説明

エッチングモニタリング装置

【課題】エッチング実行中にレジスト膜厚の影響を除去し、高い精度で孔深さや段差を算出する。
【解決手段】所定波長幅の光を試料50に照射して、孔52の底面や基板51上面等で反射する光の干渉を含む光を分光ユニット25により分光検出する。データ処理部30では分光スペクトルから光源21の発光スペクトルの影響等を除去した干渉スペクトルを求め、これをフーリエ変換して得られるピークの間隔から孔深さや膜厚等を算出する。チョッパ103は外部参照面104で反射した外部参照光を周期的に遮断・通過させるため、データ処理部30では外部参照光ありのデータとなしのデータとが得られる。例えば、レジスト層53が厚い間は、より高分解能である外部参照光なしのデータに基づいて孔深さ等を算出し、エッチングが進行してレジスト層53が薄くなると、外乱の影響を受けにくい外部参照光ありのデータに基づいて孔深さ等を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エッチング加工により半導体基板などに形成される微細な孔、例えばTSV(=Through Silicon Via:シリコン貫通ビア)の深さや段差などを、加工中に略リアルタイムで測定するためのエッチングモニタリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路の製造プロセスでは、シリコンウエハ等の半導体基板にごく微細な孔や溝を形成するために低圧プラズマ等を用いたエッチング加工が行われている。通常、エッチング工程では、まず、基板上で孔や溝を形成しない部分にレジスト膜によるマスキングを行った上でエッチング加工を実行する。これにより、マスキングされていない部分のみが選択的に削られるから、加工後にレジスト膜を除去することで任意の形状の孔や溝を形成することが可能となる。このときに形成される孔や溝の深さはエッチングの時間、ガス種類、ガス圧などの様々な条件に依存するから、孔や溝の深さを目標深さにするために、加工中に実際の深さをモニタリングしながらエッチングの終了点を決めたり条件を調整したりする制御がなされる。
【0003】
従来、エッチングにより形成される微細孔の深さを光学的に測定する技術として特許文献1〜3に記載のものが知られている。これら文献に記載の装置は、エッチングにより基板上に形成される微細な孔の深さを測定するために、単色光源、該単色光源からの光を計測対象の孔に照射する光学系、その孔からの反射光の強度を測定する検出器、などを備える。エッチングの進行に伴って被エッチング部である微細孔が深くなってゆくとき、孔の底面からの反射光とその孔の開口周囲の面からの反射光との干渉により、検出器に入射する光強度は繰り返し変化する。即ち、図9(a)に示すように、エッチング深さがλ/2(λ:単色光の波長)ずつ進行するに伴い検出器による信号強度は強弱の周期を繰り返す。そこで、従来は、この信号強度の時間的変化のピーク(極大又は極小)を計数することにより孔深さを計測している。
【0004】
なお、上記特許文献1〜3に記載の装置では、孔深さ計測用とは別に、分光測定用光源、該分光測定用光源からの光を計測対象のマスク層に照射する光学系、マスク層からの反射光を分光して検出する分光検出器、などを備えるが、これは被エッチング部以外の基板表面をマスキングするマスク層の膜厚を測定するためのものであり、孔深さの計測には関係しない。
【0005】
上述した光強度の時間変化に対し単純なピーク(又はボトム)の計数で孔深さを求めるという従来のエッチング深さ(段差)計測方法は、光を反射する面が2つである場合には特に問題が生じない。しかしながら、レジスト膜や他の層構造のために光を反射する面が3面以上になる等、反射面の状態が変化すると、干渉光の振幅の時間的変動が図9(b)に示すように複雑になる。そのため、正確なピークの計数が困難になる。特に、エッチングにより形成される孔がごく微細な径であったり深かったりする場合には、孔底面からの反射光が弱くなるのでレジスト層等の孔周囲の面からの反射光が支配的となり、被エッチング部の深さを反映した干渉の振幅が小さくなるために計数ミスを引き起こす可能性が高くなる。そのため、被エッチング部である孔の深さや段差の計測の精度が低下し、エッチング不良の大きな原因となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2859159号公報
【特許文献2】特開平10−325708号公報
