説明

エッチング・システム及びエッチング方法

【課題】ウェーハの温度を調整する方法および装置を提供すること。
【解決手段】ウェーハの材質をエッチングするエッチング・システム100は、測定装置114、エッチングチャンバ102、および制御装置112を有する。測定装置114は、複数の設定位置でのウェーハのプロファイルに沿って微細寸法テストフィーチャ(CD)を測定する。エッチングチャンバ102は、ウェーハを保持するチャック108と、該チャック108内の各設定位置に隣接して配置される複数の発熱体110と、を有し、測定装置114からウェーハを受け取る。制御装置112は、CDを受け取る測定装置114および発熱体110に接続される。この制御装置112は、エッチング処理前のリソグラフィ処理で生じるCDばらつきを補正するために、エッチング処理の温度依存であるエッチング特性を用いて、各設定位置の間の微細寸法のばらつきを減らす処理において、各発熱体の温度を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<本願明細書関連出願>
本出願は、2001年4月30日に提出された米国特許出願第09/846、432号、および2002年2月1日に提出された米国特許出願第10/062、395号、発明者ベンジャミン ネイルおよびスティーガー ロバートによる「ワーク支持体の表面を横切る空間温度分布を制御する方法および装置」に関連するものである。
【0002】
<発明の分野>
本発明は、プラズマ加工において、基板全体におけるエッチングフィーチャの寸法のばらつきを引き起こす温度の補正を行うように、ウェーハの材質に対する温度プロファイルを変化させる方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的なプラズマエッチング装置は、リアクタを有し、該リアクタ内には、反応性ガス(単一または複数)が通って流れるチャンバが設けられている。ガスは、このチャンバ内で、一般に高周波エネルギによりプラズマにイオン化される。高い反応性を有するプラズマガスのイオンは、集積回路(IC)に加工される半導体ウェーハの表面上のポリマーマスクのような材料と反応できる。エッチング前に、ウェーハは、チャンバ内に置かれ、かつ、チャックまたはホルダにより適正位置に保持されて、ウェーハの上面がプラズマに曝される。チャックは、等温面を形成し、かつ、ウェーハのヒートシンクとして機能する。当該技術分野で知られている幾つかの形式のチャック(時として、サセプタとも呼ばれる)がある。一形式では、半導体ウェーハは、機械的クランプ手段により、エッチングのための所定位置に保持される。他の形式のチャックでは、半導体ウェーハは、チャックとウェーハとの間に堆積する電界により発生する静電力により所定位置に保持される。本発明はこれらの両形式のチャックに適用できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的なプラズマエッチング作業では、プラズマの反応性イオンが、半導体ウェーハの面上の材料の部分と化学的に反応する。ほとんどの場合、加工されているICが望ましい基準から逸脱した電気的特性を有するようになるため、エッチングフィーチャは、ほぼ完全に均一であることがたいへん望ましい。エッチング処理同様に、フォトリソグラフィ処理におけるばらつきによって、エッチングフィーチャには、理想値からの誤差が生じうる。また、ウェーハ直径が増大するにつれて、ICの均一性を確保する問題は益々困難になる。リソグラフィ処理におけるばらつきは、エッチング・パターンを定めるためにウェーハ表面上に置かれるフォトレジストマスクの非理想な寸法となる。理想値からの誤差は、ウェーハ表面全体の多数の特性ばらつきと同様に、フィーチャの平均寸法の全体のばらつきとなる。
【0005】
ウェーハ表面上の複数の場所において、検査画像を定めるのが一般的であり、これらの検査画像は、しばしば「微細寸法」または略して「CD」と呼ばれる。写真現像処理の後のこれらのCDの測定は、リソグラフィ工程から「CDシフト」を決定するために用いられる。同様に、フォトレジストのCDの測定値は、エッチング処理の後で定められるエッチングフィーチャと比較するができるので、エッチング処理によってCDシフトを算出することができる。これらのCDシフトは、どのウェーハにおいても安定し、かつ、ウェーハ表面全体で均一であることが望ましく、元のマスク画像に対する簡易的な補正偏向は、体系的にCDシフトを補正するために用いられる。
【0006】
