説明

エネルギーシステム、電子モジュール、電子デバイス、及び該エネルギーシステムの製造方法

本発明は、第1電極、第2電極、及び第1電極及び第2電極を分離する中間固体電解質から成る少なくとも1つの組立体を具備する電気化学的エネルギー源を有するエネルギーシステムに関する。本発明はまた、上記のエネルギーシステムを具備する電子モジュールに関する。本発明は更に、上記のエネルギーシステムを具備する電子デバイスに関する。さらに、本発明は上記のエネルギーシステムの製造方法に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1電極、第2電極、及び該第1電極及び第2電極を分離する中間固体電解質から成る少なくとも1つの組立体を具備する電気化学的エネルギー源を有するエネルギーシステムに関する。本発明はまた、上記のエネルギーシステムを具備する電子モジュールに関する。本発明は更に、上記のエネルギーシステムを具備する電子デバイスに関する。さらに、本発明は上記のエネルギーシステムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
固体電解質に基づく電気化学的エネルギー源が技術的に知られている。これらの(平面型)エネルギー源すなわち‘固体電池’は、第1電極、第2電極、及び該第1電極及び第2電極を分離する中間固体電解質から成る少なくとも1つの組立体を有するように構築されている。固体電池は、効率的且つクリーンに、化学エネルギーを電気エネルギーに直接的に変換し、しばしば、可搬式電子機器の電源として使用されている。より小型なところでは、このような電池は、例えばマイクロエレクトロモジュール、より具体的には集積回路(IC)に電気エネルギーを供給するために使用可能である。その一例が特許文献1に開示されており、そこでは固体薄膜マイクロ電池が特定の基板上に直接的に製造されている。この製造プロセスにおいては、第1電極、中間固体電解質、及び第2電極が基板上に続けて堆積される。既知のマイクロ電池は一般に、その他の固体電池と比較して優れた性能を示すものの、既知のマイクロ電池は幾つかの欠点を有している。特許文献1に記載された既知のマイクロ電池の主な欠点は、その製造プロセスがかなり複雑であり、故にかなりのコストが掛かる点である。既知のマイクロ電池の他の欠点は、この電池を充電するには、電池に電気エネルギーを供給するために極性を反転させるスイッチング装置が必要である点である。このため、この電池を充電可能にするためには、電池をコンセント又は他の何らかの外部電源に接続することが必要である。故に、既知の電池は、充電されるために、これら外部電気エネルギー源の利用可能性に依存している。
【特許文献1】国際公開第00/25378号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、比較的単純な方法で構築・製造可能であり且つその電気化学的エネルギーが比較的効率的に充電され得る、改善された電気化学的エネルギーシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題に鑑み、本発明の一態様に従った電気化学的エネルギー源を有するエネルギーシステムにあっては、前記電気化学的エネルギー源は、第1電極、第2電極、及び前記第1電極と前記第2電極とを分離する中間固体電解質、とから成る少なくとも1つの組立体を有し、前記第1電極は前記固体電解質及び前記第2電極が堆積された第1の導電性基板を有し、且つ当該エネルギーシステムは更に、外部エネルギーを前記電気化学的エネルギー源を充電する電気エネルギーに変換するための、前記電気化学的エネルギー源に電気的に接続されたエネルギー変換手段を有することを特徴とする。第1の基板と、第1電極の少なくとも一部との集積化は、一般に、技術的に既知の(マイクロ)電池の構造と比較して単純な構造をもたらす。さらに、本発明に従ってエネルギー源を製造する方法も、少なくとも1つの処理工程が削除可能であるので、同様に単純になる。本発明に従ったエネルギーシステムのこの比較的単純な製造方法は、さらに、有意なコスト削減をもたらす。好ましくは、固体電解質及び第2電極は、およそ0.5μmと5μmとの間の厚さを有する薄膜層として第1電極上に堆積される。エネルギー源内のイオン輸送は薄膜層を通じての方が厚膜層を通じてより容易且つ高速になるので、薄膜層はより高い電流密度及び効率をもたらす。斯くして、内部エネルギー損失が最小化され得る。エネルギー源の内部抵抗は比較的小さいので、再充電可能なエネルギー源が適用されるとき、充電速度が高められ得る。本発明に従ったエネルギーシステムの更なる主な利点は、電気化学的エネルギー源に電気エネルギーを供給する変換手段をエネルギーシステムが有する点である。従って、この変換は、エネルギーシステムを取り巻く直接的な環境から吸収された(電気エネルギーではない)外部エネルギーを、電気化学的エネルギー源に(電池の)充電電流を供給するための電気エネルギーへと変換する。斯くして、電気化学的エネルギー源は、比較的複雑且つ高価な別個の電気(マイクロ)電池充電器や外部電源を必要とすることなく、比較的効率的且つ(より)自律的に充電されることができる。故に、この(自律的)エネルギーシステムによる改善されたエネルギー取り出し(scavenging)手法及び貯蔵手法は、エネルギーシステムの比較的高い設計自由度をもたらす。
