説明

エポキシ基含有複素環式ネオニコチノイド化合物及びその製造方法、農業用組成物及びその使用、害虫防除方法

本発明は、イミダクロプリドのニトロメチレン類似物とジアルデヒドとで構築されるエポキシ基含有複素環式ネオニコチノイド化合物及びその製造方法と応用に関し、式(A)若しくは(B)で示される構造を有する化合物、又はそれらの化合物の光学異性体、若しくは農薬的に許容される塩を提供する。
【化1】


また、前記化合物、又はそれらの化合物の光学異性体、若しくは農薬的に許容される塩を含む農業用組成物、該農業用組成物の応用、並びに上記化合物、或いはそれらの化合物の光学異性体、若しくは農薬的に許容される塩の製造方法に関する。前記化合物及びその誘導体は、例えばアブラムシ、ウンカ、コナジラミ、ヨコバイ、アザミウマ、ワタキバガ、モンシロチョウ、コナガ、ハスモンヨトウ、アワヨトウのような同翅亜目、鱗翅目などの農林業害虫に高い殺虫活性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規ネオニコチノイド系殺虫剤及びその製造方法と応用に関する。具体的に、イミダクロプリドのニトロメチレン類似物とジアルデヒドとで構築されるエポキシ基含有複素環式ネオニコチノイド化合物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イミダクロプリドをはじめとするネオニコチノイド系殺虫剤は、殺虫活性が高く、殺虫スペクトルが広く、哺乳動物や水生動物に対する毒性が低く、且つ優れた体系物性及び適切な畑安定性を有し、また環境に優しいため、新規農薬の開発における重要な研究分野となった。その後、相次いでチアクロプリド、クロチアニジン、チアメトキサム、アセタミプリド、ニテンピラム、ジノテフランなどの一連のニコチノイド系殺虫剤が開発された(欧州特許第247477号明細書、欧州特許第296453号明細書、欧州特許第685477号明細書、欧州特許第235725号明細書、欧州特許第235725号明細書、欧州特許第315826号明細書、欧州特許第192060号明細書、欧州特許第244777号明細書、欧州特許第386565号明細書、欧州特許第580553号明細書及び欧州特許第1031566号明細書、日本特開昭62−292765号公報、特開平8−259568号公報、特開平8−291171号公報及び特開平7−242633号公報を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許第247477号明細書
【特許文献2】欧州特許第296453号明細書
【特許文献3】欧州特許第685477号明細書
【特許文献4】欧州特許第235725号明細書
【特許文献5】欧州特許第315826号明細書
【特許文献6】欧州特許第192060号明細書
【特許文献7】欧州特許第244777号明細書
【特許文献8】欧州特許第386565号明細書
【特許文献9】欧州特許第580553号明細書
【特許文献10】欧州特許第1031566号明細書
【特許文献11】特開昭62−292765号公報
【特許文献12】特開平8−259568号公報
【特許文献13】特開平8−291171号公報
【特許文献14】特開平7−242633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、イミダクロプリドが過剰量で頻繁に使用されたことで、深刻な耐性問題が生じ、また構造の類似性によってネオニコチノイド系殺虫剤同士の間で交差耐性が生じたため、この種類の化合物の応用が制限され、その発展に制約が課された。また、ネオニコチノイド系殺虫剤は主として同翅亜目及び鞘翅目の害虫に対して効果が顕著であり、その比較的に狭い殺虫スペクトルも害虫防除における薬剤の選択に制限をもたらしていた。
【0005】
そのため、高活性のニトロメチレン系化合物を用いてより有効な新規殺虫剤を製造し、ネオニコチノイド系殺虫剤の耐性問題を解決し、殺虫スペクトルを広げ、殺虫剤組成物に使用することは、本分野において解決が切望される技術問題となっている。
【0006】
本発明は、ネオニコチノイド系殺虫剤の耐性問題を解決し、殺虫スペクトルを広げ、本分野における問題を解決する有効な新規殺虫剤を提供する。
本発明の目的の一つは、有効に害虫を防除する化合物及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、生育中及び収穫後の作物を昆虫の攻撃及び侵害から保護することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
まず、本発明は、下記式(A)又は式(B)で示される構造を有する化合物、前記化合物の光学異性体、農薬的に許容される前記化合物の塩、又は前記光学異性体の塩から選ばれるエポキシ基含有複素環式ネオニコチノイド化合物を提供する。
【0008】
【化1】

【0009】
式中、R1 は、窒素、酸素及び/又は硫黄を含む5員複素環基;窒素、酸素及び/又は硫黄を含む6員複素環基;ハロゲン置換の窒素、酸素及び/又は硫黄を含む5員複素環基;ハロゲン置換の窒素、酸素及び/又は硫黄を含む6員複素環基;ハロゲン置換のフェニル基、又は無置換のフェニル基であり、前記ハロゲン置換の置換基は、ハロゲン、C1-4 ハロゲン置換のアルキル基及びC1-4 塩素化アルコキシ基からなる群から選ばれる1以上のものである。
3 及びR4 は、それぞれ独立に、H;C1-6 アルキル基;アリル基;ベンジル基;C1-4 アルコキシ−C1-4 アルキル基;C1-4 アルコキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基;C2-6 アルキニル−カルボニル基;C2-3 アルケニル−カルボニル基;C3-6 シクロアルキル−カルボニル基;ベンゾイル基;又はハロゲン原子、C1-4 アルキル基、C1-4 ハロアルキル基、C1-4 アルコキシ基、及びC1-4 アルキルカルボニル基から選ばれる1以上のもので置換されたベンゾイル基、フラニルカルボニル基、又はN,N-ジメチルカルボニル基である。
又は、R3 及びR4 は結合し、−CH2 −CH2 −、−CH2 −CH2 −CH2 −、又はCH2 −XR−CH2 −を形成する。前記Xはヘテロ原子である。前記RはH;C1-6 アルキル基;アリル基;ベンジル基;フェニル基;C1-4 アルコキシ基−C1-4 アルキル基;C1-4 アルコキシ−カルボニル基;フェノキシカルボニル基;C2-6 アルキニル−カルボニル基;C2-3 アルケニル−カルボニル基;C3-6 シクロアルキル−カルボニル基;ベンゾイル基;又はハロゲン原子、C1-4 ハロアルキル基、C1-8 飽和アルキル基、C1-8 不飽和アルキル基、アルコキシ基及びC1-4 アルキル−カルボニル基から選ばれる1以上の置換基で置換されたベンゾイル基、フラニルカルボニル基又はN,N−ジメチルカルボニル基から選択され、ヘテロ原子に結合する置換基である。
5 、R6 、R7 、R8 、及びR9 は、H、C1-4 飽和アルキル基、C1-4不飽和アルキル基、ハロゲン、C1-8 飽和アルコキシ基、C1-8不飽和アルコキシ基、ハロゲン置換のC1-4飽和アルコキシ基、ハロゲン置換のC1-4不飽和アルコキシ基、C1-4 アルキルカルボニル基、C1-8アルキルエステル基、C1-4アルキルスルホン酸エステル基、フェニル基、又はベンジル基である。
Yは、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロアセチル基、又はトリフルオロメタンスルホニル基である。
【0010】
一つの好ましい実施様態において、前記エポキシ基含有複素環式ネオニコチノイド化合物は以下のものから選ばれる。
【0011】
【化2】

