エネルギ回収装置
【課題】熱媒体を循環させる流路において、各々の熱エネルギ消費部位と熱媒体との熱交換の可否とを選択可能とするエネルギ回収装置を提供する。
【解決手段】蓄熱器2もしくは蓄冷器3に蓄えられて流路に流通される熱媒体を通じて前記蓄熱器2もしくは前記蓄冷器3に蓄えられた熱エネルギを受け取る熱エネルギ消費部位と、前記蓄熱器2もしくは前記蓄冷器3と前記熱エネルギ消費部位とを流れ前記熱媒体が循環するように形成された循環流路のうち前記熱媒体の前記熱エネルギ消費部位に対する下流側に設けられたポンプ9と、複数の流出口を有しこの流出口のいずれか一つの流出口を流通可能に制御し、前記蓄熱器2もしくは前記蓄冷器3と前記熱エネルギ消費部位との間及び前記熱エネルギ消費部位同士の間及び前記熱エネルギ消費部位と前記ポンプ9との間に設けられたバルブ8と、を有することを特徴とする。
【解決手段】蓄熱器2もしくは蓄冷器3に蓄えられて流路に流通される熱媒体を通じて前記蓄熱器2もしくは前記蓄冷器3に蓄えられた熱エネルギを受け取る熱エネルギ消費部位と、前記蓄熱器2もしくは前記蓄冷器3と前記熱エネルギ消費部位とを流れ前記熱媒体が循環するように形成された循環流路のうち前記熱媒体の前記熱エネルギ消費部位に対する下流側に設けられたポンプ9と、複数の流出口を有しこの流出口のいずれか一つの流出口を流通可能に制御し、前記蓄熱器2もしくは前記蓄冷器3と前記熱エネルギ消費部位との間及び前記熱エネルギ消費部位同士の間及び前記熱エネルギ消費部位と前記ポンプ9との間に設けられたバルブ8と、を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、蓄熱器に蓄えられている熱媒体を循環させることにより、熱エネルギ及び電気エネルギを回収するエネルギ回収装置に関するものであり、特に熱エネルギを電気エネルギに変換する熱発電装置と電気エネルギを熱エネルギに変換する熱交換装置とを有し、電気エネルギ及び熱エネルギの回収が最大となるように熱媒体の流路を制御するエネルギ回収装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、熱エネルギを電気エネルギに変換する装置としては、熱電素子の温度差に基づいて電気エネルギを生じる熱発電装置が知られている。このエネルギ回収装置は、ゼーベック効果に基づいて電気エネルギを生じるため、熱電素子の温度差が大きくなるにつれて生じる電気エネルギが大きくなる。そして、発生した熱を熱電素子に伝達することでゼーベック効果による電気エネルギを生じさせて、装置に備える機器へ電力を供給する装置の一例が特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1には、循環する熱媒を強制循環手段により循環させて、この熱媒を流通させる流路とペルチェ素子とが接触する構成が記載されている。このペルチェ素子は、半導体を挟んでいる両側の面の温度差により、電気エネルギが生じる。そして、生じた電気エネルギにより、前記強制循環手段が作動する。
【0004】
また、モーター兼発電機により自動車の運動エネルギを電気エネルギに変換し、この電気エネルギをバッテリーに充電させる自動車の温度制御システムが特許文献2に記載されている。特許文献2には、変換された電気エネルギがバッテリーの蓄電能力を超えている場合には、この超過分の電気エネルギでクーラーを運転して冷熱を発生し、その冷熱を蓄冷器装置に貯蔵する、あるいは、この超過分の電気エネルギでヒーターを運転して熱を発生し、その熱を蓄熱器装置に貯蔵する構成が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−41604号公報
【特許文献2】特開2000−59918号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この特許文献1によれば、循環させている熱媒に基づいて電気エネルギが生成され、この電気エネルギを使用して熱媒を循環させることにより、生成された電気エネルギを有効に活用することができる。しかしながら、熱媒の循環により生成される電気エネルギは熱電素子への熱伝達に基づくゼーベック効果によるものであるため、熱媒の温度や流速などにより熱エネルギと電気エネルギとのエネルギ変換の変換効率が低い場合がある。
【0007】
また、特許文献2によれば、バッテリーの蓄電能力を超えて電気エネルギーが生成されている場合に、この電気エネルギーを熱あるいは冷熱に変換して、この熱を蓄熱器に貯蔵し、冷熱を蓄冷器に貯蔵することができる。しかしながら、触媒の温度や流速などにより電気エネルギから熱エネルギへの変換効率が低い場合は、蓄電能力を超えて生成された電気エネルギを貯蔵する際の貯蔵効率が低くなる場合がある。
【0008】
この発明は上記の課題に着目してなされたものであり、複数のエネルギ変換装置が取り付けられ、各々のエネルギ変換装置について熱媒との熱交換の有無を選択することを可能とするエネルギ回収装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため請求項1の発明は、温熱を蓄える蓄熱器または冷熱を蓄える蓄冷器を有するエネルギ回収装置において、この蓄熱器もしくは蓄冷器に蓄えられて流路に流通される熱媒体を通じて前記蓄熱器もしくは前記蓄冷器に蓄えられた熱エネルギを受け取る熱エネルギ消費部位と、前記蓄熱器もしくは前記蓄冷器と前記熱エネルギ消費部位とを流れ前記熱媒体が循環するように形成された循環流路のうち前記熱媒体の前記熱エネルギ消費部位に対する下流側に設けられたポンプと、複数の流出口を有しこの流出口のいずれか一つの流出口を流通可能に制御し、前記蓄熱器もしくは前記蓄冷器と前記熱エネルギ消費部位との間及び前記熱エネルギ消費部位同士の間及び前記熱エネルギ消費部位と前記ポンプとの間に設けられたバルブと、を有することを特徴とするものである。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、温度を含む環境情報に基づいて前記ポンプと前記バルブとの少なくとも一方に制御信号を出力する制御装置を備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、熱エネルギ消費部位と熱媒体との熱交換の有無を選択することができる。この熱交換の有無は、熱エネルギ消費部位における電気エネルギまたは熱エネルギの回収効率に基づいて判断される。そのために、熱媒体の有する熱エネルギを電気エネルギに変換し、または熱エネルギとして回収するときのエネルギの回収効率が向上する。そして、これによりこのエネルギ回収装置を搭載している駆動装置の燃費が向上し、ドライバビリティが向上する。
【0012】
請求項2の発明によれば、バルブに設けられている各流出口における流通の可否もしくはポンプの流量が温度を含む環境情報に基づいて制御される。そのために、熱媒体の有する熱エネルギを電気エネルギに変換し、または熱エネルギとしての回収の制御を温度を含む環境情報に基づいてすることができる。そして、これによりこのエネルギ回収装置を搭載している駆動装置の燃費が向上し、ドライバビリティが向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
