説明

エネルギー線照射装置及びワーク搬送機構

【課題】エネルギー線照射システムにおいて、ワークに効率的にエネルギー線を照射できるようにしながらも、飛躍的なコンパクト化を可能とする。
【解決手段】エネルギー線IBを所定の照射領域Pに向かって射出するエネルギー線射出機構と、前記エネルギー線IBが照射される対象物である第1ワークW1を、前記照射領域Pを含む第1周回軌道O1に沿って周回させる第1周回機構1と、前記エネルギー線が照射される対象物である第2ワークW2を、前記照射領域P1を含む第2周回軌道O2に沿って周回させる第2周回機構2とを具備し、各周回軌道によって形成される仮想の周回面と垂直な方向から視たときに、前記第1周回軌道O1で囲まれる領域と前記第2周回軌道O2で囲まれる領域との少なくとも一部が重なるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン注入装置や電子線照射装置などのようにエネルギー線を照射するエネルギー線照射システム及びそれに用いられるワーク搬送機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示す枚様式のイオン注入装置では、ウェハをそれぞれ別個に周回させる2つのウェハ駆動機構を設け、イオンビーム照射領域において2つの周回軌道を一致させるとともに、各ウェハの周回速度あるいは周回位相を制御することによって、前記イオンビーム照射領域を2つのウェハのいずれかが常に通過するように構成されている。このことによって、イオンビームのウェハに対する照射効率を上げることができる。
【0003】
ところでこの特許文献1において、各ウェハの周回軌道は、ビーム照射領域を含む直進軌道部分において一致し、その他の部分は前記直線軌道部分の両側に分かれて分離するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−134761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような構成であると、2つの周回軌道を確保するだけの空間が必要となり、一定以上には装置をコンパクト化できないという問題がある。そしてかかる問題点は、イオン注入装置のみならず、ワークにエネルギー線を照射するエネルギー線照射システム全般に共通することである。
【0006】
本発明はかかる問題を鑑みてなされたものであって、この種のエネルギー線照射システムにおいて、ワークに効率的にエネルギー線を照射できるようにしながらも、飛躍的なコンパクト化を可能とすべく図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明に係るエネルギー線照射システムは、エネルギー線を所定の照射領域に向かって射出するエネルギー線射出機構と、前記エネルギー線が照射される対象物である第1ワークを、前記照射領域を含む所定の第1周回軌道に沿って周回させる第1周回機構と、前記エネルギー線が照射される対象物である第2ワークを、前記照射領域を含む所定の第2周回軌道に沿って周回させる第2周回機構とを具備し、各周回軌道によって形成される仮想の周回面が互いに平行であるとともに、前記周回面と垂直な方向から視たときに、前記第1周回軌道で囲まれる領域と前記第2周回軌道で囲まれる領域との少なくとも一部が重なるように構成されていることを特徴とするものである。
なお、ここで「重なる」に、接することは含まれない。
【0008】
具体的な実施態様としては、前記各周回軌道が、互いに平行な直線軌道とそれらの端部間を結ぶ半円軌道とからそれぞれ形成されており、前記各周回軌道における半円軌道の中心が、前記直線軌道方向から視て合致するように構成してあるものを挙げることができる。
【0009】
このようなものであれば、双方の周回軌道を合致させることができるので、コンパクト化により寄与できる。また、双方の周回軌道が合致していない場合であっても、双方の周回軌道における半円軌道の旋回半径を近づけることができるので、コンパクト化により寄与できる。
コンパクト化に最も好ましい態様は、前記各周回軌道が互いに合致するように構成することである。
【0010】
2つの周回軌道を利用してエネルギー線の照射効率を高めるには、前記照射領域に進入した第1ワークが当該照射領域から完全に離れる前に、第2ワークが当該照射領域に進入するように構成してあるものが好ましい。
【0011】
その場合、前記第1ワーク又は第2ワークを、周回移動方向に沿って複数並べることができるようにしておけば、第1又は第2いずれかの1ワークにエネルギー線を照射する時間が長くなり、他方のワークをその間に周回させて後ろの位置に移動させる時間に余裕ができるので、連続エネルギー線照射処理が容易になる。
