説明

エネルギー使用量管理システムおよびエネルギー使用量管理方法

【課題】各事業所でのエネルギー使用量の入力・認否状況を一元管理することで、入力漏れや承認漏れを抑制する。
【解決手段】管理対象端末1は、管理対象での各種エネルギー項目に対するエネルギー使用量の入力・認否状況を示す各ステータスを記憶するステータス記憶手段11と、入力者により入力が行われたエネルギー項目に対応するステータスを書き換える入力管理手段13と、承認者により認否が行われたエネルギー項目に対応するステータスを書き換える認否管理手段15と、記憶されている各ステータスをエネルギー使用量管理装置2に送信するステータス送信手段17とを備え、エネルギー使用量管理装置2は、各管理対象端末1から各ステータスを収集するステータス収集手段22と、収集された各管理対象での各ステータスに基づいて、入力・認否状況画面の生成・表示を行う入力・認否状況表示手段24とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、管理対象での各種エネルギー項目に対するエネルギー使用量の入力・認否を行う複数の管理対象端末と、各管理対象端末による入力・認否状況を管理するエネルギー使用量管理装置とを備えたエネルギー使用量管理システムおよびエネルギー使用量管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の事業所を保有する企業や自治体などの事業者が、各事業所に対する温暖化対策を計画する際に、その指針を提示する温暖化対策計画策定システムがある(例えば特許文献1参照)。
この温暖化対策計画策定システムでは、各事業所でのエネルギー使用量や延床面積などの情報に基づいて、最新技術の導入によるCO削減率、業種別エネルギー効率、最新技術導入の投資回収年を算出している。そして、これらの指標を総合的に評価して、複数の事業所のうち、どの事業所から温暖化対策を導入するかを示す導入順位を決定して事業者に通知している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−65935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される温暖化対策計画策定システムでは、各事業所で、各種エネルギー項目(電気、ガスや重油など)に対するエネルギー使用量のデータが全て揃えられている必要があり、このデータは各事業所でそれぞれ管理されている。
一方、省エネ法の改正によって、事業所単位でのエネルギー使用量の管理から、事業者単位でのエネルギー使用量の管理へと移行した。すなわち、各事業所のエネルギー使用量を一元管理する必要がある。
しかしながら、従来のシステムでは、各事業所でのエネルギー使用量の一元管理は行われていない。そのため、各事業所でのエネルギー使用量の入力漏れや、入力されたエネルギー使用量に対する承認漏れのチェックを事業者単位で行うことができないという課題があった。
また、事業者単位でのエネルギー使用量の管理に移行したことにより、管理対象が急激に拡大し、入力者と承認者が異なるなど管理がより一層複雑化するため、入力漏れや承認漏れが増長されるという課題があった。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、各事業所でのエネルギー使用量の入力・認否状況を一元管理することで、入力漏れや承認漏れを抑制することができるエネルギー使用量管理システムおよびエネルギー使用量管理方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエネルギー使用量管理システムは、管理対象での各種エネルギー項目に対するエネルギー使用量の入力・認否を行う複数の管理対象端末と、各管理対象端末による入力・認否状況を管理するエネルギー使用量管理装置とを備え、管理対象端末は、管理対象での各種エネルギー項目に対するエネルギー使用量の入力・認否状況を示す各ステータスを記憶するステータス記憶手段と、入力者によるエネルギー使用量の入力を受け付ける入力手段と、入力手段を介して入力者により入力が行われたエネルギー項目に対応するステータスを書き換える入力管理手段と、入力手段を介して入力者により入力されたエネルギー使用量に対する承認者による認否を受け付ける認否手段と、認否手段を介して承認者により認否が行われたエネルギー項目に対応するステータスを書き換える認否管理手段と、ステータス記憶手段に記憶されている各ステータスをエネルギー使用量管理装置に送信するステータス送信手段とを備え、エネルギー使用量管理装置は、各管理対象端末のステータス送信手段から各ステータスを収集するステータス収集手段と、ステータス収集手段により収集された各管理対象での各ステータスに基づいて、入力・認否状況画面の生成・表示を行う入力・認否状況表示手段とを備えたものである。
