説明

エチレフリン経皮吸収製剤

【課題】エチレフリンの経皮吸収性及び皮内拡散性に優れ、投与部位への適用から効果発現までのラグタイムが短いエチレフリン経皮吸収製剤を提供する。
【解決手段】エチレフリン及び脂肪酸を含有する経皮吸収製剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エチレフリンの経皮吸収性及び皮内拡散性に優れたエチレフリン経皮吸収製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
エチレフリン及びその塩類は、αアドレナリン受容体刺激作用に基づく血管収縮作用とβアドレナリン受容体刺激作用に基づく心拍出量増加作用を有することが知られている。そのため、日本国内ではエチレフリン塩酸塩として、本態性低血圧や起立性低血圧の慢性的な治療のため経口投与用の錠剤が、あるいは各種疾患・状態に伴う急性低血圧又はショック時の補助治療などのため皮下、筋肉および静脈内投与用の注射剤が広く用いられている。
【0003】
一方、経口投与や注射に代わる投与経路として経皮吸収製剤は、肝臓における薬物の初回通過効果が回避でき、また、経口投与や注射による投与に比べて薬物の吸収速度が緩やかなため、一過性の急激な薬物の血漿中濃度上昇が起こりにくく、これに伴う副作用や毒性を回避できることが知られている。特にプラスチックフィルム等の支持体の一面に薬物を含有する粘着剤層を設けた貼付剤は、薬物を持続的に供給でき血漿中濃度を長時間一定に維持できるため、1日1回ないし数日に1回製剤などとして投薬回数を減らすことができ、また、嚥下服用を苦手とする高齢者や小児の患者でも投薬が容易でかつ服用状態の確認や服薬の中止も容易なことから、服薬コンプライアンスの向上が期待できる。さらには、注射のような苦痛も伴わないため、患者の生活の質(Quality of life)を向上できると期待されている。
【0004】
エチレフリンについても、経口投与の場合、主に肝臓で代謝を受けるため、初回通過効果の回避によってバイオアベイラビリティーに改善の余地があると考えられることや、消失半減期が約2.5時間と短く、1日3回の錠剤として提供されていることなどから、エチレフリンの経皮吸収製剤、特に貼付剤を開発することは、患者の服薬コンプライアンスやQOLの向上から望ましいと考えられる。
【0005】
しかしながら、皮膚は本来外界からの異物の進入や体内からの水分の蒸発を防ぐバリアー機能として働いているため、多くの化合物の透過性は非常に小さい。従って、経皮吸収製剤化においては薬物の皮膚透過性(経皮吸収性)の向上が最も大きな技術課題である。
【0006】
薬物の経皮吸収過程は、(1)製剤から皮膚への薬物の分配(皮膚移行性)と、(2)皮膚内からの拡散による全身循環への移行(皮内拡散性)から構成されると考えられる。この皮膚移行性及び皮内拡散性は、広く利用されているin vitro皮膚透過試験で求められる皮膚透過速度と皮膚透過ラグタイムから算出される分配係数及び拡散係数と関連がある。皮膚透過速度は分配係数、拡散係数、製剤中薬物濃度ならびに皮膚の厚みにより決定される。一方、皮膚透過ラグタイムは、拡散係数と皮膚の厚みにより決定される。従来、経皮吸収製剤の研究においては、薬物の経皮吸収性を向上させることを目的として特に皮膚透過速度が重視され、皮膚透過ラグタイム、即ち皮内拡散性についてはあまり検討されていない。
【0007】
ところで、本態性低血圧症及び起立性低血圧症による不定愁訴は起床時から午前に集中することがよく知られている。しかし、経皮吸収製剤は緩徐な薬物吸収を示すという特性から、経口投与製剤に比べ薬物を有効血漿中濃度域に到達させるのに時間がかかり、薬効発現が遅い。そのため、エチレフリンを経皮吸収製剤とした場合、起床時に貼付すると低血圧に起因する不定愁訴の発現に対し、薬効発現が間に合わない可能性がある。
【0008】
これに対し、例えば特許文献1に、同効薬であるミドドリン塩酸塩の経皮吸収製剤を就寝時に投与し、経皮吸収によるラグタイムを利用して、翌朝の起床時間帯に薬物の血漿中濃度を有効域まで到達させるというアイデアが提案されている。しかし、エチレフリンのような交感神経活性化作用を有する薬物を副交感神経が優位な状態にある就寝中に投与することは患者の睡眠の質の低下につながる懸念があり、好ましくない。よって、エチレフリンの経皮吸収製剤としては、起床時に貼付した後、速やかに有効血漿中濃度域まで到達し、その後、活動時間帯に有効血漿中濃度を維持でき、就寝前に経皮吸収製剤を剥離、除去するか、製剤中の薬物量が低下し経皮吸収が起こらなくなることにより、速やかに血漿中濃度が低下することが望ましい。従って、エチレフリン経皮吸収製剤としてはエチレフリンの経皮吸収性に優れるだけでなく、製剤から皮膚へと移行した薬物が皮内に滞留せず、速やかに全身循環へと移行するよう、皮内拡散性にも優れることが求められる。また、皮内拡散性に優れた経皮吸収製剤は、適用部位から製剤を除去することにより、速やかに薬物の血漿中濃度が低下することが期待できるので、副作用が生じた場合の投薬中止の効果が現れやすく、使用安全性の観点からも望ましい。