【0005】
好適な一実施形態において、電解質及び第2電極に面する第1電極の少なくとも一部は、少なくとも部分的にパターニングされている。斯くして、双方の電極と固体電解質との間の単位体積当たりの接触表面が増大される。一般に、本発明に従ったエネルギー源の構成要素間の接触表面の増大により、エネルギー源の速度能力の向上、ひいては、より良好な電池容量(エネルギー源に含まれる層群の容積の最適利用による)がもたらされる。斯くして、エネルギー源のパワー密度及びエネルギー密度を最大化ひいては最適化することができる。この第1電極のパターンの種類、形状及び寸法は自由に決めることができる。一般に接触表面は、例えば第1電極に延在部を設けるなど、様々な手法でパターニングされてもよい。好ましくは、具体的には基板である第1電極は何らかの形状及び寸法の複数の孔部を具備している。電解質及び第2電極は、好ましくは、この孔部の内表面の少なくとも一部に設けられている。これは、電気化学的エネルギー源の電気要素間の接触表面、ひいては、電気化学的エネルギー源のパワー密度及びエネルギー密度が有意に増大され得るという利点を有する。一実施形態においては、電気化学的エネルギー源内の接触表面を増大させるように、この孔部が組み合わされることにより、複数の突出したピラーが第1の基板に形成される。好適な他の一実施形態においては、この孔部の少なくとも一部はスリット、穴、又はトレンチを形成し、その中に固体電解質及び第2電極が堆積される。具体的には第1の導電性基板である第1電極のパターン、より具体的には孔部、は例えばエッチングによって形成され得る。
【0006】
好適な他の一実施形態においては、エネルギーシステムの電気化学的エネルギー源内の実効的な接触表面を増大させるように、この孔部が組み合わされることにより、1つ又は複数の突起部、特にピラー、が基板に形成される。トレンチ又は孔を用いることは基板内のトレンチ又は孔の形態の穴を形成・充填する処理を含むが、トレンチ又は孔を用いることに代えて、反転構造も使用可能である。第1電極のピラーは、好ましくは、垂直な穴に代えて垂直なピラーを第1電極の基板に形成するエッチングプロセスによって形成される。ピラーの形状及び寸法は様々な種類のものであってもよく、好ましくは、本発明に従ったエネルギーシステムの応用分野に応じたものにされる。これはまた、気体試薬及び反応生成物の3次元拡散を容易にするので、例えば形状のドライエッチング及びその形状へのLPCVD又はALD成長層の堆積などの、関連プロセスにおける反応速度を高めることが可能である。
【0007】
変換手段は、上述のように、好ましくは永続的エネルギーであり電気エネルギーではない特定の状態のエネルギーを電気エネルギーへと変換することに適合されている。外部エネルギーは該エネルギーシステムを取り巻く環境を介して取得されることができる。好ましくは、エネルギー変換手段によるエネルギー変換は、以下のエネルギー変換原理:熱電気変換、光電気変換、磁気電気変換、風力電気変換、及び圧電変換、の少なくとも1つに基づく。熱電気変換は熱の電気への変換であり、光電気変換は光、特に(太陽の)放射線の電気への変換に基づくものである。光電気変換は、例えば、特に太陽電池である光起電力変換器によって実現され得る。電気エネルギーは磁気誘導の変換によっても取得され得る。変換手段は更には風力エネルギー又は気体流に蓄積されたエネルギーの電気エネルギーへの変換にも適合され得る。他の例では、変換手段は機械的圧力の電気エネルギーへの変換に適合されている。この実施形態においては、変換手段は好ましくは、この変換を実現する圧電結晶を具備している。なお、本発明は決して上述の実施形態に限定されるものではない。当業者に明らかになるように、添付の特許請求の範囲の枠組み内で多様な他の実施形態が実現可能である。
【0008】
好ましくは、エネルギー変換手段は第1電極及び第2電極の双方に接続されており、それにより電気化学的エネルギー源の充電を可能にしている。好適な特定の一実施形態においては、第1電極及び第2電極の少なくとも一方へのエネルギー変換手段の接続は中断可能にされている。斯くして、変換手段はエネルギー源との接続を断たれることが可能となる。変換手段と電気化学的エネルギー源との接続を断つことは、例えば、(充電された)電気化学的エネルギー源を(一時的に)使用していない場合など、特定の状況下で望ましいものとなり得る。変換手段と電気化学的エネルギー源との接続を断つことは、電気的に制御され得る(マイクロ)スイッチ又はアクチュエータを用いて行われることができる。好適な他の特定の一実施形態においては、エネルギー変換手段は電気化学的エネルギー源に解放可能に結合されている。このことは、例えば、変換手段及び/又は電気化学的エネルギー源のメンテナンス及び/又は交換を行う場合に望ましいものとなり得る。
【0009】
本発明に従ったエネルギーシステムは、例えば1つの光電池など、単一のエネルギー変換セルを具備していてもよい。しかしながら、電気化学的エネルギー源の充電速度を高めるためには、エネルギー変換手段が複数のエネルギー変換セルを有することが有利である。一般に、これらのセルは同一種類から成り、例えば複数の太陽電池が電気化学的エネルギー源に接続される。しかしながら、これに代わる実施形態においては、異なる種類の変換セルが適用され、例えば太陽電池と圧電変換器との双方が電気化学的エネルギー源に接続される。
