説明

エポチロン誘導体

【課題】微小管の安定化剤であって、癌または異常増殖疾患の処置に有用な化合物の提供。
【解決手段】式V:


[式中、Qはエポキシ基、ヒドロキシル基等で置換されてもよい飽和または不飽和の炭素数2の結合基であり;Gはアルキル、アリール、ヘテロシクロ等であり;WはOまたはNRであり;XはOまたはHであり;YはO等であり;Z,ZはCH2、O等であり;B,BはOR、OCOR等であり;R〜Rはアルキル、アリール、ヘテロシクロ等である]で示される化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエポチロン(epothilone)誘導体、該誘導体の製造法およびその中間体に関する。
【背景技術】
【0002】
エポチロンは、医薬分野での有用性が見つかったマクロライド化合物である。たとえば、式:
【化1】

で示されるエポチロンAおよびBは、タキソル(TAXOL)に似た微小管の安定化効果を発揮し、このため急速に増殖する細胞(たとえば腫瘍細胞)あるいは他の過剰増殖細胞疾患に対して細胞毒活性を及ぼすことが認められている(非特許文献1)
【0003】
【非特許文献1】Angew. Chem. Int. Ed. Engl.」(35、No.13/14、1996年)
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、下記式Vの化合物、およびその塩、溶媒化合物または水和物に関係する。
【化2】

[式中、Qは
【化3】

からなる群から選ばれる;
Gはアルキル、置換アルキル、置換または非置換アリール、ヘテロシクロ、
【化4】

からなる群から選ばれ;
WはOまたはNR15
XはOまたはH,H;
YはO;H,OR16,OR17,OR17;NOR18;H,NOR19;H,NR2021;H,H;またはCHR22からなる群から選ばれ、OR17,OR17は環式ケタールとなりうる;
およびZはCH、O、NR23、SまたはSOからなる群から選ばれ、ここで、ZとZの1つのみがヘテロ原子となりうる;
およびBはOR24、OCOR25またはOCNR2627からなる群から選ばれ、BがHでYがOH,Hのとき、それらは6員環ケタールまたはアセタールを形成しうる;
DはNR2829、NR30COR31または飽和複素環からなる群から選ばれ;
,R,R,R,R,R,R,R13,R14,R18,R19,R20,R21,R22,R26およびR27はH、アルキル、置換アルキルまたはアリールからなる群から選ばれ、RとRがアルキルのとき、共に合してシクロアルキルを形成でき、またRとRがアルキルのとき、共に合してシクロアルキルを形成でき;
,R10,R16,R17,R24,R25およびR31はH、アルキルまたは置換アルキルからなる群から選ばれ;
,R11,R12,R28,R30,R32,R33およびR30はH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロからなる群から選ばれ;
15,R23およびR29はH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロ、R32C=O、R33SO、ヒドロキシ、O−アルキルまたはO−置換アルキルからなる群から選ばれる]
但し、本発明は式Vにおいて、
WおよびXが共にO;および
,R,RがH;および
,R,Rがメチル;および
がHまたはメチル;および
およびZがCH;および
Gが1−メチル−2−(置換−4−チアゾリル)エテニル;
Qは前記と同意義
である化合物を包含しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本発明を説明するのに用いる各種語句の定義を、以下に列挙する。これらの定義は、特別な場合に他の特に限定がない限り、本明細書を通じて個別的にまたは大なる基の一部として用いる語句に適用される。
【0006】
語句“アルキル”とは、炭素数1〜20、好ましくは1〜7の直鎖または分枝鎖の非置換炭化水素基を指称する。語句“低級アルキル”とは、炭素数1〜4の非置換アルキル基を指称する。
【0007】
語句“置換アルキル”とは、たとえば1〜4個の置換基で置換されたアルキル基を指称し、置換基としては、たとえばハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロオキシ、オキソ、アルカノイル、アリールオキシ、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリルアミノ、アラルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアミノ、ジ置換アミン(ここで、2つのアミノ置換基はアルキル、アリールまたはアラルキルから選ばれる)、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、置換アルカノイルアミノ、置換アリールアミノ、置換アラルカノイルアミノ、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、アラルキルチオ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクロチオ、アルキルチオノ、アリールチオノ、アラルキルチオノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、スルホンアミド(たとえばSONH)、置換スルホンアミド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバミル(たとえばCONH)、置換カルバミル(たとえばCONH・アルキル、CONH・アリール、CONH・アラルキルまたは窒素上にアルキル、アリールまたはアラルキルから選ばれる2個の置換基が存在する場合)、アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、グアニジノおよびヘテロシクロ、たとえばインドリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジル、ピリジル、ピリミジル等が挙げられる。この場合、置換基がさらに置換されているときの置換基は、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アリールまたはアラルキルである。
語句“ハロゲン”または“ハロ”とは、フッ素、塩素、臭素および沃素を指称する。
【0008】
語句“アリール”とは、環部の炭素数6〜12のモノ環式またはジ環式芳香族炭化水素基を指称し、たとえばフェニル、ナフチル、ビフェニルおよびジフェニル基が挙げられ、これらのそれぞれは置換されていてよい。
語句“アラルキル”とは、アルキル基に直接アリール基が結合したもの、たとえばベンジルを指称する。
【0009】
語句“置換アリール”とは、たとえば1〜4個の置換基で置換されたアリール基を指称し、置換基としては、たとえばアルキル、置換アルキル、ハロ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロオキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アラルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアミノ、ジアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、チオール、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクロチオ、ウレイド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルバミル、アルコキシカルボニル、アルキルチオノ、アリールチオノ、アルキルスルホニル、スルホンアミド、アリールオキシ等が挙げられる。置換基はさらに、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、アリール、置換アリール、置換アルキルまたはアラルキルで置換されていてもよい。
【0010】
語句“シクロアルキル”とは、好ましくは1〜3個の環を有しかつ環1個当りの炭素数3〜7の、必要に応じて置換された飽和環式炭化水素基を指称し、さらに不飽和のC3−C7炭素環式環と縮合していてもよい。かかる基の具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロデシル、シクロドデシル、およびアダマンチルが挙げられる。具体的な置換基としては、上述のアルキル基の1つ以上、またはアルキル置換基として上述の基の1つ以上が包含される。
【0011】
語句“複素環”、“ヘテロ環式基”および“ヘテロシクロ”とは、たとえば4〜7員モノ環式環基、7〜11員ジ環式環基、または10〜15員トリ環式環基である、必要に応じて置換された完全飽和または不飽和の芳香族または非芳香族環式環基を指称し、少なくとも1個の炭素原子含有環に少なくとも1つのヘテロ原子を有する。ヘテロ原子を含有するヘテロ環式基の各環は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる1、2または3個のヘテロ原子を有することができ、この場合、窒素および硫黄原子は必要に応じて酸化されてよく、また窒素原子も必要に応じて第4級化されていてもよい。ヘテロ環式基は、へテロ原子または炭素原子のいずれかで結合しうる。
【0012】
モノ環式ヘテロ環式基の具体例としては、ピロリジニル、ピロリル、インドリル、ピラゾリル、オキセタニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソキサゾリニル、イソキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、フリル、テトラヒドロフリル、チエニル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキサゼピニル、アゼピニル、4−ピペリドニル、ピリジル、N−オキソ−ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロチオピラニル・スルホン、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリニル・スルホキシド、チオモルホリニル・スルホン、1,3−ジオキソランおよびテトラヒドロ−1,1−ジオキソチエニル、ジオキサニル、イソチアゾリジニル、チエタニル、チイラニル、トリアジニル、トリアゾリル等が挙げられる。
【0013】
ジ環式ヘテロ環式基の具体例としては、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチエニル、キヌクリジニル、キノリニル、キノリニル−N−オキシド、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフリル、クロモニル、クマリニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニル(たとえばフロ[2,3−c]ピリジニル、フロ[3,1−b]ピリジニル、またはフロ[2,3−b]ピリジニル)、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロキナゾリニル(たとえば3,4−ジヒドロ−4−オキソキナゾリニル)、ベンズイソチアゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾジアジニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズピラゾリル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニル・スルホン、ジヒドロベンゾピラニル、インドリニル、イソクロマニル、イソインドリニル、ナフチリジニル、フタルアジニル、ヒペロニル、プリニル、ピリドピリジル、キナゾリニル、テトラヒドロキノリニル、チエノフリル、チエノピリジル、チエノチエニル等が挙げられる。
【0014】
具体的な置換基としては、上述のアルキル基の1つ以上、またはアルキル置換基として上述の基の1つ以上が包含される。また小さなヘテロシクロ、たとえばエポキシドやアジリジンも含まれる。
【0015】
語句“ヘテロ原子”は、酸素、硫黄および窒素を包含する。
【0016】
式Vの化合物は、ナトリウム、カリウムおよびリチウムなどのアルカリ金属;カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属;ジシクロヘキシルアミン、トリブチルアミン、ピリジンなどの有機塩基;およびアルギニン、リシンなどのアミノ酸と共に塩を形成しうる。かかる塩はたとえば、カルボン酸を含有する場合、該塩が析出する媒体中または水性媒体中で、式Vの化合物のカルボン酸プロトンを所定のイオンと交換した後、蒸発を行うことによって得ることができる。他の塩については、当業者にとって公知の如く形成することができる。
【0017】
式Vの化合物は、種々の有機および無機酸と共に塩を形成する。かかる塩としては、塩化水素、臭化水素、メタンスルホン酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸およびその他(たとえばニトレート、ホスフェート、ボレート、タートレート、シトレート、スクシネート、ベンゾエート、アスコルベート、サリチレート等)によって形成されるものが包含される。かかる塩は、該塩が析出する媒体中または水性媒体中で、式Vの化合物を当量の酸と反応させた後、蒸発を行うことによって形成される。
【0018】
さらに、両性イオン(“内部塩”)も形成される。
【0019】
また式Vの化合物は、プロドラッグの形状であってもよい。インビボで変換して生活性作用物質(すなわち、式Vの化合物)を付与しうる化合物はいずれも、本発明の技術的範囲および精神に属するプロドラッグである。
たとえば、式Vの化合物はカルボキシレート・エステル成分を形成しうる。カルボキシレート・エステルは、開示の環構造に見られるカルボン酸官能基のいずれかをエステル化することによって、便宜的に形成される。
【0020】
種々のプロドラッグ形状は、当該分野で周知である。かかるプロドラッグ誘導体の具体例については、下記文献を参照:
a)H. Bundgaard 編「 Design of Prodrugs 」(Elsevier、1985年)および K. Widder ら編、「Methods in Enzymology」(Vol. 42、p. 309−396、Acamedic Press 、1985年);
b)Krosgaard Larsen および H. Bundgaard 編「A Textbook of Drug Design and Development 」(チャプター5、p.113−191、1991年),H. Bundgaard , “プロドラッグの設計と応用”;
c)H. Bundgaard の「Advanced Drug Delivery Reviews 」(、1−38、1992年);
d)H. Bundgaard らの「Journal of Pharmaceutical Sciences 」(77、285、1988年);および
e)N. Kakeya らの「Chem. Phar. Bull.」(32、692、1984年)。
さらに理解すべき点は、式Vの化合物の溶媒化合物(たとえば水和物)も本発明の技術的範囲に属することである。溶媒和の方法は概して、当該分野で公知である。
【0021】
用途および有用性
式Vの化合物は、微小管の安定化剤である。従って、かかる化合物は種々の癌または他の異常増殖疾患の処置に有用で、該疾患としては、これらに限定されるものでないが、下記のものが列挙される:
膀胱、乳房、結腸、腎臓、肝臓、肺、卵巣、膵臓、胃、頸部、甲状腺および皮膚のそれを含む癌腫、および鱗状細胞癌腫を包含;
白血病、急性リンパ球白血病、急性リンパ芽球白血病、B−細胞リンパ腫、T−細胞リンパ腫、ホジキンス(Hodgkins)リンパ腫、非ホジキンスリンパ腫、毛細胞リンパ腫およびバーケット(Burketts)リンパ腫を含むリンパ様系統(lineage)の造血腫瘍;
急性および慢性骨髄性白血病および前骨髄球白血病を含む骨髄系の造血腫瘍;
線維肉腫および横紋筋腫を含む間葉起点の腫瘍;
黒色腫、精上皮腫、奇形癌、神経芽腫および神経膠腫を含む他の腫瘍;
星状細胞腫、神経芽腫、神経膠腫および神経線維腫を含む中枢および末梢神経系の腫瘍;
線維肉腫、横紋筋腫および骨肉腫を含む間葉起点の腫瘍;および
黒色腫、色素性皮膚異質、角化棘細胞腫、精上皮腫、甲状腺小胞癌および奇形癌を含む他の腫瘍。
【0022】
また式Vの化合物は、腫瘍血管形成を抑制することにより、異常細胞増殖に影響を及ぼす。また、このような式Vの化合物の抗血管形成特性は、網膜血管新生に関連する一定形態の盲目症、関節炎、特に炎症性関節炎、多発性硬化症、再狭窄および乾癬の処置にも使用しうる。
【0023】
式Vの化合物は、正常な発育および止血に危険な、細胞消滅、生理的細胞死プロセスを誘発または抑制しうる。細胞消滅経路の変質は、種々のヒト疾病の病因となる。式Vの化合物は、細胞消滅のモジュレータとして、細胞消滅に異常のある種々のヒト疾病の処置に有用であり、かかるヒト疾病としては、癌(特に、これらに限定されるものでないが、小胞リンパ腫、p53変異を持つ癌腫、乳房,前立腺および卵巣のホルモン依存性腫瘍、および家族性腺腫ポリープ症)、ウイルス感染(これらに限定されるものでないが、ヘルペスウイルス、ポックスウイルス、Epstein−Barrウイルス、Sindbisウイルスおよびアデノウイルスを包含)、自己免疫疾患(これらに限定されるものではないが、全身性紅斑性狼瘡、免疫仲介糸球体腎炎、慢性関節リウマチ、乾癬、炎症性腸疾患および自己免疫真性糖尿病を包含)、神経変性障害(これらに限定されるものでないが、アルツハイマー病、AIDS関連痴呆、パーキンソン病、筋萎縮側索硬化症、色素性網膜炎、脊髄筋萎縮および小脳変性を包含)、AIDS、脊髄形成異常症候群、形成不全貧血、虚血性損傷−関連心筋梗塞、発作および再潅流損傷、不整脈、アテローム性硬化症、毒素誘発またはアルコール誘発肝臓疾患、血液疾患(これらに限定されるものでないが、慢性貧血および形成不全貧血を包含)、筋骨格系の変性疾患(これらに限定されるものでないが、骨粗しょう症および関節炎を包含)、アスピリン感受性副鼻腔炎、のう胞性線維症、多発性硬化症、腎臓疾患および癌痛が挙げられる。
【0024】
また本発明化合物は、公知の抗癌剤および細胞毒性薬や放射線療法と組合せて使用することができる。固定用量で調合する場合、上記組合せ製剤において、下記用量範囲内の本発明化合物と、その承認用量範囲内の他の医療活性作用物質を使用する。また組合せ調合が不適切なときは、式Vの化合物と公知の抗癌または細胞毒性薬や放射線療法を連続的に使用することができる。特に細胞毒薬物との組合せが有用で、ここで、下記に示す選択した第2薬物は、細胞周期の異なる時期、たとえばS期において、G2−M期で効果を発揮する本発明化合物Vよりも作用する。
チミジル酸シンターゼ・インヒビター
DNA架橋剤
トポイソメラーゼIおよびIIインヒビター
DNAアルキル化剤
リボヌクレオシド還元酵素インヒビター
細胞毒因子、たとえばTNF−アルファ
成長因子インヒビター、たとえばHER2レセプタMABs’
【0025】
本発明化合物は、種々の光学異性体、幾何異性体および立体異性体として存在しうる。かかる異性体およびその混合物の全ては、本発明の中に含まれる。
【0026】
本発明化合物は、経口、静脈内または皮下投与の場合、製薬用ビヒクルまたは希釈剤と一緒に調合(配合)することができる。医薬組成物は、固体または液体ビヒクル、希釈剤および所望の投与方法に適する添加成分を用い、従来法で調合することができる。かかる調合物は、錠剤、カプセル剤、粒剤、粉剤等の剤形で経口投与することができる。本発明化合物は、約0.05〜200mg/kg/日、好ましくは100mg/kg/日以下の用量範囲で、1回用量または2〜4回の分割用量にて投与される。
【0027】
好ましい化合物
式Vの特に好ましい化合物は、
Qが
【化5】

