説明

エネルギー変換素子並びにその製造及び動作方法

【課題】エネルギー変換素子並びにその製造及び動作方法を提供する。
【解決手段】エネルギー変換素子並びにその製造及び動作方法に係り、該エネルギー変換素子は、複数のドーピング領域を含むモノリシック単結晶シリコン層、単結晶シリコン層に内在し、複数のドーピング領域のうち1つのドーピング領域30にのみ連結された振動体32、34、振動体32、34に印加される入力信号が経由するPN接合ダイオード(第1ダイオード)、及び振動体32、34から出力される信号が経由するPN接合ダイオード(第2ダイオード)を含み、単結晶シリコン層は、内部に密閉された空間60を含み、振動体32、34は、空間60に備えられてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小の変換素子に係り、さらに詳細には、エネルギー変換素子並びにその製造及び動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昇圧コンバータ(boost up converter)を利用すれば、入力電圧に対して高い利得(gain)を有する出力電圧を得ることができる。チャージポンプ(charge pump)と電圧ダブラ(voltage doubler)は、昇圧コンバータとして知られている。
【0003】
チャージポンプの場合、利得がステージ(stage)数に比例する。従って、高い利得を得るためには、段階的に備わるステージ数を増加させなければならない。
【0004】
電圧ダブラの場合、相補型のスイッチング信号が必要であるので、スイッチング損失が生じることがある。チャージポンプや電圧ダブラの場合、単位ステージあたりの利得は、2より小さい。
【0005】
昇圧コンバータは、MEMS(micro−electromechanical systems)技術を利用し、回路と共に基板に設けられる。ところで、従来のCMOS(complementary metal−oxide semiconductor)工程を利用したMEMS技術は、ポリ物質(poly material)を適用せざるを得なかったために、物質自体に係わる問題点を有している。併せて、物質と熱プロファイル(thermal profile)とによる応力問題が生じ、パッシベーション(passivation)の問題が生じうる。
【0006】
また、従来のMEMS素子は、特定の目的に適するように製作される。従って、従来のMEMS素子は、決まった用途以外の他の用途に使用し難い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0217120号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一実施形態は、高い利得と信頼性とを有し、多様な用途に使われるエネルギー変換素子を提供するものである。
【0009】
また、本発明の一実施形態は、このようなエネルギー変換素子の製造方法を提供するものである。
【0010】
また、本発明の一実施形態は、このようなエネルギー変換素子の動作方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子は、複数のドーピング領域を含むモノリシック単結晶シリコン層と、前記単結晶シリコン層に内在し、前記複数のドーピング領域のうち1つのドーピング領域にのみ連結された振動体と、前記振動体に印加される入力信号が経由するPN接合ダイオード(第1ダイオード)と、及び前記振動体から出力される信号が経由するPN接合ダイオード(第2ダイオード)と、を含む。
【0012】
このようなエネルギー変換素子において、前記単結晶シリコン層は、内部に密閉された空間を含み、前記振動体は、前記空間に備えられてもよい。
【0013】
前記複数のドーピング領域は、順次に位置する第1ドーピング領域ないし第3ドーピング領域を含み、前記第3ドーピング領域は、前記第1ダイオード及び前記第2ダイオードを形成するp型ドーピング領域とn型ドーピング領域とを含み、前記第1ダイオード及び前記第2ダイオードと、前記第3ドーピング領域の残りの部分とを分離するためのドーピング領域をさらに含んでもよい。
【0014】
前記第3ドーピング領域は、前記空間と連結される複数の貫通ホールを含んでもよい。
【0015】
前記第3ドーピング領域上に、前記複数の貫通ホールを覆う密閉層が備えられてもよい。
【0016】
前記密閉層は、前記第1ダイオード、前記第2ダイオード、及び前記第1ダイオードと前記第2ダイオードとの間の第3ドーピング領域が露出される、複数のコンタクトホールを含んでもよい。
【0017】
前記密閉層上に離隔された第1電極ないし第3電極が備わり、前記第1電極ないし第3電極は、それぞれ前記複数のコンタクトホールを介して、前記第1ダイオード、前記第2ダイオード及び前記第3ドーピング領域に連結されもする。
【0018】
前記第1ドーピング領域ないし第3ドーピング領域において隣接したドーピング領域は、互いに反対型にドーピングされたものであってもよい。
【0019】
前記振動体は、互いに連結された第1振動板及び第2振動板を含んでもよい。
【0020】
前記振動体は、前記振動体が連結されたドーピング領域と同一型にドーピングされた部分と、前記振動体が連結されていないドーピング領域と同一型にドーピングされた部分と、を含んでもよい。
【0021】
前記第2振動板は、反対型にドーピングされた2つの部分を含んでもよい。
【0022】
前記第1振動板は、複数の貫通ホールを含んでもよい。
【0023】
前記第2振動板が対向するドーピング領域と前記振動体は、可変キャパシタを構成することができる。
【0024】
前記第2振動板と、前記第2振動板が対向するドーピング領域は、常に平行であってもよい。
【0025】
本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子は、前記振動体表面に固定された分極電荷を有する絶縁層が備わり、エネルギー・ハーベスタ(harvester)として使われもする。
【0026】
本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子の動作方法は、複数のドーピング領域を含むモノリシック単結晶シリコン層、前記単結晶シリコン層に内在し、前記複数のドーピング領域のうち1つのドーピング領域にのみ連結された振動体、前記振動体に印加される入力信号が経由するPN接合ダイオード(第1ダイオード)、及び前記振動体から出力される信号が経由するPN接合ダイオード(第2ダイオード)を含み、前記振動体を駆動させる段階、及び前記振動体の駆動による出力信号を前記第2ダイオードを介して出力させる段階を含む。
【0027】
このような動作方法において、前記振動体を駆動させる段階は、前記第1ダイオードに入力電圧を印加する段階を含んでもよい。
【0028】
前記第1ダイオード及び前記第2ダイオード間のドーピング領域で、前記第1ダイオード及び前記第2ダイオードと電気的に分離された領域に同調信号を印加する段階を含み、前記出力信号を前記入力電圧より上げることができる。
【0029】
前記振動体は、前記エネルギー変換素子に加えられる力によって駆動され、前記出力信号は、前記力の物理量の測定のためのデータとして使われもする。
【0030】
前記振動体表面に固定された分極電荷を有する絶縁層が備わり、エネルギー・ハーベスタとして使われもする。
【0031】
前記単結晶シリコンは、内部に密閉された空間を含み、前記振動体は、前記空間に備えられてもよい。
【0032】
前記複数のドーピング領域は、順次に位置する第1ドーピング領域ないし第3ドーピング領域を含み、前記第3ドーピング領域は、前記第1ダイオード及び前記第2ダイオードを形成するp型ドーピング領域とn型ドーピング領域とを含み、前記第1ダイオード及び前記第2ダイオードと、前記第3ドーピング領域の残りの部分とを分離するためのドーピング領域をさらに含んでもよい。
【0033】
前記振動体は、前記振動体が連結されたドーピング領域と同一型にドーピングされた部分と、前記振動体が連結されていないドーピング領域と同一型にドーピングされた部分と、を含んでもよい。
