説明

エフェクター細胞機能阻害剤

CCR5アンタゴニストからなるエフェクター細胞の機能阻害剤に関する。CCR5アンタゴニストからなるエフェクター細胞の機能阻害剤は、疾患の形成等に重要な役割を担うエフェクター細胞の機能を阻害するので、例えば移植の拒絶反応(固形臓器移植片の拒絶、糖尿病における膵島細胞移植の拒絶、または移植片対宿主病(GVIII)(graft−versus−host disease))等)、自己免疫疾患(関節炎、慢性関節炎リウマチ、多発性硬化症、または潰瘍性大腸炎等)、アレルギー性疾患(喘息等)、虚血性疾患(虚血再灌流傷害等)、または癌もしくは癌転移等の予防および/または治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、CCR5アンタゴニストからなるエフェクター細胞の機能阻害剤に関する。さらに詳しくは、CCR5アンタゴニストからなるエフェクター細胞の機能阻害剤を、エフェクター細胞が関与する疾患、例えば移植の拒絶反応、自己免疫疾患、虚血性疾患、アレルギー性疾患、または癌もしくは癌転移患等の予防および/または治療剤として用いる用途に関する。
【背景技術】
現在、移植領域の疾患においては、免疫システム、つまりは免疫系細胞の活性化を抑制する薬剤を用いた維持免疫抑制療法が中心に行われている。本療法では、カルシニューリン阻害剤であるシクロスポリンあるいはタクロリムス(FK506)が、単数または複数の免疫抑制剤と併用して用いられている。併用する免疫抑制剤としては、TOR(target of rapamycin)阻害剤であるシロリムス(ラパマイシン)、非特異的抗炎症剤であるコルチコステロイド、抗増殖剤であるアザチオプリンおよびミコフェレートモフェチル等が挙げられる。シクロスポリン、タクロリムス、シロリムス等の薬剤を含む多剤併用療法では移植片の一年間生存率は約90%となっているが、一方で慢性拒絶反応や重篤な副作用が発現することも事実である。これらの薬剤の投与により発現する副作用としては、例えばシクロスポリンでは腎障害、高血圧、高脂血症等が、タクロリムスでは腎障害、糖尿病、神経障害等が、また、シロリムスにおいては高脂血症や血小板減少等の副作用が報告されている。これらの副作用は重篤なものであることから、既存の薬剤に比べてより長期的な移植片の生着と副作用を軽減した免疫抑制剤が求められている。このような状況を鑑み、現在医療現場においては免疫システムの中心的役割を果たすT細胞の活性化に必要とされる補助刺激や接着分子等の機能を阻害する中和抗体等の開発も試みられている。これらの中和抗体は臓器傷害を引き起こす原因であるT細胞活性化の過程を特異的に阻害すると考えられることから、既存の薬剤に比して安全性の高い薬剤となるであろうと考えられている。しかしながら、抗体製剤は大量生産に指向したものではないため、その供給面に問題があること、また高価であるといった生物学的製剤独特の問題点に加え、その薬剤としての抗体に対する抗体が生体内で産生され、使用につれて効果が減弱すること等、克服しなければならない問題点は多分に存在する。
また、自己免疫疾患やアレルギー性疾患の治療には、抗炎症剤や免疫機能を調節する薬剤が中心に用いられている。例えば、慢性関節炎リウマチではシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害作用を有する非ステロイド抗炎症剤(NSAIDs)、疾患修飾性抗リウマチ剤(DMARDs)、ステロイド剤等が用いられている。これらの薬剤を用いた薬物療法は、炎症自体の制御には有効であるが、その効果が強いものほど副作用も強く、また、あくまで対症療法に過ぎず、疾患の根本的な治療には至らないことが示唆されている。例えば慢性関節リウマチ患者にNSAIDsを用いた場合、関節の炎症や痛み等は解消されるが、慢性関節リウマチで最も深刻とされる骨の破壊は何ら薬剤の影響を受けることなく進行していくことが示されている。このような問題の回避を目的として、抗サイトカイン蛋白質製剤、例えば抗TNF抗体、抗IL−6抗体等も開発、使用されてはいるが上記の様な抗体製剤の問題点は解消されてはいない。一方、喘息では長期管理薬と発作治療薬を合わせると、吸入または経口ステロイド剤、徐放性または短時間作用性テオフィリン製剤、長時間または短時間作用性β2刺激薬、抗アレルギー剤、抗コリン剤等が用いられている。喘息患者にとって、吸入ステロイド剤は効果面では非常に優れた医薬であり、副作用の面でも重篤なものは殆ど無いといえる。しかし、口腔へのカンジダ(真菌)の感染や、口腔の異物感等、吸入剤ならではの副作用といえるものが報告されている。これらの副作用は、薬の使用を中止すれば時間の経過とともに治癒するものであるが、その間、吸入ステロイド剤は当然用いることができず、その代用となりうる有効性、安全性を兼備した薬剤は無い。
現在、癌や癌転移の治療には、アルキル化剤、ニトロソウレア剤、代謝拮抗剤、抗癌性抗生物質等を用いた化学療法や放射線療法が行われる。しかし、悪心、嘔吐、下痢、発熱、骨髄抑制、重症感染症、肝機能障害、腎機能障害、血液凝固障害、および神経障害といった副作用も報告されている。癌の増殖や転移には宿主の免疫監視システムからの回避が関わっていることが知られている。逆に、癌の増殖や転移に宿主細胞が関与していることも示唆されている。
以上に述べた理由から、これらの疾患では共通して、効果面において優れ、かつ安全性の高い新たな薬剤の開発が切望されている。
一方、これらの疾患のもう一つの共通点として、その疾患の形成、増悪、および/または継続にT細胞やミエロイド系細胞の関与が示唆されている点が挙げられる。つまり、T細胞やミエロイド系細胞の活性化を特異的に遮断しうる薬剤は、これらの疾患の有用な薬剤となりうる可能性がある。
T細胞は、B細胞とともに、免疫系を司る主要な細胞として知られている。T細胞は、免疫系、すなわち細胞性免疫、液性免疫のうち、主に細胞性免疫に関与するリンパ球であるが、その機能から、あるいはその表面抗原から幾つかのサブクラスに分類される。T細胞の表面抗原であるCD4、CD8分子の発現は、胸腺内でのT細胞の分化の程度を示す一つの指標となっており、一般にCD4陽性T細胞は、主に抗体産生の補助や種々の免疫応答の誘導に関与するもの、CD8陽性T細胞は主に細胞傷害活性を有するものとされている。これらCD4陽性T細胞、CD8陽性T細胞において、未だ抗原刺激を受けたことが無い細胞を、それぞれCD4陽性ナイーブT細胞、CD8陽性ナイーブT細胞というが、これらの細胞は、抗原提示細胞から抗原特異的活性化シグナルと補助刺激シグナルを受けることによって、種々の機能を有するT細胞由来のエフェクター細胞へと分化する。このエフェクター細胞としては、CD4陽性ナイーブT細胞から分化したTh1細胞およびTh2細胞、CD8陽性ナイーブT細胞から分化した細胞傷害性T細胞(CTL)が知られている。一般にT細胞の機能として知られる、抗体産生の補助や種々の免疫応答の誘導または細胞傷害活性は、ナイーブT細胞のものでは無く、これらエフェクター細胞の機能を表わしたものである。
また、T細胞は、CD4やCD8といった表面抗原の他に、複数の表面抗原を発現している。これら表面抗原のうちには、抗原提示細胞からの刺激を受ける受容体として機能しているものも多数含まれる。ケモカイン受容体の中には、ケモカインに応答して細胞遊走を仲介する機能の他に、この様な抗原提示細胞からの刺激を受ける受容体として機能するものがあることが知られており(J Immunol.1996 Mar 15;156(6):2095−2103.参照)、CCR5もその一つである。
近年、移植の拒絶反応、自己免疫疾患等において、ケモカイン受容体であるCCR5が重要な役割を担っていることを示唆する、CCR5ノックアウトマウスを用いた動物モデルでの検討が報告されている(Transplantation,2001年,第72巻,第7号,p.1199−1205、Diabetes,2002年,第51巻,第8号,p.2489−2495、Journal of Virology,2003年,第77巻,第1号,p.191−198、Journal of Immunology,2000年,第164巻,第12号,p.6303−6312.参照)。これらノックアウトマウスを用いた報告は、疾患へのCCR5の関与を示唆するものであるが、CCR5の作用を遮断する薬剤が、T細胞、さらにはそのエフェクター細胞の機能を阻害したという記載はなされていないし、また示唆もされていない。
また、ヒトでの報告としては、不活性型CCR5を発現するヒトと野生型CCR5を発現するヒトの、疾患に対する罹患のリスクや移植における移植片の生着期間等を比較した報告もある(The Lancet,2001年,第357巻,p.1758−1761、Arthritis&Rheumatism,1999年,第42巻,第5号,p.989−992、The Lancet,1999年,第354巻,p.1264−1265、European Journal of Immunogenetics,2002年,第29巻,第6号,p.525−528.参照)。しかし、これらの報告もまた、疾患へのCCR5の関与は示唆するものの、前記したノックアウトマウスの報告と同様、CCR5の作用を遮断する薬剤の効果を示すものではない。
一方、一般式(X)

(式中、R1Xは、式(X−2)

、式(X−3)

;R2Xは、アルキル、アルキニル等を表し、R3X、R4Xは、H、(置換)アルキル等、またはR3XとR4Xとで式(X−4)

;R5Xは、H、アルキルを表す。)で示されるトリアザスピロ[5.5]ウンデカン誘導体化合物が、ケモカイン/ケモカイン受容体の相互作用を制御することで、喘息、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、アレルギー性好酸球性胃腸症、腎炎、腎症、肝炎、関節炎、慢性関節リウマチ、乾癬、鼻炎、結膜炎、虚血再灌流傷害の抑制、多発性硬化症、潰瘍性大腸炎、急性呼吸窮迫症候群、細菌感染に伴うショック、糖尿病、自己免疫疾患の治療、移植臓器拒絶反応、免疫抑制、癌転移予防、または後天性免疫不全症候群の予防および/または治療剤に有用である旨の記載がある(WO02/74770号参照)。
しかしながら、一般式(X)で示される化合物がエフェクター細胞の機能やT細胞の機能に対して効果を示したという記載は無く、ましてや移植の拒絶反応、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、虚血性疾患、または癌もしくは癌転移等に有効であるという証明はなされていない。
【発明の開示】
従って、本発明の課題は疾患の形成、増悪、および/または継続にエフェクター細胞が関与する疾患、例えば移植の拒絶反応、自己免疫疾患、虚血性疾患、アレルギー性疾患、または癌もしくは癌転移等の予防および/または治療剤として有用であり、かつ安全性が高い薬剤となり得る、エフェクター細胞の機能を特異的に阻害する薬剤を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ケモカイン受容体であるCCR5のアンタゴニストが、エフェクター細胞の機能を阻害することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は
1.CCR5アンタゴニストからなるエフェクター細胞の機能阻害剤、
2.機能が、細胞遊走、細胞増殖、または細胞活性化である請求の範囲1記載のエフェクター細胞の機能阻害剤、
3.エフェクター細胞が、CCR5陽性エフェクター細胞である請求の範囲1記載のエフェクター細胞の機能阻害剤、
4.エフェクター細胞の機能に起因する疾患の予防および/または治療剤である請求の範囲1記載のエフェクター細胞の機能阻害剤、
5.T細胞介在性疾患の予防および/または治療剤である請求の範囲1記載のエフェクター細胞の機能阻害剤、
6.ミエロイド系細胞介在性疾患の予防および/または治療剤である請求の範囲1記載のエフェクター細胞の機能阻害剤、
7.T細胞介在性疾患が、移植の拒絶反応、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、または虚血性疾患である請求の範囲5記載のエフェクター細胞の機能阻害剤、
8.ミエロイド系細胞介在性疾患が、癌または癌転移である請求の範囲6記載のエフェクター細胞の機能阻害剤、
9.CCR5アンタゴニストが、非ペプチド性物質である請求の範囲1記載のエフェクター細胞の機能阻害剤、
10.CCR5アンタゴニストが、一般式(I)

[式中、Rは、(1)水素原子、(2)C1〜18アルキル基、(3)C2〜18アルケニル基、(4)C2〜18アルキニル基、(5)−COR、(6)−CONR、(7)−COOR、(8)−SO10、(9)−COCOOR11、(10)−CONR12COR13、(11)Cyc1、または(12)(a)ハロゲン原子、(b)−CONR、(c)−COOR、(d)−OR14、(e)−SR15、(f)−NR16、(g)−NR18COR19、(h)−SONR2021、(i)−OCOR22、(j)−NR23SO24、(k)−NR25COOR26、(l)−NR27CONR2829、(m)Cyc1、(n)ケト基および(o)−N(SO24から任意に選ばれる1〜5個の基によって置換された、C1〜18アルキル基、C2〜18アルケニル基、またはC2〜18アルキニル基を表わし(基中、R〜R、R11〜R21、R23、R25およびR27〜R29はそれぞれ独立して、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)C2〜8アルケニル基、(4)C2〜8アルキニル基、(5)Cyc1、または(6)(a)Cyc1、(b)ハロゲン原子、(c)−OR、(d)−SR31、(e)−NR3233、(f)−COOR34、(g)−CONR3536、(h)−NR37COR38、(i)−NR39SO40および(j)−N(SO40から任意に選ばれる1〜5個の基によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、またはC2〜8アルキニル基を表わすか、
とR、R20とR21、R28とR29は一緒になって、(1)C2〜6アルキレン基、(2)−(C2〜6アルキレン基)−O−(C2〜6アルキレン基)−、(3)−(C2〜6アルキレン基)−S−(C2〜6アルキレン基)−、または(4)−(C2〜6アルキレン基)−NR195−(C2〜6アルキレン基)−(基中、R195は、水素原子、C1〜8アルキル基、フェニル基、またはフェニル基によって置換されたC1〜8アルキル基を表わす。)を表わし、
10、R22、R24およびR26はそれぞれ独立して、(1)C1〜8アルキル基、(2)C2〜8アルケニル基、(3)C2〜8アルキニル基、(4)Cyc1、または(5)(a)Cyc1、(b)ハロゲン原子、(c)−OR30、(d)−SR31、(e)−NR3233、(f)−COOR34、(g)−CONR3536、(h)−NR37COR38、(i)−NR39SO40および(j)−N(SO40から任意に選ばれる1〜5個の基によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、またはC2〜8アルキニル基を表わし(基中、R30〜R37およびR39はそれぞれ独立して、水素原子、C1〜8アルキル基、Cyc1、またはCyc1によって置換されたC1〜8アルキル基を表わすか、
35とR36は一緒になって、(1)C2〜6アルキレン基、(2)−(C2〜6アルキレン基)−O−(C2〜6アルキレン基)−、(3)−(C2〜6アルキレン基)−S−(C2〜6アルキレン基)−、または(4)−(C2〜6アルキレン基)−NR196−(C2〜6アルキレン基)−(基中、R196は、水素原子、C1〜8アルキル基、フェニル基、またはフェニル基によって置換されたC1〜8アルキル基を表わす。)を表わし、
38およびR40はそれぞれ独立して、C1〜8アルキル基、Cyc1、またはCyc1によって置換されたC1〜8アルキル基を表わす。)、
Cyc1は、C3〜15の単環、二環、または三環式(縮合またはスピロ)炭素環、または1〜4個の窒素原子、1〜3個の酸素原子および/または1〜3個の硫黄原子を含む3〜15員の単環、二環、または三環式(縮合またはスピロ)複素環を表わす。
ただし、Cyc1は1〜5個のR51によって置換されていてもよく、
51は、(1)C1〜8アルキル基、(2)C2〜8アルケニル基、(3)C2〜8アルキニル基、(4)ハロゲン原子、(5)ニトロ基、(6)トリフルオロメチル基、(7)トリフルオロメトキシ基、(8)ニトリル基、(9)ケト基、(10)Cyc2、(11)−OR52、(12)−SR53、(13)−NR5455、(14)−COOR56、(15)−CONR5758、(16)−NR59COR60、(17)−SONR6162、(18)−OCOR63、(19)−NR64SO65、(20)−NR66COOR67、(21)−NR68CONR6970、(22)−B(OR71、(23)−SO72、(24)−N(SO、または(25)(a)ハロゲン原子、(b)Cyc2、(c)−OR52、(d)−SR53、(e)−NR5455、(f)−COOR56、(g)−CONR5758、(h)−NR59COR60、(i)−SONR6162、(j)−OCOR63、(k)−NR64SO65、(l)−NR66COOR67、(m)−NR68CONR6970、(n)−B(OR71、(o)−SO72および(p)−N(SO72から任意に選ばれる1〜5個の基によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜8アルキニル基を表わす(基中、R52〜R62、R64、RおよびR68〜R71はそれぞれ独立して、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)C2〜8アルケニル基、(4)C2〜8アルキニル基、(5)Cyc2、または(6)Cyc2、−OR73、−COOR74、−NR7576によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜8アルキニル基を表わすか、
57とR58、R61とR62、R69とR70は一緒になって、(1)C2〜6アルキレン基、(2)−(C2〜6アルキレン基)−O−(C2〜6アルキレン基)−、(3)−(C2〜6アルキレン基)−S−(C2〜6アルキレン基)−、または(4)−(C2〜6アルキレン基)−NR197−(C2〜6アルキレン基)−(基中、R197は、水素原子、C1〜8アルキル基、フェニル基、またはフェニル基によって置換されたC1〜8アルキル基を表わす。)を表わし、
63、R65、R67およびR72はそれぞれ独立して、(1)C1〜8アルキル基、(2)C2〜8アルケニル基、(3)C2〜8アルキニル基、(4)Cyc2、または(5)Cyc2、OR73、−COOR74、−NR7576によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜8アルキニル基を表わし(基中、R73〜R76はそれぞれ独立して、水素原子、C1〜8アルキル基、Cyc2、またはCyc2によって置換されたC1〜8アルキル基を表わす。)、
Cyc2はCyc1と同じ意味を表わす。
ただし、Cyc2は1〜5個のR77によって置換されていてもよく、
77は、(1)C1〜8アルキル基、(2)ハロゲン原子、(3)ニトロ基、(4)トリフルオロメチル基、(5)トリフルオロメトキシ基、(6)ニトリル基、(7)−OR78、(8)−NR7980、(9)−COOR81、(10)−SR82、(11)−CONR8384、(12)C2〜8アルケニル基、(13)C2〜8アルキニル基、(14)ケト基、(15)Cyc6、(16)−NR161COR162、(17)−SONR163164、(18)−OCOR165、(19)−NR166SO167、(20)−NR168COOR169、(21)−NR170COR171172、(22)−SO173、(23)−N(SO167、(24)(a)ハロゲン原子、(b)−OR78、(c)−NR7980、(d)−COOR81、(e)−SR82、(f)−CONR8384、(g)ケト基、(h)Cyc6、(i)−NR161COR162、(j)−SONR163164、(k)−OCOR165、(l)−NR66SO167、(m)−NR168COOR169、(n)−NR170COR17117、(o)−SO173および(p)−N(SO167から任意に選ばれる1〜5個の基によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜8アルキニル基を表わす(基中、R78〜R84、R161〜R164、R16、R168およびR170〜R172はそれぞれ独立して、(a)水素原子、(b)C1〜8アルキル基、(c)C2〜8アルケニル基、(d)C2〜8アルキニル基、(e)Cyc6、(f)Cyc6、−OR174、−COOR175、−NR176177、−CONR178179によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜8アルキニル基を表わすか、
83とR84、R163とR164、R171とR172は一緒になって、(1)C2〜6アルキレン基、(2)−(C2〜6アルキレン基)−O−(C2〜6アルキレン基)−、(3)−(C2〜6アルキレン基)−S−(C2〜6アルキレン基)−、または(4)−(C2〜6アルキレン基)−NR198−(C2〜6アルキレン基)−(基中、R198は、水素原子、C1〜8アルキル基、フェニル基、またはフェニル基によって置換されたC1〜8アルキル基を表わす。)を表わし、
165、R167、R169およびR173はそれぞれ独立して、(a)C1〜8アルキル基、(b)C2〜8アルケニル基、(c)C2〜8アルキニル基、(d)Cyc6、または(e)Cyc6、−OR174、−COOR175、−NR176177、CONR178179によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜8アルキニル基を表わす(基中、R174〜R177はそれぞれ独立して、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)Cyc6、または(4)Cyc6によって置換されたC1〜8アルキル基を表わすか、
178とR179は一緒になって、(1)C2〜6アルキレン基、(2)−(C2〜6アルキレン基)−O−(C2〜6アルキレン基)−、(3)−(C2〜6アルキレン基)−S−(C2〜6アルキレン基)−、または(4)−(C2〜6アルキレン基)−NR199−(C2〜6アルキレン基)−(基中、R199は、水素原子、C1〜8アルキル基、フェニル基、またはフェニル基によって置換されたC1〜8アルキル基を表わす。)を表わし、
Cyc6は、C3〜8の単環式炭素環または1〜4個の窒素原子、1〜2個の酸素原子および/または1〜2個の硫黄原子を含む3〜8員の単環式複素環を表わす。
ただし、Cyc6は1〜5個のR180によって置換されていてもよく、
180は、(1)C1〜8アルキル基、(2)ハロゲン原子、(3)ニトロ基、(4)トリフルオロメチル基、(5)トリフルオロメトキシ基、(6)ニトリル基、(7)−OR181、(8)−NR182183、(9)−COOR184、(10)−SR185、または(11)−CONR186187を表わし(基中、R181〜R187はそれぞれ独立して、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)フェニル基、または(4)フェニル基によって置換されたC1〜8アルキル基を表わすか、
182とR183、R186とR187は一緒になって、(1)C2〜6アルキレン基、(2)−(C2〜6アルキレン基)−O−(C2〜6アルキレン基)−、(3)−(C2〜6アルキレン基)−S−(C2〜6アルキレン基)−、または(4)−(C2〜6アルキレン基)−NR200−(C2〜6アルキレン基)−(基中、R200は、水素原子、C1〜8アルキル基、フェニル基、フェニル基によって置換されたC1〜8アルキル基を表わす。)を表わす。)、
は、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)C2〜8アルケニル基、(4)C2〜8アルキニル基、(5)−OR90、(6)Cyc3、または(7)(a)ハロゲン原子、(b)−OR90、(c)−SR91、(d)−NR9293、(e)−COOR94、(f)−CONR9596、(g)−NR97COR98、(h)−SONR9900、(i)−OCOR101、(j)−NR102SO103、(k)−NR104COOR105、(l)−NR106CONR107108、(m)Cyc3、(n)ケト基および(o)−N(SO103から任意に選ばれる1〜5個の基によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基またはC2〜8アルキニル基を表わし(基中、R90〜R100、R102、R104およびR106〜R108はそれぞれ独立して、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)C2〜8アルケニル基、(4)C2〜8アルキニル基、(5)Cyc3、または(6)Cyc3によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜8アルキニル基を表わすか、
95とR96、R99とR100、R107とR108は一緒になって、(1)C2〜6アルキレン基、(2)−(C2〜6アルキレン基)−O−(C2〜6アルキレン基)−、(3)−(C2〜6アルキレン基)−S−(C2〜6アルキレン基)−、または(4)−(C2〜6アルキレン基)−NR201−(C2〜6アルキレン基)−(基中、R201は、水素原子、C1〜8アルキル基、フェニル基、またはフェニル基によって置換されたC1〜8アルキル基を表わす。)を表わし、
101、R103およびR105はそれぞれ独立して、(1)C1〜8アルキル基、(2)C2〜8アルケニル基、(3)C2〜8アルキニル基、または(4)Cyc3またはCyc3によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜8アルキニル基を表わし、
Cyc3はCyc1と同じ意味を表わす。
ただし、Cyc3は1〜5個のR109によって置換されていてもよく、R09はR51と同じ意味を表わす。)、
およびRはそれぞれ独立して、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)C2〜8アルケニル基、(4)C2〜8アルキニル基、(5)−COOR120、(6)−CONR121122、(7)Cyc4、または(8)(a)ハロゲン原子、(b)ニトリル基、(c)Cyc4、(d)−COOR120、(e)−CONR121122、(f)−OR123、(g)−SR124、(h)−NR125126、(i)−NR127COR128、(j)−SONR129130、(k)−OCOR131、(l)−NR132SO133、(m)−NR134COOR135、(n)−NR136CONR137138、(o)−S−SR139、(p)−NHC(=NH)NHR140、(q)ケト基、(r)−NR145CONR146COR147および(s)−N(SO133から任意に選ばれる1〜5個の基によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、またはC2〜8アルキニル基を表わし(基中、R120〜R130、R132、R13、R136〜R138、R145およびR146はそれぞれ独立して、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)C2〜8アルケニル基、(4)C2〜8アルキニル基、(5)Cyc4、または(6)Cyc4、ハロゲン原子、−OR148、−SR149、−COOR150、または−NHCOR141によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜8アルキニル基を表わすか、
121とR122、R129とR130、R137とR138は一緒になって、(1)C2〜6アルキレン基、(2)−(C2〜6アルキレン基)−O−(C2〜6アルキレン基)−、(3)−(C2〜6アルキレン基)−S−(C2〜6アルキレン基)−、または(4)−(C2〜6アルキレン基)−NR201−(C2〜6アルキレン基)−(基中、R201は、水素原子、C1〜8アルキル基、フェニル基、フェニル基によって置換されたC1〜8アルキル基を表わす。)を表わし、
131、R133、R135、R139およびR147はそれぞれ独立して、(1)C1〜8アルキル基、(2)C2〜8アルケニル基、(3)C2〜8アルキニル基、(4)Cyc4、または(5)Cyc4、ハロゲン原子、−OR148、−SR149、−COOR150、または−NHCOR141によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜8アルキニル基を表わし、
140は、水素原子、−COOR142、または−SO143を表わし(基中、R141〜R143はそれぞれ独立して、(1)C1〜8アルキル基、(2)C2〜8アルケニル基、(3)C2〜8アルキニル基、(4)Cyc4、または(5)Cyc4によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜8アルキニル基を表わし、
148〜R150はそれぞれ独立して、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)C2〜8アルケニル基、(4)C2〜8アルキニル基、(5)Cyc4、または(6)Cyc4によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜8アルキニル基を表わし、
Cyc4はCyc1と同じ意味を表わす。
ただし、Cyc4は1〜5個のR144によって置換されていてもよく、
144はR51と同じ意味を表わす。)を表わすか
とRは一緒になって、

