エネルギー情報管理装置
【課題】
各施設でのエネルギー消費量を収集し、省エネルギー管理に必要な情報を演算し、各施設のエネルギー消費者に施設ごとの分析情報を比較表示させ視覚的に見せることで、省エネルギーに対する意識向上を促し、効果的な省エネルギー活動を持続させることができるエネルギー情報管理装置を提供する。
【解決手段】
施設群5のエネルギーに関するデータを計測する装置(1〜3)からエネルギー消費量を取得できるWebコントローラ4とネットワーク6を介して接続している情報管理サーバ7に、前記エネルギー消費量を予め設定した演算定義ファイル9aを基に演算しエネルギーデータベース9に保存するエネルギー情報演算手段8と、前記データを予め設定した出力定義ファイル9bを基に編集するエネルギー情報管理手段10を設け、所定の画面上での操作に応じてエネルギー分析情報を、表示器に表示する。
各施設でのエネルギー消費量を収集し、省エネルギー管理に必要な情報を演算し、各施設のエネルギー消費者に施設ごとの分析情報を比較表示させ視覚的に見せることで、省エネルギーに対する意識向上を促し、効果的な省エネルギー活動を持続させることができるエネルギー情報管理装置を提供する。
【解決手段】
施設群5のエネルギーに関するデータを計測する装置(1〜3)からエネルギー消費量を取得できるWebコントローラ4とネットワーク6を介して接続している情報管理サーバ7に、前記エネルギー消費量を予め設定した演算定義ファイル9aを基に演算しエネルギーデータベース9に保存するエネルギー情報演算手段8と、前記データを予め設定した出力定義ファイル9bを基に編集するエネルギー情報管理手段10を設け、所定の画面上での操作に応じてエネルギー分析情報を、表示器に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学校やチェーン店舗など施設群のエネルギー消費実績について、エネルギー使用実態の詳細分析や他施設とのエネルギー消費状況の比較により、省エネルギー活動の効果をエネルギー消費者が視覚的に把握することができるエネルギー情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー管理分野における主な課題は、エネルギー消費者に省エネルギー活動によるエネルギー節減量を提供し、省エネルギー活動の有効手段を認識させることである。従来の省エネルギー管理は、エネルギー監視システムとしてエネルギー使用量をグラフ表示するものや、エネルギー使用量の目標値などを数値で表示するものが提供されている。これらの数値は、誰でもすぐにエネルギー消費量の目標値達成や消費状況を把握出来るものではなく、専門の施設管理者が判断しエネルギー消費者に提供している。また、複数施設を管理することになると、データの収集や比較に多くの時間を費やし、効果的な省エネルギー手段を迅速に判断出来なかった。これらを改善するものとして、特許文献1あるいは特許文献2に記載されるエネルギー消費管理装置が提案されている。すなわち、特許文献1には、エネルギーを消費する各設備のエネルギー消費に関する物理量を計測する多数の計測器と、前記各計測器の計測データを収集する計測データ収集手段と、前記計測データ収集手段とネットワークを介して接続され、前記計測データ収集手段に収集されたデータを、部署,ライン,設備等の予め設定された管理単位毎のエネルギー消費量を表示可能なデータに処理して蓄積するデータ処理蓄積手段と、前記データ処理蓄積手段に蓄積されたデータを表示する表示手段とを備えたエネルギー管理システムが記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、家庭内に配置された電気機器に取り付けられ、少なくとも前記電気機器の稼動状態を取得でき、且つ通信機器を有する機器アダプタと、前記機器アダプタと通信によりデータの送受信を行うデータセンタと、前記データセンタと通信によりデータの送受信を行う表示端末とを備え、前記データセンタは前記表示端末を経由して得られる前記電気機器の稼動状態のデータを収集管理するとともに、前記稼動状態のデータを演算処理して得られたメッセージを前記表示端末に送信するエネルギー管理システムが記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−356814号公報
【特許文献2】特開2003−162787号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常施設で消費される電気,ガス,水道などのエネルギー消費量は、自治体やエネルギー供給会社が設置している計測器で計測される消費量に応じた料金を支払う仕組みとなっている。自治体やエネルギー供給会社が設置している計測器を使用してエネルギー消費量を把握しようとすると、エネルギー消費量の請求が一ヶ月から二ヶ月後の請求となるためすぐに把握できない問題や、月単位の積算のため日々ごと時間ごとにきめ細かな把握ができない問題がある。
【0006】
本発明は、各施設でのエネルギー消費量を収集し、省エネルギー管理に必要な情報を演算し、各施設のエネルギー消費者に施設ごとの分析情報を比較表示させ視覚的に見せることで、省エネルギーに対する意識向上を促し、効果的な省エネルギー活動を持続させることができるエネルギー情報管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
また、本発明は、(請求項1に示す)エネルギー情報管理装置を提供する。本発明は、実計測器で実計測されたエネルギー消費量を入力する入力手段、前記実計測器で実計測されたエネルギー消費量について仮想計測器で計測されたエネルギー消費量として按分する按分率を含めた演算定義ファイル、および按分されたエネルギー消費量および実計測されたエネルギー消費量の双方を含む計測エネルギー消費量から課金用エネルギー消費量算定の基礎となる配賦率を含めた演算定義ファイルを格納するエネルギーデータベース、および前記計測エネルギー消費量から前記按分率を用いて各仮想計測器に按分される所定時間当りのエネルギー消費量を計算する按分計算処理部と、各計測器の計測エネルギー消費量から前記配賦率を使用して所定時間当りの課金用エネルギー消費量を計算する配賦計算処理部とを有するエネルギー情報演算手段、を備え、前記エネルギーデータベースは、少なくとも時間経過単位,建物単位もしくは場所単位,計測種類単位および用途単位からなる管理単位を含む管理区分および該管理単位の中の演算対象項目を格納し、かつ各計測器が計測を担当する前記演算対象項目との予め決められた特定関係を格納し、前記管理区分からいずれかの管理単位を選定して組み合わせを行い、各組み合わせの中にいくつかの演算対象項目を特定して、前記各計測器が計測担当した計測エネルギー消費量もしくは/および前記配賦計算処理部で計算される各計測器についての課金用エネルギー消費量を用いて課金用エネルギー消費量を統計する分析管理処理部を有する分析管理処理手段を備えるエネルギー情報管理装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、施設群のエネルギー消費量を視覚的に把握でき、省エネルギー活動によるエネルギー節減量も金額で表示されるため分かりやすく、効果的な省エネルギー活動を継続できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
上述したエネルギー情報管理装置において、前記管理区分には演算処理結果の演算処理項目を含む管理単位が設定されることを特徴とするエネルギー情報管理装置を構成する。
【0010】
また、前記エネルギーデータベースは、エネルギー消費量とCO2排出量との関係をCO2係数として、エネルギー消費量と原油換算量との関係を原油換算係数として、およびCO2排出量と排出権コストとの関係をCO2排出権係数として格納しており、前記エネルギー情報演算手段は、前記計測エネルギー消費量を分子とし、面積,体積,空調面積,空調体積,対象人数あるいは/および生産高等のエネルギー消費媒体の大きさを表わす消費媒体絶対量を原単位として分母とし、エネルギー消費原単位を演算する原単位計算処理部と、前記計測エネルギー消費量から前記CO2係数を用いてCO2排出量を演算し、該エネルギー消費量から原油換算係数を用いて原油換算量を演算し、かつCO2排出量からCO2排出権コストを演算するCO2コスト計算処理部を有し、前記管理区分には、エネルギー消費原単位,原油換算値,CO2排出量およびCO2排出権コストを演算結果単位とし、該演算結果単位内に演算対象項目として有することを特徴とするエネルギー情報管理装置を構成する。