【0007】
この発明に係るエネルギー使用量管理方法は、管理対象端末が、入力者によるエネルギー使用量の入力を受け付ける入力ステップと、入力ステップにおいて入力者により入力が行われたエネルギー項目に対応するステータスを書き換える入力管理ステップと、入力ステップにおいて入力者により入力されたエネルギー使用量に対する承認者による認否を受け付ける認否ステップと、認否ステップにおいて承認者により認否が行われたエネルギー項目に対応するステータスを書き換える認否管理ステップと、ステータス記憶手段に記憶されている各ステータスをエネルギー使用量管理装置に送信するステータス送信ステップとを有し、エネルギー使用量管理装置が、各管理対象端末から各ステータスを収集するステータス収集ステップと、ステータス収集ステップにおいて収集した各管理対象での各ステータスに基づいて、入力・認否状況画面の生成・表示を行う入力・認否状況表示ステップとを有するものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、管理対象端末は、管理対象での各種エネルギー項目に対するエネルギー使用量の入力・認否状況を示す各ステータスを記憶するステータス記憶手段と、入力者によるエネルギー使用量の入力を受け付ける入力手段と、入力手段を介して入力者により入力が行われたエネルギー項目に対応するステータスを書き換える入力管理手段と、入力手段を介して入力者により入力されたエネルギー使用量に対する承認者による認否を受け付ける認否手段と、認否手段を介して承認者により認否が行われたエネルギー項目に対応するステータスを書き換える認否管理手段と、ステータス記憶手段に記憶されている各ステータスをエネルギー使用量管理装置に送信するステータス送信手段とを備え、エネルギー使用量管理装置は、各管理対象端末のステータス送信手段から各ステータスを収集するステータス収集手段と、ステータス収集手段により収集された各管理対象での各ステータスに基づいて、入力・認否状況画面の生成・表示を行う入力・認否状況表示手段とを備えたので、各管理対象での各種エネルギー項目に対するエネルギー使用量の入力・認否状況を一元管理することで、入力漏れや承認漏れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1に係るエネルギー使用量管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る事業所端末の構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係るエネルギー使用量管理装置の構成を示すブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る事業所端末によるエネルギー使用量の入力動作を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1に係る事業所端末によるエネルギー使用量の認否動作を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態1に係る事業所端末による入力・認否状況の管理動作を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態1に係る入力・認否状況表示手段により生成・表示される入力・認否状況画面を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係るエネルギー使用量管理装置による各事業所での入力・認否状況の管理動作を示すフローチャートである。
【図9】この発明の実施の形態1に係る入力・認否状況表示手段により生成・表示される入力・認否状況画面を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態1に係る入力・認否状況表示手段により生成・表示される入力・認否状況画面を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態1に係る入力・認否状況表示手段により生成・表示される入力・承認評価画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るエネルギー使用量管理システムの構成を示すブロック図である。
