説明

エポキシ樹脂組成物、成形物、ワニス、フィルム状接着剤及びフィルム状接着剤付き銅箔

【課題】熱伝導性に優れると共に、かつ耐熱性に優れたエポキシ樹脂組成物を提供し、更にそれを用いて得た硬化成形物、ワニス、フィルム状接着剤、及びフィルム状接着剤付き銅箔を提供する。
【解決手段】エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材を含有するエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂成分として、ジヒドロキシジフェニルエーテルをエポキシ化して得られるエポキシ樹脂をエポキシ樹脂成分中50wt%以上用い、硬化剤成分として、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン類、又は1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン類からなるフェノール性化合物を硬化剤成分中50wt%以上用い、無機充填材を50〜96wt%加えて得られるエポキシ樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信頼性に優れた半導体封止、積層板、放熱基板等の電気・電子材料用絶縁材料として有用なエポキシ樹脂組成物及びそれを用いて得た成形物、ワニス、フィルム状接着剤及びフィルム状接着剤付き銅箔に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ダイオード、トランジスタ、集積回路等の電気、電子部品や、半導体装置等の封止方法として、例えばエポキシ樹脂やシリコーン樹脂等による封止方法やガラス、金属、セラミック等を用いたハーメチックシール法が採用されていたが、近年では信頼性の向上と共に大量生産が可能で、コストメリットのあるトランスファー成形による樹脂封止が主流を占めている。
【0003】
トランスファー成形による樹脂封止に用いられる樹脂組成物においては、エポキシ樹脂と、硬化剤としてフェノール樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる封止材料が一般的に使用されている。
【0004】
パワーデバイスなどの素子を保護する目的で使用されるエポキシ樹脂組成物は、素子が放出する多量の熱に対応するため、結晶シリカなどの無機充填材を高密度に充填している。
【0005】
パワーデバイスには、ICの技術を組み込んだワンチップで構成されるものやモジュール化されたものなどがあり、封止材料に対する放熱性、耐熱性、熱膨張性の更なる向上が望まれている。
【0006】
一方、絶縁基板においては、搭載される電子部品からの発熱を無視することができなくなっており、特に、高電流、高電圧で使用する電子部品においてはこの発熱が顕著である。そこで、高発熱性の電子部品を搭載する絶縁基板については高い放熱性が要求されるようになっている。
【0007】
絶縁基板に高い放熱性を付与するために、絶縁基板材料において高熱伝導性を有するアルミナ等の無機充填材を充填する方法が行われている。
【0008】
これらの要求に対応するべく、封止材料においては、熱伝導率を向上するために熱伝導率の大きい結晶シリカ、窒化珪素、窒化アルミニウム、球状アルミナ粉末等の無機充填材を含有させるなどの試みがなされている(特許文献1、2)が、無機充填材の含有率を上げていくと成形時の粘度上昇とともに流動性が低下し、成形性が損なわれるという問題が生じる。
【0009】
一方、絶縁基板材料においては、熱伝導率を向上するために平均粒子径が所定の分布を有する熱伝導率の大きい無機充填材を用いて、比較的高い割合で配合した熱伝導性樹脂組成物が提案されている(特許文献3)が、熱伝導率の大きい無機充填材を多量に充填することによって高熱伝導性を達成できても、絶縁接着層としての加工性が低下したり、得られる絶縁接着層の表面状態が悪化したりして、耐電圧特性や接着性が劣るという問題が生じる。従って、単に無機充填材の含有率を高める方法には限界があった。
【0010】
上記背景から、マトリックス樹脂自体の高熱伝導率化によって組成物の熱伝導率を向上する方法も検討されている。例えば、特許文献4、特許文献5および特許文献6には、剛直なメソゲン基を有する液晶性のエポキシ樹脂およびそれを用いたエポキシ樹脂組成物が提案されている。しかし、これらのエポキシ樹脂組成物においては硬化物の液晶性は確認できるものの、硬化物の結晶化度は低く、高熱伝導性、低熱膨張性、低吸湿性等の点で十分ではなかった。さらには液晶性発現のために、強力な磁場をかけて分子を配向させる必要があり、工業的に広く利用するためには設備的にも大きな制約があった。また、無機充填材との配合系では、マトリックス樹脂の熱伝導率に比べて無機充填材の熱伝導率が圧倒的に大きく、マトリックス樹脂自体の熱伝導率を高くしても、複合材料としての熱伝導率向上には大きく寄与しないという現実があり、十分な熱伝導率向上効果は得られていなかった。また、特許文献7にはジフェニルエーテル基を持つエポキシ樹脂と硬化剤にもジフェニルエーテル構造を持つフェノール性化合物の組成物が開示されているが、耐熱性が若干低く、さらに高い耐熱性の樹脂が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平11−147936号公報