【0011】
また、前記エネルギーデータベースは、出力定義ファイルを格納し、前記エネルギー情報管理手段は、前記出力定義ファイルを使用して、前記演算対象項目を組み合わせた、各組み合わせについて統計された課金用エネルギー消費量を画面に3次元グラフ表示する表示管理処理部を有することを特徴とするエネルギー情報管理装置を構成する。
【0012】
また、前記分析管理処理部は、管理区分内の用途単位の中で、演算対象項目別に統計された課金用エネルギー消費量を算出し、前記表示管理処理部は算出された課金用エネルギー消費量を画面に3次元グラフ表示することを特徴とするエネルギー情報管理装置を構成する。
【0013】
また、前記表示管理処理部は、演算対象項目が特定された課金用エネルギー消費量と、前記演算結果内の演算対象項目が特定されたエネルギー原単位,CO2排出量,原理演算量,CO2排出権コストのいずれかを表示することを特徴とするエネルギー情報管理装置を構成する。
【0014】
本実施例は、管理対象の施設群から通信回線を介してエネルギー消費量を収集するエネルギー情報管理装置(システム)において、収集したエネルギー消費量を予め設定した管理区分(管理区分を構成する管理単位、該単位を構成する演算処理項目を含む。)について演算処理しデータベースに保存しており、所定の画面上での操作に応じて前記データとそれに対応した表示項目定義ファイルを検索し、表示する。また、当該検索したデータを所定の目標値や他施設の実績値と比較し、その比較結果を表示できるようにしている。エネルギー情報を編集する手段は、実メータのエネルギー消費量から予め設定した管理区分ごとに仮想計測器のエネルギー消費量を按分計算し、課金エネルギー消費量を算出する。また面積単位,体積単位,空調面積単位,空調体積単位,人数単位,生産高単位などの原単位計算をする。エネルギー情報管理手段は、目標値に対しての偏差表示やエネルギーの消費状況を複数施設ごとに月毎のエネルギー消費量(課金エネルギー消費量)の経過を比較表示でき、省エネルギーの達成状況や省エネルギー活動の効果を一目で把握できるようにした。この比較表示は、エネルギー消費量を時,日,週,月,季節,年ごとに、課金エネルギー消費量として金額に換算した量としてグラフ表示でき、また、CO2排出量の算出やエネルギー消費量の少ない施設と多い施設を合わせて比較表示できるようにしている。
【実施例】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施例であるエネルギー情報管理装置100の構成を示す。エネルギー情報管理装置100は、情報管理サーバ7と、これに付属する表示機11からなる。情報管理サーバ7は、ネットワーク6を介して施設群5を構成する各施設1−nに設けたWebコントローラ4およびこれに付属する表示装置12に接続される。従って、図示していないが接続のための入力部を有する。
【0017】
各Webコントローラ4は、管理対象となる施設1のエネルギー消費量を計測する。例えば電力計測器1,ガス計測器2,水計測器3などの計測器に接続され、各計測器で計測したエネルギー消費量の送信を受ける。エネルギー情報管理装置100は、拡大して定義した場合には、これらの各Webコントローラ4および各計測器を含むものとする。
【0018】
情報管理サーバ7は、エネルギー情報演算手段8,記憶手段としてのエネルギーデータベース9およびエネルギー情報管理手段10を備えている。
【0019】
エネルギー情報演算手段8は、按分計算処理部8a,配賦計算処理部8b,原単位計算処理部8cおよびCO2コスト計算処理部8dを備える。
【0020】
エネルギーデータベース9は、後述する各種の演算定義ファイル9aおよび出力定義ファイル9bを格納している。
【0021】
エネルギー情報管理手段10は、表示管理処理部10aおよび分析管理処理部10bを備え、エネルギー消費量についての分析,管理および表示機能、更には表示のための編集機能を有する。
【0022】
管理対象となる各施設には自治体やエネルギー供給会社が設置する電力計測器1,ガス計測器2,水計測器3などの計測器や事業者が自ら設置した計測器が設けられ、これらの計測器を使用して施設でのエネルギー消費量の計測が行われる。
【0023】
これらの計測器で測定しているエネルギー消費量を取り込むためネットワーク通信が可能なWebコントローラを設置し、一般的にはインターネットやイントラネットを使用するネットワーク6を介して情報管理サーバ7にエネルギー消費量を収集する。
【0024】
Webコントローラ4で蓄積されているエネルギー消費量を、例えば日単位,時間単位で定周期で取り込み、実計測器で実計測したエネルギー消費量としてエネルギーデータベース9で時々刻々保存する。Webコントローラ4からの取り込みがネットワーク障害によって時々刻々取り込めない場合には数日間分まとめて取り込むようにしてもよい。いずれにしても単位期間(時間)当りの実計測値がエネルギーデータベース9に蓄積されることになる。
【0025】
詳細なエネルギー管理を実現するためには多くの計測器が必要となり、膨大な費用を要し、実際的ではない。そのために、少ない計測器でエネルギー管理を実現することを行う。このため、図1に示すように、エネルギー情報演算手段8を設け、按分計算処理部8aによる按分計算を可能にし、配賦計算処理部8bによる配賦計算を可能にする。
【0026】
図2に按分計算処理部8aの按分のための処理パターンを示す。図において、実計測器はエネルギー消費量計測のために実際に設置された実計測器を示し、仮想計測器はエネルギー管理のために仮に設置されたとする仮想の計測器を示し、実際に計測された実計測値から過去のデータあるいは計画値などを使用して算出される値がエネルギー消費量として計測されたものとされる。図には(a),(b),(c)の3つのパターンを示している。図4(a)パターンは、大項目に属する一つの実計測器Aのエネルギー消費量を同じ系統上に設けたことを想定した場合の小項目仮想計測器B,Cについて、予め設定した演算定義ファイルの按分計算ファイルの按分計算フォーマットの按分率を基に演算する処理を行うもので、実計測器Aで実計測されたエネルギー消費量から仮想計測器Bと仮想計測器Cの仮想のエネルギー消費量が按分率を使用して算出される。例えば大項目は建物のエネルギー消費量を計測する計測器であり、小項目は各室とか区割された部分のエネルギー消費量を計測する計測器である。これらの値は、エネルギーデータベース9に格納される。尚、小項目に属する計測器の値を加算して大項目に属する計測器の値としても良い。
【0027】
図4(b)パターンは、少なくとも一つ以上の実計測器で計測したエネルギー消費量から同じ系統上にある一つの仮想計測器のエネルギー消費量を予め設置した演算定義ファイルの按分計算フォーマットの按分率を基に演算する処理を行うもので、この場合、実計測器Bと実計測器Cで計測したエネルギー消費量を加算する按分率で仮想計測器Aのエネルギー消費量が算出され、格納される。
【0028】
図4(c)パターンは、複数の実計測器と複数の仮想計測器のエネルギー消費量から同じ系統上にあるほかの複数の仮想計測器のエネルギー消費量を想定するもので、予め設定した演算定義ファイルの按分計算フォーマットの按分率を基に演算する処理を行っている。この場合、実計測器Aで計測したエネルギー消費量から実計測器Cと実計測器Dのエネルギー消費量を除算した結果を仮想計測器Bのエネルギー消費量とし、その結果から更に仮想計測器Eと仮想計測器Fのエネルギー消費量を、上述同様にして、按分率で算出し、格納する。
【0029】
配賦計算処理部8bは、実計測器で実計測されたエネルギー消費量および按分によって算出されたエネルギー消費量の双方を含む計測エネルギー消費量から、予め設定した演算定義ファイルの配賦計算フォーマットの配賦率を基にエネルギー消費量を配賦計算し、課金用エネルギー消費量を求める演算を行い、エネルギーデータベース9にデータとして保存する。
【0030】
このように、エネルギー情報管理装置100は、実計測器で実計測されたエネルギー消費量を入力する入力手段、実計測器で実計測されたエネルギー消費量について仮想計測器で計測されたエネルギー消費量として按分する按分率を含めた演算定義ファイル、および按分されたエネルギー消費量および実計測されたエネルギー消費量の双方を含む計測エネルギー消費量から課金用エネルギー消費量算定の基礎となる配賦率を含めた演算定義ファイルを格納するエネルギーデータベース9、および前記計測エネルギー消費量から前記按分率を用いて各仮想計測器に按分される所定時間当りのエネルギー消費量を計算する按分計算処理部8aと、各計測器の計測エネルギー消費量から配賦率を使用して所定時間当りの課金用エネルギー消費量を計算する配賦計算処理部8bとを有するエネルギー情報演算手段を備えている。
