説明

エナミン誘導体および電子写真感光体

【課題】電子写真感光体用エナミン誘導体を提供する。
【解決手段】下記式(1)で表されるエナミン誘導体を用いる。


式(1)中、R、R、R、Rは水素原子、アルキル基、またはアリール基である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エナミン誘導体および電子写真感光体に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置等に用いられる電子写真感光体としては、導電性基体と、該導電性基体上に設けられた感光体層とを有する電子写真感光体が知られている。該電子写真感光体は、正孔輸送剤、電荷発生剤、結着樹脂、さらに必要に応じて電子輸送剤を溶剤に溶解した塗布液を、導電性基体上に塗布し、乾燥させて感光体層を形成することで製造される。
【0003】
正孔輸送剤としては、エナミン誘導体が知られている。エナミン誘導体としては、例えば下記に示す化合物(2−1)〜(2−3)が知られている(特許文献1)。
【0004】
【化1】

【0005】
しかし、化合物(2−1)〜(2−3)は平面性の高い化合物であるが、共鳴安定化するための共役構造が小さいため、溶剤への溶解性および結着樹脂との相溶性が乏しい。従って、電子写真感光体用の正孔輸送剤としては感度が不十分であり、結果、得られる電子写真感光体の感度も不十分であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2812618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
よって、本発明の目的は、電子写真感光体用の正孔輸送剤としての感度が高く、かつ溶剤への溶解性および結着樹脂との相溶性に優れたエナミン誘導体、および感度に優れた電子写真感光体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のエナミン誘導体は、下記式(1)で表される化合物であることを特徴とする。
【0009】
【化2】

【0010】
式(1)中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基であり、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基であり、R、Rはそれぞれ同一または異なって、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基である。
【0011】
本発明の電子写真感光体は、導電性基体と、該導電性基体上に設けられた感光体層とを有し、該感光体層が、本発明のエナミン誘導体を含有する層であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のエナミン誘導体は、電子写真感光体用の正孔輸送剤としての感度が高く、かつ溶剤への溶解性および結着樹脂との相溶性に優れる。
本発明の電子写真感光体は、感度に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】単層型電子写真感光体の一例を示す概略断面図である。
【図2】単層型電子写真感光体の他の例を示す概略断面図である。
【図3】単層型電子写真感光体の他の例を示す概略断面図である。
【図4】積層型電子写真感光体の一例を示す概略断面図である。
【図5】積層型電子写真感光体の他の例を示す概略断面図である。
【図6】化合物(1−2)の 1H−NMRチャートである。
【図7】化合物(1−3)の 1H−NMRチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<エナミン誘導体>
本発明のエナミン誘導体は、下記式(1)で表される化合物である。以下、式(1)で表される化合物を化合物(1)と記す。他の化合物も同様に記す。
【0015】
【化3】

【0016】
は炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基である。これらアルキル基およびアリール基は置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、アラルキル基等が挙げられる。
としては、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましい。
【0017】
は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基である。これらアルキル基およびアリール基は置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。
アルキル基およびアリール基としては、先に例示したアルキル基およびアリール基が挙げられる。
としては、水素原子、メチル基が好ましい。
【0018】
、Rはそれぞれ同一または異なって、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基である。これらアルキル基およびアリール基は置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。
アルキル基としては、先に例示したメチル基や、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
アリール基としては、先に例示したフェニル基や、トリル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。
、Rとしては、メチル基、フェニル基が好ましい。
【0019】
化合物(1)としては、例えば、化合物(1−1)〜(1−6)が挙げられる。
【0020】
【化4】

【0021】
化合物(1)は、例えば、以下のようにして製造する。反応式中、X、Xはハロゲン原子であり、R〜Rは、式(1)の説明と同じである。
【0022】
(a)工程:
化合物(3)と亜リン酸トリエチルとを反応させて化合物(4)とし、未反応の亜リン酸トリエチルを減圧留去する。
【0023】
【化5】