エネルギー使用量管理システムでは、図1に示すように、企業や自治体などの事業者が保有する管理対象である複数の事業所(図1ではA事業所,B事業所およびC事業所)の端末(管理対象端末)1と、各事業所での所定期間(日、月や年など)ごとの各種エネルギー項目(電気、ガスや重油など)に対するエネルギー使用量の入力・認否状況を管理するエネルギー使用量管理装置2とが、ネットワークを介して接続されている。
【0011】
次に、事業所端末1の構成について説明する。
図2はこの発明の実施の形態1に係る事業所端末1の構成を示すブロック図である。
事業所端末1は、図2に示すように、ステータス記憶手段11、入力手段12、入力管理手段13、認否手段14、認否管理手段15、入力・認否状況表示手段16およびステータス送信手段17から構成されている。
【0012】
ステータス記憶手段11は、事業所での所定期間ごとの各種エネルギー項目に対するエネルギー使用量の入力・認否状況を示すステータスを記憶するものである。このステータス記憶手段11に記憶されているステータスは、「未入力」、「承認待ち」、「承認済み」、「否認」および「承認取消」の5つの状態に設定される。
ここで、「未入力」は、入力者によりエネルギー使用量が入力されていない状態を示している。また、「承認待ち」は、入力者によりエネルギー使用量が入力され承認申請後、承認者により承認されていない状態を示している。また、「承認済み」は、入力者によりエネルギー使用量が入力され承認申請後、承認者により承認された状態を示している。また、「否認」は、入力者によりエネルギー使用量が入力され承認申請後、承認者により否認され、再度、入力者によるエネルギー使用量の入力が必要な状態を示している。また、「承認取消」は、承認者により承認された後、承認が取消され、再度、入力者によるエネルギー使用量の入力が必要な状態を示している。
このステータス記憶手段11に記憶されているステータスは、初期状態では「未入力」に設定され、入力管理手段13および認否管理手段15によりそれぞれの状態に書き換えられる。
【0013】
入力手段12は、事業所での所定期間ごとの各種エネルギー項目に対する入力者によるエネルギー使用量の入力を受け付けるものである。入力者は、入力手段12により予め設定されたフォーマットでエネルギー使用量を入力する。
また、入力手段12は、入力者によるエネルギー使用量の入力を確認した場合には、その旨を入力管理手段13に通知する。
【0014】
入力管理手段13は、入力手段12からの入力通知に従い、この入力通知に示されたエネルギー項目に対応するステータスを「未入力」、「否認」または「承認取消」から「承認待ち」に書き換えるものである。
【0015】
認否手段14は、入力手段12を介して入力者により入力され承認申請されたエネルギー使用量に対する承認者による認否を受け付けるものである。承認者は、認否手段14により予め設定された認否種別(承認、否認、承認取消)の中から該当する種別を選択する。
また、認否手段14は、エネルギー使用量に対する承認者による認否を確認した場合には、その旨を認否種別とともに認否管理手段15に通知する。
【0016】
認否管理手段15は、認否手段14からの認否通知および認否種別に従い、この認否通知に示されたエネルギー項目に対応するステータスを、認否種別に応じて書き換えるものである。
ここで、認否種別が承認であった場合には、ステータスを「承認待ち」から「承認済み」に書き換える。また、認否種別が否認であった場合には、ステータスを「承認待ち」から「否認」に書き換える。また、認否種別が承認取消であった場合には、ステータスを「承認済み」から「承認取消」に書き換える。
【0017】
入力・認否状況表示手段16は、ステータス記憶手段11に記憶されている各ステータスに基づいて、事業所での所定期間ごとの各種エネルギー項目に対するエネルギー使用量の入力・認否状況を示す入力・認否状況画面を生成して、モニタ上に表示するものである。
【0018】
ステータス送信手段17は、ステータス記憶手段11に記憶されている各ステータスを示すデータを、エネルギー使用量管理装置2の後述するステータス収集手段22にネットワークを介して送信するものである。
【0019】
次に、エネルギー使用量管理装置2の構成について説明する。
図3はこの発明の実施の形態1に係るエネルギー使用量管理装置2の構成を示すブロック図である。
エネルギー使用量管理装置2は、図3に示すように、事業所情報記憶手段21、ステータス収集手段22、入力・承認指標集計手段23および入力・認否状況表示手段24から構成されている。
【0020】
事業所情報記憶手段21は、事業者により入力された各事業所固有の詳細情報を登録して記憶するものである。事業所情報には、事業所の所在地、延床面積、建物用途(オフィス、店舗、病院、工場など)などの情報が含まれている。