【特許文献2】特開2002−309067号公報
【特許文献3】特開2001−348488号公報
【特許文献4】特開平11−323162号公報
【特許文献5】特開平2004−331811号公報
【特許文献6】特開平9−118673号公報
【特許文献7】WO2006/120993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、熱伝導性に優れると共に、かつ耐熱性に優れたエポキシ樹脂組成物を提供することである。また、本発明の別の目的は、熱伝導性に優れると共に、かつ耐熱性に優れた硬化成形物、ワニス、フィルム状接着剤、及びフィルム状接着剤付き銅箔を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、ジフェニルエーテル基を持つエポキシ樹脂及び特定のフェノール性化合物に、無機充填材を50〜96wt%の含有率で加えることによって、熱伝導率、耐熱性等の物性が特異的に向上することを見出し、本発明に到達した。
【0014】
本発明は、エポキシ樹脂、硬化剤、及び無機充填材を含有するエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂の50wt%以上が下記式(1)で表されるジフェニルエーテル基を持つエポキシ樹脂であり、硬化剤の50wt%以上が下記式(2)又は式(3)で表されるフェノール性化合物であり、無機充填材の含有率が50〜96wt%であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。
【0015】
【化1】

(但し、n1は0〜10の数を示す。)
【化2】

(但し、R1及びR2は同一又は異なっていても良く、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を示し、n2は0〜5の数を示す。)
【化3】

(但し、R3〜R5は同一又は異なっていても良く、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を示し、n3は0〜5の数を示す。)
【0016】
上記無機充填材としては、アルミナ、窒化ホウ素、及び窒化アルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機充填材であることが有利である。
【0017】
また、本発明は上記のエポキシ樹脂組成物を成形硬化させて得られる硬化成形物である。更に、本発明は上記のエポキシ樹脂組成物を溶剤に溶解又は分散させて得られるワニスである。
【0018】
また、本発明は上記のエポキシ樹脂組成物をフィルム状に形成してなるフィルム状接着剤であり、また上記のワニスを支持体上に塗布して乾燥または部分的に硬化させてフィルム状に形成したことを特徴とするフィルム状接着剤である。更に、本発明は上記のフィルム状接着剤が、銅箔上に積層して設けられていることを特徴とするフィルム状接着剤付き銅箔である。
【発明の効果】
【0019】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、熱伝導性に優れると共に、かつ耐熱性に優れた硬化成形物、ワニス、フィルム状接着剤及びフィルム状接着剤付き銅箔を与え、半導体封止、積層板、放熱基板等の電気・電子材料用絶縁材料として好適に応用され、優れた高放熱性、高耐熱性及び高寸法安定性が発揮される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0021】
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いるエポキシ樹脂は、上記式(1)で表されるジフェニルエーテル基を持つエポキシ樹脂を50wt%以上含む。式(1)において、n1は0〜10の数を示すが、エポキシ樹脂が分子量分布を有する場合は平均(数平均)の繰り返し数が上記範囲にあることがよい。
【0022】
1の数平均値を0.1〜1.0の範囲とすれば、硬化物とした際の熱伝導率等の物性向上効果が大きい。これは、ジフェニルエーテル基を持つエポキシ樹脂のn1の値が小さいものほど、成形物としての配向度が高くなるためである。
【0023】
本発明に用いるエポキシ樹脂の製法は、特に限定されるものではないが、下記式(4)のジフェニルエーテル基を持つフェノール性化合物とエピクロルヒドリンを反応させることにより製造することができる。この反応は、通常のエポキシ化反応と同様に行うことができる。
【化4】

【0024】