従来、このような全域的なCDシフトの補正は、可能であったが、ICの最小寸法が0.10ミクロン以下まで減少すると不可能であり、全体的またはウェーハ内におけるCDシフトは十分に調整できない。複数のまたは個々のウェーハごとに、フォトレジストマスクのCDシフトを測定し、エッチング処理において、CDシフトを変更するためにこの情報を用いる手段が要求される。
【0007】
プラズマエッチングは、エッチングおよび蒸着の組合せ処理であることが知られている。側壁における蒸着処理は、幅を調整できる。この処理は、温度に依存するが、例えば、2ミクロンを超える大きな寸法の線幅を調整する場合には、大きな影響はなかった。しかしながら、寸法が約0.1ミクロン以下になると、この温度は、幅の調節に対して大きな影響がある。
【0008】
したがって、ウェーハにおける特定の寸法に基づく反応性イオンエッチングなどの処理おいて、半導体ウェーハの温度を制御する方法や装置が必要である。本発明の第一目的は、これらの要望を解決し、かつ、他の関連する利点を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ウェーハの材質をエッチングするエッチング・システムは、測定装置、エッチングチャンバ、および制御装置を有する。測定装置は、複数の設定位置におけるウェーハのプロファイルに沿って微細寸法テストフィーチャ(CD)を測定する。エッチングチャンバは、ウェーハを保持するチャックと、該チャック内の各設定位置に隣接して配置される複数の発熱体と、を有し、測定装置からウェーハを受け取る。制御装置は、特定のウェーハの実測されたCDを受け取る測定装置および発熱体に接続される。制御装置は、エッチング処理の前のリソグラフィ処理で生じるCDばらつきを補正するために、エッチング処理の温度依存であるエッチング特性を用いて、処理中に各発熱体の温度を調整して、複数の設定位置の間の微細寸法のばらつきを低減する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係る処理下においてウェーハの温度およびエッチング速度を制御するシステムを示す構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るエッチング処理で発生するCDシフトおよびウェーハ温度の関係の例を示すグラフである。
【図3】本発明の一実施形態に係るチャック上の異なる領域を示す構成図である。
【図4】本発明の別の実施形態に係る処理下においてウェーハの温度およびエッチング速度を制御するシステムを示す構成図である。
【図5】本発明の別の実施形態に係る処理下においてウェーハの温度およびエッチング速度を制御するシステムを示す構成図である。
【図6】本発明の別の実施形態に係る処理下においてウェーハの温度およびエッチング速度を制御する方法を示すフローダイヤグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態は、局所的なウェーハ温度調節手段によって、ウェーハ上のプロファイルのばらつきを減らすシステムについて、本願明細書で記載されている。当業者ならば、本発明の以下の詳細な説明は単なる例示であって、いかなる制限をも意味するものではないことが理解されよう。本発明の他の実施形態は、本願の開示に利益を有する当業者にとっては容易に示唆されるものである。本発明の実施には、添付付図面に示されたものを詳細に参照されたい。全図面および以下の詳細な説明を通して、同じまたは同類の部品には同じ参照番号が使用されている。
【0012】
明瞭化の観点で、実施上の必ずしも全ての特徴が図示および説明されてはいない。このようなあらゆる実際上の実施を行なうに際し、用途への追従および商業上の拘束等の開発者の特定目的を達成するには、実施する上での多くの特定決定を行う必要があること、および、これらの特定目的は一実施から他の実施へと、および、一開発者から他の開発者へと変わることは、もちろん理解されよう。また、このような開発努力は複雑で時間を要するものであるが、本願開示の利益を有する当業者は、事業化できるであろう。
【0013】
図2のように、ウェーハ温度を変えること(または使用中のフォトレジストおよびエッチング化学反応に対応する)ことによって、エッチング処理における温度依存のCDシフトは、目標寸法に対するCDの忠実性を一様に向上させるために、各ウェーハまたは複数のウェーハのフォトリソグラフィによって生じるCDシフトを補正するために用いられる。
【0014】
