説明

エチレン・インターポリマーの製造方法、該方法により製造されたインターポリマー、組成物、および該インターポリマーを含む電気デバイス

本発明は、ポリエチレンおよび/または1−ブテンを用いるランダム・エチレン・インターポリマーを調製するための連続重合プロセスであり、(A)140℃〜250℃の温度、80〜99%のエチレン変換率、および20%以上のコモノマー変換率で、中心の帯電原子を遮蔽する環状リガンドを有するイオン性活性化剤を用いた単一部位触媒系の存在下、連続ランダム重合条件においてエチレンおよびα−オレフィン・コモノマーとしてのプロピレンおよび/または1−ブテンを重合する工程、および(B)0.85〜0.92g/cm3の密度、0.01〜100g/10分、好ましくは0.1〜20のMI、および30〜400のI21/I2を有するエチレン・コポリマーを提供するために脱揮発する工程、を含むプロセスに関する。前記ポリマーはEPゴム・エラストマーとブレンドして、電気ケーブル絶縁に用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エチレン・インターポリマーの製造方法、および該方法により製造されたインターポリマー、および該インターポリマーを含む電気デバイスに関する。特に本発明は、高レベルの長鎖分枝(LCB)を有するポリマーを形成するための100℃を超える高い重合温度におけるエチレン・インターポリマーの製造方法、特に熱可塑性材料として加工可能な比較的低い密度および中程度の分子量を有する該ポリマーに関するが、これらに限定されない。高LCBは、異なる負荷により測定される溶融密度(melt viscosity)の溶融インデックス比(MIR)で表すことができる。また本発明は、電気ケーブルのような、インターポリマーまたは該インターポリマーを含む組成物の絶縁層を有する電気デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
中程度の分子量を有する低密度エチレン・インターポリマーは本発明においてはプラストマー(plastomer)として言及される。プラストマーは、アルキルアルミニウム由来活性化剤を用いて、チーグラー・ナッタ・バナジウム触媒に基づく触媒系により製造されてきた。そのようなポリマーはプロピレン・コモノマーの挿入にとって高レベルの位置反転(regio-inversion)を有する。低触媒活性により、バナジウム残渣を除去するため、特にポリマーが電気的応用に用いられる場合にはポリマーを脱灰する必要性が生じる。プロピレンおよび1−ブテンは、チーグラー・ナッタ製造プロトマーにおいて短鎖分枝(SCB)を提供するためにコモノマーとして用いられてきた。さらに最近では、メタロセンに基づく単一部位触媒が、高温および高活性の連続溶液プロセスにおいてプラストマーを製造するために同定されてきた。ここで活性は、単位量の遷移金属単一部位触媒成分当たり製造されるポリマー量として定義される。
【0003】
メタロセンに基づく触媒系は、例えばβ−ヒドリド脱離により、末端不飽和結合を生成することが知られてきている。多くのメタロセンに基づくプロセスについて、その不飽和末端が成長鎖に取り込まれ、長鎖分枝(LCB)を形成することが知られてきている。EP495099号公報(三井化学)およびEP608369号公報(ダウケミカル)には、確認されたLCBによる効果としてのポリマーの増加剪断感度によりLCB形成指標を示す方法が記載されている。
【0004】
EP495099号公報では活性化剤としてアルモキサンに結合したハフノセンが用いられている。実施例では、1−オクテン、1−ブテン、およびプロピレンが、高MIRを有するポリマーを提供する100℃未満の温度におけるバッチ重合用のコモノマーとして用いられた。バッチ型反応におけるコモノマーの大量欠乏はLCB形成に好適であり得る。しかしながら、その重合条件は有意なレベルの触媒残基を必要とする。バッチ重合プロセスの終末に製造されるポリマーは、そのプロセスの初期に製造されるポリマーと有意に異なるコモノマー含量を有し、そのポリマーはより広い組成物分布を示す。
【0005】
1999年8月19日付WO99/41294号公報および1999年9月10日付WO99/45041号公報(特許US6291609号として発行)において、メタロセンに基づく単一部位触媒を用いるプロセスは、遷移金属としてのハフニウムおよび/または改良非配位アニオン性活性化剤(NCA)を用いることにより重合温度が100℃を超えて上昇する重合において記載されている。WO99/1294号公報は、十分に低量のジエンを含むプロピレンを用いた改良触媒系の利用に関するものではない。重合は、比較的低量のプロピレンを用いて115℃で行われる。LCBレベルの定量は行われていない。WO99/45041号公報は、各アニオンが2以上の環状芳香環を有するテトラアリール置換アニオンにより活性化された架橋ハフノセンの使用を示唆している。実施例において、オクテン−1はコモノマーとして用いられている。重合は0.49〜3.6g/10分のMIレベルについて170℃で行われた。WO99/45041号公報は、特に高温の重合温度におけるコモノマーとしてのプロピレンの使用について示唆していない。
【0006】
WO02/34795号公報には、これらのプロセスが工業的に実施できるプラントが記述され、この中で液相分離、蒸留および/または篩いを通した適当な精製後に未反応モノマーを重合反応槽に循環されるための有利な調整が記述されている。上記引用文献は参照により本発明に取り込まれる。
【0007】
WO00/37514号公報には、高レベルのプロピレンを含む、ゲル非含有の分枝半結晶性エチレン・プロピレン・コポリマーが記述されている。重合温度は100℃未満であった。実施例において、架橋ジルコノセンがNCAとともに連続重合反応槽で用いられている。
【0008】
電気的絶縁デバイスの背景技術
ポリエチレン型結晶を有するエチレン・プロピレン・コポリマーおよびEP(D)Mターポリマーは中電圧電気絶縁化合物において市販で用いられている。これらの化合物は多段階押出しプロセスにおいて金属性導体または半導体基板のいずれかを蔽う絶縁部品として適用される。絶縁物を含むケーブルは、典型的には蒸気または熱水を適用することにより連続加硫管において加硫化される。架橋単位は活性架橋剤としてシランまたは過酸化物を用いることができる。
【0009】
最近エクソンモービル社は、バナジウム触媒EP(D)Mポリマー・グレードであるヴィスタロン(Vistalon)1703Pを、ターモノマーのビニルノルボルネンを用いた電気製品として商品化した(EP843878号を参照されたい)。他でも、そのEP−VNBはケーブル製品を補助するためにエチレン・コポリマーと混合されることが開示されている(US5763533号およびWO98/56012号公報を参照されたい)。VNBの存在により、分枝指標1未満で証明されるように大量の長鎖分枝を提供でき、そのポリマーは良好な加工性能を有する。バナジウム触媒は低活性を有する。ポリマー中のVNB誘導単位は、熱安定性を増強する過酸化物との良好な架橋性能を提供する。このポリマーは、合理的な電気絶縁特性を獲得するために、脱灰して少なくとも部分的に触媒残渣および抗凝固添加物が除去される。全ての上記文献は参照により本発明に取り込まれる。
【0010】
メタロセン触媒に基づくエチレン・α−オレフィン・コポリマーも電気絶縁化合物において限定的に利用される。高圧プロセスで製造されたいくつかのエチレン−ブテン・プラストマー製品が、絶縁物および半導体製剤で評価されてきた(US6270856号公報、エクソンモービル社、ヘンデワーク他)。これらのポリマーは元来良好な電気絶縁特性を有するが、加工性能に不利な点をもたらす狭い分子量分布(MWD)を有する。溶液プロセスで製造される他のプラストマーは前述の理由からいくつかのLCBを有する。しかしながら、これらのポリマーはやはり加工が困難であり得、低下した電気絶縁特性を有し得る(WO03/000740号公報(エクソンモービル社、ペーラート)では改質NCAの誘電損失特性改善への使用が示唆されている)。ある例においてエチレン−オクテン・プラストマーは140℃で製造される。WO94/06858号公報は中程度LCBを有するエチレン・オクテン・コポリマーを開示する。WO97/32922号公報では、分枝レベルを引き上げるためにレオロジー改質が用いられている。得られたポリマーは0.5%未満のゲル、50%を超える組成物分布幅指標、および分子量分布Mw/Mn4.0未満を有する。上記文献は参照により本発明に組み込まれる。
