Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
エポキシ樹脂組成物
説明

エポキシ樹脂組成物

【課題】 硬化性に優れ、かつ良好な性能を有する硬化物を与える新規な速硬化性エポキシ樹脂組成物の提供。
【解決手段】 トリス(1,3−オキサチオラン−2−チオン−5−イルメチル)イソシアヌレート及び式(2)
  
【化1】




(式中、Rは異種又は同種の1個以上の置換基により任意に置換されていても良い、炭素数1〜6のアルキル基である。)で示されるトリチオールイソシアヌレート化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物とエポキシ樹脂とを混合したエポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)とを含有するエポキシ樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
 本発明は、硬化性に優れ、かつ良好な性能を有する硬化物を与える新規な速硬化性エポキシ樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
 エポキシ樹脂はその優れた耐熱性、耐薬品性、接着性の故に産業素材として広範な分野で使用されている。しかしながら、より高い機能を有する硬化性素材が近年求められている。特に作業効率の観点から、速硬化性が大きな課題となっており、これに対応することが可能な樹脂素材が強く求められている。
【0003】
 速硬化のための技術としては、エポキシアクリレートとアミン化合物を用いる方法、あるいはチオール化合物とエポキシ化合物を用いる方法が知られているが、低温での反応性が充分でない、あるいは臭気が強い、ホットライフが短い等の欠点があった。
【0004】
 本発明樹脂組成物の構成成分である、式(1)で示されるトリス(1,3−オキサチオラン−2−チオン−5−イルメチル)イソシアヌレート、及び式(2)で示されるトリチオールイソシアヌレート化合物が記載されている(特許文献1参照。)。しかし、エポキシ樹脂への添加については記載されていない。
【特許文献1】米国特許第6,414,146号明細書(全文)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
 本発明は、これらの課題を解決した、硬化性に優れ、かつ良好な性能を有する硬化物を与える新規な速硬化性エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
 本発明者らは、種々のエポキシ樹脂組成物について鋭意検討した結果、硬化性に優れ、かつ良好な性能を有する硬化物を与える新規な速硬化性エポキシ樹脂組成物を見出して、本発明を完成するに至った。特に、式(1)で示される化合物は溶媒に対する溶解性が低いが、エポキシ樹脂には溶解して透明な樹脂が得られることを見出した。
【0007】
 本発明の第1実施態様は、式(1)
【0008】
【化1】