【0010】
好適な一実施形態において、エネルギー変換手段は、好ましくは(ドープされた)シリコンから成る、第2の導電性基板を有している。これは、第1の導電性基板及び第2の導電性基板が同一基板によって形成される場合に有利であり、結果として比較的単純で効率的且つ小型の集積エネルギーシステムが得られる。好適な他の一実施形態においては、電気化学的エネルギー源及びエネルギー変換手段は、比較的小型の積層化されたエネルギーシステムを形成するように、実質的に一緒に積み重ねられている。
【0011】
好適な一実施形態において、基板すなわち第1の基板、及び該当する場合には第2の基板は、以下の材料:C、Si、Sn、Ti、Ge、及びPb、の少なくとも1つから成る。これらの材料の組み合わせも基板を形成するために使用され得る。好ましくは、n型又はp型にドープされたSi、又はSiGe若しくはSiGeCのようなドープトSiに関連する化合物が基板として使用される。また、第1の基板の材料はイオン、例えば上述の原子のイオン、の挿入(intercalation)及び貯蔵に適合されているという条件の下で、他の好適な材料が第1の基板として適用されてもよい。また好ましくは、これらの材料は、基板の接触表面にパターン(穴、トレンチ、ピラー等)を設けるためのエッチングプロセスに掛けられるのに適したものである。
【0012】
一実施形態において、第1電極は少なくとも部分的に、以下の原子:H、Li、Be、Mg、Na、及びK、の少なくとも1つのイオンの(一時的な)貯蔵に適合されている。従って、本発明に従ったエネルギーシステムの電気化学的エネルギー源は、様々な挿入機構に基づいていてもよく、故に、例えばLiイオン電池、NiMH電池などの色々な種類の電池を形成するのに適している。
【0013】
好ましくは、第1電極は更に、第1の導電性基板に堆積された挿入用頂部層を有し、挿入用頂部層と第1の導電性基板とは、該第1の導電性基板への挿入イオンの拡散を少なくとも実質的に妨げるように適合された電子伝導性障壁層によって分離されている。この好適な実施形態は一般に非常に有利である。何故なら、本発明に従ったエネルギーシステムの電気化学的エネルギー源の(再)充電サイクルに関与する挿入イオンは、しばしば、第1の基板内に拡散することによって(再)充電サイクルに関与できなくなり、電気化学的エネルギー源の貯蔵容量を低減させてしまうからである。一般に、単結晶シリコンの導電性基板が、例えば集積回路、チップ、ディスプレー等の電子部品を支持するために用いられる。この結晶シリコン基板は、挿入イオンが比較的容易に基板内に拡散してエネルギー源の容量を低減させてしまうという上記問題を有する。この理由により、基板への望まざる拡散を妨げるために第1の基板に障壁層を設けることは相当に有利なことである。挿入イオンの移動(migration)が障壁層によって少なくとも実質的に妨げられることになる結果、基板全体へのこれらのイオンの移動は起こらなくなるが、基板全体への電子の移動は依然として可能である。この実施形態によれば、基板が挿入イオンの貯蔵に適合されることは不要となる。そのため、単に頂部層が例えばリチウム等のイオンの一時的な貯蔵(及び放出)に適合された挿入層として作用することになる。故に、金属、導電性高分子などから成る基板のような、シリコン基板以外の電子伝導性基板を用いることも可能である。形成される第1の基板、障壁層、及び挿入層としての頂部層から成る積層体は一般に、上述のように、例えば低圧化学的気相堆積(LPCVD)を用いて、基板上に障壁層、続いて挿入層を積み重ねる(堆積する)ことによって形成される。しかしながら、特定の一実施形態においては、この積層体はイオン注入技術によって形成されることもでき、例えば、結晶シリコン基板に例えばタンタルイオン及び窒素イオンが衝突させられ、その後、元の基板内に埋め込まれた物理的な障壁層を形成するように、イオン注入された基板の温度が十分に上昇させられる。シリコン基板へのイオンの衝突の結果、一般に、元の基板の結晶質の頂部層の格子が破壊されることになり、挿入層を形成する非晶質の頂部層がもたらされる。好適な一実施形態においては、挿入用頂部層は少なくとも実質的にシリコンから成り、好ましくはドープト非晶質シリコンから成る。非晶質のシリコン層は、単位体積当たり比較的多量の挿入イオンを貯蔵(及び放出)する優れた特性を有し、これにより本発明に従った電気化学的エネルギー源の貯蔵容量が高められる。障壁層は、好ましくは、少なくとも実質的に以下の化合物:タンタル、窒化タンタル、及び窒化チタン、の少なくとも1つから成る。しかしながら、障壁層の材料はこれらの化合物に限定されない。これらの化合物は、挿入イオン、とりわけリチウムイオン、に不浸透性の比較的高密度の構造であるという共通の特性を有している。
【0014】
