説明

エポキシ樹脂材料

【課題】粗化処理された粗化硬化物の表面の濡れ性を高めることができるエポキシ樹脂材料を提供する。
【解決手段】本発明に係るエポキシ樹脂材料は、樹脂組成物又は該樹脂組成物がフィルム状に成形されたBステージフィルムであるエポキシ樹脂材料である。上記樹脂組成物は、エポキシ樹脂と硬化剤と無機フィラーとを含む。比較的厳しい条件で得られた第1の粗化硬化物の表面の算術平均粗さRaは50nm以上、300nm以下である。上記第1の粗化硬化物の表面の算術平均粗さRaは、比較的穏やかな条件で得られた上記第2の粗化硬化物の表面の算術平均粗さRaの4倍以下である。上記第1の粗化硬化物の表面自由エネルギーは60mJ/m以上、80mJ/m以下である。上記第2の粗化硬化物の表面自由エネルギーは60mJ/m以上、80mJ/m以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、樹脂組成物又は該樹脂組成物がフィルム状に成形されたBステージフィルムであるエポキシ樹脂材料に関し、より詳細には、上記樹脂組成物がエポキシ樹脂と硬化剤と無機フィラーとを含むエポキシ樹脂材料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ノート型パーソナルコンピューター、携帯電話機、携帯情報端末、映像又は音楽の再生機器、並びにゲーム機の電子機器などが普及しており、該電子機器の小型化及び高性能化が進行している。これに伴って、該電子機器に用いられる回路基板の配線の微細化が進行している。また、回路基板に設けられる絶縁層には、絶縁性、耐熱性、電気的特性及び寸法安定性などに優れていることが求められている。
【0003】
また、上述の要求品質を満たすために、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物が広く用いられている。
【0004】
上記熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物の一例として、下記の特許文献1には、シアネートエステル樹脂と、アントラセン型エポキシ樹脂と、フェノキシ樹脂などの熱可塑性樹脂とを含む樹脂組成物が開示されている。ここでは、樹脂組成物の熱膨張率が低いこと、並びにスミアの除去が容易である絶縁層を形成できることが記載されている。
【0005】
また、電子機器の小型化及び薄型化に伴って、回路基板に設けられた絶縁層上に、電子部品を積層した後、強度を高めるために絶縁層と電子部品との間に、アンダーフィル材を充填し、接続構造体を得ることがある。例えば、下記の特許文献2には、絶縁層上に酸化チタン膜を形成し、該酸化チタン膜を設けることにより、酸化チタン膜とアンダーフィル材との親和性を高める技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−096296号公報
【特許文献2】WO2009/048097A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のような従来の樹脂組成物を用いて上記絶縁層を形成した場合に、絶縁層の表面の濡れ性が低いことがある。このため、アンダーフィル材が十分に充填せずに、ボイドが生じることがある。特に、回路基板上に微細な配線が設けられていたり、絶縁層上に積層される電子部品の下面に微細な配線が設けられていたりする場合に、絶縁層と電子部品との間の空隙であってかつ微細な配線間の空隙に、ボイドが生じやすいという問題がある。
【0008】
一方で、特許文献2では、絶縁層上に酸化チタン膜を設けるために、酸化チタン膜の形成工程及び露光工程などの余計な工程を行わなければならない。従って、アンダーフィル材を充填した接続構造体の製造効率が低く、かつコストが高くなるという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、粗化処理された粗化硬化物の表面の濡れ性を高めることができるエポキシ樹脂材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の広い局面によれば、エポキシ樹脂を含む樹脂組成物又は該樹脂組成物がフィルム状に成形されたBステージフィルムであるエポキシ樹脂材料であって、上記樹脂組成物が、エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機フィラーとを含み、エポキシ樹脂材料を190℃で60分間硬化させて硬化物を得、次に該硬化物を膨潤液により60℃で10分間膨潤処理した後、膨潤処理された硬化物を粗化液により80℃で25分間粗化処理し、第1の粗化硬化物を得たときに、該第1の粗化硬化物の表面の算術平均粗さRaが50nm以上、300nm以下であり、エポキシ樹脂材料を190℃で60分間硬化させて硬化物を得、次に該硬化物を膨潤液により60℃で10分間膨潤処理した後、膨潤処理された硬化物を粗化液により80℃で10分間粗化処理し、第2の粗化硬化物を得たときに、上記第1の粗化硬化物の表面の算術平均粗さRaが、上記第2の粗化硬化物の表面の算術平均粗さRaの4倍以下であり、上記第1の粗化硬化物の表面自由エネルギーが60mJ/m以上、80mJ/m以下であり、上記第2の粗化硬化物の表面自由エネルギーが60mJ/m以上、80mJ/m以下である、エポキシ樹脂材料が提供される。
【0011】
本発明に係るエポキシ樹脂材料のある特定の局面では、上記無機フィラーの平均粒子径は1.0μm以下である。
【0012】
本発明に係るエポキシ樹脂材料の他の特定の局面では、上記樹脂組成物中の全固形分100重量%中、上記無機フィラーの含有量が40重量%以上、85重量%以下である。
【0013】
本発明に係るエポキシ樹脂材料のさらに他の特定の局面では、上記無機フィラーはシリカである。
【0014】
本発明に係るエポキシ樹脂材料の別の特定の局面では、上記シリカはカップリング剤により表面処理されている。
【0015】
本発明に係るエポキシ樹脂材料のさらに別の特定の局面では、上記樹脂組成物がフィルム状に成形されたBステージフィルムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るエポキシ樹脂材料では、樹脂組成物がエポキシ樹脂と硬化剤と無機フィラーとを含み、上記第1の粗化硬化物の表面の算術平均粗さRaが50nm以上、300nm以下であり、上記記第1の粗化硬化物の表面の算術平均粗さRaが上記第2の粗化硬化物の表面の算術粗さRaの4倍以下であり、上記第1の粗化硬化物の表面自由エネルギーが60mJ/m以上、80mJ/m以下であり、上記第2の粗化硬化物の表面自由エネルギーが60mJ/m以上、80mJ/m以下であるため、粗化硬化物の表面の濡れ性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るエポキシ樹脂材料が用いられ、アンダーフィル材が充填されている接続構造体を模式的に示す部分切欠正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の詳細を説明する。