つぎにこの発明を具体例に基づいて詳細に説明する。このエネルギ回収装置1に関する発明は蓄熱器2に蓄えられた熱もしくは蓄冷器3に蓄えられた冷熱を循環流路により循環させて、循環している熱もしくは冷熱の熱媒体の熱エネルギを電気エネルギもしくは熱エネルギとして回収するものである。その熱媒体の循環する流路を模式的に記した図が図1に記載されている。図1においては熱又は冷熱を循環させる流路4に電気エネルギもしくは熱エネルギとしてエネルギの回収を可能とする熱エネルギ消費部位が取り付けられている。この熱エネルギ消費部位に該当する具体例として、図1に熱発電装置5と熱変換装置6と空調装置7とが取り付けられている例を記載する。
【0014】
熱発電装置5は、熱エネルギを電気エネルギに変換する装置に該当する。一例としては熱電素子が熱発電装置5に該当し、この時はゼーベック効果により流路4を循環している熱媒体の熱エネルギが電気エネルギに変換される。この熱発電装置5は、熱発電装置5と熱媒体との温度差が大きくなるにつれて生じる電気エネルギ量も大きくなる。また、熱変換装置6は電気エネルギを熱エネルギに変換する装置に該当し、この熱変換装置6が熱電素子の場合は、ペルチェ効果により電気エネルギが生成される。そして、空調装置7は、熱媒体の熱エネルギが熱伝達されることにより熱エネルギを回収する装置に該当する。したがって、熱媒体と熱電素子との温度差が小さい場合でも、熱媒体の有する熱容量が多い場合には有効に熱エネルギを回収することができる。
【0015】
熱媒体と熱発電装置5もしくは熱変換装置6もしくは空調装置7との間で熱交換の可否を制御することができる。この熱交換の可否は流路4に設けられたバルブ8により制御される。このバルブは熱発電装置5を取り付けた流路4への流通の可否及び熱変換装置6を取り付けた流路4への流通の可否及び空調装置7を取り付けた流路4への流通の可否を選択可能に取り付けられている。具体的には、三方弁のように流路を切り替える切替弁と、流路への流通の可否を制御する電磁弁とが挙げられる。すなわち、蓄熱器2もしくは蓄冷器3と熱発電装置5との間にバルブが取り付けられ、前記熱発電装置5と熱変換装置6との間にバルブ8が取り付けられ、前記熱変換装置6と空調装置7との間にバルブ8が取り付けられる。
【0016】
この発明では、熱媒体を有効に循環させるために流路4にポンプ9が取り付けられている。このポンプ9は、蓄熱器2または蓄冷器3に蓄えられた熱媒体の循環効率を向上させるために取り付けられており、蓄熱器2もしくは蓄冷器3から循環された熱媒体が熱発電装置5や熱変換装置6や空調装置7を流通した後にポンプ9を通過する。この熱媒体は、ポンプ9の加圧による制御により流通しており、具体的にはこの熱媒体は熱発電装置5や熱変換装置6や空調装置7からポンプ9を経由して蓄熱器2もしくは蓄冷器3に流通している。換言すれば、このポンプ9はこの熱媒体の循環における熱発電装置5及び熱変換装置6及び空調装置7の下流側に取り付けられている。
【0017】
図2には、蓄熱器2または蓄冷器3の情報などをマイクロコンピュータを主体とする制御装置10に入力して、この制御装置10からバルブ8やポンプ9に対して制御についての指示を出力する模式図が記載されている。制御装置10に入力されている情報には、作動要求信号11と蓄熱器情報12もしくは蓄冷器情報13が挙げられる。
【0018】
作動要求信号11は、車両に搭載されたスイッチであってもよく、あるいは空調を行うためのスイッチから出力される信号であってもよい。これらの信号は無線もしくは有線による通信に基づいて受信される。また、蓄熱器情報12は蓄熱器2に蓄えられた熱を循環させる場合における熱媒体の物理量についての情報であり、具体的には熱量や温度や流量や流速が該当する。さらに、蓄冷器情報13は蓄冷器3に蓄えられた冷熱を循環させる場合における熱媒体の物理量についての情報であり。具体的には熱量や温度や流量や流速が該当する。これらの蓄熱器情報12もしくは蓄冷器情報13は流量計や流速計や温度計により測定される。
【0019】
制御装置10では、入力された作動要求信号11及び蓄熱器情報12もしくは蓄冷器情報13に基づいて、エネルギ回収装置において最もエネルギ回収の良いバルブ8とポンプ9との制御が計算される。具体的には、バルブ8の制御は分岐している流路4のうち、一の流路4について熱媒体を流通可能とするようにバルブ8を調節可能とする制御である。このバルブ8の制御は、制御装置10からバルブ8への指示が伝達されることにより行われる。また、ポンプ9の制御はポンプ9の開度の調節にあたり、流路4を流通している熱媒体の流量の調節が可能である。このポンプ9の制御は、制御装置10からポンプ9への指示の伝達により行われる。
【0020】
バルブ8の制御については、三方弁のときは、二つ設けられている流出口のいずれか一つが閉じられることにより、他方の流路4に熱媒体が流通される。また、電磁弁のときは、弁が開いているときは電磁弁の取り付けられている流路4に熱媒体が流通され、弁が閉じているときは電磁弁の取り付けられていない流路4に熱媒体が流通される。
【0021】
この発明における熱媒体の流通に関する制御を示すフローについて、以下に説明する。その一のフローチャートが図3に示される。まず、制御装置10に作動要求信号11が入力される(ステップS01)。次に、制御装置10に蓄熱器情報12もしくは蓄冷器情報13が入力される(ステップS02)。さらに、制御装置10に入力された各情報に基づいて、各々のバルブ8の開閉が判断されて、各々のバルブ8の開閉が作動する(ステップS03)。そして、制御装置10に入力された各情報に基づいて、流路4に取り付けられているポンプ9の制御が実行される(ステップS04)。
【0022】
図4では、蓄熱器2または蓄冷器3の情報などを制御装置10に入力して、この制御装置10からポンプ9及びバルブ8に制御についての指示を出力する他の模式図が記載されている。この制御装置10では、作動要求信号11と蓄熱器情報12もしくは蓄冷器情報13と車両の走行情報14と外気温度情報15とに基づいて、ポンプ9の制御とバルブ8の制御とが制御される。車両の走行情報14には、車速などの駆動装置の移動速度や、シフトなどの情報が挙げられ、車速の情報は速度計などの測定装置で、シフトはギアの周辺にセンサを設けることにより測定される。また、外気温度情報15は車両の外部の温度に関する情報に該当する。制御装置10に入力されたこれらの情報に基づいて、このエネルギ回収装置1において最もエネルギ回収の良い流量と流路との制御が計算される。バルブ8とポンプ9との制御については、前述した図2と同様であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0023】
この発明における熱媒体の流通に関する制御を示す他のフローについて、以下に説明する。その一のフローチャートが図5(a)及び図5(b)に示される。まず、制御装置10に作動要求信号11が入力される(ステップS11,S11’)。次に、制御装置10に走行情報14が入力される(ステップS12,S12’)。その次に、制御装置10に外気温度情報15が入力される(ステップS13,S13’)。さらに次に、制御装置10に蓄熱器情報12が入力され(ステップS14)もしくは蓄冷器情報13が入力される(ステップS14’)。
【0024】