本発明に従ったエネルギーシステムのエネルギー源に適用される固体電解質は、例えばH、Li、Be及びMgのイオン伝導体など、イオン伝導機構又は非電子的伝導機構の何れに基づくものであってもよい。固体電解質としてのLi伝導体の一例はリチウム・リン・オキシナイトライド(LiPON)である。例えばリチウム・シリコン・オキシナイトライド(LiSiON)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、オルトタングステン酸リチウム(Li2WO4)、リチウム・ゲルマニウム・オキシナイトライド(LiGeON)のような他の既知の固体電解質がリチウム伝導性固体電解質として用いられてもよい。プロトン伝導性電解質が、例えばTiO(OH)によって形成されてもよい。プロトン伝導性電解質についての詳細な情報は国際公開第02/42831にて開示されている。リチウムイオンに基づくエネルギー源の第2電極(正極)は、例えばLiCoO2、LiNiO2、LiMnO2等の酸化金属に基づく材料、又は例えばLi(NiCoMn)O2等のこれらの組み合わせから製造され得る。プロトンに基づくエネルギー源の場合の第2電極(正極)の例はNi(OH)2及びNiM(OH)2である。ただし、Mは例えばCd、Co又はBiから成るグループから選択された1つ以上の元素によって形成されるものである。
【0015】
更に他の一実施形態においては、固体電解質及び第2電極は第1の基板の複数の面に堆積される。斯くして、基板がより集中的にイオン貯蔵のために用いられることにより、本発明に従った電気化学的エネルギー源の電気容量が増大される。しかしながら、第1の基板の一面を変換手段の部分として使用しながら、第1の基板の他方の一面を電気化学的エネルギー源の部分として使用することも考えられる。斯くして、本発明に従った比較的複合的なエネルギーシステムが提供され得る。
【0016】
好ましくは、電気化学的エネルギー源は、互いに電気的に結合された複数の組立体を有する。これら組立体は、電気化学的エネルギー源の用途からの要求に応じて、直列及び/又は並列の何れで結合されていてもよい。比較的大きい電流が要求されるとき、幾つかの組立体の第1電極及び第2電極が、それぞれ、電気的に並列結合される。比較的高い電圧が要求されるときには、第1の組立体の第1電極は第2の組立体の第2電極に電気的に結合されてもよい。第2の組立体の第1電極は第3の組立体の第2電極に電気的に結合される等々と続けられてもよい。
【0017】
第1電極及び第2電極の少なくとも一方は、好ましくは、電流コレクタに結合される。シリコン基板の場合、第1の電極には電流コレクタは必要とされないことがある。しかしながら、例えば第2電極としてLiCoO2を用いるLiイオン電池では、好ましくは、アルミニウムの電流コレクタ(層)が設けられる。これに代えてあるいは加えて、一般に、本発明に従った固体エネルギー源とともに、例えばSi、GaAs、InP等の好ましくはドープされた半導体、又は銅若しくはニッケル等の金属から製造された電流コレクタが電流コレクタとして設けられてもよい。
【0018】
基板は、表面又は内部に孔部が形成され且つ平面を定める主表面を有していてもよい。この平面への電流コレクタの垂直投影は少なくとも部分的に、この平面への孔部、好ましくは全ての孔部、の垂直投影と重なってもよい。斯くして、電流コレクタは孔部の比較的近くにあり、最大電流を増大させる。一実施形態において、電流コレクタは孔部内、好ましくは全ての孔部内、に延在しており、これにより速度能力が更に向上される。これは、20μm以上の深さを有する比較的深い孔部に対して特に有利である。
【0019】
第1の基板は、第1電極を構成する第1部分と、第1部分を含まない第2部分とを有していてもよい。第2部分は該部分内に集積された電気デバイスを有していてもよい。第1の基板は、第1部分から第2部分へのイオンの拡散を低減させ、好ましくは実質的に阻止する障壁層を有することが好ましい。基板がLiイオンの貯蔵のために例えばシリコンウェハを用いることによって適合されているとき、この障壁層はLiイオンが第1電極(ウェハ)から出て行くことを防止するようにSi3N4又はSiO2で形成されることができる。他の例では、基板は変換手段の基本要素として機能する第3部分を有している。斯くして、本発明に従ったエネルギーシステムは、例えば集積回路(IC)等の電子モジュール又はデバイスとともに比較的単純且つ小型に集積化され得る。
【0020】
好ましくは、電気化学的エネルギー源を強固にするために、第1の基板は支持構造によって支持されている。特定の場合において、この支持構造を設けることは望ましいこととなる。例えば、本発明に従った構造を有する電池における水素貯蔵のためにチタン(関連)の第1の基板が使用される場合、エネルギー源の構造を強化するために支持構造が使用され得る。チタン基板は(一時的に)上記基板が堆積された誘電体層によって製造されてもよい。この堆積プロセス後、誘電体層は除去されてもよい。チタン基板の更なる支持のため、非導電性の支持構造が用いられてもよい。基板の厚さを薄くすることによって基板を部分的に除去し、それによりエネルギー源のエネルギー密度を高めることが有利となり得る。例えば、エネルギー源は、約500μmの厚さを有する第1の基板から、約10から200μmの厚さを有する第1の基板に移転されてもよい。第1の基板のこの適合を達成するため、(既知の)‘基板転写技術’が用いられてもよい。
【0021】
