説明

エポキシ変性ポリアルキレンイミン及びその製造方法

【課題】 物理的、化学的、電気的性質に優れたエポキシ樹脂骨格を構造中に有すると共に、ポリマーミセル形成能に優れた多分岐高分子化合物、および、該多分岐高分子化合物の簡便な製造方法を提供すること。
【解決手段】 親水性を有する分岐状のポリアルキレンイミン鎖に、エポキシ樹脂骨格をグラフト化させることにより、エポキシ樹脂骨格を構造中に有し、ポリマーミセル形成能を有する新規な多分岐高分子化合物により、物理的、化学的、電気的性質に優れたエポキシ樹脂骨格を構造中に有すると共に、ポリマーミセル形成能に優れた多分岐高分子化合物を実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分岐状ポリアルキレンイミンにエポキシ樹脂骨格が結合したエポキシ変性ポリアルキレンイミン及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エポキシ樹脂は、その優れた物理的、化学的、電気的性質から、塗料をはじめ、電気関連、接着などの用途に幅広く利用されている。該エポキシ樹脂の水中で安定なポリマーミセルを形成することができれば、水性エポキシ塗料組成物が得られ、例えば、親水性の無機材料とのハイブリッド材料としての機能を発現することができる。しかし、ビスフェノールA型エポキシ樹脂に代表されるエポキシ樹脂は、エピハロヒドリンと芳香族ジヒドロキシ化合物とから、あるいは、グリシジル化合物と芳香族ヒドロキシ化合物とからなる二級アルコール構造をその主鎖中に有しており、側鎖ヒドロキシ基を除き、疎水性に富んでいる。一方、該側鎖ヒドロキシ基は、親水性を有するものの、その親水性は必ずしも高くなく、従って、エポキシ樹脂は水中で安定なポリマーミセルを形成することなく、カプセル化などのポリマーミセルに特徴的な機能を発現することは困難であった。
【0003】
例えば、側鎖のヒドロキシ基と酸無水物とを反応させて得られる半エステル化変性エポキシ樹脂を塩基中和することにより、あるいは、エポキシ樹脂中のグリシジル基と二級アミンとを反応させて得られる三級アミノ化変性エポキシ樹脂を酸中和することにより、エポキシ樹脂を水溶性化することができるが(例えば特許文献1参照)、これら水溶性化されたエポキシ樹脂も、水中で安定なポリマーミセルを形成することなく、同様にカプセル化などのポリマーミセルに特徴的な機能を発現することは困難であった。
【0004】
また、例えば、炭素原子数20以下の単官能エポキシド化合物とアルキレンイミンから得られる重合体を用いて洗浄剤、水処理剤及び分散剤用途にすることが開示されているが(例えば特許文献2参照)、これら水溶性化された重合体のように低分子量のエポキシド化合物を用いるたけでは、エポキシ樹脂としての優れた物理的、化学的、電気的性質などの特徴的な機能を発現することは困難であった。
【0005】
【特許文献1】特開平5−70558号公報
【特許文献2】特開2005−170977号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、物理的、化学的、電気的性質に優れたエポキシ樹脂骨格を構造中に有すると共に、ポリマーミセル形成能に優れた多分岐高分子化合物、および、該多分岐高分子化合物の簡便な製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明においては、親水性を有する分岐状のポリアルキレンイミン鎖に、エポキシ樹脂骨格をグラフト化させることにより、エポキシ樹脂骨格を構造中に有し、ポリマーミセル形成能を有する新規な多分岐高分子化合物を実現することにより上記課題を解決した。
【0008】
すなわち本発明は、数平均分子量が300〜500000の範囲にある分岐状ポリアルキレンイミンに、式(1)〜(4)で表される群から選ばれる少なくとも一種のエポキシ樹脂骨格が結合したことを特徴とするエポキシ変性ポリアルキレンイミンを提供する。
【0009】
【化1】

[式(1)中、Xは、式(1−1)
【0010】
【化2】

式(1−2)
【0011】
【化3】

(式(1−1)及び式(1−2)中、B及びBは炭素原子、メチレン基、炭素原子数1〜4のアルキル基で置換されたメチレン基、フェニル基で置換されたメチレン基、ナフチル基で置換されたメチレン基、ビフェニル基で置換されたメチレン基、9−フルオレニル基で置換されたメチレン基、又は該フェニル基、該ナフチル基、若しくは該ビフェニル基上に更にアルキル基が芳香核置換したメチレン基を表し、R〜Rはメチル基を表し、m、m2、及びmは各々独立して0〜3の整数を表し、m及びmは各々独立して0〜2の整数を表す。)、
式(1−3)
【0012】
【化4】

