説明

エネルギー効率のよい建物表面

【課題】アスファルトこけらぶき、屋根がわら、および他の外装面上などの外装面に用いる太陽反射率を高めるための反射塗膜、ならびにそのような塗膜の有効寿命を延ばす方法を提供する。
【解決手段】本発明は、基材と、基材の外面の少なくとも一部の上の第一反射塗膜であって、この第一反射塗膜を有するその基材が少なくとも約25%の最小直接太陽反射率値(minimum direct solar reflectance value)を示すような第一反射塗膜と、第一反射塗膜の少なくとも一部の上の第二反射塗膜とを含み、第一反射塗膜と第二反射塗膜の組合せが基材に770〜2500nmの間の波長範囲の実質上すべての点で少なくとも約20%の反射率を与える非白色建物表面を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスファルトこけらぶき、屋根がわら、および他の外装面上などの外装面に用いる太陽反射率を高めるための反射塗膜、ならびにそのような塗膜の有効寿命を延ばす方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー節約の目的で屋根および他の外装面から太陽エネルギーを反射することが一層望ましくなっている。吸収された太陽エネルギーは、建物中の冷却エネルギーコストを増大させる。さらに大都市圏などの人口密度の高い地域では太陽エネルギーの吸収が周囲気温を上昇させる。太陽エネルギーの主要な吸収体は建物の屋根である。周囲気温が周辺の農村部よりも華氏10度以上暖かいことは珍しいことではない。この現象は一般に都市ヒートアイランド効果と呼ばれる。太陽エネルギーを吸収ではなく反射することにより冷却コストを低減させ、それによって建物中のエネルギーコストを低減することができる。さらに太陽エネルギー吸収の低減は、周囲気温の低下に役立つことによって人口密度の高い地域における生活の質を高めることができる。
【0003】
太陽エネルギーの反射は、金属または金属被覆した屋根材を用いることによって達成することができる。しかし、金属のまたは金属被覆した屋根材の熱放射力が低いためにこのような材料はエネルギーの節約における顕著な利得を生まず、またこのような材料は放射熱の流れを制限するのでコストの節減を生まない。
【0004】
太陽エネルギーの反射はまた、白色または淡い色の屋根を使用することによって達成することができる。しかし、このような傾斜のある屋根は美的な理由で市場において十分には受け入れられない。それよりも濃い色の屋根のほうが好まれる。しかし濃い色の屋根はまさしくそれらの性質によって太陽エネルギーをより高度に吸収し、反射はより少ない。
【0005】
平坦でない傾斜のある屋根は、一般には着色したグラニュールをこけら板の外面に接着させた状態で塗装したこけら板を使用する。一般にこのようなこけら板は、グラニュールがアスファルト中に埋め込まれた状態のアスファルト母材から作製される。この屋根用グラニュールは、美的理由およびこけら板の下にある母材の保護の両方のために使用される。このようなグラニュールのまさしくその性質がそのこけら板上にかなりの表面粗さを創り出す。それによって、滑らかな面に配置された同じ塗膜と比較した場合、放射線は吸収の増加につながる多重散乱方式で散乱するので、太陽放射は反射率の低下に直面する。
【0006】
建設材料は取り付けられた場合、たとえそれらが十分に高い太陽エネルギー反射率を有するとしても、様々な環境要因がその性能を低下させがちである。藻類、地衣類、およびコケ類などの微生物相の成長は、多くの地域、特に露出面が湿っていることが多いところでは屋根の一般的な問題である。他の地方では空気で運ばれる煤煙などの物質の付着が太陽エネルギーの反射率の低下の主要な誘因である。これらの問題は、当業界により厄介な外観問題と敬称で呼ばれてきた。
【0007】
より濃い色の建物表面に対する美的要請と、白色または白色に近い表面のより高い太陽エネルギー排除によって得ることができるエネルギー効率との間の葛藤は、より淡い色を支持する折衷案を必要としてきた。より淡い色は、たとえ「エネルギースター(Energy Star)」ラベリングに必要とされるような初期太陽反射率基準を満たすとしてもごみや微生物相が積もるに従って徐々にそれらの反射率を喪失する傾向がある。有効かつ望ましいレベルの太陽反射率を数年間保つということは、一般にその初期反射率が最終目標よりもかなり高くなければならないことを意味し、そしてまたこれはより一層淡い色のむしろ望ましくない初期の色を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
「エネルギースター」ラベリング基準の場合、反射率のこの減退は、暴露老化の必要条件に含めることによって認可されてきた。急勾配の屋根の場合の初期太陽反射率は25%を超えなければならず、かつ3年後依然として15%を超える状態でなければならない。より一層高い反射率を維持することが望ましい。多くの人口を抱える地域および/または藻類の成長にとって好都合な湿った条件を有する地域で3年後に15%の反射率を保持するには、より一層高い初期反射率、場合によっては30%もの高い初期反射率を有する材料を選択することが必要かも知れない。これは、なお一層淡い色を必要とすることを意味する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、基材と、基材の外面の少なくとも一部の上の第一反射塗膜であって、この第一反射塗膜を有するその基材が少なくとも約25%の最小直接太陽反射率値(minimum direct solar reflectance value)を示すような第一反射塗膜と、この第一反射塗膜の少なくとも一部の上の第二反射塗膜とを含み、この第一反射塗膜と第二反射塗膜の組合せが基材に770〜2500nmの間の波長範囲の実質上すべての点で少なくとも約20%の反射率を与える非白色建物表面を提供する。