【0012】
前記ワークが周回軌道に沿って1周したときに、前記周回面と垂直な方向から視て、当該ワークが最初の自転角度に戻るように構成しておけば、配線の捻じれや捻じれによる断線の防止を図ることができる。
【0013】
上記効果に加え、エネルギー線の照射領域の裏側を通過するときに、該エネルギー線の影響を受けにくくするには、前記周回面と垂直な方向から視て、前記ワークは、前記照射領域からその裏側領域に向かう間に180度自転し前記裏側領域においてそのエネルギー線照射面の裏面をエネルギー線照射方向に向けるとともに、前記裏側領域から前記照射領域に向かう間に−180度自転して最初の自転角度に戻るように構成してあるものが望ましい。
【発明の効果】
【0014】
このように構成した本発明によれば、2つの周回機構を設けてエネルギー線照射効率の向上を図りながらも、それら2つの周回機構による第1周回軌道の領域と第2周回軌道の領域とが少なくとも一部重なり合うことから、2つの周回軌道分の面積は必要なくなり、その重なり合った分だけ面積を削減できるのでコンパクトな構成を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態におけるエネルギー線照射システムを示す概略斜視図。
【図2】同実施形態の周回機構を示す正面図。
【図3】同実施形態の周回軌道を示す平面図。
【図4】同実施形態のウェハの動きを示す模式的動作説明図。
【図5】同実施形態のウェハの動きを示す模式的動作説明図。
【図6】本発明の他の実施形態におけるウェハの動きを示す平面図。
【図7】本発明のさらに他の実施形態における正面方向から視た周回機構及び平面方向から視た周回軌道を示す説明図。
【図8】本発明のさらに他の実施形態における正面方向から視た周回機構及び平面方向から視た周回軌道を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るエネルギー線照射システムにつき図面を参照して説明する。
【0017】
このエネルギー線照射システム100は、図1に示すように、ワークたるウェハWにエネルギー線たるイオンビームIBを照射してイオンを注入するものであり、図示しない真空チャンバー内に設けたイオン注入室においてイオンビームIBを射出するイオンビーム射出機構(図示しない)と、イオンビームIBが照射可能な位置にウェハWを搬送するウェハ搬送機構10とを具備するものである。
【0018】
イオンビーム射出機構は、例えばリボン状のイオンビームIBを、イオン注入室内に設定した照射領域P(図4等に示す)に向かって射出する既知のものであるため、詳細についての説明は省略する。
【0019】
ウェハ搬送機構10は、イオン注入室に隣接して設けた真空予備室(図示しない)とイオン注入室に設けた待機位置との間でウェハを移動させる内外移動機構(図示しない)、イオンビームIBの照射領域Pを途中で横切るようにウェハW1(W2)を周回させる周回機構1、2、及び前記内外移動機構と周回機構1、2との間でのウェハW1(W2)の受け渡しを行う受け渡し機構を具備したものである。
【0020】
内外移動機構及び受け渡し機構に関しては、例えば特許4766156号公報に記載されているような既知のものであるので、ここでは、図示及び説明を省略し、本エネルギー線照射システム100の特徴構成たる周回機構1、2について、以下に詳述する。
【0021】
この実施形態において、前記周回機構は2つ設けられている。各周回機構1、2ともに、支柱11、21、この支柱11、21からラジアル方向に突出するアーム12、22と、前記アーム12、22を支柱11、21の軸線周りに旋回させる旋回手段13、23と、前記アーム12、22の先端部に取り付けられて支柱11、21の軸線と平行に延びる板状のウェハ支持部材14、24と、前記支柱11、21をアーム12、22及びウェハ支持部材14、24とともにその軸線とは垂直な方向に直進させる直進手段15、25とをそれぞれ具備する。
【0022】
まず第1周回機構1から、図1、図2を参照して詳述する。
この第1周回機構1における支柱11は、基台16から起立する円柱状のものである。
アーム12は、前記支柱11の先端部11bからラジアル方向に突出する板状のものである。
【0023】
旋回手段13は、例えばモータであり、その駆動軸(図示しない)が支柱11の基端部11aに接続してある。そしてこの支柱11をその軸線周りに回転させることでアーム12を旋回させ得るように構成してある。なお、支柱11を回さずにアーム12を直接旋回させるような構造でも構わない。
【0024】