(基中、R190およびR191はそれぞれ独立して、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)C2〜8アルケニル基、(4)C2〜8アルキニル基、(5)−COOR120、(6)−CONR121122、(7)Cyc4、または(8)(a)ハロゲン原子、(b)ニトリル基、(c)Cyc4、(d)−COOR120、(e)−CONR121122、(f)−OR123、(g)−SR124、(h)−NR125126、(i)−NR127COR128、(j)−SONR129130、(k)−OCOR131、(l)−NR132SO133、(m)−NR134COOR135、(n)−NR136CONR13138、(o)−S−SR139、(p)−NHC(=NH)NHR140、(q)ケト基、(r)−NR145CONR146COR147および(s)−N(SO133から任意に選ばれる1〜5個の基によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、またはC2〜8アルキニル基を表わす。(基中、R12〜R140およびR145〜R147は上記と同じ意味を表す。))を表わし、
は、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)Cyc5、または(4)Cyc5によって置換されたC1〜8アルキル基を表わす。
(基中、Cyc5はCyc1と同じ意味を表わす。ただし、Cyc5は1〜5個のR150によって置換されていてもよく、R150はR51と同じ意味を表わす。)]で示される化合物、それらのN−オキシド、それらの塩、またはそれらのプロドラッグである請求の範囲1記載のエフェクター細胞の機能阻害剤、
11.1種または2種以上の免疫抑制剤とCCR5アンタゴニストからなるエフェクター細胞の機能阻害剤とを組み合わせてなる医薬、
12.1種または2種以上の免疫抑制剤が、タクロリムス、シクロスポリン、シロリムス、コルチコステロイド、アザチオプリン、ミコフェレートモフェチル、FTY−720、およびシクロフォスファミドから選択される請求の範囲11に記載の医薬、
13.一般式(I)

(式中、すべての記号は請求の範囲10記載と同様の意味を表す。)で示される化合物、それらのN−オキシド、それらの塩、またはそれらのプロドラッグの有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする哺乳動物におけるエフェクター細胞の機能に起因する疾患の予防または治療方法、および
14.エフェクター細胞の機能に起因する疾患の予防または治療剤を製造するための、一般式(I)

(式中、すべての記号は請求の範囲10記載と同様の意味を表す。)で示される化合物、それらのN−オキシド、それらの塩、またはそれらのプロドラッグの使用等に関する。
本明細書中、RA、RO、CD4、CD8、HLA−DR、HLA−ABC、CD11c、CD83、CD80、CD86、CD3は全て細胞表面抗原を表わす。
本明細書中で用いられる用語「陰性」は、表面抗原が検出できないことを意味し、また「陽性」は表面抗原が検出できることを意味する。ここで、表面抗原の検出に用いる方法としては、現在までに知られている表面抗原の検出方法を全て含む。例えば、当業者が蛋白質の検出に用いる公知の技術(例えば、フローサイトメトリー(FACS)、免疫染色、ウェスタンブロット、蛍光抗体法等)、またはこれらと同等の技術等が挙げられる。
本明細書中、エフェクター細胞とは、T細胞及びミエロイド系細胞であって、T細胞に関しては下記ナイーブT細胞でないものを全て包含する。エフェクター細胞としては、例えば、RA陰性および/またはRO陽性であるT細胞及びマクロファージ等が挙げられ、「RA陰性および/またはRO陽性であるT細胞」としては、例えばTh1細胞、Th2細胞、細胞傷害性T細胞(CTL)、セントラルメモリーT細胞(TCM)、エフェクターメモリーT細胞(TEM)等が挙げられる。ここで、TCMおよびTEMは、文献(Nature.1999 Oct 14;401(6754):708−12.)に記載の方法により定義されたものである。好ましいエフェクター細胞としては、Th1細胞、Th2細胞、CTL、TEM、マクロファージ等であり、より好ましくは、Th1細胞、TEM等である。
本明細書中、T細胞とは、T細胞受容体(T cell receptor(TCR))を発現する細胞を全て包含する。「TCRを発現する細胞」としては、例えば、CD4陽性CD8陰性T細胞(すなわち、CD4陽性T細胞)、CD4陰性CD8陽性T細胞(すなわち、CD8陽性T細胞)、CD4陰性CD8陰性T細胞、CD4陽性CD8陽性T細胞等が挙げられる。
本明細書中、ナイーブT細胞は、抗原刺激を受けたことがないT細胞を表わし、例えば、RA陽性T細胞等が挙げられる。
本明細書中、メモリーT細胞は、エフェクター細胞と同じ意味を表わす。
本明細書中、CCR5陽性エフェクター細胞とは、エフェクター細胞であって、CCR5を発現する細胞を全て包含する。CCR5陽性エフェクター細胞としては、例えばCCR5陽性Th1細胞、CCR5陽性Th2細胞、CCR5陽性CTL、CCR5陽性TCM、CCR5陽性TEM、CCR5陽性マクロファージ等が挙げられる。好ましいCCR5陽性エフェクター細胞とは、CCR5陽性Th1細胞、CCR5陽性CTL、CCR5陽性TEM、CCR5陽性マクロファージ等であり、より好ましくは、CCR5陽性Th1細胞、CCR5陽性TEM、CCR5陽性マクロファージ等である。
本明細書中、エフェクター細胞の機能としては、CCR5が介在し、かつ後記T細胞介在性疾患、あるいはミエロイド系細胞(マクロファージ細胞)介在性疾患の形成、増悪、および/または継続に寄与するものを全て含む。エフェクター細胞の機能としては、例えば細胞遊走、細胞増殖、細胞活性化等が挙げられる。ここで、遊走する細胞、増殖する細胞、活性化する細胞は、エフェクター細胞に限定されるものではない。すなわち、エフェクター細胞が、遊走、増殖、活性化する場合に加え、エフェクター細胞が他の細胞を遊走させる場合、エフェクター細胞が他の細胞を増殖させる場合、エフェクター細胞が他の細胞を活性化する場合をも包含する。好ましいエフェクター細胞の機能としては、エフェクター細胞の遊走、エフェクター細胞の増殖、エフェクター細胞の活性化等が挙げられる。また、ここで用いられる用語「CCR5が介在する」は、エフェクター細胞が機能を発現するに至るまでに、CCR5とそのリガンドが結合する過程を含むことを意味し、リガンドが結合するCCR5を発現する細胞と機能を発現するエフェクター細胞が同一であるものに限定されない。ここで、CCR5に結合するリガンドとしては、CCR5に結合するものを全て含み、現在までに知られているCCR5のリガンドや今後見出されるCCR5のリガンドをも包含する。CCR5に結合するリガンドとして好ましくはRANTES、MIP−1α、MIP−1β等が挙げられる。ここで、RANTES、MIP−1α、MIP−1β等は細胞膜上に結合した状態のものであってもよい。リガンドとCCR5の結合から、エフェクター細胞が機能を発現するに至る経路としては、例えば下記に例示したもの等が挙げられる。

上記において、(1)は、リガンドが結合したCCR5陽性エフェクター細胞が機能を発現する場合を表わし、(2)は、リガンドが結合したCCR5陽性細胞がシグナルAを伝達し、シグナルAが伝達されたエフェクター細胞が機能を発現する場合を表わし、(3)は、リガンドが結合したCCR5陽性細胞がシグナルBを伝達し、シグナルBが伝達された経路YがシグナルCを伝達し、シグナルCが伝達されたエフェクター細胞が機能を発現する場合を表わす。ここで、CCR5陽性細胞はCCR5を発現する細胞全てを包含する。また、シグナルA、B、Cは、シグナルを伝達する細胞と伝達される細胞が接触せずとも伝達されるもの、すなわち液性因子(例えば、サイトカイン、ケモカイン、細胞から遊離されるその他のメディエーターを介する刺激等)、および/または接触することによって伝達されるもの(例えば、接着分子、表面抗原、細胞膜上に結合した状態の液性因子を介した刺激等)を全て含み、シグナルA、B、Cは前記CCR5に結合するリガンドとCCR5の結合であってもよく、また、一つのシグナルが複数の因子によって構成されていてもよい。さらにシグナルA、B、Cはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。経路Yは、シグナルBをシグナルCとしてエフェクター細胞に伝達することができるものを全て含み、少なくとも一つのシグナルBを受けることができる細胞と、少なくとも一つのシグナルCを伝達することができる細胞が含まれていればよく、その間のシグナルの伝達方法によって限定されるものではない。ここで、「シグナルBを受けることができる細胞」と「シグナルCを伝達することができる細胞」は同一であってもよい。
上記「リガンドとCCR5の結合から、エフェクター細胞が機能を発現するに至る経路」として好ましくは、上記で(1)に示したもの等が挙げられる。
本明細書中、細胞遊走とは、細胞が遊走することを意味し、例えば細胞が走化性因子等の濃度勾配によって移動すること等が挙げられる。
本明細書中、細胞活性化とは、細胞が活性化することを意味し、細胞の機能が亢進すること、細胞が新しい機能を発現すること等を全て包含する。細胞活性化としては、例えば細胞が抗体産生の補助や免疫応答の誘導、または細胞傷害活性等の作用を発現すること等が挙げられる。
本明細書中、細胞増殖とは、細胞が増殖することを意味し、例えば細胞が細胞分裂によって増えること等が挙げられる。
本明細書中、T細胞介在性疾患とは、疾患の形成、増悪、または継続の何れかの過程にT細胞が関与しているものであればよく、T細胞の関与が公知である疾患、該疾患の動物モデルにおいてT細胞の関与が公知である疾患、さらには今後T細胞の関与が見出される疾患であってもよい。T細胞介在性疾患としては、例えば移植の拒絶反応(例えば、固形臓器移植片の拒絶、糖尿病における膵島細胞移植の拒絶、移植片対宿主病(GVHD(graft−versus−host disease))等)、自己免疫疾患(例えば、関節炎、慢性関節炎リウマチ、多発性硬化症、潰瘍性大腸炎等)、アレルギー性疾患(例えば、喘息等)、および虚血性疾患(例えば、虚血再灌流傷害等)等が挙げられる。T細胞介在性疾患として好ましくは、移植片拒絶反応、自己免疫疾患等が挙げられる。
本明細書中、ミエロイド系細胞(マクロファージ細胞)介在性疾患とは、疾患の形成、増悪、または継続の何れかの過程にミエロイド系細胞が関与しているものであればよく、ミエロイド系細胞の関与が公知である疾患、該疾患の動物モデルにおいてミエロイド系細胞の関与が公知である疾患、さらには今後ミエロイド系細胞の関与が見出される疾患であってもよい。マクロファージ細胞介在性疾患としては、癌または癌転移等が挙げられる。
本明細書中、CCR5アンタゴニストとしては、CCR5拮抗活性を有する物質全てが含まれ、現在までに知られているCCR5アンタゴニストや今後見出されるCCR5アンタゴニストを全て包含する。CCR5アンタゴニストとしては、例えばペプチド性CCR5アンタゴニスト、非ペプチド性CCR5アンタゴニストが挙げられる。ここで、ペプチド性CCR5アンタゴニストとは、CCR5アンタゴニストであって、ペプチドからなるものを全て含み、例えば抗CCR5抗体等も含まれる。また、非ペプチド性CCR5アンタゴニストとは、CCR5アンタゴニストであって、ペプチド性で無いものを全て含む。非ペプチド性CCR5アンタゴニストとしては、例えば低分子CCR5アンタゴニスト等が挙げられる。CCR5アンタゴニストとして好ましくは、非ペプチド性CCR5アンタゴニストであり、より好ましくは低分子CCR5アンタゴニストであり、特に好ましくは、WO02/74770号に記載の化合物である。
一般式(I)で示される化合物は、WO02/74770号に記載された化合物であり、一般式(I)で示される化合物に関すること、例えば一般式(I)で示される化合物の説明に用いた用語、一般式(I)で示される化合物の製造法、一般式(I)で示される化合物の塩等は、前記公報の記載と同じ意味を表わす。
CCR5アンタゴニストとして用いる一般式(I)で示される化合物のうち、好ましくは前記公報の実施例に記載された化合物が挙げられる。このうち、より好ましい化合物としては、
(1)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカ−9−イル}メチル)ベンジル]−3−メトキシ安息香酸 塩酸塩、
(2)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカ−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−エトキシ安息香酸 塩酸塩、
(3)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(1R)−2−エチル−1−ヒドロキシブチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカ−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−メトキシ安息香酸 塩酸塩、
(4)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカ−9−イル}メチル)フェノキシ]−3,5−ジメチル安息香酸 塩酸塩、
(5)4−[4−(1−{(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカ−9−イル}エチル)フェノキシ]安息香酸 塩酸塩、
(6)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−3−シクロペンテン−1−イル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカ−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−メチル安息香酸 塩酸塩、
(7)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘプチル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカ−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−メトキシ安息香酸 塩酸塩、
(8)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−3−シクロペンテン−1−イル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカ−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−エトキシ安息香酸 塩酸塩、
(9)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−ヒドロキシ(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカ−9−イル}メチル)フェノキシ]−N−イソプロピル−3−メトキシベンズアミド 塩酸塩、
(10)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−ヒドロキシ(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカ−9−イル}メチル)フェノキシ]−N−(2,2−ジメチルプロピル)−3−メトキシベンズアミド 塩酸塩、
(11)N−{4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカ−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−メトキシフェニル}メタンスルホンアミド 塩酸塩、
(12)N−{4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−ヒドロキシ(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカ−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−メトキシフェニル}−2−メチルプロパンアミド 塩酸塩、
(13)4−(4−{[(3S)−1−ブチル−3−(シクロヘキシルメチル)−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカ−9−イル]メチル}フェノキシ)安息香酸 塩酸塩、
(14)N−{4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカ−9−イル}メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル]フェニル}メタンスルホンアミド 二塩酸塩、
(15)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカ−9−イル}メチル)フェノキシ]安息香酸 塩酸塩、
(16)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカ−9−イル}メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル]−N−メチルベンズアミド 二塩酸塩、
(17)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカ−9−イル}メチル)フェノキシ]安息香酸 塩酸塩、
(18)4−(4−{(3R)−1−ブト−2−イン−1−イル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカ−9−イル}ブトキシ)−N−メチルベンズアミド 塩酸塩、
(19)4−(4−{[(3S)−1−ブチル−3−(シクロヘキシルメチル)−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル]メチル]フェノキシ)安息香酸 塩酸塩、
(20)N−{4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル]フェニル}メタンスルホンアミド 二塩酸塩、
(21)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]安息香酸 塩酸塩、
(22)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル]−N−メチルベンズアミド 二塩酸塩、
(23)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル]メチル) フェノキシ]安息香酸 二塩酸塩、
(24)4−(4−{(3R)−1−ブタ−2−イニル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル]ブトキシ)−N−メチルベンズアミド 塩酸塩、
(25)4−(2−(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル]エトキシ)−N−メチルベンズアミド 塩酸塩、
(26)4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)−N−{4−[(メチルアミノ)カルボニル]ベンジル}ベンズアミド 塩酸塩、
(27)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−N−(シクロプロピルメチル)ベンズアミド 塩酸塩、
(28)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−メトキシ安息香酸 塩酸塩、
(29)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキソ−3−エン−1−イル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−N−メチルベンズアミド 塩酸塩、
(30)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−メトキシ−N−メチルベンズアミド 塩酸塩、
(31)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−クロロ安息香酸 塩酸塩、
(32)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−クロロ−N−メチルベンズアミド 塩酸塩、
(33)N−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)ベンジル]−N−メチルテレフタルアミド 塩酸塩、
(34)(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−9−{4−[4−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)フェノキシ]ベンジル}−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカン−2,5−ジオン 塩酸塩、
(35)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)ベンジル]−3−メトキシ安息香酸 塩酸塩、
(36)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−メトキシ−N,N−ジメチルベンズアミド塩酸塩、
(37)N−{4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−メトキシフェニル}メタンスルホンアミド 塩酸塩、
(38)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−エトキシ安息香酸 塩酸塩、
(39)4−[4−({(3R)−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1−ペンチル−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−メトキシ安息香酸 塩酸塩、
(40)N−{4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−メトキシフェニル}アセトアミド 塩酸塩、
(41)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(1R)−2−エチル−1−ヒドロキシブチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−メトキシ安息香酸 塩酸塩、
(42)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−ヒドロキシ(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−N−(シクロプロピルメチル)ベンズアミド 塩酸塩、
(43)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−3,5−ジメチル安息香酸 塩酸塩、
(44)4−[4−(1−{(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}エチル)フェノキシ]安息香酸 塩酸塩、
(45)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(1R)−2−エチル−1−ヒドロキシブチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−メトキシ−N−メチルベンズアミド 塩酸塩、
(46)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−3−シクロペンテン−1−イル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−メチル安息香酸 塩酸塩、
(47)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘプチル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−メトキシ安息香酸 塩酸塩、
(48)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロペンチル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−エトキシ安息香酸 塩酸塩、
(49)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロペント−3−エン−1−イル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−エトキシ安息香酸 塩酸塩、
(50)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロペンチル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−メトキシ−N,N−ジメチルベンズアミド 塩酸塩、
(51)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−3−シクロペンテン−1−イル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−メトキシ−N−メチルベンズアミド 塩酸塩、
(52)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(1R)−2−エチル−1−ヒドロキシブチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−メトキシ−N−(2−メトキシエチル)ベンズアミド 塩酸塩、
(53)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロペンチル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−メトキシ−N−メチルベンズアミド 塩酸塩、
(54)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−ヒドロキシ(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−N−(シクロプロピルメチル)−3−メトキシベンズアミド 塩酸塩、
(55)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−ヒドロキシ(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)ベンジル]−3−メトキシ−N−メチルベンズアミド 塩酸塩、
(56)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−ヒドロキシ(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−N−イソプロピル−3−メトキシ安息香酸 塩酸塩、
(57)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−ヒドロキシ(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−N−イソブチル−3−メトキシベンズアミド 塩酸塩、
(58)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−ヒドロキシ(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−メトキシ−N−ネオペンチルベンズアミド 塩酸塩、
(59)N−{4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−メトキシフェニル}メタンスルホンアミド 塩酸塩、
(60)N−{4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−ヒドロキシ(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−メトキシフェニル}−2−メチルプロパンアミド 塩酸塩、
(61)N−{4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−ヒドロキシ(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデス−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−メトキシフェニル}−3−メチルブタンアミド 塩酸塩等が挙げられ、特に好ましい化合物としては、
(1)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカ−9−イル}メチル)ベンジル]−3−メトキシ安息香酸 塩酸塩、
(2)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカ−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−エトキシ安息香酸 塩酸塩、
(17)4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカ−9−イル}メチル)フェノキシ]安息香酸 塩酸塩等が挙げられる。
本明細書中に記載した化合物名は、IUPAC名を機械的に生成するコンピュータープログラムである、ACD/NAME(バージョン6.08/25)(商品名,Advanced Chemistry Development社)を用いて、命名および番号付けを行ったものである。
例えば、一般式(I)において、R

