説明

エネルギ削減効果見積もりシステム

【課題】NECOSを導入した場合のエネルギ削減効果を、簡単に知る方法を提供する。
【解決手段】インターネットサーバに水道料金削減の計算とエネルギ削減計算に必要なデータベースを構築し、インターネットサイトにアンケート形式で、事業規模や効果に対する要望などを選択ボタン式などの簡単なアンケートにマウス等入力機器を用いて入力することにより、顧客がNECOSを導入した場合のエネルギ削減効果を概算見積して提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、温暖効果ガス削減またはエネルギーコスト削減を求める法人や事業所に対し、前記効果を与える機器導入に関する削減効果見積もりをインターネットを介して簡易に行えるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットリテラシの向上により、エンドユーザは物品の購入や機器の導入を検討する際、事業者との交渉前にインターネットによって価格や効果などを調べる欲求が生じている。
【0003】
温室効果ガス削減が要求される世論を背景に近年開発されたNECOSというエネルギ削減事業は、下水道料金減免や節水機器の導入によって対象とする法人や事業所(以下「顧客」)の水道料金を削減し、その削減料金を以て温室効果ガス削減やエネルギーコストの削減(以下両者を合わせて「エネルギ削減」)を行う機器を導入する事業形態である。
【0004】
NECOSは、様々なエネルギを使用する機器の置換・改良によって削減されたエネルギーコストを顧客と分け合うESCOと異なり、使用する用途が限られた水道の使用量等を削減した金額をエネルギ削減機器導入に充てるため、導入に使える費用の予測が容易である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら顧客は自己の水道使用量は把握できてもその削減額は把握できない。
【0006】
さらに簡易チャートなどを使って削減額が把握できたとしても、エネルギ削減は導入する機器が多岐にわたるため、顧客はNECOS事業を利用した場合にどのような機器が導入でき、またそれによってどの程度の効果が得られるかを事前に検討することは困難であり、効果を検討するためにはNECOSを行っている事業者に自らの事業形態や規模、水道使用量などを申告する必要がある。
【0007】
また顧客の要望はエネルギ削減ばかりではなく、コスト削減に重点をおくことや太陽光発電のように環境意識の高さをアピールできる機器の導入を求めるなど多岐にわたっているため、たとえ簡易な削減効果見積もりであろうとNECOSを行っている事業者との打ち合わせを必要とし、検討を始めるにあたっての心理的な障害となっている。
【0008】
現在、希望する商品と購入希望価格を提示しておこなう逆オークションや、自動車保険のように条件を打ち込むだけで複数の保険会社から見積もりが送られてくるサービスがインターネット上にあるが、具体的な購入品目も購入金額も決まっていない状態で得られる効果を見積もるサービスは存在しない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の課題を解決するために、本発明はインターネットを利用出来る環境にある顧客に対して、事業規模や効果に対する要望などを選択ボタン式などの簡単なアンケートにマウス等入力機器を用いて入力することにより、顧客がNECOSを導入した場合のエネルギ削減効果を概算見積して提示するプログラムを有したインターネットサイトを公開する。
【0010】
当該サイトを運営するサーバには、日本各地の上下水道料金、下水道減免の可否、クーリングタワ蒸散水の業種別・地域別の対使用水量などがデータベース化されており、顧客が事業の形態や規模や所在地などのデータを入力することにより、過去の水道料金削減実績などから年間の水道料削減額がJavaScript等を用いて顧客の使用するパソコン内のCPU等によってインターネットサイト上で計算され、エネルギ削減機器導入に使用できる予算が算出される。
【0011】
当該サイトを運営するサーバはサービス提供者が所有してもよいが、他のインターネットサービス業者が提供するサーバ空間を使用してもよい。
【0012】
当該サーバにはNECOS事業に協力するエネルギ削減機器メーカ等の製品におけるエネルギ削減機器の導入単価に加え地域別・業種別の温室効果ガス削減効果対費用係数やエネルギーコスト削減効果対費用係数もデータベース化されおり、これらのデータと顧客要望を加味し、先に計算したエネルギ削減費用で導入できる機器とその機器による削減効果を見積もる。
【0013】
データベース構築はサービス提供者がパソコン等を用いて行うが、データのインプットはインターネットを通じてエネルギ削減機器販売業者が行ってもよい。
【0014】
温室効果ガス削減効果対費用係数は該当するエネルギ削減機器を顧客の所在地を含めた使用環境において一年間使用した場合に見込まれる温室効果ガス削減量を導入費用で割った値である。
【0015】
エネルギーコスト削減費用対効果係数は、該当するエネルギ削減機器を顧客の所在地を含めた使用環境において一年間使用した場合に見込まれるコスト削減額を導入費用で割った値であり、コスト削減額には機器交換などのメンテナンス費用の削減額も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