【0009】
で示されるトリス(1,3−オキサチオラン−2−チオン−5−イルメチル)イソシアヌレート及び式(2)
【0010】
【化2】



【0011】
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、該アルキル基は、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数の2〜8のジアルキルアミノ基、及び芳香族炭化水素基からなる群から選ばれた異種又は同種の1個以上の置換基により任意に置換されていても良い。)で示されるトリチオールイソシアヌレート化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物とエポキシ樹脂とを混合したエポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)とを含有するエポキシ樹脂組成物である。
【0012】
 具体的には、本発明の第1実施態様は、例として、以下の3実施態様をあげることができる。
【0013】
 本発明の第1−1実施態様は、式(1)で示されるトリス(1,3−オキサチオラン−2−チオン−5−イルメチル)イソシアヌレートとエポキシ樹脂とを混合したエポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)とを含有するエポキシ樹脂組成物である。
【0014】
 第1−2実施態様は、式(2)で示されるトリチオールイソシアヌレート化合物とエポキシ樹脂とを混合したエポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)とを含有するエポキシ樹脂組成物である。
【0015】
 第1−3実施態様は、式(1)で示されるトリス(1,3−オキサチオラン−2−チオン−5−イルメチル)イソシアヌレート及び式(2)で示されるトリチオールイソシアヌレート化合物とエポキシ樹脂とを混合したエポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)とを含有するエポキシ樹脂組成物である。
【0016】
 より好ましい実施態様として第2実施態様がある。これは硬化剤(B)が、ポリアミン類である第1実施態様に示されるエポキシ樹脂組成物である。
【発明の効果】
【0017】
 本発明のエポキシ樹脂組成物は硬化性に優れ、接着性においても良好な接着性があり、接着剤、光学材料等幅広い用途に適応可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
 以下、本発明について具体的に説明する。
【0019】
 式(1)で示されるトリス(1,3−オキサチオラン−2−チオン−5−イルメチル)イソシアヌレートは、トリスグリシジルイソシアヌレート[トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート]と二硫化炭素とを反応させて得られる。この反応については、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、有機塩基、アルカリ金属水酸化物及びオニウム塩から選ばれる少なくとも一つの化合物を触媒として用いることによって効率的に製造することができる。
【0020】
 式(2)で示されるトリチオールイソシアヌレート化合物は、式(1)で示されるトリス(1,3−オキサチオラン−2−チオン−5−イルメチル)イソシアヌレートと、この化合物の官能基部位である1,3−オキサチオラン−2−チオン−5−イルメチル基と反応性を示す活性水素含有するアミノ基を有する第一級アミンが用いられる。その第一級アミンは、炭素数1〜6のアルキル基(該アルキル基は、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数の2〜8のジアルキルアミノ基、及び芳香族炭化水素基からなる群から選ばれた異種又は同種の1個以上の置換基により任意に置換されていても良い。)を有する第一級アミンである。その第一級アミンとして、メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、アミノシクロヘキサン、メトキシエチルアミン、エトキシエチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、3−(ジエチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミン、ベンジルアミン等が挙げられるアルキルアミン類などが例示される。この反応については必要に応じて、ルイス酸、オニウム塩、無機塩基、有機塩基、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、有機酸等の触媒を用いて、トリチオールイソシアヌレ−ト化合物を製造することができる。
【0021】
 例として、式(2)において、Rとしてメチル基を導入するにはメチルアミンを用いることになり、得られるトリチオールイソシアヌレ−ト化合物はトリス(1,3−オキサチオラン−2−チオン−5−イルメチル)イソシアヌレートのメチルアミン3付加物となる。
【0022】
 エポキシ樹脂としては特に限定されるものではないが、ビスフェノール類、ジヒドロキシベンゼン類、ポリオール類、フェノールノボラック類、ポリカルボン酸類、またジアミン類をエピクロロヒドリンと反応させて得られる縮合物が挙げられる。
【0023】
 このエポキシ樹脂の原料のビスフェノール類としては、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラブロムビスフェノールA等が挙げられる。
【0024】
 ジヒドロキシベンゼン類としては、レゾルシノール等が挙げられる。
【0025】
 ポリオール類としては、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
【0026】
 フェノールノボラック類としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等が挙げられる。
【0027】
 ポリカルボン酸類としては、フタル酸、ダイマー酸、トリメリット酸等が挙げられる。
【0028】
 ジアミン類としては、ジアミノジフェニルメタン、メタキシレンジアミン等が挙げられる。
【0029】
 具体的にエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル[商品名:エピコート828(登録商標)(ジャパンエポキシレジン株式会社製)等]、ビスフェノールFジグリシジルエーテル[商品名:エピコート807(登録商標)(ジャパンエポキシレジン株式会社製)等]、トリスグリシジルイソシアヌレート[商品名:TEPIC(登録商標)、日産化学工業株式会社製]等が挙げられる。