【特許文献3】特開2001−284323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その主な目的は、レジスト層の膜厚やそのほかの膜構造の影響、被エッチング部である孔の小ささや深さ、或いは、不均等なエッチングなどの様々な要因による干渉光の振幅の変動や振幅の縮小が生じた場合であっても、孔深さや段差、或いはレジスト膜厚などの計測の精度の低下がない又は少ないエッチングモニタリング装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために成された本発明は、試料面上でマスキングが施されていない被エッチング部位がエッチングされる際に、少なくともそのエッチングの孔深さ又は段差を測定するエッチングモニタリング装置であって、所定の波長幅を有する測定光を発生する光源と、該光源からの測定光を試料まで導き、その試料面上に形成される光スポットが被エッチング部位とその周囲のマスキング部位とに跨るように測定光を試料面上に照射する導入光学系と、該導入光学系による測定光の照射に対して前記試料面上の被エッチング部位とマスキング部位とからそれぞれ反射した光を干渉させる干渉光学系と、該干渉光学系による干渉光を波長分散させる分光手段と、該分光手段により波長分散された光を波長毎に検出する検出手段と、を具備するエッチングモニタリング装置において、
a)前記導入光学系の光路の途中で光の一部を取り出し外部参照面で反射させた後に外部参照光として前記干渉光学系の光路に導入して干渉光に混入させる外部参照光生成手段と、
b)前記試料から反射してきた干渉光に前記外部参照光を混入させた光に対し前記検出手段により得られる検出信号に基づいて、干渉光の所定波長範囲の強度分布である干渉スペクトルを求める外部参照光ありスペクトル取得手段と、
c)前記試料から反射してきて前記外部参照光が混入されない干渉光に対し前記検出手段により得られる検出信号に基づいて干渉スペクトルを求める外部参照光なしスペクトル取得手段と、
d)前記外部参照光ありスペクトル取得手段による干渉スペクトル又は前記外部参照光なしスペクトル取得手段による干渉スペクトルの一方を選択的に利用した解析処理によってエッチング深さ又は段差を算出するエッチング量算出手段と、
を備えることを特徴としている。
【0009】
本発明に係るエッチングモニタリング装置において、エッチング孔深さや段差を計測するために或る程度の波長幅を有する光源を用い、エッチングにより形成された孔や段差から戻ってきた干渉光を分光測定する。外部参照光ありスペクトル取得手段及び外部参照光なしスペクトル取得手段は、検出手段により得られる検出信号に基づいて、干渉スペクトルを作成する。エッチング量算出手段は、干渉スペクトルに現れるスペクトル干渉波形を抽出し、フーリエ変換による周波数解析を実行し、干渉スペクトルの波長(又は波数)を参照面と反射面との間の距離に変換したグラフを求め、該グラフに現れるピークから参照面(例えば基板表面)からの孔深さや溝段差、或いはマスキング層厚さなどを算出する。この際、被エッチング基板上部のマスキング層(通常、レジスト層)がエッチングにより薄くなりすぎ、干渉距離測定のためのレジスト層上面等の参照面の位置があいまいになることを避けるため、参照面とは別に外部参照面を設ける。ただし、外部参照面で反射させた外部参照光を用いた場合と用いない場合とでは、いずれにも利点・欠点がある。
【0010】
即ち、外部参照光を利用しない場合には、一つの光路上で計測対象の孔底部などと極めて近い距離にある基板上面やレジスト層上面といった参照面が用いられることになるため、振動などの外乱の影響を受けることがなく、エッチング孔深さ(被エッチング構造底面との距離)等を高い精度で安定して計測することができる。その反面、エッチングによってレジスト層が削られ、その膜厚が計測可能距離(使用波長帯域に依存する)以下になると、参照面位置があいまいになるためにエッチング孔深さの計測精度が低下してしまう。一方、外部参照光を利用する場合、外部参照面は被エッチング物ではないためその構造や距離は変化せず、エッチング状況によらず安定して比較的高い精度で計測ができるという利点がある。その反面、外部参照光を生成する光路は少なくともその一部が被測定物計測用の光路とは異なるため、振動などの外乱の影響を受け易く、一般に外部参照光非利用時ほどの高い精度や安定性は得られない。また外部参照光という余計な光を混入させることになるため、ノイズの影響が大きくなる。
【0011】
本発明に係るエッチングモニタリング装置では、上述した外部参照光あり/なしの欠点を補いつつ利点を活かすため、エッチング実行中に、検出される信号の状態や計測結果の信頼性を推測可能な情報などに基づいて、孔深さや溝段差、或いはマスキング層厚さなどを算出する元となる干渉スペクトルとして、外部参照光ありの干渉スペクトルと外部参照光なしの干渉スペクトルとのいずれを用いるのかを切り替える。
【0012】
即ち、本発明に係るエッチングモニタリング装置において、前記エッチング量算出手段は、エッチングの進行中に前記検出手段により得られる検出信号又は該検出信号に対する解析処理により得られる処理結果に基づいて、外部参照光ありの干渉スペクトルと外部参照光なしの干渉スペクトルとのいずれを利用するかを判定する判定手段を含み、その判定に基づいて選択された方の干渉スペクトルを利用した解析によってエッチング孔深さ又は段差を算出する構成とするとよい。
【0013】
具体的には、孔深さの変化に伴って現れる周期的な信号強度変化の乱れ(周期的な乱れや振幅の大きな変動など)があった場合、或いは、フーリエ変換後のグラフに現れる筈の複数のピークが重なって分離できなくなった場合、さらには、計測により求まるマスキング層の膜厚が所定閾値より薄くなった場合などの状況においては、外部参照光なしの干渉スペクトルからは十分な精度で孔深さ等を算出することができないから、外部参照光ありの干渉スペクトルを用いるように切り替えるとよい。