近い将来、各ウェーハごとに実行される場合でも、単一的な全域補正によって、フォトリソグラフィ処理から生じるCDシフトを修正するには不十分であることが想定される。そのような場合は、ウェーハをいくつかの部分に分け、複数の局所的なCDシフトを算出することできる。この図2のデータおよびデータ曲線を用いることにより、局所的にウェーハ上のCDシフト補正を実行するためにマルチゾーン加熱プレートが用いられる。
【0015】
図1は、本発明の一実施例に係るウェーハ104の温度およびエッチング速度を制御するエッチング・システム100を例示する。エッチング・システム100は、反応性ガス(単一または複数)(図示なし)が通って流れるチャンバ102を含む。チャンバ102の中では、チャンバ102の一番上の窓(図示なし)の上に隣接して配置されたRFアンテナ(図示なし)によって、発生する無線周波数エネルギから、ガスは、プラズマ106にイオン化される。プラズマ106の反応性の高いイオンは、処理されながら半導体ウェーハ104の表面で反応できる。エッチングの前に、ウェーハ104は、チャンバ102に置かれ、プラズマ106にウェーハ104の上面が曝されたチャック108によって、適当な位置を保持される。
【0016】
いくつかの発熱体110は、チャック108の設定位置に配置される。例として、発熱体110には、フィルム・ヒーターまたはチャック108を装着するようなヒーターを含めてもよい。当事者は、チャック108を加熱する方法が他に多くあることを認識している。発熱体110の構成例は、図3において、さらに詳しく例示される。発熱体110は、各発熱体110の温度を調整する制御装置112に連結される。
【0017】
制御装置112に連結される測定装置114は、処理の前に各ウェーハ上の微細寸法テストフィーチャ(CD)を測定する。微細寸法測定器具は、プロファイルのばらつきを検出し、測定するために用いられる。例として、測定装置114は、被膜厚および被膜特性を測定することの光学的技術である分光偏光解析法(SE)に基づくCD分光測定器を含めてもよい。測定装置114は、固有の格子目標におけるCD分光測定から、(断面上のいかなる点における)CD、接線高または溝の深さ、および側壁の角度を測定できる。ウェーハの断面プロファイルも測定することができる。測定装置114は、ウェーハ104上のいくつかの設定位置における測定値を含むデータを制御装置112に送る。測定の数に従って測定の位置を選択することができる。ウェーハ104上の設定位置は、チャック108上の独立した熱領域に対応する。当事者にとって、上記CD分光測定器の制限を意図せず、その他の測定器が本願明細書において、開示される発明概念から逸脱することなく使われることが好ましい。
【0018】
制御装置112は、処理下における、寸法測定およびウェーハの温度の関係を含むアルゴリズムを含む。例として、図2は、CDシフトおよびウェーハ温度の関係例のグラフである。このような関係は、例えば、実験データから得られる。制御装置112が測定装置114からデータを受け取ると、制御装置112は、測定データから温度データに変換する上記のアルゴリズムで処理を行う。従って、ウェーハ104にいくつかの位置での測定を含むデータは、測定されたウェーハ104用にカスタム温度プロファイル作成するために用いてもよい。このように、ウェーハ104上の個々の位置を測定するために、制御装置112は、上記の定義された関係に従ってウェーハ上のその個々の位置に対応する発熱体110の温度を調整する。
【0019】
したがって、エッチング・システム100は、ウェーハ上の特定の寸法に関する情報を受信した後、各ウェーハの温度プロファイルをリアルタイムで動的に変換する、フィードフォワード・システムを含む。制御装置112は、ウェーハ104上の設定位置において、処理の前および/または処理中に各発熱体110の温度を調整して、ウェーハ104上の微細寸法のばらつきを低減する。
【0020】
測定装置114は、ウェーハ104上の設定位置で、寸法を測定する。さらに、設定位置は、ウェーハ104の表層に分散できる。各設定位置または設定位置のグループは、ウェーハ104およびチャック108上の領域を示すことができる。図3は、本発明の一実施例に係るチャック上の異なる領域を例示している構成図である。図3は、チャック300の中心にある六角形の1つの中心領域302と、中心領域302のまわりの6つの隣接領域304の、7つの領域を有するチャック300を例示する。当事者にとって、図示されるチャック上の領域の制限を意図せず、そして、開示されて本願明細書において、発明概念から逸脱することなく、領域またはゾーンの他の構成を使用されることが好ましい。ウェーハがチャック300上部に設置されるので、チャック300上の各領域は、ウェーハ上の領域に対応できる。チャック300上の各領域の温度をそれぞれ制御できるように、チャック300上の各領域は、各領域の発熱体(図示なし)および制御装置(図示なし)を含むことができる。
