説明

エピナスチン及び1又は2以上の追加のミネラル又は1又は2以上の生薬のコンビネーションを含む皮膚疾患の治療用医薬組成物

本発明は、皮膚疾患の治療用医薬組成物に関する。具体的には、本発明に記載の組成物は、皮膚疾患由来の様々な症候のうち、アレルギー反応に関連する皮膚疾患の治療にかなり有効である。これらの組成物は、抗ヒスタミン有効量のエピナスチン又は医薬的に許容され得るそれらの塩及び1又は2以上の追加の医薬的に許容され得るミネラル又は1又は2以上の医薬的に許容され得る生薬を含む。また、その組成物は、医薬的に許容され得る添加剤を含んでいてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚疾患の治療用医薬組成物に関する。具体的には、本発明に記載の組成物は、皮膚疾患由来の様々な症候のうち、アレルギー反応に関連する皮膚疾患の治療に非常に有効である。第1の態様において、これらの組成物は、抗ヒスタミン有効量のエピナスチン又は医薬的に許容され得るそれらの塩及び薬理学的活性化合物としての1又は2以上の追加の医薬的に許容され得るミネラルを含む。第2の態様において、これらの組成物は、抗ヒスタミン有効量のエピナスチン又は医薬的に許容され得るそれらの塩及び薬理学的活性化合物としての1又は2以上の医薬的に許容され得る生薬を含む。また、その組成物は、医薬的に許容され得る添加剤を含んでいてもよい。
さらに、本発明は、皮膚疾患、例えば、蕁麻疹、湿疹及び皮膚のかぶれ、痒疹及び尋常性乾癬に由来する掻痒(かゆみ)のような症候の治療のための、これら組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食事及びライフスタイルの変化、大気汚染、環境条件の悪化等の様々な要因による環境化学物質への曝露の増加及び社会生活からのストレスの増加等により、アレルギー性反応に関連する進行性皮膚疾患の発生率は増加している。アレルギー反応に関連するこれら皮膚疾患としては、蕁麻疹、湿疹、皮膚のかぶれ及び皮膚炎が挙げられる。掻痒、痒疹及び尋常性乾癬により代表されるかゆみを伴う皮膚疾患は、数として多い。
蕁麻疹、別名膨疹は、一過性の浮腫である。その疾患は、皮膚の痒み感覚の突然の発生、その後の膨疹様に膨らんだ明確な皮疹の進行及びひっかき行動により悪化する爪体から手掌の大きさへの成長により特徴付けられる。
【0003】
その症候は、数分から数時間以内に消失し、いずれの皮膚症状も残さないかも知れないが、皮疹への進行エピソードは、再発するかもしれない。蕁麻疹の原因としては、自己感作、月経困難に関連する感作、妊娠、食物、医薬及び虫刺され、熱、寒気、機械刺激及び光に対する異常応答、細菌感作に対する遠隔応答、胃腸、肝臓及び腎臓疾患、内分泌障害の関与、及び心理学的因子が挙げられる。
湿疹又は皮膚炎は、皮膚の炎症応答により特徴付けられる最も主要な皮膚疾患である。湿疹及び皮膚炎は、多くの場合、概して湿疹性皮膚炎グループとみなされる。多くの場合、その疾患は、外部刺激(多くの化学物質、芳香剤、金属、清浄剤、薬、植物、細菌、昆虫、日光、熱、寒気、乾燥)、内部異常(局所的異常、例えば発汗、皮脂分泌異常、異常な角化症、及び全身性の異常、例えばアトピー体質、感作部位、消化疾患、腎不全、内分泌障害)及び身体状態により生じる病理的相互作用により発生する。湿疹性皮膚炎グループとしては、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、脂漏性湿疹、貨幣状湿疹、自家感作性皮膚炎及び慢性単純性苔癬ヴィダルが挙げられる。
【0004】
主婦湿疹、進行性指掌角皮症、おむつ皮膚炎及び光接触皮膚炎は、一般的な接触性皮膚炎に分類される。さらに、そのグループとしては、散在(diffuse)神経皮膚炎、鬱滞性皮膚炎、湿疹様感染性皮膚炎、及び口囲皮膚炎が挙げられる。また、広域には、放射線皮膚炎、熱傷(やけど)、及び凍瘡が含まれる。
掻痒は、明らかに正常な皮膚における痒み感覚(かゆみ)の発生により特徴付けられる疾患である。侵された患部の範囲の掻痒は、一般的な掻痒及び局所的な掻痒に分けられる。疾患は、様々な原因に由来し、多くの場合、全身性疾患の症候として進行する。
【0005】
痒疹は、極度の痒みを現し、慢性又は再発性の症候に発展する丘疹又は蕁麻疹様の小瘤であり、急性痒疹、例えば、小児ストロフルス、蕁麻疹様苔癬、夏季痒疹、急性単純性痒疹、亜急性痒疹、例えば亜急性単純性痒疹及び慢性痒疹、例えば、多形慢性痒疹、結節性痒疹、ヘブラ痒疹及び慢性単純性痒疹に広く分類することができる。病因のメカニズムは、明らかではない。急性痒疹においては虫刺され、慢性痒疹においては真性糖尿病、肝障害、白血病、ホジキン病、内臓の癌及び赤血球増加症が原因と考えられる。
【0006】
尋常性乾癬は、炎症性皮膚疾患であり、表皮増殖性及び炎症性細胞浸潤の組織学的特徴を現す。皮疹は、一般的に、頭部、手足(extremities)の先端(extension)部位、及び機械的圧縮に特に接触すると思われる体幹部分において進行し、そのほぼ半分に掻痒が観察される。免疫異常が疾患の原因に関連するかも知れない。
【0007】
周囲状況の改善、例えば、原因抗原の排除が、これら皮膚疾患、特にアレルギー性皮膚疾患の治療のための最も重要な因子であることが重要視されている。それにもかかわらず、既に概説したように、病因は、変化し、複雑なものであるため、多くの場合確認しがたい。従って、抗ヒスタミン化合物を合わせた組成物は、皮膚疾患から生じる痒み感覚を含むこれらの症候の治療によく選択される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的
本発明は、第1の態様において、皮膚疾患、好ましくはアレルギー反応に関連する皮膚疾患の予防及び/又は治療のための、エピナスチン又は医薬的に許容され得るそれらの塩、及び、薬理学的活性化合物としての1又は2以上の追加の医薬的に許容され得るミネラルを含む医薬組成物及び投与形態であって、その明らかな有用性により有効な改善が達成されるものを提供する。
さらに、本発明は、皮膚疾患、好ましくはアレルギー反応に関連する皮膚疾患の予防及び/又は治療のための、エピナスチン又は医薬的に許容され得るそれらの塩、及び、薬理学的活性化合物としての1又は2以上の追加の医薬的に許容され得る生薬を含む医薬組成物及び投与形態であって、その明らかな有用性により有効な改善が達成されるものを提供する。
【0009】
さらに、本発明は、皮膚疾患、好ましくはアレルギー反応に関連する皮膚疾患の予防及び/又は治療のための、活性薬剤としてエピナスチン又は医薬的に許容され得るそれらの塩を含む医薬組成物、及び、一緒に又は時間ずらして投与するための薬理学的活性化合物としての1又は2以上の追加の医薬的に許容され得るミネラルを含む医薬組成物を含む医薬パッケージであって、その明らかな有用性により有効な改善が達成されるものを提供する。