【0011】
α−オレフィン・エチレン・コポリマーはブレンドで、特にエチレン・プロピレン・ビニルノルボルネン・ターポリマーとのブレンドで用いられてきた(ラバーワールド、226巻、2号、39〜50頁を参照されたい)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
所望のMIレベルにおける高レベルの長鎖分枝を有し、低レベルの不純物を含む改良されたインターポリマー、および連続重合条件下において該インターポリマーを提供する触媒およびプロセス条件、好ましくは後処理を含まず、改善された特性バランス、特に加工性能と不純物レベルとのバランスを有し、特に伝記絶縁製品における使用に限定されないものを提供することは、本発明の目的の範囲内である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明の概要
本発明の第一の側面において、
(A)エチレン、およびプロピレン、ブテン、およびそれらの混合物からなる群から選択されるα−オレフィン・コモノマーを、140℃〜250℃の温度において80〜99%のエチレン変換率および20〜80%のコモノマー変換率で、中央の荷電原子を遮蔽する環状リガンドを有するイオン性活性化剤を用いた単一部位触媒系の存在下、連続ランダム重合条件で重合する工程、および
(B)0.85〜0.92g/cm3の密度、0.1〜20g/10分のMIおよび30〜200のMIR(I21/I2)を有するエチレン・コポリマーを提供するために、前記ポリマーを脱揮発させる工程
を含む、ランダム・エチレン・インターポリマーを調製する連続重合プロセスが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
一般的には、I21/I2値はMIの機能であり、低MI値においてはMIR(I21/I2)の高値が可能である。コモノマー変換率は60%未満であり得、MIR(I21/I2)は180未満であり得る。
【0015】
連続重合条件において、触媒毒の影響を軽減することができる。プロピレンおよびブテンのような低級α−オレフィン・コモノマーの使用は、一般に低触媒毒を含むより純粋なストリームから供給され、より高い重合活性を可能とする。より高活性により最終ポリマー生成物におけるより低い触媒残渣がもたらされる。より高級のα−オレフィン生産において生成される内部オレフィン副生物は触媒活性に好ましくない影響を与え、より高い触媒残渣をもたらす。
【0016】
このプロセスにおいて上昇した変換により長鎖分枝の存在に起因した所望の上昇したI21/I2が得られる。
【0017】
有利なことに前記インターポリマーは、55モル%以上のエチレン誘導単位、好ましくは60モル%以上、特に65モル%以上のエチレン誘導単位、0以上10モル%未満、好ましくは5モル%未満、および/または0以上0.5モル%未満のプロピレン以外のα−オレフィン・コモノマーおよび/または1−ブテン、および好ましくは0.1モル%未満のジエンを含む。主要なエチレンおよびより少ないα−オレフィン・コモノマーの使用は、触媒残渣含量の少ない所望の高度に加工性のポリマーの効果的な生産を助ける。
【0018】
前記重合は、架橋構造、好ましくは単一原子架橋により結合した2つのシクロペンタジエニル基を有するハフノセンを含む触媒系を用いて断熱的に行うことができる。前記イオン性活性化剤は、好ましくは2以上の多環性リガンド、特に少なくとも部分的にフッ素化された多環性リガンドを有する。高度に活性化されたメタロセン触媒および実質的に等モルのイオン性活性化剤の使用により、触媒残渣を低下させることが可能となり、これにより次に電気絶縁特性を改善することができる。
【0019】
反応槽温度を最大化し、水素のような転移剤の使用を実質的になくすことは有利である。高温にすると、重合プロセス初期に形成されたビニル末端ポリマー鎖のより良好な取り込みによりLCB量を改善することができる。水素のような鎖転移剤は、終末化機構に影響を与えビニル不飽和量を低下させ、LCB形成を抑制することができる。そのような環境下において重合反応熱は、連続重合用の供給原料と脱揮発化される液体流との温度差の100℃以上まで温度を上昇させることができる。
【0020】
前記重合は連続撹拌タンク反応槽のような単一反応槽において行うこともでき、または多形態分子量分布またはブロードな組成物分布を提供する連続反応槽において行うこともできる。
【0021】
本発明のさらなる側面において、α−オレフィン・コモノマーとしてプロピレンおよび/または1−ブテンを含む、0.85〜0.92g/cm3の密度、0.01〜100g/10分のMIおよび30〜400のMIR(I21/I2)を有し、ICPで0.5ppm未満、好ましくはICPで検出できないホウ素含量により決定されるレベルを有するNCA誘導残基を提供するため触媒としての遷移金属錯体および非配位性アニオンを用いた溶液重合により得られたエチレン・インターポリマーが提供される。
【0022】
本発明の側面を前に記述した際に示したように、前記ポリマーは同様の好ましいポリマー特徴を示し得る。好ましくは、0.01〜0.55のMIにおいて、MIR(I21/I2)>−90.9×MI+90である。次に、このMIR(I21/I2)は45以上で好適である。好ましくは0.55〜8のMIにおいて、MIR(I21/I2)>−1.3×MI+40.7である。好ましくは8より大きなMIにおいて、MIR(I21/I2)>30である。
【0023】
前記インターポリマーは特定の高負荷/低負荷比の範囲と関連した特定のMI範囲を有する。MIが0.01〜0.30の場合、I21/I2>−103.45×MI+91.0および/またはI21/I2<−103.45×MI+241.0である。MIが0.30〜1.40の場合、I21/I2>−18.18×MI+65.4および/またはI21/I2<−18.18×MI+215.4である。MIが1.40〜8.0の場合、I21/I2>−1.515×MI+42.1および/またはI21/I2<−1.515×MI+192.1である。MIが8.0〜1000の場合、I21/I2>30.0および/またはI21/I2<180.0である。
【0024】
触媒の選択を含む好ましいプロセス条件は、単一部位触媒として第IV族金属、好ましくはZnまたはHf、最も好ましくはHfの遷移金属錯体を用いて得ることができる。遷移金属含量によって測定される単一部位残基のレベルは2ppm(parts per million)未満、好ましくはICPにより決定される1ppm未満まで到達し得る。
【0025】
密度は0.85以上および/または0.9未満であり、好ましくは0.86以上および/または0.89未満である。前記ポリマーがステアリン酸のような抗凝集添加物を含むことは電気製品において有利である。
【0026】
より更なる側面において本発明は、電気伝導体および前述したまたは前述のプロセスで生じるいずれか1つ以上の特徴を含むポリマー性絶縁層を含む電気デバイスを提供する。考案中の特定の電気製品に望ましい物であり得るため、他のポリマー、フィルター等と組み合わせた本発明のポリマーを含む絶縁層に組成物を用いることもできる。好適には、前記絶縁層は10〜100のムーニー(Mooney)[(1+4)125℃]範囲を有するエチレン・プロピレン・エラストマー及び任意のジエンをも含む組成物である。前記エラストマーはエチレン−プロピレン−ビニルノルポルネン・ターポリマーであり、最も好ましくは68〜75重量%のエチレン誘導単位、5以上の分子量分布Mw/Mnを有し、および0.1〜2.5重量%のビニルノルボルネン(VNB)からの誘導単位を含むものである。絶縁層は、5〜10MPa分の引張強度(tensile strength)、150〜450%の破壊伸び(break elongation)、および4未満の誘電定数(dielectric consyant)を有して得ることができる。
【0027】