【0024】
化合物(3)と亜リン酸トリエチルとの反応割合(モル比)は、1:1〜1:2.5が好ましい。亜リン酸トリエチルが少なすぎると、未反応の化合物(3)が残り精製が困難となる。亜リン酸トリエチルが多すぎると、コストアップとなる。反応温度は、160〜200℃が好ましく、反応時間は、2〜6時間が好ましい。該範囲とすることにより、比較的簡易な製造設備で、所望の反応を効率的に実施できる。
【0025】
(b)工程:
塩基の存在下、溶剤中にて化合物(4)と化合物(5)とを反応させて化合物(6)とし、化合物(6)を抽出、精製する。
【0026】
【化6】

【0027】
化合物(4)と化合物(5)との反応割合(モル比)は、1:1〜1:2.5が好ましい。化合物(4)が少なすぎると、化合物(6)の収量が少なくなる。化合物(4)が多すぎると、未反応の化合物(4)が多くなり、副反応などにより化合物(6)の精製が困難となるおそれがある。
反応温度は、−20〜30℃が好ましく、反応時間は、5〜30時間が好ましい。該範囲とすることにより、比較的簡易な製造設備で、所望の反応を効率的に実施できる。
【0028】
塩基としては、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のナトリウムアルコキシド;水素化ナトリウム、水素化カリウム等の金属水素化物;n−ブチルリチウム等の金属塩等が挙げられる。塩基は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0029】
塩基の添加量は、化合物(5)1モルに対して、1〜1.5モルが好ましい。塩基の添加量が1モル未満では、化合物(4)と化合物(5)との反応性が著しく低下するおそれがある。塩基の添加量が1.5モルを超えると、化合物(4)と化合物(5)との反応を制御することが困難になるおそれがある。
【0030】
溶剤としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
【0031】
(c)工程:
触媒等の存在下、溶剤中にて化合物(6)と化合物(7)とを反応させて化合物(8)とし、化合物(8)を抽出、精製する。
【0032】
【化7】

【0033】
化合物(6)と化合物(7)との反応割合(モル比)は、1:1〜1:2.5が好ましい。化合物(6)が少なすぎると、化合物(8)の収量が少なくなる。化合物(6)が多すぎると、未反応の化合物(6)が多くなり、副反応などにより化合物(8)の精製が困難となるおそれがある。
反応温度は、80〜140℃が好ましく、反応時間は、2〜10時間が好ましい。該範囲とすることにより、比較的簡易な製造設備で、所望の反応を効率的に実施できる。
【0034】
触媒としては、例えば、パラジウム系触媒等が挙げられる。パラジウム系触媒としては、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)等が挙げられる。触媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶剤としては、例えば、キシレン等が挙げられる。
【0035】
(d)工程:
酸触媒の存在下、溶剤中にて化合物(8)と化合物(9)とを反応させて化合物(1)とし、化合物(1)を抽出、精製する。
【0036】
【化8】