【0010】
さらに、本発明は、皮膚疾患、好ましくはアレルギー反応に関連する皮膚疾患の予防及び/又は治療のための、活性薬剤としてエピナスチン又は医薬的に許容され得るそれらの塩を含む医薬組成物、及び、一緒に又は時間をずらして投与するための薬理学的活性化合物としての1又は2以上の追加の医薬的に許容され得る生薬を含む医薬組成物を含む医薬パッケージであって、その明らかな有用性により有効な改善が達成されるものを提供する。
さらに、本発明は、痒み、具体的には、蕁麻疹、湿疹、かぶれ、皮膚炎、痒疹、皮疹及び痒み感覚を伴う尋常性乾癬に付随する皮膚疾患の症候を明らかに改善する有効性の高い医薬化合物を使用することによる、皮膚疾患の治療用医薬の製造における前記医薬組成物の使用を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
発明の詳細な説明
本発明は、抗ヒスタミン有効量のエピナスチン又は医薬的に許容され得るそれらの塩及び薬理学的活性化合物としての1又は2以上の追加の医薬的に許容され得るミネラルを含む、皮膚疾患の予防及び/又は治療用の医薬組成物、投与形態及びパッケージに関する。
さらに、本発明は、抗ヒスタミン有効量のエピナスチン又は医薬的に許容され得るそれらの塩及び薬理学的活性化合物としての1又は2以上の追加の医薬的に許容され得る生薬を含む、皮膚疾患の予防及び/又は治療用の医薬組成物、投与形態及びパッケージに関する。
【0012】
エピナスチン、(±)3-アミノ-9,13b-ジヒドロ-1H-ジベンズ[c,f]イミダゾ[1,5-a]アゼピン、それらの各塩酸塩は、H1-抗ヒスタミン性を有する薬物である。主に、それは、眼及び鼻粘膜のアレルギー反応を治療するために使用されてきた。
本発明の医薬組成物、投与形態及びパッケージは、塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、スルホン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、硫酸塩及びリン酸塩又は遊離塩基の形態において、エピナスチンを含む。好ましくは、塩酸エピナスチンである。
エピナスチン又は薬理学的に許容され得るそれらの塩の量は、投与経路に依存する。
【0013】
経口投与の場合、成人の塩酸エピナスチンに相当する、エピナスチン又は薬理学的に許容され得るそれらの塩の1日量は、疾患の重症度及びステージ、患者の体重及び当業者に公知のさらなるパラメータにより、約2〜20mg/日である。好ましくは1日量5〜15mg、特に好ましくは1日量7.5〜12.5mgである。1日量を、1日1回(例えば、1日1錠)で、又は1日に何回かに分けて、例えば1日3回(例えば、1日3錠分3)で投与することができる。同様に、経口投与(例えば、錠剤又はカプセル剤)用の投与単位当たり、塩酸エピナスチンと同当量のエピナスチン又は薬理学的に許容され得るそれらの塩の量は、0.2〜20mg、好ましくは0.5〜15、特に好ましくは0.75〜12.5mgである。
【0014】
局所投与の場合、塩酸エピナスチンに相当する量は、投与形態1g当たり1〜50mg、好ましくは投与形態1g当たり2〜30mg、より好ましくは投与形態1g当たり5〜15mgである。
本発明の1つの態様において、医薬組成物は、抗ヒスタミン有効量のエピナスチン又は医薬的に許容され得るそれらの塩、及び1又は2以上の追加の医薬的に許容され得るミネラルを含む。本発明においてミネラルは、カルシウム、亜鉛、鉄、リン、マグネシウム、カリウム、銅、ヨウ素、マンガン、セレン、クロム及びモリブデンからなる群から選ばれる1又は2以上の元素を含む医薬的に許容され得る化合物を意味する。これらミネラルの1又は2以上の化合物は、本発明を配合するために使用されてもよい。
【0015】
本発明に使用されるミネラルは、合成化合物、例えば化学合成化合物及び酵素的合成化合物、並びに天然の生成物又はその分離及び精製の形態を含む。
本発明のこの態様に使用されるミネラルの形態に制限はない。その形態の例としては、ミネラル、塩、酸化物、タンパク質複合体、タンパク質スプリット(split)生成物の複合体、多糖類複合体、多糖類スプリット生成物の複合体、改質デンプン複合体、シクロデキストリン複合体、ミネラルを含む金属酵素、例えばスーパーオキシドジスムターゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ及び酸ホスファターゼ、ホスホグルコムターゼの金属活性酵素、活性中心の外側に金属を含む酵素又は補酵素が挙げられる。
【0016】
本発明のこの態様において、好ましいミネラルは、以下のものからなる群より選ばれるものを意味する:グルコン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、無水リン酸二塩基カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、クエン酸カルシウム、L-アスパラギン酸カルシウム、L-グルタミン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、カルシウム5'-リボヌクレオチド、硫酸カルシウム、リン酸三カルシウム、プロピオン酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム(リン酸一塩基カルシウム)、ピロリン酸二水素カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ステアロイル-2-乳酸カルシウム、酸化カルシウム、硫酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、亜鉛酵母、鉄、硫酸鉄、クエン酸鉄、クエン酸鉄ナトリウム、グルコン酸鉄、ピロリン酸鉄(ピロリン酸鉄[III])、コハク酸鉄、塩化鉄、乳酸鉄、含糖酸化鉄、硫酸コンドロイチン/鉄コロイド、クエン酸アンモニウム鉄、酸化鉄レッド(三二酸化鉄)、フェリチン、ヘム鉄、リン酸、リン酸二水素カリウム、一リン酸カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、二リン酸ナトリウム、一リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、二リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、二リン酸マグネシウム、二リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、三リン酸五カリウム、ポリリン酸ナトリウム、六メタリン酸ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