低レベルの触媒がポリマー中に残存し得る。重合条件は、ビニル末端マクロマー(macromer)の取り込みに都合がよく、結果としてLCB形成にすすむような、溶液中のモノマーの高変換を提供するように選択することができる。高変換により未消費モノマーの循環のためにコストが軽減される。
【0028】
高級α−オレフィンを用いないため、高級α−オレフィンの不飽和または分枝異性体の蓄積を回避することができる。コモノマーのレベルは所望の密度、融点、および溶融熱を目標として変動する。好ましくは、密度は0.86以上であり、および/または好ましくは0.9未満であり、バナジウム触媒を用いて製造されるEPコポリマーに通常適用されるものを超える。
【0029】
前記LCB含量は溶融インデックス比、MIR(I21/I2)で測定されるMIRによって間接的に測定することができる。高度に分枝した生成物は高MIR(I21/I2)を有し、直線状生成物は低MIR(I21/I2)を有する。実質的に直線状の生成物はEP608369号公報で記述されるように約12〜17の中MIR(I21/I2)値を有することができ、溶液中で製造される典型的な市販プラストマーはそれを幾らか超えるMIR(I21/I2)値を有することができるが、一方、本発明のプラストマー生成物は約40〜60および更に80までの高さのMIR(I21/I2)値を有する。これらの物質の高LCB含量は押出しにおける、特にワイヤおよびケーブル絶縁物の押出し応用に求められる加工性能を改善する。結果として、ポリマーに分枝を起こさせる後処理、ジエン・コモノマーを形成する分枝の利用、および/または加工助剤の存在を低減または回避することができる。高レベルのLCBにより、ポリマーがより高い充填材保持活性をもつと同時に、より低い触媒残渣およびより低い誘導電力損失を有する間の改善された加工ができる。
【0030】
一般に連続重合反応槽についてのプロセス展開は多くの主に相互に関係するプロセス様相により制限される。触媒活性が余りに低いと、ポリマーは誘電的分解の潜在的要因を含むことになる。消費された遷移金属成分量当たりの製造されたポリマー量という表現により、活性は従来表されている。会合した活性化剤を遷移金属成分に比例した異なるモル比で用いることができる。したがって、完全に活性な状態について製造された単位ポリマー当たりの活性化剤消費により表された活性も考慮することができる。
【0031】
長鎖分枝のレベルは、遷移金属成分、および温度および存在するモノマーが変換される程度のようないくつかのプロセス条件の選択に依存する。
【0032】
遷移金属成分およびNCAの選択が鎖成長および分子量に影響し得る。触媒系およびプロセス条件が分子量を最適化するために選択されると、より高い操作温度を一定のMIを達成するために用いることができる。このより高い操作温度により、活性は上昇し、および/または反応槽におけるより高ポリマー濃度が可能になり、したがって所定の大きさのプラントにおける単位時間当たりに製造されるポリマー重量で表したより高い生産性が可能になる。より高温はビニル端末マクロマーの取り込みを助ける。
【0033】
また、分枝レベルはモノマーがポリマーに変換される程度に影響される。溶媒中にほとんどモノマーが残留しない高い変換率では、条件はビニル末端鎖が成長鎖により頻繁に取り込まれ、より高レベルのLCBが生じるものである。触媒レベルは所望の変換レベルに影響するように調整することができる。
【0034】
より低級のα−オレフィン・コモノマーの選択は重合動力学および触媒活性に影響する。架橋二リガンド・メタロセンはより大きなコモノマーの取り込みを高める触媒部位を提供することができる。プロピレンおよび1−ブテンのようなより小さなコモノマーは同様により容易に取り込むことができる。WO99/51648号公報に記述されるように、モノマー供給原料は活性に好ましくない影響を有する非極性不純物を蓄積し得る。
【0035】
高コモノマー取り込みを有する高分子量の提供、およびコモノマーとして用いられるより高級なα−オレフィン量の回避または低減という傾向を組み合わせた触媒系を用いることにより、ケーブル製造における押出しのような熱可塑性加工に好適なMIの目標範囲として200,000、可能なら400,000を超えて、または更に600,000を上回る連続プロセスに消費される遷移金属化合物1g当たりに製造されるポリマーgに基づく触媒活性を有する30を超えるMIR(I21/I2)を与えるようにLCB形成に好都合にするために、重合用の操作外囲器を高温および/または高モノマー変換の領域に拡張することができる。
【0036】
NCAに関しては、1つ又は複数の帯電原子、特にホウ素またはアルミニウムが、ハロゲン化、特にパーフッ素化された環状ラジカル、特にビフェニルおよび/またはナフチルラジカルのような多環状ラジカルにより遮蔽されたNCAを用いることが最も好ましい。最も好ましくは前記NCAは、四つのパーフッ素化された多環状ラジカルで遮蔽されたフッ素原子を有するホウ素前駆体である。選択されたメタロセン−NCAの組合せは、より高分子量および/またはより高い操作温度を保持することを助けることができる。以上に高いプロセス温度および/またはモノマー変換で溶液中の連続プロセスを操作することにより、驚くことに高レベルのLCBに到達することができる。
【0037】
ワイヤおよびケーブルへの応用でコモノマーとしてのプロピレンの使用の他の有利な点は、より高級なα−オレフィン・コポリマーに対するポリマーのより高い定常係数(plateau modulus)の結果である、その高充填材保持能力に保たれている。短い側鎖を有するポリマーはコイル性は低く、より伸張性である。このより大きな回転半径はより多くの数の隣接鎖とのもつれを生じ、最終的により高レベルの充填剤および添加物を混合および収容するポリマーの手段を提供する。ワイヤおよびケーブル化合物のいくつかの適用において、特に低電圧領域において高充填剤内容物は全化合物コストの低減に役立つ。
【0038】
より更なる側面において、本発明は電気伝導体および前述したまたは前述のプロセスで生じるいずれか1つ以上の特徴を含むポリマー性絶縁層を含む電気デバイスを提供する。考案中の特定の電気的応用に望ましい物であり得るため、他のポリマー、フィルター等と組み合わせた本発明のポリマーを含む絶縁層に組成物を用いることもできる。前述の特徴を有するポリマーを含む絶縁部品は様々なワイヤおよびケーブルへの応用に用いることができる。これらは、低電圧、典型的には5kV未満、5kV〜69kVの範囲の中電圧、および69kVを超える範囲で示される応用で構成される。一般的な化合物には、機械的特性および加工性能を提供する焼成粘土のような補強充填剤が含まれる。製剤に用いられる充填剤の量は応用のタイプに依存する。時々、水酸化マグネシウムのような発火遅延剤(flame retardant)が焼成粘土と組み合わせて、または入れ替えて用いられる。また、前述の特徴を有するポリマーを含む絶縁部品を発火遅延剤において用いることができ、ここで水和水を含む無機充填剤が発火遅延特性を与えるために用いられる。中電圧応用のための製剤は、エージング後に良好な電気特性を提供すると考えられる酸化鉛で常に調製される。しかしながら、環境的な考慮から鉛の低減および除去が望ましい。前述の特徴を有するポリマーを含む絶縁部品は、無鉛か、または低減した量の鉛を含む化合物において用いることができる。高電圧応用について、前記製剤は電気損失を最小化するために充填剤なしで設計される。そのような化合物としては、前述のポリマーを、十分な機械的特性および加工性能を有する非充填化合物を提供するために他の化合物と組み合わせて用いることができる。好適には、前記絶縁層は10〜100のムーニー[(1+4)125℃]範囲を有するエチレン・プロピレン・エラストマー、任意にジエンをも含む組成物からなる。前記エラストマーはエチレン−プロピレン−ビニル・ノルボルネン・ターポリマーであり、最も好ましくは68−75重量%のエチレン誘導単位含量、5以上の分子量分布Mw/Mnを有し、0.1〜2.5重量%のビニルノルポルネン(VNB)誘導単位を含む。絶縁層は、5〜10MPa分の引張強度、150〜450%の破壊伸び、および4未満の誘電定数をもって得ることができる。
【実施例】
【0039】
本発明は実施例を参照して記述される。実施例において、特記しない限り以下のプロトコルにしたがって異なる試験および測定が実施される。
【0040】
【表1】

