説明

エネルギー回収装置

【課題】クッション作用に優れたエネルギー回収装置を提供する。
【解決手段】シリンダー20内で端部に設けた内径縮小部24側に筒状部材28を軸方向に所定範囲で移動自在とし、コイルバネ32で筒状部材28を内径縮小部24から離れてピストン30側に向けて弾性付勢する。筒状部材28に内径縮小部24側に向けて同軸芯上に先端の径が小さいるテーパ部34を突設し、このテーパ部34の先端部を内径縮小部24内に挿入し得るようにする。筒状部材28がピストン30に押されて内径縮小部24に近づくと、テーパ部34と内径縮小部24の間dが小さくなり、流路面積を縮小させる絞り流路が形成される。筒状部材28と内径縮小部24の対向する両端面の間に形成された封水室36内の流体が、絞り流路を経て連通孔26側に流出する。流路抵抗の増大によりピストン30にブレーキが掛かりクッションとして作用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海水の淡水化等の逆浸透法による水処理システムに用いられるエネルギー回収装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
海水から淡水を造水する方法の1つとして逆浸透膜モジュールを用いた逆浸透法による水処理システムがある。これは、海水に海水の浸透圧(約2.5MPa)以上の高い圧力を浸透圧の作用する方向と逆方向に加えて、半透膜(逆浸透膜)で濾過し、海水から塩類を除いた淡水を分離させるものである。淡水が分離されて塩類が濃縮された海水は高い圧力エネルギーを保持したまま逆浸透膜モジュールから流出する。そこで、この高い圧力エネルギーを有効に活用すべく、種種のエネルギー回収装置が実用化されている。
【0003】
エネルギー回収装置の一例として、特開2009−297671号公報(特許文献1)に従来技術として示されたものがある。この特許文献1に従来技術として記載されたものは、シリンダーの両端部に連通口をそれぞれに設け、このシリンダー内に軸方向に往復動自在にピストンを設けてシリンダー内が2分されている。そして、一方の連通口から2分されたシリンダー内の一方に塩類が濃縮されていない低圧の海水を流入させてピストンを他方の連通口側に移動させた状態で、他方の連通口から塩類が濃縮された高い圧力の海水をシリンダーの2分されたシリンダー内の他方に流入させる。すると、この高い圧力にり、ピストンが一方の連通口側に移動され、シリンダー内の一方の塩類の濃縮されていない低い圧力の海水に圧力が加えらる。この圧力が加えられた海水に、さらに圧力を加えて逆浸透膜モジュールに流入させる。逆浸透膜モジュールから流出する海水の高い圧力エネルギーによって、逆浸透膜モジュールに流入させる塩類が濃縮されていない海水の圧力を高めることで、エネルギーの回収がなされている。
【特許文献1】特開2009−297671号公報
【0004】
上述のエネルギー回収装置にあっては、他方の連通口から塩類が濃縮された高い圧力の海水をシリンダーの2分されたシリンダー内の他方に流入させた際に、ピストンが一方の連通口側に急速に移動され、ピストンがシリンダーの一方の連通口側の壁に激突する虞があり、大きな衝撃音が発生したり、ウオーターハンマー(水撃作用)によりエネルギー回収装置に衝撃が加わり、機器が損傷したりする問題がある。そこで、ピストンがシリンダーの連通口側の壁に激突しないようにブレーキ作用を奏するクッション技術が提案されている。図10は、従来のエネルギー回収装置のクッション技術を示す縦断面図であり、(a)はシリンダーの端部にピストンが近づく状態の図であり、(b)は突起部の先端が連通口に挿入されようとする状態の図であり、(c)は、突起部が連通口に挿入された状態の図である。図10において、シリンダー10の一端部に同軸芯上に連通口12が設けられている。このシリンダー10内を軸方向に往復動自在なピストン14の連通口12側の面に同軸芯上で連通口12内に挿入し得る突起部16が突設され、この突起部16の先端が先が細いテーパ状突部18に形成される。かかる構成において、図10(a)のごとく、ピストン14が連通口12に近づき、さらに図10(b)のごとく、突起部16のテーパ状突部18の先端が連通口12に挿入されると、連通口12とテーパ状突部18の間の隙間が小さくなって開口面積が狭くなり、ピストン14とシリンダー10の端面の間にある流体がこの狭められた開口面積を経て連通口12側に流出しようとする。その流路抵抗によりピストン14の動きに対してブレーキ作用が生ずる。