説明

エネルギー活性複合ヤーン、それを作る方法、およびそれを含む物品

エネルギー活性 複合ヤーンは、弾性もしくは非弾性材料のいずれかの少なくとも1つのテクスタイル
ファイバー部材と、該テクスタイル ファイバー部材を取り囲み、もしくは被覆する少なくとも1つの機能性の実質的に平坦なフィラメントを含む。該複合ヤーンは、これもまた該テクスタイル ファイバー部材を取り囲み、もしくは被覆する任意の応力支持部材を含み得る。該複合ヤーンは多機能的であり得、これは機能的で実質的に平坦なフィラメントが電気、光学、磁気、機械、化学、半導体、および/または熱エネルギー特性の組み合わせを示し得ることを意味する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー活性テクスタイル ヤーン(energy active textile yarn)に関する。特にこの発明は、テクスタイル ヤーンの少なくとも一部の長さに沿って分布された電気もしくは光電気 活性の平らなエレメントを含むテクスタイル ヤーン、それを製造するプロセス、並びにそのようなヤーンを含むファブリック(fabric)、衣服および他の物品に関する。そのようなヤーンは多機能的ヤーンとして構成され得、これは平らなエレメントが電気、光学、磁気、機械、化学、半導体、および/または熱エネルギー特性の組み合わせを示し得ることを意味する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー源に接続される場合、活性機能性(active functionality)を有するファイバーおよびフィラメントは、テクスタイル ヤーン内に含まれてきた。そのような機能的ファイバーおよびフィラメントは、電流を導き、信号もしくは情報を伝え、電磁界から遮蔽し、または電気加熱の目的で電気伝導性金属ワイヤーもしくはステンレス スチール ファイバーを含み得る。加えて金属もしくは電気伝導性表面被覆は、これらと同じ目的でヤーン上に適用し得る。そのような機能的ファイバーおよびフィラメントはまた、情報もしくは光の伝達を提供し、もしくは変形センサーとして働く目的で、オプティカル ファイバーも含み得る。そのようなファイバーもしくは被覆を含むそのようなファイバーおよび複合ヤーン(composite yarn)は、ファブリック、衣服、および衣料物品内に作り上げられてきた。
【0003】
エネルギー源に接続される場合、高いレベルの機能性を有するテクスタイル ヤーンについての知覚される必要性がある(ときどき「スマート電子テクスタイル」として引用される)。スマート電子テクスタイルはそれらのテクスタイルを含み、テクスタイルそれ自体は、テクスタイル構造エレメント、すなわちヤーンを介して果たし得る伝統的な電子回路のエレメントを提供し得る。複雑なものの一体化により、そのようなテクスタイル ヤーンは進歩し、挿入され、および活性の機能性をテクスタイル内に提供し得、したがって該テクスタイルを本当に一体化された電子構造として働かさせ得る。いわゆる「スマート電子テクスタイル」のためのテクスタイル ヤーンは、(a)受動の要素(例えば抵抗、インダクタ、もしくはキャパシタ)として、(b)エネルギー源(例えばバッテリ)として、(c)半導体装置(例えばダイオードもしくはトランジスタ)として、もしくは(d)変換器(transducer)(例えば光電池のもしくは光放射材料)として働く少なくとも1つの材料を含み得る。
【特許文献1】WO 03/021679 A2
【特許文献2】米国特許Pat. 6,856,715B1
【特許文献3】WO 03/023880 A2
【特許文献4】米国特許出願2005/0040374 A1
【非特許文献1】F. Clemens他“Computing Fibers: A novel fiber for Intelligent Fabrics ? ”, Advanced Engineering Materials 2003, vol.5, No.9, pp.682
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに関してthe Information Society Technologies研究プログラム内のFiCom, European Union基金プロジェクトは、テクスタイル製品内へその後織り込まれ得るファイバー内へ直接計算する能力を一体化するために活動しつつある。FiComの努力は、インバータ、ゲート、および高レベル回路(F. Clemens他“Computing Fibers: A novel fiber for Intelligent Fabrics ? ”, Advanced Engineering Materials 2003, vol.5, No.9, pp.682)(“Clemens”)を形成するためにその後接続され得るファイバー内へ、計算の基礎ユニット、トランジスタが挿入されることに焦点を合わせられてきた。FiComは、半導体プロセシングに適するファイバー形態における新しい基体を開発するための異なるプロセスを捜し求める。(A. Mathewson他への)WO 03/021679 A2に開示された1つのそのようなプロセスは、従来の技術により特別な絶縁物上のシリコン(SOI)基体上にトランジスタを形成することを含む第1のステップを含み、その後、普通のエッチング技術を使ってウェハ基体から長く薄い薄膜多結晶シリコン ファイバーが抽出される。この技術は、(長さ約42mm、35×1μmの断面の)ウェハ表面によって制限され、取り扱いし難い可能性のある、短い平らなファイバーを提供する。
【0005】
Clemensに開示された第2のプロセスは、第1のステップにおいて、セラミック パウダー成型技術によって純粋で連続的なSiOおよびSiCファイバーを生成することを含み、その後、多結晶SiCファイバーおよび純粋なアモルファスSiOガラス ファイバーを生成するために焼結する。連続的なフィラメントは本来、半導体材料を基体とするこのプロセスによって生成され得るけれども、そのような湾曲した表面上に電子機能性を一体化することは、該ファイバーの長さに従って今まで証明されてきた複雑なプロセスを現在必要とする。さらにClemensとMathewsonのアプローチは、達成し得る電子機能性のコスト、プロセス規模拡大性および複雑性に関してさらなる制限を示す得る伝統的なシリコン半導体製造プロセスに基づく。加えて結果として生じるファイバーの機械的特性は、望まれるテクスタイル特性を持ち得ない。
【0006】
トランジスタをテクスタイル ファブリック内へ合体させる他の試みもまた開示された。例えばJ. B. LeeとV. SubramanianによるIEDM2003公報“Organic Transistor on Fiber”は、テクスタイル技術を用いてファイバー トランジスタを製造する。開示されたプロセスに基づいて、直径250μmと500μmのアルミニウム ワイヤーがテクスタイル内へ織られてゲート内部接続が形成された。150nmから200nmの低温酸化物ゲート誘電体がゲートをカプセルに包むために置かれた。ソースとドレイン接続が、チャネル マスクとして働く直交するオーバー織り(over-woven)の直径50μmのワイヤーによってパターン化され、100nmの金がソ-ス/ドレイン接続パッドを形成するために蒸着された。織られ過ぎたファイバーを取り除いた後、トランジスタ アレーは薄膜トランジスタ(“TFT”)に類似した結果となり、各トランジスタはすべての交点で形成された。結果として生じたファイバー トランジスタの適した電気的特性は、この製作方法のためにレポートされてきたけれども、そのような方法は大規模基体上にファイバーを生成するのに実用的ではない。
【0007】
2000年11月9日に発行された米国特許6,856,715B1(Ebbesen他)は、テクスタイル製造方法により電子エレメントを適切に取り付けることによって製造された、ファブリックのような電子回路パターンを製造する装置および方法を開示する。その開示された目的は、従来の半導体プロセスとは異なるシートもしくはファブリック形態、または3次元構造における電子および光-電子(opto-electronic)デバイスを生成するためのリソグラフィを用いないプロセスを提供することである。この特許は単一の構成要素および複数の構成要素ファイバーの使用をさらに開示し、該ファイバーの構成要素は、ファイバーの断面においておよび/または軸に沿って異なる方法で配列され得る。そのようなファイバーは、電気伝導性、半導体性、もしくは光学伝導性を含む様々な機能性もしくは機能性の組み合わせを持ち得、光、熱、化学薬品、および電界もしくは磁界によって活性化されるセンサもしくは検知器をさらに含み得る。該ファイバーは束ねられ、より合わせられ得る。その後それらは、望まれる機能性を得るためにファブリック ウェブ パターン形態内に一体化され得る。この特許は、あらかじめ決められた形とパターンのファイバーおよびファブリックを基体とする装置を開示するけれども、望まれる電子および光-電子機能性を生成するような該ファイバーを製造する方法は開示しない。