【0010】
幾つかの実施形態では生物成長阻害剤または自己清浄成分が、これら建物表面反射塗膜の一方または両方に含まれる。他の実施形態ではこの生物成長阻害剤または自己清浄成分が、建物表面に、かつ基材と、基材の外面の少なくとも一部の上の第一反射塗膜であって、この第一反射塗膜を有するその基材が少なくとも約25%の最小直接太陽反射率値を示すような第一反射塗膜と、この第一反射塗膜の少なくとも一部の上の第二反射塗膜とを含み、この第一反射塗膜と第二反射塗膜の組合せが基材に770〜2500nmの間の波長範囲の実質上すべての点で少なくとも約20%の反射率を与える非白色建物表面に隣接して施される。
【0011】
別の態様では本発明は、基材と、基材の外面の少なくとも一部の上の第一反射塗膜であって、この第一反射塗膜を有するその基材が少なくとも約25%の最小直接太陽反射率値を示すような第一反射塗膜と、この第一反射塗膜の少なくとも一部の上の第二反射塗膜とを含み、この第一反射塗膜と第二反射塗膜の組合せが基材に770〜2500nmの間(770および2500nmを含む)の範囲で測定した少なくとも約7,000の加算反射率値を与える非白色建物表面を提供する。
【0012】
幾つかの実施形態では生物成長阻害剤または自己清浄成分が、これら建物表面反射塗膜の一方または両方に含まれる。他の実施形態ではこの生物成長阻害剤または自己清浄成分が、建物表面に、かつ基材と、基材の外面の少なくとも一部の上の第一反射塗膜であって、この第一反射塗膜を有するその基材が少なくとも約25%の最小直接太陽反射率値を示すような第一反射塗膜と、この第一反射塗膜の少なくとも一部の上の第二反射塗膜とを含み、この第一反射塗膜と第二反射塗膜の組合せが基材に770〜2500nmの間(770および2500nmを含む)の範囲で測定した少なくとも約7,000の加算反射率値を与える非白色建物表面に隣接して施される。
【0013】
さらに別の態様では本発明は、無機の非金属基材と、基材の外面の少なくとも一部の上の第一反射塗膜であって、この第一反射塗膜を有するその基材が少なくとも約25%の最小直接太陽反射率値を示すような第一反射塗膜と、この第一反射塗膜の少なくとも一部の上の第二反射塗膜とを含み、この第一反射塗膜と第二反射塗膜の組合せが基材に(i)770〜2500nmの間の波長範囲の実質上すべての点で少なくとも約20%の反射率、および(ii)770〜2500nmの間(770および2500nmを含む)の範囲で測定した少なくとも約7,000の加算反射率値の少なくとも一方を与える非白色建物表面を提供する。
【0014】
上記概要は、それぞれ例示される実施形態または本発明の開示内容のあらゆる具体化について記述するものではない。下記の説明は、本明細書中で開示される原理を用いて幾つかの実施形態をより具体的に記述し例示する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一つの利点は、その太陽エネルギー反射特性を維持しながら、美的特性が向上しかつ/または有効寿命の伸びた建設基材を提供することである。これら建設基材の例には、屋根用のこけら板およびかわらが挙げられる。本発明の他の特徴および利点は、下記の発明を実施するための最良の形態および別添の特許請求の範囲から明らかになるはずである。
【0016】
本発明には、従来の屋根用グラニュールと比べて太陽反射率の向上した屋根ふきに用いられるグラニュールなどの塗装した基材を備えた非白色建物表面が含まれる。反射率の向上は、まず基材のグラニュールに反射性の一次すなわち下地塗膜を与え、次いで非白色顔料を含有する二次塗料でその下地塗膜を覆って二次塗膜を与えることによって得られる。幾つかの実施形態ではその顔料は、太陽スペクトルの近赤外(NIR)(700〜2500nm)部分で高い反射率を有することができる。
【0017】
幾つかの実施形態では基材が無機かつ非金属である。この記述の始めから終りまで屋根用グラニュールについて言及することになるが、この下地塗膜および外部塗膜はガラス、あるいはタイル、例えばクレーまたはコンクリートタイル、あるいは屋根支持体、あるいはコンクリート、あるいは岩石などの他の建物表面に配置することができ、その材料は必ずしもそうである必要はないがグラニュールの形態である。幾つかの実施形態では建物表面の塗膜は、その塗膜中または上に生物成長阻害剤または自己清浄成分を含むことになる。幾つかの実施形態ではこの生物成長阻害剤または自己清浄成分は、建物表面の塗膜自体の成分ではなくて建物表面の塗膜に隣接することになる。さらに他の実施形態では生物成長阻害剤または自己清浄成分は、塗膜中にまた塗装した建物表面に隣接して両方に存在することになる。
【0018】
このような建物表面の作製方法は、2003年10月7日出願の米国特許出願第10/680,693号明細書に記載されている。これらの塗膜は、以前の塗膜と同等の反射率でより濃い色を達成するような配合を可能にする太陽エネルギーのより効率的な反射材であるが、微生物の成長が原因で汚れることによりまた染みがつくことによりそれらの性能は低下しやすい。建物表面に少なくとも1種類の生物成長阻害剤または自己清浄成分を組み込むことにより長期間その初期の反射率を維持することができる。