本発明はまた、上記のエネルギーシステムの少なくとも1つを具備する電子モジュールに関する。この電子モジュールは集積回路(IC)、マイクロチップ、ディスプレー等によって形成されていてもよい。電子モジュールとエネルギーシステムとの組み合わせはモノリシックに、あるいは非モノリシックに構築されてもよい。上記組み合わせのモノリシック構造の場合、好ましくは、電子モジュールとエネルギーシステム、特にそのエネルギー源との間にイオンに対する障壁層が設けられる。一実施形態において、電子モジュール及びエネルギーシステムはシステム・イン・パッケージ(SiP)に含まれている。パッケージは好ましくは非導電性であり、上記の組み合わせのための外囲器を有している。斯くして、電子モジュールの隣に本発明に従ったエネルギーシステムが設けられた自律的で、いつでも使えるSiPが提供され得る。
【0022】
本発明は更に、上記のエネルギーシステム、又はより好ましくは上記の電子モジュールの少なくとも1つを具備する電子デバイスに関する。このような電子デバイスの一例は、電気化学的エネルギー源が例えばバックアップ(又は主)電源として機能する髭剃り機である。本発明に従ったエネルギーシステムを有するバックアップ電源を設けることにより改善される他の用途は、例えば、可搬式RFモジュール(携帯電話、ラジオモジュール等)、(自律式)マイクロシステム内のセンサとアクチュエータ、エネルギーと光の管理システム、更には環境情報のためのデジタル信号プロセッサと自律式デバイスである。なお、この列挙は限定的なものと見なされるべきでないことは明らかであろう。本発明に従ったエネルギー源が内蔵され得る電気デバイスの他の一例は、マイクロプロセッサチップを格納した所謂‘スマートカード’である。現行のスマートカードは、カード内のチップに記憶された情報を表示するために、別個の大きいカード読取機を必要としている。しかし、好ましくは曲げられるマイクロ電池を用いて、スマートカードは、例えば、スマートカードに記憶されたデータへのユーザによるアクセスを容易にする、カードそれ自体上のかなり小型の表示画面を有することも可能である。
【0023】
さらに、本発明は上記のエネルギーシステムを製造する方法に関し、当該方法は:A)第1の導電性基板上に固体電解質を堆積する工程、B)前記固体電解質上に第2電極を堆積する工程、及びC)その後、前記第1の導電性基板及び前記第2電極の双方にエネルギー変換手段を電気的に接続する工程を有する。工程A)及びB)の適用において、好ましくは以下の堆積技術:物理的気相堆積(PVD)、化学的気相堆積(CVD)、及び原子気相堆積(AVD)、の1つが用いられる。PVDの例はスパッタリング、及び20μm以上程度の孔部の幅を一般的に必要とするレーザ切断である。CVDの例はLP−CVD及び原子層堆積(ALD)である。AVDは好ましくは比較的低い圧力(およそ150mbar以下)で行われる。これらの技術は当業者に周知であり、基板内に0.5μmより大きい程度の孔の直径を可能にする。工程C)においては、変換手段は(既知の)バンプ技術又はワイヤボンディング技術によって、第1電極の少なくとも一部として作用する第1の基板と、第2の電極とに接続可能である。
【0024】
好適な一実施形態においては、当該方法は、D)少なくとも1つの基板の接触表面をパターニングすることを含む工程を有し、工程D)は工程A)に先立って行われる。上述のように、基板表面のパターニングは、エネルギー源の色々な構成要素の単位体積当たりの接触表面を増大させ、それにより速度能力が高められる。一実施形態において、例えばウェット化学的エッチング及びドライエッチング等のエッチング技術がパターニングのために使用され得る。これらの技術の周知の例は、反応性イオンエッチング(RIE)及び集束イオンビーム(FIB)である。
【0025】
好ましくは、当該方法は、E)第1の基板上に電子伝導性障壁層及び挿入層を続けて堆積することを含む工程を有し、工程E)は工程A)に先立って行われる。この実施形態の利点は上述によって包括的に明らかにされている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1は、本発明に従ったエネルギーシステム1の斜視図を示している。エネルギーシステム1はLiイオンマイクロ電池2及び太陽電池(solar)パネル3を有しており、太陽電池パネル3は光子4を受けて電池(battery)2に充電電流を供給するように電池2に接続されている。エネルギー源2は、電池2の負極として機能するシリコン基板5を有している。シリコン基板5は、例えば、ICに頻繁に使用されるシリコンウェハによって形成され得る。基板5は20μmより大きい、100μmより大きい、あるいは更には500μmより大きい厚さを有していてもよい。シリコン基板5の上部表面6には、幾つかのスリット7が既存のエッチング技術によってエッチングされている。これらのスリット7の寸法決めは自由に為されることができるが、好ましくは、スリット7の幅はおよそ2μmと10μmとの間であり、スリット7の深さはおよそ10μmと100μmとの間である。パターニングされた上部表面6には、固体電解質層8が堆積されている。電解質層8は約1μmの厚さを有しており、好ましくはリチウム・リン・オキシナイトライド(LiPON)から成っている。