【0031】
エネルギーデータベース9は、少なくとも時間経過単位,建物単位もしくは場所単位,計測種類単位および用途単位からなる管理単位を含む管理区分および該管理単位の中の演算対象項目を格納し、かつ各計測器が計測を担当する前記演算対象項目との予め決められた特定関係を格納する。これらの例を図3および図4に示す。
【0032】
図3は、各計測器(実計測器および仮想計測器)および管理区分と、管理区分を構成する管理単位と、管理単位を構成する演算処理項目との関係を示す。各計測器には管理の便宜のためにメータコードが付与される。本例の場合、管理区分は、時間経過単位,建物単位,場所単位,計測種別単位,用途単位および演算結果単位から構成されている。時間経過単位は、時間経過を要素とし、建物単位および場所単位は場所を要素とし、計測種別単位は計測器による計測対象を要素とし、用途単位は用途を要素とし、そして演算結果単位は各種演算結果を要素としている。時間経過単位の中の演算処理項目には、例えば年,季節,月,週,日,時間が含まれ、建物単位の中の演算処理項目には、施設,棟,フロア,室が含まれ、場所単位の中の演算処理項目には、会社,事業所,部,課,係,グループが含まれ、計測種別単位には、電力,地域熱,重油,灯油,都市ガス,LPG,上下水道が含まれ、用途単位には空調,照明,コンセント,電算機,動力ラインが含まれ、演算結果単位にはエネルギー原単位,原油換算量,CO2排出量,CO2排出権コストが含まれる。これらの管理単位,演算処理項目は計測器、例えば実計測器A,仮想計測器B,仮想計測器C,仮想計測器D,…およびそれらに付与されたメータコードとマップとして関係付けられてエネルギーデータベース9に格納されている。
【0033】
時間、経過単位の中の演算処理項目、建物単位の中の演算処理項目および場所単位の中の演算処理項目は、フリー式に大項目、中項目更には小項目とされ、いずれの項目についても組み合わせが可能とされ、大項目の中での、あるいは中項目の中での組み合わせが可能とされる。これは、図2に示すように大項目の計測器、中項目の計測器、更には小項目の計測器と分けることによって可能とされる。
【0034】
このような関係において、各計測器について、図4に示すようにして演算処理項目との関係が特定される。例えば、実計測器Aについて、時間経過単位の中の演算処理項目として、枠で囲ったように、年,季節,月,週,日,時間のすべてが選択され、建物単位の中の演算処理項目として施設,棟,フロア,室の全てが選択され、場所単位の中の演算処理項目としてはいずれも選択されず、計測種別単位の中の演算処理項目としては電力が選択され、用途単位の中の演算処理項目としては空調が選択され、演算結果単位の中ではすべての演算処理項目が選択されている。これらの選択された演算処理項目は、特定の計測器との特定関係としてエネルギーデータベース9に格納される。ここで、演算結果の中の演算処理項目について説明する。
【0035】
エネルギーデータベース9は、エネルギー消費量とCO2排出量との関係をCO2係数として、エネルギー消費量と原油換算量との関係を原油換算係数として、およびCO2排出量と排出権コストとの関係をCO2排出権係数として格納している。
【0036】
エネルギー情報演算手段8は、計測エネルギー消費量を分子とし、面積,体積,空調面積,空調体積,対象人数あるいは/および生産高等のエネルギー消費媒体の大きさを表わす消費媒体絶対量を原単位として分母とし、エネルギー消費原単位を演算する原単位計算処理部8cと、計測エネルギー消費量からCO2係数を用いてCO2排出量を演算し、該エネルギー消費量から原油換算係数を用いて原油換算量を演算し、かつCO2排出量からCO2排出権コストを演算するCO2コスト計算処理部8dを有し、管理区分には、エネルギー消費原単位,原油換算値,CO2排出量およびCO2排出権コストを演算結果単位とし、該演算結果単位内に上述した演算対象項目を有している。
【0037】
図5に、エネルギーデータベース9に格納する仕様をまとめて表示する。図5(a)には、メータコード,枝番,計測器名称,メータグループ,エネルギーコード,用途コード,按分率,演算コード,演算値含む按分計算フォーマット31が例示してある。
【0038】
図5(b)には、管理単位,メータコード,枝番,配賦率,演算コード,演算値,コメントを含む配賦計算フォーマット32が例示している。
【0039】
図5(c)には、年,管理単位,原単位分母1,原単位分母2,原単位分母3,原単位分母4を含む演算定義ファイルの原単位計算フォーマット33が例示してある。
【0040】
図1において、分析管理処理部10bは、管理区分からいずれかの管理単位を選定して組み合わせを行い、各組み合わせの中にいくつかの演算対象項目を特定して、前記各計測器が計測担当した計測エネルギー消費量もしくは配賦計算処理部8bで計算される各計測器についての課金用エネルギー消費量を用いて課金用エネルギー消費量を統計することを行う。
【0041】
例えば、組み合わせとしては、「月」,「施設」,「電力」あるいは、「月」,「施設」,「空調」、あるいは「月」,「施設」,「エネルギー原単位」が例示される。すなわち、時間の要素,場所の要素,その他の要素が1つの組み合わせが考えられる。いくつかの要素に組み合わせてもよい。
【0042】
図6は、その組み合わせの1つの例を示す。施設のフロア毎の月毎の電力消費量(「電力」についてのエネルギー消費量)を組み合わせAとした場合である。すなわち、図5はエネルギー情報演算手段8における配賦計算を基にして分析管理処理部10bにおいて各フロアの月毎の課金用エネルギー使用量を組み合わせAによる演算結果として行う例であり、組み合わせAの中での演算結果である組み合わせA0は施設全体の課金用エネルギー消費量を、組み合わせA1は1階の課金用エネルギー消費量、組み合わせA2は2階の課金用エネルギー消費量を、そして組み合わせA3は3階の課金用エネルギー消費量について統計した値を示す。「フロア」に属する「室」について統計するには、各室に想定した仮想計測器についてのエネルギー消費量のデータを基に同様に演算処理すればよい。配賦計算処理は、物理的な建物の計測位置に関係なく、想定したフロアの区分で配賦計算することができる。これはエネルギー消費原単位やCO2排出量,CO2排出権コストに付いても同様である。
【0043】
図6は前述のように時間経過単位,建物単位及び計測種別単位について選定した例であるが、この例に限られることなく各種の組み合わせを行うことができる。
【0044】
図7は、エネルギー情報管理手段10の処理フローを示す図である。
【0045】
実計測器で実計測されたエネルギー消費量が実計測器データとして取り込まれる(S210)。仮計測器について按分率により按分計算処理がなされ(S220)、各計測器について計測エネルギー消費量が求められる。計測エネルギー消費量について配賦率を使用して配賦計算処理され(S230)、各計測器について課金エネルギー消費量が求められる。これと共に、原単位計算(S240)され、CO2排出権コストを算出するための
CO2コスト計算処理(S250)がなされる。これらの計算結果は、表示管理処理部10aを使用して表示器11に表示することができる(S260)。
【0046】
CO2コスト計算処理ステップS250は、前記エネルギー消費量からCO2排出量計算に必要な電力,地域供給熱,重油,灯油,都市ガス,LPG,上水道のエネルギー消費量と予め設定した演算定義ファイルのCO2排出係数からCO2排出量を演算し演算結果に管理区分を付与してエネルギーデータベース9に保存する。また、前記CO2排出量を基に予め設定した演算定義ファイルのCO2排出権係数からCO2排出権のコストと、前年度のエネルギー消費量から省エネルギー活動で節減できた各施設のエネルギー節減量を算出し、予め設定した演算定義ファイルの還元係数から還元する報奨金を演算し、演算結果に管理区分を付与しエネルギーデータベース9に保存する。
【0047】
分析管理処理部10bで、計測目的に対応して前述した組み合わせがなされ、組み合わせに対応して課金エネルギー消費量の出力を行う分析管理処理を行い(S270)、この結果は表示管理処理部10aを使用して表示器11に表示する。
【0048】
図8および図9に表示管理処理部10aによる表示器(部)11への表示の例を示す。
【0049】