この次に、ステップS11からステップS14もしくはステップS11’からステップS14’で入力された各情報に基づいて、ポンプ9の駆動割合が算出される(ステップS15,S15’)。この駆動割合の算出にはマップが用いられ、このマップは制御装置10もしくは制御装置10に対して情報を出力可能とするように接続されている記憶装置16に入力されている。このマップにより駆動割合の算出に用いられる開度αと各補正係数β1,β2,γ1,γ2についての詳細は後述する。そして、これらの補正係数に基づいてポンプ9の駆動割合が求められ、その例としてはαとβ1とγ1とを乗じた数値もしくはαとβ2とγ2とに基づいてポンプ9の駆動割合が算出される。この駆動割合の算出の後に、制御装置10に入力された各情報及び算出されたポンプ駆動割合に基づいて各々のバルブ8の開閉が判断されて、各々のバルブ8の開閉が作動する(ステップS16,S16’)。そして、算出されたポンプ9の駆動割合に基づいて、流路4に取り付けられているポンプ9の制御が実行される(ステップS17,S17’)。
【0025】
ポンプ9の駆動割合の算出に用いられるマップについて、以下に説明を行う。図6には、ポンプ9の開度αと流路4に流通される流量との関係を記したマップが記されている。このマップでは、ポンプ9の開度αの上昇に伴い流路4を流通する熱媒体の流量が大きくなる。これは、ポンプ9の開度αが大きい時では流路4を流通する熱媒体を吸い込む力が大きくなることに起因する。
【0026】
また、図7には、車速とポンプ9の開度αとの関係を記したマップが記されている。このマップでは、車速が低い時はポンプ9の開度αは一定であるが、車速が一定値以上になると、車速の上昇にしたがってポンプ9の開度αが上昇する。これは、車速が小さい時は、エネルギ回収装置1の受ける風が弱いため、熱媒体もしくは熱発電装置5もしくは熱変換装置6もしくは空調装置7からの放熱量が小さくなる。したがって、ポンプ9の開度αを小さくすることにより、ポンプ9で消費される電気エネルギが減少し、かつ熱媒体の熱エネルギを熱発電装置5もしくは熱変換装置6もしくは空調装置7へ伝達することができる。
【0027】
一方で、車速が一定値以上のときはエネルギ回収装置1の受ける風が強いため、熱媒体もしくは熱発電装置5もしくは熱変換装置6もしくは空調装置7からの放熱量が大きくなる。したがって、ポンプ9の開度αを大きくすることで、熱発電装置5もしくは熱変換装置6もしくは空調装置7から放熱された熱エネルギが熱媒体から有効に伝達される。そのため、車速が一定値以上の時は、車速の上昇にしたがってポンプ9の開度αが上昇する。
【0028】
図8には、蓄熱器2に蓄えられている熱媒体を循環させるときのポンプ9の駆動割合に関する補正係数β1についてのマップが記されている。蓄熱器2に蓄えられた熱媒体が流路4を流通している場合には、外気温度が低くなるにつれてポンプ9の駆動割合に関する補正係数β1が大きくなる。これは、外気温度が低くなるにつれて暖房もしくは外気との温度差による熱発電に使用されるエネルギが増大するため、蓄熱器2に蓄えられている熱媒体からより多くの熱エネルギを受け取る必要が生じるためである。また、外気温度が一定値以上のときは、暖房が使用されないため、ポンプ9の駆動割合の低い状態で一定に保たれるように補正係数β1が制御される。
【0029】
図9では、蓄冷器3に蓄えられている熱媒体を循環させるときのポンプ9の駆動割合に関する補正係数β2についてのマップが記されている。蓄冷器3に蓄えられた熱媒体が流路4を流通している場合には、外気温度が高くなるにつれてポンプ9の駆動割合に関する補正係数β2が大きくなる。これは、外気温度が高くなるにつれて冷房もしくは外気との温度差による熱発電に使用されるエネルギが増大するため、ポンプ9の駆動割合を大きくすることにより蓄冷器3に蓄えられている熱媒体からより多くの熱エネルギを受け取る必要が生じるためである。また、外気温度が一定値以下のときは、冷房が使用されないため、ポンプ9の駆動割合の低い状態で一定に保たれるように補正係数β2が制御される。
【0030】
図10では、蓄熱器2に蓄えられている熱媒体を循環させるときのポンプ9の駆動割合に関する補正係数γ1についてのマップが記されている。蓄熱器2に蓄えられた熱媒体が流路4を流通している場合には、蓄熱気温度すなわち熱媒体の温度が低くなるにつれてポンプの駆動割合に関する補正値γ1が大きくなる。これは、熱媒体と熱発電装置5もしくは熱変換装置6もしくは空調装置7との温度差が小さくなるため、流路4に流通させる熱媒体の流量を増加させることにより、熱媒体と熱発電装置5もしくは熱変換装置6もしくは空調装置7との熱交換を行う必要性が生じるためである。
【0031】
また、蓄熱器温度が一定値以上のときは、流路4を流通している熱媒体と熱発電装置5もしくは熱変換装置6もしくは空調装置7との間で熱交換が実行され、熱媒体と熱発電装置5もしくは熱変換装置6もしくは空調装置7との間で熱平衡状態になる。そのため、熱媒体温度が一定値以上のときは、ポンプ9の駆動割合の低い状態で一定に保ちポンプの消費動力が最小となるように補正係数γ1が制御される。
【0032】
図11では、蓄冷器3に蓄えられている熱媒体を循環させるときのポンプ9の駆動割合に関する補正係数γ2についてのマップが記されている。蓄冷器3に蓄えられた熱媒体が流路4を流通している場合には、蓄冷器温度すなわち熱媒体の温度が高くなるにつれてポンプ9の駆動割合に関する補正値γ2が大きくなる。これは、熱媒体と熱発電装置5もしくは熱変換装置6もしくは空調装置7との温度差が小さくなるため、流路4に流通させる熱媒体の流量を増加させることにより、熱媒体と熱発電装置5もしくは熱変換装置6もしくは空調装置7との熱交換を行うためである。
【0033】
また、蓄冷器温度が一定値以下のときは、流路4を流通している熱媒体と熱発電装置5もしくは熱変換装置6もしくは空調装置7との間の熱交換が有効に実行され、熱媒体と熱発電装置5もしくは熱変換装置6もしくは空調装置7との間で熱平衡状態になる。そのため、熱媒体温度が一定値以下のときは、ポンプ9の駆動割合の低い状態で一定に保ちポンプの消費動力が最小となるように補正係数γ2が制御される。
【0034】
図12では、蓄熱器2または蓄冷器3の情報などを制御装置10に入力して、この制御装置10からバルブ8やポンプ9の制御についての指示が出力される他の模式図が記載されている。この制御装置10では、作動要求信号11と蓄熱器情報12もしくは蓄冷器情報13と車両の走行情報14と外気温度情報15と環境情報17とに基づいて、バルブ8とポンプ9とが制御される。
【0035】
環境情報17には、渋滞、工事中、積雪、土砂崩れ、河川の増水、通行止め、落石、倒木、交差点での停止車両、人や動物の存在、接近している前方交差点の信号機の表示(赤色、黄色、青色の別)、前方踏切の信号機や遮断機の動作状態、これらの信号機の表示もしくは遮断機の動作状態などが切り替わるまでの時間、天候、日照量、風速などの情報が該当する。この環境情報17は、各情報に対応したセンサにより検出される。そして、制御装置10に入力されたこれらの情報に基づいて、エネルギ回収装置1において最もエネルギ回収の良い流量と流路4とが計算される。バルブ8とポンプ9との調節については、前述した図2と同様であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0036】
この発明における熱媒体の流通に関する制御を示す他のフローについて、以下に説明する。そのフローチャートを図13(a)および図13(b)に示す。ステップS21からステップS23及びステップS21’からステップS23’については、前述したステップS11からステップS13と同一であるため、符号を付してその説明を省略する。次に、制御装置10に環境情報17が入力される(ステップS24,S24’)。さらに次に、制御装置10に蓄熱器情報4が入力され(ステップS25)もしくは蓄冷器情報5が入力される(ステップS25’)。