、塩化マグネシウム、酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、水酸化アルミニウムマグネシウム、L-アスパラギン酸マグネシウム、L-グルタミン酸マグネシウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、炭酸カリウム、クエン酸二水素カリウム、クエン酸三カリウム、グルコン酸カリウム、酢酸カリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、水酸化カリウム、硫酸カリウムアルミニウム、L-アスパラギン酸カリウム、L-グルタミン酸一カリウム、硫酸銅、グルコン酸銅、銅クロロフィリンナトリウム、銅酵母、ヨウ素、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨードレシチン、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、マグネシウム酵母、セレン化ナトリウム、二硫化セレン、セレノシステイン、セレノメチオニン、セレン酵母、塩化クロム、クロム酵母、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酵母。
【0017】
さらに、本発明のこの態様の組成物は、他の薬理学的活性組成物、例えば、エピナスチン以外の抗ヒスタミン剤、例えばジフェンヒドラミン、クロロフェニラミン、カルビノキサミン、ジフェニルピラリン及びプロメタジン、消炎剤、例えば、グリチルリジン酸(グリシリジン)、グリシルリジン酸二カリウム、グリシルリジン酸カリウム、グリシルリジン酸一アンモニウム、グリシルリジン酸二アンモニウム、グリシルレチン酸、及びトラネキサム酸、ビタミンB群及びビタミン様活性物質、例えばビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸、オロト酸、リポ酸、p-アミノ安息香酸、イノシトール、カルニチン及びコリン、抗酸化性ビタミン及び抗酸化性ビタミン様物質、例えばビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、ユビキノン、パンガミン酸、及びフラボノイド、硫黄含有アミノ酸、例えばシステイン、メチオニン、アミノエチル硫酸及びグルタチオン及びビタミンD群、例えばエルゴカルシフェロール及びコレカルシフェノールが挙げられる。
【0018】
本発明のこの態様において配合するためのミネラルの量は、使用するミネラルの種類により変わるが、成人1日当たりの経口使用量は、約0.3μg〜4000mg、局所用では約0.1mg/g〜800mg/gである。
さらに詳細には、本発明のこの態様において配合するための各ミネラルのコンビネーション量は、成人1日につき以下のようである:
カルシウム含有ミネラルとしてのカルシウムのコンビネーション量は、好ましくは2500mg以下、より好ましくは10mg〜600mg、最も好ましくは30mg〜300mgである。
亜鉛含有ミネラルとしての亜鉛のコンビネーション量は、好ましくは30mg以下、より好ましくは0.02mg〜24mg、最も好ましくは0.12mg〜12mgである。
【0019】
鉄含有ミネラルとしての鉄のコンビネーション量は、好ましくは40mg以下、より好ましくは0.01mg〜20mg、最も好ましくは0.1mg〜10mgである。
リン含有ミネラルとしてのリンのコンビネーション量は、好ましくは4000mg以下、より好ましくは1mg〜2000mg、最も好ましくは7mg〜700mgである。
マグネシウム含有ミネラルとしてのマグネシウムのコンビネーション量は、好ましくは700mg以下、より好ましくは1mg〜640mg、最も好ましくは3.2mg〜320mgである。
カリウム含有ミネラルとしてのカリウムのコンビネーション量は、好ましくは4000mg以下、より好ましくは1mg〜3000mg、最も好ましくは2mg〜2000mgである。
銅含有ミネラルとしての銅のコンビネーション量は、好ましくは9mg以下、より好ましくは0.001mg〜3.6mg、最も好ましくは0.01mg〜1.8mgである。
【0020】
ヨウ素含有ミネラルとしてのヨウ素のコンビネーション量は、好ましくは3mg以下、より好ましくは10μg〜1000μg、最も好ましくは1.5μg〜150μgである。
マンガン含有ミネラルとしてのマンガンのコンビネーション量は、好ましくは20mg以下、より好ましくは0.01mg〜10mg、最も好ましくは0.04mg〜4mgである。
セレン含有ミネラルとしてのセレンのコンビネーション量は、好ましくは250μg、より好ましくは0.01μg〜150μg、最も好ましくは0.5μg〜55μgである。
クロム含有ミネラルとしてのクロムのコンビネーション量は、好ましくは250μg以下、より好ましくは0.01〜150μg、最も好ましくは0.3μg〜35μgである。
【0021】
モリブデン含有ミネラルとしてのモリブデンのコンビネーション量は、好ましくは250μg以下、より好ましくは0.01μg〜150μg、最も好ましくは0.3μg〜30μgである。
さらに、局所用として、ミネラルとしてのコンビネーション量は、組成物当たり、800mg/g以下、より好ましくは0.1mg/g〜500mg/g、最も好ましくは0.45mg/g〜450mg/gである。
経口用ミネラルの特に好ましい例は、カルシウムを含むものである。グルコン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、無水リン酸二塩基カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、及び/又は沈降炭酸カルシウムから選ばれるミネラルを含む1又は2以上のカルシウムを使用することが好ましい。本発明を配合するためのカルシウム量は、好ましくは成人1日当たり30mg〜300mgである。
【0022】
局所用ミネラルとして特に好ましい例は、亜鉛を含むものである。酸化亜鉛及び/又はウンデシレン酸亜鉛から選ばれるミネラルを含む1又は2以上の亜鉛を使用することが特に好ましい。酸化亜鉛は、酸化亜鉛デンプン粉として使用してもよい。亜鉛量は、好ましくは、組成物当たり、0.45mg/g〜450mg/gである。
本発明のこの態様に記載される医薬組成物は、1回で又は分割量で経口的に与えられてもよく、また、1回で又は分割量で皮膚の患部に直接的に局所適用されてもよい。エピナスチン及びミネラルの量の調節は、年齢、体重及び現れている症候を反映するかも知れない。
さらなる態様において、本発明は、エピナスチン又は医薬的に許容され得るそれらの塩の速放を提供し、また医薬的に許容され得る1又は2以上のミネラルの全て又は一部の徐放を提供する、経口用医薬組成物に関する。