表示管理処理は所定の画面上からの操作に応じて、前記管理区分に該当するデータをエネルギーデータベース9から検索し3次元グラフ表示用のデータを編集する。表示する管理区分は表示選択エリア61で選択される。図8(a)は計測種別単位の管理単位を電力62,時間単位の管理単位を年度63,場所単位の管理単位を施設64と指定しエネルギーデータベース9からエネルギーの消費量の該当データを検索し3次元棒グラフ表示した画面例である。次により詳細な表示をする場合、通常は表示選択エリア61から選択するのが一般的であるが、本システムでは棒グラフをダブルクリック65することで詳細を表示する。図8(b)は詳細表示の画面例である。図8(a)の年度63は図8(b)の月66へ遷移し、図8(a)の施設64は図8(b)の事業所(施設の構成物)67へ遷移し、大項目から小項目へと変えられ、エネルギー消費量の詳細が表示される。グラフ選択による詳細検索順は予め出力定義ファイル9bで設定される。
【0050】
分析管理処理部10bによる分析管理処理(S270)は、少なくても2つ以上の管理区分から数値の小さいデータと大きいデータを色替え表示し、その偏差詳細表示として用途別の使用量積み上げ表示や100%積み上げ表示を行う。これによって偏差内容の詳細把握を視覚的に確認できる。図9は、他の表示管理画面例を示す。図9(a)は施設群エネルギー消費量から小さい施設71と大きい施設72とを色替えして表示した画面例である。図9(b)は小さい施設73と大きい施設74のエネルギー消費量を用途別に比較表示した画面例である。
【0051】
このように従来専門員が把握していたエネルギー消費の実態とエネルギー消費者が実施してきた省エネルギー活動の結果を管理区分で簡単に比較表示できるようになり、エネルギー消費者が省エネルギー活動の効果や他施設の事例を視覚的に確認できるエネルギー管理システムを提供することができる。
【0052】
尚、図8、図9ではエネルギー消費量をMW/hあるいはKW/hで示してあるが、これらの数値を課金の額として表すことは簡単に行うことができ、課金の額に現れた方が視覚に訴えやすいメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施例の構成をブロックで示す構成図である。
【図2】エネルギー情報演算手段における按分計算処理のパターン例を示す図である。
【図3】エネルギーデータベースに格納される各計測器を管理区分との関係を示す図である。
【図4】各計測器に特定される演算処理項目を格納する例を示す図である。
【図5】演算定義ファイルの定義例を示す図である。
【図6】エネルギー情報演算手段における計算処理の計算例を示す図である。
【図7】処理フロー図である。
【図8(a)】表示管理の画面例を示し、電力,年度および施設を指定して消費エネルギーを表示する図である。
【図8(b)】表示管理の画面例を示し、電力,月および事業所を指定して消費エネルギーを表示する図である。
【図9(a)】他の表示管理の画面例を示し、施設群エネルギー消費量から施設毎に色替えして表示した画面例を示す図である。
【図9(b)】他の表示管理の画面例を示し、エネルギー消費量で用途別に比較表示した画面例を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
1…電力計測器、2…ガス計測器、3…水計測器、4…Webコントローラ、5…施設群、6…ネットワーク、7…情報管理サーバ、8…エネルギー情報演算手段、8a…按分計算処理部、8b…配賦計算処理部、8c…原単位計算処理部、8d…CO2コスト計算処理部、9…エネルギーデータベース、10…エネルギー情報管理手段、10a…表示管理処理部、10b…分析管理処理部、11…表示器、12…表示装置、31…演算定義ファイルの按分計算フォーマット、32…演算定義ファイルの配賦計算フォーマット、33…演算定義ファイルの原単位計算フォーマット。
【技術分野】
【0001】
本発明は、学校やチェーン店舗など施設群のエネルギー消費実績について、エネルギー使用実態の詳細分析や他施設とのエネルギー消費状況の比較により、省エネルギー活動の効果をエネルギー消費者が視覚的に把握することができるエネルギー情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー管理分野における主な課題は、エネルギー消費者に省エネルギー活動によるエネルギー節減量を提供し、省エネルギー活動の有効手段を認識させることである。従来の省エネルギー管理は、エネルギー監視システムとしてエネルギー使用量をグラフ表示するものや、エネルギー使用量の目標値などを数値で表示するものが提供されている。これらの数値は、誰でもすぐにエネルギー消費量の目標値達成や消費状況を把握出来るものではなく、専門の施設管理者が判断しエネルギー消費者に提供している。また、複数施設を管理することになると、データの収集や比較に多くの時間を費やし、効果的な省エネルギー手段を迅速に判断出来なかった。これらを改善するものとして、特許文献1あるいは特許文献2に記載されるエネルギー消費管理装置が提案されている。すなわち、特許文献1には、エネルギーを消費する各設備のエネルギー消費に関する物理量を計測する多数の計測器と、前記各計測器の計測データを収集する計測データ収集手段と、前記計測データ収集手段とネットワークを介して接続され、前記計測データ収集手段に収集されたデータを、部署,ライン,設備等の予め設定された管理単位毎のエネルギー消費量を表示可能なデータに処理して蓄積するデータ処理蓄積手段と、前記データ処理蓄積手段に蓄積されたデータを表示する表示手段とを備えたエネルギー管理システムが記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、家庭内に配置された電気機器に取り付けられ、少なくとも前記電気機器の稼動状態を取得でき、且つ通信機器を有する機器アダプタと、前記機器アダプタと通信によりデータの送受信を行うデータセンタと、前記データセンタと通信によりデータの送受信を行う表示端末とを備え、前記データセンタは前記表示端末を経由して得られる前記電気機器の稼動状態のデータを収集管理するとともに、前記稼動状態のデータを演算処理して得られたメッセージを前記表示端末に送信するエネルギー管理システムが記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−356814号公報
【特許文献2】特開2003−162787号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常施設で消費される電気,ガス,水道などのエネルギー消費量は、自治体やエネルギー供給会社が設置している計測器で計測される消費量に応じた料金を支払う仕組みとなっている。自治体やエネルギー供給会社が設置している計測器を使用してエネルギー消費量を把握しようとすると、エネルギー消費量の請求が一ヶ月から二ヶ月後の請求となるためすぐに把握できない問題や、月単位の積算のため日々ごと時間ごとにきめ細かな把握ができない問題がある。
【0006】
本発明は、各施設でのエネルギー消費量を収集し、省エネルギー管理に必要な情報を演算し、各施設のエネルギー消費者に施設ごとの分析情報を比較表示させ視覚的に見せることで、省エネルギーに対する意識向上を促し、効果的な省エネルギー活動を持続させることができるエネルギー情報管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
また、本発明は、(請求項1に示す)エネルギー情報管理装置を提供する。本発明は、実計測器で実計測されたエネルギー消費量を入力する入力手段、前記実計測器で実計測されたエネルギー消費量について仮想計測器で計測されたエネルギー消費量として按分する按分率を含めた演算定義ファイル、および按分されたエネルギー消費量および実計測されたエネルギー消費量の双方を含む計測エネルギー消費量から課金用エネルギー消費量算定の基礎となる配賦率を含めた演算定義ファイルを格納するエネルギーデータベース、および前記計測エネルギー消費量から前記按分率を用いて各仮想計測器に按分される所定時間当りのエネルギー消費量を計算する按分計算処理部と、各計測器の計測エネルギー消費量から前記配賦率を使用して所定時間当りの課金用エネルギー消費量を計算する配賦計算処理部とを有するエネルギー情報演算手段、を備え、前記エネルギーデータベースは、少なくとも時間経過単位,建物単位もしくは場所単位,計測種類単位および用途単位からなる管理単位を含む管理区分および該管理単位の中の演算対象項目を格納し、かつ各計測器が計測を担当する前記演算対象項目との予め決められた特定関係を格納し、前記管理区分からいずれかの管理単位を選定して組み合わせを行い、各組み合わせの中にいくつかの演算対象項目を特定して、前記各計測器が計測担当した計測エネルギー消費量もしくは/および前記配賦計算処理部で計算される各計測器についての課金用エネルギー消費量を用いて課金用エネルギー消費量を統計する分析管理処理部を有する分析管理処理手段を備えるエネルギー情報管理装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、施設群のエネルギー消費量を視覚的に把握でき、省エネルギー活動によるエネルギー節減量も金額で表示されるため分かりやすく、効果的な省エネルギー活動を継続できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