【0014】
また、外部参照光なしの干渉スペクトルと外部参照光ありの干渉スペクトルとは、要不要に拘わらず常に両方取得するようにしてもよいし、逆に、孔深さ等の算出に必要な方のみを選択的に取得するようにしてもよい。即ち、本発明の一実施態様において、前記外部参照光生成手段は外部参照光の混入の有無を切り替える切替手段を含み、該切替手段により外部参照光の混入の有無を交互に切り替えることで、外部参照光ありの干渉スペクトル及び外部参照光なしの干渉スペクトルを常に取得する構成とすることができる。
【0015】
また、上述のようにマスキング層の膜厚に応じて外部参照光ありの干渉スペクトルを用いるように処理を切り替える構成においては、前記外部参照光生成手段は外部参照光の混入の有無を切り替える切替手段を含み、マスキング層の膜厚が所定値以上である間は前記切替手段により外部参照光を混入させず、マスキング層の膜厚が所定値未満になったならば前記切替手段により外部参照光を混入させるように外部参照光の混入の有無を切り替える構成としてもよい。
【0016】
なお、一般に外部参照面の反射率は試料面のそれに比べて高いため、外部参照光の混入の有無によって検出手段に到達する光の量には差が生じ、検出手段で受光可能な光量の上限(検出手段のダイナミックレンジの上限)をオーバーしてしまったり、逆に、そうしたオーバーが生じないようにしておくと感度が低くなってしまったりする場合がある。そこで、本発明に係るエッチングモニタリング装置において、好ましくは、外部参照光の混入の有無に応じて、前記光源の発光光量、前記検出手段に入射する光の光量、前記試料面上に照射する測定光の光量、前記試料面から反射した光の光量、又は前記検出手段における検出感度の少なくともいずれか一つを調節する構成とするとよい。この構成によれば、外部参照光の混入の有無によって検出手段に到達する光の量に差が生じ得る場合でも、外部参照光の混入の有無に応じて光量を適宜調整したり検出手段のゲインを調整したりして該検出手段のダイナミックレンジを有効に利用することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るエッチングモニタリング装置によれば、レジスト等のマスキング層の膜厚やその変化の影響などを受けることなく、エッチングにより形成される目的の孔の深さや段差などを正確に且つ高い分解能でもって計測することができる。また、そうした計測を高いリアルタイム性をもって行うことができるため、エッチングの終点検知や条件変更などの制御に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施例であるエッチングモニタリング装置の概略構成図。
【図2】本実施例のエッチングモニタリング装置において得られる干渉スペクトルの概略図。
【図3】外部参照光を用いない場合における、観測された分光スペクトル、該分光スペクトルから求めた規格化後の干渉スペクトル、及び、該干渉スペクトルをフーリエ変換した後の信号波形、の一例を示す図。
【図4】外部参照光を用いない場合における、観測された分光スペクトル、該分光スペクトルから求めた規格化後の干渉スペクトル、及び、該干渉スペクトルをフーリエ変換した後の信号波形、の一例を示す図。
【図5】外部参照光を用いない場合における、観測された分光スペクトル、該分光スペクトルから求めた規格化後の干渉スペクトル、及び、該干渉スペクトルをフーリエ変換した後の信号波形、の一例を示す図。
【図6】外部参照光を用いた場合における、観測された分光スペクトル、該分光スペクトルから求めた規格化後の干渉スペクトル、及び、該干渉スペクトルをフーリエ変換した後の信号波形、の一例を示す図。
【図7】本実施例のエッチングモニタリング装置におけるエッチング実行中の孔深さ測定制御・処理のフローチャートを示す図。
【図8】他の実施例のエッチングモニタリング装置におけるエッチング実行中の孔深さ測定制御・処理のフローチャートを示す図。
【図9】単色光が被エッチング部に照射されたときの反射光強度の時間的変化の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施例であるエッチングモニタリング装置について、添付図面を参照して説明する。図1は本実施例のエッチングモニタリング装置の概略構成図である。
【0020】
このエッチングモニタリング装置は、エッチング装置の真空チャンバ1内に載置された処理対象である試料50に形成される微小孔の深さや溝の段差などをモニタリングする装置であり、大別して、計測部10と、光源・分光検出部20と、データ処理部30と、制御部31と、を備える。計測部10と光源・分光検出部20とは光ファイバ24を介して接続されている。
【0021】
