説明

エネルギー充填装置、エネルギー貯蓄装置、エネルギー消費装置、及びグリーンエネルギーの管理方法

【課題】貯蓄されたグリーンエネルギーが確かにグリーンエネルギーであることを証明すること。
【解決手段】エネルギー貯蓄装置にグリーンエネルギーを充填するエネルギー充填部と、前記エネルギー貯蓄装置により測定されたグリーンエネルギーの充填量を示す測定量情報を当該エネルギー貯蓄装置から取得する測定量情報取得部と、前記エネルギー充填部により充填されたグリーンエネルギーの充填量と、前記測定量情報に示されたグリーンエネルギーの充填量とが一致した場合に、前記エネルギー貯蓄装置に充填されたグリーンエネルギーの量を証明するための証明書を発行する証明書発行部と、を備え、前記証明書は、前記エネルギー貯蓄装置と対応付けて管理され、当該証明書により証明される量のグリーンエネルギーが前記エネルギー貯蓄装置から出力された場合に破棄される、エネルギー充填装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、エネルギー充填装置、エネルギー貯蓄装置、エネルギー消費装置、及びグリーンエネルギーの管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地球環境の保護に対する意識の高まりや化石燃料の枯渇に対する危機感からグリーンエネルギーに対する人々の関心が高まってきている。グリーンエネルギーのエネルギー源は、例えば、水力、地熱、太陽光、太陽熱、潮汐、風力、バイオマスなどである。そのため、グリーンエネルギーは、ほとんど温室効果ガスを発生させずに生成することができる。こうしたグリーンエネルギーに対する人々の関心の高まりを受け、グリーンエネルギーに対して付加的な価値を認めようとする動きが出てきている。例えば、再生可能エネルギーを利用して生成された電力(以下、グリーン電力)の環境価値を証明するグリーン電力証書というものが存在する。また、下記の特許文献1には、個人又は小口電力需要者が参加できるグリーン電力市場を構築するための仕組みが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−108655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、グリーン電力証書は、太陽光発電設備や風力発電設備などを利用して発電したグリーン電力の量を証明するものである。そのため、太陽光発電設備や風力発電設備などに直接接続された機器で電力を消費しない限り、機器で消費している電力が実際にグリーン電力であるか否かを判別することは難しい。また、バッテリに貯蓄された電力がグリーン電力であるか否かを判別することは難しい。ここでは電力を例に挙げたが、エネルギーの形態に依らず、エネルギー貯蓄装置に貯蓄されたエネルギーがグリーンエネルギーであることを確かめることや、機器で消費しているエネルギーがグリーンエネルギーであることを確かめることは難しい。
【0005】
そこで、本技術は、上記のような事情を受けて考案されたものであり、貯蓄されたグリーンエネルギーが確かにグリーンエネルギーであることを証明することが可能な、新規かつ改良されたエネルギー充填装置、エネルギー貯蓄装置、エネルギー消費装置、及びグリーンエネルギーの管理方法を提供することを意図している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術のある観点によれば、エネルギー貯蓄装置にグリーンエネルギーを充填するエネルギー充填部と、前記エネルギー貯蓄装置により測定されたグリーンエネルギーの充填量を示す測定量情報を当該エネルギー貯蓄装置から取得する測定量情報取得部と、前記エネルギー充填部により充填されたグリーンエネルギーの充填量と、前記測定量情報に示されたグリーンエネルギーの充填量とが一致した場合に、前記エネルギー貯蓄装置に充填されたグリーンエネルギーの量を証明するための証明書を発行する証明書発行部と、を備え、前記証明書は、前記エネルギー貯蓄装置と対応付けて管理され、当該証明書により証明される量のグリーンエネルギーが前記エネルギー貯蓄装置から出力された場合に破棄される、エネルギー充填装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
以上説明したように本技術によれば、貯蓄されたグリーンエネルギーが確かにグリーンエネルギーであることを証明することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】エネルギーの受給環境について説明するための図である。
【図2】エネルギーの貯蓄及び消費工程(第1実施形態)について説明するための図である。
【図3】エネルギー充填装置の構成例(第1実施形態)を示した図である。
【図4】エネルギー貯蓄装置の構成例(第1実施形態)を示した図である。
【図5】エネルギーの貯蓄工程(第1実施形態)について説明するための図である。
【図6】エネルギーの貯蓄工程(第1実施形態)について説明するための図である。
【図7】エネルギーの消費工程(第1実施形態)について説明するための図である。
【図8】エネルギーの消費工程(第1実施形態)について説明するための図である。
【図9】エネルギーの貯蓄及び消費工程(第2実施形態)について説明するための図である。
【図10】エネルギー充填装置の構成例(第2実施形態)を示した図である。
【図11】エネルギー貯蓄装置の構成例(第2実施形態)を示した図である。
【図12】エネルギーの貯蓄工程(第2実施形態)について説明するための図である。
【図13】エネルギーの貯蓄工程(第2実施形態)について説明するための図である。
【図14】エネルギーの消費工程(第2実施形態)について説明するための図である。
【図15】エネルギーの消費工程(第2実施形態)について説明するための図である。
【図16】エネルギー消費装置の構成例(第3実施形態)を示した図である。
【図17】エネルギー貯蓄装置の構成例(第3実施形態)を示した図である。
【図18】エネルギーの消費工程(第3実施形態)について説明するための図である。
【図19】エネルギーの消費工程(第3実施形態)について説明するための図である。
【図20】エネルギーの消費工程(第4実施形態)について説明するための図である。
【図21】エネルギーの消費工程(第4実施形態)について説明するための図である。
【図22】証明書の利用例(利用例#1)について説明するための図である。
【図23】証明書の利用例(利用例#2)について説明するための図である。
【図24】証明書の利用例(利用例#3)について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本技術に係る好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0010】
[説明の流れについて]
ここで、以下に記載する説明の流れについて簡単に述べる。
【0011】
まず、図1を参照しながら、エネルギーの受給環境について説明する。次いで、図2〜図8を参照しながら、本技術の第1実施形態について説明する。次いで、図9〜図15を参照しながら、本技術の第2実施形態について説明する。次いで、図16〜図19を参照しながら、本技術の第3実施形態について説明する。次いで、図20及び図21を参照しながら、本技術の第4実施形態について説明する。次いで、図22〜図24を参照しながら、本技術の第1〜第4実施形態に係る証明書の利用例について説明する。
【0012】
最後に、同実施形態の技術的思想について纏め、当該技術的思想から得られる作用効果について簡単に説明する。
【0013】
(説明項目)
1:はじめに
2:第1実施形態(証明書を貯蓄装置に格納する構成)
2−1:想定する処理工程
2−2:エネルギー充填装置12の構成例
2−3:エネルギー貯蓄装置13の構成例
2−4:エネルギーの貯蓄工程における装置の動作
2−5:エネルギーの消費工程における装置の動作
3:第2実施形態(証明書をクラウドに格納する構成)
3−1:想定する処理工程
3−2:エネルギー充填装置12の構成例
3−3:エネルギー貯蓄装置13の構成例
3−4:エネルギーの貯蓄工程における装置の動作
3−5:エネルギーの消費工程における装置の動作
4:第3実施形態(消費装置が証明書を発行して貯蓄装置に格納する構成)
4−1:エネルギー消費装置14の構成例
4−2:エネルギー貯蓄装置13の構成例
4−3:エネルギーの消費工程における装置の動作
5:第4実施形態(消費装置が証明書を発行してクラウドに格納する構成)
5−1:エネルギーの消費工程における装置の構成及び動作
6:証明書の利用例
6−1:利用例#1(機能の制限)
6−2:利用例#2(ユーザへの利益供与)
6−3:利用例#3(サービスの提供)
7:補遺
8:まとめ
【0014】
<1:はじめに>
近年、太陽光発電設備を備えた住宅が増えてきている。また、家庭内の電力を総合的に管理するホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)を一般家庭に普及させようとする試みもある。太陽光発電設備で発電した電力の多くは家庭内で消費される。また、太陽光発電設備で発電した電力のうち、家庭内で消費しきれなかった余剰電力は、電力会社に売電される。
【0015】
太陽光発電設備で発電される電力の量は天候などに左右される。そのため、電力会社に売電される余剰電力の量は不安定になる。不安定な電力の買い取りは、電力会社にとって大きな負担になる。その結果、現状では余剰電力の売電価格が低く抑えられている。こうした状況に鑑み、余剰電力を貯蓄するためのバッテリを住宅に設置し、バッテリに貯蓄された電力を夜間や雨天時などに家庭内で有効に活用する仕組みが普及しつつある。
【0016】
つまり、一般家庭において、図1に示すようなエネルギーの受給環境が整いつつある。上記の説明は電力に関するものであったが、図1は、より抽象的に一般家庭におけるエネルギーの受給環境を表現したものである。例えば、図1に示すように、グリーンエネルギー発生装置11、エネルギー充填装置12、エネルギー貯蓄装置13が住宅に設置される。エネルギー充填装置12は、エネルギー貯蓄装置13にエネルギーを充填するものである。また、エネルギー貯蓄装置13は、エネルギーを貯蓄するものである。
【0017】
エネルギー充填装置12には、グリーンエネルギー発生装置11で発生したグリーンエネルギーが供給される。さらに、エネルギー充填装置12には、系統電力が供給される。上記説明において余剰電力を電力会社に売電する仕組みについて説明したが、太陽光発電設備で発電される電力の量が家庭内で消費される電力の量を下回ると、電力会社から電力を買電する仕組みも設けられている。従って、エネルギー貯蓄装置13には、グリーンエネルギー発生装置11で発生したグリーンエネルギーと系統電力に由来するエネルギーとが混在する。
【0018】
エネルギー貯蓄装置13に貯蓄されたエネルギーは、家庭内又は家庭外のエネルギー消費装置14(非図示)により消費される。上記の通り、エネルギー貯蓄装置13には、グリーンエネルギー発生装置11で発生したグリーンエネルギーと、系統電力に由来するエネルギーとが混在している。そのため、エネルギー消費装置14で消費したエネルギーがグリーンエネルギーであるか否かを判別することは難しい。従って、グリーンエネルギーの消費を奨励するために、グリーンエネルギーを消費した人に対して何らかの特典を与えようとしても、その人が本当にグリーンエネルギーを消費したという事実を証明することは難しい。
【0019】