【0019】
幾つかの実施形態ではこの生物成長阻害剤には金属化合物、具体的にはTiO2、ZnO、WO3、SnO2、CaTiO3、Fe23、MoO3、Nb25、TiXZr(1-x)2、SiC、SrTiO3、CdS、GaP、InP、GaAs、BaTiO3、KNbO3、Ta25、Bi23、NiO、Cu2O、CuO、SiO2、MoS2、InPb、RuO2、CeO2、Ti(OH)4、またはこれらの組合せから選択される金属酸化物などの酸化物が挙げられる。本発明で生物成長阻害剤として有用な他の銅化合物には、臭化銅(II)、ステアリン酸銅(II)、硫酸銅(II)、硫化銅(II)、シアン化銅(I)、チオシアン酸銅(I)、スズ酸銅(I)、タングステン酸銅(II)、ヨウ化銅(I)水銀(II)、およびケイ酸銅(I)、またはこれらの混合物が挙げられる。生物成長阻害剤の用語には、微生物を殺す物質と微生物の成長を著しく遅らせるものの両方が含まれる。他の実施形態ではこの生物成長阻害剤は、国際公開第2002/10244号パンフレットに記載のものなど有機成分を含むことができる。幾つかの実施形態では生物致死剤すなわち生物成長阻害剤をその建物表面の塗膜の一方または両方に取り込むことができる。他の実施形態ではこれを別の塗膜として塗布することができる。幾つかの実施形態ではこれを定期的に補給することもまた交換することもできる。
【0020】
他の実施形態では生物致死剤すなわち生物成長阻害剤は、別の要素として建物表面に存在することができる。例えば、ミネソタ州セントポールの3Mカンパニー(3M Company,St.Paul,MN)から#7000、#7022、#7050、または#7070として入手できる銅を含有する屋根用グラニュールを米国特許出願第10/680,693号明細書の非白色反射性グラニュールと混合して、その非白色反射性グラニュールのみを有する屋根用こけら板に近い初期太陽反射率を有し、だがその反射率が初期反射率の任意に選択された分率よりも大きい状態のままの長寿命を可能にする屋根用こけら板を実現することができる。一般に生物成長阻害剤は、長期間生物の成長抑制を可能にするのに有効な量が用いられる。そのような期間の例には、2から5年、3から7年、4から10年、5から15年、10年を超える期間、15年を超える期間、および20年を超える期間が挙げられる。
【0021】
別法ではこの反射性グラニュールをより濃い初期色を有するように配合変更することができ、汚れまたは微生物による染みが発生する任意の時間間隔の後に反射率の所望の度合いをそのまま維持することになる。
【0022】
幾つかの実施形態ではこの自己清浄成分には光触媒を挙げることができる。光触媒は、活性化するかまたは日光に露光すると酸化部位と還元部位の両方を構築する。これらの部位は、基材上の藻類の成長を防止または阻害するか、あるいは基材上に藻類の成長を阻害する反応性の種を発生することができる。他の実施形態ではこれらの部位は、基材上に生物相の成長を阻害する反応性の種を発生する。当業者によって従来から認められている光触媒粒子が本発明で使用するのに適している。好適な光触媒には、これらに限定されないがTiO2、ZnO、WO3、SnO2、CaTiO3、Fe23、MoO3、Nb25、TiXZr(1-x)2、SiC、SrTiO3、CdS、GaP、InP、GaAs、BaTiO3、KNbO3、Ta25、Bi23、NiO、Cu2O、SiO2、MoS2、InPb、RuO2、CeO2、Ti(OH)4、またはこれらの組合せが挙げられる。幾つかの実施形態ではこの遷移金属酸化物光触媒はナノ結晶アナターゼTiO2である。これら光触媒元素はまた、有機汚染物質と反応してそれらを揮発させるかまたは容易に洗い落とせる物質に転換する反応性の種を発生させることができる。
【0023】
反射性の一次すなわち下塗り塗料と、非白色顔料を含有する二次すなわち外塗り塗料とを塗布した母材鉱物を含む屋根用グラニュールが、単一の塗膜を有する似た視覚色のグラニュールと比較して高い太陽反射率を示すことを発見した。幾つかの実施形態ではその得られる太陽反射率は、対象の波長において少なくとも20%を超す。少なくとも25%の太陽反射率値は、「エネルギースター」という名称のプログラムの下で米国環境保護局(EPA)により発布された現在の急勾配屋根の太陽反射率基準を満たす。太陽反射率および直接太陽反射率という語句を本出願では区別なく使用する。EPAは、幾つかのエネルギー仕様を満たす屋根材製品に対して製造業者が「エネルギースター」の呼称を使用することを認める。
【0024】
幾つかの実施形態では本発明は、従来の着色料と比較して太陽スペクトルのNIR部分で高い反射率を示す着色顔料を使用する。このNIRは、日光の入射エネルギーの約50〜60%を含む。太陽スペクトルのNIR部分における反射率の改良はエネルギー効率の顕著な改善につながり、このような顔料は本発明の幾つかの実施形態で有用である。
【0025】