(式(1−3)中、R及びRは、メチル基を表し、m及びmは各々独立して0〜4の整数を表す。)、
式(1−4)
【0013】
【化5】

(式(1−4)中、Bは−C(CH−、−CH(CH)−、−CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(C)−または−SO−を表し、R及びR10はメチル基又はハロゲン原子を表し、m及びm10は各々独立して0〜4の整数を表す。)、
からなる群から選ばれる少なくとも一種の二価の基であり、Yは水酸基、メチル基、クロロメチル基又はヒドロキシメチル基からなる群から選ばれる一価の基であり、Zはアルコキシ基、アシル基、第一級アミノ基又は第二級アミノ基からなる群から選ばれる一価の基であり、nは1〜20の整数を表す。]
【0014】
【化6】

(式(2)中、Yは水酸基、メチル基、クロロメチル基又はヒドロキシメチル基からなる群から選ばれる一価の基であり、Zはアルコキシ基、アシル基、第一級アミノ基又は第二級アミノ基からなる群から選ばれる一価の基であり、nは1〜10の整数を表す。)
【0015】
【化7】

(式(3)中、Yは水酸基、メチル基、クロロメチル基又はヒドロキシメチル基からなる群から選ばれる一価の基であり、Zはアルコキシ基、アシル基、第一級アミノ基又は第二級アミノ基からなる群から選ばれる一価の基であり、nは1〜10の整数を表す。)
【0016】
【化8】

(式(4)中、Xはフェニル基又はビフェニル基を表し、Yは水酸基、メチル基、クロロメチル基又はヒドロキシメチル基からなる群から選ばれる一価の基であり、Zはアルコキシ基、アシル基、第一級アミノ基又は第二級アミノ基からなる群から選ばれる一価の基であり、R11及びR12はメチル基を表し、m11及びm12は各々独立して1〜3の整数を表す。)
【0017】
また、本発明は、式(i)
【0018】
【化9】

[式(i)中、Xは、式(i−1)
【0019】
【化10】

式(i−2)
【0020】
【化11】

【0021】
(式(i−1)及び式(i−2)中、B及びBは炭素原子、メチレン基、炭素原子数1〜4のアルキル基で置換されたメチレン基、フェニル基で置換されたメチレン基、ナフチル基で置換されたメチレン基、ビフェニル基で置換されたメチレン基、9−フルオレニル基で置換されたメチレン基、又は該フェニル基、該ナフチル基、若しくは該ビフェニル基上に更にアルキル基が芳香核置換したメチレン基を表し、R〜Rはメチル基を表し、m、m2、及びmは各々独立して0〜3の整数を表し、m及びmは各々独立して0〜2の整数を表す。)、
式(i−3)
【0022】
【化12】

(式(i−4)中、R及びRは、メチル基を表し、m及びmは各々独立して0〜4の整数を表す。)、
式(v)
【0023】
【化13】

(式(v)中、Bは−C(CH−、−CH(CH)−、−CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(C)−または−SO−を表し、R及びR10はメチル基又はハロゲン原子を表し、m及びm10は各々独立して0〜4の整数を表す。)、
からなる群から選ばれる二価の基であり、nは1〜20の整数を表す。]、
式(ii)
【0024】
【化14】

(式(ii)中、nは1〜10の整数を表す。)、
式(iii)
【0025】
【化15】

(式(iii)中、nは1〜10の整数を表す。)、
及び、式(iv)
【0026】
【化16】

(式(iv)中、X2はフェニル基又はビフェニル基を表し、R11及びR12はメチル基を表し、m11及びm12は各々独立して1〜3の整数を表す。)、
からなる群から選ばれる少なくとも一種の多価グリシジル化合物と、グリシジル基と反応する反応性基を有する末端封止化合物とを、多価グリシジル化合物中の末端グリシジル基が一つ残存するように仕込み量用いて反応させて一価のグリシジル化合物を得る工程と、
分岐状ポリアルキレンイミンと前記一価のグリシジル化合物とを反応させる工程とを有することを特徴とするエポキシ変性分岐状ポリアルキレンイミンの製造方法を提供する
【発明の効果】
【0027】
本発明のエポキシ変性ポリアルキレンイミンは、エポキシ樹脂骨格の疎水性ブロックと、分岐状ポリアルキレンイミンの親水性ブロックを有するため、分子中に疎水性部分と親水性部分とを併せ持ち、かつ各々の構造制御が可能であることから、容易にポリマーミセルを形成することができる。これにより得られるポリマーミセルは、カプセル化が可能であるなど特徴的な機能を有すると共に、エポキシ樹脂骨格に由来する優れた特性を有することから、医農薬、化粧品、香料、トナー、液晶、インキ、塗料、プラスチックなどの幅広い用途に利用できる。更に、分岐状ポリエチレンイミン骨格は、生体高分子との良好な親和性、カチオン化よる種々のアニオン化合物とのイオン錯体の生成、有機分子類の良好な分散剤機能等を有することからも各種高機能用途への展開に有用である。
【0028】
また、該エポキシ変性ポリアルキレンイミンは、多価グリシジル化合物中の末端グリシジル基が一つ残存するように末端封止化合物と反応させて得られた一価のグリシジル化合物と、分岐状ポリアルキレンイミンとを反応させることを特徴とする簡便な工程から製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明のエポキシ変性ポリアルキレンイミンは、数平均分子量が300〜500000の範囲にある分岐状ポリアルキレンイミンに、エポキシ樹脂骨格が結合したものである。
【0030】
本発明のエポキシ変性ポリアルキレンイミン中のエポキシ骨格は、式(1)〜(4)で表される群から選ばれる少なくとも一種のエポキシ樹脂骨格を使用できる。
【0031】
【化17】