光源・分光検出部20は、低コヒーレンス性を持ちながら発光強度が高く、目的とする孔深さの計測に必要な波長幅を有する光を放射する計測用光源21を備える。計測用光源21としては、例えば中心波長が835nm、半値全幅が40nmであるスーパールミネセントダイオード(SLD)を用いることができる。この計測用光源21から発せられた測定光は、入射側光ファイバ22に取り込まれ、ファイバカプラ23を介して光ファイバ24中を進行して計測部10に進む。計測部10において光ファイバ24の端部から出射された測定光はコリメートレンズ18及びビームスプリッタ100を介し、次のビームスプリッタ13によって試料50側に折り曲げられる。そして、この測定光は対物レンズ12及び真空チャンバ1に設けられた計測窓11を介して試料50上に照射される。
【0022】
図1中の拡大図に示すように、この試料50は、被エッチング体である基板51と、その上面に薄く塗布されたエッチング保護用レジストであるレジスト層53と、レジストが塗布されずに基板51が露出した被エッチング部52と、を含む。この図は、被エッチング部52に対するエッチングが進行し、被エッチング部52に微細な孔が形成された状態を示している。上述のように、試料50上に照射される光ビーム40のスポット径は、試料50上の被エッチング部52とその周囲のレジスト層53とに跨るようなサイズに調整されている。このため、試料50上では、レジスト層53表面からの反射光43と、レジスト層53中に入り込んだ光に対する基板51表面からの反射光42と、被エッチング部52(図1では孔の底面)からの反射光41と、が主として生じる。
【0023】
これら反射光41〜43は様々な方向に向かうが、そのうち、再び計測窓11の方向に進んだ光は、対物レンズ12、ビームスプリッタ13、ビームスプリッタ100、コリメートレンズ18を上記光照射時とは逆に辿って光ファイバ24に入射する。そして、光ファイバ24中を通って光源・分光検出部20に戻り、ファイバカプラ23を経て分光ユニット25に達する。前述したように、試料50上からは互いに光路差を有する複数の反射光41〜43が生じるが、これら反射光41〜43は主として光ファイバ24を通過する過程で波長毎に干渉して干渉光となる。
【0024】
分光ユニット25において干渉光は回折格子等の分光器26により波長分散され、CCDラインセンサ等のアレイ検出器27により複数波長の光が同時に検出される。アレイ検出器27による各波長に対応した検出信号はデータ処理部30に入力され、データ処理部30において後述する処理が実行されることで被エッチング部52である孔の深さやレジスト層53の膜厚などが算出される。
【0025】
計測部10に含まれる観測用カメラ17は、試料50上面の全体又は特定の一部を観察するためのものである。即ち、観測用補助光源16から出射される補助光はコリメートレンズ15、ビームスプリッタ14、13を介して、計測用光源21から来る主光ビームと略同一の光軸に沿って試料50を照らす。この補助光に対する反射光を観測用カメラ17により撮影することにより得られた画像は、試料50上の被エッチング部52の位置の確認などに利用される。
【0026】
さらに本実施例のエッチングモニタリング装置では、試料50上面の近傍位置に仮想的な外部参照面104’を形成するために、上記ビームスプリッタ100のほか、反射鏡101、モータ102により回転駆動されるチョッパ103、反射鏡である外部参照面104、外部参照面104を光軸に平行な方向に微動させる圧電素子105、を備える。
【0027】
ビームスプリッタ100は光ファイバ24の端部から出射してビームスプリッタ13に向かう測定光の一部を分岐させ、反射鏡101を経た外部参照面104に至る光路を往復させるものであり、このビームスプリッタ100と外部参照面104との間の往復距離(外部参照面往復距離)は、ビームスプリッタ100と試料50表面との間の往復距離(試料面往復距離)と僅かに異なるように設定される。これにより、試料50上面から僅かに離れた位置に仮想的な外部参照面104’を設定することができる。
【0028】
なお、外部参照光を生じる光路は、ビームスプリッタ100を用いて分岐させたものでなくても、ビームスプリッタ13を直線的に通過した光を利用してもよいし、また、ファイバカプラ23から分岐された、光ファイバ24以外の図示しない他のアームから出射させた光を用いてもよい。
【0029】
また、データ処理部30や制御部31の実体はパーソナルコンピュータであり、該コンピュータに予めインストールされた制御・処理用ソフトウエアを実行することにより、データ処理部30及び制御部31としての機能を発揮させるようにすることができる。
【0030】
本実施例のエッチングモニタリング装置では、真空チャンバ1内における試料50に対するエッチング処理実行中に、試料50上の被エッチング部52付近の反射光に由来する干渉光の強度分布を、所定の時間間隔で繰り返し取得する。したがって、図2に示すように、波長と信号強度との関係を示す干渉スペクトルが所定の時間間隔で得られる。計測対象である被エッチング部52の孔深さやその孔の周囲のレジスト層53の膜厚などを反映した情報は、1つの干渉スペクトルの中に含まれる。データ処理部30では得られたデータからこうした情報を抽出し、エッチングの進行に伴って時々刻々と変化する孔深さなどをリアルタイムで算出し出力する。
【0031】
次に、本実施例のエッチングモニタリング装置において、データ処理部30で実行される干渉スペクトルを利用した孔深さ算出の基本的な手法を説明する。