水素原子を表わし、R

を表わし、R

を表わし、Rが水素原子を表わす化合物、すなわち

で示される化合物の塩酸塩は、4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカ−9−イル}メチル)ベンジル]−3−メトキシ安息香酸 塩酸塩と命名される。
また、本明細書中、CCR5アンタゴニストとしては、一般式(II)

(式中、R1aは水素原子、または保護されていてもよい酸性基であり、XおよびYはそれぞれ独立して、結合手または主鎖の原子数1〜3のスペーサーを表わし、環Aおよび環Bは同一または異なって、さらに置換基を有していてもよい3〜15員同素環または複素環を表わし、環Dは、さらに置換基を有していてもよい3〜15員含窒素複素環を表わし、R2aは(1)水素原子、(2)置換基を有していてもよい炭化水素基、(3)シアノ基、(4)保護されていてもよい水酸基、(5)置換基を有していてもよいアミノ基、(6)オキソ基、(7)置換基を有していてもよい3〜15員複素環基、または(8)=N−OR6a(R6aは、水素原子またはC1〜4アルキルを表わす。)を表わす。)で示される化合物、その塩またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグが挙げられる。
1aで示される「保護されていてもよい酸性基」とは「保護基」によって保護されていてもよい「酸性基」を表わす。「酸性基」としては、例えば、水酸基、アルコキシ、カルボキシ(−COOH)、スルホ(−SOH)、スルフィノ(−SOH)、スルホンアミド(−SONHまたは−NR101aSOH(R101aは水素原子、または置換基を有していてもよい炭化水素基を表わす。))、ホスホノ(−PO(OH))、フェノール(−COH)または脱プロトン化しうる水素原子を有する含窒素環残基等の各種ブレンステッド酸が挙げられる。「ブレンステッド酸」とは、他の物質に水素イオンを与える物質のことを示す。「脱プロトン化しうる水素原子を有する含窒素環残基」としては、例えば

等が挙げられる。好ましい「酸性基」としてはカルボキシ、またはスルホンアミドが挙げられる。さらに好ましくは、スルホンアミドが挙げられる。
また、「保護基」としては、置換基を有していてもよい炭化水素基、炭素数1〜6のアルコキシ、置換基を有していてもよいアミノ基、

い炭化水素基」における「炭化水素基」としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル等の炭素数1〜15のアルキル基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等の炭素数3〜8のシクロアルキル基、例えばビニル、アリル、2−メチルアリル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−オクテニル等の炭素数2〜10のアルケニル基、例えばエチニル、2−プロピニル、3−ヘキシニル等の炭素数2〜10のアルキニル基、例えばシクロプロペニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等の炭素数3〜10のシクロアルケニル基、例えばフェニル、ナフチル等の炭素数6〜14のアリール基、例えばベンジル、フェニルエチル等の炭素数7〜16のアラルキル基、例えばシクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、シクロヘキシルプロピル、1−メチル−1−シクロヘキシルメチル、またはシクロプロピルエチル等の(炭素数3〜8のシクロアルキル)−(炭素数1〜4のアルキル)基等が挙げられる。また、「置換基を有していてもよい炭化水素基」における「置換基」としては、例えば(1)ニトロ、(2)水酸基、(3)オキソ、(4)チオキソ、(5)シアノ、(6)カルバモイル、(7)N−ブチルアミノカルボニル、N−シクロヘキシルメチルアミノカルボニル、N−ブチル−N−シクロヘキシルメチルアミノカルボニル、N−シクロヘキシルアミノカルボニル、フェニルアミノカルボニル等の炭素数1〜8の炭化水素等で置換されたアミノカルボニル、(8)カルボキシ、(9)例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル等の炭素数1〜4のアルコキシ−カルボニル、(10)スルホ、(11)例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン、(12)例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ等のハロゲンで置換されていてもよい炭素数1〜4の低級アルコキシ、(13)フェノキシ、(14)例えばo−、m−またはp−クロロフェノキシ、o−、m−またはp−ブロモフェノキシ等のハロゲノフェノキシ、(15)例えばメチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、t−ブチルチオ等の炭素数1〜4の低級アルキルチオ、(16)フェニルチオ、(17)例えばメチルスルフィニル、エチルスルフィニル等の炭素数1〜4の低級アルキルスルフィニル、(18)例えばメチルスルホニル、エチルスルホニル等の炭素数1〜4の低級アルキルスルホニル、(19)アミノ、(20)例えばアセチルアミノ、プロピオニルアミノ等の炭素数1〜6の低級アシルアミノ、(21)例えばメチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n−ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、1−カルバモイル−2−シクロヘキシルエチルアミノ、N−ブチル−N−シクロヘキシルメチルアミノ、フェニルアミノ等の炭化水素基で置換された第1または第2アミノ(この「炭化水素基」は、前記の「炭化水素基」と同じ意味を表わし、オキソ、任意の置換基(例えば炭化水素基等)で置換されていてもよいアミノ、カルバモイル、ハロゲン、水酸基等で置換されていてもよい。)、(22)例えばホルミル、アセチル等の炭素数1〜4の低級アシル、(23)ベンゾイル、(24)(a)例えば臭素、塩素、フッ素等のハロゲン、(b)オキソ、ヒドロキシ等で置換されていてもよい、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ベンジル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル等の炭化水素基(この「炭化水素基」は前記の「炭化水素基」と同じ意味を表わす。)、(c)例えばo−、m−またはp−クロロフェノキシ、o−、m−またはp−ブロモフェノキシ等のハロゲノフェノキシ、および(d)オキソ等から選ばれる1〜4個の置換基を有していてもよい、例えば2−または3−チエニル、2−または3−フリル、3−、4−または5−ピラゾリル、4−テトラヒドロピラニル、2−、4−または5−チアゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5−イソオキサゾリル、2−、4−または5−イミダゾリル、1,2,3−または1,2,4−トリアゾリル、1Hまたは2H−テトラゾリル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−または5−ピリミジル、3−または4−ピリダニジル、キノリル、イソキノリル、インドリル等の炭素原子以外に酸素、硫黄、窒素等から選ばれるヘテロ原子を1〜4個含む5または6員複素環基、(25)例えばジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、トリクロロエチル等の炭素数1〜10のハロアルキル基、(26)ヒドロキシイミノ基、(27)例えばメチルオキシイミノ、エチルオキシイミノ等のアルキルオキシイミノ基、(28)例えばメチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、ベンジルスルホニルアミノ等のアルキルスルホニルアミノ基、または(29)例えばフェニルスルホニルアミノ、p−トルエンスルホニルアミノ等のアリールスルホニルアミノ基等が挙げられる。「置換基を有していてもよい炭化水素基」は、前記(1)から(29)から選ばれる1〜10個の置換基を有していてもよいほか、「炭化水素基」がシクロアルキル、シクロアルケニル、アリールまたはアラルキル基である場合は例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル等の炭素数1〜4の低級アルキルを置換基として1〜4個有していてもよい。また、置換基の数が2以上の場合、それぞれの置換基は同一または異なっていてもよい。
「保護基」における「置換基を有していてもよいアミノ基」におけるアミノ基の置換基としては、前記に定義した「置換基を有していてもよい炭化水素基」が挙げられる。
「保護基」における「炭素数1〜6のアルコキシ」としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられる。
1aにおける「保護基」として好ましくは置換基を有していてもよい炭化水素基が挙げられ、さらに好ましくは、例えば、炭素数1〜4のアルキル基等が挙げられる
例えば、R1aで示される「保護されていてもよい酸性基」には、メトキシカルボニルやエトキシカルボニル等のエステルやカルバモイル等のアミドも含まれる。
1aとして好ましくは、−SONR102a103aまたは−NR101aSO104a、−COOR105a、−CONR106a107a(式中、R102a〜R107は水素原子または前記に定義した保護基を表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)等が挙げられる。さらに好ましくは、−SONR102a103aまたは−NR101aSO104aである。
XおよびYで示される「主鎖の原子数1〜3のスペーサー」とは、主鎖の原子が1〜3個連なっている間隔を意味する。ここで、「主鎖の原子数」は、主鎖の原子が最小となるように数えるものとする。「主鎖の原子数1〜3のスペーサー」としては、例えば、−CR7a8a−、−NR9a−、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−C(=N−OR10a)−(式中、R7aおよびR8aはそれぞれ独立して、水素原子、C1〜4アルキル、−OR1a、またはフェニルを表わし、R9aは、水素原子、C1〜4アルキル、またはフェニルを表わし、R10aおよびR11aはそれぞれ独立して、水素原子またはC1〜4アルキルを表わす。)から選ばれる1〜3個からなる2価基等が挙げられる。ここで、「C1〜4アルキル」としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル等が挙げられる。具体的には、例えば、−CR7a8a−、−NR9a−、−CO−、−O−、−S−、−C(=N−OR10a)、−NRCO−、−CONR9a−、−NR9aCOCR7a8a−、−CONR9aCR7a8a−(式中、R7a〜R10aは前記と同じ意味を表わす。)等が挙げられる。Xで示される「主鎖の原子数1〜3のスペーサー」において好ましいスペーサーは−CR7a8a−、−NR9a−、−CO−、−O−、−S−、−SO−、SO−、−C(=N−OR10a)−(式中、R7aおよびR8aはそれぞれ独立して、水素原子、C1〜4アルキル、−OR11a、またはフェニルを表わし、R9aは、水素原子、C1〜4アルキル、またはフェニルを表わし、R10aおよびR11aはそれぞれ独立して、水素原子またはC1〜4アルキルを表わす。)等が挙げられる。
Xとして好ましくは、結合手、−O−、−CH−等が挙げられる。
Yで示される「主鎖の原子数1〜3のスペーサー」として好ましくは「C1〜3アルキレン」が挙げられる。「C1〜3アルキレン」としては、メチレン、エチレン、プロピレン等が挙げられる。さらに、Yとして好ましくは、メチレンが挙げられる。
環Aおよび環Bで示される「置換基を有していてもよい3〜15員同素環または複素環」における「3〜15員同素環」としては、「炭素数3〜15の環状炭化水素」等が挙げられる。「炭素数3〜15の環状炭化水素」における「環状炭化水素」としては、「不飽和環状炭化水素」または「飽和環状炭化水素」が挙げられる。「飽和環状炭化水素」としては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン、シクロトリドデカン、シクロテトラデカン、シクロペンタデカン等のシクロアルカン、さらに、パーヒドロペンタレン、パーヒドロアズレン、パーヒドロインデン、パーヒドロナフタレン、パーヒドロヘプタレン、スピロ[4.4]ノナン、スピロ[4.5]デカン、スピロ[5.5]ウンデカン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、アダマンタン、ノルアダマンタン等が挙げられる。「不飽和環状炭化水素」としては、例えばシクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン等のシクロアルケン、さらに、ベンゼン、ペンタレン、アズレン、インデン、インダン、ナフタレン、ジヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレン、ヘプタレン、ビフェニレン、as−インダセン、s−インダセン、アセナフテン、アセナフチレン、フルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタ−2−エン、ビシクロ[2.2.2]オクタ−2−エン等が挙げられる。
環Aおよび環Bで示される「置換基を有していてもよい3〜15員同素環または複素環」における「3〜15員複素環」としては、「3〜15員不飽和複素環」、「3〜15員飽和複素環」が挙げられる。
「3〜15員不飽和複素環」としては、例えばピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、アゼピン、ジアゼピン、フラン、ピラン、オキセピン、チオフェン、チオピラン、チエピン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、オキサジン、オキサジアジン、オキサゼピン、オキサジアゼピン、チアジアゾール、チアジン、チアジアジン、チアゼピン、チアジアゼピン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジチアナフタレン、インダゾール、キノリン、イソキノリン、キノリジン、プリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、クロメン、ベンゾオキセピン、ベンゾオキサゼピン、ベンゾオキサジアゼピン、ベンゾチエピン、ベンゾチアゼピン、ベンゾチアジアゼピン、ベンゾアゼピン、ベンゾジアゼピン、ベンゾフラザン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール、カルバゾール、β−カルボリン、アクリジン、フェナジン、ジベンゾフラン、キサンテン、ジベンゾチオフェン、フェノチアジン、フェノキサジン、フェノキサチイン、チアンスレン、フェナントリジン、フェナントロリン、ペリミジン、ピロリン、イミダゾリン、トリアゾリン、テトラゾリン、ピラゾリン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、ジヒドロフラン、ジヒドロピラン、ジヒドロオキセピン、テトラヒドロオキセピン、ジヒドロチオフェン、ジヒドロチオピラン、ジヒドロチエピン、テトラヒドロチエピン、ジヒドロオキサゾール、ジヒドロイソオキサゾール、ジヒドロチアゾール、ジヒドロイソチアゾール、ジヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、ジヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、ジヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、ジヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロオキサジアゼピン、ジヒドロチアジアゾール、ジヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、ジヒドロチアゼピン、テトラヒドロチアゼピン、ジヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロチアジアゼピン、インドリン、イソインドリン、ジヒドロベンゾフラン、ジヒドロイソベンゾフラン、ジヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロイソベンゾチオフェン、ジヒドロインダゾール、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、ジヒドロフタラジン、テトラヒドロフタラジン、ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、ジヒドロキノキサリン、テトラヒドロキノキサリン、ジヒドロキナゾリン、テトラヒドロキナゾリン、ジヒドロシンノリン、テトラヒドロシンノリン、ベンゾオキサチアン、ジヒドロベンゾオキサジン、ジヒドロベンゾチアジン、ピラジノモルホリン、ジヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイミダゾール、ジヒドロベンゾアゼピン、テトラヒドロベンゾアゼピン、ジヒドロベンゾジアゼピン、テトラヒドロベンゾジアゼピン、ベンゾジオキセパン、ジヒドロベンゾオキサゼピン、テトラヒドロベンゾオキサゼピン、ジヒドロカルバゾール、テトラヒドロカルバゾール、ジヒドロアクリジン、テトラヒドロアクリジン、ジヒドロジベンゾフラン、ジヒドロジベンゾチオフェン、テトラヒドロジベンゾフラン、テトラヒドロジベンゾチオフェン、ジオキサインダン、ベンゾジオキサン、クロマン、ベンゾジチオラン、ベンゾジチアン環等が挙げられる。また、「3〜15員飽和複素環」としては、アジリジン、アゼチジン、アゾカン、ピロリジン、イミダゾリジン、トリアゾリジン、テトラゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、パーヒドロピリミジン、パーヒドロピリダジン、パーヒドロアゼピン、パーヒドロジアゼピン、オキシラン、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、パーヒドロオキセピン、チイラン、チエタン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン、パーヒドロチエピン、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、テトラヒドロフラザン、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、テトラヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジアジン、パーヒドロオキサゼピン、パーヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、テトラヒドロチアジン、テトラヒドロチアジアジン、パーヒドロチアゼピン、パーヒドロチアジアゼピン、モルホリン、チオモルホリン、オキサチアン、パーヒドロベンゾフラン、パーヒドロイソベンゾフラン、パーヒドロベンゾチオフェン、パーヒドロイソベンゾチオフェン、パーヒドロインダゾール、パーヒドロキノリン、パーヒドロイソキノリン、パーヒドロフタラジン、パーヒドロナフチリジン、パーヒドロキノキサリン、パーヒドロキナゾリン、パーヒドロシンノリン、パーヒドロベンゾオキサゾール、パーヒドロベンゾチアゾール、パーヒドロベンゾイミダゾール、パーヒドロカルバゾール、パーヒドロアクリジン、パーヒドロジベンゾフラン、パーヒドロジベンゾチオフェン、ジオキソラン、ジオキサン、ジチオラン、ジチアン、