[式(1)中、Xは、式(1−1)、
【0032】
【化18】

式(1−2)、
【0033】
【化19】

(式(1−1)及び式(1−2)中、B及びBは炭素原子、メチレン基、炭素原子数1〜4のアルキル基で置換されたメチレン基、フェニル基で置換されたメチレン基、ナフチル基で置換されたメチレン基、ビフェニル基で置換されたメチレン基、9−フルオレニル基で置換されたメチレン基、又は該フェニル基、該ナフチル基、若しくは該ビフェニル基上に更にアルキル基が芳香核置換したメチレン基を表し、R〜Rはメチル基を表し、m、m2、及びmは各々独立して0〜3の整数を表し、m及びmは各々独立して0〜2の整数を表す。)、
式(1−3)
【0034】
【化20】

(式(1−3)中、R及びRは、メチル基を表し、m及びmは各々独立して0〜4の整数を表す。)、
式(1−4)、
【0035】
【化21】

(式(1−4)中、Bは−C(CH−、−CH(CH)−、−CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(C)−または−SO−を表し、R及びR10はメチル基又はハロゲン原子を表し、m及びm10は各々独立して0〜4の整数を表す。)からなる群から選ばれる少なくとも一種の二価の基であり、Zはアルコキシ基、アシル基、第一級アミノ基又は第二級アミノ基からなる群から選ばれる一価の基であり、nは1〜20の整数を表す。]
【0036】
【化22】

(式(2)中、Yは水酸基、メチル基、クロロメチル基又はヒドロキシメチル基からなる群から選ばれる一価の基であり、Zはアルコキシ基、アシル基、第一級アミノ基又は第二級アミノ基からなる群から選ばれる一価の基であり、nは1〜10の整数を表す。)、
【0037】
【化23】

(式(3)中、Yは水酸基、メチル基、クロロメチル基又はヒドロキシメチル基からなる群から選ばれる一価の基であり、Zはアルコキシ基、アシル基、第一級アミノ基又は第二級アミノ基からなる群から選ばれる一価の基であり、nは1〜10の整数を表す。)及び
【0038】
【化24】

(式(4)中、Xはフェニル基又はビフェニル基を表し、Yは水酸基、メチル基、クロロメチル基又はヒドロキシメチル基からなる群から選ばれる一価の基であり、Zはアルコキシ基、アシル基、第一級アミノ基又は第二級アミノ基からなる群から選ばれる一価の基であり、R11及びR12はメチル基を表し、m11及びm12は各々独立して1〜3の整数を表す。)
【0039】
これらエポキシ樹脂骨格のうち、式(1)で表されるものは、優れた物理的、化学的、電気的性質を示しながら、各種物性の良好なバランスを示すため好ましく使用できる。なかでも、式(1−1)及び式(1−2)で表される二価の基を有するものは、耐熱性と溶解性が高いため好適に使用できるし、式(1−3)で表される二価の基を有するものは、耐熱性が高いため好適に使用できる。また、式(1−4)で表される二価の基を有するものは、溶解性が高いため好適に使用できる。
【0040】
また、式(2)〜(4)で表される多官能のエポキシ樹脂骨格は、エポキシ変性ポリアルキレンイミンに良好なポリマーミセル形成能を与えると共に、通常エポキシ樹脂としての優れた物理的、化学的、電気的性質を示し、特に耐熱性、耐薬品性等の優れた物性を示すため好適に使用できる。
式(1)〜(4)で表されるエポキシ樹脂骨格中のYは、水酸基、メチル基、クロロメチル基又はヒドロキシメチル基を使用できるが、特に水酸基が好まい。
【0041】
また、Zはアルコキシ基、アシル基、第一級アミノ基又は第二級アミノ基を使用できるが、特に芳香族アルコキシ基が好ましく、なかでも、
式(5)、
【0042】
【化25】