【0009】
これまでエチレフリン経皮吸収製剤については実用化されておらず、また詳細な検討もあまりなされていない。特許文献2には、眼科用薬物とフェニレフリン、エチレフリンなどの血管収縮剤を含む眼科用経皮吸収製剤が開示され、フェニレフリン塩酸塩を含む実施例が示されている。しかし、この特許文献2において、フェニレフリン塩酸塩は眼科用薬物の局所滞留性を向上させるための添加剤として加えられたものであり、フェニレフリン自体の経皮吸収性については全く検討されておらず、皮内拡散性や皮膚透過ラグタイムについては記載も示唆もされていない。
【0010】
一方、脂肪酸に経皮吸収促進作用があることは広く知られている。非特許文献1、2にはプロプラノロールフリー体と脂肪酸を溶解した溶液又はゲル製剤において、イオン対形成による脂溶性向上により、プロプラノロールフリー体の皮膚透過性が向上することが示されている。しかしながら、イオン対形成による脂溶性向上はプロプラノロールフリー体の皮膚への分配係数を高めるが、拡散係数には影響せず、透過ラグタイムもほとんど短縮しないことが示されている。
また、特許文献3には塩基性化合物であるアゼラスチンフリー体と脂肪酸の組み合わせ経皮吸収製剤を作製すると、薬物の経皮吸収性と保存安定性が向上することが開示されている。しかし、エチレフリンのような両性化合物への効果については検討されておらず、また、皮膚拡散性や皮膚透過ラグタイムへの影響については記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2001−131062号公報
【特許文献2】特表2010−502564号公報
【特許文献3】特開2009−242303号公報
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】ジャーナル・オブ・ファーマシューティカル・サイエンシズ(Journal of Pharmaceutical Sciences)、米国、ウィリー−リス・インク(Wiley−Liss Inc.)、1990年、79巻、12号、p.1065−1071
【非特許文献2】薬物動態、日本薬物動態学会、1995年、10巻、supplement、p.s60−s63
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明はこのような実情に鑑みなされたものであり、エチレフリンの経皮吸収性及び皮内拡散性に優れ、投与部位への適用から効果発現までのラグタイムが短いエチレフリン経皮吸収製剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは鋭意検討した結果、エチレフリンと脂肪酸とを含有せしめることで、エチレフリンの皮膚透過速度が向上するのみならず、皮膚透過ラグタイムが著しく短縮することを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0015】
すなわち本発明は、エチレフリン及び脂肪酸を含有する経皮吸収製剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、エチレフリンの経皮吸収性及び皮内拡散性に優れ、投与部位への適用から効果発現までのラグタイムが短いエチレフリン経皮吸収製剤を提供することができる。また、脂肪酸、特にラウリン酸は皮脂構成成分の一種であり、界面活性剤のような促進剤に比べ、皮膚適用時の安全性の観点からも好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明及び比較例のエチレフリン貼付剤のin vitro皮膚透過試験における累積皮膚透過量を示したグラフである。
【図2】本発明及び比較例のエチレフリン貼付剤のin vitro皮膚透過試験における累積皮膚透過量を示したグラフである。
【図3】本発明及び比較例のエチレフリン貼付剤のin vitro皮膚透過試験における累積皮膚透過量を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の経皮吸収製剤に用いられるエチレフリンは、後述するようにエチレフリン脂肪酸塩として添加される場合を除き、酸や塩基が付加されない遊離化合物の形態、即ち、フリー体として使用される。一般に、ある薬物において酸あるいは塩基が付加された塩の形態に比べ、フリー体で結晶の融点が低くなる場合、経皮吸収性が高くなることが知られている。しかし、本発明者らは、エチレフリンフリー体は、エチレフリン塩酸塩に比べ融点が高いという性質を有するにもかかわらず、塩酸塩よりも経皮吸収性に優れていることを見出した。