られる。
環Aおよび環Bで示される「3〜15員同素環または複素環」として好ましくは、「5〜10員同素環または複素環」が挙げられる。具体的には、5〜10員同素環としては、例えばシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等のC5〜10シクロアルカン等のC5〜10飽和環状炭化水素、例えばシクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン等のC5〜10シクロアルケン、例えばベンゼン、ナフタレン、インデン等のC5〜10不飽和環状炭化水素等が挙げられる。5〜10員複素環としては、例えばピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、アゼピン、ジアゼピン、フラン、ピラン、オキセピン、チオフェン、チオピラン、チエピン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、オキサジン、オキサジアジン、オキサゼピン、オキサジアゼピン、チアジアゾール、チアジン、チアジアジン、チアゼピン、チアジアゼピン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジチアナフタレン、インダゾール、キノリン、イソキノリン、キノリジン、プリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、クロメン、ベンゾフラザン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール、ピロリン、イミダゾリン、トリアゾリン、テトラゾリン、ピラゾリン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、ジヒドロフラン、ジヒドロピラン、ジヒドロオキセピン、テトラヒドロオキセピン、ジヒドロチオフェン、ジヒドロチオピラン、ジヒドロチエピン、テトラヒドロチエピン、ジヒドロオキサゾール、ジヒドロイソオキサゾール、ジヒドロチアゾール、ジヒドロイソチアゾール、ジヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、ジヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、ジヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、ジヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロオキサジアゼピン、ジヒドロチアジアゾール、ジヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、ジヒドロチアゼピン、テトラヒドロチアゼピン、ジヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロチアジアゼピン、インドリン、イソインドリン、ジヒドロベンゾフラン、ジヒドロイソベンゾフラン、ジヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロイソベンゾチオフェン、ジヒドロインダゾール、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、ジヒドロフタラジン、テトラヒドロフタラジン、ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、ジヒドロキノキサリン、テトラヒドロキノキサリン、ジヒドロキナゾリン、テトラヒドロキナゾリン、ジヒドロシンノリン、テトラヒドロシンノリン、ベンゾオキサチアン、ジヒドロベンゾオキサジン、ジヒドロベンゾチアジン、ピラジノモルホリン、ジヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイミダゾール、ジオキサインダン、ベンゾジオキサン、クロマン、ベンゾジチオラン、ベンゾジチアン等の5〜10員不飽和複素環、例えば、ピロリジン、イミダゾリジン、トリアゾリジン、テトラゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、パーヒドロピリミジン、パーヒドロピリダジン、パーヒドロアゼピン、パーヒドロジアゼピン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、パーヒドロオキセピン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン、パーヒドロチエピン、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、テトラヒドロフラザン、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、テトラヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジアジン、パーヒドロオキサゼピン、パーヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、テトラヒドロチアジン、テトラヒドロチアジアジン、パーヒドロチアゼピン、パーヒドロチアジアゼピン、モルホリン、チオモルホリン、オキサチアン、パーヒドロベンゾフラン、パーヒドロイソベンゾフラン、パーヒドロベンゾチオフェン、パーヒドロイソベンゾチオフェン、パーヒドロインダゾール、パーヒドロキノリン、パーヒドロイソキノリン、パーヒドロフタラジン、パーヒドロナフチリジン、パーヒドロキノキサリン、パーヒドロキナゾリン、パーヒドロシンノリン、パーヒドロベンゾオキサゾール、パーヒドロベンゾチアゾール、パーヒドロベンゾイミダゾール、ジオキソラン、ジオキサン、ジチオラン、ジチアン、

〜10員飽和複素環等が挙げられる。
環Aまたは環Bとして、さらに好ましくは「5〜10員不飽和同素環または複素環」が挙げられる。「5〜10員不飽和同素環または複素環」とは、「5〜10員不飽和環状炭化水素」または「5〜10員不飽和複素環」を表わす。さらに好ましくは、5〜6員芳香族環、例えば、ベンゼン、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、フラン、チオフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、チアジアゾール環等が挙げられる。
環Aおよび環Bで示される「置換基を有していてもよい3〜15員同素環または複素環」における「置換基」としては、例えば、(1)置換基を有していてもよい炭化水素基(この「置換基を有していてもよい炭化水素基」とは、前記の「置換基を有していてもよい炭化水素基」と同じ意味を表わす。)、(2)例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、iso−プロポキシ、n−ブトキシ、iso−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、トリフルオロメトキシ基等のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、(3)例えばメトキシエチル等の(炭素数1〜4のアルコキシ)−(炭素数1〜4のアルキル)基、(4)フェノキシ基、(5)例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、n−ブチリル、iso−ブチリル、シクロヘキシルカルボニル基等の炭素数1〜8のアルカノイル基、(6)ベンゾイル基、(7)例えばホルミルオキシ、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、n−ブチリルオキシ、iso−ブチリルオキシ、シクロヘキシルカルボニルオキシ基等の炭素数1〜8のアルカノイルオキシ基、またはベンゾイルオキシ基、(8)カルボキシ基、(9)例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、iso−プロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、(10)カルバモイル基、(11)例えばN−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N−イソプロピルカルバモイル、N−ブチルカルバモイル等のN−モノ−C1〜4アルキルカルバモイル基等、(12)例えばN,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N,N−ジプロピルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル等のN,N−ジ−C1〜4アルキルカルバモイル基、(13)例えば1−アチリジニルカルボニル、1−アゼチジニルカルボニル、1−ピロリジニルカルボニル、1−ピペリジニルカルボニル、N−メチルピペラジニルカルボニル、モルホリノカルボニル基等の環状アミノカルボニル、(14)例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、(15)例えばクロロメチル、ジクロロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル等のモノ−,ジ−またはトリ−ハロゲノ−C1〜4アルキル基、(16)オキソ基、(17)アミジノ基、(18)イミノ基、(19)アミノ基、(20)例えばメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ等のモノ−C1〜4アルキルアミノ基、(21)例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ等のジ−C1〜4アルキルアミノ基、(22)例えばアチリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、イミダゾリル、ビラゾリル、イミダゾリジニル、ピペリジノ、モルホリノ、ジヒドロピリジル、ピリジル、N−メチルピペラジニル、N−エチルピペラジニル基等の炭素原子と1個の窒素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれるヘテロ原子を1〜3個含んでいてもよい3〜6員の環状アミノ基、(23)例えばホルムアミド、アセタミド、トリフルオロアセタミド、プロピオニルアミド、ブチリルアミド、イソブチリルアミド、シクロヘキシルカルボニルアミノ等の炭素原子1〜8のアルカノイルアミド基等、(24)ベンズアミド基、(25)カルバモイルアミノ基、(26)例えばN−メチルカルバモイルアミノ、N−エチルカルバモイルアミノ、N−プロピルカルバモイルアミノ、N−イソプロピルカルバモイルアミノ、N−ブチルカルバモイルアミノ等のN−C1〜4アルキルカルバモイルアミノ基等、(27)例えばN,N−ジメチルカルバモイルアミノ、N,N−ジエチルカルバモイルアミノ、N,N−ジプロピルカルバモイルアミノ、N,N−ジブチルカルバモイルアミノ等のN,N−ジ−C1〜4アルキルカルバモイルアミノ基、(28)例えばメチレンジオキシ、エチレンジオキシ基等の炭素数1〜3のアルキレンジオキシ基、(29)−B(OH)、(30)ヒドロキシ基、(31)エポキシ基、(32)ニトロ基、(33)シアノ基、(34)メルカプト基、(35)スルホ基、(36)スルフィノ基、(37)ホスホノ基、(38)スルファモイル基、(39)例えばN−メチルスルファモイル、N−エチルスルファモイル、N−プロピルスルファモイル、N−イソプロピルスルファモイル、N−ブチルスルファモイル等の炭素数1〜6のモノアルキルスルファモイル基等、(40)例えばN,N−ジメチルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N,N−ジブチルスルファモイル等のジ−C1〜4アルキルスルファモイル基、(41)例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ基等の炭素数1〜6のアルキルチオ基、(42)フェニルチオ基、(43)例えばメチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル基等の炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、(44)フェニルスルフィニル基、(45)例えばメチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル基等の炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、(46)フェニルスルホニル基、または(47)アジド基等が挙げられる。環Aおよび環Bは、上記置換基を、環状基の置換可能な位置に1〜10個有していてもよい。また、置換基の数が2以上の場合、それぞれの置換基は同一または異なっていてもよい。環Aおよび環Bにおいて、好ましい置換基としては、置換基を有していてもよい炭化水素基、アルコキシ基、カルボキシ基、アルカノイルアミド基等が挙げられる。さらに好ましくは炭化水素基、アルコキシ基が挙げられる。
環Dで示される「置換基を有していてもよい3〜15員含窒素複素環」における「含窒素複素環」とは、炭素原子以外に少なくとも1個の窒素原子含み、さらに窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含んでいてもよい複素環を表わす。「3〜15員含窒素複素環」としては、「3〜15員含窒素不飽和複素環」、「3〜15員含窒素飽和複素環」が挙げられる。
「3〜15員含窒素不飽和複素環」としては、例えばピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、インドール、イソインドール、インダゾール、プリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾアゼピン、ベンゾジアゼピン、ベンゾトリアゾール、カルバゾール、β−カルボリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ペリミジン、ピロリン、イミダゾリン、トリアゾリン、テトラゾリン、ピラゾリン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、ジヒドロオキサゾール、ジヒドロイソオキサゾール、ジヒドロチアゾール、ジヒドロイソチアゾール、ジヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、ジヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、ジヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、ジヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロオキサジアゼピン、ジヒドロチアジアゾール、ジヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、ジヒドロチアゼピン、ジヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロチアジアゼピン、インドリン、イソインドリン、ジヒドロインダゾール、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、ジヒドロフタラジン、テトラヒドロフタラジン、ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、ジヒドロキノキサリン、テトラヒドロキノキサリン、ジヒドロキナゾリン、テトラヒドロキナゾリン、ジヒドロシンノリン、テトラヒドロシンノリン、ジヒドロベンゾオキサジン、ジヒドロベンゾチアジン、ピラジノモルホリン、ジヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイミダゾール、ジヒドロベンゾアゼピン、テトラヒドロベンゾアゼピン、ジヒドロベンゾジアゼピン、テトラヒドロベンゾジアゼピン、ジヒドロベンゾオキサゼピン、テトラヒドロベンゾオキサゼピン、ジヒドロカルバゾール、テトラヒドロカルバゾール、ジヒドロアクリジン、テトラヒドロアクリジン等が挙げられる。また、「3〜15員含窒素飽和複素環」としては、アジリジン、アゼチジン、アゾカン、ピロリジン、イミダゾリジン、トリアゾリジン、テトラゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、パーヒドロピリミジン、パーヒドロピリダジン、パーヒドロアゼピン、パーヒドロジアゼピン、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、テトラヒドロフラザン、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、テトラヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジアジン、パーヒドロオキサゼピン、パーヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、テトラヒドロチアジン、テトラヒドロチアジアジン、テトラヒドロチアゼピン、パーヒドロチアゼピン、パーヒドロチアジアゼピン、モルホリン、チオモルホリン、パーヒドロインダゾール、パーヒドロキノリン、パーヒドロイソキノリン、パーヒドロフタラジン、パーヒドロナフチリジン、パーヒドロキノキサリン、パーヒドロキナゾリン、パーヒドロシンノリン、パーヒドロベンゾオキサゾール、パーヒドロベンゾチアゾール、パーヒドロベンゾイミダゾール、パーヒドロカルバゾール、パーヒドロアクリジン、

られる。
環Dで示される「3〜15員含窒素複素環」として好ましくは、「5〜10員含窒素複素環」が挙げられる。具体的には、例えば「5〜10員含窒素不飽和複素環」としては、例えばピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、インドール、イソインドール、インダゾール、プリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ピロリン、イミダゾリン、トリアゾリン、テトラゾリン、ピラゾリン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、ジヒドロオキサゾール、ジヒドロイソオキサゾール、ジヒドロチアゾール、ジヒドロイソチアゾール、ジヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、ジヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、ジヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、ジヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロオキサジアゼピン、ジヒドロチアジアゾール、ジヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、ジヒドロチアゼピン、テトラヒドロチアゼピン、ジヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロチアジアゼピン、インドリン、イソインドリン、ジヒドロインダゾール、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、ジヒドロフタラジン、テトラヒドロフタラジン、ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、ジヒドロキノキサリン、テトラヒドロキノキサリン、ジヒドロキナゾリン、テトラヒドロキナゾリン、ジヒドロシンノリン、テトラヒドロシンノリン、ジヒドロベンゾオキサジン、ジヒドロベンゾチアジン、ピラジノモルホリン、ジヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイミダゾール等が挙げられる。また、「5〜10員含窒素飽和複素環」としては、アゾカン、ピロリジン、イミダゾリジン、トリアゾリジン、テトラゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、パーヒドロピリミジン、パーヒドロピリダジン、パーヒドロアゼピン、パーヒドロジアゼピン、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、テトラヒドロフラザン、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、テトラヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジアジン、パーヒドロオキサゼピン、パーヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、テトラヒドロチアジン、テトラヒドロチアジアジン、パーヒドロチアゼピン、パーヒドロチアジアゼピン、モルホリン、チオモルホリン、パーヒドロインダゾール、パーヒドロキノリン、パーヒドロイソキノリン、パーヒドロフタラジン、パーヒドロナフチリジン、パーヒドロキノキサリン、パーヒドロキナゾリン、パーヒドロシンノリン、パーヒドロベンゾオキサゾール、パーヒドロベンゾチアゾール、パーヒドロベンゾイミダゾール、

る。
さらに、環Dで示される「含窒素複素環」として好ましくは、ピペリジンまたはピペラジンが挙げられる。さらに好ましくはピペリジンが挙げられる。
環Dで示される「置換基を有していてもよい3〜15員含窒素複素環」における「置換基」とは、前記の環Aおよび環Bで示される「置換基を有していてもよい3〜15員同素環または複素環」における「置換基」と同じ意味を表わす。
環Dは、好ましくは無置換、または置換基を有していてもよい炭化水素基、モノ−C1〜4アルキルアミノ基、ジ−C1〜4アルキルアミノ基等で置換されたものが好ましい。さらに好ましくは無置換のものである。
2aで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」は、R1aで示される「保護されてもよい酸性基」における「保護基」で定義した「置換基を有していてもよい炭化水素基」と同じ意味を表わす。R2aで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」として好ましくはオキソ基で置換されたアルキル基またはオキソ基で置換された(炭素数3〜8のシクロアルキル)−(炭素数1〜4のアルキル)基である。
2aのうち、「保護されていてもよい水酸基」とは「保護基」によって保護されていてもよい「水酸基」を表わし、水酸基の「保護基」としては、例えば、(1)例えば塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子、例えばフェニル、ナフチル等の炭素数6〜10のアリール、例えばベンジル、フェニルエチル等の炭素数7〜12のアラルキル基およびニトロ基等から選ばれる1〜4個の置換基を有していてもよい、例えばメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル等の炭素数1〜6のアルキル基、(2)例えば塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子、例えばメチル、エチル、n−プロピル等の炭素数1〜6のアルキル基、例えばフェニル、ナフチル等の炭素数6〜10のアリール、例えばベンジル、フェニルエチル等の炭素数7〜12のアラルキル基およびニトロ基等から選ばれる1〜4個の置換基を有していてもよい、例えばフェニル、ナフチル等の炭素数6〜10のアリール基、(3)例えば塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子、例えばメチル、エチル、n−プロピル等の炭素数1〜6のアルキル基、例えばフェニル、ナフチル等の炭素数6〜10のアリール、例えばベンジル、フェニルエチル等の炭素数7〜12のアラルキル基およびニトロ基等から選ばれる1〜4個の置換基を有していてもよい、例えばベンジル、フェニルエチル、ナフチルメチル等の炭素数7〜12のアラルキル基、(4)ホルミル、(5)例えば塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子、例えばメチル、エチル、n−プロピル等の炭素数1〜6のアルキル基、例えばフェニル、ナフチル等の炭素数6〜10のアリール、例えばベンジル、フェニルエチル等の炭素数7〜12のアラルキル基およびニトロ基等から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい、例えばアセチル、プロピオニル等の炭素数1〜6のアルキル−カルボニル基、(6)例えば塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子、例えばメチル、エチル、n−プロピル等の炭素数1〜6のアルキル基、例えばフェニル、ナフチル等の炭素数6〜10のアリール、例えばベンジル、フェニルエチル等の炭素数7〜12のアラルキル基およびニトロ基等から選ばれる1〜4個の置換基を有していてもよい、例えばフェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル等の炭素数6〜10のアリール−オキシカルボニル基、(7)例えば塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子、例えばメチル、エチル、n−プロピル等の炭素数1〜6のアルキル基、例えばフェニル、ナフチル等の炭素数6〜10のアリール、例えばベンジル、フェニルエチル等の炭素数7〜12のアラルキル基およびニトロ基等から選ばれる1〜4個の置換基を有していてもよい、例えばベンゾイル、ナフチルカルボニル等の炭素数6〜10のアリールカルボニル基、(8)例えば塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子、例えばメチル、エチル、n−プロピル等の炭素数1〜6のアルキル基、例えばフェニル、ナフチル等の炭素数6〜10のアリール、例えばベンジル、フェニルエチル等の炭素数7〜12のアラルキル基およびニトロ基等から選ばれる1〜4個の置換基を有していてもよい、例えばベンジルカルボニル、フェネチルカルボニル等の炭素数7〜12のアラルキル−カルボニル基、(9)例えば塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子、例えばメチル、エチル、n−プロピル等の炭素数1〜6のアルキル基、例えばフェニル、ナフチル等の炭素数6〜10のアリール、例えばベンジル、フェニルエチル等の炭素数7〜12のアラルキル基およびニトロ基等から選ばれる1〜4個の置換基を有していてもよいピラニルまたはフラニル、(10)例えばトリメチルシリル、トリエチルシリル等のトリ−C1〜4アルキルシリル基等が用いられる。
2aで示される「置換基を有していてもよいアミノ基」における「置換基」としては、置換基を有していてもよい炭化水素基、−SO201a、=NR02a、−OR203a(式中、R201a〜R203aは置換基を有していてもよい炭化水素基である。)等が挙げられる。ここで、「置換基を有していてもよい炭化水素基」とは、R1aで示される「保護されていてもよい酸性基」における「保護基」で定義した「置換基を有していてもよい炭化水素基」と同じ意味を表わす。R2aで示される「置換基を有していてもよいアミノ基」の「置換基」として好ましくは、置換基を有していてもよい炭化水素基である。
2aで示される「置換基を有していてもよい3〜15員複素環基」とは、環Aまたは環Bで示される「置換基を有していてもよい3〜15員複素環基」と同じ意味を表わす。R2aで示される「置換基を有していてもよい3〜15員複素環基」として好ましくは、置換基を有していてもよいピペリジン、またはピペラジン環であり、さらに好ましくは、