【0019】
(エポキシ樹脂材料)
本発明に係るエポキシ樹脂材料は、樹脂組成物であるか、又は該樹脂組成物がフィルム状に成形されたBステージフィルムである。
【0020】
上記樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機フィラーとを含む。一般に、樹脂組成物には、絶縁性、耐熱性、電気的特性及び寸法安定性などに優れている絶縁層を形成可能であることが求められている。熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂の使用により、絶縁性、耐熱性、電気的特性及び寸法安定性などの絶縁層に求められている要求品質を高めることができる。特に、無機フィラーの使用により、絶縁層の寸法安定性を高めることができる。
【0021】
本明細書において、本発明に係るエポキシ樹脂材料を190℃で60分間硬化させて硬化物を得、次に該硬化物を膨潤液により60℃で10分間膨潤処理した後、膨潤処理された硬化物を粗化液により80℃で25分間粗化処理することにより得られた粗化硬化物を、第1の粗化硬化物と呼ぶ。
【0022】
また、本明細書において、本発明に係るエポキシ樹脂材料を190℃で60分間硬化させて硬化物を得、次に該硬化物を膨潤液により60℃で10分間膨潤処理した後、膨潤処理された硬化物を粗化液により80℃で10分間粗化処理することにより得られた粗化硬化物を、第2の粗化硬化物と呼ぶ。
【0023】
第1の粗化硬化物を得るための膨潤処理及び粗化処理の条件は比較的厳しい条件である。第2の粗化硬化物を得るための膨潤処理及び粗化処理の条件は比較的穏やかな条件である。第1の粗化硬化物を得るための膨潤処理及び粗化処理の条件は、第2の粗化硬化物を得るための膨潤及び粗化条件よりも過酷である。
【0024】
本発明では、上記第1の粗化硬化物の表面の算術平均粗さRaは50nm以上、300nm以下である。上記第1の粗化硬化物の表面の算術平均粗さRaは、上記第2の粗化硬化物の表面の算術平均粗さRaの4倍以下である。上記第1の粗化硬化物の表面自由エネルギーは、60mJ/m以上、80mJ/m以下である。上記第2の粗化硬化物の表面自由エネルギーは60mJ/m以上、80mJ/m以下である。これらの算術平均粗さ及び表面自由エネルギーの関係を満たすことにより、粗化処理された粗化硬化物の表面の濡れ性を高めることができる。また、粗化条件をかえた上記第1,第2の粗化硬化物のいずれでも、良好な濡れ性を得ることができる。このため、本発明に係るエポキシ樹脂材料を用いて樹脂層を形成し、該樹脂層上に電子部品を積層して、樹脂層と電子部品との間の空隙にアンダーフィル材を充填したときに、アンダーフィル材の充填性を高めることができる。さらに、アンダーフィル材の充填性が高いと、該アンダーフィル材が充填された絶縁層と電子部品との間の空隙であってかつ微細な配線間の空隙に、ボイドを生じ難くすることができる。
【0025】
本発明に係るエポキシ樹脂材料は、樹脂層を形成するために用いられ、該樹脂層上に電子部品を積層して、該樹脂層と電子部品との間の空隙にアンダーフィル材を充填するために用いられるエポキシ樹脂材料であることが好ましい。上記樹脂層は、エポキシ樹脂材料を硬化させて硬化物を得、次に該硬化物を膨潤により膨潤処理した後、膨潤処理された硬化物を粗化液により粗化処理することにより得られた粗化硬化物であることが好ましい。なお、本明細書において、「粗化処理」の用語は、一般的な粗化処理を意味することに加えて、デスミア処理をも意味することとする。但し、本明細書において、一般的な粗化処理と区別して、「デスミア処理」の用語も用いることがある。
【0026】
上記第1,第2の粗化硬化物を得るための膨潤液として、例えば、アトテックジャパン社製「スウェリングディップセキュリガントP」が用いられる。
【0027】
上記第1,第2の粗化硬化物を得るための粗化液として、例えば、アトテックジャパン社製「コンセントレートコンパクトCP」が用いられる。
【0028】
以下、上記樹脂組成物に含まれているエポキシ樹脂、硬化剤及び無機フィラーなどの詳細を説明する。
【0029】
[エポキシ樹脂]
上記樹脂組成物に含まれているエポキシ樹脂は特に限定されない。該エポキシ樹脂として、従来公知のエポキシ樹脂を用いることができる。該エポキシ樹脂は、少なくとも1個のエポキシ基を有する有機化合物をいう。エポキシ樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0030】
上記樹脂組成物は、3個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂を含むことが好ましい。上記樹脂組成物は、2種類以上のエポキシ樹脂を含むことがより好ましい。上記2種類以上のエポキシ樹脂のうちの少なくとも1種のエポキシ樹脂が、3個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂であることが好ましい。多官能エポキシ樹脂の使用により、硬化物の架橋密度がより一層高くなり、粗化処理された硬化物の表面粗さがより一層小さくなり、かつ硬化物の表面により一層微細な配線を形成することができる。
【0031】
上記多官能エポキシ樹脂の配合量は特に限定されない。エポキシ樹脂100重量%中、多官能エポキシ樹脂の含有量は、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上、好ましくは80重量%以下、より好ましくは50重量%以下である。
【0032】
上記多官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、アダマンタン骨格を有するエポキシ樹脂、トリシクロデカン骨格を有するエポキシ樹脂、及びトリアジン核を骨格に有するエポキシ樹脂等が挙げられる。
【0033】
硬化物の熱による寸法変化をより一層小さくする観点からは、上記多官能エポキシ樹脂は、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、及びトリアジン核を骨格に有するエポキシ樹脂であることがより好ましい。
【0034】
上記多官能エポキシ樹脂は、トリアジン核を骨格に有するエポキシ樹脂であることがより好ましい。トリアジン核を骨格に有するエポキシ樹脂の使用により、硬化物の線膨張率をかなり低くすることができる。またトリアジン核を骨格に有するエポキシ樹脂の使用により、表面自由エネルギーをより一層高めることができる。
【0035】
上記多官能エポキシ樹脂以外の他のエポキシ樹脂として、エポキシ基を1個又は2個含有するエポキシ樹脂を用いることができる。
【0036】
上記他のエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、アダマンタン骨格を有するエポキシ樹脂、トリシクロデカン骨格を有するエポキシ樹脂、及びトリアジン核を骨格に有するエポキシ樹脂等が挙げられる。
【0037】
