説明

エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物

【課題】 EVAの透明性を損なわずに、紫外線等に対して優れた耐久性を有する、所定の蛍光を発するエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物を提供する。
【解決手段】 エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物を、該共重合体に550〜900nmの蛍光を発する有機系希土類錯体を10質量%を超えない割合で配合してなるものとする。該錯体としては希土類にEu、Smを、配位子にカルボン酸、中でも芳香族カルボン酸、そのアルキル置換体等の誘導体又は脂肪酸等や、竈-ジケトン類、中でも1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン、アセチルアセトン、べンゾイルアセトン等を含有し、さらに含窒素有機化合物、中でも含窒素芳香族複素環式化合物を含有するものが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐久性及び透明性に優れる、550〜900nmの蛍光を発するエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来550〜900nmの蛍光を発するエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下EVAと称する)組成物は、そのような蛍光物質をEVAに配合したものが一般的である(特許文献1、2参照)が、この蛍光物質が有機物系のものは熱等による劣化が著しくて耐久性に乏しいし、また、希土類系のものはEVAの透明性が著しく阻害されるのでとうてい実用に耐えるものではなかった。
【0003】
【特許文献1】特開2004−249644号公報(特許請求の範囲その他)
【特許文献2】特開平8−102257号公報(特許請求の範囲その他)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、EVAの透明性を損なわずに、紫外線等に対して優れた耐久性を有する、所定の蛍光を発するエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これらの課題は、EVAに配合する蛍光物質を希土類元素に有機系配位子を配位させた希土類錯体とすることで解決される。
【0006】
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
(1)550〜900nmの蛍光を発する有機系希土類錯体がエチレン−酢酸ビニル共重合体に対し10質量%を超えない割合の量で配合されていることを特徴とするエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物。
(2)希土類錯体における希土類がユウロピウム又はサマリウムである前記(1)記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物。
(3)希土類錯体が、配位子にカルボン酸を含有する前記(1)又は(2)記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物。
(4)カルボン酸が、芳香族カルボン酸、その誘導体及び脂肪酸の中から選ばれた少なくとも1種である前記(3)記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物。
(5)希土類錯体が、配位子に一般式
1COCHR2COR3
(式中、R1はアリール基、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アラルキル基又はそれらの置換体を、R2は、H、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アラルキル基又はアリール基を、R3はアリール基、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アラルキル基又はそれらの置換体をそれぞれ示す)
で表わされるβ−ジケトン類を含有する前記(1)又は(2)記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物。
(6)β−ジケトン類が1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン、アセチルアセトン、べンゾイルアセトン、ジべンゾイルアセトン、ジイソブチロイルメタン、ジビパロイルメタン、3−メチルペンタン−2,4−ジオン、2,2−ジメチルペンタン−3,5−ジオン、2−メチル−1,3−ブタンジオン、1,3−ブタンジオン、3−フェニル−2,4−ペンタンジオン、1,1,1−トリフロロ−2,4−ペンタンジオン、1,1,1−トリフロロ−5,5−ジメチル−2,4−ヘキサンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、3−メチル−2,4−ペンタンジオン、2−アセチルシクロペンタノン、2−アセチルシクロヘキサノン、1−ヘプタフロロプロピル−3−t−ブチル−1,3−プロパンジオン、1,3−ジフェニル−2−メチル−1,3−プロパンジオン、又は1−エトキシ−1,3−ブタンジオンである前記(5)記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物。
(7)希土類錯体が、配位子に含窒素有機化合物を含有する前記(1)ないし(6)のいずれかに記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物。
(8)含窒素有機化合物が、含窒素芳香族複素環式化合物である前記(7)記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物。
(9)含窒素芳香族複素環式化合物が、1,10−フェナントロリン又はビピリジルである前記(8)記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物。
(10)希土類錯体が、下記構造式(1)、(2)からなるものである前記(1)記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物。
【化1】

(式中、Lnは希土類元素、Rは、RCOOHとしてそれが1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、これらの誘導体及び脂肪酸の中から選ばれた少なくとも1種のカルボン酸を示すのに相応するものである)
(11)
希土類錯体が、下記構造式(3)からなるものである前記(1)記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物。
【化2】

