含む薬液で処理した触媒を使用した以外は、同じ条件で反応させた結果である。これらの結果から、ナトリウムイオンを含む薬液で処理することで、パラキシレンへの転化率が高く、且つ、低い反応温度で高いエチルベンゼン転化能が得られることが判る。
【0075】
パラキシレンの転化率が高く、低い反応温度で高いエチルベンゼン転化率が得られるということは、パラキシレン分離工程に供給する原料中のパラキシレン濃度が高くなるため、パラキシレンの生産性を改善でき、且つ、分離−異性化サイクルを循環するエチルベンゼンの量を減らせるため、用役使用量を減らすことができる。また、パラキシレンの転化率を高くできると、原料となるC8芳香族炭化水素混合物に含まれるキシレンが、分離−異性化サイクルを循環する回数が減るため、分離−異性化サイクル全体でのキシレン損失を低減できる。
【0076】
比較例2
使用する触媒を触媒Cとした以外は、実施例1と同様に反応させた結果、反応温度:367℃でエチルベンゼン転化率65重量%が得られたが、キシレン損失:1.5重量%、パラキシレン転化率:23.4重量%となった。ベンゼン選択率は97モル%であった。
【0077】
実施例1、比較例2は、ナトリウム型のMFI型ゼオライトをナトリウムイオンとアンモニウムイオンを含む薬液で処理した触媒とナトリウム型のMFI型ゼオライトをアンモニウムイオンのみを含む薬液、即ち、ナトリウムイオンを含まない薬液で処理した触媒を使用した以外は、同じ条件で反応させた結果である。これらの結果から、アンモニウムイオンを含む薬液に、ナトリウムイオンを加えて処理することで、キシレンの損失を約20重量%低くできることが判る。即ち、ナトリウムイオンを加えない薬液で処理すると、本発明の効果を得ることが出来ないことが判る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチルベンゼン及びキシレンを含む混合原料と接触させて、原料中のエチルベンゼンを主としてベンゼンに転化し、キシレンを異性化する触媒で、ナトリウム型のMFI型ゼオライトとナトリウムイオンを含み、且つ、少なくとも一つのナトリウムイオン以外のカチオンを含有する薬液でイオン交換処理して得られることを特徴とする触媒。
【請求項2】
少なくとも一つのナトリウムイオン以外のカチオンが、アンモニウムイオンを含むことを特徴とする、請求項1記載の触媒。
【請求項3】
少なくとも一つのナトリウムイオン以外のカチオンが、アンモニウムイオンのみからなることを特徴とする、請求項2記載の触媒。
【請求項4】
エチルベンゼン及びキシレンを含む混合原料を触媒と接触させて、原料中のエチルベンゼンを主としてベンゼンに転化し、キシレンを異性化する際に、ナトリウム型のMFI型ゼオライトとナトリウムイオンを含み、且つ、少なくとも一つのナトリウムイオン以外のカチオンを含有する薬液でイオン交換処理して得られる触媒を使用することを特徴とするエチルベンゼン及びキシレンを含む混合原料を転化する方法。
【請求項5】
少なくとも一つのナトリウムイオン以外のカチオンが、アンモニウムイオンを含むことを特徴とする、請求項4記載のエチルベンゼン及びキシレンを含む混合原料を転化する方法。

【公開番号】特開2012−139618(P2012−139618A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292448(P2010−292448)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】