【0041】
分析用のサンプルは微細な小滴エアロゾルとしてのプラズマに誘導する。異なる元素からの光が格子法により異なる波長に分割され、光感応性検出器により捕捉され、各元素についての光が分析される。これにより40元素までの同時測定が可能である。この感度は、水溶液中において典型的にはμg/Lレベルの検出限界を有する火炎原子吸光(flame atomic absorption)と匹敵する。
【0042】
実施例1
重合
重合は、単一相、液体充填、撹拌タンク反応槽において、平衡条件下で連続的に系に原料を供給し、連続的に生成物を取り出して行った。全ての重合は、一般に「ヘキサン」溶媒と称されるC6アルカンを主に含む系において、溶解性メタロセン触媒および補触媒としての分離した非配位のホウ素イオンを用いて行った。トリ−n−オクチルアルミニウムのヘキサン均一希釈溶液を反応を維持するために適当な濃度で捕捉剤として用いた。水素のような移転剤は分子量を制御するために一切添加しなかった。重合は、LCBを精製するマクロマー再挿入を最大化するため高温及び高変換で行った。高温における均一で連続な溶液プロセスのこの組合せは、生成物が狭い組成および配列の分布を有するが、MIR(I21/I2)により測定されるより高い長鎖分枝含量を示すことを確保するのに役立った。
【0043】
前記ヘキサン溶媒は3Aモルシーブ(mole sieve)および塩基性アルミナのベッド上で精製した。エチレンおよびオクテンは3Aモルシーブのみのベッド上で乾燥した。全ての供給原料は、質量流動測定器/制御器を通してガスとして流動するエチレンを除き、測定ポンプで反応槽へポンピングした。反応槽温度は供給原料の制御冷却および反応槽を加熱する重合熱の使用により断熱的に制御した。供給原料温度は−20℃〜40℃またはより高い範囲をとり得る。典型的な供給原料温度は高変換運転については10℃に保ち、高温運転については25℃に保った。
【0044】
液相の反応物を保つために、反応槽は反応混合物の蒸気を超える圧力で維持した。この様式において反応槽は均一単一相で完全に液体状態で操作された。エチレンおよびプロピレン供給原料は1つの流れに混合され、次に予備的に冷却されたヘキサン流と混合された。トリ−n−オクチルアルミニウムのヘキサン溶液捕捉剤が混合された溶液、および任意の触媒毒濃度をさらに低下させるために直前に反応槽に入ったモノマー流に添加された。溶媒中の触媒成分の混合物は反応槽に別々にポンピングされ、分離した入口を通して流入した。
【0045】
前記反応混合物は、広範囲の溶液粘度にわたって完全な混合を行うために約750rpmまで設定された3つの向い合う方向の傾いた水かきを備えた磁気運転システムを用いて激しく撹拌した。流動速度は約10分間の反応槽内滞留時間を維持するように設定された。反応槽からの排出に際して、前記ポリマー混合物にはクエンチング、一連の濃縮工程、加熱および真空ストリッピングおよび造粒が行われる。
【0046】
一般的な条件はWO99/45041号公報に記述されたものでよく、本文献は参照により本発明に取り込まれる。次に重合反応を止めるために水が加えられる。さもなければ、残存触媒、未反応モノマーの存在下、および上昇温度のために重合反応は継続することになる。
【0047】
本発明の高度分枝ポリマーを得るために、選択された触媒系の使用により温度は余分に上昇したレベルまで上げられる。前記触媒系は、良好な高温安定性を提供し、コモノマーおよびマクロマーを容易に取り込むために選択される。より高温を用いることにより、分子サイズに起因するコモノマーおよび/またはマクロマーの取り込みにおける差異はLCB生成に都合のよいように低減する。追加のモノマーおよびコモノマーにおいて、重合に用いられるモノマーおよびコモノマーの量を制限し、再びマクロマー取り込みおよびLCB生成に都合のよいように変換を増加させることができる。
【0048】
増加した触媒レベルおよび増加したモノマー濃度を用いて、単位時間当たりにポリマーに変換されるモノマーおよびコモノマー量を増加させることにより上昇した温度に断熱操作で到達することができる。安定な操作条件に到達するために触媒添加速度が変化する必要があり得るように、上昇した重合温度はそれ自身増加した活性と関係があり得る。モノマーが大部分消費されてその濃度が低下するように、モノマー濃度を増加させることなしに、触媒レベルを増加させ、または反応槽滞留時間を増加させることにより増加したモノマー変換を達成することができる。任意に触媒系は、より高いモノマー変換および維持または改善された操作温度の両方を許容するように選択される。
【0049】
連続撹拌タンク反応槽の流出液は220℃まで温度を上昇させるために熱交換器に当される。次に液相分離は、前記重合混合物が液相分離容器の降下バルブを通して通過するときに急速圧力低下により実施される。この液相分離容器内では圧力が100Barから40Barに急激に低下する。容器内では、上方の希薄な層が0.1重量%未満のポリマーで形成され、下方のポリマーリッチ層が30〜40重量%のポリマーで形成される。ポリマーリッチ層における濃度は重合流出液におけるものの約2倍〜3倍である。さらに低圧分離器および脱揮発器における溶媒およびモノマーの除去後、造粒されたポリマーはプラントから取り除くことができる。
【0050】
液相分離の下流から取り除かれた希薄層および揮発物は重合原料の一部に循環される。このプロセスにおいて分離および精製の程度により、触媒活性を徐々に害し得る極性不純物が除去される。重合するのが難しい任意の内部不飽和オレフィンは徐々に希薄相および循環流に蓄積することになる。重合活性への任意の反対効果は、高重合温度が都合がよい循環流からのこれらのオレフィンの除去および/またはポリマーにおけるそれらの取り込みの増加により軽減され得る。
【0051】
以下の試行は以下の触媒系を用いて行われた。
【0052】
【表2】