LiPON層8上には、正極層9が約1μmの厚さで堆積されている。正極9は好ましくはLiCoO2から成っており、最終的に炭素繊維と混ぜ合わされる。基板5の上部表面6上への電解質8及び正極9の堆積は、例えば化学的若しくは物理的気相堆積法及び原子層堆積法などの従来からの堆積技術によって行われる。基板5をエッチングすることにより、双方の電極5、9と電解質8との接触表面が単位堆積当たりで増大され、エネルギー源2の改善された(最大化された)速度能力(rate capability)、パワー密度及びエネルギー密度が得られる。アルミニウムの電流コレクタ10が正極9に結合されている。図示されるようなエネルギー源2の構造は比較的効率的且つ単純なものであり、また、比較的単純に製造される。さらに、図示されたエネルギー源2の性能は、電解質の層厚を最小化し且つエネルギー源2の構成要素5、8、9間の相互接触表面を最大化することによって最適化される。太陽電池パネル3は複数の太陽電池(cell)11を有しており、各電池11は(太陽)光を電池2の充電用の電気エネルギーに変換することに適合されている。図1に示されるように、太陽電池パネル3はアルミニウムの電流コレクタ10の頂部に配置されており、太陽電池パネル3の電極(図示せず)がアルミニウム電流コレクタ10に電気的に接触している。太陽電池パネルのもう1つの電極(図示せず)は電池2の基板5に電気的に接続されている。図示された例においては、薄膜電池2のエネルギー密度は2.5×10-3C/mm2・μm程度であり、この値は従来のキャパシタ電池と比較して高い値である。太陽の放射パワー密度Eを100W/m2、太陽電池の効率を約10%と仮定すると、1mW/cm2の電気パワー密度を生じさせることになる。電池2のエネルギー密度は約10mWh/μm・cm2であるので、一緒に集積された太陽電池3によって電池2を完全に充電するには、およそ10時間掛かることになる。
【0027】
図2は、本発明に従った他のエネルギーシステム12の断面を示している。エネルギーシステム12は、2つの機能を有するシリコン基板13を有している。基板13の下部は電気化学的エネルギー源15の負極14として機能し、エネルギー源15の実質的な部分は基板13の下方に位置している。他方、基板13の上部は光電池17の正のシリコン(p型)層16として機能する。負極14及び正のシリコン層16は、回路短絡するのを防止するための、SiO2で形成され得る障壁層18によって互いに絶縁されている。基板13の下部表面19及び上部表面20は基板13の実効的な接触表面積を増大させるようにパターニングされている。エネルギー源15は更に、基板13の下部表面19に堆積された電解質層21を有している。電解質層21の頂部には、その後、LiCoO2から成る正極22が堆積される。正極22は電流コレクタ23によって部分的に覆われる。基板13の正の層16及び負極14の双方は電流コレクタ24、25を備えている。このエネルギー源15にて使用される挿入機構及び材料は、リチウムイオンの挿入に基づいている。上述のように、基板13の下部表面19はエネルギー源15のエネルギー密度を向上させるためにパターニングされている。同時に例えばチップ担体としても利用可能な基板13がイオン貯蔵庫として機能するので、比較的効率的な構造のエネルギー源15が得られる。光電池17は更に、正の層16の頂部に負(n型)の層26を有しており、負の層26と正の層16との間に中間層27が形成されてp/n接合として機能する。負の層26は太陽の放射、具体的には光子(A)に晒される。負の層26は電流コレクタ28によって部分的に覆われており、電流コレクタ28はエネルギー源15の負極14のコレクタ25に電気的に接続されている。正極22の電流コレクタ23は光電池17の正の層16の電流コレクタ24に電気的に接続されている。この図においては、光電池17を用いた光電エネルギー変換に起因して光電池17から供給される電気エネルギーによるエネルギー源15の充電に関し、この充電中に生じる電子電流が示されている。斯くして、エネルギー的に比較的効率的な自律マイクロシステム12が提供され得る。
【0028】
図3は、本発明に従ったモノリシック型システム・イン・パッケージ(SiP)29の概略図を示している。このSiPは、電子モジュール又はデバイス30と、それに結合された本発明に従ったエネルギーシステム31とを有している。電子モジュール又はデバイス30とエネルギーシステム31とは障壁層32によって分離されている。エネルギーシステム31は充電可能な電気化学的エネルギー源33とエネルギー変換器34とから成るスタックを有しており、エネルギー変換器34は、例えば風力エネルギー、機械エネルギー、太陽光エネルギー等の外部エネルギーを、エネルギー源33に充電電流を供給するための電気エネルギーに変換する。電子モジュール又はデバイス30とエネルギーシステム31との双方は、同一のモノリシック基板(図示せず)に搭載され、且つ/或いはそれを基礎にしている。エネルギー源33の構造は、基板が(一時的な)イオン貯蔵媒体として使用され、且つそれ故に電極として機能するという条件の下で、自由に決めることができる。電子モジュール又はデバイス30は、例えば、ディスプレー、チップ、制御ユニット等により形成され得る。斯くして、数々の自律(いつでも使える)デバイスが比較的単純な手法で実現される。