フェノール性化合物とエピクロルヒドリンとの反応は、例えば、フェノール性化合物を過剰のエピクロルヒドリンに溶解した後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の存在下に、50〜150℃、好ましくは、60〜100℃の範囲で1〜10時間反応させる方法が挙げられる。この際の、アルカリ金属水酸化物の使用量は、ジヒドロキシ体中の水酸基1モルに対して、0.8〜2.0モル、好ましくは、0.9〜1.5モルの範囲である。エピクロルヒドリンは、フェノール性化合物中の水酸基に対して過剰量が用いられ、通常は、フェノール性化合物中の水酸基1モルに対して、1.5から15モルである。反応終了後、過剰のエピクロルヒドリンを留去し、残留物をトルエン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解し、濾過し、水洗して無機塩を除去し、次いで溶剤を留去することにより目的のエポキシ樹脂を得ることができる。
【0025】
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いるエポキシ樹脂は、ジフェニルエーテル基を持つフェノール性化合物とジフェニルエーテル基を持たない他のフェノール性化合物と混合させたものを用いて合成することもできる。この場合のジフェニルエーテル基を持つフェノール性化合物の混合比率は50wt%以上である。また、他のフェノール性化合物には特に制約はなく、一分子中に水酸基を2個以上有するものの中から選択される。
【0026】
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いるエポキシ樹脂のエポキシ当量は、通常120から400の範囲であるが、無機充填材の高充填率化および加工性向上の観点からは低粘度性のものが良く、エポキシ当量が120から200の範囲のものが好ましい。
【0027】
このジフェニルエーテル基を持つエポキシ樹脂は、通常、常温で結晶性を有するものが好適に使用される。好ましい融点の範囲は70℃〜250℃であり、より好ましくは、80〜200℃の範囲である。これより低いとブロッキング等が起こりやすくなり固体としての取扱い性に劣り、これより高いと硬化剤等との相溶性、溶剤への溶解性等が低下する。
【0028】
このジフェニルエーテル基を持つエポキシ樹脂の純度、特に加水分解性塩素量は、適用する電子部品の信頼性向上の観点より少ない方がよい。特に限定するものではないが、好ましくは1000ppm以下、さらに好ましくは500ppm以下である。なお、本発明でいう加水分解性塩素とは、以下の方法により測定された値をいう。すなわち、試料0.5gをジオキサン30mlに溶解後、1N−KOH、10mlを加え30分間煮沸還流した後、室温まで冷却し、さらに80%アセトン水100mlを加え、0.002N−AgNO3水溶液で電位差滴定を行い得られる値である。
【0029】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必須成分として使用されるジフェニルエーテル基を持つエポキシ樹脂以外に、エポキシ樹脂成分として分子中にエポキシ基を2個以上有する他のエポキシ樹脂を併用してもよい。例を挙げれば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、フルオレンビスフェノール、2,2’−ビフェノール、レゾルシン、カテコール、t‐ブチルカテコール、t‐ブチルハイドロキノン、アリル化ビスフェノールA、アリル化ビスフェノールF、アリル化フェノールノボラック等の2価のフェノール類、あるいは、フェノールノボラック、ビスフェノールAノボラック、o‐クレゾールノボラック、m‐クレゾールノボラック、p‐クレゾールノボラック、キシレノールノボラック、ポリ‐p‐ヒドロキシスチレン、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フルオログリシノール、ピロガロール、t‐ブチルピロガロール、アリル化ピロガロール、ポリアリル化ピロガロール、1,2,4‐ベンゼントリオール、2,3,4‐トリヒドロキシベンゾフェノン、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂等の3価以上のフェノール類、または、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類から誘導されるグリシジルエーテル化物等がある。これらのエポキシ樹脂は、1種または2種以上を用いることができる。また、メソゲン基を持つエポキシ樹脂についても、1種または2種以上を用いることができる。
【0030】
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いる式(1)で表されるジフェニルエーテル基を持つエポキシ樹脂の配合割合は、全エポキシ樹脂の50wt%以上であり、好ましくは70wt%以上、より好ましくは90wt%以上である。さらには、二官能性エポキシ樹脂の合計量が90wt%以上、好ましくは95wt%以上であることが望ましい。これより少ないと硬化物とした際の熱伝導率等の物性向上効果が小さい。これは、ジフェニルエーテル基を持つエポキシ樹脂の含有率が高く、かつ二官能性エポキシ樹脂の含有率が高いものほど、成形物としての配向度が高くなるためである。