この事業所情報記憶手段21に記憶されている各事業所情報および各事業所端末1で入力者により入力されたエネルギー使用量は、事業者単位でのエネルギー使用量報告書(CO排出量報告書)を作成する際に用いられる。
【0021】
ステータス収集手段22は、各事業所端末1のステータス送信手段17から各ステータスを示すデータをネットワークを介して収集して記憶するものである。このステータス収集手段22に記憶されている各事業所での所定期間ごとの各種エネルギー項目に対応するステータスを示すデータは入力・承認指標集計手段23および入力・認否状況表示手段24により抽出される。
【0022】
入力・承認指標集計手段23は、ステータス収集手段22に記憶されている各事業所での各ステータスに基づいて、各事業所での所定期間ごとのエネルギー使用量の入力・承認作業に対する評価を示す入力・承認指標(入力待ち時間、承認待ち時間および否認件数)を集計して記憶するものである。
ここで、入力待ち時間とは、所定期間ごとに、全エネルギー項目に対するエネルギー使用量の入力が可能となったときから実際に入力者により全エネルギー項目に対してエネルギー使用量の入力が行われるまでの期間(日数)である。また、承認待ち時間とは、所定期間ごとに、入力者により全エネルギー項目に対してエネルギー使用量が入力され承認申請されたときから承認者により全エネルギー項目に対して承認が行われるまでの期間(日数)である。また、否認件数とは、所定期間ごとに、承認者により全エネルギー項目に対して否認された回数である。
この入力・承認指標集計手段23に記憶されている入力・承認指標を示すデータは入力・認否状況表示手段24により抽出される。
【0023】
入力・認否状況表示手段24は、ステータス収集手段22に記憶されている各事業所での各ステータスに基づいて、各事業所での所定期間ごとの各種エネルギー項目に対するエネルギー使用量の入力・認否状況を示す入力・認否状況画面を生成し、または/および、入力・承認指標集計手段23に記憶されている入力・承認指標に基づいて、各事業所での所定期間ごとのエネルギー使用量の入力・承認作業に対する評価を示す入力・承認評価画面を生成して、モニタ上に表示するものである。
【0024】
次に、上記のように構成されたエネルギー使用量管理システムの動作について説明する。
まず、事業所端末1によるエネルギー使用量の入力動作について説明する。
図4はこの発明の実施の形態1に係る事業所端末1によるエネルギー使用量の入力動作を示すフローチャートである。
事業所端末1によるエネルギー使用量の入力動作では、図4に示すように、まず、入力手段12は、事業所での所定期間ごとの各種エネルギー項目に対する入力者によるエネルギー使用量の入力を受け付ける(ステップST41、入力ステップ)。また、入力手段12は、入力者によるエネルギー使用量の入力を確認した旨を入力管理手段13に通知する。
【0025】
次いで、入力管理手段13は、入力手段12からの入力通知に従い、この入力通知に示されたエネルギー項目に対応するステータスを「未入力」、「否認」または「承認取消」から「承認待ち」に書き換える(ステップST42、入力管理ステップ)。
これにより、エネルギー使用量が入力者によって入力されたことがステータスに「承認待ち」として記憶される。
【0026】
次に、事業所端末1によるエネルギー使用量の認否動作について説明する。
図5はこの発明の実施の形態1に係る事業所端末1によるエネルギー使用量の認否動作を示すフローチャートである。
事業所端末1によるエネルギー使用量の認否動作では、図5に示すように、まず、認否手段14は、入力手段12を介して入力者により入力され承認申請されたエネルギー使用量に対する承認者による認否を受け付ける(ステップST51、認否ステップ)。また、認否手段14は、エネルギー使用量に対する承認者による認否を確認した旨を認否種別とともに認否管理手段15に通知する。
【0027】
次いで、認否管理手段15は、認否手段14からの認否通知および認否種別に従い、この認否通知に示されたエネルギー項目に対応するステータスを、認否種別に応じて「承認済み」、「否認」または「承認取消」に書き換える(ステップST52、認否管理ステップ)。
これにより、入力者により入力されたエネルギー使用量に対して、承認者が承認した場合にはステータスに「承認済み」として記憶され、承認者が否認した場合にはステータスに「否認」として記憶され、承認者が承認を取消した場合にはステータスに「承認取消」として記憶される。
【0028】
次に、事業所端末1による入力・認否状況の管理動作について説明する。