XがO
YがO
およびZがCHおよび
WがNR15
の化合物である。
製造法:
式Vの化合物は、以下に示す反応式に従って製造される。
【0028】
反応式1
【化6】

ここで、R,R,R,R,RおよびR15は前記と同意義、およびPは酸素保護基である。
【0029】
式Vにおいて、WがNR15およびXがOの化合物は、反応式1の記載に準じて製造することができる。式XIIの化合物(ここで、Pは酸素保護基、たとえばt−ブチルジメチルシリル)は、式VIの化合物から、公知の方法で製造することができる[Nicolau K.C.らの「Angew.Chem.Int.Ed.Engl.」(36、166−168、1997年)]。式XIIの化合物と式XIVの化合物のアルドール反応により、式XIIIの化合物が得られる。式XIVの化合物は、公知の方法によって製造することができる[Schinzer D.らの「Eur.Chem.Chron.」(、7−10、1996年)]。式XVIIIのアルデヒドは、式XVの化合物から、反応式1の記載に準じまたは公知の方法を用いて製造することができる[Taylor R.E.らの「Tetrahedron Lett.」(38、2061−2064、1997年)]。式XIXの化合物は、化合物XVIIIから、p−トルエンスルホン酸触媒などの脱水条件を用いてアミンによる処理、次いで水の共沸除去によって製造することができる。式XXの化合物は、式XIXの化合物から、アリルマグネシウムブロミドなどのアリル化試薬による処理で製造することができる。式XXIの化合物は、式XIIIおよびXXの化合物から、標準アミド結合カップリング剤(すなわち、DCC、BOP、EDC/HOBT、PyBrOP)により製造することができる。式XXIIの化合物は、式XXIの化合物から、Grubbs触媒[RuCl(=CHPh)(PCY;Grubbs R.H.らの「Angew.Chem.Int.Ed.Engl.」(34、2039、1995年)]または
Schrock触媒[Schrock R.R.らの「J.Am.Chem.Soc.」(112、3875、1990年)]のいずれかを用い、閉環複分解によって製造することができる。式XXIの化合物において、たとえばPがt−ブチルジメチルシリル基のとき、フッ化水素/アセトニトリル、またはテトラn−ブチルアンモニウム・フルオライド/THFを用いて該化合物XXIを脱保護することにより、Qがエチレン基、WがNR15、XがOおよびR,R,R,Rが前記同意義である式Vの化合物が得られる。
Qがエチレン基である式Vの化合物について、ジメチルジオキシランを用いて部分選択的エポキシ化を行い、Qがオキシラン基、WがNR15、XがO、およびR,R,R,R15が前記と同意義である式Vの化合物を得る。
【0030】
反応式2
【化7】

別法として、反応式2に示されるように、式VIIIの化合物は、以下の手順で製造することができる。すなわち式XXIIIの化合物をマグネシウムおよび酸クロリド(RCHCOCl)と反応させて、式XXIVの化合物を得た後[たとえば、Heathcock C.らの「J.Org.Chem.」(55、1114−1117、1990年)参照]、オゾン分解を行い、式VIIIの化合物を得る。
【0031】
反応式3
【化8】

別法として、式XIVの化合物は、反応式3に示されるようにして製造することかできる。式XXVの化合物とプソイドエフェドリンの反応により、式XXVIの化合物を得る。式XXVIIの化合物は、式XXVIの化合物から、Meyersの方法に従って、5−ブロモペンテンなどのペンテニルハライドによるアルキル化によって製造することができる[Meyers A.らの「J.Am.Chem.Soc.」(116、9361−9362、1994年)]。式XXVIIIの化合物は、式XXVIIの化合物から、ホウ水素化ピロリジニル・リチウムなどの還元剤を用いて製造することができる。式XXVIIIの化合物について、たとえばピリジニウム・クロロクロメートを用いて酸化を行い、式XIVの化合物を得る。式XXVIIの化合物の式XIVの化合物への直接の変換は、トリエトキシ・リチウム−水素化アルミニウムなどの還元剤の使用によって行うことができる。
【0032】
反応式4
【化9】

別法として、式XXの化合物は、反応式4に示されるように、アリルグリシンから製造することができる。アリルグリシンを当該分野で公知の方法でN−保護することにより、式XXIXの化合物(ここで、Pはt−ブチルオキシカルボニルなどのN−保護基)を得ることができる。必要に応じて、R29が水素でない場合、式XXIXの化合物から、水素化ナトリウムなどの塩基の存在下アルキルハライドによるアルキル化によって、式XXXの化合物を製造することができる。式XXXIの化合物は、式XXXの化合物から、N,O−ジメチルヒドロキシルアミンおよび標準カップリング剤(たとえばEDCIおよびHOBT)を用いて製造することができる。式XXXIIの化合物は、ヒドロキサメートXXXIから、アルキルまたはアリールマグネシウム・ハライドなどの有機金属試薬による処理で製造することができる。式XXXIIの化合物のヴィッティッヒ(Wittig)オレフィン化により、式XXXIIIの化合物を得る[ヴィッティッヒ試薬は、Danishefsky S.E.らの「J.Org.Chem.」(61、7998−7999、1996年)の記載に準じて製造]。当該分野で公知の方法を用いて、式XXXIIIの化合物のN−脱保護を行い、式XXの化合物を得る。
【0033】
反応式5
【化10】