直接太陽反射率とは、ASTM法G159で規定されている縦座標処理手順を改変したものに従って算出される300から2500nmの波長範囲内の放射線の軸に垂直な面上に受けた入射太陽放射線の反射分率を意味する。要請によりカリフォルニア州バークレーのローレンス・バークレー・ラボラトリー(Lawrence Berkley Laboratory,Berkley,CA)から入手可能な、ASTM法G159からの直接および半球太陽放射強度の気団1.5データを合わせるスプレッドシートを用いて対象地域における5nm間隔の補間放射照度データを算出した。これら5nm間隔のデータを使用し、個々の放射強度を300から2500nmまでの全体の加算放射強度で除すことによって重み係数を作成した。次いでこの重み係数を5nm間隔で採った実験反射率に乗じてそれらの波長における直接太陽反射率を得た。
【0026】
加算反射率値とは、770〜2500nmの間(770および2500nmを含む)の範囲で5nm間隔で測定した飛び飛びの反射率割合の数値の合計を意味する。
【0027】
CIELABは、それらの値における均等色空間をよりよく示すモデルとして1976年にCIEが採用した2つのシステムのうちの二つ目のものである。色の対立は、視神経と脳の間のどこかで網膜の色刺激が明と暗、赤色と緑色、および青色と黄色の間の識別に翻訳されるという発見と相互に関連している。CIELABは3つの軸、すなわちL*、a*、およびb*でこれらの値を示す。その中心垂直軸は明度(L*として示される)を表し、その値は0(黒色)から100(白色)へ延びる。色軸は、色が赤色と緑色の両方、または青色と黄色の両方であることができないという事実に基づいており、その理由はこれらの色は互いに反対であるからである。各軸上で値は正から負へ延びている。a−a′軸上では正の値は赤色の量を示し、一方負の値は緑色の量を示す。b−b′軸上では黄色は正であり、青色は負である。両軸に関してゼロは灰色である。
【0028】
本出願の目的では、式
−(L*)+[((L0*)+(y(a*2+z(b*2)0.5)/x]≦0(L0*=67、x=1.05、y=1.0、z=1.0であり、これらの値L*、a*、およびb*はCIE L***目盛上で規定される)によって定義される倒立円錐体積内に位置する色を有する物品は白色であると言われ、この円錐の外側に位置する色を有する物品は非白色であると言われる。
【0029】
白色に対応する色空間の値は縦のL*軸に近い円錐内に位置し、それらがa*およびb*軸のどちらかまたは両方に沿った小さな変位によって示されるような値は強い着色ではなく、またL0*を超えるL*によって示されるような値は比較的高い明度を有する。L0*は円錐の頂点である。本出願の目的では「濃い色」とは、その濃い色の物品がそれと比較される物品に付随するL*値よりも少なくとも約1単位低い、好ましくは約2単位低いL*値を有することを意味する。
【0030】
屋根用こけら板などの瀝青シート材料を本発明のグラニュールを用いて生産することができる。屋根用こけら板は、一般にフェルト、ガラス繊維などの材料を含む。アスファルトなどの飽和剤すなわち含浸剤の塗布は、そのフェルトまたはガラス繊維の母材全体に浸透させるには不可欠であると考えられる。一般にはこの含浸させた母材上にアスファルタムなどの防水または耐水塗料を塗布し、次いで鉱物質グラニュールの表面仕上剤を塗布し、従来の屋根用こけら板を完成させる。
【0031】
様々な他の層、例えば耐候または耐衝撃性にとって有用な膜や反射膜などを使用することができる。
【0032】
次の実施例は本発明の態様をさらに例示するために提供する。これらの実施例はどのような方法にせよ本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0033】
試験法1
反射率の測定は、PERA−1000積分球付属装置を備えたパーキン・エルマー・ラムダ(Perkin Elmer Lambda)900分光光度計を用いて行った。この球は直径150mm(6インチ)であり、「色および外観の測定に関するASTM規格(ASTM Standards on Color and Appearance Measurement)」3版、ASTM、1991年の中に公表されているASTM法E903、D1003、およびE308に従う。拡散視感反射率(DLR)を250〜2500nmのスペクトル範囲にわたって測定した。UV〜可視の積分を0.44秒に設定した。スリット幅は4nmであった。「トラップ」を使用して正反射率から生ずる複雑化要因を排除した。
【0034】
測定はすべて、試料の前方または標準白色板の前方に清浄な、場合によっては平坦な溶融シリカ(石英)板を置いた状態で行った。直径約50nmで深さ約10nmのカップを、その特徴を調べようとしているグラニュールで満たした。
【0035】
試験法2
***色測定は、試料ホルダーを備えたラブスキャン(Labscan)XE分光光度計(バージニア州レストンのハンター・アソシエーツ・ラボラトリー(Hunter Associates Laboratory,Reston,VA))を用いて、またむらのない水平面を測定用に確実に調製するために綾振ローラーを用いて行った。ホルダーを約5mmの深さまで満たして測定値が確実にそのグラニュールの結果であるようにした。この試料ホルダーおよび試料の調製のより詳細な説明については米国特許第4,582,425号明細書を参照されたい。
【0036】
試験法3
