説明

エネルギー源供給施設への車両誘導システム

【課題】充電スタンド管理センターがダウンしても、目的地へ向かう経路周辺に位置し、充電装置の空きがある充電スタンドへ電気自動車を誘導する。
【解決手段】充電スタンド110a、110bおよび110cに充電スタンドデータ配信装置を設置して、電気自動車50に搭載したナビゲーション装置に対して無線信号を配信して、空いている充電装置の台数情報を通知する。空いている充電装置の台数の少ない充電スタンド110aは、無線信号の搬送波の送信電力を小さくして配信範囲310bを狭くする。空きの多い充電スタンド110bは、送信電力を大きくして配信範囲310bを広くする。空きの無い充電スタンド110cは、送信電力を零にする。電気自動車50の乗員は、ナビゲーション装置を介して、充電装置に空きのある充電スタンド110aおよび110bのみを知り、そのいずれかに電気自動車50が誘導される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の走行に用いられるエネルギー源の供給施設へ車両を経路誘導する車両誘導システムに関する。
【背景技術】
【0002】
目的地までの車両走行の途中でエネルギー源の供給が必要な場合、目的地へ向かう経路周辺のエネルギー源供給施設を特定し、その施設を経由して目的地へ向かう必要がある。しかし、実際にその施設へ到着しても、その施設が有するエネルギー源供給装置がすべて使用中のために、いずれか一つの供給装置による車両へのエネルギー源供給が完了するまで待たされる可能性がある。特に、電気自動車の場合は、通常、充電時間が長いため、充電器の空きを長時間待機することにより、目的地への到着時刻が予定よりも大幅に遅れる可能性がある。そこで、現在地周辺の充電スタンドの位置とともに、その充電スタンドに設置されている充電器の利用可能情報を電気自動車に提供する充電スタンド情報提供装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−262525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されている充電スタンド情報提供装置を用いると、充電スタンド管理センターの設置が必要となる。したがって、特許文献1に開示されている充電スタンド情報提供装置の安定運用のためには、充電スタンド管理センターがダウンしないように、充電スタンド管理センターの冗長構成が必要になるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)請求項1に記載の車両誘導システムは、エネルギー源供給施設に関する情報を配信する配信装置と、前記配信装置によって配信された情報に基づき前記エネルギー源供給施設へ自車両を誘導する、前記自車両に搭載された車載端末装置とを備え、前記配信装置は、エネルギー源供給施設が有する利用可能なエネルギー源供給装置についての利用可能情報を取得する取得手段と、前記利用可能情報に基づき前記エネルギー源供給装置の利用可能台数を算出する算出手段と、前記利用可能台数についての台数情報と、前記エネルギー源供給施設を表す施設情報とを含む無線信号を前記車載端末装置へ送信する送信手段と、前記利用可能台数に応じて前記無線信号の搬送波の送信電力を決定する決定手段とを有し、前記車載端末装置は、前記自車両のエネルギー源の残量に応じて移動可能な距離の距離情報を収集する収集手段と、前記自車両の出発地から目的地までの移動経路を探索する探索手段と、前記距離情報と前記移動経路とに基づき、前記自車両が前記目的地へ到着する前に前記エネルギー源を供給する必要があるか否かを判定する判定手段と、前記無線信号を受信する受信手段と、前記無線信号に基づき、前記自車両の現在地から前記施設情報が表す前記エネルギー源供給施設まで、前記自車両を経路誘導する誘導手段とを有することを特徴とする。
(2)請求項11に記載の配信装置は、請求項1〜10のいずれか1項に記載の車両誘導システムに用いられる。
(3)請求項12に記載の車載端末装置は、請求項1〜10のいずれか1項に記載の車両誘導システムに用いられる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、エネルギー源供給施設管理センターがダウンしても、目的地へ向かう経路周辺に位置し、エネルギー源供給装置の空きがあるエネルギー源供給施設へ車両を誘導できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施の形態による充電スタンドデータ配信装置およびナビゲーション装置と、充電スタンドデータ配信装置が設置される充電スタンドの構成を例示する図である。
【図2】送信処理部が充電スタンドの周辺の車両に向けて配信する無線信号のデータフォーマットの一例を示す図である。
【図3】充電スタンドデータ配信装置が送信する無線信号の搬送波の送信電力と、充電スタンドデータ配信範囲との関係を表す図である。
【図4】充電スタンドデータ配信範囲の外形が楕円形状をしている例を示す図である。
【図5】充電スタンド選択画面の一例を示す図である。