【0012】
他の好ましい実施様態において、前記エポキシ基含有複素環式ネオニコチノイド化合物は下記(1a)及び(1b)から選ばれる。
【0013】
【化3】

【0014】
他の好ましい実施様態において、前記エポキシ基含有複素環式ネオニコチノイド化合物は昆虫のニコチン性アセチルコリン受容体の拮抗剤である。
【0015】
他の好ましい実施様態において、前記エポキシ基含有複素環式ネオニコチノイド化合物(1a)及び(1b)は、イミダクロプリド耐性のトビイロウンカ及びタバココナジラミに対する活性がイミダクロプリドの2〜30倍である。
【0016】
また、本発明は、
(a)0.001〜99.99重量%の上記エポキシ基含有複素環式ネオニコチノイド化合物、その光学異性体、若しくは農薬的に許容される塩、あるいはこれらの組合せと、
(b)農薬的に許容される担体及び/又は賦形剤と、
を含む農業用組成物を提供する。
【0017】
また、本発明は、前記農業用組成物の農業害虫、衛生害虫及び動物の健康を害する害虫の駆除及び/又は予防ための使用、或いは農業害虫、衛生害虫及び動物の健康を害する害虫の駆除及び/又は予防のための殺虫剤組成物としての使用に関する。
【0018】
また、本発明は、虫害に遭った或いは虫害に遭う可能性のある植物体、その周囲の土壌又は環境に上記農業用組成物を施すことを含む、殺虫及び/又は防虫方法を提供する。
また、本発明は、上記化合物、その光学異性体、若しくは農薬的に許容される塩、あるいはこれらの組合せの殺虫剤組成物の製造方法を提供する。この方法は以下の工程を含む。
酸性触媒の存在下に、室温で、式(a)の化合物を式(b)又は(c)の化合物と反応させることで、式(A)又は(B)の構造を有する化合物を得る工程。
【0019】
【化4】

【0020】
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 、及びYは上記の通りである。)
【0021】
一つの好ましい実施様態において、前記方法は、
アセトニトリルの中で、酸性触媒の存在下に、室温で2〜24時間、下記の反応を行うことにより、前記式(1a)の化合物を得る工程と、
【0022】
【化5】

【0023】
アセトニトリルの中で、酸性触媒の存在下に、室温で2〜24時間、下記の反応を行うことにより、前記式(1b)の化合物を得る工程と、
【0024】
【化6】

【0025】
アセトニトリルの中で、酸性触媒の存在下に、室温で2〜24時間、下記の反応を行うことにより、前記式(1c)の化合物を得る工程と、
【0026】
【化7】

【0027】
アセトニトリルの中で、酸性触媒の存在下に、室温で2〜24時間、下記の反応を行うことにより、前記式(1d)の化合物を得る工程と、
【0028】
【化8】

【0029】
アセトニトリルの中で、酸性触媒の存在下に、室温で2〜24時間、下記の反応を行うことにより、前記式(2a)の化合物を得る工程と、
【0030】
【化9】

【0031】
アセトニトリルの中で、酸性触媒の存在下に、室温で2〜24時間、下記の反応を行うことにより、前記式(2b)の化合物を得る工程と、
【0032】
【化10】

【0033】
アセトニトリルの中で、酸性触媒の存在下に、室温で2〜24時間、下記の反応を行うことにより、前記式(2c)の化合物を得る工程と、
【0034】
【化11】

【0035】
アセトニトリルの中で、酸性触媒の存在下に、室温で2〜24時間、下記の反応を行うことにより、前記式(2d)の化合物を得る工程と、
【0036】
【化12】

【0037】
アセトニトリルの中で、酸性触媒の存在下に、室温で2〜24時間、下記の反応を行うことにより、前記式(1e)の化合物を得る工程と、
【0038】
【化13】

【0039】
アセトニトリルの中で、酸性触媒の存在下に、室温で2〜24時間、下記の反応を行うことにより、前記式(2e)の化合物を得る工程と、
【0040】
【化14】

【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明の発明者らは、長時間にわたって懸命に研究したところ、既存のイミダクロプリドのニトロメチレン系ネオニコチノイド系殺虫剤のイミダクロプリドのニトロメチレン構造に基づいて、ジアルデヒドとイミダクロプリドのニトロメチレン系化合物とを反応させることにより、顕著に向上した殺虫活性と広くなった殺虫スペクトルとを有する新規ネオニコチノイド系化合物を合成した。これに基づき、発明者らが本発明を完成した。
【0042】
用語の定義
ここで用いられるように、用語の「C1-6 アルキル基」とは、炭素原子を1〜6個有する直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、又は類似の基が挙げられる。
【0043】
用語の「C1-4 アルコキシ基」とは、炭素原子を1〜4個有する直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基を示し、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、又は類似の基が挙げられる。
【0044】
用語の「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を示す。用語の「ハロゲン置換の」とは、相同又は相異の一つ又は複数の上記ハロゲン原子で置換されたことを示し、例えばトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、又は類似の基が挙げられる。
用語の「5員又は6員複素環基」とは、窒素、酸素、硫黄から選ばれる一つ又は複数のヘテロ原子を含む5員又は6員環を示し、例えばピリジル基、チアゾリル基、ピリミジル基、テトラヒドロフリル基、又はオキサゾリル基などが挙げられる。
【0045】
本発明の化合物の製造方法
本発明の化合物は、前記で説明された反応の工程で合成するができる。
本発明の具体的な一実施様態において、式(1a)の化合物の合成方法は以下の通りである。
【0046】
【化15】