(式(5)中、R13及びR14は炭素数が1〜5のアルキル基、ニトロ基、シアノ基、フェニル基、スルホン酸基、アミノ基、アルキル基の炭素数が1〜5のアルキルアミノ基、アルキル基の炭素数が1〜5のジアルキルアミノ基、炭素数が1〜5のアルコキシ基、炭素数が1〜5のアルデヒド基のいずれかを表し、m13は1〜4の整数であり、m14は1〜5の整数である。)、
及び、式(6)
【0043】
【化26】

(式(6)中、R15及びR16は炭素数が1〜5のアルキル基、ニトロ基、シアノ基、フェニル基、スルホン酸基、アミノ基、アルキル基の炭素数が1〜5のアルキルアミノ基、アルキル基の炭素数が1〜5のジアルキルアミノ基、炭素数が1〜5のアルコキシ基、又は炭素数が1〜5のアルデヒド基のいずれかを表し、Dは−S−、−O−、−CO−、−CH−、−C(CH−、−SO−、−N=N−、−CH=CH−、−C(C11)−、又は−COOCH−で表されるいずれかの構造であり、m15は1〜4の整数であり、m16は1〜5の整数である。)
からなる群から選ばれるものであることが疎水性相互作用を高める、また、良い耐熱性、溶解性などを示すため好ましい。
【0044】
なかでも得られる変性エポキシ化合物に耐熱性を向上と剛直な骨格を与える場合には、4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシ4−ビフェニルカルボニトリル等のビフェニル骨格を有する芳香族ヒドロキシ化合物、ビスフェノールA型ヒドロキシ化合物、ビスフェノールF型ヒドロキシ化合物、ビスフェノールS型ヒドロキシ化合物、ビスフェノールヒドロキシ化合物等のジフェニル骨格を有する芳香族ヒドロキシ化合物などを由来とするものが特に好ましい。
【0045】
本発明における分岐状ポリアルキレンイミンは、数平均分子量が300〜500000の範囲にあるものを使用できる。具体的には、式(7)で表わされるものを使用できる。
【0046】
【化27】

(式(7)中、p、p及びpは各々独立して2又は3の整数を表し、q及びqは各々独立して3〜10000の整数を表す。)
【0047】
なかでも分岐状ポリエチレンイミン、分岐状ポリプロピレンイミンが良好な親水性及びポリマーミセル形成能を示すため好ましく使用でき、特に分岐状ポリエチレンイミンは、特に優れた親水性とポリマーミセル形成能を示すと共に、製造も容易であるため、特に好ましく使用できる。分岐状ポリエチレンイミンの親水性は、一般に水溶液の水素カチオン濃度、いわゆるpHや、共存イオンの濃度によって大きく影響されるが、例えば、水溶液のPHが低いほど、分岐状ポリエチレンイミンのイミン窒素原子はプロトン化されて極めて親水性が高くなる。分岐状ポリエチレンイミンが好ましい。
【0048】
本発明において、分岐状ポリアルキレンイミンに結合しているエポキシ樹脂骨格の割合は5〜90質量%の範囲にあれば好適にポリマーミセルを形成でき、10〜70質量%の範囲であるとより好ましい。
【0049】
式(i)
【0050】
【化28】

[式(i)中、Xは、式(i−1)
【0051】
【化29】

式(i−2)
【0052】
【化30】

(式(i−1)及び式(i−2)中、B及びBは炭素原子、メチレン基、炭素原子数1〜4のアルキル基で置換されたメチレン基、フェニル基で置換されたメチレン基、ナフチル基で置換されたメチレン基、ビフェニル基で置換されたメチレン基、9−フルオレニル基で置換されたメチレン基、又は該フェニル基、該ナフチル基、若しくは該ビフェニル基上に更にアルキル基が芳香核置換したメチレン基を表し、R〜Rはメチル基を表し、m、m2、及びmは各々独立して0〜3の整数を表し、m及びmは各々独立して0〜2の整数を表す。)、
式(i−3)
【0053】
【化31】

(式(i−3)中、R及びRは、メチル基を表し、m及びmは各々独立して0〜4の整数を表す。)、
及び式(i−4)
【0054】
【化32】

(式(i−4)中、Bは−C(CH−、−CH(CH)−、−CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(C)−または−SO−を表し、R及びR10はメチル基又はハロゲン原子を表し、m及びm10は各々独立して0〜4の整数を表す。)、
からなる群から選ばれる二価の基であり、nは1〜20の整数を表す。]、
式(ii)
【0055】
【化33】