【図6】本実施の形態による充電スタンドデータ配信装置およびナビゲーション装置の各々において、電気自動車を充電スタンドへ誘導するために実行される誘導処理手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1〜図6を参照して、本発明による車両誘導システムを、電気自動車の充電スタンドに設置する充電スタンドデータ配信装置と電気自動車に搭載するナビゲーション装置とに適用した一実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態による充電スタンドデータ配信装置およびナビゲーション装置と、充電スタンドデータ配信装置が設置される充電スタンドの構成を例示する図である。
【0009】
充電スタンド110は、充電制御部111ならびに充電制御部111に接続される充電装置112、クロック115および重量センサ114を有する。充電装置112は、充電ケーブル113を3本有している。すなわち、この充電スタンド110は、最大3台の電気自動車を収容して充電できる。充電する電気自動車の停止位置には重量センサ114が配置されている。図1の例においては、充電ケーブル113#1および#2には電気自動車50が接続され、充電中であるが、充電ケーブル113#3には電気自動車50が接続されておらず、空いているという充電装置112の充電ケーブル113の空き(以下、充電装置112の空き、という)に関する空き情報を、充電制御部111は、重量センサ114による検出を介して取得する。充電装置112からの収集した充電装置使用状況についての充電装置情報に基づいてその空き情報を取得しても良い。クロック115は、日時に関するデータを充電制御部111に提供する。充電制御部111は、充電装置112の空き情報、充電装置情報、および日時に関するデータを含む充電装置稼働データD1を充電スタンドデータ配信装置100へ、例えばプロセッサ間通信により転送する。
【0010】
充電スタンド110には充電スタンドデータ配信装置100が設置される。充電スタンドデータ配信装置100は、データ配信制御部101と送信処理部104とを有する。データ配信制御部101は、データ処理部102と送信制御部103とを有する。データ処理部102は、充電スタンド110から転送された充電装置稼働データD1に基づき、後述する車両受け入れ可能台数N[台]を算出する。算出された車両受け入れ可能台数Nに基づき、送信制御部103は、後述する送信電力制御テーブルを参照して、車両受け入れ可能台数Nを充電スタンド110の周辺の車両に通知するために送信処理部104が配信する無線信号の搬送波の送信電力を決定する。送信処理部104は、アンテナ105を介し、こうして決定された送信電力の搬送波にその無線信号を載せてブロードキャストで送信する。
【0011】
図2は、送信処理部104が充電スタンド110の周辺の車両に向けて配信する無線信号210のデータフォーマットの一例を示す図である。この無線信号210は、データ処理部102により算出された車両受け入れ可能台数Nについての車両受け入れ可能台数データ211と、充電スタンド110の位置を表す充電スタンド位置データ212とを含む。充電スタンド位置データ212は、例えば緯度データ、経度データおよび高度データの組合せである。
【0012】
図1の説明に戻る。充電スタンドデータ配信装置100が無線信号210を送信した際の搬送波の送信電力に応じて定まる充電スタンドデータ配信範囲内を走行する電気自動車50のナビゲーション装置120は、その無線信号210を受信することができる。ナビゲーション装置120は、経路制御部121を有し、この経路制御部121には、電気自動車インタフェース部122と、現在地検出部123と、ユーザ入力部124と、地図記憶部125と、表示部126と、受信処理部127とが接続される。
【0013】
電気自動車インタフェース部122は、ナビゲーション装置120が搭載される電気自動車50から電気自動車走行可能距離データD2を収集する。電気自動車走行可能距離データD2は、例えば電気自動車50のバッテリ残量および走行履歴データとに基づいて算出される。走行履歴データとは、例えば単位時間当たりの走行距離および消費電気量の実績値である。具体的な電気自動車走行可能距離データD2の算出には、例えば特開平6−189402号公報に開示される走行可能距離の算出式を用いることができる。
【0014】
現在地検出部123は、例えば、電気自動車50が有する地磁気センサ、加速度センサ、ジャイロなどの方位センサ、電気自動車50の走行速度を検出する車速センサ、またはGPS(Global Positioning System)センサの現在地検出センサデータを取得して、電気自動車50の現在地を検出する。ユーザ入力部124は、ハードキーもしくはソフトキー、ボタン、タッチパネル、または音声入力等により、ユーザが目的地を設定する機能および電気自動車50が経由する充電スタンドを選択する機能を提供する。地図記憶部125は、経路制御部121が経路探索演算および経路誘導の際に用いる道路地図データおよび経路誘導データ、ならびに経路制御部121が探索した経路の経路データを記憶する。表示部126は、現在地周辺またはその他の地域の地図画面、ユーザが目的地を入力するための入力画面、経路制御部121が探索した経路の経路表示画面、経路誘導の際の誘導表示画面、および電気自動車50が経由する充電スタンドの候補を表示してユーザに選択させるための選択画面を表示する。
【0015】
受信処理部127は、アンテナ128を介して、充電スタンドデータ配信装置100が送信した無線信号を受信する。その受信した無線信号に基づき、その充電スタンドデータ配信装置100が設置された充電スタンド110の位置についての位置情報と、その充電スタンド110の車両受け入れ可能台数Nについての台数情報とが、経路制御部121へ通知される。その無線信号の搬送波の送信電力が小さい場合、アンテナ128はその無線信号の搬送波を検出できないため、受信処理部127はその無線信号を受信できない。すなわち、ナビゲーション装置120を搭載した電気自動車50は、その充電スタンド110の充電スタンドデータ配信範囲外に位置するということになる。