【0030】
 これらのエポキシ樹脂は、一種類又は、二種類以上を併用しても良い。
【0031】
 硬化剤(B)としては一般的にエポキシ樹脂用硬化剤として使用されているものが、特に制限無く使用できるが、例えば、ポリアミン類、ポリアミド樹脂類、イミン類、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ポリメルカプタン類、ポリカルボン酸類、ポリカルボン酸無水物類、イミダゾール類、ジシアンジアミド類等が挙げられる。
【0032】
 ポリアミン類としては、特に限定されるものではないが、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等の脂肪族ポリアミン類、シクロヘキサンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ノルボルナジアミン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等の脂環族ポリアミン類、メタキシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族アミン類、ポリアミンと1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物とを反応させて得られるアミンアダクト類、ポリアミン類と不飽和化合物とのアダクトにより得られるマイケル付加ポリアミン類、ポリアミン類、ホルマリン及びフェノール類との縮合反応で得られるマンニッヒ付加ポリアミン類が挙げられる。
【0033】
 ポリアミド樹脂類としては、特に限定されるものではないが、脂肪族ポリアミン類と脂肪族カルボン酸とから形成されるものが好ましく、脂肪族系ポリアミン類としてはジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等が挙げられる。また、脂肪族カルボン酸としては、トール油脂肪酸、リノレン酸、リノール酸等からなるダイマー酸等が挙げられる。また、前記したポリアミンの代わりにポリアミド樹脂を用いた前述のアミンアダクト類、マイケル付加ポリアミン類、マンニッヒ付加ポリアミン等も利用できる。
【0034】
 イミン類としては、特に制限されるものではないが、カルボニル化合物でブロックされた1級アミノ基を少なくとも1分子中に1個有するポリアミン類であり、通常、カルボニル化合物と1級アミノ基含有化合物とを反応させて得ることができる。カルボニル化合物としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類が挙げられる。また、ポリアミン類としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族アミン、シクロヘキサンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ノルボルナジアミン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等の脂環族ポリアミン類、メタキシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族アミン類等が挙げられる。
【0035】
 ポリメルカプタン類としては、トリオキサントリメチレンメルカプタン等が挙げられる。
【0036】
 ポリカルボン酸類としては、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸等が挙げられる。
【0037】
 ポリカルボン酸無水物類としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸等が挙げられる。
【0038】
 本発明に係わるエポキシ樹脂組成物においては、硬化促進剤を供用しても良く、例えば2,4,6−トリ(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン、DBU等の第3級アミン類、2−メチル−4−エチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類が挙げられる。
【0039】
 エポキシ樹脂に対する、式(1)で示されるトリス(1,3−オキサチオラン−2−チオン−5−イルメチル)イソシアヌレート又は式(2)で示されるトリチオールイソシアヌレート化合物の配合量は、特に制限されるものではないがエポキシ樹脂に対して1部から100重量部が挙げられる。好ましくは5部から50部の添加が好ましい。更に好ましくは5部から30部の添加が好ましい。
【0040】
 得られたエポキシ樹脂(A)に対する硬化剤(B)の配合量は、エポキシ基の種類、その他の添加剤の種類や配合量、得られるエポキシ樹脂硬化物の用途、硬化化条件(目的とする硬化化時間、硬化化温度等)等に合わせて適宜選択すればよい。
【0041】
 なお、一般的にエポキシ樹脂(A)に対して、硬化剤(B)としてポリアミン類を用いる場合、エポキシ樹脂(A)中のエポキシ基とポリアミン類中のアミン基との当量比[エポキシ基/アミン基]で、0.5〜2、好ましくは0.7〜1.2とするのがよい。
【0042】
 本発明のエポキシ樹脂組成物は、必要に応じて従来からエポキシ樹脂に用いられている反応性希釈剤、非反応性希釈剤、可塑剤を併用しても良い。
【0043】
 本発明のエポキシ樹脂組成物は、必要に応じて従来からエポキシ樹脂用溶剤として用いられる有機溶剤を併用しても良い。
【0044】
 本発明のエポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、防錆顔料、着色顔料等の各種フィラーや各種添加剤等を配合することができる。
【0045】
 本発明のエポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、添加剤を配合することができる。添加剤としては、たとえばハジキ防止剤、ダレ止め剤、消泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が挙げられる。
【0046】
 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるべきものではない。
【実施例】
【0047】
 実施例1
 ビスフェノールAジグリシジルエーテル220gにトリス(1,3−オキサチオラン−2−チオン−5−イルメチル)イソシアヌレート22gを160℃で加えて撹拌して透明なエポキシ樹脂(A)を得た。