【0029】
図4は、本発明に従ったエネルギーシステムの電気化学的エネルギー源内で使用される第1電極35の概略的な斜視図を示している。電極35は複数の棒状のピラー36を有しており、ピラー36は実質的に垂直(図示された方向)に向いており、また実質的に等間隔に配置されている。第1電極35のピラー36は好ましくはエッチングプロセスによって形成される。ピラー36は好ましくは、第1電極35と電解質との実効的な接触面積を増大させるように、固体電解質(図示せず)によって少なくとも部分的に覆われている。斯くして、図1及び2に従った電気化学的エネルギー源2、15に対して、反転されてはいるが実質的に等価な電気化学的エネルギー源が実現され得る。
【0030】
図5は、本発明に従ったエネルギーシステムの電気化学的エネルギー源内で使用される他の第1電極37の概略的な上面図を示している。第1電極37は、複数のピラー状の突起部39を具備する基板38を有している。突起部39の各々は、図4に示されたピラー36の外表面に対して、各突起部39の外表面及び機械的強度を所定の制御された手法で(更に)増大させるように、実質的に十字形の断面を有している。電気化学的エネルギー源の製造において、第1電極37の突起部39(及び基板38)は固体電解質(図示せず)によって覆われ、電解質の頂部には第2電極(図示せず)が堆積される。斯くして、図1及び2に従った電気化学的エネルギー源2、15に対して反転された有利な構造の電気化学エネルギー源が実現され得る。
【0031】
なお、上述の実施形態は本発明を例示するものであり、限定するものではない。また、当業者であれば添付の特許請求の範囲を逸脱することなく数々の代替実施形態を設計できるであろう。請求項において、括弧内にある如何なる参照符号もその請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。動詞“有する”及びその活用形の使用は、請求項に記載された要素又は工程以外の要素又は工程の存在を排除するものではない。要素に前置された冠詞“ある”(“a”又は“an””)は、その要素が複数存在することを排除するものではない。ある特定の手段が互いに異なる従属項に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用され得ないことを指し示すものではない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に従ったエネルギーシステムを示す斜視図である。
【図2】本発明に従った他のエネルギーシステムを示す断面図である。
【図3】本発明に従ったモノリシック型システム・イン・パッケージを示す概略図である。
【図4】本発明に従ったエネルギーシステムの電気化学的エネルギー源内で使用される第1電極を概略的に示す斜視図である。
【図5】本発明に従ったエネルギーシステムの電気化学的エネルギー源内で使用される他の第1電極を概略的に示す上面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気化学的エネルギー源を有するエネルギーシステムであって、前記電気化学的エネルギー源は:
第1電極、
第2電極、及び
前記第1電極と前記第2電極とを分離する中間固体電解質、
とから成る少なくとも1つの組立体を有し、
前記第1電極は前記固体電解質及び前記第2電極が堆積された第1の導電性基板を有し、且つ当該エネルギーシステムは更に、外部エネルギーを前記電気化学的エネルギー源を充電する電気エネルギーに変換するための、前記電気化学的エネルギー源に電気的に接続されたエネルギー変換手段を有することを特徴とするエネルギーシステム。
【請求項2】
前記第1電極は任意形状の複数の孔部を具備し、前記電解質及び前記第2電極は少なくとも、前記孔部の内表面の少なくとも一部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエネルギーシステム。
【請求項3】
前記孔部の少なくとも一部はスリット、ピラー又は穴を形成していることを特徴とする請求項2に記載のエネルギーシステム。
【請求項4】
前記第1電極は少なくとも1つの突起部を具備し、前記電解質及び前記第2電極は少なくとも、前記突起部の少なくとも一部に堆積されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のエネルギーシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの突起部はピラーによって形成されていることを特徴とする請求項4に記載のエネルギーシステム。
【請求項6】
前記第1電極は複数のピラーを具備し、前記電解質及び前記第2電極は少なくとも、前記ピラーの少なくとも一部に堆積されていることを特徴とする請求項5に記載のエネルギーシステム。
【請求項7】
前記エネルギー変換手段によるエネルギー変換は、以下のエネルギー変換原理:熱電気変換、光電気変換、磁気電気変換、風力電気変換、及び圧電変換、の少なくとも1つに基づくことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のエネルギーシステム。
【請求項8】