上記エポキシ樹脂は、常温(23℃)で液状であってもよく、固形であってもよい。上記エポキシ樹脂は、常温で液状である液状エポキシ樹脂であることが好ましい。液状エポキシ樹脂の使用により、Bステージフィルムのハンドリング性を高くすることができる。また、液状エポキシ樹脂の使用により、粗化処理された硬化物の表面粗さをより一層小さくし、かつ硬化物の表面により一層微細な配線を形成することができる。
【0038】
エポキシ樹脂100重量%中、上記液状エポキシ樹脂の含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは15重量%以上、更に好ましくは30重量%以上、特に好ましくは50重量%以上である。エポキシ樹脂の全量が液状エポキシ樹脂であってもよい。
【0039】
上記液状エポキシ樹脂としては、エポキシ当量が160〜190のビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱化学社製の「jER806」及び「jER807」等)等が挙げられる。
【0040】
硬化物と金属層との接着強度を高めたり、粗化処理された硬化物の表面の表面粗さをより一層小さくしたりする観点からは、上記エポキシ樹脂のエポキシ当量は、90〜1000の範囲内であることが好ましい。該エポキシ当量は好ましくは100以上、好ましくは800以下、より好ましくは400以下である。
【0041】
[硬化剤]
上記樹脂組成物に含まれている硬化剤は特に限定されない。該硬化剤として、従来公知の硬化剤を用いることができる。硬化剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0042】
上記硬化剤としては、シアネートエステル樹脂(シアネートエステル硬化剤)、フェノール化合物(フェノール硬化剤)、アミン化合物、チオール化合物(チオール硬化剤)、酸無水物、活性エステル化合物及びジシアンジアミド等が挙げられる。なかでも、熱による寸法変化がより一層小さい硬化物を得る観点からは、上記硬化剤は、シアネートエステル樹脂又はフェノール化合物であることが好ましい。上記硬化剤は、シアネートエステル樹脂であることが好ましく、フェノール化合物であることも好ましい。上記硬化剤は、上記エポキシ樹脂のエポキシ基と反応可能な官能基を有することが好ましい。
【0043】
上記フェノール系硬化剤の使用により、シリカの含有量が多いBステージフィルムのハンドリング性を良好にすることができ、硬化物のガラス転移温度をより一層高くすることができる。上記フェノール系硬化剤は特に限定されない。該フェノール系硬化剤として、従来公知のフェノール系硬化剤を用いることができる。上記フェノール系硬化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0044】
上記フェノール系硬化剤しては、フェニル型フェノール系硬化剤又はナフトール系硬化剤等が挙げられる。
【0045】
上記フェノール系硬化剤の市販品としては、ビフェニル型フェノール系硬化剤((日本化薬社製「KAYAHARDGPH−103」及び明和化成社製「MEH7851」)、並びにナフトール系硬化剤(東都化成社製「SN485」、日本化薬社製「KAYAHARDNHN」)等が挙げられる。
【0046】
エポキシ樹脂材料の硬化性を高め、粗化処理された硬化物の表面の表面粗さをより一層小さくする観点からは、上記フェノール系硬化剤は水酸基を2個以上有することが好ましい。
【0047】
また、上記フェノール系硬化剤の使用により、硬化物の強度や耐熱性を高くすることができ、更に硬化物と金属層との密着性をより一層高めることができる。また、上記フェノール系硬化剤の使用により、硬化物の表面の平滑性を高めることができる。
【0048】
上記硬化剤の重量平均分子量は、好ましく100以上、より好ましくは500以上、好ましくは50,000以下、より好ましくは20,000以下である。上記フェノール系硬化剤の重量平均分子量が上記下限以上であると、Bステージフィルムを容易に得ることができ、Bステージフィルムが脆くなりにくい。上記フェノール系硬化剤の重量平均分子量が上記上限以下であると、硬化物のガラス転移温度がより一層高くなり、硬化物の耐熱性がより一層高くなる。
【0049】
上記「重量平均分子量」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されたポリスチレン換算での重量平均分子量を示す。
【0050】
粗化処理された硬化物の表面粗さをより一層小さくし、かつ硬化物の表面により一層微細な配線を形成する観点からは、上記硬化剤の当量は、250以下であることが好ましい。上記硬化剤は、当量が250以下である硬化剤を含むことが好ましい。上記硬化剤の当量は、例えば、硬化剤がシアネートエステル樹脂である場合にはシアネートエステル基当量を示し、硬化剤がフェノール化合物である場合にはフェノール性水酸基当量を示し、硬化剤が酸無水物である場合には酸無水物基当量を示す。
【0051】
上記硬化剤100重量%中、当量が250以下である硬化剤の含有量は、好ましくは30重量%以上、より好ましくは50重量%以上である。上記硬化剤の全量が、当量が250以下である硬化剤であってもよい。当量が250以下である硬化剤の含有量が上記下限以上であると、粗化処理された硬化物の表面粗さをより一層小さくすることができ、かつ硬化物の表面により一層微細な配線を形成することができる。さらに、当量が250以下である硬化剤の含有量が上記下限以上であると、硬化物のガラス転移温度をより一層高くすることができる。
【0052】
エポキシ樹脂と硬化剤との配合比は特に限定されない。エポキシ樹脂と硬化剤との配合比は、エポキシ樹脂と硬化剤との種類により適宜決定される。
【0053】
[無機フィラー]
上記樹脂組成物に含まれている無機フィラーは特に限定されない。該無機フィラーとして、従来公知の無機フィラーを用いることができる。上記無機フィラーは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0054】
上記無機フィラーとしては、シリカ、タルク、クレイ、マイカ、ハイドロタルサイト、アルミナ、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素及びチタネート等が挙げられる。なかでも、シリカが好ましく、溶融シリカがより好ましい。シリカの使用により、粗化処理された硬化物の表面の表面粗さを効果的に小さくすることができる。シリカの形状は略球状であることが好ましい。
【0055】
上記無機フィラーの平均粒子径は、0.1〜20μmの範囲内であることが好ましい。上記平均粒子径は、より好ましくは0.2μm以上、より好ましくは2μm以下、更に好ましくは1μm以下である。上記充填剤の平均粒子径として、50%となるメディアン径(d50)の値が採用される。上記平均粒子径は、レーザー回折散乱方式の粒度分布測定装置を用いて測定できる。
【0056】
アンダーフィル材の充填性をより一層高め、かつボイドをより一層生じ難くする観点からは、上記無機フィラーの平均粒子径は1μm以下であることが好ましい。