【0048】
 得られた樹脂の粘度は10,000mPa・s(40℃)、2,800mPa・s(50℃)、900mPa・s(60℃)であった。
【0049】
 得られた樹脂110部に対して、硬化剤(B)としてジエチレントリアミン12.5部を加えてゲル化時間を測定した。ゲル化時間は185秒(90℃)、108秒(100℃)であった。
【0050】
 得られた樹脂110部に対して、硬化剤(B)としてイソホロンジアミン25部を加えてゲル化時間を測定した。ゲル化時間は395秒(90℃)、265秒(100℃)、195秒(110℃)であった。
【0051】
 実施例2
 ビスフェノールAジグリシジルエーテル230gにトリス(1,3−オキサチオラン−2−チオン−5−イルメチル)イソシアヌレート46gを170℃で加えて撹拌して透明なエポキシ樹脂(A)を得た。
【0052】
 得られた樹脂の粘度は13,700mPa・s(50℃)、3,500mPa・s(60℃)、600mPa・s(70℃)であった。
【0053】
 得られた樹脂120部に対して、硬化剤(B)としてイソホロンジアミン25部を加えてゲル化時間を測定した。ゲル化時間は345秒(80℃)、265秒(90℃)、202秒(100℃)、143秒(110℃)であった。
【0054】
 実施例3
 ビスフェノールFジグリシジルエーテル220gにトリス(1,3−オキサチオラン−2−チオン−5−イルメチル)イソシアヌレート22gを160℃で加えて撹拌した。透明なエポキシ樹脂(A)を得た。
【0055】
 得られた樹脂の粘度は6,400mPa・s(25℃)、2,800mPa・s(30℃)、700mPa・s(40℃)であった。
【0056】
 得られた樹脂110部に対して、硬化剤(B)としてジエチレントリアミン12.5部を加えてゲル化時間を測定した。ゲル化時間は450秒(60℃)、250秒(70℃)、155秒(80℃)、105秒(90℃)であった。
【0057】
 得られた樹脂110部に対して、硬化剤(B)としてイソホロンジアミン25部を加えてゲル化時間を測定した。ゲル化時間は615秒(80℃)、410秒(90℃)、285秒(100℃)、200秒(110℃)であった。
【0058】
 実施例4
 ビスフェノールFジグリシジルエーテル230gにトリス(1,3−オキサチオラン−2−チオン−5−イルメチル)イソシアヌレート46gを170℃で加えて撹拌して透明なエポキシ樹脂(A)を得た。
【0059】
 得られた樹脂の粘度は9,300mPa・s(40℃)、2,200mPa・s(50℃)、800mPa・s(60℃)であった。
【0060】
 得られた樹脂120部に対して、硬化剤(B)としてイソホロンジアミン25部を加えてゲル化時間を測定した。ゲル化時間は345秒(80℃)、260秒(90℃)、190秒(100℃)であった。
【0061】
 実施例5
 トリスグリシジルイソシアヌレート20gにトリス(1,3−オキサチオラン−2−チオン−5−イルメチル)イソシアヌレート2gを160℃で加えて撹拌して透明なエポキシ樹脂(A)を得た。
【0062】
 得られた樹脂のエポキシ価は111g/eq.であった。
【0063】
 得られた樹脂110部に対して、硬化剤(B)としてジエチレントリアミン21部を加えてゲル化時間を測定した。ゲル化時間は215秒(60℃)、150秒(70℃)、75秒(80℃)であった。
【0064】
 実施例6
 ビスフェノールAジグリシジルエーテル220gにトリス(1,3−オキサチオラン−2−チオン−5−イルメチル)イソシアヌレートのメチルアミン3付加物22gを100℃で加えて撹拌して透明なエポキシ樹脂(A)を得た。
【0065】
 得られた樹脂の粘度は14,400mPa・s(40℃)、4,000mPa・s(50℃)、1,300mPa・s(60℃)であった。
【0066】
 得られた樹脂110部に対して、硬化剤(B)としてジエチレントリアミン12.5部を加えてゲル化時間を測定した。ゲル化時間は410秒(90℃)、265秒(100℃)、155秒(110℃)であった。
【0067】
 得られた樹脂110部に対して、硬化剤(B)としてイソホロンジアミン25部を加えてゲル化時間を測定した。ゲル化時間は410秒(90℃)、275秒(100℃)、215秒(110℃)であった。
【0068】
 比較例1
 ビスフェノールAジグリシジルエーテル100部に対してジエチレントリアミン12.5部を加えてゲル化時間を測定した。ゲル化時間は295秒(90℃)、193秒(100℃)であった。
【0069】
 得られた樹脂100部に対してイソホロンジアミン25部を加えてゲル化時間を測定した。ゲル化時間は845秒(90℃)、610秒(100℃)、410秒(110℃)であった。
【0070】
 比較例2
 ビスフェノールFジグリシジルエーテル100部に対してジエチレントリアミン12.5部を加えてゲル化時間を測定した。
ゲル化時間は430秒(80℃)、300秒(90℃)、165秒(100℃)であった。
【0071】
 得られた樹脂100部に対してイソホロンジアミン25部を加えてゲル化時間を測定した。ゲル化時間は360秒(120℃)、240秒(130℃)、170秒(140℃)であった。
【0072】
 比較例3
 トリスグリシジルイソシアヌレート100部に対してジエチレントリアミン21部を加えてゲル化時間を測定した。
ゲル化時間は235秒(60℃)、185秒(70℃)、105秒(80℃)であった。
【0073】
 評価例1
 [動的粘弾性及び引っ張りせん断接着性測定]
 動的粘弾性測定はEXSTAR DMS6100(セイコーインスツルメンツ株式会社製)を用いてJIS K7244−5に準拠して行った。昇温速度4℃/min、周波数1Hz、測定温度23〜300℃、窒素気流下、曲げモードで測定した。試験片はビスフェノールAジグリシジルエーテル(100部)と評価添加物(ブランク含む)との混合で得たエポキシ樹脂(A)へ硬化剤(B)としてイソホロンジアミン(24部)を加えることにより、80℃で4時間、その後150℃で1時間にて加熱硬化して作成した20mm×10mm×3mmのものを用いた。
【0074】
 引っ張りせん断接着性測定はINSTRON 5582(インストロン コーポレーション社製)を用いてJIS K6852に準拠して行った。
【0075】
 試験速度1mm/min、チャック間距離115mm、基材には厚み1.5mmの鋼板を用いて♯240研磨後溶剤脱脂したものを用いた。接着は1〜2kgfで圧着後80℃で4時間、その後150℃で1時間にて加熱硬化して行った。結果を表1に示した。
【0076】
【表1】