【0016】
経路制御部121は、ユーザ入力部124を介して目的地が入力されると、その目的地と現在地検出部123が検出した現在地とに基づき、地図記憶部125に記憶されている道路地図データを参照して、現在地から目的地までの経路探索演算を実行する。経由地が設定された場合は、その経由地を経由する最適経路が探索される。経由地はユーザ入力部124を介してユーザにより設定することが可能である。また、電気自動車インタフェース部122により収集された電気自動車走行可能距離データD2が、渋滞走行等のために現在地から目的地までの移動予定距離よりも短くなった場合は、受信処理部127を介して受信した無線信号に基づいて充電スタンドを選択し、選択した充電スタンドを経由地として設定することが可能である。経路制御部121は、この経路探索演算により探索された経路に基づき、電気自動車50の経路誘導を行う。
【0017】
受信処理部127は、複数の充電スタンド110から無線信号210を受信する可能性がある。経路制御部121は、受信処理部127から通知された各充電スタンド110の位置情報と台数情報とに基づいて電気自動車50が経由する充電スタンド110の候補を抽出し、その充電スタンド110の候補に基づき表示部126に上述した選択画面を表示させる。選択画面に表示される電気自動車50が経由する充電スタンド110の候補は、受信処理部127が受信した無線信号210を送信した複数の充電スタンド110のうち、電気自動車収容台数の最大値が最も大きな充電スタンド110を含むことが好ましい。ユーザ入力部124を介して経由する充電スタンド110が指定されると、経路制御部121は、指定された充電スタンド110を選択し、上述したように、その充電スタンド110を経由する経路探索演算および経路誘導を実行する。経路制御部121は、ユーザ入力部124を介して指定された充電スタンド110を選択する代わりに、例えば、電気自動車50が経由する充電スタンド110の候補の中で、電気自動車収容台数の最大値が最も大きな充電スタンド110を自動的に選択しても良いし、現在地に最も近い充電スタンド110を自動的に選択しても良い。
【0018】
上述したように、充電スタンドデータ配信装置100のデータ配信制御部101は車両受け入れ可能台数Nを算出する。車両受け入れ可能台数Nは、充電装置稼働データD1に含まれる充電装置112の空き情報に基づいて算出され、例えば充電装置112の空きの数を車両受け入れ可能台数Nとする。車両受け入れ可能台数Nは、充電中の電気自動車50が充電スタンド110に滞在する予測時間に基づいて算出しても良い。例えば、電気自動車50のユーザから図示されていないユーザ入力部を介して充電制御部111に入力された目標充電量指定値と、充電制御部111が充電装置112および充電ケーブル113を介して収集した電気自動車50のバッテリ残量と、クロック115を参照して得られる時刻データとを充電装置稼働データD1に含める。充電スタンドデータ配信装置100のデータ配信制御部101は、その充電装置稼働データD1に基づいて、充電スタンド110で充電中の各電気自動車50の充電完了までの所要時間を算出することができる。その所要時間を、充電スタンド110が収容しているすべての電気自動車50について算出することにより、その所要時間経過後の充電装置112の空きの数が予想できるので、その所要時間が小さい場合は、この予想値を車両受け入れ可能台数Nとしても良い。
【0019】
この場合において、充電ケーブル113は、充電機能とデータ収集・転送機能とを兼ね備える。充電ケーブル113が充電機能を提供する際、充電ケーブル113を電流が流れる。その電流値を、充電制御部111が有する図示されていない電流計を用いて充電制御部111が収集し、単位時間当たりの充電量bおよび充電開始からの充電総量Sを求めて充電装置稼働データD1に含めることができる。そこで、上述した充電完了までの所要時間T[s]は、充電スタンドデータ配信装置100のデータ配信制御部101が、目標充電量指定値C[mAh]、単位時間当たりの充電量b[mAh/s]および充電総量S[mAh]に基づき、以下の算出式(1)を用いて求めることもできる。
T=(C−S)/b [mAh/mAh/s] (1)
【0020】
式(1)を用いて算出される充電完了までの所要時間Tが所定値Taよりも小さい場合は、間もなく充電が完了するものとして、充電装置112の空きの数に含めて計数し、その計数値を車両受け入れ可能台数Nとしても良い。所定値Taは、その充電スタンド110の稼動率を考慮した上で設定する。例えば、充電スタンド数が少ない地域ではTaを長く設定すると、電気自動車が充電スタンド到着後、待ち時間が発生する可能性が高まるが、充電の機会を増やすことができる。充電スタンドが多い地域では充電の機会が十分確保できることから、Taを短く設定することで、電気自動車が充電スタンド到着後、待ち時間が発生する可能性を低めることができる。
【0021】
上述したように、充電スタンドデータ配信装置100のデータ配信制御部101は、送信電力制御テーブルを参照して、車両受け入れ可能台数Nを充電スタンド110の周辺の車両に通知するために送信処理部104が配信する無線信号の搬送波の送信電力を決定する。送信電力制御テーブルは、たとえば充電スタンドデータ配信装置100のデータ配信制御部101が有する図示されていないメモリに記憶させる。送信電力制御テーブルの一例を表1に示す。