そこで、本件発明者は、エネルギー貯蓄装置13に貯蓄されたエネルギーを消費する際に、グリーンエネルギーを消費していることを確認できるようにする仕組みを考案した。この仕組みを用いることで、グリーンエネルギーを利用して動作する機器を製造したり、グリーンエネルギーを利用する際に機能が追加される機器を製造したりすることが可能になる。また、この仕組みを用いることで、グリーンエネルギーを消費した人に対し、特別なサービスを提供したり、グリーンエネルギーの消費量に応じた特典を付与したりすることが可能になる。
【0020】
また、上記の仕組みは「グリーンエネルギーの消費」を証明する仕組みであるため、この仕組みを用いることで、グリーンエネルギーが実際に消費されている状況を見える化することが可能になる。例えば、この仕組みを用いることで、ソーシャルネットワークを利用し、友達同士でグリーンエネルギーの消費量を比べたり、グリーンエネルギーの消費量ランキングを行って上位の人を報奨したりすることが可能になる。こうしたアプリケーションは、グリーンエネルギーの消費に対する人々のモチベーションを高めることに寄与する。
【0021】
以下、グリーンエネルギーの消費を証明できるようにする仕組みについて説明する。
【0022】
<2:第1実施形態(証明書を貯蓄装置に格納する構成)>
本技術の第1実施形態について説明する。
【0023】
[2−1:想定する処理工程]
まず、図2を参照しながら、本実施形態において想定する処理工程について説明する。図2は、本実施形態において想定する処理工程を示した説明図である。なお、以下の説明において、太破線の矢印はエネルギーの流れを示し、実線の矢印は情報の流れを示す。
【0024】
本実施形態においては、図2に示すようなエネルギーの貯蓄工程及びエネルギーの消費工程について考える。エネルギーの貯蓄工程及びエネルギーの消費工程における処理工程の概要は以下の通りである。
【0025】
エネルギーの貯蓄工程において、エネルギー充填装置12は、グリーンエネルギー発生装置11で発生したエネルギーをエネルギー貯蓄装置13に充填する。このとき、エネルギー充填装置12は、エネルギー貯蓄装置13に充填したエネルギーがグリーンエネルギーであることを証明する証明書を発行する。一方、エネルギーの消費工程において、エネルギー消費装置14は、エネルギー貯蓄装置13に貯蓄されているエネルギーを消費する。このとき、エネルギー消費装置14は、エネルギー充填装置12が発行した証明書を利用してエネルギー貯蓄装置13に貯蓄されているエネルギーがグリーンエネルギーであることを証明する。
【0026】
以上、本実施形態において想定する処理工程について説明した。以下では、エネルギー充填装置12の構成例、エネルギー貯蓄装置13の構成例、エネルギーの貯蓄工程における各装置の動作、及びエネルギーの消費工程における各装置の動作について詳細に説明する。
【0027】
[2−2:エネルギー充填装置12の構成例]
図3を参照しながら、本実施形態に係るエネルギー充填装置12の構成例について説明する。図3は、本実施形態に係るエネルギー充填装置12の構成例を示した説明図である。
【0028】
図3に示すように、エネルギー充填装置12は、主に、エネルギー入力部121と、エネルギー量測定部122と、エネルギー出力部123と、署名検証部124と、証明書発行可否判定部125と、証明書発行部126とにより構成される。
【0029】
エネルギー入力部121は、グリーンエネルギー発生装置11で発生したグリーンエネルギーを入力するための入力端子である。また、エネルギー入力部121は、エネルギー量測定部122に接続されている。そのため、エネルギー入力部121に入力されたエネルギーは、エネルギー量測定部122に入力される。エネルギーが入力されると、エネルギー量測定部122は、入力されたエネルギーの量(以下、充填量)を測定する。そして、エネルギー量測定部122は、充填量の情報を証明書発行可否判定部125に入力する。
【0030】
また、エネルギー量測定部122は、エネルギー出力部123に接続されている。そのため、エネルギー量測定部122に入力されたエネルギーは、エネルギー出力部123に入力される。エネルギー出力部123は、エネルギーを出力するための出力端子である。例えば、エネルギー出力部123にエネルギー貯蓄装置13が接続されると、エネルギー出力部123に入力されたエネルギーは、エネルギー貯蓄装置13に向けて出力される。
【0031】
署名検証部124は、電子署名を検証する構成要素である。例えば、署名検証部124は、エネルギー貯蓄装置13から電子署名を取得した場合に、エネルギー貯蓄装置13の公開鍵を用いて電子署名を検証する。後述するように、エネルギー貯蓄装置13は、エネルギー充填装置12から供給されたエネルギーの量(以下、貯蓄量)を測定し、貯蓄量の情報に電子署名を付けてエネルギー充填装置12に提供する。従って、署名検証部124は、提供された貯蓄量の情報が確かにエネルギー貯蓄装置13から提供された情報であることを検証する。
【0032】
署名検証部124による検証結果は、証明書発行可否判定部125に入力される。このとき、署名検証部124は、エネルギー貯蓄装置13が測定した貯蓄量の情報を証明書発行可否判定部125に入力する。つまり、証明書発行可否判定部125には、充填量の情報及び貯蓄量の情報が入力される。
【0033】
充填量の情報及び貯蓄量の情報が入力されると、証明書発行可否判定部125は、入力された情報に基づいて充填量と貯蓄量とを比較する。充填量と貯蓄量とが許容可能な誤差の範囲内で一致する場合、証明書発行可否判定部125は、証明書の発行を許可する。一方、充填量と貯蓄量とが許容可能な誤差の範囲内で一致しない場合、証明書発行可否判定部125は、証明書の発行を許可しない。証明書の発行を許可する場合、証明書発行可否判定部125は、証明書の発行許可を証明書発行部126に通知する。
【0034】
証明書の発行許可が通知されると、証明書発行部126は、エネルギー貯蓄装置13に貯蓄されたエネルギーがグリーンエネルギーであることを証明する証明書を発行する。証明書発行部126が発行した証明書は、エネルギー貯蓄装置13に提供される。なお、この証明書には、貯蓄量の情報、及びエネルギー貯蓄装置13を識別するための識別情報が含まれる。
【0035】
以上、本実施形態に係るエネルギー充填装置12の構成例について説明した。なお、図3に示した構成要素以外にも、エネルギー充填装置12には、入力デバイス、出力デバイス、通信デバイスなどが搭載されていてもよい。入力デバイスは、例えば、タッチセンサやボタンなどである。また、出力デバイスは、例えば、表示装置や音声出力装置などである。通信デバイスは、例えば、無線通信インターフェースや有線通信インターフェースなどである。
【0036】
さらに、エネルギー充填装置12は、系統電力を入力するための入力端子(非図示)を搭載している。但し、系統電力に由来するエネルギーは、非グリーンエネルギーとみなす。そのため、系統電力が入力端子に入力された場合、エネルギー充填装置12は、証明書を発行するための処理を実行しない。そのため、エネルギー貯蓄装置13に系統電力に由来するエネルギーが貯蓄されても、エネルギー貯蓄装置13に対して証明書が提供されることはない。
【0037】
[2−3:エネルギー貯蓄装置13の構成例]
次に、図4を参照しながら、本実施形態に係るエネルギー貯蓄装置13の構成例について説明する。図4は、本実施形態に係るエネルギー貯蓄装置13の構成例を示した説明図である。
【0038】
図4に示すように、エネルギー貯蓄装置13は、主に、エネルギー入力部131と、エネルギー量測定部132と、エネルギー貯蓄部133と、署名生成部134と、証明書保持部135と、エネルギー出力部136と、証明書破棄部137とにより構成される。
【0039】
エネルギー入力部131は、エネルギー充填装置12からエネルギーを入力するための入力端子である。エネルギー入力部131は、エネルギー量測定部132に接続されている。そのため、エネルギー入力部131に入力されたエネルギーは、エネルギー量測定部132に入力される。エネルギーが入力されると、エネルギー量測定部132は、入力されたエネルギーの量(貯蓄量)を測定する。そして、エネルギー量測定部132は、測定した貯蓄量の情報を署名生成部134に入力する。
【0040】
また、エネルギー量測定部132は、エネルギー貯蓄部133に接続されている。そのため、エネルギー量測定部132に入力されたエネルギーは、エネルギー貯蓄部133に入力される。エネルギーが入力されると、エネルギー貯蓄部133は、エネルギーを貯蓄する。また、エネルギー貯蓄部133は、エネルギー出力部136に接続されている。そのため、エネルギー貯蓄部133は、貯蓄されたエネルギーをエネルギー出力部136に入力できる。なお、エネルギー出力部136は、エネルギー消費装置14に向けてエネルギーを出力するための出力端子である。
【0041】
さて、エネルギー量測定部132から貯蓄量の情報が入力されると、署名生成部134は、入力された貯蓄量の情報に対する電子署名を生成する。例えば、署名生成部134は、エネルギー貯蓄装置13の公開鍵とペアを成す秘密鍵を用いて電子署名を生成する。そして、署名生成部134は、生成した電子署名を貯蓄量の情報に付与してエネルギー充填装置12に提供する。
【0042】
先に説明したように、電子署名を付与した貯蓄量の情報を取得したエネルギー充填装置12は、電子署名の検証が成功すると、エネルギー貯蓄装置13に貯蓄したエネルギーがグリーンエネルギーであることを証明する証明書を発行する。そして、エネルギー充填装置12は、発行した証明書をエネルギー貯蓄装置13に提供する。エネルギー貯蓄装置13は、エネルギー充填装置12が発行した証明書を取得すると、証明書保持部135に格納する。証明書保持部135は、格納された証明書を保持する。
【0043】
さて、エネルギー出力部136にエネルギー消費装置14が接続されると、エネルギー貯蓄部133に貯蓄されたエネルギーは、エネルギー出力部136を介してエネルギー消費装置14に入力される。このとき、エネルギー出力部136は、エネルギー貯蓄部133に貯蓄されたエネルギーをエネルギー消費装置14に入力したことを証明書破棄部137に通知する。この通知を受けた証明書破棄部137は、証明書保持部135に格納された証明書を破棄する。なお、エネルギーの出力に応じて証明書を破棄することにより、検証プロセスを単純化することができる。
【0044】
以上、本実施形態に係るエネルギー貯蓄装置13の構成例について説明した。なお、図4に示した構成要素以外にも、エネルギー貯蓄装置13には、入力デバイス、出力デバイス、通信デバイスなどが搭載されていてもよい。入力デバイスは、例えば、タッチセンサやボタンなどである。また、出力デバイスは、例えば、表示装置や音声出力装置などである。通信デバイスは、例えば、無線通信インターフェースや有線通信インターフェースなどである。
【0045】
[2−4:エネルギーの貯蓄工程における装置の動作]
次に、図5及び図6を併せて参照しながら、エネルギーの貯蓄工程における各装置の動作について説明する。図5及び図6は、エネルギーの貯蓄工程における各装置の動作を示した説明図である。
【0046】
まず、グリーンエネルギー発生装置11で発生したエネルギーが、エネルギー充填装置12のエネルギー入力部121に入力される(S101)。エネルギーが入力されると、エネルギー充填装置12は、エネルギー量測定部122の機能により、エネルギー入力部121に入力されたエネルギーの量(充填量)を計測する(S102)。充填量の情報は、証明書発行可否判定部125に入力される。また、エネルギー充填装置12は、エネルギー出力部123を介してエネルギー貯蓄装置13にエネルギーを充填する(S103)。
【0047】
そして、エネルギー貯蓄装置13に充填されたエネルギーは、エネルギー貯蓄部133に貯蓄される(S103)。このとき、エネルギー貯蓄装置13は、エネルギー量測定部132の機能により、エネルギー貯蓄部133に貯蓄されたエネルギーの量(貯蓄量)を計測する(S104)。貯蓄量の情報は、署名生成部134に入力される。次いで、エネルギー貯蓄装置13は、署名生成部134の機能により、入力された貯蓄量の情報に関する電子署名を生成し(S105)、生成した電子署名をエネルギー充填装置12に提供する。