【0057】
上記無機フィラーは、表面処理されていることが好ましく、カップリング剤により表面処理されていることがより好ましい。これにより、エポキシ樹脂材料中での無機フィラーの分散性及び無機フィラーと他の成分との親和性が高くなる。カップリング剤により表面処理された無機フィラーの使用により、特にカップリング剤により表面処理されたシリカの使用により、比較的厳しい条件で粗化処理された硬化物(例えば、第1の粗化硬化物)の算術平均粗さRaをより一層小さくすることができる。
【0058】
上記カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤及びアルミニウムカップリング剤等が挙げられる。上記表面処理に用いるカップリング剤は、エポキシシラン、アミノシラン、ビニルシラン、アミノフェニルシラン、スチリルシラン、メタクリロキシシラン、アクリロキシシラン、メルカプトシラン、サルファーシラン、(メタ)アクリル酸シラン、イソシアネートシラン又はウレイドシランであることが好ましい。
【0059】
樹脂組成物に含まれている全固形分(以下、全固形分Bと略記することがある)100重量%中、上記無機フィラーの含有量は、好ましくは40重量%以上、より好ましくは50重量%以上、好ましくは85重量%以下、より好ましくは80重量%以下である。上記無機フィラーの含有量が上記下限以上であると、硬化物の熱による寸法変化をより一層小さくすることができ、粗化硬化物の表面自由エネルギーを適度に大きくすることができる。上記無機フィラーの含有量が上記上限以下であると、粗化硬化物の表面の表面粗さをより一層小さくすることができ、表面形状を良好にすることができる。「全固形分B」とは、エポキシ樹脂と硬化剤と無機フィラーと必要に応じて配合される固形分との総和をいう。「固形分」とは、不揮発成分であり、成形又は加熱時に揮発しない成分をいう。
【0060】
上記全固形分B100重量%中、上記エポキシ樹脂と上記硬化剤との合計の含有量は、好ましくは60重量%以下、より好ましくは50重量%以下、好ましくは15重量%以上、より好ましくは20重量%以上である。
【0061】
表面自由エネルギーを高くする観点からは、上記無機フィラーを表面処理するためのカップリング剤は、エポキシシラン、ビニルシラン又はアミノフェニルシランであることが好ましい。
【0062】
上記シランカップリング剤の使用に関して、上記全固形分B100重量%中、上記エポキシ樹脂と上記硬化剤との合計の含有量が44重量%以下である場合では、ビニルシラン又はアミノフェニルシランがより好ましい。このようなシランカップリング剤の使用により樹脂中に存在する無機フィラーの凝集を抑制することができる。
【0063】
[フェノキシ樹脂]
上記樹脂組成物は、フェノキシ樹脂を含んでいてもよい。該フェノキシ樹脂の使用により、エポキシ樹脂材料の回路の凹凸への追従性を高めることができ、更に粗化処理された硬化物の表面の表面粗さをより一層小さくすることができ、粗度を均一にすることができる。
【0064】
上記フェノキシ樹脂は特に限定されない。該フェノキシ樹脂として、従来公知のフェノキシ樹脂を用いることができる。上記フェノキシ樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0065】
上記フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型の骨格、ビスフェノールF型の骨格、ビスフェノールS型の骨格、ビフェニル骨格、ノボラック骨格、及びナフタレン骨格などの骨格を有するフェノキシ樹脂等が挙げられる。上記フェノキシ樹脂の重量平均分子量は、5,000〜100,000の範囲内であることが好ましい。上記フェノキシ樹脂の具体例としては、例えば、東都化成社製の「YP50」、「YP55」及び「YP70」、並びに三菱化学社製の「1256B40」、「4250」、「4256H40」、「4275」、「YX6954BH30」、「YX8100BH30」、「YL7600DMAcH25」及び「YL7213BH30」等が挙げられる。
【0066】
硬化物の表面を粗化処理した後に、金属層を形成するためにめっき処理した場合に、硬化物と金属層との接着強度を高めることができるので、上記フェノキシ樹脂は、ビフェニル骨格又はビフェノール骨格を有することが好ましく、ビフェノール骨格を有することがより好ましい。
【0067】
上記フェノキシ樹脂の含有量は特に限定されない。樹脂組成分に含まれている無機フィラーを除く全固形分(以下、上記全固形分Aと略記することがある)100重量%中、上記フェノキシ樹脂の含有量は0〜40重量%の範囲内であることが好ましい。上記全固形分A100重量%中、上記フェノキシ樹脂の含有量は、より好ましくは20重量%以下である。上記フェノキシ樹脂を用いなくてもよい。上記フェノキシ樹脂の含有量が上記上限以下であると、粗化処理された硬化物の表面の粗度をより一層均一にすることができる。「全固形分A」とは、エポキシ樹脂と硬化剤と必要に応じて配合される他の固形分との総和をいう。全固形分Aには、無機フィラーは含まれない。「固形分」とは、不揮発成分であり、成形又は加熱時に揮発しない成分をいう。
【0068】
[他の成分及びエポキシ樹脂材料の詳細]
上記樹脂組成物は、必要に応じて硬化促進剤を含んでいてもよい。該硬化促進剤は特に限定されず、従来公知の硬化促進剤を用いることができる。上記硬化促進剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0069】
上記硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール化合物、リン化合物、アミン化合物及び有機金属化合物等が挙げられる。
【0070】
上記イミダゾール化合物としては、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール及び2−フェニル−4−メチル−5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
【0071】
上記リン化合物としては、トリフェニルフォスフィン等が挙げられる。
【0072】
上記有機金属塩としては、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)及びトリスアセチルアセトナートコバルト(III)等が挙げられる。
【0073】
硬化物の電気絶縁性を高める観点からは、上記硬化促進剤は、イミダゾール化合物であることが特に好ましい。硬化物の電気絶縁性を高める観点からは、上記硬化促進剤は、有機金属化合物を含まないことが好ましい。
【0074】
上記硬化促進剤の含有量は特に限定されない。エポキシ樹脂材料を効率的に硬化させる観点からは、上記全固形分A100重量%中、上記硬化促進剤の含有量は0.01〜3重量%の範囲内であることが好ましい。
【0075】