【0047】
本発明の具体的な一実施様態において、式(1b)の化合物の合成方法は以下の通りである。
【0048】
【化16】

【0049】
本発明の具体的な一実施様態において、式(1c)の化合物の合成方法は以下の通りである。
【0050】
【化17】

【0051】
本発明の具体的な一実施様態において、式(1d)の化合物の合成方法は以下の通りである。
【0052】
【化18】

【0053】
本発明の具体的な一実施様態において、式(2a)の化合物の合成方法は以下の通りである。
【0054】
【化19】

【0055】
本発明の具体的な一実施様態において、式(2b)の化合物の合成方法は以下の通りである。
【0056】
【化20】

【0057】
本発明の具体的な一実施様態において、式(2c)の化合物の合成方法は以下の通りである。
【0058】
【化21】

【0059】
本発明の具体的な一実施様態において、式(2d)の化合物の合成方法は以下の通りである。
【0060】
【化22】

【0061】
本発明の具体的な一実施様態において、式(1e)の化合物の合成方法は以下の通りである。
【0062】
【化23】

【0063】
本発明の具体的な一実施様態において、式(2e)の化合物の合成方法は以下の通りである。
【0064】
【化24】

【0065】
本発明の一実施様態において、式(1a)〜(1e)の化合物は下記の反応で製造することができる。
2,5-ジエトキシテトラヒドロフラン(2g、12.5mmol)と塩酸水溶液(0.1M、10mL)の混合液を90℃に加熱して1時間反応させた後、室温まで冷却させる。次に、それにアセトニトリル(40mL)、イミダクロプリドのニトロメチレン類似物(10mmol)を加え、常温で撹拌して反応させ、TLCで反応の進行を観察する。反応完了後、飽和重曹水溶液で中性に中和し、抽出し、減圧で溶媒を蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/アセトン=3/1(v/v))で分離し、淡黄色粉末の製品を得る。
【0066】
他の一実施様態において、式(2a)〜(2e)の化合物は下記の反応で製造することができる。
イミダクロプリドのニトロメチレン類似物(5mmol)、30mlの無水アセトニトリル、3mlの25%グルタルアルデヒド水溶液、触媒量のHClを50mlの丸底フラスコに置く。常温で撹拌し、TLCで反応の進行を観察する。反応完了後、飽和重曹水溶液で中性に中和し、抽出し、減圧で溶媒を蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/アセトン=3/1(v/v))で分離し、淡黄色粉末の製品を得る。
【0067】
本発明の活性物質の殺虫活性
用語の「本発明の活性物質」又は「本発明の活性化合物」とは、本発明の化合物、その光学異性体、若しくは農薬的に許容される塩を示し、顕著に向上した殺虫活性及び広くなった殺虫スペクトルを有する化合物である。
【0068】
用語の「農薬的に許容される塩」とは、農薬的に許容される殺虫剤の塩を形成するような塩のアニオンが公知であり、許容されるものである。当該塩は、水溶性のものが好ましい。好適な式(A)及び(B)の化合物から形成される酸付加塩は、例えば塩酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩のような無機酸から形成される塩、及び酢酸塩、安息香酸塩のような有機酸から形成される塩を含む。
【0069】
本発明の活性物質は、幅広いの農林植物の害虫、貯蔵穀物の害虫、公共衛生の害虫及び動物の健康を害する害虫などの抑制及び撲滅に用いることができる。本明細書において、「殺虫剤」とは、上記のすべての害虫を防除する機能を有する物質の総称である。害虫の例は、コクゾウムシ(Sitophilus zeamais)、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)、オオニジュウヤホシテントウ(Henosepilachna vigintioctomaculata)、ニジュウヤホシテントウ(Henosepilachna sparsa)、トビイロムナボソコメツキ(Agriotes fuscicollis)、アカアシドウガネ(Anomala cupripes)、クアドリギュタータマメコガネ(Popillia quadriguttata)、ヒエログリフィカハムシ(Monolepta hieroglyphica)、マツノマダラカミキリ(Monochamus alternatus)、イネゾウムシ(Echinocnemus squameus)、バシプリオノタビシグナタ(Basiprionota bisignata)、ゴマダラカミキリ(Anoplophora chinensis)、クワカミキリ(Apriona germari)、シェウィリューイキクイムシ(Scolytus schevy)やトビイロムナボソコメツキ(Agriotes fuscicollis)などの鞘翅目の昆虫;マイマイガ(Lymantria dispar)、オビカレハ(Malacosoma neustria testacea)、ツゲノメイガ(Diaphania perspectalis)、オオミノガ(Clania variegata)、イラガ(Cnidocampa flavescens)、マッソンマツカレハ(Dendrolimus punctatus)、ヒメシロモンドクガ(Orgyia gonostigma)、ビロードスカシバ(Paranthrene tabaniformis)、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、ニカメイガ(Chilo suppressalis)、アワノメイガ(Ostrinia nubilalis)、コナマダラメイガ(Ephestia cautella)、 コカクモンハマキ(Adoxophyes orana)、ラスペイレシア・スプレンダナ(Laspeyresia splendana)、カブラヤガ (Agrotis fucosa)、ハチノスツヅリガ(Galleria mellonella)、コナガ(Plutella xylostella)、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella)やアワヨトウ(Mythimna separata)などの鱗翅目の昆虫;ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、クワコナカイガラムシ(Pseudococcus comstocki)、ヤノネカイガラムシ(Unaspis yanonensis)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、ワタアブラムシ (Aphis gossypii)、ニセダイコン(Lipaphis erysimi pseudobrassicae)、ナシグンバイ(Stephanitis nashi)やタバココナジラミ(Bemisia tabaci)などの同翅亜目の昆虫;チャバネゴキブリ(Blattella germanica)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、ケラ(Gryllotalpa africana)やトノサマバッタ (Locus migratoria) などの直翅目の昆虫;ヒアリ(Solenopsis invicta)やイエシロアリ(Coptotermes formosanus)などの等翅目の昆虫;イエバエ(Musca domestica)、ネッタイシマカ (Aedes aegypti)、タネバエ(Delia platura)、イエカ(Culex sp.)やシナハマダラカ(Anopheles sinensis)などの双翅目の昆虫を含むが、これらに限定されない。動物の健康を害する害虫は、オウシマダニ(Boophilus microplus)、フタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)、アナトリクムダニ(Hyalomma anatolicum)、ウシバエ(Hypoderma spp.)、カンテツ(Fasciola hepatica)、ベネデン条虫(Moniezia benedeni)、オステルタジア線虫(Ostertagia spp.)、原虫のトリパノソーマ・エバンシ(Trypanosoma evansi)、バベシア・ビゲミナ(Babesia bigemina)などを含む。
【0070】
本発明に係る化合物は、特に刺入吸収型又は咀嚼吸収型の口器を持つ害虫、例えば、アブラムシ、ヨコバイ、ウンカ、アザミウマ、コナジラミなどの農林害虫に対して有効である。
【0071】
本発明の活性物質を含む殺虫剤組成物
本発明の活性物質を通常の方法で殺虫剤組成物とすることができる。これらの活性化合物は、通常の製剤、例えば溶液剤、乳剤、懸濁剤、粉剤、泡沫剤、ペースト剤、顆粒剤、エアゾール剤、活性物質を含浸させた天然及び合成の材料、ポリマーにおけるマイクロカプセル、種子用被覆複合剤、例えば燻蒸薬筒、燻蒸缶や燻蒸皿のような燃焼装置と一緒に使用する製剤、及びULVコールドミスト(Cold mist)とウォームミスト(Warm mist)の製剤などにすることができる。
【0072】
これらの製剤は既知の方法で生産することができる。このような方法は、例えば、活性化合物を液体或いは液化ガス或いは固体の希釈剤又は担体である展開剤と混合する。そして、界面活性剤、即ち乳化剤及び/又は分散剤及び/又は泡沫形成剤を任意に選択して使用することができる。例えば、展開剤として水を用いる場合、有機溶媒を助剤として使用することもできる。
【0073】
液体溶媒を希釈剤又は担体として使用することが、基本的に適切である。例えば、キシレン、トルエンやアルキルナフタレンなどの芳香族炭化水素類;クロロベンゼン、塩化ビニル及びジクロロメタンなどの塩化芳香族又は塩化脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン及びパラフィン、鉱物油留分などの脂肪族炭化水素類;エタノール及びグリコールなどのアルコール類並びにそのエーテル類とエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノンなどのケトン類;或いはジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドなどの通常使用されない極性溶媒;並びに水が挙げられる。液化ガスの希釈剤又は担体とは、常温常圧でガスとなる液体を指す。例えば、ハロゲン化炭化水素類及びブタン、プロパン、窒素ガス、二酸化炭素のようなエアゾール駆出剤が挙げられる。
【0074】
固体の担体としては、例えば、カオリン、クレー、タルク、石英、活性白土、モンモリロナイトや珪藻土などの土壌の天然鉱物、及び高分散珪酸、アルミナ、珪酸塩などの土壌の合成鉱物が挙げられる。顆粒用固体担体としては、例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石や白雲石などの粉砕・分別された天然岩石、及び無機・有機の粗粉から合成される顆粒、そしておがくず、やしの実殻、とうもろこし穂軸及びタバコ茎の顆粒などの有機素材が挙げられる。
【0075】
乳化剤及び/又は泡沫形成剤としては、非イオン性及び陰イオン性の乳化剤を使用できる。例えば、ポリオキシエチレン-脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン-脂肪族アルコールエーテル類、アルキルアリールポリグリコールエーテル類、アルキルスルホン酸エステル類、アルキル硫酸エステル類、アリールスルホン酸エステル類やアルブミン加水分解物などが挙げられる。分散剤は、例えば、リグニンサルファイト廃液やメチルセルロースを含む。
【0076】
製剤にバインダーを使用してもよい。例えば、カルボキシメチルセルロース、並びにアラビアゴム、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニルのような粉末、顆粒又は乳液の形態の天然及び合成のポリマーが挙げられる。着色剤を使用してもよい。例えば、酸化鉄、酸化コバルト、プルシアンブルーのような無機染料、アゾ染料や金属フタロシアニン染料のような有機染料、鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、アルミニウムや亜鉛の塩のような微量栄養剤が挙げられる。
【0077】
本発明のこれらの活性化合物は、他の活性化合物との混合物として、市販の製剤に、あるいはこれらの製剤から調製された使用剤形に存在することができる。そのような他の活性化合物としては、殺虫剤、餌剤、殺菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺真菌剤、成長制御剤などが考えられるが、これらに限定されない。殺虫剤は、例えば、リン酸エステル系、カルバメート系、ピレトリン系、塩化炭化水素系、ベンゾイル尿素系、ネライストキシン系やアバメクチンのような微生物より生成された物質を含む。
【0078】
また、本発明のこれらの活性化合物は、共力剤との混合物として、市販の製剤に、あるいはこれらの製剤から調製された使用剤形に存在することもできる。共力剤とは、活性化合物の作用を向上させる化合物である。活性化合物自身が活性を有するため、共力剤を添加しなくてもよい。
【0079】
これらの製剤は、通常、前記殺虫剤組成物の0.001-99.99重量%、好ましくは0.01-99.9重量%、より好ましくは0.05-90重量%を占める本発明の活性化合物を含有する。市販の製剤から調製された使用剤形における活性化合物の濃度は、広い範囲で変更することができる。使用剤形における活性化合物の濃度は、0.0000001-100%(g/v)、好ましくは0.0001-1%の間にある。
【0080】
実施例
以下、具体的な実施例によって、さらに本発明を説明する。これらの実施例は本発明を説明するために用いられるものだけで、本発明の範囲の制限にはならないと理解されるものである。以下の実施例において、具体的な条件が記載されていない実験方法は、通常、通常の条件、或いはメーカーの薦めの条件で行われた。特に断らない限り、%と部は、重量で計算される。ここで、r. t.は室温を示す。
【0081】
実施例1:9-((6-クロロピリジン-3-イル)メチル)-4-ニトロ-8-オキサ-10,11-ジヒドロイミダゾ-[2,3-a]-ビシクロ-[3.2.1]-オクト-3-エン(化合物1a)の合成
【0082】
【化25】