図6はこの発明の実施の形態1に係る事業所端末1による入力・認否状況の管理動作を示すフローチャートである。
事業所端末1による入力・認否状況の管理動作では、図6に示すように、まず、入力・認否状況表示手段16は、ステータス記憶手段11に記憶されている各ステータスに基づいて、入力・認否状況画面を生成して、モニタ上に表示する(ステップST61)。
【0029】
ここで、入力・認否状況表示手段16は、図7に示すような入力・認否状況画面を生成・表示する。
図7に示す入力・認否状況画面は、事業所での月ごとの各種エネルギー項目(電気、都市ガスおよび重油)に対応するステータスを年間(4月〜3月)表示したものである。図7では、例えば、8月の重油、10月の電気および都市ガスに対するエネルギー使用量が承認者によって否認され、11月の電気および重油、12月の都市ガスに対するエネルギー使用量が承認者によって承認取消されている。
このように、所定期間ごとの各種エネルギー項目に対応するステータスを一覧表示することによって、入力・認否状況の詳細を把握することが可能となる。
【0030】
次いで、ステータス送信手段17は、ステータス記憶手段11に記憶されている各ステータスを示すデータを、エネルギー使用量管理装置2のステータス収集手段22にネットワークを介して送信する(ステップST62、ステータス送信ステップ)。
【0031】
次に、エネルギー使用量管理装置2による各事業所での入力・認否状況の管理動作を説明する。
図8はこの発明の実施の形態1に係るエネルギー使用量管理装置2による各事業所での入力・認否状況の管理動作を示すフローチャートである。
エネルギー使用量管理装置2による各事業所での入力・認否状況の管理動作では、図8に示すように、まず、ステータス収集手段22は、各事業所端末1のステータス送信手段17から各ステータスを示すデータをネットワークを介して収集して記憶する(ステップST81、ステータス収集ステップ)。このステータス収集手段22に記憶されている各事業所での各ステータスを示すデータは入力・承認指標集計手段23および入力・認否状況表示手段24により抽出される。
【0032】
次いで、入力・承認指標集計手段23は、ステータス収集手段22に記憶されている各事業所での各ステータスに基づいて、入力・承認指標(入力待ち時間、承認待ち時間および否認件数)を集計して記憶する(ステップST82、入力・承認指標集計ステップ)。この入力・承認指標集計手段23に記憶されている入力・承認指標を示すデータは入力・認否状況表示手段24により抽出される。
【0033】
次いで、入力・認否状況表示手段24は、ステータス収集手段22に記憶されている各事業所での各ステータスに基づいて入力・認否状況画面を生成し、または/および、入力・承認指標集計手段23に記憶されている入力・承認指標に基づいて入力・承認評価画面を生成して、モニタ上に表示する(ステップST83、入力・認否状況表示ステップ、入力・承認評価表示ステップ)。
【0034】
ここで、入力・認否状況表示手段24は、各事業所での各ステータスに基づいて、各事業所端末1の入力・認否状況表示手段16により生成される入力・認否状況画面と同様の画面(図7)を生成・表示する。
【0035】
また、入力・認否状況表示手段24は、各事業所での各ステータスに基づいて、図9に示すような入力・認否状況画面を生成・表示してもよい。
図9に示す入力・認否状況画面は、各事業所での月ごとの全エネルギー項目に対応するステータスが「承認済み」であるか否かを年間(4月〜3月)で一覧表示したものである。
ここで、図9に示す「完了」は、各事業所での月ごとの全エネルギー項目に対応するステータスが「承認済み」である状態を示している。また、「未完了」は、各事業所での月ごとのエネルギー項目に対応するステータスのうち、「承認済み」ではないステータスが存在する状態を示している。
【0036】
また、入力・認否状況表示手段24は、各事業所での各ステータスに基づいて、図10に示すような入力・認否状況画面を生成・表示してもよい。
図10に示す入力・認否状況画面は、月ごとの全エネルギー項目に対応するステータスが「承認済み」である事業所数、「承認済み」ではないステータスが存在する事業所数を年間(4月〜3月)表示したものである。
ここで、図10に示す「完了事業所数」は、月ごとの全エネルギー項目に対するステータスが「承認済み」である事業所数を示している。また、「未完了事業所数」は、月ごとの全てのエネルギー項目に対応するステータスのうち、「承認済み」ではないステータスが存在する事業所数を示している。
【0037】