【0048】
次いで、エネルギー充填装置12は、署名検証部124の機能により、エネルギー貯蓄装置13から取得した電子署名を検証する(S106)。電子署名の検証に成功した場合、エネルギー充填装置12は、証明書発行可否判定部125の機能により、証明書発行の可否を判定する(S107)。例えば、エネルギー充填装置12は、証明書発行可否判定部125の機能により、充填量と貯蓄量とが許容可能な誤差の範囲で一致するか否かを判定する。充填量と貯蓄量とが許容可能な誤差の範囲で一致した場合、エネルギー充填装置12は、証明書発行部126の機能により、証明書を発行し(S108)、エネルギー貯蓄装置13に提供する。
【0049】
次いで、エネルギー貯蓄装置13は、エネルギー充填装置12が発行した証明書を取得し、取得した証明書を証明書保持部135に格納する(S109)。証明書保持部135に証明書が格納されると、エネルギーの貯蓄工程に関する一連の処理が終了する。なお、ステップS106において電子署名の検証が失敗した場合、証明書は発行されない。また、ステップS107において充填量と貯蓄量とが許容可能な誤差の範囲で一致しなかった場合、証明書は発行されない。
【0050】
以上、エネルギーの貯蓄工程における各装置の動作について説明した。なお、エネルギーの貯蓄工程の開始前にエネルギー貯蓄装置13が既に証明書を保持している場合、エネルギー充填装置12は、その証明書に含まれる貯蓄量の情報に基づいてエネルギー貯蓄装置13に貯蓄されているグリーンエネルギーの量を確認することができる。そこで、エネルギー充填装置12は、エネルギーの充填後に、エネルギー貯蓄装置13に貯蓄されるグリーンエネルギーの総量に対する証明書を発行するように構成されていてもよい。
【0051】
[2−5:エネルギーの消費工程における装置の動作]
次に、図7及び図8を併せて参照しながら、エネルギーの消費工程における各装置の動作について説明する。図7及び図8は、エネルギーの消費工程における各装置の動作を示した説明図である。
【0052】
まず、エネルギー消費装置14の構成例について簡単に説明する。図7に示すように、エネルギー消費装置14は、主に、証明書検証部141と、エネルギー入力部142と、エネルギー消費部143とにより構成されている。証明書検証部141は、証明書の正当性を検証する構成要素である。エネルギー入力部142は、エネルギーを入力するための入力端子である。また、エネルギー消費部143は、エネルギーを消費する構成要素である。証明書検証部141により証明書の正当性が確認されると、エネルギー入力部142は、エネルギーの入力を受け入れる。そのため、証明書の正当性が確認されない場合、エネルギーは、エネルギー消費部143に入力されない。以上、エネルギー消費装置14の構成例について説明した。
【0053】
次に、図7及び図8を併せて参照する。エネルギー消費装置14とエネルギー貯蓄装置13とが接続されると、エネルギー貯蓄装置13からエネルギー消費装置14に証明書が提供される。証明書が提供されると、エネルギー消費装置14は、証明書検証部141の機能により、証明書の正当性を検証する(S111)。証明書の正当性が確認された場合、エネルギー消費装置14は、エネルギーの受け入れを開始する。そして、エネルギーの供給が開始される(S112)。エネルギー消費装置14に対するエネルギーの供給を開始すると、エネルギー貯蓄装置13は、証明書破棄部137の機能により、証明書保持部135に格納されている証明書を破棄する(S113)。
【0054】
エネルギー消費装置14に供給されたエネルギーは、エネルギー入力部142を介してエネルギー消費部143に入力される。エネルギーが入力されると、エネルギー消費装置14は、エネルギー消費部143の機能により、入力されたエネルギーを消費する(S114)。エネルギー消費部143によりエネルギーが消費されると、エネルギーの消費工程における一連の処理が終了する。なお、ステップS111において証明書の検証に失敗した場合、エネルギー消費装置14に対するエネルギーの供給は行われない。また、エネルギーの供給が行われない場合、証明書の破棄も行われない。
【0055】
以上、エネルギーの消費工程における各装置の動作について説明した。なお、上記の説明は、グリーンエネルギーだけを利用して動作するエネルギー消費装置14の構成例に関するものであった。ここで示した構成例のように、証明書を利用することで、供給されるエネルギーがグリーンエネルギーであるか否かに応じてエネルギーの受け入れを制御する仕組みを実現することができる。また、この仕組みを変形し、非グリーンエネルギーの受け入れを完全に拒否するのではなく、供給されるエネルギーが非グリーンエネルギーの場合にエネルギー消費装置14の機能を制限する仕組みを実現することも可能である。
【0056】
以上、本技術の第1実施形態について説明した。本実施形態に係る技術を用いると、証明書を利用して、エネルギー貯蓄装置13から供給されるエネルギーがグリーンエネルギーであるか否かを確認することができるようになる。そのため、グリーンエネルギーで動作する機器の実現や、グリーンエネルギーを利用することで機能が向上する機器の実現などが可能になる。
【0057】
<3:第2実施形態(証明書をクラウドに格納する構成)>
次に、本技術の第2実施形態について説明する。本実施形態は、エネルギーの貯蓄工程でエネルギー充填装置12が発行した証明書をエネルギー貯蓄装置13に対応付けて外部サーバ15(例えば、クラウドシステムなど)に保持する構成に関する。
【0058】
[3−1:想定する処理工程]
まず、図9を参照しながら、本実施形態において想定する処理工程について説明する。図9は、本実施形態において想定する処理工程を示した説明図である。なお、以下の説明において、太破線の矢印はエネルギーの流れを示し、実線の矢印は情報の流れを示す。
【0059】
本実施形態においては、図9に示すようなエネルギーの貯蓄工程及びエネルギーの消費工程について考える。エネルギーの貯蓄工程及びエネルギーの消費工程における処理工程の概要は以下の通りである。
【0060】
エネルギーの貯蓄工程において、エネルギー充填装置12は、グリーンエネルギー発生装置11で発生したエネルギーをエネルギー貯蓄装置13に充填する。このとき、エネルギー充填装置12は、エネルギー貯蓄装置13に充填したエネルギーがグリーンエネルギーであることを証明する証明書を発行する。この証明書は、エネルギー貯蓄装置13に対応付けられ、ネットワーク上にある外部サーバ15に格納される。例えば、外部サーバ15は、エネルギー貯蓄装置13を識別するための識別情報と証明書とを対応付けて保持する。
【0061】
一方、エネルギーの消費工程において、エネルギー消費装置14は、エネルギー貯蓄装置13に貯蓄されているエネルギーを消費する。このとき、エネルギー消費装置14は、エネルギー充填装置12が発行した証明書を外部サーバ15から取得する。そして、エネルギー消費装置14は、取得した証明書及びその証明書に対応付けられた識別情報を利用してエネルギー貯蓄装置13に貯蓄されているエネルギーがグリーンエネルギーであることを証明する。
【0062】
以上、本実施形態において想定する処理工程について説明した。以下では、エネルギー充填装置12の構成例、エネルギー貯蓄装置13の構成例、エネルギーの貯蓄工程における各装置の動作、及びエネルギーの消費工程における各装置の動作について詳細に説明する。
【0063】
[3−2:エネルギー充填装置12の構成例]
図10を参照しながら、本実施形態に係るエネルギー充填装置12の構成例について説明する。図10は、本実施形態に係るエネルギー充填装置12の構成例を示した説明図である。
【0064】
図10に示すように、エネルギー充填装置12は、主に、エネルギー入力部121と、エネルギー量測定部122と、エネルギー出力部123と、署名検証部124と、証明書発行可否判定部125と、証明書発行部126と、通信部127とにより構成される。上記の第1実施形態に係るエネルギー充填装置12との主な違いは通信部127の有無にある。
【0065】
エネルギー入力部121は、グリーンエネルギー発生装置11で発生したグリーンエネルギーを入力するための入力端子である。また、エネルギー入力部121は、エネルギー量測定部122に接続されている。そのため、エネルギー入力部121に入力されたエネルギーは、エネルギー量測定部122に入力される。エネルギーが入力されると、エネルギー量測定部122は、入力されたエネルギーの量(充填量)を測定する。そして、エネルギー量測定部122は、充填量の情報を証明書発行可否判定部125に入力する。
【0066】
また、エネルギー量測定部122は、エネルギー出力部123に接続されている。そのため、エネルギー量測定部122に入力されたエネルギーは、エネルギー出力部123に入力される。エネルギー出力部123は、エネルギーを出力するための出力端子である。例えば、エネルギー出力部123にエネルギー貯蓄装置13が接続されると、エネルギー出力部123に入力されたエネルギーは、エネルギー貯蓄装置13に向けて出力される。
【0067】
署名検証部124は、電子署名を検証するものである。例えば、署名検証部124は、エネルギー貯蓄装置13から電子署名を取得した場合に、エネルギー貯蓄装置13の公開鍵を用いて電子署名を検証する。後述するように、エネルギー貯蓄装置13は、エネルギー充填装置12から供給されたエネルギーの量(貯蓄量)を測定し、貯蓄量の情報に電子署名を付けてエネルギー充填装置12に提供する。従って、署名検証部124は、提供された貯蓄量の情報が確かにエネルギー貯蓄装置13から提供された情報であることを検証する。
【0068】
署名検証部124による検証結果は、証明書発行可否判定部125に入力される。このとき、署名検証部124は、エネルギー貯蓄装置13が測定した貯蓄量の情報を証明書発行可否判定部125に入力する。つまり、証明書発行可否判定部125には、充填量の情報及び貯蓄量の情報が入力される。
【0069】
充填量の情報及び貯蓄量の情報が入力されると、証明書発行可否判定部125は、入力された情報に基づいて充填量と貯蓄量とを比較する。充填量と貯蓄量とが許容可能な誤差の範囲内で一致する場合、証明書発行可否判定部125は、証明書の発行を許可する。一方、充填量と貯蓄量とが許容可能な誤差の範囲内で一致しない場合、証明書発行可否判定部125は、証明書の発行を許可しない。証明書の発行を許可する場合、証明書発行可否判定部125は、証明書の発行許可を証明書発行部126に通知する。
【0070】
証明書の発行許可が通知されると、証明書発行部126は、エネルギー貯蓄装置13に貯蓄されたエネルギーがグリーンエネルギーであることを証明する証明書を発行する。証明書発行部126が発行した証明書は、通信部127を介して外部サーバ15に提供される。なお、この証明書には、貯蓄量の情報、及びエネルギー貯蓄装置13を識別するための識別情報が含まれる。
【0071】
以上、本実施形態に係るエネルギー充填装置12の構成例について説明した。なお、図10に示した構成要素以外にも、エネルギー充填装置12には、入力デバイス、出力デバイスなどが搭載されていてもよい。入力デバイスは、例えば、タッチセンサやボタンなどである。また、出力デバイスは、例えば、表示装置や音声出力装置などである。
【0072】
さらに、エネルギー充填装置12は、系統電力を入力するための入力端子(非図示)を搭載している。但し、系統電力に由来するエネルギーは、非グリーンエネルギーとみなす。そのため、系統電力が入力端子に入力された場合、エネルギー充填装置12は、証明書を発行するための処理を実行しない。そのため、エネルギー貯蓄装置13に系統電力に由来するエネルギーが貯蓄されても、エネルギー貯蓄装置13に対して証明書が提供されることはない。