【0083】
2,5-ジエトキシテトラヒドロフラン(2g、12.5mmol)と塩酸水溶液(0.1M、10mL)の混合液を90℃に加熱して1時間反応させた後、室温まで冷却させた。次に、それにアセトニトリル(40mL)、2-クロロ-5-(2-ニトロメチレン-イミダゾリジン-1-イルメチル)-ピリジン(2.54g、10mmol)を加え、常温で撹拌して反応させ、TLCで反応の進行を観察した。反応完了後、飽和重曹水溶液で中性に中和し、抽出し、減圧で溶媒を蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/アセトン=3/1(v/v))で分離し、淡黄色粉末を得た。収率が53%であった。
mp = 149.0-150.0 °C; 1 H NMR (400 Mz, DMSO-d6 ): δ 8.35 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.81 (dd, J1 = 2.4 Hz, J2 = 8.4 Hz, 1H), 7.51 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.36-5.39 (s, 2H), 5.00 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 4.68 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 3.57-3.73 (m, 4H), 1.94-2.04 (m, 4H) ppm; 13C NMR (100 Mz, DMSO-d6 ): δ 155.6, 149.7, 149.6, 139.7, 132.6, 124.5, 109.6, 87.0, 75.1, 51.2, 50.3, 46.6, 31.9, 31.7 ppm; HRMS (ES+) 計算値:C14H16N4 O3 35Cl (M+H)+, 323.0911; 実測値:323.0912. 計算値:C14H16N4 O3 37Cl (M+H)+, 325.0811; 実測値:325.0895. 計算値: C14H15N4 O3 35ClNa (M+Na)+, 345.0730; 計算値:345.0722. 計算値: C14H15N4 O3 37ClNa (M+Na)+, 347.0701; 計算値:347.0692。
【0084】
実施例2:9-((2-クロロチアゾール-5-イル)メチル)-4-ニトロ-8-オキサ-10,11-ジヒドロイミダゾ-[2,3-a]-ビシクロ-[3.2.1]-オクト-3-エン(化合物1b)の合成
【0085】
【化26】