【0034】
本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子の製造方法は、p型またはn型にドーピングされた単結晶の第1シリコン層に、第1酸化領域を形成する段階、前記第1シリコン層上に、前記第1シリコン層と反対型にドーピングされた単結晶の第2シリコン層を成長させる段階、前記第1酸化領域と連結され、前記第1シリコン層及び第2シリコン層の一部を囲む第2酸化領域を形成し、前記囲まれた第2シリコン層の一部は、前記第2酸化領域上側の前記第2シリコン層と連結されるように形成する段階、前記第2シリコン層上に、前記第2シリコン層と反対型にドーピングされた単結晶の第3シリコン層を成長させる段階、前記第2酸化領域上側の前記第2シリコン層に、前記第2酸化領域と連結される第3酸化領域を形成し、前記第3酸化領域の一部は、前記第2シリコン層の上部面を酸化させて形成する段階、前記第3シリコン層に、前記第3酸化領域と離隔され、前記第3シリコン層の残りの部分と電気的に分離された第1PN接合ダイオード及び第2PN接合ダイオードを形成する段階、前記第1酸化領域ないし第3酸化領域の酸化物を除去し、前記第2シリコン層にのみ連結され、前記第1シリコン層及び第3シリコン層と離隔された振動体を形成する段階、及び前記酸化物が除去された領域を密封(seal)する段階を含み、前記第2シリコン層及び第3シリコン層は、エピタキシャル法で形成する。
【0035】
このような製造方法において、前記第2酸化領域を形成する段階は、前記第1酸化領域の外側に、前記第1酸化領域より高い位置に、前記第1酸化領域と連結される第2a酸化領域を形成する段階、及び前記第1酸化領域の内側に、前記第2a酸化領域より高い位置に、前記第1酸化領域と平行し、前記第2a酸化領域に連結される第2b酸化領域を形成し、前記第2b酸化領域の中央部分は、非酸化領域として残す段階を含んでもよい。
【0036】
前記第3酸化領域を形成する段階は、前記第2シリコン層で、前記第2酸化領域より高い位置に、前記第2酸化領域と連結される第3a酸化領域を形成する段階、及び前記第2シリコン層で、前記第3a酸化領域より高い位置に、前記第3a酸化領域と連結される第3b酸化領域を形成するが、前記第3b酸化領域は、前記第3a酸化領域と前記第3シリコン層との間の前記第2シリコン層全部を酸化させて形成する段階を含んでもよい。
【0037】
前記第3b酸化領域は、前記第3シリコン層に拡張されてもよい。
【0038】
前記第1PN接合ダイオード及び第2PN接合ダイオードを形成する段階は、前記第3酸化領域の一側において前記第3シリコン層に、前記第3酸化領域と離隔され、前記第2シリコン層に連結された第1n型ドーピング領域を形成する段階、前記第3酸化領域と前記第1n型ドーピング領域との間の前記第3シリコン層に、前記第1n型ドーピング領域と離隔され、前記第2シリコン層に連結される第2n型ドーピング領域を形成し、前記第3酸化領域の他側において前記第3シリコン層に、前記第2n型ドーピング領域を、前記第2シリコン層と連結されるように形成する段階、前記第3酸化領域の他側において前記第3シリコン層の前記第2n型ドーピング領域外側に、前記第2n型ドーピング領域、及び前記第2シリコン層に連結されていない第3n型ドーピング領域を形成する段階、及び前記第3酸化領域の一側において前記第3シリコン層に形成された前記第1n型ドーピング領域に、p型ドーピング領域を形成する段階を含み、前記第1n型ドーピング領域と、前記第2n型ドーピング領域は、同時に形成することができる。
【0039】
前記振動体を形成する段階は、前記第3シリコン層に、前記第3酸化領域が露出される貫通ホールを形成する段階、及び前記貫通ホールを介して、前記第1酸化領域ないし第3酸化領域の酸化物を湿式エッチングする段階をさらに含んでもよい。
【0040】
前記第1酸化領域ないし第3酸化領域は、酸素イオンを注入する段階、及び前記酸素イオンが注入された結果物をアニーリングする段階を含んで形成することができる。
【0041】
前記密封する段階は、前記第3シリコン層上に、前記貫通ホールを密封する密閉層を形成する段階を含んでもよい。
【0042】
また、前記製造方法は、前記密閉層に、前記第1PN接合ダイオード及び第2PN接合ダイオードが露出され、前記第1PN接合ダイオード及び第2PN接合ダイオード間の前記第3シリコン層が露出される、複数のコンタクトホールを形成する段階、及び前記密閉層上に、露出された前記第1PN接合ダイオードと連結される第1電極、露出された前記第2PN接合ダイオードと連結される第2電極、及び露出された前記第3シリコン層と連結される第3電極を形成する段階をさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0043】
本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子は、単結晶モノリシック三次元構造を有する。従って、素子を構成する要素間に、接合面でも界面などが存在しないため、従来の素子に比べて、高い信頼性を確保することができる。
【0044】
また、単一基板(単結晶シリコン基板)に、エネルギー変換素子のあらゆる構成要素が形成されるので、材料費を節減することができる。そして、製造工程は、エピタキシャル成長、ドーピング、イオン注入及び熱処理のような単純工程の反復であるから、全体工程を単純化することができ、使用する設備も簡素化することができる。エピタキシャル成長、ドーピング、イオン注入及び熱処理工程は、CMOS工程の補足的な工程であるから、CMOS工程をそのまま適用することができる。
【0045】
また、エネルギー変換素子は、入力信号と周辺の物理的環境とに合わせて、多様な用途に使われもする。
【0046】
特に、エネルギー変換素子が昇圧素子として使われる場合、PN接合キャパシタンスと機械的キャパシタンスとが融合され、高いキャパシタンス比を得ることができるため、高い利得を有するDC(direct current)昇圧素子になる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子の断面図である。
【図2】図1のエネルギー変換素子の等価回路の一例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子において、第2振動板が第1ドーピング領域と接触した瞬間を示した断面図である。
【図4】本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子の製造方法を段階別に示した断面図である。
【図5】本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子の製造方法を段階別に示した断面図である。
【図6】本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子の製造方法を段階別に示した断面図である。
【図7A】本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子の製造方法を段階別に示した断面図である。
【図7B】本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子の製造方法を段階別に示した断面図である。
【図8】本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子の製造方法を段階別に示した断面図である。
【図9】本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子の製造方法を段階別に示した断面図である。
【図10】本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子の製造方法を段階別に示した断面図である。
【図11】本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子の製造方法を段階別に示した断面図である。