上述したエネルギー情報管理装置において、前記管理区分には演算処理結果の演算処理項目を含む管理単位が設定されることを特徴とするエネルギー情報管理装置を構成する。
【0010】
また、前記エネルギーデータベースは、エネルギー消費量とCO2排出量との関係をCO2係数として、エネルギー消費量と原油換算量との関係を原油換算係数として、およびCO2排出量と排出権コストとの関係をCO2排出権係数として格納しており、前記エネルギー情報演算手段は、前記計測エネルギー消費量を分子とし、面積,体積,空調面積,空調体積,対象人数あるいは/および生産高等のエネルギー消費媒体の大きさを表わす消費媒体絶対量を原単位として分母とし、エネルギー消費原単位を演算する原単位計算処理部と、前記計測エネルギー消費量から前記CO2係数を用いてCO2排出量を演算し、該エネルギー消費量から原油換算係数を用いて原油換算量を演算し、かつCO2排出量からCO2排出権コストを演算するCO2コスト計算処理部を有し、前記管理区分には、エネルギー消費原単位,原油換算値,CO2排出量およびCO2排出権コストを演算結果単位とし、該演算結果単位内に演算対象項目として有することを特徴とするエネルギー情報管理装置を構成する。
【0011】
また、前記エネルギーデータベースは、出力定義ファイルを格納し、前記エネルギー情報管理手段は、前記出力定義ファイルを使用して、前記演算対象項目を組み合わせた、各組み合わせについて統計された課金用エネルギー消費量を画面に3次元グラフ表示する表示管理処理部を有することを特徴とするエネルギー情報管理装置を構成する。
【0012】
また、前記分析管理処理部は、管理区分内の用途単位の中で、演算対象項目別に統計された課金用エネルギー消費量を算出し、前記表示管理処理部は算出された課金用エネルギー消費量を画面に3次元グラフ表示することを特徴とするエネルギー情報管理装置を構成する。
【0013】
また、前記表示管理処理部は、演算対象項目が特定された課金用エネルギー消費量と、前記演算結果内の演算対象項目が特定されたエネルギー原単位,CO2排出量,原理演算量,CO2排出権コストのいずれかを表示することを特徴とするエネルギー情報管理装置を構成する。
【0014】
本実施例は、管理対象の施設群から通信回線を介してエネルギー消費量を収集するエネルギー情報管理装置(システム)において、収集したエネルギー消費量を予め設定した管理区分(管理区分を構成する管理単位、該単位を構成する演算処理項目を含む。)について演算処理しデータベースに保存しており、所定の画面上での操作に応じて前記データとそれに対応した表示項目定義ファイルを検索し、表示する。また、当該検索したデータを所定の目標値や他施設の実績値と比較し、その比較結果を表示できるようにしている。エネルギー情報を編集する手段は、実メータのエネルギー消費量から予め設定した管理区分ごとに仮想計測器のエネルギー消費量を按分計算し、課金エネルギー消費量を算出する。また面積単位,体積単位,空調面積単位,空調体積単位,人数単位,生産高単位などの原単位計算をする。エネルギー情報管理手段は、目標値に対しての偏差表示やエネルギーの消費状況を複数施設ごとに月毎のエネルギー消費量(課金エネルギー消費量)の経過を比較表示でき、省エネルギーの達成状況や省エネルギー活動の効果を一目で把握できるようにした。この比較表示は、エネルギー消費量を時,日,週,月,季節,年ごとに、課金エネルギー消費量として金額に換算した量としてグラフ表示でき、また、CO2排出量の算出やエネルギー消費量の少ない施設と多い施設を合わせて比較表示できるようにしている。
【実施例】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施例であるエネルギー情報管理装置100の構成を示す。エネルギー情報管理装置100は、情報管理サーバ7と、これに付属する表示機11からなる。情報管理サーバ7は、ネットワーク6を介して施設群5を構成する各施設1−nに設けたWebコントローラ4およびこれに付属する表示装置12に接続される。従って、図示していないが接続のための入力部を有する。
【0017】
各Webコントローラ4は、管理対象となる施設1のエネルギー消費量を計測する。例えば電力計測器1,ガス計測器2,水計測器3などの計測器に接続され、各計測器で計測したエネルギー消費量の送信を受ける。エネルギー情報管理装置100は、拡大して定義した場合には、これらの各Webコントローラ4および各計測器を含むものとする。
【0018】
情報管理サーバ7は、エネルギー情報演算手段8,記憶手段としてのエネルギーデータベース9およびエネルギー情報管理手段10を備えている。
【0019】
エネルギー情報演算手段8は、按分計算処理部8a,配賦計算処理部8b,原単位計算処理部8cおよびCO2コスト計算処理部8dを備える。
【0020】
エネルギーデータベース9は、後述する各種の演算定義ファイル9aおよび出力定義ファイル9bを格納している。
【0021】
エネルギー情報管理手段10は、表示管理処理部10aおよび分析管理処理部10bを備え、エネルギー消費量についての分析,管理および表示機能、更には表示のための編集機能を有する。
【0022】
管理対象となる各施設には自治体やエネルギー供給会社が設置する電力計測器1,ガス計測器2,水計測器3などの計測器や事業者が自ら設置した計測器が設けられ、これらの計測器を使用して施設でのエネルギー消費量の計測が行われる。
【0023】
これらの計測器で測定しているエネルギー消費量を取り込むためネットワーク通信が可能なWebコントローラを設置し、一般的にはインターネットやイントラネットを使用するネットワーク6を介して情報管理サーバ7にエネルギー消費量を収集する。
【0024】
Webコントローラ4で蓄積されているエネルギー消費量を、例えば日単位,時間単位で定周期で取り込み、実計測器で実計測したエネルギー消費量としてエネルギーデータベース9で時々刻々保存する。Webコントローラ4からの取り込みがネットワーク障害によって時々刻々取り込めない場合には数日間分まとめて取り込むようにしてもよい。いずれにしても単位期間(時間)当りの実計測値がエネルギーデータベース9に蓄積されることになる。
【0025】
詳細なエネルギー管理を実現するためには多くの計測器が必要となり、膨大な費用を要し、実際的ではない。そのために、少ない計測器でエネルギー管理を実現することを行う。このため、図1に示すように、エネルギー情報演算手段8を設け、按分計算処理部8aによる按分計算を可能にし、配賦計算処理部8bによる配賦計算を可能にする。
【0026】
図2に按分計算処理部8aの按分のための処理パターンを示す。図において、実計測器はエネルギー消費量計測のために実際に設置された実計測器を示し、仮想計測器はエネルギー管理のために仮に設置されたとする仮想の計測器を示し、実際に計測された実計測値から過去のデータあるいは計画値などを使用して算出される値がエネルギー消費量として計測されたものとされる。図には(a),(b),(c)の3つのパターンを示している。図4(a)パターンは、大項目に属する一つの実計測器Aのエネルギー消費量を同じ系統上に設けたことを想定した場合の小項目仮想計測器B,Cについて、予め設定した演算定義ファイルの按分計算ファイルの按分計算フォーマットの按分率を基に演算する処理を行うもので、実計測器Aで実計測されたエネルギー消費量から仮想計測器Bと仮想計測器Cの仮想のエネルギー消費量が按分率を使用して算出される。例えば大項目は建物のエネルギー消費量を計測する計測器であり、小項目は各室とか区割された部分のエネルギー消費量を計測する計測器である。これらの値は、エネルギーデータベース9に格納される。尚、小項目に属する計測器の値を加算して大項目に属する計測器の値としても良い。