WがNR15、Xが酵素およびGが1,2−ジ置換オレフィンである式Vの化合物は、反応式5に示されるようにして製造することができる。式XXXVの化合物は、式XXXIIの化合物のヴィッティッヒ・オレフィン化によって製造することができる。式XXXIVの化合物は、当該分野で公知の方法によって製造することができる。式XXXVIの化合物は、当該分野で公知の方法を用い、式XXXVの化合物のN−脱保護によって製造することができる。式XXXVIIの化合物は、標準カップリング剤、たとえばEDCIやHOBTを用い、式XXXVIの化合物と式XIIIの化合物のカップリング反応によって製造することができる。式XXXVIIIの化合物は、式XXXVIIの化合物から、式XXIIの化合物の製法の場合の反応式1に記載の方法に従って製造することができる。反応式1に記載の方法(工程oおよびp)を用いて、式XXXVIIIの化合物を、WがNR15、Xが酸素およびGが1,2−ジ置換オレフィンである式Vの化合物に変換することができる。
【0034】
反応式6
【化11】

WとXが共に酸素、およびGが1,2−ジ置換オレフィンである式Vの化合物は、反応式6に示されるようにして製造することができる。式XXXXの化合物は、式XXXIXの化合物から、アリルマグネシウム・ブロミドなどのアリル化剤による処理によって製造することができる。エナンチオマーとして純粋な化合物XXXXは、キラル試薬の使用によって製造することができる[たとえば、Taylor R.E.らの「Tetrahedron Lett.」(38、2061−2064、1997年);Nicolaou K.C.らの「Angew.Chem.Int.Ed.Engl.」(36、166−168、1997年);Keck G.らの「J.Am.Chem.Soc.」(115、8467、1993年)参照]。式XXXXIの化合物は、式XXXXおよびXIIIの化合物から、DCCおよびDMAPなどの標準エステル化法を用いて製造することができる。式XXXXIIの化合物は、式XXXXIの化合物から、式XXIIの化合物の製法の場合の反応式1に記載の閉環オレフィン複分解を介して、製造することができる。WとXが共に酸素、およびGが1,2−ジ置換オレフィンである式Vの化合物は、式XXXIIの化合物から、脱保護(Qがエチレン基の場合)および要すれば上述のエポキシ化(Qがオキシラン基の場合)を行なうことによって、製造することができる。
【0035】
反応式7
【化12】

WとXが共に酸素、およびGがアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、ビシクロアリールまたはビシクロヘテロアリールである式Vの化合物は、反応式7に示されるようにして製造することができる。式XXXXIVの化合物は、Gがアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、ビシクロアリールまたはビシクロヘテロアリールである式XXXXIIIの化合物を、アリルマグネシウム・ブロミドなどのアリル化試薬と反応させて、アリル化を行なうことによって製造することができる。式XXXXVの化合物は、式XXXXIVの化合物から、たとえばDCCやDMAPを用い、式XIIIの化合物によるエステル化を介して製造することができる。式XXXXVIの化合物は、式XXXXVの化合物から、上述の閉環複分解によって製造することができる。反応式1の場合に記載した方法に従って、式XXXXVIの化合物について脱保護、次いでエポキシ化を行ない、式Vの化合物に変換することができる。
【0036】
反応式8
【化13】

WがNR15、Xが酸素、およびGがアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、ビシクロアリールまたはビシクロヘテロアリールである式Vの化合物は、反応式8に示されるようにして製造することができる。式XXXXVIIの化合物は、Gがアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、ビシクロアリールまたはビシクロヘテロアリールである式XXXXIIIの化合物をアミンと、脱水条件下で反応させることによって製造することができる。式XXXXVIIIの化合物は、式XXXXVIIの化合物から、アリルマグネシウム・ハライドなどのアリル化剤による処理で製造することができる。式XXXXIXの化合物は、式XXXXVIIIの化合物および式XIIIの化合物から、たとえばEDCIやHOBTを用い、標準アミド結合カップリング法によって製造することができる。式Lの化合物は、式XXXXIXの化合物から、上述の閉環複分解で製造することができる。式Lの化合物は、反応式1の場合に記載した方法に従い、脱保護、次いでエポキシ化を行なうことにより、式Vの化合物に変換することができる。
【0037】
反応式9
【化14】

Xが酸素、WがNR15、およびGが
【化15】

およびDがNR2829、NR30COR31および飽和複素環(すなわち、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル等)からなる群から選ばれる式Vの化合物は、反応式9に示されるようにして製造することができる。式L1の化合物は、式XXXIIの化合物から、第1または第2アミンおよびホウ水素化トリアセトキシ・ナトリウムなどの還元剤を用い、還元アミノ化によって製造することができる。そして式LIII、LIVおよびVの化合物は、反応式1に記載の方法に従って製造することができる。
【0038】
反応式10
【化16】

別法として、Xが酸素、Wが酸素またはNR15または酸素、およびGが
【化17】

およびDがNR2829、NR30COR31および飽和複素環(すなわち、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル等)からなる群から選ばれる式Vの化合物は、反応式10に示されるように、式Vの化合物から製造することができる。式Vの化合物について、ヒドロキシル基を適当な保護基、たとえばt−ブチルジメチルシリルで保護することにより、式LVの化合物に変換することができる。式LVIの化合物は、式LVの化合物から、オゾン分解で製造することができる。式LVIの化合物をアミンおよびホウ水素化トリアセトキシ・ナトリウムなどの還元剤で処理して、式LVIIの化合物を得る。式LVIIの化合物から、たとえばフッ化水素を用い、保護基の脱離でXが酸素、WがNR15または酸素、およびGが
【化18】

である式Vの化合物を得る。
【0039】
反応式11
【化19】

WがNR15、Xが酸素、およびGが
【化20】

である式Vの化合物は、反応式11の記載に準じて製造することができる。式LVIIIの化合物は、式XXXの化合物から、アミンおよびEDCIやHOBTなどの標準アミド結合カップリング剤による処理で製造することができる。式LXの化合物は、式LVIIIの化合物から、たとえばPがt−ブチルオキシカルボニル基のときはトリフルオロ酢酸を用いてN−脱保護を行った後、EDCIやHOBTなどの標準アミド結合カップリング剤を用いて式LIXおよびXIIIの化合物のカップリングを行なうことにより製造することができる。式LXIの化合物は、式LXの化合物から、閉環複分解で製造することができる。式Vの化合物は、反応式1に記載の方法に従い、式LXIの化合物から製造することができる。
【0040】
反応式12
【化21】

Wが酸素、Xが酸素、およびGが
【化22】

である式Vの化合物は、反応式12の記載に準じて製造することができる。式LXIIの化合物は、アリルグリシンから、亜硝酸による処理で製造することができる。式LXIIIの化合物は、式LXIIの化合物から、アミンおよびEDCIやHOBTなどの標準アミド結合カップリング剤による処理によって製造することができる。式LXIVの化合物は、式LXIIIおよびXIIIの化合物から、EDCIやHOBTなどの標準アミド結合カップリング剤を用いて製造することができる。式LXVの化合物は、式LXIVの化合物から、閉環複分解で製造することができる。式Vの化合物は、反応式1に記載の方法に従って、式LXVの化合物から製造することができる。
【0041】
反応式13
【化23】

Gが1,2−ジ置換エチル基である式Vの化合物は、Gが1,2−ジ置換エチレン基である式Vの化合物から、反応式13に示されるように、パラジウム/炭素などの触媒を用いて水素添加を行なうことによって製造することができる。さらに、Gが1,2−ジ置換シクロプロピル基である式Vの化合物は、Gが1,2−ジ置換エチレン基である式Vの化合物から、反応式4に示されるように、ジヨードメタンおよび亜鉛−銅カップルを用いてシクロプロパン化することにより製造することができる。
【0042】
反応式14
【化24】

が酸素である式Vの化合物は、反応式14に示されるようにして製造することができる。式LXVIIの化合物は、α−ヒドロキシエステルLXVIおよび3−ブテン−1−イル−トリフルオロメタンスルホネート(または3−ブテニルブロミドとシルバー・トリフレートを使用)から、製造することができる。式LXVIIの化合物を水素化ジイソブチルアルミニウムなどの還元剤で還元して、式LXVIIIの化合物を得ることができる。別法として、式LXVIIの化合物から、ホウ水素化リチウムによる還元とピリジニウム・クロロクロメートによる酸化を要する2工程操作により、式LXVIIIの化合物を得ることができる。この式LXVIIIの化合物を、反応式1の式XIVの化合物に代えて用いると、式LXIXの化合物が得られる。化合物LXIXを上記の合成に付し、Zが酵素である式Vの化合物を得る。
【0043】
反応式15
【化25】

同様に、ZがNR23である式Vの化合物は、反応式15に示されるようにして製造することができる。式LXIXの化合物は、α−アミノエステルLXXおよび3−ブテン−1−イル−ブロミドから製造することができる。式LXXIの化合物を水素化ジイソブチルアルミニウムなどの還元剤で還元して、式LXXIIの化合物を得ることができる。別法として、式LXXIの化合物から、ホウ水素化リチウムによる還元およびピリジニウム・クロロクロメートによる酸化を要する2工程操作によって、式LXXIIの化合物を得ることができる。この式LXXIIの化合物を、反応式1の式XIVの化合物に代えて用いると、式LXXIIIの化合物を得ることができる。化合物LXXIIIを上記の合成に付し、ZがNR23である式Vの化合物を得る。
【0044】
反応式16
【化26】

が酸素である式Vの化合物は、反応式16に示されるようにして製造することができる。式LXXVの化合物は、β−ヒドロキシエステルLXXIVおよびアリルブロミド(またはアリルブロミドとシルバー・トリフレートを使用)などのアリル化剤から、製造することができる。式LXXVの化合物を水素化ジイソブチルアルミニウムなどの還元剤で還元して、式LXXVIの化合物を得ることができる。別法として、式LXXVIの化合物は、式LXXVの化合物から、ホウ水素化リチウムによる還元およびピリジニウム・クロロクロメートによる酸化を要する2工程操作によって製造することができる。この式LXXVIの化合物を、反応式1の式XIVの化合物に代えて用い、式LXXVIIの化合物を得ることができる。さらに化合物LXXVIIを上記の合成に付し、Zが酸素である式Vの化合物を得る。
【0045】
反応式17
【化27】

同様に、ZがNR23である式Vの化合物は、反応式17に示されるようにして製造することができる。式LXXIXの化合物は、β−アミノエステルLXXVIIIおよびアリルブロミドなどのアリル化剤から、製造することができる。式LXXIXの化合物を水素化ジイソブチルアルミニウムなどの還元剤で還元して、式LXXXの化合物を得ることができる。別法として、式LXXIXの化合物から、ホウ水素化リチウムによる還元およびピリジニウム・クロロクロメートによる酸化を要する2工程操作で、式LXXXの化合物を得ることができる。この式LXXXの化合物を、反応式1の式XIVの化合物に代えて用い、式LXXXIの化合物を得ることができる。さらに化合物LXXXIを上記の合成に付し、ZがNR23である式Vの化合物を得る。
【0046】
反応式18
【化28】