【0008】
2003年3月20に発行されたWO 03/023880
A2(Neudecker他)は、ファイバー上のソリッド ステート薄膜バッテリを含む多層および多機能薄膜パターンの製造を開示する。この出願は、繊維基体上のシャドウ マスキングを用いた真空被覆プロセスによるファイバーの表面もしくはファイバーの部分上の陽極層、電解質層、陰極層、電気伝導性層、もしくは半導体層のような機能的層を非接触に置く方法を提供する。このプロセスは機能的ファイバーに導き得るけれども、該プロセス状態と材料堆積が、テクスタイル プロセスのために要求される特性の後に起こる損失を伴って、その元のファイバー特性に激しく影響を与え得る。
【0009】
2005年2月24日に発行された米国特許出願2005/0040374 A1(Chittibabu他)は、光電池ファイバーから光電池セルを製造することを開示する。この出願は、電気的に絶縁もしくは電気的に伝導性であり得るファイバー芯を開示する。ファイバー芯を絶縁する場合、内部の電気的伝導体がファイバーの表面上に配置される。この芯は、光変換材料(感光性ナノマトリクス材料および電荷運搬材料を含み得る)光変換材料、電荷移動もしくは電流を促進するための電荷運搬材料に近接する触媒作用媒体、および外側表面での光透過性電気伝導体によって取り囲まれる。1つの実施形態では、光電池ファイバーは交互にファイバー芯の上にすべての材料を被覆することによって形成され、一方、該ファイバーの回りにらせん状のパターンに光透過性電気伝導体のストリップを巻き付ける。このプロセスは機能的ファイバーに導き得、製造する観点から適切であり得るけれども、ファイバーの表面上の材料の堆積が、テクスタイル プロセスのために要求される特性の後に起こる損失を伴って、その元のファイバー特性に激しく影響を与え得る。さらに該ファイバーは望ましい熱特性を示すにちがいない(すなわち、300℃より低いガラス転移温度)。また層から層へのアプローチによって、最終のシステムにおいて望まれる耐久性および電気的性能を獲得するのが困難であり得る。
【0010】
上記それぞれの開示は、ファイバー表面上の直接的な表面の変更によりテクスタル ファイバーを後処理することによって望まれた機能性を獲得するように見える。そのような方法は、例えばテクスタイル プロセス中に生じる屈曲や褶曲の間等の機械的変形の間、破損に対する高い耐性を示す、組み込まれた電子機能性を生成し得ない。加えて上記開示の何ものも、その元のテクスタイル特性を維持し得るファイバーを提供するようには見えない。さらに開示の何も、弾性(elastic)伸長(stretch)および回復(recovery)特性を有するファイバーを提供するようには見えない。これに関して、ファイバーが伸長しおよび伸長から回復することができないことが、(多くのタイプの着用可能な物品および衣料品におけるように)伸長および回復特性が重要である利用における注目すべき制限である。その上、もしそのような機能的ファイバーのテクスタイル構造への一体化が、テクスタイル電子機能性が機能的ファイバーによって提供される接触を介して与えられることを要求するなら、該ファイバーの湾曲した非平面形状が、満足できる電気的性能のための最適の度合いでないかもしれない。
【0011】
前述のことを考慮して、編まれ、織られ、もしくは不織のファブリックを生成するために従来のテクスタイル手段を用いて処理され得る、平らな活性エレメントおよび機械的特性を有するエネルギー活性化されたテクスタイル ヤーンを提供することが望ましいだろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
エネルギー活性複合ヤーンは、少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材と、該テクスタイル ファイバー部材を取り囲む少なくとも1つの機能性で実質的に平らなフィラメントを有する。1つの実施形態では、複合ヤーンにかけられる引き伸ばし応力の実質的にすべてが、テクスタイル ファイバー部材によって支持されるように、機能的で実質的に平らなフィラメントは、該テクスタイル ファイバー部材の引っ張られた長さよりも長い長さを有する。
【0013】
テクスタイル ファイバー部材は、スパンデックス、もしくは非弾性材料、または弾性材料と非弾性材料の組み合わせのような弾性材料を含み得る。機能的で実質的に平らなフィラメントは、例えば電気的性質を有する材料(electrically active material)、光学的性質を有する材料(optically active material)、および/または磁気的性質を有する材料(magnetically active material)を含み得、少なくとも1つの実施形態では、エネルギー活性複合ヤーンを多機能的にすることができる。
【0014】
他の実施形態では、エネルギー活性複合ヤーンは、テクスタイル
ファイバー部材を取り囲む少なくとも1つの応力支持部材をさらに含み得る。応力支持部材は、機能的で実質的に平らなフィラメントの長さより短いが、テクスタイル ファイバー部材の引っ張られた長さより長いか、もしくは等しい総計の長さを有する。複合ヤーンにかけられた引き伸ばし応力の少なくとも一部が応力支持部材によって支持される。
【0015】
本発明はさらにそのようなエネルギー活性複合ヤーンを含むファブリックおよび衣服はもちろん、エネルギー活性複合ヤーンを形成する方法にも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明はこの出願の一部をなす添付の図面に関連してなされる下記の詳細な説明からより完全に理解されるだろう。
【0017】
図1は、いっしょにより合わせられたナイロン マルチフィラメント ヤーンの2つのストランド(strand)と、テクスタイル芯の回りに巻き付けられたスリット(slit) エネルギー活性フィルムを有する、非弾性テクスタイル ファイバー芯を含む本発明の非弾性エネルギー活性複合ヤーンの概略図である。
【0018】
図2は、伸長された状態における本発明の弾性エネルギー活性複合ヤーンの概略図であり、該ヤーンは、非弾性テクスタイル マルチフィラメント ファイバーで「S」方向に、スリット エネルギー活性フィルムで「Z」方向に巻き付けられた弾性モノフィラメントLycra(登録商標)ファイバー芯を含む。
【0019】
図3は、弛緩された状態における本発明の図2の弾性エネルギー活性複合ヤーンの概略図である。
【0020】
図4は、本発明の弾性エネルギー活性複合ヤーンの一実施形態についての応力-歪み曲線のグラフを用いた図である。
【0021】
図5は、実質的に平らなフィラメントの概略図である。
【0022】
本発明は、機械的統合も、伸長および回復特性も有するエネルギー活性複合ヤーンを提供し得る。そのような機械的特性は、エネルギーを変換し、もしくは使用し(すなわち、同じ、もしくは他のエネルギー形態への応答を制御する)、もしくは高レベル電子機能を成し遂げることができるヤーン、ファブリック、もしくは衣服を含むヤーン、ファブリック、もしくは衣服において一般的に望ましい。本発明は多機能的ヤーンであるヤーンを含む。
【0023】
ヤーンもしくはファブリックの伸長および回復特性もしくは「弾性」は、印加する力の方向に(かけられた伸び応力の方向に)伸び、かけられた伸び応力が弛緩されるときに、実質的に永久変形無しにその元の長さおよび形状に実質的に戻るその能力である。テクスタイル技術では、テクスタイル試料(例えばヤーンもしくはフィラメント)にかけられた応力を、試料の単位断面積当たりの力もしくは伸長されない試料の単位線密度当たりの力で表すのが一般的である。結果として生じる試料の歪み(伸び)は、元の試料の長さの比もしくはパーセンテージで表される。歪みに対する応力のグラフを用いた図は、テクスタイル技術でよく知られる応力-歪み曲線である。
【0024】
ファイバー、ヤーン、もしくはファブリックが、かけられた応力によってそれが変形する前の元の試料長さに戻る程度は、「弾性回復(elastic recovery)」と呼ばれる。テクスタイル材料の伸長および回復テストにおいて、テスト試料の弾性限界に注目することもまた重要である。弾性限界は、試料が永久変形を示す上記応力負荷である。弾性フィラメントの利用可能な伸び範囲は、まったく何の永久変形もない拡張の範囲である。ヤーン弾性限界は、変形を引き起こす応力が取り除かれた後、元のテスト試料長さが越えるときに達する。一般的に個々のフィラメントおよびマルチフィラメント ヤーンは、かけられた応力の方向に伸びる(歪む)。この伸びは、規定された負荷もしくは応力で測定される。加えてフィラメントもしくはヤーン試料の破断時の伸びに注目することが有用である。この破断伸びは、かけられた応力によって試料が歪み、試料フィラメントもしくはマルチフィラメント ヤーンの最後のコンポーネントを破断する長さと、元の試料長さとの比である。一般に引っ張られた長さは、ヤーンがその弛緩した単位長さから伸長される倍数に等しい引っ張り比で与えられる。