(式中、矢印は環Dとの結合位置を表わし、R31a、R32a、R33aおよびR4aはそれぞれ独立して、環Aまたは環Bで示される「置換基を有していてもよい3〜15員複素環基」における「置換基」と同じ意味を表わす。)等が挙げられる。
2aとして好ましくは、例えば置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアミノ基等が挙げられる。さらに好ましくは、

(式中、矢印は環Dとの結合位置を表わし、R51a、R52a、R53aおよびR4aはそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい3〜15員複素環基、置換基を有していてもよいC1〜4アルコキシ基、置換基を有していてもよいフェノキシ基または置換基を有していてもよいベンジルオキシ基を表わす。)等が挙げられる。ここで、「置換基を有していてもよい炭化水素基」および「置換基を有していてもよい3〜15員複素環基」はそれぞれ前記と同じ意味を表わす。C1〜4アルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシまたはt−ブトキシ等が挙げられる。ここで、C1〜4アルコキシ基、フェノキシ基またはベンジルオキシ基は任意の置換基を有していてもよい。C1〜4アルコキシ基、フェノキシ基またはベンジルオキシ基の置換基としては、例えば前記の「置換基を有していてもよい炭化水素基」における「置換基」等が挙げられる。
51a、R52a、R53aまたはR54aとして好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい3〜15員複素環基等が挙げられる。また、R52aおよびR53aのうち、どちらか一方が水素原子である化合物が好ましい。
本発明においては、前記の好ましい基、好ましい環の組み合わせを含む一般式(II)の化合物が好ましい。例えば、環Dがピペリジンまたはピペラジン、Yがメチレン基である化合物、すなわち、一般式(Ia)

(式中、環D1aは置換基を有していてもよいピペリジンまたはピペラジンを表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、環Dがピペリジンまたはピペラジン、R2a

である化合物、すなわち、一般式(Ib)

(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、Rが−SONR102a103aまたは−NR101aSO104a、Xが単結合、−CR7a8a−、−NR9a−、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−C(=N−OR10a)−(式中、R7aおよびR8aはそれぞれ独立して、水素原子、C1〜4アルキル、−OR11a、またはフェニルを表わし、R9aは、水素原子、C1〜4アルキル、またはフェニルを表わし、R10aおよびR11aはそれぞれ独立して、水素原子またはC1〜4アルキルを表わす。)を表わし、Yがメチレンを表わし、環Aおよび環Bがそれぞれ独立して置換されていてもよいベンゼン環、環Dがピペリジン、R2a

である化合物、すなわち、一般式(Ic)

(式中、R1−1aは−SONR102a103aまたは−NR101aSO104aを表わし、X1aが単結合、−CR7a8a−、−NR9a−、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−C(=N−OR10a)−(式中、R7aおよびR8aはそれぞれ独立して、水素原子、C1〜4アルキル、−OR11a、またはフェニルを表わし、R9aは、水素原子、C1〜4アルキル、またはフェニルを表わし、R10aおよびR11aはそれぞれ独立して、水素原子またはC1〜4アルキルを表わす。)を表わし、環A1aおよび環B1aはそれぞれ独立して置換基を有していてもよいベンゼン環を、環D1bは置換基を有していてもよいピペリジンを表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、またはR1aが−SONR102a103aまたは−NR101aSO104a、Xが単結合、−CR7a8a−、−NR9a−、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−C(=N−OR10a)−(式中、R7aおよびR8aはそれぞれ独立して、水素原子、C1〜4アルキル、−OR11a、またはフェニルを表わし、R9aは、水素原子、C1〜4アルキル、またはフェニルを表わし、R10aおよびR11aはそれぞれ独立して、水素原子またはC1〜4アルキルを表わす。)を表わし、Yがメチレンを表わし、環Aおよび環Bがそれぞれ独立して置換されていてもよいベンゼン環または不飽和単環式複素環、環Dがピペリジンまたはピペラジン、R2a

である化合物、すなわち、一般式(Id)