さらに、本発明における皮膚透過ラグタイム短縮の効果は、エチレフリンと脂肪酸を組み合わせることにより初めて得られる。エチレフリンを塩酸塩のような他の酸付加塩形態として加えた場合、脂肪酸と組み合わせても本発明の効果は得られない。
【0019】
エチレフリンは、医薬原料として入手可能なエチレフリン塩酸塩などから製造することができる。エチレフリンの製造法としては、特に限定されないが、具体的にはエチレフリン塩酸塩を水酸化ナトリウムなどの塩基と反応させ、脱塩させることにより製造できる。
【0020】
本発明において脂肪酸としては、炭素数10〜18の飽和又は不飽和脂肪酸が好ましく、具体的にはカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸などが挙げられる。炭素数が9以下であると十分な経皮吸収促進及び皮膚透過ラグタイム短縮の効果が得られず、エチレフリンの経皮吸収性が低下する場合がある。一方、脂肪酸の炭素数が19以上となると、エチレフリンの溶解性が低下して経皮吸収製剤の製造が困難になったり、エチレフリンの経皮吸収性が低下してしまう場合がある。中でもカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸が好ましく、カプリン酸、ラウリン酸がより好ましく、ラウリン酸が特に好ましい。脂肪酸は単独で用いても、二種以上を併用してもよい。
【0021】
本発明においては、前記脂肪酸とエチレフリンと組み合せて用いることにより、エチレフリンの皮膚透過速度が向上すると共に、皮膚透過ラグタイムが大幅に短縮されるという効果を示す。これによりエチレフリンの経皮吸収性及び皮内拡散性に優れたエチレフリン経皮吸収製剤の製造が可能となる。このような脂肪酸による皮膚透過ラグタイム短縮の効果は、エチレフリンに特異的である。
【0022】
本発明において、エチレフリンと脂肪酸は、合わせてエチレフリン脂肪酸塩として添加してもよい。エチレフリン脂肪酸塩として添加する場合、溶媒への溶解性に優れるため、経皮吸収製剤を効率的に製造する上で好ましい。前記エチレフリン脂肪酸塩の製造法は特に限定されないが、例えば、エチレフリンと脂肪酸をアセトンなどの有機溶媒中で加熱撹拌することにより製造できる。
【0023】
本発明の経皮吸収製剤において、エチレフリン(A)と脂肪酸(B)の配合割合は、モル比(A:B)として1:10〜10:1の範囲が好ましく、1:3〜3:1がより好ましい。脂肪酸の割合が少ないと、充分な経皮吸収促進効果を得られないことがある。一方、脂肪酸の割合が多いとエチレフリンの溶解度が高まり、製剤から皮膚への分配が低下するので、却って経皮吸収性が低下する場合がある。また、本発明の経皮吸収製剤が貼付剤である場合は、脂肪酸の割合が多いと粘着剤層中の粘着剤が過度に可塑化され、粘着性が低下することがある。
【0024】
本発明の経皮吸収製剤の剤形としては特に限定されず、軟膏剤、クリーム剤、貼付剤、リザーバー型製剤、ローション剤等が挙げられる。中でも使用性に優れ、投与量の正確な調節が可能なことから貼付剤であるのが好ましい。
【0025】
本発明の経皮吸収製剤が貼付剤である場合、該貼付剤は支持体と、前記支持体の一面に積層されて一体化された粘着剤層とを備え、前記粘着剤層はエチレフリンと脂肪酸と粘着剤とを含有する。
【0026】
前記粘着剤層中におけるエチレフリンの含有量は、フリー体換算で1〜30重量%が好ましく、2.5〜20重量%が特に好ましい。粘着剤層中におけるエチレフリンの含有量が少ないと、薬物の経皮吸収量が少なくなり、薬物血漿中濃度を所望の範囲まで上昇させられない場合があったり、エチレフリンの血漿中濃度を充分な時間維持できなかったりする場合がある。一方、エチレフリンの含有量が多いと、粘着剤層にエチレフリンの結晶が析出し、貼付剤の粘着力及び凝集力が低下したりする場合がある。また、エチレフリンを過剰に含有することは薬物の利用率低下につながり、医療効率の面からも好ましくない。
【0027】
前記粘着剤層中における脂肪酸の含有量は、0.5〜30重量%が好ましく、2.5〜20重量%がより好ましい。少ないと、粘着剤層におけるエチレフリンの溶解性が低下し、エチレフリンの経皮吸収性が不十分になる場合がある。一方、脂肪酸の含有量が多いと、粘着剤層中の粘着剤が過度に可塑化され、粘着性が低下する場合がある。
【0028】
前記粘着剤層を構成する粘着剤としては、エチレフリンと脂肪酸を安定的に配合し、良好な貼付性を実現できる粘着剤であれば、特に限定されない。このような粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、アクリル系粘着剤などが挙げられ、さらにこれらを組み合わせて使用してもよい。中でも、エチレフリン及び脂肪酸を良好に配合することができることから、アクリル系粘着剤が好ましい。