(式(ii)中、nは1〜10の整数を表す。)、
式(iii)
【0056】
【化34】

(式(iii)中、nは1〜10の整数を表す。)、
及び、式(iv)
【0057】
【化35】

(式(iv)中、X2はフェニル基又はビフェニル基を表し、R11及びR12はメチル基を表し、m11及びm12は各々独立して1〜3の整数を表す。)、
【0058】
からなる群から選ばれる少なくとも一種の多価グリシジル化合物と、グリシジル基と反応する反応性基を有する末端封止化合物とを、多価グリシジル化合物中の末端グリシジル基が一つ残存するような仕込み量で反応させて一価のグリシジル化合物を得る。続いて、本発明の分岐状ポリアルキレンイミンと前記一価のグリシジル化合物とを反応させるという簡便な方法で製造することができる。
【0059】
本発明の前記多価グリシジル化合物と反応する反応性基を有する末端封止化合物としては、アルコール、カルボン酸、カルボン酸クロリド、第一級アミン又は第二級アミンからなる群から選ばれる化合物が好ましい。なかでも、一価の芳香族ヒドロキシ化合物がより好ましく、例えば、置換基を有していてもよいビフェニルアルコール、ジフェニルアルコール、フェノール、ナフトール、アントラノール、ヒドロキシピレン、ヒドロキシアントラキノン、ヒドロキシベンズイミダゾル、ヒドロキシベンゾチアゾル、ヒドロキシカバゾル、ヒドロキシジベンゾフラン、ヒドロキシインドル、ヒドロキシキノリン、ヒドロキシアクリジン、ヒドロキシキノキサリンなどが挙げられる。
【0060】
さらに、下記式(v)及び式(vi)からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物が、得られるエポキシ変性ポリアルキレンイミンが優れた耐熱性、基板との良い密着性などを示すため特に好ましい。
【0061】
【化36】

(式(v)中、R13及びR14は炭素数が1〜5のアルキル基、ニトロ基、シアノ基、フェニル基、スルホン酸基、アミノ基、アルキル基の炭素数が1〜5のアルキルアミノ基、アルキル基の炭素数が1〜5のジアルキルアミノ基、炭素数が1〜5のアルコキシ基、炭素数が1〜5のアルデヒド基のいずれかを表し、m13は1〜4の整数であり、m14は1〜5の整数である。)、
【0062】
【化37】