ウェハ支持部材(以下、プラテンとも言う。)14は、その表面に複数のウェハW1を例えば静電吸着して支持する例えば概略長板状をなすものであり、その長手方向が支柱11の軸線と平行で、かつその面板部がアーム12の延伸方向と垂直になるように前記アーム12の先端から垂下させてある。なお、この実施形態では、図1等に示すように、このプラテン14をアーム12に枢支させることで、該プラテン14がアーム12に対して垂下している状態と平行となる状態との間で回転できるように構成してある。これは、前記受け渡し機構との間でウェハを授受するためであり、具体的には、前記受け渡し機構との間でウェハW1を授受するときにはプラテン14を平行状態とし、周回させるときにはプラテン14を垂下状態とする。
【0025】
直進手段15は、ここでは例えば、支柱11の基端部11aを支える前記基台16を支柱11の軸線とは垂直な方向に貫通するネジ孔151と、このネジ孔151に螺合するネジ部材152と、このネジ部材152を回転させるモータ等のアクチュエータ153とからなり、このネジ部材152を正逆回転させることによって、基台16がネジ部材152の延伸方向に沿って直線的に進退するように構成したネジ送り方式のものである。なお、直進手段15として上述したネジ送り方式のみならず、ベルト方式など、種々の方式の機構を用いることができる。
【0026】
さらにこの第1周回機構1は、前記旋回手段13及び直進手段15を制御、より具体的には各手段13、15に設けられたモータ13、153を制御するための電気回路からなる制御部(図示しない)を有している。この制御部は、図3に示すように、前記軸線方向から視て、ウェハW1を一方向に直進、180度旋回、逆方向に直進、−180度旋回という4つの動作を繰り返させて周回移動させる。
すなわち、第1周回機構1による周回軌道(第1周回軌道)O1は、互いに平行で等しい長さの直線軌道L11、L12と、それら直線軌道L11、L12の端部間を接続する半円軌道C11、C12とからなる。
【0027】
より具体的に説明すると、この制御部は、ウェハW1を直進させるときは、直進手段15を作動させるとともに、旋回手段13を制御してウェハの表面が周回軌道O1の外側を向くようにアーム12の角度を直進方向と垂直に固定する。なお、イオンビームIBは、一方の直進運動の途中でウェハW1の表面に垂直に照射される。すなわち、一方の直線軌道L11の途中にウェハW1の表面に対して垂直に進んでくるイオンビームIBの照射領域Pが設けてある。
【0028】
一方、この制御部は、ウェハW1を旋回させるときには、直進手段15を停止するとともに、旋回手段13を動作させてアーム12を正方向または逆方向に180度旋回させる。しかして、このように旋回動作時の旋回角度が一方では+180度、他方が−180度に設定してるのは、ウェハW1を1周回させたときにウェハW1がその周回に伴って自転しないようにするためである。すなわち、前記構成によって、ウェハW1を支持するウェハ支持部材14、アーム12及び支柱11の自転角度は、ウェハW1が1周回したときに元に戻るようにしてあり、ウェハW1を何度周回させても、これらウェハ支持部材14、アーム12及び支柱11に接続されている電気ケーブル等が自転によって捩れて断線するといった不具合を未然に防止するようにしてある。
【0029】
次に、第2周回機構2について図1、図2を参照して詳述する。
この第2周回機構2における支柱21は、吊り下げ構造体27によって吊り下げられたものであり、前記直進方向から視て、その先端面が前記第1周回機構1の支柱11の先端面と対向するように軸線を合致させて配置してある。前記吊り下げ構造体27は、基台26とこの基台26から起立する起立部材271と、起立部材271の先端から直角に延びる懸架体272とからなる概略L字型をなすもので、前記懸架体272の先端部から前記支柱21が後述する旋回手段23を介在させて垂下させてある。
アーム22は、前記支柱21の先端部からラジアル方向に突出する板状のものである。
【0030】
旋回手段23は、例えばモータであり、その駆動軸が支柱22の基端部21aに接続してある。そして、第1周回機構1と同様、前記支柱21をその軸線周りに回転させることでアーム22、ひいてはウェハ支持部材24を旋回させ得るように構成してある。なお、この実施形態では、ウェハ支持部材24の旋回半径を第1周回機構1と同一に設定してある。
【0031】
プラテン24は、第1周回機構1と同様、その表面に複数のウェハW2を例えば静電吸着して支持する例えば概略長板状をなすものであり、その長手方向が支柱21の軸線と平行で、かつその面板部がアーム22の延伸方向と垂直になるように前記アーム22の先端から回転可能に垂下させてある。なお、このプラテン24におけるウェハ支持領域24aは、第1周回機構1のプラテン14におけるウェハ支持領域14aと同一高さとなるように設定してある。