【0025】
ファイバー、ヤーン、もしくはファブリックについての望ましい機械的特性(すなわち、伸長および回復等)も、高レベルの電子および光-電子機能性も両方有する発展途上の材料は、試され得る。伝統的に例えば集積回路、およびセンサやアクチュエータを含む全体のマイクロシステムのような高レベル電子および光-電子機能性を有する材料は、単結晶シリコンおよび無機半導体材料上に発展してきた。そのような材料は無比の電子特性を有するけれども、それらは機械的に固く、それゆえそのような材料を基体とするシステムは堅く、機械的柔軟性に欠ける。マイクロシステムはさらに複雑になるので、寸法と間隔制限はまたかなり重要になる。
【0026】
これらのデバイスの製造は、慣例的に高温プロセスの要求に関連づけて考えられてきたけれども、薄膜無機半導体技術は、アモルファス シリコンおよび多結晶シリコンを含む低温抵抗サブストレート材料と共存して現在発展しつつある。クリーン ルーム、真空蒸着、リソグラフィ、エッチングおよび(溶液処理および印刷、モールディング、ソフト リソグラフィ、薄層化のような)層から層の技術以外の、新奇な処理技術に与える新奇な材料(本来伝導性ポリマー、有機電子材料)の進歩は現在、大面積、低温、軽量、低コストおよび特に構造上柔軟なエレクトロニクスの発展へ導いている。有機光放射デバイス、光電池デバイス、バッテリ、レーザ、トランジスタおよび集積回路が明らかに示されてきた。
【0027】
加えて、ポリマーもしくは紙サブストレート上の機能性のパターニングがインクジェット、グラビア、オフセット、もしくはスクリーン印刷によって得られ、薄く、平坦で、柔軟な電子フィルムの新しい生成をもたらす、プラスチック エレクトロニクスのロール・ツー・ロール(roll-to-roll)処理の発展において進歩がなされる。一般的に用いられるフィルム サブストレートは、ポリエチレン テレフタレート(PET)、ポリエチレン ナレタレート(PEN)、ポリイミド、もしくはフルオロポリマーのようなポリエステル
タイプを含む。電子フィルム サブストレートの出所は、CPFilms Inc., Virginia, USA; Toray Metallized
Films, Japan; およびIntelicoat Technologies, Massachusetts, USAを含むがそれに限定されない。ロール・ツー・ロールの薄膜性能の出所は、ITN Energy Systems, Colorado, USA; Polymer Vision, Philips Technology
Incubator, Eindhoven, the Netherlands; Rolltronics Corporation, California, USA; およびPrecisia LLC, Michigan,
USAを含むがそれに限定されない。一般にこれらのフィルムは、数センチメータから数メーターの幅で、数キロメーターの長さであり得る大面積サブストレートとして生成される。これらのフィルムは一般的に単独で、もしくは電子デバイスと組み合わせて使用されてきた。一般的なテクスタイル ファイバーは比較して約10μmから約300μmに及ぶ直径を有するので、それらの一般的な寸法はテクスタイルにおける直接の一体化のために適切ではない。そのようなフィルムの伸び特性に対する機械的な強度はまた、テクスタイルとともに使用するためには不適切であり得る。例えば多くの弾性合成ポリマーを基体とするテクスタイル ヤーンは、それらの応力を加えられない試料の長さの少なくとも125%に伸長し、応力が弛緩された場合、この伸びの50%より多く回復する。
【0028】
他の利用において、テクスタイル ヤーンは、平坦な金属膜が設けられた(metallized)フィルムを含むように作られてきた。そのようなヤーンは一般的に、セルロース アセテートもしくは(ポリエチレン-テレフタレートのような)プラスチック フィルムから作られ、それらは金属箔に薄層化(laminate)され、もしくは真空金属蒸着によって金属膜が設けられ、その後、保護被覆の積層もしくは適用がなされる。これらのヤーンは一般的に、いずれかもしくは両方の側上に金属膜が設けられ被覆されてきたプラスチック ウェブからのスリットである。そのようなヤーンは一般的に幅1/150から1/4インチであり、25から100ゲージ(0.25から1.0ミル)の厚さを持ち得る。それらはファブリック、衣服、および衣料物品に製造されてきたし、また一般的に何の他の機能的な目的を与えない、装飾的および体裁の効果を提供する目的のためにほとんど単独で用いられている。
【0029】
本発明に従って、少なくとも1つの機能的特性を有する平坦なフィラメントを含むエネルギー活性複合ヤーンを生成することが可能であることが発見された。加えて、テクスタイル ファイバー部材と少なくとも1つの機能的で実質的に平坦なフィラメントからなる、エネルギー活性多機能的複合ヤーンを生成することが可能であることが発見された。弾性もしくは非弾性であり得るテクスタイル ファイバー部材は、弾性伸長および回復特性もまた有し得る、テクスタイルのような応力-歪み特性を伴う1つもしくはそれ以上のフィラメントを含む。そのようなフィラメントは、ともに平行により合わされ、もしくは積み重ねられた形態に提供され得る。
【0030】
テクスタイル ファイバー部材は、少なくとも1つの機能的で実質的に平坦なフィラメントによって取り囲まれ(例えば実質的に被覆され)、もしくはそれと同一方向に広がる。機能的で実質的に平坦な各フィラメントは、単層もしくは多層(すなわち、2もしくはそれ以上の複数の層を含む)であり得る。加えて機能的で実質的に平坦な各フィラメントは、複数の層もしくはフィルムに積層され得る。機能的で実質的に平坦な各フィラメントは、複合ヤーンにかけられた伸び応力の実質的なすべてがテクスタイル ファイバー部材によって支持されるように、テクスタイル ファイバー部材の引っ張られた長さと同じか、もしくはそれより大きい長さを有する。
【0031】
一般的にテクスタイル ファイバー部材は、(テクスタイル ファイバー部材が非弾性でN=1の場合において)弛緩された単位長さ(L)と(N×L)の引っ張られた長さを有する。(N)の値は約1.0から約5.0のような、約1.0から約8.0に及び得る。
【0032】
機能的で実質的に平坦なフィラメントは、どのような種類の形態も取り得る。機能的で実質的に平坦なフィラメントは例えば、連続的なフィルムを適切な幅に細長く切った後に生成されるフィラメントを含む、ファイバー紡糸プロセスによって生成されるような四角形、直交、多角形、もしくは三角形の断面を有するフィラメントの形態であり得る。機能的で実質的に平坦なフィラメントは、スリット-フィルム ヤーンであり得る。あるいは機能的で実質的に平坦なフィラメントは、平坦なフィラメントをその上に有する非伝導性 非弾性合成ポリマー ヤーンの形態を取り得る。種々の形態のどの組み合わせも、複数の機能的で実質的に平坦なフィラメントを有する複合ヤーンにおいてともに用いられ得る。加えて、少なくとも1つの機能的で実質的に平坦なフィラメントは、1つより多い機能を達成できることを意味する多機能的であり得る。
【0033】
「機能的(functional)」は、機能的で実質的に平坦なフィラメントが電気的、光学的、磁気的、機械的、化学的、半導体的、および/または熱的エネルギー特性を示し得ることを意味する。
【0034】
機能的材料の例は、電気的性質を有する材料、光学的性質を有する材料、および磁気的性質を有する材料を含むがそれに限定されない。電気的機能(例えば電気伝導性、静電容量、ピエゾ電気性質、強誘電性質、電歪性質、エレクトロクロミック(electrochromic)性質)、光学(optical)機能(例えばフォトニック結晶材料、フォトルミネセント材料、ルミネセント材料、光放射材料、反射材料)、磁気機能(例えば磁歪性質)、熱応答機能(例えば形状記憶ポリマーもしくは合金)、半導体機能(例えばトランジスタ、ダイオード、ゲート電極)、およびセンサ機能(例えば化学、バイオ、容量)、を示すそれらは機能的材料の中に含まれる。そのような機能的材料は、本発明の実施形態で用いられる機能的で実質的に平坦なフィラメント内に含まれ得る。
【0035】
例えば1つの実施形態では、機能的材料は、印刷された電子回路、例えば平行な伝導性通路によって生成されたバスを生成するためにパターン化され得る。加えて、機能的で実質的に平坦なフィラメントは多層構造を含み得る。そのような構造は、例えばキャパシタ、トランジスタ、集積回路、熱電効果を有する材料、ゲート電子構造、ダイオード、光性質材料、光放射材料、センサ、形状記憶を提供する材料、電気変圧器、またはマイクロカプセルに包まれた薬剤もしくは微粒子のキャリアとして機能し得る。マイクロカプセルに包まれた薬剤もしくは微粒子のキャリアとして機能する場合、そのような薬剤もしくは微粒子は、例えば温度、pH、湿度、摩擦、もしくは気圧のような外部電界もしくは他の環境上の刺激によって放出され得る。
【0036】