【0077】
 実施例7〜18及び比較例4〜7
 [組成物の調製]
 エポキシ樹脂(A)として、予め調整しておいたビスフェノールAジグリシジルエーテルと、トリス(1,3−オキサチオラン−2−チオン−5−イルメチル)イソシアヌレート溶液又はトリス(1,3−オキサチオラン−2−チオン−5−イルメチル)イソシアヌレートのメチルアミン3付加物溶液とに、硬化剤(B)としてイソホロンジアミン又は4,4′−ジアミノジフェニルアミンとを4つ口反応フラスコに入れ、80〜100℃に加熱し、十分脱気して、表2〜5にある配合組成を有する透明なエポキシ樹脂組成物を得た。
【0078】
 評価例2
 前記[組成物の調製]で調製した透明なエポキシ樹脂組成物を評価した。
【0079】
 [試料の調製]
  注型板の調製
 シリコーン系離型剤をコーティングした2枚のガラス板でシリコーンゴムをスペーサーとして挟んだ注型器具に、前記[組成物の調製]で調製した透明なエポキシ樹脂組成物を流し込んだ。
【0080】
 次にこの注型器具ごとオーブン中で、所定硬化条件で硬化させた。
【0081】
  引張剪断接着強度測定試験片の調製
 JIS K6850に従い、所定寸法の冷間圧延鋼鈑(SPCC)もしくはアルミニウム板をアセトン溶媒で脱脂後、接着面を#240の耐水研磨紙にて研磨し、前記[組成物の調製]で調製した透明なエポキシ樹脂組成物を塗り、圧着後、所定硬化条件のオーブン中で硬化させた。
【0082】
  T型剥離試験測定試験片の調製
 JIS K6854に従い、所定寸法、形状の冷間圧延鋼鈑(SPCC)をアセトン溶媒で脱脂後、接着面を#240の耐水研磨紙にて研磨し、前記[組成物の調製]で調製した透明なエポキシ樹脂組成物を塗り、圧着後、所定硬化条件のオーブン中で硬化させた。
【0083】
  引離し強さ測定試験片の調製
 JIS C6481に従い、厚さ70μmの電解銅箔を用い、前記[組成物の調製]で調製した透明なエポキシ樹脂組成物を塗り、圧着後、所定硬化条件のオーブン中で硬化させ、試験片を調製した。
【0084】
  電気物性試験用試験片の調製
 体積固有抵抗:JIS K6911に準拠し、厚さ7μm、50mmφの錫箔を主電極として硬化物にワセリンを用い、貼り付け試験片とした。
【0085】
 誘電特性:JIS K6911に準拠し、78mmφの主電極を銀ペーストを用いて、調製し、試験片とした。
【0086】
 [硬化物性の測定]
  熱機械分析(TMA)
 (株)マックサイエンス社製TMA−4000 を用い、ペネトレーション法にて昇温速度10℃/minで硬化物のTg及びTg前後の線膨張係数(α)を測定した。
【0087】
  動的粘弾性(DMS)の測定
 セイコー電子工業(株)製DMS−110を用い、曲げモードにて昇温速度2℃/min、1Hzで動的粘弾性を測定した。
【0088】
  曲げ特性の測定
 JIS K7203に準拠し、(株)エー・アンド・デイ製TENSIRON RTC−1310Aを用い、支点間距離50mm、クロスヘッドスピード2mm/minで曲げ弾性率及び曲げ強度を測定した。
【0089】
  引張り剪断接着強度の測定
 JIS K6850に準拠し、(株)エー・アンド・デイ製TENSIRON RTC−1310Aを用い、チャック間距離115mm、クロスヘッドスピード1mm/minで行い、破断までの最大荷重を測定した。
【0090】
  T型剥離試験
 JIS K6854に準拠し、(株)エー・アンド・デイ製TENSIRON RTC−1310Aを用い、クロスヘッドスピード50mm/minで行い、剥離時の最大荷重をT型剥離強度とした。
【0091】
  引離し強さの測定
 JIS C6481に従い、(株)エー・アンド・デイ製TENSIRON RTC−1310Aを用い、クロスヘッドスピード50mm/minで行い、剥離時の最大荷重を引き離し強さとした。
【0092】
  体積固有抵抗(ρv)の測定
 JIS K6911に準拠し、23℃、100℃、150℃のρvを印加電圧500Vで測定した。
【0093】
  誘電特性の測定
 JIS K6911に準拠し、23℃、100℃の誘電率、誘電正接(tanδ)を周波数60Hz、1MHzで測定した。
【0094】
  煮沸吸水率の測定
 JIS K7209に準拠し、50mm四方、厚み3mmに切削した注型板を50℃恒温槽で24時間乾燥後、煮沸水に浸漬させ、所定時間後取出し、23℃水中で15分冷却後、取り出し、表面の水分を十分拭き取ってから重量(M)を測定し、測定前の乾燥重量(M)とから以下式で煮沸吸水率(A)を算出した。
【0095】
  A=(M−M)/M×100(%)
 以上、その結果は、透明なエポキシ樹脂の配合組成と共に、以下表2〜5に示す。
【0096】
【表2】