【図12】本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子の製造方法を段階別に示した断面図である。
【図13】本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子の製造方法を段階別に示した断面図である。
【図14】本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子の製造方法を段階別に示した断面図である。
【図15】本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子の製造方法を段階別に示した断面図である。
【図16】本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子の製造方法を段階別に示した断面図である。
【図17】本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子が、多様な素子として動作する場合を示した断面図である。
【図18】本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子が、多様な素子として動作する場合を示した断面図である。
【図19】本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子が、多様な素子として動作する場合を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子並びにその製造及び動作方法について、添付された図面を参照して詳細に説明する。この過程で、図面に図示された層や領域の厚みは、明細書の明確性のために誇張されて図示されている。
【0049】
まず、本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子について説明する。
【0050】
図1を参照すれば、本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子(以下、本発明の素子ともいう。)は、モノリシック(monolithic)三次元構造物を含む単一層(single layer)であり、各構成部分間には、層と層との間に現れる明確な界面や、層と層とが連結されるときに現れる明確な連結痕跡などを含まない。本発明の素子は、第1ドーピング領域20、第2ドーピング領域30、第3ドーピング領域40、第1密閉層22及び第2密閉層50、第1振動板32及び第2振動板34、及び所定体積の空間60を含む。第1ドーピング領域20の下面に、下部電極板10が付着されている。第2密閉層50上に、第1電極ないし第3電極80,82,84が備わる。
【0051】
第1ドーピング領域20は、p型ドーピング物質がドーピングされた領域である。第1ドーピング領域20は、p型ドーピング物質の代わりに、n型ドーピング物質を含んでもよい。第2ドーピング領域30は、第1ドーピング領域20上に存在する。第2ドーピング領域30は、n型ドーピング物質がドーピングされた領域である。第2ドーピング領域30は、n型ドーピング物質の代わりに、p型ドーピング物質を含んでもよい。第1振動板32及び第2振動板34は、第2ドーピング領域30から拡張されたものである。従って、第1振動板32及び第2振動板34は、第2ドーピング領域30の一部であってもよい。
【0052】
第1ドーピング領域20及び第2ドーピング領域30間に、第1密閉層22が存在する。第1密閉層22は、第1ドーピング領域20及び第2ドーピング領域30と連結されている。第1密閉層22は、第1ドーピング領域20の一部領域上に存在する。第1密閉層22は、例えば、シリコン酸化物層でありうる。第3ドーピング領域40は、第2ドーピング領域30上に存在する。第3ドーピング領域40の一部は、第2ドーピング領域30と連結されている。第3ドーピング領域40は、複数の貫通ホール52(図13)を含む。貫通ホール52は、空間60と連結される。
【0053】
第3ドーピング領域40上に、第2密閉層50が形成されている。第2密閉層50は、貫通ホール52を覆って貫通ホール52を充填する。第2密閉層50は、貫通ホール52の一部だけ充填することができる。第3ドーピング領域40は、水平に離隔された第4ドーピング領域42、第5ドーピング領域44及び第6ドーピング領域46を含んでもよい。第4ドーピング領域42、第5ドーピング領域44及び第6ドーピング領域46のドーピング物質は、第2ドーピング領域30のドーピング物質と同一であってもよい。第4ドーピング領域42及び第5ドーピング領域44は、第2ドーピング領域30と連結されている。第6ドーピング領域46は、第2ドーピング領域30と離隔されている。第2ドーピング領域30と第6ドーピング領域46との間には、第3ドーピング領域40が存在する。第3ドーピング領域40と第6ドーピング領域46は、それぞれp型ドーピング物質及びn型ドーピング物質がドーピングされたシリコン領域であるから、第3ドーピング領域40及び第6ドーピング領域46は、PN接合ダイオード(以下、第2ダイオード)を構成することができる。
【0054】
貫通ホール52は、離隔された第5ドーピング領域44間に存在する。第4ドーピング領域42は、下に第2ドーピング領域30と連結され、その周囲は、第3ドーピング領域40に囲まれている。第4ドーピング領域42は、第7ドーピング領域48を含んでもよい。第7ドーピング領域48は、第4ドーピング領域42の内側に存在しうる。第7ドーピング領域48は、上に第2密閉層50と接触するが、下と周囲は、第4ドーピング領域42に囲まれている。第7ドーピング領域48は、p型ドーピング物質がドーピングされたシリコン領域であってもよい。第4ドーピング領域42は、n型ドーピング物質がドーピングされたシリコン領域であってもよい。従って、第4ドーピング領域42及び第7ドーピング領域48は、PN接合ダイオード(以下、第1ダイオード)を構成することができる。
【0055】
第5ドーピング領域44は、第3ドーピング領域40において、前記第1ダイオード及び第2ダイオードを分離するための領域である。前記第1ダイオードの順方向は前記第2ダイオードの順方向と反対である。前記第1ダイオード及び第2ダイオードは、第1振動板32を介して連結される。空間60は、第1ドーピング領域20及び第3ドーピング領域40間に存在する。空間60は、複数の貫通ホール52の下に位置しうる。空間60は、第1振動板32及び第2振動板34の振動領域であってもよい。空間60は、密閉されている。密閉は、第1ドーピング領域20及び第2ドーピング領域30、側面の第1密閉層22及び上部の第2密閉層50によって行われる。第1振動板32と第2振動板34は、連結ピラー36に連結されている。第1振動板32は、第2振動板34上に位置する。第1振動板32及び第2振動板34は、1つの単一振動体になってもよい。
【0056】
本発明の素子の動作前においては、第1振動板32及び第2振動板34は、平行である。本発明の素子の動作中においては、第1振動板32及び第2振動板34は、空間60内で振動しうる。第1振動板32及び第2振動板34の振動原因は、本発明の素子に印加される電気的信号であってもよく、本発明の素子にモーメンタム(momentum)を与えたり、本発明の素子を加速(acceleration)させたりする外部の物理的力や衝撃であってもよい。空間60で、第1振動板32が振動するとき、上の第3ドーピング領域40と接触しないように、第1振動板32と第3ドーピング領域40は、十分に離隔されている。第1振動板32と第2ドーピング領域30は、水平に同じレベルに位置しうる。第1振動板32は、第2ドーピング領域30に連結されている。第1振動板32は、第2ドーピング領域30の一部であってもよい。第1振動板32に、複数の貫通ホール32hが形成されてもよい。
【0057】