Wが酸素またはNR15およびYがH,Hである式Vの化合物は、反応式18に示されるようにして製造することができる。式Vの化合物を、t−ブチルジメチルシリルトリフレートなどの試薬で処理することにより、PおよびPがヒドロキシル保護基である式LXXXIIの化合物に変換することができる。式LXXXIIIの化合物は、式LXXXIIの化合物から、ラウェッソン(Lawesson)試薬による処理て製造することができる。式LXXXIVの化合物は、式LXXXIIIの化合物から、Wが酸素のとき水素化トリ−n−ブチルチンなどの還元剤を用い、あるいはWがNR15のときヨウ化メチルおよびホウ水素化ナトリウムで処理することによって製造することができる。式LXXXIVの化合物から、たとえばPおよびPがシリル基のときはフッ化水素を用いて、保護基を脱離することにより、Wが酸素またはNR15およびYがH,Hである式Vの化合物を得る。
【0047】
反応式19
【化29】

WおよびYが酸素、およひRがアルキルまたは置換アルキルである式Vの化合物は、反応式19に示されるようにして製造することができる。式Vの化合物を、t−ブチルジメチルシリル・トリフルオロメタンスルホネートなどの試薬で処理して、保護することによりPおよびPがヒドロキシル保護基である式LXXXVの化合物を得ることができる。式LXXXVIの化合物は、式LXXXVの化合物から、ホウ水素化ナトリウムなどの還元剤で処理して、製造することができる。式LXXXVIIの化合物は、式LXXXVIの化合物から、Pがたとえばp−メトキシベンジルのとき、p−メトキシベンジル・トリクロロアセトイミデートを用いてヒドロキシル基の保護を行なうことによって製造することができる。式LXXXXVIIの化合物の保護基PおよびPを、たとえばPおよびPがt−ブチルジメチルシリル基のときはフッ化水素/ピリジンを用いて脱離を行い、式LXXXXVIIIの化合物を得、次いでたとえばt−ブチルジメチルシリルクロリドを用いて選択的に保護し、Pがt−ブチルジメチルシリル基である式LXXXXIXの化合物を得ることができる。式Cの化合物は、式LXXXXIXの化合物から、リチウム・ジイソプロピルアミドなどの塩基による処理、次いでヨウ化メチルなどのアルキル化剤による処理に付して製造することができる。式Cの化合物を、t−ブチルジメチルシリル・トリフルオロメタンスルホネートなどの試薬で処理して保護することにより、Pがヒドロキシル保護基である式CIの化合物を得ることができる。式CIIの化合物は、式CIの化合物から、たとえばPがp−メトキシベンジル基のときはDDQを用いてP基の脱離によって製造することができる。WおよびYが酸素、およびRがアルキルまたは置換アルキルである式Vの化合物は、式CIIの化合物から、たとえばTPAP/NMOを用いる酸化、次いでたとえばPおよびPがシリル基のときはフッ化水素を用いる保護基の脱離を行って製造することができる。この式Vの化合物をさらに、反応式1に示されるように、ジメチルジオキシランで酸化することにより、式Vの対応するエポキシド化合物を得ることができる。
【0048】
反応式20
【化30】

Xが酸素およびQがオレフィンである式Vの化合物は、反応式20に示されるように、Xが酸素およびQがオキシラン環である式Vの化合物から、反応性メタロセン(metallocen)、たとえばチタノセン、ジルコノセンまたはニオボセンで処理することによって製造することができる[たとえば、R.SchobertおよびU.Hohleinの「Synlett」(465−466、1990年)参照]。
【0049】
反応式21
【化31】

Xが酸素およびWがNR15、R15が水素である式Vの化合物は、反応式21に示されるように、XとWが共に酸素である式Vの化合物から製造することができる。式CIIIの化合物は、XとWが共に酸素である式Vの化合物から、たとえばパラジウム・テトラキストリフェニルホスフィンを用いてpi−アリルパラジウム錯体を形成した後、ナトリウムアジドで処理することによって製造することができる[たとえば、ムラハシらの「J.Org.Chem.」(54、3292、1989年)参照]。その後、式CIIIの化合物をトリフェニルホスフィンなどの還元剤で還元して、式CIVの化合物を得る。Xが酸素およびWがNR15、R15が水素である式Vの化合物は、式CIVの化合物から、たとえばジフェニルホスホリルまたはブロモトリピロリジノホスホニウム・ヘキサフルオロホスフェート(PyBroP)を用いるマクロラクタム化に付して、製造することができる。
【0050】
反応式22
【化32】

Xが酸素およびWがNR15、R15がアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロ、O−アルキル、O−置換アルキルである式Vの化合物は、反応式22に示されるように、XとWが共に酸素である式Vの化合物から製造することができる。式CVの化合物は、XとWが共に酸素である式Vの化合物から、たとえばパラジウム・テトラキストリフェニルホスフィンを用いて、pi−アリルパラジウム錯体を形成した後、第1アミンで処理することにより製造することができる。Xが酸素およびWがNR15、R15がアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロ、OH、O−アルキル、O−置換アルキルである式Vの化合物は、式Vの化合物から、たとえばジフェニルホスホリル・アジドまたはブロモトリピロリジノホスホニウム・ヘキサフルオロホスフェート(PyBroP)を用いてマクロラクタム化を行って製造することができる。R15がOHの場合、R15がO−t−ブチルジメチルシリルである中間体から、t−ブチルジメチルシリルなどの保護基を脱離することが必要である。
【0051】
式Vの化合物の生物学的活性のインビトロ評価は、以下の通りに行った。
インビトロのチューブリン重合(polymerization):
ウィリアムズおよびリーの操作に従って、2サイクル(2X)の子ウシ脳チューブリンを調製し[ウイリアムズ・R.C.Jr.およびリー・J.C.の「Methods in Enzymology」(85、Pt.D:376−385、1982年),“脳からチューブリンの調製”参照]、使用前は液体窒素中で貯蔵する。チューブリン重合効力の定量は、Swindellらの改変操作に従って行なう[Swindell C.S.、Krauss N.E.、Horwitz S.B.およびRingel I.の「J.Med.Chem.」(34、1176−1184、1991年),“A−環側鎖置換基を削除し、可変C−2’立体配置を持つ生物学的活性なタキソル類縁体”参照]。これらの修飾は一部分、一定化合物に対する有効濃度としてチューブリン重合効力の発現をもたらす。この方法の場合、重合緩衝剤(0.1M−MES、1mM−EGTA,0.5mM−MgCl,pH6.6)中の異なる濃度の化合物を、Beckman(ベックマン・インストルメンツ)Model DU 7400 UV分光光度計のミクロキューベット・ウェルにおける、37℃の重合緩衝剤中のチューブリンに加える。微小管の最終たんぱく濃度1.0mg/ml、および一般的化合物濃度2.5,5.0および10μMを用いる。10秒毎に測定したOD変化の初期傾斜度は、少なくとも3つの時間ポイントを含む直線領域の初期および最終時間をマニュアルで規定した後、該器具に添えたプログラムによって算出する。これらの条件下で、直線分散は一般に、<10−6、傾斜度は0.03〜0.002吸光度単位/分の範囲、および最大吸光度は0.15吸光度単位である。有効濃度(EC0.01)は、0.01OD/分速度の初期傾斜度を誘発しうる補間濃度で規定し、かつ下記式を用いて算出する。
EC0.01=濃度/傾斜度
EC0.01値は、3つの異なる濃度から得られる標準偏差を持つ平均で表示する。本発明における化合物のEC0.01値は、0.01〜1000μMの範囲にある。
【0052】
細胞毒性(インビトロ)
細胞毒性は、T.L.Rissらの「Mol.Biol.Cell」(3増補版、184a、1992年),“インビトロ増殖および化学的感受性アッセイに対するMTT,XTTと新規テトラゾリウム化合物MTSの比較”に記載のMTS[3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルフェニル)−2H−テトラゾリウム,内部塩]アッセイにより、HCT−116ヒト結腸癌腫細胞において評価する。細胞を96ウェルのミクロ力価プレートにおいて4000細胞/ウェルで設置し、24時間後に薬物を加え、希釈する。細胞を37℃で72時間培養し、このとき、333μg/ml(最終濃度)のテトラゾリウム色素,MTSを、25μM(最終濃度)の電子カップリング剤,フェナジン・メトスルフェートといっしょに加える。生存細胞における脱水素酵素はMTSを、分光光度計で定量できる492nMにて光を吸収する形状まで還元する。吸光度が大きくなればなるほど、生存細胞の数が増大する。結果は、細胞増殖(すなわち、450nMでの吸光度)を未処理対照細胞のそれの50%まで抑制するのに必要な薬物濃度である、IC50で表示する。本発明における化合物のIC50値は、0.01〜1000nMの範囲にある。
次に実施例を挙げて、本発明を説明する。
【実施例1】
【0053】
【化33】