【0037】
この次に、ステップS21からステップS25もしくはステップS21’からステップS25’で入力された各情報に基づいて、ポンプ9の駆動割合が算出される(ステップS26,S26’)。この算出には、制御装置10もしくは制御装置10に対して情報を出力可能とするように接続されている記憶装置16に入力されているマップが用いられる。ステップS27,S27’とステップS28,S28’とは、前述したステップS16とステップS17と同一であるため、符号を付してその説明を省略する。
【0038】
図14では、蓄熱器2または蓄冷器3の情報などを制御装置10に入力して、この制御装置10からバルブ8やポンプ9の制御についての指示を出力する他の模式図が記載されている。この制御装置10では、作動要求信号11と蓄熱器情報12もしくは蓄冷器情報13と車両の走行情報14と外気温度情報15と環境情報17と学習情報18とに基づいて、バルブ8とポンプ9とが制御される。学習情報18としては、制御装置10に入力された作動要求信号11と蓄熱器情報12もしくは蓄冷器情報13と車両の走行情報14と外気温度情報15と環境情報17とを記憶装置16に蓄積した情報が該当する。
【0039】
より具体的には、制御装置10に入力された車速などの車両の移動速度やシフトなどの情報が記憶装置16に入力されて蓄積されることにより、車両の走行情報14に関する学習情報が得られる。また、車両の外部の温度に関する情報が記憶装置16に入力されて蓄積されることにより、外気温度情報15に関する学習情報が得られる。さらに、車両に搭載されたスイッチや空調を行うためのスイッチから出力される信号が記憶装置16に入力されて蓄積されることにより、作動要求信号11に関する学習情報が得られる。
【0040】
車両に搭載されたスイッチとしては、オーディオのスイッチやカーナビのスイッチが該当する。さらにまた、渋滞、工事中、積雪、土砂崩れ、河川の増水、通行止め、落石、倒木、交差点での停止車両、人や動物の存在、接近している前方交差点の信号機の表示(赤色、黄色、青色の別)、前方踏切の信号機や遮断機の動作状態、これらの信号機の表示もしくは遮断機の動作状態などが切り替わるまでの時間、天候、日照量、風速などの情報が記憶装置16に入力されて蓄積されることにより、環境情報17に関する学習情報18が得られる。そしてまた、蓄熱器2もしくは蓄冷器3から流出される熱媒体の熱量や温度や流量や流速など、熱媒体に関する情報が記憶装置16に入力されて蓄積されることにより、蓄熱器情報12もしくは蓄冷器情報13に関する学習情報18が得られる。
【0041】
そして、制御装置10に入力された車両の走行情報14と外気温度情報15と作動要求信号11と環境情報17と蓄熱器情報12もしくは蓄冷器情報13と学習情報18とに基づいて、エネルギ回収装置1において最もエネルギ回収の良い流量と流路4が計算される。バルブ8とポンプ9の調節については、前述した図2と同様であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0042】
この発明における熱媒体の流通に関する制御を示す他のフローについて、以下に説明する。そのフローチャートを図15(a)および図15(b)に示す。ステップS31からステップS33もしくはステップS31’からステップS33’については、前述したステップS11からステップS13と同一であるため、符号を付してその説明を省略する。次に、記憶装置16に入力されて蓄積されている学習情報18が制御装置10に入力される(ステップS34,S34’)。ステップS35からステップS36もしくはステップS35’からステップS36’については、前述したステップS24とステップS25もしくはステップS24’からステップS25’と同一であるため、符号を付してその説明を省略する。
【0043】
この次に、ステップS31からステップS36もしくはステップS31’からステップS36’で入力された各情報に基づいて、ポンプの駆動割合が算出される(ステップS37,S37’)。この算出には、制御装置10もしくは制御装置10に対して情報を出力可能とするように接続されている記憶装置16に入力されているマップが用いられる。これらのマップにおけるパラメータにあたる流量や車速や外気温度や蓄熱器温度もしくは蓄冷器温度は、センサ等により制御装置10に入力されている情報と、記憶装置16に記憶されている情報とから導き出される情報にあたる。そして、ステップS38とステップS39もしくはステップS38’からS39’は、前述したステップS16とステップS17と同一であるため、符号を付してその説明を省略する。
【0044】
なお、この発明で流路に取り付けられている熱発電装置と熱変換装置と空調装置に限られず、熱媒体との熱伝導により熱エネルギを回収する装置が流路に取り付けられていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】この発明に係るエネルギ回収装置を模式的に示す図である。
【図2】この発明に係るバルブとポンプの制御のための一の構成を示すブロック図である。
【図3】この発明に係るバルブとポンプの制御の一例を示すためのフローチャートである。
【図4】この発明に係るバルブとポンプの制御のための他の構成を示すブロック図である。
【図5】この発明に係るバルブとポンプの制御の他の例を示すためのフローチャートである。
【図6】この発明に係るポンプの制御で使用するマップの一例を示す図である。
【図7】この発明に係るポンプの制御で使用するマップの他の例を示す図である。
【図8】この発明に係るポンプの制御で使用するマップの他の例を示す図である。
【図9】この発明に係るポンプの制御で使用するマップの他の例を示す図である。
【図10】この発明に係るポンプの制御で使用するマップの他の例を示す図である。
【図11】この発明に係るポンプの制御で使用するマップの他の例を示す図である。
【図12】この発明に係るバルブとポンプの制御のための他の構成を示すブロック図である。
【図13】この発明に係るバルブとポンプの制御の他の例を示すためのフローチャートである。
【図14】この発明に係るバルブとポンプの制御のための他の構成を示すブロック図である。
【図15】この発明に係るバルブとポンプの制御の他の例を示すためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
1…エネルギ回収装置、 2…蓄熱器、 3…蓄冷器、 4…流路、 5…熱発電装置、 6…熱変換装置、 7…空調装置、 8…バルブ、 9…ポンプ、 10…制御装置、 11…作動要求信号、 12…蓄熱器情報、 13…蓄冷器情報、 14…走行情報、 15…外気温度情報、 16…記憶装置、 17…環境情報、 18…学習情報。
【技術分野】
【0001】