連通口12に突起部16が挿入されるほどそのブレーキ作用が増大し、図10(c)のごとくピストン14がシリンダー10の端面に当接して突起部16が連通口12に完全に挿入された際には、ピストン14の動作も大幅に減速されて激しい衝突が防止され得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図10に示すエネルギー回収装置のクッション装置にあっては、ピストン14の突起部16がシリンダー10の同軸芯上を移動するならば、何ら不具合は生じない。しかるに、シリンダー10内をピストン14が高速で移動を繰り返し、シリンダー10の内周に摺接するピストン14の外周が摩耗し、突起部16が同軸芯上からのずれを生ずる。また、ピストン14の外周の摩耗により、シリンダー10とピストン14の間に隙間が生じ、シリンダー10内でピストン14の姿勢が傾き、このピストン14の傾きにより突起部16が連通口12の位置と合致しなくなる。この結果、突起部16が連通口12にうまく挿入されず、クッション作用を充分に発揮することができず、ピストン14の突起部16がシリンダー10の端部の壁に激突する虞がある。
【0006】
本発明は、上述のごとき従来のエネルギー回収装置の問題点に鑑みてなされたもので、シリンダーの端部でピストンにクッション作用が確実に作用し、しかも耐久性に優れたエネルギー回収装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上述のごとき問題点を解決するためになされたもので、本発明のエネルギー回収装置は、シリンダーの両端部に連通口をそれぞれに設け、前記シリンダー内に軸方向に往復動自在にピストンを設けて前記シリンダー内を2分し、一方の連通口から前記シリンダー内に流入する流体の圧力によって前記ピストンを他方の連通口側に移動させて前記シリンダー内の前記他方の連通口側の流体に圧力を伝達させるエネルギー回収装置において、前記他方の連通口側の前記シリンダーの端部に同軸芯上に前記シリンダーの内径より小さい内径の内径縮小部を設け、この内径縮小部を介して前記シリンダー内と前記他方の連通口を連通し、前記シリンダー内で前記内径縮小部側に前記シリンダーの内壁に外周を摺接させて筒状部材を前記軸方向に所定範囲で移動自在とし、しかも弾性部材で前記筒状部材を前記内径縮小部から離して前記ピストン側に向かう方向に弾性付勢し、前記筒状部材が前記ピストンに押されて前記内径縮小部に近づくのに伴い前記筒状部材と前記内径縮小部の対向する両端面の間に形成された封水室内の流体が前記他方の連通孔側に流出する流路面積を縮小させる絞り流路を前記内径縮小部と前記筒状部材の間に形成し、前記封水室内の流体が前記絞り流路を経て前記他方の連通口に流入するように構成されている。
【0008】
そして、請求項1記載のエネルギー回収装置の構成に加えて、前記一方の連通口側の前記シリンダーの端部にも同軸芯上に前記シリンダーの内径より小さい内径の内径縮小部を設け、この内径縮小部を介して前記シリンダー内と前記一方の連通口を連通し、前記シリンダー内で前記内径縮小部側に前記シリンダーの内壁に外周を摺接させて筒状部材を前記軸方向に所定範囲で移動自在とし、しかも弾性部材で前記筒状部材を前記内径縮小部から離して前記ピストン側に向かう方向に弾性付勢し、前記筒状部材が前記ピストンに押されて前記内径縮小部に近づくのに伴い前記筒状部材と前記内径縮小部の対向する両端面の間に形成された封水室内の流体が前記一方の連通孔側に流出する流路面積を縮小させる絞り流路を前記内径縮小部と前記筒状部材の間に形成し、前記封水室内の流体が前記絞り流路を経て前記一方の連通口に流入するように構成しても良い。
【0009】
さらに、前記筒状部材に前記内径縮小部側に向けて同軸芯上に先端の径が小さくなるテーパ部を突設するとともにこのテーパ部の先端部を前記内径縮小部の内径内に挿入し得るようにし、前記筒状部材が前記ピストンに押されて前記内径縮小部に近づくのに伴い前記テーパ部が前記内径縮小部に挿入されて流路面積を縮小させる前記絞り流路を形成するように構成することができる。
【0010】
また、前記内径縮小部側に前記筒状部材に向けて同軸芯上に筒状突起を設け、前記筒状部材に前記内径縮小部側に向けて径が拡大するテーパ状凹部設け、前記筒状部材が前記ピストンに押されて前記内径縮小部に近づくのに伴い前記筒状突起の先端部が前記テーパ状凹部に挿入されて流路面積を縮小させる前記絞り流路を形成するように構成することもできる。
【0011】
また、前記筒状部材に前記内径縮小部側に向けて同軸芯上に前記内径縮小部の内径内に挿入できて嵌合する外径の筒部材を突設し、この筒部材の先端縁に前記内径縮小部側に向けて開口するU字状またはV字状の切り欠きを設け、前記筒状部材が前記ピストンに押されて前記内径縮小部に近づくのに伴い前記U字状またはV字状の切り欠きが前記内径縮小部に挿入されて開口面積が変化することにより流路面積を縮小させる前記絞り流路を形成するように構成することもできる。