連結ピラー36は、第1振動板32と同じ材質であってもよい。第2振動板34は、水平に第1密閉層22と同じレベルに位置しうる。第2振動板34と第1ドーピング領域20は、離隔されている。本発明の素子動作中、第2振動板34は、第1ドーピング領域20と瞬間的に接触しうる。第2振動板34は、下部層20aと、その上に位置する上部層30aとを含んでもよい。下部層20aと上部層30aは、互いに連結された単一体である。下部層20aと上部層30aは、同一材質であり、ドーピング物質だけ異なる。すなわち、下部層20aは、第1ドーピング領域20と同じ物質であり、例えば、単結晶シリコン層であってもよい。下部層20aは、第1ドーピング領域20と同じドーピング物質でドーピングされている。上部層30aは、第2ドーピング領域30と同じ物質であってもよい。上部層30aは、第2ドーピング領域30と同じドーピング物質でドーピングされている。
【0058】
第2振動板34は、このように、第1ドーピング領域20と同じ材質及びドーピング特性を有する下部層20aを有しているため、本発明の素子の動作中、第2振動板34が第1ドーピング領域20と接触すれば、瞬間的にPN接合キャパシタが形成され、これにより、大きなキャパシタンスを得ることができる。第3ドーピング領域40上に形成された第2密閉層50は、第4ドーピング領域ないし第7ドーピング領域42,44,46,48を覆う。第2密閉層50に、複数のコンタクトホールが形成されている。前記複数のコンタクトホールを介して、第6ドーピング領域46と第7ドーピング領域48とが露出される。また、前記複数のコンタクトホールを介して、第6ドーピング領域46に隣接した第5ドーピング領域44と、貫通ホール52との間の第3ドーピング領域40の上部面が露出される。
【0059】
第2密閉層50上に、離隔された第1電極ないし第3電極80,82,84が存在する。第1電極80は、前記コンタクトホールを介して、第7ドーピング領域48に接触する。第1電極80を介して、前記本発明の素子に電圧が印加される。第2電極82は、前記コンタクトホールを介して、第3ドーピング領域40に接触する。第2電極82を介して、前記本発明の素子に一定電圧や特定の外部信号が印加される。第3電極84は、前記コンタクトホールを介して、前記第6ドーピング領域46に接触する。前記本発明の素子から出力される電圧、例えば、昇圧された電圧は、第3電極84を介して、外部に出力されてもよい。
【0060】
図2は、図1のエネルギー変換素子の等価回路の一例を示す図である。
【0061】
図2でダイオードDは、図1で言及した前記第1ダイオードに該当し、ダイオードDは、前記第2ダイオードに該当する。ダイオードDとDとの配列方向は、図2に示した通りである。図1で、第1ドーピング領域ないし第7ドーピング領域20,30,40,42,44,46,48においてn型、p型が反対になった場合(反対型になった場合)、図2でダイオードD,Dの配列方向は、反対になる。図2で可変キャパシタCは、図1の振動体32、34、第1ドーピング領域20、及びそれら間のギャップからなるキャパシタに該当する。キャパシタCloadは、図1のエネルギー変換素子の外部の負荷(load)キャパシタ(図示せず)である。また、図2でVinは、図1の第1電極80に印加される電圧を示し、Vcontは、図1の第2電極82に印加される電圧を示す。そしてVoutは、図1の第3電極84を介して外部に出力される電圧を示す。また、図2のVは、図1の振動体32、34に印加される電圧を示す。電圧とキャパシタンスは、反比例関係にあって、振動体32、34は、キャパシタCの1要素であるから、振動体32、34の振動によって、電圧Vは経時的に変わる。
【0062】
図2を参照し、図1のエネルギー変換素子の動作について簡略に説明する。
【0063】
入力電圧Vinが印加され、キャパシタCが充電される。このとき、キャパシタCのキャパシタンスが最大値(max)であるとするならば、電荷が一定であるとき、振動体32、34の振動によるキャパシタCのキャパシタンスの変化率に比例し、電圧Vは上昇する。このとき、電圧Vに対してダイオードDは、逆方向バイアス(bias)であり、ダイオードDは、順方向バイアスである。従って、キャパシタCloadは、ダイオードDを介して、キャパシタCの電荷(charge)で充電され、電圧Vの電位(potential)を有する。このような状況は、振動体32、34が振動し、キャパシタCのキャパシタンスが最大値と最小値との間で変化する間に続けて起こる。従って、回路の時定数よりも振動体32、34を早く振動させれば、リップル(ripple)はあるものの、入力電圧Vinより上昇した直流の出力電圧Voutを得ることができる。出力電圧Voutは、次の数式1によって表現される。
【0064】
out=[C(max)/C(min)]Vin … (数式1)
数式1でC(max)は、キャパシタCの最大キャパシタンスを、C(min)は、キャパシタCの最小キャパシタンスを示す。
【0065】
一般的なキャパシタのキャパシタンスは、キャパシタを構成する電極の面積に比例し、電極間の間隔に反比例する。これによれば、図1で、第2振動板34と第1ドーピング領域20との間のギャップ(gap)が最大であるとき、キャパシタCのキャパシタンスは、最小となる。
【0066】
キャパシタCのキャパシタンスが最大であるときは、図3に示すように、第2振動板34が、第1ドーピング領域20と接触する瞬間である。この瞬間に、振動体32、34と第1ドーピング領域20との間にPN接合がなされる。これにより、キャパシタCは、接合キャパシタンスを有する。接合キャパシタンスは、瞬間的に接触した振動体32、34と第1ドーピング領域20とのPN接合に印加される逆方向バイアスの大きさと、ドーピング濃度とによって決定される。前記ドーピング濃度は、前記PN接合に印加される逆方向バイアス電圧より大きい絶縁破壊電圧(breakdown voltage)を有するように調節されるので、これにより、キャパシタンスが決定される。このように、接合キャパシタンスを利用すれば、従来の平行板(parallel plate)構造のキャパシタで、電極間の間隔を狭めることによっては達成することができない高レベルのキャパシタンス比を得ることができる。これにより、本発明の素子は、従来の場合よりはるかに大きく上昇した電圧を得ることができる。すなわち、従来の場合より、はるかに大きい利得を得ることができる。
【0067】
図3に示すように、振動体32、34が駆動されるとき、曲がる部分は、第1振動板32であり、第2振動板34は曲がらず、第1ドーピング領域20と平行を維持する。第1振動板32が上に曲がった場合にも、第2振動板34と第1ドーピング領域20との平行状態は維持される。これにより、第2振動板34の駆動によって、第2振動板34の第1ドーピング領域20と対向する面全体と、第1ドーピング領域20との間の間隔は変わってもよい。しかし、第2振動板34が任意の位置にあるとき、面の各領域に沿って、第1ドーピング領域20までの間隔が変わることは防止することができる。従って、第2振動板34が任意の位置にあるとき、その位置で得ることができるキャパシタンスは極大化されうる。
【0068】
次に、本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子の製造方法について、図4ないし図16を参照して説明する。このとき、図1ないし図3の説明で言及した部材については、同じ参照番号を使用し、その部材に係わる説明は省略している。
【0069】
図4を参照すれば、p型ドーピング物質でドーピングされた第1シリコン層200上に、マスクM1を形成する。第1シリコン層200は、単結晶シリコン層であって、与えられた決定方向、例えば、<111>を有することができる。第1シリコン層200は、p型ドーピング物質の代わりに、n型ドーピング物質でドーピングされたものであってもよい。マスクM1によって、第1シリコン層200の上部面の露出された領域は制限される。第1シリコン層200の上部面の露出された領域に、酸素イオン注入を行う(70)。その後、酸素イオンが注入された第1シリコン層200をアニーリングする。このようにして、第1シリコン層200の上部面下に、第1酸化領域70aが形成される。第1シリコン層200の第1酸化領域70aと、第1シリコン層200の上部面との間に存在する部分は、図1で説明した第2振動板34の下板20aに該当する。酸素イオン注入(70)の条件(例えば、注入エネルギー)とマスクM1のパターニングとによって、第1酸化領域70aの深さと厚みと広さは、変わってもよい。第1酸化領域70aが形成された後、マスクM1を除去する。