(式中、Lnは希土類元素、R1、R2、R3は、R1COCHR2COR3としてそれが1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン、アセチルアセトン、べンゾイルアセトンを示すのに相応するものである)
(12)エチレン−酢酸ビニル共重合体における酢酸ビニル単位の含有率が10〜40質量%である前記(1)ないし(11)のいずれかに記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物。
【0007】
本発明組成物においてはエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下EVAと称する)に550〜900nmの蛍光を発する希土類錯体を含有させることが肝要である。
この希土類錯体において、その中心金属元素の希土類元素については特に制限されず、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム等が挙げられ、好ましくはユーロピウム又はサマリウムが用いられる。
【0008】
希土類錯体における配位子については、希土類イオンに配位する部位を持つ有機化合物であればいずれでも構わないが、代表例としてはカルボン酸、β−ジケトン類、含窒素有機化合物等が挙げられる。
【0009】
このカルボン酸については特に制限されず、例えば芳香族カルボン酸、その誘導体、脂肪族カルボン酸等が挙げられる。
芳香族カルボン酸にはナフトエ酸、安息香酸、キノリンカルボン酸等が、また、その誘導体としては、芳香族環に直接結合している元素をメチル基、エチル基等のアルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、ハロゲン等の置換基で置換したもの等が挙げられ、好ましくは1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸等が用いられる。
脂肪族カルボン酸には脂肪酸、シュウ酸等が挙げられ、脂肪酸としては、EVAの透明性ができるだけ損なわれないようにするために、カルボキシル基に結合する炭化水素基の炭素数が3以上のもの、中でも高級アルキル基や、高級アルケニル基や、かさ高い分枝状アルキル基、例えばt−ブチル基等を有するものが望ましく、このようなものとしては、例えばステアリン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、酪酸、(CH33C−COOH等が挙げられる。
これらのカルボン酸は、1種用いてもよいし、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0010】
また、このβ−ジケトン類については特に制限されず、例えば一般式
1COCHR2COR3
(式中、R1はアリール基、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アラルキル基又はそれらの置換体を、R2は、H、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アラルキル基又はアリール基を、R3はアリール基、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アラルキル基又はそれらの置換体をそれぞれ示す)
で表わされる化合物等が挙げられる。
上記置換体としては、置換基がアルキル基、アルコキシル基、ハロゲンであるものが好ましい。
【0011】
このようなβ−ジケトン類としては、例えば1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン、アセチルアセトン、べンゾイルアセトン、ジべンゾイルアセトン、ジイソブチロイルメタン、ジビパロイルメタン、3−メチルペンタン−2,4−ジオン、2,2−ジメチルペンタン−3,5−ジオン、2−メチル−1,3−ブタンジオン、1,3−ブタンジオン、3−フェニル−2,4−ペンタンジオン、1,1,1−トリフロロ−2,4−ペンタンジオン、1,1,1−トリフロロ−5,5−ジメチル−2,4−ヘキサンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、3−メチル−2,4−ペンタンジオン、2−アセチルシクロペンタノン、2−アセチルシクロヘキサノン、1−ヘプタフロロプロピル−3−t−ブチル−1,3−プロパンジオン、1,3−ジフェニル−2−メチル−1,3−プロパンジオン(ジフェニルアセチルアセトン)、1−エトキシ−1,3−ブタンジオン等が挙げられ、中でも1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン、アセチルアセトン、べンゾイルアセトン等が好ましい。
これらのβ−ジケトン類は、1種用いてもよいし、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0012】
また、上記配位子の含窒素有機化合物としては、アルキルアミン、アニリン等の芳香族アミン、含窒素芳香族複素環式化合物等が挙げられ、好ましくは含窒素芳香族複素環式化合物、中でも2座配位子の1,10−フェナントロリン又はビピリジル等がよいが、イミダゾール、トリアゾール、ピリミジン、ピラジン、アミノピリジン、ピリジン及びその誘導体、アデニン、チミン、グアニン、シトシン等核酸塩基及びその誘導体等も用いられる。
これらの含窒素有機化合物は、1種用いてもよいし、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0013】
これらの配位子は、1種用いてもよいし、また、2種以上を組み合わせて用いてもよく、中でもカルボン酸と含窒素有機化合物とを併用するのが、蛍光強度を上げられるので好ましい。
【0014】
希土類錯体として特に好ましいのは、下記構造式(1)、(2)又は(3)からなるものであり、これは有機溶媒に可溶性であるので、EVAとの相溶性がよく、それに均一に分散される点でも優れている。
【化3】