【0073】
[3−3:エネルギー貯蓄装置13の構成例]
次に、図11を参照しながら、本実施形態に係るエネルギー貯蓄装置13の構成例について説明する。図11は、本実施形態に係るエネルギー貯蓄装置13の構成例を示した説明図である。
【0074】
図11に示すように、エネルギー貯蓄装置13は、主に、エネルギー入力部131と、エネルギー量測定部132と、エネルギー貯蓄部133と、署名生成部134と、エネルギー出力部136とにより構成される。上記の第1実施形態に係るエネルギー貯蓄装置13との違いは、証明書保持部135及び証明書破棄部137の有無にある。
【0075】
エネルギー入力部131は、エネルギー充填装置12からエネルギーを入力するための入力端子である。エネルギー入力部131は、エネルギー量測定部132に接続されている。そのため、エネルギー入力部131に入力されたエネルギーは、エネルギー量測定部132に入力される。エネルギーが入力されると、エネルギー量測定部132は、入力されたエネルギーの量(貯蓄量)を測定する。そして、エネルギー量測定部132は、測定した貯蓄量の情報を署名生成部134に入力する。
【0076】
また、エネルギー量測定部132は、エネルギー貯蓄部133に接続されている。そのため、エネルギー量測定部132に入力されたエネルギーは、エネルギー貯蓄部133に入力される。エネルギーが入力されると、エネルギー貯蓄部133は、エネルギーを貯蓄する。また、エネルギー貯蓄部133は、エネルギー出力部136に接続されている。そのため、エネルギー貯蓄部133は、貯蓄されたエネルギーをエネルギー出力部136に入力できる。なお、エネルギー出力部136は、エネルギー消費装置14に向けてエネルギーを出力するための出力端子である。
【0077】
さて、エネルギー量測定部132から貯蓄量の情報が入力されると、署名生成部134は、入力された貯蓄量の情報に対する電子署名を生成する。例えば、署名生成部134は、エネルギー貯蓄装置13の公開鍵とペアを成す秘密鍵を用いて電子署名を生成する。そして、署名生成部134は、生成した電子署名を貯蓄量の情報に付与してエネルギー充填装置12に提供する。このとき、署名生成部134は、エネルギー貯蓄装置13を識別するための識別情報(識別子)をエネルギー充填装置12に提供する。
【0078】
また、エネルギー出力部136にエネルギー消費装置14が接続されると、エネルギー貯蓄部133に貯蓄されたエネルギーは、エネルギー出力部136を介してエネルギー消費装置14に入力される。
【0079】
以上、本実施形態に係るエネルギー貯蓄装置13の構成例について説明した。なお、図11に示した構成要素以外にも、エネルギー貯蓄装置13には、入力デバイス、出力デバイス、通信デバイスなどが搭載されていてもよい。入力デバイスは、例えば、タッチセンサやボタンなどである。また、出力デバイスは、例えば、表示装置や音声出力装置などである。通信デバイスは、例えば、無線通信インターフェースや有線通信インターフェースなどである。
【0080】
[3−4:エネルギーの貯蓄工程における装置の動作]
次に、図12及び図13を併せて参照しながら、エネルギーの貯蓄工程における各装置の動作について説明する。図12及び図13は、エネルギーの貯蓄工程における各装置の動作を示した説明図である。
【0081】
まず、図12を参照しながら、外部サーバ15の構成例について簡単に説明する。図12に示すように、外部サーバ15は、主に、証明書保持部151と、証明書破棄部152とにより構成される。証明書保持部151は、エネルギー充填装置12が発行した証明書を保持する構成要素である。また、証明書破棄部152は、エネルギー貯蓄装置13に貯蔵されたグリーンエネルギーが消費された場合に証明書を破棄する構成要素である。以上、外部サーバ15の構成例について説明した。
【0082】
次に、図12及び図13を併せて参照する。まず、グリーンエネルギー発生装置11で発生したエネルギーが、エネルギー充填装置12のエネルギー入力部121に入力される(S131)。エネルギーが入力されると、エネルギー充填装置12は、エネルギー量測定部122の機能により、エネルギー入力部121に入力されたエネルギーの量(充填量)を計測する(S132)。貯蓄量の情報は、証明書発行可否判定部125に入力される。また、エネルギー充填装置12は、エネルギー出力部123を介してエネルギー貯蓄装置13にエネルギーを充填する(S133)。
【0083】
そして、エネルギー貯蓄装置13に充填されたエネルギーは、エネルギー貯蓄部133に貯蓄される(S133)。このとき、エネルギー貯蓄装置13は、エネルギー量測定部132の機能により、エネルギー貯蓄部133に貯蓄されたエネルギーの量(貯蓄量)を計測する(S134)。貯蓄量の情報は、署名生成部134に入力される。次いで、エネルギー貯蓄装置13は、署名生成部134の機能により、入力された貯蓄量の情報に関する電子署名を生成し(S135)、生成した電子署名をエネルギー充填装置12に提供する。
【0084】
次いで、エネルギー充填装置12は、署名検証部124の機能により、エネルギー貯蓄装置13から取得した電子署名を検証する(S136)。電子署名の検証に成功した場合、エネルギー充填装置12は、証明書発行可否判定部125の機能により、証明書発行の可否を判定する(S137)。例えば、エネルギー充填装置12は、証明書発行可否判定部125の機能により、充填量と貯蓄量とが許容可能な誤差の範囲で一致するか否かを判定する。充填量と貯蓄量とが許容可能な誤差の範囲で一致した場合、エネルギー充填装置12は、証明書発行部126の機能により、証明書を発行し(S138)、外部サーバ15に提供する。
【0085】
次いで、外部サーバ15は、エネルギー充填装置12が発行した証明書を取得し、取得した証明書を証明書保持部151に格納する(S139)。証明書保持部151に証明書が格納されると、エネルギーの貯蓄工程に関する一連の処理が終了する。なお、ステップS136において電子署名の検証が失敗した場合、証明書は発行されない。また、ステップS137において充填量と貯蓄量とが許容可能な誤差の範囲で一致しなかった場合、証明書は発行されない。
【0086】
以上、エネルギーの貯蓄工程における各装置の動作について説明した。なお、エネルギーの貯蓄工程の開始前に、外部サーバ15が、対象となるエネルギー貯蓄装置13の証明書を保持していることがある。この場合、エネルギー充填装置12は、その証明書に含まれる貯蓄量の情報に基づいて、対象となるエネルギー貯蓄装置13に貯蓄されているグリーンエネルギーの量を確認することができる。そこで、エネルギー充填装置12は、エネルギーの充填後に、エネルギー貯蓄装置13に貯蓄されるグリーンエネルギーの総量に対する証明書を発行するように構成されていてもよい。
【0087】
[3−5:エネルギーの消費工程における装置の動作]
次に、図14及び図15を併せて参照しながら、エネルギーの消費工程における各装置の動作について説明する。図14及び図15は、エネルギーの消費工程における各装置の動作を示した説明図である。
【0088】
まず、エネルギー消費装置14の構成例について簡単に説明する。図14に示すように、エネルギー消費装置14は、主に、証明書検証部141と、エネルギー入力部142と、エネルギー消費部143と、通信部144とにより構成されている。証明書検証部141は、通信部144を介して外部サーバ15から取得された証明書の正当性を検証する構成要素である。エネルギー入力部142は、エネルギーを入力するための入力端子である。また、エネルギー消費部143は、エネルギーを消費する構成要素である。証明書検証部141により証明書の正当性が確認されると、エネルギー入力部142は、エネルギーの入力を受け入れる。そのため、証明書の正当性が確認されない場合、エネルギーは、エネルギー消費部143に入力されない。以上、エネルギー消費装置14の構成例について説明した。
【0089】
次に、図14及び図15を併せて参照する。エネルギー消費装置14とエネルギー貯蓄装置13とが接続されると、エネルギー消費装置14は、通信部144の機能により、外部サーバ15から証明書を取得する。証明書を取得すると、エネルギー消費装置14は、証明書検証部141の機能により、証明書の正当性を検証する(S141)。証明書の正当性が確認された場合、エネルギー消費装置14は、エネルギーの受け入れを開始する(S142)。エネルギー消費装置14に対するエネルギーの供給を開始すると、外部サーバ15は、証明書破棄部152の機能により、証明書保持部151に格納されている証明書を破棄する(S143)。
【0090】
エネルギー消費装置14に供給されたエネルギーは、エネルギー入力部142を介してエネルギー消費部143に入力される。エネルギーが入力されると、エネルギー消費装置14は、エネルギー消費部143の機能により、入力されたエネルギーを消費する(S144)。エネルギー消費部143によりエネルギーが消費されると、エネルギーの消費工程における一連の処理が終了する。なお、ステップS141において証明書の検証に失敗した場合、エネルギー消費装置14に対するエネルギーの供給は行われない。また、エネルギーの供給が行われない場合、証明書の破棄も行われない。
【0091】
以上、エネルギーの消費工程における各装置の動作について説明した。なお、上記の説明は、グリーンエネルギーだけを利用して動作するエネルギー消費装置14の構成例に関するものであった。ここで示した構成例のように、証明書を利用することで、供給されるエネルギーがグリーンエネルギーであるか否かに応じてエネルギーの受け入れを制御する仕組みを実現することができる。また、この仕組みを変形し、非グリーンエネルギーの受け入れを完全に拒否するのではなく、供給されるエネルギーが非グリーンエネルギーの場合にエネルギー消費装置14の機能を制限する仕組みを実現することも可能である。
【0092】
以上、本技術の第2実施形態について説明した。本実施形態に係る技術を用いると、証明書を利用して、エネルギー貯蓄装置13から供給されるエネルギーがグリーンエネルギーであるか否かを確認することができるようになる。そのため、グリーンエネルギーで動作する機器の実現や、グリーンエネルギーを利用することで機能が向上する機器の実現などが可能になる。
【0093】
<4:第3実施形態(消費装置が証明書を発行して貯蓄装置に格納する構成)>
次に、本技術の第3実施形態について説明する。上記の第1及び第2実施形態は、証明書の更新について考慮されていない。例えば、証明書が証明する貯蓄量よりも少ないグリーンエネルギーを消費した場合、上記の第1及び第2実施形態に係る仕組みにおいては、証明書の破棄は行われるが、グリーンエネルギーの残量を証明する証明書が発行されない。本実施形態は、エネルギーの消費工程においてグリーンエネルギーの残量を証明する証明書を発行する仕組みに関するものである。
【0094】
[4−1:エネルギー消費装置14の構成例]
まず、図16を参照しながら、本実施形態に係るエネルギー消費装置14の構成例について説明する。図16は、本実施形態に係るエネルギー消費装置14の構成例を示した説明図である。
【0095】
図16に示すように、エネルギー消費装置14は、主に、証明書検証部141と、エネルギー入力部142と、エネルギー消費部143と、エネルギー量測定部145と、署名検証部146と、証明書発行可否判定部147と、証明書発行部148とにより構成される。
【0096】