【0053】
プラストマーは、一般的に前述されたプロセスおよび示された触媒系を用いて、多くの試行で製造された。
【0054】
【表3】

【0055】
水素は添加しなかった。試行におけるプロセス条件は、下記に詳細に示すようにモノマー変換を調整することにより目標MIを達成するために、いずれも変動させた。プロセス条件を表4にまとめた。
【0056】
【表4】

【0057】
コモノマーとして用いたオクテンは、活性に好ましくない効果を有する異性体を含み得る。
【0058】
【表5】

【0059】
表4は、NCAとしてジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸を用いると、低活性ゆえに電気特性への好ましくない影響を生じることを示す(試行4および5)。(p−Et3Si−phenyl)2C(2,7−tBu)(2Flu)(Cp)HfMe2はより高い変換を提供し、高いMIR(I21/I2)値を促進する。ゆえにキラル(chiral)またはアキラルな(achiral)ハフノセンを含む触媒系を用いることにより、市販のMI範囲、高いMIR(I21/I2)を有し、およびポリマーにおける低触媒残渣を示すポリマーの生成が可能になる。
【0060】
実施例Iは高い変換率および合理的な活性を示している。MIR(I21/I2)は53であった。実施例IIは変換率がいくらか低下した高重合温度において行われた。46におけるMIR(I21/I2)は高いままであり、活性はIについてよりかなり高かった。実施例IIIは、触媒(B)の使用により、比較活性で触媒(A)より高い変換率/温度平衡が可能になることを示している。プロセス条件および触媒の選択により、高い変換率、高い重合温度および高いMIR(I21/I2)の組合せが可能になる。実施例IVおよびVは、コモノマーとしてオクテン−1を用いると高活性および高いMIR(I21/I2)の良好な組合せが得られないことを示している。
【0061】
インターポリマーとEP−VNBのブレンド
表6は、エクソンモービル・ケミカル社からの市販品として得られるヴィスタロンV1703Pをも含む中電圧電気製剤に用いられるエチレン・α−オレフィンポリマーの一覧を含んでいる。このポリマーには、ターモノマーであるビニルノルボルネン(VNB)が含まれ、高度に分枝している。
【0062】
【表6】

【0063】
メタロセンポリマーIVおよびVIは、0.870の密度の活性化剤としてジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸を用いて製造した比較のエチレン・オクテンポリマーである。IIIは、メタロセン触媒および活性化剤としてジメチルアニリニウムテトラキス(ヘプタフルオロ−ナフチル)ホウ酸を用いて調製した発明にかかるエチレン・プロピレン・コポリマーである。エンゲージ(Engage)8100はデュポン・ダウ・エラストマーズ社から市販で得られるエチレン・オクテン・コポリマーである。
【0064】
表7は、充填剤として60部の粘土を含む工業標準中電圧絶縁化合物を示している。
【0065】
【表7】

【0066】
トランスリンク37である粘土は焼成され、表面処理されたエンゲルハード(Engelhard)社から入手可能なカオリンである。前記製剤は1600mLにおいて2つの通過混合プロトコルを用いて混合された。バンブリ(Banbury)ミキサーは1420gのバッチ重量を用い、これは75%の充填係数に対応する。過酸化物を含まない主バッチ混合物は、下記表8で示された混合操作7分の総混合時間について初回通過で混合した。バンブリミキサーから取り出した主バッチは2回転製粉機に広げた。このバッチは製粉機で数回均一化した。製粉機温度は撹拌の間、約90℃に維持された。製粉された主バッチは製粉ナイフを用いて小さなストリップ(strip)に切断された。このストリップは過酸化物とともに再びミキサーに導入され、混合物は125℃未満の温度でさらに2分間混合された。最終化合物は2回転製粉機でもう一度均一化され、押出し加工用の小片に造粒された。
【0067】
表8は混合操作および条件を示す。
【0068】
【表8】

【0069】
化合物押出し試験はハーケ(HAAKE)社レオコード(Rheocord)90単一スクリュー押出し機において行われた。この押出し機のスクリュー長/半径比(LID)は20/1であった。押出し機スクリューは2/1の圧縮比を有し、これはゴム化合物加工の典型値である。9.5mmのランド(land)長および3.2mmの直径を有する筒状鋳型を押出し物の表面状態を評価するために用いた。押出し機の様々なゾーンおよび鋳型ブロックの温度は125℃で一定に維持した。完全な回転を維持するために顆粒化ゴムを押出し機ホッパーを通して供給したが、押出し中ホッパーは空であった。押出し機スクリュー速度は25rpm〜100rpmに変動させる。質量スループットは特定の時間にわたって押出し物のサンプルを回収することによりそれぞれのスクリュー速度で測定し、代表的にはスクリュー速度により10〜30秒であった。3以上のサンプルを平均値を得るために回収した。
【0070】
押出し物の表面粗さはサーフコム(Surfcom)110表面ゲージで分析した。サーフコム装置は、試験中押出し物表面を横断し、表面の不規則性を記録するダイヤモンド針を備えている。Rt(□m)として表される表面不規則性における最高および最低地点の垂直距離を全てのサンプルについて測定した。平均ラインから表面状態の乖離を表す、算術平均値Raも記録される(□m)。平均値はサンプルごとに3以上の測定値に基づいて得られる。
【0071】
周波数による化合物粘度の変動をRPA2000ゴム・プロセス・アナライザーを用いて測定した。測定は14%の一定引張および125℃の温度で行った。周波数は0.21〜219(1/秒)に変動した。
【0072】
表9は、表7および8示したように調製した中電圧化合物製剤の化合物硬化および物理特性を示している。これには、EP(D)M−VNBターポリマーV1703Pのそれ自体およびメタロセン・エチレン・プロピレン・コポリマーIIIとのブレンドが含まれる。
【0073】
【表9】

【0074】
製剤例1は比較の製剤であり、製剤例2〜4は本発明にかかる化合物である。V1703Pをメタロセン候補物IIIで置換すると、VNBターポリマーの置換から硬化速度における限界の低下を生じるが、熱エージング特性、特に破壊への伸びを増強した。
【0075】
表10は、表9で示した製剤の化合物押出し特性を示している。
【0076】
【表10】