【0027】
図4(b)パターンは、少なくとも一つ以上の実計測器で計測したエネルギー消費量から同じ系統上にある一つの仮想計測器のエネルギー消費量を予め設置した演算定義ファイルの按分計算フォーマットの按分率を基に演算する処理を行うもので、この場合、実計測器Bと実計測器Cで計測したエネルギー消費量を加算する按分率で仮想計測器Aのエネルギー消費量が算出され、格納される。
【0028】
図4(c)パターンは、複数の実計測器と複数の仮想計測器のエネルギー消費量から同じ系統上にあるほかの複数の仮想計測器のエネルギー消費量を想定するもので、予め設定した演算定義ファイルの按分計算フォーマットの按分率を基に演算する処理を行っている。この場合、実計測器Aで計測したエネルギー消費量から実計測器Cと実計測器Dのエネルギー消費量を除算した結果を仮想計測器Bのエネルギー消費量とし、その結果から更に仮想計測器Eと仮想計測器Fのエネルギー消費量を、上述同様にして、按分率で算出し、格納する。
【0029】
配賦計算処理部8bは、実計測器で実計測されたエネルギー消費量および按分によって算出されたエネルギー消費量の双方を含む計測エネルギー消費量から、予め設定した演算定義ファイルの配賦計算フォーマットの配賦率を基にエネルギー消費量を配賦計算し、課金用エネルギー消費量を求める演算を行い、エネルギーデータベース9にデータとして保存する。
【0030】
このように、エネルギー情報管理装置100は、実計測器で実計測されたエネルギー消費量を入力する入力手段、実計測器で実計測されたエネルギー消費量について仮想計測器で計測されたエネルギー消費量として按分する按分率を含めた演算定義ファイル、および按分されたエネルギー消費量および実計測されたエネルギー消費量の双方を含む計測エネルギー消費量から課金用エネルギー消費量算定の基礎となる配賦率を含めた演算定義ファイルを格納するエネルギーデータベース9、および前記計測エネルギー消費量から前記按分率を用いて各仮想計測器に按分される所定時間当りのエネルギー消費量を計算する按分計算処理部8aと、各計測器の計測エネルギー消費量から配賦率を使用して所定時間当りの課金用エネルギー消費量を計算する配賦計算処理部8bとを有するエネルギー情報演算手段を備えている。
【0031】
エネルギーデータベース9は、少なくとも時間経過単位,建物単位もしくは場所単位,計測種類単位および用途単位からなる管理単位を含む管理区分および該管理単位の中の演算対象項目を格納し、かつ各計測器が計測を担当する前記演算対象項目との予め決められた特定関係を格納する。これらの例を図3および図4に示す。
【0032】
図3は、各計測器(実計測器および仮想計測器)および管理区分と、管理区分を構成する管理単位と、管理単位を構成する演算処理項目との関係を示す。各計測器には管理の便宜のためにメータコードが付与される。本例の場合、管理区分は、時間経過単位,建物単位,場所単位,計測種別単位,用途単位および演算結果単位から構成されている。時間経過単位は、時間経過を要素とし、建物単位および場所単位は場所を要素とし、計測種別単位は計測器による計測対象を要素とし、用途単位は用途を要素とし、そして演算結果単位は各種演算結果を要素としている。時間経過単位の中の演算処理項目には、例えば年,季節,月,週,日,時間が含まれ、建物単位の中の演算処理項目には、施設,棟,フロア,室が含まれ、場所単位の中の演算処理項目には、会社,事業所,部,課,係,グループが含まれ、計測種別単位には、電力,地域熱,重油,灯油,都市ガス,LPG,上下水道が含まれ、用途単位には空調,照明,コンセント,電算機,動力ラインが含まれ、演算結果単位にはエネルギー原単位,原油換算量,CO2排出量,CO2排出権コストが含まれる。これらの管理単位,演算処理項目は計測器、例えば実計測器A,仮想計測器B,仮想計測器C,仮想計測器D,…およびそれらに付与されたメータコードとマップとして関係付けられてエネルギーデータベース9に格納されている。
【0033】
時間、経過単位の中の演算処理項目、建物単位の中の演算処理項目および場所単位の中の演算処理項目は、フリー式に大項目、中項目更には小項目とされ、いずれの項目についても組み合わせが可能とされ、大項目の中での、あるいは中項目の中での組み合わせが可能とされる。これは、図2に示すように大項目の計測器、中項目の計測器、更には小項目の計測器と分けることによって可能とされる。
【0034】
このような関係において、各計測器について、図4に示すようにして演算処理項目との関係が特定される。例えば、実計測器Aについて、時間経過単位の中の演算処理項目として、枠で囲ったように、年,季節,月,週,日,時間のすべてが選択され、建物単位の中の演算処理項目として施設,棟,フロア,室の全てが選択され、場所単位の中の演算処理項目としてはいずれも選択されず、計測種別単位の中の演算処理項目としては電力が選択され、用途単位の中の演算処理項目としては空調が選択され、演算結果単位の中ではすべての演算処理項目が選択されている。これらの選択された演算処理項目は、特定の計測器との特定関係としてエネルギーデータベース9に格納される。ここで、演算結果の中の演算処理項目について説明する。
【0035】
エネルギーデータベース9は、エネルギー消費量とCO2排出量との関係をCO2係数として、エネルギー消費量と原油換算量との関係を原油換算係数として、およびCO2排出量と排出権コストとの関係をCO2排出権係数として格納している。
【0036】
エネルギー情報演算手段8は、計測エネルギー消費量を分子とし、面積,体積,空調面積,空調体積,対象人数あるいは/および生産高等のエネルギー消費媒体の大きさを表わす消費媒体絶対量を原単位として分母とし、エネルギー消費原単位を演算する原単位計算処理部8cと、計測エネルギー消費量からCO2係数を用いてCO2排出量を演算し、該エネルギー消費量から原油換算係数を用いて原油換算量を演算し、かつCO2排出量からCO2排出権コストを演算するCO2コスト計算処理部8dを有し、管理区分には、エネルギー消費原単位,原油換算値,CO2排出量およびCO2排出権コストを演算結果単位とし、該演算結果単位内に上述した演算対象項目を有している。
【0037】
図5に、エネルギーデータベース9に格納する仕様をまとめて表示する。図5(a)には、メータコード,枝番,計測器名称,メータグループ,エネルギーコード,用途コード,按分率,演算コード,演算値含む按分計算フォーマット31が例示してある。
【0038】
図5(b)には、管理単位,メータコード,枝番,配賦率,演算コード,演算値,コメントを含む配賦計算フォーマット32が例示している。
【0039】
図5(c)には、年,管理単位,原単位分母1,原単位分母2,原単位分母3,原単位分母4を含む演算定義ファイルの原単位計算フォーマット33が例示してある。
【0040】
図1において、分析管理処理部10bは、管理区分からいずれかの管理単位を選定して組み合わせを行い、各組み合わせの中にいくつかの演算対象項目を特定して、前記各計測器が計測担当した計測エネルギー消費量もしくは配賦計算処理部8bで計算される各計測器についての課金用エネルギー消費量を用いて課金用エネルギー消費量を統計することを行う。
【0041】
例えば、組み合わせとしては、「月」,「施設」,「電力」あるいは、「月」,「施設」,「空調」、あるいは「月」,「施設」,「エネルギー原単位」が例示される。すなわち、時間の要素,場所の要素,その他の要素が1つの組み合わせが考えられる。いくつかの要素に組み合わせてもよい。
【0042】
図6は、その組み合わせの1つの例を示す。施設のフロア毎の月毎の電力消費量(「電力」についてのエネルギー消費量)を組み合わせAとした場合である。すなわち、図5はエネルギー情報演算手段8における配賦計算を基にして分析管理処理部10bにおいて各フロアの月毎の課金用エネルギー使用量を組み合わせAによる演算結果として行う例であり、組み合わせAの中での演算結果である組み合わせA0は施設全体の課金用エネルギー消費量を、組み合わせA1は1階の課金用エネルギー消費量、組み合わせA2は2階の課金用エネルギー消費量を、そして組み合わせA3は3階の課金用エネルギー消費量について統計した値を示す。「フロア」に属する「室」について統計するには、各室に想定した仮想計測器についてのエネルギー消費量のデータを基に同様に演算処理すればよい。配賦計算処理は、物理的な建物の計測位置に関係なく、想定したフロアの区分で配賦計算することができる。これはエネルギー消費原単位やCO2排出量,CO2排出権コストに付いても同様である。