この発明は、蓄熱器に蓄えられている熱媒体を循環させることにより、熱エネルギ及び電気エネルギを回収するエネルギ回収装置に関するものであり、特に熱エネルギを電気エネルギに変換する熱発電装置と電気エネルギを熱エネルギに変換する熱交換装置とを有し、電気エネルギ及び熱エネルギの回収が最大となるように熱媒体の流路を制御するエネルギ回収装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、熱エネルギを電気エネルギに変換する装置としては、熱電素子の温度差に基づいて電気エネルギを生じる熱発電装置が知られている。このエネルギ回収装置は、ゼーベック効果に基づいて電気エネルギを生じるため、熱電素子の温度差が大きくなるにつれて生じる電気エネルギが大きくなる。そして、発生した熱を熱電素子に伝達することでゼーベック効果による電気エネルギを生じさせて、装置に備える機器へ電力を供給する装置の一例が特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1には、循環する熱媒を強制循環手段により循環させて、この熱媒を流通させる流路とペルチェ素子とが接触する構成が記載されている。このペルチェ素子は、半導体を挟んでいる両側の面の温度差により、電気エネルギが生じる。そして、生じた電気エネルギにより、前記強制循環手段が作動する。
【0004】
また、モーター兼発電機により自動車の運動エネルギを電気エネルギに変換し、この電気エネルギをバッテリーに充電させる自動車の温度制御システムが特許文献2に記載されている。特許文献2には、変換された電気エネルギがバッテリーの蓄電能力を超えている場合には、この超過分の電気エネルギでクーラーを運転して冷熱を発生し、その冷熱を蓄冷器装置に貯蔵する、あるいは、この超過分の電気エネルギでヒーターを運転して熱を発生し、その熱を蓄熱器装置に貯蔵する構成が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−41604号公報
【特許文献2】特開2000−59918号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この特許文献1によれば、循環させている熱媒に基づいて電気エネルギが生成され、この電気エネルギを使用して熱媒を循環させることにより、生成された電気エネルギを有効に活用することができる。しかしながら、熱媒の循環により生成される電気エネルギは熱電素子への熱伝達に基づくゼーベック効果によるものであるため、熱媒の温度や流速などにより熱エネルギと電気エネルギとのエネルギ変換の変換効率が低い場合がある。
【0007】
また、特許文献2によれば、バッテリーの蓄電能力を超えて電気エネルギーが生成されている場合に、この電気エネルギーを熱あるいは冷熱に変換して、この熱を蓄熱器に貯蔵し、冷熱を蓄冷器に貯蔵することができる。しかしながら、触媒の温度や流速などにより電気エネルギから熱エネルギへの変換効率が低い場合は、蓄電能力を超えて生成された電気エネルギを貯蔵する際の貯蔵効率が低くなる場合がある。
【0008】
この発明は上記の課題に着目してなされたものであり、複数のエネルギ変換装置が取り付けられ、各々のエネルギ変換装置について熱媒との熱交換の有無を選択することを可能とするエネルギ回収装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため請求項1の発明は、温熱を蓄える蓄熱器または冷熱を蓄える蓄冷器を有するエネルギ回収装置において、この蓄熱器もしくは蓄冷器に蓄えられて流路に流通される熱媒体を通じて前記蓄熱器もしくは前記蓄冷器に蓄えられた熱エネルギを受け取る熱エネルギ消費部位と、前記蓄熱器もしくは前記蓄冷器と前記熱エネルギ消費部位とを流れ前記熱媒体が循環するように形成された循環流路のうち前記熱媒体の前記熱エネルギ消費部位に対する下流側に設けられたポンプと、複数の流出口を有しこの流出口のいずれか一つの流出口を流通可能に制御し、前記蓄熱器もしくは前記蓄冷器と前記熱エネルギ消費部位との間及び前記熱エネルギ消費部位同士の間及び前記熱エネルギ消費部位と前記ポンプとの間に設けられたバルブと、を有することを特徴とするものである。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、温度を含む環境情報に基づいて前記ポンプと前記バルブとの少なくとも一方に制御信号を出力する制御装置を備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、熱エネルギ消費部位と熱媒体との熱交換の有無を選択することができる。この熱交換の有無は、熱エネルギ消費部位における電気エネルギまたは熱エネルギの回収効率に基づいて判断される。そのために、熱媒体の有する熱エネルギを電気エネルギに変換し、または熱エネルギとして回収するときのエネルギの回収効率が向上する。そして、これによりこのエネルギ回収装置を搭載している駆動装置の燃費が向上し、ドライバビリティが向上する。
【0012】
請求項2の発明によれば、バルブに設けられている各流出口における流通の可否もしくはポンプの流量が温度を含む環境情報に基づいて制御される。そのために、熱媒体の有する熱エネルギを電気エネルギに変換し、または熱エネルギとしての回収の制御を温度を含む環境情報に基づいてすることができる。そして、これによりこのエネルギ回収装置を搭載している駆動装置の燃費が向上し、ドライバビリティが向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
つぎにこの発明を具体例に基づいて詳細に説明する。このエネルギ回収装置1に関する発明は蓄熱器2に蓄えられた熱もしくは蓄冷器3に蓄えられた冷熱を循環流路により循環させて、循環している熱もしくは冷熱の熱媒体の熱エネルギを電気エネルギもしくは熱エネルギとして回収するものである。その熱媒体の循環する流路を模式的に記した図が図1に記載されている。図1においては熱又は冷熱を循環させる流路4に電気エネルギもしくは熱エネルギとしてエネルギの回収を可能とする熱エネルギ消費部位が取り付けられている。この熱エネルギ消費部位に該当する具体例として、図1に熱発電装置5と熱変換装置6と空調装置7とが取り付けられている例を記載する。
【0014】
熱発電装置5は、熱エネルギを電気エネルギに変換する装置に該当する。一例としては熱電素子が熱発電装置5に該当し、この時はゼーベック効果により流路4を循環している熱媒体の熱エネルギが電気エネルギに変換される。この熱発電装置5は、熱発電装置5と熱媒体との温度差が大きくなるにつれて生じる電気エネルギ量も大きくなる。また、熱変換装置6は電気エネルギを熱エネルギに変換する装置に該当し、この熱変換装置6が熱電素子の場合は、ペルチェ効果により電気エネルギが生成される。そして、空調装置7は、熱媒体の熱エネルギが熱伝達されることにより熱エネルギを回収する装置に該当する。したがって、熱媒体と熱電素子との温度差が小さい場合でも、熱媒体の有する熱容量が多い場合には有効に熱エネルギを回収することができる。
【0015】
熱媒体と熱発電装置5もしくは熱変換装置6もしくは空調装置7との間で熱交換の可否を制御することができる。この熱交換の可否は流路4に設けられたバルブ8により制御される。このバルブは熱発電装置5を取り付けた流路4への流通の可否及び熱変換装置6を取り付けた流路4への流通の可否及び空調装置7を取り付けた流路4への流通の可否を選択可能に取り付けられている。具体的には、三方弁のように流路を切り替える切替弁と、流路への流通の可否を制御する電磁弁とが挙げられる。すなわち、蓄熱器2もしくは蓄冷器3と熱発電装置5との間にバルブが取り付けられ、前記熱発電装置5と熱変換装置6との間にバルブ8が取り付けられ、前記熱変換装置6と空調装置7との間にバルブ8が取り付けられる。
【0016】