(式中、環A1bおよび環B1bはそれぞれ独立して置換されていてもよいベンゼン環または5〜6員芳香族環を表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)等が挙げられる。
CCR5アンタゴニストとして用いる一般式(II)で示される化合物のうち、好ましい化合物としては、
(1)2−[3−メチル−4−(4−{4−[(メチルスルホニル)アミノ]フェノキシ}ベンジル)ピペラジン−1−イル]−N−フェニルヘキサンアミド、
(2)N−{4−[4−({4−[(アニリノカルボニル)(ブチル)アミノ]−4’−メチル−1,4’−ビピペリジン−1’−イル}メチル)フェノキシ]フェニル}メタンスルホンアミド、
(3)N−[4−(4−{[3−[(アニリノカルボニル)(ブチル)アミノ]−4−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}フェノキシ)フェニル]メタンスルホンアミド、
(4)N−[4−(4−{[3−(ブチルアミノ)−4−(3−フルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]メチル}フェノキシ)フェニル]メタンスルホンアミド、
(5)N−ブチル−N−(1−{3−エチル−1−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−1H−ピラゾール−4−イル}ピペリジン−4−イル)−N’−フェニル尿素、
(6)N−ブチル−N−[1−({4−メチル−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−イミダゾール−5−イル}メチル)ピペリジン−4−イル]−N’−フェニル尿素、
(7)N−{4−[4−({3−[(アニリノカルボニル)(ブチル)アミノ]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル}メチル)フェノキシ]フェニル}メタンスルホンアミド、
(8)N−[4−(4−{[4−(3−イソプロピル−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)ピペリジン−1−イル]メチル}フェノキシ)フェニル]メタンスルホンアミド、
(9)N−[4−(4−{[4−(2−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−イル]メチル}フェノキシ)フェニル]メタンスルホンアミド、
(10)N−[4−(4−{[4−[(アニリノカルボニル)(ブチル)アミノ]−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル]メチル}フェノキシ)フェニル]メタンスルホンアミド、
(11)N−[4−(4−{[4−(2−オキソ−3−フェニル−6−プロピルテトラヒドロピリミジン−1(2H)−イル)ピペリジン−1−イル]メチル}フェノキシ)フェニル]メタンスルホンアミド、
(12)N−(4−{4−[(3−ブチル−2−オキソ−1,2,3,3a,4,5−ヘキサヒドロ−6H−ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−6−イル)メチル]フェノキシ}フェニル)メタンスルホンアミド、
(13)N−(4−{4−[(1−ブチル−2−オキソ−4−フェニルオクタヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(2H)−イル)メチル]フェノキシ}フェニル)メタンスルホンアミド、
(14)N−{4−[4−({8−[(アニリノカルボニル)(ブチル)アミノ]−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}メチル)フェノキシ]フェニル}メタンスルホンアミド、
(15)N−[4−(4−{[(2Z)−1−ブチル−2−(フェニルイミノ)ヘキサヒドロ−2H−ピリド[4,3−d][1,3]オキサジン−6(4H)−イル]メチル}フェノキシ)フェニル]メタンスルホンアミド、および
(16)N−[7−({4−[(アニリノカルボニル)(ブチル)アミノ]ピペリジン−1−イル}メチル)−9H−キサンテン−2−イル]メタンスルホンアミドが挙げられ、さらに好ましくは、
(1)N−[4−(4−{[4−(ブチル{[(2,4−ジフルオロフェニル)アミノ]カルボニル}アミノ)−1−ピペリジニル]メチル}フェノキシ)フェニル]メタンスルホンアミド、
(2)N−[4−(4−{[4−(ブチル{[(6−メチル−3−ピリジニル)アミノ]カルボニル}アミノ)−1−ピペリジニル]メチル}フェノキシ)フェニル]メタンスルホンアミド、
(3)N−[4−(4−{[4−(ブチル{[(2,4−ジフルオロフェニル)アミノ]カルボニル}アミノ)ピペリジン−1−イル]メチル}−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]メタンスルホンアミド、
(4)N−[4−(4−{[4−(ブチル{[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)アミノ]カルボニル}アミノ)ピペリジン−1−イル]メチル}フェノキシ)フェニル]メタンスルホンアミド、
(5)3−[({ブチル[1−(4−{4−[(メチルスルホニル)アミノ]フェノキシ}ベンジル)ピペリジン−4−イル]アミノ}カルボニル)アミノ]ベンズアミド、
(6)N−{4−[4−({4−[{[(4−フルオロフェニル)アミノ]カルボニル}(フェニル)アミノ]ピペリジン−1−イル}メチル)フェノキシ]フェニル}メタンスルホンアミド、
(7)5−[({ブチル[1−(4−{4−[(メチルスルホニル)アミノ]フェノキシ}ベンジル)ピペリジン−4−イル]アミノ}カルボニル)アミノ]−2−フルオロベンズアミド、
(8)5−[({ブチル[1−(4−{4−[(メチルスルホニル)アミノ]フェノキシ}ベンジル)ピペリジン−4−イル]アミノ}カルボニル)アミノ]−2,4−ジフルオロベンズアミド、
(9)N−[4−(4−{[4−(ブチル{[(3−シアノ−4−フルオロフェニル)アミノ]カルボニル}アミノ)ピペリジン−1−イル]メチル}フェノキシ)フェニル]メタンスルホンアミド、
(10)N−[4−(4−{[4−(ブチル{[(3−ヒドロキシシクロヘキシル)アミノ]カルボニル}アミノ)ピペリジン−1−イル]メチル}フェノキシ)フェニル]メタンスルホンアミド、および
(11)N−{4−[4−({4−[{[(4−フルオロフェニル)アミノ]カルボニル}(1,3−チアゾール−4−イルメチル)アミノ]ピペリジン−1−イル}メチル)フェノキシ]フェニル}メタンスルホンアミドが挙げられる。
[薬理活性]
実施例に記載以外の薬理試験として、例えば以下に示す方法がある。以下に示す方法により本発明化合物のインビボ(in vivo)における移植モデルにおける有効性を証明することができる。
CCR5アンタゴニストのサル腎移植モデルにおける免疫抑制作用:
ABO式血液型が一致し、主要組織適合抗原(MHC)が異なる(MLR miss−matched)カニクイザル(体重:3〜4.5kg)を、ドナー(雄)とレシピエント(雄または雌どちらか)の組み合わせとする。レシピエントの両腎を摘出し、ドナー由来の片腎をレシピエントに移植する。被験化合物(CCR5アンタゴニストおよび/または免疫抑制剤)は、移植日(Day1)の前日(Day−1)から投与を開始し、拒絶が確認されるまで、最大30日間連日投与し、移植された腎臓の生着日数を評価対象とする。
評価方法としては、例えばCCR5アンタゴニストを既存の免疫抑制剤(シクロスポリン、シロリムス、および/またはタクロリムス)と併用投与し、免疫抑制剤単独群と比較する方法等がある。
CCR5アンタゴニストの投与形態としては、例えば、CCR5アンタゴニストは30mg/kgを1日2回、経口投与する方法等がある。
また、免疫抑制剤の投与形態としては、例えば、筋肉内注射による投与とし、用量を漸減する方法等が挙げられる。例えば、シクロスポリンの場合、Day−1:12.5(mg/kg)、Day1〜6:10.0(mg/kg)、Day7〜13:5.0(mg/kg)、Day14〜20:2.5(mg/kg)、Day21〜28:0(mg/kg)、例えばシロリムスの場合、Day−1:0.1(mg/kg)、Day1〜6:0.075(mg/kg)、Day7〜13:0.05(mg/kg)、Day14〜20:0.025(mg/kg)、Day21〜28:0(mg/kg)という方法が挙げられる。
また、判断基準としては、例えば血中クレアチニン値を指標にすることができる。具体的には、血中クレアチニン値が8mg/dLを超えた場合等に、腎臓が拒絶されたと判断することができる。
[医薬品への適用]
本発明のCCR5アンタゴニストは、エフェクター細胞の機能を阻害するので、ヒトを含めた動物、特にヒトにおいて、例えば、移植の拒絶反応(例えば、固形臓器移植片の拒絶、糖尿病における膵島細胞移植の拒絶、移植片対宿主病(GVHD(graft−versus−host disease))等)、自己免疫疾患(例えば、関節炎、慢性関節炎リウマチ、多発性硬化症、潰瘍性大腸炎等)、アレルギー性疾患(例えば、喘息等)、および虚血性疾患(例えば、虚血再灌流傷害等)等の予防および/または治療に有用である。
本発明のCCR5アンタゴニストは、安全で低毒性であるので、例えばヒトや哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サル等)に対して投与することができる。
本発明のCCR5アンタゴニストは、または本発明のCCR5アンタゴニストと他の薬剤の併用剤を上記の目的で用いるには、通常、全身的または局所的に、経口または非経口の形で投与される。
さらに、本発明においては、CCR5アンタゴニストは、
1)その化合物の予防および/または治療効果の補完および/または増強、
2)その化合物の動態・吸収改善、投与量の低減、
および/または
3)その化合物の副作用の低減のために他の薬剤と組み合わせて、併用剤として投与してもよい。
また、併用する他の薬剤の、(1)予防および/または治療効果の補完および/または増強、(2)動態・吸収改善、投与量の低減、および/または(3)副作用の低減のために本発明化合物を組み合わせて、併用剤として投与してもよい。
CCR5アンタゴニストと他の薬剤の併用剤は、1つの製剤中に両成分を配合した配合剤の形態で投与してもよく、また別々の製剤にして投与する形態をとってもよい。別々の製剤にして投与する場合には、同時投与および時間差による投与が含まれる。また、時間差による投与は、CCR5アンタゴニストを先に投与し、他の薬剤を後に投与してもよいし、他の薬剤を先に投与し、CCR5アンタゴニストを後に投与してもかまわず、それぞれの投与方法は同じでも異なっていてもよい。
上記併用剤により、予防および/または治療効果を奏する疾患は特に限定されず、CCR5アンタゴニストの予防および/または治療効果を補完および/または増強する疾患であればよい。
本発明はCCR5アンタゴニストと、目的とする疾患の予防および/または治療効果を有さない化合物を組み合わせて、単剤よりも目的とする疾患の予防および/または治療効果を増強するものを含む。
本発明のCCR5アンタゴニストと組み合わせて用いられる他の薬剤の例としては、例えば移植の拒絶反応の予防および/または治療に用いるものとして、免疫抑制剤が挙げられる。自己免疫疾患の予防および/または治療に用いるものとしては、非ステロイド系抗炎症薬、疾患修飾性抗リウマチ剤(DMARDs、遅効性抗リウマチ剤)、ステロイド剤、免疫抑制剤、消炎酵素剤、軟骨保護剤、T細胞阻害剤、TNFα阻害剤(抗TNFα抗体等の蛋白質製剤を含む)、プロスタグランジン合成酵素阻害剤、IL−6阻害剤(抗IL−6受容体抗体等の蛋白質製剤を含む)、インターフェロンγ作動薬、IL−1阻害剤、プロスタグランジン類、ホスホジエステラーゼ阻害剤、またはメタロプロテイナーゼ等が挙げられる。
虚血性疾患の予防および/または治療に用いるものとしては、例えば、ラジカルスカベンジャー、アストロサイトモジュレーター、N−メチル−D−アスパルタート(N−methyl D−aspartate;NMDA)拮抗剤、α−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチルイソオキサゾール−4−プロピオナート(alpha−amino−3−hydroxyl−5−methyllisoxazole−4−propionate;AMPA)拮抗剤、抗血栓剤、血栓溶解剤、免疫抑制剤、細胞間接着因子阻害剤、一酸化窒素合成酵素(NOS)阻害剤、神経栄養因子、またはインターロイキン−8拮抗剤等が挙げられる。
アレルギー性疾患の予防および/または治療に用いるものとしては、例えば喘息であれば、ステロイド剤、βアドレナリン受容体刺激薬、ロイコトリエン受容体拮抗剤、トロンボキサン合成酵素阻害剤、トロンボキサンA受容体拮抗剤、メディエーター遊離抑制薬、抗ヒスタミン剤、キサンチン誘導体、抗コリン薬、サイトカイン阻害薬、プロスタグランジン類、フォルスコリン製剤、ホスホジエステラーゼ阻害剤、エラスターゼ阻害剤、メタロプロテイナーゼ阻害剤、去痰薬、または抗生物質等が挙げられる。
免疫抑制剤としては、例えば、タクロリムス(FK506)、シクロスポリン、シロリムス(ラパマイシン)、コルチコステロイド、アザチオプリン、ミコフェレートモフェチル、FTY−720、またはシクロフォスファミド等が挙げられる。
ステロイド剤としては、例えば、外用薬として、プロピオン酸クロベタゾール、酢酸ジフロラゾン、フルオシノニド、フランカルボン酸モメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、ジフルプレドナート、プデソニド、吉草酸ジフルコルトロン、アムシノニド、ハルシノニド、デキサメタゾン、プロピオン酸デキサメタゾン、吉草酸デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、プロピオン酸デプロドン、吉草酸酢酸プレドニゾロン、フルオシノロンアセトニド、プロピオン酸ベクロメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、ピバル酸フルメタゾン、プロピオン酸アルクロメタゾン、酪酸クロベタゾン、プレドニゾロン、プロピオン酸ペクロメタゾン、またはフルドロキシコルチド等が挙げられる。内服薬、注射剤としては、酢酸コルチゾン、ヒドロコルチゾン、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、酢酸フルドロコルチゾン、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、コハク酸プレドニゾロンナトリウム、ブチル酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、酢酸ハロプレドン、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、トリアムシノロン、酢酸トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、デキサメサゾン、酢酸デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、パルミチン酸デキサメタゾン、酢酸パラメサゾン、またはベタメタゾン等が挙げられる。吸入剤としては、プロピオン酸ベクロメタゾン、プロピオン酸フルチカゾン、ブデソニド、フルニソリド、トリアムシノロン、ST−126P、シクレソニド、デキサメタゾンパロミチオネート、モメタゾンフランカルボネート、プラステロンスルホネート、デフラザコート、メチルプレドニゾロンスレプタネート、またはメチルプレドニゾロンナトリウムスクシネート等が挙げられる。
βアドレナリン受容体刺激薬としては、例えば、臭化水素酸フェノテロール、硫酸サルブタモール、硫酸テルブタリン、フマル酸フォルモテロール、キシナホ酸サルメテロール、硫酸イソプロテレノール、硫酸オルシプレナリン、硫酸クロルプレナリン、エピネフリン、塩酸トリメトキノール、硫酸ヘキソプレナリンメシル、塩酸プロカテロール、塩酸ツロブテロール、ツロブテロール、塩酸ピルブテロール、塩酸クレンブテロール、塩酸マブテロール、塩酸リトドリン、バンブテロール、塩酸ドペキサミン、酒石酸メルアドリン、AR−C68397、レボサルブタモール、R,R−フォルモテロール、KUR−1246、KUL−7211、AR−C89855、またはS−1319等が挙げられる。
ロイコトリエン受容体拮抗剤としては、例えば、プランルカスト水和物、モンテルカスト、ザフィルルカスト、セラトロダスト、MCC−847、KCA−757、CS−615、YM−158、L−740515、CP−195494、LM−1484、RS−635、A−93178、S−36496、BIIL−284、またはONO−4057等が挙げられる。
トロンボキサン合成酵素阻害剤としては、例えば、塩酸オザグレルまたはイミトロダストナトリウム等が挙げられる。
トロンボキサンA受容体拮抗剤としては、例えば、セラトロダスト、ラマトロバン、ドミトロバンカルシウム水和物、またはKT−2−962等が挙げられる。
メディエーター遊離抑制薬としては、例えば、トラニラスト、クロモグリク酸ナトリウム、アンレキサノクス、レピリナスト、イブジラスト、ダザノラスト、またはペミロラストカリウム等が挙げられる。
抗ヒスタミン剤としては、例えば、フマル酸ケトチフェン、メキタジン、塩酸アゼラスチン、オキサトミド、テルフェナジン、フマル酸エメダスチン、塩酸エピナスチン、アステミゾール、エバスチン、塩酸セチリジン、ベポタスチン、フェキソフェナジン、ロラタジン、デスロラタジン、塩酸オロパタジン、TAK−427、ZCR−2060、NIP−530、モメタゾンフロエート、ミゾラスチン、BP−294、アンドラスト、オーラノフィン、またはアクリバスチン等が挙げられる。
キサンチン誘導体としては、例えば、アミノフィリン、テオフィリン、ドキソフィリン、シパムフィリン、またはジプロフィリン等が挙げられる。
抗コリン剤としては、例えば、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、臭化フルトロピウム、臭化シメトロピウム、テミベリン、臭化チオトロピウム、またはレバトロペート(UK−112166)等が挙げられる。
サイトカイン阻害薬としては、例えば、トシル酸スプラタスト(商品名アイピーディ)等が挙げられる。
プロスタグランジン類(以下、PGと略記する。)としては、PG受容体アゴニスト、またはPG受容体アンタゴニスト等が挙げられる。PG受容体としては、PGE受容体(EP1、EP2、EP3、EP4)、PGD受容体(DP、CRTH2)、PGF受容体(FP)、PGI受容体(IP)、またはTX受容体(TP)等が挙げられる。
ホスホジエステラーゼ阻害剤としては、例えば、PDE4阻害剤であるロリプラム、シロミラスト(商品名アリフロ)、Bay19−8004、NIK−616、ロフルミラスト(BY−217)、シパムフィリン(BRL−61063)、アチゾラム(CP−80633)、SCH−351591、YM−976、V−11294A、PD−168787、D−4396、IC−485、またはONO−6126等が挙げられる。
エラスターゼ阻害剤としては、ONO−5046、ONO−6818、MR−889、PBI−1101、EPI−HNE−4、R−665、ZD−0892、ZD−8321、GW−311616、またはAE−3763等が挙げられる。
去痰薬としては、例えば、アンモニアウイキョウ精、炭酸水素ナトリウム、塩酸ブロムヘキシン、カルボシステイン、塩酸アンブロキソール、塩酸アンブロキゾール徐放剤、メチルシステイン塩酸塩、アセチルシステイン、塩酸L−エチルシステイン、またはチロキサポール等が挙げられる。
非ステロイド系抗炎症薬としては、例えば、サザピリン、サリチル酸ナトリウム、アスピリン、アスピリン・ダイアルミネート配合、ジフルニサル、インドメタシン、スプロフェン、ウフェナマート、ジメチルイソプロピルアズレン、ブフェキサマク、フェルビナク、ジクロフェナク、トルメチンナトリウム、クリノリル、フェンブフェン、ナプメトン、プログルメタシン、インドメタシンファルネシル、アセメタシン、マレイン酸プログルメタシン、アンフェナクナトリウム、モフェゾラク、エトドラク、イブプロフェン、イブプロフェンピコノール、ナプロキセン、フルルビプロフェン、フルルビプロフェンアキセチル、ケトプロフェン、フェノプロフェンカルシウム、チアプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ロキソプロフェンナトリウム、アルミノプロフェン、ザルトプロフェン、メフェナム酸、メフェナム酸アルミニウム、トルフェナム酸、フロクタフェニン、ケトフェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、ピロキシカム、テノキシカム、アンピロキシカム、ナパゲルン軟膏、エピリゾール、塩酸チアラミド、塩酸チノリジン、エモルファゾン、スルピリン、ミグレニン、サリドン、セデスG、アミピロ−N、ソルボン、ピリン系感冒薬、アセトアミノフェン、フェナセチン、メシル酸ジメトチアジン、シメトリド配合剤、または非ピリン系感冒薬等が挙げられる。
疾患修飾性抗リウマチ剤(DMARDs、遅効性抗リウマチ剤)としては、例えば、金チオグルコース、金チオリンゴ酸ナトリウム、オーラノフィン、アクタリット、D−ペニシラミン製剤、ロベンザリット二ナトリウム、ブシラミン、ヒドロキシクロロキン、サラゾスルファピリジン、メトトレキセート、またはレフルノミド等が挙げられる。
軟骨保護剤としては、例えば、ヒアルロン酸ナトリウム、グルコサミン、コンドロイチン硫酸、または多硫酸グリコサミノグリカン等が挙げられる。
プロスタグランジン合成酵素阻害剤としては、例えば、サラゾスルファピリジン、メサラジン、オサラジン、4−アミノサリチル酸、JTE−522、オーラノフィン、カルプロフェン、ジフェンピラミド、フルノキサプロフェン、フルルビプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ロルノキシカム、ロキソプロフェン、メロキシカム、オキサプロジン、パーサルミド、ピプロキセン、ピロキシカム、ピロキシカムベータデックス、ピロキシカムシンナメート、トロピンインドメタシネート、ザルトプロフェン、またはプラノプロフェン等が挙げられる。
ラジカルスカベンジャーとしては、例えば、ラジカット等が挙げられる。
アストロサイトモジュレーターとしては、例えば、ONO−2506等が挙げられる。
抗血栓剤としては、例えば、カタクロット、アルガトロバン、またはアスピリン等が挙げられる。
血栓溶解剤としては、例えば、ヒト組織プラスミノーゲン活性化因子(t−PA)、ウロキナーゼ、またはヘパリン等が挙げられる。
消炎酵素剤としては、例えば、塩化リゾチーム、ブロメライン、プロナーゼ、セラペプターゼ、またはストレプトキナーゼ・ストレプトドルナーゼ配合剤等が挙げられる。
TNFα阻害剤(抗TNFα抗体等の蛋白質製剤を含む)としては、例えば、インフリキシマブ、アダリムマブ、またはエタネルセプト等が挙げられる。
IL−6阻害剤(抗IL−6受容体抗体等の蛋白質製剤を含む)としては、例えば、MRA等が挙げられる。
IL−1阻害剤(ヒトIL−1レセプターアンタゴニスト等の蛋白質製剤を含む)としては、例えば、アナキンラ等が挙げられる。
抗生物質としては、例えば、セフロキシムナトリウム、メロペネム三水和物、硫酸ネチルマイシン、硫酸シソマイシン、セフチブテン、PA−1806、IB−367、トブラマイシン、PA−1420、ドキソルビシン、硫酸アストロマイシン、または塩酸セフェタメトピボキシル等が挙げられる。吸入の抗生剤としては、例えば、PA−1806、IB−367、トブラマイシン、PA−1420、ドキソルビシン、硫酸アストロマイシン、または塩酸セフェタメトピボキシル等が挙げられる。
併用するCCR5アンタゴニストと他の薬剤の質量比は特に限定されない。
他の薬剤は、任意の2種以上を組み合わせて投与してもよい。
また、CCR5アンタゴニストの予防および/または治療効果を補完および/または増強する他の薬剤は、上記に例示したものに限定されない。また、CCR5アンタゴニストの予防および/または治療効果を補完および/または増強する他の薬剤には、上記したメカニズムに基づいて、現在までに見出されているものだけでなく、今後見出されるものも含まれる。
一般式(I)で示される化合物の投与量は、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、通常、成人一人あたり、1回につき、1ngから1000mgの範囲で、数日に1回、3日に1回、2日に1回、1日1回から数回経口投与されるか、または成人一人あたり、1回につき、1ngから100mgの範囲で、数日に1回、3日に1回、2日に1回、1日1回から数回非経口投与(好ましくは、静脈内投与)されるか、または1日1時間から24時間の範囲で静脈内に持続投与される。
もちろん前記したように、投与量は種々の条件により変動するので、上記投与量より少ない量で充分な場合もあるし、また範囲を越えて投与の必要な場合もある。
本発明のCCR5アンタゴニスト、または本発明のCCR5アンタゴニストと他の薬剤の併用剤を投与する際には、経口投与のための内服用固形剤、内服用液剤および、非経口投与のための注射剤、外用剤、坐剤、点眼剤、吸入剤等として用いられる。
経口投与のための内服用固形剤には、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。カプセル剤には、ハードカプセルおよびソフトカプセルが含まれる。また錠剤には舌下錠、口腔内貼付錠、口腔内速崩壊錠等が含まれる。
このような内服用固形剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質はそのままか、または賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。さらにゼラチンのような吸収されうる物質のカプセルも包含される。
舌下錠は公知の方法に準じて製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質に賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、コロイダルシリカ、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(デンプン、L−ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、膨潤剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カーボポール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、キサンタンガム、グアーガム等)、膨潤補助剤(グルコース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース、トレハロース、リン酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、グリシン、グルタミン酸、アルギニン等)安定剤、溶解補助剤(ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、香味料(オレンジ、ストロベリー、ミント、レモン、バニラ等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。また、必要に応じて常用される防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物を加えることもできる。口腔内貼付錠は公知の方法に準じて調製される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質に賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、コロイダルシリカ、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(デンプン、L−ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、付着剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カーボポール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、キサンタンガム、グアーガム等)、付着補助剤(グルコース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース、トレハロース、リン酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、グリシン、グルタミン酸、アルギニン等)安定剤、溶解補助剤(ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、香味料(オレンジ、ストロベリー、ミント、レモン、バニラ等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。また、必要に応じて常用される防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物を加えることもできる。口腔内速崩壊錠は公知の方法に準じて調製される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質をそのまま、あるいは原末もしくは造粒原末粒子に適当なコーティング剤(エチルセルロース、ヒドキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アクリル酸メタクリル酸コポリマー等)、可塑剤(ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル等)を用いて被覆を施した活性物質に賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、コロイダルシリカ、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(デンプン、L−ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、分散補助剤(グルコース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース、トレハロース、リン酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、グリシン、グルタミン酸、アルギニン等)安定剤、溶解補助剤(ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、香味料(オレンジ、ストロベリー、ミント、レモン、バニラ等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。また、必要に応じて常用される防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物を加えることもできる。
経口投与のための内服用液剤は、薬剤的に許容される水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含む。このような液剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質が、一般的に用いられる希釈剤(精製水、エタノールまたはそれらの混液等)に溶解、懸濁または乳化される。さらにこの液剤は、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、保存剤、緩衝剤等を含有していてもよい。
非経口投与のための外用剤の剤形には、例えば、軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤、湿布剤、貼付剤、リニメント剤、噴霧剤、吸入剤、スプレー剤、エアゾル剤、点眼剤、および点鼻剤等が含まれる。これらはひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、公知の方法または通常使用されている処方により調製される。
軟膏剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に研和、または溶融させて製造、調製される。軟膏基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高級脂肪酸または高級脂肪酸エステル(アジピン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アジピン酸エステル、ミリスチン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、オレイン酸エステル等)、ロウ類(ミツロウ、鯨ロウ、セレシン等)、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等)、高級アルコール(セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール等)、シリコン油(ジメチルポリシロキサン等)、炭化水素類(親水ワセリン、白色ワセリン、精製ラノリン、流動パラフィン等)、グリコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、マクロゴール等)、植物油(ヒマシ油、オリーブ油、ごま油、テレピン油等)、動物油(ミンク油、卵黄油、スクワラン、スクワレン等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるものが単独でまたは2種以上を混合して用いられる。さらに、保湿剤、保存剤、安定化剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
ゲル剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させて調製される。ゲル基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、低級アルコール(エタノール、イソプロピルアルコール等)、ゲル化剤(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース等)、中和剤(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等)、界面活性剤(モノステアリン酸ポリエチレングリコール等)、ガム類、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるものが単独でまたは2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
クリーム剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融または乳化させて製造される。クリーム基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高級脂肪酸エステル、低級アルコール、炭化水素類、多価アルコール(プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等)、高級アルコール(2−ヘキシルデカノール、セタノール等)、乳化剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、脂肪酸エステル類等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるものが単独でまたは2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
湿布剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させ、練合物とし支持体上に展延塗布して製造される。湿布基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、増粘剤(ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、デンプン、ゼラチン、メチルセルロース等)、湿潤剤(尿素、グリセリン、プロピレングリコール等)、充填剤(カオリン、酸化亜鉛、タルク、カルシウム、マグネシウム等)、水、溶解補助剤、粘着付与剤、かぶれ防止剤から選ばれるものが単独でまたは2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
貼付剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させ、支持体上に展延塗布して製造される。貼付剤用基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高分子基剤、油脂、高級脂肪酸、粘着付与剤、かぶれ防止剤から選ばれるものが単独でまたは2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
リニメント剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物を水、アルコール(エタノール、ポリエチレングリコール等)、高級脂肪酸、グリセリン、セッケン、乳化剤、懸濁化剤等から選ばれるもの単独または2種以上に溶解、懸濁または乳化させて製造される。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
噴霧剤、吸入剤、およびスプレー剤は、一般的に用いられる希釈剤以外に亜硫酸水素ナトリウムのような安定剤と等張性を与えるような緩衝剤、例えば塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムあるいはクエン酸のような等張剤を含有していてもよい。スプレー剤の製造方法は、例えば米国特許第2,868,691号および同第3,095,355号に詳しく記載されている。
非経口投与のための注射剤としては、全ての注射剤を含み、点滴剤をも包含する。例えば、筋肉への注射剤、皮下への注射剤、皮内への注射剤、動脈内への注射剤、静脈内への注射剤、腹腔内への注射剤、脊髄腔への注射剤、静脈内への点滴剤等を含む。
非経口投与のための注射剤としては、溶液、懸濁液、乳濁液および用時溶剤に溶解または懸濁して用いる固形の注射剤を包含する。注射剤は、ひとつまたはそれ以上の活性物質を溶剤に溶解、懸濁または乳化させて用いられる。溶剤として、例えば注射用蒸留水、生理食塩水、植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールのようなアルコール類等およびそれらの組み合わせが用いられる。さらにこの注射剤は、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸、ポリソルベート80(登録商標)等)、懸濁化剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤等を含んでいてもよい。これらは最終工程において滅菌するか無菌操作法によって調製される。また無菌の固形剤、例えば凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化または無菌の注射用蒸留水または他の溶剤に溶解して使用することもできる。
非経口投与のための点眼剤には、点眼液、懸濁型点眼液、乳濁型点眼液、用時溶解型点眼液および眼軟膏が含まれる。
これらの点眼剤は公知の方法に準じて製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を溶剤に溶解、懸濁または乳化させて用いられる。点眼剤の溶剤としては、例えば、滅菌精製水、生理食塩水、その他の水性溶剤または注射用非水性用剤(例えば、植物油等)等およびそれらの組み合わせが用いられる。点眼剤は、等張化剤(塩化ナトリウム、濃グリセリン等)、緩衝化剤(リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、界面活性化剤(ポリソルベート80(商品名)、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等)、安定化剤(クエン酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム等)、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)等を必要に応じて適宜選択して含んでいてもよい。これらは最終工程において滅菌するか、無菌操作法によって調製される。また無菌の固形剤、例えば凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化または無菌の滅菌精製水または他の溶剤に溶解して使用することもできる。
非経口投与のための吸入剤としては、エアロゾル剤、吸入用粉末剤又は吸入用液剤が含まれ、当該吸入用液剤は用時に水又は他の適当な媒体に溶解又は懸濁させて使用する形態であってもよい。
これらの吸入剤は公知の方法に準じて製造される。
例えば、吸入用液剤の場合には、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、着色剤、緩衝化剤(リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、等張化剤(塩化ナトリウム、濃グリセリン等)、増粘剤(カリボキシビニルポリマー等)、吸収促進剤等を必要に応じて適宜選択して調製される。
吸入用粉末剤の場合には、滑沢剤(ステアリン酸およびその塩等)、結合剤(デンプン、デキストリン等)、賦形剤(乳糖、セルロース等)、着色剤、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、吸収促進剤等を必要に応じて適宜選択して調製される。
吸入用液剤を投与する際には通常噴霧器(アトマイザー、ネブライザー)が使用され、吸入用粉末剤を投与する際には通常粉末薬剤用吸入投与器が使用される。
非経口投与のためその他の組成物としては、ひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、常法により処方される直腸内投与のための坐剤および腟内投与のためのペッサリー等が含まれる。
【発明の効果】
CCR5のアンタゴニストが、エフェクター細胞の機能を阻害することが見出され、該細胞が関与する疾患、例えば、移植の拒絶反応、自己免疫疾患、虚血性疾患、アレルギー性疾患、または癌もしくは癌転移等の予防および/または治療剤として有用性が示された。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、参考例、実施例、製剤例および試験例によって本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[生物学的実施例]
CCR5アンタゴニストがエフェクター細胞の機能阻害作用を有することは、以下の実験で確認された。全体の操作は、基本的な遺伝子工学的手法に基づき、遺伝子高発現細胞を作製し、常法となっている方法を活用した。また、本発明化合物を評価する測定方法は、以下のように、測定精度の向上および/または測定感度の改良を加えたものである。以下に実験方法の詳細を示す。
実施例1:ヒトCCR5発現細胞(hCCR5−Ba/F3細胞)の遊走試験
(1−1)ヒトCCR5発現細胞の樹立
<1−1−A>ヒトCCR5遺伝子の単離
ヒト胎盤cDNAは、Marathon cDNA amplification kit(Clontech)を用いて作製した。PCRプライマーであるhCCR5XbaI−F1:5’−AGCTAGTCTAGATCCGTTCCCCTACAAGAAACTCTCC−3’(配列番号1)およびhCCR5XbaI−R1:5’−AGCTAGTCTAGAGTGCACAACTCTGACTGGGTCACCA−3’(配列番号2)は、GenBank U54994の配列に基き設計した。
ヒト胎盤cDNAを鋳型として、Ex Taq(Takara)を用いて、PCR反応(95℃で2分→[95℃で30秒、60℃で45秒、72℃で1分]×35回)を行なった。増幅したPCR産物を、1%アガロースゲル電気泳動後、QIAquick Gel Extraction Kit(QIAGEN)を用いて精製し、制限酵素XbaIで切断した。切断した断片を、発現ベクターpEF−BOS−bsrにDNA Ligation Kit Ver.2(Takara)を用いて連結し、大腸菌DH5aに形質転換した。このプラスミドpEF−BOS−bsr’/hCCR5を調製し、DNA配列を確認した。
<1−1−B>Ba/F3細胞の培養
Ba/F3細胞は抗生剤(Antibiotic−Antimyotic)(終濃度:ペニシリンGナトリウム(100U/mL)、硫酸ストレプトマイシン(100μg/mL)、アンフォテリシンB(0.25μg/mL))(Gibco BRL)、ウシ胎児血清(FBS)(10%)、インターロイキン3(IL−3)(5ng/mL)(Pepro Tech,Inc)含有RPMI−1640培地(Gibco BRL)を用い、炭酸ガスインキュベーター内(温度:37℃、CO濃度:5%、湿度:100%)で静置培養した。外来遺伝子安定過剰発現細胞の培養には上記培地に終濃度10μg/mLになるようにブラストサイジン(Kaken pharmaceutical)を添加した。
<1−1−C>Ba/F3細胞への形質導入
ヒトCCR5発現用プラスミド(pEF−BOS−bsr’/hCCR5)をAatIIで消化し、直鎖化した。直鎖化したプラスミドをQIA quick PCR Purification Kit(QIAGEN)を用いて精製した後、エレクトロポレーション(Gene Pulser(BIO RAD)960μF/250V)によりBa/F3細胞に導入した。細胞は96ウェル培養プレートに1000、100、10cells/100μL/wellの密度で播種し、48時間後、終濃度10μg/mLになるようにブラストサイジンを添加して、ブラストサイジン耐性株をクローニングし、導入した外来遺伝子を発現する安定過剰発現クローン(hCCR5−Ba/F3細胞)を樹立した。
<1−1−D>CCR5発現解析
前記<1−1−C>に記載の方法によって得られたクローンにおけるヒトCCR5発現強度を、細胞をフルオレセインイソチオシアネート(fluorescein isothiocyanate)(FITC)標識抗ヒトCCR5抗体(BD Pharmingen)によって検出し、FACSort(商品名,ベクトン・ディッキンソン社製)を用いて測定し、解析を行った。なお、アイソタイプコントロール抗体として、FITC標識マウスIgG2aκ(BD Pharmingen)を使用した。
(1−2)細胞遊走試験
24穴トランスウェルプレートの下室にMIP−1α(3nM、Pepro Tech,Inc)、MIP−1β(3nM、Pepro Tech,Inc)、またはRANTES(3nM、Pepro Tech,Inc)を含む培地(0.5mL)を加え、上室に2倍濃度の被験薬溶液(0.02%ジメチルスルホキシド(DMSO)含有)を含む培地(0.05mL)、およびhCCR5−Ba/F3細胞を懸濁した培地(0.05mL)を加えた。上室を下室に重ねることで試験を開始し、37℃に保温した炭酸ガスインキュベーター(5%CO、湿度95%)内で3時間培養した。上室の外側下部を0.5mLの洗浄バッファー(エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(EDTA)(2mM)、FBS(0.1%)含有リン酸緩衝生理食塩水(PBS))を用いて下室に洗い込み、下室の細胞数をフローサイトメーター(ベクトン・ディッキンソン)を用いて計数した。
本発明化合物による遊走阻害活性は、被験薬を含まないDMSO含有培地を添加したウェルの値をコントロール値(A)とし、被験薬を含むDMSO含有培地を添加したウェルの値を(B)とし、抑制率(%)として、以下の式に従って算出した。
抑制率(%)=[(A−B)/A]×100
各濃度の化合物における抑制率を計算し、阻害曲線から抑制率50%を示す値(IC50値)を決定した。
[結果]
本発明化合物は、ヒトCCR5発現細胞の遊走阻害活性を有することが分かった。例えば、4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカ−9−イル}メチル)フェノキシ]安息香酸 塩酸塩(以下、化合物(a)と略記する)、4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカ−9−イル}メチル)ベンジル]−3−メトキシ安息香酸(以下、化合物(b)と略記する)、および4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカ−9−イル}メチル)フェノキシ]−3−エトキシ安息香酸 塩酸塩(以下、化合物(c)と略記する)のIC50値は、表1の通りであった。