【0012】
また、前記筒状部材に前記内径縮小部側に向けて同軸芯上に筒部材を設け、前記内径縮小部に前記筒状部材側に向けて径が拡大するテーパ面を設け、前記筒状部材が前記ピストンに押されて前記内径縮小部に近づくのに伴い前記筒部材の先端部が前記テーパ面内に挿入されて流路面積を縮小させる前記絞り流路を形成するように構成することもできる。
【0013】
そして、前記シリンダーの端部で、前記内径縮小部の前記ピストン側に前記シリンダーの内径よりも内径の大きな内径拡大部を設け、この内径拡大部の範囲で前記筒状部材が前記軸方向に移動自在となるように構成することも可能である。
【0014】
さらに、前記シリンダーと前記内径拡大部を、別部材で形成して組み付け分離可能に構成することも可能である。
【0015】
さらにまた、前記内径拡大部と前記内径縮小部を、別部材で形成して組み付け分離可能に構成することも可能である。
【0016】
また、前記ピストンを、前記一方の連通口から前記シリンダー内に流入する高い圧力の流体の比重とほぼ同じ比重となるように構成しても良い。
【0017】
そしてまた、前記ピストンを、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂のいずれか1つのまたは複数を組み合わせた材料で形成して構成することも可能である。
【発明の効果】
【0018】
請求項1記載のエネルギー回収装置にあっては、シリンダーの端部に、ピストンとは別にシリンダーの内壁に外周を摺接させて筒状部材を軸方向に所定範囲で移動自在とし、シリンダーの端部の内径縮小部と筒状部材の間に絞り流路を形成し、筒状部材がピストンに押されて内径縮小部に近づくのに伴い絞り流路の流路面積が縮小して、筒状部材と内径縮小部の対向する両端面の間に形成された封水室内の流体が絞り流路を経て連通口側に流入するようにしたので、高い圧力の流体によりピストンがシリンダーの端部に近づくと、ピストンに押された筒状部材の移動により絞り流路の流路面積が小さくなって封水室の流体が連通口に流入しにくくなり、それだけピストンの動きにブレーキが作用する。ここで、ピストンは、シリンダー内を高速で移動するが、筒状部材の移動距離は僅かであり、摺動による摩耗が生じない。もって、耐久性に優れたものが得られる。しかも、ピストンと筒状部材は別体であるので、ピストンと筒状部材をそれぞれに最適な材料で形成することができる。高い圧力の流体によるピストンの移動で、低い圧力の流体に圧力を伝達できることは勿論である。
【0019】
請求項2記載のエネルギー回収装置にあっては、シリンダーの両端部にクッション装置が設けられることとなり、高圧の流体をシリンダー内に流入させて低圧の流体に圧力を伝達する際のピストンの動きにシリンダーの端部でブレーキ作用を生じさせてクッションとして作用させ、また低圧の流体をシリンダー内に流入させる際にもピストンの動きにシリンダーの端部でブレーキ作用を生じさせてクッションとして作用させ得る。もって、シリンダー内を往復動するピストンの動きにより衝撃を生ずるようなことがない。
【0020】
請求項3ないし6記載のエネルギー回収装置のいずれにあっても、いずれもピストンに押されて筒状部材が内径縮小部側に移動すると流路面積を縮小させる絞り流路を形成しているので、ピストンの動きにシリンダーの端部でブレーキ作用を生じさせてクッションとして作用させ得る。
【0021】
請求項7記載のエネルギー回収装置にあっては、シリンダーの端部で、内径縮小部のピストン側にシリンダーの内径よりも内径の大きな内径拡大部を設け、この内径拡大部の範囲で筒状部材が軸方向に移動自在となるようにしたので、内径拡大部とシリンダーの段差で、筒状部材が移動できる範囲を簡単に構成することができる。
【0022】
請求項8記載のエネルギー回収装置にあっては、シリンダーと内径拡大部を、別部材で形成して組み付け分離可能にしたので、シリンダーと内径拡大部の製造が容易である。
【0023】
請求項9記載のエネルギー回収装置にあっては、内径拡大部と内径縮小部を、別部材で形成して組み付け分離可能にしたので、内径拡大部と内径縮小部の製造が容易である。
【0024】
請求項10記載のエネルギー回収装置にあっては、ピストンを、シリンダー内に流入する高い圧力の流体の比重とほぼ同じ比重となるようにしたので、ピストンが高い圧力の流体に漂う状態となり、ピストンに大きな重力が作用せず、ピストンの外周がシリンダーの内周に摺接する力を小さくできて、ピストンの摩耗が軽減される。