この発明では、熱媒体を有効に循環させるために流路4にポンプ9が取り付けられている。このポンプ9は、蓄熱器2または蓄冷器3に蓄えられた熱媒体の循環効率を向上させるために取り付けられており、蓄熱器2もしくは蓄冷器3から循環された熱媒体が熱発電装置5や熱変換装置6や空調装置7を流通した後にポンプ9を通過する。この熱媒体は、ポンプ9の加圧による制御により流通しており、具体的にはこの熱媒体は熱発電装置5や熱変換装置6や空調装置7からポンプ9を経由して蓄熱器2もしくは蓄冷器3に流通している。換言すれば、このポンプ9はこの熱媒体の循環における熱発電装置5及び熱変換装置6及び空調装置7の下流側に取り付けられている。
【0017】
図2には、蓄熱器2または蓄冷器3の情報などをマイクロコンピュータを主体とする制御装置10に入力して、この制御装置10からバルブ8やポンプ9に対して制御についての指示を出力する模式図が記載されている。制御装置10に入力されている情報には、作動要求信号11と蓄熱器情報12もしくは蓄冷器情報13が挙げられる。
【0018】
作動要求信号11は、車両に搭載されたスイッチであってもよく、あるいは空調を行うためのスイッチから出力される信号であってもよい。これらの信号は無線もしくは有線による通信に基づいて受信される。また、蓄熱器情報12は蓄熱器2に蓄えられた熱を循環させる場合における熱媒体の物理量についての情報であり、具体的には熱量や温度や流量や流速が該当する。さらに、蓄冷器情報13は蓄冷器3に蓄えられた冷熱を循環させる場合における熱媒体の物理量についての情報であり。具体的には熱量や温度や流量や流速が該当する。これらの蓄熱器情報12もしくは蓄冷器情報13は流量計や流速計や温度計により測定される。
【0019】
制御装置10では、入力された作動要求信号11及び蓄熱器情報12もしくは蓄冷器情報13に基づいて、エネルギ回収装置において最もエネルギ回収の良いバルブ8とポンプ9との制御が計算される。具体的には、バルブ8の制御は分岐している流路4のうち、一の流路4について熱媒体を流通可能とするようにバルブ8を調節可能とする制御である。このバルブ8の制御は、制御装置10からバルブ8への指示が伝達されることにより行われる。また、ポンプ9の制御はポンプ9の開度の調節にあたり、流路4を流通している熱媒体の流量の調節が可能である。このポンプ9の制御は、制御装置10からポンプ9への指示の伝達により行われる。
【0020】
バルブ8の制御については、三方弁のときは、二つ設けられている流出口のいずれか一つが閉じられることにより、他方の流路4に熱媒体が流通される。また、電磁弁のときは、弁が開いているときは電磁弁の取り付けられている流路4に熱媒体が流通され、弁が閉じているときは電磁弁の取り付けられていない流路4に熱媒体が流通される。
【0021】
この発明における熱媒体の流通に関する制御を示すフローについて、以下に説明する。その一のフローチャートが図3に示される。まず、制御装置10に作動要求信号11が入力される(ステップS01)。次に、制御装置10に蓄熱器情報12もしくは蓄冷器情報13が入力される(ステップS02)。さらに、制御装置10に入力された各情報に基づいて、各々のバルブ8の開閉が判断されて、各々のバルブ8の開閉が作動する(ステップS03)。そして、制御装置10に入力された各情報に基づいて、流路4に取り付けられているポンプ9の制御が実行される(ステップS04)。
【0022】
図4では、蓄熱器2または蓄冷器3の情報などを制御装置10に入力して、この制御装置10からポンプ9及びバルブ8に制御についての指示を出力する他の模式図が記載されている。この制御装置10では、作動要求信号11と蓄熱器情報12もしくは蓄冷器情報13と車両の走行情報14と外気温度情報15とに基づいて、ポンプ9の制御とバルブ8の制御とが制御される。車両の走行情報14には、車速などの駆動装置の移動速度や、シフトなどの情報が挙げられ、車速の情報は速度計などの測定装置で、シフトはギアの周辺にセンサを設けることにより測定される。また、外気温度情報15は車両の外部の温度に関する情報に該当する。制御装置10に入力されたこれらの情報に基づいて、このエネルギ回収装置1において最もエネルギ回収の良い流量と流路との制御が計算される。バルブ8とポンプ9との制御については、前述した図2と同様であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0023】
この発明における熱媒体の流通に関する制御を示す他のフローについて、以下に説明する。その一のフローチャートが図5(a)及び図5(b)に示される。まず、制御装置10に作動要求信号11が入力される(ステップS11,S11’)。次に、制御装置10に走行情報14が入力される(ステップS12,S12’)。その次に、制御装置10に外気温度情報15が入力される(ステップS13,S13’)。さらに次に、制御装置10に蓄熱器情報12が入力され(ステップS14)もしくは蓄冷器情報13が入力される(ステップS14’)。
【0024】
この次に、ステップS11からステップS14もしくはステップS11’からステップS14’で入力された各情報に基づいて、ポンプ9の駆動割合が算出される(ステップS15,S15’)。この駆動割合の算出にはマップが用いられ、このマップは制御装置10もしくは制御装置10に対して情報を出力可能とするように接続されている記憶装置16に入力されている。このマップにより駆動割合の算出に用いられる開度αと各補正係数β1,β2,γ1,γ2についての詳細は後述する。そして、これらの補正係数に基づいてポンプ9の駆動割合が求められ、その例としてはαとβ1とγ1とを乗じた数値もしくはαとβ2とγ2とに基づいてポンプ9の駆動割合が算出される。この駆動割合の算出の後に、制御装置10に入力された各情報及び算出されたポンプ駆動割合に基づいて各々のバルブ8の開閉が判断されて、各々のバルブ8の開閉が作動する(ステップS16,S16’)。そして、算出されたポンプ9の駆動割合に基づいて、流路4に取り付けられているポンプ9の制御が実行される(ステップS17,S17’)。
【0025】
ポンプ9の駆動割合の算出に用いられるマップについて、以下に説明を行う。図6には、ポンプ9の開度αと流路4に流通される流量との関係を記したマップが記されている。このマップでは、ポンプ9の開度αの上昇に伴い流路4を流通する熱媒体の流量が大きくなる。これは、ポンプ9の開度αが大きい時では流路4を流通する熱媒体を吸い込む力が大きくなることに起因する。
【0026】
また、図7には、車速とポンプ9の開度αとの関係を記したマップが記されている。このマップでは、車速が低い時はポンプ9の開度αは一定であるが、車速が一定値以上になると、車速の上昇にしたがってポンプ9の開度αが上昇する。これは、車速が小さい時は、エネルギ回収装置1の受ける風が弱いため、熱媒体もしくは熱発電装置5もしくは熱変換装置6もしくは空調装置7からの放熱量が小さくなる。したがって、ポンプ9の開度αを小さくすることにより、ポンプ9で消費される電気エネルギが減少し、かつ熱媒体の熱エネルギを熱発電装置5もしくは熱変換装置6もしくは空調装置7へ伝達することができる。
【0027】
一方で、車速が一定値以上のときはエネルギ回収装置1の受ける風が強いため、熱媒体もしくは熱発電装置5もしくは熱変換装置6もしくは空調装置7からの放熱量が大きくなる。したがって、ポンプ9の開度αを大きくすることで、熱発電装置5もしくは熱変換装置6もしくは空調装置7から放熱された熱エネルギが熱媒体から有効に伝達される。そのため、車速が一定値以上の時は、車速の上昇にしたがってポンプ9の開度αが上昇する。