【0077】
前記化合物(製剤例2)におけるIIIに対するV1703Pのブレンド比50/50において、前記押出し物表面特性は参照ポリマーV1703Pを用いて製剤された比較例1に匹敵する。製剤中のメタロセンポリマー含量を増加させると、溶融破壊が50rpmおよび上記の押出し速度で押出し物上に認められる。このことは実施例3および4についての比較的高いRt値により明らかにされる。
【0078】
図1は、90℃の水中でエージングしたサンプルに関して、時間経過の化合物消費(または損失)因子の変動を示す。本発明にかかる製剤2〜4の性能は比較製剤例1に非常に類似している。
【0079】
図2は、参照ポリマーV1703P自身を主要成分とする製剤、およびメタロセン候補物IIIおよび比較メタロセンポリマーPX−3およびエンゲージ8100との50/50ブレンドにおける周波数変化にともなう化合物粘度の変動を示す。参照ポリマーV1703Pにおける大量の分枝により、このポリマーを含む化合物は剪断感度の最も高くなり、100〜250/秒のより高い周波数範囲で最低の化合物粘度をもたらす。比較ポリマーIVおよびエンゲージ8100を主要成分とする化合物は最も剪断感度が低い。これらの製剤は、低剪断ストレスにおいて溶融破壊特性を示す加工性能において多少防御的になる。メタロセンポリマーIIIを主要成分とする製剤は、比較VIおよびエンゲージ8100を含む化合物について増強した加工性能を示す。これらのインターポリマーは直接ペレット化できる。
【0080】
製剤例5〜7
メタロセン候補物IIIとV1703Pとのポリマーブレンドを主要成分とする中電圧電気的化合物を、V1703Pに対するIIIのブレンド比を変動させて、表7の製剤ごとに調製した。この製剤は微細なペレットに顆粒化して14AWG銅ワイヤ上に押出した。
【0081】
表11は、V1703Pポリマーを主要成分とする対照化合物の代表的な試行条件に対応する、ワイヤライン押出し用のプロセス条件を示す。ワイヤを被覆する中電圧絶縁化合物は208℃の一定の温度で保たれる蒸気/水加熱連続加硫管において加硫化された。加硫管における代表的な滞留時間はライン速度に依存する。12.2m/分のライン速度で、滞留時間は1.65分である。
【0082】
表11に示されるように、全ての本発明にかかる製剤は、対照化合物と類似の条件で十分に加工されたV1703Pに対するIIIのブレンド比について変動する。
【0083】
【表11】

【0084】
表12は、メタロセン候補物M3013101のV1703Pに対する変動するブレンド比を含む表11のワイヤサンプルの物性を示す。製剤例8はメタロセン候補物を含まないV1703Pを主要成分とする対照製剤である。表12に示すように、ワイヤサンプル(Rt)の表面粗さは全ての化合物においてほとんど同じである。押出された化合物(表10)上の製剤例5および6に認められる溶融破壊は、連続加硫管における蒸気の適用により取り除くことができる。全ての製剤例5〜7は、対照例8に匹敵する90%硬化近くを達成している。本発明にかかる化合物の引張強度(tensile strength)は対照より僅かに低いが、このレベルは最終用途応用に十分である。
【0085】
【表12】

【0086】
特定の態様において、本発明で記載されるプロセス、ポリマーおよび製剤は、酸化鉛化合物の非存在下または酸化鉛化合物の低減されたレベルで、有用な電気特性を示すことができる組成物および電気デバイスの製造を可能にする。特に特定の態様において、前記有用な電気特性は消費因子および誘電定数である。本発明で記載される特定のポリマー性物質を取り込む製剤のためのこれらの電気特性を評価するために、一連の実験的評価が実施された。
【0087】
表13に、電気特性が評価された、表7および8に示されるように調製された3つの中電圧化合物製剤が挙げられている。各製剤はポリマーIVまたはポリマーVと同定されたエチレン・インターポリマーを含む。
【0088】
ポリマーIVはチーグラー・ナッタ触媒重合で製造されるEPDMターポリマーである。ポリマーIVは25の125℃におけるML(1+4)を有する。前記ターポリマーはエチレン、プロピレン、およびエチリデンを、それぞれ73.3重量%、23.4重量%、および3.3重量%の重量百分率で取り込む。ポリマーIVはヴィスタロン(登録商標)8731名でエクソンモービル・ケミカル社から市販品で入手できる。
【0089】
ポリマーVは、メタロセン触媒および活性化剤としてのジメチルアニリニウムテトラキス(ヘブタフルオロ−ナフチル)ホウ酸を取り込む連続重合プロセスを用いて製造されるEPMコポリマー(エチレン−プロピレン・コポリマー)である。ポリマーVは16の125℃におけるML(1+4)および1(g/10分)の溶融インデックス(melt index)を有する。ポリマーVはエチレンおよびプロピレンを、それぞれ72重量%および28重量%の重量百分率で取り込む。
【0090】
【表13】

【0091】
実施例9〜11についての消費因子は表14で報告されるように時間をかけて決定された。消費因子はASTM D−150−98にしたがって90℃の水中でエージング後に決定された。
【0092】
【表14】

【0093】
一般に、消費因子が低いほど、製剤の電気特性は良好である。分析の便宜のために、実施例9〜11の製剤について時間ごとの消費因子が図3にプロットされる。表14および図3を参照すればわかるように、ポリマーIVを取り込んだ製剤は酸化鉛化合物(ERD90)を5phr含有することにより消費因子特性が改善されることが証明された。しんかしながら、メタロセンに触媒されたポリマーVを取り込んだ実施例11の製剤について、鉛または酸化鉛化合物のようなその誘導体の無添加または非存在下でさえも優れた消費因子性能が証明された。
【0094】
特定の態様において、本発明で記載される製剤は、鉛およびその誘導体を実質的に含有しない。本開示の目的から、鉛およびその誘導体を実質的に含有しないという用語は0.1phr未満の鉛および/またはその誘導体を有する製剤を意味し、これには組成物中100phrの1または複数のポリマー性物質当たりの酸化鉛が含まれるが、これに限定されない。特定の態様において、本発明で記載される製剤は、鉛およびその誘導体を実質的に含有せず、90℃における水中で28日間エージング後に0.02未満の消費因子を有する。他の態様において、本発明で記載される製剤は、鉛およびその誘導体を実質的に含有せず、90℃における水中で28日間エージング後に0.15未満の消費因子を有する。さらに他の態様において、本発明で記載される製剤は、鉛およびその誘導体を実質的に含有せず、90℃における水中で28日間エージング後に0.13未満の消費因子を有する。
【0095】
実施例9〜11の製剤の誘電定数値は表15に報告されるように時間をかけて決定された。誘電係数値はASTM D−150−98にしたがって90℃の水中でエージング後に決定された。
【0096】
【表15】