本発明による複合ヤーンは、機能的で実質的に平坦なフィラメントが電気、光学、磁気、機械、化学、半導体、および/または熱エネルギー特性の組み合わせを示し得ることを意味する「多機能的」であり得る。あるいは複合ヤーンは、異なるエネルギー活性特性を有する、複合的で機能的で実質的に平坦なフィラメントをそのような複合ヤーンに含ませることによって多機能的に作り得る。
【0037】
「平坦な(planar)」は、機能的で実質的に平坦なフィラメントが、幅寸法(W)と厚さ寸法(T)を定義する、該フィラメントの縦軸(A)に対する通常の寸法を有することを意味し、縦軸(A)は、厚さ(T)よりずっと大きい幅(W)よりずっと大きく、A>>W>Tである(図5参照)。
【0038】
1つの実施形態では、機能的で実質的に平坦なフィラメントはテクスタイル ファイバー部材を覆う。そのような機能的で実質的に平坦なフィラメントは、テクスタイル ファイバー部材の各弛緩した(応力の無い)単位長さ(L)につき、機能的で実質的に平坦なフィラメントが少なくとも1から約1万回存在するように、テクスタイル ファイバー部材の回りに次々と巻き付けられる。あるいは、機能的で実質的に平坦なフィラメントは、テクスタイル ファイバー部材の各弛緩した単位長さ(L)につき、機能的で実質的に平坦なフィラメントによるテクスタイル ファイバー部材上の少なくとも1周期の波状の被覆が存在するように、テクスタイル ファイバー部材の回りに波状に(sinuously)配置され得る。
【0039】
複合ヤーンはさらに少なくとも1つの任意の応力-支持部材を含み得、それは例えばテクスタイル ファイバー部材を取り囲む1つもしくはそれ以上の非弾性合成ポリマー ヤーンであり得る。そのような各応力-支持部材は、複合ヤーンにかけられる伸び応力の一部が該応力-支持部材によって支持されるように、機能的で実質的に平坦なフィラメントの長さより短い総計の長さを有するべきである。好ましくは、各応力-支持部材の総計の長さは、テクスタイル ファイバー部材の引っ張られた長さ(N×L)よりも長いかもしくは同じであり、ここで「L」は弛緩された(応力の無い)単位ファイバー長さ、「N」はドラフト(draft)である。
【0040】
1つもしくはそれ以上の非弾性合成ポリマー ヤーンのような応力-支持部材は、1つの実施形態では、テクスタイル ファイバー部材の各弛緩した(応力の無い)単位長さ(L)につき、応力-支持部材が少なくとも1から約1万回存在するように、テクスタイル ファイバー部材(および機能的で実質的に平坦なフィラメント)の回りに巻き付けられ得る。あるいは応力-支持部材は、弾性部材の各弛緩した単位長さ(L)につき、応力-支持部材による少なくとも1周期の波状の被覆が存在するように、テクスタイル ファイバー部材の回りに波状に配置され得る。
【0041】
複合ヤーンは、テクスタイル ファイバー部材を取り囲む第2の機能的で実質的に平坦なフィラメントをさらに含み得る。そのような第2の機能的で実質的に平坦なフィラメントはまた、テクスタイル ファイバー部材の引っ張られた長さよりも長い長さを有するべきである。1つの実施形態では、第2の機能的で実質的に平坦なフィラメントは、テクスタイル ファイバー部材の各弛緩した単位長さ(L)につき、第2の機能的で実質的に平坦なフィラメントが少なくとも1から約1万回存在するように、テクスタイル ファイバー部材の回りに次々と巻き付けられ得る。他の実施形態では、第2の機能的で実質的に平坦なフィラメントは、テクスタイル ファイバー部材の各弛緩した単位長さ(L)につき、第2の機能的で実質的に平坦なフィラメントによる少なくとも1周期の波状の被覆が存在するように、テクスタイル ファイバー部材の回りに波状に配置され得る。
【0042】
本発明の複合ヤーンは、適用可能な約0%から約800%の伸び範囲を有し、それは機能的で実質的に平坦なフィラメントの破断伸びよりも大きく、弾性部材の弾性限界よりも小さく、また破断強さは機能的で実質的に平坦なフィラメントの破断強さよりも大きい。
【0043】
本発明はまた、エネルギー活性多機能的複合ヤーンを含むエネルギー活性複合ヤーンを形成する方法にも向けられる。
【0044】
該方法は一般に、少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材を用意し、該少なくとも1つのテクスタイル
ファイバー部材の回りに置かれもしくはそれと同一方向に広がるように、少なくとも1つの機能的で実質的に平坦なフィラメントを用意するステップを含む。
【0045】
少なくとも1つの機能的で実質的に平坦なフィラメントは、様々な方法で少なくとも1つのテクスタイル
ファイバー部材の回りに置かれもしくはそれと同一方向に広がるようにし得る。1つの実施形態では、少なくとも1つの機能的で実質的に平坦なフィラメントは、少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材とより合わせ得る。他の実施形態では、少なくとも1つの機能的で実質的に平坦なフィラメントは、少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材の回りに巻き付けられ得る。さらに他の実施形態では、少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材は、エア ジェットを通して送られ得、該エア ジェット内で少なくとも1つの機能的で実質的に平坦なフィラメントとからませ得る。
【0046】
少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材が弾性材料を含む場合、エネルギー活性複合ヤーンを作る1つの方法は、複合ヤーン内に使用されたテクスタイル ファイバー部材をその引っ張られた長さに引っ張り、1つもしくはそれ以上の機能的で実質的に平坦なフィラメントの各々を、引っ張られた長さのテクスタイル ファイバー部材に実質的に平行に接触して置き、その後、テクスタイル ファイバー部材を弛緩させ、それによりテクスタイル ファイバー部材と機能的で実質的に平坦なフィラメントとをからませるステップを含む。それからファイバーは弛緩され、機能的で実質的に平坦なフィラメントが、複合ヤーン内のテクスタイル ファイバー部材と同一方向に広がる。もしエネルギー活性複合ヤーンが、非弾性合成ポリマー ヤーンのような1つもしくはそれ以上の任意の応力-支持部材を含むなら、そのような応力-支持部材は、引っ張られた長さのテクスタイル ファイバー部材に実質的に平行に接触して置かれ得る。その後、テクスタイル ファイバー部材が弛緩されるとき、それによって非弾性合成ポリマー ヤーンがテクスタイル ファイバー部材と機能的で実質的に平坦なフィラメントにからまる。
【0047】
他の代わりの方法に従って少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材が弾性材料を含む場合、機能的で実質的に平坦なフィラメントの各々と応力支持部材の各々が(もし同じものが提供されるなら)、引っ張られたテクスタイル ファイバー部材の回りにより合わされるか、もしくは他の実施形態の方法に従って、引っ張られたテクスタイル ファイバー部材の回りに巻き付けられるか、またはテクスタイル ファイバー部材と同一方向に広がるように置かれる。その後、各例においてテクスタイル ファイバー部材が弛緩される。
【0048】
エネルギー活性複合ヤーンを形成するさらに他の代わりの方法は、少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材が弾性材料を含む場合、テクスタイル ファイバー部材をエア ジェットを通して送り、エア ジェット内にある間、テクスタイル ファイバー部材を、機能的で実質的に平坦なフィラメントの各々と応力支持部材の各々(もし同じものが提供されるなら)で被覆するステップを含む。その後、テクスタイル ファイバー部材は弛緩され、機能的で実質的に平坦なフィラメントとテクスタイル ファイバー部材が同一方向に広がるようにいっしょにからませる。
【0049】
部分的にもしくは実質的に本発明のエネルギー活性複合ヤーンから全体が構成される、編まれ、織られ、もしくは不織のファブリックを提供することもまた本発明の意図内にある。そのようなファブリックは、着用可能な衣服もしくは他のファブリック物品を形成するのに用いられ得る。

テクスタイル ファイバー部材
上記で論じられたように、テクスタイル ファイバー部材は弾性もしくは非弾性であり得る。

弾性テクスタイル ファイバー部材
弾性の場合、テクスタイル ファイバー部材は、商標LYCRA(登録商標)のもとで、INVISTA S.a r.l. (3 Little Falls Centre, 2801 Centreville Road, Wilmington, Delaware,
USA 19808)により販売されるスパンデックス材料のような、1つもしくはそれ以上の弾性ヤーンのフィラメントを用いて提供し得る。
【0050】