耐衝撃性、耐熱性、樹脂の相溶性及び作業性等の改善を目的として、樹脂組成物には、カップリング剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線劣化防止剤、消泡剤、増粘剤、揺変性付与剤及び上述した樹脂以外の他の樹脂等を添加してもよい。
【0076】
上記カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤及びアルミニウムカップリング剤等が挙げられる。上記シランカップリング剤としては、ビニルシラン、アミノシラン、イミダゾールシラン及びエポキシシラン等が挙げられる。
【0077】
上記カップリング剤の含有量は特に限定されない。上記全固形分A100重量%中、上記カップリング剤の含有量は0.01〜3重量%の範囲内であることが好ましい。
【0078】
上記他の樹脂としては、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチラール樹脂、ジビニルベンジルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ベンゾオキサゾール樹脂、ビスマレイミド樹脂及びアクリレート樹脂等が挙げられる。
【0079】
上記樹脂組成物を得るために、溶剤を用いてもよい。上記樹脂組成物は、溶剤を含んでいてもよい。該溶剤は特に限定されず、樹脂組成物中に含まれる成分に対して良好な溶解性を示す溶剤が適宜選択されて用いられる。上記溶剤としては、例えばアセトン、メタノール、エタノール、ブタノール、2−プロパノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−アセトキシ−1−メトキシプロパン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン、N−メチルピロリドン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン及び混合物であるナフサ等が挙げられる。上記溶剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0080】
上記樹脂組成物は、大部分の溶剤を揮発させて用いられることが好ましい。溶剤を揮発させるために、熱による硬化が進行し過ぎない程度に、加熱乾燥すればよい。溶剤を含む樹脂組成物を、例えば90〜200℃で10〜180分間乾燥させることにより、ハンドリング性が良好なBステージフィルムを得ることができる。
【0081】
上記樹脂組成物をフィルム状に成形する方法としては、例えば、押出機を用いて、樹脂組成物を溶融混練し、押出した後、Tダイ又はサーキュラーダイ等により、フィルム状に成形する押出成形法、樹脂組成物を有機溶剤等の溶剤に溶解又は分散させた後、キャスティングしてフィルム状に成形するキャスティング成形法、並びに従来公知のその他のフィルム成形法等が挙げられる。なかでも、薄型化を進めることができるので、押出成形法又はキャスティング成形法が好ましい。フィルムにはシートが含まれる。
【0082】
上記樹脂組成物をフィルム状に成形することにより、Bステージフィルムを得ることができる。
【0083】
上述のような乾燥工程により得ることができる、ハンドリング性が良好なフィルム状の樹脂組成物をBステージフィルムと称する。更に、ハンドリング性をより一層高めるために、完全硬化に至らない範囲で半硬化状態とされたフィルム状の樹脂組成物もBステージフィルムと称する。
【0084】
上記Bステージフィルムは、半硬化状態にある半硬化物である。半硬化物は、完全に硬化しておらず、硬化がさらに進行され得る。
【0085】
上記Bステージフィルムの固形分100重量部に対して、上記溶剤の含有量は、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.3重量部以上、好ましくは6重量部以下、より好ましくは3重量部以下である。上記溶剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、Bステージフィルムの表面の粘着性が高くなりすぎず、ハンドリング性を高めることができる。さらに、Bステージフィルムを他の部材に積層した場合に、表面の平坦性を高めることができる。
【0086】
上記樹脂組成物は、基材と、該基材の一方の表面に積層されたBステージフィルムとを備える積層フィルムを形成するために好適に用いることができる。積層フィルムのBステージフィルムが、上記樹脂組成物により形成される。
【0087】
上記積層フィルムの上記基材としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム及びポリブチレンテレフタレートフィルムなどのポリエステル樹脂フィルム、ポリエチレンフィルム及びポリプロピレンフィルムなどのオレフィン樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、銅箔及びアルミニウム箔などの金属箔等が挙げられる。上記基材の表面は、必要に応じて、離型処理されていてもよい。
【0088】
上記エポキシ樹脂材料を回路の絶縁層として用いる場合、エポキシ樹脂材料により形成された層の厚さは、回路を形成する導体層の厚さ以上であることが好ましい。上記エポキシ樹脂材料により形成された層の厚さは、好ましくは5μm以上、好ましくは200μm以下である。
【0089】
上記エポキシ樹脂材料は、基材に含浸され、プリプレグとされてもよい。プリプレグは、基材と、該基材中に含浸されている上記エポキシ樹脂材料とを備える。
【0090】
上記基材としては、例えば金属、ガラス、カーボン、アラミド、ポリエステル又は芳香族ポリエステル等により形成された織布又は不織布、並びにフッ素系樹脂又はポリエステル系樹脂等により形成された多孔質膜等が挙げられる。
【0091】
(プリント配線板)
次に、プリント配線板について説明する。
【0092】
上記プリント配線板は、例えば、本発明に係る樹脂組成物により形成されたフィルムを用いて、該フィルムを加熱加圧成形することにより得られる。
【0093】
上記フィルムに対して、片面又は両面に金属箔を積層できる。上記フィルムと金属箔とを積層する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、平行平板プレス機又はロールラミネータ等の装置を用いて、加熱しながら又は加熱せずに加圧しながら、上記フィルムを金属箔に積層できる。上記加熱の温度及び上記加圧の圧力は適宜変更することができ、特に限定されない。上記加熱の温度は、好ましくは60℃以上、より好ましくは80℃以上、好ましくは220℃以下、より好ましくは180℃以下である。上記加圧の圧力は、好ましくは0.5MPa以上、より好ましくは1MPa以上、好ましくは10MPa以下、より好ましくは6MPa以下である。
【0094】
(Bステージフィルム及び積層フィルム)
本発明に係る樹脂組成物をフィルム状に成形することにより、Bステージフィルムを得ることができる。
【0095】