【0097】
【表3】



【0098】
【表4】



【0099】
【表5】



【0100】
 イソホロンジアミンを硬化剤(B)として使用した場合のトリス(1,3−オキサチオラン−2−チオン−5−イルメチル)イソシアヌレート及びトリス(1,3−オキサチオラン−2−チオン−5−イルメチル)イソシアヌレートのメチルアミン3付加物の硬化物性に与える効果について実施例をもとに説明する。これら添加剤を加えなかった比較例4と比べると実施例7〜10に示される様に機械物性を損なうことなく、引張り剪断接着強度がおよそ70%向上することがわかる。特にトリス(1,3−オキサチオラン−2−チオン−5−イルメチル)イソシアヌレートを添加した場合は耐熱性(Tg)を低下させることなく、引張り剪断接着強度の向上が認められた。
【0101】
 次に4,4′−ジアミノジフェニルメタン(DDM)を硬化剤(B)として使用した場合について説明する。比較例5〜7はトリス(1,3−オキサチオラン−2−チオン−5−イルメチル)イソシアヌレートを加えなかった場合の硬化物性である。これに対し実施例11〜14はトリス(1,3−オキサチオラン−2−チオン−5−イルメチル)イソシアヌレートをビスフェノールAジグリシジルエーテルに対し10%加えた場合であり、実施例15〜18は20%加えた場合である。いずれの場合もTgもしくは機械物性及び電気物性、吸水性を大きく損なうことなく、鉄、アルミニウムあるいは銅に対する引張り剪断接着強度や剥離強度が大幅に向上することがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)
【化1】



で示されるトリス(1,3−オキサチオラン−2−チオン−5−イルメチル)イソシアヌレート及び式(2)
【化2】



(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、該アルキル基は、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数の2〜8のジアルキルアミノ基、及び芳香族炭化水素基からなる群から選ばれた異種又は同種の1個以上の置換基により任意に置換されていても良い。)で示されるトリチオールイソシアヌレート化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物とエポキシ樹脂とを混合したエポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)とを含有するエポキシ樹脂組成物。
【請求項2】
硬化剤(B)がポリアミン類である請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。

【公開番号】特開2004−107656(P2004−107656A)
【公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−300971(P2003−300971)
【出願日】平成15年8月26日(2003.8.26)
【出願人】(000003986)日産化学工業株式会社 (510)
【Fターム(参考)】