【0029】
前記ゴム系粘着剤としては特に限定されるものではないが、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、天然ゴム、合成イソプレンゴム、ポリイソブチレン、ポリビニルエーテル、ポリウレタン、ポリイソプレン、ポリブタジエン等が挙げられる。商業的に入手可能な市販製品としてはOppanol(商標登録)シリーズ(BASF)、Himol(商標登録)シリーズ(新日本石油)、Quintac(商標登録)シリーズ(日本ゼオン)、Duro−tak(商標登録)608A、611A(National Starch & Chemical Company)等が利用可能である。
【0030】
前記シリコーン系粘着剤としては特に限定されるものではないが、例えばポリオルガノシロキサン等のシリコーンゴム等が挙げられる。商業的に入手可能な市販製剤としてはBIO−PSA(商標登録)シリーズ(東レ・ダウコーニング)等が利用可能である。
【0031】
前記アクリル系粘着剤としてはとくに限定されず、例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分単量体とした単独重合物又は(メタ)アクリル酸アルキルエステルと他の共重合性モノマーとの共重合体等が挙げられる。ここで、(メタ)アクリル酸は、メタクリル酸又はアクリル酸の意味である。(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸イソブチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸イソオクチルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸イソデシルエステル、(メタ)アクリル酸ラウリルエステル、(メタ)アクリル酸ステアリルエステル等が挙げられる。共重合性モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド、エトキシメチルアクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、ブタジエン等が挙げられる。
【0032】
これらアクリル系粘着剤のうち、特にエチレフリンと相互作用を及ぼさない点からアクリルモノマー構成単位中の側鎖にカルボキシル基を有さないアクリル系粘着剤が好ましい。中でも、アクリルモノマー構成単位中の側鎖がヒドロキシル基を有するものや非官能性のものがより好適に用いられる。ヒドロキシル基を有するアクリルモノマーを含む共重合体としては、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル・(メタ)アクリル酸ヒドロキシルエチル・酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸ブチル・(メタ)アクリル酸ヒドロキシルエチル・酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル・ビニルピロリドン・(メタ)アクリル酸ヒドロキシルエチル・酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル・(メタ)アクリル酸ヒドロキシルエチル・酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル・(メタ)アクリル酸ヒドロキシルエチル・(メタ)アクリル酸グリシジル・酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。商業的に入手可能な市販製品としてはDURO−TAK(登録商標)87−2510、87−2287、87−4287、87−2516、87−2525(National Starch & Chemical Company)、GMS(商標)737、788(Cytec Industries Inc.)等が利用可能である。アクリルモノマー構成単位中の側鎖が非官能性のアクリル系粘着剤としては、例えば、商業的に入手可能な市販製品としてDURO−TAK(登録商標)87−9301、87−900A、87−4098(National Starch & Chemical Company)等が利用可能である。
【0033】