【0070】
次に、図5を参照すれば、第1酸化領域70aを含む第1シリコン層200上に、第2シリコン層300を形成する。第2シリコン層300は、単結晶シリコン層であってもよい。第2シリコン層300のドーピングは、第1シリコン層200と反対型に実施することができる。例えば、第1シリコン層200がp型ドーピング物質でドーピングされた場合、第2シリコン層300は、n型ドーピング物質でドーピングされてもよい。第2シリコン層300は、エピタキシャル法で形成される。第2シリコン層300は、インサイチュ(in−situ)で形成されてもよく、この過程でドーピングされてもよい。第2シリコン層300の一部は、図1の振動体32、34になる。従って、第2シリコン層300を形成するときは、それを勘案してその厚みを決定することができる。図5に、第1シリコン層200及び第2シリコン層300の境界を図示したが、それは、図示と説明との便宜のためである。第2シリコン層300は、エピタキシャル法で形成されるので、実質的に、第1シリコン層200及び第2シリコン層300間の境界は現れない。従って、第1シリコン層200及び第2シリコン層300は、単一体になる。
【0071】
次に、図6を参照すれば、第2シリコン層300上に、マスクM2を形成する。マスクM2は、第1酸化領域70aの真上に位置する。マスクM2は、第1酸化領域70aの内側に形成され、マスクM2の周囲に、第1酸化領域70aの枠が位置しうる。マスクM2が存在する状態で、第2シリコン層300の上部面に、酸素イオンを注入する(72)。酸素イオンを注入(72)した後、その結果物をアニーリングする。その後、マスクM2を除去する。前記酸素のイオン注入(72)と前記アニーリングとにより、離隔された第2酸化領域72aが、第1シリコン層200及び第2シリコン層300に形成される。第2酸化領域72aは、第1酸化領域70aより高い位置で、第1酸化領域70a両側に形成される。第2酸化領域72aは、第1酸化領域70a外側の第1シリコン層200の上層部と、第2シリコン層300の下層部とを含む。第2酸化領域72aは、第1酸化領域70aのエッジ上に拡張され、第1酸化領域70aと接触する。第2酸化領域72aの位置は、酸素イオンの注入エネルギーとマスクM2のパターニングとによって決定される。第2酸化領域72aのシリコン酸化物の一部は、第1密閉層として使われもする。従って、第2酸化領域72aは、後ほど実施される湿式エッチングで一部が残るように、第1酸化領域70aや、続いて形成される他の酸化領域より厚く形成される。
【0072】
次に、図7Aは、図7Bの7−7’方向に沿って切断した断面図であり、図7Bは、図7Aを上から見た平面図である。
【0073】
図7A及び図7Bを参照すれば、第2酸化領域72aが形成された後、第2シリコン層300上に、マスクM3を形成する。前述のマスクと同様に、マスクM3は、例えば、感光膜パターンであってもよい。
【0074】
マスクM3は、第1酸化領域70aに対応する第2シリコン層300の上部面を露出させる。図7Bから分かるように、第2シリコン層300の上部面の露出された領域の真ん中部分は、マスクM3で覆われている。マスクM3で覆われた第2シリコン層300の上部面の露出された領域の真ん中部分は、後続工程で、図1で説明した連結ピラー36になる。このようにマスクM3を形成した後、第2シリコン層300の露出された上部面に、酸素イオンを注入する(74)。その後、マスクM3を除去する。次に、酸素イオンが注入された結果物をアニーリングする。このようにして、第2シリコン層300内に、第3酸化領域74aが形成される。第3酸化領域74aは、第2酸化領域72aより高い位置に形成される。第3酸化領域74aは、第1酸化領域70aの上側に位置し、第1酸化領域70aの内側に位置する。第3酸化領域74aの真ん中領域に、酸化されていない第2シリコン層300の一部が存在する。従って、第3酸化領域74aは、中心に酸化されていない第2シリコン層300の一部が存在し、この一部を囲む形態となる。第3酸化領域74aは、第2酸化領域72aと連結される。
【0075】
次に、図8を参照すれば、第3酸化領域74aが内在した第2シリコン層300上に、第3シリコン層400を形成する。第3シリコン層400は、単結晶シリコン層であってもよい。第3シリコン層400は、第1シリコン層200と同じタイプのドーピング物質でドーピングされてもよい。第3シリコン層400は、エピタキシャル法で形成されてもよい。第3シリコン層400の成長中に、第3シリコン層400のドーピングがなされてもよい。第3シリコン層400の形成とドーピングは、インサイチュでなされてもよい。第3シリコン層400は、エピタキシャル法で形成されるので、第2シリコン層300から連続的に成長される。従って、第3シリコン層400は、第2シリコン層300と単一体で形成され、第2シリコン層300及び第3シリコン層400間で、境界面や連結痕跡などは現れない。
【0076】
次に、図9を参照すれば、第3シリコン層400上に、第3シリコン層400の上部面の一部を露出させるマスクM4を形成する。マスクM4は、感光膜パターンであってもよい。マスクM4によって露出された第3シリコン層400の上部面の一部領域は、第3酸化領域74aの真上に形成された第2シリコン層300の一部領域に対応する。すなわち、マスクM4は、第2シリコン層300において、第3酸化領域74aの真上に存在する部分の一部を限定する。
【0077】
マスクM4が形成された状態で、第3シリコン層400の上部面に酸素イオンを注入する(76)。注入された酸素イオンは、第3シリコン層400の上部面の露出された部分を介して、第2シリコン層300に達し、第3酸化領域74aの真上に形成された第2シリコン層300の一部領域に酸素が注入される。酸素のイオン注入エネルギーを調節することによって、第3酸化領域74aの真上に形成された第2シリコン層300に、酸素イオンが達しうる。酸素イオン注入後、マスクM4を除去する。次に、酸素がイオン注入された結果物をアニーリングする。このようにして、第2シリコン層300の第3酸化領域74aの真上に形成された部分の一部に、第4酸化領域76aが形成される。第4酸化領域76aは、第3酸化領域74aに垂直に形成されてもよい。第4酸化領域76aは、第3酸化領域74aの中心を基準に対称になるように、2ヵ所に形成される。第4酸化領域76aは、第3酸化領域74aと連結される。第4酸化領域76aは、第2シリコン層300内に形成されるが、第4酸化領域76aは、第2シリコン層300の上部面まで拡張され、第3シリコン層400と接触するように形成されてもよい。第4酸化領域76aは、第3シリコン層400が形成される前に形成されてもよい。
【0078】
次に、図10に示すように、第3シリコン層400上に、第5酸化領域78aが形成される領域を限定するマスクM5を形成する。マスクM5で限定された領域に、酸素イオンを注入する(78)。このとき、酸素イオンの注入エネルギーを調節することによって、第5酸化領域78aが形成される位置に酸素イオンが達しうる。酸素イオン注入後、マスクM5を除去する。次に、酸素がイオン注入された結果物をアニーリングする。このようにして、図10に図示されているような位置に、第5酸化領域78aが形成される。
【0079】