【0023】
さらに、本発明のこの態様に記載される医薬組成物が経口投与されるならば、徐放性成分として使用される一部又は全部のミネラルを、速放性成分であるエピナスチン(又はエピナスチン及び一部のミネラル)と合わせてもよい。さらに追加的活性成分を合わせる場合、前記さらなる活性成分は、各活性成分の薬物動態学的特性に従って徐放性成分又は速放性成分に分けられてもよい。
これらの速放性成分及び徐放性成分は、異なる製剤として別々に製造されるか、又は単一製剤として製造された後、相互に合わせて各投与単位において包装してもよい。例えば、速放錠及び徐放錠を1つのパッケージに包装するか、速放錠及び徐放性カプセルを1つのパッケージに包装する。単一製剤としては、例えば、速放層及び徐放層を合わせた多層錠、速放性顆粒及び徐放性顆粒又はそのような顆粒を充填したカプセル合わせた顆粒、小さな速放錠と小さな徐放錠のコンビネーションを充填した硬カプセル、及び徐放性成分としてマイクロカプセル又はミクロスフィアを使用したドライシロップ又はサスペンジョンシロップが挙げられる。
【0024】
そのような前記多層錠(例えば、2層の錠剤とも呼ばれる2層錠)は、1又は2以上の医薬的に許容され得るミネラルの全て又は一部の徐放及びエピナスチン又は医薬的に許容され得るそれらの塩の速放を提供することができる。
そのような2層錠は、エピナスチン又は医薬的に許容され得るそれらの塩及び所望により医薬的に許容され得るミネラルの一部を含むエピナスチンの速放を提供する第1層A、及び1又は2以上の医薬的に許容され得るミネラルの全て又は一部を含む1又は2以上のミネラルの徐放を提供する第2層Bを含んでいてもよい。2層錠は、医薬的に許容され得る賦形剤からなる錠剤コーティングをさらに含んでいてもよい。2層錠の各層は、それらの表面の一部において互いに接触しているが、前記両方の活性物質の独立した放出プロフィールを提供する。
【0025】
本発明の他の態様において、医薬組成物は、抗ヒスタミン有効量のエピナスチン又は医薬的に許容され得るそれらの塩、及び1又は2以上の追加の医薬的に許容され得る生薬を含む。本発明に使用される生薬の例としては、茵陳蒿(インチンコウArtemisiae capillari flos)、山梔子(サンシシGardeniae fructus)、大黄(ダイオウRhei rhizoma)、柴胡(サイコBupleuri radix)、浜防風(ハマボウフウGlehniae radix cum rhizoma)、茯苓(ブクリョウPoria)、桜皮(オウヒPruni jamasakura bark)、桔梗(キキョウPlatycodi radix)、生姜(ショウキョウZingiberis rhizoma)、羌活(キョウカツAraliae cardatae rhizoma)、荊芥(ケイガイSchizonepetae spica)、甘草(カンゾウGlycyrrhizae radix)、よく苡仁(ヨクイニンCoicis semen)、山帰来(サンキライSmilacis rhizoma)、連翹(レンギョウForsythiae fructus)、連銭草(レンセンソウGlechomae herba)、辛夷(シンイMagnoliae flos)、川きゅう(センキュウcnidii rhizome)が挙げられる。1又は2以上のこれらの生薬を、本発明を配合するために使用してもよい。さらにこれらの生薬を乾燥粉末、抽出物、流エキス、チンキ及びオイル等にすることができる。
【0026】
さらに、本発明のこの態様の組成物としては、他の薬理学的活性組成物、例えば医薬的に許容され得るミネラル、例えば、カルシウム、亜鉛、鉄、リン、マグネシウム、カリウム、銅、ヨウ素、マンガン、セレン、クロム及びモリブデン含有前記ミネラル、エピナスチン以外の抗ヒスタミン剤、例えばジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、カルビノキサミン、ジフェニルピラリン及びプロメタジン、消炎剤、例えばグリチルリジン酸(グリチルリジン)、グリチルリジン酸二カリウム、グリチルリジン酸カリウム、グリチルリジン酸一アンモニウム、グリチルリジン酸ニアンモニウム、グリチルレチン酸及びトラネキサム酸、ビタミンB群及びビタミン様活性物質、例えばビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸、オロト酸、リポ酸、p-アミノ安息香酸、イノシトール、カルニチン及びコリン、抗酸化ビタミン及び抗酸化ビタミン様物質、例えばビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、ユビキノン、パンガミン酸、及びフラボノイド、硫黄含有アミノ酸、例えばシステイン、メチオニン、アミノエチルスルホン酸及びグルタチオン及びビタミンD群、例えばエルゴカルシフェロール及びコレカルシフェロールが挙げられる。
【0027】
本発明を配合するための医薬的に許容され得る生薬のコンビネーション量は、使用される生薬のタイプにより変わるが、成人1日当たりの経口量は、生薬物質として約5mg〜約30000mgであり、局所用は、生薬物質として約0.1mg/g〜800mg/gである。
さらなる詳細として、成人1日量として本発明を配合するための経口用の各生薬のコンビネーション量は、以下のようである:
生薬、例えば茵陳蒿、生姜、甘草及びよく苡仁のコンビネーション量は、生薬物質として、好ましくは30000mg以下、より好ましくは15mg〜20000mg、最も好ましくは30mg〜10000mgである。
生薬、例えば山梔子、大黄、柴胡、浜防風、茯苓、羌活、荊芥、山帰来及び連銭草のコンビネーション量は、生薬物質として、好ましくは10000mg以下、より好ましくは10mg〜7500mg、最も好ましくは20mg〜5000mgである。
【0028】
生薬、例えば桜皮、桔梗及び連翹のコンビネーション量は、生薬物質として、5000mg以下、より好ましくは5mg〜4000mg、最も好ましくは10mg〜2500mgである。
さらに、局所用として、生薬としてのコンビネーション量は、生薬物質として、0.1mg/g〜800mg/g、より好ましくは0.1mg/g〜500mg/g、最も好ましくは0.45mg/g〜450mg/gである。
本発明のこの態様の医薬組成物は、1回で又は分割量で経口的に、また1回で又は分割量で皮膚の患部に直接的に局所適用してもよい。エピナスチン及び生薬の量の調整は、年齢、体重及び現れている症候を反映してもよい。
さらなる態様において、本発明は、エピナスチン又は医薬的に許容され得るそれらの塩の速放及び1又は2以上の医薬的に許容され得る生薬の全部又は一部の徐放を提供する経口用医薬組成物に関する。
【0029】