証明書検証部141は、証明書を検証する構成要素である。証明書の正当性が確認されると、エネルギー入力部142は、エネルギー貯蓄装置13からエネルギーを受け入れる。エネルギー入力部142は、エネルギー量測定部145に接続されている。そのため、エネルギー入力部142に入力されたエネルギーは、エネルギー量測定部145に入力される。エネルギーが入力されると、エネルギー量測定部145は、入力されたエネルギーの量(以下、消費量)を測定する。そして、エネルギー量測定部145は、消費量の情報を証明書発行可否判定部147に入力する。
【0097】
また、エネルギー量測定部145は、エネルギー消費部143に接続されている。そのため、エネルギー量測定部145に入力されたエネルギーは、エネルギー消費部143に入力される。エネルギーが入力されると、エネルギー消費部143は、入力されたエネルギーを消費する。
【0098】
署名検証部146は、電子署名を検証する構成要素である。例えば、署名検証部146は、エネルギー貯蓄装置13から電子署名を取得した場合に、エネルギー貯蓄装置13の公開鍵を用いて電子署名を検証する。後述するように、エネルギー貯蓄装置13は、エネルギー消費装置14に供給したエネルギーの量(以下、供給量)を測定し、供給量の情報に電子署名を付けてエネルギー消費装置14に提供する。従って、署名検証部146は、提供された供給量の情報が確かにエネルギー貯蓄装置13から提供された情報であることを検証する。
【0099】
署名検証部146による検証結果は、証明書発行可否判定部147に入力される。このとき、署名検証部146は、エネルギー貯蓄装置13が測定した供給量の情報を証明書発行可否判定部147に入力する。つまり、証明書発行可否判定部147には、消費量の情報及び供給量の情報が入力される。
【0100】
消費量の情報及び供給量の情報が入力されると、証明書発行可否判定部147は、入力された情報に基づいて消費量と供給量とを比較する。消費量と供給量とが許容可能な誤差の範囲内で一致する場合、証明書発行可否判定部147は、証明書の発行を許可する。一方、消費量と供給量とが許容可能な誤差の範囲内で一致しない場合、証明書発行可否判定部147は、証明書の発行を許可しない。証明書の発行を許可する場合、証明書発行可否判定部147は、証明書の発行許可を証明書発行部148に通知する。
【0101】
証明書の発行許可が通知されると、証明書発行部148は、エネルギー貯蓄装置13から取得した証明書が証明するグリーンエネルギーの貯蓄量から供給量を差し引き、エネルギー貯蓄装置13に貯蓄されているグリーンエネルギーの残貯蓄量を算出する。そして、証明書発行部148は、エネルギー貯蓄装置13に貯蓄されているグリーンエネルギーの残貯蓄量を証明する証明書を発行する。証明書発行部148が発行した証明書は、エネルギー貯蓄装置13に提供される。なお、この証明書には、残貯蓄量の情報、及びエネルギー貯蓄装置13を識別するための識別情報が含まれる。
【0102】
以上、本実施形態に係るエネルギー消費装置14の構成例について説明した。なお、図16に示した構成要素以外にも、エネルギー消費装置14には、入力デバイス、出力デバイス、通信デバイスなどが搭載されていてもよい。入力デバイスは、例えば、タッチセンサやボタンなどである。また、出力デバイスは、例えば、表示装置や音声出力装置などである。通信デバイスは、例えば、無線通信インターフェースや有線通信インターフェースなどである。
【0103】
[4−2:エネルギー貯蓄装置13の構成例]
次に、図17を参照しながら、本実施形態に係るエネルギー貯蓄装置13の構成例について説明する。図17は、本実施形態に係るエネルギー貯蓄装置13の構成例を示した説明図である。
【0104】
図17に示すように、エネルギー貯蓄装置13は、主に、エネルギー入力部131と、エネルギー量測定部132と、エネルギー貯蓄部133と、署名生成部134と、証明書保持部135と、エネルギー出力部136と、証明書破棄部137とにより構成される。
【0105】
エネルギー入力部131は、エネルギー充填装置12からエネルギーを入力するための入力端子である。エネルギー入力部131は、エネルギー量測定部132に接続されている。そのため、エネルギー入力部131に入力されたエネルギーは、エネルギー量測定部132に入力される。エネルギーが入力されると、エネルギー量測定部132は、入力されたエネルギーの量(貯蓄量)を測定する。そして、エネルギー量測定部132は、測定した貯蓄量の情報を署名生成部134に入力する。
【0106】
また、エネルギー量測定部132は、エネルギー貯蓄部133に接続されている。そのため、エネルギー量測定部132に入力されたエネルギーは、エネルギー貯蓄部133に入力される。エネルギーが入力されると、エネルギー貯蓄部133は、エネルギーを貯蓄する。また、エネルギー貯蓄部133は、エネルギー出力部136に接続されている。そのため、エネルギー貯蓄部133は、貯蓄されたエネルギーをエネルギー出力部136に入力できる。なお、エネルギー出力部136は、エネルギー消費装置14に向けてエネルギーを出力するための出力端子である。
【0107】
さて、エネルギー量測定部132から貯蓄量の情報が入力されると、署名生成部134は、入力された貯蓄量の情報に対する電子署名を生成する。例えば、署名生成部134は、エネルギー貯蓄装置13の公開鍵とペアを成す秘密鍵を用いて電子署名を生成する。そして、署名生成部134は、生成した電子署名を貯蓄量の情報に付与してエネルギー充填装置12に提供する。
【0108】
先に説明したように、電子署名を付与した貯蓄量の情報を取得したエネルギー充填装置12は、電子署名の検証が成功すると、エネルギー貯蓄装置13に貯蓄したエネルギーがグリーンエネルギーであることを証明する証明書を発行する。そして、エネルギー充填装置12は、発行した証明書をエネルギー貯蓄装置13に提供する。エネルギー貯蓄装置13は、エネルギー充填装置12が発行した証明書を取得すると、証明書保持部135に格納する。証明書保持部135は、格納された証明書を保持する。
【0109】
さて、エネルギー出力部136にエネルギー消費装置14が接続されると、エネルギー貯蓄部133に貯蓄されたエネルギーは、エネルギー出力部136を介してエネルギー消費装置14に入力される。このとき、エネルギー出力部136は、エネルギー貯蓄部133に貯蓄されたエネルギーをエネルギー消費装置14に入力したことを証明書破棄部137に通知する。この通知を受けた証明書破棄部137は、証明書保持部135に格納された証明書を破棄する。なお、エネルギーの出力に応じて証明書を破棄することにより、検証プロセスを単純化することができる。
【0110】
また、エネルギー貯蓄部133からエネルギー出力部136にエネルギーが入力される際、エネルギー量測定部132は、エネルギー出力部136に入力されるエネルギーの量(供給量)を測定する。そして、エネルギー量測定部132は、供給量の情報を署名生成部134に入力する。エネルギー量測定部132から供給量の情報が入力されると、署名生成部134は、入力された供給量の情報に対する電子署名を生成する。例えば、署名生成部134は、エネルギー貯蓄装置13の公開鍵とペアを成す秘密鍵を用いて電子署名を生成する。そして、署名生成部134は、生成した電子署名を供給量の情報に付与してエネルギー消費装置14に提供する。
【0111】
以上、本実施形態に係るエネルギー貯蓄装置13の構成例について説明した。なお、図17に示した構成要素以外にも、エネルギー貯蓄装置13には、入力デバイス、出力デバイス、通信デバイスなどが搭載されていてもよい。入力デバイスは、例えば、タッチセンサやボタンなどである。また、出力デバイスは、例えば、表示装置や音声出力装置などである。通信デバイスは、例えば、無線通信インターフェースや有線通信インターフェースなどである。
【0112】
[4−3:エネルギーの消費工程における装置の動作]
次に、図18及び図19を併せて参照しながら、エネルギーの消費工程における各装置の動作について説明する。図18及び図19は、エネルギーの消費工程における各装置の動作を示した説明図である。
【0113】
エネルギー消費装置14とエネルギー貯蓄装置13とが接続されると、エネルギー貯蓄装置13からエネルギー消費装置14に証明書が提供される。証明書が提供されると、エネルギー消費装置14は、証明書検証部141の機能により、証明書の正当性を検証する(S151)。証明書の正当性が確認された場合、エネルギー消費装置14は、エネルギーの受け入れを開始する(S152)。エネルギー消費装置14に対するエネルギーの供給を開始すると、エネルギー貯蓄装置13は、証明書破棄部137の機能により、証明書保持部135に格納されている証明書を破棄する(S153)。
【0114】
また、エネルギー貯蓄装置13は、エネルギー量測定部132の機能により、エネルギー出力部136を介してエネルギー消費装置14に供給されるエネルギーの量(供給量)を測定する(S154)。一方、エネルギー消費装置14は、エネルギー量測定部145の機能により、エネルギー入力部142を介してエネルギー貯蓄装置13から供給されたエネルギーの量(消費量)を測定する(S155)。次いで、エネルギー消費装置14は、エネルギー消費部143の機能により、エネルギー貯蓄装置13から供給されたエネルギーを消費する(S156)。
【0115】
また、エネルギー貯蓄装置13は、署名生成部134の機能により、供給量の情報に関する電子署名を生成し(S157)、生成した電子署名を供給量の情報に付与してエネルギー消費装置14に提供する。エネルギー消費装置14は、署名検証部146の機能により、エネルギー貯蓄装置13から取得した供給量の情報に関する電子署名を検証する(S158)。電子署名の検証が成功した場合、エネルギー消費装置14は、証明書発行可否判定部147の機能により、証明書発行の可否を判定する(S159)。このとき、エネルギー消費装置14は、証明書発行可否判定部147の機能により、供給量と消費量とが許容可能な誤差の範囲で一致する場合に証明書の発行を許可する。
【0116】
証明書の発行を許可した場合、エネルギー消費装置14は、証明書発行部148の機能により、証明書を発行する(S160)。このとき、エネルギー消費装置14は、証明書発行部148の機能により、貯蓄量から供給量を差し引いたグリーンエネルギーの残貯蓄量を算出し、算出した残貯蓄量を証明する証明書を発行する。この証明書は、エネルギー貯蓄装置13に提供される。グリーンエネルギーの残貯蓄量を証明する証明書を取得すると、エネルギー貯蓄装置13は、取得した証明書を証明書保持部135に格納する(S161)。
【0117】
グリーンエネルギーの残貯蓄量を証明する証明書が証明書保持部135に格納されると、エネルギーの消費工程における一連の処理が終了する。なお、ステップS151において証明書の検証に失敗した場合、エネルギー消費装置14に対するエネルギーの供給は行われない。また、エネルギーの供給が行われない場合、証明書の破棄も行われない。さらに、ステップS158において電子署名の検証が失敗した場合、残貯蓄量を証明する証明書の発行は行われない。また、ステップS159において供給量と消費量とが許容可能な誤差の範囲で一致しなかった場合、残貯蓄量を証明する証明書の発行は行われない。
【0118】
以上、エネルギーの消費工程における各装置の動作について説明した。上記の仕組みを用いると、グリーンエネルギーの残量に応じて証明書が適切に更新される。
【0119】
なお、上記の説明は、グリーンエネルギーだけを利用して動作するエネルギー消費装置14の構成例に関するものであった。ここで示した構成例のように、証明書を利用することで、供給されるエネルギーがグリーンエネルギーであるか否かに応じてエネルギーの受け入れを制御する仕組みを実現することができる。また、この仕組みを変形し、非グリーンエネルギーの受け入れを完全に拒否するのではなく、供給されるエネルギーが非グリーンエネルギーの場合にエネルギー消費装置14の機能を制限する仕組みを実現することも可能である。