【0086】
上記と同じようにし、減圧で溶媒を蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/アセトン=3/1(v/v))で分離し、淡黄色粉末状の固体を得た。収率が56%であった。
mp = 136.5-138.0 °C; 1 H NMR (400 Mz, DMSO-d6 ): δ 7.47 (s, 1H), 5.61 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.28 (d, J = 15.4 Hz, 1H), 5.16 (d, J = 5.00 Hz, 1H), 4.70 (d, J = 15.4 Hz, 1H), 3.66-3.82 (m, 3H), 3.54-3.61 (m, 1H), 2.22-2.29 (m, 1H), 2.12-2.21 (m, 2H), 1.99-2.07 (m, 1H) ppm; 13C NMR (100 Mz, DMSO-d6 ): δ 154.6, 154.3, 140.6, 135.1, 110.4, 87.4, 75.4, 49.6, 47.9, 46.5, 31.8, 31.8 ppm; HRMS (ES+) 計算値: C12H14N4 O3 S35Cl (M+H)+, 329.0475; 計算値:329.0475. 計算値:C12H14N4 O3 S37Cl (M+H)+, 331.0446; 計算値:331.0461。
【0087】
実施例3:9-ベンジル-4-ニトロ-8-オキサ-10,11-ジヒドロイミダゾ-[2,3-a]-ビシクロ-[3.2.1]-オクト-3-エン(化合物1c)の合成
【0088】
【化27】

【0089】
上記と同じようにし、減圧で溶媒を蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/アセトン=3/1(v/v))で分離し、淡黄色粉末状の固体を得た。収率が58%であった。
mp = 149.0-149.8 °C; 1 H NMR (400 Mz, DMSO-d6 ): δ 7.28-7.39 (m, 5H), 5.66 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 5.14 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 4.92-5.01 (m, 2H), 3.57-3.74 (m, 3H), 3.47-3.53 (m, 1H), 2.30-2.34 (m, 1H), 2.13-2.22 (m, 2H), 2.00-2.07 (m, 1H) ppm; 13C NMR (100 Mz, DMSO-d6 ): δ 155.5, 135.9, 128.9, 128.2, 128.1, 87.7, 75.6, 54.4, 48.9, 47.2, 31.8, 31.6 ppm; HRMS (ES+) 計算値:C15H17N3 O3 (M+H)+, 287.1270; 計算値:287.1272。
【0090】
実施例4:9-(4-クロロ-ベンジル)-4-ニトロ-8-オキサ-10,11-ジヒドロイミダゾ-[2,3-a]-ビシクロ-[3.2.1]-オクト-3-エン(化合物1d)の合成
【0091】
【化28】

【0092】
上記と同じようにし、減圧で溶媒を蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/アセトン=3/1(v/v))で分離し、淡黄色粉末状の固体を得た。収率が38%であった。
mp = 140.0-140.9 °C; 1 H NMR (400 Mz, DMSO-d6 ): δ 7.27-7.34 (m, 4H), 5.63 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 5.14 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.04 (d, J = 15.1 Hz, 1H), 4.78 (d, J = 15.1 Hz, 1H), 3.62-3.73 (m, 3H), 3.45-3.51 (m, 1H), 2.26-2.31 (m, 1H), 2.11-2.21 (m, 2H), 1.98-2.07 (m, 1H) ppm; 13C NMR (100 Mz, DMSO-d6 ): δ 155.3, 134.4, 133.9, 129.6, 129.0, 110.2, 87.6, 75.5, 53.9, 49.2, 47.0, 31.8, 31.7 ppm; HRMS (ES+) 計算値:C15H17N3 O3 35Cl (M+H)+, 322.0958; 計算値:322.0972. 計算値:C15H17N3 O3 37Cl (M+H)+, 324.0929; 計算値:324.0938。
【0093】
実施例5:9-((テトラヒドロフラン-3-イル)メチル)-4-ニトロ-8-オキサ-10,11-ジヒドロイミダゾ-[2,3-a]-ビシクロ-[3.2.1]-オクト-3-エン(化合物1e)の合成
【0094】
【化29】

【0095】
上記と同じようにし、減圧で溶媒を蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/アセトン=3/1(v/v))で分離し、淡黄色粉末状の固体を得た。収率が57%であった。
mp = 126.3-127.9℃; 1 H NMR (400 Mz, DMSO-d6 ): δ 5.11 (s, 1H), 5.00-5.03 (m, 1H), 4.18 (d, J = 3.2 Hz, 2H), 4.05-4.25 (m, 2H), 3.85-3.96 (m, 4H), 2.25 (m, 1H), 1.66-1.81 (m, 4H), 2.35-2.40 (m, 1H), 2.17-2.21 (m, 2H), 1.93-2.01 (m, 1H) ppm; ppm; 13C NMR (100 Mz, DMSO-d6 ): δ 1.9, 81.6, 77.9, 68.2, 53.1, 49.9, 48.0, 44.1, 36.4, 33.9, 29.5, 23.2, 19.8, ppm; HRMS (EI+) 計算値:C13H19N3 O4 (M+), 281.1376; 実測値:281.1365。
【0096】
実施例6:10-((6-クロロピリジン-3-イル)メチル)-4-ニトロ-9-オキサ-11,12-ジヒドロイミダゾ-[2,3-a]-ビシクロ-[3.3.1]-ノン-3-エン(化合物2a)の合成
【0097】
【化30】

【0098】
1.27g(0.005mol)の2-クロロ-5-(2-ニトロメチレン-イミダゾリジン-1-イルメチル)-ピリジン、30mlの無水アセトニトリル、3mlの25%グルタルアルデヒド水溶液、触媒量のHClを50mlの丸底フラスコに置いた。常温で撹拌し、TLCで反応の進行を観察した。反応完了後、飽和重曹水溶液で中性に中和し、抽出し、減圧で溶媒を蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/アセトン=3/1(v/v))で分離し、淡黄色粉末を得た。収率が76%であった
mp = 174.7-175.4 °C; 1 H NMR (400 Mz, DMSO-d6 ): δ 8.38 (dd, J1 = 0.6 Hz, J2 = 2.4 Hz, 1H), 7.84 (dd, J1 = 2.4 Hz, J2 = 8.4 Hz, 1H), 7.52 (dd, J1 = 0.6 Hz, J2 = 8.4 Hz, 1H), 5.12 (s, 1H), 5.04-5.05 (m, 1H), 4.97 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 4.71 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 3.62-3.74 (m, 4H), 1.66-1.81 (m, 4H), 1.51-1.55 (m, 1H), 1.32-1.44 (m, 1H) ppm; 13C NMR (100 Mz, DMSO-d6 ): δ 156.6, 149.7, 149.6, 139.7, 132.9, 124.5, 105.8, 81.7, 68.9, 51.7, 50.0, 46.3, 28.8, 27.2, 14.8 ppm; HRMS (EI+) 計算値:C15H17N4 O3 35Cl (M+), 336.0989; 計算値:336.0988. 計算値:C15H17N4O3 37Cl (M+), 338.0960; 計算値:338.0968。
【0099】
実施例7:10-((2-クロロチアゾール-5-イル)メチル)-4-ニトロ-9-オキサ-11,12-ジヒドロイミダゾ-[2,3-a]-ビシクロ-[3.3.1]-ノン-3-エン(化合物2b)の合成
【0100】
【化31】