さらに、前記アクリル系粘着剤は、エチレフリンの透過性を損なわない範囲内であれば、必要に応じて架橋剤を添加してもよい。架橋剤としては、特に限定されるものではなく、具体的には、エポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド化合物などが挙げられる。アクリル系粘着剤に架橋剤を添加することにより、アクリル系粘着剤の内部凝集力が高まるので、貼付剤を皮膚から剥離させる際に皮膚に糊残りを生じにくくすることができる。
【0034】
粘着剤層中におけるアクリル系粘着剤の含有量は、少ないと、皮膚への粘着力が低下する一方、多いと、所望の薬物血漿中濃度を得るために必要な量のエチレフリン及び脂肪酸を配合することができなくなる場合があるので、30〜95重量%に限定され、40〜90重量%が好ましく、50〜80重量%がより好ましい。
【0035】
粘着剤層中には、本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤、酸化防止剤、吸収促進剤などの添加剤が添加されてもよい。
【0036】
前記可塑剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類、オリーブ油、ヒマシ油、スクワレン、ラノリンなどの油脂類、流動パラフィンなどの炭化水素類、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、安息香酸ベンジル、2−エチルヘキサン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、酢酸ベンジル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、トリオレイン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、パルミチン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソプロピルなどの脂肪酸エステル類などが挙げられ、これらを1種又は2種以上粘着剤層に配合することができる。該可塑剤は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば特に使用量に制限はないが、好ましくは粘着剤層中に1〜70重量部、さらに好ましくは5〜30重量部含有することができる。
【0037】
酸化防止剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、エデト酸ナトリウムのようなキレート剤、亜硫酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、テトライソパルミチン酸アスコルビルのようなアスコルビン酸誘導体、酢酸トコフェロールのようなトコフェロール誘導体、硫酸オキシキノリンのようなキノリン誘導体などが挙げられる。該酸化防止剤は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば特に使用量に制限はないが、好ましくは粘着剤層中に、0.1〜5重量%、好ましくは0.4〜3重量%添加することができる。
【0038】
粘着剤層には、必要に応じて前記脂肪酸以外の吸収促進剤を添加してもよい。吸収促進剤としては特に限定されるものではなく、例えばオレイルアルコール、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、モノオレイン酸ポリエチレングリコールなどのアルコールあるいはそのエステル類又はエーテル類;モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタンなどのソルビタンエステル類又はエーテル類;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどのフェノールエーテル類;ジオクチルソジウムスルホサクシネート、オレオイルサルコシン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリル硫酸ナトリウムなどのイオン性界面活性剤;n−アルキルグルコシド、n−アルキルチオグルコシド、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ジメチルラウリルアミンオキサイドなどの非イオン性界面活性剤;ジメチルスルホキサイド、デシルメチルスルホキサイドなどのアルキルメチルスルホキサイド類、2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドン、ドデシルピロリドンなどピロリドン類;1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン、1−ゲラニルアザシクロヘプタン−2−オンなどのアザシクロアルカン類;ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミンなどのアミン類;メントール、シネオールなどのテルペン類が挙げられ、粘着剤層中に0.1〜20重量%添加されればよい。