上述のような乾燥工程により得ることができる、ハンドリング性が良好なフィルム状の樹脂組成物をBステージフィルムと称する。更に、ハンドリング性をより一層高めるために、完全硬化に至らない範囲で半硬化状態とされたフィルム状の樹脂組成物もBステージフィルムと称する。
【0096】
上記Bステージフィルムは、半硬化状態にある半硬化物である。半硬化物は、完全に硬化しておらず、硬化がさらに進行され得る。
【0097】
上記Bステージフィルムの不揮発性の固形分100重量部に対して、上記溶剤の含有量は、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.3重量部以上、好ましくは6重量部以下、より好ましくは3重量部以下である。上記溶剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、Bステージフィルムの表面の粘着性が高くなりすぎず、ハンドリング性を高めることができる。さらに、Bステージフィルムを他の部材に積層した場合に、表面の平坦性を高めることができる。
【0098】
本発明に係る樹脂組成物は、基材と、該基材の一方の表面に積層されたBステージフィルムとを備える積層フィルムを形成するために好適に用いることができる。積層フィルムのBステージフィルムが、本発明に係る樹脂組成物により形成される。
【0099】
上記積層フィルムの上記基材としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム及びポリブチレンテレフタレートフィルムなどのポリエステル樹脂フィルム、ポリエチレンフィルム及びポリプロピレンフィルムなどのオレフィン樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、銅箔及びアルミニウム箔などの金属箔等が挙げられる。上記基材の表面は、必要に応じて、離型処理されていてもよい。
【0100】
(銅張り積層板及び回路基板)
本発明に係る樹脂組成物は、銅張り積層板を得るために好適に用いられる。上記銅張り積層板の一例として、銅箔と、該銅箔の一方の表面に積層されたBステージフィルムとを備える銅張り積層板が挙げられる。この銅張り積層板のBステージフィルムが、本発明に係る樹脂組成物により形成される。
【0101】
上記銅張り積層板の上記銅箔の厚さは特に限定されない。上記銅箔の厚さは、1〜50μmの範囲内であることが好ましい。また、Bステージフィルムを硬化した硬化物層と銅箔との接着強度を高めるために、上記銅箔は微細な凹凸を表面に有することが好ましい。凹凸の形成方法は特に限定されない。上記凹凸の形成方法としては、公知の薬液を用いた処理による形成方法等が挙げられる。
【0102】
また、本発明に係る樹脂組成物は、多層基板を得るために好適に用いられる。上記多層基板の一例として、回路基板と、該回路基板の表面上に積層された硬化物層とを備える回路基板が挙げられる。該硬化物層は樹脂層である。この多層基板の硬化物層が、上記樹脂組成物又は該樹脂組成物がフィルム状に成形されたBステージフィルムを硬化させることにより形成される。上記硬化物層は、回路基板の回路が設けられた表面上に積層されていることが好ましい。上記硬化物層の一部は、上記回路間に埋め込まれていることが好ましい。
【0103】
上記多層基板では、上記硬化物層の上記回路基板が積層された表面とは反対側の表面が粗化処理されていることがより好ましい。
【0104】
粗化処理方法は、従来公知の粗化処理方法を用いることができ特に限定されない。上記硬化物層の表面は、粗化処理の前に膨潤処理されていてもよい。
【0105】
また、上記多層基板は、上記硬化物層の粗化処理された表面に積層された銅めっき層をさらに備えていてもよい。
【0106】
上記多層基板などの基板上に、半導体チップなどの電子部品が積層されることがある。また、基板上の硬化物層(樹脂層)上に電子部品が積層されることがある。さらに、硬化物層と電子部品との間に、アンダーフィル材が充填されることがある。
【0107】
図1に、本発明の一実施形態に係るエポキシ樹脂材料を用いた接続構造体1を部分切欠正面断面図で示す。
【0108】
図1に示す接続構造体1では、基板2上に、金属層3(配線)が設けられている。基板2上の金属層3間に、樹脂層4が形成されている。樹脂層4は硬化物層であり、エポキシ樹脂材料を硬化させることにより形成されている。金属層3及び樹脂層4上に、下面に電極6が設けられた電子部品5が積層されている。金属層3と電極6とが接続されている。樹脂層4と電子部品5との間の空隙にアンダーフィル材7が充填されている。
【0109】
上記エポキシ樹脂材料を用いて樹脂層4を形成することにより、樹脂層4の濡れ性が高くなり、樹脂層4上にアンダ−フィル材7を効率的に充填させることができ、ボイドを生じ難くすることができる。例えば、空隙の幅及び高さが4μm以下であっても、樹脂層4と電子部品5との間の空隙に、アンダ−フィル材7を効率的に充填させることができ、ボイドを生じ難くすることができる。
【0110】
(粗化処理及び膨潤処理)
本発明に係る樹脂組成物を予備硬化させることにより得られた予備硬化物の表面に微細な凹凸を形成するために、予備硬化物は粗化処理されることが好ましい。粗化処理の前に、予備硬化物は膨潤処理されることが好ましい。硬化物は、予備硬化の後、かつ粗化処理される前に、膨潤処理されており、さらに粗化処理の後に硬化されていることが好ましい。ただし、予備硬化物は、必ずしも膨潤処理されなくてもよい。
【0111】
上記膨潤処理の方法としては、例えば、エチレングリコールなどを主成分とする化合物の水溶液又は有機溶媒分散溶液などにより、予備硬化物を処理する方法が用いられる。具体的には、例えば、上記膨潤処理は、40重量%エチレングリコール水溶液等を用いて、処理温度30〜85℃で1〜20分間、予備硬化物を処理することにより行なわれる。上記膨潤処理の温度は50〜85℃の範囲内であることが好ましい。上記膨潤処理の温度が低すぎると、膨潤処理に長時間を要し、更に硬化物と金属層との粗化接着強度が低くなる傾向がある。
【0112】
上記粗化処理には、例えば、マンガン化合物、クロム化合物又は過硫酸化合物などの化学酸化剤等が用いられる。これらの化学酸化剤は、水又は有機溶剤が添加された後、水溶液又は有機溶媒分散溶液として用いられる。
【0113】
上記マンガン化合物としては、過マンガン酸カリウム又は過マンガン酸ナトリウム等が挙げられる。上記クロム化合物としては、重クロム酸カリウム又は無水クロム酸カリウム等が挙げられる。上記過硫酸化合物としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム又は過硫酸アンモニウム等が挙げられる。
【0114】
上記粗化処理の方法は特に限定されない。上記粗化処理の方法として、例えば、30〜90g/L過マンガン酸又は過マンガン酸塩溶液及び30〜90g/L水酸化ナトリウム溶液を用いて、処理温度30〜85℃及び1〜10分間の条件で、1回又は2回、予備硬化物を処理する方法が好適である。上記粗化処理の温度は50〜85℃の範囲内であることが好ましい。
【0115】
(デスミア処理)