[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13(E)−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン
【0054】
A.N−[(2−メチル)−1−プロペニル]モルホリン
攪拌モルホリン(165.5g、1.9モル)に、反応温度が30℃を越えない速度でイソブチルアルデヒド(173ml、1.9モル)を加える。添加終了後、反応混合物を室温で2h(時間)攪拌し、次いでフラスコにディーン−スターク(Dean−Stark)トラップを取付け、160℃で20h加熱する。次いで反応混合物を室温まで冷却し、フラスコにビグロー・カラム蒸留装置を取付ける。高減圧下で蒸留を行い、135g(50%)の化合物Aを透明無色油状物で得る。MS(M+H、142)。
【0055】
B.2,2−ジメチル−3−オキソペンタナール
エーテル(135ml)中の塩化プロピオニル(44ml、0.50モル)の攪拌溶液に窒素下0℃にて、化合物A(69g、0.50モル)/エーテル(135ml)溶液を45分にわたって加える。添加終了後、反応混合物を還流下で2h攪拌し、次いで室温で16h攪拌する。反応混合物を濾過し、濾過ケーキをエーテル(50ml)で洗う。揮発分を減圧除去する。残渣をHO(80ml)に溶かし、溶液をpH4に調整する。エーテル(80ml)を加え、二相混合物を16h攪拌する。反応混合物を分液漏斗に注ぎ、各層を分離し、水性層をエーテル(100ml×5)で抽出する。コンバインした有機物質を乾燥(MgSO)し、濾過し、減圧蒸発する。残渣を高減圧下で蒸留して、10.4g(16%)の化合物Bを透明無色油状物で得る。MS(M−H、127)。
【0056】
C.4−t−ブチルジメチルシリルオキシ−5,5−ジメチル−6−オキソ−1−オクテン
(−)−B−メトキシジイソピノカンフェニルボラン(25.7g、81ミリモル)/エーテル(80ml)溶液に窒素下0℃にて、1.0Mアリルマグネシウム・ブロミド/エーテル(77ml、77ミリモル)を1.5hにわたって加える。反応混合物を25℃で1h攪拌し、次いで減圧濃縮する。残渣をペンタン(150ml×2)で抽出し、抽出物を窒素下セライト(Celite)で濾過する。次いでコンバインした抽出物を減圧蒸発して、B−アリルジイソピノカンフェニルボランを得る。この物質をエーテル(200ml)に溶かし、窒素下で−100℃に冷却する。次いで化合物B(11.42g、89ミリモル)/エーテル(90ml)溶液を−78℃で1hにわたり加える。反応混合物をさらに0.5h攪拌し、メタノール(1.5ml)を加える。反応混合物を室温にし、3N−NaOH(32ml)および30%H(64ml)で処理し、次いで2h還流下に保持する。反応混合物を室温まで冷却し、各層を分離し、有機相をHO(500ml)で洗う。コンバインした水性洗液をエーテル(100ml×2)で再抽出する。コンバインした有機抽出物を飽和水性NaCl(100ml)で洗い、乾燥(MgSO)し、濾過し、減圧濃縮する。この残渣をCHCl(250ml)に溶かし、0℃まで冷却し、ジイソプロピルエチルアミン(93ml、535ミリモル)を加える。次いで攪拌溶液に、温度が10℃以上にならないようにゆっくりと、t−ブチルジメチルシリル・トリフルオロメタンスルホネート(69g、260ミリモル)を加える。添加終了後、反応混合物をHO(650ml)に注ぎ、各層を分離し、水性層をCHCl(650ml×2)で抽出する。コンバインした有機物質を乾燥(NaSO)し、濾過し、減圧濃縮する。残渣をヘキサン、次いで10%EtOAc/ヘキサンで溶離するフラッシュクロマトグラフィーで精製し、17.2g(78%)の化合物Cを透明無色油状物で得る。アルコールのMosherエステルのH−NMR分析で測定すると、エナンチオマー過剰は94%であった。
13C−NMR(CDCl、80MHz):δ215.8、136.1、116.5、52.8、39.0、31.9、26.0、22.4、20.1、18.1、7.6、−3.6、−4.4
【0057】
D.3−t−ブチルジメチルシロキシ−4,4−ジメチル−5−オキソヘプタナール
化合物C(10.8g、38.0ミリモル)/CHCl溶液に−78℃で、溶液がブルーの状態になるまで(1h)Oを吹き込む。次いでOを15分間吹き込んだ後、Nを30分間吹き込むと、溶液は透明になる。次いでトリフェニルホスフィン(10g、38ミリモル)を加え、反応混合物を−35℃に加温し、16h貯蔵する。揮発分を減圧除去し、残渣を8%EtOAc/ヘキサンで溶離するフラッシュクロマトグラフィーで精製し、8.9g(74%)の化合物Dを透明無色油状物で得る。
H−NMR(CDCl、300MHz):δ9.75(m,1H)、4.53(t,J=4.8Hz、1H)、3.40−3.60(m,4H)、1.10(s,3H)、1.07(s,3H)、0.98(t,J=7.0Hz,3H)、0.83(s,9H)、0.07(s,3H)、0.04(s,3H)
【0058】
E.3−t−ブチルジメチルシロキシ−4,4−ジメチル−5−オキソヘプタン酸
化合物D(3.90g、13.6ミリモル)/t−ブタノール(75ml)溶液に、2−メチル−2−ブテン(5.85ml、55.2ミリモル)を加え、次いで亜塩素酸ナトリウム(4.61g、40.8ミリモル)および一塩基性リン酸ナトリウム(2.81g、20.4ミリモル)/HO(15ml)溶液を室温で滴下する。反応混合物を0.5h攪拌し、次いで溶媒を減圧除去する。残渣にHO(150ml)を加えた後、EtOAc(150ml×3)で抽出する。コンバインした有機抽出物を乾燥(MgSO)し、濾過し、揮発分を減圧除去する。残渣を20%EtOAc/ヘキサン/1%AcOHで溶離するフラッシュクロマトグラフィーで精製して、3.79g(92%)の化合物Eを透明無色の粘稠油状物で得る。MS(M+H、303)。
【0059】
F.(R,R)−N−(2−ヒドロキシ−1−メチル−2−フェネチル)−N,2−(S)−ジメチル−6−ヘプテンアミド
THF(70ml)中のLiCl(6.9g、0.16モル)および予め調製したジイソプロピルアミド・リチウム[アルドリッチ(Aldrich)、ヘプタン/エチルベンゼン/THF中2.0M溶液、27.6ml、55ミリモル]の懸濁液を−78℃にて、THF(30ml)中の(R,R)−N−(2−ヒドロキシ−1−メチル−2−フェニルエチル)−N−メチル・プロピオンアミド[6.0g、27ミリモル、Meyers A.G.らの「J.Am.Chem.Soc.」(116、9361、1994年)]の溶液で10分にわたり滴下処理する。明黄色の反応混合物を−78℃で1h、0℃で15分間、25℃で5分間攪拌した後、0℃まで再冷却し、5−ブロモ−1−ペンテン(4.8ml、40ミリモル)/THF(5ml)溶液で処理する。反応混合物を0℃で24h攪拌し、飽和水性NH4Cl(100ml)およびEtOAc(100ml)に注ぐ。二相を分離し、水性相をさらにEtOAc(100ml×3)で抽出する。有機抽出物をコンバインし、飽和水性NaCl(200ml)で洗い、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、4.0×25cm、2%MeOH/CHCl)を行って、化合物F(6.9g、88%)を淡黄色油状物で得る。MS(ESI):290(M+H)、MS(ESI):288.2(M−H)
【0060】
G.(S)−2−メチル−6−ヘプテノール
250ml丸底フラスコに0℃で、ピロリジン(2.6ml、30ミリモル)とBH/THF錯体(THF中1.0M、31ml、30ミリモル)を連続して入れる。ボラン−ピロリジン錯体を25℃に加温し(1h)、再び0℃まで冷却し、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、19ml、30ミリモル)で30分にわたり滴下処理し、その間、内部温度を注意して5.5℃以下に維持する。反応混合物を0℃でさらに30分間攪拌してから、化合物F(3.0g、10ミリモル)/THF(23ml)溶液を10分にわたって滴下する。反応混合物を25℃で6h攪拌してから水性3N−HCl(25ml)を滴下して反応を抑える。次いで反応混合物を水性1N−HCl(200ml)に注ぎ、EtO(80ml×4)で抽出する。コンバインした有機物質を飽和水性NaCl/水性1N−HClの1:1溶液(150ml×2)で洗い、減圧濃縮する。残渣にNaOH水溶液(1N、200ml)を加え、懸濁液を30分間攪拌する。混合物をEtO(100ml×3)で抽出し、コンバインしたエーテル層を飽和水性NaCl/水性1N−NaOHの1:1溶液(200ml×2)で洗い、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、4.0×25cm、15−20%EtO/ペンタン勾配溶離)を行って、化合物G(1.26g、95%)を無色油状物で得る。[α]25=−11°(C=12、CHCl)。
【0061】
H.(S)−2−メチル−6−ヘプテナール
化合物G(0.24g、1.9ミリモル)/CHCl(6ml)溶液を、ピリジニウム・クロロクロメート(0.61g、2.8ミリモル)で処理し、反応混合物を25℃で5h攪拌する。得られる暗褐色粘稠スラリーを、シリカゲル−セライト・プラグ(SiOの表面にセライト1.0×1cm、1.0×5cm、50mlのCHClで溶離)に通す。溶媒を減圧除去して、粗化合物H(0.15g、63%)を無色油状物で得、これは次反応に用いるのに十分純粋であった。
H−NMR(300MHz、CD2Cl):δ9.62(s,1H)、5.88−5.68(m,1H)、5.13−4.92(m,2H)、2.37−2.24(m,1H)、2.15−2.05(m,2H)、1.62−1.78(m,1H)、1.51−1.32(m,3H)、1.07(d,3H、J=7.0Hz)
【0062】
I.(3S,6R,7S,8S)−3−t−ブチルジメチルシロキシ−4,4,6,8−テトラメチル−7−ヒドロキシ−5−オキソ−12−トリデセン酸
THF(25ml)中の予め調製したLDA溶液(アルドリッチ、ヘプタン/エチルベンゼン/THF中2.0M溶液、3.8ml、7.6ミリモル)に−78℃で、化合物E(1.0g、3.4ミリモル)/THF(5ml)溶液を3分にわたって滴下する。反応混合物を−78℃で10分間攪拌し、−40℃に加温し(20分)、再度−78℃に冷却してから、化合物H(0.56g、4.4ミリモル)/THF(5ml)を加える。反応混合物を−40℃に加温し、1h攪拌し、飽和水性NH4Cl(50ml)で希釈する。二層を分離し、水性相をEtOAc(50ml×4)で抽出する。コンバインした有機層を飽和水性NaCl(100ml)で洗い、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、2.5×20cm、2〜5%MeOH/CHCl勾配溶離)、次いでHPLC(YMC S−10、ODS、30×500mmカラム、20ml/分の流速にてMeOHで溶離)を行って、所望のsyn−アルドール生成物の化合物I(0.60g、43%)および望ましくないジアステレオマー(0.32g、22%)を出発化合物E(〜10%)といっしょに得る。
MS(ESI):879.3(2M+Na)、451.2(M+Na)、429.2(M+H)、MS(ESI):427.3(M−H)
次のエステル誘導体(エポチロンCの合成に使用)の13C−およびH−NMRをK.C.Nicolaouらの「Angew. Chem.Int.Ed.Engl.」(36、166、1997年)に前もって記載されている同じ中間体と直接比較することにより、立体化学を確認した。
【0063】
J.(S)−2−[N−[(t−ブチルオキシ)カルボニル]アミノ]−4−ペンテン酸
L−2−アミノ−4−ペンテン酸(ノバビオケム(NovaBiochem、3.0g、26ミリモル)/THF−HO(1:1、200ml)溶液を0℃にて、NaHCO(6.6g、78ミリモル)およびジ−t−ブチルジカーボネート(10.4g、1.8ミリモル)で連続して処理する。反応混合物を25℃に加温し、16h攪拌する。混合物に飽和水性クエン酸を0℃にて注意深く加えて、pH4に調整し、混合物をEtOAc(50ml×4)で抽出する。コンバインした有機層を飽和水性NaCl(75ml)で洗い、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、4.0×6cm、5〜10%MeOH/CHCl勾配溶離)を行って、化合物J(5.5g、99%)を無色油状物で得る。MS(ESI):429.3(2M−H)、214.1(M−H)
【0064】
K.(S)−2−[N−[(t−ブチルオキシ)カルボニル]アミノ]−N−メトキシ−N−メチル−4−ペンテンアミド
化合物J(2.9g、13ミリモル)/CHCl(55ml)溶液を0℃にて、N,O−ジメチルヒドロキシアミン塩酸塩(1.4g、15ミリモル)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.0g、15ミリモル)、4−メチルモルホリン(4.4ml、40ミリモル)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(3.4g、18ミリモル)で連続して処理する。反応混合物を25℃まで徐々に加温し、16h攪拌し、HO(100ml)で希釈する。二層を分離し、水性相をEtOAc(75ml×3)で抽出する。コンバインした有機相を水性5%HCl(100ml)、飽和水性NaHCO(100ml)、飽和水性NaCl(100ml)で洗い、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、3.0×20cm、25〜50%EtOAc/ヘキサン勾配溶離)を行って、化合物K(2.5g、71%)を無色油状物で得る。MS(ESI):258.9(M+H)、202.9(M−イソブチレン)、158.9(M−BOC)、MS(ESI):257.2(M−H)
【0065】
L.(S)−3−[N−[(t−ブチルオキシ)カルボニル]アミノ]−5−ヘキセン−2−オン
化合物K(2.5g、1.0ミリモル)/THF(65ml)溶液を0℃にて、メチルマグネシウム・ブロミド(EtO中3.0M、8.1ml、2.4ミリモル)で処理する。反応混合物を0℃で2.5h攪拌し、これを飽和水性NH4Cl(100ml)に注意して注ぐ。二層を分離し、水性相をEtOAc(75ml×3)で抽出する。コンバインした有機抽出物を飽和水性NH4Cl(75ml)、HO(75ml)、飽和水性NaCl(75ml)で洗い、乾燥(MgSO)し、減圧濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、3.0×20cm、10〜25%EtOAc/ヘキサン勾配溶離)を行って、(S)−2−[N−[(t−ブチルオキシ)カルボニル]アミノ]−5−ヘキセン−2−オン(2.2g、67%)を無色油状物で得る。MS(ESI):213.9(M+H)、157.9(M−イソブチレン)、113.9(M−BOC)、MS(ESI):212.2(M−H)
【0066】
M.(S)−4−[3−[N−[(t−ブチルオキシ)カルボニル]アミノ]−2−メチル−1(E),5−ヘキサジエニル]−2−メチルチアゾール
THF(38ml)中の2−メチル−4−チアゾリルメチル・ジフェニルホスフィン・オキシド[2.5g、8.0ミリモル、Danishefskyらの「J.Org.Chem.」(61、7998、1996年)]の溶液を−78℃にて、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、5.2ml、8.4ミリモル)で5分にわたって滴下処理する。得られる鮮明なオレンジ色混合物を−78℃で15分間攪拌し、化合物L(0.81g、3.8ミリモル)/THF(5ml)溶液で処理する。−78℃で10分後、冷却浴を取除き、反応混合物を25℃まで加温せしめる(2h)。混合物を飽和水性NH4Cl(50ml)に注ぎ、二層を分離する。水性相をEtO(50ml×3)で抽出し、コンバインした有機抽出物をHO(75ml)、飽和水性NaHCO(75ml)、飽和水性NaCl(75ml)で連続して洗い、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、4.0×30cm、10〜20%EtOAc/ヘキサン勾配溶離)を行って、無色油状物の化合物M(0.23g、18%)を回収する出発ケトン(20〜30%)と共に得る。MS(ESI):309.1(M+H)、253.0(M−イソブチレン)、MS(ESI):307.3(M−H)
【0067】
N.(S)−4−(3−アミノ−2−メチル−1(E),5−ヘキサジエニル)−2−メチルチアゾール
化合物M(0.15g、0.49ミリモル)を、Ar下0℃にて4.0N−HCl/1,4−ジオキサン(5ml)で処理する。揮発分を減圧除去し、得られる白色泡状物を冷飽和水性NaHCO(3ml)に溶解する。溶液をEtOAc(10ml×4)で抽出し、コンバインしたEtOAc層を乾燥(NaSO)し、減圧濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、1.0×5cm、5〜10%MeOH/CHCl勾配溶離)を行って、化合物N(88mg、88%)を無色油状物で得る。MS(ESI):209.0(M+H)、MS(ESI):207.2(M−H)
【0068】
O.(3S,6R,7S,8S)−N−(S)−[1−(2−メチル−4−チアゾリル)−2−メチル−1(E),5−ヘキサジエン−3−イル]−3−t−ブチルジメチルシロキシ−4,4,6,8−テトラメチル−7−ヒドロキシ−5−オキソ−12−トリデセンアミド
化合物M(88mg、0.42ミリモル)/DMF(1.3ml)溶液を0℃にて、化合物I(0.15g、0.35ミリモル)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(49mg、0.36ミリモル)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.10g、0.52ミリモル)で連続して処理する。反応混合物を25℃まで徐々に加温し、15h攪拌し、HO(3ml)で希釈する。混合物をEtOAc(10ml×3)で抽出し、コンバインした有機相を水性5%HCl(10ml)、飽和水性NaHCO(10ml)、飽和水性NaCl(10ml)で洗い、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、1.5×20cm、2.5%MeOH/CHCl)を行い、化合物O(0.17g、77%)を白色泡状物で得る。MS(ESI):619.3(M+H)
【0069】
P.[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4−t−ブチルジメチルシロキシ−8−ヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13(E)−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン
脱泡ベンゼン(8.0ml)中の化合物O(17mg、27ミリモル)の溶液を、Ar下Grubb触媒[ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリジン・ルテニウム・ジクロリド、ストレム・ケミカルズ、11mg、14ミリモル]で処理する。反応混合物を25℃で15h攪拌し、再度、別途量の触媒(5.0mg、4.5ミリモル)で処理する。さらに7時間後、ベンゼンを減圧除去し、黒色粘稠残渣をシリカゲルパッド(1.0×3cm)に通し、EtO(25ml)で溶離する。溶出液を減圧濃縮して、分離しうる幾何異性体の5:1(E/Z)混合物を得る。PTLC(SiO、1mmプレート、ヘキサン/トルエン/酢酸エチル(1:1:1)の溶液で2回溶離)を行って、E−異性体化合物P(5.1mg、34%)および対応するZ−異性体(1.0mg、6.7%)を得る。
化合物Pの場合:
MS(ESI):1181.7(2M+H)、591.4(M+H)
Z−異性体の場合:
MS(ESI):1181.5(2M+H)、613.2(M+Na)、591.2(M+H)、MS(ESI):589.3(M−H)
【0070】
Q.[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13(E)−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン
化合物P(2.3mg、3.9ミリモル)/CHCl(0.4ml)を入れた1ドラムバイアルに0℃にて、トリフルオロ酢酸(0.1ml)を加える。反応混合物をArのブランケット下でシールし、0℃で攪拌する。4h後、一定流のAr下0℃にて、揮発分を除去する。残渣に飽和水性NaHCO(1ml)およびEtOAc(1ml)を加え、二層を分離する。水性相をEtOAc(1ml×4)で抽出し、コンバインしたEtOAc層を乾燥(NaSO)し、減圧濃縮する。PTLC(SiO、20×10×0.025cm、5%MeOH/CHClで溶離)を行って、[4S−[4R,7S,8S,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13(E)−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン(1.3mg、68%)を白色膜(film)で得る。MS(ESI):953.5(2M+H)、477.3(M+H)、MS(ESI):475.5(M−H)
【実施例2】
【0071】
前記の詳細な説明での反応式に従い、下記に示す化合物を製造することができる。
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,13,17−トリオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,13,17−トリオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1,10−ジオキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1,10−ジオキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,14,17−トリオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,14,17−トリオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1,11−ジオキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1,11−ジオキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−9−オン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−9−オン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−3,8,8,10,12,16−ヘキサメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−3,8,8,10,12−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13,16−ヘキサメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,16−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−6,8,8,10,12,16−ヘキサメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−6,8,8,10,12−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−4,8,8,10,12,16−ヘキサメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4−アザ−17−オキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−4,8,8,10,12−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4−アザ−17−オキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−1,5,5,7,9,13−ヘキサメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−1,5,5,7,9−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−13−アザ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−13−アザ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−10−アザ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−10−アザ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−14−アザ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−14−アザ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−11−アザ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−11−アザ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R,3R,7R,10S,11R,12R,16S]]−N−フェニル−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−5,9−ジオキソ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−3−カルボキサミド;
[1S−[1R,3R,7R,10S,11R,12R,16S]]−N−フェニル−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−5,9−ジオキソ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−3−カルボキサミド;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R]]−N−フェニル−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−2,6−ジオキソ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−16−カルボキサミド;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R]]−N−フェニル−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−2,6−ジオキソ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−16−カルボキサミド;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)シクロプロピル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)シクロプロピル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
【実施例3】
【0072】
【化34】