【0025】
請求項11記載のエネルギー回収装置にあっては、ピストンを、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂のいずれか1つのまたは複数を組み合わせた材料で形成してしたので、ピストンの比重をシリンダー内に流入する高い圧力の流体の比重とほぼ同じとすることが容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明のエネルギー回収装置の第1実施例を図1および図2を参照して説明する。図1は、本発明のエネルギー回収装置の第1実施例の縦断面図である。図2は、第1実施例のエネルギー回収装置のクッション装置の要部の縦断面図であり、(a)はシリンダーの端部にピストンが近づいている状態の図であり、(b)はピストンが筒状部材に当接した状態の図であり、(c)は筒状部材がピストンに押されて内径縮小部に近づいた状態の図であり、(d)は筒状部材に突設されたテーパ部が内径縮小部に挿入された状態の図である。
【0027】
第1実施例において、シリンダー20内にピストン30が往復動自在に配設され、シリンダー20内を2分している。そして、シリンダー20の両端部に、シリンダー20の内径よりも内径の大きな内径拡大部22a、22bが同軸芯上に適宜なフランジによりそれぞれ接続固定される。この内径拡大部22a、22bのシリンダー20と反対側には、内径の小さい内径縮小部24a、24bが同軸芯上にそれぞれ形成され、さらに内径が縮小されて連通口26a、26bにそれぞれ連通される。内径拡大部22a、22b内には、内径拡大部22a、22bの内周に外周が摺接するようにして軸方向に移動自在に筒状部材28a、28bがそれぞれに配設される。さらに、この筒状部材28a、28bには、内径縮小部24a、24b側に向けて同軸芯上で先端の径が小さくなる円錐面からなるテーパ部34a、34bが形成される。このテーパ部34a、34bは、内径縮小部24a、24b内に挿入し得る。そして、内径縮小部24a、24b側と筒状部材28a、28bの間に弾性部材としてのコイルバネ32a、32bが縮設されていて、筒状部材28a、28bを内径縮小部24a、24bから離す方向、すなわちピストン30側に向かう方向に弾性付勢している。内径拡大部22a、22bとシリンダー20との段差により、筒状部材28a、28bが所定範囲で移動が規制される。
【0028】
かかる構成において、一方の連通口26aは配圧弁(図示せず)に連通していて、配圧弁の切り替えにより、逆浸透膜モジュールから流出した塩類が濃縮された高圧の海水がシリンダー20内に流入し、また配圧弁の切り替えにより低圧となった塩類が濃縮された海水が排出される。他方の連通口26bには、逆止弁(図示せず)を介して、取水ポンプ(図示せず)により塩類の濃縮されていない低圧の海水が流入し、また高圧の塩類濃縮海水のエネルギーが伝達された塩類の濃縮されていない高圧の海水が流出する。以下この動作につきより詳細に説明する。
【0029】
まず、シリンダー20内のピストン30で2分された他方の連通口26b側に、取水ポンプにより塩類の濃縮されていない低圧の海水が流入され、ピストン30は一方の連通口26a側にある。そして、配圧弁の切り替えにより一方の連通口26aから逆浸透膜モジュールから流出した塩類が濃縮された高圧の海水がシリンダー20内に流入されると、ピストン30が他方の連通口26b側に急速に移動し、他方の連通口26b側の塩類の濃縮されていない海水に圧力が加わり、塩類の濃縮されていない海水に塩類が濃縮された高圧の海水のエネルギーが伝達され、エネルギーが回収される。そして、高圧とされた塩類の濃縮されていない海水が、逆止弁を介して流出し、さらに増圧ポンプ(図示せず)で圧力が高められて逆浸透膜モジュールに流入される。
【0030】
図2(a)のごとく、塩類が濃縮された高圧の海水に押されてピストン30がシリンダー20の他方の連通口26b側に近づくと、ピストン30の移動に伴いシリンダー20内の流体が筒状部材28bの内孔と内径縮小部24bを経て他方の連通口26bから流出する。そして、図2(b)のごとく、ピストン30が筒状部材28bに当接し、さらに図2(c)のごとく筒状部材28bをコイルバネ32bの弾力に抗して内径縮小部24側に移動させる。すると、内径縮小部24b内にテーパ部34bの挿入が開始され、内径縮小部24bとテーパ部34bの間dの隙間が小さくなって流路面積が小さくなる。ここで、内径縮小部24bの筒状部材28b側の端面と筒状部材28bの内径縮小部24b側の端面の間には、流体が存在する封水室36bが形成されていて、この封水室36b内の流体が筒状部材28bの移動に伴い流出しなければならないが、その流路は内径縮小部24bとテーパ部34bの間dである。そこで、この流路面積が小さくなることで、封水室36b内から流出する流路抵抗が増大する。この結果、図2(c)の状態から、図2(d)のテーパ部34bが内径縮小部24b内に挿入された状態に至るまでに、筒状部材28bを移動させる力に対して大きなブレーキ作用が生じる。もって、筒状部材28bが内径縮小部24bに激突するようなことがなく、ピストン30の動きに対してクッション作用を奏する。