【0037】
化合物(8)と化合物(9)との反応割合(モル比)は、1:1〜1:2.5が好ましい。化合物(9)が少なすぎると、化合物(8)が残り精製が困難となる。化合物(9)が多すぎると、コストアップとなる。
反応温度は、60〜120℃が好ましく、反応時間は、1〜5時間が好ましい。該範囲とすることにより、比較的簡易な製造設備で、所望の反応を効率的に実施できる。
【0038】
酸触媒としては、例えばp−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、ピリジニュウム−p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。
酸触媒の添加量は、化合物(9)100質量部に対して、0.05〜10質量部が好ましく、0.2〜4質量部がより好ましい。酸触媒の添加量が0.05質量部未満では、化合物(8)と化合物(9)との反応性が著しく低下するおそれがある。酸触媒の添加量が10質量部を超えると、化合物(8)と化合物(9)との反応を制御することが困難になるおそれがある。
【0039】
溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ブタノール、ジエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
なお、(d)工程では、反応中に水が副生成物として生成するが、この水は反応を妨げるので、生成した水を溶剤と共沸させて、反応系外に取除くのが好ましい。
【0040】
以上説明した化合物(1)は、共役構造を拡大したことにより、高い平面性を維持すると共に、共鳴安定化しやすい。また、化合物(1)はエーテル構造を有する。このような構造を有する化合物(1)は溶剤への溶解性、および極性のある結着樹脂(例えばポリカーボネート樹脂など)との相溶性に優れる。従って、化合物(1)は電子写真感光体用の正孔輸送剤としての感度が高い。
【0041】
<電子写真感光体>
本発明の電子写真感光体は、導電性基体と、該導電性基体上に設けられた感光体層とを有し、該感光体層が、本発明のエナミン誘導体(化合物(1))を含有する層である電子写真感光体である。
【0042】
電子写真感光体としては、(i)単層型電子写真感光体、(ii)積層型電子写真感光体が挙げられ、正負いずれの帯電型電子写真感光体に用いることができること、構造が簡単であって、製造が容易であること、感光体層を形成する際の被膜欠陥を効果的に抑制できること、層間の界面が少なく、光学的特性を向上させやすい等の理由から、(i)単層型電子写真感光体が好ましい。
【0043】
(i)単層型電子写真感光体:
図1は、単層型電子写真感光体の一例を示す概略断面図である。単層型電子写真感光体10は、導電性基体12と、導電性基体12上に設けられた感光体層14とを有する。
なお、単層型電子写真感光体10は、図1のものに限定はされず、図2に示すように、導電性基体12と感光体層14との間に、単層型電子写真感光体10の特性を阻害しない範囲でバリア層16が設けられていてもよく、図3に示すように、感光体層14の表面に保護層18が設けられていてもよい。
【0044】
導電性基体しては、例えば、鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属;該金属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料;ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆されたガラス等が挙げられる。
導電性基体の形状としては、シート状、ドラム状等が挙げられる。導電性基体の形状は、画像形成装置の構造に合わせて適宜決定すればよい。
【0045】
感光体層の厚さは、5〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。
感光体層は、例えば、正孔輸送剤、電荷発生剤、結着樹脂、および必要に応じて電子輸送剤を含有する層である。
【0046】
感光体層は、正孔輸送剤として、化合物(1)を含有する。
感光体層は、他の正孔輸送剤を含有してもよい。他の正孔輸送剤としては、化合物(1)を除くエナミン系化合物、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系化合物、有機ポリシラン化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物、縮合多環式化合物等が挙げられる。正孔輸送剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0047】
感光体層が電子輸送剤を含有する場合、電子輸送剤としては、キノン誘導体、アントラキノン誘導体、マロノニトリル誘導体、チオピラン誘導体、トリニトロチオキサントン誘導体、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン誘導体、ジニトロアントラセン誘導体、ジニトロアクリジン誘導体、ニトロアントアラキノン誘導体 、ジニトロアントラキノン誘導体、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等が挙げられる。電子輸送剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0048】
電子輸送剤としては、電子受容性および電荷発生剤との相溶性が優れており、感度特性および耐久性に優れた電子写真感光体が得られることから、キノン誘導体が好ましい。キノン誘導体としては、例えば、ナフトキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、アゾキノン誘導体等が挙げられる。
電子輸送剤としては、化合物(10−1)〜(10−3)が特に好ましい。
【0049】
【化9】