[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4−アザ−17−オキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン
【0073】
A.(3S,6R,7S,8S,12R,13S,15S)−15−アジド−12,13−エポキシ−4,4,6,8,12,16−ヘキサメチル−7−ヒドロキシ−17−(2−メチル−4−チアゾリル)−5−オキソ−16−ヘプタデセン酸
エポチロンB(0.35g、0.69ミリモル)/脱泡THF(4.5ml)溶液を、触媒量(80mg、69ミリモル)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(o)で処理し、懸濁液をAr下25℃で30分間攪拌する。得られる明黄色均質溶液を、ナトリウム・アジド(54mg、0.83ミリモル)/脱泡HO(2.2ml)溶液で一度に処理する。反応混合物を45℃まで1h加温し、HO(5ml)で希釈し、EtOAc(7ml×4)で抽出する。有機抽出物を飽和水性NaCl(15ml)で洗い、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、3.0×15cm、CHCl/MeOH/AcOH=95:5.0:0.5)で精製して、化合物A(0.23g、61%)を無色油状物で得る。MS(ESI):551(M+H)、MS(ESI):549(M−H)
【0074】
B.(3S,6R,7S,8S,12R,13S,15S)−15−アミノ−12,13−エポキシ−4,4,6,8,12,16−ヘキサメチル−7−ヒドロキシ−17−(2−メチル−4−チアゾリル)−5−オキソ−16−ヘプタデセン酸
化合物A(0.23g、0.42ミリモル)/THF(4.0ml)溶液を、HO(23ml、1.25ミリモル)およびトリフェニルホスフィンを支持した重合体(アルドリッチ、2%DVBで架橋したポリスチレン、0.28g、0.84ミリモル)で25℃にて処理する。得られる懸濁液をAr下25℃で攪拌し(32h)、セライトパッドで濾過し、減圧濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、1.5×10cm、CHCl/MeOH/AcOH=95:5.0:0.5〜90:10:1.0の勾配溶離)で精製して、化合物B(96mg、44%)を無色油状物で得る。MS(ESI):525.2(M+H)、MS(ESI):523.4(M−H)
別法として、化合物A(0.26g、0.47ミリモル)およびPtO(0.13g、50重量%)を入れた25ml丸底フラスコに、Ar下無水EtOHを加える。得られる黒色混合物を1気圧のH下で10h攪拌した後、系をNでパージし、追加のPtO(65mg、25重量%)を加える。もう一度、反応混合物をHのブランケット下で10h攪拌する。次いで系をNでパージし、反応混合物をセライトパッドで濾過し、CHCl(25ml×3)で溶離する。溶媒を減圧除去し、残渣を上記の如く精製して、化合物B(0.19g、75%)を得る。
別法として、化合物A(20mg、36ミリモル)/THF(0.4ml)溶液を、Ar下トリフェニルホスフィン(19mg、73ミリモル)で処理する。反応混合物を45℃まで加温し、14h攪拌し、25℃まで冷却する。得られるイミノホスホランを水酸化アンモニウム(28%、0.1ml)で処理し、もう一度、反応混合物を45℃まで加温する。4h後、揮発分を減圧除去し、残渣を上記の如く精製して、化合物B(13mg、70%)を得る。
【0075】
C.[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4−アザ−17−オキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン
化合物B(0.33g、0.63ミリモル)/脱泡DMF(250ml)溶液を、Ar下0℃にてNaHCO固体(0.42g、5.0ミリモル)およびジフェニルホスホリル・アジド(0.54ml、2.5ミリモル)で処理する。得られる懸濁液を4℃で24h攪拌し、0℃にてリン酸塩緩衝剤(250ml、pH=7)で希釈し、EtOAc(100ml×5)で抽出する。有機抽出物を10%水性LiCl(125ml×2)で洗い、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮する。残渣を最初に、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、2.0×10cm、2〜5%MeOH/CHCl勾配溶離)で精製し、次いでクロマトロン(Chromatoron)(2mmSiO、GFロータ、2〜5%MeOH/CHCl勾配溶離)を用いて再精製し、標記化合物(0.13g、40%)を無色油状物で得る。
H−NMR(CDCl、400MHz):δ6.98(s,1H)、6.71(d,1H、NH,J=8.1Hz)、6.56(s,1H)、4.69−4.62(m,1H)、4.18−4.12(m,1H)、4.01−3.96(m,1H)、3.86(s,1H)、3.38−3.34(m,1H)、2.82(dd,1H、J=5.6、6.0Hz)、2.71(s,3H)、2.58(s,1H)、2.43(dd,1H、J=9.0、14.5Hz)、2.14(s,3H)、2.05−1.92(m,2H)、1.82−1.41(一連の多重、7H)、1.35(s,3H)、1.28(s,3H)、1.18(d,3H、J=6.8Hz)、1.14(s,3H)、1.00(d,3H、J=6.8Hz)
MS(ESI):507.2(M+H)、MS(ESI):505.4(M−H)
【実施例4】
【0076】
エポチロンおよびエポチロン誘導体のオキシラン環の還元法
二首フラスコに、マグネシウム削り片(24mg、1.0ミリモル)を入れる。フラスコを減圧下で火炎乾燥し、アルゴン下で冷却する。ビス(シクロペンタジエニル)チタニウム・ジクロリド(250mg、1.0ミリモル)を加えた後、無水THF(5ml)を加える。攪拌懸濁液を低減圧で排気し、再度、反応フラスコにアルゴンを充填する。赤色懸濁液は黒色となり、マグネシウム金属のほぼ全てが消失すると共に1.5h後に均質深緑色に変化した。アリコート(3.5ml、0.70ミリモル、3.5当量)を取出し、アルゴン下で−78℃に冷却する。この溶液にエポチロンA(99mg、0.20ミリモル、1.0当量)を加える。反応混合物を室温まで加温し、15分間攪拌する。揮発分を減圧除去し、残渣をシリカ(25g)にて、35%EtOAc/ヘキサンで溶離するクロマトグラフィーに2回付し、76mg(80%)のエポチロンCを淡黄色粘稠油状物で得る。
【実施例5】
【0077】
【化35】