【0101】
上記と同じようにし、減圧で溶媒を蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/アセトン=3/1(v/v))で分離し、白色粉末状の固体を得た。収率が62%であった。
mp = 159.1-160.5 °C; 1 H NMR (400 Mz, DMSO-d6 ): δ 7.48 (s, 1H), 5.30 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 5.24 (d, J = 15.4 Hz, 1H), 4.98 (s, 1H), 4.78 (d, J = 15.4 Hz, 1H), 3.76-3.87 (m, 1H), 3.60-3.71 (m, 3H), 2.12 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 1.82-1.96 (m, 2H), 1.64-1.77 (m, 2H), 1.48-1.60 (m, 1H) ppm; 13C NMR (100 Mz, DMSO-d6 ): δ 155.7, 154.1, 140.5, 135.6, 107.0, 82.7, 69.4, 49.4, 48.3, 46.2, 29.4, 26.5, 14.9 ppm; HRMS (EI+) 計算値:C13H15N4 O3 S35Cl (M+), 342.0553; 計算値:342.0548. 計算値:C13H15N4 O3 S37Cl (M+), 344.0524; 計算値:344.0564。
【0102】
実施例8:10-ベンジル-4-ニトロ-9-オキサ-11,12-ジヒドロイミダゾ[2,3-a]ビシクロ[3.3.1]ノン-3-エン(化合物2c)の合成
【0103】
【化32】

【0104】
上記と同じようにし、減圧で溶媒を蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/アセトン=3/1(v/v))で分離し、淡黄色粉末状の固体を得た。収率が77%であった。
mp = 180.5-181.2 °C; 1 H NMR (400 Mz, DMSO-d6 ): δ 7.29-7.37 (m, 5H), 5.33 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 5.02 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 4.95 (s, 1H), 4.85 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 3.68-3.75 (m, 1H), 3.48-3.64 (m, 3H), 2.14 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 1.81-1.93 (m, 2H), 1.51-1.70 (m, 3H) ppm; 13C NMR (100 Mz, DMSO-d6 ): δ 156.6, 136.4, 128.8, 128.3, 128.0, 106.7, 83.0, 69.7, 54.8, 48.6, 46.7, 29.5, 26.5, 15.0 ppm; HRMS (EI+) 計算値: C16H19N3 O3 (M+), 301.1426; 計算値:301.1429。
【0105】
実施例9:10-(4-クロロベンジル)-4-ニトロ-9-オキサ-11,12-ジヒドロイミダゾ-[2,3-a]-ビシクロ-[3.3.1]-ノン-3-エン(化合物2d)の合成
【0106】
【化33】

【0107】
上記と同じようにし、減圧で溶媒を蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/アセトン=3/1(v/v))で分離し、淡黄色粉末状の固体を得た。収率が70%であった。
mp = 156.9-158.3 °C; 1 H NMR (400 Mz, DMSO-d6 ): δ 7.29-7.34 (m, 4H), 5.33 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.05 (d, J = 15.1 Hz, 1H), 4.96 (s, 1H), 4.75 (d, J = 15.1 Hz, 1H), 3.66-3.73 (m, 1H), 3.55-3.60 (m, 3H), 2.14 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 1.82-1.95 (m, 2H), 1.51-1.71 (m, 3H) ppm; 13C NMR (100 Mz, DMSO-d6 ): δ 156.5, 134.9, 133.8, 129.7, 129.0, 106.8, 83.0, 69.6, 54.4, 48.9, 46.6, 29.6, 26.5, 15.0 ppm; HRMS (EI+) 計算値: C16H18N3 O3 35Cl (M+), 335.1037; 計算値:335.1044. 計算値:C16H18N3 O3 37Cl (M+), 337.1007; 計算値:337.1036。
【0108】
実施例10:10-((テトラヒドロフラン-3-イル)メチル)-4-ニトロ-9-オキサ-11,12-ジヒドロイミダゾ-[2,3-a]-ビシクロ-[3.3.1]-ノン-3-エン(化合物2e)の合成
【0109】
【化34】

【0110】
1.065g(0.005mol)の1-((テトラヒドロフラン-3-イル)メチル)-2-(ニトロメチレン)-1-イミダゾリン、3mlの25%グルタルアルデヒド水溶液、触媒量のHClを50mlの丸底フラスコに置いた。常温で撹拌し、TLCで反応の進行を観察した。反応完了後、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーで分離し、淡黄色粉末状の精製品を得た。収率が36%であった。
mp = 115.3-116.9℃; 1 H NMR (400 Mz, DMSO-d6 ): δ 5.11 (s, 1H), 5.00-5.03 (m, 1H), 4.18 (d, J = 3.2 Hz, 2H), 4.05-4.25 (m, 2H), 3.85-3.96 (m, 4H), 2.25 (m, 1H), 1.66-1.81 (m, 4H), 1.63 -1.64 (m, 2H), 1.57-1.59 (m, 2H), 1.51-1.55 (m, 1H), 1.32-1.44 (m, 1H) ppm; 13C NMR (100 Mz, DMSO-d6 ): δ 81.7, 80.6, 78.5, 68.9, 50.0, 49.7, 46.9, 44.6, 36.8, 33.9, 28.8, 27.2, 17.8, 14.8ppm; HRMS (EI+) 計算値:C14H21N3 O4 (M+), 295.1532; 実測値:295.1598。
【0111】
実施例11:本発明化合物の殺虫活性テスト
(1)アブラムシに対する殺虫活性
アブラムシは同翅亜目に属し、刺入吸収型の口器を有し、よく見られる農作物の害虫である。マメアブラムシ(Aphis craccivora)をテスト対象とし、浸漬法でテストを行った。
テストの方法:各サンプルを正確に秤量し、それぞれDMSO 2mL及び水 18mLを入れ、さらに3滴の乳化剤220Iを入れて試薬液とし、空白はDMSO 2mL及び水 18mLに3滴の乳化剤220Iを入れたものとした。一定の数の測定すべき昆虫の付いたソラマメの葉っぱを薬液に3〜5秒浸漬し、取り出して乾燥させ、被測昆虫と餌をきれいな容器に移し、乾燥恒温の回復室に置き、24時間後被測昆虫の中毒死の様子を検査した。結果を下記の表1に示す。
【0112】
【表1】