【0021】
測定装置114は、ウェーハ104上のいくつかの設定位置から、寸法を測定できる。各領域は、測定装置114がウェーハ104上の寸法を測定する少なくとも一つの設定位置を含むことができる。複数の設定位置が領域に対して存在する場合、その領域の測定値は、その領域の平均測定値を示すサンプル平均値に含まれる。
【0022】
例として、エッチング・システム100は、以下のように機能することができる。測定装置114は、設定位置でウェーハ104上の寸法を測定する。各設定位置は、ウェーハ104上の領域を定めることができる。制御装置112は、ウェーハ104に関する、設定位置における寸法を含むデータを測定装置114から受け取る。制御装置112は、処理中に寸法差およびウェーハの温度の周知の関係に基づき、データを温度プロファイルに変換する。温度プロファイルは、ウェーハ104上の各測定された設定位置、即ち、チャック108上の対応する各領域に関する特定の温度を含む。したがって、制御装置112は、その対応する発熱体110を調整することによって、各領域の温度を調整する。
【0023】
図4は、本発明の他の実施例に係るウェーハ404の温度およびエッチング速度を制御するエッチング・システム400を例示する。エッチング・システム400は、反応性ガス(単一または複数)(図示なし)が通って流れるチャンバ402を含む。チャンバ402の中で、チャンバ402の一番上のウインドウ(図示なし)に隣接して配置されるRFアンテナ(図示なし)によって、発生する無線周波数エネルギから、ガスは、プラズマ406にイオン化される。プラズマ406の反応性の高いイオンは、処理される半導体ウェーハ404の表面で反応することができる。エッチングの前に、ウェーハ404は、チャンバ402に置かれ、プラズマ406にウェーハ404の上面が曝されたチャック408によって、適切な位置において、保持される。
【0024】
いくつかの発熱体410は、チャック408の設定位置に配置される。例として、発熱体410は、フィルム・ヒーターまたはチャック408に適合する小型のヒーターを含めてもよい。発熱体410は、各発熱体410の温度を調整する制御装置412に連結される。
【0025】
干渉計416は、いくつかの光ファイバ418のうちの1つから干渉計416まで連続して光を導くスイッチ420によって、周期的にいくつかの設定位置でエッチングの深さをサンプリングする。スペクトルを取得する時間が0.1秒未満であるため、例えば、1秒未満で7箇所において、ウェーハのサンプリングが可能である。
【0026】
制御装置412は処理中、干渉計416からデータを受け取る。干渉計416は、エッチング処理の間、ウェーハ404のエッチングの深さを測定する。ウェーハ404に向かう多数の光ファイバ418は、チャンバ402上部に配置される。光ファイバ418の数は、チャック408の発熱体410の数、または、図3で示すようなチャック408の温度領域の数に対応する。光スイッチ420は、光ファイバ418から干渉計416に情報を中継する。1回の走査で数ミリ秒、例えば0.1秒かけて光スイッチは、領域ごとにウェーハ404からの信号を時分割する。
【0027】
したがって、エッチング・システム400は、干渉計416からの情報をもとに、各ウェーハの温度プロファイルをリアルタイムで動的に変換する、フィードバックシステムを含む。制御装置412は、処理の前および/または処理中に各発熱体410の温度を調整して、局所的にエッチング速度を修正し、これによりウェーハ404上の設定位置におけるウェーハ404の溝のエッチング深さのばらつきを低減する。
【0028】
図5は、本発明の別の実施形態に係るウェーハの温度およびエッチング速度を制御するシステムを例示している構成図である。エッチング・システム500は、ウェーハ504の温度およびエッチング速度を制御する。エッチング・システム500は、反応性ガス(単一または複数)(図示なし)が通って流れるチャンバ502を含む。チャンバ502の中では、チャンバ502の一番上の窓(図示なし)の上に隣接して配置されたRFアンテナ(図示なし)によって、発生する無線周波数エネルギから、ガスはプラズマ506にイオン化される。プラズマ506の反応性の高いイオンは、処理される半導体ウェーハ504の表面で反応できる。エッチングの前に、ウェーハ504は、チャンバ502において、置かれ、プラズマ506にウェーハ504の上面が曝されたチャック508によって、適切な位置で保持される。