【0050】
電荷発生剤としては、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、ジオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、ピリリウム顔料、アンサンスロン顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料等の有機光導電体;セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、アモルファスシリコン等の無機光導電剤等が挙げられる。電荷発生剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0051】
電荷発生剤としては、正孔輸送剤および電子輸送剤を併用した場合に、感度特性、電気特性および安定性等がより優れた電子写真感光体が得られることから、無金属フタロシアニン(τ型またはX型)、チタニルフタロシアニン(α型またはY型)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(V型)、およびクロロガリウムフタロシアニン(II型)からなる群から選択される1種以上が好ましい。
【0052】
結着樹脂としては、例えば、ビスフェノールZ型、ビスフェノールZC型、ビスフェノールC型、ビスフェノールA型等のポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂等の熱可塑性樹脂;シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂;エポキシアクリレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化型樹脂等が挙げられる。結着樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0053】
感光体層は、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、公知の添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等が挙げられる。
また、感光体層の感度を向上させるために、テルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
【0054】
正孔輸送剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して20〜500質量部が好ましく、30〜200質量部がより好ましい。
電子輸送剤を含有させる場合、電子輸送剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して5〜100質量部が好ましく、10〜80質量部がより好ましい。
電荷発生剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜50質量部が好ましく、0.5〜30質量部がより好ましい。
【0055】
感光体層は、例えば、正孔輸送剤、電荷発生剤、結着樹脂、および必要に応じて電子輸送剤を溶剤に溶解または分散させた塗布液を、導電性基体上に塗布し、乾燥させることで形成される。
塗布液の調製は、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機等を用いて、各成分を溶剤に溶解または分散さることによって行われる。塗布方法は、公知の方法を用いればよい。
【0056】
溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
塗布液には、各成分の分散性、感光体層表面の平滑性をよくするために、界面活性剤、レベリング剤等を添加してもよい。
【0057】
得られた単層型電子写真感光体は、感光体層に化合物(1)を含有しているため、残留電位が低下するとともに、感度が高い。さらに、感光体層に電子輸送剤を含有させる場合には、電荷発生剤と正孔輸送剤との電子の授受が効率よく行われるようになり、感度等がより安定する傾向が見られる。
【0058】
(ii)積層型電子写真感光体:
図4は、積層型電子写真感光体の一例を示す概略断面図である。積層型電子写真感光体20は、導電性基体12と、導電性基体12上に設けられた、電荷発生剤を含有する電荷発生層24と、電荷発生層24上に設けられた電荷輸送層22とを有する。積層型電子写真感光体20においては、電荷発生層24と電荷輸送層22とで感光体層が構成されている。
【0059】
なお、積層型電子写真感光体20は、図4のものに限定はされず、図5に示すように、導電性基体12上に電荷輸送層22が設けられ、電荷輸送層22上に電荷発生層24が設けられていてもよい。ただし、電荷発生層24は、電荷輸送層22に比べて膜厚が薄いため、電荷発生層24を保護するために、電荷発生層24の上に電荷輸送層22を設けることが好ましい。
導電性基体としては、単層型電子写真感光体と同様のものが挙げられる。
【0060】
電荷発生層の厚さは、0.01〜5μmが好ましく、0.1〜3μmがより好ましい。
電荷輸送層の厚さは、2〜100μmが好ましく、5〜50μmがより好ましい。
積層型電子写真感光体は、電荷発生層および電荷輸送層の形成順序、電荷輸送層に用いる電荷輸送剤の種類によって、正負いずれの帯電型となるかが選択される。例えば、導電性基体上に電荷発生層を設け、その上に電荷輸送層を設けた積層型電子写真感光体において、電荷輸送層の電荷輸送剤として、化合物(1)等の正孔輸送剤を用いた場合、感光体は負帯電型となる。この場合、電荷発生層には電子輸送剤を含有させてもよい。
【0061】
電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、結着剤等としては、単層型電子写真感光体と同様のものが挙げられる。
電荷発生層の電荷発生剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して5〜1000質量部が好ましく、30〜500質量部がより好ましい。
電荷発生層に正孔輸送剤を含有させる場合、正孔輸送剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して10〜500質量部が好ましく、50〜200質量部がより好ましい。
【0062】
電荷輸送層の正孔輸送剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して10〜500質量部が好ましく、25〜200質量部がより好ましい。
電荷輸送層に電子輸送剤を含有させる場合、電子輸送剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して5〜200質量部が好ましく、10〜100質量部がより好ましい。
【0063】
電荷発生層は、例えば、蒸着、塗布等の手段によって形成される。
電荷輸送層は、例えば、単層型電子写真感光体の感光体層と同様に塗布等の手段によって形成される。
【0064】
このように、本発明の電子写真感光体は、特定のエナミン誘導体(化合物(1))を含有する感光体層を有するので、感度に優れる。
【実施例】
【0065】
実施例における各評価は、以下のように行った。
(電気特性試験)
GENTEC社製のドラム感度試験機に単層型電子写真感光体を設置し、初期表面電位Vが+700Vとなるように単層型電子写真感光体を帯電させた。ついで、ハロゲンランプの白色光からバンドパスフィルタを用いて取り出した波長780nm(半値幅20nm)の単色光(光強度1.5μJ/cm)を単層型電子写真感光体の表面に1.5秒間照射し、露光開始から0.5秒経過した時点での表面電位を測定して、これを残留電位V(V)とした。
【0066】
(外観評価)
単層型電子写真感光体の感光体層表面を観察した。結晶化が見られないものを○、若干結晶化したものを△、結晶化したものを×と評価した。
【0067】
[化合物(1−1)の製造]
(a)工程:
200mLフラスコに、化合物(3−1)15.2g(0.10mol)、および亜リン酸トリエチル25g(0.15mol)を入れ、180℃で加熱しながら8時間撹拌した。室温まで冷却した後、過剰な亜リン酸トリエチルエステルを減圧留去して、白色オイル状の化合物(4−1)24.1gを得た(収率90%)。
【0068】
【化10】