【0113】
(2)トビイロウンカに対する殺虫活性
トビイロウンカは同翅亜目に属し、刺入吸収型の口器を有し、よく見られる農作物の害虫である。トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)をテスト対象とし、ナガタによって報告された微量点滴測定法を用いた。
操作の手順:羽化後2〜3日の未交配の有翅の雌虫をテスト対象とし、化合物をアセトンで希釈して濃度系列を作り、二酸化炭素で昆虫を麻酔した後、手動微量点滴器(バーカード製造株式会社、リックマンズワース、英国)で薬液滴(0.08μL)を被測昆虫の前胸背板に滴下した。各濃度は約30匹の成虫を処理し、各処理は3回繰り返した。アセトンを対照とした。処理した成虫をインキュベーター(20×20×10cm)内の無土壌栽培のイネ苗の上で飼養し、温度を25±1℃とし、光照射を16(L)/8(D)時間とした。48時間後結果を調べ、標準の確率値分析法でLD50値を算出した。結果を下記の表2に示す。
【0114】
【表2】

【0115】
(3)アワヨトウの幼虫に対する殺虫活性
アワヨトウ(Pseudaletia separate Walker)の2齢幼虫をテスト対象とし、葉浸漬法でテストした。
アワヨトウは重要な雑穀類の鱗翅目害虫で、幅広く応用され、殺虫剤の摂取毒性、接触毒性、総合や残効などの毒力測定及び昆虫毒理学における研究に適し、新規化合物の選択テストにも適合で、文献に報告された方法に従ってアワヨトウに対する殺虫活性のテストを行った。
葉浸漬法の操作の手順:各サンプルを正確に秤量し、それぞれDMSO(2mL)及び水 18mLを入れ、さらに3滴の乳化剤220I(上海農薬社から入手)を入れて薬液とし、空白はDMSO(2mL)及び水 28 mLに3滴の乳化剤220Iを入れたものとした。新鮮なトウモロコシの葉っぱを細かく破り、薬液に5秒ほど浸漬し、取り出して乾燥させ、100mLの広口瓶に置き、さらに2齢幼虫を約20匹入れ、広口瓶をガーゼと輪ゴムで封じ、薬液に浸漬したトウモロコシを与え続け、5日後幼虫の死亡率を調べた。温度は22〜27℃、湿度は70〜80%とした。空白群の死亡率が5%以下である場合、各処理死亡率は修正が必要ではないが、対照群の死亡率が5〜20%である場合、Abbottの式で各処理死亡率を修正した。Abbottの式は以下の通りである。
修正死亡率=[(処理死亡率-対照死亡率)/(100-対照死亡率)]×100
【0116】
目的化合物のアブラムシ、アワヨトウ及びトビイロウンカに対する活性をテストしたところ、その結果は表1及び2の通りである。表1及び2から、エポキシ基含有複素環式化合物1aは、高い活性を有し、アブラムシに対するLC50が1.52mgL-1で、アワヨトウに対するLC50が12.5mgL-1で、その活性がイミダクロプリドよりも顕著に高いことがわかった。より重要なのは、化合物1aは、敏感なトビイロウンカに対する活性がイミダクロプリドとほぼ同じで、耐性のトビイロウンカに対する活性がイミダクロプリドの50倍ということである。化合物1aは、活性が比較的に弱かった。興味深いことに、グルタルアルデヒドで構築されたエポキシ基含有複素環式化合物2a〜2cは、活性が比較的に遥かに弱く、一部の化合物はアブラムシのみに活性を持った。化合物1aと化合物2aの結晶構造を分析したところ、化合物1aと化合物2aのオキソブリッジの立体配置が違い、オキソブリッジの方向が反対で、両者の分子を重ねるとその違いが明らかになる。そのオキソブリッジの立体配置の違いが化合物1aと化合物2aの活性の顕著な違いに導いたことが考えられる。
【0117】
実施例12:化合物(1a)のメカニズムの検討
化合物(1a)について、それぞれ電気生理実験と同位元素標識物置換実験を行ったところ、化合物(1a)は作動剤の反応が阻害できること、ワモンゴキブリのニコチン性アセチルコリン受容体と卵母細胞が発現するNlα1/β2受容体に作動作用がないこと、化合物(1a)は作動剤であるアセチルコリンの反応が阻害できることがわかた。これらの実験は、化合物がニコチン性アセチルコリン受容体(nAChRs)のアンタゴニストであることを示した。
【0118】
実施例13:本発明化合物を含む殺虫剤組成物の調製
(a)油状懸濁液
25%(重量百分率、以下同様)の化合物1a〜1eと2a〜2eのいずれかの一種、5%のポリオキシエチレンソルビトールヘキサオレエート、70%の高級脂肪族炭化水素系油の割合で各成分を用意した。固体の顆粒が約5ミクロン以下になるまで各成分をサンドミルの中で一緒に研磨した。得られた粘稠な懸濁液は直接使用することができるが、水中で乳化して使用してもよい。
【0119】
(b)水懸濁液
25%の化合物1a〜1eと2a〜2eのいずれかの一種、3%の水和アタパルジャイト(hydrate attapulgite)、10%のリグニンスルホン酸カルシウム、0.5%のリン酸二水素ナトリウム、61.5%の水の割合で各成分を用意した。固体の顆粒が約10ミクロン以下になるまで各成分をボールミルの中で一緒に研磨した。この水懸濁液は直接使用することができる。
【0120】
(c)餌剤
0.1-10%の化合物1a〜1eと2a〜2eのいずれかの一種、80%の小麦粉、19.9-10%の糖蜜の割合で各成分を用意した。これらの成分を完全に混合し、必要によって餌の形状とした。食用餌は、例えば家庭や仕事場、又は厨房、病院、商店や室外区域などの衛生害虫に侵害される場所に分散することで、経口摂取によって害虫を防除することができる。
【0121】
各文献がそれぞれ単独に引用されるように、本発明に係るすべての文献は本出願で参考として引用する。また、本発明の上記の内容を読み終わった後、この分野の技術者が本発明を各種の変動や修正をすることができるが、それらの等価の様態のものは本発明の請求の範囲に含まれることが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(A)又は式(B)で示される構造を有する化合物、前記化合物の光学異性体、農薬的に許容される前記化合物の塩、又は前記光学異性体の塩から選ばれることを特徴とするエポキシ基含有複素環式ネオニコチノイド化合物。
【化1】