試験すべきグラニュールをふるいにかけて16メッシュを通過した分級物を得、20メッシュ米国規格スクリーンスリーブ上に保持した。この選別したグラニュール15グラム(g)をポリエチレン製のスナップリング付き、受けリング付き、31mm径の開口カップ(ニュージャージー州メタッチェンのスペックス・サーチプレップ(Spex CertiPrep,Metuchen,NJ))中に置くことによって最初の銅含量を求めた。組み立てた試料カップの底面に厚さ0.2ミル(5マイクロメートル)、幅2−7/8インチ(7.3cm)のポリプロピレン製ウィンドフィルム(ニュージャージー州メタッチェンのスペックス・サーチプレップ)を裏張りした。グラニュールを小突かないように、あるいはカップ中で転位させないように注意しながらカップを、60mCi Cm−244励起光源付きの表面解析プローブを備えたXMET880蛍光X線(XRF)計測器(ニュージャージー州ユーイングのメトレックス(Metrex,Ewing,NJ))のプローブ上に置いた。サンプル時間を20秒に設定した。この計測器は既知の銅含量の一連のグラニュールで較正され、データは単位g/メートルトンで記録された。
【0037】
選別したグラニュール50gを、200mLの沸騰5%Al2(SO43を含有する500mLエルレンマイヤーフラスコに入れた。グラニュールを硫酸アルミニウム溶液中で正確に3分間沸騰させた。次いでフラスコを熱板から取り出し、直ちに上澄みをデカントした。グラニュールがフラスコから何も失われないように注意した。各デカンテーションでグラニュールの減損を避けるように注意しながらグラニュールを200mLの脱イオン水で3回洗い流した。オーブン中の乾燥棚上の紙タオルの上にグラニュールを華氏230度(110℃)で12分間置いた。次いでグラニュールをオーブンから取り出し、放置して冷却し、最終の銅含量を試験法3Bに従って再度求めた。抽出前後のXRFの読取値の差を浸出量として記録する。単位はkg/メートルトンである。
【0038】
試験法4
グラニュールの相対光触媒活性を、グラニュール中または上でUV照射された光触媒によりヒドロキシルラジカルが生成される速度の指標を提供する迅速化学分析により求めた。この試験の結果を屋外試験における屋根用グラニュールの光触媒性能と関連づけて示した。
【0039】
試験すべきグラニュール約40gを秤量し、脱イオン水で洗浄し、乾燥し、500mL結晶皿に移した。グラニュールを皿の底に平らに広げた。この皿に4×10-4Mテレフタル酸二ナトリウム水溶液500gを加えた。グラニュール上に載っている水中に沈めた小型ペトリ皿の底に置かれた磁気攪拌棒により攪拌を与えた。この小型ペトリ皿は、誤った活性読取値につながる恐れのある懸濁粒子の原因となる攪拌棒による起こり得るグラニュール塗膜の摩損を防ぐ役目をする。この大型結晶皿を、放射光の強度を増すために2個の特別に設計した安定器(ウィスコンシン州ウッドビルのアクション・ラブス・インコーポレーテッド(Action Labs,Inc.,Woodville,WI))によって電力を供給する4個の等間隔に配置された長さ4フィート(1.2m)のブラックライト電球(シルヴァニア(Sylvania)350BL 40W F40/350BL)からなる一列のUV光下のマグネチックスターラー上に置いた。電球の高さを調節して〜2.3mW/cm2のUV束を与えた。光束は、UVA放射計モデルUVA365を備えたブイ・ダブリュー・アール(ペンシルヴァニア州ウェストチェスター(Westchester,PA))UV光照度計(モデル21800−016)および320〜390nmの広帯域波長を用いて測定した。照射の間、ピペットを用いて約5分間隔で約3mLの溶液を取り出し、使い捨ての4窓のポリメチルメタクリラートまたは石英製キュベットに移した。キュベット中の試料をフルオロマックス‐3(Fluoromax‐3)分光蛍光計(ニュージャージー州エジソンのスペックス・フルオレセンス・グループ、ジョビン・イヴォン・インコーポレーテッド(SPEX Fluorescence Group,Jobin Yvon,Inc.Edison,NJ))中に置いた。λex314nm、λem424nmにおける試料の蛍光強度を試料照射時間に対してプロットした。様々な屋根用グラニュール配合についての蛍光強度対時間のグラフを、比較のために同じ図の中にプロットすることができる。これら曲線の直線部分の勾配(最初の3〜5個のデータポイントの勾配)は、様々なグラニュール配合の相対光触媒活性を表している。
【0040】
グラニュール塗工法
表1〜3に示したスラリー成分を縦型ミキサーで混合した。基材1000重量部を90〜95℃に予熱し、次いで指示量のスラリーと共に縦形または横型ミキサー中で混合した。実施例1は、基材としてグレード#11非塗工屋根用グラニュールを用いた。実施例2〜4は、基材として実施例1の場合と同様に作製したグラニュールを用いた。次いでこのスラリーを塗布したグラニュールを、実施例3については850℃、また残りの実施例については750〜850℃に達するロータリーキルン(天然ガス/酸素の火炎)中で約10分間にわたって焼成した。焼成後、グラニュールを放置して室温まで冷却した。
【0041】
試験法5
フロリダにおけるアスファルトこけら板から培養し下記栄養培地中で維持した緑単細胞藻であるネオクロリス(Neochloris)の培養物を実験室藻類対抗試験に用いて、模擬こけら板基材上に接種した藻の生存率を求めた。藻類対抗試験は、24℃±2℃に保った環境室(日周インキュベーターモデル#RI−50−555−ABA、ノースカロライナ州アッシュヴィルのレヴコ(REVCO,Asheville,NC))中で行った。光周期を昼間16時間および夜間8時間に調整した。10gの溶融アスファルトに埋め込んだ屋根用グラニュール約2gを含有する小型ペトリ皿を調製した。この埋込みグラニュールを脱イオン水で3回洗浄し乾燥してから藻の試験を開始した。各グラニュールタイプを2組調製した。