見積結果は顧客のコンピュータのディスプレイ上に表示され、必要に応じプリンタにより出力することもできる。
【0017】
【図1】この発明の一実施形態を示すシステム図である。
【図2】この発明のプログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
【0018】
10 コンピュータ
12 LANまたはインターネット回線
14 インターネット回線
20 コンピュータ
30 コンピュータ
40 サーバ
St1〜10 ステップ番号
Pr1 水道料金削減金額計算プログラム
Pr2 データベースソートプログラム
Pr3 削減効果見積もりプログラム
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、この発明に関わるインターネットを用いたエネルギ削減効果見積作成のシステム構成図である。
【0020】
顧客が当該発明にかかるインターネットサイトにアクセスして(St2)データを入力する(St3)とサーバ40内のデータを検索し、サイト内のJavaScript等で作成されたPr1の計算によってエネルギ削減機器導入に使用できる予算が算出される。
【0021】
顧客はSt5で温室効果ガスを削減を重視するかコスト削減を重視するか等を選択する。
【0023】
St5で選択された条件と、St3で入力された条件によりインターネットサーバに蓄えられたデータをソートする。
【0023】
データをソートするプログラムPr2は独自に組んでもよいが、データーベース作成に用いたソフトに組み込まれたマクロを用いてもよい。
【0025】
効果見積もり計算プログラム(Pr3)は、St3で顧客の要望が温室効果ガス削減を重視した場合、[0020]で算出された予算内で温室効果ガス削減費用対効果係数の高い機器を顧客の事業規模における導入可能な最大数を下回る数量で最大数導入し、残った予算で順次効果係数の高い順に最大数導入する演算を予算残高が機器導入の最低費用を下回るまで繰り返す。
【0026】
Pr3における計算は、顧客がコスト削減を重視する場合にはコスト削減費用対効果係数の高いものから[0025]と同様の手順で行う。
【0027】
顧客が対外的に環境対策をアピールすることを重視する場合には、予算内で設置できる範囲内で太陽光パネルの設置台数を入力するルーチンを挿入し、希望する太陽光パネルの設置費用を引いた残額に[0025][0026]と同様の手順を行って他の設置機器を選定する。
【0028】
Pr3は温室効果ガス削減計算と同時にコスト削減額も計算する。
【0030】
導入される機器の種類や数に加え温室効果ガス削減量やコスト削減額も加えた見積もり結果は顧客がデータを入力した後すぐ顧客のパソコンのモニタに表示される(St10)ため、郵送のように自らの事業所名などを明かす必要がないだけでなく、条件等を変えて様々な見積結果を得ることもできる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によって顧客は、大まかな効果見積ではあるものの、非常に簡易にNECOS導入時の効果を知ることができるため、導入の可否について検討を始める障壁を大きく下げることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットを介して顧客のコンピュータから入力された情報に基づき、顧客のコンピュータに搭載されたCPUまたはサービス提供者が管理するサーバに付属するCPUによって、定められた予算内で導入できるエネルギ削減機器の種類と数量及びそれらの機器の導入によって削減される温室効果ガス量と削減されるコストの概算見積が計算され、その計算結果が顧客のコンピュータのディスプレイ上に表示される簡易効果概算システム。
【請求項2】
サービス提供者が水道料金削減実績に基づいたデータベースをインターネットに接続したサーバに構築することにより、インターネットサイトにアクセスした顧客がボタン式などの簡易なアンケートに答えることによって水道料金削減の概算を算出することができる簡易見積システム。
【請求項3】
サービス提供者がインターネットに接続されたサーバ上に、エネルギ削減機器導入単価の他それらの機器の地域別温暖化ガス削減効果対費用係数及びエネルギーコスト削減費用対効果係数を属性として付与したデータベースを構築することにより、温室効果ガス削減重視やエネルギーコスト削減重視などの顧客の要望に応じて演算の優先順位を決めて、入力された予算範囲内で最適な見積結果を顧客のコンピュータに搭載されたCPUにより計算してディスプレイ上に計算結果を出力する削減効果概算表示システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−128822(P2012−128822A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−294670(P2010−294670)
【出願日】平成22年12月11日(2010.12.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JavaScript
【出願人】(509301921)