【0097】
一般に、誘電定数が低いほど、製剤の電気特性は良好である。ポリマーIVを取り込んだ実施例9および10の製剤は、酸化鉛の取り込みが有る無しに拘わらず28日間にわたり比較的安定な誘電定数を示した。メタロセンで触媒されたコポリマーであるポリマーVを取り込み、酸化鉛非添加の実施例11の製剤では、一日後の優れた低誘電定数および28日間の最後までに5%より大きな好ましい誘電定数低下が証明された。
【0098】
特定の態様において、本発明で記載される製剤は、鉛およびその誘導体を実質的に含有せず、90℃における水中で28日間エージング後に2.55未満の誘電定数を有する。他の態様において、本発明で記載される製剤は、鉛およびその誘導体を実質的に含有せず、90℃における水中で28日間エージング後に2.50未満の誘電定数を有する。さらに他の態様において、本発明で記載される製剤は、鉛およびその誘導体を実質的に含有せず、90℃における水中で28日間エージング後に2.45未満の誘電定数を有する。
【0099】
本発明で用いられる取引名称はTM記号またはR記号で表され、その名称が特定の商標権で保護され得ることを示す。またいくつかのそのような名称は様々な裁判権において商標として登録され得る。
【0100】
本発明に引用される全ての特許、試験操作、および他の文書は、優先権のある文書も含めて、開示が本発明と不一致ではない範囲にまで、そのような取り込みが許容される全ての裁判権のために参照により完全に取り込まれる。
【0101】
本発明の具体的な態様を詳細に述べてきたが、本発明の本質および範囲を離れずに様々な他の設計変更が当業者にとって明らかであり、容易になり得ることが理解できるであろう。したがって、ここに添付したクレームの範囲が本発明に示した実施例および詳細な説明に限定されることが意図されるものではなく、本発明にある特許性のある新規性の全ての特徴を、本発明が属する技術分野の当業者によりこれらの均等物として取り扱われるであろう全ての特徴を含めてクレームが包含すると解釈される。
【0102】
数字の下限および数字の上限が本発明に示されている場合には、任意の下限から任意の上限までの範囲が考慮されている。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】90℃の水中でエージングしたサンプルに関して、時間経過の化合物消費(または損失)因子の変動を示す図である。
【図2】参照ポリマーV1703P自身を主要成分とする製剤、およびメタロセン候補物IIIおよび比較メタロセンポリマーPX−3およびエンゲージ8100との50/50ブレンドにおける周波数変化にともなう化合物粘度の変動を示す図である。
【図3】実施例9〜11の製剤について時間ごとの消費因子を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエチレンおよび/または1−ブテンを用いるランダム・エチレン・インターポリマーを調製するための連続重合プロセスであって、
(A)140℃〜250℃の温度、80〜99%のエチレン変換率、および20%以上のコモノマー変換率で、中心帯電原子を遮蔽する環状リガンドを有するイオン性活性化剤を用いた単一部位触媒系の存在下、連続ランダム重合条件においてエチレンおよびα−オレフィン・コモノマーとしてのプロピレンおよび/または1−ブテンを重合する工程、および
(B)0.85〜0.92g/cm3の密度、0.01〜100g/10分、好ましくは0.1〜20g/10分のMI、および30〜400のI21/I2を有するエチレン・コポリマーを提供するために脱揮発する工程
を含むプロセス。
【請求項2】
前記コモノマー変換率が30%以上および/または80%未満であることを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記エチレン・コポリマーが200未満のI21/I2を有することを特徴とする請求項1または2に記載のプロセス。
【請求項4】
MIに対するI21/I2比が2〜9000であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項5】
式MIR=[a(MI)^−0.167]におけるaが42〜440であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記インターポリマーが55モル%以上、好ましくは60モル%以上、最も好ましくは70モル%以上のエチレン誘導単位を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記インターポリマーが0〜10モル%未満、好ましくは0〜5モル%未満のプロピレンおよび/または1−ブテン以外のα−オレフィン・コモノマーを含み、および/または前記インターポリマーが0〜0.5モル%未満、好ましくは0〜0.1モル%未満のジエンを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記重合が、0℃を超える温度を有する供給原料、任意に冷却なしの供給原料に、および架橋構造により結合したシクロペンタジエニル型基を有する2つのリガンド、好ましくは各シクロペンタジエニル型基に結合した単一の原子を含む2つのリガンドを有するハフノセンを含む触媒系を用いて、断熱的に行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記イオン性活性化剤が2つ以上の多環性リガンド、好ましくは少なくとも一部分がフッ素化された多環性リガンドを有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記イオン性活性化剤が4つのフッ素化された多環性リガンドを有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記イオン性活性化剤がジメチルアニリニウムテトラキス(ヘブタフルオロ−ナフチル)ホウ酸であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項12】
前記重合が、水素のような鎖転移剤が実質的に存在しない状態で行われることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項13】
重合反応熱が、連続重合用の供給原料と脱揮発化される流出液との間で100℃以上に上がることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項14】
前記重合が、多峰性の分子量分布および/または多峰性の組成物分布を提供するために一連の反応槽において行われることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項15】
ICPにより0.5ppm未満と測定され、好ましくはICPにより検出できないホウ素含量により決定されるNCA誘導残基レベルを提供するため、触媒としての遷移金属錯体および非配位性アニオンを用いた溶液重合により得られる0.85〜0.92g/cm3の密度、0.01〜100g/10分のMI、および30〜400のI21/I2を有するプロピレンおよび/または1−ブテンをα−オレフィン・コモノマーとして含むエチレン・インターポリマー。
【請求項16】
前記MIが0.01〜0.55であり、前記I21/I2>−90.9×MI+90である、または前記MIが0.55〜8であり、前記I21/I2>−1.3×MI+40.7である、または前記MIが8より大きく、前記I21/I2>30であることを特徴とする請求項15に記載のポリマー。
【請求項17】
55モル%以上、好ましくは60モル%以上、最も好ましくは70モル%以上のエチレン誘導単位を含むことを特徴とする請求項15または16に記載のポリマー。
【請求項18】
0.5〜15のMI、および30〜100、好ましくは40以上のI21/I2を有することを特徴とする請求項15〜17のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項19】
MIに対するI21/I2比が2〜9000であることを特徴とする請求項15〜18のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項20】
式MIR=[a(MI)^−0.167]におけるaが42〜440であることを特徴とする請求項15〜19のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項21】
0.01〜25のMI、および40〜150、好ましくは50以上および/または100未満のI21/I2を有することを特徴とする請求項15〜20のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項22】
0.01〜0.30のMIを有し、I21/I2>−103.45×MI+91.0であることを特徴とする請求項15〜20のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項23】
0.01〜0.30のMIを有し、I21/I2<−103.45×MI+241.0であることを特徴とする請求項15〜20のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項24】
0.30〜1.40のMIを有し、I21/I2>−18.18×MI+65.4であることを特徴とする請求項15〜20のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項25】
0.30〜1.40のMIを有し、I21/I2<−18.18×MI+215.4であることを特徴とする請求項15〜20のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項26】
1.40〜8.0のMIを有し、I21/I2>−1.515×MI+42.1であることを特徴とする請求項15〜20のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項27】
1.40〜8.0のMIを有し、I21/I2<−1.515×MI+192.1であることを特徴とする請求項15〜20のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項28】
8.0〜1000のMIを有し、I21/I2>30.0であることを特徴とする請求項15〜20のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項29】