また、本発明に係る樹脂組成物を予備硬化させることにより得られた予備硬化物又は硬化物に、貫通孔が形成されることがある。上記多層基板などでは、貫通孔として、ビア又はスルーホール等が形成される。例えば、ビアは、COレーザー等のレーザーの照射により形成できる。ビアの直径は特に限定されないが、60〜80μm程度である。上記貫通孔の形成により、ビア内の底部には、硬化物層に含まれている樹脂成分に由来する樹脂の残渣であるスミアが形成されることが多い。
【0116】
上記スミアを除去するために、硬化物層の表面は、デスミア処理されることが好ましい。デスミア処理が粗化処理を兼ねることもある。
【0117】
上記デスミア処理には、上記粗化処理と同様に、例えば、マンガン化合物、クロム化合物又は過硫酸化合物などの化学酸化剤等が用いられる。これらの化学酸化剤は、水又は有機溶剤が添加された後、水溶液又は有機溶媒分散溶液として用いられる。
【0118】
上記デスミア処理の方法は特に限定されない。上記デスミア処理の方法として、例えば、30〜90g/L過マンガン酸又は過マンガン酸塩溶液及び30〜90g/L水酸化ナトリウム溶液を用いて、処理温度30〜85℃及び1〜10分間の条件で、1回又は2回、予備硬化物又は硬化物を処理する方法が好適である。上記デスミア処理の温度は50〜85℃の範囲内であることが好ましい。
【0119】
本発明に係る樹脂組成物の使用により、デスミア処理された硬化物の表面の表面粗さを十分に小さくすることができる。
【0120】
以下、実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されない。
【0121】
実施例及び比較例では、以下に示す材料を用いた。
【0122】
(エポキシ樹脂)
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、日本化薬社製「RE−410S」
【0123】
(多官能エポキシ樹脂)
トリアジン環を有するエポキシ樹脂(日産化学工業製「TEPIC」、エポキシ当量105)
【0124】
(硬化剤)
フェノール硬化剤(明和化成社製「MEH7851」、水酸基当量241、重量平均分子量8000)
【0125】
(硬化促進剤)
イミダゾール化合物(2−フェニル−4−メチルイミダゾール、四国化成社製「2P4MZ」)
【0126】
(充填剤)
エポキシシラン処理シリカを含むスラリーA(アドマテックス社製「SC2050−MTF」、平均粒子径0.5μmの溶融シリカ、シリカ100重量部がエポキシシランカップリング剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業社製「KBM−403」)1.5重量部で表面処理されている、固形分70重量%とメチルエチルケトン30重量%とを含む)
ビニルシラン処理シリカを含むスラリーB(アドマテックス社製「SC2050−MNU」、平均粒子径0.5μmの溶融シリカ、シリカ100重量部がビニルシランカップリング剤(ビニルトリメトキシシラン、信越化学工業社製「KBM−1003」)1.5重量部で表面処理されている、固形分70重量%とメチルエチルケトン30重量%とを含む)
【0127】
(高分子量成分)
高分子量成分(変性ビフェノール骨格含有フェノキシ樹脂溶液、三菱化学社製、商品名「YX6954BH30」、固形分30重量%、溶剤はMEK(メチルエチルケトン)とシクロヘキサノンとの混合溶剤)
【0128】
(顔料)
顔料(御國色素社製「MHIブルー」)
【0129】
(実施例1)
エポキシシラン処理シリカを含むスラリーAを固形分で56重量部に、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(日本化薬社製「RE−410S」)12重量部と、多官能エポキシ樹脂(日産化学工業製「TEPIC」)8重量部と、フェノール硬化剤(明和化成社製「MEH7851」)20重量部と、イミダゾール化合物(四国化成社製「2P4MZ」)0.3重量部と、高分子量成分(「YX6954BH30」)を固形分で3重量部とを加え、撹拌機を用いて1000rpmで3時間撹拌した。
【0130】
その後、顔料(御國色素社製「MHIブルー」)0.2重量部を加え、1000rpmで1時間撹拌し、樹脂組成物を得た。
【0131】
塗工機を用いて、PETフィルム(東レ社製「XG284」、厚み25μm)の離型処理面上に樹脂組成物を塗工した。100℃のギアオーブン内で12分間乾燥し、溶剤を揮発させた。このようにして、PETフィルム上に、厚さが25μmであり、溶剤の残量が3重量%であるBステージフィルムを得た。
【0132】
(実施例2)
ビニルシラン処理シリカを含むスラリーBを固形分で65重量部に、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(日本化薬社製「RE−410S」)10重量部と、多官能エポキシ樹脂(日産化学工業製「TEPIC」)6重量部と、フェノール硬化剤(明和化成社製「MEH7851」)18重量部と、イミダゾール化合物(四国化成社製「2P4MZ」)0.3重量部とを加え、撹拌機を用いて1000rpmで3時間撹拌した。
【0133】
その後、顔料(御國色素社製「MHIブルー」)0.2重量部を加え、1000rpmで1時間撹拌し、樹脂組成物を得た。
【0134】
得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にして、PETフィルム上に厚さが25μmであり、溶剤の残量が3重量%であるBステージフィルムを得た。
【0135】
(比較例1)
エポキシシラン処理シリカを含むスラリーAを固形分で39重量部に、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(日本化薬社製「RE−410S」)30重量部と、フェノール硬化剤(明和化成社製「MEH7851」)29重量部と、イミダゾール化合物(四国化成社製「2P4MZ」)0.3重量部と、高分子量成分(「YX6954BH30」)を固形分で3重量部とを加え、撹拌機を用いて1000rpmで3時間撹拌した。
【0136】
その後、顔料(御國色素社製「MHIブルー」)0.2重量部を加え、1000rpmで1時間撹拌し、樹脂組成物を得た。
【0137】
得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にして、PETフィルム上に厚さが25μmであり、溶剤の残量が3重量%であるBステージフィルムを得た。
【0138】
(比較例2)
エポキシシラン処理シリカを含むスラリーAを固形分で65重量部に、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(日本化薬社製「RE−410S」)10重量部と、多官能エポキシ樹脂(日産化学工業製「TEPIC」)6重量部と、フェノール硬化剤(明和化成社製「MEH7851」)18重量部と、イミダゾール化合物(四国化成社製「2P4MZ」)0.3重量部とを加え、撹拌機を用いて1000rpmで3時間撹拌した。
【0139】