【0031】
また、他方の連通口26bから取水ポンプにより塩類の濃縮されていない低圧の海水がシリンダー20内に流入されて、ピストン30が一方の連通口26a側に移動する際にも、ピストン30に対してクッション作用を奏することが望ましい。そこで、図1に示すごとく、シリンダー20の両端部にクッション装置が設けられている。
【0032】
さらに、シリンダー20内を高速で移動するピストン30を、摩耗しないようにすることで耐久性が向上する。そのためには、ピストン30のシリンダー20の内周に対する摺動摩擦が極力少ないことが望ましい。そこで、ピストン30をシリンダー20内に流入する塩類が濃縮された海水の比重とほぼ同じ比重となるようにして、ピストン30が塩類が濃縮された海水中に漂う状態とすれば、ピストン30に大きな重力が作用せず、ピストン30がシリンダー20の内周に摺接する力が小さくなる。そこで、摺接する力が小さい分だけピストン30の摩耗が軽減される。このピストン30をシリンダー20内に流入する塩類が濃縮された海水の比重とほぼ同じ比重とするために、ピストン30を、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂のいずれか1つのまたは複数を組み合わせた材料で形成してる。
【0033】
上述の第1実施例にあっては、高圧の海水の流入によりピストン30がシリンダー20の端部に近づくと、ピストン30に押された筒状部材28の移動により絞り流路の流路面積が小さくなって封水室36の流体が連通口26に流入する流路抵抗が大きくなり、それだけピストン30の動きにブレーキが作用する。ここで、ピストン30は、シリンダー20内を長い距離を高速で移動するが、筒状部材28の移動距離は僅かであり、摺動による摩耗が生じない。もって、耐久性に優れたものが得られる。しかも、ピストン30と筒状部材28は別体であるので、ピストン30と筒状部材28をそれぞれに最適な材料で形成することができる。そこで、ピストン30の比重を塩類が濃縮された海水の比重とほぼ同じとして、シリンダー20の内周に摺接する力を小さくし、もってピストン30も摩耗し難いものとすることができる。さらに、シリンダー20の両端部にクッション装置を設けることで、高圧の流体をシリンダー20内に流入させて低圧の流体に圧力を伝達させてエネルギーを回収する際のピストン30の動きにシリンダー20の端部でブレーキを掛けてクッションとして作用させるとともに、低圧の流体をシリンダー20内に流入させる際にもピストン30の動きにシリンダー20の端部でブレーキを掛けてクッションとして作用させ得る。もって、シリンダー20内を往復動するピストン30の動きにより衝撃を生ずるようなことがない。そして、シリンダー20と内径拡大部22を、別部材で形成して組み付け分離可能とすることで、シリンダー20と内径拡大部22の製造が容易である。
【0034】
次に、本願発明の第2実施例につき、図3を参照して説明する。図3は、第2実施例のエネルギー回収装置のクッション装置の要部の縦断面図であり、(a)はシリンダーの端部にピストンが近づいている状態の図であり、(b)はピストンが筒状部材に当接した状態の図であり、(c)は筒状部材がピストンに押されて内径縮小部に近づいた状態の図であり、(d)は筒状部材に突設されたテーパ部が内径縮小部に挿入された状態の図である。図3において、図1および図2に示した部材と同じまたは均等なものには、同じ符号を付けて重複説明を省略する。
【0035】
本願発明の第2実施例において、内径縮小部24側に筒状部材28に向けて同軸芯上に筒状突起38が設けられる。筒状部材28には、内径縮小部24側に向けて径が拡大するテーパ状凹部40が同軸芯上に設けられている。そこで、図3(a)のごとくピストン30が筒状部材28に近づき、さらに図3(b)のごとく筒状部材28がピストン30に当接し、さらに図3(c)のごとく押されて内径縮小部24に近づくのに伴い、筒状突起38の先端部がテーパ状凹部40に挿入されてその間dが小さくなり流路面積を縮小させる絞り流路が形成される。もって、筒状部材28と内径縮小部24の対向する両端面の間に形成される封水室36の流体が全て流出した図3(d)に至るまでに、ブレーキが掛かって、ピストン30の動きに対して、第1実施例と同様に、クッション作用を奏する。