【0029】
チャック508は、流体が流れることができるいくつかの異なった領域を含むことができる。各領域の温度は、温度調節器510によって各領域を流れる流体の温度を制御して、独立的に調整される。各領域は、チャック508上の各設定位置に対応するように構成できる。各温度調節器510は、各温度調節器510を調整する制御装置512に連結される。
【0030】
制御装置512に連結される測定装置514は、処理の前に各ウェーハ上のテストフィーチャ寸法の微細寸法(CD)を測定する。測定装置514は、ウェーハ504上のいくつかの設定位置における測定値を含むデータを制御装置512に送る。ウェーハ504上の設定位置は、チャック508上の異なる領域に対応する。
【0031】
制御装置512は、図2に示す関係と同様に、ウェーハの寸法測定値および温度の関係を含むアルゴリズムを含む。制御装置512が測定装置514からデータを受け取ると、制御装置512は、測定値データから温度データに変換する上記のアルゴリズムで処理を行う。したがって、ウェーハ504にいくつかの位置での測定値を含むデータは、測定されたウェーハ504用にカスタム温度プロファイルを作成するために用いられる。このように、ウェーハ504上の個々の位置における測定をするために、制御装置512は、上記の定義された関係に従い、ウェーハ上の個々の位置に対応する発熱体510の温度を調整する。
【0032】
したがって、エッチング・システム500は、ウェーハ上の個々の寸法に関する情報を受信した後、各ウェーハの温度プロファイルをリアルタイムで動的に変換する、フィードフォワード・システムを含む。制御装置512は、処理の前および/または処理中に各発熱体510の温度を調整して、ウェーハ504上の設定位置において、ウェーハ504上の微細寸法のばらつきを低減する。
【0033】
図6は、図1のエッチング・システムを利用する方法を例示する。第1のブロック602において、測定装置は、ウェーハ上の複数の位置で、微細寸法または他の寸法を測定する。各位置は、上記のような領域と関連している。第2のブロック604で、制御装置は、ウェーハ上の測定された限界寸法に基づき、温度プロファイルを生成する。第3のブロック606で、プラズマエッチングシステムは、ウェーハ上の複数の位置に対応する発熱体を有するチャックに配置されるウェーハを処理する。処理中、制御装置は、生成された温度プロファイルに基づき発熱体の温度を調整する。
【0034】
以上、本発明の実施形態および用途を図示し、かつ、説明したが、本願開示の利益を有する当業者ならば、本発明の概念から逸脱することなく、上記以外の多くの変更形態を想到し得ることは明白である。したがって、本発明は、特許請求の範囲に記載の精神を除き、いかなる制限を受けるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハの表面をエッチングするエッチング・システムにおいて、
予め設定された複数の位置において前記ウェーハの表面上の微細寸法テストフィーチャを測定する測定装置と、
前記ウェーハを保持するチャックと、前記チャック内に配置される複数の発熱体と、を有し、前記測定装置から前記ウェーハを受け取るエッチングチャンバであって、それぞれの前記発熱体は前記ウェーハ上の予め設定された位置のそれぞれに隣接して配置される、エッチングチャンバと、
前記測定装置および前記複数の発熱体に接続された制御装置であって、前記ウェーハの表面のエッチング処理中に前記複数の発熱体それぞれの温度を調整して、測定された前記微細寸法テストフィーチャに基づく前記ウェーハ用のカスタム温度プロファイルを実現し、かつ予め設定された複数の位置の間のエッチングフィーチャのばらつきを低減する制御装置と、を備えることを特徴とするエッチング・システム。
【請求項2】
前記予め設定された複数の位置は、前記ウェーハのほぼ全表面にわたって隣接する複数の領域部にグループ化され、
前記領域部のそれぞれは、前記複数の発熱体のうち1つの発熱体に対応することを特徴とする請求項1に記載のエッチング・システム。
【請求項3】
前記ウェーハの表面は、中央領域部および該中央領域部に隣接する複数の領域部を含むことを特徴とする請求項2に記載のエッチング・システム。
【請求項4】
前記測定装置は、微細寸法(CD)分光測定システムを含むことを特徴とする請求項1に記載のエッチング・システム。