【0042】
【表1】

【0043】
3週を経たネオクロリス藻の藻懸濁液を50mL滅菌遠心分離管中に溜め、200から300gで15分間遠心分離して細胞をペレットにした。この細胞をMnCl2なしに調製した栄養培地中に懸濁させ、再度遠心分離した。この細胞をMnCl2なしに調製した栄養培地30mL中に再懸濁させ、次いでグラニュール皿に接種するのに用いた。この希釈したわずかに薄緑色の洗浄した藻細胞の懸濁液2mLを各皿に加え、これらの皿をUVを透過するジプロック式のプラスチック袋に入れた。表に記載したように皿の一方の組をUVランプ下に置き、もう一方の組を白色蛍光ランプ下に置いた。試験方法4で述べたUV照度計を用いて光度を測定した。また、オレゴン州ビーバートンのユニバーサル・エンタープライジズ・インコーポレーテッド(Universal Enterprises,Inc.,Beaverton,OR)から得た照度計モデルDLM2を用いて可視光度を測定した。
【0044】
【表2】

【0045】
水位を毎日確認し、必要ならば補給した。7日目に皿を確認してその藻の緑が目に見えるように対照が十分な成長を示したかどうか調べた。十分な成長が見られる場合、試験を終了し、主観的ランク付けを用いて有効性を判断した。グラニュール上に目に見える緑がなかった皿では立体顕微鏡を用いてグラニュール上またはアスファルト上に少しでも藻が成長していたかどうか判断した。対照中の成長が少なかった場合、MnCl2なしに調製した栄養培地1mLを各皿に加え、細胞をさらに4日間成長させてから有効性の評価を行った。
【0046】
材料
実施例では次の材料を用いた。すなわち
ペンシルヴァニア州ヴァリーフォージのピー・キュー・コーポレーション(PQ Corp.,Valley Forge,PA)から入手できるケイ酸ナトリウム溶液(固形物39.4%、SiO2対Na2O比2.75)
カオリンクレー(コネチカット州ニューカナンのユニミン・コーポレーション(Unimin Corp.,New Canaan,CT)からスノブライト(Snobrite)(登録商標)として入手できる)
ドーバークレー(カオリンクレーの一種)(メリーランド州コロンバスのダブリュー・アール・グレース・カンパニー(W.R.Grace Company,Columbus,MD)から入手できる)
ホウ砂(ホウ酸ナトリウム、5Mol、典型的な組成はNa2Oが21.7%、B23が48.8%、H2Oが29.5%)、カリフォルニア州ボロンのユー・エス・ボラックス(U.S.Borax,Boron,CA)から入手できる
二酸化チタン(トロノックス(Tronox)(登録商標)CR−800、典型的な組成はアルミナ処理Ti2Oが95%)、ミシシッピー州ハミルトンのカーマギー・コーポレーション(Kerr−McGee Corp.,Hamilton,MS)から入手できる
顔料(10411鮮黄色、10241深緑色、V−3810赤色、V−9250明るい青色)、オハイオ州クリーブランドのフェロ・コーポレーション(Ferro Corp.,Cleaveland,OH)から入手できる
下記範囲(ASTM D451に準拠して)で指定されるグレード#11非塗工屋根用グラニュール(ミネソタ州セントポールのスリー・エム・カンパニー(3M Company,St.Paul,MN)から入手できる)、すなわち
オイルフリー白色屋根用グラニュールWA9300(ミネソタ州セントポールのスリー・エム・カンパニーから入手できる)
クロノス(Kronos)1000二酸化チタン(マサチューセッツ州チェルムズフォードのクロノス・インコーポレーテッドから入手できる)
FC−129(フルオロケミカル界面活性剤)、ミネソタ州セントポールのスリー・エム・カンパニーから入手できる
LR7070銅放出屋根用グラニュール(スリー・エム・カンパニーから入手できる)
【0047】
実施例1〜3
このグラニュール塗工法および表1に列挙した塗料成分を用いてグラニュールを調製した。量は別段の注記がない限りグラム単位である。
【0048】
【表3】

【0049】
これら実施例のグラニュールの幾つかは、表2に列挙した塗料成分を用いたこのグラニュール塗工法による第二塗膜を備えている。量は別段の注記がない限りグラム単位である。
【0050】
【表4】

【0051】
これら実施例の選ばれたグラニュールは、表3に列挙した塗料成分を用いたこのグラニュール塗工法による第三塗膜を備えている。量は別段の注記がない限りグラム単位である。
【0052】
【表5】

【0053】
実施例4
実施例4は、実施例1のグラニュール90重量%と、スリー・エム・カンパニーからLR707として入手できる銅放出グラニュール10重量%とのブレンドである。
【0054】
対照は、スリー・エム・カンパニーから入手できるオイルフリーWA9300屋根用グラニュール90重量%と、スリー・エム・カンパニーからLR707として入手できる銅放出グラニュール10重量%とのブレンドである。このグラニュールブレンドは、WA9300単独と共に藻類成長阻害試験(方法5)に対して既知の性能を与えた。このブレンドグラニュールが藻の成長を阻害するのに効果があることは分かっていたが、WA9300単独の場合は藻を成長させると予想された。
【0055】