【0032】
図3(a)に示した分光スペクトルは、エッチング孔深さ、つまり被エッチング部52である孔底面52aと基板51の上面(基板51とレジスト層53との界面)51aとの距離(h1)が50μm、レジスト層53の屈折率がn=2.0、その膜厚が10μmであるときに、アレイ検出器27で取得される分光スペクトルである。この分光スペクトルには、計測用光源21の発光スペクトルなどの反射光の干渉以外の波長依存要因を含む。そこで、干渉のない状態で基準光に対し予め求めておいた強度分布を用いることで上記分光スペクトルを規格化し、本来の干渉スペクトルを求める。図3(b)が図3(a)の分光スペクトルから計算により求めた規格化後の干渉スペクトルである。さらに、横軸を波長から波数に変換した干渉スペクトルをフーリエ変換することにより、図3(c)に示すような、横軸が参照面と反射面との間の距離を表すグラフを求める。
【0033】
この場合、つまり仮想的な外部参照面104’を用いない場合には、干渉スペクトルには次の3種類の反射面の組み合わせに由来する干渉光が含まれる。
[i]レジスト層53上面53a−基板51の上面51a
[ii]基板51の上面51a−被エッチング部52の孔底面52a(距離h1)
[iii]被エッチング部52の孔底面52a−レジスト層53の上面53a(距離h2)
【0034】
図3(c)に示すフーリエ変換後の信号波形には、上記[i]、[ii]及び[iii]のそれぞれの光学距離に対応した3つの位置にピークが出現する。この場合、通常、一般的に知られているガウス関数を適合させる方法によって、最も長い距離を示したピークの位置を、上記[iii]に相当するレジスト層53上面53aから孔底面52aまでの距離として即座に求めることができる。ここで、上記の[ii]及び[iii]に対応するピーク間の距離はレジスト層53の膜厚に相当する。図3(c)においては、[ii]及び[iii]に対応するピークの間隔は、レジスト層53の光学距離約20μm分の間隔となっていることが分かる。
【0035】
エッチングが進行するに伴って被エッチング部(孔)52は深くなるが、レジスト層53も徐々にではあるがエッチングにより削られるため、その膜厚は徐々に減少していく。そのため、フーリエ変換後の信号波形上において[ii]及び[iii]に対応するピークの間隔は徐々に狭まり、いずれは重なってしまうことになる。
【0036】
図4は、図3に示した状態からレジスト層53の膜厚のみを3.05μmに変更した場合のシミュレーション結果である。基板51の上面51aとレジスト層53の上面53aとの距離が小さくなったために、フーリエ変換後の信号波形(図4(c)参照)において[ii]及び[iii]に対応するピークが重なってしまい、それぞれのピークトップの位置が不明瞭になっていることが分かる。
【0037】
図5は、レジスト層53の膜厚をさらに薄く、3.00μmとした場合のシミュレーション結果である。図5では、フーリエ変換後の信号波形(図5(c)参照)において[ii]及び[iii]に対応するピークが分離されていることが分かる。このように、試料50上で2つの反射面が近い位置に存在する場合、その距離を少しずつ変化させていくと該距離がナノオーダー変わるだけで、フーリエ変換後の信号波形上でピークが重なったり分離したりすることを繰り返す。これは、図9(b)に示したように、信号強度の振幅が縮小し、その周期的変化の周期も乱れることの影響である。こうなると、フーリエ変換後の信号波形上でピークトップの位置を特定することは非常に困難であるし、仮にピークトップの位置を特定できても孔深さ等の算出精度はかなり低いものとなってしまう。
【0038】
そこで本実施例のエッチングモニタリング装置では、上記のようなフーリエ変換後の信号波形におけるピーク位置の不明瞭さを回避するために外部参照面104を利用する。図1に示したように実際の装置では外部参照面104を用いるが、計算の原理の上では、外部参照面104に対応して仮想的な外部参照面104’を考える。この仮想的な外部参照面104’、レジスト層53の上面53a、被エッチング部52の孔底面52a、という3つの面での反射光の干渉を考えると干渉面の関係が理解し易くなる。
【0039】
図1中の拡大図に示すように、仮想的な外部参照面104’を基準面として考え、レジスト層53上面53aと被エッチング部52である孔底面52aとの距離をh2、基板51上面51aと被エッチング部52である孔底面52aとの距離をh1とする。なお、ここではレジスト層53は単層膜でなく多層構造であってもよいから、例えば、基板51上に形成されたシリコン酸化膜(SiO2)もレジスト層53に含めて考えることができる。h1とh2の差は僅かであって、レジスト層53の上面53aが関与する干渉波形のフーリエ変換では通常分離できず、フーリエ変換後の信号波形上では上述したようにピークが重なってしまう。したがって、エッチングに影響されない仮想的な外部参照面104’と被エッチング部52の孔底面52aとの干渉が良好に得られれば、被エッチング部52の穴深さを精度よく算出する上で有利である。
【0040】