【0036】
さらに、本願発明の第3実施例につき、図4を参照して説明する。図4は、第3実施例のエネルギー回収装置のクッション装置の要部の縦断面図であり、(a)はクッション装置要部全体の縦断面図であり、(b)は筒部材に設けたU字状の切り欠きを示す図であり、(c)は筒部材に設けたV字状の切り欠きを示す図である。図4において、図1ないし図3に示した部材と同じまたは均等なものには、同じ符号を付けて重複説明を省略する。
【0037】
本願発明の第3実施例にあっては、筒状部材28に内径縮小部24側に向けて同軸芯上に内径縮小部24の内径内に挿入できて嵌合する外径を有する筒部材42を突設する。この筒部材42の先端縁には、内径縮小部24側に向けて開口するU字状の切り欠き44またはV字状の切り欠き46を複数設ける。筒状部材28がピストン30に押されて内径縮小部24に近づくのに伴いU字状の切り欠き44またはV字状の切り欠き46が内径縮小部24内に挿入されて、切り欠きのによる開口面積が変化し、流路面積を縮小させて絞り流路を形成する。この第3実施例にあっても、ピストン30の動きに対して、第1実施例と同様に、クッション作用を奏する。
【0038】
そしてまた、本願発明の第4実施例につき、図5を参照して説明する。図5は、第4実施例のエネルギー回収装置のクッション装置の要部の縦断面図である。図5において、図1ないし図4に示した部材と同じまたは均等なものには、同じ符号を付けて重複説明を省略する。
【0039】
本願発明の第4実施例にあっては、筒状部材28に内径縮小部24側に向けて同軸芯上に筒部材42を設け、内径縮小部24に筒状部材28側に向けて径が拡大するテーパ面48を同軸芯上に設ける。筒状部材28がピストン30に押されて内径縮小部24に近づくのに伴い、筒部材42の先端部がテーパ面48内に挿入されて流路面積を縮小させて絞り流路を形成する。この第4実施例にあっても、ピストン30の動きに対して、第1実施例と同様に、クッション作用を奏する。
【0040】
また、本願発明の第5実施例につき、図6を参照して説明する。図6は、第5実施例のエネルギー回収装置のクッション装置の要部の縦断面図である。図6において、図1ないし図5に示した部材と同じまたは均等なものには、同じ符号を付けて重複説明を省略する。
【0041】
本願発明の第5実施例にあっては、内径拡大部22と内径縮小部24を、別部材で形成して、適宜なフランジ等により連結固定する。そこで、シリンダー20の端部に、内径拡大部22と内径縮小部24が、順次に連結固定される。もって、内径拡大部22と内径縮小部24の製造が容易である。
【0042】
さらに、本願発明の第6実施例につき、図7を参照して説明する。図7は、第6実施例のエネルギー回収装置のクッション装置の要部の縦断面図である。図7において、図1ないし図6に示した部材と同じまたは均等なものには、同じ符号を付けて重複説明を省略する。
【0043】
本願発明の第6実施例にあっては、シリンダー20の端部に一体に内径拡大部22を設け、この内径拡大部24の端部に筒状の内径縮小部24を嵌合挿入し、内径拡大部24の端部をフランジ部材50で閉塞して構成したものである。このフランジ部材50に同軸芯上に連通口26が開口していることは勿論である。
【0044】
さらにまた、本願発明の第7実施例につき、図8を参照して説明する。図8は、第7実施例のエネルギー回収装置のクッション装置の要部の縦断面図である。図8において、図1ないし図7に示した部材と同じまたは均等なものには、同じ符号を付けて重複説明を省略する。
【0045】
本願発明の第7実施例にあっては、筒状の内径縮小部24が筒状部材28に向けてフランジ部材50に一体に形成されている点で、構成が第6実施例と異なる。第1実施例と第6実施例および第7実施例は、各部材を別別に構成したり、一体に構成したりして、各部材の製造が容易であるようにし、また組み付け等が容易であるようにしたものでる。
【0046】
そしてさらに、本願発明の第8実施例につき、図9を参照して説明する。図9は、第8実施例のエネルギー回収装置のクッション装置の要部の縦断面図である。図9において、図1ないし図8に示した部材と同じまたは均等なものには、同じ符号を付けて重複説明を省略する。
【0047】