実施例2:ヒトCD8陽性メモリーT細胞の細胞増殖試験
(2−1)細胞調製
ヒト健常人ボランティアよりヘパリン加採血し、末梢血単核球(PBMC)を密度勾配を用いた遠心分離法により単離した。詳しくは、比重1.077±0.001g/mLの血球分離用媒体(10mL)を含む遠沈管(リンフォプレップチューブ(Nycomed Pharma))に、生理食塩水で2倍希釈した血液(33mL)を重層し、室温で遠心分離(3000×g、10分)した。PBMCを含む層を回収し、PBSで2回洗浄することにより、PBMCを単離した。
<2−1−A>CD8陽性T細胞の調製
CD8陽性T細胞は、ヒトT細胞CD8サブセットカラムキット(Human T Cell CD8 Subset Column Kit)(R&D Systems,Inc)を用いたネガティブセレクション法によりPBMCから単離した。詳しくは、PBMC(2×10個まで)に対して、抗体カクテル(1mL)(キット添付)を添加し、15分間室温でインキュベーションすることにより、除去する細胞、例えばB細胞、CD4陽性T細胞、単球等を抗体で標識した。細胞を、カラムバッファー(10mL)(キット添付)で2回洗浄し、該カラムバッファー(2mL)に懸濁した。細胞懸濁液を、予めカラムバッファー(10mL)を用いて平衡化したHuman T Cell Subset Enrichment Column(キット添付)に添加した。10分間室温でインキュベーションした後に、カラムバッファー(10mL)で溶出することにより、CD8陽性T細胞を得た。
<2−1−B>CD8陽性ナイーブT細胞およびCD8陽性メモリーT細胞の調製
CD8陽性ナイーブT細胞およびCD8陽性メモリーT細胞は、上記方法によって得られたCD8陽性T細胞を、VarioMACS(Miltenyl Biotec)を用いて分画することにより得た。詳しくは、1×10個のCD8陽性T細胞に対して、20μLのCD45RAマイクロビーズ(CD45RA MicroBeads)(Miltenyl Biotec)を添加して混合し、6〜12℃で15分間インキュベーションすることにより、ナイーブT細胞のマーカーであるCD45RA抗原を抗体磁気ビーズでラベルした。細胞をMACSバッファー(2mM EDTA、0.5%ウシ血清アルブミン(BSA)含有PBS)(20mL)(キット添付)で1回洗浄し、MACSバッファー(0.5mL)に再懸濁した。予めVarioMACSにセットし、MACSバッファー(0.5mL)で平衡化したMSカラム(Miltenyl Biotec)に細胞懸濁液を添加し、さらにMACSバッファー(0.5mL×3回)で洗浄した。この洗浄液を回収し、CD45RA陰性細胞、すなわちCD8陽性メモリーT細胞として以下の実験に用いた。また、CD45RA陽性細胞は、MSカラムをVarioMACSから外した後に、MACSバッファー(1.5mL)で溶出することにより回収することができ、これをCD8陽性ナイーブT細胞として以下の実験に用いた。
(2−2)CCR5発現解析
前記(2−1)に記載の方法によって分画した細胞におけるCCR5発現をフルオレセインイソチオシアネート(fluorescein isothiocyanate)(FITC)標識抗ヒトCCR5抗体(BD Pharmingen)、RO抗原をフィコエリトリン(phycoerythrin)(PE)標識抗CD45RO抗体(BD Pharmingen)によって検出し、FACSort(商品名,ベクトン・ディッキンソン社製)を用いて測定し、解析を行った。なお、アイソタイプコントロール抗体として、FITC標識マウスIgG2aκ(BD Pharmingen)およびPE標識マウスIgG2a(BD Pharmingen)を使用した。
[結果]
CCR5はCD8陽性メモリーT細胞の63%に発現しており、CD8陽性ナイーブT細胞での発現量は少ないもの(約10%)であった。
(2−3)増殖試験
前記(2−1)に記載の方法によって分画した細胞を2×10cells/200μL/ウェルの細胞密度で、抗ヒトCD3抗体でコートした96穴プレートに播種した。ここで用いた抗ヒトCD3抗体でコートした96穴プレートは、4℃で一晩、抗ヒトCD3抗体であるOKT−3(0.1μg/mL)でコートすることにより作成した。細胞は37℃に保温した炭酸ガスインキュベーター(5%CO、湿度95%)内で48時間培養した。細胞増殖は、5−ブロモ−2−デオキシウリジン(BrdU)の取り込み活性を指標に、Cell Proliferation ELISA、BrdU(Colorimetric)(Roche)を用いて測定した。操作方法を以下に示す。
(2−4)細胞増殖活性の測定
細胞を一定時間BrdUで処理した後、プレートを遠心(300×g、10分)し、逆さにして軽く振ることによって標識培地を除去した。ヘアードライヤーを用いてプレートを乾燥(約15分間)させた。各ウェルに細胞固定・DNA変性溶液(200μL、キット添付)を加えて、30分間放置した。細胞固定・DNA変性溶液を除去し、水分を除去した後に、ペルオキシダーゼ標識抗BrdU抗体(抗−BrdU−POD反応液)(100μL)(キット添付)を加え、室温に90分間放置した。抗体溶液を取り除き、PBS(200μL)で3回洗浄し、水分を取り除いた後、基質液(100μL)(キット添付)を加えた。5〜30分間酵素反応させた後、1N硫酸溶液(25μL)を加え、シェーカーで撹拌した。試料の吸光度は450nm(対照波長:690nm)でマイクロプレートリーダー(SPECTRAMAX−PRO)によって測定した。
[結果]
抗CD3抗体刺激において、CD8陽性メモリーT細胞はCD8陽性ナイーブT細胞に比べ、吸光度にして10倍以上の増殖活性を有することが分かった(CD8陽性ナイーブT細胞の吸光度:0.041、CD8陽性メモリーT細胞の吸光度:0.714)。またその増殖反応は抗CD3抗体の濃度に依存したものであることが分かった。抗CD3抗体の濃度を0.003、0.01、0.03、0.1(μg/mL)と変化させることによって、CD8陽性メモリーT細胞の吸光度は、0.146、0.229、0.430、0.442と増加した。
(2−5)ケモカイン産生試験
前記(2−3)に記載の細胞増殖試験において、CD8陽性メモリーT細胞の培養終了時の培養液を採取し、ケモカイン産生量の測定を行った。ケモカイン産生量の測定はELISA法により行い、RANTES、MIP−1α、MIP−1β量を測定した。具体的には、Quantikine Human RANTES Immunoassay、Quantikine Human MIP−1α Immunoassay、Quantikine Human MIP−1β Immunoassay(いずれもR&D Systems,Inc)を用いて測定した。
[結果]
CD8陽性メモリーT細胞は抗CD3抗体刺激を行うことによりRANTES、MIP−1α、MIP−1βを産生することが分かった。48時間の培養によって、RANTESは1454pg/mL、MIP−1αは15.3ng/mL、MIP−1βは31.0ng/mL産生された。
(2−6)本発明化合物による細胞増殖阻害試験
前記(2−1)に記載の方法によって分画した細胞を2×10cells/100μL/ウェルの細胞密度で、抗ヒトCD3抗体でコートした96穴プレートに播種し、2倍濃度の被験薬溶液(0.2%DMSO含有)を含む培地(100μL)を加え、37℃に保温した炭酸ガスインキュベーター(5%CO、湿度95%)内で48時間培養した。BrdUの取り込み活性は、前記(2−4)に記載の方法によって測定した。
本発明化合物によるヒトCD8陽性メモリーT細胞の細胞増殖阻害活性は、被験薬を含まないDMSO含有培地を添加したウェルの値をコントロール値(A)とし、被験薬を含むDMSO含有培地を添加したウェルの値を(B)とし、抑制率(%)として、以下の式に従って算出した。
抑制率(%)=[(A−B)/A]×100
[結果]
化合物(a)、化合物(b)および化合物(c)は、抗CD3抗体刺激によるCD8陽性メモリーT細胞の細胞増殖を濃度依存的に抑制することが分かった。0.01、0.1、1、10μMの被験薬は、化合物非存在下での細胞増殖を、それぞれ16.1%、26.2%、36.3%、66.4%(化合物(a)の抑制率)、−10.6%、5.6%、18.3%、53.6%(化合物(b)の抑制率)、9.2%、13.4%、18.8%、39.6%(化合物(c)の抑制率)抑制した。
実施例3:ヒトCD4陽性Th1分化細胞の増殖試験
(3−1)細胞調製
ヒト健常人ボランティアよりヘパリン加採血し、末梢血単核球(PBMC)を、前記(2−1)に記載の密度勾配を用いた遠心分離法により単離した。CD4陽性T細胞は、ヒトT細胞CD4サブセットカラムキット(Human T Cell CD4 Subset Column Kit)(R&D Systems,Inc)を用いたネガティブセレクション法によりPBMCから単離した。詳しくは、PBMC(2×10個まで)に対して、抗体カクテル(1mL)(キット添付)を添加し、15分間室温でインキュベーションすることにより、除去する細胞、例えばB細胞、CD8陽性T細胞、単球等を抗体で標識した。細胞を、カラムバッファー(10mL)(キット添付)で2回洗浄し、カラムバッファー(2mL)に懸濁した。細胞懸濁液を、予めカラムバッファー(10mL)を用いて平衡化したHuman T Cell Subset Enrichment Column(キット添付)に添加した。10分間室温でインキュベーションした後に、カラムバッファー(10mL)で溶出することにより、CD4陽性T細胞を得た。
上記方法によって得られたCD4陽性T細胞を、抗CD3抗体(2μg/mL)でコートしたウェルに播種し、インターロイキン12(IL−12)(5ng/mL)(BD Pharmingen)および抗インターロイキン4(IL−4)抗体(1μg/mL)(BD Pharmingen)の存在下、37℃に保温した炭酸ガスインキュベーター(5%CO、湿度95%)内で4日間培養した。ここで用いた抗ヒトCD3抗体でコートした24穴プレートは、4℃で一晩、抗ヒトCD3抗体であるOKT−3(0.1μg/mL)でコートすることにより作成した。その後、抗CD3抗体でコートしていないウェルに細胞を移し、37℃に保温した炭酸ガスインキュベーター(5%CO、湿度95%)内で3日間培養することにより、休止状態にあるTh1細胞を調製した。
(3−2)CCR5発現解析
前記(3−1)に記載の方法によって調製したTh1細胞におけるCCR5発現、およびメモリーT細胞の細胞表面マーカーであるRO抗原の発現を、前記(2−2)に記載の方法を用いて解析した。
[結果]
Th1細胞の95.5%はメモリーT細胞の細胞表面マーカーであるRO抗原が陽性であり、CCR5はその45.5%に発現していることが分かった。
(3−3)増殖試験
前記(3−1)に記載の方法によって調製したヒトCD4陽性Th1分化細胞を用いて、前記(2−3)に記載の増殖試験を行った。
[結果]
ヒトCD4陽性Th1分化細胞は、抗CD3抗体の濃度に依存して増殖反応を示すことが分かった。抗CD3抗体の濃度を0.01、0.03、0.1(μg/mL)と変化させることによって、CD8陽性メモリーT細胞の吸光度は、0.47、0.76、1.58と増加した。
(3−4)本発明化合物による細胞増殖阻害試験
前記(3−1)に記載の方法によって調製したヒトCD4陽性Th1分化細胞を用いて、前記(2−6)に記載の、本発明化合物による細胞増殖阻害試験を行った。
[結果]
化合物(a)、化合物(b)および化合物(c)は、抗CD3抗体刺激によるヒトCD4陽性Th1分化細胞の細胞増殖を濃度依存的に抑制することが分かった。0.1、10μMの被験薬は、化合物非存在下での細胞増殖を、それぞれ23.0%、27.0%(化合物(a)の抑制率)、−2.3%、21.8%(化合物(b)の抑制率)、48.3%、47.7%(化合物(c)の抑制率)抑制した。
実施例4:ヒトCD8陽性T細胞のアロ反応性増殖(クラスI−MLR)の阻害
(4−1)細胞調製
ヒト健常人ボランティアよりヘパリン加採血し、末梢血単核球(PBMC)を前記(2−1)に記載の密度勾配を用いた遠心分離法により単離した。このPBMCから、前記(2−1)に記載のネガティブセレクション法によりCD8陽性T細胞を単離した。
CD14陽性細胞は、上記方法によって得られたPBMCを、Vario MACS(Miltenyl Biotec)を用いて分画することにより得た。詳しくは、1×10個のPBMCに対して、20μLのCD14マイクロビーズ(CD14 MicroBeads)(Miltenyl Biotec)を添加して混合し、6〜12℃で15分間インキュベーションすることにより、CD14抗原を抗体磁気ビーズでラベルした。細胞をMACSバッファー(2mM EDTA、0.5%ウシ血清アルミブン(BSA)含有PBS)(20mL)(キット添付)で1回洗浄し、MACSバッファー(2mL)に再懸濁した。予めVarioMACSにセットし、MACSバッファー(3mL)で平衡化したLSカラム(Miltenyl Biotec)に細胞懸濁液を添加し、さらにMACSバッファー(3mL×3回)で洗浄した。LSカラムをVarioMACSから外した後に、MACSバッファー(10mL)で溶出することにより回収することによりCD14陽性細胞を得た。
このようにして得られたCD14陽性細胞を、1×10cells/mLの細胞密度で、樹状細胞用培養液(FBS(10%)(Gibco BRL)、IL−4(0.3μg/mL)(小野薬品工業)、顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)(50ng/mL)(Pepro Tech,Inc)、抗生剤(Antibiotic−Antimyotic)(終濃度:ペニシリンGナトリウム(100U/mL)、硫酸ストレプトマイシン(100μg/mL)、アンフォテリシンB(0.25μg/mL))(Gibco BRL)含有RPMI−1640培地)に懸濁し、37℃に保温した炭酸ガスインキュベーター(5%CO、湿度95%)内で5日間培養した。その後、リポポリサッカライド(LPS)(Sigma)を終濃度1μg/mLとなるように加え、さらに2日間培養を継続した。培養終了後、回収した細胞を樹状細胞として以下の実験に用いた。
(4−2)活性化マーカー発現解析
前記(4−1)に記載の方法によって単離した樹状細胞における活性化マーカー(HLA−DR、HLA−ABC、CD11c、CD83、CD80、CD86)の発現を、蛍光標識した抗体(HLA−DR、HLA−ABC、CD83、CD80、CD86の抗体はFITC標識、CD11cの抗体はPE標識)(BD Pharmingen)によって検出し、FACSort(商品名,ベクトン・ディッキンソン社製)を用いて解析した。なお、アイソタイプコントロール抗体として、FITC標識マウスIgG2b、FITC標識マウスIgG1、PE標識マウスIgG1、FITC標識マウスIgM(BD Pharmingen)を用いた。
[結果]
調製した樹状細胞には、HLA−DR、HLA−ABC、CD11c、CD83、CD80、CD86が発現していることが分かった。
(4−3)アロ反応増殖試験
前記(4−1)に記載の方法によって単離したヒトCD8陽性T細胞と樹状細胞をそれぞれレスポンダー(Respondor)、スティムレーター(Stimulator)として用いたアロ反応増殖試験(クラスI−MLR)は以下のようにして行なった。
被検化合物の存在下または非存在下、CD8陽性T細胞数を一定(1×10cells/ウェル)にして、Stimulator/Respondorの細胞数比が、1/10から1/100となるように、樹状細胞と共に96穴プレートに播種した。細胞は、37℃に保温した炭酸ガスインキュベーター(5%CO、湿度95%)内で5日間培養した後に、前記(2−4)に記載の細胞増殖活性の測定と同様の操作に付した。
[結果]
化合物(a)および化合物(b)は、アロ反応増殖試験において、細胞増殖を抑制する効果を有することが分かった。0.1、1、10μMの被験薬は、化合物非存在下でのアロ反応増殖を、それぞれ、15.8%、14.7%、84.0%(化合物(a)の抑制率)、7.8%、17.6%、44.1%(化合物(b)の抑制率)抑制した。
製剤例1:
以下の各成分を常法により混合した後打錠して、一錠中に50mgの活性成分を含有する錠剤100錠を得た。
・4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒ
ドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.
5]ウンデカ−9−イル}メチル)ベンジル]−3−メトキシ安息香酸 塩
酸塩 ・・・・・・5.0g
・カルボキシメチルセルロースカルシウム(崩壊剤) ・・・・・・0.2g
・ステアリン酸マグネシウム(潤滑剤) ・・・・・・0.1g
・微結晶セルロース ・・・・・・4.7g
製剤例2:
以下の各成分を常法により混合した後、溶液を常法により滅菌し、5mLずつアンプルに充填し、常法により凍結乾燥し、1アンプル中20mgの活性成分を含有するアンプル100本を得た。
・4−[4−({(3R)−1−ブチル−3−[(R)−シクロヘキシル(ヒ
ドロキシ)メチル]−2,5−ジオキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.
5]ウンデカ−9−イル}メチル)ベンジル]−3−メトキシ安息香酸 塩
酸塩 ・・・・・・2.0g
・マンニトール ・・・・・・20g
・蒸留水 ・・・・・・500mL
【産業上の利用可能性】
CCR5アンタゴニストはエフェクター細胞の機能を阻害するので、ヒトを含めた動物、特にヒトにおいて、例えば、移植の拒絶反応(例えば、固形臓器移植片の拒絶、糖尿病における膵島細胞移植の拒絶、移植片対宿主病(GVHD(graft−versus−host disease)等)、自己免疫疾患(例えば、関節炎、慢性関節炎リウマチ、多発性硬化症、潰瘍性大腸炎等)、アレルギー性疾患(例えば、喘息等)、および虚血性疾患(例えば、虚血再灌流傷害等)等の予防および/または治療に有用である。
【配列表】