【0043】
図6は前述のように時間経過単位,建物単位及び計測種別単位について選定した例であるが、この例に限られることなく各種の組み合わせを行うことができる。
【0044】
図7は、エネルギー情報管理手段10の処理フローを示す図である。
【0045】
実計測器で実計測されたエネルギー消費量が実計測器データとして取り込まれる(S210)。仮計測器について按分率により按分計算処理がなされ(S220)、各計測器について計測エネルギー消費量が求められる。計測エネルギー消費量について配賦率を使用して配賦計算処理され(S230)、各計測器について課金エネルギー消費量が求められる。これと共に、原単位計算(S240)され、CO2排出権コストを算出するための
CO2コスト計算処理(S250)がなされる。これらの計算結果は、表示管理処理部10aを使用して表示器11に表示することができる(S260)。
【0046】
CO2コスト計算処理ステップS250は、前記エネルギー消費量からCO2排出量計算に必要な電力,地域供給熱,重油,灯油,都市ガス,LPG,上水道のエネルギー消費量と予め設定した演算定義ファイルのCO2排出係数からCO2排出量を演算し演算結果に管理区分を付与してエネルギーデータベース9に保存する。また、前記CO2排出量を基に予め設定した演算定義ファイルのCO2排出権係数からCO2排出権のコストと、前年度のエネルギー消費量から省エネルギー活動で節減できた各施設のエネルギー節減量を算出し、予め設定した演算定義ファイルの還元係数から還元する報奨金を演算し、演算結果に管理区分を付与しエネルギーデータベース9に保存する。
【0047】
分析管理処理部10bで、計測目的に対応して前述した組み合わせがなされ、組み合わせに対応して課金エネルギー消費量の出力を行う分析管理処理を行い(S270)、この結果は表示管理処理部10aを使用して表示器11に表示する。
【0048】
図8および図9に表示管理処理部10aによる表示器(部)11への表示の例を示す。
【0049】
表示管理処理は所定の画面上からの操作に応じて、前記管理区分に該当するデータをエネルギーデータベース9から検索し3次元グラフ表示用のデータを編集する。表示する管理区分は表示選択エリア61で選択される。図8(a)は計測種別単位の管理単位を電力62,時間単位の管理単位を年度63,場所単位の管理単位を施設64と指定しエネルギーデータベース9からエネルギーの消費量の該当データを検索し3次元棒グラフ表示した画面例である。次により詳細な表示をする場合、通常は表示選択エリア61から選択するのが一般的であるが、本システムでは棒グラフをダブルクリック65することで詳細を表示する。図8(b)は詳細表示の画面例である。図8(a)の年度63は図8(b)の月66へ遷移し、図8(a)の施設64は図8(b)の事業所(施設の構成物)67へ遷移し、大項目から小項目へと変えられ、エネルギー消費量の詳細が表示される。グラフ選択による詳細検索順は予め出力定義ファイル9bで設定される。
【0050】
分析管理処理部10bによる分析管理処理(S270)は、少なくても2つ以上の管理区分から数値の小さいデータと大きいデータを色替え表示し、その偏差詳細表示として用途別の使用量積み上げ表示や100%積み上げ表示を行う。これによって偏差内容の詳細把握を視覚的に確認できる。図9は、他の表示管理画面例を示す。図9(a)は施設群エネルギー消費量から小さい施設71と大きい施設72とを色替えして表示した画面例である。図9(b)は小さい施設73と大きい施設74のエネルギー消費量を用途別に比較表示した画面例である。
【0051】
このように従来専門員が把握していたエネルギー消費の実態とエネルギー消費者が実施してきた省エネルギー活動の結果を管理区分で簡単に比較表示できるようになり、エネルギー消費者が省エネルギー活動の効果や他施設の事例を視覚的に確認できるエネルギー管理システムを提供することができる。
【0052】
尚、図8、図9ではエネルギー消費量をMW/hあるいはKW/hで示してあるが、これらの数値を課金の額として表すことは簡単に行うことができ、課金の額に現れた方が視覚に訴えやすいメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施例の構成をブロックで示す構成図である。
【図2】エネルギー情報演算手段における按分計算処理のパターン例を示す図である。
【図3】エネルギーデータベースに格納される各計測器を管理区分との関係を示す図である。
【図4】各計測器に特定される演算処理項目を格納する例を示す図である。
【図5】演算定義ファイルの定義例を示す図である。
【図6】エネルギー情報演算手段における計算処理の計算例を示す図である。
【図7】処理フロー図である。
【図8(a)】表示管理の画面例を示し、電力,年度および施設を指定して消費エネルギーを表示する図である。
【図8(b)】表示管理の画面例を示し、電力,月および事業所を指定して消費エネルギーを表示する図である。
【図9(a)】他の表示管理の画面例を示し、施設群エネルギー消費量から施設毎に色替えして表示した画面例を示す図である。
【図9(b)】他の表示管理の画面例を示し、エネルギー消費量で用途別に比較表示した画面例を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
1…電力計測器、2…ガス計測器、3…水計測器、4…Webコントローラ、5…施設群、6…ネットワーク、7…情報管理サーバ、8…エネルギー情報演算手段、8a…按分計算処理部、8b…配賦計算処理部、8c…原単位計算処理部、8d…CO2コスト計算処理部、9…エネルギーデータベース、10…エネルギー情報管理手段、10a…表示管理処理部、10b…分析管理処理部、11…表示器、12…表示装置、31…演算定義ファイルの按分計算フォーマット、32…演算定義ファイルの配賦計算フォーマット、33…演算定義ファイルの原単位計算フォーマット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実計測器で実計測されたエネルギー消費量を入力する入力手段、前記実計測器で実計測されたエネルギー消費量について仮想計測器で計測されたエネルギー消費量として按分する按分率を含めた演算定義ファイルを格納するエネルギーデータベース、および前記計測エネルギー消費量から前記按分率を用いて各仮想計測器に按分される所定時間当りのエネルギー消費量を計算する按分計算処理部と、を有するエネルギー情報演算手段、を備え、
前記エネルギーデータベースは、少なくとも時間経過単位,建物単位もしくは場所単位,計測種類単位および用途単位からなる管理単位を含む管理区分および該管理単位の中の演算対象項目を格納し、かつ各計測器が計測を担当する前記演算対象項目との予め決められた特定関係を格納し、
前記管理区分からいずれかの管理単位を選定して組み合わせを行い、各組み合わせの中にいくつかの演算対象項目を特定して、前記各計測器が計測担当した計測エネルギー消費量を統計する分析管理処理部を有する分析管理処理手段を備えること
を特徴とするエネルギー情報管理装置。
【請求項2】
実計測器で実計測されたエネルギー消費量を入力する入力手段、前記実計測器で実計測されたエネルギー消費量について仮想計測器で計測されたエネルギー消費量として按分する按分率を含めた演算定義ファイル、および按分されたエネルギー消費量および実計測されたエネルギー消費量の双方を含む計測エネルギー消費量から課金用エネルギー消費量算定の基礎となる配賦率を含めた演算定義ファイルを格納するエネルギーデータベース、および前記計測エネルギー消費量から前記按分率を用いて各仮想計測器に按分される所定時間当りのエネルギー消費量を計算する按分計算処理部と、各計測器の計測エネルギー消費量から前記配賦率を使用して所定時間当りの課金用エネルギー消費量を計算する配賦計算処理部とを有するエネルギー情報演算手段、を備え、
前記エネルギーデータベースは、少なくとも時間経過単位,建物単位もしくは場所単位,計測種類単位および用途単位からなる管理単位を含む管理区分および該管理単位の中の演算対象項目を格納し、かつ各計測器が計測を担当する前記演算対象項目との予め決められた特定関係を格納し、
前記管理区分からいずれかの管理単位を選定して組み合わせを行い、各組み合わせの中にいくつかの演算対象項目を特定して、前記各計測器が計測担当した計測エネルギー消費量もしくは/および前記配賦計算処理部で計算される各計測器についての課金用エネルギー消費量を用いて課金用エネルギー消費量を統計する分析管理処理部を有する分析管理処理手段を備えること