【表1】

【0022】
表1に示す例においては、充電スタンド110の受け入れ可能な車両台数が21台以上の場合、送信電力を最大のHIと決定し、11〜20台の場合、送信電力をMDと決定し、1〜10台の場合、送信電力を最小のLWと決定し、1台も受け入れられない場合は送信電力をNAと決定して搬送波の送信を停止する。ここで、送信電力HIは例えば送信電力値が50[W]であること、送信電力MDは例えば送信電力値が25[W]であること、送信電力LWは例えば送信電力値が1[W]であることを各々意味する。送信電力NAは送信電力値0[W]を意味する。受け入れ可能な車両台数と送信出力との対応付けは、例えば特開2010−54339号公報に開示される場所率の考え方を用いて、送信出力に対応する充電スタンドデータ配信範囲に位置し、充電スタンドデータ配信装置100が送信する無線信号を受信可能な電気自動車の台数を算出することによって行う。
【0023】
図3は、充電スタンドデータ配信装置100が送信する無線信号210の搬送波の送信電力と、充電スタンドデータ配信範囲との関係を表す図である。アンテナ105からの送信電力HIに対する充電スタンドデータ配信範囲310は、アンテナ105を中心とする最も広い円内の領域として表される。アンテナ105からの送信電力LWに対する充電スタンドデータ配信範囲330は、アンテナ105を中心とする最も狭い円内の領域として表される。アンテナ105からの送信電力MDに対する充電スタンドデータ配信範囲320は、アンテナ105を中心とする円内の領域として表され、充電スタンドデータ配信範囲310よりも小さく、かつ充電スタンドデータ配信範囲330よりも大きい。
【0024】
充電スタンドデータ配信範囲が小さいほど、充電スタンドデータ配信装置100が送信する無線信号を受信できる電気自動車50の台数を減らすことができる。すなわち、充電スタンド110の充電装置112の空き状況に応じて、その充電スタンド110へ誘導する電気自動車50の台数を絞ることが可能となる。なお、アンテナ105からの送信電力NAが送信電力値0[W]の場合、この送信電力NAに対する充電スタンドデータ配信範囲は存在しないため、図3には示されていない。送信電力NAに該当するケースは、例えば閉店時刻経過後の充電スタンド110において、充電スタンドデータ配信装置100の無線を停波するようなケースである。
【0025】
充電スタンドデータ配信範囲の外形は真円でない場合もある。充電スタンドデータ配信装置100のアンテナ105を指向性アンテナとすることによって、充電スタンドデータ配信範囲の外形を、道路形状に沿った楕円形状にすることもできる。アンテナ105としてアダプティブアレーアンテナなどを適用することで、充電スタンドデータ配信範囲の外形形状を制御することができる。
【0026】
図4は、充電スタンドデータ配信範囲の外形が楕円形状をしている例を示す図である。図4において、道路410上を走行する電気自動車50は、分岐点P1に差し掛かろうとしているところである。分岐点P1で二手に分かれた道路410aおよび410bは、合流点P2で再び合流する。道路410a沿いには充電スタンド110aが位置し、道路410b沿いには充電スタンド110bが位置する。いずれの道路からも外れたところに充電スタンド110cは位置する。
【0027】
充電スタンド110aの充電スタンドデータ配信装置100は、送信電力LWの搬送波に無線信号を載せて配信する際に、指向性の高いアンテナ105を用いているため、その充電スタンドデータ配信範囲330aの外形は楕円形状をしている。電気自動車50はその充電スタンドデータ配信範囲330aの内部に位置するため、その電気自動車50に搭載されたナビゲーション装置120は、充電スタンド110aの充電スタンドデータ配信装置100が送信する無線信号を受信できる。
【0028】
充電スタンド110bの充電スタンドデータ配信装置100は、送信電力HIの搬送波に無線信号を載せて配信する際に、無指向性アンテナ105を用いているため、その充電スタンドデータ配信範囲310bの外形は、充電スタンド110bを中心とする真円である。電気自動車50はその充電スタンドデータ配信範囲310bの内部に位置するため、その電気自動車50に搭載されたナビゲーション装置120は、充電スタンド110bの充電スタンドデータ配信装置100が送信する無線信号を受信できる。すなわち、ナビゲーション装置120は、充電スタンド110aおよび充電スタンド110bの両方の充電スタンドデータ配信装置100からの複数の無線信号を受信する。このときのナビゲーション装置120で実行される処理については後述する。
【0029】
充電スタンド110cは既に閉店しているため、充電スタンドデータ配信装置100の無線を停波している。したがって、電気自動車50に搭載されたナビゲーション装置120は、充電スタンド110cの充電スタンドデータ配信装置100からは無線信号を受信しない。
【0030】