さらに、本発明のこの態様の医薬組成物を経口投与する場合、徐放性成分として使用される生薬の一部又は全部を、エピナスチン(又はエピナスチンと生薬の一部)の速放性成分と合わせてもよい。さらに追加の活性成分を合わせる場合、各活性成分の薬物動態学的特性に従って、前記さらなる活性成分を徐放性成分又は速放性成分に分割してもよい。
これらの速放性成分及び徐放性成分を、異なる製剤として別々に製造するか又は単一の製剤として製造した後、互いに合わせて各投与単位に包装してもよい。例えば、速放錠及び徐放錠を1つのパッケージに包装するか、又は速放錠及び徐放性カプセルを1つのパッケージに包装する。単一製剤としては、例えば、速放性層及び徐放性層を含有する多層錠、速放性顆粒及び徐放性顆粒を合わせた顆粒又はそのような顆粒を充填したカプセル、小さな速放錠及び小さな徐放錠のコンビネーションを充填した硬カプセル、及び徐放性成分としてマイクロカプセル又はミクロスフィアを使用するドライシロップ又はサスペンジョンシロップが挙げられる。
【0030】
本発明に記載される医薬組成物は、経口形態、例えば、錠、顆粒、微粒子、粉末、カプセル、カプレット、軟カプセル、ピル、サスペンジョン、エマルジョン、経口溶液、シロップ、ドライシロップ、チュアブル形態、発泡錠、ドロップ及び経口用即時分散性錠剤(oral fast-dispersing tablet)、及び局所形態、例えばクリーム、軟膏、ゲル軟膏、坐剤、湿布、テープ、局所用溶液、エアロゾル、ローション及びフォームにおいて使用することができる。さらに、微小粒子、例えば、マイクロカプセル、ナノカプセル、ミクロスフェア、ナノスフェア、リポソームに形成された製剤は、前記組成物に包含されてもよい。
そのような前記多層錠(例えば、2層の錠剤とも呼ばれる2層錠)は、1又は2以上の医薬的に許容され得る生薬の全部又は一部の徐放及びエピナスチン又は医薬的に許容され得るそれらの塩の速放を提供してもよい。
【0031】
そのような2層錠は、エピナスチン又は医薬的に許容され得るそれらの塩及び所望により医薬的に許容され得る生薬の一部を含むエピナスチンの速放を提供する第1層A、及び1又は2以上の医薬的に許容され得る生薬の全て又は一部を含む1又は2以上の生薬の徐放を提供する第2層Bを含んでいてもよい。2層錠は、医薬的に許容され得る賦形剤からなる錠剤コーティングをさらに含んでいてもよい。2層錠の各層は、それらの表面の一部において互いに接触しているが、前記両方の活性物質の独立した放出プロフィールを提供する。
さらに、本発明の組成物の特性、例えば、安定性、放出性、持続性、崩壊性、ディスティングレーション(distinglation)、溶解性、味の遮蔽性、使用法の改良等を、当技術分野に公知の添加剤の添加により、調整することができる。
【0032】
例えば、医薬活性物質を、別々の顆粒、多層顆粒、多層錠又は乾燥被覆錠、別々の顆粒の錠剤、マイクロカプセル等に分配させることができる。被覆製剤、例えば糖衣錠、フィルムコート錠、被覆顆粒、及び発泡錠又は発泡顆粒、並びに細分(comminutions)、固溶体等と一緒に、口中溶解製剤、マトリックス製剤におけるチュアブル製剤を挙げることができる。甘味剤、緩和剤(refrigerants)、抗酸化剤又は安定化剤、一定のpH値を調整する薬剤並びに粘性、浸透圧又は塩濃度に影響する薬剤を加えることができる。これらの方法を合わせることができる。
【0033】
所望により、以下の添加剤を加えることができる:賦形剤、塩基、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、超塑性材料、被覆剤、糖衣剤、可塑化剤、消泡剤、光沢剤、発泡剤、帯電防止剤、乾燥剤、加湿剤、界面活性剤、可溶化剤、緩衝剤、溶剤、溶解剤、溶媒、希釈剤、安定化剤、乳化剤、サスペンジョン、懸濁剤、分散剤、等張化剤、エアロゾル噴射剤、吸着剤、還元剤、抗酸化剤、基剤、湿潤剤、湿潤改質剤、充填剤、増量剤、接着剤、粘着剤、柔軟剤、pH改質剤、防腐剤、保存剤、甘味剤、矯味剤、冷却剤、フレーバー剤、香料、芳香剤、着色材料等。これらの添加剤を、通常の製造方法で使用してもよいが、それらの製造方法に制限はされない。
【0034】
これらの添加剤の例は、日本医薬品添加物規格2000(Japanese Pharmaceutical Excipients Directory 2000)(日本医薬品添加剤協会版、薬事日報発行)に説明されている。
これらの製剤は、通常の方法において、例えば薬理学的活性物質に製剤添加剤を加えることにより製造することができる。
本発明に記載した組成物を以下の実施例により説明する。しかし、本発明の医薬組成物はこれらの実施例により制限されない。
【実施例】
【0035】
実施例1
:錠剤
以下の成分を均一に混合した。得られた混合粒子を型で圧縮し、各300mgの錠剤を製造した。
塩酸エピナスチン 10g
グルコン酸カルシウム 900g
塩酸ピリドキシン 22g
ラクトース 200g
微結晶性セルロース 636g
軽質無水ケイ酸 15g
ステアリン酸マグネシウム 12g
タルク 5g
【0036】
実施例2
:粉末
以下の成分を均一に混合した。得られた混合粒子を600mgづつに分け、粉末組成物を製造した。
塩酸エピナスチン 5g
リン酸水素カルシウム 540g
乳酸カルシウム 363g
コーンスターチ 258g
ラクトース 260g
ステアリン酸マグネシウム 12g
【0037】
実施例3
:2層錠
A層及びB層の以下の成分を通常の方法により加工し、混合粒子をそれぞれ提供し、その粒子を圧縮し、それぞれ300mgの2層錠(A層60mg、B層240mg)を形成した。
A層
塩酸エピナスチン 50g
ラクトース 266g
微結晶性セルロース 272g
軽質無水ケイ酸 6g
タルク 3g
ステアリン酸マグネシウム 3g
B層
グリセロリン酸カルシウム 1200g
グリチルリジン酸ニカリウム 300g
塩酸ピリドキシン 60g
ラクトース 700g
硬化油 50g
ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208 80g
ステアリン酸マグネシウム 10g
【0038】
実施例4
:内用液
以下の成分を滅菌精製水に溶解し、水素化ナトリウムを加えpH5に調整し、滅菌精製水で希釈し、全量20Lを得た。得られた溶液を50mLづつガラスボトルに移し、内用液を提供した。
塩酸エピナスチン 4g
グルコン酸カルシウム 400g
L-アスパラギン酸カリウム 40g
L-アスパラギン酸マグネシウム 40g
クエン酸鉄(III)アンモニウム 1.2g
グリチルリジン酸 40g
アミノエチルスルホン酸 80g
リン酸リボフラビンナトリウム 1.2g
塩酸ピリドキシン 10g
ニコチン酸アミド 10g
クエン酸 50g
クエン酸ナトリウム 10g
精製スクロース 2400g
カラメル 60g
水酸化ナトリウム 適量