弾性テクスタイル ファイバー部材の引っ張られた長さ(N×L)は、弾性テクスタイル ファイバー部材が伸長され、その弛緩された(応力の無い)単位長さ(L)の5%以内に回復し得る長さに定義される。さらに一般的に、弾性テクスタイル ファイバー部材に適用されるドラフト(N)は、弾性テクスタイル ファイバー部材とその被覆を構成するポリマーの化学的および物理的特性と使用されるテクスタイル プロセスによる。スパンデックス ヤーンから作られる弾性テクスタイル ファイバー部材のための被覆プロセスにおいて、一般的に約1.2から約5.0のような約1.0と約8.0との間のドラフトが得られ得る。
【0051】
合成2成分(bicomponent)マルチフィラメント テクスタイル ヤーンはまた、弾性テクスタイル ファイバー部材を形成するために使用され得る。そのような合成2成分フィラメント コンポーネント ポリマーは、一般的に熱可塑性であり、例えば溶融紡糸(melt spun)され得る。そのような合成2成分マルチフィラメント テクスタイル ヤーンを作るのに有用なコンポーネント ポリマーは、ポリアミドとポリエステルからなるグループから選ばれたものを含む。
【0052】
使用され得るポリアミド2成分マルチフィラメント テクスタイル ヤーンの1クラスは、「自己テクスチャリング(self-texturing) ヤーン」とも呼ばれる自己しぼ(self-crimping)ナイロン2成分ヤーンのクラスである。これらの2成分ヤーンは、第1の相対粘度を有するナイロン66ポリマーもしくはコポリアミドのコンポーネント、および第2の相対粘度を有するナイロン66ポリマーもしくはコポリアミドのコンポーネントを含み得、ポリマーもしくはコポリアミドの両方のコンポーネントは、個々のフィラメントの断面において見られるように並んだ(side-by-side)関係にある。2成分材料のこのクラスには、商標TACTEL(登録商標)T-800TMのもとで、INVISTA S.a r.l. (3 Little Falls Centre, 2801 Centreville Road, Wilmington, Delaware,
USA 19808)により販売されるヤーンが含まれる。
【0053】
使用され得るポリエステル コンポーネント ポリマーの例は、ポリエチレン テレフタレート(PET)、ポリトリメチレン テレフタレート(PTT)、およびポリテトラブチレン テレフタレートを含む。1つの実施形態では、ポリエステル2成分フィラメントは、個々のフィラメントの断面において見られるように並んだ関係にあるフィラメントの両方のコンポーネントを有する、PETポリマーのコンポーネントおよびPTTポリマーのコンポーネントを含む。この説明と一致する1つのフィラメント ヤーンは、商標T-400TM Next Generation Fiberのもとで、INVISTA S.a r.l. (3 Little Falls Centre, 2801 Centreville Road, Wilmington, Delaware,
USA 19808)により販売されるヤーンである。特にこれらの2成分ヤーンからの弾性部材のための被覆プロセスは一般に、スパンデックスよりも少ないドラフトの使用を含む。
【0054】
一般的にポリアミドもしくはポリエステル2成分マルチフィラメント テクスタイル ヤーンのドラフトは、約1.0から約5.0である。

非弾性テクスタイル ファイバー部材
非弾性の場合、テクスタイル ファイバー部材は、例えば非伝導性 非弾性合成ポリマー ファイバーから、もしくはコットン、ウール、シルク、およびリネンのような天然テクスタイル ファイバーから作られ得る。これらの合成ポリマー ファイバーは、連続的フィラメントもしくはマルチフィラメント フラット ヤーン、部分的に方向付けされたヤーン、もしくはテクスチャード ヤーンから選ばれるステープル ヤーンであり得る。それらはさらにナイロン、ポリエステル、もしくはフィラメント ヤーン混合物から選ばれるような2成分ヤーンを含み得る。
【0055】
非弾性テクスタイル ファイバー部材がナイロンを含む場合、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン7、ナイロン9、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン12、およびそれらの混合物並びにコポリアミドのような合成ポリアミド コンポーネント
ポリマーからなるヤーンを使用し得る。使用し得るコポリアミドは、40モルパーセントに至るまでのポリアジパミドを伴うナイロン66を含み、そこでは脂肪族ジアミン コンポーネントが、各商標DYTEK A(登録商標)とDYTEK EP(登録商標)のもとでE. I. Du Pont de Nemours and Company, Inc. (Wilmington, Delaware,
USA, 19880)から入手できるジアミンのグループから選ばれる。
【0056】
もし非弾性テクスタイル ファイバー部材がポリエステルを含むなら、使用し得るポリエステルの例は、ポリエチレン テレフタレート(2GT, a.k.a. PET)、ポリトリメチレン テレフタレート(3GT, a.k.a. PTT)、もしくはポリテトラブチレン テレフタレート(4GT)を含む。
【0057】
非弾性テクスタイル ファイバー部材を含む実施例について、非弾性テクスタイル ファイバー部材の引っ張られた長さ(N×L)は、非弾性テクスタイル ファイバー部材のもとの長さと等しく、すなわちNは1.0である。この場合、複合ヤーンは非弾性であり、伸長および回復する能力を有しない。

機能的で実質的に平坦なフィラメント
機能的で実質的に平坦なフィラメントは、いくつかの異なるタイプの処理技術を用いて種々の材料から作られ得る。例えば機能的で実質的に平坦なフィラメントは、スリット フィルム、平坦な断面を有する紡糸ファイバー、もしくはマルチコンポーネント ファイバーであり得る。
【0058】
1つの実施形態では、機能的で実質的に平坦なフィラメントは、エネルギー活性平坦フィラメントの少なくとも1つのストランド(strand)を含む。
【0059】
そのようなフィラメントは、一般的なファイバー紡糸プロセスによって、平坦なもしくは実質的に平坦な断面、例えば四角形もしくは多角形の断面を有するフィラメントを結果として生じるスピナレットを介して生成し得る。そのようなフィラメントは、ファイバー紡糸プロセス(例えば付加的プロセスによって、もしくはマルチコンポーネント ファイバー紡糸によって)の間、またはファイバー紡糸プロセス(例えば表面改質もしくは積層技術によって)の後のいずれかでエネルギー活性となり得る。付加的プロセスは、エネルギー活性材料もしくは添加物が、機能的で実質的に平坦なフィラメントにおける基体材料として使用されるポリマー材料(例えばナイロン、ポリエステル、もしくはアクリル)のバッチもしくはスラリー内へ含まれるそれらを含む。そのようなエネルギー活性材料もしくは添加物は、異なる形状(例えば球、管、ロッド、ワイヤー)のマイクロ微粒子もしくはナノ微粒子を含み得る。そのようなエネルギー活性材料もしくは添加物はまた、パウダーを含み得る。エネルギー活性材料の例は、(金属パウダーのような)伝導性金属、伝導性および半導体の金属酸化物および塩、並びに(カーボン ブラックのような)カーボンを基体とする伝導性材料を含む。
【0060】
あるいはこれらのフィラメントは、エネルギー活性の柔軟なフィルムもしくはウェブを用意し、このエネルギー活性フィルムもしくはウェブを適切な幅に細長く切る(slit)ことによって生成し得る。例えば該フィルムもしくはウェブは、多層堆積方法もしくは積層技術によってエネルギー活性となり得る。ウェブのための基体材料は、シリコン、例えばアモルファス シリコンもしくは多結晶シリコンを含み得る。好ましくは柔軟な基体材料は、ポリエチレン テレフタレート(PET)、ポリエチレン ナフタレート(PEN)、ポリイミド、もしくはフルオロポリマーのようなポリマーを基体とするそれらを含んで用いられる。基体の機能性は、真空蒸着、リソグラフィ、エッチング、および層から層(例えば印刷、ソフト リソグラフィ、もしくは積層)を含むどのような利用可能な技術も含み得る。そのような機能性は、複合ヤーンの形成の前もしくは後のいずれかで平坦なフィラメントへ与えられ得、それはテクスタイル ファイバー部材の機械的性能へ著しくは影響を及ぼさないだろうし、それゆえ、複合ヤーンのテクスタイルの応力-歪みのふるまいへ著しくは影響を及ぼさないだろう。
【0061】
そのような実質的に平坦なフィラメントはさらに、有機材料(例えばナイロン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレンおよび同様な物)もしくは無機材料を基体とし得る、適切な電気絶縁層と絶縁されず、もしくは絶縁され得る。そのような電気絶縁層は、エネルギー活性フィラメントに障壁特性を提供し得、例えばエネルギー活性層を介して水および酸素の輸送を制限し得る。
【0062】