【0031】
ジフェニルエーテル基を持つエポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂としては、下記一般式(5)で表されるビスフェノール系エポキシ樹脂が好ましい。
【化5】

(但し、Zは単結合、メチレン基又は硫黄原子を示し、rは0〜1の数を示す。)
【0032】
これらのエポキシ樹脂は、例えば、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、または4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィドを原料として、通常のエポキシ化反応を行うことで合成することができる。これらのエポキシ樹脂は、原料段階でメソゲン基を持つジヒドロキシ化合物と混合させたものを用いて合成してもよい。
【0033】
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いる硬化剤は、上記式(2)又は式(3)で表されるフェノール性化合物を50wt%以上含む。上記式(2)又は式(3)で表されるフェノール性化合物の両者を含む場合はその合計が50wt%以上であればよい。
【0034】
上記式(2)又は式(3)において、R1及びR2、及びR3〜R5は同一又は異なっていても良い水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を示す。n2及びn3は独立に0〜5の数を示す。上記式(2)又は式(3)で表されるフェノール性化合物が分子量分布を有する場合は、n2及びn3は平均(数平均)の繰り返し数を示し、0〜5の範囲にあることがよい。
【0035】
2及びn3は数平均値で、0〜1.0の範囲であることが熱伝導率等の物性向上効果が大きい。これは、式(2)で表される硬化剤のn2、式(3)で表される硬化剤のn3の値が小さいものほど、成形物としての配向度が高くなるためである。
【0036】
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いる硬化剤としては、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましく挙げられる。
【0037】
硬化剤として用いる式(2)又は式(3)で表されるフェノール性化合物の使用量は全硬化剤の50wt%以上、好ましくは70wt%以上、より好ましくは80wt%以上である。これより少ないと硬化物とした際の熱伝導率等の物性向上効果が小さい。これは、式(2)又は式(3)で表されるフェノール性化合物の含有率が高いものほど、成形物としての配向度が高くなるためである。
【0038】
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いる硬化剤としては、上記式(2)又は式(3)で表されるフェノール性化合物以外に、硬化剤として一般的に知られている他の硬化剤を併用して用いることができる。例を挙げれば、本発明で使用するフェノール化合物以外のフェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、ポリメルカプタン系硬化剤、ポリアミノアミド系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、ブロックイソシアネート系硬化剤等が挙げられる。これら他の硬化剤の配合量は、配合する硬化剤の種類や得られる熱伝導性エポキシ樹脂成形体の物性を考慮して適宜設定すればよい。しかし、全硬化剤の50wt%未満の範囲で使用する必要がある。
【0039】
本発明のエポキシ樹脂組成物では、エポキシ樹脂と硬化剤の配合比率は、エポキシ樹脂/硬化剤の官能基が当量比で、0.8〜1.5の範囲であることが好ましい。この範囲外では硬化後も未反応のエポキシ基、または硬化剤中の官能基が残留し、電子部品用絶縁材料に関しての信頼性が低下する。
【0040】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、50〜96wt%の含有率で無機充填材が配合される。無機充填材の含有量は、エポキシ樹脂組成物中85〜95wt%が好ましい。これより少ないと高熱伝導性、高耐熱性、低熱膨張性等の効果が十分に発揮されない。これらの効果は、無機充填材の添加量が多いほど向上するが、その体積分率に応じて向上するものではなく、特定の添加量以上となった時点から飛躍的に向上する。これらの物性は、高分子状態での高次構造が制御された効果によるものであり、この高次構造が主に無機充填材表面で達成されることから、特定量の無機充填材を必要とするものであると考えられる。一方、無機充填材の添加量がこれより多いと粘度が高くなり、加工性が低下する。
【0041】