各事業所でのエネルギー使用量を事業者単位で一元管理する場合、ある事業所の1つのエネルギー項目でも入力漏れがあると正確なCO排出量を換算することができず、事業者単位でのエネルギー使用量報告書(CO排出量報告書)を作成することができない。そこで、図7,9,10に示すような入力・認否状況画面を表示することによって、事業者は各事業所での入力・認否状況の詳細を容易に把握することが可能となり、入力漏れや承認漏れのチェックを行うことが可能となる。
【0038】
また、入力・認否状況表示手段24は、入力・認否状況画面に代えて、あるいは入力・認否状況画面とともに、入力・承認指標集計手段23に記憶されている入力・承認指標に基づいて、図11に示すような入力・承認評価画面を生成・表示してもよい。
図11に示す入力・承認評価画面は、各事業所での月ごとの入力・承認指標(入力待ち時間、承認待ち時間および否認件数)を年間(4月〜3月)で一覧表示したものである。
【0039】
各事業所でのエネルギー使用量を事業者単位で一元管理する場合、各事業所でのエネルギー使用量に対する管理意識の「格差」を把握することは、事業者にとって有益である。そこで、図11に示すような入力・承認評価画面を表示することによって、入力・認否状況の管理と同時に、入力・承認作業実績を通じて事業所ごとのエネルギー使用量に対する管理意識を把握することが可能となる。また、入力や承認が遅れているといった問題のある事業所を可視化することにより、入力・承認作業の徹底や不備の改善を客観的なデータに基づき指導することが可能となる。
【0040】
以上のように、この実施の形態1によれば、各事業所での所定期間ごとの各種エネルギー項目に対するエネルギー使用量の入力・認否状況を示すステータスに基づいて、各事業所でのエネルギー使用量について事業者単位で一元管理するように構成したので、各事業所でのエネルギー使用量に対する入力漏れ、承認漏れを抑制することができ、確実にエネルギー使用量を管理することができる。
【0041】
なお、実施の形態1に係るエネルギー使用量管理システムでは、管理対象である各事業所のエネルギー使用量を事業者単位で管理する場合について説明したが、複数の入力・承認を管理するものであればよく、例えば、各部署、各種エネルギー項目などについて事業所単位で管理する場合に対しても同様に適用することができる。
また、実施の形態1に係るエネルギー使用量管理システムでは、省エネ法の改正に基づく事業者単位での一元管理について説明したが、これに限るものではなく、温暖化対策推進法や排出量取引試行制度など別の法規制に基づき複数の管理対象を一元管理する必要がある場合にも同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 事業所端末(管理対象端末)
2 エネルギー使用量管理装置
11 ステータス記憶手段
12 入力手段
13 入力管理手段
14 認否手段
15 認否管理手段
16 入力・認否状況表示手段
17 ステータス送信手段
21 事業所情報記憶手段
22 ステータス収集手段
23 入力・承認指標集計手段
24 入力・認否状況表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象での各種エネルギー項目に対するエネルギー使用量の入力・認否を行う複数の管理対象端末と、前記各管理対象端末による入力・認否状況を管理するエネルギー使用量管理装置とを備えたエネルギー使用量管理システムにおいて、
前記管理対象端末は、
前記管理対象での各種エネルギー項目に対するエネルギー使用量の入力・認否状況を示す各ステータスを記憶するステータス記憶手段と、
入力者による前記エネルギー使用量の入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段を介して入力者により入力が行われたエネルギー項目に対応するステータスを書き換える入力管理手段と、
前記入力手段を介して入力者により入力されたエネルギー使用量に対する承認者による認否を受け付ける認否手段と、
前記認否手段を介して承認者により認否が行われたエネルギー項目に対応するステータスを書き換える認否管理手段と、
前記ステータス記憶手段に記憶されている各ステータスをエネルギー使用量管理装置に送信するステータス送信手段とを備え、
前記エネルギー使用量管理装置は、
前記各管理対象端末のステータス送信手段から各ステータスを収集するステータス収集手段と、
前記ステータス収集手段により収集された各管理対象での各ステータスに基づいて、入力・認否状況画面の生成・表示を行う入力・認否状況表示手段とを備えた
ことを特徴とするエネルギー使用量管理システム。
【請求項2】
ステータス記憶手段は、入力者による入力が行われていないエネルギー項目に対応するステータスを未入力に設定し、