平坦なフィラメントは例えば約0.1mmから約7mmの幅と、約0.02mmのような約0.005mmから約0.3mmの厚さを有し得る。平坦なフィラメントの幅は一般に、テクスタイル ファイバー部材のフィラメントの直径より大きく、一般的にテクスタイル ファイバー部材の平均直径よりも大きいべきである。エネルギー活性平坦フィラメントは、アノード、電解質、カソード、電気伝導、もしくは半導体層のような少なくとも1つのエネルギー活性層を含み得る。
【0063】
代わりの形態では、機能的で実質的に平坦なフィラメントは、その上に1つもしくはそれ以上の伝導性平坦フィラメントを有する合成ポリマー ヤーンを含み得る。伝導性平坦フィラメントとして働き得る伝導性ファイバーは、ポリピロルおよびポリアニリン被覆フィラメントを含み、それは例えばE. SmelaへのUS特許No.6,360,315に開示され、その全体の開示は引用によってここに含まれる。機能的で実質的に平坦なフィラメントはまた、非伝導性ヤーンも含み得る。適切な合成ポリマー非伝導ヤーンは、連続的なフィラメント ナイロン ヤーン(例えば一般にN66、N6、N610、N612、N7、N9として示される合成ナイロン ポリマーから)、連続的なフィラメント ポリエステル ヤーン(例えば一般にPET、3GT、4GT、2GN、3GN、4GNとして示される合成ポリエステル ポリマーから)、ステープル ナイロン ヤーン、またはステープル ポリエステル ヤーンの間から選ばれるそれらを含む。そのようなヤーンは、撚合、紡糸、もしくはテクスチャード ヤーンのような複合ヤーンを生成するために、従来のヤーン紡糸技術によって形成され得る。
【0064】
どんな形態が選ばれても、テクスタイル ファイバー部材を取り囲むもしくはそれと同一方向に広がる機能的で実質的に平坦なフィラメントの長さは、テクスタイル ファイバー部材の弾性限界により決定される。このように、弛緩された単位長さLのテクスタイル
ファイバー部材を取り囲む平坦なフィラメントは、A(N×L)で与えられる総計の単位長さを有し、ここでAは1より大きいある実数、ドラフトNは約1.0から約8.0の範囲の数である。このように機能的で実質的に平坦なフィラメントは、テクスタイル ファイバー部材の引っ張られた長さよりも大きい長さを有する。
【0065】
機能的で実質的に平坦なフィラメントの代わりの形態は、複数回の平坦なフィラメントで合成ポリマー ヤーンを取り囲むことによって作られ得る。

任意の応力支持部材
本発明のエネルギー活性複合ヤーンの任意の応力支持部材は例えば、非伝導 非弾性合成ポリマー ファイバーもしくはコットン、ウール、シルク、およびリネンのような天然テクスタイル ファイバーからから作られ得る。非弾性合成ポリマー ファイバーは、マルチフィラメント平坦ヤーン、部分的に方向付けされたヤーン、もしくはテクスチャード ヤーンから選ばれる連続的なフィラメントもしくはステープル ヤーンであり得る。それらはさらに、ナイロン、ポリエステル、もしくはフィラメント ヤーン混合物から選ばれるそれらのような2成分ヤーンを含み得る。
【0066】
もし利用するとしたら、弾性テクスタイル ファイバー部材を取り囲むもしくはそれと同一方向に広がる応力支持部材は、B(N×L)の総計の単位長さを有するように選ばれ、ここでBは1より大きいある実数である。数AとBの選択は、機能的で実質的に平坦なフィラメントと何らかの応力支持部材との相対的な長さを決定する。例えばA>Bの場合、機能的で実質的に平坦なフィラメントは、その破断伸び近くまで応力がかけられず、もしくは著しく拡張されないことが保証される。さらにまた、AとBのそのような選択は、弾性テクスタイル ファイバー部材の弾性限界で、それがすべての伸び応力の拡張負荷を実質的に支え得るように、応力支持部材を複合ヤーンの強度部材にさせる。このように応力支持部材は、複合ヤーンにかけられた伸び応力の一部が該応力支持部材によって支えられるように、機能的で実質的に平坦なフィラメントの長さより短い総計の長さを有する。応力支持部材の長さは、弾性テクスタイル ファイバー部材の引っ張られた長さ(N×L)より長いかもしくは等しいべきである。
【0067】
応力支持部材は例えばナイロンを含み得る。そのような利用に適するナイロン ヤーンは例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン7、ナイロン9、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン12、およびそれらの混合物並びにコポリアミドのような合成ポリアミド コンポーネント
ポリマーからなるそれらを含む。使用し得るコポリアミドは、40モルパーセントに至るまでのポリアジパミドを伴うナイロン66を含み、そこでは脂肪族ジアミン コンポーネントが、各商標DYTEK A(登録商標)とDYTEK EP(登録商標)のもとでE. I. Du Pont de Nemours and Company, Inc. (Wilmington, Delaware,
USA, 19880)から入手できるジアミンのグループから選ばれる。
【0068】
応力支持部材がナイロンを含む場合、テクスタイル ナイロン ヤーンと従来のナイロン被覆スパンデックス ヤーンの着色のための、従来の染料とプロセスを使用して複合ヤーンは染色可能であり得る。
【0069】
もし応力支持部材がポリエステルを含むなら、使用し得るポリエステルの例は、ポリエチレン テレフタレート(2GT, a.k.a. PET)、ポリトリメチレン テレフタレート(3GT, a.k.a. PTT)、もしくはポリテトラブチレン テレフタレート(4GT)を含む。応力支持部材がポリエステル マルチフィラメント ヤーンを含む場合、染色と処理は従来のテクスタイル プロセスを用いて成し遂げられる。
【0070】
1つの実施形態における機能的で実質的に平坦なフィラメントと応力支持部材は、その軸に沿って実質的にらせん状に弾性部材を取り囲むことができる。
【0071】
機能的で実質的に平坦なフィラメントと応力支持部材(もし使用されるなら)の相対的な総計は、伸び、およびその伸張されない(すなわち、拡張によって変形されない)長さに戻り、機能的で実質的に平坦なフィラメントの特性上の弾性テクスタイル ファイバー部材の能力により選ばれ得る。ここで使用されたように「変形されない(undeformed)」は、弾性テクスタイル ファイバー部材が、その弛緩された(応力の無い)単位長さ(L)のプラスもしくはマイナス約5%以内に戻ることを意味する。
【0072】
弾性もしくは非弾性テクスタイル ファイバー部材の一重被覆、二重被覆、エア ジェット被覆、からませ、撚り合わせ、もしくは巻き付けのためのどの一般的なテクスタイル プロセスも、本発明によりエネルギー活性複合ヤーンを作るのに適し得る。一般的に、テクスタイル ファイバー部材が組み合わされ、機能的で実質的に平坦なフィラメントと任意の応力支持部材によって取り囲まれ、もしくは被覆されるオーダーは、エネルギー活性複合ヤーンを得るのに重要でないと期待し得る。
【0073】
本発明の範囲内にあるエネルギー活性複合ヤーンの1つの望ましい特性は、それらの応力−歪みのふるまいである。例えば、力がかけられた伸びの応力のもとで、複合ヤーンの機能的で実質的に平坦なフィラメントは、複数の巻き付け(一般的に1回もしくは約10,000回の一重巻き付け)でテクスタイル
ファイバー部材の回りに配置される場合は、歪み無しに自由に伸びることができる。
【0074】
同様に任意の応力支持部材は、複数の巻き付け(一般的に1回から約10,000回の一重巻き付け)でテクスタイル ファイバー部材の回りに配置される場合もまた、自由に伸びることができる。もし複合ヤーンが、テクスタイル ファイバー部材の破断伸び近くに伸長されるなら、応力支持部材は、負荷の一部(a portion of the load)を受けるのに役立ち、テクスタイル ファイバー部材と機能的で実質的に平坦なフィラメントを破断から効果的に守る。「負荷の部分(portion of the load」という用語は、ここでは約25%から約50%の負荷を含む、約10%から約80%の負荷のような約1%から約99%の負荷のどのような総計も意味するのに用いられる。
【0075】
図1-3は本発明によって作られ得るヤーンの可能な構造の概略図である。そのような構造は好例であり、本発明の範囲内でたくさんの変形が可能である。これらの図はまたLurex(登録商標)のブランド名のもとで販売されるテクスタイル ヤーンに関する。しかしながら、本発明のヤーンは、機能的で平坦なエレメント(すなわち例えばエネルギー活性もしくは多機能であるエレメト)を含む一方、Lurex(登録商標)ヤーンは、単に金属膜が設けられた非伝導性スリット フィルム(すなわち非機能的である平坦なエレメント)である平坦なエレメントを含む。
【0076】
図1は、いっしょに撚り合わせられたナイロン マルチフィラメント ヤーンの2つのストランド14、16と、テキスタイル芯12の回りに巻き付けられたスリット エネルギー活性フィルム18を有する非弾性テキスタイル ファイバー芯12を含む、本発明の非弾性エネルギー活性複合ヤーン10の概略図である。そのようなヤーンは、非エネルギー活性とエネルギー活性部分を交互に有する。実例として図1を参照して、エネルギー活性フィルム18の巻き付けは、らせんの周期(P)によって特徴付けられる。