【0039】
前記支持体としては、粘着剤層中の薬物の損失を防ぎ、粘着剤層を保護できると共に、貼付剤に自己支持性を付与するための強度を有しつつ、貼付剤の良好な貼付感を付与するための柔軟性を有していることが望ましい。
【0040】
このような支持体としては、特に限定されず、例えば、樹脂シート、発泡樹脂シート、不織布、織布、編布、アルミニウムシートなどが挙げられ、単層からなるものでも、複数層が積層一体化されてなるものでもよい。
【0041】
前記樹脂シートを構成する樹脂としては、例えば、酢酸セルロース、エチルセルロース、レーヨン、ポリエチレンテレフタレート、可塑化酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、可塑化ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデンなどが挙げられ、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0042】
前記支持体としては、その柔軟性や薬物の損失防止効果の観点から、ポリエチレンテレフタレートシートと、不織布や柔軟な樹脂シートとが積層一体化されてなるものが好ましく、ポリエチレンテレフタレートシートと不織布とが積層一体化されてなるものがより好ましい。前記不織布を構成する素材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、ナイロン、ポリエステル、ビニロン、SIS共重合体、SEBS共重合体、レーヨン、綿などが挙げられ、ポリエステルが好ましい。なお、これらの素材は単独で用いられても2種以上が併用されてもよい。
【0043】
また、支持体と粘着剤層との接着性(投錨性)を良好とする観点からは、支持体を上記材質からなる無孔の樹脂シートと多孔質シートを積層一体化したものを用いてもよい。この場合、粘着剤層は多孔質シート側に形成することが望ましい。
【0044】
このような多孔質シートとしては、粘着剤層との投錨性が向上するものが採用されるが、具体的には紙、織布、不織布、編布、機械的に穿孔処理を施したシート等が挙げられる。これらのうち、取り扱い性等の観点から、特に紙、織布、不織布が好ましい。不織布の場合、前記と同様のものを用いることができる。
【0045】
本発明の貼付剤の粘着剤層中の薬物の損失防止や粘着剤層を保護する目的で、貼付剤の粘着剤層の表面に剥離紙を剥離可能に積層一体化させておくのが好ましい。
【0046】
前記剥離紙としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどからなる樹脂フィルムや紙などが挙げられ、粘着剤層と対向させる面に離型処理が施されていることが好ましい。なお、前記剥離紙は単層からなるものであっても、複数層からなるものであってもよい。
【0047】
また、前記剥離紙のバリア性を向上させる目的で、剥離紙にアルミ箔やアルミ蒸着の層を設けたものであってもよい。さらに、前記剥離紙が紙からなる場合、剥離紙のバリア性を向上させる目的で、剥離紙にポリビニルアルコールなどの樹脂を含浸させてもよい。
【0048】
次に、本発明の貼付剤の製造方法を説明する。本発明の貼付剤は、通常、貼付剤を製造する方法によって製造することができる。例えば、薬物を含む基剤組成をメタノール、酢酸エチル等の適当な有機溶媒に溶解させ、得られた粘着剤溶液を支持体上に塗工し、有機溶媒を乾燥・除去して粘着剤層を形成し、その後、粘着剤層上に剥離ライナーを貼り合せることで、製造することができる。また、前記粘着剤溶液を剥離ライナー上に塗工し、有機溶媒を乾燥・除去して粘着剤層を形成し、その後、粘着剤層上に支持体を貼り合せることで、製造してもよい。なお、粘着剤層を形成する際に粘着剤溶液を一度に厚く塗工すると均一に乾燥することが困難な場合があるため、粘着剤層の厚みを充分なものにするために、2度以上に分けて塗工してもよい。
【0049】
粘着剤層の厚さは、10〜400μmが好ましく、50〜200μmがより好ましい。粘着剤層の厚さが10μmよりも薄いと、粘着剤層に所望の薬物血漿中濃度を得るのに必要な量のエチレフリンフリー体を含有できなくなる場合がある。一方、400μmよりも厚いと、貼付剤の保存時や貼付時に粘着剤層が貼付剤からはみ出しやすくなったり、貼付剤を貼付した際の貼付感が悪化したりすることがある。さらに、貼付剤製造の際に溶剤の除去に長時間を要し、製造効率が低下するなどの問題が生じたりする場合がある。
【0050】