仮想的な外部参照面104’の位置は圧電素子105による外部参照面104の位置の微調節によって調整可能であるから、仮想的な外部参照面104’の位置は該外部参照面104’と被エッチング部52の孔底面52aとの干渉が強調される距離に予め設定すればよい。一方、チョッパ103は制御部31の制御の下で外部参照面104に至る光線の遮断・通過をコントロールするためのものであって、モータ102の回転駆動により例えば60回/秒の遮断・通過を交互に行うようにしておけば、外部参照面104あり(つまり外部参照光の混入あり)及び外部参照面104なし(つまり外部参照光の混入なし)の干渉分光波形をそれぞれ60回/秒ずつ交互に得ることができる。
【0041】
図6は、ビームスプリッタ100からの距離が、基板51の上面51aと比較してマイナス100μmの位置となるように仮想的な外部参照面104’を設置した場合における、実測の分光スペクトル、及びそれに対する干渉スペクトル及びフーリエ変換後の信号波形の計算結果である。この場合、干渉スペクトルには次の6種類の反射面の組み合わせに由来する干渉光が含まれる。
[i]レジスト層53の上面53a−基板51の上面51a
[ii]基板51の上面51a−被エッチング部52の孔底面52a(距離h1)
[iii]被エッチング部52の孔底面52a−レジスト層53の上面53a(距離h2)
[iv]仮想的な外部参照面104’−レジスト層53の上面53a(距離d2)
[v]仮想的な外部参照面104’−基板51の上面51a(距離d1)
[vi]仮想的な外部参照面104’−被エッチング部52の孔底面52a(距離d3)
【0042】
このうち、[vi]による干渉は、外部参照面104(及び仮想的な外部参照面104’)が単一面であることから、レジスト層53が非常に薄くなった場合であっても不確定性はなく、図6中に[vi]で示されるように明瞭な孤立ピークとなって現れる。そのため、上述のように、ガウス関数を適合させる方法によって、最も長い距離を示したピークの位置を、上記[vi]に相当する仮想的な外部参照面104’から孔底面52aまでの距離として即座に求めることができる。
【0043】
一方、図5と図6の信号ピーク部以外のノイズの大きさを比較すれば分かるように、外部参照面104を用いる場合に不利である点として外部参照光の強度に応じた光ショットノイズの増加がある。また、外部参照面104の固定位置の機械的精度の制約のため、外部参照面104を用いない場合とは異なり、エッチング孔深さの計測精度にナノオーダーの揺らぎが生じることが避けがたい。そこで、こうした欠点を克服するために、本実施例のエッチングモニタリング装置では、外部参照面104ありの状態で取得したデータと外部参照面104なしの状態で取得したデータとを使い分ける。これにより、上述したような外部参照面104あり、なし両方の利点を同時に享受することができる。
【0044】
図7に示すフローチャートに従って、本実施例のエッチングモニタリング装置におけるエッチング実行中の孔深さ測定制御・処理の具体例を説明する。
【0045】
即ち、エッチングの開始に伴いエッチングモニタリングを開始すると、上述したように、モータ102によりチョッパ103を回転駆動させることにより、外部参照面104あり及び外部参照面104なしのデータを所定周期で交互に取得する(ステップS1)。データ処理部30では、例えば外部参照面104なしのデータに基づき、取得した所定波長幅中の中心波長等の適当な一波長の信号強度の時間的変化をモニタし(ステップS2)、その強度変化が予め定めた閾値以上であるか否かを判定する(ステップS3)。強度変化が閾値以上である場合には、外部参照面104を利用しなくてもフーリエ変換後の信号波形として図3(c)に示したようなピークの位置が明確なグラフが得られる。そこで、外部参照面104なしのデータに基づいて上述のように干渉スペクトルを求め、フーリエ変換を行うことにより孔深さや段差、或いはレジスト層53の膜厚などを算出する(ステップS4)。
【0046】
これに対し、ステップS3において強度変化が閾値未満であると判定される場合には、外部参照面104を利用しない場合にフーリエ変換後の信号波形として図4(c)に示したようなピークが重なる可能性がある。そこで、外部参照面104ありのデータに基づいて上述のように干渉スペクトルを求め、フーリエ変換を行うことにより孔深さや段差、或いはレジスト層53の膜厚などを算出する(ステップS5)。ステップS4、S5いずれの場合でも、孔深さ等の情報が得られたならばその結果を出力し(ステップS6)、測定終了でなければ(ステップS7でNo)ステップS1へと戻る。
【0047】
エッチング実行中にステップS1〜S7の処理を繰り返すことにより、略リアルタイムで以て、エッチングにより削られる孔の深さや段差、或いはレジスト層53の膜厚などの計測値を出力することができる。図7に示した制御・処理では、レジスト層53の膜厚が薄くなることで孔深さ等の算出精度が低下する場合のみならず、外乱等の別の要因で信号強度が落ちたような場合でも外部参照面104が利用され、算出精度の大幅な低下を回避することができる。具体的には、レジスト層53の膜厚がちょうど無反射コーティングに相当するような膜厚になったときに信号強度が極端に下がるが、そうした場合に外部参照面104を利用することで孔深さ等を求めることができる。