【0032】
直進手段25は、支柱21を吊り下げ構造体27を介して支える基台26を貫通するネジ孔251と、このネジ孔251に螺合するネジ部材252と、このネジ部材252を回転させるモータ等のアクチュエータ253とからなり、第1周回機構1と同様、このネジ部材252を正逆回転させることによって、基台26がネジ部材252の延伸方向に沿って進退するように構成したものである。ネジ部材252の延伸方向は第1周回機構1のネジ部材152の延伸方向と平行に設定してある。
【0033】
さらにこの第2周回機構2は、第1周回機構1同様、前記旋回手段23及び直進手段25を制御するための電気回路からなる制御部を有している。この制御部は、ここでは第1周回機構1と同じ軌道で同じ向きにウェハW1、W2を周回させる。すなわち、第2周回機構2による周回軌道(第1周回軌道)O2は、互いに平行で等しい長さの直線軌道L21、L22と、それら直線軌道L21、L22の端部間を接続する半円軌道C21、C22とからなる。
なお、この制御部は、物理的には第1周回機構1と共用でもよいし別体でもよい。
【0034】
次に、このように構成したエネルギー線照射システム100の動作につき説明する。
例えば図4(A)に示すように、第1周回機構1で周回しているウェハ(以下、第1ウェハとも言う。)W1が照射領域Pを通過し終わる前であり、第2周回機構2で周回しているウェハ(以下、第2ウェハとも言う。)W2が同照射領域Pに進入し始めたところから説明を始める。
【0035】
この図4(A)の状態では、各ウェハW1、W2は、予め定められた互いに等しいイオン注入用速度で移動する。その後、先に照射領域Pから離れた第1ウェハW1は、図4(B)、図4(C)に示すように、移動速度を増して周回する一方、照射領域Pにある第2ウェハW2は、前記イオン注入用速度で移動を続ける。
【0036】
そして、第1ウェハW1は、図5(D)に示すように、第2ウェハW2が照射領域Pを通過し終わる前に追いついて、前記照射領域Pに進入し、その速度を前記イオン注入用速度に戻す。その後、照射領域Pから離れた第2ウェハW2は、図5(E)、図5(F)に示すように、移動速度を増して周回する一方、照射領域Pにある第1ウェハW1は、前記イオン注入用速度で移動を続ける。
【0037】
そして、第2ウェハW2が第1ウェハW1に追いついて、図4(A)の状態に戻る。
このようにして、各ウェハW1、W2は、予め定められた回数だけ周回することによって、所定量のイオンを注入される。
【0038】
しかして、このようなものであれば、2つの周回機構1、2を利用してウェハW1、W2を間断なくイオンビームIBの照射領域Pに進入させるので、注入効率を上げることができるという基本的な効果を奏し得る。
【0039】
しかも、2つの周回機構1、2を設けているにも拘わらず、第1周回軌道O1と第2周回軌道O2の軌道が合致しているので、それら周回面と垂直な方向から視たときに、1つの周回軌道分の面積で構成でき、飛躍的なコンパクト化が可能となる。
【0040】
なお、本発明は前記実施形態に限られない。
例えば、プラテン上に配置されるウェハの枚数は1枚でもいい。ただし、複数枚であれば、スループットが向上する。
【0041】
また、1つのプラテン上に搭載されるウェハ枚数が増えると、各プラテン上に搭載されたウェハを処理するまでに要する時間が長くなる。その為、一方のプラテンを他方のプラテンの後ろの位置に移動させるまでの時間に余裕ができるので、連続注入処理が容易になる。この場合、プラテンの構成によっては、プラテンの長手方向は支柱の軸線と垂直になる場合もある。
【0042】
プラテンの搬送枚数は2枚以上であればいいので、複数枚のプラテンを搬送させる構成にしてもいい。このことにより、スループットの向上や連続注入処理の容易化を促進できる。
【0043】
イオンビームの本数は1本に限らない。例えば図6に示すように、2本以上のイオンビームIBが照射される構成であってもいい。2本のイオンビームIBが照射される場合、イオンビームIBを有効利用することを考えると、プラテンの数は3以上が好ましい。ここでは図6では3枚のプラテン14、24、34とそれに搭載される3つのウェハW1、W2、W3を示している。
【0044】
また、第1周回軌道O1で囲まれる領域と前記第2周回軌道O2で囲まれる領域との少なくとも一部が重なればよく、そのためには、各周回機構1、2における旋回軸を一致させる必要はない。例えば、図7に示すように、直進方向から視たときの旋回軸を周回機構毎に異ならせてもよい。また、図8に示すように、旋回軸の位置は同じだが、旋回半径が互いに異なるようにしてもよい。いずれも第1周回軌道O1で囲まれる領域と前記第2周回軌道O2で囲まれる領域との一部が重なっており、その重なりの分だけ、コンパクト化を図れる。