【0069】
(b)工程:
500mLの2口フラスコに、化合物(4−1)13g(0.05mol)を入れ、アルゴンガス置換を行い、0℃で乾燥テトラヒドロフラン(THF)100mL、および28%ナトリウムメトキシド9.3g(0.05mol)を加え、そのまま30分間攪拌した。次いで、この反応液に、化合物(5−1)7g(0.05mol)を乾燥THF300mLに溶解させて投入し、室温で12時間攪拌した。その後、反応液をイオン交換水に注ぎ、トルエンにて抽出し、有機層をイオン交換水で5回洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ろ過し、溶剤を留去した。その後、残渣をトルエン20mL/メタノール100mL混合溶剤で再結晶により精製して、白色結晶状の化合物(6−1)10.22gを得た(収率85%)。
【0070】
【化11】

【0071】
(c)工程:
2Lの2口フラスコに、化合物(6−1)12g(0.05mol)、(2−ビフェニル)ジシクロヘキシルホスフィン0.0662g(0.000189mol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)0.0864g(0.0000944mol)、ナトリウムt−ブトキシド7.68g(0.08mol)、および化合物(7−1)6.85g(0.05mol)を入れ、蒸留したo−キシレン500mLを加え、アルゴンガス置換を行い、120℃で加熱しながら5時間攪拌した。室温まで冷却した後、反応液(有機層)をイオン交換水で3回洗浄し、有機層に無水硫酸ナトリウムおよび活性白土を用いて乾燥および吸着処理した。その後、ろ過し、キシレンを減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィ(展開溶媒:クロロホルム/ヘキサン)にて精製して、固体状の化合物(8−1)14.4gを得た(収率85%)。
【0072】
【化12】

【0073】
(d)工程:
500mLのフラスコに、化合物(8−1)12.6g(0.037mol)、トルエン200mL、化合物(9−1)7.2g(0.037mol)、および触媒量のp−トルエンスルホン酸を入れ、100℃で加熱しながら2時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応液に無水硫酸ナトリウムおよび活性白土を加えて乾燥させた後、ろ過し、トルエンを減圧留去した。その後、残渣にエタノールを加えて加温し、残渣を溶解させ、その後冷却して結晶を析出させ、結晶状の化合物(1−1)16.3gを得た(収率85%)。
【0074】
【化13】