一般に、都市部の充電スタンドは、地方の充電スタンドに比べ、規模が小さく、すなわち受け入れ可能な車両台数が小さい。もし、都市部の充電スタンド110に対応する送信電力制御テーブルを、地方の充電スタンド110に対応する送信電力制御テーブルと同一とすると、例えば表1における送信電力HI、MDに決定されることが稀となり、ほぼ常時送信電力LWのみに決定される可能性がある。したがって、送信電力HI、MDおよびLWの各々と受け入れ可能な車両台数との対応関係を、都市部と地方とでは異なるものとすることが好ましい。また、充電スタンド110が都市部に位置するか地方に位置するかに関わらず、充電スタンド110の受け入れ可能な車両台数の最大値(充電スタンド110の充電車両収容規模)に応じて、各送信電力と受け入れ可能な車両台数との対応関係を異なるものとすることとしても良い。
【0031】
また、都市部の充電スタンドは、地方の充電スタンドに比べ、充電スタンドの設置密度は高いことが多い。もし、都市部の充電スタンド110に対応する送信電力制御テーブルを、地方の充電スタンド110に対応する送信電力制御テーブルと同一とすると、例えば表1における送信電力HI、MDおよびLWの各々に対する充電スタンドデータ配信範囲に位置する車両台数が多く、受け入れ可能な車両台数に見合わない台数の電気自動車を誘導してしまう可能性がある。したがって、送信電力HI、MDおよびLWの各々と送信電力値との対応関係を、都市部と地方とでは異なるものとすることが好ましい。表1に示す送信電力制御テーブルを地方の充電スタンド110において用いる場合、都市部の充電スタンド110においては、例えば表2に示す送信電力制御テーブルを用いることとしても良い。
【表2】

【0032】
表2に示す送信電力制御テーブルにおいては、表1に示す送信電力制御テーブルと比べ、送信電力HI、MDおよびLWの各々と対応付ける送信電力値および車両受け入れ可能台数がいずれも小さい値となっている。
【0033】
十分なバッテリ残量で出発し、予め探索した経路に沿って目的地へ向けて走行中の電気自動車50に搭載されたナビゲーション装置120の経路制御部121において、電気自動車インタフェース部122から収集した電気自動車走行可能距離データD2が、渋滞走行等のために現在地から目的地までの移動予定距離よりも短くなってしまうような場合が生じ得る。このとき、受信処理部127を介して受信した無線信号に基づいて新たに経由地として設定された充電スタンドを含む経路が、経路制御部121によって指定されることとなる。上述したように、ナビゲーション装置120の受信処理部127は、複数の充電スタンド110から無線信号を受信する可能性がある。そこで、経路制御部121は、それらの複数の充電スタンド110の中から、経由地として設定する充電スタンド110をユーザに選択させるための充電スタンド選択画面を、表示部126に表示する。
【0034】
図5は、充電スタンド選択画面の一例を示す図である。図5においては、受信処理部127が無線信号を受信した、それらの無線信号の送信元の充電スタンドデータ配信装置100を有する充電スタンド110の位置を、表示部126の地図画面に重畳して表示することにより、充電スタンド選択画面510を構成している。充電スタンド選択画面510には、経路511が強調表示され、その経路上の自車位置がアイコン514を用いて表示されている。経路511からは、道路512および513が分岐している。
【0035】
ナビゲーション装置120は、4つの充電スタンド110a、110b、110cおよび110dからの無線信号を受信したため、それらのアイコンが充電スタンド選択画面510上に表示されている。受信した無線信号に基づいて得られる、充電スタンド110a、110b、110cおよび110dの各々の車両受け入れ可能台数Nについての台数情報に応じて、それらのアイコンの表示態様を異ならせることとしても良い。例えば、アイコンの色または大きさを異ならせたり、アイコンに車両受け入れ可能台数Nの値を重畳して表示するようにしても良い。
【0036】
図5の充電スタンド選択画面510には、さらに、ユーザに充電スタンド110の選択を促すメッセージ515も表示されている。充電スタンド110を選択する際のユーザ入力部124がタッチパネルであれば、ユーザは充電スタンド110a、110b、110cおよび110dのうちのいずれかのアイコンを触ることで、充電スタンド110が選択される。
【0037】
ナビゲーション装置120を搭載した経路制御部121は、電気自動車50の現在地から、選択された充電スタンド110を経由して目的地まで至る経路を新たに探索し、探索した経路に基づいて電気自動車50をその充電スタンド110へ誘導する。
【0038】
図6は、本実施の形態による充電スタンドデータ配信装置100およびナビゲーション装置120の各々において、電気自動車50を充電スタンド110へ誘導するために実行される誘導処理手順を示す図である。図6においては、充電スタンドデータ配信装置100で実行される誘導処理手順を破線の左側に示し、ナビゲーション装置120で実行される誘導処理手順を破線の右側に示す。
【0039】
充電スタンドデータ配信装置100では、ステップS605において、データ配信制御部101が、充電装置稼働データを充電スタンド110から取得する。データ配信制御部101は、ステップS610において、受け入れ可能車両台数Nを算出する。算出した受け入れ可能車両台数Nに基づき、データ配信制御部101は、ステップS615において、上述した送信電力制御テーブルを参照して上述した無線信号の送信搬送波の送信電力を決定し、ステップS620において無線信号を送信する。ステップS625において、データ配信制御部101は、プロセス停止命令、またはシステムシャットダウン命令等に基づく配信停止が指示されたか否かを判定する。肯定判定の場合は本処理手順を終了し、否定判定の場合は処理をステップS605に戻す。