[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4−アザ−17−オキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン
【0078】
A.(3S,6R,7S,8S,12R,13S,15S)−15−アジド−3,7−ジヒドロキシ−12,13−エポキシ−4,4,6,8,16−ペンタメチル−17−(2−メチル−4−チアゾリル)−5−オキソ−16(E)−ヘプタデセン酸
エポチロンA(4.97g、10.1ミリモル、1.0当量)/脱泡THF(100ml)溶液に室温にて、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(o)(1.17g、1.01ミリモル、0.10当量)を加え、アルゴン下で30分間攪拌する。この反応混合物に、ナトリウム・アジド(0.980g、15.1ミリモル、1.5当量)を加えた後、脱泡水(10ml)を加える。反応混合物を45℃に1時間加熱し、室温まで冷却し、酢酸エチル(300ml)で希釈し、さらに水(150ml)で希釈する。水性層を酢酸エチル(100ml×3)で抽出する。コンバインした有機抽出物を塩水(150ml)で洗い、乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、減圧濃縮する。油状残渣をフラッシュシリカゲル・クロマトグラフィー(0.1%酢酸含有の0〜5%メタノール/クロロホルムで溶離)で精製して、化合物A(1.84g、収率34.0%)をガラス状固体で得る。MS(ESI):537(M+H)、MS(ESI):535(M−H)
【0079】
B.(3S,6R,7S,8S,12R,13S,15S)−15−アミノ−3,7−ジヒドロキシ−12,13−エポキシ−4,4,6,8,16−ペンタメチル−17−(2−メチル−4−チアゾリル)−5−オキソ−16(E)−ヘプタデセン酸
化合物A(1.85g、3.44ミリモル、1.0当量)/無水エタノール(137ml)溶液に、酸化プラチナ(0.980g、4.30ミリモル、1.25当量)を加える。反応混合物を水素バルーン下室温にて16時間激しく攪拌する。反応混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮する。油状残渣を分取HPLC(YMC S−15ODS 50×500mmカラム、45分/勾配、0〜100%B、50ml/分、保持時間=17分、A=0.1%酢酸/5%アセトニトリル/95%水、B=0.1%酢酸/5%水/95%アセトニトリル)で精製する。適切な画分を減圧濃縮し、残渣を水性アセトニトリルから凍結乾燥して、化合物B(1.33g、収率76.0%)を無水固体で得る。MS(ESI):511(M+H)、MS(ESI):509(M−H)
【0080】
C.[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4−アザ−17−オキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン
化合物B(0.860g、1.68ミリモル、1.0当量)を無水DMF(0.00250M、672ml)に溶解し、室温で1時間脱泡する。溶液を0℃に冷却し、アルゴン下無水重炭酸ナトリウム(1.13g、13.4ミリモル、4.0当量)およびジフェニルホスホリル・アジド(1.85g、6.72ミリモル、8.0当量)を加える。反応混合物をアルゴン下で4℃に保持し、16時間攪拌する。次いで反応混合物を−60℃に冷却し、pH7リン酸塩緩衝剤(400ml)をゆっくり加えて、反応を抑える。温度を−30℃以下に保持する。この混合物を室温までゆっくりと加温せしめ、酢酸エチル(1リットル)で抽出する。水性層を酢酸エチル(300ml×4)で洗う。有機抽出物をコンバインし、10%LiCl(500ml)で洗い、乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、減圧濃縮する。油状残渣を分取HPLC(YMC S−15 ODS 50×500mmカラム、45分/勾配、0〜100%B、50ml/分、保持時間=35分、A=5%アセトニトリル/95%水、B=5%水/95%アセトニトリル)で精製する。適切な画分を減圧濃縮し、残渣を水性アセトニトリルから凍結乾燥して、標記化合物(0.220g、収率26.0%)を無色固体で得る。MS(ESI):493(M+H)、MS(ESI):491(M−H)
【実施例6】
【0081】
【化36】

[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13(Z)−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン
六塩化タングステン(0.19g、0.49ミリモル、0.5当量)をTHF(5.0ml)に溶解し、溶液を−78℃に冷却する。n−ブチルリチウム/ヘキサン(1.6M、0.63ml、1.0ミリモル、1.0当量)を一度に加え、反応混合物を20分にわたり室温まで加温せしめる(室温まで加温すると、溶液は暗緑色に変色した)。化合物4C(0.020g、0.39ミリモル、1.0当量)に室温にて、調製したタングステン試薬(0.79ml、0.079ミリモル、2.0当量)を加える。反応混合物を室温で30分間攪拌し、次いで飽和NaHCO(2.0ml)で反応を抑える。反応を抑えた溶液を水(10ml)で希釈し、溶液をCHCl(20ml×4)で抽出する。コンバインした有機抽出物を乾燥(NaSO)し、濾過し、減圧濃縮する。残渣をシリカゲルプラグに通して(CHCl/MeOH=19:1で溶離)、無機物質を除去する。溶出液を減圧濃縮する。残渣をHPLC(YMC S5 ODS、30〜100%B、A=5%水性CHCN、B=95%水性CHCN、3ml/分、220nm、30分勾配)で精製し、適切な画分を減圧濃縮する。粘着性固体を水性アセトニトリルから凍結乾燥して、標記化合物を白色固体で得る。
TLC:Rf=0.57(CHCl/MeOH=9:1、UVで可視化)、HRMS:(M+H),計算値=491.29436、実測値=491.2934。
【実施例7】
【0082】
【化37】

[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−ヒドロキシメチル−4−チアゾリル)エテニル]−4−アザ−17−オキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン
【0083】
A.[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン・N−オキシド
【化38】

エポチロンB(2.0g、3.9ミリモル)/CHCl(30ml)溶液を、アルゴン下25℃にて3−クロロパーオキシ安息香酸(1.0g、5.9ミリモル)で2h処理する。さらに0.5g(3.0ミリモル)の3−クロロパーオキシ安息香酸を加え、反応混合物を2h攪拌する。反応混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮する。残渣をEtOAc(100ml)に溶解し、飽和水性NaHCO(75ml)、5%水性NaSO(75ml)、HO(75ml)で洗い、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、4.5×30cm、2〜10%MeOH/CHCl勾配溶離)で精製して、化合物A(1.04g、50%)を白色固体で得る。MS(ESI):524.3(M+H)、MS(ESI):522.5(M−H)
【0084】
B.[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−ヒドロキシメチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン[エポチロンF]
【化39】

再シール可能チューブの化合物A(0.46g、0.88ミリモル)/CHCl(10ml)溶液に、Ar下2,6−ルチジン(0.82ml、7.0ミリモル)および無水トリフルオロ酢酸(0.87ml、6.2ミリモル)を加える。反応容器をAr下でシールし、75℃に加熱し(12分)、25℃に冷却し、揮発分を一定流のN下で除去する。次いで反応チューブを高減圧ポンプに15分間置く。得られる残渣をMeOH(10ml)に溶解し、水酸化アンモニウム(28〜30%NH4/HO、1.0ml)で処理する。混合物を45℃に加熱し(10分)、揮発分を減圧除去する。粗反応混合物をHPLC(YMC S−15 ODS30×500mmカラム、50%アセトニトリル/HO、等張条件、流速=20ml/分、保持時間=28分)で精製する。適切な画分を減圧濃縮し、残渣を水性アセトニトリルから凍結乾燥して、化合物B(0.22g、48%)を白色固体で得る。MS(ESI):524.3(M+H)、1047.6(2M+H)、MS(ESI):522.5(M−H)
【0085】
C.(3S,6R,7S,8S,12R,13S,15S)−15−アジド−3,7−ジヒドロキシ−12,13−エポキシ−4,4,6,8,12,16−ヘキサメチル−17−(2−ヒドロキシメチル−4−チアゾリル)−5−オキソ−16(E)−ヘプタデセン酸
【化40】