次に、図11を参照すれば、第3シリコン層400に、第4ドーピング領域42、第5ドーピング領域44及び第6ドーピング領域46を形成する。第4ドーピング領域ないし第6ドーピング領域42,44,46は、同じドーピング物質、例えば、n型ドーピング物質をイオン注入した後、拡散のための熱処理を行って形成される。第4ドーピング領域ないし第6ドーピング領域42,44,46がn型ドーピング領域であるとき、第4ドーピング領域ないし第6ドーピング領域42,44,46は、それぞれ第1n型ドーピング領域、第2n型ドーピング領域及び第3n型ドーピング領域であると表現することもできる。第4ドーピング領域ないし第6ドーピング領域42,44,46は、互いに離隔されている。第4ドーピング領域42及び第5ドーピング領域44は、同時に形成されてもよい。第6ドーピング領域46は、第4ドーピング領域42及び第5ドーピング領域44より前にまたは後に形成されてもよい。第4ドーピング領域42及び第5ドーピング領域44は、第2シリコン層300に連結されるように形成される。第6ドーピング領域46は、第2シリコン層300と離隔されるように形成される。第5ドーピング領域44は、第5酸化領域78aを挟んで対向する位置に形成される。すなわち、第5ドーピング領域44は、第5酸化領域78aの周囲に位置する。第4ドーピング領域42と第6ドーピング領域46は、第5ドーピング領域44の外側に位置する。第4ドーピング領域42は、図面上で第5ドーピング領域44の左側(一側)に、第6ドーピング領域46は、第5ドーピング領域44の右側(他側)にそれぞれ位置する。第4ドーピング領域42及び第5ドーピング領域44は、第2シリコン層300から延び、第3シリコン層400の上部面まで至ってもよい。
【0080】
図12を参照すれば、第4ドーピング領域42に、第7ドーピング領域48を形成する。第7ドーピング領域48は、第4ドーピング領域42の一部にドーピング物質、例えば、p型ドーピング物質をイオン注入し、拡散のための熱処理を行って形成することができる。第7ドーピング領域48は、第4ドーピング領域42周囲の領域と離隔される。第7ドーピング領域48の上部面は、第3シリコン層400の上部面の一部になってもよい。第4ドーピング領域42及び第7ドーピング領域48は、反対型のドーピング物質でドーピングされた領域である。第2シリコン層300と第4ドーピング領域42は、同じドーピング物質を有する単結晶シリコン層である。従って、第4ドーピング領域42及び第7ドーピング領域48は、PNダイオードを形成することができる。また、第6ドーピング領域46は、p型にドーピングされたシリコン層を含み、第6ドーピング領域46の周囲は、n型にドーピングされた第3シリコン層400であるから、第6ドーピング領域46と、その周囲の第3シリコン層400は、PNダイオードを形成することができる。第5ドーピング領域44は、第3シリコン層400において、前記2個のPN接合ダイオードを分離するために形成された領域であってもよい。
【0081】
次に、図13を参照すれば、第5ドーピング領域44の内側、すなわち、第5酸化領域78a上に形成された第3シリコン層400に、複数の貫通ホール52を形成する。貫通ホール52を介して、第5酸化領域78aの一部が露出される。次に、貫通ホール52を介して、第1酸化領域ないし第5酸化領域70a,72a,74a,76a,78aのシリコン酸化物を除去する。この結果、図14に示すように、第1酸化領域ないし第5酸化領域70a,72a,74a,76a,78aの位置に、1つの空間60が形成される。第1酸化領域ないし第5酸化領域70a,72a,74a,76a,78aのシリコン酸化物は、図13の結果物を湿式エッチングして除去することができる。例えば、第1酸化領域ないし第5酸化領域70a,72a,74a,76a,78aのシリコン酸化物は、図13の結果物を、フッ化水素酸(HF)溶液のようなシリコン酸化物に対するエッチング選択比の高い湿式エッチャント(etchant)が充填された容器に所定時間浸漬することによって除去される。
【0082】
図14を参照すれば、空間60が形成された後、貫通ホール52は、空間60の入口となる。そして、空間60内に、第1酸化領域ないし第5酸化領域70a,72a,74a,76a,78aで囲まれた、下部層20aに対応する第1シリコン層200の一部と、第1振動板32、第2振動板34及び連結ピラー36に対応する第2シリコン層300の一部を含む振動体32、34が形成される。振動体32、34は、第1振動板32と第2振動板34とを含む。第1振動板32及び第2振動板34については、図1で説明したため、説明は省略する。
【0083】
図13の結果物を湿式エッチングする間、他の酸化領域70a,74a,76a,78aに比べて、相対的に厚みが大きい第2酸化領域72aのシリコン酸化物は、他の酸化領域70a,74a,76a,78aのシリコン酸化物が除去された後にも一部残るが、完全に除去することもできる。前記湿式エッチング後、第2酸化領域72aの一部が残った場合、それは、第1密閉層として使われてもよい。前記湿式エッチングで、第2酸化領域72aを完全に除去する場合には、後続の密封工程で、第2酸化領域72aが除去された部分の入口を密封してもよい。
【0084】
図15を参照すれば、第3シリコン層400上に、貫通ホール52を覆う第2密閉層50を形成する。第2密閉層50は、ゼロレベル真空密封(zero level vacuum seal)方式で形成することができる。第2密閉層50は、例えば、シリコン酸化物層またはシリコン窒化物層で形成することができる。第2密閉層50を形成するとき、貫通ホール52を充填することができる。第2密閉層50を形成した後、第2密閉層50に、複数のコンタクトホール50h1,50h2,50h3を形成する。第1コンタクトホール50h1を介して、第7ドーピング領域48が露出される。第2コンタクトホール50h2を介して、第5ドーピング領域44内側の第3シリコン層400の一部が露出される。第3コンタクトホール50h3を介して、第6ドーピング領域46が露出される。
【0085】
次に、図16を参照すれば、第2密閉層50上に、互いに離隔された第1電極ないし第3電極80,82,84を形成する。そして、第1シリコン層200の下面に、下部電極10を形成する。第1電極80は、第1コンタクトホール50h1を充填し、第7ドーピング領域48に接触する。第2電極82は、第2コンタクトホール50h2を充填して第3シリコン層400に接触する。第3電極84は、第3コンタクトホール50h3を充填して第6ドーピング領域46に接触する。このようにして、エネルギー変換素子が形成される。
【0086】
次に、本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子の駆動方法について説明する。この説明により、本発明の素子が多様な用途に使われるということが分かる。
【0087】
図17は、本発明の一実施例によるエネルギー変換素子を、昇圧変換器(boostup converter)として使用する場合を示している。
【0088】
図17を参照すれば、第1電極80に入力電圧Vinを印加し、第2電極82に同調信号(resonating signal)を印加すれば、振動体32、34の駆動によるキャパシタンスの変化率に比例する出力電圧Voutを得ることができる。図17のコンバータの場合、スイッチが不要であり、キャパシタンスの変化率によって、利得が数十デシベルに達するDC(direct current)変換器になる。
【0089】
図18は、本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子が、物理的センサ(physical sensor)として使われる場合を示している。
【0090】
図18を参照すれば、本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子において、第1電極80に入力電圧Vinを印加した状態で、前記エネルギー変換素子にモーメンタムを付与したり、あるいは前記エネルギー変換素子を加速させたりする外部の力が、前記エネルギー変換素子に作用すれば、経時的なキャパシタンスの変化を得ることができる。これにより、次の数式2を利用して経時的な出力電圧Voutを得ることができ、経時的なモーメンタムや加速度を計算することができる。従って、本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子は、経時的な物理的変数値を計算するセンサとして使われてもよい。