(式中、R1 は、窒素、酸素及び/又は硫黄を含む5員複素環基;窒素、酸素及び/又は硫黄を含む6員複素環基;ハロゲン置換の窒素、酸素及び/又は硫黄を含む5員複素環基;ハロゲン置換の窒素、酸素及び/又は硫黄を含む6員複素環基;ハロゲン置換のフェニル基、又は無置換のフェニル基であり、前記ハロゲン置換の置換基は、ハロゲン、C1-4 ハロゲン置換のアルキル基及びC1-4 塩素化アルコキシ基からなる群から選ばれる1以上のものである。
3 及びR4 は、それぞれ独立に、H;C1-6 アルキル基;アリル基;ベンジル基;C1-4 アルコキシ−C1-4 アルキル基;C1-4 アルコキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基;C2-6 アルキニル−カルボニル基;C2-3 アルケニル−カルボニル基;C3-6 シクロアルキル−カルボニル基;ベンゾイル基;又はハロゲン原子、C1-4 アルキル基、C1-4 ハロアルキル基、C1-4 アルコキシ基、及びC1-4 アルキルカルボニル基から選ばれる1以上のもので置換されたベンゾイル基、フラニルカルボニル基、又はN,N-ジメチルカルボニル基である。
又は、R3 及びR4 は結合し、−CH2 −CH2 −、−CH2 −CH2 −CH2 −、又はCH2 −XR−CH2 −を形成する。前記Xはヘテロ原子である。前記RはH;C1-6 アルキル基;アリル基;ベンジル基;フェニル基;C1-4 アルコキシ基−C1-4 アルキル基;C1-4 アルコキシ−カルボニル基;フェノキシカルボニル基;C2-6 アルキニル−カルボニル基;C2-3 アルケニル−カルボニル基;C3-6 シクロアルキル−カルボニル基;ベンゾイル基;又はハロゲン原子、C1-4 ハロアルキル基、C1-8 飽和アルキル基、C1-8 不飽和アルキル基、アルコキシ基及びC1-4 アルキル−カルボニル基から選ばれる1以上の置換基で置換されたベンゾイル基、フラニルカルボニル基又はN,N−ジメチルカルボニル基から選択され、ヘテロ原子に結合する置換基である。
5 、R6 、R7 、R8 、及びR9 は、H、C1-4 飽和アルキル基、C1-4不飽和アルキル基、ハロゲン、C1-8 飽和アルコキシ基、C1-8不飽和アルコキシ基、ハロゲン置換のC1-4飽和アルコキシ基、ハロゲン置換のC1-4不飽和アルコキシ基、C1-4 アルキルカルボニル基、C1-8アルキルエステル基、C1-4アルキルスルホン酸エステル基、フェニル基、又はベンジル基である。
Yは、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロアセチル基、又はトリフルオロメタンスルホニル基である。)
【請求項2】
前記エポキシ基含有複素環式ネオニコチノイド化合物は、以下の群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ基含有複素環式ネオニコチノイド化合物、前記化合物の光学異性体、農薬的に許容される前記化合物の塩、又は前記光学異性体の塩。
【化2】

【請求項3】
前記エポキシ基含有複素環式ネオニコチノイド化合物は、下記(1a)及び式(1b)の化合物から選ばれることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ基含有複素環式ネオニコチノイド化合物、前記化合物の光学異性体、若しくは農薬的に許容される前記化合物の塩、又は前記光学異性体の塩。
【化3】

【請求項4】
前記エポキシ基含有複素環式ネオニコチノイド化合物は、昆虫のニコチン性アセチルコリン受容体のアンタゴニストであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ基含有複素環式ネオニコチノイド化合物、前記化合物の光学異性体、農薬的に許容される前記化合物の塩、又は前記光学異性体の塩。
【請求項5】
前記(1a)及び式(1b)のエポキシ基含有複素環式ネオニコチノイド化合物は、イミダクロプリド耐性のトビイロウンカ及びタバココナジラミに対する活性がイミダクロプリドの2〜30倍であることを特徴とする請求項3に記載のエポキシ基含有複素環式ネオニコチノイド化合物、前記化合物の光学異性体、農薬的に許容される前記化合物の塩、又は前記光学異性体の塩。
【請求項6】
(a)0.001〜99.99重量%の請求項1〜5のいずれかに記載のエポキシ基含有複素環式ネオニコチノイド化合物、前記化合物の光学異性体、農薬的に許容される前記化合物の塩、前記光学異性体の塩、又はこれらの組合せと、
(b)農薬的に許容される担体及び/又は賦形剤と
を含む農業用組成物。
【請求項7】
農業害虫、衛生害虫及び動物の健康を害する害虫の駆除及び/又は予防のために用いられること、又は農業害虫、衛生害虫及び動物の健康を害する害虫の駆除及び/又は予防のための殺虫剤組成物として用いられることを特徴とする請求項6に記載の農業用組成物の使用。
【請求項8】
酸性触媒の存在下に、室温で、下記式(a)の化合物を下記式(b)又は式(c)の化合物と反応させることで、前記式(A)又は式(B)の構造を有する化合物を得る工程
【化4】

(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 、及びYは請求項1で定義してある。)
を含む請求項1〜5のいずれかに記載のエポキシ基含有複素環式ネオニコチノイド化合物、前記化合物の光学異性体、農薬的に許容される前記化合物の塩、又は前記光学異性体の塩の製造方法。
【請求項9】
アセトニトリルの中で、酸性触媒の存在下に、室温で2〜24時間、下記の反応を行うことにより、前記式(1a)の化合物を得る工程と、
【化5】

アセトニトリルの中で、酸性触媒の存在下に、室温で2〜24時間、下記の反応を行うことにより、前記式(1b)の化合物を得る工程と、
【化6】

アセトニトリルの中で、酸性触媒の存在下に、室温で2〜24時間、下記の反応を行うことにより、前記式(1c)の化合物を得る工程と、
【化7】

アセトニトリルの中で、酸性触媒の存在下に、室温で2〜24時間、下記の反応を行うことにより、前記式(1d)の化合物を得る工程と、
【化8】

アセトニトリルの中で、酸性触媒の存在下に、室温で2〜24時間、下記の反応を行うことにより、前記式(1e)の化合物を得る工程と、
【化9】

アセトニトリルの中で、酸性触媒の存在下に、室温で2〜24時間、下記の反応を行うことにより、前記式(2a)の化合物を得る工程と、
【化10】

アセトニトリルの中で、酸性触媒の存在下に、室温で2〜24時間、下記の反応を行うことにより、前記式(2b)の化合物を得る工程と、
【化11】

アセトニトリルの中で、酸性触媒の存在下に、室温で2〜24時間、下記の反応を行うことにより、前記式(2c)の化合物を得る工程と、
【化12】

アセトニトリルの中で、酸性触媒の存在下に、室温で2〜24時間、下記の反応を行うことにより、前記式(2d)の化合物を得る工程と、
【化13】

アセトニトリルの中で、酸性触媒の存在下に、室温で2〜24時間、下記の反応を行うことにより、前記式(2e)の化合物を得る工程と、
【化14】

含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。

【公表番号】特表2013−513553(P2013−513553A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542350(P2012−542350)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際出願番号】PCT/CN2010/079591
【国際公開番号】WO2011/069456
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(507166519)▲華▼▲東▼理工大学 (5)
【Fターム(参考)】