本願発明の第8実施例にあっては、第1実施例のごとく内径拡大部24が設けられていない。第1実施例において、内径拡大部24は、シリンダー20との段差により、筒状部材28を軸方向に所定範囲で移動自在とするもので、コイルバネ32で弾性付勢された筒状部材28が所定範囲を超えてシリンダー20内に移動するのを規制している。そこで、第8実施例にあっては、シリンダー20の端部に筒状部材28が外周が摺接するようにして挿入する。そして、筒状部材28の外周には軸方向の中心部に所定範囲で凹状の溝52が設けられ、シリンダー20の外周からこの凹状の溝52に向けて先端が溝内となるように規制用ネジ54が螺合挿入される。もって、シリンダー20の端部で、筒状部材28が所定範囲で軸方向に移動自在となる。
【0048】
第8実施例のごとく、シリンダー20の端部で、筒状部材28を軸方向に所定範囲で移動自在に規制できる構造であれば、如何なる構造であっても良いことは容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明のエネルギー回収装置の第1実施例の縦断面図である。
【図2】第1実施例のエネルギー回収装置のクッション装置の要部の縦断面図であり、(a)はシリンダーの端部にピストンが近づいている状態の図であり、(b)はピストンが筒状部材に当接した状態の図であり、(c)は筒状部材がピストンに押されて内径縮小部に近づいた状態の図であり、(d)は筒状部材に突設されたテーパ部が内径縮小部に挿入された状態の図である。
【図3】第2実施例のエネルギー回収装置のクッション装置の要部の縦断面図であり、(a)はシリンダーの端部にピストンが近づいている状態の図であり、(b)はピストンが筒状部材に当接した状態の図であり、(c)は筒状部材がピストンに押されて内径縮小部に近づいた状態の図であり、(d)は筒状部材に突設されたテーパ部が内径縮小部に挿入された状態の図である。
【図4】第3実施例のエネルギー回収装置のクッション装置の要部の縦断面図であり、(a)はクッション装置要部全体の縦断面図であり、(b)は筒部材に設けたU字状の切り欠きを示す図であり、(c)は筒部材に設けたV字状の切り欠きを示す図である。
【図5】第4実施例のクッション装置の要部の縦断面図である。
【図6】第5実施例のエネルギー回収装置のクッション装置の要部の縦断面図である。
【図7】第6実施例のエネルギー回収装置のクッション装置の要部の縦断面図である。
【図8】第7実施例のエネルギー回収装置のクッション装置の要部の縦断面図である。
【図9】第8実施例のエネルギー回収装置のクッション装置の要部の縦断面図である。
【図10】従来のエネルギー回収装置のクッション技術を示す縦断面図であり、(a)はシリンダーの端部にピストンが近づく状態の図であり、(b)は突起部の先端が連通口に挿入されようとする状態の図であり、(c)は、突起部が連通口に挿入された状態の図である。
【符号の説明】
【0050】
10、20 シリンダー
12、26 連通口
14、30 ピストン
16 突起部
18 テーパ状突部
22 内径拡大部
24 内径縮小部
28 筒状部材
32 コイルバネ
34 テーパ部
36 封水室
38 筒状突起
40 テーパ状凹部
42 筒部材
44 U字状の切り欠き
46 V字状の切り欠き
48 テーパ面
50 フランジ部
52 凹状の溝
54 規制用ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダーの両端部に連通口をそれぞれに設け、前記シリンダー内に軸方向に往復動自在にピストンを設けて前記シリンダー内を2分し、一方の連通口から前記シリンダー内に流入する流体の圧力によって前記ピストンを他方の連通口側に移動させて前記シリンダー内の前記他方の連通口側の流体に圧力を伝達させるエネルギー回収装置において、前記他方の連通口側の前記シリンダーの端部に同軸芯上に前記シリンダーの内径より小さい内径の内径縮小部を設け、この内径縮小部を介して前記シリンダー内と前記他方の連通口を連通し、前記シリンダー内で前記内径縮小部側に前記シリンダーの内壁に外周を摺接させて筒状部材を前記軸方向に所定範囲で移動自在とし、しかも弾性部材で前記筒状部材を前記内径縮小部から離して前記ピストン側に向かう方向に弾性付勢し、前記筒状部材が前記ピストンに押されて前記内径縮小部に近づくのに伴い前記筒状部材と前記内径縮小部の対向する両端面の間に形成された封水室内の流体が前記他方の連通孔側に流出する流路面積を縮小させる絞り流路を前記内径縮小部と前記筒状部材の間に形成し、前記封水室内の流体が前記絞り流路を経て前記他方の連通口に流入するように構成したことを特徴とするエネルギー回収装置。
【請求項2】