【0091】
out(t)=[C(t)/C(min)]Vin … (数式2)
図19は、本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子を、エネルギー・ハーベスタ(harvester)として使用する場合を示している。
【0092】
図19を参照すれば、本発明の一実施形態によるエネルギー変換素子が、エネルギー・ハーベスタとして使われる場合、前記エネルギー変換素子における第2振動板34の表面に誘電層90がさらに形成される。誘電層90は、振動体32、34の表面全体に形成されてもよい。誘電層90は、第2密閉層50が形成される前に形成されてもよい。このとき、誘電層90は、原子層積層(atomic layer deposition)法で形成することができる。誘電層90を形成した後、第1密閉層50と第1電極ないし第3電極80,82,84とを形成することができる。図19で誘電層90は、固定された分極電荷を有することができる。分極電荷は、前記エネルギー変換素子の外部から電圧を印加する方法などで発生させることができる。このように、誘電層90に固定された分極電荷が存在する状態で、図19の素子に運動量を与えれば、次の数式3によって、電気エネルギーが発生する。すなわち、図19の素子は、外部から加えられる機械的エネルギーを電気エネルギーに変換させる。
【0093】
out(t)=Qfix/C(t) … (数式3)
数式3でQfixは、誘電層90に発生した固定電荷量を示す。
【0094】
上記の説明では、多くの事項が具体的に記載されているが、それらは発明の範囲を限定するものではなく、望ましい実施形態の例示として解釈されなければならない。よって、本発明の範囲は、説明した実施形態によって定められるのではなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想によって定められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明のエネルギー変換素子並びにその製造及び動作方法は、例えば、電力節電関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0096】
10 下部電極板、
20 第1ドーピング領域、
20a 下部層、
22 第1密閉層、
30 第2ドーピング領域、
30a 上部層、
32 第1振動板、
32h,52 貫通ホール、
34 第2振動板、
36 連結ピラー、
40 第3ドーピング領域、
42 第4ドーピング領域、
44 第5ドーピング領域、
46 第6ドーピング領域、
48 第7ドーピング領域、
50 第2密閉層、
50h1 第1コンタクトホール、
50h2 第2コンタクトホール、
50h3 第3コンタクトホール、
60 空間、
70,72,74,76,78 酸素イオン注入、
70a 第1酸化領域、
72a 第2酸化領域、
74a 第3酸化領域、
76a 第4酸化領域、
78a 第5酸化領域、
80 第1電極、
82 第2電極、
84 第3電極、
90 誘電層、
200 第1シリコン層、
300 第2シリコン層、
400 第3シリコン層、
M1,M2,M3,M4 マスク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のドーピング領域を含むモノリシック単結晶シリコン層と、
前記単結晶シリコン層に内在し、前記複数のドーピング領域のうち1つのドーピング領域にのみ連結された振動体と、
前記振動体に印加される入力信号が経由するPN接合ダイオード(第1ダイオード)と、
前記振動体から出力される信号が経由するPN接合ダイオード(第2ダイオード)と、を含むエネルギー変換素子。
【請求項2】
前記単結晶シリコン層は、内部に密閉された空間を含み、前記振動体は、前記空間に備えられることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー変換素子。
【請求項3】
前記複数のドーピング領域は、順次に位置する第1ドーピング領域ないし第3ドーピング領域を含み、前記第3ドーピング領域は、前記第1ダイオード及び前記第2ダイオードを形成するp型ドーピング領域とn型ドーピング領域とを含み、前記第1ダイオード及び前記第2ダイオードと、前記第3ドーピング領域の残りの部分とを分離するためのドーピング領域をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー変換素子。
【請求項4】
前記単結晶シリコン層は、内部に密閉された空間を含み、前記振動体は、前記空間に備えられ、
前記第3ドーピング領域は、前記空間と連結される複数の貫通ホールを含むことを特徴とする請求項3に記載のエネルギー変換素子。
【請求項5】
前記第3ドーピング領域上に、前記複数の貫通ホールを覆う密閉層が備えられることを特徴とする請求項4に記載のエネルギー変換素子。
【請求項6】
前記密閉層は、前記第1ダイオード、前記第2ダイオード、及び前記第1ダイオードと前記第2ダイオードとの間の第3ドーピング領域が露出される、複数のコンタクトホールを含むことを特徴とする請求項5に記載のエネルギー変換素子。
【請求項7】
前記密閉層上に離隔された第1電極ないし第3電極が備わり、前記第1電極ないし第3電極は、それぞれ前記複数のコンタクトホールを介して、前記第1ダイオード、前記第2ダイオード及び前記第3ドーピング領域に連結されたことを特徴とする請求項6に記載のエネルギー変換素子。
【請求項8】
前記第1ドーピング領域ないし第3ドーピング領域において隣接したドーピング領域は、互いに反対型にドーピングされたことを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載のエネルギー変換素子。
【請求項9】
前記振動体は、互いに連結された第1振動板及び第2振動板を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のエネルギー変換素子。
【請求項10】
前記振動体は、前記振動体が連結されたドーピング領域と同一型にドーピングされた部分と、前記振動体が連結されていないドーピング領域と同一型にドーピングされた部分と、を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のエネルギー変換素子。
【請求項11】
前記第2振動板は、反対型にドーピングされた2つの部分を含むことを特徴とする請求項9に記載のエネルギー変換素子。
【請求項12】
前記第1振動板は、複数の貫通ホールを含むことを特徴とする請求項9に記載のエネルギー変換素子。
【請求項13】
前記第2振動板が対向するドーピング領域と前記振動体は、可変キャパシタを構成することを特徴とする請求項11に記載のエネルギー変換素子。
【請求項14】
前記第2振動板と、前記第2振動板が対向するドーピング領域は、常に平行していることを特徴とする請求項13に記載のエネルギー変換素子。
【請求項15】
前記振動体表面に固定された分極電荷を有する絶縁層が備わり、エネルギー・ハーベスタとして使われることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のエネルギー変換素子。
【請求項16】
複数のドーピング領域を含むモノリシック単結晶シリコン層と、前記単結晶シリコン層に内在し、前記複数のドーピング領域のうち1つのドーピング領域にのみ連結された振動体と、前記振動体に印加される入力信号が経由するPN接合ダイオード(第1ダイオード)と、前記振動体から出力される信号が経由するPN接合ダイオード(第2ダイオード)と、を含み、
前記振動体を駆動させる段階と、
前記振動体の駆動による出力信号を前記第2ダイオードを介して出力させる段階と、を含むエネルギー変換素子の動作方法。
【請求項17】
前記振動体を駆動させる段階は、
前記第1ダイオードに入力電圧を印加する段階を含むことを特徴とする請求項16に記載のエネルギー変換素子の動作方法。
【請求項18】