防腐剤 適量
フレーバー 微量
滅菌精製水 適量
【0039】
実施例5
:糖衣錠
以下の成分を通常の方法により加工し、混合粒子を提供し、その粒子を圧縮し、それぞれ240mgの錠剤を形成した。
塩酸エピナスチン 10g
リン酸水素カルシウム 250g
グリチルリジン酸ニカリウム 200g
塩酸ピリドキシン 50g
酪酸リボフラビン 12g
ラクトース 640g
コーンスターチ 406g
微結晶性セルロース 306g
低置換ヒドロキシプロピルセルロース 130g
ヒドロキシプロピルセルロース 90g
軽質無水ケイ酸 45g
タルク 12g
ステアリン酸マグネシウム 9g
【0040】
その後、錠剤をコーティングパンに移し、被覆溶液を使用して被覆した。5質量/容量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むエチルアルコールと精製水の等量混合物は、1錠当たり10mg質量/容量増加した。次に、タルク2質量/容量%、酸化チタン2質量/容量%、炭酸カルシウム3質量/容量%、粉末アカシア1質量/容量%、精製スクロース60質量/容量%を含む水溶液を使用して錠剤を被覆し、1錠当たり150mg質量/容量増加した。最終的に精製スクロース60質量/容量%を含有する水溶液を使用して錠剤を被覆し、1錠当たり30mg質量/容量増加した。このようにして糖衣錠を製造した。
【0041】
実施例6
:クリーム
以下の成分を通常の方法により加工し、全量1kgのクリームを形成し、クエン酸ナトリウムを加えてpH5に調節した。
塩酸エピナスチン 10.0g
ウンデシレン酸亜鉛 30.0g
グリチルレチン酸 10.0g
塩酸ピリドキシン 1.0g
中鎖脂肪酸トリグリセリド 200.0g
プロピレングリコール 150.0g
モノステアリン酸グリセリル 80.0g
ポリオキシエチレンセチルエーテル 40.0g
アジピン酸ジイソプロピル 50.0g
クエン酸 0.1g
クエン酸ナトリウム 適量
防腐剤 適量
精製水 適量
【0042】
実施例7
:軟膏
以下の成分を通常の方法により加工し、全量1kgの軟膏を形成した。
塩酸エピナスチン 10g
酸化亜鉛 100g
パラフィン 40g
セタノール 30g
白蝋 30g
防腐剤 適量
白色ワセリン 適量
【0043】
実施例8
:錠剤
以下の成分を均一に混合した。得られた混合粒子を成形圧縮し、各250mgの錠剤を製造した。
塩酸エピナスチン 10g
茵陳蒿湯抽出物
(茵陳蒿2kg、山梔子1.5kg、大黄0.5kg) 400g
dl-塩酸メチルエフェドリン 90g
ラクトース 345g
微結晶性セルロース 375g
軽質無水ケイ酸 5g
タルク 5g
ステアリン酸マグネシウム 5g
【0044】
実施例9
:粉末
以下の成分を均一に混合した。得られた混合粒子を800mgづつに分け、粉末組成物を製造した。
塩酸エピナスチン 10g
柴胡 90g
浜防風末 90g
茯苓末 90g
桜皮末 90g
桔梗末 90g
生姜末 90g
羌活末 90g
荊芥末 54g
甘草末 54g
よく苡仁末 54g
コーンスターチ 648g
ラクトース 660g
ステアリン酸マグネシウム 20g
【0045】
実施例10
:顆粒
以下の成分を通常の方法により顆粒として製造し、混合粒子を製造し、充填し、1パック当たり1500mgの顆粒とした。
塩酸エピナスチン 20g
甘草抽出物 100g
(甘草400g)
硝酸チアミン 30g
リボフラビン 24g
塩酸ピリドキシン 90g
ニコチン酸アミド 300g
パントテン酸カルシウム 60g
アスコルビン酸カルシウム 360g
カルボキシメチルセルロースカルシウム 200g
マンニトール 1260g
コーンスターチ 515g
アスパルテーム 20g
アセスルファムカリウム 20g
芳香性材料 1g
【0046】
実施例11
:フィルムコート錠
以下の成分を通常の方法により加工し、混合粒子を提供し、その粒子を圧縮して各200mgの錠剤を形成した。
塩酸エピナスチン 20g
大黄末 800g
山帰来末 100g
連翹末 100g
連銭草末 100g
ラクトース 656g
微結晶性セルロース 600g
軽質無水ケイ酸 12g
タルク 6g
ステアリン酸マグネシウム 6g
【0047】
次に、その錠剤をコーティングパンに移し、被覆溶液を使用して被覆した。ヒドロキシプロピルメチルセルロース5質量/容量%を含有するエチルアルコールと精製水の等量混合物から、1錠当たり10mg質量/容量増加した。そのようにしてフィルムコート錠を製造した。
【0048】
実施例12
:経口溶液
以下の成分を滅菌精製水に溶解し、水素化ナトリウムを加え、pH5に調製し、滅菌精製水で希釈し、全量を20Lにした。得られた溶液を、50mlづつガラスボトルに移し、経口溶液を提供した。
塩酸エピナスチン 4g
桜皮流エキス
(桜皮800g) 800mL
茯苓流エキス 120mL
(茯苓120g)
桔梗流エキス
(桔梗240g) 240mL
よく苡仁流エキス
(よく苡仁240g) 240mL
アスコルビン酸 40g
アミノエチルスルホン酸 400g
クエン酸 50g
クエン酸ナトリウム 10g
精製スクロース 2400g
カラメル 60g
水酸化ナトリウム 適量
防腐剤 適量
フレーバー 微量
滅菌精製水 適量
【0049】
実施例13
:軟膏
以下の成分を通常の方法により加工し、全量1kgの軟膏を形成した。
塩酸エピナスチン 10g
山梔子末 2g
グリチルレチン酸 10g
クロタミトン 20g
リドカイン 20g
パラフィン 40g
セタノール 30g
白蝋 30g
防腐剤 適量
白色ワセリン 適量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) エピナスチン又は医薬的に許容され得るそれらの塩、及び
b1) カルシウム、亜鉛、鉄、リン、マグネシウム、カリウム、銅、ヨウ素、マンガン、セレン、クロム及びモリブデンからなる群より選ばれる1又は2以上の元素を含む1又は2以上の追加の医薬的に許容され得るミネラル、又は
b2) 1又は2以上の追加の医薬的に許容され得る生薬
を含む皮膚疾患の治療用医薬組成物。
【請求項2】
a) エピナスチン又は医薬的に許容され得るそれらの塩、及び
b1) カルシウム、亜鉛、鉄、リン、マグネシウム、カリウム、銅、ヨウ素、マンガン、セレン、クロム及びモリブデンからなる群より選ばれる1又は2以上の元素を含む1又は2以上の追加の医薬的に許容され得るミネラル
を含む、請求項1に記載の皮膚疾患の治療用医薬組成物。
【請求項3】