請求項1記載のエネルギー回収装置において、前記一方の連通口側の前記シリンダーの端部にも同軸芯上に前記シリンダーの内径より小さい内径の内径縮小部を設け、この内径縮小部を介して前記シリンダー内と前記一方の連通口を連通し、前記シリンダー内で前記内径縮小部側に前記シリンダーの内壁に外周を摺接させて筒状部材を前記軸方向に所定範囲で移動自在とし、しかも弾性部材で前記筒状部材を前記内径縮小部から離して前記ピストン側に向かう方向に弾性付勢し、前記筒状部材が前記ピストンに押されて前記内径縮小部に近づくのに伴い前記筒状部材と前記内径縮小部の対向する両端面の間に形成された封水室内の流体が前記一方の連通孔側に流出する流路面積を縮小させる絞り流路を前記内径縮小部と前記筒状部材の間に形成し、前記封水室内の流体が前記絞り流路を経て前記一方の連通口に流入するように構成したことを特徴とするエネルギー回収装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のエネルギー回収装置において、前記筒状部材に前記内径縮小部側に向けて同軸芯上に先端の径が小さくなるテーパ部を突設するとともにこのテーパ部の先端部を前記内径縮小部の内径内に挿入し得るようにし、前記筒状部材が前記ピストンに押されて前記内径縮小部に近づくのに伴い前記テーパ部が前記内径縮小部に挿入されて流路面積を縮小させる前記絞り流路を形成するように構成したことを特徴とするエネルギー回収装置。
【請求項4】
請求項1または2記載のエネルギー回収装置において、前記内径縮小部側に前記筒状部材に向けて同軸芯上に筒状突起を設け、前記筒状部材に前記内径縮小部側に向けて径が拡大するテーパ状凹部設け、前記筒状部材が前記ピストンに押されて前記内径縮小部に近づくのに伴い前記筒状突起の先端部が前記テーパ状凹部に挿入されて流路面積を縮小させる前記絞り流路を形成するように構成したことを特徴とするエネルギー回収装置。
【請求項5】
請求項1または2記載のエネルギー回収装置において、前記筒状部材に前記内径縮小部側に向けて同軸芯上に前記内径縮小部の内径内に挿入できて嵌合する外径の筒部材を突設し、この筒部材の先端縁に前記内径縮小部側に向けて開口するU字状またはV字状の切り欠きを設け、前記筒状部材が前記ピストンに押されて前記内径縮小部に近づくのに伴い前記U字状またはV字状の切り欠きが前記内径縮小部に挿入されて開口面積が変化することにより流路面積を縮小させる前記絞り流路を形成するように構成したことを特徴とするエネルギー回収装置。
【請求項6】
請求項1または2記載のエネルギー回収装置において、前記筒状部材に前記内径縮小部側に向けて同軸芯上に筒部材を設け、前記内径縮小部に前記筒状部材側に向けて径が拡大するテーパ面を設け、前記筒状部材が前記ピストンに押されて前記内径縮小部に近づくのに伴い前記筒部材の先端部が前記テーパ面内に挿入されて流路面積を縮小させる前記絞り流路を形成するように構成したことを特徴とするエネルギー回収装置。
【請求項7】
請求項1または2記載のエネルギー回収装置において、前記シリンダーの端部で、前記内径縮小部の前記ピストン側に前記シリンダーの内径よりも内径の大きな内径拡大部を設け、この内径拡大部の範囲で前記筒状部材が前記軸方向に移動自在となるように構成したことを特徴とするエネルギー回収装置。
【請求項8】
請求項7記載のエネルギー回収装置において、前記シリンダーと前記内径拡大部を、別部材で形成して組み付け分離可能に構成したことを特徴とするエネルギー回収装置。
【請求項9】
請求項7または8記載のエネルギー回収装置において、前記内径拡大部と前記内径縮小部を、別部材で形成して組み付け分離可能に構成したことを特徴とするエネルギー回収装置。
【請求項10】
請求項1記載のエネルギー回収装置において、前記ピストンを、前記一方の連通口から前記シリンダー内に流入する高い圧力の流体の比重とほぼ同じ比重となるように構成したことを特徴とするエネルギー回収装置。
【請求項11】
請求項10記載のエネルギー回収装置において、前記ピストンを、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂のいずれか1つのまたは複数を組み合わせた材料で形成して構成したことを特徴とするエネルギー回収装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−22499(P2013−22499A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158594(P2011−158594)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000151058)株式会社電業社機械製作所 (21)
【Fターム(参考)】