無機充填材は球状のものが好ましく、断面が楕円上であるものも含めて球状であれば特に限定されるものではないが、加工性改善の観点からは、極力真球状に近いものであることが特に好ましい。これにより、面心立方構造や六方稠密構造等の最密充填構造をとり易く、充分な充填量を得ることができる。球形でない場合、充填量が増えると充填材同士の摩擦が増え、上記の上限に達する前に粘度が高くなり加工性が低下する。
【0042】
熱伝導率向上の観点からは、無機充填材の50wt%以上、好ましくは80wt%以上を、熱伝導率が20W/m・K以上のものとすることがよい。かかる無機充填材としては、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウムが好適である。これらの中でも、球状アルミナが優れる。その他、必要に応じて形状に関係なく無定形無機充填材、例えば溶融シリカ、結晶シリカなどを併用しても良い。
【0043】
また、無機充填材の平均粒径、最大粒径については、適用する対象によって好ましい最大粒径、平均粒径が異なるので一概には言えないが、高熱伝導化の観点からは、最大粒径、平均粒径ともに大きい方が有利である。しかし、最大粒子径が大きくなり過ぎると加工性が低下し、成形物の外観が悪くなったり、強度が低下したりする。
【0044】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、従来より公知の硬化促進剤を用いることができる。例を挙げれば、アミン類、イミダゾール類、有機ホスフィン類、ルイス酸等があり、具体的には、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの三級アミン、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−へプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール類、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフイン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウム・テトラブチルボレートなどのテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルポレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルポレートなどのテトラフェニルボロン塩などがある。これらは単独で用いても良く、併用しても良い。
【0045】
上記硬化促進剤の添加量は、エポキシ樹脂と硬化剤の合計に対して、0.1〜10.0wt%が好ましい。0.1wt%未満ではゲル化時間が遅くなって加熱反応時の剛性低下による作業性の低下をもたらし、逆に10.0wt%を超えると加工途中で反応が進んでしまい、外観不良が発生し易くなる。
【0046】
本発明のエポキシ樹脂組成物においては、上記成分の他に、カップリング剤、熱可塑性のオリゴマー類、離型剤、その他の一般的にエポキシ樹脂組成物に使用可能なものを適宜配合して用いることができる。例えば、リン系難燃剤、ブロム化合物や三酸化アンチモン等の難燃剤、及びカーボンブラックや有機染料等の着色剤等を使用することができる。
【0047】
カップリング剤としては、例えばエポキシシランが使用可能である。カップリング剤の添加量は、エポキシ樹脂組成物に対して、0.1〜2.0wt%が好ましい。0.1wt%未満では樹脂と基材のなじみが悪く加工性が悪くなり、逆に2.0wt%を超えるとブリードアウトにより加工品に汚れが生じる。カップリング剤は無機充填材と樹脂成分の接着力を向上させるために用いられる。
【0048】
熱可塑性のオリゴマー類としては、C5系およびC9系の石油樹脂、スチレン樹脂、インデン樹脂、インデン・スチレン共重合樹脂、インデン・スチレン・フェノール共重合樹脂、インデン・クマロン共重合樹脂、インデン・ベンゾチオフェン共重合樹脂等が例示さえる。添加量としては、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して、2〜30重量部の範囲である。熱可塑性のオリゴマー類は、エポキシ樹脂組成物の加工時の流動性改良および基材との密着性向上のために用いられる。
【0049】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、例えば封止材用として適用する場合には、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材等の成分を含む配合成分(カップリング剤を除く)をミキサー等によって均一に混合した後、カップリング剤を添加し、加熱ロール、ニーダー等によって混練して製造することができる。これらの成分の配合順序にはカップリング剤を除き特に制限はない。更に、混練後に溶融混練物の粉砕を行い、パウダー化することやタブレット化することも可能である。