その後、顔料(御國色素社製「MHIブルー」)0.2重量部を加え、1000rpmで1時間撹拌し、樹脂組成物を得た。
【0140】
得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にして、PETフィルム上に厚さが25μmであり、溶剤の残量が3重量%であるBステージフィルムを得た。
【0141】
(評価)
(1)算術平均粗さRa及び十点平均粗さRz
得られたBステージフィルム上に、保護フィルムであるポリプロピレンフィルムを貼り合わせながらロール状に巻き取った。この後、PETフィルム上のBステージフィルムに貼り合わされた保護フィルムを剥離して、露出したBステージフィルムを銅張積層板の両面に仮付けした。真空ラミネーター(名機製作所社製)により、温度100℃及び圧力1.0MPaの条件で、銅張積層板の両面にBステージフィルムをラミネートし、さらに連続的に温度100℃及び圧力1.0MPaの条件でSUS鏡板による熱プレスを行った。次いで、PETフィルムを剥離し、190℃及び60分の条件でBステージフィルムを熱硬化させ、Bステージフィルムが硬化したソルダーレジスト層を得た。その後、炭酸ガスレーザー装置(日立エンジニアリング製「LC−1K21」)により、エネルギー2mJ、パルス幅18μs及びショット数2回の条件にて、ソルダーレジスト層にビアホールを形成し、積層体Aを得た。得られた積層体Aの表面を、下記の第1の条件及び第2の条件でそれぞれ、膨潤処理及び粗化処理を行い、評価した。
【0142】
(第1の条件)デスミア条件
積層体Aを60℃の膨潤液(スウェリングディップセキュリガントP、アトテックジャパン社製)に入れて、10分間揺動した。その後、純水で洗浄した。その後、積層体Aを80℃の過マンガン酸カリウム(コンセントレートコンパクトCP、アトテックジャパン社製)粗化水溶液に入れて、25分間揺動した。その後、25℃の洗浄液(リダクションセキュリガントP、アトテックジャパン社製)により2分間洗浄し、純水でさらに洗浄し、第1の粗化硬化物b1を含む第1の積層体B1を得た。
【0143】
(第2の条件)デスミア条件
積層体Aを60℃の膨潤液(スウェリングディップセキュリガントP、アトテックジャパン社製)に入れて、10分間揺動した。その後、純水で洗浄した。その後、積層体Aを80℃の過マンガン酸カリウム(コンセントレートコンパクトCP、アトテックジャパン社製)粗化水溶液に入れて、10分間揺動した。その後、25℃の洗浄液(リダクションセキュリガントP、アトテックジャパン社製)により2分間洗浄し、純水でさらに洗浄し、第2の粗化硬化物b2を含む第2の積層体B2を得た。
【0144】
非接触式の表面粗さ計(ビーコ社製、製品名「WYKO」)を用いて、第1,第2の粗化硬化物b1,b2の表面の算術平均粗さRa及び十点平均粗さRzをそれぞれ測定した。算術平均粗さRa及び十点平均粗さRzの測定は、JIS B 0601−1994に準拠した。
【0145】
(2)水接触角
接触角計(協和界面科学社製「DM−501」)を用いて、上記(1)の評価で得られた第1,第2の粗化硬化物b1,b2の表面の水接触角を液滴法にて測定した。
【0146】
(3)表面自由エネルギー
接触角計(協和界面科学社製「DM−501」を用いて、上記(1)の評価で得られた第1,第2の粗化硬化物b1,b2の表面の水接触角、及びジヨードメタンの接触角を液滴法にて測定し、表面自由エネルギーをOwens−Wendt法により算出した。
【0147】
(4)デスミア性
電子顕微鏡「SEM」を用いて、上記(1)の評価で得られた第1,第2の積層体B1,B2のビアホールをそれぞれ観察し、ビアホール底のスミア残渣量、ビアホールの形状を評価した。
【0148】
(5)平均線膨張率
190℃及び60分の条件でBステージフィルムを熱硬化させ、Bステージフィルムが硬化した硬化物を得た。得られた硬化物を、3mm×25mmの大きさに裁断した。線膨張率計(セイコーインスツルメンツ社製「TMA/SS120C」)を用いて、引張り荷重3.3×10−2N、昇温速度5℃/分の条件で、裁断された硬化物の25〜150℃における平均線膨張率を測定した。
【0149】
結果を下記の表1に示す。
【0150】
【表1】

【符号の説明】
【0151】
1…接続構造体
2…基板
3…金属層
4…樹脂層
5…電子部品
6…電極
7…アンダーフィル材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エポキシ樹脂を含む樹脂組成物又は該樹脂組成物がフィルム状に成形されたBステージフィルムであるエポキシ樹脂材料であって、
前記樹脂組成物が、エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機フィラーとを含み、
エポキシ樹脂材料を190℃で60分間硬化させて硬化物を得、次に該硬化物を膨潤液により60℃で10分間膨潤処理した後、膨潤処理された硬化物を粗化液により80℃で25分間粗化処理し、第1の粗化硬化物を得たときに、該第1の粗化硬化物の表面の算術平均粗さRaが50nm以上、300nm以下であり、
エポキシ樹脂材料を190℃で60分間硬化させて硬化物を得、次に該硬化物を膨潤液により60℃で10分間膨潤処理した後、膨潤処理された硬化物を粗化液により80℃で10分間粗化処理し、第2の粗化硬化物を得たときに、前記第1の粗化硬化物の表面の算術平均粗さRaが、前記第2の粗化硬化物の表面の算術平均粗さRaの4倍以下であり、
前記第1の粗化硬化物の表面自由エネルギーが60mJ/m以上、80mJ/m以下であり、
前記第2の粗化硬化物の表面自由エネルギーが60mJ/m以上,80mJ/m以下である、エポキシ樹脂材料。
【請求項2】
前記無機フィラーの平均粒子径が1.0μm以下である、請求項1に記載のエポキシ樹脂材料。
【請求項3】
前記樹脂組成物中の全固形分100重量%中、前記無機フィラーの含有量が40重量%以上、85重量%以下である、請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂材料。
【請求項4】
前記無機フィラーがシリカである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂材料。
【請求項5】
前記シリカがカップリング剤により表面処理されている、請求項4に記載のエポキシ樹脂材料。
【請求項6】
前記樹脂組成物がフィルム状に成形されたBステージフィルムである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂材料。

【図1】
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【公開番号】特開2012−72318(P2012−72318A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219507(P2010−219507)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】