(式(vi)中、R15及びR16は炭素数が1〜5のアルキル基、ニトロ基、シアノ基、フェニル基、スルホン酸基、アミノ基、アルキル基の炭素数が1〜5のアルキルアミノ基、アルキル基の炭素数が1〜5のジアルキルアミノ基、炭素数が1〜5のアルコキシ基、又は炭素数が1〜5のアルデヒド基のいずれかを表し、Dは−S−、−O−、−CO−、−CH−、−C(CH−、−SO−、−N=N−、−CH=CH−、−C(C11)−、又は−COOCH−で表されるいずれかの構造であり、m15は1〜4の整数であり、m16は1〜5の整数である。)
【0063】
前記多価グリシジル化合物と末端封止化合物との反応は、従来のエポキシ開環反応を用いて行うことができる。例えば、酢酸エチルトリフェニルホスホニウム、トリフェニルフォスピン、エチルトリフェニルフォスフォニウムアセテート、トリアルキルアミン、ジアルキルアミンなどの塩基触媒又は塩酸、窒酸、硫酸などの無機酸触媒を用いて、80〜160℃の範囲で、3〜12時間反応より行うことが好ましい。
【0064】
本発明において、前記分岐状ポリアルキレンイミンに対し前記一価のグリシジル化合物を反応させる時の各々の重量比は、5/95〜90/10の範囲が好ましく、10/90〜70/30の範囲がより好ましい。
【0065】
上記の分岐状ポリアルキレンイミンと一価のグリシジル化合物との反応は、従来のアミン化合物のエポキシ開環反応を用いて行うことができる。例えば、5〜50℃の範囲で、1〜10時間反応より行うことが好ましい。
【0066】
本発明のエポキシ変性ポリアルキレンイミンは、疎水性のエポキシ樹脂骨格と、親水性の分岐状ポリアルキレンイミンを有するため、分子中に疎水性部分と親水性部分とを併せ持ち、かつ各々の構造制御が可能であることから、容易にポリマーミセルを形成することができる。このため、本発明のエポキシ変性ポリアルキレンイミン化合物によると、本来水に不溶性ないし難溶性の機能性化合物をカプセル化し、水中に安定に維持することができる。例えば、ピレンなどの蛍光性芳香族炭化水素は、本発明のポリマーミセル内に分子状態でカプセル化され、水中で安定に存在することができる。
【0067】
このように、本発明のエポキシ変性ポリアルキレンイミン化合物は、カプセル化が可能であるなど特徴的な機能を有すると共に、エポキシ樹脂骨格に由来する優れた耐熱性や耐薬品性や電気特性などの特性を有し、且つ、分岐状ポリエチレンイミンに由来する分散性や新水性等の機能性を有することから、医農薬、化粧品、香料、トナー、液晶、インキ、塗料、プラスチックなどの幅広い用途や高機能用途への展開に有用である。
【実施例】
【0068】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。なお、特に断わりがない限り「%」は「質量%」を表わす。
【0069】
(実施例1)
ビスフェノールA型線状エポキシ樹脂18.7g(大日本インキ化学工業(株)社製「AM−040−P」)(20m等量、エポキシ等量933g)、4−フェニルフェノール1.28g(7.5mmol)、65%酢酸エチルトリフェニルホスホニウムエタノール溶液0.26ml(0.12mol%)及びN,N−ジメチルアセトアミド50mlを混合し、窒素雰囲気下、120℃で6時間反応させた。放冷後、水150ml中に滴下し、得られた沈殿物をメタノールで2回洗浄した後、60℃で減圧乾燥して、単官能性のエポキシ化合物を得た。得られた生成物の収量は19.9gであった。
【0070】
1H−NMR(日本電子株式会社製、AL300、300MHz)測定を行いエポキシ基の積分比考察結果、ビスフェノールA型線状エポキシ樹脂化合物1分子にエポキシ環は0.95個残ってあり、単官能性のエポキシ樹脂化合物であることが確認された。
【0071】
上記合成より得られた単官能性のエポキシ樹脂化合物3.0g、分岐ポリエチレンイミン(アルドリッチ社製、分子量25,000)7.5g及びクロロフォルム60mlを窒素雰囲気下、50℃で2時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、40℃で減圧乾燥してビスフェノールA型のエポキシ変性ポリアルキレンイミンを10.5g得た。
【0072】
上記で得られたエポキシ変性ポリアルキレンイミン30mgに純水10mlを加えて攪拌し溶解させた。その溶液でのエポキシ変性ポリアルキレンイミンの分布状態を観測するために散乱強度分布を測定したところ、平均粒径110nmの測定結果が得られ、水中で良好にミセルを形成していることが示された。
【0073】
(実施例2)
2,7−ジグリシジルオキシ−1,3,4,5,6,8−ヘキサメチル−9−フェニルキサンテン19.4g(大日本インキ化学工業(株)社製「EXA7335」40mmol)、ビスフェノールA6.84g(30mmol)、65%酢酸エチルトリフェニルホスホニウムエタノール溶液0.52ml及びN,N−ジメチルアセトアミド60mlを混合し、窒素雰囲気下、120℃で3時間反応させた。引き続き、4−フェニルフェノール1.28g(7.5mmol)を添加して、さらに窒素雰囲気下、120℃で3時間反応させた。放冷後、水200ml中に滴下し、得られた沈殿物をメタノールで2回洗浄した後、60℃で減圧乾燥して、単官能性のエポキシ樹脂化合物を得た。得られた生成物の収量は27.2gであった。
【0074】
1H−NMR(日本電子株式会社製、AL300、300MHz)測定を行いエポキシ基の積分比考察結果、エポキシ樹脂化合物1分子にエポキシ環は1.02個残ってあり、単官能性のエポキシ樹脂化合物であることが確認された。
【0075】
上記合成より得られた単官能性のエポキシ樹脂化合物2.5g、分岐ポリエチレンイミン(アルドリッチ社製、分子量25,000)7.5g及びクロロフォルム60mlを窒素雰囲気下、50℃で2時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、40℃で減圧乾燥してキサンテン−ビスフェノールA共重合型のエポキシ変性ポリアルキレンイミンを10.0g得た。
【0076】
上記で得られたエポキシ変性ポリアルキレンイミン30mgに純水10mlを加えて攪拌し溶解させた。その溶液でのエポキシ変性ポリアルキレンイミンの分布状態を観測するために散乱強度分布を測定したところ、平均粒径250nmの測定結果が得られ、水中で良好にミセルを形成していることが示された。
【0077】
(実施例3)
ジャパンエポキシレジン(JER)の商品名エピコート1031S[テトラキス(グリシジルオキシアリル)エタン]9.8g(50m等量、エポキシ等量196g)、4−フェニルフェノール5.82g(31.3mmol)、65%酢酸エチルトリフェニルホスホニウムエタノール溶液0.21ml(0.1mol%)及びN,N−ジメチルアセトアミド40mlを混合し、窒素雰囲気下、120℃で6時間反応させた。放冷後、水150ml中に滴下し、得られた沈殿物をメタノールで2回洗浄した後、60℃で減圧乾燥して、単官能性のエポキシ化合物を15.5g得た。
【0078】
1H−NMR(日本電子株式会社製、AL300、300MHz)測定を行いエポキシ基の積分比考察結果、エポキシ樹脂化合物1分子にエポキシ環は0.98個残ってあり、単官能性のエポキシ樹脂化合物であることが確認された。
【0079】
上記合成より得られた単官能性のエポキシ樹脂化合物2.1g、分岐ポリエチレンイミン(アルドリッチ社製、分子量25,000)8.4g及びクロロフォルム60mlを窒素雰囲気下、50℃で2時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、40℃で減圧乾燥してテトラフェニロールエタン骨格のエポキシ変性ポリアルキレンイミンを10.5g得た。
【0080】
上記で得られたエポキシ変性ポリアルキレンイミン化合物30mgに純水10mlを加えて攪拌し溶解させた。その溶液でのエポキシ変性ポリアルキレンイミンの分布状態を観測するために散乱強度分布を測定したところ、平均粒径200nmの測定結果が得られ、水中で良好にミセルを形成していることが示された。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
数平均分子量が300〜500000の範囲にある分岐状ポリアルキレンイミンに、式(1)〜(4)で表される群から選ばれる少なくとも一種のエポキシ樹脂骨格が結合したことを特徴とするエポキシ変性ポリアルキレンイミン。
【化1】