【0120】
以上、本技術の第3実施形態について説明した。本実施形態に係る技術を用いると、証明書を利用して、エネルギー貯蓄装置13から供給されるエネルギーがグリーンエネルギーであるか否かを確認することができるようになる。そのため、グリーンエネルギーで動作する機器の実現や、グリーンエネルギーを利用することで機能が向上する機器の実現などが可能になる。また、グリーンエネルギーの残量管理を行うことが可能になる。
【0121】
<5:第4実施形態(消費装置が証明書を発行してクラウドに格納する構成)>
次に、本技術の第4実施形態について説明する。本実施形態は、エネルギーの貯蓄工程でエネルギー充填装置12が発行した証明書、及びエネルギーの消費工程でエネルギー消費装置14が発行した証明書をエネルギー貯蓄装置13に対応付けて外部サーバ15(例えば、クラウドシステムなど)に保持する構成に関する。
【0122】
[5−1:エネルギーの消費工程における装置の構成及び動作]
図20及び図21を併せて参照しながら、エネルギーの消費工程における各装置の動作について説明する。図20及び図21は、エネルギーの消費工程における各装置の動作を示した説明図である。
【0123】
エネルギー消費装置14とエネルギー貯蓄装置13とが接続されると、外部サーバ15からエネルギー消費装置14に証明書が提供される。証明書が提供されると、エネルギー消費装置14は、証明書検証部141の機能により、証明書の正当性を検証する(S171)。証明書の正当性が確認された場合、エネルギー消費装置14は、エネルギーの受け入れを開始する(S172)。エネルギー消費装置14に対するエネルギーの供給を開始すると、外部サーバ15は、証明書破棄部152の機能により、証明書保持部151に格納されている証明書を破棄する(S173)。
【0124】
また、エネルギー貯蓄装置13は、エネルギー量測定部132の機能により、エネルギー出力部136を介してエネルギー消費装置14に供給されるエネルギーの量(供給量)を測定する(S174)。一方、エネルギー消費装置14は、エネルギー量測定部145の機能により、エネルギー入力部142を介してエネルギー貯蓄装置13から供給されたエネルギーの量(消費量)を測定する(S175)。次いで、エネルギー消費装置14は、エネルギー消費部143の機能により、エネルギー貯蓄装置13から供給されたエネルギーを消費する(S176)。
【0125】
また、エネルギー貯蓄装置13は、署名生成部134の機能により、供給量の情報に関する電子署名を生成し(S177)、生成した電子署名を供給量の情報に付与してエネルギー消費装置14に提供する。エネルギー消費装置14は、署名検証部146の機能により、エネルギー貯蓄装置13から取得した供給量の情報に関する電子署名を検証する(S178)。電子署名の検証が成功した場合、エネルギー消費装置14は、証明書発行可否判定部147の機能により、証明書発行の可否を判定する(S179)。このとき、エネルギー消費装置14は、証明書発行可否判定部147の機能により、供給量と消費量とが許容可能な誤差の範囲で一致する場合に証明書の発行を許可する。
【0126】
証明書の発行を許可した場合、エネルギー消費装置14は、証明書発行部148の機能により、証明書を発行する(S180)。このとき、エネルギー消費装置14は、証明書発行部148の機能により、貯蓄量から供給量を差し引いたグリーンエネルギーの残貯蓄量を算出し、算出した残貯蓄量を証明する証明書を発行する。この証明書は、通信部144を介して外部サーバ15に提供される。グリーンエネルギーの残貯蓄量を証明する証明書を取得すると、外部サーバ15は、取得した証明書を証明書保持部151に格納する(S181)。
【0127】
グリーンエネルギーの残貯蓄量を証明する証明書が証明書保持部151に格納されると、エネルギーの消費工程における一連の処理が終了する。なお、ステップS171において証明書の検証に失敗した場合、エネルギー消費装置14に対するエネルギーの供給は行われない。また、エネルギーの供給が行われない場合、証明書の破棄も行われない。さらに、ステップS178において電子署名の検証が失敗した場合、残貯蓄量を証明する証明書の発行は行われない。また、ステップS179において供給量と消費量とが許容可能な誤差の範囲で一致しなかった場合、残貯蓄量を証明する証明書の発行は行われない。
【0128】
以上、エネルギーの消費工程における各装置の動作について説明した。上記の仕組みを用いると、グリーンエネルギーの残量に応じて証明書が適切に更新される。
【0129】
なお、上記の説明は、グリーンエネルギーだけを利用して動作するエネルギー消費装置14の構成例に関するものであった。ここで示した構成例のように、証明書を利用することで、供給されるエネルギーがグリーンエネルギーであるか否かに応じてエネルギーの受け入れを制御する仕組みを実現することができる。また、この仕組みを変形し、非グリーンエネルギーの受け入れを完全に拒否するのではなく、供給されるエネルギーが非グリーンエネルギーの場合にエネルギー消費装置14の機能を制限する仕組みを実現することも可能である。
【0130】
以上、本技術の第4実施形態について説明した。本実施形態に係る技術を用いると、証明書を利用して、エネルギー貯蓄装置13から供給されるエネルギーがグリーンエネルギーであるか否かを確認することができるようになる。そのため、グリーンエネルギーで動作する機器の実現や、グリーンエネルギーを利用することで機能が向上する機器の実現などが可能になる。また、グリーンエネルギーの残量管理を行うことが可能になる。
【0131】
<6:証明書の利用例>
次に、上記の第1〜第4実施形態に係る仕組みを利用した応用例(証明書の利用例)について考えてみたい。上記の仕組みは、エネルギーを消費する需要者がグリーンエネルギーを積極的かつ持続的に利用したいと思うようなシステム作りに生かせないだろうか。
【0132】
[6−1:利用例#1(機能の制限)]
例えば、図22に示すようなシステムが考えられる。
【0133】
図22に示すように、このシステムは、エネルギー充填装置12、エネルギー貯蓄装置13、エネルギー消費装置14、利用状況管理システム16を含む。なお、利用状況管理システム16は、エネルギー貯蓄装置13に貯蓄されたグリーンエネルギーの利用状況を管理するシステムである。例えば、利用状況管理システム16は、エネルギー消費装置14により消費されたグリーンエネルギーの量を管理する。
【0134】
先に説明したように、エネルギー消費装置14は、証明書を利用してエネルギー貯蓄装置13から供給されるエネルギーがグリーンエネルギーであるか否かを判別することができる。そのため、エネルギー消費装置14は、グリーンエネルギーを利用しているか否かに応じて利用可能な機能を制限したり、グリーンエネルギーの利用量に応じて利用可能な機能を制限したりすることができる。
【0135】
例えば、図22に示すように、エネルギーの種類に依らずに利用可能な機能(機能#1)、グリーンエネルギーの利用時に利用可能になる機能(機能#2)を設定することができる。また、グリーンエネルギーの消費時にグリーンエネルギーの消費量とエネルギー消費装置14とを対応付けて管理しておくことにより、グリーンエネルギーの総利用量が所定値以上の場合に利用可能な機能(機能#3)を設定することもできる。
【0136】
グリーンエネルギーを利用することによってエネルギー消費装置14で利用可能な機能が増加するように設定すると、需要者は、グリーンエネルギーを積極的に利用するようになる。また、グリーンエネルギーの使用量に応じて機能が増加するように設定すると、需要者は、グリーンエネルギーを持続的に利用するようになる。例えば、グリーンエネルギーの利用量が増加するにつれてゲームのキャラクタが成長したり、遊べるゲームの種類が増加したりすれば、需要者は、積極的かつ持続的にグリーンエネルギーを利用するようになると考えられる。
【0137】
また、グリーンエネルギーの利用量が増加するにつれてダウンロード可能なアプリケーションの種類が増加したり、音楽データや映像データがダウンロードできるようになったりすれば、需要者は、積極的かつ持続的にグリーンエネルギーを利用するようになると考えられる。さらに、グリーンエネルギーの総利用量に応じてポイントが付与されたり、付与されたポイントに応じて商品やサービスの価格が割引になったりすれば、需要者は、積極的かつ持続的にグリーンエネルギーを利用するようになると考えられる。
【0138】
[6−2:利用例#2(ユーザへの利益供与)]
また、図23に示すようなシステム構成(利用例#2)も考えられる。
【0139】
図23に示すように、このシステムは、エネルギー充填装置12、エネルギー貯蓄装置13、エネルギー消費装置14、利用状況管理システム16、ユーザ情報管理システム17を含む。利用例#1の場合、グリーンエネルギーの利用状況はエネルギー消費装置14を単位として管理されていた。利用例#2は、ユーザ単位でグリーンエネルギーの利用状況を管理する仕組みに関する。ユーザ単位でグリーンエネルギーの利用状況を管理することで、個々のユーザを対象にグリーンエネルギーの利用を奨励することが可能になる。
【0140】
例えば、ユーザ情報管理システム17は、ユーザの個人情報と機器情報とを対応付けて管理する。ここで言う機器情報とは、エネルギー充填装置12、エネルギー貯蓄装置13、エネルギー消費装置14を識別するための情報である。例えば、ユーザAがエネルギー消費装置14を用いてグリーンエネルギーを消費すると。エネルギー消費装置14は、利用状況管理システム16に対し、エネルギー消費装置14の機器情報、エネルギー貯蓄装置13の機器情報、及び消費量の情報を提供する。
【0141】
利用状況管理システム16は、エネルギー消費装置14から取得した機器情報をユーザ情報管理システム17に提供し、その機器情報に対応するユーザAの個人情報を取得する。個人情報を取得すると、利用状況管理システム16は、取得したユーザAの個人情報と消費量の情報とを対応付け、その消費量に応じた特典をユーザAに提供する。例えば、利用状況管理システム16は、ユーザAに対してポイントを付与したり、ユーザAが商品やサービスを購入する際に購入価格を割り引いたりできるようにする。
【0142】
[6−3:利用例#3(サービスの提供)]
例えば、図24に示すように、利用状況管理システム16、ユーザ情報管理システム17、及びサービス提供システム18が連携できるようなシステム構成(利用例#3)にすることが好ましい。利用例#3の場合、グリーンエネルギーを消費したユーザAに対し、サービス提供システム18は、他のユーザの利用状況を提供したり、ユーザ間における消費量のランキング結果を提示したり、ポイントを付与するサービスを提供したりできる。ユーザ間でグリーンエネルギーの利用状況が確認できると、ユーザ間で競争意識が生じ、グリーンエネルギーを持続的に利用する動機に繋がる。
【0143】
また、ランキングの結果が各ユーザに提示されることで、ユーザ間の競争意識を煽ることに繋がり、グリーンエネルギーを積極的に利用しようという意識の高まりを生む。グリーンエネルギーの消費量に応じてポイントが付与されることで、ユーザに実質的な利益が還元されるため、コスト意識の高いユーザが積極的かつ持続的にグリーンエネルギーを消費するものと期待される。このように、グリーンエネルギーの利用状況を見えるようにすることや、グリーンエネルギーの需要者に特典を与えることにより、非グリーンエネルギーからグリーンエネルギーへの代替が進むと期待される。
【0144】
利用例#3のような仕組みを実現するためのインフラとしてソーシャルネットワークを利用することは効果的であると考えられる。利用状況を見たユーザやランキングの結果を見たユーザがソーシャルネットワークを利用して発言したり、その発言に応答する発言などが連鎖的に繰り返されることにより、グリーンエネルギーの消費に対するユーザのモチベーションが維持されるものと考えられる。