【0048】
なお、信号強度変化をモニタする際には特定の一波長の光量に基づく信号強度ではなく、所定波長幅全体の光量に基づく信号強度を利用してもよい。また、信号強度変化をモニタするのではなく、外部参照面なしデータに基づくフーリエ変換後の信号波形上で[ii]と[iii]のピークが分離可能か否かを判定し、その判定結果に基づいてステップS4又はS5の処理を選択するようにしてもよい。
【0049】
図8は、別の実施例のエッチングモニタリング装置におけるエッチング実行中の孔深さ測定制御・処理のフローチャートである。この場合には、周期的に光を通過・遮断するチョッパ103に代えて、制御部31からの指示に基づいて光の通過・遮断を切り替えるシャッタを設置する。
【0050】
エッチングの開始に伴いエッチングモニタリングを開始すると、上述したようにシャッタを光遮断状態とし、外部参照面104なしのデータを取得する(ステップS11)。データ処理部30では、外部参照面104なしのデータに基づいて上述のように干渉スペクトルを求め、フーリエ変換を行うことにより孔深さや段差、或いはレジスト層53の膜厚などを算出する(ステップS12)。孔深さ等の情報が得られたならばその結果を出力する(ステップS13)。次いで、算出されたレジスト層53の膜厚が所定値未満であるか否かを判定し(ステップS14)、該膜厚が所定値以上であって測定終了の指示がなければ(ステップS15でNo)ステップS11へ戻る。したがって、エッチング開始時点からレジスト層53の膜厚が所定値以上である間は、外部参照面104なしのデータに基づいて孔深さ、段差等が算出される。
【0051】
エッチングが進行してレジスト層53の膜厚が所定値未満になると、ステップS14からS16へと進み、シャッタを光通過状態とし、外部参照面104ありのデータを取得する(ステップS16)。データ処理部30では、外部参照面104ありのデータに基づいて上述のように干渉スペクトルを求め、フーリエ変換を行うことにより孔深さや段差、或いはレジスト層53の膜厚などを算出する(ステップS17)。そして、孔深さ等の情報が得られたならばその結果を出力し(ステップS18)、測定終了の指示がなければ(ステップS19でNo)ステップS16へ戻る。したがって、エッチングが進行してレジスト層53の膜厚が所定値未満になった以降は測定終了まで、外部参照面104ありのデータに基づいて孔深さ、段差等が算出される。
【0052】
なお、チョッパ103又はシャッタにより外部参照光を遮断した場合には分光ユニット25に導入される光には外部参照光が混入しておらず、チョッパ103又はシャッタにより外部参照光を通過させた場合には分光ユニット25に導入される光は外部参照光が混入したものとなる。一般的には、外部参照光を混入させた場合にはその分だけアレイ検出器27に入射する光の光量が大きくなり、外部参照光なしの状態で入射光量がアレイ検出器27のダイナミックレンジに収まるように光量調整が行われると、外部参照光ありの状態で入射光量がアレイ検出器27のダイナミックレンジを超えてしまうおそれがある。一方、外部参照光ありの状態で入射光量がアレイ検出器27のダイナミックレンジに収まるように光量調整が行われると、外部参照光なしの状態では入射光量が小さくなりすぎ、測定感度が低下するおそれがある。
【0053】
そこで、こうした問題を回避するために、例えば外部参照光の有無に応じて計測用光源21の発光光量を変化させ、外部参照光あり/なしいずれの場合でも、アレイ検出器27のダイナミックレンジを十分に利用できるようにするとよい。計測用光源21の発光光量を変化させる代わりに、外部参照光の有無に応じて、アレイ検出器27の手前や計測用光源21と入射側光ファイバ22の入射端との間、或いは、入射側光ファイバ22や光ファイバ24の途中などの光路にNDフィルタやアッテネータ等の減光素子を入れたり取り出したりしてもよい。また、アレイ検出器27自体のゲインを外部参照光の有無に応じて切り替えるようにしてもよい。また、試料50上に照射される測定光40の光量、或いは試料50からの反射光41、42、43の光量を、外部参照光の有無に応じて減光フィルタ等を用いて調節してもよい。さらには、試料50の表面状態が荒れたり上述のように無反射コーティングに相当する状態になったりして試料50から得られる信号強度が極端に小さくなった場合に外部参照光量を調節する手段も有効である。
【0054】
また、上記実施例はいずれも本発明の一例にすぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜修正、追加、変更を加えても本願請求の範囲に包含されることは明らかである。
【符号の説明】
【0055】
1…真空チャンバ
10…計測部
11…計測窓
12…対物レンズ
13、14、100…ビームスプリッタ
15、18…コリメートレンズ
16…観測用補助光源
17…観測用カメラ
18…コリメートレンズ
20…光源・分光検出部
21…計測用光源
22…入射側光ファイバ
23…ファイバカプラ
24…光ファイバ
25…分光ユニット