【0050】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、例えば絶縁基板用として適用する場合には、組成物を構成する成分を、所定の溶剤、例えばN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)等のアミド系溶剤、1−メトキシ−2−プロパノ−ル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤等の1種又は2種以上を混合したものに溶解又は分散させてワニスを形成した後に製造に用いることができる。組成物を構成する成分は、溶剤中に均一分散していれば、必ずしも溶剤に溶解していなくてもよい。
【0051】
このワニスは、ガラス繊維等の繊維状基材と複合させて複合材とすることができる。例えば、本発明のエポキシ樹脂組成物を溶剤に溶解又は分散させて得たワニスを、シート状繊維基材に含浸し加熱乾燥して、エポキシ樹脂を部分反応させて、プリプレグとすることができる。
【0052】
またこのワニスを支持材としてのベースフィルム上に塗布し、乾燥させることでフィルム状接着剤を形成してもよく、あるいはこのワニスを銅箔上に塗布し、乾燥させることによってフィルム状接着剤付き銅箔を形成してもよい。ここで、フィルム状接着剤、又はフィルム状接着剤付き銅箔における硬化前のフィルム支持性については、溶剤残存率が高いほどフィルム支持性が良好な傾向にあるが、溶剤残存率が高すぎると、フィルム状接着剤、又はフィルム状接着剤付き銅箔にタックが発生したり、硬化時に発泡が発生したりする。したがって、溶剤残存率は5重量%以下が好ましい。なお、ここでの溶剤残存率は、180℃雰囲気にて60分乾燥した際の、フィルム状接着剤部分の正味重量減少率の測定により求めた値である。また、上記フィルム状接着剤及びフィルム状接着剤付き銅箔については、溶剤を含まない本発明のエポキシ樹脂組成物を支持材としてのベースフィルム上に加熱溶融状態で塗布した後、冷却するようにして得てもよい。
【0053】
フィルム状接着剤又はフィルム状接着剤付き銅箔を形成する際に用いる支持材としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、銅箔、アルミ箔、離型紙等を挙げることができ、この支持材の厚みについては10〜100μmとするのが一般的である。
【0054】
支持材として、銅箔、アルミ箔等の金属箔を用いる場合、金属箔の製造方法は電解法のものでも圧延法のものであってもよい。なお、これらの金属箔においては絶縁層との接着性の観点から、絶縁層と接する側の面が粗化処理されているのが好ましい。
【0055】
また、フィルム状接着剤又はフィルム状接着剤付き銅箔は、支持材としてのベースフィルム上に貼り合わされた後、貼り合わされていないもう一方の面を、保護材としてのフィルムで覆い、ロール状に巻き取って保存することもできる。この際に用いられる保護材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、離型紙等が挙げられ、この保護材の厚みについては10〜100μmとするのが一般的である。フィルム状接着剤付き銅箔の場合は、支持材として銅箔が使用される。
【0056】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、特に電子部品封止用および放熱基板用として優れるので、電子材料用のエポキシ樹脂組成物として適する。
【0057】
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて硬化成形物を得るためには、例えば、トランスファー成形、プレス成形、注型成形、射出成形、押出成形等の加熱成形方法が適用されるが、量産性の観点からは、封止材用にはトランスファー成形、絶縁基板用にはプレス成形が好ましい。
【0058】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂および硬化剤がともに二官能性のもののみから構成された場合においても、加熱反応させた場合、エポキシ樹脂と硬化剤が反応して生成する水酸基の一部がさらにエポキシ樹脂中のエポキシ基と反応するため、通常は三次元硬化物を与えるが、場合により有機溶剤の使用、硬化促進剤種の選択、および反応温度等の加熱反応条件の制御により、実質的に二次元高分子のみで構成された熱可塑性の成形物とすることができる。
【0059】
本発明の硬化成形物は、高熱伝導性、高耐熱性及び低熱膨張性の観点から結晶性を有するものであることが好ましい。成形物の結晶性の発現は、示差走査熱量分析で結晶の融解に伴う吸熱ピークを融点として観測することにより確認することができる。好ましい融点は120℃から280℃の範囲であり、より好ましくは150℃から250℃の範囲である。
【0060】