【0077】
図2は、伸長された状態の本発明の代わりの弾性エネルギー活性複合ヤーン20の概略図である。ヤーン20は、回りに「S」方向に非弾性テクスタイル マルチフィラメント ファイバー24によって、「Z」方向に回りにスリット エネルギー活性フィルム26によって巻き付けられた弾性モノフィラメントLycra(登録商標)ファイバー芯22を含む。スリット エネルギー活性フィルム26は、いっしょに撚り合わせられたスリット フィルム26と非弾性テクスタイル マルチフィラメント ファイバー28を有する複合ヤーンを含む。そのようなヤーンは、非エネルギー活性とエネルギー活性部分を交互に有する。
【0078】
図3は、弛緩された状態の本発明の図2の弾性エネルギー活性複合ヤーンの概略図である。
【実施例】
【0079】
本発明の特定の実施形態が、実例のみの目的のための次の実施例によっていま述べられるだろう。
複合ヤーンが、Rea Magnet Wire Company, Inc., USAから入手される40μmの厚さ(T)と210μmの幅(W)を有する平坦な金属リボンを伴うLycra(登録商標)スパンデックス ヤーンから作られた78decitex(dtex)弾性芯の巻き付けによって作られた。Lycra(登録商標)スパンデックス弾性芯ヤーンはまず、3.6倍(すなわち、N=3.6)の値に引っ張られ、その後、「S」に撚り合わせられた平坦な金属リボンの単一な長さで250回/メーター(引っ張られたLycra(登録商標)スパンデックス ヤーンのメーター当たりの平坦なリボンの回)で巻き付けられた。平坦なエレメントを有する電気的伝導性複合ヤーンが生成された。平坦な金属リボン被覆は、I.C.B.T.マシーン、モデルG307上で通例のプロセスを用いてなされた。
【0080】
この実施例の金属リボン(40)単独の、および複合ヤーン(50)の応力-歪み特性が図4に示される。複合ヤーン(50)は、金属リボン(40)単独に比較して、テクスタイル ヤーンに期待されるであろうこと、すなわち、より柔らかい係数およびより高い破断伸びにより近い応力-歪み特性を有した。
【0081】
この明細書における何物も、本発明の範囲を限定するようにみなされるべきではない。示されたすべての実施例は代表であり、何も限定しない。上述の本発明の実施形態は、上記教示の観点から当該技術に熟練した人によって理解されるように、本発明から外れることなく、修正され、もしくは変形され、また要素が追加され、もしくは省略され得る。それゆえ、本発明が特許請求の範囲によって推測されるべきであり、明細書に明確に述べられてきたことに対して代わりの方法において実施され得ることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】いっしょにより合わせられたナイロン マルチフィラメント ヤーンの2つのストランドと、テクスタイル芯の回りに巻き付けられたスリット エネルギー活性フィルムを有する、非弾性テクスタイル ファイバー芯を含む本発明の非弾性エネルギー活性複合ヤーンの概略図である。
【図2】伸長された状態における本発明の弾性エネルギー活性複合ヤーンの概略図であり、該ヤーンは、非弾性テクスタイル マルチフィラメント ファイバーで「S」方向に、スリット エネルギー活性フィルムで「Z」方向に巻き付けられた弾性モノフィラメントLycra(登録商標)ファイバー芯を含む。
【図3】弛緩された状態における本発明の図2の弾性エネルギー活性複合ヤーンの概略図である。
【図4】本発明の弾性エネルギー活性複合ヤーンの一実施形態についての応力-歪み曲線のグラフを用いた図である。
【図5】実質的に平坦なフィラメントの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弛緩した単位長さが(L)であって、Nが約1.0から約8.0の範囲にある(N×L)の引っ張られた長さを有する少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材と、
前記テクスタイル ファイバー部材を取り囲む少なくとも1つの機能的で実質的に平坦なフィラメントとを含み、
前記機能的で実質的に平坦なフィラメントは、前記テクスタイル
ファイバー部材の引っ張られた長さより長い長さを有し、
当該複合ヤーンにかけられた伸び応力の実質的にすべてが前記テクスタイル ファイバー部材によって支持されるエネルギー活性複合ヤーン。
【請求項2】
前記テクスタイル ファイバー部材が、スパンデックスのような弾性材料、もしくはナイロンのような非弾性材料からなる、請求項1記載のエネルギー活性複合ヤーン。
【請求項3】
前記機能的で実質的に平坦なフィラメントが、電気的性質を有する材料、光学的性質を有する材料、および磁気的性質を有する材料からなるグループから選ばれる少なくとも1つの材料からなる請求項1記載のエネルギー活性複合ヤーン。
【請求項4】
前記機能的で実質的に平坦なフィラメントが、伝導性材料、半導体材料、誘電体材料、絶縁材料、ピエゾ電気材料、強誘電材料、形状記憶材料、光放射材料、変換器、光学材料および磁気材料からなるグループから選ばれる少なくとも1つの材料からなる、請求項1記載のエネルギー活性複合ヤーン。
【請求項5】
当該複合ヤーンが多機能的である、請求項1記載のエネルギー活性複合ヤーン。
【請求項6】
前記少なくとも1つの材料が、印刷電子回路を生成するようにパターン化されている、請求項3記載のエネルギー活性複合ヤーン。
【請求項7】
前記少なくとも1つの材料が、平行な伝導性通路によって生成されたバスを構成する、請求項6記載のエネルギー活性複合ヤーン。
【請求項8】
前記機能的で実質的に平坦なフィラメントが多層構造である、請求項1記載のエネルギー活性複合ヤーン。
【請求項9】
前記多層構造が、キャパシタ、トランジスタ、集積回路、熱電効果を有する材料、ゲート電子構造、ダイオード、光性質材料、光放射材料、センサ、形状記憶を提供する材料、電気変圧器、またはマイクロカプセルに包まれた薬剤もしくは微粒子のキャリアとして機能し得る、請求項8記載のエネルギー活性複合ヤーン。
【請求項10】
前記機能的で実質的に平坦なフィラメントがその上に絶縁被覆を有する、請求項1記載のエネルギー活性複合ヤーン。
【請求項11】
前記機能的で実質的に平坦なフィラメントが、平坦な断面を有するスリット フィルムもしくは紡糸ファイバーである、請求項1記載のエネルギー活性複合ヤーン。
【請求項12】
前記少なくとも1つの機能的で実質的に平坦なフィラメントが、前記テクスタイル ファイバー部材の回りに複数回巻き付けられ、
前記テクスタイル ファイバー部材の各弛緩した単位長さ(L)につき、前記機能的で実質的に平坦なフィラメントが少なくとも1から約10,000回存在する、請求項1記載のエネルギー活性複合ヤーン。
【請求項13】
前記テクスタイル ファイバー部材を取り囲む第2の機能的で実質的に平坦なフィラメントをさらに含み、
前記第2の機能的で実質的に平坦なフィラメントは、前記テクスタイル ファイバー部材の引っ張られた長さより長い長さを有する、請求項1記載のエネルギー活性複合ヤーン。
【請求項14】
前記第2の機能的で実質的に平坦なフィラメントが、前記テクスタイル ファイバー部材の回りに複数回巻き付けられ、
前記テクスタイル ファイバー部材の各弛緩した単位長さ(L)につき、前記第2の機能的で実質的に平坦なフィラメントが少なくとも1から約10,000回存在する、請求項13記載のエネルギー活性複合ヤーン。
【請求項15】
前記テクスタイル ファイバー部材を取り囲む少なくとも1つの応力支持部材をさらに含み、
前記少なくとも1つの応力支持部材は、前記機能的で実質的に平坦なフィラメントの長さより短く、前記テクスタイル ファイバー部材の引っ張られた長さ(N×L)より長いもしくはそれと等しい総計の長さを有し、
当該複合ヤーンにかけられる伸び応力の一部が、前記少なくとも1つの応力支持部材によって支持される、請求項1記載のエネルギー活性複合ヤーン。
【請求項16】
前記応力支持部材が非弾性合成ポリマー ヤーンから作られている、請求項15記載のエネルギー活性複合ヤーン。
【請求項17】
前記少なくとも1つの応力支持部材が、前記テクスタイル ファイバー部材の回りに複数回巻き付けられ、
前記テクスタイル ファイバー部材の各弛緩した単位長さ(L)につき、前記応力支持部材が少なくとも1から約10,000回存在する、請求項15記載のエネルギー活性複合ヤーン。
【請求項18】
弛緩した長さを有する少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材、
前記テクスタイル ファイバー部材を取り囲む少なくとも1つの機能的で実質的に平坦なフィラメントを含み、
前記少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材を引っ張り、