入力管理手段は、入力者により入力が行われたエネルギー項目に対応するステータスを承認待ちに書き換え、
認否管理手段は、承認者により認否が行われたエネルギー項目に対応するステータスを、前記承認者による認否種別に応じて、承認済み、否認または承認取消に書き換える
ことを特徴とする請求項1記載のエネルギー使用量管理システム。
【請求項3】
入力・認否状況画面は、各種エネルギー項目に対応するステータスを管理対象別に示したものである
ことを特徴とする請求項2記載のエネルギー使用量管理システム。
【請求項4】
入力・認否状況画面は、各管理対象での全エネルギー項目に対応するステータスが承認済みであるか否かについて一覧で示したものである
ことを特徴とする請求項2記載のエネルギー使用量管理システム。
【請求項5】
入力・認否状況画面は、全エネルギー項目に対応するステータスが承認済みである管理対象数と、承認済みではないステータスが存在する管理対象数とを示したものである
ことを特徴とする請求項2記載のエネルギー使用量管理システム。
【請求項6】
ステータス収集手段により収集された各管理対象での各ステータスに基づいて、各管理対象での入力・承認作業に対する評価を示す入力・承認指標を集計する入力・承認指標集計手段をさらに備え、
入力・認否状況表示手段は、前記入力・承認指標集計手段により集計された入力・承認指標に基づいて、入力・承認評価画面の生成・表示を行う
ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載のエネルギー使用量管理システム。
【請求項7】
入力・承認指標は、全エネルギー項目に対するエネルギー使用量の入力が可能となったときから入力者により前記全エネルギー項目に対して入力が行われるまでの期間である
ことを特徴とする請求項6記載のエネルギー使用量管理システム。
【請求項8】
入力・承認指標は、入力者により全エネルギー項目に対してエネルギー使用量が入力されたときから承認者により前記全エネルギー項目に対して承認が行われるまでの期間である
ことを特徴とする請求項6または請求項7記載のエネルギー使用量管理システム。
【請求項9】
入力・承認指標は、承認者により全エネルギー項目に対して否認が行われた回数である
ことを特徴とする請求項6から請求項8のうちのいずれか1項記載のエネルギー使用量管理システム。
【請求項10】
管理対象での各種エネルギー項目に対するエネルギー使用量の入力・認否を行う複数の管理対象端末と、前記各管理対象端末による入力・認否状況を管理するエネルギー使用量管理装置とを備えたエネルギー使用量管理システムのエネルギー使用量管理方法において、
前記管理対象端末が、
入力者による前記エネルギー使用量の入力を受け付ける入力ステップと、
前記入力ステップにおいて入力者により入力が行われたエネルギー項目に対応するステータスを書き換える入力管理ステップと、
前記入力ステップにおいて入力者により入力されたエネルギー使用量に対する承認者による認否を受け付ける認否ステップと、
前記認否ステップにおいて承認者により認否が行われたエネルギー項目に対応するステータスを書き換える認否管理ステップと、
ステータス記憶手段に記憶されている各ステータスをエネルギー使用量管理装置に送信するステータス送信ステップとを有し、
前記エネルギー使用量管理装置が、
前記各管理対象端末から各ステータスを収集するステータス収集ステップと、
前記ステータス収集ステップにおいて収集した各管理対象での各ステータスに基づいて、入力・認否状況画面の生成・表示を行う入力・認否状況表示ステップとを有する
ことを特徴とするエネルギー使用量管理方法。
【請求項11】
エネルギー使用量管理装置が、
ステータス収集ステップにおいて収集した各管理対象での各ステータスに基づいて、各管理対象での入力・承認作業に対する評価を示す入力・承認指標を集計する入力・承認指標集計ステップと、
前記入力・承認指標集計ステップにおいて集計した入力・承認指標に基づいて、入力・承認評価画面の生成・表示を行う入力・承認評価表示ステップとをさらに有する
ことを特徴とする請求項10記載のエネルギー使用量管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−3685(P2012−3685A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140504(P2010−140504)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(000006666)株式会社山武 (1,808)