を特徴とするエネルギー情報管理装置。
【請求項3】
請求項1または2において、前記管理区分には演算処理結果の演算処理項目を含む管理単位が設定されることを特徴とするエネルギー情報管理装置。
【請求項4】
請求項1または2において、前記エネルギーデータベースは、エネルギー消費量とCO2排出量との関係をCO2係数として、エネルギー消費量と原油換算量との関係を原油換算係数として、およびCO2排出量と排出権コストとの関係をCO2排出権係数として格納しており、
前記エネルギー情報演算手段は、前記計測エネルギー消費量を分子とし、面積,体積,空調面積,空調体積,対象人数あるいは/および生産高等のエネルギー消費媒体の大きさを表わす消費媒体絶対量を原単位として分母とし、エネルギー消費原単位を演算する原単位計算処理部と、前記計測エネルギー消費量から前記CO2係数を用いてCO2排出量を演算し、該エネルギー消費量から原油換算係数を用いて原油換算量を演算し、かつCO2排出量からCO2排出権コストを演算するCO2コスト計算処理部を有し、前記管理区分には、エネルギー消費原単位,原油換算値,CO2排出量およびCO2排出権コストを演算結果単位とし、該演算結果単位内に演算対象項目として有することを特徴とするエネルギー情報管理装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかにおいて、前記エネルギーデータベースは、出力定義ファイルを格納し、前記エネルギー情報管理手段は、前記出力定義ファイルを使用して、前記演算対象項目を組み合わせた、各組み合わせについて統計されたエネルギー消費量を大項目の演算処理項目と、更に小さい項目の演算処理項目についてそれぞれ画面に3次元グラフ表示する表示管理処理部を有することを特徴とするエネルギー情報管理装置。
【請求項6】
請求項5において、前記分析管理処理部は、管理区分内の用途単位の中で、演算対象項目別に統計された課金用エネルギー消費量を算出し、前記表示管理処理部は算出された課金用エネルギー消費量を画面に3次元グラフ表示することを特徴とするエネルギー情報管理装置。
【請求項7】
請求項5において、前記表示管理処理部は、演算対象項目が特定された課金用エネルギー消費量と、前記演算結果内の演算対象項目が特定されたエネルギー原単位,CO2排出量,原理演算量,CO2排出権コストのいずれかを表示することを特徴とするエネルギー情報管理装置。
【請求項1】
実計測器で実計測されたエネルギー消費量を入力する入力手段、前記実計測器で実計測されたエネルギー消費量について仮想計測器で計測されたエネルギー消費量として按分する按分率を含めた演算定義ファイルを格納するエネルギーデータベース、および前記計測エネルギー消費量から前記按分率を用いて各仮想計測器に按分される所定時間当りのエネルギー消費量を計算する按分計算処理部と、を有するエネルギー情報演算手段、を備え、
前記エネルギーデータベースは、少なくとも時間経過単位,建物単位もしくは場所単位,計測種類単位および用途単位からなる管理単位を含む管理区分および該管理単位の中の演算対象項目を格納し、かつ各計測器が計測を担当する前記演算対象項目との予め決められた特定関係を格納し、
前記管理区分からいずれかの管理単位を選定して組み合わせを行い、各組み合わせの中にいくつかの演算対象項目を特定して、前記各計測器が計測担当した計測エネルギー消費量を統計する分析管理処理部を有する分析管理処理手段を備えること
を特徴とするエネルギー情報管理装置。
【請求項2】
実計測器で実計測されたエネルギー消費量を入力する入力手段、前記実計測器で実計測されたエネルギー消費量について仮想計測器で計測されたエネルギー消費量として按分する按分率を含めた演算定義ファイル、および按分されたエネルギー消費量および実計測されたエネルギー消費量の双方を含む計測エネルギー消費量から課金用エネルギー消費量算定の基礎となる配賦率を含めた演算定義ファイルを格納するエネルギーデータベース、および前記計測エネルギー消費量から前記按分率を用いて各仮想計測器に按分される所定時間当りのエネルギー消費量を計算する按分計算処理部と、各計測器の計測エネルギー消費量から前記配賦率を使用して所定時間当りの課金用エネルギー消費量を計算する配賦計算処理部とを有するエネルギー情報演算手段、を備え、
前記エネルギーデータベースは、少なくとも時間経過単位,建物単位もしくは場所単位,計測種類単位および用途単位からなる管理単位を含む管理区分および該管理単位の中の演算対象項目を格納し、かつ各計測器が計測を担当する前記演算対象項目との予め決められた特定関係を格納し、
前記管理区分からいずれかの管理単位を選定して組み合わせを行い、各組み合わせの中にいくつかの演算対象項目を特定して、前記各計測器が計測担当した計測エネルギー消費量もしくは/および前記配賦計算処理部で計算される各計測器についての課金用エネルギー消費量を用いて課金用エネルギー消費量を統計する分析管理処理部を有する分析管理処理手段を備えること
を特徴とするエネルギー情報管理装置。
【請求項3】
請求項1または2において、前記管理区分には演算処理結果の演算処理項目を含む管理単位が設定されることを特徴とするエネルギー情報管理装置。
【請求項4】
請求項1または2において、前記エネルギーデータベースは、エネルギー消費量とCO2排出量との関係をCO2係数として、エネルギー消費量と原油換算量との関係を原油換算係数として、およびCO2排出量と排出権コストとの関係をCO2排出権係数として格納しており、
前記エネルギー情報演算手段は、前記計測エネルギー消費量を分子とし、面積,体積,空調面積,空調体積,対象人数あるいは/および生産高等のエネルギー消費媒体の大きさを表わす消費媒体絶対量を原単位として分母とし、エネルギー消費原単位を演算する原単位計算処理部と、前記計測エネルギー消費量から前記CO2係数を用いてCO2排出量を演算し、該エネルギー消費量から原油換算係数を用いて原油換算量を演算し、かつCO2排出量からCO2排出権コストを演算するCO2コスト計算処理部を有し、前記管理区分には、エネルギー消費原単位,原油換算値,CO2排出量およびCO2排出権コストを演算結果単位とし、該演算結果単位内に演算対象項目として有することを特徴とするエネルギー情報管理装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかにおいて、前記エネルギーデータベースは、出力定義ファイルを格納し、前記エネルギー情報管理手段は、前記出力定義ファイルを使用して、前記演算対象項目を組み合わせた、各組み合わせについて統計されたエネルギー消費量を大項目の演算処理項目と、更に小さい項目の演算処理項目についてそれぞれ画面に3次元グラフ表示する表示管理処理部を有することを特徴とするエネルギー情報管理装置。
【請求項6】
請求項5において、前記分析管理処理部は、管理区分内の用途単位の中で、演算対象項目別に統計された課金用エネルギー消費量を算出し、前記表示管理処理部は算出された課金用エネルギー消費量を画面に3次元グラフ表示することを特徴とするエネルギー情報管理装置。
【請求項7】
請求項5において、前記表示管理処理部は、演算対象項目が特定された課金用エネルギー消費量と、前記演算結果内の演算対象項目が特定されたエネルギー原単位,CO2排出量,原理演算量,CO2排出権コストのいずれかを表示することを特徴とするエネルギー情報管理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8(a)】
【図8(b)】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8(a)】
【図8(b)】
【図9(a)】
【図9(b)】
【公開番号】特開2006−185318(P2006−185318A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−380224(P2004−380224)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(390023928)日立エンジニアリング株式会社 (134)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(390023928)日立エンジニアリング株式会社 (134)
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