(式中、Lnは希土類元素、Rは、RCOOHとしてそれが1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、これらの誘導体及び脂肪酸の中から選ばれた少なくとも1種のカルボン酸を示すものである)
【化4】

(式中、Lnは希土類元素、R1、R2、R3は、R1COCHR2COR3としてそれが1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン、アセチルアセトン、べンゾイルアセトンを示すのに相応するものである)
【0015】
希土類錯体の用量については、EVAに対し10質量%を超えない割合、中でも0.01〜10質量%、特に0.05〜1質量%とするのが好ましい。この量が10質量%を超えると、希土類錯体の効果による蛍光強度のアップに対し、希土類錯体を添加することによるコストアップの負担の方が大きくなり、経済合理性に合わなくなるおそれがある。
【0016】
本発明組成物において、EVAは、その種類を問わないが、その酢酸ビニル単位の含有率が10〜40質量%、中でも20〜35質量%の範囲であるのが好ましい。
EVAの酢酸ビニル単位の含有率が10質量%未満では希土類錯体のEVAへの均一分散性が良好でなくなり、透明性が低下するし、また、40質量%を超えるとEVA自体が軟らかくなり、シートとしての実用性が乏しくなる傾向がみられる。
【0017】
また、本発明組成物においては、EVAに有機過酸化物を予め加え、これを熱分解することで、EVA或いはEVA組成物に架橋構造を持たせることができる。
【0018】
この有機過酸化物としては、100℃以上でラジカルを発生するものであればいずれでも使用可能であるが、配合時の安定性を考慮に入れれば、半減期10時間の分解温度が70℃以上であるものが好ましい。
このようなものとしては、例えば2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンズエート、ベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
有機過酸化物の配合量はEVA対比5質量%までで充分である。
【0019】
本発明組成物においては、さらに、EVA或いはEVA組成物の架橋度を向上させ、耐久性を向上するために架橋助剤を添加することができる。
この架橋助剤としては、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルイソシアネート等3官能の架橋助剤の他、NKエステル等単官能の架橋助剤等も挙げられる。
架橋助剤の配合量はEVA対比10質量%までで充分である。
【0020】
また、本発明組成物には、安定性を向上するためにハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、P−ベンゾキノン、メチルハイドロキノン等の安定剤を添加することができる。
安定剤の配合量はEVA対比5質量%までで充分である。
【0021】
また、本発明組成物には、紫外線吸収剤、老化防止剤、変色防止剤等を添加することができる。
【0022】
紫外線吸収剤としては、例えば2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドキシ−4−メトキシ−5−スルフォベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート等のヒンダードアミン系のもの等が挙げられる。
【0023】
老化防止剤としては、例えばアミン系、フェノール系、ビスフェニル系、ヒンダードアミン系等が挙げられ、具体的にはジ−t−ブチル−p−クレゾール、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペラジル)セバケート等がある。
【発明の効果】
【0024】
本発明組成物は、EVAの透明性を損なわずに、紫外線等に対して優れた耐久性を有するという顕著な効果が奏され、これは、配位子にカルボン酸やβ−ジケトン類を含有する希土類錯体、中でもさらに含窒素芳香族複素環式化合物からなる配位子をも含有する希土類錯体、特に前記構造式(1)、(2)又は(3)からなるものを用いることで、希土類錯体とEVAとの相溶性が良好になり、希土類錯体のEVAへの均一分散性が向上することで助長される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
次に、実施例により本発明を実施するための最良の形態を説明するが、本発明はこれらの例により何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0026】
表1の配合に従い、1−(1)〜1−(6)の6種類の0.5mm厚のシートを作成し、透明性を測定し、また、これらに紫外線を照射し生じる蛍光を観察した。
【0027】
【表1】