【特許請求の範囲】
【請求項1】
CCR5アンタゴニストからなるエフェクター細胞の機能阻害剤。
【請求項2】
機能が、細胞遊走、細胞増殖、または細胞活性化である請求の範囲1記載のエフェクター細胞の機能阻害剤。
【請求項3】
エフェクター細胞が、CCR5陽性エフェクター細胞である請求の範囲1記載のエフェクター細胞の機能阻害剤。
【請求項4】
エフェクター細胞の機能に起因する疾患の予防および/または治療剤である請求の範囲1記載のエフェクター細胞の機能阻害剤。
【請求項5】
T細胞介在性疾患の予防および/または治療剤である請求の範囲1記載のエフェクター細胞の機能阻害剤。
【請求項6】
ミエロイド系細胞介在性疾患の予防および/または治療剤である請求の範囲1記載のエフェクター細胞の機能阻害剤。
【請求項7】
T細胞介在性疾患が、移植の拒絶反応、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、または虚血性疾患である請求の範囲5記載のエフェクター細胞の機能阻害剤。
【請求項8】
ミエロイド系細胞介在性疾患が、癌または癌転移である請求の範囲6記載のエフェクター細胞の機能阻害剤。
【請求項9】
CCR5アンタゴニストが、非ペプチド性物質である請求の範囲1記載のエフェクター細胞の機能阻害剤。
【請求項10】
CCR5アンタゴニストが、一般式(I)

[式中、Rは、(1)水素原子、(2)C1〜18アルキル基、(3)C2〜18アルケニル基、(4)C2〜18アルキニル基、(5)−COR、(6)−CONR、(7)−COOR、(8)−SO10、(9)−COCOOR11、(10)−CONR12COR13、(11)Cyc1、または(12)(a)ハロゲン原子、(b)−CONR、(c)−COOR、(d)−OR14、(e)−SR15、(f)−NR16、(g)−NR18COR19、(h)−SONR2021、(i)−OCOR22、(j)−NR23SO24、(k)−NR25COOR26、(l)−NR27CONR2829、(m)Cyc1、(n)ケト基および(o)−N(SO24から任意に選ばれる1〜5個の基によって置換された、C1〜18アルキル基、C2〜18アルケニル基、またはC2〜18アルキニル基を表わし(基中、R〜R、R11〜R21、R23、R25およびR27〜R29はそれぞれ独立して、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)C2〜8アルケニル基、(4)C2〜8アルキニル基、(5)Cyc1、または(6)(a)Cyc1、(b)ハロゲン原子、(c)−OR、(d)−SR31、(e)−NR3233、(f)−COOR34、(g)−CONR3536、(h)−NR37COR38、(i)−NR39SO40および(j)−N(SO40から任意に選ばれる1〜5個の基によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、またはC2〜8アルキニル基を表わすか、
とR、R20とR21、R28とR29は一緒になって、(1)C2〜6アルキレン基、(2)−(C2〜6アルキレン基)−O−(C2〜6アルキレン基)−、(3)−(C2〜6アルキレン基)−S−(C2〜6アルキレン基)−、または(4)−(C2〜6アルキレン基)−NR195−(C2〜6アルキレン基)−(基中、R195は、水素原子、C1〜8アルキル基、フェニル基、またはフェニル基によって置換されたC1〜8アルキル基を表わす。)を表わし、
10、R22、R24およびR26はそれぞれ独立して、(1)C1〜8アルキル基、(2)C2〜8アルケニル基、(3)C2〜8アルキニル基、(4)Cyc1、または(5)(a)Cyc1、(b)ハロゲン原子、(c)−OR30、(d)−SR31、(e)−NR3233、(f)−COOR34、(g)−CONR3536、(h)−NR37COR38、(i)−NR39SO40および(j)−N(SO40から任意に選ばれる1〜5個の基によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、またはC2〜8アルキニル基を表わし(基中、R30〜R37およびR39はそれぞれ独立して、水素原子、C1〜8アルキル基、Cyc1、またはCyc1によって置換されたC1〜8アルキル基を表わすか、
35とR36は一緒になって、(1)C2〜6アルキレン基、(2)−(C2〜6アルキレン基)−O−(C2〜6アルキレン基)−、(3)−(C2〜6アルキレン基)−S−(C2〜6アルキレン基)−、または(4)−(C2〜6アルキレン基)−NR196−(C2〜6アルキレン基)−(基中、R196は、水素原子、C1〜8アルキル基、フェニル基、またはフェニル基によって置換されたC1〜8アルキル基を表わす。)を表わし、
38およびR40はそれぞれ独立して、C1〜8アルキル基、Cyc1、またはCyc1によって置換されたC1〜8アルキル基を表わす。)、
Cyc1は、C3〜15の単環、二環、または三環式(縮合またはスピロ)炭素環、または1〜4個の窒素原子、1〜3個の酸素原子および/または1〜3個の硫黄原子を含む3〜15員の単環、二環、または三環式(縮合またはスピロ)複素環を表わす。
ただし、Cyc1は1〜5個のR51によって置換されていてもよく、
51は、(1)C1〜8アルキル基、(2)C2〜8アルケニル基、(3)C2〜8アルキニル基、(4)ハロゲン原子、(5)ニトロ基、(6)トリフルオロメチル基、(7)トリフルオロメトキシ基、(8)ニトリル基、(9)ケト基、(10)Cyc2、(11)−OR52、(12)−SR53、(13)−NR5455、(14)−COOR56、(15)−CONR5758、(16)−NR59COR60、(17)−SONR6162、(18)−OCOR63、(19)−NR64SO65、(20)−NR66COOR67、(21)−NR68CONR6970、(22)−B(OR71、(23)−SO72、(24)−N(SO、または(25)(a)ハロゲン原子、(b)Cyc2、(c)−OR52、(d)−SR53、(e)−NR5455、(f)−COOR56、(g)−CONR5758、(h)−NR59COR60、(i)−SONR6162、(j)−OCOR63、(k)−NR64SO65、(l)−NR66COOR67、(m)−NR68CONR6970、(n)−B(OR71、(o)−SO72および(p)−N(SO72から任意に選ばれる1〜5個の基によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜8アルキニル基を表わす(基中、R52〜R62、R64、RおよびR68〜R71はそれぞれ独立して、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)C2〜8アルケニル基、(4)C2〜8アルキニル基、(5)Cyc2、または(6)Cyc2、−OR73、−COOR74、−NR7576によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜8アルキニル基を表わすか、
57とR58、R61とR62、R69とR70は一緒になって、(1)C2〜6アルキレン基、(2)−(C2〜6アルキレン基)−O−(C2〜6アルキレン基)−、(3)−(C2〜6アルキレン基)−S−(C2〜6アルキレン基)−、または(4)−(C2〜6アルキレン基)−NR197−(C2〜6アルキレン基)−(基中、R197は、水素原子、C1〜8アルキル基、フェニル基、またはフェニル基によって置換されたC1〜8アルキル基を表わす。)を表わし、
63、R65、R67およびR72はそれぞれ独立して、(1)C1〜8アルキル基、(2)C2〜8アルケニル基、(3)C2〜8アルキニル基、(4)Cyc2、または(5)Cyc2、−OR73、−COOR74、−NR7576によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜8アルキニル基を表わし(基中、R73〜R76はそれぞれ独立して、水素原子、C1〜8アルキル基、Cyc2、またはCyc2によって置換されたC1〜8アルキル基を表わす。)、
Cyc2はCyc1と同じ意味を表わす。
ただし、Cyc2は1〜5個のR77によって置換されていてもよく、
77は、(1)C1〜8アルキル基、(2)ハロゲン原子、(3)ニトロ基、(4)トリフルオロメチル基、(5)トリフルオロメトキシ基、(6)ニトリル基、(7)−OR78、(8)−NR7980、(9)−COOR81、(10)−SR82、(11)−CONR8384、(12)C2〜8アルケニル基、(13)C2〜8アルキニル基、(14)ケト基、(15)Cyc6、(16)−NR161COR162、(17)−SONR163164、(18)−OCOR165、(19)−NR166SO167、(20)−NR168COOR169、(21)−NR170COR171172、(22)−SO173、(23)−N(SO167、(24)(a)ハロゲン原子、(b)−OR78、(c)−NR7980、(d)−COOR81、(e)−SR82、(f)−CONR8384、(g)ケト基、(h)Cyc6、(i)−NR161COR162、(j)−SONR163164、(k)−OCOR165、(l)−NR66SO167、(m)−NR168COOR169、(n)−NR170COR17117、(o)−SO173および(p)−N(SO167から任意に選ばれる1〜5個の基によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜8アルキニル基を表わす(基中、R78〜R84、R161〜R164、R16、R168およびR170〜R172はそれぞれ独立して、(a)水素原子、(b)C1〜8アルキル基、(c)C2〜8アルケニル基、(d)C2〜8アルキニル基、(e)Cyc6、(f)Cyc6、−OR174、−COOR175、−NR176177、−CONR178179によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜8アルキニル基を表わすか、
83とR84、R163とR164、R171とR172は一緒になって、(1)C2〜6アルキレン基、(2)−(C2〜6アルキレン基)−O−(C2〜6アルキレン基)−、(3)−(C2〜6アルキレン基)−S−(C2〜6アルキレン基)−、または(4)−(C2〜6アルキレン基)−NR198−(C2〜6アルキレン基)−(基中、R198は、水素原子、C1〜8アルキル基、フェニル基、またはフェニル基によって置換されたC1〜8アルキル基を表わす。)を表わし、
165、R167、R169およびR173はそれぞれ独立して、(a)C1〜8アルキル基、(b)C2〜8アルケニル基、(c)C2〜8アルキニル基、(d)Cyc6、または(e)Cyc6、−OR174、−COOR175、−NR176177、CONR178179によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜8アルキニル基を表わす(基中、R174〜R177はそれぞれ独立して、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)Cyc6、または(4)Cyc6によって置換されたC1〜8アルキル基を表わすか、
178とR179は一緒になって、(1)C2〜6アルキレン基、(2)−(C2〜6アルキレン基)−O−(C2〜6アルキレン基)−、(3)−(C2〜6アルキレン基)−S−(C2〜6アルキレン基)−、または(4)−(C2〜6アルキレン基)−NR199−(C2〜6アルキレン基)−(基中、R199は、水素原子、C1〜8アルキル基、フェニル基、またはフェニル基によって置換されたC1〜8アルキル基を表わす。)を表わし、
Cyc6は、C3〜8の単環式炭素環または1〜4個の窒素原子、1〜2個の酸素原子および/または1〜2個の硫黄原子を含む3〜8員の単環式複素環を表わす。
ただし、Cyc6は1〜5個のR180によって置換されていてもよく、
180は、(1)C1〜8アルキル基、(2)ハロゲン原子、(3)ニトロ基、(4)トリフルオロメチル基、(5)トリフルオロメトキシ基、(6)ニトリル基、(7)−OR181、(8)−NR182183、(9)−COOR184、(10)−SR185、または(11)−CONR186187を表わし(基中、R181〜R187はそれぞれ独立して、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)フェニル基、または(4)フェニル基によって置換されたC1〜8アルキル基を表わすか、
182とR183、R186とR187は一緒になって、(1)C2〜6アルキレン基、(2)−(C2〜6アルキレン基)−O−(C2〜6アルキレン基)−、(3)−(C2〜6アルキレン基)−S−(C2〜6アルキレン基)−、または(4)−(C2〜6アルキレン基)−NR200−(C2〜6アルキレン基)−(基中、R200は、水素原子、C1〜8アルキル基、フェニル基、フェニル基によって置換されたC1〜8アルキル基を表わす。)を表わす。)、
は、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)C2〜8アルケニル基、(4)C2〜8アルキニル基、(5)−OR90、(6)Cyc3、または(7)(a)ハロゲン原子、(b)−OR90、(c)−SR91、(d)−NR9293、(e)−COOR94、(f)−CONR9596、(g)−NR97COR98、(h)−SONR9900、(i)−OCOR101、(j)−NR102SO103、(k)−NR104COOR105、(l)−NR106CONR107108、(m)Cyc3、(n)ケト基および(o)−N(SO103から任意に選ばれる1〜5個の基によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基またはC2〜8アルキニル基を表わし(基中、R90〜R100、R102、R104およびR106〜R108はそれぞれ独立して、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)C2〜8アルケニル基、(4)C2〜8アルキニル基、(5)Cyc3、または(6)Cyc3によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜8アルキニル基を表わすか、
95とR96、R99とR100、R107とR108は一緒になって、(1)C2〜6アルキレン基、(2)−(C2〜6アルキレン基)−O−(C2〜6アルキレン基)−、(3)−(C2〜6アルキレン基)−S−(C2〜6アルキレン基)−、または(4)−(C2〜6アルキレン基)−NR201−(C2〜6アルキレン基)−(基中、R201は、水素原子、C1〜8アルキル基、フェニル基、またはフェニル基によって置換されたC1〜8アルキル基を表わす。)を表わし、
101、R103およびR105はそれぞれ独立して、(1)C1〜8アルキル基、(2)C2〜8アルケニル基、(3)C2〜8アルキニル基、または(4)Cyc3またはCyc3によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜8アルキニル基を表わし、
Cyc3はCyc1と同じ意味を表わす。
ただし、Cyc3は1〜5個のR109によって置換されていてもよく、R09はR51と同じ意味を表わす。)、
およびRはそれぞれ独立して、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)C2〜8アルケニル基、(4)C2〜8アルキニル基、(5)−COOR120、(6)−CONR120122、(7)Cyc4、または(8)(a)ハロゲン原子、(b)ニトリル基、(c)Cyc4、(d)−COOR120、(e)−CONR121122、(f)−OR123、(g)−SR124、(h)−NR125126、(i)−NR127COR128、(j)−SONR129130、(k)−OCOR131、(l)−NR132SO133、(m)−NR134COOR135、(n)−NR136CONR137138、(o)−S−SR139、(p)−NHC(=NH)NHR140、(q)ケト基、(r)−NR145CONR146COR147および(s)−N(SO133から任意に選ばれる1〜5個の基によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、またはC2〜8アルキニル基を表わし(基中、R120〜R130、R132、R13、R136〜R138、R145およびR146はそれぞれ独立して、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)C2〜8アルケニル基、(4)C2〜8アルキニル基、(5)Cyc4、または(6)Cyc4、ハロゲン原子、−OR148、−SR149、−COOR150、または−NHCOR141によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜8アルキニル基を表わすか、
121とR122、R129とR130、R137とR138は一緒になって、(1)C2〜6アルキレン基、(2)−(C2〜6アルキレン基)−O−(C2〜6アルキレン基)−、(3)−(C2〜6アルキレン基)−S−(C2〜6アルキレン基)−、または(4)−(C2〜6アルキレン基)−NR201−(C2〜6アルキレン基)−(基中、R201は、水素原子、C1〜8アルキル基、フェニル基、フェニル基によって置換されたC1〜8アルキル基を表わす。)を表わし、
131、R133、R135、R139およびR147はそれぞれ独立して、(1)C1〜8アルキル基、(2)C2〜8アルケニル基、(3)C2〜8アルキニル基、(4)Cyc4、または(5)Cyc4、ハロゲン原子、−OR148、−SR149、−COOR150、または−NHCOR141によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜8アルキニル基を表わし、
140は、水素原子、−COOR142、または−SO143を表わし(基中、R141〜R143はそれぞれ独立して、(1)C1〜8アルキル基、(2)C2〜8アルケニル基、(3)C2〜8アルキニル基、(4)Cyc4、または(5)Cyc4によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜8アルキニル基を表わし、
148〜R150はそれぞれ独立して、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)C2〜8アルケニル基、(4)C2〜8アルキニル基、(5)Cyc4、または(6)Cyc4によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C2〜8アルキニル基を表わし、
Cyc4はCyc1と同じ意味を表わす。
ただし、Cyc4は1〜5個のR144によって置換されていてもよく、
144はR51と同じ意味を表わす。)を表わすか
とRは一緒になって、

(基中、R190およびR191はそれぞれ独立して、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)C2〜8アルケニル基、(4)C2〜8アルキニル基、(5)−COOR120、(6)−CONR127122、(7)Cyc4、または(8)(a)ハロゲン原子、(b)ニトリル基、(c)Cyc4、(d)−COOR120、(e)−CONR121122、(f)−OR123、(g)−SR124、(h)−NR125126、(i)−NR127COR128、(j)−SONR129130、(k)−OCOR131、(l)−NR132SO133、(m)−NR134COOR135、(n)−NR136CONR13138、(o)−S−SR139、(p)−NHC(=NH)NHR140、(q)ケト基、(r)−NR145CONR146COR147および(s)−N(SO133から任意に選ばれる1〜5個の基によって置換されたC1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、またはC2〜8アルキニル基を表わす。(基中、R12〜R140およびR145〜R147は上記と同じ意味を表す。))を表わし、
は、(1)水素原子、(2)C1〜8アルキル基、(3)Cyc5、または(4)Cyc5によって置換されたC1〜8アルキル基を表わす。
(基中、Cyc5はCyc1と同じ意味を表わす。ただし、Cyc5は1〜5個のR150によって置換されていてもよく、R150はR51と同じ意味を表わす。)]で示される化合物、それらのN−オキシド、それらの塩、またはそれらのプロドラッグである請求の範囲1記載のエフェクター細胞の機能阻害剤。
【請求項11】
1種または2種以上の免疫抑制剤とCCR5アンタゴニストからなるエフェクター細胞の機能阻害剤とを組み合わせてなる医薬。
【請求項12】
1種または2種以上の免疫抑制剤が、タクロリムス、シクロスポリン、シロリムス、コルチコステロイド、アザチオプリン、ミコフェレートモフェチル、FTY−720、およびシクロフォスファミドから選択される請求の範囲11に記載の医薬。
【請求項13】
一般式(I)

(式中、すべての記号は請求の範囲10記載と同様の意味を表す。)で示される化合物、それらのN−オキシド、それらの塩、またはそれらのプロドラッグの有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする哺乳動物におけるエフェクター細胞の機能に起因する疾患の予防または治療方法。
【請求項14】
エフェクター細胞の機能に起因する疾患の予防または治療剤を製造するための、一般式(I)

(式中、すべての記号は請求の範囲10記載と同様の意味を表す。)で示される化合物、それらのN−オキシド、それらの塩、またはそれらのプロドラッグの使用。

【国際公開番号】WO2004/098638
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【発行日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−506002(P2005−506002)
【国際出願番号】PCT/JP2004/006197
【国際出願日】平成16年4月28日(2004.4.28)
【出願人】(000185983)小野薬品工業株式会社 (180)
【Fターム(参考)】