【0040】
ナビゲーション装置120では、ステップS630において、経路制御部121が、ユーザ入力部124を介した目的地入力があったか否かを判定する。否定判定の場合は、肯定判定に転じるまでステップS630の処理を繰り返す。肯定判定の場合は、ステップS635において、経路制御部121は、現在地検出部123を介して電気自動車の現在地を表す現在地検出センサデータを取得し、現在地を特定する。ステップS640において、特定した現在地を出発してから入力された目的地へ到着するまでの経路探索演算を実行する。併せて現在地から目的地まで予定される総走行距離を算出する。
【0041】
ステップS645において、経路制御部121は、電気自動車インタフェース部122を介して走行可能距離情報を収集し、ステップS650において、走行可能距離と現在地を出発してから目的地へ到着するまでの予定される総走行距離とを比較する。走行可能距離が予定される総走行距離よりも小さい場合、電気自動車50は目的地へ向かう途中で充電が必要となるので、ステップS695において、経路制御部121は、現在地から充電スタンドを経由して目的地へ至る経路探索演算を実行し、探索された経路に基づいて電気自動車50をその充電スタンドおよび目的地へ誘導し、処理をステップS690へ進める。走行可能距離が予定される総走行距離よりも小さくない場合、ステップS655において、経路制御部121は、電気自動車50の走行が開始されたか否かを判定する。否定判定の場合、経路制御部121は、肯定判定に転じるまでステップS655の処理を繰り返す。
【0042】
ステップS655において、肯定判定の場合、ステップS660において、経路制御部121は、現在地から目的地まで予定される残りの走行距離を算出するとともに、再度、電気自動車インタフェース部122を介して走行可能距離情報を収集し、ステップS665において、走行可能距離と現在地から目的地まで予定される残りの走行距離とを比較する。走行可能距離が予定される残りの走行距離よりも小さくない場合、処理をステップS700へ進める。走行可能距離が予定される総走行距離よりも小さい場合、ステップS670において、経路制御部121は、充電スタンドデータ配信装置100におけるステップS620で送信された無線信号を、アンテナ128および受信処理部127を介して受信する。
【0043】
ステップS675において、経路制御部121は、上述した充電スタンド選択画面510を表示部126に表示する。ステップS680において、経路制御部121は、ユーザ入力部124を介して充電スタンドが選択されて、経由する充電スタンドを決定したか否かを判定する。否定判定の場合、経路制御部121は、肯定判定に転じるまでステップS680の処理を繰り返す。肯定判定の場合、ステップS685において、経路制御部121は、現在地から、決定した充電スタンドを経由して目的地へ至る経路探索演算を実行し、探索された経路に基づいて電気自動車50をその決定した充電スタンドおよび目的地へ誘導し、処理をステップS690へ進める。
【0044】
ステップS690において、経路制御部121は、電気自動車50が決定した充電スタンドへ到着したことを検出し、その電気自動車50のバッテリ充電が完了したか否かを判定する。バッテリ充電が完了したか否かについての情報は、電気自動車50から取得しても良いが、バッテリ充電が完了した旨をユーザ入力部124を介してユーザに入力させることにより取得しても良い。あるいは、再度、電気自動車インタフェース部122を介して走行可能距離情報を収集し、走行可能距離と現在地から目的地まで予定される残りの走行距離との比較に基づいて、バッテリ充電が完了したか否かを判定しても良い。
【0045】
ステップS690において、否定判定の場合、経路制御部121は、肯定判定に転じるまでステップS690の処理を繰り返す。肯定判定の場合、ステップS700において、経路制御部121は、電気自動車50が目的地に到着したか否かを判定する。肯定判定の場合は本処理手順を終了し、否定判定の場合は処理をステップS660に戻す。
【0046】
本実施の形態による充電スタンドデータ配信装置100およびナビゲーション装置120を含む車両誘導システムは、以下の作用効果を奏する。
(1)車両誘導システムは、充電スタンド110に関する情報を配信する充電スタンドデータ配信装置100と、充電スタンドデータ配信装置100によって配信された情報に基づき充電スタンド110へ電気自動車50を誘導する、電気自動車50に搭載されたナビゲーション装置120とを有する。充電スタンドデータ配信装置100においては、データ処理部102が、充電スタンド110が有する利用可能な充電装置112の空きの数(車両受け入れ可能台数)を算出する。送信処理部104が、充電装置112の空きの数に基づく車両受け入れ可能台数データと、充電スタンド110を表す充電スタンド位置データとを含む無線信号210をナビゲーション装置120へ送信する。送信制御部103は、充電装置112の空きの数に応じて、無線信号210の搬送波の送信電力を決定する。ナビゲーション装置120においては、経路制御部121が、電気自動車50のバッテリ残量に応じて走行可能な距離についての走行可能距離データD2を収集する。経路制御部121は、電気自動車50が現在地を出発してから目的地へ到着するまでの経路を探索し、走行可能距離データD2と探索した経路とに基づき、電気自動車50が目的地へ到着する前に充電する必要があるか否かを判定する。受信処理部127は無線信号210を受信し、その無線信号210に基づき、経路制御部121は、電気自動車50の現在地から充電スタンド位置データが表す充電スタンド110まで、電気自動車50を経路誘導する。こうしたことにより、充電スタンド管理センターが停止しても、あるいは廃止されても、目的地へ向かう経路周辺に位置し、充電装置112の空きがある充電スタンド110へ電気自動車50を誘導することができる。