ミネラルが、グルコン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、無水リン酸二塩基カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、クエン酸カルシウム、L-アスパラギン酸カルシウム、L-グルタミン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、カルシウム5'-リボヌクレオチド、硫酸カルシウム、リン酸三カルシウム、プロピオン酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム(リン酸一塩基カルシウム)、ピロリン酸二水素カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ステアロイル-2-乳酸カルシウム、酸化カルシウム、硫酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、亜鉛酵母、鉄、硫酸鉄、クエン酸鉄、クエン酸鉄ナトリウム、グルコン酸鉄、ピロリン酸鉄(ピロリン酸鉄[III])、コハク酸鉄、塩化鉄、乳酸鉄、含糖酸化鉄、硫酸コンドロイチン/鉄コロイド、クエン酸アンモニウム鉄、酸化鉄レッド(三二酸化鉄)、フェリチン、ヘム鉄、リン酸、リン酸二水素カリウム、一リン酸カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、二リン酸ナトリウム、一リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、二リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、二リン酸マグネシウム、二リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、三リン酸五カリウム、ポリリン酸ナトリウム、六メタリン酸ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、塩化マグネシウム、酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、水酸化アルミニウムマグネシウム、L-アスパラギン酸マグネシウム、L-グルタミン酸マグネシウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、炭酸カリウム、クエン酸二水素カリウム、クエン酸三カリウム、グルコン酸カリウム、酢酸カリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、水酸化カリウム、硫酸カリウムアルミニウム、L-アスパラギン酸カリウム、L-グルタミン酸一カリウム、硫酸銅、グルコン酸銅、銅クロロフィリンナトリウム、銅酵母、ヨウ素、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨードレシチン、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、マグネシウム酵母、セレン化ナトリウム、二硫化セレン、セレノシステイン、セレノメチオニン、セレン酵母、塩化クロム、クロム酵母、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酵母からなる群より選ばれる、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
組成物が経口用であり、成人1日のエピナスチン又は医薬的に許容され得るそれらの塩の量が、塩酸エピナスチンに相当して2〜20mgである、請求項2又は3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
組成物が経口用であり、医薬的に許容され得るミネラルの量が、0.3μg〜4000mgである、請求項2〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
医薬的に許容され得るミネラルがカルシウムを含む、請求項2〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
カルシウム含有ミネラルがグルコン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、無水リン酸二塩基カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、沈降炭酸カルシウムからなる群より選ばれる、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
成人1日のカルシウム量が30mg〜300mgである、請求項2〜7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
エピナスチン又は医薬的に許容され得るそれらの塩の速放及び1又は2以上のミネラルの全て又は一部の徐放を提供する、請求項2〜8のいずれか1項に記載の経口用医薬組成物。
【請求項10】
組成物が局所用であり、エピナスチン又は医薬的に許容され得るそれらの塩の量が、組成物1g当たり、塩酸エピナスチンに相当する量として、1〜50mgである、請求項2又は3に記載の医薬組成物。
【請求項11】
組成物が局所用であり、医薬的に許容され得るミネラルの量が、組成物1g当たり0.1〜800mgである、請求項2、3又は10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
医薬的に許容され得るミネラルが亜鉛を含む、請求項2、3、10又は11のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
亜鉛含有ミネラルが、酸化亜鉛及びウンデシレン酸亜鉛からなる群より選ばれる請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
亜鉛の量が、0.45mg/g〜450mg/g組成物である、請求項2、3、10〜14のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
活性薬剤としてエピナスチン又は医薬的に許容され得るそれらの塩を含む医薬組成物、及び一緒に又は時間ずらして投与するための薬理学的活性薬剤として、カルシウム、亜鉛、鉄、リン、マグネシウム、カリウム、銅、ヨウ素、マンガン、セレン、クロム及びモリブデンからなる群より選ばれる1又は2以上の元素を含む1又は2以上の医薬的に許容され得るミネラルを含む医薬組成物を含む医薬パッケージ。
【請求項16】