【0045】
イオンビームのみならず、電子線や光線、陽子線などのようなエネルギー線をワークに照射するシステム、例えば、電子線照射装置、スパッタリング装置、プラズマドーピング装置などにも本発明を適用して同様の効果を奏し得る。
【0046】
エネルギー線の照射効率を高める構成としては、少なくとも1枚のウェハが照射領域内に位置していることがもっとも望ましいが、このような構成に限られない。例えば、エネルギー線の大きさやプラテンの構成によっては、少なくとも1枚のウェハを照射領域内に位置させることができない場合もある。このような場合には、出来るだけエネルギー線を各ウェハが連続して横切るように構成しておけばよい。
【0047】
ビーム形状はどのようなものでもよい、例えば断面が正方形状のものや、スポット状のものでも構わない。ウェハ形状も円形のみならず、例えば矩形でも構わない。プラテンへのウェハの搬送は手動にしてもいい。
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0048】
100・・・エネルギー線照射システム
P ・・・照射領域
W1 ・・・第1ワーク
O1 ・・・第1周回軌道
1 ・・・第1周回機構
W2 ・・・第2ワーク
O2 ・・・第2周回軌道
2 ・・・第2周回機構
L11、L12、L21、L22・・・直線軌道
C11、C12、C21、C22・・・半円軌道
10 ・・・ワーク搬送機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー線を所定の照射領域に向かって射出するエネルギー線射出機構と、
前記エネルギー線が照射される対象物である第1ワークを、前記照射領域を含む所定の第1周回軌道に沿って周回させる第1周回機構と、
前記エネルギー線が照射される対象物である第2ワークを、前記照射領域を含む所定の第2周回軌道に沿って周回させる第2周回機構とを具備し、
前記周回面と垂直な方向から視たときに、前記第1周回軌道で囲まれる領域と前記第2周回軌道で囲まれる領域との少なくとも一部が重なるように構成されていることを特徴とするエネルギー線照射システム。
【請求項2】
前記各周回軌道が、互いに平行な直線軌道とそれらの端部間を結ぶ半円軌道とからそれぞれ形成されており、前記各周回軌道における半円軌道の中心が、前記直線軌道方向から視て合致すように構成してある請求項1記載のエネルギー線照射システム。
【請求項3】
前記各周回軌道が、互いに合致するように構成してある請求項1又は2記載のエネルギー線照射システム。
【請求項4】
前記照射領域に進入した第1ワークが当該照射領域から完全に離れる前に、第2ワークが当該照射領域に進入するように構成してある請求項1乃至3いずれか記載のエネルギー線照射システム。
【請求項5】
前記第1ワーク又は第2ワークを周回移動方向に沿って複数並べることができるように構成してある請求項1乃至4いずれか記載のエネルギー線照射システム。
【請求項6】
前記ワークが周回軌道に沿って1周したときに、前記周回面と垂直な方向から視て、当該ワークが最初の自転角度に戻るように構成してある請求項1乃至5いずれか記載のエネルギー線照射システム。
【請求項7】
前記周回面と垂直な方向から視て、前記ワークは、前記照射領域からその裏側領域に向かう間に180度自転し前記裏側領域においてそのエネルギー線照射面の裏面をエネルギー線照射方向に向けるとともに、前記裏側領域から前記照射領域に向かう間に−180度自転して最初の自転角度に戻るように構成してあることを特徴とする請求項6記載のエネルギー線照射システム。
【請求項8】
エネルギー線が照射される対象物である第1ワークを、該エネルギー線の照射領域を含む所定の第1周回軌道に沿って周回させる第1周回機構と、
前記エネルギー線が照射される対象物である第2ワークを、前記照射領域を含む所定の第2周回軌道に沿って周回させる第2周回機構とを具備し、
前記周回面と垂直な方向から視たときに、前記第1周回軌道で囲まれる領域と前記第2周回軌道で囲まれる領域との少なくとも一部が重なるように構成されていることを特徴とするワーク搬送機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−89427(P2013−89427A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228383(P2011−228383)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(302054866)日新イオン機器株式会社 (161)
【Fターム(参考)】