前記第1ダイオード及び前記第2ダイオード間のドーピング領域で、前記第1ダイオード及び前記第2ダイオードと電気的に分離された領域に同調信号を印加する段階を含み、前記出力信号を前記入力電圧より高くすることを特徴とする請求項17に記載のエネルギー変換素子の動作方法。
【請求項19】
前記振動体は、前記エネルギー変換素子に加えられる力によって駆動され、前記出力信号は、前記力の物理量の測定のためのデータとして使われることを特徴とする請求項16に記載のエネルギー変換素子の動作方法。
【請求項20】
前記振動体表面に固定された分極電荷を有する絶縁層が備わり、エネルギー・ハーベスタとして使われることを特徴とする請求項16に記載のエネルギー変換素子の動作方法。
【請求項21】
前記単結晶シリコンは、内部に密閉された空間を含み、前記振動体は、前記空間に備わったことを特徴とする請求項18〜20のいずれか1項に記載のエネルギー変換素子の動作方法。
【請求項22】
前記複数のドーピング領域は、順次に位置する第1ドーピング領域ないし第3ドーピング領域を含み、
前記第3ドーピング領域は、前記第1ダイオード及び前記第2ダイオードを形成するp型ドーピング領域とn型ドーピング領域とを含み、
前記第1ダイオード及び前記第2ダイオードと、前記第3ドーピング領域の残りの部分とを分離するためのドーピング領域をさらに含むことを特徴とする請求項18〜20のいずれか1項に記載のエネルギー変換素子の動作方法。
【請求項23】
前記振動体は、互いに連結された第1振動板及び第2振動板を含むことを特徴とする請求項16〜22のいずれか1項に記載のエネルギー変換素子の動作方法。
【請求項24】
前記振動体は、前記振動体が連結されたドーピング領域と同一型にドーピングされた部分と、前記振動体が連結されていないドーピング領域と同一型にドーピングされた部分と、を含むことを特徴とする請求項16〜23のいずれか1項に記載のエネルギー変換素子の動作方法。
【請求項25】
前記第2振動板は、反対型にドーピングされ、互いに平行した2つの部分を含むことを特徴とする請求項23に記載のエネルギー変換素子の動作方法。
【請求項26】
前記第2振動板が対向するドーピング領域と前記振動体は、可変キャパシタを構成することを特徴とする請求項23に記載のエネルギー変換素子の動作方法。
【請求項27】
前記第2振動板と、前記第2振動板が対向するドーピング領域は、常に平行していることを特徴とする請求項26に記載のエネルギー変換素子の動作方法。
【請求項28】
p型またはn型にドーピングされた単結晶の第1シリコン層に、第1酸化領域を形成する段階と、
前記第1シリコン層上に、前記第1シリコン層と反対型にドーピングされた単結晶の第2シリコン層を成長させる段階と、
前記第1酸化領域と連結され、前記第1シリコン層及び第2シリコン層の一部を囲む第2酸化領域を形成し、前記囲まれた第2シリコン層の一部は、前記第2酸化領域上側の前記第2シリコン層と連結されるように形成する段階と、
前記第2シリコン層上に、前記第2シリコン層と反対型にドーピングされた単結晶の第3シリコン層を成長させる段階と、
前記第2酸化領域上側の前記第2シリコン層に、前記第2酸化領域と連結される第3酸化領域を形成し、前記第3酸化領域の一部は、前記第2シリコン層の上部面を酸化させて形成する段階と、
前記第3シリコン層に、前記第3酸化領域と離隔され、前記第3シリコン層の残りの部分と電気的に分離された第1PN接合ダイオード及び第2PN接合ダイオードを形成する段階と、
前記第1酸化領域ないし第3酸化領域の酸化物を除去し、前記第2シリコン層にのみ連結され、前記第1シリコン層及び第3シリコン層と離隔された振動体を形成する段階と、
前記酸化物が除去された領域を密封する段階と、を含み、
前記第2シリコン層及び第3シリコン層は、エピタキシャル法で形成するエネルギー変換素子の製造方法。
【請求項29】
前記第2酸化領域を形成する段階は、
前記第1酸化領域の外側に、前記第1酸化領域より高い位置に、前記第1酸化領域と連結される第2a酸化領域を形成する段階と、
前記第1酸化領域の内側に、前記第2a酸化領域より高い位置に、前記第1酸化領域と平行し、前記第2a酸化領域に連結される第2b酸化領域を形成し、前記第2b酸化領域の中央部分は、非酸化領域として残す段階と、を含むことを特徴とする請求項28に記載のエネルギー変換素子の製造方法。
【請求項30】
前記第3酸化領域を形成する段階は、
前記第2シリコン層で、前記第2酸化領域より高い位置に、前記第2酸化領域と連結される第3a酸化領域を形成する段階と、
前記第2シリコン層で、前記第3a酸化領域より高い位置に、前記第3a酸化領域と連結される第3b酸化領域を形成するが、前記第3b酸化領域は、前記第3a酸化領域と前記第3シリコン層との間の前記第2シリコン層全部を酸化させて形成する段階と、を含むことを特徴とする請求項28または請求項29に記載のエネルギー変換素子の製造方法。
【請求項31】
前記第3b酸化領域は、前記第3シリコン層に拡張させることを特徴とする請求項30に記載のエネルギー変換素子の製造方法。
【請求項32】
前記第1PN接合ダイオード及び第2PN接合ダイオードを形成する段階は、
前記第3酸化領域の一側において前記第3シリコン層に、前記第3酸化領域と離隔され、前記第2シリコン層に連結された第1n型ドーピング領域を形成する段階と、
前記第3酸化領域と前記第1n型ドーピング領域との間の前記第3シリコン層に、前記第1n型ドーピング領域と離隔され、前記第2シリコン層に連結される第2n型ドーピング領域を形成し、前記第3酸化領域の他側において前記第3シリコン層に、前記第2n型ドーピング領域を、前記第2シリコン層と連結されるように形成する段階と、
前記第3酸化領域の他側において前記第3シリコン層の前記第2n型ドーピング領域外側に、前記第2n型ドーピング領域、及び前記第2シリコン層に連結されていない第3n型ドーピング領域を形成する段階と、
前記第3酸化領域の一側において前記第3シリコン層に形成された前記第1n型ドーピング領域に、p型ドーピング領域を形成する段階と、を含み、
前記第1n型ドーピング領域と、前記第2n型ドーピング領域は、同時に形成することを特徴とする請求項28〜31のいずれか1項に記載のエネルギー変換素子の製造方法。
【請求項33】
前記振動体を形成する段階は、
前記第3シリコン層に、前記第3酸化領域が露出される貫通ホールを形成する段階と、
前記貫通ホールを介して、前記第1酸化領域ないし第3酸化領域の酸化物を湿式エッチングする段階と、をさらに含むことを特徴とする請求項28〜32のいずれか1項に記載のエネルギー変換素子の製造方法。
【請求項34】
前記第1酸化領域ないし第3酸化領域は、
酸素イオンを注入する段階と、
前記酸素イオンが注入された結果物をアニーリングする段階と、を含んで形成することを特徴とする請求項28〜33のいずれか1項に記載のエネルギー変換素子の製造方法。
【請求項35】
前記密封する段階は、前記第3シリコン層上に、前記貫通ホールを密封する密閉層を形成する段階を含むことを特徴とする請求項33に記載のエネルギー変換素子の製造方法。
【請求項36】
前記密閉層に、前記第1PN接合ダイオード及び第2PN接合ダイオードが露出され、前記第1PN接合ダイオード及び第2PN接合ダイオード間の前記第3シリコン層が露出される、複数のコンタクトホールを形成する段階と、
前記密閉層上に、露出された前記第1PN接合ダイオードと連結される第1電極、露出された前記第2PN接合ダイオードと連結される第2電極、及び露出された前記第3シリコン層と連結される第3電極を形成する段階と、をさらに含むことを特徴とする請求項35に記載のエネルギー変換素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−46064(P2013−46064A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−172822(P2012−172822)
【出願日】平成24年8月3日(2012.8.3)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】