【0047】
(2)車両受け入れ可能台数が1台未満のとき、送信制御部103が無線信号210の搬送波の送信電力値を零と決定することによって、無線信号210が受信処理部127に受信されないようにした。これにより、閉店後あるいは廃業後の充電スタンド110へ電気自動車50を誘導することを防止できる。
【0048】
(3)一例を表1に示すように、車両受け入れ可能台数が1台以上であって、かつ11台未満であるときの送信電力LWの送信電力値1[W]は、車両受け入れ可能台数が11台以上であるときの送信電力MDの送信電力値25[W]よりも小さい。車両受け入れ可能台数が11台以上であって、かつ21台未満であるときの送信電力MDの送信電力値25[W]は、車両受け入れ可能台数が21台以上であるときの送信電力HIの送信電力値50[W]よりも小さい。これにより、無線信号210の搬送波の送信電力LWを送信電力HIおよびMDよりも小さく決定すれば、ナビゲーション装置120では、給電できる可能性の高い充電スタンド110が表示されやすく、可能性の低い充電スタンド110は表示されにくく、充電スタンド110のアイコン表示の数が抑えられ、視認性および有用性が高い。
【0049】
(4)ナビゲーション装置120はユーザ入力部124をさらに有する。ユーザ入力部124は、受信処理部127により受信した充電スタンド位置データに対応する充電スタンド110のうちから、ユーザに電気自動車50の経由する充電スタンド110を入力させて選択する。経路制御部121は、現在地から経由する充電スタンド110まで電気自動車50を経路誘導する。これにより、ナビゲーション装置120が複数の無線信号210を受信した場合に、好ましい充電スタンド110を選択することができる。ユーザが選択する場合は、嗜好に適合する充電スタンド110を選択することができる。
【0050】
−−−変形例−−−
以上で説明した実施の形態による充電スタンドデータ配信装置100およびナビゲーション装置120を、次のように変形することもできる。
(1)上述した図6のステップS675において、経路制御部121は、上述した充電スタンド選択画面510を表示部126に表示し、ステップS680において、経路制御部121は、ユーザ入力部124を介してユーザに充電スタンドを選択させることとした。しかし、経路制御部121は、電気自動車50が経由する充電スタンド110の候補の中で、電気自動車収容台数の最大値が最も大きな充電スタンド110を自動的に選択しても良いし、現在地に最も近い充電スタンド110を自動的に選択しても良い。
【0051】
(2)上述した送信電力制御テーブルにおいて、表1に示す送信電力制御テーブルを地方の充電スタンド110において用いる場合、都市部の充電スタンド110においては、表2に示す送信電力制御テーブルを用いるというように、充電スタンド110の位置が地方かまたは都市部かによって、送信電力制御テーブルを異ならせるようにした。しかし、同一の充電スタンド110においても、朝・昼・夜といった時間帯別、平日・休前日・休日といった日種別、お祭りなどのイベント別で相異なる送信電力制御テーブルを用いることとしても良い。
【0052】
(3)複数の充電スタンド110から同一の周波数の搬送波によって無線信号を送信すると混信する可能性があるので、時分割多重方式、周波数分割多重方式、または符号分割多重方式によって混信を防止しても良い。
【0053】
(4)本実施の形態による充電スタンドデータ配信装置100およびナビゲーション装置120は、充電スタンド管理センターがダウンした場合に限られず、充電スタンド管理センターを全く配置しない場合であっても良い。
【0054】
(5)本実施の形態による充電スタンドデータ配信装置100に代えてガソリンスタンドデータ配信装置とし、充電装置112に代えてガソリン供給装置、充電スタンド110に代えてガソリンスタンド、電気自動車に代えてガソリン車、およびバッテリ残量に代えてガソリン残量としても良い。
【0055】
上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0056】
100 充電スタンドデータ配信装置
101 データ配信制御部、 102 データ処理部、 103 送信制御部、
104 送信処理部、 105 アンテナ
110 充電スタンド
111 充電制御部、 112 充電装置、
113 充電ケーブル、114 重量センサ、115 クロック
120 ナビゲーション装置
121 経路制御部、 122 電気自動車インタフェース部、
123 現在地検出部、 124 ユーザ入力部、 125 地図記憶部、
126 表示部、 127 受信処理部、 128 アンテナ
210 無線信号
211 車両受け入れ可能台数データ、 212 充電スタンド位置データ
310、320、 330 充電スタンドデータ配信範囲
410 道路
510 充電スタンド選択画面
511 経路、 512、513 道路、 514 アイコン、 515 メッセージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー源供給施設に関する情報を配信する配信装置と、