本発明の貼付剤は、使用前まで包装体で密封して保存又は運搬することが好ましい。包装方法としては、例えば、1枚の貼付剤、あるいは数枚重ねた貼付剤を包装材料に包装し、その周辺をヒートシールして密封する方法が挙げられる。この包装材料は、例えば、シート状又はフィルム状のものが挙げられ特に限定されるものではないが、包装の容易さや気密性の観点からヒートシール可能なものが望ましい。具体的には、ポリエチレン、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリル系共重合体、ポリビニルアルコール系共重合体等のヒートシール性を有するプラスチックシートを用いた包装材料が適している。特に、貼付剤に含有される活性成分であるエチレフリンの外気による汚染や分解を防止するため、ポリエステルフィルムや金属箔等のガス不透過性フィルムを積層したものを用いることが好ましく、包装体の最内層にバリア性の高いポリアクリロニトリル系共重合体を用いたものがより好ましい。さらに、貯蔵安定性の点から、包装体内に乾燥剤や脱酸素剤ならびにそれらを組み合わせて封入してもよい。貼付剤の側面からの粘着成分の流れ出し等が起こった場合に包装体からの取り出し等の取り扱い性が悪化するのを防ぐため、包装材料にエンボス加工を施したり、前述のライナー部分を貼付剤より若干大きくするドライエッジ加工、接触面積が小さくなるように加工したブリスター成型等の包装形態を工夫することが好ましい。
【0051】
包装体内に封入される乾燥剤としては特に限定されるものではないが、例えば、シリカゲル、塩化カルシウム、アロフェン、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。本発明の効果を損なわない範囲で、これらを単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。前記乾燥剤を透湿パッケージに封入したものを、貼付剤と共に包装体内の空間に同封するか、又は包装体の内層のシート材料自体に乾燥剤を備えてもよい。
【0052】
前記透湿パッケージや透湿シートの素材としては、水分を透過可能で湿度を制御できるものであれば特に限定されず、例えば、低密度ポリエチレンからなる樹脂フィルム、織布や不織布等の布剤、紙等が挙げられる。
【0053】
前記脱酸素剤は特に限定されるものではないが、商業的に入手可能な製剤としてエージレス(商標登録)シリーズ(三菱ガス化学)などが挙げられる。
【実施例】
【0054】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
【0055】
参考例1(エチレフリンの製造)
エチレフリン塩酸塩26gを精製水12mLに溶解し、酢酸エチル300mLを加えた。3N水酸化ナトリウム水溶液40mLを滴下し、激しく撹拌した。析出した固体を吸引濾取し、酢酸エチル50mLで洗浄した。40℃で5時間減圧乾燥させ、エチレフリンの粗結晶を得た。粗結晶を水200mLにて加熱還流し、溶解させた後、室温にて12時間撹拌した。析出した固体を吸引濾取し、水50mLで洗浄した。40℃で5時間減圧乾燥させ、エチレフリン18gを得て以下の実施例、比較例に使用した。
融点:144〜147℃
1H−NMR(DMSO−d6):0.99(3H,t,J=7.1Hz),2.53〜2.62(4H,m),4.51(1H,dd,J=4.9,7.4Hz),6.58〜6.62(1H,m),6.71〜6.75(2H,m),7.08(1H,dd,J=7.8,7.8Hz).
IR(νmax)(KBr):3430,3047,2759,1569,1477,1429,1271,1139,1083,992,940,875,781,709cm-1
MS(ESI)m/z 182(M+H)+
【0056】
参考例2(エチレフリンラウリン酸塩の製造)
エチレフリン6.7gとラウリン酸7.6g(エチレフリンと等モル)をアセトン中、加熱還流下、30分撹拌した。減圧下、アセトンを留去した後、ヘキサン50mLを加えた。少量のエチレフリンラウリン酸を種結晶として加え、5分間撹拌した後、1時間静置した。結晶が析出したことを確認し、ヘキサンを50mL加え、12時間撹拌した。吸引濾取を行い、ヘキサン50mLで洗浄を行った。得られた粉末を撹拌しながら室温にて5時間減圧乾燥を行い、エチレフリンラウリン酸塩11.9gを得て以下の実施例、比較例に使用した。
融点:63〜66℃
1H−NMR(DMSO−d6):0.86(3H,t,J=6.6Hz),1.02(3H,t,J=7.1Hz),1.18〜1.30(16H,m),1.47(2H,t,J=7.0Hz),2.15(2H,t,J=7.1Hz),2.49〜2.69(4H,m),4.55(1H,dd,J=4.2,8.2Hz),6.59〜6.63(1H,m),6.72〜6.76(2H,m),7.06〜7.11(1H,m).