ここで結晶性発現の効果を簡単に説明する。一般的に、エポキシ樹脂硬化物においては耐熱性の指標としてガラス転移点が用いられる。これは、通常のエポキシ樹脂硬化物が結晶性を持たないアモルファス状(ガラス状)の成形物でありガラス転移点を境として物性が大きく変化するためである。従って、エポキシ樹脂硬化物の耐熱性を高くするため、すなわちガラス転移点を高くするためには架橋密度を高くする必要があるが、逆に可撓性が低下し脆くなる欠点があった。これに対して、本発明の硬化成形物は、結晶性を発達させる点に特徴があるが、融点まで物性変化が少ないことから融点を耐熱性の指標とすることができる。高分子物質は、融点の方がガラス転移点よりも高い温度にあるため、本発明の硬化成形物は、低い架橋密度により高い可撓性を維持しつつ、高い耐熱性を確保できる。また、結晶性発現は、高い分子間力を意味しており、これにより分子の運動が抑制され、低熱膨張性の達成とともに、高い熱拡散率が発揮され熱伝導率が向上する。
【0061】
従って、本発明の硬化成形物の結晶化度は高いものほどよい。ここで結晶化の程度は示差走査熱量分析での結晶の融解に伴う吸熱量から評価することができる。好ましい吸熱量は、充填材を除いた樹脂成分の単位重量あたり10J/g以上である。より好ましくは30J/g以上であり、特に好ましくは50J/g以上である。これより小さいと成形物としての熱伝導率、耐熱性及び低熱膨張性の向上効果が小さい。なお、ここでいう吸熱量は、示差走査熱量分析計により、約10mgを精秤した試料を用いて、窒素気流下、昇温速度10℃/分の条件で測定して得られる吸熱量を指す。また、結晶化した本発明の硬化成形物は、広角X線回折においても、明確なピークとして観察することができる。この場合、結晶化度は、全体のピーク面積から結晶化していないアモルファス状樹脂のピークを差引いた面積を全体のピーク面積で除することにより求めることができる。このようにして求めた望ましい結晶化度は、充填材を除いた樹脂成分において15%以上、より望ましくは30%以上、特に望ましくは50%以上である。
【0062】
本発明の硬化成形物は、上記成形方法により加熱反応させることにより得ることができるが、通常、成形温度としては80℃から250℃であるが、成形物の結晶化度を上げるためには、成形物の融点よりも低い温度で反応させることが望ましい。好ましい成形温度は100℃から200℃の範囲であり、より好ましくは130℃から180℃である。また、好ましい成形時間は30秒から2時間であり、より好ましくは1分から1時間である。さらに成形後、ポストキュアにより、さらに結晶化度を上げることができる。通常、ポストキュア温度は130℃から250℃であり、時間は1時間から20時間の範囲であるが、示差走査熱量分析における吸熱ピーク温度よりも5℃から40℃低い温度で、1時間から24時間かけてポストキュアを行うことが望ましい。
【実施例】
【0063】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例の樹脂組成物を得るために使用した原料とその略号は以下の通りである。
【0064】
1.エポキシ樹脂
エポキシ樹脂A:4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテルのグルシジルエーテル化物(YSLV−80DE 新日鐵化学製、エポキシ当量163、融点83℃)
エポキシ樹脂B:3,3',5,5'−テトラメチル−4,4'−ジヒドロキシビフェニルのグルシジルエーテル化物(YX4000H 三菱化学製、エポキシ当量192、融点105℃)
エポキシ樹脂C:o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(EOCN−1020−65 日本化薬製、エポキシ当量200、軟化点65℃ )
【0065】
2.硬化剤
硬化剤A:トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(旭有機材工業製、OH当量97)
硬化剤B:1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(旭有機材工業製、OH当量100)
硬化剤C:フェノールノボラック(軟化点80℃)(タマノル758 荒川化学工業製、OH当量107、軟化点80℃)
硬化剤D:4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル(試薬、OH当量101)
【0066】
3.無機充填材
アルミナA:球状、最大粒子径 100μm、D50 45.9μm
アルミナB:球状、最大粒子径 68μm、D50 11.1μm
アルミナC:球状、最大粒子径 7μm、D50 0.40μm
無機充填材については全て市販の球状アルミナを用いた。アルミナの粒度分布に関するパラメータは以下の方法により測定した。
測定対象のアルミナ粉末を、分散媒である0.2wt%ヘキサメタりん酸ナトリウム溶液に試料濃度が0.04wt%になるように計量して混合し、超音波ホモジナイザーを用いて3分間分散させた。このアルミナ分散液を、粒度分布測定装置マイクロトラックMT3300EX(日機装製)を用いて、波長780nmの半導体レーザの照射により得られた散乱光から粒子径分布を測定した。
最大粒子径は、前記測定法により得られた粒子径分布において、粒子の全体積を100%としたとき、粒子径の体積分率の分布カーブにおいて、ある粒子径以上で粒子の分布確率が全て0となるときの粒子径の最小値を示す。