【請求項5】
前記制御装置に接続された複数のセンサをさらに備え、
前記センサは、前記予め設定された位置のそれぞれに対するウェーハ表面の位置における溝の平均深さを周期的に測定し、
前記制御装置は、前記測定した溝の深さに基づいて、前記予め設定された位置のそれぞれに対する局所的なエッチング速度を計算し、前記ウェーハの表面のエッチング処理中に前記複数の発熱体それぞれの温度を調整して、前記予め設定された複数の位置の間のエッチング速度のばらつきを低減することを特徴とする請求項1に記載のエッチング・システム。
【請求項6】
前記複数のセンサは、干渉計を備えることを特徴とする請求項5に記載のエッチング・システム。
【請求項7】
請求項1に記載の前記エッチング・システムを用いた前記ウェーハの前記表面のエッチング方法において、
前記予め設定された複数の位置において前記測定装置を用いて前記微細寸法テストフィーチャを測定する手順と、
前記複数の発熱体を用いて、前記複数の位置で前記ウェーハの下側を加熱する手順と、
前記ウェーハの表面のエッチング処理中に、前記制御装置を用いて前記複数の発熱体それぞれの温度を調整して、測定された前記微細寸法テストフィーチャに基づく前記ウェーハ用のカスタム温度プロファイルを実現し、かつ前記予め設定された複数の位置の間のエッチングフィーチャのばらつきを低減する手順と、
を含むことを特徴とするエッチング方法。
【請求項8】
前記予め設定された複数の位置は、前記ウェーハのほぼ全表面にわたって隣接する複数の領域部にグループ化され、
前記領域部のそれぞれは、1つの発熱体に対応することを特徴とする請求項7に記載のエッチング方法。
【請求項9】
前記ウェーハの表面は、中央領域部および該中央領域部に隣接する複数の領域部を含むことを特徴とする請求項8に記載のエッチング方法。
【請求項10】
前記微細寸法テストフィーチャを測定する手順は、微細寸法(CD)分光測定手順を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記予め設定された位置のそれぞれに対するウェーハ表面の溝の深さを周期的に測定する手順と、
前記測定した溝の深さに基づいて、前記予め設定された位置のそれぞれに対する局所的な前記エッチング速度を計算する手順と、
前記ウェーハのエッチング処理中に、前記加熱を調整して、前記予め設定された複数の位置の間の局部的なエッチング速度のばらつきを低減し、それによって、前記ウェーハ全体の溝の深さのばらつきを低減する手順と、を有することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項12】
ウェーハの表面をエッチングするエッチング・システムにおいて、
予め設定された複数の位置において前記ウェーハの表面の微細寸法テストフィーチャを測定する測定装置と、
前記ウェーハを保持する温度制御チャックを有し、前記測定装置から前記ウェーハを受け取るエッチングチャンバであって、前記温度制御チャックは流体で満たされた異なる複数の領域部を内包し、前記ウェーハ上の予め設定された位置のそれぞれに隣接して配置され、それぞれの前記領域部の流体が再循環流体温度制御システムによってそれぞれ設定温度まで加熱される、エッチングチャンバと、
前記測定装置および前記温度制御チャックに接続され、前記ウェーハの表面のエッチング処理中に、前記領域部それぞれの流体の温度を調整して、測定された前記微細寸法テストフィーチャに基づく前記ウェーハ用のカスタム温度プロファイルを実現し、かつ予め設定された複数の位置の間のエッチングフィーチャのばらつきを低減する制御装置と、を備えることを特徴とするエッチング・システム。
【請求項13】
前記複数の発熱体は、フィルムヒーターであることを特徴とする請求項1に記載のエッチング・システム。
【請求項14】
前記複数の発熱体は、フィルムヒーターであることを特徴とする請求項7に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−77859(P2013−77859A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−18861(P2013−18861)
【出願日】平成25年2月1日(2013.2.1)
【分割の表示】特願2006−503525(P2006−503525)の分割
【原出願日】平成16年2月12日(2004.2.12)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】