26…分光器
27…アレイ検出器
30…データ処理部
31…制御部
40…光ビーム
41、42、43…反射光
50…試料
51…基板
51a…基板上面
52…被エッチング部
52a…孔底面
53…レジスト層
53a…レジスト層上面
101…反射鏡
102…モータ
103…チョッパ
104…外部参照面
105…圧電素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料面上でマスキングが施されていない被エッチング部位がエッチングされる際に、少なくともそのエッチングの孔深さ又は段差を測定するエッチングモニタリング装置であって、所定の波長幅を有する測定光を発生する光源と、該光源からの測定光を試料まで導き、その試料面上に形成される光スポットが被エッチング部位とその周囲のマスキング部位とに跨るように測定光を試料面上に照射する導入光学系と、該導入光学系による測定光の照射に対して前記試料面上の被エッチング部位とマスキング部位とからそれぞれ反射した光を干渉させる干渉光学系と、該干渉光学系による干渉光を波長分散させる分光手段と、該分光手段により波長分散された光を波長毎に検出する検出手段と、を具備するエッチングモニタリング装置において、
a)前記導入光学系の光路の途中で光の一部を取り出し外部参照面で反射させた後に外部参照光として前記干渉光学系の光路に導入して干渉光に混入させる外部参照光生成手段と、
b)前記試料から反射してきた干渉光に前記外部参照光を混入させた光に対し前記検出手段により得られる検出信号に基づいて、干渉光の所定波長範囲の強度分布である干渉スペクトルを求める外部参照光ありスペクトル取得手段と、
c)前記試料から反射してきて前記外部参照光が混入されない干渉光に対し前記検出手段により得られる検出信号に基づいて干渉スペクトルを求める外部参照光なしスペクトル取得手段と、
d)前記外部参照光ありスペクトル取得手段による干渉スペクトル又は前記外部参照光なしスペクトル取得手段による干渉スペクトルの一方を選択的に利用した解析処理によってエッチング深さ又は段差を算出するエッチング量算出手段と、
を備えることを特徴とするエッチングモニタリング装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエッチングモニタリング装置であって、
前記エッチング量算出手段は、エッチングの進行中に前記検出手段により得られる検出信号又は該検出信号に対する解析処理により得られる処理結果に基づいて、外部参照光ありの干渉スペクトルと外部参照光なしの干渉スペクトルとのいずれを利用するかを判定する判定手段を含み、その判定に基づいて選択された方の干渉スペクトルを利用した解析によってエッチング孔深さ又は段差を算出することを特徴とするエッチングモニタリング装置。
【請求項3】
請求項2に記載のエッチングモニタリング装置であって、
前記判定手段は、エッチングの進行に伴い、外部参照なしの干渉スペクトルに基づいて算出されたマスキング層の膜厚が所定値未満になったか否かを判定し、該膜厚が所定値以上であるときには、外部参照光なしの干渉スペクトルを利用したエッチング孔深さ又は段差の算出を行い、該膜厚が所定値未満になったならば外部参照光ありの干渉スペクトルを利用した解析によるエッチング孔深さ又は段差の算出に切り替えることを特徴とするエッチングモニタリング装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のエッチングモニタリング装置であって、
前記外部参照光生成手段は外部参照光の混入の有無を切り替える切替手段を含み、該切替手段により外部参照光の混入の有無を交互に切り替えることで、外部参照光ありの干渉スペクトル及び外部参照光なしの干渉スペクトルを常に取得することを特徴とするエッチングモニタリング装置。
【請求項5】
請求項3に記載のエッチングモニタリング装置であって、
前記外部参照光生成手段は外部参照光の混入の有無を切り替える切替手段を含み、マスキング層の膜厚が所定値以上である間は前記切替手段により外部参照光を混入させず、マスキング層の膜厚が所定値未満になったならば前記切替手段により外部参照光を混入させるように外部参照光の混入の有無を切り替えることを特徴とするエッチングモニタリング装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のエッチングモニタリング装置であって、
外部参照光の混入の有無に応じて、前記光源の発光光量、前記検出手段に入射する光の光量、前記試料に照射される測定光の光量、前記試料からの反射光の光量、又は前記検出手段における検出感度の少なくともいずれか一つを調節することを特徴とするエッチングモニタリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−48183(P2013−48183A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186309(P2011−186309)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】