【0028】
図8には、蓄熱器2に蓄えられている熱媒体を循環させるときのポンプ9の駆動割合に関する補正係数β1についてのマップが記されている。蓄熱器2に蓄えられた熱媒体が流路4を流通している場合には、外気温度が低くなるにつれてポンプ9の駆動割合に関する補正係数β1が大きくなる。これは、外気温度が低くなるにつれて暖房もしくは外気との温度差による熱発電に使用されるエネルギが増大するため、蓄熱器2に蓄えられている熱媒体からより多くの熱エネルギを受け取る必要が生じるためである。また、外気温度が一定値以上のときは、暖房が使用されないため、ポンプ9の駆動割合の低い状態で一定に保たれるように補正係数β1が制御される。
【0029】
図9では、蓄冷器3に蓄えられている熱媒体を循環させるときのポンプ9の駆動割合に関する補正係数β2についてのマップが記されている。蓄冷器3に蓄えられた熱媒体が流路4を流通している場合には、外気温度が高くなるにつれてポンプ9の駆動割合に関する補正係数β2が大きくなる。これは、外気温度が高くなるにつれて冷房もしくは外気との温度差による熱発電に使用されるエネルギが増大するため、ポンプ9の駆動割合を大きくすることにより蓄冷器3に蓄えられている熱媒体からより多くの熱エネルギを受け取る必要が生じるためである。また、外気温度が一定値以下のときは、冷房が使用されないため、ポンプ9の駆動割合の低い状態で一定に保たれるように補正係数β2が制御される。
【0030】
図10では、蓄熱器2に蓄えられている熱媒体を循環させるときのポンプ9の駆動割合に関する補正係数γ1についてのマップが記されている。蓄熱器2に蓄えられた熱媒体が流路4を流通している場合には、蓄熱気温度すなわち熱媒体の温度が低くなるにつれてポンプの駆動割合に関する補正値γ1が大きくなる。これは、熱媒体と熱発電装置5もしくは熱変換装置6もしくは空調装置7との温度差が小さくなるため、流路4に流通させる熱媒体の流量を増加させることにより、熱媒体と熱発電装置5もしくは熱変換装置6もしくは空調装置7との熱交換を行う必要性が生じるためである。
【0031】
また、蓄熱器温度が一定値以上のときは、流路4を流通している熱媒体と熱発電装置5もしくは熱変換装置6もしくは空調装置7との間で熱交換が実行され、熱媒体と熱発電装置5もしくは熱変換装置6もしくは空調装置7との間で熱平衡状態になる。そのため、熱媒体温度が一定値以上のときは、ポンプ9の駆動割合の低い状態で一定に保ちポンプの消費動力が最小となるように補正係数γ1が制御される。
【0032】
図11では、蓄冷器3に蓄えられている熱媒体を循環させるときのポンプ9の駆動割合に関する補正係数γ2についてのマップが記されている。蓄冷器3に蓄えられた熱媒体が流路4を流通している場合には、蓄冷器温度すなわち熱媒体の温度が高くなるにつれてポンプ9の駆動割合に関する補正値γ2が大きくなる。これは、熱媒体と熱発電装置5もしくは熱変換装置6もしくは空調装置7との温度差が小さくなるため、流路4に流通させる熱媒体の流量を増加させることにより、熱媒体と熱発電装置5もしくは熱変換装置6もしくは空調装置7との熱交換を行うためである。
【0033】
また、蓄冷器温度が一定値以下のときは、流路4を流通している熱媒体と熱発電装置5もしくは熱変換装置6もしくは空調装置7との間の熱交換が有効に実行され、熱媒体と熱発電装置5もしくは熱変換装置6もしくは空調装置7との間で熱平衡状態になる。そのため、熱媒体温度が一定値以下のときは、ポンプ9の駆動割合の低い状態で一定に保ちポンプの消費動力が最小となるように補正係数γ2が制御される。
【0034】
図12では、蓄熱器2または蓄冷器3の情報などを制御装置10に入力して、この制御装置10からバルブ8やポンプ9の制御についての指示が出力される他の模式図が記載されている。この制御装置10では、作動要求信号11と蓄熱器情報12もしくは蓄冷器情報13と車両の走行情報14と外気温度情報15と環境情報17とに基づいて、バルブ8とポンプ9とが制御される。
【0035】
環境情報17には、渋滞、工事中、積雪、土砂崩れ、河川の増水、通行止め、落石、倒木、交差点での停止車両、人や動物の存在、接近している前方交差点の信号機の表示(赤色、黄色、青色の別)、前方踏切の信号機や遮断機の動作状態、これらの信号機の表示もしくは遮断機の動作状態などが切り替わるまでの時間、天候、日照量、風速などの情報が該当する。この環境情報17は、各情報に対応したセンサにより検出される。そして、制御装置10に入力されたこれらの情報に基づいて、エネルギ回収装置1において最もエネルギ回収の良い流量と流路4とが計算される。バルブ8とポンプ9との調節については、前述した図2と同様であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0036】
この発明における熱媒体の流通に関する制御を示す他のフローについて、以下に説明する。そのフローチャートを図13(a)および図13(b)に示す。ステップS21からステップS23及びステップS21’からステップS23’については、前述したステップS11からステップS13と同一であるため、符号を付してその説明を省略する。次に、制御装置10に環境情報17が入力される(ステップS24,S24’)。さらに次に、制御装置10に蓄熱器情報4が入力され(ステップS25)もしくは蓄冷器情報5が入力される(ステップS25’)。
【0037】
この次に、ステップS21からステップS25もしくはステップS21’からステップS25’で入力された各情報に基づいて、ポンプ9の駆動割合が算出される(ステップS26,S26’)。この算出には、制御装置10もしくは制御装置10に対して情報を出力可能とするように接続されている記憶装置16に入力されているマップが用いられる。ステップS27,S27’とステップS28,S28’とは、前述したステップS16とステップS17と同一であるため、符号を付してその説明を省略する。
【0038】
図14では、蓄熱器2または蓄冷器3の情報などを制御装置10に入力して、この制御装置10からバルブ8やポンプ9の制御についての指示を出力する他の模式図が記載されている。この制御装置10では、作動要求信号11と蓄熱器情報12もしくは蓄冷器情報13と車両の走行情報14と外気温度情報15と環境情報17と学習情報18とに基づいて、バルブ8とポンプ9とが制御される。学習情報18としては、制御装置10に入力された作動要求信号11と蓄熱器情報12もしくは蓄冷器情報13と車両の走行情報14と外気温度情報15と環境情報17とを記憶装置16に蓄積した情報が該当する。
【0039】
より具体的には、制御装置10に入力された車速などの車両の移動速度やシフトなどの情報が記憶装置16に入力されて蓄積されることにより、車両の走行情報14に関する学習情報が得られる。また、車両の外部の温度に関する情報が記憶装置16に入力されて蓄積されることにより、外気温度情報15に関する学習情報が得られる。さらに、車両に搭載されたスイッチや空調を行うためのスイッチから出力される信号が記憶装置16に入力されて蓄積されることにより、作動要求信号11に関する学習情報が得られる。
【0040】