[式(1)中、Xは、式(1−1)、
【化2】

式(1−2)、
【化3】

(式(1−1)及び式(1−2)中、B及びBは炭素原子、メチレン基、炭素原子数1〜4のアルキル基で置換されたメチレン基、フェニル基で置換されたメチレン基、ナフチル基で置換されたメチレン基、ビフェニル基で置換されたメチレン基、9−フルオレニル基で置換されたメチレン基、又は該フェニル基、該ナフチル基、若しくは該ビフェニル基アルキル基が芳香核置換したメチレン基を表し、R〜Rはメチル基を表し、m、m2、及びmは各々独立して0〜3の整数を表し、m及びmは各々独立して0〜2の整数を表す。)、
式(1−3)、
【化4】

(式(1−3)中、R及びRは、メチル基を表し、m及びmは各々独立して0〜4の整数を表す。)、
及び式(1−4)、
【化5】

(式(1−4)中、Bは−C(CH−、−CH(CH)−、−CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(C)−または−SO−を表し、R及びR10はメチル基又はハロゲン原子を表し、m及びm10は各々独立して0〜4の整数を表す。)、
からなる群から選ばれる少なくとも一種の二価の基であり、Yは水酸基、メチル基、クロロメチル基又はヒドロキシメチル基からなる群から選ばれる一価の基であり、Zはアルコキシ基、アシル基、第一級アミノ基又は第二級アミノ基からなる群から選ばれる一価の基であり、nは1〜20の整数を表す。]
【化6】

(式(2)中、Yは水酸基、メチル基、クロロメチル基又はヒドロキシメチル基からなる群から選ばれる一価の基であり、Zはアルコキシ基、アシル基、第一級アミノ基又は第二級アミノ基からなる群から選ばれる一価の基であり、nは1〜10の整数を表す。)
【化7】

(式(3)中、Yは水酸基、メチル基、クロロメチル基又はヒドロキシメチル基からなる群から選ばれる一価の基であり、Zはアルコキシ基、アシル基、第一級アミノ基又は第二級アミノ基からなる群から選ばれる一価の基であり、nは1〜10の整数を表す。)
【化8】

(式(4)中、Xはフェニル基又はビフェニル基を表し、Yは水酸基、メチル基、クロロメチル基又はヒドロキシメチル基からなる群から選ばれる一価の基であり、Zはアルコキシ基、アシル基、第一級アミノ基又は第二級アミノ基からなる群から選ばれる一価の基であり、R11及びR12はメチル基を表し、m11及びm12は各々独立して1〜3の整数を表す。)
【請求項2】
前記エポキシ樹脂骨格が結合した割合が、5〜90質量%の範囲にある請求項1に記載のエポキシ変性ポリアルキレンイミン。
【請求項3】
前記分岐状ポリアルキレンイミンが、分岐状ポリエチレンイミンである請求項1又は2に記載のエポキシ変性ポリアルキレンイミン。
【請求項4】
前記式(1)〜(4)中のYが水酸基であり、Zが芳香族アルコキシ基である請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ変性ポリアルキレンイミン。
【請求項5】
前記式(1)〜(4)中のYが水酸基であり、Zが式(5)、
【化9】

(式(5)中、R13及びR14は炭素数が1〜5のアルキル基、ニトロ基、シアノ基、フェニル基、スルホン酸基、アミノ基、アルキル基の炭素数が1〜5のアルキルアミノ基、アルキル基の炭素数が1〜5のジアルキルアミノ基、炭素数が1〜5のアルコキシ基、炭素数が1〜5のアルデヒド基のいずれかを表し、m13は1〜4の整数であり、m14は1〜5の整数である。)、
及び、式(6)
【化10】

(式(6)中、R15及びR16は炭素数が1〜5のアルキル基、ニトロ基、シアノ基、フェニル基、スルホン酸基、アミノ基、アルキル基の炭素数が1〜5のアルキルアミノ基、アルキル基の炭素数が1〜5のジアルキルアミノ基、炭素数が1〜5のアルコキシ基、又は炭素数が1〜5のアルデヒド基のいずれかを表し、Dは−S−、−O−、−CO−、−CH−、−C(CH−、−SO−、−N=N−、−CH=CH−、−C(C11)−、又は−COOCH−で表されるいずれかの構造であり、m15は1〜4の整数であり、m16は1〜5の整数である。)
からなる群から選ばれる少なくとも一種の一価の基である請求項1又は2に記載のエポキシ変性ポリアルキレンイミン。
【請求項6】
式(i)
【化11】