前記配信装置によって配信された情報に基づき前記エネルギー源供給施設へ自車両を誘導する、前記自車両に搭載された車載端末装置とを備え、
前記配信装置は、
エネルギー源供給施設が有する利用可能なエネルギー源供給装置についての利用可能情報を取得する取得手段と、
前記利用可能情報に基づき前記エネルギー源供給装置の利用可能台数を算出する算出手段と、
前記利用可能台数についての台数情報と、前記エネルギー源供給施設を表す施設情報とを含む無線信号を前記車載端末装置へ送信する送信手段と、
前記利用可能台数に応じて前記無線信号の搬送波の送信電力を決定する決定手段とを有し、
前記車載端末装置は、
前記自車両のエネルギー源の残量に応じて移動可能な距離の距離情報を収集する収集手段と、
前記自車両の出発地から目的地までの移動経路を探索する探索手段と、
前記距離情報と前記移動経路とに基づき、前記自車両が前記目的地へ到着する前に前記エネルギー源を供給する必要があるか否かを判定する判定手段と、
前記無線信号を受信する受信手段と、
前記無線信号に基づき、前記自車両の現在地から前記施設情報が表す前記エネルギー源供給施設まで、前記自車両を経路誘導する誘導手段とを有することを特徴とする車両誘導システム。
【請求項2】
請求項1に記載の車両誘導システムにおいて、
前記エネルギー源は電荷であり、
前記エネルギー源供給装置は充電装置であり、
前記エネルギー源供給施設は前記充電装置を有する充電施設であることを特徴とする車両誘導システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車両誘導システムにおいて、
前記利用可能台数が第1所定値未満のとき、前記決定手段が前記送信電力の第1電力値を零と決定することによって、前記無線信号が前記受信手段に受信されないことを特徴とする車両誘導システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両誘導システムにおいて、
前記利用可能台数が前記第1所定値以上であって、かつ第2所定値未満であるときの前記送信電力の第2電力値は、前記利用可能台数が前記第2所定値以上であるときの前記送信電力の第3電力値よりも小さいことを特徴とする車両誘導システム。
【請求項5】
請求項4に記載の車両誘導システムにおいて、
前記第2所定値は、前記エネルギー源供給施設の所在地、前記無線信号の送信日時、前記所在地周辺のエネルギー源供給施設の密度、および前記利用可能台数の最大値のうちの少なくとも1つに基づいて予め決定されることを特徴とする車両誘導システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両誘導システムにおいて、
前記利用可能台数は、他車両に前記エネルギー源を供給していない前記エネルギー源供給装置の総数であることを特徴とする車両誘導システム。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両誘導システムにおいて、
前記利用可能情報は、他車両に前記エネルギー源を供給していない前記エネルギー源供給装置の総数を含むとともに、他車両へ供給した前記エネルギー源の供給量およびさらなる供給により到達する予定量と、前記エネルギー源供給装置による前記エネルギー源の供給性能値とを含み、
前記利用可能台数は、前記総数と、前記予定量および前記供給量の差を前記供給性能値で除して得られる前記エネルギー源の供給完了までの時間が所定時間未満の前記エネルギー源供給装置の装置数との和であることを特徴とする車両誘導システム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両誘導システムにおいて、
前記車載端末装置は、
前記受信手段により受信した前記施設情報に対応する前記エネルギー源供給施設のうちから、前記自車両が向かう目標施設を選択する選択手段をさらに有し、
前記誘導手段は、前記現在地から前記目標施設まで前記自車両を経路誘導することを特徴とする車両誘導システム。
【請求項9】
請求項8に記載の車両誘導システムにおいて、
前記選択手段は、ユーザが前記目標施設を入力するための入力装置であることを特徴とする車両誘導システム。
【請求項10】
請求項9に記載の車両誘導システムにおいて、
前記車載端末装置は、
前記入力手段によって前記ユーザが前記目標施設を入力するために、前記受信手段により受信した前記施設情報に対応する前記エネルギー源供給施設を表示する表示手段をさらに有し、
少なくとも前記利用可能台数の最大値が最も大きい前記エネルギー源供給施設を表示することを特徴とする車両誘導システム。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の車両誘導システムに用いられる配信装置。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の車両誘導システムに用いられる車載端末装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−232208(P2011−232208A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−103435(P2010−103435)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】