前記少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材を、前記少なくとも1つの機能的で実質的に平坦なフィラメントで取り囲む、ステップを含んでなる、エネルギー活性複合ヤーンを形成する方法。
【請求項19】
(i)前記少なくとも1つの機能的で実質的に平坦なフィラメントを、前記少なくとも1つのテクスタイル
ファイバー部材と撚り合わせ、
(ii)前記少なくとも1つの機能的で実質的に平坦なフィラメントを、前記少なくとも1つのテクスタイル
ファイバー部材の回りに巻き付け、
(iii)前記少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材を、エアジェットを通して送り、該エアジェット内で該少なくとも1つのテクスタイル
ファイバー部材を、前記少なくとも1つの機能的で実質的に平坦なフィラメントで被覆する、
からなるグループから選ばれる被覆ステップによって、
前記少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材が、前記少なくとも1つの機能的で実質的に平坦なフィラメントによって取り囲まれる、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材が弾性材料からなり、
前記少なくとも1つの機能的で実質的に平坦なフィラメントを、引っ張られた長さの前記少なくとも1つのテクスタイル
ファイバー部材に実質的に平行にかつ接触させて置き、
前記少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材を弛緩させ、前記少なくとも1つの機能的で実質的に平坦なフィラメントが、該少なくとも1つのテクスタイル
ファイバー部材を取り囲むようにする、
ステップをさらに含む、請求項18記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材が弾性材料からなり、
前記少なくとも1つの機能的で実質的に平坦なフィラメントを、前記少なくとも1つのテクスタイル
ファイバー部材と撚り合わせ、その後、
前記少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材を弛緩させる、
ステップをさらに含む、請求項18記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材が弾性材料からなり、
前記少なくとも1つの機能的で実質的に平坦なフィラメントを、前記少なくとも1つのテクスタイル
ファイバー部材の回りに巻き付け、
前記少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材を弛緩させる、
ステップをさらに含む、請求項18記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材が弾性材料からなり、
前記少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材をエアジェット内に導入し、
前記少なくとも1つの機能的で実質的に平坦なフィラメントを前記エアジェット内に導入し、
前記エアジェット内で前記少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材を、前記少なくとも1つの機能的で実質的に平坦なフィラメントで被覆し、
前記少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材を弛緩させる、
ステップをさらに含む、請求項18記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材を、少なくとも1つの応力支持部材で取り囲む、
ステップをさらに含む、請求項18記載の方法。
【請求項25】
(i)前記少なくとも1つの応力支持部材を、前記少なくとも1つのテクスタイル
ファイバー部材と撚り合わせ、
(ii)前記少なくとも1つの応力支持部材を、前記少なくとも1つのテクスタイル
ファイバー部材の回りに巻き付け、
(iii)前記少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材を、エアジェットを通して送り、該エアジェット内で該少なくとも1つのテクスタイル
ファイバー部材を、前記少なくとも1つの応力支持部材で被覆する、
からなるグループから選ばれる被覆ステップによって、
前記少なくとも1つの応力支持部材が前記少なくとも1つのテクスタイル
ファイバー部材を取り囲む、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材が弾性材料からなり、
前記少なくとも1つの応力支持部材を、引っ張られた長さの前記少なくとも1つのテクスタイル
ファイバー部材に実質的に平行にかつ接触させて置き、その後、
前記少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材を弛緩させ、前記少なくとも1つの応力支持部材が、該少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材を取り囲むようにする、
ステップをさらに含む、請求項24記載の方法。
【請求項27】
前記少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材が弾性材料からなり、
前記少なくとも1つの応力支持部材を、前記少なくとも1つのテクスタイル
ファイバー部材と撚り合わせ、その後、
前記少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材を弛緩させる、
ステップをさらに含む、請求項24記載の方法。
【請求項28】
前記少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材が弾性材料からなり、
前記少なくとも1つの応力支持部材を、前記少なくとも1つのテクスタイル
ファイバー部材の回りに巻き付け、その後、
前記少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材を弛緩させる、
ステップをさらに含む、請求項24記載の方法。
【請求項29】
前記少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材が弾性材料からなり、
前記少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材をエアジェットを通して送り、
前記エアジェット内で前記少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材を、前記少なくとも1つの応力支持部材で被覆し、
前記少なくとも1つのテクスタイル ファイバー部材を弛緩させる、
ステップをさらに含む、請求項24記載の方法。
【請求項30】
請求項1によるエネルギー活性複合ヤーンからなるファブリック。
【請求項31】
前記機能的で実質的に平坦なフィラメントが、電気的伝導性材料、光学的性質を有する材料および磁気的性質を有する材料からなるグループから選ばれる少なく1つの材料からなる、請求項30記載のファブリック。
【請求項32】
前記機能的で実質的に平坦なフィラメントが、伝導性材料、半導体材料、誘電体材料、絶縁材料、ピエゾ電気材料、強誘電材料、形状記憶材料、光放射材料、変換器、光学材料および磁気材料からなるグループから選ばれる少なくとも1つの材料からなる、請求項30記載のファブリック。
【請求項33】
前記エネルギー活性複合ヤーンが、
前記テクスタイル ファイバー部材を取り囲む少なくとも1つの応力支持部材をさらに含み、
前記少なくとも1つの応力支持部材は、前記機能的で実質的に平坦なフィラメントの長さより短く、前記テクスタイル ファイバー部材の引っ張られた長さ(N×L)より長いもしくはそれと等しい総計の長さを有し、
当該複合ヤーンにかけられる伸び応力の一部が、前記少なくとも1つの応力支持部材によって支持される、請求項30記載のファブリック。
【請求項34】
請求項30記載のファブリックからなる衣服。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−504930(P2009−504930A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526562(P2008−526562)
【出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【国際出願番号】PCT/IB2006/002206
【国際公開番号】WO2007/020511
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(505470889)テクストロニクス, インク. (17)
【Fターム(参考)】