【0145】
こうした仕組みは、エネルギー消費装置14において確かにグリーンエネルギーが消費されたことを証明する仕組みがあってこと成り立つものである。つまり、上記の第1〜第4実施形態の技術を応用することにより、上記の利用例#1〜#3のようなシステム構成を実現することが可能になるのである。
【0146】
<7:補遺>
これまで、エネルギー充填装置12からエネルギー貯蓄装置13へとグリーンエネルギーを充填する際に証明書を発行し、そのグリーンエネルギーを消費する際に証明書を用いてグリーンエネルギーであることを確認する仕組みについて説明してきた。一方で、系統電力に由来するエネルギーをエネルギー貯蓄装置13に貯蓄する仕組みについては詳細な説明を省略していた。太陽光発電設備などのグリーンエネルギー発生装置11は、天候などの環境に応じてエネルギーの出力量が変化してしまう。そのため、系統電力に由来するエネルギーをエネルギー貯蓄装置13に貯蓄できるような仕組みを設けておく方が好ましい。
【0147】
例えば、エネルギー充填装置12にスイッチを設け、系統電力に由来するエネルギーをエネルギー貯蓄装置13に充填する第1モードと、グリーンエネルギーをエネルギー貯蓄装置13に充填する第2モードとを切り替えられるようにしておく仕組みが考えられる。第1モードの場合、証明書の発行は行われないが常にエネルギーを充填することができる。一方、第2モードの場合、証明書の発行が行われる。また、エネルギー充填装置12は、自身に入力されるエネルギーがグリーンエネルギーであることを確認するためにHEMSと通信を行えるように構成されていることが好ましい。
【0148】
HEMSと通信を行えると、グリーンエネルギー発生装置11で発生したグリーンエネルギーの量や、家庭内の機器で消費したエネルギーの量などの情報を取得することが可能になる。例えば、HEMSから情報を取得できると、グリーンエネルギー発生装置11で発生したエネルギー量が家庭内の機器で消費するエネルギーの量を上回る場合に自動的にエネルギー貯蓄装置13へエネルギーが充填される仕組みを実現することができる。
【0149】
ところで、上記の第1〜第4実施形態の仕組みは電子署名などの技術に基づく証明書を利用しているが、グリーンエネルギーであることを証明する方法はこれに限定されない。例えば、エネルギー貯蓄装置13が電池である場合、電池の端子に、グリーンエネルギーが貯蓄されていることを証明するシールを貼るという方法も考えられる。また、そのシールに印字されたQRコードをエネルギー消費装置14で読み込むことにより、利用可能な機能が追加されたり、サービス特典が受けられたりするような仕組みも考えられる。
【0150】
(装置の具体例)
グリーンエネルギー発生装置11は、例えば、太陽光発電設備、風力発電設備、地熱発電設備、太陽熱発電設備、潮汐発電設備、バイオマス発電設備などである。エネルギー貯蓄装置13は、蓄電池、コンデンサ、蓄電システムなどである。蓄電池としては、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、鉛蓄電池、NAS電池などがある。また、コンデンサとしては、例えば、電界コンデンサ、セラミックコンデンサ、電気二重層コンデンサなどがある。
【0151】
また、蓄電システムとしては、例えば、揚力発電システムや、水の電気分解を利用した蓄電システムなどがある。揚力発電システムとは、電気エネルギーを位置エネルギーに変換して蓄える蓄電システムである。揚力発電システムの代表例である水力発電システムは、電力を利用して高いところへと水をくみ上げておき、その水の落下エネルギーを利用して水力発電を行う。一方、水の電気分解を利用した蓄電システムは、水の電気分解で発生した水素を貯蔵しておき、貯蔵しておいた水素を燃焼して発電したり、貯蔵しておいた水素を燃料にして燃料電池により発電したりする。
【0152】
エネルギー消費装置14は、例えば、情報処理装置、通信装置、撮像装置、テレビジョン受像機、録画再生装置、ゲーム機、音楽プレーヤ、空調設備、電気コンロ、電気給湯器、その他の家電製品など、家庭内外で利用する様々な機器である。
【0153】
<8:まとめ>
本実施形態に係る技術は、下記(1)〜(4)のように表現されるエネルギー充填装置、下記(5)のように表現されるエネルギー貯蓄装置、下記(6)〜(13)のように表現されるエネルギー消費装置、及び下記(14)〜(16)のように表現されるグリーンエネルギーの管理方法に関する。例えば、下記(1)に示したエネルギー充填装置は、エネルギー貯蓄装置に充填されるグリーンエネルギーの量を証明書により証明することができる。また、この証明書は、エネルギー貯蓄装置からグリーンエネルギーが出力された場合に破棄される。そのため、この証明書により、エネルギー貯蓄装置に貯蓄されているグリーンエネルギーが確かにグリーンエネルギーであることを証明することが可能になる。
【0154】
(1)
エネルギー貯蓄装置にグリーンエネルギーを充填するエネルギー充填部と、
前記エネルギー貯蓄装置により測定されたグリーンエネルギーの充填量を示す測定量情報を当該エネルギー貯蓄装置から取得する測定量情報取得部と、
前記エネルギー充填部により充填されたグリーンエネルギーの充填量と、前記測定量情報に示されたグリーンエネルギーの充填量とが一致した場合に、前記エネルギー貯蓄装置に充填されたグリーンエネルギーの量を証明するための証明書を発行する証明書発行部と、
を備え、
前記証明書は、前記エネルギー貯蓄装置と対応付けて管理され、当該証明書により証明される量のグリーンエネルギーが前記エネルギー貯蓄装置から出力された場合に破棄される、
エネルギー充填装置。
【0155】
(2)
証明書を管理する管理システムに対し、前記証明書発行部により生成された証明書を提供する証明書提供部をさらに備え、
前記管理システムは、前記証明書と前記エネルギー貯蓄装置とを対応付けて管理し、当該証明書により証明される量のグリーンエネルギーが前記エネルギー貯蓄装置から出力された場合に当該証明書を破棄する、
上記(1)に記載のエネルギー充填装置。
【0156】
(3)
前記証明書発行部により生成された証明書を前記エネルギー貯蓄装置に提供する証明書提供部をさらに備え、
前記エネルギー貯蓄装置は、前記証明書提供部により提供された証明書を保持し、当該証明書により証明される量のグリーンエネルギーを出力した場合に当該証明書を破棄する、
上記(1)に記載のエネルギー充填装置。
【0157】
(4)
前記測定量情報取得部は、前記測定量情報と共に電子署名を取得し、当該電子署名を用いて前記測定量情報の正当性を確認し、
前記証明書発行部は、前記測定量情報の正当性が確認され、かつ、前記エネルギー充填部により充填されたグリーンエネルギーの充填量と、前記測定量情報に示されたグリーンエネルギーの充填量とが一致した場合に、前記エネルギー貯蓄装置に充填されたグリーンエネルギーの量を証明するための証明書を発行する、
上記(2)又は(3)に記載のエネルギー充填装置。
【0158】
(5)
エネルギーを入力するためのエネルギー入力部と、
エネルギーを出力するためのエネルギー出力部と、
エネルギーを貯蓄するエネルギー貯蓄部と、
前記エネルギー入力部を介して入力されたグリーンエネルギーの量を測定し、当該グリーンエネルギーの量を示す測定量情報を生成する測定量情報生成部と、
前記グリーンエネルギーを入力したエネルギー充填装置に前記測定量情報を提供し、入力されたグリーンエネルギーの量を証明するための証明書の発行を要求する証明書要求部と、
前記エネルギー充填装置から前記証明書を取得する証明書取得部と、
前記証明書を保持する証明書保持部と、
前記証明書により証明される量のグリーンエネルギーを出力した場合に当該証明書を破棄する証明書破棄部と、
を備える、
エネルギー貯蓄装置。
【0159】
(6)
エネルギー貯蓄装置からグリーンエネルギーの供給を受けた場合に、当該エネルギー貯蓄装置から供給を受けたグリーンエネルギーの量を測定する測定部と、
前記エネルギー貯蓄装置に対応付けて管理され、当該エネルギー貯蓄装置に貯蓄されたグリーンエネルギーの量を証明するための証明書を取得する証明書取得部と、
前記エネルギー貯蓄装置から供給を受けたグリーンエネルギーの量Xが前記証明書により証明されるグリーンエネルギーの量Yよりも少ない場合に、両者の差分(Y−X)に対応するグリーンエネルギーの量を証明するための証明書を発行する証明書発行部と、
を備え、
前記証明書取得部により取得された証明書は破棄され、前記証明書発行部により発行された証明書は前記エネルギー貯蓄装置に対応付けて管理される、
エネルギー消費装置。
【0160】
(7)
前記証明書取得部は、証明書を管理する管理システムから前記証明書を取得し、
前記エネルギー消費装置は、前記証明書発行部により発行された証明書を前記管理システムに提供する証明書提供部をさらに備える、
上記(6)に記載のエネルギー消費装置。
【0161】
(8)
前記証明書取得部は、前記エネルギー貯蓄装置から前記証明書を取得し、
前記エネルギー消費装置は、前記証明書発行部により発行された証明書を前記エネルギー貯蓄装置に提供する証明書提供部をさらに備える、
上記(6)に記載のエネルギー消費装置。
【0162】
(9)
グリーンエネルギーの供給を受けて動作している場合に利用可能な第1の機能と、エネルギーの種類に依らずに利用可能な第2の機能とを提供する機能提供部をさらに備える、
上記(7)又は(8)に記載のエネルギー消費装置。
【0163】
(10)
グリーンエネルギーの消費量に応じて付加的なサービスを提供するサービス提供システムに対し、前記エネルギー貯蓄装置から供給を受けたグリーンエネルギーの量を通知するグリーンエネルギー量通知部をさらに備え、
前記グリーンエネルギー量通知部は、自装置を識別するための装置情報と、前記グリーンエネルギーの量とを対応付けて前記サービス提供システムに通知する、
上記(7)又は(8)に記載のエネルギー消費装置。
【0164】
(11)
前記サービス提供システムは、ユーザと前記装置情報とを対応付けたユーザ情報を取得し、前記グリーンエネルギー量通知部により通知された装置情報に対応するユーザに対し、前記付加的なサービスを提供する、
上記(10)に記載のエネルギー消費装置。
【0165】
(12)
前記サービス提供システムから各ユーザに関するグリーンエネルギーの利用状況を取得し、取得したグリーンエネルギーの利用状況を示す情報を表示する状況表示部をさらに備える、
上記(11)に記載のエネルギー消費装置。
【0166】
(13)
前記サービス提供システムは、利用したグリーンエネルギーの量が多い順にユーザをランキングし、
前記状況表示部は、前記グリーンエネルギーの利用状況を示す情報として前記ランキングの結果を表示する、
上記(12)に記載のエネルギー消費装置。
【0167】
(14)
エネルギー充填装置が、
エネルギー貯蓄装置にグリーンエネルギーを充填するステップと、
前記エネルギー貯蓄装置により測定されたグリーンエネルギーの充填量を示す測定量情報を当該エネルギー貯蓄装置から取得するステップと、
前記エネルギー貯蓄装置に充填したグリーンエネルギーの充填量と、前記測定量情報に示されたグリーンエネルギーの充填量とが一致した場合に、前記エネルギー貯蓄装置に充填したグリーンエネルギーの量を証明するための証明書を発行するステップと、
を含み、
前記証明書は、前記エネルギー貯蓄装置と対応付けて管理され、当該証明書により証明される量のグリーンエネルギーが前記エネルギー貯蓄装置から出力された場合に破棄される、
グリーンエネルギーの管理方法。
【0168】
(15)
エネルギー貯蓄装置が、
入力されたグリーンエネルギーの量を測定し、当該グリーンエネルギーの量を示す測定量情報を生成するステップと、