希土類錯体1:Eu[(CH33CCOO]3
希土類錯体2:Eu(CH3CH2CH2COO)3
希土類錯体3:Eu(t‐Bu−COO)3(2,2’−ビピリジル)
希土類錯体4:Eu(1−ナフトエ酸)3(1,10−フェナントロリン)
希土類錯体5:Eu(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン)3(1,10−フェナントロリン)
希土類錯体4及び5の構造を図1及び2に示す。
【0028】
試料1−(1)は全体が白濁したが、本発明に係る試料1−(2)〜1−(6)は透明であった。
また、紫外線照射により試料1−(1)〜1−(6)ともに赤い蛍光を発した。
また、試料1−(2)、1−(3)と比べ1−(4)〜(6)は紫外線照射時の蛍光強度が著しく強かった。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明組成物は、それを蛍光塗料の成分に用い、該塗料を傘に塗布して夜間等自動車のライトで550〜900nmの蛍光、例えば赤い蛍光を発しさせ、傘をさした歩行者や自転車に乗った人の安全が図れ、その他、発光素子、波長変換材、光学センサー、蛍光指示薬など種々の分野に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】希土類錯体4の構造
【図2】希土類錯体5の構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
550〜900nmの蛍光を発する有機系希土類錯体がエチレン−酢酸ビニル共重合体に対し10質量%を超えない割合の量で配合されていることを特徴とするエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物。
【請求項2】
希土類錯体における希土類がユウロピウム又はサマリウムである請求項1記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物。
【請求項3】
希土類錯体が、配位子にカルボン酸を含有する請求項1又は2記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物。
【請求項4】
カルボン酸が、芳香族カルボン酸、その誘導体及び脂肪酸の中から選ばれた少なくとも1種である請求項3記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物。
【請求項5】
希土類錯体が、配位子に一般式
1COCHR2COR3
(式中、R1はアリール基、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アラルキル基又はそれらの置換体を、R2は、H、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アラルキル基又はアリール基を、R3はアリール基、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アラルキル基又はそれらの置換体をそれぞれ示す)
で表わされるβ−ジケトン類を含有する請求項1又は2記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物。
【請求項6】
β−ジケトン類が1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン、アセチルアセトン、べンゾイルアセトン、ジべンゾイルアセトン、ジイソブチロイルメタン、ジビパロイルメタン、3−メチルペンタン−2,4−ジオン、2,2−ジメチルペンタン−3,5−ジオン、2−メチル−1,3−ブタンジオン、1,3−ブタンジオン、3−フェニル−2,4−ペンタンジオン、1,1,1−トリフロロ−2,4−ペンタンジオン、1,1,1−トリフロロ−5,5−ジメチル−2,4−ヘキサンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、3−メチル−2,4−ペンタンジオン、2−アセチルシクロペンタノン、2−アセチルシクロヘキサノン、1−ヘプタフロロプロピル−3−t−ブチル−1,3−プロパンジオン、1,3−ジフェニル−2−メチル−1,3−プロパンジオン、又は1−エトキシ−1,3−ブタンジオンである請求項5記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物。
【請求項7】
希土類錯体が、配位子に含窒素有機化合物を含有する請求項1ないし6のいずれかに記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物。
【請求項8】
含窒素有機化合物が、含窒素芳香族複素環式化合物である請求項7記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物。
【請求項9】
含窒素芳香族複素環式化合物が、1,10−フェナントロリン又はビピリジルである請求項8記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物。
【請求項10】
希土類錯体が、下記構造式(1)、(2)からなるものである請求項1記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物。
【化1】

(式中、Lnは希土類元素、Rは、RCOOHとしてそれが1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、これらの誘導体及び脂肪酸の中から選ばれた少なくとも1種のカルボン酸を示すのに相応するものである)
【請求項11】
希土類錯体が、下記構造式(3)からなるものである請求項1記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物。
【化2】

(式中、Lnは希土類元素、R1、R2、R3は、R1COCHR2COR3としてそれが1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン、アセチルアセトン、べンゾイルアセトンを示すのに相応するものである)
【請求項12】
エチレン−酢酸ビニル共重合体における酢酸ビニル単位の含有率が10〜40質量%である請求項1ないし11のいずれかに記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−298974(P2006−298974A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−118666(P2005−118666)
【出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(593140255)サンビック株式会社 (12)
【Fターム(参考)】