【0075】
<実施例1>
電荷発生剤であるX型無金属フタロシアニン5質量部、正孔輸送剤である化合物(1−1)80質量部、電子輸送剤である化合物(10−1)50質量部、および結着樹脂であるポリカーボネート樹脂100質量部を、溶剤であるテトラヒドロフラン800質量部に、ボールミルにて50時間混合分散させて、単層型感光体層用の塗布液を調製した。ついで、この塗布液をアルミニウム素管からなる導電性基体上にディップコート法によって塗布し、100℃で30分間熱風乾燥することにより、膜厚25μmの感光体層を形成し、単層型電子写真感光体を得た。該単層型電子写真感光体について電気特性試験および外観評価を行った。結果を表1に示す。
【0076】
<実施例2>
電子輸送剤として、化合物(10−1)の代わりに化合物(10−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして単層型電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0077】
<実施例3>
電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニンの代わりにY型チタニルフタロシアニンを用い、電子輸送剤として、化合物(10−1)の代わりに化合物(10−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして単層型電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0078】
[化合物(1−2)の製造]
化合物(7−1)の代わりに、化合物(7−2)6.15g(0.05mol)を用いた以外は、化合物(1−1)と同様にして化合物(1−2)15.0gを得た(収率80%)。
【0079】
【化14】

【0080】
化合物(1−2)について 1H−NMR(300MHz)を測定した。溶媒としては、CDCl、基準物質としてTMSを用いた。化合物(1−2)が得られていることを確認した。 1H−NMRのチャートを図6に示す。
【0081】
<実施例4>
正孔輸送剤として、化合物(1−1)の代わりに化合物(1−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして単層型電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0082】
<実施例5>
電子輸送剤として、化合物(10−1)の代わりに化合物(10−2)を用いた以外は、実施例4と同様にして単層型電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0083】
<実施例6>
電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニンの代わりにY型チタニルフタロシアニンを用い、電子輸送剤として、化合物(10−1)の代わりに化合物(10−2)を用いた以外は、実施例4と同様にして単層型電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0084】
[化合物(1−3)の製造]
化合物(7−1)の代わりに、化合物(7−3)9.25g(0.05mol)を用いた以外は、化合物(1−1)と同様にして化合物(1−3)16.8gを得た(収率80%)。
【0085】
【化15】

【0086】
化合物(1−3)について 1H−NMR(300MHz)を測定した。溶媒としては、CDCl、基準物質としてTMSを用いた。化合物(1−3)が得られていることを確認した。 1H−NMRのチャートを図7に示す。
【0087】
<実施例7>
正孔輸送剤として、化合物(1−1)の代わりに化合物(1−3)を用いた以外は、実施例1と同様にして単層型電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0088】
<実施例8>
電子輸送剤として、化合物(10−1)の代わりに化合物(10−2)を用いた以外は、実施例7と同様にして単層型電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0089】
<実施例9>
電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニンの代わりにY型チタニルフタロシアニンを用い、電子輸送剤として、化合物(10−1)の代わりに化合物(10−2)を用いた以外は、実施例7と同様にして単層型電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0090】
[化合物(1−4)の製造]
化合物(7−1)の代わりに、化合物(7−2)6.15g(0.05mol)を用い、化合物(9−1)の代わりに、化合物(9−2)4.9g(0.037mol)を用いた以外は、化合物(1−1)と同様にして化合物(1−4)11.5gを得た(収率70%)。
【0091】
【化16】

【0092】
<実施例10>
正孔輸送剤として、化合物(1−1)の代わりに化合物(1−4)を用いた以外は、実施例1と同様にして単層型電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0093】
<実施例11>
電子輸送剤として、化合物(10−1)の代わりに化合物(10−2)を用いた以外は、実施例10と同様にして単層型電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0094】
<実施例12>
電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニンの代わりにY型チタニルフタロシアニンを用い、電子輸送剤として、化合物(10−1)の代わりに化合物(10−2)を用いた以外は、実施例10と同様にして単層型電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0095】
[化合物(1−5)の製造]
化合物(7−1)の代わりに、化合物(7−4)6.85g(0.05mol)を用いた以外は、化合物(1−1)と同様にして化合物(1−5)14.4gを得た(収率75%)。
【0096】
【化17】