前記グリーンエネルギーを入力したエネルギー充填装置に前記測定量情報を提供し、入力されたグリーンエネルギーの量を証明するための証明書の発行を要求するステップと、
前記エネルギー充填装置から前記証明書を取得するステップと、
前記証明書を保持するステップと、
前記証明書により証明される量のグリーンエネルギーを出力した場合に当該証明書を破棄するステップと、
を含む、
グリーンエネルギーの管理方法。
【0169】
(16)
エネルギー消費装置が、
エネルギー貯蓄装置からグリーンエネルギーの供給を受けた場合に、当該エネルギー貯蓄装置から供給を受けたグリーンエネルギーの量を測定するステップと、
前記エネルギー貯蓄装置に対応付けて管理され、当該エネルギー貯蓄装置に貯蓄されたグリーンエネルギーの量を証明するための証明書を取得するステップと、
前記エネルギー貯蓄装置から供給を受けたグリーンエネルギーの量Xが前記証明書により証明されるグリーンエネルギーの量Yよりも少ない場合に、両者の差分(Y−X)に対応するグリーンエネルギーの量を証明するための証明書を発行するステップと、
を含み、
取得された証明書は破棄され、発行された証明書は前記エネルギー貯蓄装置に対応付けて管理される、
グリーンエネルギーの管理方法。
【0170】
(備考)
上記のエネルギー出力部123は、エネルギー充填部の一例である。上記のエネルギー量測定部122、132は、測定量情報取得部の一例である。上記の証明書発行可否判定部125、証明書発行部126は、証明書発行部の一例である。上記の証明書発行部126、通信部127は、証明書提供部の一例である。上記の署名生成部134は、証明書要求部の一例である。上記の証明書保持部135は、証明書取得部の一例である。上記のエネルギー量測定部145は、測定部の一例である。上記の証明書検証部141は、証明書取得部の一例である。上記の証明書発行部148、通信部144は、証明書提供部の一例である。上記のエネルギー消費部143は、機能提供部の一例である。上記の通信デバイスは、グリーンエネルギー量通知部の一例である。上記の表示デバイスは、状況表示部の一例である。
【0171】
以上、添付図面を参照しながら本技術に係る好適な実施形態について説明したが、本技術はここで開示した構成例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本技術の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0172】
11 グリーンエネルギー発生装置
12 エネルギー充填装置
121 エネルギー入力部
122 エネルギー量測定部
123 エネルギー出力部
124 署名検証部
125 証明書発行可否判定部
126 証明書発行部
127 通信部
13 エネルギー貯蓄装置
131 エネルギー入力部
132 エネルギー量測定部
133 エネルギー貯蓄部
134 署名生成部
135 証明書保持部
136 エネルギー出力部
137 証明書破棄部
14 エネルギー消費装置
141 証明書検証部
142 エネルギー入力部
143 エネルギー消費部
144 通信部
145 エネルギー量測定部
146 署名検証部
147 証明書発行可否判定部
148 証明書発行部
15 外部サーバ
151 証明書保持部
152 証明書破棄部
16 利用状況管理システム
17 ユーザ情報管理システム
18 サービス提供システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー貯蓄装置にグリーンエネルギーを充填するエネルギー充填部と、
前記エネルギー貯蓄装置により測定されたグリーンエネルギーの充填量を示す測定量情報を当該エネルギー貯蓄装置から取得する測定量情報取得部と、
前記エネルギー充填部により充填されたグリーンエネルギーの充填量と、前記測定量情報に示されたグリーンエネルギーの充填量とが一致した場合に、前記エネルギー貯蓄装置に充填されたグリーンエネルギーの量を証明するための証明書を発行する証明書発行部と、
を備え、
前記証明書は、前記エネルギー貯蓄装置と対応付けて管理され、当該証明書により証明される量のグリーンエネルギーが前記エネルギー貯蓄装置から出力された場合に破棄される、
エネルギー充填装置。
【請求項2】
証明書を管理する管理システムに対し、前記証明書発行部により生成された証明書を提供する証明書提供部をさらに備え、
前記管理システムは、前記証明書と前記エネルギー貯蓄装置とを対応付けて管理し、当該証明書により証明される量のグリーンエネルギーが前記エネルギー貯蓄装置から出力された場合に当該証明書を破棄する、
請求項1に記載のエネルギー充填装置。
【請求項3】
前記証明書発行部により生成された証明書を前記エネルギー貯蓄装置に提供する証明書提供部をさらに備え、
前記エネルギー貯蓄装置は、前記証明書提供部により提供された証明書を保持し、当該証明書により証明される量のグリーンエネルギーを出力した場合に当該証明書を破棄する、
請求項1に記載のエネルギー充填装置。
【請求項4】
前記測定量情報取得部は、前記測定量情報と共に電子署名を取得し、当該電子署名を用いて前記測定量情報の正当性を確認し、
前記証明書発行部は、前記測定量情報の正当性が確認され、かつ、前記エネルギー充填部により充填されたグリーンエネルギーの充填量と、前記測定量情報に示されたグリーンエネルギーの充填量とが一致した場合に、前記エネルギー貯蓄装置に充填されたグリーンエネルギーの量を証明するための証明書を発行する、
請求項2に記載のエネルギー充填装置。
【請求項5】
エネルギーを入力するためのエネルギー入力部と、
エネルギーを出力するためのエネルギー出力部と、
エネルギーを貯蓄するエネルギー貯蓄部と、
前記エネルギー入力部を介して入力されたグリーンエネルギーの量を測定し、当該グリーンエネルギーの量を示す測定量情報を生成する測定量情報生成部と、
前記グリーンエネルギーを入力したエネルギー充填装置に前記測定量情報を提供し、入力されたグリーンエネルギーの量を証明するための証明書の発行を要求する証明書要求部と、
前記エネルギー充填装置から前記証明書を取得する証明書取得部と、
前記証明書を保持する証明書保持部と、
前記証明書により証明される量のグリーンエネルギーを出力した場合に当該証明書を破棄する証明書破棄部と、
を備える、
エネルギー貯蓄装置。
【請求項6】
エネルギー貯蓄装置からグリーンエネルギーの供給を受けた場合に、当該エネルギー貯蓄装置から供給を受けたグリーンエネルギーの量を測定する測定部と、
前記エネルギー貯蓄装置に対応付けて管理され、当該エネルギー貯蓄装置に貯蓄されたグリーンエネルギーの量を証明するための証明書を取得する証明書取得部と、
前記エネルギー貯蓄装置から供給を受けたグリーンエネルギーの量Xが前記証明書により証明されるグリーンエネルギーの量Yよりも少ない場合に、両者の差分(Y−X)に対応するグリーンエネルギーの量を証明するための証明書を発行する証明書発行部と、
を備え、
前記証明書取得部により取得された証明書は破棄され、前記証明書発行部により発行された証明書は前記エネルギー貯蓄装置に対応付けて管理される、
エネルギー消費装置。
【請求項7】
前記証明書取得部は、証明書を管理する管理システムから前記証明書を取得し、
前記エネルギー消費装置は、前記証明書発行部により発行された証明書を前記管理システムに提供する証明書提供部をさらに備える、
請求項6に記載のエネルギー消費装置。
【請求項8】
前記証明書取得部は、前記エネルギー貯蓄装置から前記証明書を取得し、
前記エネルギー消費装置は、前記証明書発行部により発行された証明書を前記エネルギー貯蓄装置に提供する証明書提供部をさらに備える、
請求項6に記載のエネルギー消費装置。
【請求項9】
グリーンエネルギーの供給を受けて動作している場合に利用可能な第1の機能と、エネルギーの種類に依らずに利用可能な第2の機能とを提供する機能提供部をさらに備える、
請求項7に記載のエネルギー消費装置。
【請求項10】
グリーンエネルギーの消費量に応じて付加的なサービスを提供するサービス提供システムに対し、前記エネルギー貯蓄装置から供給を受けたグリーンエネルギーの量を通知するグリーンエネルギー量通知部をさらに備え、
前記グリーンエネルギー量通知部は、自装置を識別するための装置情報と、前記グリーンエネルギーの量とを対応付けて前記サービス提供システムに通知する、
請求項7に記載のエネルギー消費装置。
【請求項11】
前記サービス提供システムは、ユーザと前記装置情報とを対応付けたユーザ情報を取得し、前記グリーンエネルギー量通知部により通知された装置情報に対応するユーザに対し、前記付加的なサービスを提供する、
請求項10に記載のエネルギー消費装置。
【請求項12】
前記サービス提供システムから各ユーザに関するグリーンエネルギーの利用状況を取得し、取得したグリーンエネルギーの利用状況を示す情報を表示する状況表示部をさらに備える、
請求項11に記載のエネルギー消費装置。
【請求項13】
前記サービス提供システムは、利用したグリーンエネルギーの量が多い順にユーザをランキングし、
前記状況表示部は、前記グリーンエネルギーの利用状況を示す情報として前記ランキングの結果を表示する、
請求項12に記載のエネルギー消費装置。
【請求項14】
エネルギー充填装置が、
エネルギー貯蓄装置にグリーンエネルギーを充填するステップと、
前記エネルギー貯蓄装置により測定されたグリーンエネルギーの充填量を示す測定量情報を当該エネルギー貯蓄装置から取得するステップと、
前記エネルギー貯蓄装置に充填したグリーンエネルギーの充填量と、前記測定量情報に示されたグリーンエネルギーの充填量とが一致した場合に、前記エネルギー貯蓄装置に充填したグリーンエネルギーの量を証明するための証明書を発行するステップと、
を含み、
前記証明書は、前記エネルギー貯蓄装置と対応付けて管理され、当該証明書により証明される量のグリーンエネルギーが前記エネルギー貯蓄装置から出力された場合に破棄される、
グリーンエネルギーの管理方法。
【請求項15】
エネルギー貯蓄装置が、
入力されたグリーンエネルギーの量を測定し、当該グリーンエネルギーの量を示す測定量情報を生成するステップと、
前記グリーンエネルギーを入力したエネルギー充填装置に前記測定量情報を提供し、入力されたグリーンエネルギーの量を証明するための証明書の発行を要求するステップと、
前記エネルギー充填装置から前記証明書を取得するステップと、
前記証明書を保持するステップと、
前記証明書により証明される量のグリーンエネルギーを出力した場合に当該証明書を破棄するステップと、
を含む、
グリーンエネルギーの管理方法。
【請求項16】
エネルギー消費装置が、
エネルギー貯蓄装置からグリーンエネルギーの供給を受けた場合に、当該エネルギー貯蓄装置から供給を受けたグリーンエネルギーの量を測定するステップと、
前記エネルギー貯蓄装置に対応付けて管理され、当該エネルギー貯蓄装置に貯蓄されたグリーンエネルギーの量を証明するための証明書を取得するステップと、
前記エネルギー貯蓄装置から供給を受けたグリーンエネルギーの量Xが前記証明書により証明されるグリーンエネルギーの量Yよりも少ない場合に、両者の差分(Y−X)に対応するグリーンエネルギーの量を証明するための証明書を発行するステップと、
を含み、
取得された証明書は破棄され、発行された証明書は前記エネルギー貯蓄装置に対応付けて管理される、
グリーンエネルギーの管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−212347(P2012−212347A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−78077(P2011−78077)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)