平均粒子径D50は、前記測定法により得られた粒子径分布において、粒子の全体積を100%としたとき、粒子径の体積分率の累積カーブにおいて50%累積となるときの粒子径を示す。
【0067】
4.硬化促進剤
硬化促進剤A:トリフェニルホスフィン(試薬)
【0068】
上記で示した原料を用いて配合を実施した。エポキシ樹脂と硬化剤の配合比率は全て、エポキシ樹脂/硬化剤の官能基が当量比で1.0とした。
【0069】
配合においては、溶剤としてシクロペンタノンを使用し、エポキシ樹脂、硬化剤のみを攪拌装置付きの容器中にて、常温で攪拌、溶解した。その後、アルミナ粉末を配合して、攪拌、分散させた。最後に、硬化促進剤を配合して、攪拌、溶解し、エポキシ樹脂組成物ワニスを作製した。また表1の全ての例において溶剤はシクロペンタノンを使用したので、記載を省略している。このエポキシ樹脂組成物ワニスを、厚さ31μmのPETフィルム上に、乾燥後の樹脂厚さが120〜180μmになるように塗布し、90℃で7分乾燥させることによりフィルム状接着剤を得た。さらにこのフィルム状接着剤を180℃にて1時間の硬化をすることにより各試験片を得て、その物性を評価した。結果をまとめて表1に示す。なお、表1中の各成分の数字は重量部を表す。
【0070】
[評価]
(1)熱伝導率
熱伝導率は、NETZSCH製キセノンフラッシュアナライザーLFA447型熱伝導率計を用いてレーザフラッシュ法により測定した。
(2)ガラス転移温度
熱機械的分析装置(TMA測定装置、セイコーインスツル製)を用い、試験片の幅3mm、チャック間距離20mmにて、引張モードにおいて、200ml/分の窒素気流下、昇温速度10℃/分で300℃まで昇温、スキャンすることにより求めた。
【0071】
【表1】

【0072】
実施例1及び2で得た試験片は、熱伝導性に優れると共に、耐熱性に優れたエポキシ樹脂組成物を与えることが確認できた。
【0073】
一方、本発明で規定した条件を満たしていない比較例1〜4は、実施例ほどこれらの特性が同時に優れてはいない。すなわち、比較例1は本発明で規定した硬化剤を含んでいないため、熱伝導性及び耐熱性が劣る。比較例2は本発明で規定した硬化剤を含んでいないため、耐熱性が劣る。比較例3及び比較例4は本発明で規定したジフェニルエーテル基を持つエポキシ樹脂を含んでいないため、熱伝導性が劣る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エポキシ樹脂、硬化剤、及び無機充填材を含有するエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂の50wt%以上が下記式(1)で表されるジフェニルエーテル基を持つエポキシ樹脂であり、硬化剤の50wt%以上が下記式(2)又は式(3)で表されるフェノール性化合物であり、無機充填材の含有率が50〜96wt%であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
【化1】

(但し、n1は0〜10の数を示す。)
【化2】

(但し、R1及びR2は同一又は異なっていても良く、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を示し、n2は0〜5の数を示す。)
【化3】

(但し、R3〜R5は同一又は異なっていても良く、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を示し、n3は0〜5の数を示す。)
【請求項2】
無機充填材が、アルミナ、窒化ホウ素、及び窒化アルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機充填材である請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物を成形硬化させて得られる硬化成形物。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物を溶剤に溶解又は分散させて得られるワニス。
【請求項5】
請求項4に記載のワニスを支持体上に塗布して乾燥または部分的に硬化させてフィルム状に形成したことを特徴とするフィルム状接着剤。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物をフィルム状に形成してなるフィルム状接着剤。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のフィルム状接着剤が、銅箔上に積層して設けられていることを特徴とするフィルム状接着剤付き銅箔。

【公開番号】特開2012−17405(P2012−17405A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155589(P2010−155589)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(000006644)新日鐵化学株式会社 (747)
【Fターム(参考)】