【0097】
<実施例13>
正孔輸送剤として、化合物(1−1)の代わりに化合物(1−5)を用いた以外は、実施例1と同様にして単層型電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0098】
<実施例14>
電子輸送剤として、化合物(10−1)の代わりに化合物(10−2)を用いた以外は、実施例13と同様にして単層型電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0099】
<実施例15>
電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニンの代わりにY型チタニルフタロシアニンを用い、電子輸送剤として、化合物(10−1)の代わりに化合物(10−2)を用いた以外は、実施例13と同様にして単層型電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0100】
[化合物(1−6)の製造]
化合物(7−1)の代わりに、化合物(7−2)6.15g(0.05mol)を用い、化合物(9−1)の代わりに、化合物(9−3)2.7g(0.037mol)を用いた以外は、化合物(1−1)と同様にして化合物(1−6)11.3gを得た(収率80%)。
【0101】
【化18】

【0102】
<実施例16>
正孔輸送剤として、化合物(1−1)の代わりに化合物(1−6)を用いた以外は、実施例1と同様にして単層型電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0103】
<実施例17>
電子輸送剤として、化合物(10−1)の代わりに化合物(10−2)を用いた以外は、実施例16と同様にして単層型電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0104】
<実施例18>
電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニンの代わりにY型チタニルフタロシアニンを用い、電子輸送剤として、化合物(10−1)の代わりに化合物(10−2)を用いた以外は、実施例16と同様にして単層型電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0105】
[化合物(2−1)]
<比較例1>
正孔輸送剤として、化合物(1−1)の代わりに化合物(2−1)を用いた以外は、実施例1と同様にして単層型電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0106】
<比較例2>
電子輸送剤として、化合物(10−1)の代わりに化合物(10−2)を用いた以外は、比較例1と同様にして単層型電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0107】
<比較例3>
電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニンの代わりにY型チタニルフタロシアニンを用い、電子輸送剤として、化合物(10−1)の代わりに化合物(10−2)を用いた以外は、比較例1と同様にして単層型電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0108】
[化合物(2−2)]
<比較例4>
正孔輸送剤として、化合物(1−1)の代わりに化合物(2−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして単層型電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0109】
<比較例5>
電子輸送剤として、化合物(10−1)の代わりに化合物(10−2)を用いた以外は、比較例4と同様にして単層型電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0110】
<比較例6>
電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニンの代わりにY型チタニルフタロシアニンを用い、電子輸送剤として、化合物(10−1)の代わりに化合物(10−2)を用いた以外は、比較例4と同様にして単層型電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0111】
[化合物(2−3)]
<比較例7>
正孔輸送剤として、化合物(1−1)の代わりに化合物(2−3)を用いた以外は、実施例1と同様にして単層型電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0112】
<比較例8>
電子輸送剤として、化合物(10−1)の代わりに化合物(10−2)を用いた以外は、比較例7と同様にして単層型電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0113】
<比較例9>
電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニンの代わりにY型チタニルフタロシアニンを用い、電子輸送剤として、化合物(10−1)の代わりに化合物(10−2)を用いた以外は、比較例7と同様にして単層型電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0114】
【表1】

【0115】
表1から明らかなように、実施例の単層型電子写真感光体は、比較例の単層型電子写真感光体に比べて残留電位が低かった。また、感光体の外観評価を行ったところ、結晶化が見られなかった。
一方、比較例の単層型電子写真感光体は、残留電位が高かった。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明のエナミン誘導体は、溶剤への溶解性および結着樹脂との相溶性に優れていることから、感度に優れた電子写真感光体を得ることができる。該電子写真感光体は、各種画像形成装置の高速化、高性能化等に寄与することが期待される。
本発明のエナミン誘導体は、高い正孔輸送能を有することから、太陽電池、エレクトロルミネッセンス素子等にも利用可能である。
【符号の説明】
【0117】
10 単層型電子写真感光体(電子写真感光体) 12 導電性基体 14 感光体層 20 積層型電子写真感光体(電子写真感光体) 22 電荷輸送層(感光体層) 24 電荷発生層(感光体層)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表される化合物である、エナミン誘導体。
【化1】

式(1)中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基であり、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基であり、R、Rはそれぞれ同一または異なって、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基である。
【請求項2】
導電性基体と、
該導電性基体上に設けられた感光体層とを有し、
該感光体層が、請求項1記載のエナミン誘導体を含有する層である、電子写真感光体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−163395(P2010−163395A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−7630(P2009−7630)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】