試験法1〜5による試験の結果を表4にまとめる。
【0056】
【表6】

【0057】
実施例5〜7
実施例2〜4のグラニュールをそれぞれ用いてこけら板を調製した。
【0058】
華氏375度(190℃)に加熱した溶融アスファルト(ミネソタ州ミネアポリスのトランブル・アスファルト・サプライ(Trumbul Asphalt Supply,Minneapolis,MN))を、移動するアスファルト含浸ガラス繊維マット(ミネソタ州ミネアポリスのエイ・エイチ・ベネット・コーポレーション(A.H.Bennett Co.,Minneapolis,MN))のウェブへ重力供給方式により塗布した。このアスファルトの厚さは、ドクターバーで厚さ約2mmに調節した。冷却後のマットを0.0058m2の片に切断し、華氏176度(80℃)のオーブン中においてアスファルトが軟化し流動し始めるまで3分間加熱した。グラニュール(実施例2〜5で得た)を直ちにこの加熱したマットに塗布した。蓋に等間隔の穴(直径3mm)をあけたガラス瓶に約100gのグラニュールを入れた。このガラス瓶を加熱したアスファルトの9インチ(22.8cm)上方に保持し、瓶の水平を保ちながらグラニュールをアスファルトの表面に落とした。250mLエルレンマイヤーフラスコの底を使用することにより、またアスファルト面全体にわたって一様な圧力往復運動を施すことによりグラニュールをアスファルト中に埋め込んだ。過剰なグラニュールを回収し、同様のやり方で再塗布した。このグラニュール含浸アスファルトパネルを放置して冷却してから評価した。結果を表5にまとめる。
【0059】
【表7】

【0060】
本明細書中に引用したすべての特許、特許出願、および刊行物は、それぞれ個々に組み込まれたのと同様に参照により組み込まれる。予見しうる本発明の修正形態および変更形態が、本発明の範囲および精神から逸脱することなく当業者には明らかなはずである。本発明は、例示の目的で本出願中に述べられている実施形態に限定されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
前記基材の外面の少なくとも一部の上の第一反射層であって、反射層および基材の組合せが少なくとも約25%の最小直接太陽反射率値(minimum direct solar reflectance value)を示す第一反射層と、
前記第一反射層の少なくとも一部の上の第二反射層であって、前記第一反射層および前記第二反射層の組合せが前記基材に770〜2500nmの間の波長範囲の実質上すべての点で少なくとも約20%の反射率を与える第二反射層と、
生物成長阻害剤、自己清浄成分、またはこれらの組合せから選択される保存剤と、
を備える非白色建物表面。
【請求項2】
第三層をさらに備え、前記第三層が前記基材と前記第一層の間、前記第一と第二層の間、または前記第二層上に存在する、請求項1に記載の表面。
【請求項3】
前記保存剤が前記第一層の一部である、請求項1に記載の表面。
【請求項4】
前記保存剤が前記第二層の一部である、請求項1に記載の表面。
【請求項5】
前記保存剤が前記第三層の一部である、請求項1に記載の表面。
【請求項6】
前記保存剤が、前記第一層、前記第二層、および前記第三層のうちの2層以上の一部である、請求項1に記載の表面。
【請求項7】
前記保存剤が、前記第一層、前記第二層、および前記第三層の一部である、請求項1に記載の表面。
【請求項8】
前記複数反射層がそれぞれの域内に存在し、かつ前記保存剤がそれら反射層域に隣接する前記基材のそれぞれの域内に存在する、請求項1に記載の表面。
【請求項9】
前記保存剤が、前記第一または第二塗膜によって被覆されない前記基材のそれぞれの域内に存在する、請求項8に記載の表面。
【請求項10】
前記基材が無機の非金属基材である、請求項1に記載の表面。
【請求項11】
前記基材が、クレー、コンクリート、岩石、およびこれらの組合せから選択される、請求項1に記載の表面。
【請求項12】
前記基材が無機グラニュールを含む、請求項1に記載の表面。
【請求項13】
前記基材が、複数反射層を有する無機グラニュールの部分と、保存剤を有する無機グラニュールの部分とを備える、請求項12に記載の表面。
【請求項14】
前記基材が屋根用こけら板の少なくとも一部を含む、請求項1に記載の表面。
【請求項15】
基材と、
前記基材の外面の少なくとも一部の上の第一反射層であって、前記反射層を有する前記基材が少なくとも約25%の最小直接太陽反射率値を示す第一反射層と、
前記第一反射層の少なくとも一部の上の第二反射層であって、前記第一反射層および前記第二反射層の組合せが前記基材に770〜2500nmの間(770および2500nmを含む)の範囲で測定される少なくとも約7,000の加算反射率値を与える第二反射層と、
生物成長阻害剤、自己清浄成分、またはこれらの組合せから選択される保存剤と、
を備える非白色建物表面。
【請求項16】
第三層をさらに備え、前記第三層が前記基材と前記第一層の間、前記第一と第二層の間、または前記第二層上に存在する、請求項15に記載の表面。
【請求項17】
前記保存剤が前記第一層の一部である、請求項15に記載の表面。
【請求項18】
前記保存剤が前記第二層の一部である、請求項15に記載の表面。
【請求項19】
前記保存剤が前記第三層の一部である、請求項15に記載の表面。
【請求項20】
前記保存剤が、前記第一層、前記第二層、および前記第三層のうちの2層以上の一部である、請求項15に記載の表面。