車両に搭載されたスイッチとしては、オーディオのスイッチやカーナビのスイッチが該当する。さらにまた、渋滞、工事中、積雪、土砂崩れ、河川の増水、通行止め、落石、倒木、交差点での停止車両、人や動物の存在、接近している前方交差点の信号機の表示(赤色、黄色、青色の別)、前方踏切の信号機や遮断機の動作状態、これらの信号機の表示もしくは遮断機の動作状態などが切り替わるまでの時間、天候、日照量、風速などの情報が記憶装置16に入力されて蓄積されることにより、環境情報17に関する学習情報18が得られる。そしてまた、蓄熱器2もしくは蓄冷器3から流出される熱媒体の熱量や温度や流量や流速など、熱媒体に関する情報が記憶装置16に入力されて蓄積されることにより、蓄熱器情報12もしくは蓄冷器情報13に関する学習情報18が得られる。
【0041】
そして、制御装置10に入力された車両の走行情報14と外気温度情報15と作動要求信号11と環境情報17と蓄熱器情報12もしくは蓄冷器情報13と学習情報18とに基づいて、エネルギ回収装置1において最もエネルギ回収の良い流量と流路4が計算される。バルブ8とポンプ9の調節については、前述した図2と同様であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0042】
この発明における熱媒体の流通に関する制御を示す他のフローについて、以下に説明する。そのフローチャートを図15(a)および図15(b)に示す。ステップS31からステップS33もしくはステップS31’からステップS33’については、前述したステップS11からステップS13と同一であるため、符号を付してその説明を省略する。次に、記憶装置16に入力されて蓄積されている学習情報18が制御装置10に入力される(ステップS34,S34’)。ステップS35からステップS36もしくはステップS35’からステップS36’については、前述したステップS24とステップS25もしくはステップS24’からステップS25’と同一であるため、符号を付してその説明を省略する。
【0043】
この次に、ステップS31からステップS36もしくはステップS31’からステップS36’で入力された各情報に基づいて、ポンプの駆動割合が算出される(ステップS37,S37’)。この算出には、制御装置10もしくは制御装置10に対して情報を出力可能とするように接続されている記憶装置16に入力されているマップが用いられる。これらのマップにおけるパラメータにあたる流量や車速や外気温度や蓄熱器温度もしくは蓄冷器温度は、センサ等により制御装置10に入力されている情報と、記憶装置16に記憶されている情報とから導き出される情報にあたる。そして、ステップS38とステップS39もしくはステップS38’からS39’は、前述したステップS16とステップS17と同一であるため、符号を付してその説明を省略する。
【0044】
なお、この発明で流路に取り付けられている熱発電装置と熱変換装置と空調装置に限られず、熱媒体との熱伝導により熱エネルギを回収する装置が流路に取り付けられていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】この発明に係るエネルギ回収装置を模式的に示す図である。
【図2】この発明に係るバルブとポンプの制御のための一の構成を示すブロック図である。
【図3】この発明に係るバルブとポンプの制御の一例を示すためのフローチャートである。
【図4】この発明に係るバルブとポンプの制御のための他の構成を示すブロック図である。
【図5】この発明に係るバルブとポンプの制御の他の例を示すためのフローチャートである。
【図6】この発明に係るポンプの制御で使用するマップの一例を示す図である。
【図7】この発明に係るポンプの制御で使用するマップの他の例を示す図である。
【図8】この発明に係るポンプの制御で使用するマップの他の例を示す図である。
【図9】この発明に係るポンプの制御で使用するマップの他の例を示す図である。
【図10】この発明に係るポンプの制御で使用するマップの他の例を示す図である。
【図11】この発明に係るポンプの制御で使用するマップの他の例を示す図である。
【図12】この発明に係るバルブとポンプの制御のための他の構成を示すブロック図である。
【図13】この発明に係るバルブとポンプの制御の他の例を示すためのフローチャートである。
【図14】この発明に係るバルブとポンプの制御のための他の構成を示すブロック図である。
【図15】この発明に係るバルブとポンプの制御の他の例を示すためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
1…エネルギ回収装置、 2…蓄熱器、 3…蓄冷器、 4…流路、 5…熱発電装置、 6…熱変換装置、 7…空調装置、 8…バルブ、 9…ポンプ、 10…制御装置、 11…作動要求信号、 12…蓄熱器情報、 13…蓄冷器情報、 14…走行情報、 15…外気温度情報、 16…記憶装置、 17…環境情報、 18…学習情報。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温熱を蓄える蓄熱器または冷熱を蓄える蓄冷器を有するエネルギ回収装置において、
この蓄熱器もしくは蓄冷器に蓄えられて流路に流通される熱媒体を通じて前記蓄熱器もしくは前記蓄冷器に蓄えられた熱エネルギを受け取る熱エネルギ消費部位と、
前記蓄熱器もしくは前記蓄冷器と前記熱エネルギ消費部位とを流れ前記熱媒体が循環するように形成された循環流路のうち前記熱媒体の前記熱エネルギ消費部位に対する下流側に設けられたポンプと、
複数の流出口を有しこの流出口のいずれか一つの流出口を流通可能に制御し、前記蓄熱器もしくは前記蓄冷器と前記熱エネルギ消費部位との間及び前記熱エネルギ消費部位同士の間及び前記熱エネルギ消費部位と前記ポンプとの間に設けられたバルブと、
を有することを特徴とするエネルギ回収装置。
【請求項2】
温度を含む環境情報に基づいて前記ポンプと前記バルブとの少なくとも一方に制御信号を出力する制御装置を備えていることを特徴とする請求項1に記載のエネルギ回収装置。
【請求項1】
温熱を蓄える蓄熱器または冷熱を蓄える蓄冷器を有するエネルギ回収装置において、
この蓄熱器もしくは蓄冷器に蓄えられて流路に流通される熱媒体を通じて前記蓄熱器もしくは前記蓄冷器に蓄えられた熱エネルギを受け取る熱エネルギ消費部位と、
前記蓄熱器もしくは前記蓄冷器と前記熱エネルギ消費部位とを流れ前記熱媒体が循環するように形成された循環流路のうち前記熱媒体の前記熱エネルギ消費部位に対する下流側に設けられたポンプと、
複数の流出口を有しこの流出口のいずれか一つの流出口を流通可能に制御し、前記蓄熱器もしくは前記蓄冷器と前記熱エネルギ消費部位との間及び前記熱エネルギ消費部位同士の間及び前記熱エネルギ消費部位と前記ポンプとの間に設けられたバルブと、
を有することを特徴とするエネルギ回収装置。
【請求項2】
温度を含む環境情報に基づいて前記ポンプと前記バルブとの少なくとも一方に制御信号を出力する制御装置を備えていることを特徴とする請求項1に記載のエネルギ回収装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−90748(P2009−90748A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−261575(P2007−261575)
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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