IR(νmax)(KBr):3166,2919,2850,1543,1458,1404,1266,1065,809,786,701,476cm-1
MS(ESI)m/z 380(M−H)-
【0057】
実施例1〜13、比較例1〜11
表1及び2に従って配合した粘着剤層形成用組成物をメタノールに溶解又は分散させ、粘ちょう溶液を調製した。得られた溶液を、コロナ処理を施したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ12μm)上に乾燥後の厚みが約120μmとなるように塗工し、これを60℃の乾燥機中で1時間乾燥して溶媒を除去して粘着剤層を形成した。次いで、この粘着剤層上に、剥離紙としてシリコーン処理を施したPET製ライナー(厚さ75μm)を貼り合わせ経皮吸収製剤を得た。
【0058】
【表1】

【0059】
【表2】

【0060】
試験例1(ヘアレスマウス皮膚を用いたin vitro皮膚透過試験)
実施例及び比較例で得られた貼付剤から直径1.3cmの平面円形状の試験片(貼付面積1.33cm2)に切り出したものを試験に用いた。ヘアレスマウス(7週齢、雄)から摘出した皮膚片を37℃に加温したリン酸塩緩衝液7mLが充填されている拡散セルに装着し,1時間水和した後、直径13mmに打ち抜いた試作テープ製剤を外皮側に貼付した。試験開始後、レセプター液2.5mLをオートサンプラーで経時的にサンプリングし、同量の試験液を補充した。採取した試験液中の薬物量は後述の高速液体クロマトグラフ法(HPLC法)により定量した。そして、経過時間毎に、薬物濃度とレセプター液量から求められる薬物量を塩酸塩換算に統一して算出し、累積薬物透過量−時間プロットを作成した。個別に目視により透過速度が最大にあると判断した2つ以上のポイントについて直線回帰し、その勾配より皮膚透過速度を、時間軸との切片より皮膚透過ラグタイムを算出した。結果を表3及び図1〜3に示した。
【0061】
エチレフリンHPLC分析条件
HPLC:ACQUITY UPLCシステム(waters社製)
検出器:紫外吸光光度計
検出波長:270nm
カラム:ACQUITY UPLC BEHC18 1.7μm 2.1×50 mm(waters社製)
カラム温度:40℃
移動相:pH3.2に調整した50mMリン酸緩衝水溶液/メタノール=90/10
【0062】
【表3】

【0063】
エチレフリン単独の比較例1に比べ、エチレフリンと脂肪酸の組み合わせ又はエチレフリン脂肪酸塩とした本発明の実施例1〜13の貼付剤においては、エチレフリンの皮膚透過速度が向上するとともに皮膚透過ラグタイムが大幅に短縮された。一方、脂肪酸に代えて代表的な経皮吸収促進剤を添加した比較例2〜6では、皮膚透過速度をわずかに高めているものの、皮膚透過ラグタイムはほとんど変化がなかった。さらに、エチレフリンを塩酸塩として添加した比較例7〜9では、脂肪酸により皮膚透過速度の向上及び皮膚透過ラグタイム短縮の効果が得られないことが示された。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明の貼付剤は、エチレフリンと脂肪酸を粘着剤層に含有することで、皮膚透過速度の向上のみならず、皮膚透過ラグタイムを著しく短縮させることができる。その結果、皮膚への薬物適用から所望の治療効果の発揮まで遅延の少ないエチレフリン経皮吸収製剤を製造できる。さらに放出制御膜等の技術と組み合わせてさまざまな薬物放出パターンを有するDDS製剤とすることも可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレフリン及び脂肪酸を含有する経皮吸収製剤。
【請求項2】
脂肪酸が、炭素数10〜18の飽和又は不飽和脂肪酸である請求項1記載の経皮吸収製剤。
【請求項3】
脂肪酸が、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸及びオレイン酸から選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載の経皮吸収製剤。
【請求項4】
エチレフリンと脂肪酸、又はエチレフリン脂肪酸塩を配合したものである請求項1〜3のいずれか1項記載の経皮吸収製剤。
【請求項5】
エチレフリン(A)と脂肪酸(B)の配合割合が、モル比(A:B)として1:10〜10:1である請求項1〜4のいずれか1項記載の経皮吸収製剤。
【請求項6】
貼付剤である請求項1〜5のいずれか1項記載の経皮吸収製剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−1447(P2012−1447A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−134968(P2010−134968)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(000109831)トーアエイヨー株式会社 (25)
【Fターム(参考)】