【請求項21】
前記保存剤が、前記第一層、前記第二層、および前記第三層の一部である、請求項15に記載の表面。
【請求項22】
前記複数反射層がそれぞれの域内に存在し、かつ前記保存剤がそれら反射層域に隣接する前記基材のそれぞれの域内に存在する、請求項15に記載の表面。
【請求項23】
前記保存剤が、前記第一または第二塗膜によって被覆されない前記基材のそれぞれの域内に存在する、請求項22に記載の表面。
【請求項24】
前記基材が無機の非金属基材である、請求項15記載の表面。
【請求項25】
前記基材が、クレー、コンクリート、岩石、およびこれらの組合せから選択される、請求項15に記載の表面。
【請求項26】
前記基材が無機グラニュールを含む、請求項15に記載の表面。
【請求項27】
前記基材が、複数反射層を有する無機グラニュールの部分と、保存剤を有する無機グラニュールの部分とを備える、請求項26に記載の表面。
【請求項28】
前記基材が屋根用こけら板の少なくとも一部を含む、請求項15に記載の表面。
【請求項29】
基材の外面の少なくとも一部に第一塗料を供給するステップと、
前記第一塗料を硬化して基材上に第一反射層を形成するステップであって、前記第一反射層が少なくとも約25%の最小直接太陽反射率値を示す、ステップと、
前記塗装基材上の少なくとも一部を覆って第二塗料を施すステップと、
前記第二塗料を硬化して第二反射層を形成するステップであって、前記第一反射層と前記第二反射層の組合せが、
(i)770〜2500nmの間の波長範囲の実質上すべての点で少なくとも約20%の反射率、および
(ii)770〜2500nmの間(770および2500nmを含む)の範囲で測定される少なくとも約7,000の加算反射率値
の少なくとも一方をもたらす、ステップと、
前記基材上に保存剤を供給するステップであって、前記保存剤が生物成長阻害剤、自己清浄成分、またはこれらの組合せから選択される、ステップと
を含む、非白色建物表面を作成する方法。
【請求項30】
第三層をさらに備え、前記第三層が前記基材と前記第一層の間、前記第一と第二層の間、または前記第二層上に存在する、請求項29に記載の表面。
【請求項31】
前記保存剤が前記第一層の一部である、請求項29に記載の表面。
【請求項32】
前記保存剤が前記第二層の一部である、請求項29に記載の表面。
【請求項33】
前記保存剤が前記第三層の一部である、請求項29に記載の表面。
【請求項34】
前記保存剤が、前記第一層、前記第二層、および前記第三層のうちの2層以上の一部である、請求項29に記載の表面。
【請求項35】
前記保存剤が、前記第一層、前記第二層、および前記第三層の一部である、請求項29に記載の表面。
【請求項36】
前記複数反射層がそれぞれの域内に存在し、かつ前記保存剤がそれら反射層域に隣接する前記基材のそれぞれの域内に存在する、請求項29に記載の表面。
【請求項37】
前記保存剤が、前記第一または第二塗膜によって被覆されない前記基材のそれぞれの域内に存在する、請求項36に記載の表面。
【請求項38】
前記基材が無機の非金属基材である、請求項29に記載の表面。
【請求項39】
前記基材が、クレー、コンクリート、岩石、およびこれらの組合せから選択される、請求項29に記載の表面。
【請求項40】
前記基材が無機グラニュールを含む、請求項29に記載の表面。
【請求項41】
前記基材が、複数反射層を有する無機グラニュールの部分と、保存剤を有する無機グラニュールの部分とを備える、請求項40に記載の表面。
【請求項42】
前記基材が屋根用こけら板の少なくとも一部を含む、請求項29に記載の表面。
【請求項43】
こけら板基材と、
前記こけら板基材の外面の少なくとも一部の上の第一反射層であって、反射層および基材の組合せが少なくとも約25%の最小直接太陽反射率値を示す第一反射層と、
前記第一反射層の少なくとも一部の上の第二反射層であって、前記第一反射層および前記第二反射層の組合せが前記こけら板基材に770〜2500nmの間の波長範囲の実質上すべての点で少なくとも約20%の反射率を与える第二反射層と、
生物成長阻害剤、自己清浄成分、またはこれらの組合せから選択される保存剤と、
を備える非白色こけら板。
【請求項44】
こけら板基材と、
前記こけら板基材の外面の少なくとも一部の上の第一反射層であって、前記反射層を有する前記基材が少なくとも約25%の最小直接太陽反射率値を示す第一反射層と、
前記第一反射層の少なくとも一部の上の第二反射層であって、前記第一反射層および前記第二反射層の組合せが前記こけら板基材に770〜2500nmの間(770および2500nmを含む)の範囲で測定される少なくとも約7,000の加算反射率値を与える第二反射層と、
生物成長阻害剤、自己清浄成分、またはこれらの組合せから選択される保存剤と、
を備える非白色こけら板表面。

【公開番号】特開2012−17651(P2012−17651A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−198330(P2011−198330)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【分割の表示】特願2006−547094(P2006−547094)の分割
【原出願日】平成16年12月13日(2004.12.13)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)