前記エネルギー変換手段は永続的エネルギーの電気エネルギーへの変換に適合されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載のエネルギーシステム。
【請求項9】
前記エネルギー変換手段は少なくとも1つの光起電力変換器、特に太陽電池、を有することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載のエネルギーシステム。
【請求項10】
前記エネルギー変換手段は前記第1電極及び前記第2電極の双方に接続されていることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載のエネルギーシステム。
【請求項11】
前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方への前記エネルギー変換手段の接続は中断可能であることを特徴とする請求項10に記載のエネルギーシステム。
【請求項12】
前記エネルギー変換手段は前記電気化学的エネルギー源に解放可能に結合されていることを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載のエネルギーシステム。
【請求項13】
前記エネルギー変換手段は複数のエネルギー変換セルを有することを特徴とする請求項1乃至12の何れか一項に記載のエネルギーシステム。
【請求項14】
前記エネルギー変換手段は第2の導電性基板を有することを特徴とする請求項1乃至13の何れか一項に記載のエネルギーシステム。
【請求項15】
前記第1の導電性基板及び前記第2の導電性基板は同一基板によって形成されていることを特徴とする請求項14に記載のエネルギーシステム。
【請求項16】
前記組立体及び前記エネルギー変換手段は実質的に一緒に積み重ねられていることを特徴とする請求項1乃至15の何れか一項に記載のエネルギーシステム。
【請求項17】
前記第1の導電性基板は、以下の原子:H、Li、Be、Mg、Na、及びK、の少なくとも1つのイオン貯蔵に適合されていることを特徴とする請求項1乃至16の何れか一項に記載のエネルギーシステム。
【請求項18】
前記第1の導電性基板は、以下の材料:C、Sn、Ge、Pb、及び、好ましくはドープされた、Si、の少なくとも1つから成ることを特徴とする請求項1乃至17の何れか一項に記載のエネルギーシステム。
【請求項19】
前記固体電解質及び前記第2電極は前記第1の導電性基板の複数の面に堆積されていることを特徴とする請求項1乃至18の何れか一項に記載のエネルギーシステム。
【請求項20】
前記電極は更に、前記第1の導電性基板に堆積された挿入用頂部層を有し、前記挿入用頂部層と前記第1の導電性基板とは、該第1の導電性基板への挿入イオンの拡散を少なくとも実質的に妨げるように適合された電子伝導性障壁層によって分離されていることを特徴とする請求項1乃至19の何れか一項に記載のエネルギーシステム。
【請求項21】
前記障壁層は少なくとも実質的に、以下の化合物:タンタル、窒化タンタル、チタン、及び窒化チタン、の少なくとも1つから成ることを特徴とする請求項20に記載のエネルギーシステム。
【請求項22】
請求項1乃至21の何れか一項に記載のエネルギーシステムを少なくとも1つ具備する電子モジュール。
【請求項23】
請求項1乃至21の何れか一項に記載のエネルギーシステムを少なくとも1つ具備する電子デバイス。
【請求項24】
集積回路によって形成されていることを特徴とする請求項23に記載の電子デバイス。
【請求項25】
当該電子デバイス及び前記エネルギーシステムはSiPを形成していることを特徴とする請求項23又は24に記載の電子デバイス。
【請求項26】
請求項1乃至21の何れか一項に記載のエネルギーシステムを製造する方法であって:
A)第1の導電性基板上に固体電解質を堆積する工程、
B)前記固体電解質上に第2電極を堆積する工程、及び
C)その後、前記第1の導電性基板及び前記第2電極の双方にエネルギー変換手段を電気的に接続する工程、
を有する方法。
【請求項27】
D)前記第1の導電性基板の少なくとも1つの接触表面をパターニングすることを含む工程、
を更に有し、工程D)が工程A)に先立って行われることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
E)前記基板上に電子伝導性障壁層及び挿入用頂部層を続けて堆積することを含む工程、
を更に有し、工程E)が工程A)に先立って行われることを特徴とする請求項26又は27に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−522359(P2008−522359A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−542485(P2007−542485)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【国際出願番号】PCT/IB2005/053911
【国際公開番号】WO2006/056963
【国際公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】