8.0〜1000のMIを有し、I21/I2<180.0であることを特徴とする請求項17に記載のポリマー。
【請求項30】
前記単一部位触媒が第IV族金属の遷移金属錯体であり、好ましくはZrまたはHfであり、最も好ましくはHfであることを特徴とする請求項15〜29のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項31】
遷移金属含量により測定される単一部位残基レベルが2ppm(parts per million)未満、好ましくはICPにより測定される1ppm未満であることを特徴とする請求項15〜30のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項32】
前記密度が0.86以上および/または0.89未満、好ましくは0.87以上および/または0.88未満であることを特徴とする請求項15〜31のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項33】
0〜10モル%未満、好ましくは0〜5モル%未満のプロピレンおよび/または1−ブテン以外のα−オレフィン・コモノマーを含むことを特徴とする請求項15〜32のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項34】
0〜0.5モル%未満、好ましくは0〜0.1モル%未満のジエンを含むことを特徴とする請求項15〜33のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項35】
0.1重量%未満のステアリン酸塩のような抗凝集添加物を含むことを特徴とする請求項15〜34のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項36】
前記NCA誘導残基が、2つ以上の多環性リガンド、好ましくは少なくとも一部分がフッ素化された多環性リガンドを有するイオン性活性化剤から誘導されることを特徴とする請求項15〜35のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項37】
前記NCA誘導残基が、4つのフッ素化された多環性リガンドを有するイオン性活性化剤から誘導されることを特徴とする請求項15〜35のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項38】
前記NCA誘導残基が、ジメチルアニリニウムテトラキス(ヘブタフルオロ−ナフチル)ホウ酸イオン性活性化剤から誘導されることを特徴とする請求項15〜35のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項39】
(i)ICPにより0.5ppm未満と測定され、好ましくはICPにより検出できないホウ素含量により決定されるNCA誘導残基レベルを提供するため、触媒としての遷移金属錯体および非配位性アニオンを用いた溶液重合により得られる0.85〜0.92g/cm3の密度、0.01〜100g/10分のMI、および30〜400のI21/I2を有するプロピレンおよび/または1−ブテンをα−オレフィン・コモノマーとして含むエチレン・インターポリマーの100phr、および
(ii)酸化鉛化合物の5phr未満
を含むポリマー性組成物。
【請求項40】
鉛およびその誘導体が実質的に含まれない請求項39に記載のポリマー性組成物。
【請求項41】
前記インターポリマーのMIが0.01〜0.55であり、前記I21/I2>−90.9×MI+90である、または前記MIが0.55〜8であり、前記I21/I2>−1.3×MI+40.7である、または前記MIが8より大きく、前記I21/I2>30であることを特徴とする請求項39に記載のポリマー性組成物。
【請求項42】
前記インターポリマーが55モル%以上、好ましくは60モル%以上、最も好ましくは70モル%以上のエチレン誘導単位を含むことを特徴とする請求項39または41に記載のポリマー性組成物。
【請求項43】
前記インターポリマーが0.5〜15のMI、および30〜100、好ましくは40以上のI21/I2を有することを特徴とする請求項39〜42のいずれか1項に記載のポリマー性組成物。
【請求項44】
MIに対するI21/I2比が2〜9000であることを特徴とする請求項39〜43のいずれか1項に記載のポリマー性組成物。
【請求項45】
式MIR=[a(MI)^−0.167]におけるaが42〜440であることを特徴とする請求項39〜44のいずれか1項に記載のポリマー性組成物。
【請求項46】
前記インターポリマーが0.01〜25のMI、および40〜150、好ましくは50以上および/または100未満のI21/I2を有することを特徴とする請求項39〜45のいずれか1項に記載のポリマー性組成物。
【請求項47】
前記インターポリマーが0.01〜0.30のMIを有し、I21/I2>−103.45×MI+91.0であることを特徴とする請求項39〜45のいずれか1項に記載のポリマー性組成物。
【請求項48】
前記インターポリマーが0.01〜0.30のMIを有し、I21/I2<−103.45×MI+241.0であることを特徴とする請求項39〜45のいずれか1項に記載のポリマー性組成物。
【請求項49】
前記インターポリマーが0.30〜1.40のMIを有し、I21/I2>−18.18×MI+65.4であることを特徴とする請求項39〜45のいずれか1項に記載のポリマー性組成物。
【請求項50】
前記インターポリマーが0.30〜1.40のMIを有し、I21/I2<−18.18×MI+215.4であることを特徴とする請求項39〜45のいずれか1項に記載のポリマー性組成物。
【請求項51】
前記インターポリマーが1.40〜8.0のMIを有し、I21/I2>−1.515×MI+42.1であることを特徴とする請求項39〜45のいずれか1項に記載のポリマー性組成物。
【請求項52】
前記インターポリマーが1.40〜8.0のMIを有し、I21/I2<−1.515×MI+192.1であることを特徴とする請求項39〜45のいずれか1項に記載のポリマー性組成物。
【請求項53】
前記インターポリマーが8.0〜1000のMIを有し、I21/I2>30.0であることを特徴とする請求項39〜45のいずれか1項に記載のポリマー性組成物。
【請求項54】
前記インターポリマーが8.0〜1000のMIを有し、I21/I2<180.0であることを特徴とする請求項42に記載のポリマー性組成物。
【請求項55】
前記単一部位触媒が第IV族金属の遷移金属錯体であり、好ましくはZrまたはHfであり、最も好ましくはHfであることを特徴とする請求項39〜54のいずれか1項に記載のポリマー性組成物。
【請求項56】
遷移金属含量により測定される単一部位残基レベルが2ppm(parts per million)未満、好ましくはICPにより測定される1ppm未満であることを特徴とする請求項39〜55のいずれか1項に記載のポリマー性組成物。
【請求項57】
前記インターポリマーの密度が0.86以上および/または0.89未満、好ましくは0.87以上および/または0.88未満であることを特徴とする請求項39〜56のいずれか1項に記載のポリマー性組成物。
【請求項58】
前記インターポリマーが0〜10モル%未満、好ましくは0〜5モル%未満のプロピレンおよび/または1−ブテン以外のα−オレフィン・コモノマーを含むことを特徴とする請求項39〜57のいずれか1項に記載のポリマー性組成物。
【請求項59】
前記インターポリマーが0〜0.5モル%未満、好ましくは0〜0.1モル%未満のジエンを含むことを特徴とする請求項39〜58のいずれか1項に記載のポリマー性組成物。
【請求項60】
前記インターポリマーが0.1重量%未満のステアリン酸塩のような抗凝集添加物を含むことを特徴とする請求項39〜59のいずれか1項に記載のポリマー性組成物。
【請求項61】
前記NCA誘導残基が、2つ以上の多環性リガンド、好ましくは少なくとも一部分がフッ素化された多環性リガンドを有するイオン性活性化剤から誘導されることを特徴とする請求項39〜60のいずれか1項に記載のポリマー性組成物。
【請求項62】
前記NCA誘導残基が、4つのフッ素化された多環性リガンドを有するイオン性活性化剤から誘導されることを特徴とする請求項39〜60のいずれか1項に記載のポリマー性組成物。
【請求項63】
28日間のエージング後に0.02未満の消費因子を有することを特徴とする請求項39〜62のいずれか1項に記載のポリマー性組成物。
【請求項64】
28日間のエージング後に2.50未満の誘電定数値を有することを特徴とする請求項39〜63のいずれか1項に記載のポリマー性組成物。
【請求項65】
電気伝導体および請求項15〜64のいずれか1項に記載のポリマーまたはポリマー性組成物を含むポリマー性絶縁層を含む電気デバイス。
【請求項66】
前記絶縁層が、20〜50の範囲の125℃におけるムーニー(1+4)を有するエチレン・プロピレン・エラストマーおよび任意にジエンをさらに含むことを特徴とする請求項65に記載の電気デバイス。
【請求項67】
前記エラストマーがエチレン−プロピレン−ビニルノルボルネン・ターポリマーであることを特徴とする請求項66に記載の電気デバイス。
【請求項68】
前記ターポリマーが68〜75重量%のエチレン誘導単位含量、5以上の分子量分布Mw/Mnを有し、0.1〜2.5重量%のVNBから誘導された単位を含むことを特徴とする請求項67に記載の電気デバイス。
【請求項69】
前記絶縁層が5〜10MPa分の引張強度、100〜500%、好ましくは150〜400%の破壊伸び、および5未満、好ましくは3未満の誘電定数を有することを特徴とする請求項65〜68のいずれか1項に記載の電気デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−530738(P2007−530738A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−505114(P2007−505114)
【出願日】平成17年3月21日(2005.3.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/009575
【国際公開番号】WO2005/095475
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(599134676)エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク (301)
【Fターム(参考)】