ミネラルが、グルコン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、無水リン酸二塩基カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、クエン酸カルシウム、L-アスパラギン酸カルシウム、L-グルタミン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、カルシウム5'-リボヌクレオチド、硫酸カルシウム、リン酸三カルシウム、プロピオン酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム(リン酸一塩基カルシウム)、ピロリン酸二水素カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ステアロイル-2-乳酸カルシウム、酸化カルシウム、硫酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、亜鉛酵母、鉄、硫酸鉄、クエン酸鉄、クエン酸鉄ナトリウム、グルコン酸鉄、ピロリン酸鉄(ピロリン酸鉄[III])、コハク酸鉄、塩化鉄、乳酸鉄、含糖酸化鉄、硫酸コンドロイチン/鉄コロイド、クエン酸アンモニウム鉄、酸化鉄レッド(三二酸化鉄)、フェリチン、ヘム鉄、リン酸、リン酸二水素カリウム、一リン酸カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、二リン酸ナトリウム、一リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、二リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、二リン酸マグネシウム、二リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、三リン酸五カリウム、ポリリン酸ナトリウム、六メタリン酸ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、塩化マグネシウム、酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、水酸化アルミニウムマグネシウム、L-アスパラギン酸マグネシウム、L-グルタミン酸マグネシウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、炭酸カリウム、クエン酸二水素カリウム、クエン酸三カリウム、グルコン酸カリウム、酢酸カリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、水酸化カリウム、硫酸カリウムアルミニウム、L-アスパラギン酸カリウム、L-グルタミン酸一カリウム、硫酸銅、グルコン酸銅、銅クロロフィリンナトリウム、銅酵母、ヨウ素、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨードレシチン、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、マグネシウム酵母、セレン化ナトリウム、二硫化セレン、セレノシステイン、セレノメチオニン、セレン酵母、塩化クロム、クロム酵母、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酵母からなる群より選ばれる、請求項15に記載の医薬パッケージ。
【請求項17】
皮膚疾患の治療及び/又は予防用医薬の製造のための、前記請求項1〜16のいずれか1項に記載の医薬組成物又はパッケージの使用。
【請求項18】
皮膚疾患がアレルギー反応に関連している、請求項17に記載の使用。
【請求項19】
皮膚疾患が、蕁麻疹、湿疹、皮膚のかぶれ、皮膚炎、掻痒、痒疹及び尋常性乾癬である、請求項17又は18に記載の使用。
【請求項20】
a) エピナスチン又は医薬的に許容され得るそれらの塩、及び
b) 1又は2以上の追加の医薬的に許容され得る生薬
を含む、皮膚疾患の治療のための、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項21】
医薬的に許容され得る生薬が、茵陳蒿、山梔子、大黄、柴胡、浜防風、茯苓、桜皮、桔梗、生姜、羌活、荊芥、甘草、よく苡仁、山帰来、連翹、連銭草、辛夷及び/又は川きゅうからなる群より選ばれる、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
組成物が経口用であり、成人1日のエピナスチン又は医薬的に許容され得るそれらの塩の量が、塩酸エピナスチンに相当して2〜20mgである、請求項20又は21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
組成物が経口用であり、生薬の1日量が、生薬物質5mg〜30000mgである、請求項20〜22のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項24】
エピナスチン又は医薬的に許容され得るそれらの塩の速放、及び1又は2以上の生薬の全て又は一部の徐放を提供する、請求項20〜23のいずれか1項に記載の経口用医薬組成物。
【請求項25】
組成物が局所用であり、エピナスチン又は医薬的に許容され得るそれらの塩の量が、組成物1g当たり、塩酸エピナスチンに相当する量として1〜50mgである、請求項20又は21に記載の医薬組成物。
【請求項26】
組成物が局所用であり、生薬の量が、組成物1g当たり生薬物質0.1〜800mgである、請求項20、21及び25のいずれか1項に記載の皮膚疾患の治療用医薬組成物。
【請求項27】
活性薬剤としてエピナスチン又は医薬的に許容され得るそれらの塩を含む医薬組成物、及び一緒に又は時間ずらして投与するための薬理学的活性薬剤として1又は2以上の医薬的に許容され得る生薬を含む医薬組成物を含む、医薬パッケージ。
【請求項28】
生薬が、茵陳蒿、山梔子、大黄、柴胡、浜防風、茯苓、桜皮、桔梗、生姜、羌活、荊芥、甘草、よく苡仁、山帰来、連翹、連銭草、辛夷及び/又は川きゅうからなる群より選ばれる、請求項27に記載の医薬パッケージ。
【請求項29】
皮膚疾患の治療及び/又は予防用医薬の製造のための請求項20〜28のいずれか1項に記載の医薬組成物又はパッケージの使用。
【請求項30】
皮膚疾患がアレルギー反応に関連する、請求項29に記載の使用。
【請求項31】
皮膚疾患が、蕁麻疹、湿疹及び皮膚のかぶれ、皮膚炎、掻痒、痒疹及び尋常性乾癬である、請求項29又は30に記載の使用。

【公表番号】特表2007−530481(P2007−530481A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−504328(P2007−504328)
【出願日】平成17年3月19日(2005.3.19)
【国際出願番号】PCT/EP2005/002947
【国際公開番号】WO2005/089803
【国際公開日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】