[式(i)中、Xは、式(i−1)
【化12】

式(i−2)
【化13】

(式(i−1)及び式(i−2)中、B及びBは炭素原子、メチレン基、炭素原子数1〜4のアルキル基で置換されたメチレン基、フェニル基で置換されたメチレン基、ナフチル基で置換されたメチレン基、ビフェニル基で置換されたメチレン基、9−フルオレニル基で置換されたメチレン基、又は該フェニル基、該ナフチル基、若しくは該ビフェニル基上に更にアルキル基が芳香核置換したメチレン基を表し、R〜Rはメチル基を表し、m、m2、及びmは各々独立して0〜3の整数を表し、m及びmは各々独立して0〜2の整数を表す。)、
式(i−3)
【化14】

(式(i−3)中、R及びRは、メチル基を表し、m及びmは各々独立して0〜4の整数を表す。)、
及び式(i−4)
【化15】

(式(i−4)中、Bは−C(CH−、−CH(CH)−、−CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(C)−または−SO−を表し、R及びR10はメチル基又はハロゲン原子を表し、m及びm10は各々独立して0〜4の整数を表す。)、
からなる群から選ばれる二価の基であり、nは1〜20の整数を表す。]、
式(ii)
【化16】

(式(ii)中、nは1〜10の整数を表す。)、
式(iii)
【化17】

(式(iii)中、nは1〜10の整数を表す。)、
及び式(iv)
【化18】

(式(iv)中、Xはフェニル基又はビフェニル基を表し、R11及びR12はメチル基を表し、m11及びm12は各々独立して1〜3の整数を表す。)、
からなる群から選ばれる少なくとも一種の多価グリシジル化合物と、グリシジル基と反応する反応性基を有する末端封止化合物とを、多価グリシジル化合物中の末端グリシジル基が一つ残存する仕込み量で反応させて一価のグリシジル化合物を得る工程と、
分岐状ポリアルキレンイミンと前記一価のグリシジル化合物とを反応させる工程とを有することを特徴とするエポキシ変性分岐状ポリアルキレンイミンの製造方法。
【請求項7】
前記分岐状ポリアルキレンイミンが、分岐状ポリエチレンイミンである請求項6に記載のエポキシ変性分岐状ポリアルキレンイミンの製造方法。
【請求項8】
前記末端封止化合物が、アルコール、カルボン酸、カルボン酸クロリド、第一級アミン又は第二級アミンからなる群から選ばれるものである請求項6又は7に記載のエポキシ変性分岐状ポリアルキレンイミンの製造方法。
【請求項9】
前記末端封止化合物が、式(v)
【化19】

(式(v)中、R13及びR14は炭素数が1〜5のアルキル基、ニトロ基、シアノ基、フェニル基、スルホン酸基、アミノ基、アルキル基の炭素数が1〜5のアルキルアミノ基、アルキル基の炭素数が1〜5のジアルキルアミノ基、炭素数が1〜5のアルコキシ基、炭素数が1〜5のアルデヒド基のいずれかを表し、m13は1〜4の整数であり、m14は1〜5の整数である。)、
及び、式(vi)
【化20】

(式(vi)中、R15及びR16は炭素数が1〜5のアルキル基、ニトロ基、シアノ基、フェニル基、スルホン酸基、アミノ基、アルキル基の炭素数が1〜5のアルキルアミノ基、アルキル基の炭素数が1〜5のジアルキルアミノ基、炭素数が1〜5のアルコキシ基、又は炭素数が1〜5のアルデヒド基のいずれかを表し、Dは−S−、−O−、−CO−、−CH−、−C(CH−、−SO−、−N=N−、−CH=CH−、−C(C11)−、又は−COOCH−で表されるいずれかの構造であり、m15は1〜4の整数であり、m16は1〜5の整数である。)
からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項6又は7に記載のエポキシ変性ポリアルキレンイミンの製造方法。
【請求項10】
前記分岐状ポリアルキレンイミンに対し前記一価のグリシジル化合物を5/95〜90/10の重量比で反応させる請求項6〜9のいずれかに記載のエポキシ変性ポリアルキレンイミンの製造方法。

【公開番号】特開2007−197503(P2007−197503A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−14949(P2006−14949)
【出願日】平成18年1月24日(2006.1.24)
【出願人】(000002886)大日本インキ化学工業株式会社 (2,597)
【出願人】(000173751)財団法人川村理化学研究所 (206)
【Fターム(参考)】