化合物B(0.18g、0.34ミリモル)/脱泡THF(3.0ml)溶液を、触媒量(40mg、3.4×10−2ミリモル)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(o)で処理し、懸濁液をAr下25℃で30分間攪拌する。得られる明黄色均質溶液を、ナトリウム・アジド(27mg、0.41ミリモル)/脱泡HO(1.5ml)溶液で一度に処理する。反応混合物を45℃まで1h加温し、HO(5ml)で希釈し、EtOAc(10ml×4)で抽出する。有機抽出物を飽和水性NaCl(15ml)で洗い、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、2.5×15cm、CHCl/MeOH=95:5〜CHCl/MeOH/AcOH=95:5.0:0.5の勾配溶離)で精製して、化合物C(39mg、20%)を無色油状物で得る。MS(ESI):567.4(M+H)、1133.6(2M+H)、MS(ESI):565.5(M−H)、1131.8(2M−H)
【0086】
D.(3S,6R,7S,8S,12R,13S,15S)−15−アミノ−3,7−ジヒドロキシ−12,13−エポキシ−4,4,6,8,12,16−ヘキサメチル−17−(2−ヒドロキシメチル−4−チアゾリル)−5−オキソ−16(E)−ヘプタデセン酸
【化41】

化合物C(40mg、71ミリモル)とPtO(12mg、30重量%)を入れた10ml丸底フラスコに、Ar下で無水EtOH(3ml)を加える。得られる黒色混合物を、1気圧のH下で10h攪拌する。次いで系をNでパージし、反応混合物をナイロン膜で濾過する(25mlのMeOHで洗う)。溶媒を減圧除去して、化合物D(29mg、76%)を泡状物で得、これは次工程に使用するのに十分純粋であった。LCMS:541.3(M+H)
【0087】
E.[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−ヒドロキシメチル−4−チアゾリル)エテニル]−4−アザ−17−オキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン
【化42】

化合物D(29mg、54ミリモル)/脱泡DMF(21ml)溶液を、Ar下0℃にてNaHCO(36mg、0.43ミリモル)およびジフェニルホスホリル・アジド(46ml、0.21ミリモル)で処理する。得られる懸濁液を4℃で19h攪拌し、−40℃に冷却し、25mlのpH7リン酸塩緩衝剤で希釈し(内部温度が−30℃以下の状態となるように注意して加える)、EtOAc(10ml×4)で抽出する。有機抽出物を冷10%水性LiCl(25ml)で洗い、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮する。残渣をクロマトロン(1mmSiO、GFロータ、2〜5%MeOH/CHCl勾配溶離)を用いて精製し、標記化合物E(9.1mg、34%)を無色油状物で得る。MS(ESI):523.2(M+H)、MS(ESI):521.5(M−H)
【実施例8】
【0088】
【化43】

[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−ヒドロキシメチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13(Z)−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン
【0089】
A.[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(t−ブチルジフェニルシリルオキシメチル−4−チアゾリル)エテニル]−4−アザ−17−オキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン
【化44】

化合物7E(6.8mg、13ミリモル)/CHCl(0.5ml)溶液を、Ar下0℃にてトリエチルアミン(2.7ml、20ミリモル)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(0.2mg、1.3ミリモル)およびt−ブチルジフェニルシリルクロリド(3.7ml、14ミリモル)で処理する。反応混合物を25℃まで徐々に加温し(1h)、0℃に冷却し、飽和水性NaHCO(1ml)を加えて反応を抑え、EtOAc(2ml×4)で抽出する。コンバインした有機抽出物を塩水(5ml)で洗い、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、1.0×5cm、2〜5%MeOH/CHCl勾配溶離)で精製して、化合物A(7.0mg、71%)を無色油状物で得る。MS(ESI):761.5(M+H)、MS(ESI):759.7(M−H)
【0090】
B.[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−ヒドロキシメチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13(Z)−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン
【化45】

塩化タングステン(IV)(0.10g、0.25ミリモル)/無水THF溶液を−78℃にて、Ar下n−BuLi(ヘキサン中1.6M、0.32ml、0.50ミリモル)で処理する。反応混合物を25℃まで40分にわたり加温し、次いで0℃に再冷却する。得られる深緑色均質溶液のアリコート(0.2ml、20ミリモル)を、アルゴン下0℃にて、化合物A(7.0mg、9.2ミリモル)を入れた1ドラムバイアルに加える。反応混合物を25℃まで加温し、30分間攪拌し、飽和水性NaHCO(0.5ml)を加えて反応を抑え、EtOAc(1ml×4)で抽出する。コンバインした有機抽出物を乾燥(NaSO)し、減圧濃縮する。残渣を分取TLC(SiO、20×20×0.025cm、5%MeOH/CHClで溶離)で精製して、少量(<10%)のマイナー(13E)異性体と共に、化合物Bのシリル保護(13Z)異性体の分離できない混合物を得、直ちに次工程で脱保護する。
化合物Bのシリル保護異性体混合物(2.3mg、3.1ミリモル)を、25℃にてHF−ピリジン/THFの0.3mlの緩衝溶液(アルドリッチ・ケミカル・Co.からのTHF/ピリジン/HF−ピリジン=2:1:0.5)で処理する。1h後、反応混合物を飽和水性NaHCO(0.5ml)で中和化し、EtOAc(1ml×4)で抽出する。コンバインした有機抽出物を飽和水性NaHCO(1ml)で洗い、乾燥(NaSO)し、揮発分を減圧除去する。残渣を分取TLC(SiO、20×10×0.025cm、5%MeOH/CHClで溶離)で精製して、分離できない量(<10%)のマイナー(13E)異性体と共に、標記化合物(13Z−異性体)を薄膜で得る(0.96mg、2工程に対し20%)。MS(ESI):507.3(M+H)、MS(ESI):505.6(M−H)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

[式中、Qは
【化2】

からなる群から選ばれる;
Gはアルキル、置換アルキル、置換または非置換アリール、ヘテロシクロ、
【化3】

からなる群から選ばれ;
WはOまたはNR15
XはOまたはH,H;
YはO;H,OR16,OR17,OR17;NOR18;H,NOR19;H,NR2021;H,H;またはCHR22からなる群から選ばれ、OR17,OR17は環式ケタールとなりうる;
およびZはCH、O、NR23、SまたはSOからなる群から選ばれ、ここで、ZとZの1つのみがヘテロ原子となりうる;
およびBはOR24、OCOR25またはOCNR2627からなる群から選ばれ、BがHでYがOH,Hのとき、それらは6員環ケタールまたはアセタールを形成しうる;
DはNR2829、NR30COR31または飽和複素環からなる群から選ばれ;
,R,R,R,R,R,R,R13,R14,R18,R19,R20,R21,R22,R26およびR27はH、アルキル、置換アルキルまたはアリールからなる群から選ばれ、RとRがアルキルのとき、共に合してシクロアルキルを形成でき、またRとRがアルキルのとき、共に合してシクロアルキルを形成でき;
,R10,R16,R17,R24,R25およびR31はH、アルキルまたは置換アルキルからなる群から選ばれ;
,R11,R12,R28,R30,R32,R33およびR30はH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロからなる群から選ばれ;
15,R23およびR29はH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロ、R32C=O、R33SO、ヒドロキシ、O−アルキルまたはO−置換アルキルからなる群から選ばれ、但し、
WおよびXが共にO;および
,R,RがH;および
,R,Rがメチル;および
がHまたはメチル;および
およびZがCH;および
Gが1−メチル−2−(置換−4−チアゾリル)エテニル;および
Qは上記と同意義
である場合を除く]
で示される化合物、またはその医薬的に許容しうる塩あるいはその水和物、溶媒化合物もしくは光学異性体、幾何異性体および立体異性体。
【請求項2】
Qが
【化4】

XがO;
YがO;
およびZがCH;および
WがNR15
である請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,13,17−トリオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,13,17−トリオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1,10−ジオキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1,10−ジオキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,14,17−トリオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,14,17−トリオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1,11−ジオキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1,11−ジオキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−9−オン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−9−オン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−3,8,8,10,12,16−ヘキサメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−3,8,8,10,12−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13,16−ヘキサメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,16−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−6,8,8,10,12−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4−アザ−17−オキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4−アザ−17−オキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−4,8,8,10,12,16−ヘキサメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4−アザ−17−オキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−4,8,8,10,12−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−4−アザ−17−オキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−1,5,5,7,9,13−ヘキサメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−1,5,5,7,9−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−13−アザ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−13−アザ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−10−アザ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−10−アザ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−14−アザ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−14−アザ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−11−アザ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−16−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)エテニル]−11−アザ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン;
[1S−[1R,3R,7R,10S,11R,12R,16S]]−N−フェニル−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−5,9−ジオキソ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−3−カルボキサミド;
[1S−[1R,3R,7R,10S,11R,12R,16S]]−N−フェニル−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−5,9−ジオキソ−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−3−カルボキサミド;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R]]−N−フェニル−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−2,6−ジオキソ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−16−カルボキサミド;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R]]−N−フェニル−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9−テトラメチル−2,6−ジオキソ−1−オキサ−13−シクロヘキサデセン−16−カルボキサミド;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)シクロプロピル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12−テトラメチル−3−[1−メチル−2−(2−メチル−4−チアゾリル)シクロプロピル]−4,17−ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン−5,9−ジオン;
[4S−[4R,7S,8R,9R,15R(E)]]−4,8−ジヒドロキシ−5,5,7,9,13−ペンタメチル−16−[1−メチル−2−(2−ヒドロキシメチル−4−チアゾリル)エテニル]−1−アザ−13(Z)−シクロヘキサデセン−2,6−ジオン
からなる群から選ばれる化合物、またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒化合物もしくは水和物。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物の有効量を患者に投与することから成る、患者の癌の処置法。
【請求項5】
請求項1に記載の化合物の有効量を患者に投与することから成る、患者の過剰増殖細胞疾患の処置法。
【請求項6】
患者の抗血管形成効果と付与する方法であって、該処置を必要とする患者に請求項1に記載の化合物の有効量を投与することから成る方法。

【公開番号】特開2007−291121(P2007−291121A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−156260(P2007−156260)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【分割の表示】特願平11−508673の分割
【原出願日】平成10年6月16日(1998.6.16)
【出願人】(391015708)ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー (494)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【Fターム(参考)】